説明

複数組電池の電圧測定装置

【課題】高精度に電力の消費を抑えることが可能な複数組電池の電圧測定装置を提供する。
【解決手段】複数の単位セルを複数のブロックに分割し、各ブロック毎の電圧を検出する各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)と、各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)との間で、第1絶縁インターフェース32及び第2絶縁インターフェース35を介して接続されたメインマイコン33は、電流センサ34で複数組電池の充放電電流が第1の所定時間(例えば、30分)継続して検出されない場合に、第2絶縁インターフェースを介して各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)に低消費電力モード設定信号を送信し、各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)は、低消費電力モード設定信号が受信された場合に、アクティブ電源22から電力が供給されて作動する通常モードから、低消費電源23のみから電力が供給されて作動する低消費電力モードに変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の単位セルを直列接続して所望の電圧を出力する複数組電池の、電圧を検出する電圧測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、電気自動車やハイブリッド車両等では、モータの駆動電源として、高電圧バッテリを備えている。このような高電圧バッテリは、例えば、ニッケル・水素電池やリチウム電池などの二次電池(蓄電式電池)の単位セルを複数個、直列に接続することにより、高電圧を得ている。
【0003】
また、全ての二次電池を同じ電力で充電、或いは放電するため、各々の二次電池の劣化する状態が異なる場合、二次電池は過充電状態、或いは過放電状態になりやすくなる。そこで、二次電池が過充電状態、或いは過放電状態とならないように、各単位セル毎の充電状態を確認する必要がある。そのため、複数個(例えば、55個)の単位セルを、例えば、5個のブロックに分割し、(即ち、11個の単位セルで1ブロック)、各ブロックの電圧を各ブロック毎に設けられた電圧検出用ICにより、リアルタイムで電圧を測定している。
【0004】
このような二次電池は、残容量が少なくなると車両を走行することができなくなるため、不要な電力の浪費を回避する必要がある。そこで、例えば、特開2009−17657号公報(特許文献1)に記載された技術が提案されている。該特許文献1では、二次電池から供給される電力を低消費モードに切り換えることにより、二次電池の不要な電力の浪費を防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−17657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来の電圧測定装置では、電圧測定装置に異常が発生したときに電圧検出用ICの電源を切ることにより低消費電力状態に切り替えるため、電圧測定装置が正常に動作している場合であって、高電圧バッテリの電圧が変化していないときの低消費動作は行えない。例えば、車両を停止してエアコンの電源がオンの場合、車両のイグニッションがオンの状態で車両は停車しているため、高電圧バッテリの電圧は変化していないのにも拘わらず、二次電池の電圧を測定するために電流を消費してしまう。このため、高精度に電力の消費を抑えることができないという問題があった。
【0007】
そこで、本発明はこのような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、高精度に電力の消費を抑えることが可能な複数組電池の電圧測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本願請求項1に記載の発明は、複数の単位セルを直列に接続して所望の電圧を出力する複数組電池の、出力電圧を測定する電圧測定装置において、前記複数組電池の充放電電流を検出する電流検出手段と、前記複数の単位セルを複数のブロックに分割し、各ブロック毎の電圧を検出するブロック電圧検出手段と、前記各ブロック電圧検出手段との間で、第1通信回線及び第2通信回線を介して接続され、前記第1通信回線を用いて前記各ブロック電圧検出手段に電圧測定要求を出力すると共に、各ブロック電圧検出手段で検出された電圧データを取得する制御手段と、を備え、前記各ブロック電圧検出手段は、前記各単位セルより電力が供給され、当該ブロック電圧検出手段を作動させるための電力を供給するアクティブ電源、及び前記各単位セルより電力が供給され、少なくとも当該ブロック電圧検出手段に設けられる前記第2通信回線用の通信手段に作動用の電力を供給する低消費電源を有し、前記制御手段は、前記電流検出手段で充放電電流が第1の所定時間継続して検出されない場合に、前記第2通信回線を介して前記各ブロック電圧検出手段に低消費電力モード設定信号を送信し、前記各ブロック電圧検出手段は、前記低消費電力モード設定信号が受信された場合に、前記アクティブ電源から電力が供給されて作動する通常モードから、前記低消費電源のみから電力が供給されて作動する低消費電力モードに変更することを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、前記制御手段は、前記低消費電力モード設定信号を送信した後、前記充放電電流が検出された場合に、前記第2通信回線を介して前記各ブロック電圧検出手段に通常モード設定信号を送信し、前記各ブロック電圧検出手段は、前記通常モード設定信号が受信された場合に、前記アクティブ電源から電力が供給されて作動する通常モードに変更することを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、前記制御手段は、前記