説明

複素環式尿素誘導体とその使用の方法

式(I)の化学化合物とその医薬的に許容される塩について記載する。それらの製造の方法、それらを含有する医薬組成物、医薬品としてのそれらの使用と細菌感染症の治療におけるそれらの使用についても記載する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗菌活性を明示する化合物、それらの製造の方法、それらを有効成分として含有する医薬組成物、医薬品としてのそれらの使用、及び、ヒトのような温血動物における細菌感染症の治療に使用の医薬品の製造におけるそれらの使用に関する。特に、本発明は、ヒトのような温血動物における細菌感染症の治療に有用な化合物に、より特別には、ヒトのような温血動物における細菌感染症の治療に使用の医薬品の製造における上記化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
国際的な微生物学会は、抗生物質耐性の進化により、現在利用可能な抗菌剤が無効になる菌株が生じる可能性があるという深刻な懸念を表明し続けている。一般に、細菌病原体は、グラム陽性又はグラム陰性のいずれかの病原体として分類し得る。グラム陽性とグラム陰性の両方の病原体に対して有効な活性がある抗生化合物は、一般に、広い活性スペクトルを有するとみなされる。本発明の化合物は、グラム陽性病原体とある種のグラム陰性病原体の両方に対して有効とみなされている。
【0003】
グラム陽性病原体、例えば、ブドウ球菌、腸球菌、連鎖球菌、及びマイコバクテリウムは、処置することが難しいだけでなく、ひとたび定着すると、院内環境から駆逐することも難しい耐性株の発現のために、特に重要である。そうした菌株の例は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、メチシリン耐性コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(MRCNS)、ペニシリン耐性肺炎連鎖球菌、及び多剤耐性エンテロコッカス・フェシウムである。
【0004】
こうした耐性グラム陽性病原体への処置の最終手段に好ましい臨床的に有効な抗生物質は、バンコマイシンである。バンコマイシンは糖ペプチドであり、腎毒性が含まれる様々な毒性に関連している。さらに、そしてきわめて重要にも、バンコマシンや他の糖ペプチドへの抗菌耐性も出現しつつある。この耐性は、着実な速度で増加していて、グラム陽性病原体の処置において、これらの薬剤をますます無効にしている。また、H. influenzae 及び M. catarrhalis が含まれるある種のグラム陰性株によっても引き起こされる上気道感染症の治療に使用される、β−ラクタム、キノロン、及びマクロライドのような薬剤に対する耐性発現も増加しつつある。
【0005】
必然的に、広まった多剤耐性微生物の脅威を克服するために、新たな抗生物質、特に、新規の作用機序がある、及び/又は新たな薬作用発生基(pharmacophoric groups)を含有するものを開発することへの現行のニーズがある。
【0006】
デオキシリボ核酸(DNA)ジャイレースは、細胞中のDNAのトポロジー状態を制御するトポイソメラーゼのII型ファミリーのメンバーである(Champoux, J. J.; 2001. Ann. Rev. Biochem. 70: 369-413)。II型トポイソメラーゼは、アデノシン三リン酸(ATP)加水分解からの自由エネルギーを使用して、一過性の二本鎖切れ目をDNA中に導入し、切れ目を介した鎖通過を触媒して、DNAを再結合させることによって、DNAのトポロジーを改変する。DNAジャイレースは、細菌において必須の保存酵素であり、負の超らせんをDNAへ導入するその能力において、トポイソメラーゼの中で独特である。この酵素は、gyrA及びgyrBによってコードされる2つのサブユニットからなり、A四量体の複合体を形成する。ジャイレースのAサブユニット(GyrA)は、DNA切断及び再結合に関与して、鎖通過の間にDNAへ一過性の共有連結を形成する保存チロシン残基を含有する。Bサブユニット(GyrB)は、ATPの加水分解を触媒して、Aサブユニットと相互作用して、加水分解からの自由エネルギーを酵素中のコンホメーション変化へ翻訳して、鎖通過とDNA再結合を可能にする。
【0007】
トポイソメラーゼIVと呼ばれる、細菌中の別の保存された必須のII型トポイソメラーゼは、複製時に産生される、連結した閉環状の細菌染色体を分離することに主に責任がある。この酵素は、DNAジャイレースに密接に関連して、GyrA及びGyrBに相同なサブユニットより形成される同様の四量体構造を有する。ジャイレースとトポイソメラーゼIVの間の全体的な配列同一性は、様々な細菌種において高い。故に、細菌のII型トポイソメラーゼを標的にする化合物には、既存のキノロン抗菌薬の場合のように、細胞中の2つの標的、DNAジャイレースとトポイソメラーゼIVを阻害するポテンシャルがある(Maxwell, A. 1997, Trends Microbiol. 5: 102-109)。
【0008】
DNAジャイレースは、キノロン類やクマリン類が含まれる、十分に検証された抗菌薬の標的である。キノロン類(例、シプロフロキサシン)は、該酵素のDNA切断及び再結合活性を阻害して、DNAと共有複合したGyrAサブユニットを捕捉する、広域スペクトル抗菌薬である(Drlica, K., and X. Zhao, 1997, Microbiol. Molec. Biol. Rev. 61: 377-392)。このクラスの抗菌薬のメンバーもトポイソメラーゼIVを阻害して、結果として、これら化合物の主要標的は、種間で異なる。キノロン類は成功した抗菌薬であるが、標的(DNAジャイレース及びトポイソメラーゼIV)中の突然変異により主にもたらされる耐性は、黄色ブドウ球菌及び肺炎連鎖球菌が含まれる、いくつかの微生物においてますます問題となっている(Hooper, D. C., 2002, The Lancet Infectious Diseases 2: 530-538)。さらに、ある化学品クラスとしてのキノロン類は、小児でのその使用を妨げる関節症が含まれる、有毒な副作用が悩みである(Lipsky, B. A. and Baker, C. A., 1999, Clin. Infect. Dis. 28: 352-364)。さらに、QT間隔の延長により予測される、心毒性のポテンシャルは、キノロン類の毒性懸念として特記されてきた。
【0009】
GyrBサブユニットへの結合についてATPと競合する、DNAジャイレースの天然産物阻害剤がいくつか知られている(Maxwell, A. and Lawson, D.M. 2003, Curr. Topics in Med. Chem. 3: 283-303)。クマリン類は、ストレプトマイセス属(Streptomyces spp.)より単離された天然産物であり、その例は、ノボビオシン、クロロビオシン、及びクメルマイシンA1である。これらの化合物はDNAジャイレースの強力な阻害剤であるが、それらの治療有用性は、真核生物における毒性とグラム陰性菌における乏しい浸透性のために限定されている(Maxwell, A. 1997, Trends Microbiol. 5: 102-109)。GyrBサブユニットを標的にする別の天然産物クラスの化合物は、Streptomyces filipensis より単離される、シクロチアリジンである(Watanabe, J. et al 1994, J. Antibiot. 47: 32-36)。DNAジャイレースに対する強力な活性にもかかわらず、シクロチアリジンは、一部の真性細菌種にしか活性を示さない、弱い抗菌剤である(Nakada, N, 1993, Antimicrob. Agents Chemother. 37: 2656-2661)。
【0010】
DNAジャイレースのBサブユニットとトポイソメラーゼIVに標的指向する合成阻害剤が当該技術分野で知られている。例えば、特許出願番号WO99/35155にはクマリン含有化合物が記載され、特許出願WO02/060879には5,6−二環系複素芳香族化合物が記載され、特許出願WO01/52845(米国特許US6,608,087)にはピラゾール化合物が記載されている。アストラゼネカ社はまた、抗菌化合物について記載するいくつかの特許出願:WO2005/026149、WO2006/087544、WO2006/087548、WO2006/087543、WO2006/092599、WO2006/092608、及びWO2007/071965を公開している。
【発明の概要】
【0011】
我々は、DNAジャイレース及び/又はトポイソメラーゼIVを阻害するのに有用である新たなクラスの化合物を発見した。
1つの態様において、本発明により、式(I):
【0012】
【化1】

