説明

複数周波数帯用アンテナ

【課題】ヘリカルアンテナ10の軸位置にモノポールアンテナ14を配設し、それぞれに分布する電流・電圧が互いに結合しないようにした複数周波数帯用アンテナを提供する。
【解決手段】第1の周波数帯で動作するヘリカルアンテナ10の基端を給電金具12に電気的接続し、第1の周波数帯より高い第2の周波数帯で動作しヘリカルアンテナ10の軸方向寸法よりも短いモノポールアンテナ14をヘリカルアンテナ10の軸位置で基端を給電金具12に電気的接続して配設し、ヘリカルアンテナ10に分布する第2の周波数帯の電流分布の最大点がモノポールアンテナ14の先端に臨む位置となるようにヘリカルアンテナ10の巻ピッチを設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、FM放送周波数帯と携帯電話用の通信周波数帯等の複数の周波数帯で動作するようにした複数周波数帯用アンテナに関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話用の2つの周波数帯で動作するアンテナの一例が、特開平11−298240号公報(特許文献1)に示されている。この特許文献1に記載された従来のアンテナは、ヘリカルアンテナの基端が給電金具に電気的接続されてAMPS800MHz帯で動作するようにされ、モノポールアンテナを、ヘリカルアンテナの軸位置で基端が給電金具に電気的接続されてPCS1.9GHz帯で動作するようにされて構成されたものである。そして、ヘリカルアンテナの軸方向寸法がモノポールアンテナの寸法よりも少しだけ短く設定されたものが示されている。
【特許文献1】特開平11−298240号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1記載の従来例において、モノポールアンテナに分布するPCS1.9GHz帯の電流・電圧は、その先端で電圧が最大点となる。また、ヘリカルアンテナにも同様に、PCS1.9GHz帯の電流・電圧が分布し、その先端で電圧が最大点となる。そこで、モノポールアンテナに分布するPCS1.9GHz帯の電流・電圧の電圧の最大点と、ヘリカルアンテナに分布するPCS1.9GHz帯の電流・電圧の電圧の最大点とが、互いに近くにあるために結合し、モノポールアンテナに分布するPCS1.9GHz帯の電流・電圧に歪みを生ずる虞がある。そこで、モノポールアンテナで受信されたPCS1.9GHz帯の信号に歪みを生ずる虞がある。
【0004】
また、特許文献1記載の技術を応用して、ヘリカルアンテナをFM放送周波数帯で動作させるとともに、モノポールアンテナで携帯電話用の通信周波数帯で動作させるように、モノポールアンテナをヘリカルアンテナの軸位置に配設して複数周波数帯用アンテナを形成した場合には、特許文献1記載の技術の不具合と同様に、携帯電話用の通信周波数帯で以下のごとき不具合が生ずる虞がある。すわなち、かかる構成の複数周波数帯用アンテナにあっては、まずFM放送周波数帯が携帯電話用の通信周波数帯に比べて周波数がかなり低く、ヘリカルアンテナの軸方向寸法がモノポールアンテナよりもかなり長いものとなる。そして、モノポールアンテナに携帯電話用の通信周波数帯の電流・電圧が分布するのと同様に、軸方向に長いヘリカルアンテナにも携帯電話用の通信周波数帯の電流・電圧が分布する。そこで、モノポールアンテナとヘリカルアンテナにそれぞれ分布する携帯電話用の通信周波数帯の電圧の最大点が、互いに近くにある状態が生ずる虞がある。この状態が生ずると、モノポールアンテナとヘリカルアンテナにそれぞれ分布する携帯電話用の通信周波数帯の電流・電圧が結合を生じて、モノポールアンテナに分布する携帯電話用の通信周波数帯の電流・電圧に歪みを生ずる。その結果、モノポールアンテナで受信した携帯電話用の通信周波数帯の信号に歪みを生ずる。
【0005】
本発明は、上述したごとき事情に鑑みてなされたもので、モノポールアンテナとヘリカルアンテナのそれぞれに分布する電流・電圧が互いに結合しないようにした複数周波数帯用アンテナを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するために、本発明の複数周波数帯用アンテナは、第1の周波数帯で動作するヘリカルアンテナの基端を給電金具に電気的接続し、前記第1の周波数帯より高い第2の周波数帯で動作し前記ヘリカルアンテナの軸方向寸法よりも短いモノポールアンテナを前記ヘリカルアンテナの軸位置で基端を前記給電金具に電気的接続して配設し、前記ヘリカルアンテナに分布する前記第2の周波数帯の電流分布の最大点が前記モノポールアンテナの先端に臨む位置となるように前記ヘリカルアンテナの巻ピッチを設定して構成されている。
【0007】
