説明

複数の加工部品を別個の金型で、単一のプレス機を用いて同時に成形するためのゴム射出成型装置および方法

【課題】金型の変更時間が実質的に削減されるゴム射出成形装置および方法を提供する。
【解決手段】クランプ機構52は、プレスラム26の略垂直の運動を水平のクランプ力に変換するために、プレスラム26の垂直の往復運動に応答して、ゴムが空洞38に射出されている間、金型を締付けて保持する。金型30は、分割線界面36に沿って互いに接合し、間に金型空洞38を有する2つの金型半体32、34を各々有する。金型半体32、34は自在搬送体62に受けられ、それは次に、間隔をおいた第1のレール58と第2のレール60との間に懸架され、それらに沿って摺動可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
なし
発明の背景
発明の分野
複数の加工部品を、水平に配列された別個の金型で、垂直に配向された単一のプレス機を用いて同時に成形するためのゴム射出成形装置および方法である。
【背景技術】
【0002】
関連技術
ゴム系樹脂を加工部品へと形作る最も一般的な方法のうちの1つは、射出成形と呼ばれるプロセスである。射出成形は、典型的には資本設備の大型工業用部材である射出成形機によって達成される。射出成形プロセスによれば、ゴム系樹脂がホッパー内に供給され、そこで着色剤または他の特性が導入されてもよい。樽または他の装置が樹脂を受取り、それらの温度を適切な融点に高める。一旦溶融されると、樹脂は金型空洞に射出される。
【0003】
射出プロセス中に生じる極度な圧力のため、トン数が高いプレス機では、金型半体同士は互いに対してしっかりと保持されなければならない。射出成形に用いられるようなプレス機は大抵、水平運動構成で構成されており、それにより、プレスラムおよび/またはプレス台が、略水平の往復運動経路において、互いに近づき遠ざかるように動く。そのような構成は、金型空洞の分割線界面を略垂直の配向に向け、そのため金型半体は開いて、完成した成形加工部品を金型空洞から取外す。成形部品は掃き出され、下方の収集ビン内に落ちるようになっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
多くの製造施設は、垂直に配向された往復運動要素を有するプレス機を含む。言い換えれば、典型的な垂直プレスは、打抜き加工、圧縮成形、または他の一般的な作製用途に使用されてもよく、略垂直の経路においてプレス台に近づき遠ざかる往復運動のために支持された、垂直に配向されたプレスラムを含んでいてもよい。そのようなプレス機は、大量のゴム射出成形用途での使用には概して不十分な、固定設備の重くて高価な部材を表わしている。
【0005】
したがって、典型的な先行技術の垂直プレスを容易に変換して、それが大量のゴム射出成形用途で使用できるようにする必要性がある。
【0006】
さらに、この分野では、金型の変更に必要とされる時間量を削減する必要性がある。研究により、金型変更が遅い主な原因は、機械工による間違った工具または間違った留め具の使用を含むことがわかっている。金型変更が速い場合でも、ある作業から次の作業へと金型を変更する際に、およびプロセスが容易に自動化できない際はいつでも、貴重な生産時間が消費される。したがって、射出成形の分野では、金型変更中に失われる時間は重大な問題である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の概要
複数の加工部品を別個の金型で、単一のプレス機を用いて同時に成形するためのゴム射出成形装置が提供される。この装置は、プレス台と、略垂直の経路においてプレス台に近
づき遠ざかる往復運動のために支持された、垂直に配向されたプレスラムとを含むゴム射出プレス機を含む。プレス台とプレスラムとの間には、別個の異なる複数の射出金型が位置付けられる。各金型は、分割線界面に沿って互いに接合し、間に金型空洞が規定された2つの金型半体を有している。金型への射出用に、溶融ゴムの供給がプレスラムと連通している。クランプ機構は、分割線に対して直角の方向に複数の金型を圧縮するために、プレスラムの垂直運動に直接応答する。別個の異なる複数の射出金型の各々は、各分割線がプレスラムの運動に略平行に配置されるように、互いに対して水平に配置される。この構成によれば、プレスラムの略垂直の運動は、クランプ機構によって略水平のクランプ力に変換され、それによりすべての金型を一緒に同時に圧縮する。