低消費電力モード設定信号を送信した後、第2の所定時間が経過するまでの間に前記充放電電流が検出されない場合には、前記第2の所定時間が経過した時点で、前記各ブロック電圧検出手段を特定時間だけ通常モードに切り替える切替信号を送信し、この特定時間内に、前記第1通信回路を介して前記各ブロック電圧検出手段に電圧測定要求を送信し、且つ、前記各ブロック電圧検出手段で検出された電圧データを取得することを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、複数の単位セルを直列に接続して所望の電圧を出力する複数組電池の、出力電圧を測定する電圧測定装置において、前記複数の単位セルを複数のブロックに分割し、各ブロック毎の電圧を検出するブロック電圧検出手段と、前記各ブロック電圧検出手段との間で、第1通信回線及び第2通信回線を介して接続され、前記第1通信回線を用いて前記各ブロック電圧検出手段に電圧測定要求を出力すると共に、各ブロック電圧検出手段で検出された電圧データを取得する制御手段と、を備え、前記各ブロック電圧検出手段は、前記各単位セルより電力が供給され、当該ブロック電圧検出手段を作動させるための電力を供給するアクティブ電源、及び前記各単位セルより電力が供給され、少なくとも当該ブロック電圧検出手段に設けられる前記第2通信回線用の通信手段に作動用の電力を供給する低消費電源を有し、前記制御手段は、前記各ブロック電圧検出手段により取得した前記電圧データの変動を検出する電圧変動検出手段を有し、前記制御手段は、前記電圧変動検出手段にて第3の所定時間継続して電圧の変動が検出されない場合に、前記第2通信回線を介して前記各ブロック電圧検出手段に低消費電力モード設定信号を送信し、前記各ブロック電圧検出手段は、前記低消費電力モード設定信号が受信された場合に、前記アクティブ電源から電力が供給されて作動する通常モードから、前記低消費電源のみから電力が供給されて作動する低消費電力モードに変更することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、第1の所定時間(例えば、30分)継続して複数組電池の充放電電流が検出されない場合に、アクティブ電源から電力が供給されて作動する通常モードから、低消費電源のみから電力が供給されて作動する低消費電力モードへ変更する。複数組電池の充放電電流を検出して、通常モードから低消費電力モードに変更することにより、複数組電池の電圧が変化していない場合に複数組電池の電圧を検出するための電流を消費することがない。つまり、車両のイグニッションがオンの状態で車両を所定時間停車している場合に低消費電力モードに切り替えることができる。従って、高精度に電力の消費を抑えることが可能な複数組電池の電圧測定装置を提供することが可能となる。
【0013】
また、制御手段と接続された第2通信回路を介して、通常モードから低消費電力モードへ変更するため、通常モードから低消費電力モードへ変更するための複雑な回路構成が不要となり、部品点数を減らすことで製造コストを低減することができる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、低消費電力モード設定信号を出力した後、充放電電流が検出された場合に、低消費電力モードから通常モードへ変更する。従って、低消費電力モードで作動している場合に複数組電池の電流が消費されると、通常モードへ変更して各ブロック毎の電圧を検出することが可能となり、汎用性の高い複数組電池の電圧測定装置を提供することが可能となる。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、低消費電力モード設定信号を送信した後、第2の所定時間(例えば、1時間)経過するまでの間に充放電電流が検出されない場合には、第2の所定時間経過した時点で、特定時間だけ通常モードへ切り替える切替信号を送信する。従って、低消費電力モードで作動している場合でも、定期的に複数組電池の電圧を検出することにより複数組電池の異常を確認することができるため、汎用性の高い複数組電池の電圧測定装置を提供することが可能となる。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、第3の所定時間(例えば、40分)継続して各ブロック毎の電圧データの変動が検出されない場合に、アクティブ電源から電力が供給されて作動する通常モードから、低消費電源のみから電力が供給されて作動する低消費電力モードへ変更する。各ブロック毎の電圧データの変動を検出して、通常モードから低消費電力モードに変更することにより、複数組電池の電圧が変化していない場合に複数組電池の電圧を検出するための電流を消費することがない。つまり、車両のイグニッションがオンの状態で車両を所定時間停車している場合に低消費電力モードに切り替えることができる。従って、高精度に電力の消費を抑えることが可能な複数組電池の電圧測定装置を提供することが可能となる。
【0017】
また、制御手段と接続された第2通信回路を介して、通常モードから低消費電力モードへ変更するため、通常モードから低消費電力モードへ変更するための複雑な回路構成が不要となり、部品点数を減らすことで製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係る複数組電池の電圧測定装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る電圧測定装置の詳細な構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る電圧測定装置の、電源制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明の他の実施形態に係る電圧測定装置の、電源制御処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る電圧測定装置10、及び複数の単位セルBT1〜BT55からなる二次電池(複数組電池)を示すブロック図である。本実施形態で採用する二次電池13は、例えば、電気自動車やハイブリッド車両等に用いられるモータを駆動するための高圧バッテリとして用いられる。
