説明

複合型自動開蓋装置

【課題】密封方式が異なる様々な缶や瓶の蓋の開蓋を行なうに、各々専用の開蓋装置を用意する事は不経済であり、収納場所も嵩むなどの不具合が有り、更に一本の出力軸の両端に夫々用途の異なる開蓋機能を持たせた開蓋装置では、一方を適切にすれば他方の能力に過不足を生じる問題も有った。
【解決手段】一個のモータの出力を目的に合った複数の出力軸に対して、夫々目的に合せた歯車列と歯車列の切替手段からなる変速手段を具備し、夫々の出力軸に最適な回転トルクを伝達し、尚且つ切替手段を経由し選択的に一つの出力軸のみを駆動する事で安全性を高め、天吊型とする事で設置場所及び収納場所の節減が実現できた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は缶や瓶の蓋を自動的に開蓋する装置に係わり、特に螺合して開閉するネジ蓋方式の缶や瓶の蓋を回旋して開蓋する回旋開蓋機能のみならず、巻締めして密封する方式の缶蓋を切裂いて開蓋する所謂缶切機能など開蓋全般に好適な複合型自動開蓋装置に関する。
【背景技術】
【0002】
食品や飲料或いは化粧品など幅広い商品の容器として多用される、螺合して開閉するネジ蓋方式の缶や瓶は、人力で開蓋する事が前提であるので、一方の手で容器部を握り他方の手で蓋部を摘み、互いに逆方向に捻って開蓋するのが普通であるが、大部分の商品は工場で生産され機械で閉蓋してある為に、使い始めに封印を切りながら開蓋するか、封印がされていない場合でも、最初は固く閉められていて開け難いのが普通である。然も蓋部は容器部に比べ相対的に薄く小さく出来ている為に摘む範囲も狭く、唯でさえ弱い握力をも充分に活用出来ず、益々開蓋を困難なものにしていた状況に鑑み、例えば特許文献1に見る様な手作業時の補助具が数多く提案されて来たが、特にきつく閉じられた蓋の場合、更に力を入れようとすると、人間工学的に瓶や缶を傾けた状態で掴んで捻ろうとする為、容器部を垂直に保持する事が困難で、特に内容物が液状や粉末状の商品の場合は開蓋時の勢いでこぼすと言う不具合もあった。
【特許文献1】米国特許第1894556号
【0003】
また一度に使い切る場合は別として、使い残りは必ず蓋を閉めて保管されるのが普通であり、蓋を少しきつく閉め過ぎたり、内容物が付着した状態で閉めた為に固着してしまったり、それ程きつくなくても主婦や子供或いはお年寄りと言った、比較的握力が弱い非力な人には開蓋するのが困難であると言う不具合が有った。
【0004】
かかる不具合を解消する為に、モータなどの動力を用い機械的に開蓋する事に依って、非力な人でも缶や瓶の容器を垂直に保った状態のまま、片手でも容易に開蓋出来る工夫が数多く提案されている。かかる状況に鑑み本発明人は特許文献2に於いて、ネジ溝で螺合して開閉する方式の缶や瓶の開蓋に好適な自動開蓋装置の考案を行っている。
【特許文献2】実用新案第3103926号
【0005】
また、巻締めした缶詰類や王冠で密栓した瓶ビール等の様に手指だけで開ける事は不可能な容器の場合、缶切、栓抜と言った専用の道具を使って開蓋する事が前提の商品もある。特に飲食料品に多い缶詰の場合、最近でこそ缶切を使用しなくても素手で開蓋出来るプルトップ方式の缶も一般化して来ているが、まだまだ缶蓋を切裂いて開蓋する方式の缶詰が多く、専用の道具を使う作業となり、非力な人では開蓋出来ない事もあり、更に加えて道具が滑って怪我をする事もあると言う不具合も有って、かなり以前から電動缶切機等の製品が市場には提供されている。例を挙げるならば特許文献3は、1959年11月27日に米国で出願、優先権主張をもって翌年日本国出願された発明であるが、巻締端縁部内側からモータで回動する駆動歯を、外側から円形切断車に押当て缶蓋の巻締端縁部を強く鋏みながら、外側を切断して開蓋するモータ付き改良缶切が提案されている。
【特許文献3】特開昭37−15683
【0006】
然しながら、特許文献2及び特許文献3は同じ蓋を開ける事を目的とする装置でありながら一方はネジ溝に沿って回旋する事で開蓋し、他方は缶蓋を切裂く事で開蓋すると言う具合に全く異なる方式の開蓋装置であり、全ての瓶や缶に対処する場合は二つの装置を用意して置く必要が有り、対象とする缶や瓶に依って装置を取替える煩雑さのみならず、収納場所が余分に必要になる事はもとより出費も嵩む等、無駄が多いと言う不具合が有った。かかる不具合を解消する為に、例えば特許文献4に示された発明では、一個のモータで駆動する回転台と缶送り歯車を備えた、両方の機能を兼備する装置が提案された。
【特許文献4】特開昭52−103281号
【0007】
即ち、特許文献4に依れば主筐体たるハウジングは、縦方向よりも水平方向に長い言わば寝かせたL字形に構成されて居り、長い水平の基部内側には、端部上面に駆動モータを固定し、該駆動モータのシャフトを内部へ貫挿した扁平な箱形フレームが取設される。前記駆動モータのシャフト先端にはピニオンギヤが装着され、前記箱形フレームの内部に構成された複数段のギヤ列に依ってモータの回転を減速する事で回転トルクを増大し、最終段の出力シャフトに伝達するべく動力伝達手段が構成される。最終段の出力シャフトは箱形フレームとハウジングを貫通した上端部に、載置した缶や瓶を回転させる為の、表面に円形リブ状の摩擦パッドを装着した円板からなる回転台が固定される一方で、箱形フレームを裏側に貫通した当該出力シャフトの下端部には缶切機の缶送り歯車が取付けられる。
