説明

複合発電システム

【課題】ガスエンジンの排熱を有効に利用することにより、発電効率を向上させた複合発電システムを提供する。
【解決手段】BOGを燃料とするガスエンジン2と、ガスエンジンによって駆動される第1発電機4と、炭化水素系の混合冷媒を作動流体とする冷媒タービン3と、冷媒タービンによって駆動される第2発電機5と、ガスエンジンを冷却する冷却液を熱源として混合冷媒を加熱する冷媒加熱器31と、ガスエンジンの排ガスを熱源として冷媒加熱器で加熱された混合冷媒を更に加熱する熱交換器11と、冷媒タービンから排出された混合冷媒を凝縮させる凝縮器22とを備えた構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合発電システムに関し、特に、ガスエンジンの排熱を利用して発電を行うガスエンジン複合発電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内燃力発電の排熱を利用して発電を行うことにより発電効率を高めた複合発電システムが普及している。例えば、燃焼ガスにより駆動されるガスタービンと、ガスタービンの排熱を回収して発生させた蒸気により駆動される蒸気タービンとを備え、蒸気タービン側の水蒸気を作動流体とするランキンサイクルの加熱源としてガスタービン排ガスを利用することにより、発電効率を向上させる複合発電システムが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−207259号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ガスエンジンを用いる複合発電システムでは、2つの異なる温度レベルの排熱(例えば、400〜500℃のエンジン排ガスと、85℃のエンジンジャケット冷却水の排熱)が全排熱において大きな割合を占めるため、発電効率の向上や二酸化炭素排出量の削減のためにはそれらを有効利用することが不可欠である。
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の従来技術をガスエンジン複合発電システムに適用した場合、比較的低温のエンジンジャケット冷却水熱を有効利用することができないという問題があった。また、上記従来技術では作動流体が蒸気であるため、氷点下以下の冷熱源(例えば、LNG(Liquefied Natural Gas)の冷熱や冷凍機のブライン冷熱等)を作動流体の冷却過程で用いることができず、低温の排熱を有効利用することは困難であるという問題もあった。
【0006】
本発明は、このような従来技術の課題を鑑みて案出されたものであり、ガスエンジンの排熱を有効に利用することにより、発電効率を向上させることを可能とした複合発電システムを提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためになされた本発明の第1の側面では、可燃ガスを燃料とするガスエンジン(2)と、前記ガスエンジンによって駆動される第1発電機(4)と、炭化水素系の冷媒を作動流体とする冷媒タービン(3)と、前記冷媒タービンによって駆動される第2発電機(5)と、前記ガスエンジンを冷却する冷却液を熱源として前記冷媒を加熱する第1加熱器(31)と、前記ガスエンジンの排ガスを熱源として前記第1加熱器で加熱された前記冷媒を更に加熱する第2加熱器(11)と、前記冷媒タービンから排出された前記冷媒を凝縮させる凝縮器(22)とを備えたことを特徴とする。
【0008】
これによると、炭化水素系の冷媒を作動流体とする冷媒タービンにおいてガスエンジンの排熱(排ガスおよび冷却液の熱)を利用する構成としたため、ガスエンジンの排熱回収率が高まり、延いてはシステムの発電効率を向上させることが可能となる。
【0009】
また、本発明の第2の側面として、可燃ガスを燃料とするガスエンジン(2)と、前記ガスエンジンによって駆動される第1発電機(4)と、炭化水素系の冷媒を作動流体とする冷媒タービン(3)と、前記冷媒タービンによって駆動される第2発電機(5)と、前記ガスエンジンの排ガスを熱源として前記ガスエンジンの冷却液を加熱する第1加熱器(11A)と、前記第1加熱器で加熱された前記冷却液を熱源として前記冷媒を加熱する第2加熱器(31A)と 前記冷媒タービンから排出された前記冷媒を凝縮させる凝縮器(22)とを備えたことを特徴とする。
【0010】