【0013】
の化合物、又はその医薬的に許容される塩を提供する[式中:
Xは、N、CH、又はCRであり;
Lは、C1−6アルキレン、−CH=CH−(C1−4アルキレン)、又は−C≡C−(C1−4アルキレン)であり、ここでLが−CH=CH−(C1−4アルキレン)又は−C≡C−(C1−4アルキレン)であるとき、その二重若しくは三重結合は、環Aへの付加点であり;
は、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、又はC3−6シクロアルキルより選択され;ここでRは、炭素上で1以上のRによって置換されていてもよく;
は、水素又はC1−6アルキルより選択され;ここで前記C1−6アルキルは、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、及びアミノより独立して選択される1以上の基によって置換されていてもよい;
又はRとRは、それらが付く窒素と一緒にヘテロシクリルを形成し;ここで前記ヘテロシクリルは、1以上の炭素原子上で、1以上のRで置換されていてもよく;そしてここで前記ヘテロシクリルが=N−若しくは−S−部分を含有するならば、その窒素は、1つのオキソ基によって置換されていてもよく、そしてそのイオウは、1又は2のオキソ基によって置換されていてもよく;そしてここで前記ヘテロシクリルが−NH−部分を含有するならば、その窒素は、Rより選択される基によって置換されていてもよい;
は、水素、C1−6アルキル、(C1−6アルキル)シリル、C3−14カルボシクリル、又はヘテロシクリルであり;ここでRは、1以上の炭素原子上で1以上のR10によって置換されていてもよく;そしてここで前記ヘテロシクリルが=N−若しくは−S−部分を含有するならば、その窒素は、1つのオキソ基によって置換されていてもよく、そしてそのイオウは、1又は2のオキソ基によって置換されていてもよく;そしてここで前記ヘテロシクリルが−NH−部分を含有するならば、その窒素は、R11より選択される基によって置換されていてもよい;
は、それぞれの出現について、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6アルコキシ、N−(C1−6アルキル)アミノ、N,N−(C1−6アルキル)アミノ、及びC1−6アルキルスルファニルからなる群より独立して選択され;ここでRは、それぞれの出現について、1以上の炭素原子上で、1以上のR12で独立的に置換されていてもよい;
は、水素又はヘテロシクリルであり;ここで該ヘテロシクリルは、1以上の炭素原子上で、=O、=S、又は1以上のR14で置換されていてもよく;そしてここで前記ヘテロシクリルが=N−若しくは−S−部分を含有するならば、その窒素は、1つのオキソ基によって置換されていてもよく、そしてそのイオウは、1又は2のオキソ基によって置換されていてもよく;そしてここで前記ヘテロシクリルが−NH−部分を含有するならば、その窒素は、R17より選択される基によって置換されていてもよい;
は、それぞれの出現について、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、スルファモイル、=O、=S、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6アルコキシ、N−(C1−6アルキル)アミノ、N,N−(C1−6アルキル)アミノ、C1−6アルキルS(O)−(ここでaは、0、1又は2である)、N−(C1−6アルキル)スルファモイル、N,N−(C1−6アルキル)スルファモイル、C1−6アルキルスルホニルアミノ、C3−14カルボシクリル、及びヘテロシクリルからなる群より独立して選択され;ここでRは、それぞれの出現について、1以上の炭素原子上で、1以上のR16で独立的に置換されていてもよく;そしてここで前記ヘテロシクリルが=N−若しくは−S−部分を含有するならば、その窒素は、1つのオキソ基によって置換されていてもよく、そしてそのイオウは、1又は2のオキソ基によって置換されていてもよく;そしてここで前記ヘテロシクリルが−NH−部分を含有するならば、その窒素は、R13より選択される基によって置換されていてもよい;
mは、0又は1であり;
pは、0、1、2、又は3であり;
環Bは、C3−14カルボシクリル若しくはヘテロシクリルであり;ここで前記ヘテロシクリルが−NH−部分を含有するならば、その窒素は、R15より選択される基によって置換されていてもよく;そしてここで前記ヘテロシクリルが=N−若しくは−S−部分を含有するならば、その窒素は、1つのオキソ基によって置換されていてもよく、そしてそのイオウは、1又は2のオキソ基によって置換されていてもよい;
、R、R10、R12、R14、及びR16は、炭素上の置換基であり、それらは、それぞれの出現について、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、メルカプト、スルファモイル、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6アルコキシ、C1−6アルカノイル、C1−6アルカノイルオキシ、N−(C1−6アルキル)アミノ、N,N−(C1−6アルキル)アミノ、C1−6アルカノイルアミノ、N−(C1−6アルキル)カルバモイル、N,N−(C1−6アルキル)カルバモイル、C1−6アルキルS(O)−(ここでaは、0、1又は2である)、C1−6アルコキシカルボニル、C1−6アルコキシカルボニルアミノ、N−(C1−6アルキル)スルファモイル、N,N−(C1−6アルキル)スルファモイル、C1−6アルキルスルホニルアミノ、−L−C3−6カルボシクリル、又は−L−ヘテロシクリルより独立して選択され;ここでR、R、R10、R12、R14、及びR16は、互いに独立して、1以上の炭素上で1以上のR19によって置換されていてもよく;そしてここで前記ヘテロシクリルが−NH−部分を含有するならば、その窒素は、R20より選択される基によって置換されていてもよく;そしてここで前記ヘテロシクリルが=N−若しくは−S−部分を含有するならば、その窒素は、1つのオキソ基によって置換されていてもよく、そしてそのイオウは、1又は2のオキソ基によって置換されていてもよい;
は、直結合、−O−、−N(R18)−、−C(O)−、−N(R18)C(O)−、−C(O)N(R18)−、−S(O)−、−SON(R18)−、又は−N(R18)SO−であり;ここでR18は、それぞれの出現について、独立して、水素又はC1−4アルキルであり、そしてpは、0〜2である;
、R11、R13、R15、R17、及びR20は、それぞれの出現について、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C1−6アルカノイル、C1−6アルキルスルホニル、C1−6アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−(C1−6アルキル)カルバモイル、N,N−(C1−6アルキル)カルバモイル、ベンジル、ベンジルオキシカルボニル、ベンゾイル、及びフェニルスルホニルより独立して選択され;ここでR、R11、R13、R15、R17、及びR20は、互いに独立して、炭素上で1以上のR23によって置換されていてもよい;そして
19とR23は、それぞれの出現について、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、メルカプト、スルファモイル、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、アセチル、アセトキシ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、N−メチル−N−エチルアミノ、アセチルアミノ、N−メチルカルバモイル、N−エチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル、N−メチル−N−エチルカルバモイル、メチルチオ、エチルチオ、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、メシル、エチルスルホニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、N−メチルスルファモイル、N−エチルスルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N,N−ジエチルスルファモイル、又はN−メチル−N−エチルスルファモイルより独立して選択される]。
【0014】
別の態様において、本発明は、式(I)によって表される化合物又はその医薬的に許容される塩と医薬的に許容される賦形剤又は担体を含んでなる医薬組成物を提供する。
別の態様において、本発明は、細菌DNAジャイレース及び/又は細菌トポイソメラーゼIVを阻害するような治療を必要とする温血動物においてそれを阻害する方法を提供し、該方法は、式(I)によって表される化合物又はその医薬的に許容される塩の有効量を該動物へ投与することを含んでなる。特別な態様において、温血動物は、ヒトである。
【0015】
別の態様において、本発明は、抗菌効果を産生するような治療を必要とする温血動物においてそれを産生する方法を提供し、該方法は、式(I)によって表される化合物又はその医薬的に許容される塩の有効量を該動物へ投与することを含んでなる。特別な態様において、温血動物は、ヒトである。
【0016】
別の態様において、本発明は、細菌感染症を治療することを必要とする温血動物においてそれを治療する方法を提供し、該方法は、式(I)によって表される化合物又はその医薬的に許容される塩の有効量を該動物へ投与することを含んでなる。特別な態様において、温血動物は、ヒトである。1つの態様において、細菌感染症は、市中肺炎、院内肺炎、皮膚及び皮膚構造の感染症、慢性気管支炎の急性増悪、急性副鼻腔炎、急性中耳炎、カテーテル関連敗血症、熱性好中球減少症、骨髄炎、心内膜炎、尿路感染症、及び、ペニシリン耐性肺炎連鎖球菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、メチシリン耐性表皮ブドウ球菌、及びバンコマイシン耐性腸球菌のような薬剤耐性菌によって引き起こされる感染症からなる群より選択される。特別な態様において、温血動物は、ヒトである。
【0017】
別の態様において、本発明は、式(I)によって表される化合物又はその医薬的に許容される塩の、温血動物における抗菌効果の産生に使用の医薬品の製造への使用を提供する。特別な態様において、温血動物は、ヒトである。
【0018】
別の態様において、本発明は、式(I)によって表される化合物又はその医薬的に許容される塩の、温血動物における細菌DNAジャイレース及び/又はトポイソメラーゼIVの阻害に使用の医薬品の製造への使用を提供する。特別な態様において、温血動物は、ヒトである。
【0019】
別の態様において、本発明は、式(I)によって表される化合物又はその医薬的に許容される塩の、温血動物における細菌感染症の治療に使用の医薬品の製造への使用を提供する。1つの態様において、細菌感染症は、市中肺炎、院内肺炎、皮膚及び皮膚構造の感染症、慢性気管支炎の急性増悪、急性副鼻腔炎、急性中耳炎、カテーテル関連敗血症、熱性好中球減少症、骨髄炎、心内膜炎、尿路感染症、ペニシリン耐性肺炎連鎖球菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、メチシリン耐性表皮ブドウ球菌、及びバンコマイシン耐性腸球菌からなる群より選択される。特別な態様において、温血動物は、ヒトである。
【0020】
別の態様において、本発明は、式(I)によって表される化合物又はその医薬的に許容される塩を、温血動物における抗菌効果の産生での使用に提供する。
別の態様において、本発明は、式(I)によって表される化合物又はその医薬的に許容される塩を、温血動物における細菌DNAジャイレース及び/又はトポイソメラーゼIVの阻害での使用に提供する。
【0021】
別の態様において、本発明は、式(I)によって表される化合物又はその医薬的に許容される塩を、温血動物における細菌感染の処置での使用に提供する。
別の態様において、本発明は、式(I)によって表される化合物又はその医薬的に許容される塩を、市中肺炎、院内肺炎、皮膚及び皮膚構造の感染症、慢性気管支炎の急性増悪、急性副鼻腔炎、急性中耳炎、カテーテル関連敗血症、熱性好中球減少症、骨髄炎、心内膜炎、尿路感染症、及び、ペニシリン耐性肺炎連鎖球菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、メチシリン耐性表皮ブドウ球菌、及びバンコマイシン耐性腸球菌の治療での使用に提供する。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本明細書において、「アルキル」という用語には、直鎖と分岐鎖の両方の飽和炭化水素基が含まれる。例えば、「C1−6アルキル」は、1〜6の炭素原子を有するアルキルを意味して、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、及びt−ブチルが含まれる。しかしながら、プロピルのような個別のアルキル基への言及は、他に示されなければ、直鎖バージョンだけに特定される(例、イソプロピル)。同様の慣例が他の一般基へ適用される。他に特定されなければ、2以上のアルキル基が、例えば、(C1−6アルキル)という用語((N,N−C1−6アルキル)アミノという用語のような)によって示されるとき、このアルキル基は、同じであっても異なっていてもよい。
【0023】
本明細書に使用するように、「アルキレン」という用語は、2つの他の基を連結する二価アルキル基を意味する。「C1−6アルキレン」は、1〜6の炭素原子を有するアルキレンを意味する。アルキレンの例は、メチレン基である。
【0024】
本明細書に使用するように、「アルケン」という用語は、1以上の二重結合を有する直鎖又は分岐鎖の炭化水素を意味する。アルケンの例には、エテニル、3−ブテン−1−イル、等が含まれる。本明細書に使用するように、「アルケニレン」という用語は、2つの他の基を連結する二価アルケニル基を意味する。「C1−6アルケニレン」は、1〜6の炭素原子を有するアルケニレンを意味する。アルケニレンの例には、−CH=CH−、−CHCH=CHCH−、等が含まれる。
【0025】
本明細書に使用するように、「アルキニル」という用語は、1以上の三重結合を有する直鎖又は分岐鎖の炭化水素を意味する。アルキニル基の例には、エチニル、3−プロピン−1−イル、等が含まれる。本明細書に使用するように、「アルキニレン」という用語は、2つの他の基を連結する二価アルキニル基を意味する。「C1−6アルキニレン」は、1〜6の炭素原子を有するアルキニレンを意味する。アルキニレンの例には、−CH≡CH−、−CHCH≡CHCH−、等が含まれる。
【0026】
本明細書に使用するように、「C1−6ハロアルキル」という用語は、1〜6の炭素原子を有して、その炭素原子の1以上がハロ基で置換されているアルキル基を意味する。代表的なハロアルキル基には、−CF、−CHF、−CCl、−CHCHBr、−CHCH(CHCHBr)CH、−CHICH、等が含まれる。
【0027】
本明細書に使用するように、「ハロ」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードを意味する。
「ヘテロシクリル」は、その少なくとも1つの原子が窒素、イオウ、又は酸素より選択される4〜14の原子を含有し、他に特定しなければ、炭素又は窒素で連結され得る、飽和、部分飽和、又は不飽和の単環又は二環系の環であり、ここで−CH−基は、−C(O)−により置き換えられていてもよく、環イオウ原子は、酸化されてS−オキシド(複数)を形成してもよい。本発明の1つの態様において、「ヘテロシクリル」は、その少なくとも1つの原子が窒素、イオウ、又は酸素より選択される5若しくは6の原子を含有する、飽和、部分飽和、又は不飽和の単環系の環であり、それは、他に特定しなければ、炭素又は窒素で連結され得て、−CH−基は、−C(O)−により置き換えられていてもよく、環イオウ原子は、酸化されてS−オキシドを形成してもよい。本発明のさらなる側面において、「ヘテロシクリル」は、その少なくとも1つの原子が窒素、イオウ、又は酸素より選択される5若しくは6の原子を含有する、不飽和、炭素連結、単環系の環である。本発明のさらなる側面において、「ヘテロシクリル」は、不飽和で芳香族である。「ヘテロシクリル」という用語の例と好適な意義は、モルホリニル、ピペリジル、ピリジニル、ピラニル、ピロリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、インドリル、キノリニル、チエニル、1,3−ベンゾジオキソリル、ベンゾチアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、ピペラジニル、チアゾリジニル、ピロリジニル、チオモルホリノ、ピロリニル、ホモピペラジニル、3,5−ジオキサピペリジニル、テトラヒドロピラニル、イミダゾリル、4,5−ジヒドロ−オキサゾリル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダリジニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、1H−テトラゾリル、1H−トリアゾリル、N−メチルピロリル、4−ピリドン、キノリン−4(1H)−オン、ピリジン−2(1H)−オン、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、1−イソキノロン、2−ピロリドン、4−チアゾリドン、キノキサリニル、5,6−ジヒドロ[1,3]チアゾロ[4,5−d]ピリダジニル、ピリジン−N−オキシド、及びキノリン−N−オキシドである。「窒素連結ヘテロシクリル」の好適な例は、モルホリノ、ピペラジン−1−イル、ピペリジン−1−イル、及びイミダゾール−1−イルである。本発明のさらなる側面において、「ヘテロシクリル」は、不飽和で芳香族である。芳香族複素環の例と好適な意義には、ピリジニル、ピロリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、インドリル、キノリニル、チエニル、ベンゾチアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、イミダゾリル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダリジニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、1H−テトラゾリル、1H−トリアゾリル、N−メチルピロリル、キノリン−4(1H)−オン、ピリジン−2(1H)−オン、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、1−イソキノロン、キノキサリニル、ピリジン−N−オキシド、及びキノリン−N−オキシドが含まれる。
【0028】
「カルボシクリル」は、3〜14の原子を含有する、飽和、部分飽和、又は不飽和の単環、二環、又は三環系の炭素環であり、ここで−CH−基は、−C(O)−により置き換えられていてもよい。1つの態様において、「カルボシクリル」は、5若しくは6の原子を含有する単環系の環、又は9若しくは10の原子を含有する二環系の環である。カルボシクリルの例には、シクロプロピル、シクロブチル、1−オキソシクロペンチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、フェニル、ナフチル、テトラリニル、インダニル、又は1−オキソインダニルが含まれる。カルボシクリルという用語には、シクロアルキル基とアリール基がともに含まれる。特別な態様において、炭素環は、C6−14アリールである。C6−14アリールは、6〜14の原子を含有する、芳香族の単環、二環、又は三環系の炭素環である。アリール基の例には、フェニルとナフチルが含まれる。
【0029】
本明細書に使用するように、「(C1−6アルキル)シリル」は、3つの独立的に選択されるC1−6アルキル基を有するシリル基であり、例えば、トリメチルシリル、及びジメチル−tertブチルシリルである。
【0030】