【0008】
ハウジングの縦方向を構成する垂直部分の内側には、駆動モータの上部が収まり、更に垂直部分の上端にはピポット支持体のためのピンの回りに、バネ負荷式のプランジャーを押して固定を解除する事に依って、90度回動自在に支承されたチャック支持柱が垂直に立設され、該チャック支持柱には長手軸方向に設けられた歯車ラックに沿い、滑動可能かつ任意の位置で固定するためのクランプ手段を保有したチャックが突設され、この状態でチャック下面と平行に対面する回転台との間に缶や瓶を挟んで摩擦係合し、回転台をモータで駆動し回旋して開蓋する様に動作する機能である。
【0009】
一方特許文献4に示されたもう一つの機能は、缶切機能である。バネ負荷式のプランジャーを押してピポット支持体の為のピンの回りにハウジングを90度回転させ、長い水平の基部を垂直にする事に依って、これまで底面であった部分が垂直面として現れる。同時にこれまで垂直位置にあった出力シャフトは水平の状態となり、同じく水平にチャック下面と正対していた回転台はチャック支持柱と平行になる様に垂直に立てられ、これまで床面に面していた缶送り歯車が垂直面に現れ、回転切断刃との間に缶詰の巻締端縁部を強く挟みつけて回しながら、巻締端縁部内側を切裂いて開蓋する様に動作する機能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
然しながら特許文献4に依って、機能の異なる二つの装置を一体化する事は実現されたが、いまだ未解決の問題が残されて居る。即ち、載置した缶や瓶を回転させる為の回転台と、巻締部端縁部を強く挟みつけて回す為の缶送り歯車とが、一本の出力シャフトの両端に固定される構造である為に、缶や瓶を回転させるトルクと缶送り歯車を回転させるトルクが全く等しく、一方を適正にすれば他方に過不足を生ずると言う問題があった。
【0011】
また回転台は、缶切機として使用する際にチャック支持柱とハウジングの間に位置し、触れ難いとは言いながらも回り続ける訳であり、安全性に問題を残している。更に缶切機として使用する場合、出力シャフトの位置が固定である為に対象となる缶の高さが自ずと制約される問題が生じる。だからと言って床面から出力シャフトの位置迄の高さを高くする事は、回転台の位置も変わり、回転中心がチャック支持柱からは益々離れてしまい、開蓋機として使用する際に片持ち支持であるチャックの腕が長くなり、曲げモーメントが益々大きくなり、缶や瓶の中心軸と回転トルクの軸芯のずれが大きくなってしまい、開蓋力が大幅に減衰されると言う根本に関る問題が有って複合型自動開蓋装置としては、未解決の課題が残されていた。
【0012】
本発明は、上記の問題点に鑑みなされたもので、一個のモータで駆動される一台の装置で、密封方式の異なる様々なタイプの缶や瓶の蓋を、夫々に適した操作方法や回転トルクで開蓋することが可能な、取扱性に優れ安全性が高くかつ効率の良い複合型自動開蓋装置を提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第一の手段は、一個のモータに対して目的に合わせた複数の出力軸を具備し、モータの回転数を減速して伝える動力伝達及び出力切替の機構からなる変速手段を経由する事に依って、夫々の出力軸に最適な回転数と回転トルクを選択的に伝達する事を特徴とする。
【0014】
本発明の第二の手段は、出力切替手段を用いて所期の目的に合わせた出力軸に対して、選択的に動力を伝達する事に依って、一方の機能を使用中は他の使用していない機能の出力軸が作動することを完全に防止し、安全性を向上する事を特徴とする。
【0015】
本発明の第三の手段は、天吊方式を採用する事で上部筐体を戸棚の下面等に固定し、操作ハンドルで下部筐体の方を上下させる事に依って設置・収納スペースを節減し、作業性も向上させる事を特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
従って本発明に依れば、唯一個のモータを動力源としながらも、複数の開蓋機能の夫々に適した回転数、回転トルクを所期の出力軸に選択的に伝達する事が可能となり、より開蓋能力の高い、安全性に優れた、収納効率が良くて尚且つ低価格の複合型自動開蓋装置を提供出来ると言う利点が有る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明に係る複合型自動開蓋装置の第一の実施例を図1〜図7及び図9を使って、以下に説明する。
【実施例1】
【0018】
先ず2図(a)にその使用状態を示す、螺合して開閉するネジ蓋方式の缶や瓶の開蓋機能に付いて説明するに、全体を400で示す本発明の第一の実施例装置は部分集合体を構成する上部筐体1と、同じく部分集合体を構成する下部筐体2とは、上部筐体1の骨格を形成する樹脂製の上ケース100の下面外周縁の複数箇所に突設される横断面が扇形をした中空の支柱101が、該支柱101に正対して下部筐体2の骨格を形成する樹脂製の下ケース200上面に穿設され周縁部202を筒状に立ち上げた、同じく横断面が扇形をした案内穴201に微少な隙間を持って貫挿され、開蓋力を向上させる目的で缶や瓶の中心軸と回転軸芯を一致させて図1に示す如く、上下摺動自在に構成される。