これによると、炭化水素系の冷媒を作動流体とする冷媒タービンにおいてガスエンジンの排熱(排ガスおよび冷却液の熱)を利用する構成としたため、ガスエンジンの排熱回収率が高まり、延いてはシステムの発電効率を向上させることが可能となる。また、可燃性の炭化水素系の冷媒とガスエンジンの排ガスとを直接熱交換せずに、ガスエンジンの排ガスによって加熱された冷却液を熱源として冷媒を加熱するため、システムの安全性が高まるという利点もある。
【0011】
また、本発明の第3の側面として、前記凝縮器は前記液化天然ガスを用いて前記冷媒を凝縮させることを特徴とする。
【0012】
これによると、LNG基地等から払い出されるLNGの冷熱を作動流体の冷却過程において有効利用することが可能となる。
【0013】
また、本発明の第4の側面として、前記可燃ガスは液化天然ガスのボイルオフガスであることを特徴とする。
【0014】
これによると、都市ガスとして利用する場合のようにLPガス等の混合による熱量調整を必要とすることなく、LNG基地等から発生するボイルオフガスを有効利用することが可能となる。
【0015】
また、本発明の第5の側面として、前記凝縮器は前記ブラインを用いて前記冷媒を凝縮させることを特徴とする。
【0016】
これによると、工場等から排出される比較的低圧(例えば、0.2〜0.7MPaG)の蒸気等を用いてブラインを冷却することにより、工場等の排熱を有効利用することが可能となる。
【0017】
また、本発明の第6の側面として、前記冷媒はメタンおよびプロパンの混合媒体であることを特徴とする。
【0018】
これによると、メタンとプロパンとの混合比率を変更することにより、冷媒タービンにおける作動流体のランキンサイクルの低温および高温レベルに容易かつ適切に対応することが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
このように本発明によれば、ガスエンジンの排熱を有効に利用することにより、発電効率を向上させることが可能となるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1実施形態に係るガスエンジン複合発電システム1の概略を示す構成図
【図2】第2実施形態に係るガスエンジン複合発電システム1の概略を示す構成図
【図3】第3実施形態に係る複合発電システム100の概略を示す構成図
【図4】従来のガスタービンを用いた複合発電システム201の概略を示す構成図
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0022】
<第1実施形態>
図1は本発明の第1実施形態に係るガスエンジン複合発電システム1の概略を示す構成図である。複合発電システム1は、可燃ガスを燃料とする内燃機関であるガスエンジン2と、低温(水よりも低い温度)で沸騰する炭化水素系の冷媒を作動流体とする冷媒タービン3とを備え、ガスエンジン2および冷媒タービン3によりそれぞれ駆動される第1発電機4および第2発電機5によって発電を行うものであり、都市ガス用のLNGを払い出すLNG基地6に並設される。
【0023】
ガスエンジン2には、LNG基地6で発生したボイルオフガス(以下、BOGという。)が燃料(その少なくとも一部)として供給され、燃焼後の比較的高温(ここでは410℃)のガスエンジン排ガスが排熱回収用の熱交換器11に向けて排出される。また、ガスエンジン2には、図示しない冷却用のエンジンジャケットが設けられており、このエンジンジャケットからは比較的低温(ここでは88℃)のジャケット冷却水が排出される。排出されたジャケット冷却水は、図1中に矢印で示す方向に、冷却水ポンプ12が設けられた冷却水循環ライン13を循環して再びエンジンジャケットに供給される。ガスエンジン2の出力は第1発電機4によって電力に変換される。
【0024】
冷媒タービン3では、メタンとプロパンとの混合冷媒(ここでは、メタン50〜55重量%、プロパン45〜50重量%)が作動流体として用いられる。この作動流体は、冷媒タービン3への導入前に熱交換器11においてガスエンジン排ガスによって加熱される。熱交換器11には、伝熱管群からなる複数の加熱ユニットが設けられており、ガスエンジン排ガスと作動流体との効率的な熱交換が可能となっている。これにより、所定の温度および圧力(ここでは、103℃、4.9MPaG)とされた作動流体(気体)が冷媒タービン3に導入され、この作動流体の運動エネルギにより図示しないタービン翼が回転し、その出力が第2発電機5によって電力に変換される。
【0025】
