説明

複合対物レンズ成形金型、複合対物レンズ、及び光ピックアップ装置

【課題】高精度の光学面を比較的安価に形成することができ、作製工程も簡単な複合対物レンズ成形金型を提供すること。
【解決手段】複合対物レンズ91を構成する第1対物レンズ部91aの両光学面OS1’,OS3’をそれぞれ形成する光学転写面OS1,OS3を有するコア金型61c,63cを備えるとともに、第2対物レンズ部91bの両光学面OS2’,OS4’をそれぞれ形成する光学転写面OS2,OS4を有するコア金型61d,63dを備えるので、各対物レンズ部91a,91bの光情報記録媒体側の各光学面OS1’,OS2’,OS3’,OS4’を別体のコア金型61c,61d,63c,63dで形成することができる。よって、各対物レンズ部91a,91bの光情報記録媒体側の各光学面OS1’,OS2’,OS3’,OS4’の回転位置を含む配置、形状等を個別に調整することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合対物レンズを一体成形により形成するための複合対物レンズ成形金型及びこれによって形成される複合対物レンズ、並びに、かかる複合対物レンズを組み込んだ光ピックアップ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
同一面に複数の光学機能面を転写形成する光学素子の形成方法として、所定の曲率半径を有するダイヤモンドバイトによって成形用型部材を彫り込むように加工するものがあり、このようにして形成した射出成形金型によって、複数の光学機能面を有するカメラの焦点検出装置用の光学素子が形成される(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、光ピックアップヘッド用の複合対物レンズとして、透明基板の複数箇所に反応性イオンエッチング法等を用いて凹部を形成し、これらの凹部に樹脂等からなるレンズを埋め込んだり、ソリッドイマージョンレンズを埋め込んだりしたものも存在する(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平8−11223号公報
【特許文献2】特開2000−90472号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前者の方法、すなわち複数の光学機能面に対応する転写面を有する射出成形金型を形成する方法は、複雑な転写面の加工によってコストを増加させるにもかかわらず、十分な精度が得られない傾向がある。
【0005】
また、後者の方法、すなわち透明基板にレンズを埋め込む方法は、複合対物レンズの加工工程が複雑でありコストを増加させるにもかかわらず、複数の対物レンズ部を並列配置した複合対物レンズでは、各工程で厳密な位置合わせが容易でなく、十分な精度が得られない。
【0006】
そこで、本発明は、高精度の光学面を比較的安価に形成することができ、作製工程も簡単な複合対物レンズ成形金型を提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明は、上述の複合対物レンズ成形金型によって形成される複合対物レンズ、並びに、かかる複合対物レンズを組み込んだ光ピックアップ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明に係る複合対物レンズ成形金型は、複数の対物レンズ部が並列的に配置された光ピックアップ装置用の複合対物レンズを一体成形により形成するための一対の金型を備える複合対物レンズ成形金型であって、前記一対の金型のうち、一方の金型は、前記複数の対物レンズ部の一方側の各光学面をそれぞれ形成する転写面を有する複数の第1コア金型を備え、前記一対の金型のうち、他方の金型は、前記複数の対物レンズ部の他方側の各光学面をそれぞれ形成する転写面を有する複数の第2コア金型を備えることを特徴とする。
【0009】
上記複合対物レンズ成形金型では、一方の金型が、前記複数の対物レンズ部の一方側の各光学面をそれぞれ形成する転写面を有する複数の第1コア金型を備えるとともに、他方の金型が、前記複数の対物レンズ部の他方側の各光学面をそれぞれ形成する転写面を有する複数の第2コア金型を備えるので、複数の対物レンズ部の各光学面を別体のコア金型で形成することができる。よって、複数の対物レンズ部の各光学面の配置や形状を個別に調整することができ、高い面精度の複数の対物レンズ部からなる複合対物レンズを比較的安価に再現性良く形成することができる。
【0010】
本発明の具体的な態様によれば、前記一方の金型が、可動金型であり、前記複数の第1コア金型の少なくとも一つが、前記一方の金型から突出可能であることを特徴とする。この場合、可動金型である一方の金型に成形品が残る構造であり、一方の金型のうち少なくとも1つの第1コア金型を突出させることで、成形品の確実な取り出しが可能になるとともに、突出し時に不均一な応力が加わりにいことから、得られた成形品が比較的高い形状精度を有するものとなる。
【0011】
本発明の別の態様によれば、前記一方の金型が、可動金型であり、前記複数の第1コア金型のうち一つの第1コア金型が、前記一方の金型から突出可能であり、前記複数の第1コア金型の残りの第1コア金型の周囲に、前記一方の金型から突出可能なピンを備えていることを特徴とする。この場合、一つの第1コア金型の成形品部分又は製品部分が当該一つの第1コア金型によって突き出され、残りの第1コア金型の成形品部分又は製品部分が周囲のピンによって突き出される。一つの第1コア金型によって突き出される成形品部分は、突出し時に不均一な応力が加わりにくく、比較的高い形状精度を確保しやすい。