「C1−6アルカノイルオキシ」の例は、アセトキシである。「C1−6アルコキシカルボニル」の例は、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n及びt−ブトキシカルボニルである。「C1−6アルコキシカルボニルアミノ」の例は、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、n及びt−ブトキシカルボニルアミノである。「C1−6アルコキシ」の例は、メトキシ、エトキシ、及びプロポキシである。「C1−6アルカノイルアミノ」の例は、ホルムアミド、アセトアミド、及びプロピオニルアミノである。「C1−6アルキルS(O)(ここでaは、0、1、又は2である)」の例は、メチルチオ、エチルチオ、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、メシル、及びエチルスルホニルである。「C1−4アルカノイル」の例は、プロピオニル及びアセチルである。「N−(C1−6アルキル)アミノ」の例は、メチルアミノ及びエチルアミノである。「N,N−(C1−6アルキル)アミノ」の例は、ジN−メチルアミノ、ジ(N−エチル)アミノ、及びN−エチル−N−メチルアミノである。「C2−4アルケニル」の例は、ビニル、アリル、及び1−プロペニルである。「C2−4アルキニル」の例は、エチニル、1−プロピニル、及び2−プロピニルである。「N−(C1−6アルキル)スルファモイル」の例は、N−(メチル)スルファモイル及びN−(エチル)スルファモイルである。「N,N−(C1−6アルキル)スルファモイル」の例は、N,N−(ジメチル)スルファモイル及びN−(メチル)−N−(エチル)スルファモイルである。「N−(C1−6アルキル)カルバモイル」の例は、メチルアミノカルボニル及びエチルアミノカルボニルである。「N,N−(C1−6アルキル)カルバモイル」の例は、ジメチルアミノカルボニル及びメチルエチルアミノカルボニルである。「N−(C1−6アルコキシ)カルバモイル」の例は、メトキシアミノカルボニル及びイソプロポキシアミノカルボニルである。「N−(C1−6アルキル)−N−(C1−6アルコキシ)カルバモイル」の例は、N−メチル−N−メトキシアミノカルボニル及びN−メチル−N−エトキシアミノカルボニルである。「C3−6シクロアルキル」の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロプロピル、及びシクロヘキシルである。「C1−6アルキルスルホニルアミノ」の例は、メチルスルホニルアミノ、イソプロピルスルホニルアミノ、及びt−ブチルスルホニルアミノである。「C1−6アルキルスルホニルアミノカルボニル」の例には、メチルスルホニルアミノカルボニル、イソプロピルスルホニルアミノカルボニル、及びt−ブチルスルホニルアミノカルボニルである。「C1−6アルキルスルホニル」の例は、メチルスルホニル、イソプロピルスルホニル、及びt−ブチルスルホニルである。
【0031】
「式(I)」という用語は、他に特定されなければ、式(Ia)、式(Ib)、及び式(Ic)が限定されずに含まれる式(I)のすべての態様を意味する。
式(I)の化合物は、安定な酸性又は塩基性の塩を生成してよく、そのような場合、塩としての化合物の投与が適正であり得て、以下に記載のような慣用の方法によって、医薬的に許容される塩を作製してよい。
【0032】
好適な医薬的に許容される塩には、メタンスルホン酸塩、トシラート、α−グリセロリン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、及び(より好ましくない)臭化水素酸塩のような酸付加塩が含まれる。また適しているのは、リン酸及び硫酸と生成される塩である。別の側面において、好適な塩は、アルカリ金属(例えば、ナトリウム)塩、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム又はマグネシウム)塩、有機アミン(例えば、トリエチルアミン、モルホリン、N−メチルピペリジン、N−エチルピペリジン、プロカイン、ジベンジルアミン、N,N−ジベンジルエチルアミン、tris−(2−ヒドロキシエチル)アミン、N−メチルd−グルカミン、及びリジンのようなアミノ酸)塩のような塩基性塩である。荷電官能基の数とカチオン又はアニオンの原子価に依存して、1より多いカチオン又はアニオンが存在する場合がある。好ましい医薬的に許容される塩は、ナトリウム塩である。
【0033】
しかしながら、製造の間の塩の単離を容易にするには、医薬的に許容されるかどうかに拘らず、選択される溶媒にさほど溶けない塩が好ましい場合がある。
本発明内では、式(I)の化合物又はその塩が互変異性の現象を明示する場合があること、そして本明細書内の式図が可能な互変異性型の1つしか表し得ないことを理解されたい。本発明にはDNAジャイレース及び/又はトポイソメラーゼIVを阻害するどの互変異性型も含まれ、式図内で利用するどの1つの互変異性型にも限定されないと理解されたい。本明細書内の式図は、可能な互変異性型の1つしか表し得ず、本明細書には、本明細書で図示的に示すことが可能であった形態だけでない、図示化合物のすべての可能な互変異性型が含まれると理解されたい。同じことが化合物名に適用される。
【0034】
当業者には、式(I)のある化合物が不斉に置換された炭素及び/又はイオウ原子を含有し、それ故に光学活性及びラセミの形態で存在して、単離され得ることが理解されよう。多形を明示する化合物もあり得る。本発明には、その形態がDNAジャイレース及び/又はトポイソメラーゼIVの阻害に有用な特性を保有する、あらゆるラセミ、光学活性、多形、又は立体異性の形態、又はこれらの混合物が含まれると理解され、当該技術分野では、光学活性型を(例えば、ラセミ型の再結晶技術による分割により、光学活性の出発材料からの合成により、キラル合成により、酵素分割により、バイオ変換により、又はキラル定常相を使用するクロマトグラフィー分離により)製造する方法と、DNAジャイレース及び/又はトポイソメラーゼIVの阻害の効力を以下に記載の標準試験により定量する方法がよく知られている。
【0035】
明確化のために言えば、本発明の化合物には、式(I)と本明細書に開示する実施例又は態様のいずれにも存在する原子のすべての同位体が含まれる。例えば、H(又は水素)は、H、H(D)、及びH(T)が含まれる、水素のあらゆる同位体形態(isotopic form)を表し;Cは、12C、13C、及び14Cが含まれる、炭素のあらゆる同位体形態を表し;Oは、16O、17O、及び18Oが含まれる、酸素のあらゆる同位体形態を表し;Nは、13N、14N、及び15Nが含まれる、窒素のあらゆる同位体形態を表し;Pは、31P及び32Pが含まれる、リンのあらゆる同位体形態を表し;Sは、32S及び35Sが含まれる、イオウのあらゆる同位体形態を表し;Fは、19F及び18Fが含まれる、フッ素のあらゆる同位体形態を表し;Clは、35Cl、37Cl、及び36Clが含まれる、塩素のあらゆる同位体形態を表す、等である。好ましい態様において、式(I)によって表される化合物は、その中の原子の同位体をその天然に存在する存在比で含む。しかしながら、ある事例では、1以上の原子を、通常ならばより少ない存在比で存在する特別な同位体で濃縮することが望ましい。例えば、Hは、通常ならば、99.98%より多い存在比で存在する;しかしながら、本発明の化合物は、Hが存在する1以上の位置で、H又はHで濃縮することができる。式(I)の化合物の特別な態様において、例えば、水素が重水素同位体で濃縮されているとき、「D」という記号を使用して、重水素の濃縮を表す。1つの態様において、本発明の化合物が放射活性同位体、例えば、H及び14Cで濃縮されているとき、それらは、薬物及び/又は基質の組織分布アッセイにおいて有用であり得る。本発明には、DNAジャイレース及び/又はトポイソメラーゼIVを阻害する、すべてのそのような同位体形態が含まれると理解されたい。
【0036】
式(I)のある種の化合物とその塩は、非溶媒和型だけでなく、例えば水和型のような溶媒和型で存在し得ることも理解されたい。本発明には、DNAジャイレース及び/又はトポイソメラーゼIVを阻害するすべてのそのような溶媒和型が含まれると理解されたい。
【0037】
本明細書に言及するある種の置換基及び基に特別で好適な意義を以下に続ける。これらの意義は、上記又は下記に開示する定義及び態様のいずれでも適宜使用してよい。疑念の回避のために言えば、それぞれ述べられる種は、本発明の特別で独立した側面を表す。
【0038】
1つの態様において、本発明は、XがCHである、式(I)によって表される化合物を提供する。
別の態様において、本発明は、XがNである、式(I)によって表される化合物を提供する。
【0039】
別の態様において、本発明は、XがCRであり、Rは、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、C1−4アルキル、又はC1−4アルコキシである、式(I)によって表される化合物を提供する。
【0040】
別の態様において、本発明は、LがC2−6アルキニレン、例えば−C≡C−である、式(I)によって表される化合物を提供する。特別な態様において、Lは、−C≡C−(C1−4アルキレン)である。
【0041】
別の態様において、本発明は、LがC2−6アルケニレンである、式(I)によって表される化合物を提供する。特別な態様において、Lは、−CH=CH−(C1−4アルキレン)である。
【0042】
別の態様において、本発明は、LがC1−6アルキレンである、式(I)によって表される化合物を提供する。
別の態様において、本発明は、環Bが5若しくは6員ヘテロアリールであり、そしてここで前記ヘテロアリールが−NH−部分を含有するならば、その窒素は、R15より選択される基によって置換されていてもよく;そしてここで前記ヘテロアリールが=N−若しくは−S−部分を含有するならば、その窒素は、1つのオキソ基によって置換されていてもよくて、そのイオウは、1又は2のオキソ基によって置換されていてもよい、式(I)によって表される化合物を提供する。
【0043】
別の態様において、本発明は、環Bが、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、又はチアゾリルであり;そしてここでピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、又はチアゾリルのそれぞれの=N−は、1つのオキソ基で独立的に置換されていてもよく;そしてここでチアゾリルの−S−部分は、1又は2のオキソ基によって置換されていてもよい、式(I)によって表される化合物を提供する。
【0044】
別の態様において、本発明は、環Bが二環系ヘテロシクリルであり;そしてここで前記ヘテロシクリルが−NH−部分を含有するならば、その窒素は、R15より選択される基によって置換されていてもよく;そしてここで前記ヘテロシクリルが=N−若しくは−S−部分を含有するならば、その窒素は、1つのオキソ基によって置換されていてもよくて、そのイオウは、1又は2のオキソ基によって置換されていてもよい、式(I)によって表される化合物を提供する。
【0045】
別の態様において、本発明は、環Bがキノキサリニル又は5,6−ジヒドロ[1,3]チアゾロ[4,5−d]ピリダジン−4,7−ジオンであり;そしてここで5,6−ジヒドロ[1,3]チアゾロ[4,5−d]ピリダジン−4,7−ジオンのそれぞれの−NH−部分は、R15より選択される基によって独立的に置換されていてもよく;そしてここでキノキサリニル又は5,6−ジヒドロ[1,3]チアゾロ[4,5−d]ピリダジン−4,7−ジオンのそれぞれの=N−は、1つのオキソ基で独立的に置換されていてもよく;そしてここで5,6−ジヒドロ[1,3]チアゾロ[4,5−d]ピリダジン−4,7−ジオンの−S−部分は、1又は2のオキソ基によって置換されていてもよい、式(I)によって表される化合物を提供する。
【0046】
別の態様において、本発明は、環Bがピリジニルであり;そしてここで=N−は、1つのオキソ基で置換されていてもよい、式(I)によって表される化合物を提供する。1つの態様において、環Bは、未置換ピリジニルである。
【0047】
別の態様において、本発明は、環BがC3−14カルボシクリル、例えばフェニルである、式(I)によって表される化合物を提供する。
別の態様において、本発明は、RがC1−6アルキルである、式(I)によって表される化合物を提供する。例えば、Rは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、及びtert−ブチルである。特別な態様において、Rは、エチルである。
【0048】
別の態様において、本発明は、Rが水素である、式(I)によって表される化合物を提供する。
別の態様において、本発明は、RがC1−6アルキルである、式(I)によって表される化合物を提供する。例えば、Rは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、及びtert−ブチルである。
【0049】
別の態様において、本発明は、Rが5員ヘテロアリールであり;そしてここで該ヘテロアリールは、1以上の炭素原子上で1以上のR10によって置換されていてもよく;そしてここで前記ヘテロアリールが=N−若しくは−S−部分を含有するならば、その窒素は、1つのオキソ基によって置換されていてもよくて、そのイオウは、1又は2のオキソ基によって置換されていてもよく;そしてここで前記ヘテロアリールが−NH−部分を含有するならば、その窒素は、R11より選択される基によって置換されていてもよい、式(I)によって表される化合物を提供する。この態様の1つの側面において、R10は、メチル、フェニル、トリフルオロメチル、及びピリジニルからなる群より選択される。この態様の別の側面において、R11は、メチルである。
【0050】
別の態様において、本発明は、Rがチアゾリルであり;そしてここで該チアゾリルは、炭素上で1以上のR10によって置換されていてもよく;そしてここで該チアゾリルの=N−は、1つのオキソ基によって置換されていてもよく;そしてここで該チアゾリルの−S−は、1又は2のオキソ基によって置換されていてもよい、式(I)によって表される化合物を提供する。この態様の1つの側面において、R10は、メチル、フェニル、トリフルオロメチル、及びピリジニルからなる群より選択される。この態様の別の側面において、R11は、メチルである。
【0051】
別の態様において、本発明は、Rが1,3,4−オキサジアゾリルであり;そしてここで該1,3,4−オキサジアゾリルは、1以上の炭素上で1以上のR10によって置換されていてもよく;そしてここで該1,3,4−オキサジアゾリルのそれぞれの=N−は、1つのオキソ基によって独立的に置換されていてもよい、式(I)によって表される化合物を提供する。この態様の1つの側面において、R10は、メチル、フェニル、トリフルオロメチル、及びピリジニルからなる群より選択される。この態様の別の側面において、R11は、メチルである。
【0052】
別の態様において、本発明は、Rが1H−ピラゾリルであり;そしてここで該1H−ピラゾリルは、1以上の炭素上で1以上のR10によって置換されていてもよく;そしてここで該1H−ピラゾリルの=N−は、1つのオキソ基によって置換されていてもよく;そしてここで該1H−ピラゾリルの−NH−部分は、R11より選択される基によって置換されていてもよい、式(I)によって表される化合物を提供する。この態様の1つの側面において、R10は、メチル、フェニル、トリフルオロメチル、及びピリジニルからなる群より選択される。この態様の別の側面において、R11は、メチルである。
【0053】
別の態様において、本発明は、Rが1,3−ベンゾチアゾリルであり;そしてここで該1,3−ベンゾチアゾリルは、1以上の炭素上で1以上のR10によって置換されていてもよく;そしてここで該1,3−ベンゾチアゾリルの=N−は、1つのオキソ基によって置換されていてもよく;そしてここで該1,3−ベンゾチアゾリルの−S−は、1又は2のオキソ基によって置換されていてもよい、式(I)によって表される化合物を提供する。この態様の1つの側面において、R10は、メチル、フェニル、トリフルオロメチル、及びピリジニルからなる群より選択される。この態様の別の側面において、R11は、メチルである。
【0054】
別の態様において、Rは、1以上の炭素原子上で、1以上の独立的に選択されるR10で置換されていてもよい(C1−6アルキル)シリルである。1つの態様において、Rは、トリメチルシリルである。
【0055】
別の態様において、Rは、1以上の炭素原子上で、1以上の独立的に選択されるR10で置換されていてもよいC1−6アルキルである。1つの態様において、R10は、それぞれの出現について、C1−6アルコキシ、−O−C3−6炭素環、及び−O−ヘテロシクリルより独立して選択される。1つの態様において、Rは、メトキシメチルである。別の態様において、Rは、テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシである。
【0056】
別の態様において、本発明は、Rが、4−トリフルオロメチ−チアゾール−2−イル、4−(ピリジン−2−イル)−チアゾール−2−イル、4−フェニル−チアゾール−2−イル、1,3−ベンゾチアゾール−2−イル、2−(ピリジン−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−5−イル、1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル、1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル、2−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−5−イル、又は4−(ピリジン−4−イル)−チアゾール−2−イルである、式(I)によって表される化合物を提供する。
【0057】
別の態様において、本発明は、Rがピリジニルであり;そしてここで=N−は、1つのオキソ基で置換されていてもよい、式(I)によって表される化合物を提供する。1つの態様において、Rは、未置換ピリジニルである。
【0058】
別の態様において、本発明は、Rが、1以上の炭素原子上で、1以上のR10で置換されていてもよいC6−14アリールである、式(I)によって表される化合物を提供する。
【0059】
別の態様において、本発明は、Rが5員の芳香族ヘテロシクリルであり;そしてここで該ヘテロシクリルは、1以上の炭素原子上で、1以上のR14で置換されていてもよく;そしてここで前記ヘテロシクリルが=N−若しくは−S−部分を含有するならば、その窒素は、1つのオキソ基によって置換されていてもよくて、そのイオウは、1又は2のオキソ基によって置換されていてもよく;そしてここで前記ヘテロシクリルが−NH−部分を含有するならば、その窒素は、R17より選択される基によって置換されていてもよい、式(I)によって表される化合物を提供する。この態様の1つの側面において、R14は、C1−4アルキル又はヒドロキシからなる群より選択される。この態様の別の側面において、R17は、C1−4アルキルである。
【0060】
別の態様において、本発明は、Rが、1,3,4−オキサジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1H−テトラゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1H−ピラゾリル、3H−1,2,3,5−オキサチアジアゾリル、1H−イミダゾリル、モルホリニル、4,5−ジヒドロ−オキサゾリル、及び1H−1,2,4−トリアゾリルからなる群より選択され、ここで該1,3,4−オキサジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1H−テトラゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1H−ピラゾリル、3H−1,2,3,5−オキサチアジアゾリル、1H−イミダゾリル、モルホリニル、4,5−ジヒドロ−オキサゾリル、及び1H−1,2,4−トリアゾリルは、1以上の炭素原子上で、1以上のR14で置換されていてもよく;そしてここで1,3,4−オキサジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1H−テトラゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1H−ピラゾリル、3H−1,2,3,5−オキサチアジアゾリル、1H−イミダゾリル、4,5−ジヒドロ−オキサゾリル、及び1H−1,2,4−トリアゾリルの=N−部分は、1つのオキソ基で置換されていてもよくて、1,3,4−チアジアゾリル又は3H−1,2,3,5−オキサチアジアゾリルの−S−部分は、1又は2のオキソ基によって置換されていてもよく;そしてここで1H−テトラゾリル、1H−ピラゾリル、3H−1,2,3,5−オキサチアジアゾリル、1H−イミダゾリル、モルホリニル、又は1H−1,2,4−トリアゾリルの−NH−部分は、R17より選択される基によって置換されていてもよい、式(I)によって表される化合物を提供する。この態様の1つの側面において、R14は、C1−4アルキル又はヒドロキシからなる群より選択される。この態様の別の側面において、R17は、C1−4アルキルである。
【0061】
別の態様において、本発明は、Rが以下の式:
【0062】
【化2】