冷媒タービン3から排出された作動流体(ここでは、温度:−5℃、圧力:0.4MPaGの気体)は、図1中に矢印で示す方向に、冷媒循環ライン21を通して凝縮器22に送られる。凝縮器22には、LNG基地6からの払出管23が接続されており、導入されたLNG(ここでは、温度:−160℃、圧力:7.0MPaG、流量:70t/hr)の冷熱が作動流体の冷却に利用される。一方、作動流体の熱はLNGを気化するために利用される。
【0026】
凝縮された作動流体は、冷媒循環ライン21に設けられた循環冷媒貯槽25に一旦貯留される。その後、冷媒循環ライン21に設けられた冷媒ポンプ26によって昇圧された作動流体(ここでは、−128℃、5.0MPaG、99.4t/hr)は、冷媒蒸発器27に送られる。冷媒蒸発器27には海水(ここでは、15℃)を導入するための海水導入管28が接続されており、作動流体は海水との熱交換によりジャケット冷却水が凍結しない温度(ここでは、5℃)まで予熱される。
【0027】
冷媒蒸発器27からの作動流体は冷媒加熱器31に送られ、この冷媒加熱器31においてジャケット冷却水(ここでは88℃、270t/hr)との熱交換によって加熱(ここでは、29℃まで加熱)される。一方、ジャケット冷却水は、冷媒加熱器31においてガスエンジン2を冷却可能な温度(ここでは、50〜80℃)まで冷却される。冷媒加熱器31からの作動流体は熱交換器11に送られ、再び加熱された作動流体(103℃、4.9MPaG)は冷媒タービン3に供給される。
【0028】
また、LNG基地6からのLNGは、凝縮器22から排出された後に払出管23を通してLNG加熱器32に送られる。LNG加熱器32には海水(ここでは、15℃)を導入するための海水導入管33が接続されており、作動流体は海水との熱交換により昇温され(ここでは、5℃の気体となる。)、都市ガスとして利用するために都市ガスラインに送られる。
【0029】
上記ガスエンジン2では、BOGの供給量が1.94t/hr(消費燃料は29600kw)であり、ガスエンジン排ガスの排出量は83.2t/hrである。また、第1発電機4による発電量は13500kWであり、冷媒タービン3による発電量は4060KWである。また、複合発電システム1の全発電効率は59.3%(補器電力消費を含む有効発電効率は57.2%)となり、従来のガスタービンを用いた複合発電システムに比べて高い発電効率を実現できる。
【0030】
ここで、比較例として、ガスタービンを用いた従来の複合発電システム201を図4に示す。この複合発電システム201では、BOG(供給量:2.02t/hr、消費燃料:30706kW、圧力:0.02MPaG)は燃料ガス圧縮機202によって21MPaGまで圧縮されてガスタービン発電機203に導入される。排出されたガスタービン排ガス(温度:504℃、流量:136.2t/hr)は、排熱回収用の排ガスボイラ204に導入される。
【0031】
排ガスボイラ204では、ガスタービン排ガスと蒸気との間で熱交換がなされ、これにより生じた高圧蒸気(温度:482℃、圧力:5.4MPaG、流量:14.6t/hr)が蒸気タービン発電機205に導入される。蒸気タービン発電機205からの排気蒸気(温度:41℃、圧力:0.093MPaG)は、復水器206において冷却され、復水ポンプ207、脱気器208、高圧給水ポンプ209を介して再び排ガスボイラ204に循環される。なお、復水器206に導入される冷却水は、空冷冷却塔210を介して循環される。
【0032】
上記従来の複合発電システム201では、ガスタービン発電機による発電量は9754kWとなり、蒸気タービン発電機による発電量は3656kWとなる。また、複合発電システム201の全発電効率は47.3%(補器電力消費を含む有効発電効率は41.1%)である。
【0033】
このように、第1実施形態に係る複合発電システム1では、メタンとプロパンとの混合冷媒を作動流体とする冷媒タービン3により、ガスエンジン排ガスおよびジャケット冷却水を高熱源として利用する一方、LNGのガス化の際の冷熱を低熱源として利用したバイナリーランキンサイクル方式にて発電を行う。これにより、ガスエンジン2の排熱において大きな割合を占めるガスエンジン排ガスおよびジャケット冷却水の熱を有効利用して排熱回収率を高めることができ、延いては複合発電システム1の発電効率を向上させることができる。なお、ジャケット冷却水の代わりに、水以外の周知の冷却液を用いてもよい。また、混合冷媒は可燃性であるため、熱交換器11における加熱温度はシステムの安全性の観点から比較的低温(例えば、130℃以下)とすることが好ましい。
【0034】
