説明

複数のナビゲーションコンポーネントの整合システム及び方法

一例示のナビゲーションシステムが、移動体(105)の第1のロケーションにおけるマスタナビゲーションコンポーネント(110)と、移動体の物理的変形のために第1のロケーションに対して変位が可変である第2のロケーションにおけるスレーブナビゲーションコンポーネント(115)とを使用する。静的ロケーションコンポーネント及び動的ロケーションコンポーネントが、第1のロケーションと第2のロケーションとの間の変位の静的情報及び動的情報を提供する。誤差見積もり器が、マスタナビゲーションコンポーネントによって生成されたナビゲーション測定データと静的ロケーションコンポーネント及び動的ロケーションコンポーネントによって提供された変位情報とに基づいて、スレーブナビゲーションコンポーネントにより生成されたナビゲーション測定データの誤差を推定する。マスタナビゲーションコンポーネントは、求められた誤差に基づいて、スレーブナビゲーションコンポーネントのナビゲーション測定データを補正し、スレーブの補正されたナビゲーション測定データを変換する。一例示のナビゲーションシステムは、移動体の第1のロケーションにおけるマスタナビゲーションコンポーネントと、移動体の物理的変形のために第1のロケーションに対して変位が可変である第2のロケーションにおけるスレーブナビゲーションコンポーネントとを使用する。静的ロケーションコンポーネント及び動的ロケーションコンポーネントは、第1のロケーションと第2のロケーションとの間の変位の静的情報及び動的情報を提供する。誤差見積もり器は、マスタナビゲーションコンポーネントによって生成されたナビゲーション測定データと静的ロケーションコンポーネント及び動的ロケーションコンポーネントによって提供された変位情報とに基づいて、スレーブナビゲーションコンポーネントにより生成されたナビゲーション測定データの誤差を推定する。マスタナビゲーションコンポーネントは、求められた誤差に基づいて、スレーブナビゲーションコンポーネントのナビゲーション測定データを補正し、スレーブナビゲーションコンポーネントの補正されたナビゲーション測定データを、その座標系におけるナビゲーション測定データに変換する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
移動体(輸送手段)のセンシングシステムは、移動体の移動中にセンサからの正確な測定値を提供するために、センサのナビゲーションパラメータ、たとえば速度、位置、及び方位の知識を必要とする。移動体は、基準ナビゲーション座標系を基準とした移動体の速度、位置、及び方位を提供するための高性能基準ナビゲーションシステム、たとえばマスタナビゲーションシステムを備える。このマスタナビゲーションシステムは、移動体に搭載されるが、通常はセンシングシステムから物理的に分離されている。移動体が移動中である時、移動体は曲がる。移動体の曲がり(湾曲)によって、マスタナビゲーションシステムが表す位置と、センサが経験する位置との間に瞬間的な不一致が引き起こされる。マスタナビゲーションシステムが表す位置と、センサが経験する位置との間の相違は、「レバーアーム誤差(lever arm error)」である。マスタナビゲーションシステムとセンシングシステムとの間のレバーアームは、定格的には既知である。1つの欠点として、移動体の曲がりにより、マスタナビゲーションシステムの出力が定格レバーアームに基づいて補正されるセンシングシステムの速度、位置、及び方位に誤差が導入される。
【0002】
たとえば、合成開口レーダでは、レーダが移動している間、或る期間にわたるマルチセンサからの信号を結合することによって画像が形成される。マスタナビゲーションシステムとマルチセンサとの間のレバーアームは、定格的には既知である。移動体が曲がる場合、移動体の移動中の変化によって、画像が劣化する。マスタナビゲーションシステムからのデータは、マルチセンサからの信号を補償して画像を形成するのに利用される。マスタナビゲーションシステムは、定格レバーアームを使用して、マルチセンサからの信号を補償する。マスタナビゲーションシステムは、センシングシステムから分離されているので、移動体が移動している間、マスタナビゲーションシステムによって表される位置は、センサが経験する位置とは異なる。この相違が、レバーアーム誤差である。
【0003】
レバーアーム誤差を低減するための1つの従来技術のソリューションは、センシングシステムのロケーションで高性能ナビゲーションシステム、たとえばスレーブナビゲーションシステムを使用して、センシングシステムの速度、位置、及び方位を提供することである。別の欠点として、さらなる高性能ナビゲーションシステムを移動体に追加することは多大な費用を要する。レバーアーム誤差を低減するための別の従来技術のソリューションは、より小さく、軽量で、より性能の低いナビゲーションシステム、たとえばスレーブナビゲーションシステムをセンシングシステムのロケーションで使用することである。センシングシステムのロケーションにおけるスレーブナビゲーションシステムは、センシングシステムのロケーションにおけるスレーブナビゲーションシステムによって定義された座標系を基準としたセンシングシステムの速度、位置、及び方位を求める。さらに別の欠点として、センシングシステムのロケーションにおけるスレーブナビゲーションシステムによって定義された座標系は、移動体のマスタナビゲーションシステムによって定義された基準座標系と異なる。複数のセンシングシステム及び複数のナビゲーションシステムが移動体で使用される場合、それらナビゲーションシステムは、複数の基準座標系を使用する。同じ座標系でセンシングシステムからデータを得ることが望ましい。
【0004】
したがって、移動体における複数のセンサのナビゲーションパラメータを1つの座標系を基準として求めることが必要とされている。
【0005】
本発明の例示的実施態様の特徴は、明細書本文、特許請求の範囲、及び添付図面から明らかになるであろう。
発明の詳細な説明
図1を参照すると、一例としての装置100は、1つ又は2つ以上の移動体105、1つ又は2つ以上のマスタナビゲーションコンポーネント110、1つ又は2つ以上のスレーブナビゲーションコンポーネント115、120、125、及び130、1つ又は2つ以上のセンサ135、140、145、及び150、並びに1つ又は2つ以上の外部位置決めコンポーネント155及び160を備える。移動体105の一例には、自動車、戦車、飛行機、飛行船、又は宇宙船が含まれる。マスタナビゲーションコンポーネント110には、移動体105の速度、位置、及び姿勢を提供する高性能ナビゲーションシステムが含まれる。マスタナビゲーションコンポーネント110は、加速度計及びジャイロスコープを使用して、移動体105の速度、位置、及び姿勢を求める。たとえば、マスタナビゲーションコンポーネント110は、慣性航法システム(「INS」(Inertial Navigation System))を備える。
【0006】