また、本発明の複数周波数帯用アンテナは、第1の周波数帯で動作するヘリカルアンテナの基端を給電金具に電気的接続し、前記第1の周波数帯より高い第2の周波数帯で動作するとともに基端側または先端側にコイルを装荷し前記ヘリカルアンテナの軸方向寸法よりも全長が短いコイル装荷モノポールアンテナを前記ヘリカルアンテナの軸位置で基端を前記給電金具に電気的接続して配設し、前記ヘリカルアンテナに分布する前記第2の周波数帯の電流分布の最大点が前記コイル装荷モノポールアンテナの先端に臨む位置となるように前記ヘリカルアンテナの巻ピッチを設定して構成しても良い。
【0008】
そして、本発明の複数周波数帯用アンテナは、第1の周波数帯で動作するヘリカルアンテナの基端を給電金具に電気的接続し、中間部にトラップコイルを装荷して前記ヘリカルアンテナの軸方向寸法よりも全長が短いトラップ装荷モノポールアンテナを前記ヘリカルアンテナの軸位置で基端を前記給電金具に電気的接続して配設し、前記トラップ装荷モノポールアンテナを基端側から先端までで前記第1の周波数帯より高い第2の周波数帯で動作しかつ前記トラップコイルが前記第2の周波数帯より高い第3の周波数帯の通過を阻止して前記基端側から前記トラップコイルの基端までで前記第3の周波数帯が動作するようになし、前記ヘリカルアンテナに分布する前記第2の周波数帯の電流分布の最大点が前記トラップ装荷モノポールアンテナの先端に臨む位置になるとともに前記ヘリカルアンテナに分布する前記第3の周波数帯の電流分布の最大点が前記トラップ装荷モノポールアンテナの前記トラップコイルの基端に臨む位置となるように前記ヘリカルアンテナの巻ピッチを設定して構成することも可能である。
【発明の効果】
【0009】
請求項1および2記載のいずれの複数周波数帯用アンテナにあっても、ヘリカルアンテナに分布する第2の周波数帯の電流分布の最大点が、モノポールアンテナまたはコイル装荷モノポールアンテナの先端に臨む位置となるように、ヘリカルアンテナの巻ピッチを設定しているので、ヘリカルアンテナに分布する第2の周波数帯の電流の最大点、すなわち電圧の最小点(ゼロの点)が、モノポールアンテナまたはコイル装荷モノポールアンテナに分布する第2の周波数帯の電圧の最大点となるモノポールアンテナまたはコイル装荷モノポールアンテナの先端に臨むこととなり、モノポールアンテナまたはコイル装荷モノポールアンテナに分布する第2の周波数帯の電流・電圧とヘリカルアンテナに分布する第2の周波数帯の電流・電圧が結合するようなことがない。もって、モノポールアンテナまたはコイル装荷モノポールアンテナに分布する第2の周波数帯の電流・電圧に歪みを生ずることがない。
【0010】
請求項3記載の複数周波数帯用アンテナにあっては、ヘリカルアンテナに分布する第2の周波数帯の電流分布の最大点が、トラップ装荷モノポールアンテナの先端に臨む位置になるとともに、ヘリカルアンテナに分布する第3の周波数帯の電流の最大点が、トラップコイルの基端に臨む位置となるように、ヘリカルアンテナの巻ピッチを設定しているので、ヘリカルアンテナに分布する第2の周波数帯の電圧の最小点(ゼロの点)が、トラップ装荷モノポールアンテナに分布する第2の周波数帯の電圧の最大点となるトラップ装荷モノポールアンテナの先端に臨むこととなり、トラップ装荷モノポールアンテナに分布する第2の周波数帯の電流・電圧とヘリカルアンテナに分布する第2の周波数帯の電流・電圧が結合するようなことがない。また、ヘリカルアンテナに分布する第3の周波数帯の電圧の最小点(ゼロの点)が、トラップ装荷モノポールアンテナに分布する第3の周波数帯の電圧の最大点となるトラップコイルの基端に臨むこととなり、トラップ装荷モノポールアンテナに分布する第3の周波数帯の電流・電圧とヘリカルアンテナに分布する第3の周波数帯の電流・電圧が結合するようなことがない。もって、トラップ装荷モノポールアンテナに分布する第2および第3の周波数帯の電流・電圧のいずれにも歪みを生ずることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の第1実施例を図1ないし図6を参照して説明する。図1は、本発明の複数周波数帯用アンテナの第1実施例の全体の構成図である。図2は、図1の要部の拡大図である。図3は、巻ピッチを調整していないヘリカルアンテナに第2の周波数帯の電流が分布する一例を示す図である。図4は、巻ピッチを調整した第1例のヘリカルアンテナに分布する第2の周波数帯の電流を示す図である。図5は、巻ピッチを調整した第2例のヘリカルアンテナに分布する第2の周波数帯の電流を示す図である。図6は、巻ピッチを調整した第3例のヘリカルアンテナに分布する第2の周波数帯の電流を示す図である。
【0012】