【0008】
この発明の第2の局面によれば、複数の加工部品を別個の金型で、単一のプレス機を用いて同時に成形するための方法が提供される。この方法は、可動のプレスラムとプレス台とを有するゴム射出プレス機を提供するステップと、略垂直の経路においてプレス台に近づき遠ざかるようにプレスラムを往復運動させるステップと、分割線界面に沿って互いに接合し、間に金型空洞を有する2つの金型半体を各々有する別個の異なる複数の射出金型を提供するステップと、分割線の各々がプレスラムの運動に略平行に配置されるように、プレス台とプレスラムとの間に、水平に延在する配列で金型を位置付けるステップと、プレスラムに溶融ゴムを供給するステップと、プレスラムの往復運動に応答して複数の金型を一緒に圧縮するステップとを含み、圧縮するステップは、プレスラムの略垂直の運動を略水平のクランプ力に変換し、それにより、すべての金型を一緒に同時に圧縮するステップをさらに含む。
【発明の効果】
【0009】
この発明は、垂直タイプのプレス機がゴム射出成形用途での使用のために変換されることを可能にすることにより、先行技術のシステムの短所および欠点を克服している。複数の金型は、プレスラムの経路において水平に延在する配列で配置され、ゴム射出プロセスにとって必要な抵抗力を達成するために、クランプ機構または他の適切な手法によって水平方向に一緒に圧縮される。利点は、多数の空洞に溶融ゴムを同時に射出する能力を含む。同時に充填された複数の金型は、必ずしも互いに同一である必要はない。この発明のさらに完全にする特徴により、成形プロセスにおける迅速な金型交換およびほぼ無人の自動化が可能になる。高い製品スループットのための増大した能力、および既存の資本設備を新しい使用に変換する能力により、この発明は、ゴム射出の分野において独自の、かつ非常に望ましい進展を表わしている。
【0010】
この発明のこれらのおよび他の特徴ならびに利点は、以下の詳細な説明および添付図面とともに検討すると、より容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】プレスゾーンおよび隣接する積み降ろしゾーンの両方に配列された複数の金型を含む、垂直に配向されたプレス機の斜視図である。
【図2】それぞれの搬送体から分離された1対の嵌まり合う金型半体を示す部分斜視図である。
【図3】この発明に従った1つの金型半体に形成された金型空洞の部分斜視図である。
【図4】金型の配列に関連する、この発明のクランプ機構を示す部分斜視図である。
【図5】概して図2の線5−5に沿って切取られ、切断線が2つの金型半体間の金型空洞に通じるゲートを通って延在している、断面図である。
【図6】複数の金型が内部に位置付けられたプレス台から持上げられたプレスラムを示す、簡略化された断面図である。
【図7】図6と同様であるが、溶融ゴムの射出に対する準備ができた金型を有するプレス台に対して十分に圧縮された位置にあるプレスラムを示す図である。
【図8】成形された加工部品を、その関係する金型空洞に関連して示す分解斜視図である。
【図9】図5に示すような金型空洞を通っているものの、ゲートを通して射出され、金型空洞を充填する溶融ゴムを示している、簡略化された断面図である。
【図10】図9と同様であり、掃き出し装置の助けにより、成形部品を金型空洞から取外すステップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
好ましい実施例の詳細な説明
いくつかの図全体を通し、同じ番号は同じかまたは対応する部分を示している図面を参照すると、複数の加工部品を別個の金型で、単一のプレス機を用いて同時に成形するためのタイプのゴム射出成形装置は、概して20で示される。概して22で示されるゴム射出プレス機は、プレス台24と、略垂直の経路においてプレス台24に近づき遠ざかる往復運動のために支持された、垂直に配向されたプレスラム26とを含む。成形サイクルにおける適切な時点で複数の金型中に溶融ゴムを分配するために、図6および図7に示唆するようなヒータ、ランナーシステム28、およびノズルが、プレスラム26に装備されてもよい。
【0013】