一例としてのスレーブナビゲーションコンポーネント115、120、125、及び130は、センサ135、140、145、及び150の位置及び姿勢を求めるための1つ又は2つ以上の慣性センサ、たとえば3つの線形加速度計及び3つのジャイロを備える。たとえば、スレーブナビゲーションコンポーネント115、120、125、及び130は、当業者によって理解されるように、1つ又は2つ以上の慣性測定ユニット(「IMU」)を備える。1つ又は2つ以上のセンサ135、140、145、及び150の一例には、1つ若しくは2つ以上の合成開口レーダ、1つ若しくは2つ以上の光センサ、又は1つ若しくは2つ以上の音響センサが含まれる。外部位置決めコンポーネント155及び160には、全地球測位システム(「GPS」)レシーバ及び重力高度計が含まれる。マスタナビゲーションコンポーネント110及びスレーブナビゲーションコンポーネント115、120、125、及び130は、本明細書で説明するように、例示的に記録可能データ記憶媒体101を備える。
【0007】
マスタナビゲーションコンポーネント110は、1つ又は2つ以上のセンサを使用して、移動体105のナビゲーション測定データを求める。移動体105のナビゲーション測定データの一例には、慣性測定データ、位置決め測定データ、対気速度測定データ、及び/又は気圧高度測定データが含まれる。一例では、マスタナビゲーションコンポーネント110は、1つ又は2つ以上の慣性センサを使用して、移動体105の慣性測定データを求める。別の例では、マスタナビゲーションコンポーネント110は、1つ又は2つ以上の気圧高度センサを使用して、移動体105の気圧高度測定データを求める。さらに別の例では、マスタナビゲーションコンポーネント110は、1つ又は2つ以上のGPSユニットを使用して、移動体105のGPS測定値を求める。さらに別の例では、マスタナビゲーションコンポーネント110は、1つ又は2つ以上の対気速度センサを使用して、移動体105の対気速度測定値を求める。マスタナビゲーションコンポーネント110は、ナビゲーション測定データを使用して、基準座標系、たとえば地球を基準とした移動体105のロケーション/位置を記述する移動体105のナビゲーションソリューション及び方位ソリューションを求める。
【0008】
マスタナビゲーションコンポーネント110は、当業者によって理解されるように、移動体105のナビゲーション測定データに基づいて、基準座標系を基準とした座標系、たとえば第1の座標系を確立する。一例では、マスタナビゲーションコンポーネント110は、当業者によって十分理解されるように、外部位置決めコンポーネント155からのデータ、たとえばGPSデータ、気圧高度、又は対気データを使用して、座標系を確立する。別の例では、マスタナビゲーションコンポーネント110は、スレーブナビゲーションコンポーネント115、120、125、及び130からのナビゲーション測定データ、並びに、外部位置決めコンポーネント155及び160からの位置決め情報を使用して、移動体105の座標系を確立する。さらに別の例では、マスタナビゲーションコンポーネント110は、スレーブナビゲーションコンポーネント115、120、125、及び130からのナビゲーション測定データを使用して、移動体105の、マスタナビゲーションコンポーネント110によって確立された座標系をさらに精緻化する。マスタナビゲーションコンポーネント110は、移動体105の座標系及びナビゲーション測定データを使用して、移動体105の方位を時間の関数として記述する。
【0009】
マスタナビゲーションコンポーネント110は、スレーブナビゲーションコンポーネント115、120、125、及び130と通信して、マスタナビゲーションコンポーネント110によって確立された座標系、たとえば、第1の座標系を基準としたセンサ135、140、145、及び150の位置を記述する。マスタナビゲーションコンポーネント110は、時間の関数としての、スレーブナビゲーションコンポーネント115、120、125、及び130のナビゲーション測定データ、たとえば慣性測定データを得る。マスタナビゲーションコンポーネント110は、スレーブナビゲーションコンポーネント115、120、125、及び130のナビゲーション測定データにおける1つ又は2つ以上の誤差を推定するための1つ又は2つ以上の誤差推定コンポーネント、たとえば1つ又は2つ以上のカルマンフィルタを備える。マスタナビゲーションコンポーネント110は、スレーブナビゲーションコンポーネント115、120、125、及び130のナビゲーション測定データを誤差に基づいて補正する。マスタナビゲーションコンポーネント110は、出力165、170、175、及び180によって示すように、補正されたナビゲーション測定データをスレーブナビゲーションコンポーネント115、120、125、及び130に提供する。スレーブナビゲーションコンポーネント115、120、125、及び130は、補正されたナビゲーション測定データを使用して、センサ135、140、145、及び150のナビゲーションパラメータ(たとえば、方位、位置、及び速度)の推定を改善する。
【0010】
マスタナビゲーションコンポーネント110は、当業者には十分理解されるように、スレーブナビゲーションコンポーネント115、120、125、及び130のナビゲーション測定データを、スレーブナビゲーションコンポーネント115、120、125、及び130によって確立された座標系、たとえば1つ又は2つ以上の第2の座標系から、マスタナビゲーションコンポーネント110によって確立された座標系、たとえば第1の座標系に変換する。マスタナビゲーションコンポーネント110は、マスタナビゲーションコンポーネント110によって確立された座標系、たとえば第1の座標系におけるマスタナビゲーションコンポーネント110のナビゲーションパラメータを出力182として提供する。マスタナビゲーションコンポーネント110は、出力184、186、188、及び190によって示すように、マスタナビゲーションコンポーネント110によって確立された座標系におけるセンサ135、140、145、及び150のナビゲーションパラメータ(たとえば、方位、速度、及び位置)を提供する。マスタナビゲーションコンポーネント110は、座標基準系の方位を出力192として提供する。
【0011】
マスタナビゲーションコンポーネント110は、マスタナビゲーションコンポーネント110とスレーブナビゲーションコンポーネント115との間、マスタナビゲーションコンポーネント110とスレーブナビゲーションコンポーネント120との間、マスタナビゲーションコンポーネント110とスレーブナビゲーションコンポーネント125との間、及び、マスタナビゲーションコンポーネント110とスレーブナビゲーションコンポーネント130との間の1つ又は2つ以上のレバーアーム(すなわち、3次元距離ベクトルをモデル化するのに使用されるパラメータ)を推定する。スレーブナビゲーションコンポーネント115、120、125、及び130は、レバーアームの推定を使用して、マスタナビゲーションコンポーネント110によって確立された座標系を基準としたセンサ135、140、145、及び150の動的な動きを求める。