【0020】
図1に示すように、本発明の実施形態に係る電圧測定装置10は、第1絶縁インターフェース(第1通信回線)32、及び第2絶縁インターフェース(第2通信回線)35を介して、高電圧側装置11と低電圧側装置12に分離されている。
【0021】
高電圧側装置11は、5個の電圧検出用IC(ブロック電圧検出手段)、即ち、第1電圧検出用IC(21−1)〜第5電圧検出用IC(21−5)を備えている。そして、第1電圧検出用IC(21−1)は、第1ブロック61として区切られた11個の単位セルBT1〜BT11の出力電圧を測定する。また、第2電圧検出用IC(21−2)は、第2ブロック61−2として区切られた11個の単位セルBT12〜BT22の出力電圧を測定し、同様に、第3電圧検出用IC(21−3)は、第3ブロック61−3として区切られた11個の単位セルBT23〜BT33の出力電圧を測定し、第4電圧検出用IC(21−4)は、第4ブロック61−4として区切られた11個の単位セルBT34〜BT44の出力電圧を測定し、第5電圧検出用IC(21−5)は、第5ブロック61−5として区切られた11個の単位セルBT45〜BT55の出力電圧を測定する。
【0022】
また、各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)は、それぞれ、A/D変換器26を備えており(後述の図2参照)、基準電源71−1〜71−5より出力される基準電圧を用いて、各ブロック(第1ブロック〜第5ブロック)毎に測定されたアナログの電圧信号(11個の単位セルを直列接続した電圧信号)をディジタルの電圧信号に変換する。
【0023】
更に、第2〜第5電圧検出用IC(21−2)〜(21−5)は、通信線31を介して、第1電圧検出用IC(21−1)と接続され、該電圧検出用IC(21−1)は、第1絶縁インターフェース32(第1通信回路)を介して、低電圧側装置12側に設けられているメインマイコン(制御手段)33に接続されている。即ち、メインマイコン33と、各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)は、第1絶縁インターフェース32を介し、デイジーチェーン通信で接続されている。
【0024】
各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)は、各単位セルより電力が供給され、各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)を作動させるための電力を供給するアクティブ電源22(後述の図2参照)を備えており、マイコン33は、第2絶縁インターフェース35を介して、各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)のアクティブ電源22による電力の供給、又は停止を切り替える。
【0025】
また、電圧測定装置10は、電流センサ34(電流検出手段)を備えている。そして、電流センサは、複数の単位セルBT1〜BT55からなる二次電池13の充電、或いは放電された充放電電流を検出する。
【0026】
メインマイコン33は、電流センサ34で充放電電流が第1の所定時間(例えば、30分)継続して検出されない場合に、第2絶縁インターフェース35を介して、各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)に低消費電力モード設定信号を出力し、各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)は、低消費電力モード設定信号を受信すると、アクティブ電源22から電力が供給されて作動する通常モードから、低消費電源23(後述の図2参照)のみから電力が供給されて作動する低消費電力モードに変更する。詳細については後述する。
【0027】
図2は、第1電圧検出用IC(21−1)の内部構成を示すブロック図であり、以下、図2を参照して第1電圧検出用IC(21−1)の詳細な構成について説明する。なお、第2〜第5電圧検出用IC(21−2)〜(21−5)は、第1電圧検出用IC21−1と同一構成であるので、詳細な説明を省略する。
【0028】
図2に示すように、第1電圧検出用IC21−1は、第1ブロック61−1の各単位セルBT1〜BT11より電力が供給され、該第1電圧検出用IC21−1全体を作動させるための電力を供給するアクティブ電源22と、第1ブロック61−1の各単位セルBT1〜BT11より電力が供給され、第2絶縁インターフェース35の通信手段に作動用の電力を供給する低消費電源23とを有している。
【0029】
また、第1電圧検出用IC21−1は、ブロック61−1に設けられる各単位セルBT1〜BT11の出力電力を検出するセル電力入力部24と、セル電力入力部24より出力される各単位セルの電圧信号を、1系統の時系列的な信号に変換するマルチプレクサ25と、マルチプレクサ25より出力される各単位セルの電圧信号を、基準電源71−1より供給されるA/D変換用の基準電圧を用いてディジタル信号に変換するA/D変換器26と、を備えている。
【0030】
更に、図2に示すように、電圧検出用IC21−1は、第2電圧検出用IC21−2、及びメインマイコン33(図1参照)と接続された通信部28a、及び通信部28b、メインマイコン33と接続され、第2絶縁インターフェース35の通信手段である通信部28cとを有している。
【0031】
通信部28a及び28bは、第2電圧検出用IC21−2、及びメインマイコン33(図1参照)との間で各種信号の送受信を行う。メインマイコンに送信する信号としては、各単位セルの電圧を検出した電圧信号等が挙げられる。また、デイジーチェーン通信で接続された第2〜第5電圧検出用IC(21−2)〜(21−5)より通信線31を介して送信された信号を中継して、メインマイコン33に送信する。