概して30で示される、別個の異なる複数の射出金型が、プレスゾーン、すなわちプレス台24とプレスラム26との間、または、言い換えれば、プレスラム26の往復運動経路内に位置付けられている。各金型30は、分割線界面36に沿って互いに隣接する2つの金型半体32、34を含む。各金型半体32、34間の空間として、金型空洞38が規定される。一実施例では、主として平面状であるが大きな突出区域を有する部品を成形するための金型空洞38を作ることができる。そのような部品は、水平面で切った場合に小さな断面を有しており、それにより、その観点で非常に浅い突出区域を付与し、はるかにより低いトン数のクランプ力を必要とする。
【0014】
図2、図3、図5および図8〜10は、内燃機関用のヘッドガスケットまたはバルブカバーガスケットの形に作られた加工部品40の例示的な一実施例における金型30について、特に例証している。ここでは、各金型半体32、34は、テーパ付き側縁42と略水平の平面状頂縁44とによって規定された略台形形状を有することが示されている。各金型半体32、34間には、頂縁44を通ってゲート46が形成される。ゲート46は、図3〜5および図9に最良に示されているように、金型空洞38に通じている。好ましくは、ゲート46は、周知のエッジゲート構成様式のものである。しかしながら、用途に応じて、他のゲート構成様式が使用されても、および/または好まれてもよい。ゲート46は、図2に示すように、一方の側縁42に向かって、または近接して片寄っていてもよい。これは、プレス機22の次の隣接する金型30が180°回転可能となり、それによりゲート46を有利に間隔が空いた配向で互い違いにして、プレスラム26のランナー28およびノズルが都合よく分散されるため、好まれ得る。
【0015】
図3には、1対の位置決めピン48が、対向する金型半体34の相補形のソケット50に嵌まり合うために、金型半体32から延在して示されている。位置合わせを容易にするために、位置決めピン48および嵌まり合うソケット50にはテーパが付けられてもよい。2つのそのような位置決めピン48およびソケット50が図に示されているが、当業者であれば、場合によっては、そのような構成がより少なく、またはより多く実現されてもよいことを理解するであろう。さらに、これらの位置決め構成は、必ずしもテーパが付けられたり、図に示す構成と他の態様で似ている必要はなく、むしろ、2つの金型半体32、34を適正に整列させ、射出成形プロセス中にそれらの整列された状態を維持することを助けるという同じ目的を達成するために、さまざまな形を取ってもよい。
【0016】
プレス機22は、図1、図4、図6および図7において概して52で示されるクランプ機構を含んでいる。クランプ機構52は、分割線36の各々に対して直角または垂直の方向に複数の金型30を圧縮するために、プレスラム26の垂直運動に直接応答する。クランプ機構52はさまざまな方法で設計されてもよいが、図面には、プレスラム26に直接接続され、プレスラム26とともに動くことが可能な1対の可動楔54として示されている。共に作用する1対の静止楔56が、プレス台24に直接接続され、または他の態様でプレス台24と一体化されている。可動楔54および静止楔56は、プレスラム26の往復運動に応答して互いに相互作用し、それにより、分割線36に対して直角の力ベクトルでの金型30への圧縮をもたらす。
【0017】
図示されているように、各射出金型30は、すべての分割線36がプレスラム26の運動に略平行に配置されるように、プレスゾーン内に互いに対して水平に配置されている。このため、プレスラム26の略垂直の運動は、すべての金型30を一緒に同時に圧縮するよう作用するクランプ機構52によって、略水平のクランプ力に変換される。ゴム射出成形のために垂直に配向されたプレスが装備された先行技術の構成と比較すると、この発明は、プレス機22でより多数の金型空洞38が同時に充填されることを可能にする。さらに、すべての金型空洞38が他の金型30の空洞と同じである必要はない。したがって、同じバッチで異なる仕様番号が同時に実行されてもよい。
【0018】
図1および図2に戻ると、プレス機22は、プレスゾーンの両側でクランプ力の方向に平行に延在する第1のレール58および第2のレール60を含んで示されている。レール58、60は、金型30のバッチがより効率的にプレス機22を移動できるように積み降ろしゾーンを設けるために、プレス台24から側方に延在してもよい。レール58、60は、金型30を直接支持してもよく、またはより好ましくは、搬送体62を支持し、それが次にそれぞれの金型半体32、34を支持してもよい。搬送体62は、単一の金型半体32または34を自在に支持しつつ、第1のレール58および第2のレール60に直接接続してそれらに沿って摺動するよう設計されている。