【0019】
前記した上ケース100に突設される中空の支柱101と、下ケース200上面に穿設された案内穴201の横断面を扇形に形成した理由は、同じ製品外経ならば缶や瓶を戴置する有効面積を大きく確保できる点に有る。即ち、円滑に上下に摺動する様に構成する為には支柱101と案内穴201の隙間は大きい程良いが、過大であると傾きが大きくなり、缶や瓶の中心軸と回転軸芯がずれるので、図1に示す様に案内穴201の周縁部202を筒状に立ち上げ摺動面を長くする事で隙間を確保しつつ傾きを減らし、加えて安定感を増すためには、支柱101の本数を3本以上とするのが好ましいが、本実施例では4本とした。更に中央部に戴置される缶や瓶の外径を考慮するとき、同一強度が確保できる同一断面積とすれば円形断面よりは扇形断面の支柱101及び案内穴201を樹脂製上ケース100及び下ケース200の外周縁に配列する構成が、より大径の缶や瓶に対応出来るので、本発明の第一の実施例装置400にとって好ましい事は図9からも明らかである。
【0020】
ネジ蓋容器4の開蓋に際しては、取手103を握り上部筐体1を上方に持ち上げる事でスペースを作り、開蓋しようとするネジ蓋容器4を回転台203の上に載置し、該回転台203の外縁部を反時計方向に手で回すと、後程詳述する下部把持手段204を構成する一対の把持爪205がネジ蓋容器4の容器部42を両側から均等に押しながら、開蓋時に印加する回転トルクの回転軸芯と一致する回転台203の中心軸へ向けて正確にネジ蓋容器4を引き寄せて行く。
【0021】
一対の把持爪205が左右から容器部42を挟みつけ、これ以上回転台203を手で回せないところまで強固に把持して回転台203をロック状態にして置いてから、次に取手103を持って上部筐体1を支柱101及び案内穴201に沿って押し下げ、後程詳述する上部把持手段102を構成する、表面をゴム質等の摩擦係数の大きくて滑り難い材質で覆われた摩擦パッド104の下面をネジ蓋容器4のネジ蓋41上面に軽く押し当てて置いて、SWボタン105を押し下げると、SWボタン105の裏面に一体乃至は別体に突設された舌片106が押し下げられて、該舌片106の先端が自動復帰タイプのSW107の摘み108を押し下げる様に動作する。或いは摩擦パッド104をネジ蓋41に少々強く押し付ける事で、後程詳述する構成動作に依って、これもまたSW107の摘み108が押し下げられ、どちらの方法でも電源が投入され、モータ109が回転を始める。
【0022】
モータ109が回転を始めると、後程詳述する変速手段50の働きに依って常時接続されている上部把持手段102側が回転し、該上部把持手段102を構成する一対の挟持爪110が両側から均等にネジ蓋41を挟み、上部把持手段102の中心軸へ向けて正確にネジ蓋41を引き寄せて行き、結果としてネジ蓋容器4の中心軸を正確に回転軸芯と一致させてしっかりと固定する様に動作する。
【0023】
SWボタン105或は取手103から手を放すとSW107の摘み108が自動復帰しモータ109の回転が止まり、上部把持手段102は回転を停止するが、引き続きSWボタン105を押し続けるか、或いは摩擦パッド104をネジ蓋41に少々強く押し付け続ければ、左右の挟持爪110はネジ蓋41を挟んでロック状態にあるので、なおも回転しようとする上部把持手段102は、ネジ蓋41ごと回旋し固く閉じていた蓋を開ける様に動作する。
【0024】
開蓋した後は左右の挟持爪110がネジ蓋41を挟んだ状態でSWボタン105を放すか、或いは摩擦パッド104をネジ蓋41に少々強く押し付けている力を抜くまで回転を続け、回転を止めると本発明装置では、後程詳述する構成動作に依ってエネルギーを蓄えた戻しバネ111の反発力が、一対の挟持爪110を互いに離反する方向へ向けて上部把持手段102を逆回転させるので、ネジ蓋41を挟み付ける力が緩みネジ蓋41を簡単に取外す事が出来る様に動作する。
【0025】
次に図2(b)でその使用状態を示す、巻締めして密封する方式の缶壁を切裂いて開蓋する、所謂缶切機能に付いて説明するに、缶詰5は缶蓋51と缶容器部52が巻締めされ密封されるが、巻締めされた部分が環状に一周し巻締端縁部53を形成していて、該巻締端縁部53の外周下面を缶送り歯車112の上に載せて置いて、缶切レバー113を押し下げる事で、該缶切レバー113の中間に弾性支持された金属製の切刃114の先端が、梃子の原理で缶蓋51の周縁蓋部の内側に簡単に突刺さり、缶送り歯車112の上面と切刃114の刃面内側で支えられた形になり、缶詰5は本発明装置に装着された状態になる。
【0026】
この状態から更に缶切レバー113を押し下げると切刃114は刃面を進行方向に向け、弾性支持力の限界で留まり、後程詳述する構成動作に依って缶切レバー113だけが押下げられ、上ケース100の正面から前方に突設された切替レバー115の先端部115aを復帰バネ116の反発力に抗して下向きに押下げることになり、SWボタン105を押さなくても、SW操作部115dによってSW107の摘み108が押下げられてモータ109が回転を始めるが、この場合上部把持手段102は停止したままで、缶送り歯車112だけが反時計方向へ回転を始める。