【0012】
本発明の別の態様によれば、前記一対の金型において、前記一つの第1コア金型によって形成される前記対物レンズ部に対する要求精度が、前記残りの第1コア金型によって形成される前記対物レンズ部に対する要求精度よりも高いことを特徴とする。ここで、要求精度が高いとは、対物レンズ部によって形成されるスポット径がより小さいことを意味する。この場合、一つの第1コア金型によって突き出される成形品部分を要求精度に対応したより高精度のものとできる。
【0013】
本発明のさらに別の態様によれば、前記第1コア金型の前記転写面により、前記複合対物レンズの光源側の光学面が形成されることを特徴とする。前記第1コア金型を備える一方の金型が可動金型あり第2コア金型によって突出しを行うので、複合対物レンズの光源側の光学面を無理なく確実に離型することができ、複合対物レンズの光源側の光学面を高精度に形成できる。
【0014】
本発明のさらに別の態様によれば、前記複数の第1コア金型のそれぞれが、前記一方の金型に取り付ける際の回転位置が変更可能に構成されているとともに、前記複数の第2コア金型のそれぞれが、前記他方の金型に取り付ける際の回転位置が変更可能に構成されていることを特徴とする。この場合、第1コア金型や第2コア金型の回転位置の調整によって複合対物レンズを構成する複数の対物レンズ部のコマ収差や非点収差を個別に調整することができ、収差の少ない複合対物レンズを提供することができる。
【0015】
本発明に係る光ピックアップ装置用の複合対物レンズは、上述の複合対物レンズ成形金型を用いて製造されたことを特徴とする。この場合、上記複合対物レンズ成形金型による精密な成形によって高精度の光学素子すなわち複合対物レンズを得ることができる。
【0016】
本発明に係る光ピックアップ装置は、光源と、上述の光ピックアップ装置用の複合対物レンズとを備えたことを特徴とする。この場合、上述の複合対物レンズによって、高精度で情報の再生及び/又は記録可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の一実施形態に係る複合対物レンズ成形金型を組み込んだ成形機システムについて、図面を参照しつつ説明する。なお、図1は、上記成形機システムを説明する正面図であり、図2は、図1の成形機システムのAA矢視図である。
【0018】
成形機システム100は、射出成形装置10と、取出し機70とを備える。このうち、射出成形装置10は、支持フレーム20と、固定プラテン31と、可動プラテン33と、後部プラテン35と、開閉駆動装置40と、射出装置50とを備え、固定プラテン31と可動プラテン33との間に固定金型61と可動金型63とを挟持して両金型61,63を型締めすることにより成形を可能にする。また、取出し機70は、射出成形装置10に付随して成形に関連する動作を行う付帯装置すなわち周辺機器となっている。
【0019】
射出成形装置10において、支持フレーム20は、射出成形装置10の各部を支持するための台座となっており、その上部には、固定プラテン31や後部プラテン35が、不図示の固定装置によって精密に位置決めされ、かつ、振動を抑えた状態で支持・固定されている。
【0020】
固定プラテン31は、支持フレーム20の中央付近の上面に固定されており、取出し機70をその上部に支持する。固定プラテン31の内側31aは、後述する固定金型61を着脱可能に支持しており、可動プラテン33の内側33aに対向している。
【0021】
可動プラテン33は、後述するスライドガイド41によって±X方向に往復移動可能に支持されている。可動プラテン33の内側33aは、後述する可動金型63を着脱可能に支持しており、固定プラテン31の内側31aに対向している。可動プラテン33の背面には、押出ピン駆動装置69が取り付けられている。押出ピン駆動装置69は、可動金型63に組み込んだ後述するエジェクタピンを駆動して、可動金型63に残っている成形品MPの突出しを行う。
【0022】
後部プラテン35は、支持フレーム20の一端側の上面に固定されているが、±X方向に関して位置調整が可能になっており、固定プラテン31と可動プラテン33との間隔調整を可能にしている。後部プラテン35は、型締めに際して、開閉駆動装置40のトグル機構45を介して可動プラテン33をその背後から支持する。なお、後部プラテン35と固定プラテン31とは、タイバー43a,43bを介して相互に固定されており、成形時の型締め(すなわちロックアップ)の圧力に耐え得るようになっている。
【0023】
開閉駆動装置40は、スライドガイド41と、タイバー43a,43bと、トグル機構45と、アクチュエータ47とを備える。このうち、スライドガイド41は、可動プラテン33を摺動可能に支持する案内装置として機能する。また、トグル機構45とアクチュエータ47とは、可動プラテン33を進退移動させるための駆動装置として機能する。
【0024】
上記開閉駆動装置40において、スライドガイド41は、支持フレーム20上であって可動プラテン33の直下に設けられており、可動プラテン33を支持するとともに可動プラテン33の±X方向に関する滑らかな往復移動を可能にしている。
【0025】