【0012】
マスタナビゲーションコンポーネント110は、スレーブナビゲーションコンポーネント115、120、125、及び130によって提供された、時間の関数としての、スレーブナビゲーションコンポーネント115、120、125、及び130のナビゲーション測定データを、マスタナビゲーションコンポーネント110のナビゲーション測定データと同期させる。一例では、スレーブナビゲーションコンポーネント115は、スレーブナビゲーションコンポーネント115のナビゲーション測定データと共にタイムスタンプを提供する。マスタナビゲーションコンポーネント110は、タイムスタンプによって示された時間(時刻)における、スレーブナビゲーションコンポーネント115のナビゲーション測定データを、タイムスタンプによって示された時刻における、マスタナビゲーションコンポーネント110のナビゲーション測定データと比較する。別の例では、マスタナビゲーションコンポーネント110、並びに、スレーブナビゲーションコンポーネント115、120、125、及び130は、同期クロック、たとえばクロック162で動作する。さらに別の例では、マスタナビゲーションコンポーネント110、並びに、スレーブナビゲーションコンポーネント115、120、125、及び130は、タイミングパルスを使用して、マスタナビゲーションコンポーネント110のナビゲーション測定データを、スレーブナビゲーションコンポーネント115、120、125、及び130のナビゲーション測定データと同期させる。
【0013】
スレーブナビゲーションコンポーネント115、120、125、及び130は、センサ135、140、145、及び150のナビゲーションパラメータ(たとえば、方位、位置、及び速度)を求める。スレーブナビゲーションコンポーネント115、120、125、及び130は、センサ135、140、145、及び150の方位、位置、及び/又は速度に基づいて、センサ135、140、145、及び150の出力を補償する。スレーブナビゲーションコンポーネント115、120、125、及び130は、マスタナビゲーションコンポーネント110と通信して、スレーブナビゲーションコンポーネント115、120、125、及び130のナビゲーション測定データをマスタナビゲーションコンポーネント110に提供する。スレーブナビゲーションコンポーネント115、120、125、及び130は、スレーブナビゲーションコンポーネント115、120、125、及び130の補正されたナビゲーション測定データをマスタナビゲーションコンポーネント110から受け取る。スレーブナビゲーションコンポーネント115、120、125、及び130は、スレーブナビゲーションコンポーネント115、120、125、及び130の補正されたナビゲーション測定データを使用して、マスタナビゲーションコンポーネント110によって確立された座標系を基準としたセンサ135、140、145、及び150の位置を記述する。たとえば、スレーブナビゲーションコンポーネント115は、スレーブナビゲーションコンポーネント115の補正されたナビゲーション測定データを使用して、マスタナビゲーションコンポーネント110によって確立された座標系を基準としたセンサ135の動きを求める。
【0014】
装置100の例示的な動作の実例を説明目的で提示することにする。
【0015】
図2を参照すると、ステップ205において、マスタナビゲーションコンポーネント110は、移動体105の、時間の関数としてのナビゲーションソリューションを求める。ステップ210において、マスタナビゲーションコンポーネント110は、ナビゲーション測定データ、及び、外部位置決めコンポーネント155からのオプションのデータを使用して、地球を基準とした移動体105の座標系、たとえば第1の座標系を確立する。ステップ215において、マスタナビゲーションコンポーネント110は、スレーブナビゲーションコンポーネント115によって確立された座標系、たとえば第2の座標系を基準としたナビゲーション測定データ、及び、タイムタグをセンサ135のスレーブナビゲーションコンポーネント115から受け取る。マスタナビゲーションコンポーネント110は、このタイムタグを使用して、タイムタグによって示された時刻における、マスタナビゲーションコンポーネント110のナビゲーション測定データを求める。ステップ220において、マスタナビゲーションコンポーネント110は、タイムタグによって示された時刻における、スレーブナビゲーションコンポーネント115のナビゲーション測定データを、タイムタグによって示された時刻における、マスタナビゲーションコンポーネント110のナビゲーション測定データと比較する。タイムタグによって示された時刻における、マスタナビゲーションコンポーネント110のナビゲーション測定データの一例には、本明細書で説明するように、マスタナビゲーションコンポーネント110とスレーブナビゲーションコンポーネント115、120、125、及び130との間の1つ又は2つ以上のレバーアームによって調整された、マスタナビゲーションコンポーネント110のナビゲーション測定データが含まれる。
【0016】
ステップ225において、マスタナビゲーションコンポーネントは、カルマンフィルタを使用して、スレーブナビゲーションコンポーネント115からのナビゲーション測定データの誤差を推定する。ステップ230において、マスタナビゲーションコンポーネント110は、スレーブナビゲーションコンポーネント115からのナビゲーション測定データの誤差を補正する。ステップ235において、マスタナビゲーションコンポーネント110は、スレーブナビゲーションコンポーネント115の補正されたナビゲーション測定データを、スレーブナビゲーションコンポーネント115によって確立された座標系(たとえば第2の座標)から、マスタナビゲーションコンポーネント110によって確立された座標系(たとえば第1の座標系)に変換する。ステップ240において、マスタナビゲーションコンポーネント110は、第1の座標系における、スレーブナビゲーションコンポーネント115の、補正され且つ変換されたナビゲーション測定データを使用して、マスタナビゲーションコンポーネント110によって確立された座標系における、センサ135のナビゲーションパラメータ、たとえば方位、位置、及び速度を提供する。
【0017】