【0027】
缶送り歯車112が回転すると、切刃114の刃面は缶蓋51を押さえ付ける方向に突刺さっているので、巻締端縁部53の下面は強く下方に押し付けられて缶送り歯車112の鋭い歯車先端部に食込んでいる為に、該缶送り歯車112で送られて缶蓋51は食込んでいる切刃114の刃面で切裂かれて行く事になり、環状の巻締端縁部53に沿って時計周りに一周したところで開蓋が完了する。
【0028】
缶蓋51を切裂いて居る間は切刃114の刃面は、缶蓋51に挟まれ下向きに押さえられた状態で拘束されているので、缶切レバー113を手で押し続けなくても切刃114は缶蓋51を切裂く位置に保持されているが、開蓋が完了すると切替レバー115は復帰バネ116の反発力で戻される為に、前記拘束は開放されるから切替レバー115を下向きに押下げる力が消滅し、自動復帰タイプのSW107の復帰力に依って電源が切れてモータ109の回転が止まり開蓋は完了するので、缶切レバー113を上に上げる事で巻締端縁部53を内側から押さえていた切刃114を上げ、缶詰5を外して利用すれば良い。
【0029】
次に主に図3、図4を参照して構成内容が動力伝達手段及び出力切替手段からなる変速手段50の構成動作に付いて詳細に説明するに、該変速手段50は上ケース100の内部に固定される上下に二分割可能なギヤボックス120を外郭筐体とする。以下の説明では樹脂成形品を前提にギヤ、歯車の表現をするが、必ずしも樹脂材料に限定するものではなく、例えば焼結金属でも良く、或いは切削加工品であっても同様である。
【0030】
前記ギヤボックス120に取付けられたモータ109の出力軸先端にはウォームギヤ121が装着されていて、第一の減速歯車A122の大歯車と噛合い、大歯車と一体に成形された小歯車は軸方向に長い歯幅を有し、変速歯車123の大歯車と軸方向の広い範囲で噛合いが可能に構成される。変速歯車123の大歯車と一体の小歯車は契合の容易さへの配慮から大きな面取りが施され、全く同一である一対が大歯車を挟んで上下に成形され、さらに中心には貫通穴を有し、例えば金属製の回転軸124に対して回転・摺動自在に貫挿される。前記回転軸124の上部には同様に中心に貫通穴を有する第一の中間歯車A125が回動自在に支承されるが、該中間歯車A125は外歯の他にも内側に、前記変速歯車123の小歯車と回転軸124を共有して噛合う内歯が形成され、回転の伝達が可能に構成される。本実施例では歯車として説明したが、変速歯車123の小歯車も中間歯車A125の内歯も契合の機能を果たせば良いのであって、その形状は歯車に限定せず例えば正方形や正六角形など、噛合いが得られない円形以外であれば何でも良い事は論を待たない。
【0031】
前記回転軸124の下部には上部同様に第二の中間歯車B126が回動自在に支承されるが、内歯に付いては中間歯車A125と同一仕様であるが外歯を平歯車ではなく回転方向を変える目的で傘歯車とした点が異なる。即ち変速歯車123が減速歯車123の小歯車と噛合いながら、上部へ摺動し第一の中間歯車A125と契合すれば中間歯車A125が、変速歯車123が下部へ摺動し中間歯車A125との契合を離れ、第二の中間歯車B126と契合すれば中間歯車B126が選択的に従動する様に構成される。
【0032】
以下順を追って第一の中間歯車A125が回動する場合を説明する。中間歯車A125の外歯車は第二の減速歯車B127(図示せず)の大歯車と噛合い、一体に成形された減速歯車B127の小歯車は第三の減速歯車C128(図示せず)の大歯車と噛合い、一体に成形された減速歯車C128の小歯車は最終段歯車129と噛合って構成される。
【0033】
最終段歯車129の中央ボス部130には図5に見る様に中心に貫通穴131が穿設され、かつ中央ボス部130上端部には契合目的以上の深さを有する深溝部132が設けられ、最終段歯車129は金属製の第一の出力軸A133に貫通穴131を貫挿して回転摺動自在に挿入されるが、出力軸A133の上部近傍には水平に打ち込まれたノックピン134が有り、該ノックピン134が深溝部132に契合して、最終段歯車129の回転を出力軸A133に伝達する一方で、深溝部132に沿って出力軸A133は上下に摺動可能にした上で、最終段歯車129は上下をギヤボックス120に回転自在に支承して構成され、後程詳述する様に第一の出力軸A133の下端部には上部把持手段102がネジ止めして固定されるので、螺合して開閉するネジ蓋方式の缶や瓶の蓋を回旋して開蓋する機能を実現出来るものである。
【0034】
前記した深溝部132が契合目的以上の深さを有する理由は、SWボタン105を使わずに摩擦パッド104をネジ蓋41に少々強く押し付けてSWを投入する方法に係り図5を中心に説明をすれば、出力軸A133の上端は弾性手段144に依って常に下方に付勢されていて、上部把持手段102をネジ蓋41に少々強く押し付ける事に依り出力軸A133は上部把持手段102ごと上へ押上げられ、出力軸A133上端部にリンクした連接棒145の力点145aを押上げ、支点145bを中心に下向きに回動する連接棒145の作用点145cに依ってSW107の摘み108を押し下げて、SWボタン105を押し下げて舌片106の先端で摘み108を押し下げる場合と同様な動作を行なうが、この時のストロークが単なる契合目的よりも深い深溝部132を必要とする所以である。