言い換えれば、搬送体62を変えたり動かしたりすることなく、金型半体32または34は、前方または後方を向く配向で搬送体62に配置され得る。言い換えれば、片寄ったゲート62は、第1のレール58に近接して、または第2のレール60に近接して位置付け可能である。この自在で可逆的な結合は、各金型半体32、34のテーパ付き側縁42を、自在の位置合わせ界面で形成することによって達成される。図示された例示的な実施例では、その位置合わせ界面は、金型半体32、34上のテーパ付き側縁42を活用してもよい。図示の通り、これらの側縁42は、各搬送体62の相補形の溝64に嵌まり合うための丸縁を有して形成されてもよい。もちろん、他の位置合わせ界面設計が、等しい効果を有して、図に示された丸縁および溝64の構成に取って代わってもよい。さらに、代替的な一実施例では、単一の搬送体62が1つ以上の金型アセンブリ30全体、すなわち複数の金型半体32、34を支持してもよいことが考えられる。
【0019】
この発明に従った、複数の加工部品40を別個の金型30で、単一のプレス機22を用いて同時に成形するための方法は、特に図6〜10を参照することにより理解され得る。これらのステップは、可動のプレスラム26と、静止した、または他の態様で対向するプレス台24とを有するゴム射出プレス機22を提供するステップを含む。当業者であれば、いわゆる「静止」プレス台24は実際にはプレス機22の土台に対して動き得ることを理解するであろう。にもかかわらず、例示のため、かつ便宜上、プレス台24は静止しているとして示す。実際、プレス台24とプレスラム26との間には、金型30が、射出成形が起こる位置との間を往復できるようにするための相対運動が提供されていることだけが必要である。
【0020】
この方法は、略垂直の経路においてプレス台24に近づき遠ざかるようにプレスラム26を往復運動させるステップをさらに含む。分割線界面36に沿って互いに接合する2つの金型半体32、34を各々有する、別個の異なる複数の射出金型30が提供される。対向する金型半体32、34間の空間に、金型空洞38が形成される。
【0021】
この方法はまた、分割線36の各々がプレスラム26の運動に略平行に配置されるように、プレス台24とプレスラム26との間の垂直経路に、水平に延在する配置で金型30を位置付けるステップを含む。溶融ゴムが、従来の射出成形装置(図示せず)を用いてプレスラム26に供給され、プレスラム26に形成されたランナー28または他の流路を通して分布される。
【0022】
この方法はまた、プレスラムの往復運動に応答して複数の金型30を一緒に圧縮するステップを含む。圧縮するステップは、プレスラム26の略垂直の運動を略水平のクランプ力に変換し、それにより、すべての金型30を一緒に同時に圧縮するステップをさらに含む。さらに、圧縮するステップは、プレスラム26に接続された少なくとも1つの可動楔54を、プレス台24に接続された少なくとも1つの静止楔56と共に作用させるステップを含む。ここでも、「可動」および「静止」という用語は限定のためではなく例示のための言葉として使用されていることが理解されるであろう。したがって、静止楔56は、可動楔54に鑑みた相対的な用語において静止していると考えられる。
【0023】
この発明の一実施例では、プレスラム26の垂直経路に金型30を位置付けるステップは、圧縮力の方向に平行に延在する少なくとも1つ、しかし好ましくは2つのレール58、60から金型半体32、34を懸架するステップを含む。プレスゾーンに金型30を位置付けるこのステップは、各金型半体32、34を搬送体62で支持するステップをさらに含む。搬送体62はそれ自体、間隔をおいたレール58、60上に直接支持される。
【0024】
図9および図10は、金型空洞38が溶融ゴムで充填されるステップ、および、次に結果として生じる加工部品40が、一旦十分に固化した後で取外されるステップをそれぞれ示している。この発明の方法は、重力の助けにより、金型空洞38から成形された加工部品40を取外すステップをさらに含む。言い換えれば、空洞38から加工部品40が一旦取外されると、それは地球の引力の影響を受けて、収集容器内、コンベヤまたは他の取扱い装置(図示せず)上に落ちるようになっている。空洞38からの加工部品40を取外しを助けるために、回転ブラシ66もしくは他の掃き出しまたは掻き取り装置が使用されてもよい。したがって、この発明の方法は、対向し合う金型半体32、34間に掃き出し装置66を挿入するステップをさらに含んでいてもよい。