【0032】
更に、メインマイコン33より送信される各種の信号を受信して通信線31を経由して所望の電圧検出用ICに送信する。メインマイコン33から各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)に送信される信号としては、各単位セルの電圧検出を開始させるための指令信号等が挙げられる。
【0033】
通信部28cは、メインマイコン33(図1参照)からの信号を受信する。具体的には、メインマイコン33から、各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)のアクティブ電源22による電力を供給する通常モード設定信号、及び低消費電源23のみから電力を供給する低消費電力モード設定信号を受信する。メインマイコン33(図1参照)より各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)のアクティブ電源22による電力の供給を開始する通常モード設定信号が送信された場合には、停止中のアクティブ電源22を作動させ、該アクティブ電源22による電力供給を開始させる。また、メインマイコン33より各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)のアクティブ電源22による電力の供給を停止する低消費電力モード設定信号が送信された場合には、アクティブ電源22による電力供給を停止させる。アクティブ電源22による電力供給を停止させた場合、低消費電源23による電力供給が継続されるので、通信部28cは引き続き作動状態が維持される。
【0034】
メインマイコン33は、データ記憶用のレジスタ(図示省略)を備えており、各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)で検出された電圧データを記憶する。また、メインマイコン33は、上位装置(図示省略)を接続され、各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)の電圧読み取り要求が与えられた場合には、レジスタに記憶している電圧データから最新の電圧データを上位装置に送信する。
【0035】
次に、上記のように構成された本発明の実施形態に係る電圧測定装置10で実行される電源制御処理を、図3に示すフローチャートを参照して説明する。
【0036】
まず、ステップS11の処理において、メインマイコン33は、アクティブ電源22がオンであるか否かを判定する。つまり、メインマイコン33は、第2絶縁インターフェース35を介して、各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)に通常モード設定信号を送信し、アクティブ電源22から電力が供給されて各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)を作動する通常モードであるか否かを判定する。
【0037】
メインマイコン33は、ステップS11の処理において、アクティブ電源22がオンであると判定した場合には(ステップS11:YES)、ステップS12の処理において、第1の所定時間(例えば、30分)内に電流センサ34で充放電電流が検出されたか否かを判定する。
【0038】
メインマイコン33は、第1の所定時間継続して充放電電流が検出されていないと判定した場合には(ステップS12:NO)、ステップS13の処理において、アクティブ電源22のオフ指令を送信する。つまり、メインマイコン33は、第2絶縁インターフェース35を介して、各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)に低消費電力モード設定信号を送信する。低消費電力モード設定信号を受信した各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)では、アクティブ電源22による電力の供給を停止し、低消費電源23のみから電力が供給されて作動する低消費電力モードに変更する。低消費電源23のみから電力が供給されている場合、通信部28cには引き続き電力が供給されているので、通信部28cの作動状態が維持される。
【0039】
一方、メインマイコン33は、ステップS11の処理において、アクティブ電源22がオンではないと判定した場合(ステップS11:NO)、つまり、メインマイコン33は、第2絶縁インターフェース35を介して、各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)に低消費電力モード設定信号を送信し、低消費電力モードであると判定した場合、ステップS14の処理において、上位装置(図示省略)より各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)の電圧読み取り要求が与えられたか否かを判定する。
【0040】
メインマイコン33は、上位装置より各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)の電圧読み取り要求が与えられたと判定した場合には(ステップS14:YES)、ステップS15の処理において、メインマイコン33のレジスタ(図示省略)に記憶している各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)で検出された電圧データのうち、最新の電圧データを上位装置に送信する。
【0041】
一方、メインマイコン33は、ステップS14の処理において、上位装置より各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)の電圧読み取り要求が与えられていないと判定した場合(ステップS14:NO)、又はステップS15の処理の後、ステップS16の処理において、電流センサ34で充放電電流を検出したか否かを判定する。
【0042】
