説明

複合機

【課題】認証処理に使用される認証情報を効率的に登録できる複合機を提供する。
【解決手段】コンボボックスのテキストボックスに正しい個人情報が表示されていると判断される場合(S105)、対応するテキストボックス内の文字列が取得される(S106)。コンボボックスのテキストボックスに正しい個人情報が表示されていないと判断される場合において、対応するリストボックスに正しい個人情報が表示されていると判断される場合(S107)、リストボックス内に表示された文字列のうちのいずれかの文字列が取得される(S108)。リストボックスに正しい個人情報が表示されていないと判断される場合、正しい個人情報に対応する文字列が入力される。そして、ステップS106またはS108で取得された文字列、またはステップS109で入力された文字列(個人情報)が、認証情報として認証用データベースに登録される(S110)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合機に関するもので、特に、複合機の認証処理に用いられる認証情報の登録に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、OCR(optical character recognition)処理により抽出された情報に基づいて、認証処理を実行する技術が、知られている(例えば、特許文献1)。また、OCR処理により認識された文字列のうち、入力操作により指定された文字列を登録する技術についても、従来より知られている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−171367号公報
【特許文献2】特開平02−195474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1および2のいずれにも、使用権限の有無の判断に用いられる認証情報を、複合機に対してどのように登録するかについては、何ら記載されていない。
【0005】
そこで、本発明では、認証処理に使用される認証情報を効率的に登録できる複合機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、シート状媒体上の画像を読み取る読取部と、前記読取部により読み取られた前記画像から文字を識別することによって、前記シート状媒体上の文字を文字データとして認識する認識部と、前記認識部により認識された文字データから、個人を特定するための個人情報を抽出する抽出部と、前記抽出部により抽出された個人情報を、認証情報として登録する登録部とを備えることを特徴とする。
【0007】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の複合機において、前記登録部は、前記抽出部により抽出された個人情報に基づいて、各使用者の使用権限を設定することを特徴とする。
【0008】
また、請求項3の発明は、請求項2に記載の複合機において、前記登録部は、前記抽出部により抽出された個人情報のうち、使用者の属性に関する情報に基づいて、各使用者の使用権限を設定することを特徴とする。
【0009】
また、請求項4の発明は、請求項2または請求項3に記載の複合機において、前記登録部は、前記抽出部により抽出された個人情報に代え、入力部を介して修正された個人情報に基づいて、各使用者の使用権限を設定することを特徴とする。
【0010】
また、請求項5の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の複合機において、前記登録部は、前記抽出部により抽出された個人情報に代え、入力部を介して修正された個人情報を、前記認証情報として登録することを特徴とする。
【0011】
また、請求項6の発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の複合機において、前記認識部は、前記シート状媒体上の指定された領域に対して、認識処理を実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1から請求項6に記載の発明によれば、シート状媒体から抽出された個人情報を、各使用者の認証情報として複合機に登録することができる。これにより、複合機に対して効率的に認証情報を登録することができる。そのため、各使用者の認証情報の登録に際し、使用者による認証情報の入力負担を軽減できる。
【0013】
特に、請求項2および請求項3に記載に記載の発明によれば、シート状媒体から抽出された個人情報に基づいて、各使用者の使用権限を設定することができる。そのため、各使用者の認証情報の登録だけでなく、各使用者の使用権限の設定に際しても、使用者による入力負担を軽減できる。
【0014】
特に、請求項4および請求項5に記載の発明によれば、シート状媒体から個人情報が正しく抽出されなかった場合であっても、入力部を介して修正された個人情報に基づいて使用権限を設定することができ、修正された個人情報を認証情報として登録することができる。そのため、誤った個人情報に基づいて使用権限が設定されること、および、誤った個人情報が認証情報として登録されることを、防止することができる。
【0015】