【0035】
次に第二の中間歯車B126が回転する場合に付いて説明するに、中間歯車B126の外歯としての45度の傘歯車A135は、一端に同じく45度の傘歯車B136を、他端に小歯車137を備えた水平回転軸138を回転軸124に対して90度水平の方向に回転させ、小歯車137と全く同一仕様の小歯車137´を、回転方向を逆転させる目的で噛ました上で最終段の歯車139へ伝達され、該歯車139は第二の出力軸B140の一端に固定されていて他端には缶送り歯車112が固定される構成となって居り、前述した巻締めして密封する方式の缶壁を切裂いて開蓋する、所謂缶切機能を実現するものである。
【0036】
上記の説明に於いて各歯車の歯数に付いて具体的な数値は省略したが、何れも回転数を減ずる事で回転トルクを増大する事を目的としていて、減速歯車列の段数からも明らかな如く、回転数は出力軸A133が出力軸B140より小さく、当然回転トルクは出力軸A133が出力軸B140より大きく設定してある。本実施例では両出力軸の回転トルクの比率を5:1に設定しているが、本発明人は幾多の実験を通じて前記比率が概ね2:1から10:1の間が適当との知見を得ている。
【0037】
次に図4を中心に、第一の中間歯車A125と第二の中間歯車B126を選択的に駆動する為の出力切替手段の構成動作を説明するに、前述した様に復帰バネ116の反発力に依り、普段は中間歯車A125側に投入接続される様に構成される。即ち、樹脂で一体成形された切替レバー115は変速手段50を構成する一部品であるが、図1に示す様に上ケース100正面の缶切レバー113を受け止める位置に先端部115aを突き出し、摺動部115bをガイドピン141に上下摺動自在に貫挿し、該摺動部115bに於いて復帰バネ116に依って常時上向きに付勢され、二股に分かれたフォーク部上顎115cは上から、フォーク部下顎115c´は下から変速歯車123の大歯車を挟み回転軸124に沿って上下に摺動させる動作をするが、復帰バネ116の反発力により常に上方に編寄されている。即ち、変速歯車123は常時第一の中間歯車A125と契合されていて、先端部115aが復帰バネ116の反発力に抗して下に押下げられると、SW操作部115dがSW107の摘み108を押し下げて電源を投入する様に動作する。
【0038】
ネジ蓋方式の缶や瓶の蓋を回旋して開蓋する場合、前述の様に回転台203にネジ蓋容器4を戴置し、取手103を持って上部筐体1を下げて行く際には切替レバー115は復帰バネ116に依って上方に付勢され、変速歯車123が中間歯車A125と契合した状態、即ち出力軸A133が有効な状態にあるので、SW107が投入されると上部把持手段102が選択的に回転する。従ってネジ蓋方式の缶や瓶の蓋を回旋して開蓋する場合には、中間歯車B126に契合して有効になる出力軸B140は切離された状態に有り、つまり缶送り歯車112が駆動される事は絶対に無い。
【0039】
次に缶切機能を利用して開蓋する場合を説明するに、缶切レバー113を押し下げて缶詰5を巻締端縁部53とカッター114で保持した状態から更に缶切レバー113を押し下げると、図4に示す状態から、突き出ている切替レバー115の先端部115aを下方に押し下げる事になって、一体に成形された切替レバー115全体が復帰バネ116の反発力に抗しガイドピン141に沿って下に押し下げられ、フォーク部上顎115cが変速歯車123を上から下へ押下げ、大き目の面取りがされた小歯車を第二の中間歯車B126の内歯と契合する位置に摺動させ、同時にSW操作部115dは摘み108を押し下げて電源を投入するのでモータ109が始動し、出力軸B140に固定された缶送り歯車112が選択的に回転する。従って缶切機能を利用して開蓋する場合は出力軸A133に固定された上部把持手段102が駆動される事は絶対に無い。
【0040】
次に下部把持手段204の構成動作に付いて説明するに、下ケース200の中心に垂直に突設された固定ピン206を回転中心として、ラック部209がピニオンギヤ210と噛合った一対のスライダ208を図示(図6参照)の手順で装着したスライダホルダ207が回転自在に挿入され、スライダホルダ207両側面の折返し部に水平方向に摺動自在に組み込まれた一対のスライダ208のラック部209と噛合うピニオンギヤ210が前記固定ピン206先端の角形部分に契合してネジで固定して構成されるので、スライダホルダ207が固定ピン206を中心に上から見て反時計方向へ回される(ピニオンギヤ210を時計方向へ回す事に相当する)とき、一対のラック部209がピニオンギヤ210の周りを回りつつ噛合いに送られて回転中心へ向けて水平に摺動する様に動作する。
【0041】
一対のスライダ208のラック部209と反対側の端部は、夫々主骨部211がスライダ208の面に対して垂直に二本突設されていて、該主骨部211には表面にゴム質等の材料から成る滑り止めを施した回転台203が、長穴部212を貫挿してスライダホルダ207の両側面折返し部の上面に乗せられ、回転台203同様表面にゴム質等の材料から成る滑り止めを施した把持爪205を主骨部211端面に上から差込み、図1に示す状態に回転台203を挟んで止めて構成されている。