図3を参照すると、一例としてのマスタナビゲーションコンポーネント110は、1つ又は2つ以上の基準座標コンポーネント305並びに1つ又は2つ以上の剛性(rigid)レバーアームモデルコンポーネント310及び340を備える。基準座標コンポーネント305は、移動体105の座標系を確立する。たとえば、剛性レバーアームモデルコンポーネント310は、スレーブナビゲーションコンポーネント115のベースライン静的位置を備える。剛性レバーアームモデルコンポーネント310は、ベースライン静的位置に基づいてスレーブナビゲーションコンポーネント115のベースライン静的レバーアームを求める。スレーブナビゲーションコンポーネント115のベースライン静的レバーアームは、マスタナビゲーションコンポーネント110とスレーブナビゲーションコンポーネント115との間の3次元位置の距離、すなわちベクトルを備える。剛性レバーアームモデルコンポーネント310は、基準座標コンポーネント305と協動して、スレーブナビゲーションコンポーネント115のベースライン静的レバーアームを、基準座標コンポーネント305によって確立された座標系に投影し、スレーブナビゲーションコンポーネント115の変換された静的レバーアームを求める。剛性レバーアームモデルコンポーネント310は、スレーブナビゲーションコンポーネント115の変換された静的レバーアームを出力316として加算ノード318へ送出する。
【0018】
スレーブナビゲーションコンポーネント115は、スレーブナビゲーションコンポーネント115によって確立された座標系を基準としたスレーブナビゲーションコンポーネント115のナビゲーション測定データを求める。スレーブナビゲーションコンポーネント115は、スレーブナビゲーションコンポーネント115によって確立された座標系を基準としたスレーブナビゲーションコンポーネント115のナビゲーション測定データを出力320として加算ノード318へ送出する。加算ノード318は、剛性レバーアームモデルコンポーネント310からの出力316を、スレーブナビゲーションコンポーネント115からの出力320と結合して、基準座標コンポーネント305によって確立された座標系を基準としたスレーブナビゲーションコンポーネント115のナビゲーション測定データを出力322として生成する。
【0019】
基準座標コンポーネント305によって確立された座標系を基準としたスレーブナビゲーションコンポーネント115のナビゲーション測定データを含む出力322は、インクリメンタル(増分)動的レバーアーム補正コンポーネント324を使用することによって強化される。このインクリメンタル動的レバーアーム補正コンポーネント324は、移動中の移動体105の反応を記述するモデルを備える。インクリメンタル動的レバーアーム補正コンポーネント324は、このモデルを使用して、移動中の移動体105の反応に関するスレーブナビゲーションコンポーネント115及び120の位置を提供する。たとえば、移動中、移動体105は、曲がりによって反応する。移動体105の曲がりは、マスタナビゲーションコンポーネント110とスレーブナビゲーションコンポーネント115との間のレバーアーム(すなわち、3次元距離ベクトル)を変える。移動体105が曲がると、マスタナビゲーションコンポーネント110とスレーブナビゲーションコンポーネント115との間のレバーアームは変化する。
【0020】
インクリメンタル動的レバーアーム補正コンポーネント324は、基準座標コンポーネント305からの出力326、及び、スレーブナビゲーションコンポーネント115からの出力327を入力として受け取る。この出力326は、基準座標コンポーネント305によって確立された座標系を含む。出力327は、出力320と同様に、スレーブナビゲーションコンポーネント115によって確立された座標系を基準としたスレーブナビゲーションコンポーネント115のナビゲーション測定データを含む。インクリメンタル動的レバーアーム補正コンポーネント324は、出力326及び327を使用して、基準座標コンポーネント305によって確立された座標系を基準としたスレーブナビゲーションコンポーネント115の動的レバーアームを求める。インクリメンタル動的レバーアーム補正コンポーネント324は、スレーブナビゲーションコンポーネント115の動的レバーアームを出力328として加算ノード318へ送出する。加算ノード318は、出力316、320、及び328を結合して、出力322を生成する。このように、加算ノード318は、移動中の移動体105の、基準座標コンポーネント305によって確立された座標系を基準としたスレーブナビゲーションコンポーネント115のより正確なナビゲーション測定データを含むものとして出力322を生成する。インクリメンタル動的レバーアーム補正コンポーネント324の出力328は、本明細書で解説するように、フィルタ330、たとえばカルマンフィルタを使用することによって、より高い正確度を得る。
【0021】
フィルタ330は、加算ノード318からの出力322を入力として受け取る。フィルタ330は、所与のタイムスタンプの出力322(すなわち、基準座標コンポーネント305によって確立された座標系を基準としたスレーブナビゲーションコンポーネント115のナビゲーション測定データ)を、その所与のタイムスタンプにおける基準座標コンポーネント305からのナビゲーション測定データと比較する。フィルタ330は、出力322の誤差を推定する。フィルタ330は、基準座標コンポーネント305によって確立された座標系を基準としたスレーブナビゲーションコンポーネント115の補正されたナビゲーション測定データを、出力332として提供する。スレーブナビゲーションコンポーネント115は、出力332を使用して、基準座標コンポーネント305によって確立された座標系を基準としたセンサ135の方位、位置、及び速度を求める。スレーブナビゲーションコンポーネント115は、出力332を使用して、スレーブナビゲーションコンポーネント115によって確立された座標系を調整する。加えて、フィルタ330は、基準座標コンポーネント305によって確立された座標系を基準としたスレーブナビゲーションコンポーネント115の補正されたナビゲーション測定データを、出力334として、インクリメンタル動的レバーアーム補正コンポーネント324へ送出する。インクリメンタル動的レバーアーム補正コンポーネント324は、出力334を使用して、スレーブナビゲーションコンポーネント115の動的レバーアームである出力328を補正する。このように、インクリメンタル動的レバーアーム補正コンポーネント324、スレーブナビゲーションコンポーネント115、及びフィルタ330は、協動して、スレーブナビゲーションコンポーネント115の座標系を、基準座標コンポーネント305によって確立された座標系と繰り返し位置合わせ(整合)する。
【0022】
スレーブナビゲーションコンポーネント120、センサ140、基準座標コンポーネント305、剛性レバーアームモデルコンポーネント340、加算ノード348、インクリメンタル動的レバーアーム補正コンポーネント354、並びに出力346、350、352、358、357、362、及び364は、スレーブナビゲーションコンポーネント115、センサ135、基準座標コンポーネント305、剛性レバーアームモデルコンポーネント310、加算ノード318、インクリメンタル動的レバーアーム補正コンポーネント324、出力316、320、322、326、327、328、332、及び334と同様にして相互作用する。基準座標コンポーネント305、剛性レバーアームモデルコンポーネント310及び315、インクリメンタル動的レバーアーム補正コンポーネント324及び354、並びにフィルタ330は、本明細書で説明するように、例示的に1つ又は2つ以上の記録可能データ記憶媒体101を備える。