特に、請求項6に記載の発明によれば、シート状媒体上のうち、指定された領域を、認識対象とすることができる。すなわち、シート状媒体上の全域を認識対象とする必要がない。そのため、認識処理に要する計算コストを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態における複合機の全体構成の一例を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態における複合機の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図3】シート状媒体の一例を示す平面図である。
【図4】シート状媒体から抽出された個人情報の表示例を示す図である。
【図5】シート状媒体から抽出された個人情報の表示例を示す図である。
【図6】認証情報の登録手法を説明するためのフローチャートである。
【図7】使用者の属性に関する情報と複合機の使用権限との対応関係の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0018】
<1.複合機の構成>
図1は、本発明の実施の形態における複合機1の全体構成の一例を示す斜視図である。図2は、複合機1の機能構成の一例を示すブロック図である。ここで、複合機1は、スキャナ、プリンタ、複写機、ファクシミリ、またはこれらの機能を複合させた装置である。図1および図2に示すように、複合機1は、主として、原稿給送部31と、原稿載置部32と、読取部41と、記録部51と、表示部61と、操作部62と、認識部71と、抽出部72と、登録部73と、を備えている。
【0019】
原稿給送部31は、自動給紙(ADF:Automatic Document Feeder)方式により、原稿の表面または裏面で反射された反射光を読取部41に読み取らせ、原稿の画像を取得させる。図1に示すように、原稿給送部31は、主として、読取対象となる原稿を載置する原稿台33と、読取部41により読取処理が実行された原稿を蓄積する原稿排出台34と、を有している。
【0020】
原稿載置部32は、図1に示すように、原稿給送部31の下方に配置されており、いわゆるフラットベッド(Flat Bed)方式による画像読取に使用される。例えば、原稿載置部32に対して原稿給送部31が開閉されることによって、読取対象となる原稿が、原稿載置部32に載置される。そして、原稿で反射され、原稿載置部32を透過した光が、読取部41に読み取られることによって、原稿の画像が取得される。
【0021】
読取部41は、いわゆる画像入力部(スキャナ部)であり、原稿(例えば、名刺のようなシート状媒体)上の画像を読み取る。図1に示すように、読取部41は、原稿給送部31および原稿載置部32の下方に設けられている。読取部41で読み取られた画像データは、例えばJPEG方式に圧縮され、画像メモリ16に記憶される。
【0022】
記録部51は、電子写真方式により、静電潜像に基づいたトナー画像を記録紙に記録する画像形成部である。例えば、記録部51は、画像メモリ16に記憶された画像データに基づいて感光体ドラム(図示省略)上にトナー画像を形成するとともに、このトナー画像を記録紙に転写させることによって、原稿から読み取られた画像を記録紙に記録する。
【0023】
表示部61は、例えば、液晶ディスプレイにより構成されており、指や専用のペンで画面に触れることによって画面上の位置を指定できる「タッチパネル」としての機能を有している。したがって、複合機1の使用者(複合機1に記憶されるデータ等を管理する管理者も含む:以下、単に、「使用者」と称する)は、表示部61に表示された内容に基づき、表示部61の「タッチパネル」機能を使用した指示を行うことによって、複合機1に所定の処理(例えば、記録紙に画像を記録させる処理)を実行させることができる。このように、表示部61は、使用者からの入力動作を受け付ける入力部としても使用される。
【0024】
操作部62は、いわゆるキーパッドによって構成された入力部である。使用者は、表示部61の表示内容に基づいた入力作業を行うことによって、複合機1に対して所定の処理を実行させることができる。例えば、操作部62の読取開始ボタン63が押し下げられた場合、原稿台33に載置された原稿の画像、或いは原稿載置部32に載置された原稿の画像が、読み取られる。
【0025】
ここで、本実施の形態で読取対象となるシート状媒体について説明する。図3は、シート状媒体の一例である名刺80を説明するための平面図である。図3に示すように、名刺80の表面の各領域81〜89には、個人を特定するための個人情報が記載されている。
【0026】
例えば、会社名領域81には「会社名」、所属名領域82には会社内における「所属名」が、それぞれ記載されている。また、肩書名領域83には、会社内における「役職名等」が記載されている。また、氏名領域84には、特定される個人の「氏名」が記載されている。ここで、「氏名」としては、住民票に登録されている使用者の氏名だけでなく、芸名のような通称であってもよい。
【0027】
また、住所領域85には特定される個人の「住所または居所」が記載されている。また、郵便番号領域86には、住所領域85に記載された住所または居所に対応する「郵便番号」が記載されている。
【0028】
さらに、電話番号領域87、FAX番号領域88、メールアドレス領域89には、それぞれ、特定される個人と連絡を取るための「電話番号」、「FAX番号」、および「電子メールアドレス」が、記載されている。
【0029】