上側タイバー43aと下側タイバー43bとは、それぞれ固定プラテン31と後部プラテン35との間に架設されている。上側タイバー43aと下側タイバー43bとは、実際には2本ずつあり,固定プラテン31及び後部プラテン35の四隅に支持されて、互いに平行にX方向に延びている。可動プラテン33の四隅には、タイバー43a,43bを通すための貫通孔が形成されている。
【0026】
トグル機構45は、それぞれトグルリンク45d等の部材からなる第1及び第2トグル部45a,45bで構成され、可動プラテン33と後部プラテン35との間に掛け渡されている。第1及び第2トグル部45a,45bは、アクチュエータ47からの駆動力を受けて伸縮する。つまり、後部プラテン35に対して可動プラテン33が近接したり離間したり自在に変位し、結果的に、可動プラテン33を固定プラテン31の方向に所望の圧力で押圧することができる。これにより、可動プラテン33の型締め位置において、可動プラテン33と固定プラテン31とを互いに近接するように締め付けることができ、これらに挟まれた固定金型61と可動金型63とを型閉じすることができる。或いは、可動プラテン33と固定プラテン31とを互いに離間させて可動プラテン33を退避位置まで移動させることができ、これらに挟まれた固定金型61と可動金型63とを型開きすることができる。さらに、型閉じに際しては、アクチュエータ47の駆動によって可動プラテン33を固定プラテン31側に極めて大きな圧力で押し付けることができ、固定金型61と可動金型63とを十分な力で型締めすることができる。なお、アクチュエータ47は、モータやボールネジ等からなる機械機構型の駆動装置、若しくは油圧シリンダ等からなる流体利用型の駆動装置で構成され、不図示の制御部からの制御信号に応じて所望のタイミングで動作する。以上の説明では、開閉駆動装置40にトグル機構45を設けて型開閉を行うものとしたが、トグル機構45を省略してアクチュエータ47で直接可動プラテン33を動作させることもできる。
【0027】
射出装置50は、シリンダ、スクリュ、ヒータ等を含む加熱筒部51と、加熱筒部51に樹脂を供給するホッパ52と、加熱筒部51の進退動作や加熱筒部51中のスクリュに回転等の動作を行わせる駆動部53とを備え、射出端55から成形用の溶融樹脂を吐出させることができる。射出装置50は、その射出端55を固定プラテン31に対して分離可能に接続することができ、固定プラテン31を介して、固定金型61と可動金型63とを型締めした状態で両者の間に形成されるキャビティ中に、加熱筒部51中に形成された溶融樹脂を適当な圧力にして所望のタイミングで供給することができる。
【0028】
取出し機70は、基部71と、Y移動部73と、X移動部74と、ハンド75とを備える。このうち、Y移動部73、X移動部74、ハンド75等は、取出し機70の可動部を構成する。
【0029】
上記取出し機70において、基部71は、固定部71aとガイドレール71bとを有しており、取出し機70を固定プラテン31に固定し支持するための部分となっている。具体的には、固定部71aが固定プラテン31の上面31cに固定され、ガイドレール71bが固定部71a上でY方向すなわち水平方向に延在する状態で支持される。
【0030】
Y移動部73は、基部71のガイドレール71bに支持され、ガイドレール71bに沿って±Y方向に滑らかにスライド移動可能になっており、X方向に延びるガイドレール73bを支持する。
【0031】
X移動部74は、Y移動部73から延びるガイドレール73bに支持されて、±X方向に進退可能になっており、結果的にXY面内で2次元的に任意の位置に移動可能になっている。また、X移動部74は、ハンド75から延びる支持棒75aを昇降移動させることができる。
【0032】
ハンド75は、X移動部74の支持棒75aの下端に支持されて、3次元的に任意の位置に移動可能になっている。また、ハンド75は、必要なタイミングで開閉する一対のチャック部材75b,75b間に成形品MPを把持することができる。なお、成形品MPが光学素子であることから、光学面を傷つけないように、成形に付随して形成される不要部分であるスプル部分等がハンド75に把持される。
【0033】
図3は、固定金型61と可動金型63とで構成される複合対物レンズ成形金型を含む金型装置部分の構造を説明する側断面図である。
【0034】
固定金型61は、取付板61bと、第2コア金型61c,61dと、周辺金型61eとを備えて構成され、可動金型63は、取付板63bと、第1コア金型63c,63dと、周辺金型63eとを備えて構成される。
【0035】
固定金型61において、取付板61b上には、スペーサ61gを介して一方の第2コア金型61cが固定され、スペーサ61gの厚み調整によって取付板61bに対する一方の第2コア金型61c先端の光学転写面OS1の高さ位置の調整が可能になっている。また、一方の第2コア金型61cの基部PR1上には、スペーサS1を介して周辺金型61eが固定され、スペーサS1の厚み調整によって一方の第2コア金型61cすなわち取付板61bに対する周辺金型61eの端面EN1の高さ位置の調整が可能になっている。この周辺金型61eに形成された貫通孔H1には、 一方の第2コア金型61cの軸部AX1を挿通させている。さらに、周辺金型61eに形成された別の貫通孔H2には、他方の第2コア金型61dが 挿入されており、この第2コア金型61dの根元側に形成されたフランジ部FRは、一方の第2コア金型61cの基部PR1側において支持されるスペーサS3と、周辺金型61eとに挟まれており、周辺金型61e、フランジ部FR及びスペーサS3の厚み調整等によって、一方の第2コア金型61cすなわち取付板61bに対する他方の第2コア金型61d先端の光学転写面OS2の高さ位置の調整が可能になっている。なお、以上において、周辺金型61eは、ボルト等の締結部材61i,61iによって、一方の第2コア金型61cに対して着脱可能に固定されており、結果的にこれらに挟まれた状態で他方の第2コア金型61dも固定される。