【0023】
さらに図3を参照すると、スレーブナビゲーションコンポーネント115は、スレーブナビゲーションコンポーネント115のナビゲーション測定データを、出力366として、インクリメンタル動的レバーアーム補正コンポーネント354へ送出する。インクリメンタル動的レバーアーム補正コンポーネント354は、出力366を使用して、基準座標コンポーネント305によって確立された座標系を基準としたスレーブナビゲーションコンポーネント120の動的レバーアームの正確度を増大させる。スレーブナビゲーションコンポーネント120は、スレーブナビゲーションコンポーネント120のナビゲーション測定データを、出力368として、インクリメンタル動的レバーアーム補正コンポーネント324へ送出する。インクリメンタル動的レバーアーム補正コンポーネント324は、出力368を使用して、基準座標コンポーネント305によって確立された座標系を基準としたスレーブナビゲーションコンポーネント115の動的レバーアームの正確度を増大させる。
【0024】
図3を再び参照すると、フィルタ330は、マスタナビゲーションコンポーネント110並びにスレーブナビゲーションコンポーネント115及び120からナビゲーション測定データを入力として受け取る。フィルタ330は、基準座標コンポーネント305からの出力370、スレーブナビゲーションコンポーネント115からの出力322、及びスレーブナビゲーションコンポーネント120からの出力352を入力として受け取る。フィルタ330は、出力322、352、及び370を使用して座標系を確立する。たとえば、フィルタ330は、当業者には十分理解されるように、出力322、352、及び370を結合して座標系を確立する。フィルタ330は、基準座標コンポーネント305並びにスレーブナビゲーションコンポーネント115及び120から受信したナビゲーション測定データの誤差を見積もり、それら誤差を補正する。
【0025】
フィルタ330は、フィルタ330によって確立された座標系を基準とした、補正されたナビゲーション測定データを、出力372として、基準座標コンポーネント305へ送出する。基準座標コンポーネント305は、出力372を使用して、基準座標コンポーネント305によって確立された座標系を調整する。たとえば、基準座標コンポーネント305は、出力372を使用して、基準座標コンポーネント305によって確立されたベースライン座標系を調整する。フィルタ330及び基準座標コンポーネント305は、協動して、基準座標コンポーネント305によって確立された座標系とフィルタ330によって確立された座標系とを位置合わせする。フィルタ330は、出力332、334、362、及び364、フィルタ330によって確立された座標系を基準とした、補正されたナビゲーション測定データをスレーブナビゲーションコンポーネント115及び120、並びに、インクリメンタル動的レバーアーム補正コンポーネント324及び354へ送出する。
【0026】
図4を参照すると、移動体105は、ナビゲーションネットワーク402を備える。このナビゲーションネットワーク402は、ナビゲーションネットワークハブ410、並びに、1つ又は2つ以上のナビゲーションコンポーネント415、420、425、及び430を備える。ナビゲーションコンポーネント415、420、425、及び430の一例には、さまざまな正確度のナビゲーションコンポーネントが含まれる。たとえば、ナビゲーションコンポーネント415及び420は、マスタナビゲーションコンポーネント110と同様の高性能ナビゲーションシステムを備え、ナビゲーションコンポーネント425及び430は、スレーブナビゲーションコンポーネント115、120、125、及び/又は130と同様の低性能ナビゲーションシステムを備える。ナビゲーションコンポーネント415、420、425、及び430は、ナビゲーションコンポーネント415、420、425、及び430のナビゲーション測定データを得て、センサ135、140、145、及び150のナビゲーションパラメータ(すなわち、方位、位置、及び速度)を求める。
【0027】
一例としてのナビゲーションネットワークハブ410は、ナビゲーションコンポーネント415、420、425、及び430から慣性測定情報を受信する。ナビゲーションネットワークハブ410は、ナビゲーションコンポーネント415、420、425、及び430からのナビゲーション測定データを使用して、移動体105の座標系を確立する。ナビゲーションネットワークハブ410は、ナビゲーションネットワークハブ410によって確立された座標系を基準としたセンサ135、140、145、及び150の1つ又は2つ以上のナビゲーションパラメータ、たとえば方位、位置、及び速度を求める。ナビゲーションネットワークハブ410は、出力482、484、486、及び490によって示すように、ナビゲーションネットワークハブ410によって確立された座標系における、センサ135、140、145、及び150のナビゲーションパラメータ(すなわち、方位、速度、及び位置)を提供する。ナビゲーションネットワークハブ410は、ナビゲーションネットワークハブ410によって確立された座標基準系の方位を出力492として提供する。一例としてのナビゲーションネットワークハブ410、並びに、ナビゲーションコンポーネント415、420、425、及び430は、本明細書で説明するように、例示的に1つ又は2つ以上の記録可能データ記憶媒体101を備える。
【0028】
ナビゲーションネットワークハブ410、並びに、ナビゲーションコンポーネント415、420、425、及び430は、例示的に1つ又は2つ以上のネットワークバス495を使用することによって通信する。一例では、ネットワークバス495には、高速伝送バスが含まれる。別の例では、ネットワークバス495には、イーサネット(登録商標)通信手段が含まれる。一例のナビゲーションコンポーネント415、420、425、及び430は、ネットワークバス495を使用して、ナビゲーション測定データをナビゲーションネットワークハブ410へ送信する。一例では、ナビゲーションネットワークハブ410は、ネットワークバス495を使用して、補正されたナビゲーション測定データ165、170、175、及び180をナビゲーションコンポーネント415、420、425、及び430へ送信する。別の例では、ナビゲーションネットワークハブ410は、ネットワークバス495を使用して、出力482、484、486、488、490、及び492を提供する。さらに別の例では、ナビゲーションネットワークハブ410は、ネットワークバス495を使用して、外部位置決めコンポーネント155及び160と通信する。ナビゲーションネットワークハブ410は、ネットワークバス495上で標準的なプロトコルを使用して、複数の外部コンポーネント、たとえばナビゲーションコンポーネント415、420、425、及び430、外部位置決めコンポーネント155及び160、並びに1つ又は2つ以上の移動体コンピュータ(図示せず)に共通のインターフェースを提供する。