メインマイコン33は、ステップS16の処理において、電流センサ34で充放電電流を検出したと判定した場合には(ステップS16:YES)、ステップS17の処理において、アクティブ電源22のオン指令を出力する。つまり、メインマイコン33は、第2絶縁インターフェース35を介して、各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)に通常モード設定信号を送信する。通常モード設定信号を受信した各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)では、アクティブ電源22から電力が供給されて作動する通常モードに変更する。
【0043】
一方、電流センサ34で充放電電流が検出されていないと判定した場合には(ステップS16:NO)、ステップS18の処理において、メインマイコン33は、低消費電力モード設定信号を送信した後、第2の所定時間(例えば、1時間)経過したか否かを判定する。
【0044】
メインマイコン33は、低消費電力モード設定信号を送信してから第2の所定時間経過したと判定した場合には(ステップS18:YES)、ステップS19の処理において、特定時間アクティブ電源22のオン指令を出力する。つまり、メインマイコン33は、第2の所定時間が経過するまでの間に電流センサ34で充放電電流が検出されない場合には、第2の所定時間経過した時点で、各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)を特定時間だけ通常モードに切り替える切替信号を送信する。そして、メインマイコン33は、特定時間内に第1絶縁インターフェース32を介して各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)に電圧測定要求を送信し、且つ、各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)で検出された電圧データを取得する。
【0045】
メインマイコン33は、ステップS12の処理において、第1の所定時間内に電流センサ34で充放電電流が検出されたと判定した場合(ステップS12:YES)、ステップS18の処理において、第2の所定時間経過していないと判定した場合(ステップS18:NO)、ステップS13の処理、ステップS17の処理、及びステップS19の処理を終了したときには、電源制御処理を終了する。
【0046】
上記のように、メインマイコン33は、第1の所定時間(例えば、30分)継続して電流センサ34で充放電電流を検出されない場合に、第2インタフェース35を介して各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)に低消費電力モード設定信号を送信する。
【0047】
このようにして、本発明の実施形態に係る電圧測定装置10では、第1の所定時間(例えば、30分)継続して電流センサ34で充放電電流が検出されない場合に、アクティブ電源22から電力が供給されて作動する通常モードから、低消費電源23のみから電力が供給されて作動する低消費電力モードへ変更する。電流センサ24の充放電電流を検出して、通常モードから低消費電力モードに変更することにより、二次電池13の電圧が変化していない場合に二次電池13の電圧を検出するための電流を消費することがない。つまり、車両のイグニッションがオンの状態で車両を所定時間停車している場合に低消費電力モードに切り替えることができる。従って、高精度に電力の消費を抑えることが可能な複数組電池の電圧測定装置を提供することが可能となる。
【0048】
また、マイコン33と接続された第2インターフェース35を介して、通常モードから低消費電力モードへ変更するため、通常モードから低消費電力モードへ変更するための複雑な回路構成が不要となり、部品点数を減らすことで製造コストを低減することができる。
【0049】
更に、低消費電力モード設定信号を出力した後、電流センサ34で充放電電流が検出された場合に、低消費電力モードから通常モードへ変更する。従って、低消費電力モードで作動している場合に二次電池13の電流が消費されると、通常モードへ変更して各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)の電圧を検出することが可能となり、汎用性の高い複数組電池の電圧測定装置を提供することが可能となる。
【0050】
また、低消費電力モード設定信号を送信した後、第2の所定時間(例えば、1時間)経過するまでの間に充放電電流が検出されない場合には、第2の所定時間経過した時点で、特定時間だけ通常モードへ切り替える切替信号を送信する。従って、低消費電力モードで作動している場合でも、定期的に二次電池13の電圧を検出することにより複数組電池の異常を確認することができるため、汎用性の高い複数組電池の電圧測定装置を提供することが可能となる。
【0051】
また、低消費電力モードに設定されているときに、上位装置より各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)の電圧読み取り要求が与えられた場合には、レジスタに記憶された電圧データから最新の電圧データを上位装置に送信する。低消費電力モードに設定されている場合、各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)は、各ブロック毎の電圧を検出していない。そのため、電圧読み取り要求に対して電圧データを送信しない場合には、上位装置は各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)が故障していると判定してしまうため、上位装置の構成を変更する必要がある。しかし、最新に記憶された電圧データを上位装置に送信することにより、上位装置の構成を変更することなく、電力の消費を抑えることができる。
【0052】