【0036】
可動金型63において、取付板63b上には、スペーサ63gを設けた一方の第1コア金型63cが支持されており、スペーサ63gの厚み調整によって取付板63bに対する第1コア金型63c先端の光学転写面OS3の高さ位置の調整が可能になっている。また、取付板63b上には、スペーサ63h,S4を介して周辺金型63eが固定され、スペーサ63h,S4の厚み調整によって取付板63bに対する周辺金型63eの端面EN2の高さ位置の調整が可能になっている。この周辺金型63eに形成された貫通孔H3には、 一方の第1コア金型63cの軸部AX3を挿通させている。さらに、周辺金型63eに形成された別の貫通孔H4には、他方の第1コア金型63dが 挿入されており、この第1コア金型63dの根元側に形成されたフランジ部FRは、スペーサS4側において支持されるスペーサS6と、周辺金型63eとに挟まれており、周辺金型63e、フランジ部FR及びスペーサS6の厚み調整によって取付板63、一方の第1コア金型63c等に対する他方の第1コア金型63d先端の光学転写面OS4の高さ位置の調整が可能になっている。なお、以上において、スペーサS4は、ボルト等の締結部材63i,63iによって、周辺金型63eに対して着脱可能に固定されており、結果的にこれらに挟まれた状態で他方の第1コア金型63dも固定される。
【0037】
取付板63bには、軸状のピン孔63jが形成されており、このピン孔63jには、一方の第1コア金型63cを軸方向に進退させるためのエジェクタピン63pが軸方向に進退可能に挿入されている。このエジェクタピン63pは、図1に示す押出ピン駆動装置69に直接的又は間接的に連結されて進退動作する。一方の第1コア金型63cの基部PR2の表面は、進退空間RSを介して周辺金型63e側のスペーサA4に対向しており、その裏面は、スペーサ63gに密着している。エジェクタピン63pを押し込むことで、これに連結された第1コア金型63cの軸部AX3を固定金型61側に突出させることができる。以上において、エジェクタピン63p等は、一方の第1コア金型63cを成形完了時に突出させるための突出機構を構成する。
【0038】
一方の第1コア金型63cの基部PR2には、複数の突出しピンPI1,PI2が埋め込むように固定されている。突出しピンPI1,PI2は、第1コア金型63cと連動するようになっており、エジェクタピン63pによって進退する第1コア金型63cと連動して進退する。なお、突出しピンPI1,PI2は、スペーサS4や周辺金型63eに設けた貫通孔に挿通されており、その先端部は、キャビティCAを臨むように配置されており、周辺金型63eの端面EN2側に突出可能になっている。ここで、突出しピンPI2は、一方の第1コア金型63cの周囲に配置されており、突出しピンPI1は、他方の第1コア金型63dの周囲に配置されている。
【0039】
図3に示す金型装置部分における成形について説明すると、樹脂充填時において、図1の射出装置50の射出端55から射出された溶融状態の樹脂は、ランナRUおよびゲートGAを通過して、キャビティCAに流れ込むようになっている。 キャビティCAやランナRU中の樹脂が完全に固化すると、まず型開きによって固定金型61から可動金型63を離間させる。この際、キャビティCAに相当する製品部分は可動金型63側に残る。その後、押出ピン駆動装置69を動作させてエジェクタピン63pを前進させる。これに伴って、第1コア金型63cが突き出されるとともに、これに連動して突出しピンPI1,PI2も突き出される。この結果、キャビティCAに相当する製品部分が可動金型63から突き出される。ここで、突出しピンPI1は、光学転写面OS2,OS4に挟まれて形成された製品部分を主に押し出し、突出しピンPI2は、光学転写面OS1,OS3に挟まれて形成された製品部分を主に押し出す。この場合、エジェクタピン63pの突出量の調整によって、可動金型63から落下しない程度に上記製品部分である成形品MP(図1参照)を固定金型61から突出させ、可動金型63側に成形品MPを残すことができる。
【0040】
図4(A)は、第2コア金型61c,61dの回転位置の調整方法を説明する図である。まず、一方の第2コア金型61cの基部PR1は、周辺金型61eの背後にあって、図3の締結部材61iをねじ込むための孔61kを、基部PR1上であって軸部AX1の周囲に例えば4つ有する。これらの孔61kは、軸部AX1のまわりに当分割された方向に形成されており、具体的には軸部AX1を中心として90°ずつ異なる方位に配置されている。手前側の周辺金型61eにも、図3の締結部材61iをねじ込むための孔61mが、第2コア金型61cの孔61kにそれぞれ対応して形成されている。これにより、一方の第2コア金型61cは、周辺金型61eに対して90°ずつ回転させた任意の回転角度すなわち回転位置で固定可能になる。つまり、一方の第2コア金型61cの光学転写面OS1は、全体の固定金型61に対して90°刻みで回転可能になっている。なお、図示の例では、孔61k,61mを軸部AX1のまわりに4つ形成する場合について説明したが、 軸部AX1のまわりに形成する孔61k,61mの個数は、一方の第2コア金型61cの光学転写面OS1を回転させたい角度単位に応じて適宜変更することができる。以上のような、第2コア金型61cの回転位置の調整によって、金型61,63間に形成される成形品MPのうち光学転写面OS1に対応する光学面を備える対物レンズ部のコマ収差や非点収差を調整することができ、収差の少ない複合対物レンズからなる成形品MPを提供することができる。