【0063】
[式中、「*」は、環Bへの付加点を表す]によって表される基である、式(I)によって表される化合物を提供する。
別の態様において、本発明は、mが0である、式(I)によって表される化合物を提供する。
【0064】
別の態様において、本発明は、mが0であってXがCHである、式(I)によって表される化合物を提供する。
別の態様において、本発明は、mが0であってXがNである、式(I)によって表される化合物を提供する。
【0065】
別の態様において、本発明は、mが1である、式(I)によって表される化合物を提供する。
別の態様において、本発明は、pが0である、式(I)によって表される化合物を提供する。
【0066】
別の態様において、本発明は、pが0であってRが水素である、式(I)によって表される化合物を提供する。この態様の1つの側面において、環Bは、ピリジン又はキノキサリニルである。
【0067】
別の態様において、本発明は、pが1である、式(I)によって表される化合物を提供する。この態様の1つの側面において、Rは、シアノ、ブロモ、メチルスルホニル、スルファモイル、又はブチルオキシである。
【0068】
別の態様において、本発明は、pが1であってRが水素である、式(I)によって表される化合物を提供する。この態様の1つの側面において、Rは、シアノ、ブロモ、メチルスルホニル、スルファモイル、又はブチルオキシである。
【0069】
別の態様において、本発明は、pが2である、式(I)によって表される化合物を提供する。この態様の1つの側面において、Rは、それぞれの出現について、シアノ、ブロモ、メチルスルホニル、スルファモイル、及びブチルオキシより独立して選択される。
【0070】
別の態様において、本発明は、pが3である、式(I)によって表される化合物を提供する。この態様の1つの側面において、Rは、それぞれの出現について、シアノ、ブロモ、メチルスルホニル、スルファモイル、及びブチルオキシより独立して選択される。
【0071】
特別な態様において、本発明は:
XがCHであり;
Lは、−C≡C−であり;
環Bは、ピリジニルであり;
は、C1−4アルキルであり;
は、水素であり;
は、チアゾリルであり;ここで該チアゾリルは、炭素上で1以上のR10によって置換されていてもよい;
は、1,3,4−オキサジアゾリル、1H−テトラゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1H−1,2,4−トリアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、4,5−ジヒドロ−オキサゾリル、1H−ピラゾリル、2−オキソ−3H−1,2,3,5−オキサチアジアゾリル、1H−イミダゾリル、及びモルホリニルからなる群より選択され;ここで該1,3,4−オキサジアゾリル、1H−テトラゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1H−1,2,4−トリアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、4,5−ジヒドロ−オキサゾリル、1H−ピラゾリル、2−オキソ−3H−1,2,3,5−オキサチアジアゾリル、1H−イミダゾリル、及びモルホリニルは、1以上の炭素原子上で、1以上のR14で置換されていてもよく;そしてここで1H−テトラゾリル、1H−ピラゾリル、1H−イミダゾリル、モルホリニル、又は1H−1,2,4−トリアゾリルの−NH−部分は、メチルによって置換されていてもよい;
10は、トリフルオロメチルピリジニル、フェニル、1−メチル−1H−ピラゾリルであり;
mは、0であり;そして
pは、0である、上記に引用したような構造式(I)を有する化合物を提供する。
【0072】
特別な態様において、本発明は:
XがCHであり;
Lは、−C≡C−であり;
環Bは、ピリジニルであり;
は、C1−4アルキルであり;
は、水素であり;
は、ピリジニルであり;
は、1,3,4−オキサジアゾリル、1H−テトラゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1H−1,2,4−トリアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、4,5−ジヒドロ−オキサゾリル、1H−ピラゾリル、2−オキソ−3H−1,2,3,5−オキサチアジアゾリル、1H−イミダゾリル、及びモルホリニルからなる群より選択され;ここで該1,3,4−オキサジアゾリル、1H−テトラゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1H−1,2,4−トリアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、4,5−ジヒドロ−オキサゾリル、1H−ピラゾリル、2−オキソ−3H−1,2,3,5−オキサチアジアゾリル、1H−イミダゾリル、及びモルホリニルは、1以上の炭素原子上で、1以上のR14で置換されていてもよく;そしてここで該1H−テトラゾリル、1H−ピラゾリル、1H−イミダゾリル、モルホリニル、又は1H−1,2,4−トリアゾリルの−NH−部分は、メチルによって置換されていてもよい;
mは、0であり;そして
pは、0である、上記に引用したような構造式(I)を有する化合物を提供する。
【0073】
特別な態様において、本発明は:
XがCHであり;
Lは、−C≡C−であり;
環Bは、ピリジニルであり;
は、C1−4アルキルであり;
は、水素であり;
は、ピリジニルであり;
は、5−ヒドロキシ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イルからなる群より選択され;
mは、0であり;そして
pは、0である、上記に引用したような構造式(I)を有する化合物を提供する。
【0074】
特別な態様において、本発明は:
XがCHであり;
Lは、−C≡C−であり;
環Bは、ピリジニルであり;
は、C1−4アルキルであり;
は、水素であり;
は、水素であり;
は、1,3,4−オキサジアゾリル、1H−テトラゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1H−1,2,4−トリアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、4,5−ジヒドロ−オキサゾリル、1H−ピラゾリル、2−オキソ−3H−1,2,3,5−オキサチアジアゾリル、1H−イミダゾリル、及びモルホリニルからなる群より選択され;ここで該1,3,4−オキサジアゾリル、1H−テトラゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1H−1,2,4−トリアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、4,5−ジヒドロ−オキサゾリル、1H−ピラゾリル、2−オキソ−3H−1,2,3,5−オキサチアジアゾリル、1H−イミダゾリル、及びモルホリニルは、1以上の炭素原子上で、1以上のR14で置換されていてもよく;そしてここで該1H−テトラゾリル、1H−ピラゾリル、1H−イミダゾリル、モルホリニル、又は1H−1,2,4−トリアゾリルの−NH−部分は、メチルによって置換されていてもよい;
mは、0であり;そして
pは、0である、上記に引用したような構造式(I)を有する化合物を提供する。
【0075】
特別な態様において、本発明は:
XがCHであり;
Lは、−C≡C−であり;
環Bは、ピリジニルであり;
は、C1−4アルキルであり;
は、水素であり;
は、水素であり;
は、5−ヒドロキシ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イルからなる群より選択され;
mは、0であり;そして
pは、0である、上記に引用したような構造式(I)を有する化合物を提供する。
【0076】
特別な態様において、本発明は:
XがCHであり;
Lは、−C≡C−であり;
環Bは、ピリジニルであり;
は、C1−4アルキルであり;
は、水素であり;
は、トリメチルシリルであり;
は、1,3,4−オキサジアゾリル、1H−テトラゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1H−1,2,4−トリアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、4,5−ジヒドロ−オキサゾリル、1H−ピラゾリル、2−オキソ−3H−1,2,3,5−オキサチアジアゾリル、1H−イミダゾリル、及びモルホリニルからなる群より選択され;ここで該1,3,4−オキサジアゾリル、1H−テトラゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1H−1,2,4−トリアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、4,5−ジヒドロ−オキサゾリル、1H−ピラゾリル、2−オキソ−3H−1,2,3,5−オキサチアジアゾリル、1H−イミダゾリル、及びモルホリニルは、1以上の炭素原子上で、1以上のR14で置換されていてもよく;そしてここで該1H−テトラゾリル、1H−ピラゾリル、1H−イミダゾリル、モルホリニル、又は1H−1,2,4−トリアゾリルの−NH−部分は、メチルによって置換されていてもよい;
mは、0であり;そして
pは、0である、上記に引用したような構造式(I)を有する化合物を提供する。
【0077】
特別な態様において、本発明は:
XがCHであり;
Lは、−C≡C−であり;
環Bは、ピリジニルであり;
は、C1−4アルキルであり;
は、水素であり;
は、トリメチルシリルであり;
は、5−ヒドロキシ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イルからなる群より選択され;
mは、0であり;そして
pは、0である、上記に引用したような構造式(I)を有する化合物を提供する。
【0078】
特別な態様において、本発明は:
XがCHであり;
Lは、−C≡C−であり;
環Bは、ピリジニルであり;
pは、1であり;
は、C1−4アルキルであり;
は、水素であり;
は、チアゾリルであり;ここで該チアゾリルは、炭素上で1以上のR10によって置換されていてもよい;
は、水素であり;
は、スルファモイル、メシル、シアノ、又はハロであり;
10は、トリフルオロメチルピリジニル、フェニル、1−メチル−1H−ピラゾリルであり;そして
mは、0である、上記に引用したような構造式(I)を有する化合物を提供する。
【0079】
特別な態様において、本発明は:
XがCHであり;
Lは、−C≡C−であり;
環Bは、ピリジニル、キノキサリニル、又は5,6−ジヒドロ[1,3]チアゾロ[4,5−d]ピリダジン−4,7−ジオンであり;
は、C1−4アルキルであり;
は、水素であり;
は、チアゾリルであり;ここで該チアゾリルは、炭素上で1以上のR10によって置換されていてもよい;
は、水素であり;
10は、トリフルオロメチルピリジニル、フェニル、1−メチル−1H−ピラゾリルであり;
mは、0であり;そして
pは、0である、上記に引用したような構造式(I)を有する化合物を提供する。
【0080】
本発明の特別な化合物は、「実施例」の化合物とその医薬的に許容される塩であり、そのいずれも本発明のさらに独立した側面を提供する。
別の態様において、本発明は、医薬的に許容される賦形剤又は担体と式(I)によって表される化合物又はその医薬的に許容される塩を含んでなる医薬組成物を提供する。
【0081】
さらなる側面において、本発明は、式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩を製造するための方法を提供し、ここで以下のスキーム中の可変基は、他に特定されなければ、式(I)に定義される通りである。一般に、本発明の化合物は、スキームI及びIIに示すように、ボロン酸エステル誘導体(i)又は(v)とハロ又はトリフレート誘導体(ii)又は(iv)のパラジウム触媒化 Suzuki カップリング反応に Heck 反応又は Sonogashira 反応を続けて、(それぞれ)アルケニルリンカー又はアルキニルリンカーとR基(スキームIII、式(Ia)及び(Ib)を参照のこと)を付加することによって製造することができる。典型的には、Suzuki カップリング反応は、CsCOのような塩基の存在下に加熱して行う。式(Ia)又は(Ib)は、水素ガスのような水素源と、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、又はニッケル触媒のような金属触媒を使用して水素化して、アルキレン連結R基(スキームIII、式(Ic))を有する、本発明の化合物を生成することができる。スキームIIIは、Suzuki カップリング反応の後でアルケニレン及びアルキニレンリンカーを付加するHeck 又は Sonogahira 反応を示すが、この反応は、代わりの順序でも実施することができる。
【0082】
【化3】