【0029】
一例としての装置100は、電子コンポーネント、ハードウェアコンポーネント、及びコンピュータソフトウェアコンポーネントの1つ又は2つ以上のもの等の複数のコンポーネントを備える。多数のこのようなコンポーネントは、装置100において結合することもできるし、分割することもできる。装置100の一例示のコンポーネントは、当業者には十分理解されるように、多数のプログラミング言語のいずれかにより記述又は実施される一組のコンピュータ命令又は一連のコンピュータ命令を使用し、且つ/又は、備える。
【0030】
一例としての装置100は、1つ又は2つ以上のコンピュータ可読信号保持媒体を使用する。コンピュータ可読信号保持媒体は、本発明の1つ又は2つ以上の実施の形態の1つ又は2つ以上の部分を実行するためのソフトウェア、ファームウェア、及び/又はアセンブリ言語を記憶する。装置100のコンピュータ可読信号保持媒体の例には、マスタナビゲーションコンポーネント110、スレーブナビゲーションコンポーネント115、120、125、及び130、基準座標コンポーネント305、剛性レバーアームモデルコンポーネント310及び315、インクリメンタル動的レバーアーム補正コンポーネント324及び354、フィルタ330、ナビゲーションネットワークハブ410、並びにナビゲーションコンポーネント415、420、425、及び430の記録可能データ記憶媒体101が含まれる。装置100のコンピュータ可読信号保持媒体の一例には、磁気データ記憶媒体、電気データ記憶媒体、光データ記憶媒体、生物学的データ記憶媒体、及び原子データ記憶媒体の1つ又は2つ以上のものが含まれる。たとえば、コンピュータ可読信号保持媒体には、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気テープ、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスクドライブ、及び電子メモリが含まれる。別の例では、コンピュータ可読信号保持媒体には、装置100を備えるか、又は装置100と接続されるネットワーク上で送信される変調された搬送波信号が含まれる。このネットワークは、たとえば、電話網、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)、ワイドエリアネットワーク(「WAN」)、インターネット、及び無線ネットワークの1つ又は2つ以上のものである。
【0031】
本明細書で説明したステップ又は動作は、単なる例示にすぎない。本発明の精神から逸脱することなく、これらのステップ又は動作に対する多くの変形が存在し得る。たとえば、ステップは異なる順序で実行することができ、ステップを追加、削除、又は変更することができる。
【0032】
本明細書では、本発明の例示の実施態様を詳細に図示して説明してきたが、当業者には、本発明の精神から逸脱することなく、さまざまな変更、追加、代用等を行えることは明らかであり、したがって、これらの変更、追加、代用等は、添付の特許請求の範囲で規定された本発明の範囲内に含まれるものと考える。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】1つ又は2つ以上の移動体、1つ又は2つ以上のマスタナビゲーションコンポーネント、1つ又は2つ以上のスレーブナビゲーションコンポーネント、1つ又は2つ以上のセンサ、及び1つ又は2つ以上の外部位置決めコンポーネントを備える装置の一実施態様を表す図である。
【図2】センサの補正されたナビゲーションパラメータを、図1の装置のマスタナビゲーションコンポーネントからスレーブナビゲーションコンポーネントへ提供するための一例示のプロセスフローを表す図である。
【図3】図1の装置のマスタナビゲーションコンポーネントの1つ又は2つ以上の基準座標コンポーネント及び1つ又は2つ以上の剛性レバーアームモデルコンポーネント、スレーブナビゲーションコンポーネント、センサ、外部位置決めコンポーネント、1つ又は2つ以上のインクリメンタル動的レバーアーム補正コンポーネント、並びに1つ又は2つ以上のフィルタの一実施態様を表す図である。
【図4】1つ又は2つ以上のナビゲーションネットワークを備える図1の装置のセンサを表す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の座標系を確立するマスタナビゲーションコンポーネントと、
1つ又は2つ以上のスレーブナビゲーションコンポーネントであって、該1つ又は2つ以上のスレーブナビゲーションコンポーネント自体の第2の座標系における、該1つ又は2つ以上のスレーブナビゲーションコンポーネントのナビゲーション測定データをそれぞれ求める、1つ又は2つ以上のスレーブナビゲーションコンポーネントと
を備え、
前記1つ又は2つ以上のスレーブナビゲーションコンポーネントは、該1つ又は2つ以上のスレーブナビゲーションコンポーネント自体の第2の座標系における、該1つ又は2つ以上のスレーブコンポーネントのそれぞれの前記ナビゲーション測定データを前記マスタナビゲーションコンポーネントに提供し、
前記マスタナビゲーションコンポーネントは、前記1つ又は2つ以上のスレーブコンポーネント自体の第2の座標系における、該1つ又は2つ以上のスレーブコンポーネントのそれぞれの前記ナビゲーション測定データを、前記第1の座標系における、前記マスタナビゲーションコンポーネントのナビゲーション測定データと比較し、
前記マスタナビゲーションコンポーネントは、前記第2の座標系における、前記1つ又は2つ以上のスレーブナビゲーションコンポーネントの前記ナビゲーション測定データを、前記第1の座標系における、前記1つ又は2つ以上のスレーブナビゲーションコンポーネントのナビゲーション測定データに変換する、
装置。
【請求項2】
前記マスタナビゲーションコンポーネントは、前記1つ又は2つ以上のスレーブナビゲーションコンポーネントの前記ナビゲーション測定データの誤差を推定する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記マスタナビゲーションコンポーネントは、カルマンフィルタを使用することによって、前記1つ又は2つ以上のスレーブナビゲーションコンポーネントの前記ナビゲーション測定データの誤差を推定する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記マスタナビゲーションコンポーネントは、前記推定された誤差に基づいて、前記1つ又は2つ以上のスレーブナビゲーションコンポーネント自体の第2の座標系における、該1つ又は2つ以上のスレーブナビゲーションコンポーネントの前記ナビゲーション測定データをそれぞれ補正する、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記マスタナビゲーションコンポーネントは、移動体の第1のロケーションに配置され、前記スレーブナビゲーションコンポーネントの第1のものは、その移動体の第2のロケーションに配置され、前記第1の座標