【0025】
この発明は多数の目的を達成し、このタイプの先行技術のシステムで見つかったすべての欠点を克服している。たとえば、このアプローチは、垂直プレス機を使用しつつ、水平プレスの離型の利点を得ている。金型分割線36の数は増やすことができ、1回当たりの成形部品40の産出量がより多くなる。この発明はより低いトン数の機械の使用を可能にし、それは、油圧の代わりに単純な係止楔54、56をクランプ用に使用することにより、資本コストを削減する。この設計は、金型変更を達成するために留め具を必要としない。この事実だけでも、間違った工具および/または留め具から生じる遅延が回避されるという点で、金型変更時間を削減する。加えて、1つ以上の作業が同じ化合物および硬化時間を共有しているならば、それらを同時に実行できるという点で、このアプローチは先行技術のアプローチよりも汎用性がある。この設計は、金型変更を行なうために非常に単純なx−yロボットが使用できるという点で、自動化を容易にする。
【0026】
本実施の形態の装置は、複数の加工部品を別個の金型で、単一のプレス機を用いて同時に成形するためのゴム射出成形装置であって、前記装置は、プレス台と、略垂直の経路において前記プレス台に近づき遠ざかる往復運動のために支持された、垂直に配向されたプレスラムとを含むゴム射出プレス機と、前記プレス台と前記プレスラムとの間に位置付けられた別個の異なる複数の射出金型とを含み、前記金型の各々は、分割線界面に沿って互いに接合する2つの金型半体を有しており、各前記金型半体間に金型空洞が規定されており、前記装置はさらに、前記プレスラムと連通している溶融ゴムの供給と、前記分割線の各々に対して直角の方向に前記複数の金型を圧縮するために、前記プレスラムの垂直運動に直接応答するクランプ機構とを含み、前記金型の各々は、前記分割線の各々がプレスラムの運動に略平行に配置されるように、互いに対して水平に配列されており、それにより、前記プレスラムの略垂直の運動は、前記クランプ機構によって略水平のクランプ力に変換され、それによりすべての前記金型を一緒に同時に圧縮する、装置である。
【0027】
また、本実施の形態の装置において、前記クランプ機構は、プレスラムに直接接続された少なくとも1つの可動楔と、前記プレス台に直接接続された共に作用する少なくとも1つの静止楔とを含み、前記可動楔および前記静止楔は、前記プレスラムの往復運動に応答して互いに相互作用してもよい。
【0028】
また、本実施の形態の装置において、前記プレス機は、前記クランプ力の方向に平行に延在する第1のレールを含み、前記金型半体は前記第1のレールから懸架されていてもよい。
【0029】
また、本実施の形態の装置において、前記プレス機は、前記第1のレールから平行に間隔をおかれ、それとの間で前記金型半体を協同的に懸架する第2のレールを含んでいてもよい。
【0030】
また、本実施の形態の装置において、前記第1および第2のレールに直接接続された複数の搬送体をさらに含み、各前記搬送体は前記金型半体の少なくとも1つを支持していてもよい。
【0031】
また、本実施の形態の装置において、前記金型半体と前記搬送体との間のテーパ位置合わせ界面をさらに含んでいてもよい。
【0032】
また、本実施の形態の装置において、前記金型半体の各々は側縁を含み、前記テーパ位置合わせ界面は、前記搬送体の相補形の溝と嵌まり合うための前記側縁上の丸縁を含んでいてもよい。
【0033】
また、本実施の形態の装置において、嵌まり合う前記金型半体同士の間に形成されたゲートをさらに含み、前記ゲートは前記側縁に近接していてもよい。
【0034】
また、本実施の形態の装置において、前記ゲートはエッジゲート構成様式を含んでいてもよい。
【0035】
また、本実施の形態の装置において、前記金型半体のそれぞれの嵌まり合う対間に配置された少なくとも1つの位置決めピンと嵌まり合うソケットとをさらに含んでいてもよい。
【0036】
また、本実施の形態の方法は、複数の加工部品を別個の金型で、単一のプレス機を用いて同時に成形するための方法であって、前記方法は、可動のプレスラムと静止したプレス台とを有するゴム射出プレス機を提供するステップと、略垂直の経路においてプレス台に近づき遠ざかるようにプレスラムを往復運動させるステップと、分割線界面に沿って互いに接合する2つの金型半体を各々有する、別個の異なる複数の射出金型を提供するステップとを含み、対向する金型半体間に金型空洞があり、前記方法はさらに、分割線の各々がプレスラムの運動に略平行に配置されるように、プレス台とプレスラムとの間の垂直経路に、水平に延在する配列で金型を位置付けるステップと、プレスラムに溶融ゴムを供給するステップと、プレスラムの往復運動に応答して複数の金型を一緒に圧縮するステップとを含み、前記圧縮するステップは、プレスラムの略垂直の運動を略水平のクランプ力に変換し、それにより、空洞に溶融ゴムを充填しつつすべての前記金型を一緒に同時に圧縮するステップをさらに含む、方法である。