図1および図2において、本発明の複数周波数帯用アンテナの第1実施例にあっては、ヘリカルアンテナ10の基端が導電性の給電金具12に電気的接続されて配設固定され、このヘリカルアンテナ10の軸位置で、モノポールアンテナ14がその基端を給電金具12に電気的接続されて配設固定される。第1実施例にあっては、ヘリカルアンテナ10は、第1の周波数帯としてのFM放送周波数帯で動作するように、先端から給電金具12等を含めた回路基板までの電気長がFM放送周波数帯の中心周波数の1/4波長に設定される。また、モノポールアンテナ14は、第2の周波数帯としての携帯電話用のAMPS800MHz帯で動作するように、その先端から給電金具12等を含めた回路基板までの電気長がAMPS800MHz帯の中心周波数の860MHzの1/4波長となるように設定される。しかも、ヘリカルアンテナ10の巻ピッチは、後述するごとくして、ヘリカルアンテナ10に分布するAMPS800MHz帯の電流分布の最大点が、モノポールアンテナ14の先端に臨む位置となるように設定される。
【0013】
ヘリカルアンテナ10は、FM放送周波数帯で垂直モードで動作させるために、例えば以下のごとくして設定される。まず、ヘリカルアンテナ10として巻ピッチを調整していない等間隔巻ピッチのものを想定し、巻径6.2mmで、巻数98で、巻ピッチ1.54mmであり、ヘリカルアンテナ10自体の軸方向寸法は約151mmである。そして、モノポールアンテナ14自体の長さは、54mmであり、給電金具12等の回路基板までの長さ27.3mmを含めてAMPS800MHz帯の中心周波数の860MHzの1/4波長である。なお、ヘリカルアンテナ10とモノポールアンテナ14の間を絶縁するための樹脂等による波長短縮も配慮してその長さが設定される。さらに、ヘリカルアンテナ10自体に分布するAMPS800MHz帯の中心周波数の860MHzの電流分布は、図3に示すごとく、全部で5.49波長であり、ヘリカルアンテナ10の先端からモノポールアンテナ14の先端までで3.53波長である。よって、電流・電圧分布で電流のほぼ最小点(すなわち、電圧のほぼ最大点)がモノポールアンテナ14の先端に臨むこととなる。かかる状態では、モノポールアンテナ14の先端で、これに分布するAMPS800MHz帯の中心周波数の860MHzの電流・電圧分布で電圧の最大点と、ヘリカルアンテナ10に分布するAMPS800MHz帯の中心周波数の860MHzの電流・電圧分布で電圧のほぼ最大点が、接近した位置にあり、互いに結合を生じて、モノポールアンテナ14に分布するAMPS800MHz帯の中心周波数の860MHzの電流・電圧分布に歪みを与え、AMPS800MHz帯の信号に歪みを生じさせることとなる。
【0014】
そこで、かかる結合が生じないようにするためには、ヘリカルアンテナ10に分布するAMPS800MHz帯の中心周波数の860MHzの電流分布で、先端から0.25波長、0.75波長、1.25波長、1.75波長、2.25波長、2.75波長、3.25波長、3.75波長、4.25波長、4.75波長、5.25波長のいずれかの電流の最大点が、モノポールアンテナ14の先端に臨むようにすれば良い。それには、具体的には、図3において、モノポールアンテナ14の先端に最も近い電流の最大点であるヘリカルアンテナ10の先端から例えば3.75波長の点を、図4の第1例に示すごとく、モノポールアンテナ14の先端に臨む位置となるようにすれば良い。それには、先端から3.75波長までの67ターンは図3と同じ第2の巻ピッチとして巻ピッチ1.54mmの等間隔ピッチの密巻部のままとし、3.75波長から基端側までの31ターンは第1の巻ピッチとしての巻ピッチを1.74mmの等間隔ピッチの疎巻部とすれば良い。ヘリカルアンテナ10の軸方向寸法は、少し長くなって、157mmとなるが、モノポールアンテナ14に分布するAMPS800MHz帯の信号に歪みを生じさせることがない。
【0015】
また、結合が生じないようにするためには、図3において、ヘリカルアンテナ10の先端から4.25波長、4.75波長、5.25波長のいずれかの点を、モノポールアンテナ14の先端に臨む位置となるようにしても良いことは上述した。そこで、まずヘリカルアンテナ10の先端から4.25波長の点をモノポールアンテナ14の先端に臨む位置となるようにするためには、先端から4.25波長までの76ターンは図3と同じ巻ピッチの密巻部のままとし、4.25波長から基端側までの22ターンの巻ピッチを2.45mmの疎巻部とすれば良い。ヘリカルアンテナ10の軸方向寸法は、更に少し長くなって、171mmとなる。また、ヘリカルアンテナ10の先端から4.75波長の点をモノポールアンテナ14の先端に臨む位置となるようにするためには、先端から4.75波長までの85ターンは図3と同じ巻ピッチの密巻部のままとし、4.75波長から基端側までの13ターンの巻ピッチを4.15mmの疎巻部とすれば良い。ヘリカルアンテナ10の軸方向寸法は、更に少し長くなって、185mmとなる。さらに、図5に示す第2例のごとく、ヘリカルアンテナ10の先端から5.25波長の最も基端側にある電流の最大点をモノポールアンテナ14の先端に臨む位置となるようにするためには、先端から5.25波長までの94ターンは図3と同じ巻ピッチの密巻部のままとし、5.25波長から基端側までの4ターンの巻ピッチを13.5mmの疎巻部とすれば良い。ヘリカルアンテナ10の軸方向寸法は、更に長くなって、199mmとなる。この最も基端側に近い電流の最大点をモノポールアンテナ14の先端に臨む位置とすることで、図4の第1例に比較して、ヘリカルアンテナ10とモノポールアンテナ14にそれぞれ分布する電流・電圧の結合が最も少なくなり、モノポールアンテナ14に分布するAMPS800MHz帯の信号に対して歪みを最も生じさせることがない。