認識部71は、OCRを実行する処理部である。認識部71は、読取部41により読み取られた画像から文字を識別することによって、名刺80上の文字を文字データ(例えば、1文字当たり1バイト、または2バイトのデータ)として認識する。例えば、会社名領域81から、「村田機械株式会社」という文字データが認識される。
【0030】
抽出部72は、認識部71により認識された各領域81〜89の文字データを解析することによって、認識された各文字データから個人を特定するための個人情報を抽出する。例えば、抽出部72の解析処理によって、氏名領域84で認識された文字データは、個人情報のうち、「氏名」であると把握される。
【0031】
図4および図5は、抽出部72により抽出された個人情報の表示例を示す図である。図4および図5に示すように、左側の列(個人情報列)91には、抽出部72により抽出された各個人情報の種類が、右側の列(抽出結果列)92には、各個人情報の内容が、それぞれ表示されている。例えば、図4に示すように、抽出部72は、「所属」として「営業部門」を抽出している。
【0032】
また、抽出結果列92を構成する各ボックス93は、いわゆるコンボボックスとして構成されている。図4および図5に示すように、コンボボックス93は、主として、テキストボックス94と、リスト表示ボタン95と、リストボックス96と、登録ボタン97と、を有している。
【0033】
各テキストボックス94は、抽出部72の解析により第1候補として抽出された文字列(個人情報)を表示する。また、テキストボックス94に表示されている文字列(個人情報)は、表示部61または操作部62を介した文字入力により修正される。
【0034】
リストボックス96は、図5に示すように、各テキストボックス94に対応して設けられている。リスト表示ボタン95が押されることによって、リストボックス96は、テキストボックス94の下方に表示される。リストボックス96は、抽出部72の解析により第2候補以下として抽出された一又は複数の文字列(個人情報)を表示する。そして、リストボックス96内に表示された文字列のうちのいずれかが選択されることによって、対応するテキストボックス94内の文字列が選択された文字列に修正される。例えば、リストボックス96内の文字列「管理部門」が選択された場合、対応するテキストボックス94内の文字列は、「営業部門」から「管理部門」に修正される。
【0035】
登録ボタン97は、図4および図5に示すように、各コンボボックス93に対応して設けられている。登録ボタン97が押されることによって、テキストボックス94に表示された文字列が、認証用データベース17(図2参照)に登録される。
【0036】
登録部73は、抽出部72により抽出された個人情報を、認証情報として認証用データベース17に登録する。なお、登録部73による登録処理については、後述する。
【0037】
図2に戻って、RAM(Random Access Memory )12および画像メモリ16は、読み書き自在の揮発性メモリである。ROM(Read Only Memory)13は、読出し専用メモリである。また、図2に示すように、RAM12は、認証用データベース17を記憶可能とされている。
【0038】
ここで、認証用データベース17は、複合機1の使用資格を有するか否かの判断に使用される。認証用データベース17には、少なくとも、使用者の「氏名」および「暗証番号」が関連付けて格納されている。
【0039】
MPU(Micro Processing Unit)11は、ROM13に格納されたプログラムに従った制御を実行する。また、MPU11、RAM12、ROM13、記録部51等のそれぞれは、信号線15を介して電気的に接続されている。したがって、MPU11は、例えば、記録部51による記録処理、或いは登録部73による認証情報の登録処理等を所定のタイミングで実行できる。
【0040】
なお、ROM13としては、読み出し専用メモリが使用されるものとして説明したが、これに限定されるものでない。読み書き自在の不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリ)が、ROM13に代えて使用されてもよい。
【0041】
<2.認証情報の登録手法>
図6は、認証情報の登録手法を説明するためのフローチャートである。ここでは、図6を参照しつつ、登録部73により実行される認証情報の登録処理について、説明する。
【0042】
なお、本登録処理が開始される前の時点において、(1)名刺80を用いて登録する手法、または、(2)名刺80を用いずに登録する手法、のいずれかが選択されている。また、両手法(1)、(2)の選択は、予め初期設定されても良いし、表示部61または操作部62を介した入力指示により実行されても良い。
【0043】
また、本実施の形態において、各名刺80の画像は、原稿給送部31により各名刺80を順次送らせることによって読み取られても良いし、原稿載置部32に名刺80が1枚ずつ載置されることによって読み取られても良い。さらに、原稿載置部32が使用される場合、1度の読取処理によって複数の名刺80の画像が読み取られても良い。
【0044】
ステップS101において、名刺80を用いずに登録する手法が選択されていると判断される場合、登録部73は、表示部61または操作部62を介して入力された個人情報を、認証情報として登録する(S102)。
【0045】