【0083】
【化4】

【0084】
【化5】

【0085】
ボロン酸エステル誘導体は、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−二塩化パラジウムの有機溶媒中の存在下に、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)のような二ホウ素化合物とともにハロ誘導体を加熱することによって製造することができる。
【0086】
本発明の化合物の尿素部分は、イソシアネート誘導体より、Suzuki カップリング反応の前(スキームI及びIIに示すように)又は後、又はアミン誘導体からの−L−Rの付加の前又は後のいずれかで製造することができる。この Suzuki カップリング反応又は−L−Rの付加を尿素の形成の前に実施するならば、このアミンは、アミン保護基で保護する。尿素誘導体を生成するとき、イソシアネート誘導体(vii)は、スキームIVに示すように、典型的には有機溶媒中でアミン誘導体(vi)と組み合わせて、加熱する。この溶媒は、水性、有機性、又は水混和性有機溶媒及び水の混合物であり得る。
【0087】
【化6】

【0088】
一般に、Rがヘテロシクリルであるとき、スキームI及びIIに示すものに類似した Suzuki カップリング反応によってそれを付加することができる。Rは、環Bを環Aへカップリングさせる前又は後、又は−L−Rの付加の前又は後のいずれでも環Bへカップリングさせることができる。
【0089】
あるいは、Rがヘテロシクリルであるとき、それは、エステル誘導体より、環Bの環Aへのカップリングの前又は後のいずれでも製造することができる。例えば、Rがチアゾリル基であるとき、アンモニアのアルコール溶液でエステル誘導体(ix)を処理することによって、それをアミド(x)へ変換することができる。次いで、このアミド誘導体(x)は、このアミドを Lawessons 試薬で処理することによって、チオアミド(xi)へ変換することができる。次いで、このチオアミド(xi)をα−ハロ−ケトン又はα−ハロ−アルデヒド(xii)とともに加熱して、トリフルオロ酢酸のような酸での処理を続けて、チアゾール(xii)を生成する(スキームVを参照のこと)。スキームVでは、環Aを環Bへ付加する Suzuki カップリング反応の前にチアゾール環を製造するが、それは、エステル誘導体のカップリング反応の後でも製造することができる。同様に、Rチアゾール環は、R−L−の環Aへの付加の前又は後のいずれでも製造することができる。
【0090】
【化7】

【0091】
がテトラゾリルであるとき、それは、スキームVIに示すように、シアノ誘導体を溶媒中でアジ化ナトリウム及び塩化アンモニウムとともに加熱することによって製造することができる。Rテトラゾリル基は、スキームVIに示す反応によって、環Bの環Aへのカップリングの前又は後、又はR−L−の付加の前又は後のいずれでも製造することができる。
【0092】
【化8】

【0093】
が1,3,4−オキサジアゾリル基であるとき、それは、エステル誘導体(xvi)より、該エステルを塩基で処理してカルボン酸(xvii)を生成することによって製造することができる。次いで、このカルボン酸(xvii)を、アミドカップリング試薬、HATUの存在下にヒドラジド誘導体(xviii)へカップリングさせて、ジヒドラジド誘導体(xix)を生成する。次いで、スキームVIIに示すように、このジヒドラジド(xix)を過剰量の非プロトン性塩基の存在下に非プロトン性有機溶媒中のトリフェニルホスフィンで処理して、R基が1,3,4−オキサジアゾリルである本発明の化合物(xx)を生成する。Rの1,3,4−オキサジアゾリル基は、スキームVIIに示す反応によって、環Bの環Aへのカップリングの前又は後、又はR−L−の付加の前又は後のいずれでも製造することができる。
【0094】
【化9】

【0095】
が1,3,4−チアジアゾリル基であるとき、それは、ジヒドラジド誘導体(xix)より製造することができる(このジヒドラジド誘導体の製造についてはスキームVIIを参照のこと)。スキームVIIIに示すように、このジヒドラジド誘導体(xix)を有機溶媒中に五硫化二リン及びヘキサメチルジシロキサンとともに加熱して、R:1,3,4−チアジアゾリル基を有する本発明の化合物(xxi)を生成する。Rの1,3,4−チアジアゾリル基は、スキームVIIIに示す反応によって、環Bの環Aへのカップリングの前又は後、又は−L−Rの付加の前又は後のいずれでも製造することができる。
【0096】
【化10】

【0097】
が2−オキソ−1,3,4−オキサジアゾリル又は2−チオキソ−1,3,4−オキサジアゾリル基であるとき、それは、カルボン酸(xvii)より製造することができる(このカルボン酸誘導体の製造についてはスキームVIIを参照のこと)。カルボン酸誘導体(xvii)をアルコール中のヒドラジン水和物とともに加熱して、ヒドラジド誘導体(xxii)を生成する。次いで、スキームIXに示すように、このヒドラジド誘導体(xxii)を非プロトン性溶媒中の非プロトン性塩基の存在下にカルボニルジイミダゾール又はジ(1H−イミダゾール−2−イル)メタンチオン(xxiii)と反応させて、R:2−オキソ−1,3,4−オキサジアゾリル又は2−チオキソ−1,3,4−オキサジアゾリル基を有する本発明の化合物(xxiv)を生成する。Rの2−オキソ−1,3,4−オキサジアゾリル又は2−チオキソ−1,3,4−オキサジアゾリル基は、スキームIXに示す反応によって、環Bの環Aへのカップリングの前又は後、又は−L−Rの付加の前又は後のいずれでも製造することができる。
【0098】
【化11】

【0099】
が1,2,4−トリアゾリル基であるとき、それは、アミド誘導体(xxv)より、1−(N,N−ジメチルアミノ)−1,1−ジメトキシ−エタン(xxvi)中でそれを加熱することによって化合物(xxvii)を生成して製造することができる。次いで、スキームXに示すように、化合物(xxvii)を酢酸中のアセトヒドラジドとともに加熱して、R:1,2,4−トリアゾリル基を有する本発明の化合物(xxviii)を生成する。Rの1,2,4−トリアゾリル基は、スキームXに示す反応によって、環Bの環Aへのカップリングの前又は後、又は−L−Rの付加の前又は後のいずれでも製造することができる。
【0100】
スキームXに示すように、Rが1,2,4−オキサジアゾリル基であるとき、それは、(xxvii)より、水酸化ナトリウムのジオキサン中70%酢酸溶液において(xxvii)を塩酸ヒドロキシルアミンとともに加熱することによって、Rが1,2,4−オキサジアゾリル基である本発明の化合物(xxix)を生成して製造することができる。Rの1,2,4−オキサジアゾリル基は、スキームXに示す反応によって、環Bの環Aへのカップリングの前又は後、又は−L−Rの付加の前又は後のいずれでも製造することができる。
【0101】
【化12】