【0041】
他方の第2コア金型61dのフランジ部FRは、周辺金型61eの後端にあって、他方の第2コア金型61dの軸方向から見て正方形の輪郭を有する。これに対応して、周辺金型61eの貫通孔H2に形成された段差状の座部61rも正方形の輪郭を有する。これにより、他方の第2コア金型61dは、周辺金型61eに対して90°ずつ回転させた任意の回転角度すなわち回転位置で固定可能でになる。つまり、他方の第2コア金型61dの光学転写面OS2は、全体の固定金型61に対して90°刻みで回転可能になっている。なお、図示の例では、フランジ部FRや座部61rを軸方向から見て正方形の輪郭を有するものとして説明したが、 フランジ部FRや座部61rの輪郭形状は、他方の第2コア金型61dの光学転写面OS2を回転させたい角度単位に応じて適宜の多角形に変更することができる。なお、180°回転させるだけの場合、フランジ部FRや座部61rを長方形の輪郭を有するものとできる。以上のような、第2コア金型61dの回転位置の調整によって、金型61,63間に形成される成形品MPのうち光学転写面OS2に対応する光学面を備える対物レンズ部のコマ収差や非点収差を調整することができ、収差の少ない複合対物レンズからなる成形品MPを提供することができる。
【0042】
以上において、回転位置が調整される光学転写面OS1と光学転写面OS2とを囲むようにキャビティCAが形成されており、キャビティCAの輪郭は、成形品MPのフランジの外周に対応している。
【0043】
図4(B)は、第1コア金型63c,63dの回転位置の調整方法を説明する図である。まず、一方の第1コア金型63cの基部PR2やこれを支持するスペーサ63gは、周辺金型63eの背後にあって、アライメント用の嵌合ピン(不図示)をねじ込むための孔63kを、軸部AX3の周囲に例えば4つ有する。これらの孔63kは、軸部AX3のまわりに当分割された方向に形成されており、具体的には軸部AX3を中心として90°ずつ異なる方位に配置されている。手前側の周辺金型63eにも、アライメント用の嵌合ピン(不図示)をねじ込むための孔63mが、第1コア金型63cの孔61kにそれぞれ対応して形成されている。これにより、一方の第1コア金型63cは、周辺金型63eに対して90°ずつ回転させた任意の回転角度すなわち回転位置で固定可能になる。つまり、一方の第1コア金型63cの光学転写面OS3は、全体の可動金型63に対して90°刻みで回転可能になっている。なお、図示の例では、孔63k,63mを軸部AX3のまわりに4つ形成する場合について説明したが、軸部AX4のまわりに形成する孔63k,63mの個数は、一方の第1コア金型63cの光学転写面OS3を回転させたい角度単位に応じて適宜変更することができる。以上のような、第1コア金型63cの回転位置の調整によって、金型61,63間に形成される成形品MPのうち光学転写面OS3に対応する光学面を備える対物レンズ部のコマ収差や非点収差を調整することができ、収差の少ない複合対物レンズからなる成形品MPを提供することができる。
【0044】
なお、一方の第1コア金型63cの回転に伴って、一方の第1コア金型63cに固定される突出しピンPI1,PI2の位置を変更する必要があるが、一方の第1コア金型63cの基部PR2に、上記孔63kと同様に適当な配置で突出しピンPI1,PI2の固定位置を変更するための孔を多数あけておけば問題ない。
【0045】
他方の第1コア金型63dのフランジ部FRは、周辺金型63eの後端にあって、他方の第1コア金型63dの軸方向から見て正方形の輪郭を有する。これに対応して、周辺金型63eの貫通孔H4に形成された段差状の座部63rも正方形の輪郭を有する。これにより、他方の第1コア金型63dは、周辺金型63eに対して90°ずつ回転させた任意の回転角度すなわち回転位置で固定可能になる。つまり、他方の第1コア金型63dの光学転写面OS4は、全体の可動金型63に対して90°刻みで回転可能になっている。なお、図示の例では、フランジ部FRや座部63rを軸方向から見て正方形の輪郭を有するものとして説明したが、 フランジ部FRや座部63rの輪郭形状は、他方の第1コア金型63dの光学転写面OS4を回転させたい角度単位に応じて適宜の多角形に変更することができる。なお、180°回転させるだけの場合、フランジ部FRや座部63rを長方形の輪郭を有するものとできる。以上のような、第1コア金型63dの回転位置の調整によって、金型61,63間に形成される成形品MPのうち光学転写面OS4に対応する光学面を備える対物レンズ部のコマ収差や非点収差を調整することができ、収差の少ない複合対物レンズからなる成形品MPを提供することができる。
【0046】