系及び前記第2の座標系は、前記第1のロケーション及び前記第2のロケーションにそれぞれ関連付けられている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記マスタナビゲーションコンポーネントに結合される静的ロケーションコンポーネントをさらに備え、該静的ロケーションコンポーネントは、前記第1のロケーションと前記第2のロケーションとの間の距離の静的情報を提供し、前記マスタナビゲーションコンポーネントは、該静的距離情報に基づいて、前記第2のロケーションにおける前記第1のスレーブナビゲーションコンポーネントの前記ナビゲーション測定データの誤差を推定する、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記マスタナビゲーションコンポーネントに結合される動的ロケーションコンポーネントをさらに備え、該動的ロケーションコンポーネントは、前記第1のロケーションと前記第2のロケーションとの間の変位の動的情報を提供し、前記第1のスレーブナビゲーションコンポーネントと前記マスタナビゲーションコンポーネントとの間の変位は、前記第1のロケーションを基準とした前記第2のロケーションの物理的偏差により可変であり、前記マスタナビゲーションコンポーネントは、前記動的変位情報に基づいて、前記第2のロケーションにおける、前記第1のスレーブナビゲーションコンポーネントの前記ナビゲーション測定データの誤差を推定する、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記マスタナビゲーションコンポーネントは、前記静的距離情報及び前記動的変位情報に基づいて、前記第1のスレーブナビゲーションコンポーネントの前記ナビゲーション測定データを補正する、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記マスタナビゲーションコンポーネントは、前記第2の座標系における、前記第1のスレーブナビゲーションコンポーネントの前記ナビゲーション測定データを、静的変位情報及び動的変位情報について補正された前記ナビゲーション測定データに基づいて、前記第1の座標系におけるナビゲーション測定データに変換する、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記静的ロケーションコンポーネント及び前記動的ロケーションコンポーネントから入力を受け取る加算素子をさらに備え、該加算素子は、前記第1の座標系を基準とした、前記第2の座標系の前記ナビゲーション測定データの誤差の推定を提供するフィルタに出力を提供する、請求項7に記載の装置。
【請求項11】
前記マスタナビゲーションコンポーネント及び前記スレーブナビゲーションコンポーネントは、それぞれ、マスタナビゲーション測定データ及びスレーブナビゲーション測定データを時刻情報で符号化する時刻同期コンポーネントを含み、前記動的変位情報に基づいて、前記第2のロケーションにおける前記第1のスレーブナビゲーションコンポーネントの前記ナビゲーション測定データの前記誤差を推定する際に、実質的に同じ時刻におけるマスタ測定データ及びスレーブ測定データを利用できるようにする、請求項7に記載の装置。
【請求項12】
ナビゲーション測定データを生成し、移動体において第1のロケーションにおける第1の座標系を確立するマスタナビゲーションコンポーネントと、
ナビゲーション測定データを生成し、前記第1のロケーションと前記移動体の第2のロケーションとの間の変位が前記移動体の物理的変形により可変である前記第2のロケーションにおける第2の座標系を確立するスレーブナビゲーションコンポーネントと、
前記マスタナビゲーションコンポーネントに結合される動的ロケーションコンポーネントであって、前記第1のロケーションと前記第2のロケーションとの間の前記変位の動的情報を提供する、動的ロケーションコンポーネントと
を備え、
前記マスタナビゲーションコンポーネントは、前記マスタナビゲーションコンポーネントによって生成される前記ナビゲーション測定データと、前記動的ロケーションコンポーネントによって提供される前記動的変位情報とに基づいて、前記スレーブナビゲーションコンポーネントによって生成される前記ナビゲーション測定データの誤差を推定する誤差推定器を含み、
前記マスタナビゲーションコンポーネントは、前記誤差推定器によって求められた前記誤差に基づいて、前記スレーブナビゲーションコンポーネントの前記ナビゲーション測定データを補正し、
前記マスタナビゲーションコンポーネントは、前記スレーブナビゲーションコンポーネントの前記補正されたナビゲーション測定データを、前記第1の座標系におけるナビゲーション測定データに変換する、
ナビゲーションシステム。
【請求項13】
前記マスタナビゲーションコンポーネントに結合される静的ロケーションコンポーネントをさらに備え、該静的ロケーションコンポーネントは、前記第1のロケーションと前記第2のロケーションとの間の距離の静的情報を提供し、前記誤差推定器は、前記静的ロケーションコンポーネントによって提供された前記静的距離情報に基づいて、前記スレーブナビゲーションコンポーネントによって生成された前記ナビゲーション測定データの誤差を推定する、請求項12に記載のナビゲーションシステム。
【請求項14】
前記静的ロケーションコンポーネント及び前記動的ロケーションコンポーネントから入力を受け取る加算素子をさらに備え、該加算素子は、該加算素子から提供された出力に基づいて前記誤差を推定する前記誤差推定器に該出力を提供する、請求項13に記載のナビゲーションシステム。
【請求項15】
前記スレーブナビゲーションコンポーネントと、前記静的ロケーション素子及び前記動的ロケーション素子と、前記加算素子と、前記誤差推定器とを備え、前記マスタナビゲーションコンポーネントの前記ロケーションを基準として前記スレーブナビゲーションコンポーネントの前記ロケーションを更新することによって前記推定された誤差を最小にする閉ループフィードバック回路をさらに備える、請求項14に記載のナビゲーションシステム。
【請求項16】
前記マスタナビゲーションコンポーネント及び前記スレーブナビゲーションコンポーネントは、それぞれ、マスタナビゲーション測定データ及びスレーブナビゲーション測定データを時刻情報で符号化する時刻同期コンポーネントを含み、前記動的変位情報に基づいて、前記第2のロケーションにおける前記第1のスレーブナビゲーションコンポーネントの前記ナビゲーション測定データの前記誤差を推定する際に、実質的に同じ時刻におけるマスタ測定データ及びスレーブ測定データを前記誤差推定器が利用できるようにする、請求項12に記載のナビゲーションシステム。
【請求項17】
1つ又は2つ以上の追加スレーブナビゲーションコンポーネントが、前記第1のロケーションと前記移動体の1つ又は2つ以上の追加ロケーションとの間の変位が前記移動体の物理的変形により可変である前記追加ロケーションでナビゲーション測定を生成する、請求項12に記載のナビゲーションシステム。
【請求項18】