また、凝縮器22においてLNGを用いて作動流体を凝縮する構成としたため、LNG基地6等から払い出されるLNGの冷熱を冷媒の冷却過程において有効利用することが可能となる。さらに、ガスエンジン2の燃料ガス(またはその一部)としてBOGを用いるため、都市ガスとして使用する場合のようにLPガス等の混合による熱量調整を必要とすることなく、LNG基地6等から発生するBOGを有効利用することができ、更に、LNGの冷熱を作動流体の冷却過程において有効利用することが可能となる。
【0035】
<第2実施形態>
図2は本発明の第2実施形態に係るガスエンジン複合発電システム1の概略を示す構成図である。図2では、上述の第1実施形態と同様の構成要素については同一の符号が付されている。また、第2実施形態では、以下で特に言及する事項を除いて第1実施形態の場合と同様として詳細な説明を省略する。
【0036】
第2実施形態は、ガスエンジン排ガスと作動流体とをジャケット冷却水を介して間接的に熱交換させる点において第1実施形態の場合とは異なる。図2に示すように、ガスエンジン2から排出されたジャケット冷却水は熱交換器11Aに送られ、ガスエンジン排ガスとの熱交換によって加熱される。その後、ジャケット冷却水(ここでは、150〜160℃の加圧熱水)は、冷却水循環ライン13を通して冷媒加熱器31Aに送られ、作動流体の加熱に用いられる。冷媒加熱器31Aで冷却されたジャケット冷却水は、冷却水ポンプ12にて再びエンジンジャケットに供給される。一方、冷媒加熱器31Aで加熱された作動流体(103℃、4.9MPaG)は冷媒タービン3に供給される。
【0037】
このように、第2実施形態に係る複合発電システム1では、ガスエンジン排ガスと可燃性の作動流体とが直接的に熱交換されない構成であるため、システムの安全性が高まるという利点がある。
【0038】
<第3実施形態>
図3は本発明の第3実施形態に係る複合発電システム100の概略を示す構成図である。図3では、上述の第1実施形態と同様の構成要素については同一の符号が付されている。
【0039】
複合発電システム100は、低温で沸騰する炭化水素系の冷媒を作動流体とする冷媒タービン3と、この冷媒タービン3によって駆動される発電機4とを主として備え、蒸気や温水の排出源となる図示しない工場(例えば、石油化学工場)に並設される。
【0040】
冷媒タービン3では、プロパン単体またはプロパンに少量のエタンやブタンを混合した冷媒が作動流体として用いられる。作動流体は、冷媒タービン3への導入前に冷媒加熱器131において温水(ここでは、100℃、24.3Gcal/hr)と熱交換することによって加熱される。この温水としては、工場から排出される温水(熱水)や低圧の蒸気を利用することができる。これにより、所定の温度および圧力(ここでは、90℃、3MPaG)とされた作動流体が冷媒タービン3に導入され、この作動流体の運動エネルギにより図示しないタービン翼が回転し、その出力が発電機4によって電力に変換される。
【0041】
冷媒タービン3から排出された作動流体(ここでは、20℃、0.5MPaGの気体)は、図3中に矢印で示す方向に、冷媒循環ライン121を通して凝縮器122に送られる。凝縮器122には、蒸気吸収式冷凍機41からのブライン循環ライン42が接続されており、導入されたブライン(ここでは、−8℃、21.4Gcal/hrのエチレングリコール)の冷熱が作動流体の冷却に利用される。蒸気吸収式冷凍機41では、工場が排出する低圧の蒸気(例えば、0.5〜0.7MPaGの飽和蒸気)を熱源として利用する。
【0042】
凝縮器122において冷却された作動流体(2℃)は、冷媒循環ライン21上の循環冷媒貯槽25に一旦貯留される。その後、冷媒ポンプ26にて昇圧された作動流体は、冷媒加熱器131に送られ、そこで再び加熱された作動流体(90℃、3MPaG)が冷媒タービン3に供給される。
【0043】
このような第3実施形態に係る複合発電システム100では、工場から排出される温水を高熱源とすると共に、工場から排出される低圧の蒸気を利用するブライン冷熱を低熱源として発電を行うため、上述の第1、第2実施形態の場合のように新たな燃料(LNG等)を必要とすることはないという利点がある。なお、凝縮器122では、ブラインの代わりに工場のチラー水を利用することも可能である。
【0044】