【0102】
がイミダゾリル基であるとき、それは、シアノ誘導体(xiv)より、ナトリウムメトキシドのメタノール溶液においてこのシアノ誘導体(xiv)を室温で数時間撹拌することによって製造することができる。次いで、スキームXIに示すように、この溶液へ1,1−ジメトキシ−2−アミノエタン(xxx)を加えてそれを加熱して、Rがイミダゾリル基である本発明の化合物(xxxi)を得る。Rのイミダゾリル基は、スキームXIに示す反応によって、環Bの環Aへのカップリングの前又は後、又は−L−Rの付加の前又は後のいずれでも製造することができる。
【0103】
【化13】

【0104】
医薬的に許容される塩の生成は、標準技術を使用する通常の有機化学者の技量内にある。
本発明の化合物中の様々な環置換基のあるものは、上記に述べた方法に先立って、又はそのすぐ後で、標準の芳香族置換反応により導入しても、慣用の官能基修飾により生成してもよく、それ自体が本発明の方法の側面に含まれると理解されよう。そのような環置換基を導入するために使用される試薬は、市販されているか、又は当該技術分野で知られた方法により作製する。
【0105】
置換基の環への導入により、式(I)のある化合物を式(I)の別の化合物へ変換してよい。そのような反応及び修飾には、例えば、芳香族置換反応による置換基の導入、置換基の還元、置換基のアルキル化、置換基の酸化、置換基のエステル化、置換基のアミド化、ヘテロアリール環の形成が含まれる。そのような手順の試薬及び反応条件は、化学の技術分野でよく知られている。芳香族置換反応の特別な例には、アルコキシドの導入、ジアゾ化反応に続くチオール基、アルコール基、ハロゲン基の導入が含まれる。修飾の例には、アルキルチオのアルキルスルフィニル又はアルキルスルホニルへの酸化が含まれる。
【0106】
熟練した有機化学者は、上記の参考文献とその中の付帯の実施例、そして本明細書の実施例に含まれて参考になる情報を使用及び採用して、必要な出発材料と生成物を入手することができよう。市販されていなければ、上記に記載のような手順に必要な出発材料は、標準の有機化学技術、既知の構造的に似た化合物の合成に類似した技術、又は上記に記載の手順又は実施例に記載の手順に類似している技術より選択される手順によって作製してよい。上記に記載のような合成法の出発材料の多くは、市販されている、及び/又は科学文献に広く報告されている、又は科学文献に報告された方法の適用を使用して、市販の化合物より作製することができることが注目される。読者には、反応条件及び試薬に関する一般ガイダンスとして「先端有機化学(Advanced Organic Chemistry)第4版」Jerry March 著、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ出版(1992)がさらに参考になる。
【0107】
本明細書に述べた反応の中には、化合物中の鋭敏な基を保護することが必要である/望ましい場合があることも理解されよう。保護化が必要であるか又は望ましい事例は、そのような保護化に適した方法と同様に、当業者に知られている。標準法に従って、慣用の保護基を使用してよい(例示については、T. M. Greene「有機合成の保護基(Protective Groups in Organic Chemistry)」ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(1991)を参照のこと)。
【0108】
ヒドロキシ基に適した保護基の例は、例えば、アシル基、例えばアセチルのようなアルカノイル基、アロイル基、例えばベンゾイル、トリメチルシリルのようなシリル基、又はアリールメチル基、例えばベンジルである。上記保護基の脱保護条件は、必然的に、保護基の選択に応じて変化する。従って、例えば、アルカノイルのようなアシル基、又はアロイル基は、例えば、アルカリ金属水酸化物、例えば水酸化リチウム又はナトリウムのような好適な塩基での加水分解によって外してよい。あるいは、トリメチルシリルのようなシリル基は、例えば、フッ化物によるか又は酸水溶液によって外してよく;又は、ベンジル基のようなアリールメチル基は、例えば、パラジウム担持カーボンのような触媒の存在下の水素化により外してよい。
【0109】
アミノ基に適した保護基は、例えば、アシル基、例えばアセチルのようなアルカノイル基、アルコキシカルボニル基、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、又はt−ブトキシカルボニル基、アリールメトキシカルボニル基、例えばベンジルオキシカルボニル、又はアロイル基、例えばベンゾイルである。上記保護基の脱保護条件は、必然的に、保護基の選択に応じて変化する。従って、例えば、アルカノイル又はアルコキシカルボニル基のようなアシル基、又はアロイル基は、例えば、アルカリ金属水酸化物、例えば水酸化リチウム又はナトリウムのような好適な塩基での加水分解によって外してよい。あるいは、t−ブトキシカルボニル基のようなアシル基は、例えば、塩酸、硫酸、又はリン酸、又はトリフルオロ酢酸のような好適な酸での処理により外してよく、ベンジルオキシカルボニル基のようなアリールメトキシカルボニル基は、例えば、パラジウム担持カーボンのような触媒上での水素化により、又はルイス酸、例えばtris(トリフルオロ酢酸)ホウ素での処理により外してよい。一級アミノ基に適した代用の保護基は、例えばフタロイル基であり、これは、アルキルアミン、例えばジメチルアミノプロピルアミン又は2−ヒドロキシエチルアミンでの、又はヒドラジンでの処理により外してよい。
【0110】
カルボキシ基に適した保護基は、例えば、エステル化基(例えばメチル又はエチル基であり、これは、例えば、水酸化ナトリウムのような塩基での加水分解によって外してよい)、又は例えばt−ブチル基(例えば、酸、例えばトリフルオロ酢酸のような有機酸での処理により外してよい)、又は、例えばベンジル基(例えば、パラジウム担持カーボンのような触媒上での水素化により外してよい)、又は、例えばアリル基(例えば、酢酸パラジウムのようなパラジウム触媒の使用によって外してよい)である。
【0111】
保護基は、化学の技術分野でよく知られた慣用の技術を使用して、合成中のどの簡便な段階で外してもよく、また、それらは、後の反応工程又は後処理の間に外してもよい。
本発明の化合物の光学活性型が求められる場合、それは、光学活性の出発材料(例えば、好適な反応工程の不斉誘導により生成する)を使用して上記手順の1つを行うことによるか、又は標準手順を使用して化合物又は中間体のラセミ型を分割することによるか、又はジアステレオ異性体(生成される場合)のクロマトグラフィー分離により入手してよい。光学活性化合物及び/又は中間体の製造には、酵素技術が有用な場合もある。
【0112】
同様に、本発明の化合物の純粋な位置異性体が求められる場合、それは、純粋な位置異性体を出発材料として使用して上記の手順の1つを行うことによるか、又は標準手順を使用する位置異性体又は中間体の混合物の分割によって入手してよい。
【0113】
酵素力価試験法
大腸菌(E.coli)GyrB ATPアーゼ阻害活性:化合物について、モリブデン酸アンモニウム/マラカイトグリーンをベースとするリン酸検出アッセイ(Lanzetta, P. A., L. J. Alvarez, P. S. Reinach, and O. A. Candia, 1979, 100: 95-97)を使用して、大腸菌GyrB ATPアーゼ活性の阻害を試験することができる。アッセイは、マルチウェルプレートにおいて、50mM Hepes緩衝液(pH7.5)、75mM酢酸アンモニウム、8.0mM塩化マグネシウム、0.5mMエチレンジアミン四酢酸、5%グリセロール、1mM 1,4−ジチオ−DL−スレイトール、200nMウシ血清アルブミン、1.6μg/ml剪断サケ精子DNA、400pM 大腸菌GyrA、400pM 大腸菌GyrB、250μM ATP、及び化合物をジメチルスルホキシド中に含有する30μl反応物において実施することができる。1.2mMマラカイトグリーン塩酸塩、8.5mMモリブデン酸アンモニウム四水和物、及び1M塩酸を含有する30μlのモリブデン酸アンモニウム/マラカイトグリーン検出試薬で反応物を冷ますことができる。プレートを吸光度プレートリーダーにおいて650nmで読み取ることができて、ジメチルスルホキシド(2%)含有反応物を0%阻害として、そしてEDTA含有(2.4μM)反応物を100%阻害対照として使用して、阻害百分率の値を算出する。10種の異なる化合物濃度の存在下に実施する反応より、各化合物の化合物力価のIC50測定値を定量することができる。
【0114】
大腸菌トポイソメラーゼIV ATPアーゼ阻害活性:化合物について、先の30μl反応物が以下:20mM TRIS緩衝液(pH8)、50mM酢酸アンモニウム、8mM塩化マグネシウム、5%グリセロール、5mM 1,4−ジチオ−DL−スレイトール、0.005% Brij−35、5μg/ml剪断サケ精子DNA、500pM 大腸菌ParC、500pM 大腸菌ParE、160μM ATP、及び化合物をジメチルスルホキシド中に含有すること以外は、大腸菌GyrBについて上記に記載したようにして、大腸菌トポイソメラーゼIV ATPアーゼ活性の阻害を試験することができる。10種の異なる化合物濃度の存在下に実施する反応より、各化合物の化合物力価のIC50測定値を定量することができる。
【0115】
実施例1の化合物について、大腸菌GyrB ATPアーゼ及び大腸菌トポイソメラーゼIV ATPアーゼの阻害を測定するための、上記に記載のアッセイに実質的に類似したアッセイにおいて試験して、両方のアッセイにおいて200μM未満のIC50値を得た。
【0116】
S. aureus(黄色ブドウ球菌)GyrB ATPアーゼ阻害活性:化合物について、モリブデン酸アンモニウム/マラカイトグリーンをベースとするリン酸検出アッセイ(Lanzetta, P. A., L. J. Alvarez, P. S. Reinach, and O. A. Candia, 1979, 100: 95-97)を使用して、S. aureus GyrB ATPアーゼ活性の阻害を試験することができる。アッセイは、マルチウェルプレートにおいて、50mM Hepes緩衝液(pH7.5)、75mM酢酸アンモニウム、8.0mM塩化マグネシウム、0.5mMエチレンジアミン四酢酸、5%グリセロール、1.0mM 1,4−ジチオ−DL−スレイトール、200nMウシ血清アルブミン、1.0μg/ml剪断サケ精子DNA、250pM 大腸菌GyrA、250pM S. aureus GyrB、250μM ATP、及び化合物をジメチルスルホキシド中に含有する30μl反応物において実施することができる。1.2mMマラカイトグリーン塩酸塩、8.5mMモリブデン酸アンモニウム四水和物、及び1M塩酸を含有する30μlのモリブデン酸アンモニウム/マラカイトグリーン検出試薬で反応物を冷ますことができる。プレートを吸光度プレートリーダーにおいて650nmで読み取ることができて、ジメチルスルホキシド(2%)含有反応物を0%阻害として、そしてEDTA含有(2.4μM)反応物を100%阻害対照として使用して、阻害百分率の値を算出することができる。10種の異なる化合物濃度の存在下に実施する反応より、各化合物の化合物力価のIC50測定値を定量することができる。
【0117】
実施例1の化合物について、S. aureus GyrB ATPアーゼの阻害を測定するための、上記に記載のアッセイに実質的に類似したアッセイにおいて試験して、1μMの化合物濃度で、102%の S. aureus GyrB ATPアーゼの阻害百分率を有することを見出した。
【0118】
細菌感受性試験法
化合物について、液体培地中の感受性試験によって抗微生物活性を試験することができる。化合物をジメチルスルホキシドに溶かして、10回の倍々希釈液において、感受性アッセイで試験してよい。アッセイに使用する微生物を好適な寒天培地上で一晩増殖させてから、その微生物の増殖に適した液体培地に懸濁してよい。この懸濁液は、0.5マクファーランド(McFarland)であり得て、同じ液体培地でさらに10倍希釈して、最終の微生物懸濁液を100μLで調製することができる。プレートを適正な条件下に37℃で24時間インキュベートしてから読み取ることができる。増殖を80%以上抑制することが可能な最低の薬物濃度として最小阻止濃度(MIC)を決定してよい。
【0119】
上記と同等のアッセイにおいて、実施例1は、Streptococcus pneumoniae(肺炎連鎖球菌)に対して0.2μMのMICを有した。
本発明のさらなる特徴により、式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩を、ヒト又は動物の身体の療法による治療の方法における使用に提供する。
【0120】
1つの態様において、本発明は、細菌感染症をヒトのような動物において治療する方法を提供し、該方法は、式(I)のあらゆる化合物又はその医薬的に許容される塩の有効量を該動物又はヒトへ投与することを含んでなる。
【0121】
我々は、本発明の化合物が細菌のDNAジャイレース及び/又はトポイソメラーゼIVを阻害して、それ故に、その抗菌効果が興味深いことを見出した。本発明の1つの側面において、本発明の化合物は、細菌DNAジャイレースを阻害して、それ故にその抗菌効果が興味深い。本発明の1つの側面において、本発明の化合物は、トポイソメラーゼIVを阻害して、それ故にその抗菌効果が興味深い。本発明の1つの側面において、本発明の化合物は、DNAジャイレースとトポイソメラーゼIVをともに阻害して、それ故にその抗菌効果が興味深い。このように、本発明の化合物は、細菌感染症を治療又は予防するのに有用である。
【0122】
本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Acinetobacterbaumanii(アシネトバクター・バウマニ)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Acinetobacterhaemolyticus(アシネトバクター・ヘモリティカス)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Acinetobacter junii(アシネトバクター・ジュニイ)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Acinetobacterjohnsonii(アシネトバクター・ジョンソニイ)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Acinetobacter lwoffi(アシネトバクター・ルオフィイ)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Bacteroides bivius(バクテロイデス・ビビウス)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Bacteroides fragilis(バクテロイデス・フラギリス)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Burkholderia cepacia(バークホルデリア・セパシア)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Campylobacter jejuni(カンピロバクター・イェユニ)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Chlamydia pneumoniae(クラミジア・ニューモニエ)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Chlamydia urealyticus(クラミジア・ウレアリティカス)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Chlamydophila pneumoniae(クラミドフィラ・ニューモニエ)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Clostridium difficile(クロストリジウム・ディフィシル)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Enterobacter aerogenes(エンテロバクター・エロゲネス)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Enterobacter cloacae(エンテロバクター・クロアカエ)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Enterococcus faecalis(エンテロコッカス・フェカーリス)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Enterococcus faecium(エンテロコッカス・フェシウム)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Escherichia coli(大腸菌)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Gardnerella vaginalis(ガルドネレラ・バジナリス)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Haemophilus parainfluenzae(パラインフルエンザ菌)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Haemophilus influenzae(インフルエンザ菌)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Helicobacter pylori(ヘリコバクター・ピロリ)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Klebsiella pneumoniae(クレブシエラ・ニューモニエ)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Legionella pneumophila(レジオネラ・ニューモフィラ)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、メチシリン感受性黄色ブドウ球菌によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Moraxella