【0016】
さらに、図4に示す第1例において、ヘリカルアンテナ10の軸方向寸法を、図3のものと同じとするためには、図6に示す第3例のごとく、先端から3.75波長までの67ターンの巻ピッチを1.45mmとしてより密に巻いた密巻部とし、3.75波長から基端側までの31ターンの巻ピッチを1.74mmの疎巻部とすれば良い。
【0017】
なお、ヘリカルアンテナ10に分布するAMPS800MHz帯の電流分布の先端から0.25波長、0.75波長、1.25波長、1.75波長、2.25波長、2.75波長、3.25波長のいずれかの電流分布の最大点が、モノポールアンテナ14の先端に臨むようにしても良いことは上述した。そこで、例えば、モノポールアンテナ14の先端に近い電流分布の最大点であるヘリカルアンテナ10の先端から3.25波長の点を、モノポールアンテナ14の先端に臨む位置となるようにするには、先端から3.25波長までの58ターンは図3と同じ巻ピッチ1.54mmのそのままとし、3.25波長から基端側までの40ターンの巻ピッチを1.35mmの密巻部としても良い。ヘリカルアンテナ10の軸方向寸法は、少し短くなる。
【0018】
次に、本発明の第2実施例を図7および図8を参照して説明する。図7は、本発明の複数周波数帯用アンテナの第2実施例の全体の構成図である。図8は、巻ピッチを調整していないヘリカルアンテナに第2の周波数帯の電流が分布する一例を示す図である。図7および図8において、図1ないし図6と同じまたは均等な部材には同じ符号を付けて重複する説明を省略する。
【0019】
図7において、本発明の複数周波数帯用アンテナの第2実施例にあっては、ヘリカルアンテナ10の基端が導電性の給電金具12に電気的接続されて配設固定され、このヘリカルアンテナ10の軸位置で、モノポールアンテナ16がその基端を給電金具12に電気的接続されて配設固定される。この第2実施例にあっては、ヘリカルアンテナ10は、第1の周波数帯としてのFM放送周波数帯で動作するように設定されて、第1実施例の巻ピッチを調整していないものと同じである。そして、モノポールアンテナ16は、第2の周波数帯として携帯電話用に韓国で使用されているKPCS1.8GHz帯で動作するように、先端から給電金具12等を含めた回路基板までの電気長がKPCS1.8GHz帯の中心周波数の1810MHzの1/4波長となるように設定される。そこで、このモノポールアンテナ16自体の長さは18mmである。そして、図8に示すごとく、ヘリカルアンテナ10自体に分布するKPCS1.8GHz帯の中心周波数の1810MHzの電流分布は11.55波長であり、ヘリカルアンテナ10の先端からモノポールアンテナ16の先端までで10.20波長である。
【0020】
ここで、結合が生じないようにするためには、モノポールアンテナ16の先端に臨む位置に、ヘリカルアンテナ10に分布するKPCS1.8GHz帯の中心周波数の1810MHzの電流分布の最大点があれば良い。ここで、ヘリカルアンテナ10の先端からモノポールアンテナ16の先端までで10.20波長であり、幸いにして先端から10.25波長の電流分布の最大点が、モノポールアンテナ16の先端に接近した位置にある。そこで、結合を生じさせないために、ヘリカルアンテナ10の巻ピッチを特別に変更調整する必要がない。
【0021】
さらに、本発明の第3実施例を図9を参照して説明する。図9は、本発明の複数周波数帯用アンテナの第3実施例の要部の拡大図である。図9において、図1ないし図8と同じまたは均等な部材には同じ符号を付けて重複する説明を省略する。
【0022】
図9において、本発明の複数周波数帯用アンテナの第3実施例にあっては、ヘリカルアンテナ10の軸位置で、先端側にコイル18aを装荷したコイル装荷モノポールアンテナ18がその基端を給電金具12に電気的接続されて配設固定される。第3実施例にあっては、ヘリカルアンテナ10は第1の周波数帯としてのFM放送周波数帯で動作するように設定され、コイル装荷モノポールアンテナ18は、第2の周波数帯としての携帯電話用のAMPS800MHz帯で動作するように、コイル18aの先端から給電金具12等を含めた回路基板までの電気長がAMPS800MHz帯の中心周波数の860MHzの1/4波長となるように設定される。そして、ヘリカルアンテナ10自体に分布するAMPS800MHz帯の中心周波数の860MHzの電流分布の最大点が、コイル装荷モノポールアンテナ18の先端に臨む位置となるように、第1実施例または第2実施例と同様に、ヘリカルアンテナ10の巻ピッチを適宜に設定すれば、結合を生じることがない。