次に、本発明の他の実施形態について図面を参照して説明する。図4は本発明の他の実施形態を示し、上記一実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べる。図4は、本発明の他の実施形態に係る電圧測定装置10の、電源制御処理の手順を示すフローチャートである。
【0053】
本発明の他の実施形態では、メインマイコン33は、各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)により取得した電圧データの変動を検出し、第3の所定時間(例えば、40分)継続して電圧の変動が検出されない場合に、第2絶縁インターフェース35を介して各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)に低消費電力モード設定信号を出力する。
【0054】
まず、ステップS111の処理において、メインマイコン33は、アクティブ電源22がオンであるか否かを判定する。つまり、メインマイコン33は、第2絶縁インターフェース35を介して、各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)に通常モード設定信号を送信し、アクティブ電源22から電力が供給されて各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)を作動する通常モードであるか否かを判定する。
【0055】
メインマイコン33は、ステップS111の処理において、アクティブ電源22がオンであると判定した場合には(ステップS111:YES)、ステップS112の処理において、第3の所定時間(例えば、40分)内に各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)により取得した電圧データの変動が検出されたか否かを判定する。
【0056】
メインマイコン33は、第3の所定時間継続して電圧データの変動が検出されていないと判定した場合には(ステップS112:NO)、ステップS113の処理において、アクティブ電源22のオフ指令を送信する。つまり、メインマイコンは、第2絶縁インターフェース35を介して、各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)に低消費電力モード設定信号を送信する。低消費電力モード設定信号を受信した各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)では、アクティブ電源22による電力の供給を停止し、低消費電源23のみから電力が供給されて作動する低消費電力モードに変更する。低消費電源23のみから電力が供給されている場合、通信部28cには引き続き電力が供給されているので、通信部28cの作動状態が維持される。
【0057】
一方、メインマイコン33は、ステップS111の処理において、アクティブ電源22がオンではないと判定した場合(ステップS111:NO)、つまり、メインマイコン33は、第2絶縁インターフェース35を介して、各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)に低消費電力モード設定信号を送信し、低消費電力モードであると判定した場合、ステップS114の処理において、上位装置(図示省略)より各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)の電圧読み取り要求が与えられたか否かを判定する。
【0058】
メインマイコン33は、上位装置より各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)の電圧読み取り要求が与えられたと判定した場合には(ステップS114:YES)、ステップS115の処理において、メインマイコン33のレジスタ(図示省略)に記憶している各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)で検出された電圧データのうち、最新の電圧データを上位装置に送信する。
【0059】
一方、メインマイコン33は、ステップS114の処理において、上位装置より各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)の電圧読み取り要求が与えられていないと判定した場合(ステップS114:NO)、又はステップS115の処理の後、ステップS116の処理において、電流センサ34で充放電電流を検出したか否かを判定する。
【0060】
メインマイコン33は、ステップS116の処理において、電流センサ34で充放電電流を検出したと判定した場合には(ステップS116:YES)、ステップS117の処理において、アクティブ電源22のオン指令を出力する。つまり、メインマイコン33は、第2絶縁インターフェース35を介して、各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)に通常モード設定信号を送信する。通常モード設定信号を受信した各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)では、アクティブ電源22から電力が供給されて作動する通常モードに変更する。
【0061】
一方、電流センサ34で充放電電流が検出されていないと判定した場合には(ステップS116:NO)、ステップS118の処理において、メインマイコン33は、低消費電力モード設定信号を送信した後、第2の所定時間(例えば、1時間)経過したか否かを判定する。
【0062】