【0042】
かかる構成の下部把持手段204は、回転台203の上にネジ蓋容器4を載置し、回転台203の外縁部を反時計方向に手で回すと、長穴部212の側面でスライダ208の主骨部211が上から見て反時計方向に回される結果、前に説明した様に一対のラック部209が互いに中心へ向けて水平に摺動するので、主骨部211に挿入固定された一対の把持爪205が互いにネジ蓋容器4の容器部42を左右から均等に押しながら、開蓋時に印加する回転トルクの回転軸芯と一致する回転台203の中心軸へ向けて正確に容器部42を引き寄せて行く事になる。
【0043】
次に上部把持手段102の構成動作に付いて説明する。そもそも上部把持手段102と下部把持手段204とは、前者はネジ蓋41を後者は容器部42を挟みつける原理は全く同一であり、従って使用する部品も同じものが多く共用される。具体的にはスライダホルダ207と、ピニオンギヤ210とは完全に同一部品であり、スライダ208は主骨部211の形状が一部異なるのみで殆どが同一である。即ち主骨部211は下部把持手段204ではスライダ208の面に対して垂直に二本突設されていたのに対して、上部把持手段102の主骨部211´は、下部把持手段204と同様にスライダ208のラック部209と反対側の端面に設けられるが、端面がネジ蓋41を挟持する目的を考慮して内側を向く様に180度折返し、把持爪205同様表面にゴム質等の材料から成る滑り止めを施した挟持爪110が該端面に差込まれ、ネジ蓋容器4の厚みの少ないネジ蓋41を左右から均等に挟持するのに好適に構成されるが、本明細書では上部把持手段102のスライダには208´、主骨部には211´の符号を付けて説明を行う。
【0044】
上部把持手段102は上ケース100の下面中心に突き出て懸吊された、先端を一部角形とし軸方向のネジ穴を設けた出力軸A133の下端部へ、右巻きの弦巻バネで成る戻しバネ111を巻き付けたボビン142に、戻しバネ111の上端を掛止した状態で挿入し、予め摩擦パッド104及び一対のスライダ208´を図示(図7参照)の手順で装着したスライダホルダ207の小穴143に、戻しバネ111の下端を掛止するが、この時出力軸A133に対してスライダホルダ207は回転自在に懸吊され、かつ一対の挟持爪110が一番離れた位置でも若干戻し力を保持する程度に捻りを加えた上で、小穴143に戻しバネ111の下端を掛止されるもので、その状態で出力軸A133の下端部の角形部分をボビン142及びピニオンギヤ210の角穴部分に契合させ、先端をネジで固定して図3に示す状態で懸吊されて構成される。
【0045】
上部把持手段102は以上の様に構成されているので、下部把持手段204でネジ蓋容器4を強固に把持して回転台203がロック状態(変速手段50は出力軸A133側に投入されている状態)でSWボタン105を押すか又は摩擦パッド104をネジ蓋41に少々強く押し付けるとモータ109が回転を始め、出力軸A133は下方から見て時計方向へ回転しようとするが、上部把持手段102の最下面に露出する摩擦パッド104がロック状態のネジ蓋41と摩擦係合しているので、回転は拘束される。
【0046】
上部把持手段102は回転を拘束されるが、戻しバネ111を巻き付けたボビン142及びピニオンギヤ210がネジ固定された出力軸A133とは回転自在に懸垂されているので、出力軸A133で駆動されるピニオンギヤ210は下方から見て時計方向へ回転する。従って該ピニオンギヤ210とラック部209が噛合った一対のスライダ208´は互いに回転中心へ向けて水平に摺動する様に動作するから、一対の挟持爪110が両側から接近しつつネジ蓋41を両側から挟み、時計方向へ回転しながら正確に回転軸芯まで引寄せると、これ以上寄らない状態(ロック状態)となる。ロック状態に至る迄の間上部把持手段102のスライダホルダ207は拘束され、ボビン142は回転し続けるので右巻きの戻しバネ111は付勢され反発力を蓄えて行く事になる。
【0047】
前述した動作で一対の挟持爪110が両側から接近してネジ蓋41を挟み、これ以上寄らない状態(ロック状態)でなおもモータ109が回転すると、下部把持手段204は作用・反作用の法則に依りネジ蓋容器42を反時計方向に加力する事になり、ネジ蓋41を挟んだまま回転を続けようとする上部把持手段102の回転力と相俟って、ネジ蓋41とネジ蓋容器42が互いに逆向きの力で捻られ、やがて開蓋に至るものである。
【0048】
蓋が開いたらSWボタン105を放すか取手103を放すと電源が切れてモータ109の回転が止まり、今度は出力軸A133がロック状態となり、本発明では蓄えた戻しバネ111の反発力が、一対の挟持爪110を互いに離反する方向へ向けて上部把持手段102を逆回転させるので、ネジ蓋41を挟み付ける力が緩みネジ蓋41を簡単に取外す事が出来る様に動作する。
【0049】
本発明装置にはまだ説明がなされてない機能として、栓抜き機能がある。図1に於いて、先端部を折り返して王冠が引っ掛るフック形状に形成した金属製の栓抜き金具146は、本発明装置本体の正面に固定され、ビール瓶などの王冠を開けるのに好適な機能を提供するものである。