一方、名刺80を用いて認証情報を登録する手法が選択されていると判断される場合、名刺80の画像が読取部41により読み取られる(S103)。次に、読み取られた名刺80の画像から一又は複数の個人情報が抽出され(S104)、各個人情報が表示部61に表示される(図4および図5参照)。
【0046】
続いて、ステップS105〜ステップS111において、登録部73は、ステップS104で抽出された各個人情報に基づいて、認証用データベース17に認証情報を登録する。本実施の形態において、この登録処理は、例えば、「会社名」、「所属」、・・・、「FAX番号」、および「電子メールアドレス」の順に(個人情報列91の上から下に向かって)、順次実行されているが、登録順序は、これに限定されない。
【0047】
まず、最上部のコンボボックス93(「会社名」に対応するコンボボックス93)のテキストボックス94に、正しい個人情報が表示されていると判断される場合(S105)、使用者は、対応するテキストボックス94内の文字列を登録部73に取得させるために、対応する登録ボタン97(図4および図5参照)を押す(S106)。
【0048】
このように、登録部73は、抽出部72に抽出された第1候補を、各使用者の認証情報として複合機1の認証用データベース17に登録することができる。これにより、複合機1に対して効率的に認証情報が登録される。そのため、各使用者の認証情報の登録に際し、使用者による認証情報の入力負担が軽減される。
【0049】
一方、ステップS105において、最上部のコンボボックス93のテキストボックス94に正しい個人情報が表示されていないと判断される場合、使用者は、第2候補以下として抽出された一又は複数の文字列(個人情報)をリストボックス96に表示させるために、対応するリスト表示ボタン95を押す。
【0050】
表示されたリストボックス96に正しい個人情報が表示されていると判断される場合(S107)、使用者は、対応するテキストボックス94内の文字列を正しい個人情報に修正するために、リストボックス96内に表示された文字列のうちのいずれかを選択し、対応するテキストボックス94内の文字列を修正する。続いて、使用者は、このテキストボックス94内の文字列を登録部73に取得させるために、対応する登録ボタン97(図4および図5参照)を押す(S108)。
【0051】
一方、ステップS107において、リストボックス96に正しい個人情報が表示されていないと判断される場合、使用者は、表示部61または操作部62を介してテキストボックス94に、正しい個人情報に対応する文字列を入力する。続いて、使用者は、このテキストボックス94内の文字列を登録部73に取得させるために、対応する登録ボタン97(図4および図5参照)を押す(S109)。
【0052】
そして、登録部73は、ステップS106またはS108で取得された文字列、またはステップS109で入力された文字列(個人情報)を認証情報として認証用データベース17に登録する処理を実行する(S110)。この登録処理は、ステップS104で抽出されたすべての個人情報に対して実行される。
【0053】
このように、認証情報は、抽出部72により抽出された第1候補だけでなく、第2候補以下の文字列の中から選択された文字列に基づいても設定される。また、認証情報は、表示部61または操作部62を介し入力された文字列に基づいても設定される。すなわち、登録部73は、抽出部72により抽出された第1候補(個人情報)に代え、表示部61または操作部62の操作により修正された文字列を認証情報として登録することができる。そのため、誤った個人情報が認証情報として登録されることを防止できる。
【0054】
続いて、S111において、ステップS104で抽出されたすべての個人情報の登録処理が完了した後、使用者の使用権限が設定される(S112)。
【0055】
図7は、使用者の属性に関する情報と複合機1の使用権限との対応関係の一例を示す図である。図7の各行は、「使用者の属性に関する情報」で分類される使用者が、複合機1の各機能(FAX送信機能、カラーコピー機能、モノクロコピー機能、スキャン機能、およびインタネットFAX機能)の使用権限、および複合機1の設定を変更する権限等(以下、単に、「使用権限」と呼ぶ)を有しているか否かということを、「あり」または「なし」により示している。
【0056】
ここで、「使用者の属性に関する情報」とは、所属、肩書、電話番号、FAX番号、メールアドレスのサブドメイン等のように、各使用者の分類に用いることができる情報を言うものとする。
【0057】
ステップS112において、登録部73は、図7の対応関係にしたがって、各使用者の使用権限を設定する。例えば、「使用者の属性に関する情報」が「部長」となる使用者は、複合機1についてすべての使用権限を有している。したがって、この場合、認証用データベース17には、すべての使用権限を有していることを示すデータ(例えば、数値データ)が権限情報として登録される。
【0058】
このように、登録部73は、名刺80から抽出された個人情報(特に、使用者の属性に関する情報)に基づいて、各使用者の使用権限を設定することができる。そのため、各使用者の認証情報の登録だけでなく、各使用者の使用権限の設定に際しても、使用者による入力負担を軽減できる。
【0059】