メインマイコン33は、低消費電力モード設定信号を送信してから第2の所定時間経過したと判定した場合には(ステップS118:YES)、ステップS119の処理において、特定時間アクティブ電源22のオン指令を出力する。つまり、メインマイコン33は、第2の所定時間が経過するまでの間に電流センサ34で充放電電流が検出されない場合には、第2の所定時間経過した時点で、各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)を特定時間だけ通常モードに切り替える切替信号を送信する。そして、メインマイコン33は、特定時間内に第1絶縁インターフェース32を介して各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)に電圧測定要求を送信し、且つ、各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)で検出された電圧データを取得する。
【0063】
メインマイコン33は、ステップS112の処理において、第3の所定時間内に電圧データの変動が検出されたと判定した場合(ステップS112:YES)、ステップS118の処理において、第2の所定時間経過していないと判定した場合(ステップS118:NO)、ステップS113の処理、ステップS117の処理、及びステップS119の処理を終了したときには、電源制御処理を終了する。
【0064】
上記のように、メインマイコン33は、第3の所定時間(例えば、40分)継続して各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)により取得した電圧データの変動が検出されない場合に、第2インタフェース35を介して各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)に低消費電力モード設定信号を送信する。
【0065】
このようにして、本発明の他の実施形態に係る電圧測定装置10では、第3の所定時間(例えば、40分)継続して各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)より取得した電圧データの変動が検出されない場合に、アクティブ電源22から電力が供給されて作動する通常モードから、低消費電源23のみから電力が供給されて作動する低消費電力モードへ変更する。各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)の電圧データの変動を検出して、通常モードから低消費電力モードに変更することにより、二次電池13の電圧が変化していない場合に二次電池13の電圧を検出するための電流を消費することがない。つまり、車両のイグニッションがオンの状態で車両を所定時間停車している場合に低消費電力モードに切り替えることができる。従って、高精度に電力の消費を抑えることが可能な複数組電池の電圧測定装置を提供することが可能となる。
【0066】
また、マイコン33と接続された第2絶縁インターフェース35を介して、通常モードから低消費電力モードへ変更するため、通常モードから低消費電力モードへ変更するための複雑な回路構成が不要となり、部品点数を減らすことで製造コストを低減することができる。
【0067】
更に、低消費電力モード設定信号を出力した後、電流センサ34で充放電電流が検出された場合に、低消費電力モードから通常モードへ変更する。従って、低消費電力モードで作動している場合に二次電池13の電流が消費されると、通常モードへ変更して各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)の電圧を検出することが可能となり、汎用性の高い複数組電池の電圧測定装置を提供することが可能となる。
【0068】
また、低消費電力モード設定信号を送信した後、第2の所定時間(例えば、1時間)経過するまでの間に充放電電流が検出されない場合には、第2の所定時間経過した時点で、特定時間だけ通常モードへ切り替える切替信号を送信する。従って、低消費電力モードで作動している場合でも、定期的に二次電池13の電圧を検出することにより二次電池13の異常を確認することができるため、汎用性の高い複数組電池の電圧測定装置を提供することが可能となる。
【0069】
また、低消費電力モードに設定されているときに、上位装置より各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)の電圧読み取り要求が与えられた場合には、レジスタに記憶された電圧データから最新の電圧データを上位装置に送信する。低消費電力モードに設定されている場合、各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)は、各ブロック毎の電圧を検出していない。そのため、電圧読み取り要求に対して電圧データを送信しない場合には、上位装置は各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)が故障していると判定してしまうため、上位装置の構成を変更する必要がある。しかし、最新に記憶された電圧データを上位装置に送信することにより、上位装置の構成を変更することなく、電力の消費を抑えることができる。
【0070】
以上、本発明の電圧測定装置を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれにこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置き換えることができる。
【0071】
例えば、上記した実施形態では、マイコン33は、第2絶縁インターフェース35(第2通信回路)を介して各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)に低消費電力モード設定信号、及び通常モード設定信号を送信する場合について説明したが、これに限定されるものでは無く、適宜変更が可能である。例えば、各電圧検出用IC(21−1)〜(21−5)に電源切替部を設け、アクティブ電源22による電力の供給、又は停止を切り替えるように構成してもよい。この場合、メインマイコン33は、第1絶縁インターフェース32を介して電源切替部に低消費電力モード設定信号、及び通常モード設定信号を送信する。また、消費電源23は、第1絶縁インターフェース32の作動を供給することにより、第2絶縁インターフェース35を省略することが可能となる。