【実施例2】
【0050】
第二の実施例は設置方法が前記第一の実施例の下部筐体2をテーブル上に据置いて上部筐体1を手で持って上げ下げする据置型であるのとは異なり、上部筐体1´を食器棚の下面等に固定する天吊型とし、下部筐体2´側を上げ下げする為の操作ハンドル360を具備した点が大きく異なるが、殆どの構成機能にはさしたる変わりが無いので、相違する部位の説明をするに留め、同一部品、構造、部位等は同一の符号で示し、詳細な説明は省略する。
【0051】
図8及びその他の図を参照して、本発明に係る他の実施例を説明するに、全体を300で示す第二の実施例装置の場合、部分集合体である上部筐体1´を前実施例と比較説明すれば、取手103やSWボタン105等上ケース100の天井部分が取払われ、代わりに固定用のネジ穴370及び前側上面に鉤型の掛止部(図示せず)のある天板361を上ケース100に変わる上部ケース100´の最上部に固定し、吊戸棚の下面等に止められた金具に掛止部を引掛けてから後側のネジ穴370を木ネジで止めて固定する様に構成されている。
【0052】
上部ケース100´は、内部にモータ109や変速手段50等を収めたギヤボックス120が固定され、本体前面には缶切機能用の缶送り歯車112と、缶切レバー113と、切替レバー115の先端部115aと、栓抜き金具146等が第一の実施例装置400と全く同様に配置・収容されていて、上部ケース100´両側面下部には操作ハンドル360の両側腕部362の略中央付近に相当する部分に、回転中心となるピン363を回転自在に支承する軸受部が設けられ、該軸受部を支点として握部364を持って操作ハンドル360を上下に回動させた時に、操作ハンドル360の先端部が反対向きに回動する様に構成される。
【0053】
操作ハンドル360の腕部362の先端部には、一対の突起部365を内向きに突設してあるが、突起部365の材質を潤滑性の良い樹脂で構成するか滑車(図示せず)を具備する事に依って、これと係合する下部ケース200´の両側面に設けられた案内溝366内を円滑に摺動可能に構成される。
【0054】
下部筐体2´は上記案内溝366が設けられ操作ハンドル360の突起部365と係合する以外は下部筐体2と全く同一の構成と機能を有している。即ち、下部ケース200´はネジ蓋容器4を戴置する回転台203を載せた下部把持手段204を中心に据え、上面に穿設された案内穴201を、上部ケース100´の下面外周縁に垂下する支柱101に微少な間隙を持って貫挿され、上下方向に摺動自在に構成される。
【0055】
従って操作ハンドル360が一番上がった状態から、握部364を持って下方に回転させて行くと、ピン363を回転支点として腕部362の先端部が上方に回転し、当該動作に連れて突起部365が上方に移動しながら案内溝366に沿って奥へ向けて摺動して行き、腕部362が水平になった時点で突起部365は案内溝366の最奥部に達し、引続き操作ハンドル360を下方に回転させて行くと、今度は突起部365が上方に移動しながら案内溝366に沿って手前側に摺動して来る動きをする。
【0056】
係る一連の動作に依り、突起部365が上方に移動する場合に案内溝366と一体の下部ケース200´も上方に移動する事となり、結果的に下部筐体2´が上方に持上げられるが、逆に操作ハンドル360の握部364を持って上方に回転させて行く場合は、下部筐体2´は下方に下げられ、前実施例同様に上部筐体1´と下部筐体2´は上下方向に摺動自在に構成される事になる。
【0057】
以上の構成の本発明になる第二の実施例装置300は、木ネジで吊戸棚等の下面に強固に固定され、普段は握部364を上に上げて下部筐体2´を下げた状態で置かれるが、回転台203にネジ蓋容器4を載置し、手で回転台203の外縁を反時計方向にまわして、把持爪205で挟んで強固に把持してから、握部364を下方にさげて行くと下部筐体2´は次第に上昇して、ネジ蓋41が上部把持手段102の摩擦パッド104に押し付けられて行き、前実施例の摩擦パッド104をネジ蓋41に少々強く押付ける動作と同様の効果が得られるので、SW107が入りモータ109が回転を始め上部把持手段102の挟持爪110がネジ蓋部41を両側から強固に掴み締め付ける。以降は前実施例同様に上部把持手段102がネジ蓋部41ごと回旋して開蓋に至るので、前実施例と全く同一の結果が得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明に係わる複合型自動開蓋装置を正面から観た外観斜視図である。
【図2】本発明に係わる複合型自動開蓋装置の異なる使用状態を示す外観斜視図である。
【図3】本発明に係わる複合型自動開蓋装置の変速手段の要部を示す斜視図である。
【図4】本発明に係わる複合型自動開蓋装置の切替手段の要部を示す斜視図である。
【図5】本発明に係わる複合型自動開蓋装置の連接棒の動作を示す説明斜視図である。
【図6】本発明に係わる複合型自動開蓋装置の下部把持手段の分解斜視図である。
【図7】本発明に係わる複合型自動開蓋装置の上部把持手段の分解斜視図である。