catarrhalis(モラクセラ・カタラーリス)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Morganella morganii(モルガネラ・モルガニイ)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Mycoplasma pneumoniae(肺炎マイコプラズマ)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Neisseria gonorrhoeae(淋菌)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、ペニシリン耐性肺炎連鎖球菌によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、ペニシリン感受性肺炎連鎖球菌によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Peptostreptococcus magnus(ペプトストレプトコッカス・マグナス)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Peptostreptococcus micros(ペプトストレプトコッカス・ミクロス)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Peptostreptococcus anaerobius(ペプトストレプトコッカス・アナエロビウス)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Peptostreptococcus asaccharolyticus(ペプトストレプトコッカス・アサッカロリティカス)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Peptostreptococcus prevotii(ペプトストレプトコッカス・プレボティ)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Peptostreptococcus tetradius(ペプトストレプトコッカス・テトラディウス)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Peptostreptococcus vaginalis(ペプトストレプトコッカス・バジナリス)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Proteus mirabilis(プロテウス・ミラビリス)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Pseudomonas aeruginosa(緑膿菌)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、キノロン耐性黄色ブドウ球菌によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、キノロン耐性表皮ブドウ球菌によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Salmonella typhi(チフス菌)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Salmonella paratyphi(パラチフス菌)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Salmonella enteritidis(腸炎菌)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Salmonella typhimurium(ネズミチフス菌)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Serratia marcescens(セラチア・マルケセンス)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Staphylococcus aureus(黄色ブドウ球菌)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Staphylococcusepidermidis(表皮ブドウ球菌)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Staphylococcus saprophyticus(腐生ブドウ球菌)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Streptoccocus agalactiae(ストレプトコッカス・アガラクチエ)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Streptococcus pneumoniae(肺炎連鎖球菌)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Streptococcus pyogenes(化膿連鎖球菌)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Stenotrophomonas maltophilia(ステノトロホモナス・マルトフィリア)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Ureaplasma urealyticum(ウレアプラズマ・ウレアリチカム)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、バンコマイシン耐性エンテロコッカス・フェシウムによって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、バンコマイシン耐性エンテロコッカス・フェカーリスによって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、バンコマイシン耐性表皮ブドウ球菌によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Mycobacterium tuberculosis(結核菌)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Clostridium perfringens(クロストリジウム・ペルフリンゲンス)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Klebsiella oxytoca(クレブシエラ・オキシトカ)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Neisseria miningitidis(髄膜炎菌)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、フソバクテリウム属の細菌によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、ペプトコッカス属の細菌によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Proteus vulgaris(プロテウス・ブルガーリス)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(Staphylococcus lugdunensis(スタフィロコッカス・ルグドゥネンシス)、Staphylococcus capitis(スタフィロコッカス・キャピティス)、Staphylococcus hominis(スタフィロコッカス・ホミニス)、及び Staphylococcus saprophyticus(スタフィロコッカス・サプロフィティカス)が含まれる)によって引き起こされる感染症を意味する。
【0123】
本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、アシネトバクター属の細菌によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、バクテロイデス属の細菌によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、バークホルデリア属の細菌によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、カンピロバクター属の細菌によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、クラミジア属の細菌によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、クラミドフィラ属の細菌によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、クロストリジウム属の細菌によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、エンテロバクター属の細菌によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、エンテロコッカス属の細菌によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、エシェリヒア属の細菌によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、ガルドネレラ属の細菌によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、ヘモフィルス属の細菌によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、ヘリコバクター属の細菌によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、クレブシエラ属の細菌によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、レジオネラ属の細菌によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、モラクセラ属の細菌によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、モルガネラ属の細菌によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、マイコプラズマ属の細菌によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、ナイセリア属の細菌によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、ペプトストレプトコッカス属の細菌によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、プロテウス属の細菌によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、シュードモナス属の細菌によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、サルモネラ属の細菌によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、セラチア属の細菌によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、スタフィロコッカス属の細菌によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、ストレプトコッカス属の細菌によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、ステノトロホモナス属の細菌によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、ウレアプラズマ属の細菌によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、好気性菌によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、偏性嫌気性菌によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、通性嫌気性菌によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、グラム陽性菌によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、グラム陰性菌によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、グラム不定菌によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、非定型呼吸器病原体によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、Enterics(腸内細菌)によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、シゲラ属の細菌によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、シトロバクター属によって引き起こされる感染症を意味する。
【0124】
本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、婦人科系感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、気道感染症(RTI)を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、性的伝染病を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、尿路感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、慢性気管支炎の急性増悪(ACEB)を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、急性中耳炎を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、急性副鼻腔炎を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、薬剤耐性菌によって引き起こされる感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、カテーテル関連敗血症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、軟性下疳を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、クラミジアを意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、市中肺炎(CAP)を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、複雑性皮膚及び皮膚構造感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、単純性皮膚及び皮膚構造感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、心内膜炎を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、有熱性好中球減少症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、淋菌性子宮頚管炎を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、淋菌性尿道炎を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、院内肺炎(HAP)を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、骨髄炎を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、敗血症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、梅毒を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、人工呼吸器関連肺炎を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、腹腔内感染症を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、淋病を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、髄膜炎を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、破傷風を意味する。本発明の1つの側面において、「感染症」又は「細菌感染症」は、結核を意味する。
【0125】
1つの態様において、本発明の化合物は、限定されないが、市中肺炎、院内肺炎、皮膚及び皮膚構造の感染症、慢性気管支炎の急性増悪、急性副鼻腔炎、急性中耳炎、カテーテル関連敗血症、熱性好中球減少症、骨髄炎、心内膜炎、尿路感染症、及び、ペニシリン耐性肺炎連鎖球菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、メチシリン耐性表皮ブドウ球菌、及びバンコマイシン耐性腸球菌のような薬剤耐性菌により引き起こされる感染症が含まれる細菌感染症を治療するのに有用であると期待される。
【0126】
本発明のさらなる特徴により、抗菌効果を産生するような治療を必要とする、ヒトのような温血動物においてそれを産生するための方法を提供し、該方法は、本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩の有効量を前記動物へ投与することを含む。