以上において、上記図4(A)の場合と同様に、回転位置が調整される光学転写面OS3と光学転写面OS4とを囲むように周辺金型63eの窪みとしてキャビティCAが形成されており、キャビティCAの輪郭は、成形品MPのフランジの外周に対応している。
【0047】
図5は、図1等に示す成形機システム100を用いて射出成形した複合対物レンズ91の断面図である。複合対物レンズ91は、第1対物レンズ部91aと、第2対物レンズ部91bと、支持体部分91cとを備える光学素子である。支持体部分91cは、第1対物レンズ部91aと第2対物レンズ部91bとを支持して不図示のホルダに固定するための部分となっている。
【0048】
第1対物レンズ部91aは、図3に示す第2コア金型61cと第1コア金型63cとによって挟まれた空間に形成されるものであり、第1対物レンズ部91aの各光学面OS1’,S3’は、比較的要求精度が高く、それぞれ各コア金型61c,63cの光学転写面OS1,OS3に対応している。同様に、第2対物レンズ部91bは、図3に示す第2コア金型61dと第1コア金型63dとによって挟まれた空間に形成されるものであり、第2対物レンズ部91bの各光学面OS2’,OS4’は、比較的要求精度が低く、それぞれ各コア金型61d,63dの光学転写面OS2,OS4に対応している。以上の複合対物レンズ91において、光学面OS1’,OS2’は、光情報記録媒体側に配置され、光学面OS3’,OS4’は、光源側に配置されるものとなっている。ただし、第1対物レンズ部91aの光学面OS3’の方が突起量が多く、第2対物レンズ部91bの光学面OS4’の方が突起量が少ない。なお、支持体部分91cには、成形時に形成されるゲートを切除したゲートカット部CPが形成されている。
【0049】
以上説明の説明から明らかなように、図3に示す本実施形態の複合対物レンズ成形金型によれば、両金型61,63が、複合対物レンズ91を構成する第1対物レンズ部91aの両光学面OS1’,OS3’をそれぞれ形成する光学転写面OS1,OS3を有するコア金型61c,63cを備えるとともに、第2対物レンズ部91bの両光学面OS2’,OS4’をそれぞれ形成する光学転写面OS2,OS4を有するコア金型61d,63dを備えるので、各対物レンズ部91a,91bの光情報記録媒体側の各光学面OS1’,OS2’,OS3’,OS4’を別体のコア金型61c,61d,63c,63dで形成することができる。よって、各対物レンズ部91a,91bの光情報記録媒体側の各光学面OS1’,OS2’,OS3’,OS4’の回転位置を含む配置、形状等を個別に調整することができ、高い面精度の複数の対物レンズ部91a,91bからなる複合対物レンズ91を比較的安価に再現性良く形成することができる。
【0050】
図6は、図5の複合対物レンズ91を組み込んだ光ピックアップ装置の光学系の構成を概略的に示す図である。
【0051】
この光ピックアップ装置において、各半導体レーザ81A,81Bからのレーザ光は、共用の対物レンズアクチュエータ200を介して光情報記録媒体である光ディスクDB,DD(又はDC)にそれぞれ集光され、各光ディスクDB,DD(又はDC)からの反射光は、共用の対物レンズアクチュエータ200を介し、最終的に各光検出器87A,87Bにそれぞれ導かれる。
【0052】
ここで、第1半導体レーザ81Aは、第1光ディスクDBの情報再生用のレーザ光(具体的には、BD用の波長405nm)を発生し、このレーザ光は、対物レンズアクチュエータ200に設けた複合対物レンズ91の第1対物レンズ部91aで集光され、NA0.85相当のスポットが情報記録面MB上に形成される。第2半導体レーザ81Bは、2波長型のレーザダイオードであり、第2光ディスクDDと第3光ディスクDCの情報再生用のレーザ光(具体的には、DVD用の波長655nm、又はCD用の波長780nm)を発生し、その後レーザ光は、第2対物レンズ部91bで集光され、NA0.65(又はNA0.53)相当のスポットが情報記録面MD(又はMC)上に形成される。
【0053】
一方、第1光検出器87Aは、第1光ディスクDB(具体的にはBD)に記録された情報を光信号として検出し、第2光検出器87Bは、第2光ディスクDD(具体的にはDVD)又は第3光ディスクDC(具体的にはCD)に記録された情報を光信号として検出する。
【0054】
以下、図6の光ピックアップ装置の詳細な構造や具体的な動作について説明する。まず第1光ディスクDBを再生する場合、第1半導体レーザ81Aから例えば波長405nmのレーザ光が出射され、出射された光束は、ビームシェーパやコリメータレンズからなるコリメータ系82Aにより平行光束となる。この光束は、トラッキング用信号の検出に使用するサブビームスポットを生成するためのグレーティング83A、偏光ビームスプリッタ84A、ダイクロイックプリズム84Cを透過し、さらにビームエキスパンダ84G、1/4波長板88Bを透過し、ダイクロイックプリズム84Dに入射する。入射した光束は面84Daで反射され、第1対物レンズ部91aを介して、第1光ディスクDBの情報記録面MBに集光される。
【0055】
情報記録面MBでピットや記録マークにより変調されて反射された光束は、再び第1対物レンズ部91a等を透過して、ダイクロイックプリズム84C等を経て偏光ビームスプリッタ84Aに入射し、ここで反射されてサーボレンズ85Aにより非点収差が与えられ、第1光検出器87A上へ入射し、その出力信号を用いて、第1光ディスクDBに記録された情報の読み取り信号が得られる。
【0056】