なお、各使用者の使用権限は、抽出部72により抽出された第1候補だけでなく、第2候補以下の文字列の中から選択された文字列に基づいても設定される。また、各使用者の使用権限は、表示部61または操作部62を介し入力された文字列に基づいても設定される。すなわち、登録部73は、抽出部72により抽出された第1候補(個人情報)に代え、表示部61または操作部62の操作により修正された文字列に基づいて、各使用者の使用権限を設定することができる。そのため、誤った個人情報に基づいて使用権限が設定されることを防止することができる。
【0060】
そして、すべての名刺80についてステップS103〜S112までの処理が完了した後(S113)、本登録処理が終了する。
【0061】
<3.本実施の形態の複合機の利点>
以上のように、本実施の形態の複合機1は、名刺80から抽出された個人情報を、各使用者の認証情報として複合機1の認証用データベース17に登録することができる。これにより、複合機1の認証情報が効率的に登録される。そのため、各使用者の認証情報の登録に際し、使用者による認証情報の入力負担が軽減される。
【0062】
また、本実施の形態の複合機1は、名刺80から抽出された個人情報(特に、使用者の属性に関する情報)に基づいて、各使用者の使用権限をさらに設定することができる。そのため、各使用者の認証情報の登録だけでなく、各使用者の使用権限の設定に際しても、使用者による入力負担が軽減される。
【0063】
<4.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
【0064】
(1)本実施の形態において、認識部71は、名刺80のすべての領域に対して認識処理を実行するものとして説明したが、認識対象となる領域はこれに限定されるものでない。名刺80上の指定された領域(例えば、図3の所属名領域82、肩書名領域83、および氏名領域84)に対して、認識処理が実行されても良い。この場合、名刺80の全域を認識対象とする必要がなく、認識処理に要する計算コストを低減させることができる。
【0065】
(2)また、本実施の形態において、ステップS104(図6参照)で抽出された個人情報は、すべて認証情報として認証用データベース17に登録されるものとして説明したがこれに限定されるものでない。例えば、抽出された個人情報のうち、一部の個人情報が、認証情報として登録されても良い。
【0066】
(3)また、本実施の形態において、認識部71、抽出部72、および登録部73は、例えば電子回路によりハードウェア的に実現されるものとして説明したが、これに限定されるものでない。認識部71によるOCR処理、抽出部72による個人情報の解析処理、および登録部73による認証情報の登録処理は、ROM13に格納されたプログラムに基づいて、MPU11にてソフトウェア的に実現されてもよい。
【符号の説明】
【0067】
1 複合機
12 RAM
17 認証用データベース
41 読取部
51 記録部
61 表示部
62 操作部
71 認識部
72 抽出部
73 登録部
80 名刺
81 会社名領域
82 所属名領域
83 肩書名領域
84 氏名領域
85 住所領域
86 郵便番号領域
87 電話番号領域
88 FAX番号領域
89 メールアドレス領域
91 個人情報列
92 抽出結果列
93 コンボボックス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a) シート状媒体上の画像を読み取る読取部と、
(b) 前記読取部により読み取られた前記画像から文字を識別することによって、前記シート状媒体上の文字を文字データとして認識する認識部と、
(c) 前記認識部により認識された文字データから、個人を特定するための個人情報を抽出する抽出部と、
(d) 前記抽出部により抽出された個人情報を、認証情報として登録する登録部と、
を備えることを特徴とする複合機。
【請求項2】
請求項1に記載の複合機において、
前記登録部は、前記抽出部により抽出された個人情報に基づいて、各使用者の使用権限を設定することを特徴とする複合機。
【請求項3】
請求項2に記載の複合機において、
前記登録部は、前記抽出部により抽出された個人情報のうち、使用者の属性に関する情報に基づいて、各使用者の使用権限を設定することを特徴とする複合機。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の複合機において、
前記登録部は、前記抽出部により抽出された個人情報に代え、入力部を介して修正された個人情報に基づいて、各使用者の使用権限を設定することを特徴とする複合機。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の複合機において、
前記登録部は、前記抽出部により抽出された個人情報に代え、入力部を介して修正された個人情報を、前記認証情報として登録することを特徴とする複合機。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の複合機において、
前記認識部は、前記シート状媒体上の指定された領域に対して、認識処理を実行することを特徴とする複合機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−159246(P2011−159246A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−22707(P2010−22707)
【出願日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】