【0023】
さらにまた、本発明の第4実施例を図10を参照して説明する。図10は、本発明の複数周波数帯用アンテナの第4実施例の要部の拡大図である。図10において、図1ないし図9と同じまたは均等な部材には同じ符号を付けて重複する説明を省略する。
【0024】
図10において、本発明の複数周波数帯用アンテナの第4実施例にあっては、ヘリカルアンテナ10の軸位置で、基端側にコイル20aを装荷したコイル装荷モノポールアンテナ20がその基端を給電金具12に電気的接続されて配設固定される。第4実施例にあっても、ヘリカルアンテナ10は第1の周波数帯としてのFM放送周波数帯で動作するように設定され、コイル装荷モノポールアンテナ20は、第2の周波数帯としての携帯電話用のAMPS800MHz帯で動作するように、先端から給電金具12等を含めた回路基板までの電気長がAMPS800MHz帯の中心周波数の860MHzの1/4波長となるように設定される。そして、第3実施例と同様に、ヘリカルアンテナ10自体に分布するAMPS800MHz帯の中心周波数の860MHzの電流分布の最大点が、コイル装荷モノポールアンテナ18の先端に臨む位置となるよう、ヘリカルアンテナ10の巻ピッチを設定すれば、結合を生じることがない。
【0025】
そしてさらに、本発明の第5実施例を図11ないし図14を参照して説明する。図11は、本発明の複数周波数帯用アンテナの第5実施例の全体の構成図である。図12は、図11の要部の拡大図である。図13は、第5実施例のVSWR特性を示し、(a)はFM帯に対するVSWR特性図であり、(b)はAMPS帯/PCS帯に対するVSWR特性図である。図14は、第5実施例の水平面内の指向性を示し、(a)はAMPS帯の水平面指向特性図であり、(b)はPCS2.0GHz帯の水平面指向特性図である。図11および図12において、図1ないし図10と同じまたは均等な部材には同じ符号を付けて重複する説明を省略する。
【0026】
図11および図12において、本発明の複数周波数帯用アンテナの第5実施例にあっては、ヘリカルアンテナ10の軸位置で、中間部にトラップコイル22aを装荷したトラップ装荷モノポールアンテナ22がその基端を給電金具12に電気的接続されて配設固定される。第5実施例にあっても、ヘリカルアンテナ10は第1の周波数帯としてのFM放送周波数帯で動作するように設定され、トラップ装荷モノポールアンテナ22はトラップコイル22aを含んで基端側から先端までの電気長で第2の周波数帯としての携帯電話用のAMPS800MHz帯の中心周波数860MHzで動作するように給電金具14等も含んで中心周波数860MHzの1/4波長に設定され、トラップコイル22aは、第3の周波数帯としての携帯電話用のPCS2.0GHz帯の中心周波数1920MHzの通過を阻止するように設定され、このトラップコイル22aの基端からトラップ装荷モノポールアンテナ22の基端側までの電気長でPCS2.0GHz帯の中心周波数1920MHzで動作するように給電金具14等も含んで中心周波数1920MHzの1/4波長に設定される。なお、トラップコイル22aの位置は、第3の周波数帯に応じて適宜に設定され、トラップ装荷モノポールアンテナ22の中央部に限られず、先端側または基端側にずれて配設される場合もあることは容易に理解されるであろう。
【0027】
ここで、巻ピッチの調整されていないヘリカルアンテナ10は、第1実施例と同じものであり、トラップ装荷モノポールアンテナ22自体の長さは例えば38mmであり、トラップコイル22aの基端から基端側の長さは12.55mmである。トラップコイル22aのインダクタンス成分により、トラップ装荷モノポールアンテナ22自体の長さが、第1実施例のものと比較してだいぶ短くなっている。
【0028】
かかる構成のトラップ装荷モノポールアンテナ22を用いた構造において、ヘリカルアンテナ10に分布するAMPS800MHz帯の中心周波数の860MHzの電流分布の最大点が、トラップ装荷モノポールアンテナ22の先端に臨むとともに、ヘリカルアンテナ10に分布するPCS2.0GHz帯の中心周波数の1920MHzの電流分布の最大点が、トラップコイル22aの基端に臨むようにすれば、ヘリカルアンテナ10に分布するAMPS800MHz帯およびPCS2.0GHz帯の電流・電圧と、トラップ装荷モノポールアンテナ22に分布するAMPS800MHz帯およびPCS2.0GHz帯の電流・電圧とが結合を生ずることがない。
【0029】