また、複合発電システム100では、冷媒タービンから排出された前記冷媒についてブラインを用いて凝縮させる構成としたため、高効率の発電量を実現できる。ここで、例えば、冷媒加熱器131に導入される温水および冷媒タービン3に導入される作動流体を上述の場合と同じ条件として、凝縮器122にブラインの代わりに冷却水(25℃、22.6Gcal/hr)を導入する場合(従来技術)を考える。この場合、冷媒タービン3から排出される作動流体は、温度が50℃、圧力が1.2MPaGとなり、凝縮器122において冷却水により冷却される。冷却された作動流体(35℃)は、冷媒循環ライン21上の循環冷媒貯槽125に一旦貯留される。そして、発電機4による発電量は、本願発明のブライン冷熱を用いて凝縮させる場合(4000kW)に比べて低い値(2500kW)となる。
【0045】
本発明を特定の実施形態に基づいて説明したが、これらの実施形態はあくまでも例示であって、本発明はこれらの実施形態によって限定されるものではない。例えば、第1、第2実施形態では、低熱源としてLNG冷熱を利用する例を示したが、これに限らず第3実施形態の場合と同様にブライン冷熱等を利用してもよい。また、冷媒タービンの作動流体としては、上述のものに限らず、比較的分子量が小さいメタン、エタン、プロパン、ブタン等の単体またはそれらのうちの2以上の混合物から構成される炭化水素系の冷媒を用いることができる。混合冷媒を用いる場合、炭化水素成分の重量比は、適用する複合発電システムにおける高熱源および低熱源の温度レベル等に応じて設定することができる。なお、上記実施形態に示した本発明に係る複合発電システムの各構成要素は、必ずしも全てが必須ではなく、少なくとも本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜取捨選択することが可能である。
【符号の説明】
【0046】
1 複合発電システム
2 ガスエンジン
3 冷媒タービン
4 第1発電機
5 第2発電機
6 LNG基地
11 熱交換器(第2加熱器)
11A 熱交換器(第1加熱器)
22 凝縮器
31 冷媒加熱器(第1加熱器)
31A 冷媒加熱器(第2加熱器)
100 複合発電システム
122 凝縮器
131 冷媒加熱器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可燃ガスを燃料とするガスエンジンと、
前記ガスエンジンによって駆動される第1発電機と、
炭化水素系の冷媒を作動流体とする冷媒タービンと、
前記冷媒タービンによって駆動される第2発電機と、
前記ガスエンジンを冷却する冷却液を熱源として前記冷媒を加熱する第1加熱器と、
前記ガスエンジンの排ガスを熱源として前記第1加熱器で加熱された前記冷媒を更に加熱する第2加熱器と、
前記冷媒タービンから排出された前記冷媒を凝縮させる凝縮器と
を備えたことを特徴とする複合発電システム。
【請求項2】
可燃ガスを燃料とするガスエンジンと、
前記ガスエンジンによって駆動される第1発電機と、
炭化水素系の冷媒を作動流体とする冷媒タービンと、
前記冷媒タービンによって駆動される第2発電機と、
前記ガスエンジンの排ガスを熱源として前記ガスエンジンの冷却液を加熱する第1加熱器と、
前記第1加熱器で加熱された前記冷却液を熱源として前記冷媒を加熱する第2加熱器と
前記冷媒タービンから排出された前記冷媒を凝縮させる凝縮器と
を備えたことを特徴とする複合発電システム。
【請求項3】
前記凝縮器は前記液化天然ガスを用いて前記冷媒を凝縮させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の複合発電システム。
【請求項4】
前記可燃ガスは液化天然ガスのボイルオフガスであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の複合発電システム。
【請求項5】
前記凝縮器は前記ブラインを用いて前記冷媒を凝縮させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の複合発電システム。
【請求項6】
前記冷媒はメタンおよびプロパンの混合媒体であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の複合発電システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2012−241604(P2012−241604A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−112013(P2011−112013)
【出願日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(000003285)千代田化工建設株式会社 (162)
【Fターム(参考)】