【図8】本発明に係わる複合型自動開蓋装置の他の実施例を示す外観斜視図である。
【図9】本発明に係わる複合型自動開蓋装置の支柱形状の利点を示す説明図である。
【符号の説明】
【0059】
1 上部筐体
2 下部筐体
100 上ケース
102 上部把持手段
104 摩擦パッド
105 SWボタン
108 摘み
110 挟持爪
111 戻しバネ
112 缶送り歯車
113 缶切レバー
115c フォーク部上顎
115c´フォーク部下顎
116 復帰バネ
122 減速歯車A
123 変速歯車
124 回転軸
129 最終段歯車
133 出力軸A
140 出力軸B
145 連接棒
200 下ケース
203 回転台
204 下部把持手段
205 把持爪
207 スライダホルダ
208 スライダ
210 ピニオンギヤ
300 第二の実施例装置
360 操作ハンドル
364 握部
365 突起部
366 案内溝
400 第一の実施例装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部筐体下面に懸吊された上部把持手段と下部筐体上面に突設された下部把持手段の中心軸を一致して正対させ、上部筐体下面外周縁に突設した支柱を、該支柱に正対して下部筐体上面に穿設した案内穴に、上部筐体を安定的に支えかつ上下摺動自在に貫挿し、上部筐体内に固定される唯一の動力源を使用する、ネジ溝で螺合して開閉する方式の缶や瓶詰の蓋を挟持し回旋して開蓋する為の回旋開蓋手段と、缶壁を切裂いて開蓋する為の缶切手段など、用途の異なる複数の開蓋手段を具備した開蓋装置に於いて、モータ等の動力源と最終端の複数の出力軸との中間に、構成内容が動力伝達手段及び出力切替手段から構成される変速手段を具備した事を特徴とする複合型自動開蓋装置。
【請求項2】
上部筐体下面に懸吊された上部把持手段と下部筐体上面に突設された下部把持手段の中心軸を一致して正対させ、上部筐体下面外周縁に突設した支柱を該支柱に正対して下部筐体上面に穿設した案内穴に、上部筐体を安定的に支えかつ上下摺動自在に貫挿し、上部筐体内に固定される唯一の動力源を使用する、ネジ溝で螺合して開閉する方式の缶や瓶詰の蓋を挟持し回旋して開蓋する為の回旋開蓋手段と、缶壁を切裂いて開蓋する為の缶切手段など、用途の異なる複数の開蓋手段を具備した開蓋装置に於いて、モータ等の動力源と複数の最終段出力軸との中間に、構成内容が動力伝達手段及び出力切替手段からなる変速手段を具備し、複数の最終段出力軸の一つが作動中は他の最終段出力軸が作動出来ない様に動力の伝達を遮断する事を特徴とする複合型自動開蓋装置。
【請求項3】
上部筐体下面に懸吊された上部把持手段と下部筐体上面に突設された下部把持手段の中心軸を一致して正対させ、上部筐体下面外周縁に突設した支柱を該支柱に正対して下部筐体上面に穿設した案内穴に、上部筐体を安定的に支えかつ上下摺動自在に貫挿し、上部筐体内に固定される唯一の動力源を使用する、ネジ溝で螺合して開閉する方式の缶や瓶詰の蓋を挟持し回旋して開蓋する為の回旋開蓋手段と、缶壁を切裂いて開蓋する為の缶切手段など、用途の異なる複数の開蓋手段を具備した開蓋装置に於いて、回旋して開蓋する為の回旋開蓋手段の回転トルクを、缶壁を切裂いて開蓋する為の缶切手段の回転トルクより大きく設定した事を特徴とする複合型自動開蓋装置。
【請求項4】
上部筐体を安定的に支え、かつ上下摺動自在に案内する様に構成された支柱と案内穴の横断面形状を扇形となし、尚且つ案内穴の周縁部を筒状に立設した構造とした事を特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3記載の複合型自動開蓋装置。
【請求項5】
ネジ蓋を上部把持手段の把持状態から容易に取り外す目的で、開蓋中の回転トルクを利用して付勢し、開蓋後に蓄えた反発力で上部把持手段を逆回転させて挟持爪を緩める為の戻しバネを具備した事を特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3記載の複合型自動開蓋装置。
【請求項6】
上部筐体を吊戸棚下面に吊下固定し、上部筐体の両側面に穿設された軸受部を支点として上下に回転する操作ハンドル先端の突起部が、下部筐体側面に設けられた案内溝と係合して摺動する動作に伴って、下部筐体を上部筐体に対して円滑かつ上下に摺動させる事を特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3記載の複合型自動開蓋装置。
【請求項7】
ビール瓶などの王冠をこじって開蓋する為の栓抜き部を本体表面に具備した事を特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3記載の複合型自動開蓋装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−297054(P2007−297054A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−232867(P2004−232867)
【出願日】平成16年8月10日(2004.8.10)
【出願人】(000179373)山田電器工業株式会社 (9)
【Fターム(参考)】