動的ロケーションコンポーネントが、前記第1のロケーションと前記1つ又は2つ以上の追加ロケーションとの間の前記変位の動的情報を提供する、請求項17に記載のナビゲーションシステム。
【請求項19】
前記マスタナビゲーションコンポーネントは、該マスタナビゲーションコンポーネントによって生成された前記ナビゲーション測定データ及び前記動的ロケーションコンポーネントによって提供された前記動的変位情報に基づいて、前記1つ又は2つ以上の追加スレーブナビゲーションコンポーネントによって生成された前記ナビゲーション測定データの誤差を推定する誤差推定器を含む、請求項18に記載のナビゲーションシステム。
【請求項20】
前記マスタナビゲーションコンポーネントは、前記誤差推定器によって求められた前記誤差に基づいて、前記1つ又は2つ以上の追加スレーブナビゲーションコンポーネントの前記ナビゲーション測定データを補正する、請求項19に記載のナビゲーションシステム。
【請求項21】
前記マスタナビゲーションコンポーネントは、前記1つ又は2つ以上の追加スレーブナビゲーションコンポーネントの前記補正されたナビゲーション測定データを、前記第1の座標系におけるナビゲーション測定データに変換する、請求項20に記載のナビゲーションシステム。
【請求項22】
ナビゲーション情報を求めるための方法であって、
移動体において第1のロケーションにおける第1の座標系でマスタナビゲーション測定データを生成するステップと、
前記移動体において第2のロケーションにおける第2の座標系でスレーブナビゲーション測定データを生成するステップと、
前記第1のロケーションと前記第2のロケーションとの間の変位の動的情報を求めるステップと、
前記マスタナビゲーション測定データ及び前記動的変位情報に基づいて、前記スレーブナビゲーション測定データの誤差を推定するステップと、
前記推定された誤差に基づいて、前記スレーブナビゲーション測定データを補正するステップと、
前記補正されたスレーブナビゲーション測定データを、前記第1の座標系におけるナビゲーション測定データに変換するステップと、
を含む方法。
【請求項23】
前記第1のロケーションと前記第2のロケーションとの間の距離の静的情報を生成することをさらに含み、前記誤差を推定するステップは、前記静的距離情報及び前記動的距離情報に基づいて前記スレーブナビゲーション測定データの誤差を推定する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記静的ロケーション情報及び前記動的ロケーション情報を加算するステップと、該加算に基づいて出力を生成するステップとをさらに含み、前記誤差の推定は、前記出力に基づいている、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記スレーブナビゲーション情報と、前記静的ロケーション情報及び前記動的ロケーション情報と、前記加算出力と、前記推定された誤差情報とに基づいて閉ループフィードバックシステムを使用し、それによって、前記第1のロケーションを基準とした前記第2のロケーションの前記ロケーションを更新する、ことをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記動的変位情報に基づいて、前記第2のロケーションにおける前記第1のスレーブナビゲーションコンポーネントの前記ナビゲーション測定データの前記誤差を推定する際に、実質的に同じ時刻におけるマスタ測定データ及びスレーブ測定データが使用されるように、マスタナビゲーション測定データ及びスレーブナビゲーション測定データを時刻情報で符号化するステップをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項27】
ナビゲーション情報を求めるための方法であって、
移動体において第1のロケーションにおける第1の座標系でマスタナビゲーション測定データを生成するステップと、
前記移動体において1つ又は2つ以上の追加ロケーションにおける1つ又は2つ以上の追加座標系で一組又は二組以上のスレーブナビゲーション測定データを生成するステップと、
前記第1のロケーションと前記追加ロケーションとの間の変位の動的情報を求めるステップと、
前記マスタナビゲーション測定データ及び前記動的変位情報に基づいて、前記スレーブナビゲーション測定データの誤差を推定するステップと、
前記推定された誤差に基づいて、前記スレーブナビゲーション測定データを補正するステップと、
前記補正されたスレーブナビゲーション測定データを、前記第1の座標系におけるナビゲーション測定データに変換するステップと、
を含む方法。
【請求項28】
前記第1のロケーションと第2のロケーションとの間の距離の静的情報を生成することをさらに含み、前記誤差を推定するステップは、前記静的距離情報及び前記動的距離情報に基づいて前記スレーブナビゲーション測定データの誤差を推定する、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記静的ロケーション情報及び前記動的ロケーション情報を加算するステップと、該加算に基づいて出力を生成するステップとをさらに含み、前記誤差の推定は、前記出力に基づいている、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記スレーブナビゲーション情報と、前記静的ロケーション情報及び前記動的ロケーション情報と、前記加算出力と、前記推定された誤差情報とに基づいて閉ループフィードバックシステムを使用し、それによって、前記第1のロケーションを基準とした前記第2のロケーションの前記ロケーションを更新する、ことをさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記動的変位情報に基づいて、前記第2のロケーションにおける前記第1のスレーブナビゲーションコンポーネントの前記ナビゲーション測定データの前記誤差を推定する際に、実質的に同じ時刻におけるマスタ測定データ及びスレーブ測定データが使用されるように、マスタナビゲーション測定データ及びスレーブナビゲーション測定データを時刻情報で符号化するステップをさらに含む、請求項29に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−537447(P2007−537447A)
【公表日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−513257(P2007−513257)
【出願日】平成17年5月9日(2005.5.9)
【国際出願番号】PCT/US2005/016207
【国際公開番号】WO2005/114106
【国際公開日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(503123152)ノースロップ・グラマン・コーポレーション (31)
【氏名又は名称原語表記】NORTHROP GRUMMAN CORPORATION
【Fターム(参考)】