【0037】
また、本実施の形態の方法において、前記圧縮するステップは、プレスラムに接続された少なくとも1つの可動楔およびプレス台に接続された少なくとも1つの静止楔を共に作用させるステップをさらに含んでいてもよい。
【0038】
また、本実施の形態の装置において、前記垂直経路に金型を位置付けるステップは、圧縮力の方向に平行に延在する少なくとも1つのレールから金型半体を懸架するステップを含んでいてもよい。
【0039】
また、本実施の形態の装置において、前記垂直経路に金型を位置付けるステップは、圧縮力の方向に平行に延在する間隔をおいた1対のレールから金型半体を懸架するステップを含んでいてもよい。
【0040】
また、本実施の形態の装置において、各金型半体を搬送体で支持するステップをさらに含み、搬送体は間隔をおいた1対のレール上に直接支持され、それらに沿って摺動可能であってもよい。
【0041】
また、本実施の形態の装置において、重力の助けにより、金型空洞から成形された加工部品を取外すステップをさらに含んでいてもよい。
【0042】
また、本実施の形態の装置において、前記成形された部品を取外すステップは、対向し合う金型半体間に掃き出し装置を挿入するステップを含んでいてもよい。
【0043】
前述の発明は関連する法的基準に従って説明されており、このため、説明は本質的に限定的ではなく例示的である。開示された実施例に対する変更および修正は当業者には明ら
かであり、この発明の範囲内に該当する。したがって、この発明に与えられる法的保護の範囲は、特許請求の範囲を検討することによってのみ判定され得る。
【符号の説明】
【0044】
22 プレス機、58 第1のレール、60 第2のレール、30 金型、22 プレス機、24 プレス台、62 搬送体、32,34 金型半体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の加工部品を別個の金型で、単一のプレス機を用いて同時に成形するためのゴム射出成形装置であって、前記装置は、
プレス台と、略垂直の経路において前記プレス台に近づき遠ざかる往復運動のために支持された、垂直に配向されたプレスラムとを含むゴム射出プレス機と、
前記プレス台と前記プレスラムとの間に位置付けられた別個の異なる複数の射出金型とを含み、前記金型の各々は、分割線界面に沿って互いに接合する2つの金型半体を有しており、各前記金型半体間に金型空洞が規定されており、前記装置はさらに、
前記プレスラムと連通している溶融ゴムの供給と、
前記分割線の各々に対して直角の方向に前記複数の金型を圧縮するために、前記プレスラムの垂直運動に直接応答するクランプ機構とを含み、
前記金型の各々は、前記分割線の各々がプレスラムの運動に略平行に配置されるように、互いに対して水平に配列されており、それにより、前記プレスラムの略垂直の運動は、前記クランプ機構によって略水平のクランプ力に変換され、それによりすべての前記金型を一緒に同時に圧縮し、前記装置はさらに、
前記クランプ力の方向に各々平行に延在する少なくとも1つのレールと、
前記少なくとも1つのレールに各々直接接続され、前記金型半体の少なくとも1つを支持する、少なくとも1つの搬送体とを含む、装置。
【請求項2】
前記クランプ機構は、プレスラムに直接接続された少なくとも1つの楔と、前記プレス台に直接接続された共に作用する少なくとも1つの他の楔とを含み、前記1つの楔および前記共に作用する前記他の楔は、前記プレスラムおよび前記プレス台の相対往復運動に応答して互いに相互作用する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つのレールは、第1のレールと、前記第1のレールから平行に間隔をおかれた第2のレールとからなる、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの搬送体は、複数の搬送体からなる、請求項1〜3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