【0072】
また、上記した実施形態では、第1の所定時間を30分、第2の所定時間を1時間、第3の所定時間を40分とする場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものでは無く、適宜変更が可能である。
【0073】
また、上記した実施形態では、ハイブリット車両や電気自動車に搭載される高電圧バッテリの電圧を測定する例について説明したが、本発明はこれに限定されるものでは無く、その他のバッテリについても適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、二次電池の消費電力を低減する上で極めて有用である。
【符号の説明】
【0075】
10 電圧測定装置
11 高電圧側装置
12 低電圧側装置
13 二次電池
21−1〜21−5 第1〜第5電圧検出用IC
22 アクティブ電源
23 低消費電源
24 セル電圧入力部
25 マルチプレクサ
26 A/D変換器
27 コントロール部
28 通信部
31 通信線
32 第1絶縁インターフェース
33 メインマイコン
34 電流センサ
35 第2絶縁インターフェース
61−1〜61−5 第1〜第5ブロック
71−1〜71−5 基準電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の単位セルを直列に接続して所望の電圧を出力する複数組電池の、出力電圧を測定する電圧測定装置において、
前記複数組電池の充放電電流を検出する電流検出手段と、
前記複数の単位セルを複数のブロックに分割し、各ブロック毎の電圧を検出するブロック電圧検出手段と、
前記各ブロック電圧検出手段との間で、第1通信回線及び第2通信回線を介して接続され、前記第1通信回線を用いて前記各ブロック電圧検出手段に電圧測定要求を出力すると共に、各ブロック電圧検出手段で検出された電圧データを取得する制御手段と、を備え、
前記各ブロック電圧検出手段は、前記各単位セルより電力が供給され、当該ブロック電圧検出手段を作動させるための電力を供給するアクティブ電源、及び前記各単位セルより電力が供給され、少なくとも当該ブロック電圧検出手段に設けられる前記第2通信回線用の通信手段に作動用の電力を供給する低消費電源を有し、
前記制御手段は、前記電流検出手段で充放電電流が第1の所定時間継続して検出されない場合に、前記第2通信回線を介して前記各ブロック電圧検出手段に低消費電力モード設定信号を送信し、
前記各ブロック電圧検出手段は、前記低消費電力モード設定信号が受信された場合に、前記アクティブ電源から電力が供給されて作動する通常モードから、前記低消費電源のみから電力が供給されて作動する低消費電力モードに変更することを特徴とする複数組電池の電圧測定装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記低消費電力モード設定信号を送信した後、前記充放電電流が検出された場合に、前記第2通信回線を介して前記各ブロック電圧検出手段に通常モード設定信号を送信し、
前記各ブロック電圧検出手段は、前記通常モード設定信号が受信された場合に、前記アクティブ電源から電力が供給されて作動する通常モードに変更することを特徴とする請求項1に記載の複数組電池の電圧測定装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記低消費電力モード設定信号を送信した後、第2の所定時間が経過するまでの間に前記充放電電流が検出されない場合には、前記第2の所定時間が経過した時点で、前記各ブロック電圧検出手段を特定時間だけ通常モードに切り替える切替信号を送信し、
この特定時間内に、前記第1通信回路を介して前記各ブロック電圧検出手段に電圧測定要求を送信し、且つ、前記各ブロック電圧検出手段で検出された電圧データを取得することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の複数組電池の電圧測定装置。
【請求項4】
複数の単位セルを直列に接続して所望の電圧を出力する複数組電池の、出力電圧を測定する電圧測定装置において、
前記複数の単位セルを複数のブロックに分割し、各ブロック毎の電圧を検出するブロック電圧検出手段と、
前記各ブロック電圧検出手段との間で、第1通信回線及び第2通信回線を介して接続され、前記第1通信回線を用いて前記各ブロック電圧検出手段に電圧測定要求を出力すると共に、各ブロック電圧検出手段で検出された電圧データを取得する制御手段と、を備え、
前記各ブロック電圧検出手段は、前記各単位セルより電力が供給され、当該ブロック電圧検出手段を作動させるための電力を供給するアクティブ電源、及び前記各単位セルより電力が供給され、少なくとも当該ブロック電圧検出手段に設けられる前記第2通信回線用の通信手段に作動用の電力を供給する低消費電源を有し、
前記制御手段は、前記各ブロック電圧検出手段により取得した前記電圧データの変動を検出する電圧変動検出手段を有し、
前記制御手段は、前記電圧変動検出手段にて第3の所定時間継続して電圧の変動が検出されない場合に、前記第2通信回線を介して前記各ブロック電圧検出手段に低消費電力モード設定信号を送信し、
前記各ブロック電圧検出手段は、前記低消費電力モード設定信号が受信された場合に、前記アクティブ電源から電力が供給されて作動する通常モードから、前記低消費電源のみから電力が供給されて作動する低消費電力モードに変更することを特徴とする複数組電池の電圧測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−53179(P2011−53179A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−204535(P2009−204535)
【出願日】平成21年9月4日(2009.9.4)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】