そこで、まずヘリカルアンテナ10の巻ピッチを調整する第1例を説明する。ヘリカルアンテナ10全長に分布するAMPS800MHz帯の中心周波数の860MHzの電流分布は5.49波長であり、ヘリカルアンテナ10の先端からトラップ装荷モノポールアンテナ22の先端までで4.11波長である。そこで、ヘリカルアンテナ10の先端からトラップ装荷モノポールアンテナ22の先端までで4.25波長となるようにまず調整する。この4.25波長は先端から85ターンである。そこで、先端側の85ターンは巻ピッチ1.54mmの密巻部とし、基端側の残りの13ターンでトラップ装荷モノポールアンテナ22の長さ38mmとなるように、その巻きピッチを2.92mmの疎巻部とする。この巻ピッチが調整された疎巻部で、トラップ装荷モノポールアンテナ22の先端からトラップコイル22aの基端までの巻数は8.17ターンである。そこで、この調整後におけるヘリカルアンテナ10の先端からトラップ装荷モノポールアンテナ22のトラップコイル22aの基端までは93.17ターンである。かかるヘリカルアンテナ10に分布するPCS2.0GHz帯の中心周波数の1920MHzの電流分布は、12.26波長であり、ヘリカルアンテナ10の先端からトラップ装荷モノポールアンテナ22のトラップコイル22aの基端までの93.17ターンで11.72波長となる。すると、トラップコイル22aの基端に、PCS2.0GHz帯の電流分布の最大点の11.75波長が近接した位置にあり、巻ピッチの調整を必要としない。よって、ヘリカルコイル10は、先端から85ターンを第2の巻ピッチとしての巻ピッチが1.54mmの密巻部とし、86ターン目から98ターン目までの基端側の13ターンを第1の巻ピッチとしての巻ピッチ2.92mmに調整して疎巻部とすれば良い。なお、この第1例では、トラップコイル22aの基端にPCS2.0GHz帯の電流分布の最大点が近接した位置にあるので基端側の13ターンの巻ピッチを更に調整する必要がないが、必要であれば基端側の13ターン内で巻ピッチの更なる調整をすれば良い。
【0030】
かかる構成で、図13に示すように、FM帯およびAMPS帯/PCS帯のいずれであっても良好なVSWR特性が得れている。よって、ヘリカルアンテナ10でAM帯をも受信するならば、AM帯、FM帯、AMPS帯、PCS帯の4つの周波数帯でアンテナとして動作し得る。そして、図14に示すように、AMPS帯とPCS帯でいずれ得も優れた水平面指向特性が得られている。
【0031】
さらに、第5実施例における、ヘリカルコイル10の巻ピッチの調整の第2例を説明する。ヘリカルアンテナ10全長に分布するPCS2.0GHz帯の中心周波数の1920MHzの電流分布は12.26波長であり、ヘリカルアンテナ10の先端からトラップ装荷モノポールアンテナ22のトラップコイル22aの基端までで11.24波長である。よって、ヘリカルアンテナ10に分布するPCS2.0GHz帯の電流分布の最大点が、トラップコイル22aの基端に近接した位置にあり、PCS2.0GHz帯に対して、ヘリカルアンテナ10の巻ピッチを変更する必要がない。そこで、ヘリカルアンテナ10の先端から11.24波長は、先端からトラップコイル22aの基端までで90ターンであり、基端側の8ターンは、巻ピッチ1.54mmのままで良い。さらに、巻ピッチ1.54mmのヘリカルアンテナ10に分布するAMPS800MHz帯の電流分布で、トラップ装荷モノポールアンテナ22の先端まででは4.11波長であり、ヘリカルアンテナ10の先端からトラップ装荷モノポールアンテナ22の先端までで4.25波長となるようにすれば良い。この4.25波長は先端から85ターンである。そして、先端から90ターンの位置は、PCS2.0GHz帯のためにすでに設定されているので、86ターン目から89ターンに到る4ターンで、トラップ装荷モノポールアンテナ22の先端からトラップコイル22aの基端までの長さとなるように巻ピッチが調整され、巻ピッチが5.14mmとされる。よって、ヘリカルアンテナ10の先端から85ターンを第3の巻ピッチとしての巻ピッチ1.54mmの密巻部とし、86ターン目から89ターン目までを第2の巻ピッチとしての巻ピッチ5.14mmの疎巻部とし、さらに90ターン目から98ターン目までの9ターンを第1の巻ピッチとしての巻ピッチ1.54mmの密巻部としても良い。
【0032】
なお、上記実施例では、密巻部および疎巻部で、それぞれに巻ピッチが等間隔ピッチで一定であるが、これに限られず、モノポールアンテナ14、16の先端やコイル装荷モノポールアンテナ18、20の先端やトラップ装荷モノポールアンテナ22の先端およびトラップコイル22aの基端に、ヘリカルアンテナ10に分布する電流の最大点が臨むように構成されていれば良く、その間は巻ピッチが一定である必要がない。また、上記第2実施例のごとく、モノポールアンテナ14、16の先端やコイル装荷モノポールアンテナ18、20の先端にヘリカルアンテナ10に分布する電流の最大点が臨むように基端側の巻ピッチを調整し、それよりも先端側を基端側と同じ巻ピッチで形成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の複数周波数帯用アンテナの第1実施例の全体の構成図である。
【図2】図1の要部の拡大図である。
【図3】巻ピッチを調整していないヘリカルアンテナに第2の周波数帯の電流が分布する一例を示す図である。