また、第1光検出器87A上でのスポットの形状変化、位置変化による光量変化を検出して、合焦(フォーカス)検出やトラック検出を行う。この検出に基づいて、対物レンズアクチュエータ200に設けた不図示の磁気回路部が、第1半導体レーザ81Aからの光束を第1光ディスクDBの情報記録面MB上に結像させるように、複合対物レンズ91すなわち第1対物レンズ部91aを光軸方向に移動させるとともに、この第1半導体レーザ81Aからの光束を所定のトラックに結像するように、同第1対物レンズ部91aを光軸に垂直な方向に移動させる。
【0057】
次に、第2光ディスクDDを再生する場合、第2半導体レーザ81Bから例えば波長655nmのレーザ光が出射され、出射された光束は、コリメータ系82Bにより平行光束となる。この光束は、トラッキング用信号の検出に使用するサブビームスポットを生成するためのグレーティング83B、偏光ビームスプリッタ84Bを透過し、ダイクロイックプリズム84Cで反射され、ビームエキスパンダ84G、1/4波長板88Bを通過し、ダイクロイックプリズム84Dに入射する。入射した光束は、面84Daを透過し、面84Dbで反射されて、複合対物レンズ91のうち対応する第2対物レンズ部91bを介して第2光ディスクDDの情報記録面MDに集光される。
【0058】
情報記録面MDでピットや記録マークにより変調されて反射された光束は、再び第2対物レンズ部91bを透過して、ダイクロイックプリズム84D、ビームエキスパンダ84G等を通過した後、ダイクロイックプリズム84Cで反射され、さらに偏光ビームスプリッタ84Bで反射される。反射された光束は、サーボレンズ85Bにより非点収差が与えられ、第2光検出器87B上ヘ入射し、その出力信号を用いて、第2光ディスクDDに記録された情報の読み取り信号が得られる。また、第1光ディスクDBの場合と同様、第2光検出器87B上でのスポットの形状変化、位置変化による光量変化を検出して、合焦検出やトラック検出を行い、対物レンズアクチュエータ200に設けた不図示の磁気回路部により、フォーカシング及びトラッキングのため、複合対物レンズ91すなわち第2対物レンズ部91bを移動させる。
【0059】
次に、第3光ディスクDCを再生する場合、第2半導体レーザ81Bから例えば波長780nmのレーザ光が出射され、出射された光束は、コリメータ系82Bにより平行光束となる。この光束は、トラッキング用信号の検出に使用するサブビームスポットを生成するためのグレーティング83B、偏光ビームスプリッタ84Bを透過し、ダイクロイックプリズム84Cで反射され、ビームエキスパンダ84G、1/4波長板88Bを通過し、ダイクロイックプリズム84Dに入射する。入射した光束は、面84Daを透過し、面84Dbで反射されて、複合対物レンズ91のうち対応する第2対物レンズ部91bを介して第3光ディスクDCの情報記録面MCに集光される。
【0060】
情報記録面MCでピットや記録マークにより変調されて反射された光束は、再び第2対物レンズ部91bを透過して、ダイクロイックプリズム84D、ビームエキスパンダ84G等を通過した後、ダイクロイックプリズム84Cで反射され、さらに偏光ビームスプリッタ84Bで反射される。反射された光束は、サーボレンズ85Bにより非点収差が与えられ、第2光検出器87B上ヘ入射し、その出力信号を用いて、第3光ディスクDCに記録された情報の読み取り信号が得られる。また、第2光ディスクDDの場合と同様、第2光検出器87B上でのスポットの形状変化、位置変化による光量変化を検出して、合焦検出やトラック検出を行い、対物レンズアクチュエータ200に設けた不図示の磁気回路部により、フォーカシング及びトラッキングのために、複合対物レンズ91すなわち第2対物レンズ部91bを移動させる。
【0061】
なお、以上は各光ディスクDB,DD(又はDC)から情報を再生する場合の説明であったが、各半導体レーザ81A,81Bの出力を調整すること等により、各光ディスクDB,DD(又はDC)に情報を記録することもできる。
【0062】
また、上記光ピックアップ装置では、第1対物レンズ部91aによりBD(又はHD DVD)に対する情報の再生・記録を行い、第2対物レンズ部91bによりDVDやCDに対する情報の再生・記録を行っているが、第1対物レンズ部91aによりBDに対する情報の再生・記録を行い、第2対物レンズ部91bによりHD DVDやDVD、CDに対する情報の再生・記録を行う実施形態とすることもできる。逆に、第1対物レンズ部91aによりHD DVDに対する情報の再生・記録を行い、第2対物レンズ部91bによりBDやDVD、CDに対する情報の再生・記録を行う実施形態とすることもできる。さらに、第1対物レンズ部91aによりCDに対する情報の再生・記録を行い、第2対物レンズ部91bによりDVDに対する情報の再生・記録を行う実施形態とすることもできる。
【0063】
また、上記光ピックアップ装置の光学系の構成は、単なる例示であり、例えば第1対物レンズ部91a用の光束と、第2対物レンズ部91b用の光束とを同一の光路に導き、情報の再生・記録の対象となる光情報記録媒体の変更に対応して両対物レンズ部91a,91bの配置を切り替えることも可能である。
【0064】