前記金型半体と前記搬送体との間のテーパ位置合わせ界面をさらに含む、請求項1〜4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記金型半体の各々は側縁を含み、前記テーパ位置合わせ界面は、前記搬送体の相補形の溝と嵌まり合うための前記側縁上の丸縁を含む、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
嵌まり合う前記金型半体同士の間に形成されたゲートをさらに含み、前記ゲートは前記側縁に近接している、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記ゲートはエッジゲート構成様式を含む、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記金型半体のそれぞれの嵌まり合う対間に配置された少なくとも1つの位置決めピンと嵌まり合うソケットとをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
複数の加工部品を別個の金型で、単一のプレス機を用いて同時に成形するための方法であって、前記方法は、
可動のプレスラムと静止したプレス台とを有するゴム射出プレス機を提供するステップと、
略垂直の経路においてプレス台に近づき遠ざかるようにプレスラムを往復運動させるステップと、
分割線界面に沿って互いに接合する2つの金型半体を各々有する、別個の異なる複数の射出金型を提供するステップとを含み、対向する金型半体間に金型空洞があり、前記方法はさらに、
分割線の各々がプレスラムの運動に略平行に配置されるように、プレス台とプレスラムとの間の垂直経路に、水平に延在する配列で金型を位置付けるステップと、
プレスラムに溶融ゴムを供給するステップと、
プレスラムの往復運動に応答して複数の金型を一緒に圧縮するステップとを含み、
前記圧縮するステップは、プレスラムの略垂直の運動を略水平のクランプ力に変換し、それにより、空洞に溶融ゴムを充填しつつすべての前記金型を一緒に同時に圧縮するステップをさらに含み、
前記垂直経路に金型を位置付けるステップは、圧縮力の方向に平行に延在する少なくとも1つのレールから金型半体を懸架するステップを含み、
前記方法はさらに、前記金型半体のそれぞれを少なくとも1つの搬送体で支持するステップを含み、前記少なくとも1つの搬送体は各々、前記少なくとも1つのレール上に直接支持され、それに沿って摺動可能である、方法。
【請求項11】
前記圧縮するステップは、プレスラムに接続された少なくとも1つの可動楔およびプレス台に接続された少なくとも1つの静止楔を共に作用させるステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つのレールは、圧縮力の方向に平行に延在する間隔をおいた1対のレールからなる、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つの搬送体は、間隔をおいた1対のレール上に直接支持され、それらに沿って摺動可能である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
重力の助けにより、金型空洞から成形された加工部品を取外すステップをさらに含む、請求項11〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記成形された加工部品を取外すステップは、対向し合う金型半体間に掃き出し装置を挿入するステップを含む、請求項14に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−6421(P2013−6421A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−184152(P2012−184152)
【出願日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【分割の表示】特願2009−531595(P2009−531595)の分割
【原出願日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(599058372)フェデラル−モーグル コーポレイション (234)
【Fターム(参考)】