【図4】巻ピッチを調整した第1例のヘリカルアンテナに分布する第2の周波数帯の電流を示す図である。
【図5】巻ピッチを調整した第2例のヘリカルアンテナに分布する第2の周波数帯の電流を示す図である。
【図6】巻ピッチを調整した第3例のヘリカルアンテナに分布する第2の周波数帯の電流を示す図である。
【図7】本発明の複数周波数帯用アンテナの第2実施例の全体の構成図である。
【図8】巻ピッチを調整していないヘリカルアンテナに第2の周波数帯の電流が分布する一例を示す図である。
【図9】本発明の複数周波数帯用アンテナの第3実施例の要部の拡大図である。
【図10】本発明の複数周波数帯用アンテナの第4実施例の要部の拡大図である。
【図11】本発明の複数周波数帯用アンテナの第5実施例の全体の構成図である。
【図12】図11の要部の拡大図である。
【図13】第5実施例のVSWR特性を示し、(a)はFM帯に対するVSWR特性図であり、(b)はAMPS帯/PCS帯に対するVSWR特性図である。
【図14】第5実施例の水平面内の指向性を示し、(a)はAMPS帯の水平面指向特性図であり、(b)はPCS2.0GHz帯の水平面指向特性図である。
【符号の説明】
【0034】
10 ヘリカルアンテナ
12 給電金具
14、16 モノポールアンテナ
18、20 コイル装荷モノポールアンテナ
18a、20a コイル
22 トラップ装荷モノポールアンテナ
22a トラップコイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の周波数帯で動作するヘリカルアンテナの基端を給電金具に電気的接続し、前記第1の周波数帯より高い第2の周波数帯で動作し前記ヘリカルアンテナの軸方向寸法よりも短いモノポールアンテナを前記ヘリカルアンテナの軸位置で基端を前記給電金具に電気的接続して配設し、前記ヘリカルアンテナに分布する前記第2の周波数帯の電流分布の最大点が前記モノポールアンテナの先端に臨む位置となるように前記ヘリカルアンテナの巻ピッチを設定して構成したことを特徴とする複数周波数帯用アンテナ。
【請求項2】
第1の周波数帯で動作するヘリカルアンテナの基端を給電金具に電気的接続し、前記第1の周波数帯より高い第2の周波数帯で動作するとともに基端側または先端側にコイルを装荷し前記ヘリカルアンテナの軸方向寸法よりも全長が短いコイル装荷モノポールアンテナを前記ヘリカルアンテナの軸位置で基端を前記給電金具に電気的接続して配設し、前記ヘリカルアンテナに分布する前記第2の周波数帯の電流分布の最大点が前記コイル装荷モノポールアンテナの先端に臨む位置となるように前記ヘリカルアンテナの巻ピッチを設定して構成したことを特徴とする複数周波数帯用アンテナ。
【請求項3】
第1の周波数帯で動作するヘリカルアンテナの基端を給電金具に電気的接続し、中間部にトラップコイルを装荷して前記ヘリカルアンテナの軸方向寸法よりも全長が短いトラップ装荷モノポールアンテナを前記ヘリカルアンテナの軸位置で基端を前記給電金具に電気的接続して配設し、前記トラップ装荷モノポールアンテナを基端側から先端までで前記第1の周波数帯より高い第2の周波数帯で動作しかつ前記トラップコイルが前記第2の周波数帯より高い第3の周波数帯の通過を阻止して前記基端側から前記トラップコイルの基端までで前記第3の周波数帯が動作するようになし、前記ヘリカルアンテナに分布する前記第2の周波数帯の電流分布の最大点が前記トラップ装荷モノポールアンテナの先端に臨む位置になるとともに前記ヘリカルアンテナに分布する前記第3の周波数帯の電流分布の最大点が前記トラップ装荷モノポールアンテナの前記トラップコイルの基端に臨む位置となるように前記ヘリカルアンテナの巻ピッチを設定して構成したことを特徴とする複数周波数帯用アンテナ。
【請求項4】
請求項1記載の複数周波数帯用アンテナにおいて、前記ヘリカルアンテナを、基端から前記モノポールアンテナの先端に臨む位置までを第1の巻ピッチで、前記モノポールアンテナの先端に臨む位置から先端までを第2の巻ピッチで、それぞれに等間隔ピッチで巻回して構成したことを特徴とする複数周波数帯用アンテナ。
【請求項5】
請求項2記載の複数周波数帯用アンテナにおいて、前記ヘリカルアンテナを、基端から前記コイル装荷モノポールアンテナの先端に臨む位置までを第1の巻ピッチで、前記コイル装荷モノポールアンテナの先端に臨む位置から先端までを第2の巻ピッチで、それぞれに等間隔ピッチで巻回して構成したことを特徴とする複数周波数帯用アンテナ。
【請求項6】
請求項3記載の複数周波数帯用アンテナにおいて、前記ヘリカルアンテナを、基端から前記トラップ装荷モノポールアンテナの先端に臨む位置までを第1の巻ピッチで、前記トラップ装荷モノポールアンテナの先端に臨む位置から先端までを第2の巻ピッチで、それぞれに等間隔ピッチで巻回して構成したことを特徴とする複数周波数帯用アンテナ。
【請求項7】