以上実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態において、第1対物レンズ部91aに対向するコア金型63cを突き出すこととしているが、第2対物レンズ部91bに対向するコア金型63dを突き出す構造とでき、さらに両コア金型63c,63dを突き出すこともできる。この際、突出しピンPI1,PI2は、突出しを行わないコア金型63c,63d周辺に設けるのが原則であるが、突出しを行うコア金型63c,63d周辺に設けることもできる。なお、ゲートGA等の周辺に成形品MPの分離を容易にするため突出しピンを設けることもできる。
【0065】
また、上記実施形態では、可動金型63側に突出機構を設けているが、固定金型61側に突出機構を設けることもできる。
【0066】
また、上記実施形態では、射出成形装置10は、横置き型のものを例示したが竪型の射出成形装置であっても、図3に示す複合対物レンズ成形金型すなわち固定金型61と可動金型63とを鉛直方向上下に配置して組み込むことができ、高い面精度の複数の対物レンズ部91a,91bからなる複合対物レンズ91を精度良く形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】第1実施形態の射出成形装置等を説明する正面図である。
【図2】図1の射出成形装置のAA矢視図である。
【図3】固定金型及び可動金型の構造を説明する側断面図である。
【図4】(A)、(B)は、コア金型の位置調整を説明する図である。
【図5】図1等に示す成形機システムを用いて射出成形したレンズの断面図である。
【図6】図5のレンズを組み込んだ光ピックアップ装置の光学系を示す図である。
【符号の説明】
【0068】
10…射出成形装置、 20…支持フレーム、 31…固定プラテン、 33…可動プラテン、 35…後部プラテン、 40…開閉駆動装置、 41…スライドガイド、 50…射出装置、 61…固定金型、 61b…取付板、 61c,61d…第2コア金型、 61e…周辺金型、 61i,61i…締結部材、 63…可動金型、 63b…取付板、 63c,63d…第1コア金型、 61e、63e…周辺金型、 63p…エジェクタピン、 69…押出ピン駆動装置、 70…取出し機、 75…ハンド、 81A,81B…半導体レーザ、 87A,87B…光検出器、 91…複合対物レンズ、 91a…第1対物レンズ部、 91b…第2対物レンズ部、 91c…支持体部分、 100…成形機システム、 200…対物レンズアクチュエータ、 CA…キャビティ、 FR…フランジ部、 PI1,PI2…ピン、 MP…成形品、 OS1,OS2,OS3,OS4…光学転写面、 RU…ランナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の対物レンズ部が並列的に配置された光ピックアップ装置用の複合対物レンズを一体成形により形成するための一対の金型を備える複合対物レンズ成形金型であって、
前記一対の金型のうち、一方の金型は、前記複数の対物レンズ部の一方側の各光学面をそれぞれ形成する転写面を有する複数の第1コア金型を備え、
前記一対の金型のうち、他方の金型は、前記複数の対物レンズ部の他方側の各光学面をそれぞれ形成する転写面を有する複数の第2コア金型を備えることを特徴とする複合対物レンズ成形金型。
【請求項2】
前記一方の金型は、可動金型であり、前記複数の第1コア金型の少なくとも一つは、前記一方の金型から突出可能であることを特徴とする請求項1に記載の複合対物レンズ成形金型。
【請求項3】
前記一方の金型は、可動金型であり、前記複数の第1コア金型のうち一つの第1コア金型は、前記一方の金型から突出可能であり、前記複数の第1コア金型の残りの第1コア金型の周囲に、前記一方の金型から突出可能なピンを備えていることを特徴とする請求項1及び請求項2のいずれか一項に記載の複合対物レンズ成形金型。
【請求項4】
前記一対の金型において、前記一つの第1コア金型によって形成される前記対物レンズ部に対する要求精度は、前記残りの第1コア金型によって形成される前記対物レンズ部に対する要求精度よりも高いことを特徴とする請求項3に記載の複合対物レンズ成形金型。
【請求項5】
前記第1コア金型の前記転写面により、前記複合対物レンズの光源側の光学面が形成されることを特徴とする請求項2から請求項4までのいずれか一項に記載の複合対物レンズ成形金型。
【請求項6】
前記複数の第1コア金型のそれぞれは、前記一方の金型に取り付ける際の回転位置が変更可能に構成されているとともに、前記複数の第2コア金型のそれぞれは、前記他方の金型に取り付ける際の回転位置が変更可能に構成されていることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の複合対物レンズ成形金型。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の複合対物レンズ成形金型を用いて製造されたことを特徴とする複合対物レンズ。
【請求項8】
光源と、請求項7に記載の複合対物レンズとを備えたことを特徴とする光ピックアップ装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2008−234724(P2008−234724A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−69851(P2007−69851)
【出願日】平成19年3月19日(2007.3.19)
【出願人】(303000408)コニカミノルタオプト株式会社 (3,255)
【Fターム(参考)】