請求項3記載の複数周波数帯用アンテナにおいて、前記ヘリカルアンテナを、基端から前記トラップ装荷モノポールアンテナの前記トラップコイルの基端に臨む位置までを第1の巻ピッチで、前記トラップコイルの基端に臨む位置から前記トラップ装荷モノポールアンテナの先端に臨む位置までを第2の巻ピッチで、前記トラップ装荷モノポールアンテナの先端に臨む位置から先端までを第3の巻ピッチで、それぞれに等間隔ピッチで巻回して構成したことを特徴とする複数周波数帯用アンテナ。
【請求項8】
請求項4ないし6記載のいずれかの複数周波数帯用アンテナにおいて、前記第1の巻ピッチを前記第2の巻ピッチよりも疎に巻回して構成したことを特徴とする複数周波数帯用アンテナ。
【請求項9】
請求項1ないし3記載のいずれかの複数周波数帯用アンテナにおいて、前記ヘリカルアンテナを、基端から先端まで等間隔の巻ピッチで巻回して構成したことを特徴とする複数周波数帯用アンテナ。
【請求項10】
請求項1記載の複数周波数帯用アンテナにおいて、前記モノポールアンテナを前記第2の周波数帯の1/4波長に設定し、前記ヘリカルアンテナに分布する前記第2の周波数帯の電流分布で最も基端側に近い電流の最大点が前記モノポールアンテナの先端に臨む位置となるように前記ヘリカルアンテナの巻ピッチを設定して構成したことを特徴とする複数周波数帯用アンテナ。
【請求項11】
請求項2記載の複数周波数帯用アンテナにおいて、前記コイル装荷モノポールアンテナを前記第2の周波数帯の1/4波長に設定し、前記ヘリカルアンテナに分布する前記第2の周波数帯の電流分布で最も基端側に近い電流の最大点が前記コイル装荷モノポールアンテナの先端に臨む位置となるように前記ヘリカルアンテナの巻ピッチを設定して構成したことを特徴とする複数周波数帯用アンテナ。
【請求項12】
請求項3記載の複数周波数帯用アンテナにおいて、前記トラップ装荷モノポールアンテナを前記基端側から先端までで前記第2の周波数帯の1/4波長に設定するとともに前記基端側から前記トラップコイルの基端までで前記第3の周波数帯の1/4波長に設定し、前記ヘリカルアンテナに分布する前記第2の周波数帯の電流分布で前記基端側に最も近い最大点が前記トラップ装荷モノポールアンテナの先端に臨む位置になるとともに前記ヘリカルアンテナに分布する前記第3の周波数帯の電流分布で前記基端側に最も近い最大点が前記トラップ装荷モノポールアンテナの前記トラップコイルの基端に臨む位置となるように前記ヘリカルアンテナの巻ピッチを設定して構成したことを特徴とする複数周波数帯用アンテナ。
【請求項13】
請求項1または2記載の複数周波数帯用アンテナにおいて、前記第1の周波数帯をFM放送周波数帯に設定し、前記第2の周波数帯を携帯電話用の通信周波数帯に設定して構成したことを特徴とする複数周波数帯用アンテナ。
【請求項14】
請求項3記載の複数周波数帯用アンテナにおいて、前記第1の周波数帯をFM放送周波数帯に設定し、前記第2の周波数帯を携帯電話用の低い通信周波数帯に設定し、前記第3の周波数帯を携帯電話用の高い通信周波数帯に設定して構成したことを特徴とする複数周波数帯用アンテナ。
【請求項15】
請求項3記載の複数周波数帯用アンテナにおいて、前記第1の周波数帯をFM放送周波数帯に設定し、前記第2の周波数帯を携帯電話用の低い通信周波数帯に設定し、前記第3の周波数帯を携帯電話用で前記第2の周波数帯の約2倍の高い通信周波数帯に設定して構成したことを特徴とする複数周波数帯用アンテナ。
【請求項16】
請求項13ないし15記載のいずれかの複数周波数帯用アンテナにおいて、前記ヘリカルアンテナで前記FM放送周波数帯を受信するとともにAM放送周波数帯も受信するように構成したことを特徴とする複数周波数帯用アンテナ。
【請求項17】
請求項14記載の複数周波数帯用アンテナにおいて、前記第2の周波数帯を携帯電話用のAMPS800MHz帯に設定し、前記第3の周波数帯を携帯電話用のPCS1.9GHz帯に設定して構成したことを特徴とする複数周波数帯用アンテナ。
【請求項18】
請求項14記載の複数周波数帯用アンテナにおいて、前記第2の周波数帯を携帯電話用のPDC800MHz帯に設定し、前記第3の周波数帯を携帯電話用のPDC1.5GHz帯に設定して構成したことを特徴とする複数周波数帯用アンテナ。
【請求項19】
請求項14記載の複数周波数帯用アンテナにおいて、前記第2の周波数帯を携帯電話用のGSM900MHz帯に設定し、前記第3の周波数帯を携帯電話用のGSM1.8GHz帯に設定して構成したことを特徴とする複数周波数帯用アンテナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−289022(P2008−289022A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−133595(P2007−133595)
【出願日】平成19年5月21日(2007.5.21)
【出願人】(000006758)株式会社ヨコオ (158)
【Fターム(参考)】