【0127】
本発明のさらなる特徴により、細菌のDNAジャイレース及び/又はトポイソメラーゼIVの阻害のような治療を必要とする、ヒトのような温血動物におけるその阻害の方法を提供し、該方法は、上記に定義されるような式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩の有効量を前記動物へ投与することを含む。
【0128】
本発明のさらなる特徴により、細菌感染症の治療を必要とする、ヒトのような温血動物においてそれを治療する方法を提供し、該方法は、上記に定義されるような式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩の有効量を前記動物へ投与することを含む。
【0129】
本発明のさらなる特徴により、市中肺炎、院内肺炎、皮膚及び皮膚構造の感染症、慢性気管支炎の急性増悪、急性副鼻腔炎、急性中耳炎、カテーテル関連敗血症、熱性好中球減少症、骨髄炎、心内膜炎、尿路感染症、及び、ペニシリン耐性肺炎連鎖球菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、メチシリン耐性表皮ブドウ球菌、及びバンコマイシン耐性腸球菌のような薬剤耐性菌により引き起こされる感染症より選択される細菌感染症の治療を必要とする、ヒトのような温血動物においてそれを治療する方法を提供し、該方法は、上記に定義されるような式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩の有効量を前記動物へ投与することを含む。
【0130】
本発明のさらなる特徴は、医薬品としての使用のための、式(I)の化合物とその医薬的に許容される塩である。好適には、医薬品は、抗菌剤である。
本発明のさらなる側面により、式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩の、ヒトのような温血動物における抗菌効果の産生に使用の医薬品の製造における使用を提供する。
【0131】
本発明のさらなる側面により、式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩の、ヒトのような温血動物における細菌のDNAジャイレース及び/又はトポイソメラーゼIVの阻害に使用の医薬品の製造における使用を提供する。
【0132】
このように、本発明のさらなる側面により、式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩の、ヒトのような温血動物における細菌感染症の治療に使用の医薬品の製造における使用を提供する。
【0133】
このように、本発明のさらなる側面により、式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩の、ヒトのような温血動物における、市中肺炎、院内肺炎、皮膚及び皮膚構造の感染症、慢性気管支炎の急性増悪、急性副鼻腔炎、急性中耳炎、カテーテル関連敗血症、熱性好中球減少症、骨髄炎、心内膜炎、尿路感染症、及び、ペニシリン耐性肺炎連鎖球菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、メチシリン耐性表皮ブドウ球菌、及びバンコマイシン耐性腸球菌のような薬剤耐性菌により引き起こされる感染症より選択される細菌感染症の治療に使用の医薬品の製造における使用を提供する。
【0134】
本発明のさらなる側面により、式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩をヒトのような温血動物における抗菌効果の産生における使用に提供する。
本発明のさらなる側面により、式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩をヒトのような温血動物における細菌のDNAジャイレース及び/又はトポイソメラーゼIVの阻害における使用に提供する。
【0135】
このように、本発明のさらなる側面により、式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩をヒトのような温血動物における細菌感染症の治療における使用に提供する。
このように、本発明のさらなる側面により、式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩を、ヒトのような温血動物における、市中肺炎、院内肺炎、皮膚及び皮膚構造の感染症、慢性気管支炎の急性増悪、急性副鼻腔炎、急性中耳炎、カテーテル関連敗血症、熱性好中球減少症、骨髄炎、心内膜炎、尿路感染症、及び、ペニシリン耐性肺炎連鎖球菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、メチシリン耐性表皮ブドウ球菌、及びバンコマイシン耐性腸球菌のような薬剤耐性菌により引き起こされる感染症より選択される細菌感染症の治療における使用に提供する。
【0136】
式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩(以下、医薬組成物に関する本節において、「本発明の化合物」)をヒトが含まれる哺乳動物の療法(予防が含まれる)治療に、特に感染症を治療するのに使用するために、それは、標準の製剤実践に従って、医薬組成物として通常製剤化される。
【0137】
故に、別の側面において、本発明は、式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩と医薬的に許容される希釈剤又は担体を含む医薬組成物を提供する。
本発明のさらなる側面により、上記に定義されるような式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩を、医薬的に許容される賦形剤又は担体と一緒に含む医薬組成物をヒトのような温血動物において抗菌効果を産生することの使用に提供する。
【0138】
本発明のさらなる側面により、上記に定義されるような式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩を、医薬的に許容される賦形剤又は担体と一緒に含む医薬組成物をヒトのような温血動物における細菌のDNAジャイレース及び/又はトポイソメラーゼIVの阻害における使用に提供する。
【0139】
本発明のさらなる側面により、上記に定義されるような式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩を、医薬的に許容される賦形剤又は担体と一緒に含む医薬組成物をヒトのような温血動物における細菌感染症の治療における使用に提供する。
【0140】
本発明のさらなる側面により、上記に定義されるような式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩を医薬的に許容される賦形剤又は担体と一緒に含む医薬組成物を、ヒトのような温血動物における、市中肺炎、院内肺炎、皮膚及び皮膚構造の感染症、慢性気管支炎の急性増悪、急性副鼻腔炎、急性中耳炎、カテーテル関連敗血症、熱性好中球減少症、骨髄炎、心内膜炎、尿路感染症、及び、ペニシリン耐性肺炎連鎖球菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、メチシリン耐性表皮ブドウ球菌、及びバンコマイシン耐性腸球菌のような薬剤耐性菌により引き起こされる感染症より選択される細菌感染症の治療における使用に提供する。
【0141】
本発明の組成物は、経口使用に(例えば、錠剤、トローチ剤、硬又は軟カプセル剤、水性又は油性の懸濁液剤、乳剤、分散性の散剤又は顆粒剤、シロップ剤又はエリキシル剤として)、局所使用に(例えば、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、又は水性又は油性の溶液剤又は懸濁液剤として)、吸入による投与に(例えば、微細化散剤又は液体エアゾール剤として)、通気による投与に(例えば、微細化散剤として)、又は非経口投与に(例えば、静脈内、皮下、筋肉内へ投薬する無菌の水性又は油性の溶液剤として、又は直腸投薬用の坐剤として)適した形態であってよい。
【0142】
本発明の組成物は、当該技術分野でよく知られている慣用の医薬賦形剤を使用する慣用の手順により入手してよい。このように、経口使用に企図される組成物は、例えば、1以上の着色剤、甘味剤、香味剤、及び/又は保存剤を含有してよい。
【0143】
錠剤製剤に適した医薬的に許容される賦形剤には、例えば、乳糖、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム又は炭酸カルシウムのような不活性希釈剤;コーンスターチ又はアルギン酸のような造粒剤及び崩壊剤;デンプンのような結合剤;ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又はタルクのような滑沢剤;p−ヒドロキシ安息香酸エチル又はプロピルのような保存剤、及び、アスコルビン酸のような抗酸化剤が含まれる。錠剤製剤は、被覆しなくても、有効成分の胃腸管内での崩壊と後続の吸収を変化させる、又はその安定性及び/又は外観を改善するために被覆してもよく、いずれの場合でも、当該技術分野でよく知られている慣用のコーティング剤及び手順を使用する。
【0144】
経口使用の組成物は、不活性の固体希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又はカオリンと有効成分を混合する硬ゼラチンカプセル剤の形態であっても、水又は落花生油、流動パラフィン又はオリーブ油のようなオイルと有効成分を混合する軟ゼラチンカプセル剤の形態であってもよい。
【0145】
一般に、水性懸濁液剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム及びアカシアゴムのような1以上の懸濁剤;レシチン、又は脂肪酸と酸化アルキレンの縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンステアレート)、又は長鎖脂肪族アルコールと酸化エチレンの縮合生成物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール、又はポリオキシエチレンソルビトールモノオレエートのような、脂肪酸及びヘキシトールより誘導される部分エステルと酸化エチレンの縮合生成物、又は、長鎖脂肪族アルコールと酸化エチレンの縮合生成物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール、又はポリオキシエチレンソルビトールモノオレエートのような、脂肪酸及びヘキシトールより誘導される部分エステルと酸化エチレンの縮合生成物、又は脂肪酸及びヘキシトール無水物より誘導される部分エステルと酸化エチレンの縮合生成物、例えばポリエチレンソルビタンモノオレエートのような分散剤又は湿潤剤と一緒に、微細粉末の形態で有効成分を含有する。水性懸濁液剤はまた、1以上の保存剤(p−ヒドロキシ安息香酸エチル又はプロピルのような)、抗酸化剤(アスコルビン酸のような)、着色剤、香味剤、及び/又は甘味剤(ショ糖、サッカリン又はアスパルテームのような)を含有してよい。
【0146】
油性懸濁液剤は、植物油(落花生油、オリーブ油、ゴマ油又はヤシ油のような)又は鉱油(流動パラフィンのような)に有効成分を懸濁することによって製剤化してよい。油性懸濁液剤はまた、ミツロウ、固形パラフィン又はセチルアルコールのような濃化剤も含有してよい。口当たりのよい経口調製物を提供するために、上記に示したような甘味剤と香味剤を加えてよい。上記組成物は、アスコルビン酸のような抗酸化剤の添加によって保存してよい。
【0147】
水の添加による水性懸濁液剤の調製に適した分散性の散剤及び顆粒剤は、一般に、分散又は湿潤剤、懸濁剤及び1以上の保存剤と一緒に有効成分を含有する。好適な分散又は湿潤剤と懸濁剤は、すでに上記のものにより例示されている。甘味剤、香味剤、及び着色剤のような追加の賦形剤も存在してよい。
【0148】
本発明の医薬組成物は、水中油型乳剤の形態であってもよい。油相は、オリーブ油又は落花生油のような植物油、又は例えば流動パラフィンのような鉱油、又はこれらのいずれかの混合物であってよい。好適な乳化剤は、例えば、アカシアゴムやトラガカントゴムのような天然に存在するゴム、大豆、レシチンのような天然に存在するホスファチド、脂肪酸及び無水へキシトールより誘導されるエステル又は部分エステル(例えば、ソルビタンモノオレエート)、及びポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートのような、酸化エチレンと前記部分エステルの縮合生成物であってよい。乳剤は、甘味剤、香味剤、及び保存剤も含有してよい。
【0149】
シロップ剤とエリキシル剤は、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、アスパルテーム又はショ糖のような甘味剤とともに製剤化してよく、粘滑剤、保存剤、香味剤及び/又は着色剤も含有してよい。
【0150】
本医薬組成物はまた、無菌で注射可能な水性又は油性懸濁液剤の形態であってよく、これは、上記に示した、1以上の適正な分散又は湿潤剤と懸濁剤を使用する既知の手順に従って製剤化してよい。無菌の注射可能な調製物はまた、非経口的に許容される無毒の希釈剤又は溶媒中の無菌の注射可能な溶液剤又は懸濁液剤、例えば1,3−ブタンジオール中の溶液剤であってよい。
【0151】
吸入による投与用の組成物は、微細固形物を含有するエアゾール剤か又は液体の小滴として有効成分を調合するように配置された慣用の加圧エアゾール剤の形態であってよい。揮発性フッ素化炭化水素又は炭化水素のような慣用のエアゾール推進剤を使用してよく、エアゾールデバイスは、簡便には、目盛り量の有効成分を調合するように配置される。
【0152】
製剤に関するさらなる情報について、読者には、「医化学総覧(Comprehensive Medicinal Chemistry)」(Corwin Hansch; 編集長)ペルガモンプレス(1990)の第5巻、25.2章が参考になる。
【0153】
1以上の賦形剤と組み合わせて単一の剤形をもたらす有効成分の量は、治療される宿主と特別な投与経路に依存して必然的に変化するものである。例えば、ヒトへの経口投与に企図される製剤は、一般に、例えば、0.5mg〜2gの活性剤を含有し、組成物全体の約5〜約98重量パーセントを変動し得る適正で簡便な量の賦形剤と複合される。単位剤形は、一般に、約1mg〜約500mgの有効成分を含有する。投与経路と投与方式に関するさらなる情報について、読者には、「医化学総覧(Comprehensive Medicinal Chemistry)」(Corwin Hansch; 編集長)ペルガモンプレス(1990)の第5巻、25.3章が参考になる。
【0154】
本明細書に記載の本発明の化合物は、単独療法として適用しても、本発明の化合物に加えて、1以上の他の物質及び/又は治療薬を伴ってもよい。このような併用治療は、この治療の個別成分の同時、連続、又は分離投与によって達成することができる。投与が連続的又は分離的である場合、第二成分を投与するときの遅れは、この組合せの有益な効果を失わせるほどであってはならない。好適な群及び物質は、以下の1以上より選択することができる:
i)他の抗菌剤、例えば、マクロライド(例、エリスロマイシン、アジスロマイシン、又はクラリスロマイシン);キノロン(例、シプロフロキサシン又はレボフロキサシン);β−ラクラム(例、ペニシリン、アモキシシリン、又はピペラシリン);セファロスポリン(例、セフトリアキソン又はセフタジジム);カルバペネム(例、メロペネム又はイミペネム、等);アミノグリコシド(例、ゲンタマイシン又はトブラマイシン);又はオキサゾリジノン;及び/又は
ii)抗感染剤,例えば、抗真菌薬のトリアゾール(例、アンホテリシン);及び/又は
iii)生物学的タンパク治療剤(例えば、抗体、サイトカイン、殺菌性/透過亢進タンパク(BPI)産物;及び/又は
iv)流出ポンプ阻害剤。
【0155】
故に、本発明のさらなる側面において、式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩と:
i)1以上の追加の抗菌剤;及び/又は
ii)1以上の抗感染剤;及び/又は
iii)生物学的タンパク治療剤(例えば、抗体、サイトカイン、殺菌性/透過亢進タンパク(BPI)産物);及び/又は
iv)1以上の流出ポンプ阻害剤より選択される化学療法剤を提供する。
【0156】
別の態様において、本発明は、ヒトのような動物において細菌感染症を治療する方法に関し、該方法は、式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩と:
i)1以上の追加の抗菌剤;及び/又は
ii)1以上の抗感染剤;及び/又は
iii)生物学的タンパク治療剤(例えば、抗体、サイトカイン、殺菌性/透過亢進タンパク(BPI)産物);及び/又は
iv)1以上の流出ポンプ阻害剤より選択される化学療法剤の有効量を該動物へ投与することを含んでなる。
【0157】
上記に述べたように、特別な疾患状態の療法又は予防治療に必要とされる用量のサイズは、治療される宿主、投与の経路、治療される病気の重症度、並びに、本発明の化合物と組み合わせて追加の化学療法剤を投与するかどうかに依って必然的に変動するものである。好ましくは、1〜50mg/kgの範囲の1日用量を利用する。しかしながら、この1日用量は、治療される宿主、特別な投与経路、治療される病気の重症度、並びに本発明の化合物と組み合わせて追加の化学療法剤を投与するかどうかに応じて必然的に変動するものである。故に、最適投与量は、特別な患者を治療している医療実施者が決定してよい。
【0158】
上記に述べたように、本発明の1つの態様は、細菌感染症によって引き起こされる疾患を治療又は予防することへ向けられ、ここで細菌は、GyrB ATPアーゼ又はトポイソメラーゼIV ATPアーゼ酵素を含む。「細菌感染症によって引き起こされる疾患のある被検者を治療すること」には、以下の1以上を部分的又は実質的に達成することが含まれる:その感染症の進行、重症度、及び/又は期間の抑制又は改善、感染の広がりを阻止すること、感染症に関連した臨床症状又は指標(組織又は血清成分のような)を改善又は向上させること、及び感染症の再発を予防すること。
【0159】
本明細書に使用するように、「細菌感染症を予防すること」という用語は、その感染症を獲得するリスクの低下、又はその感染症の再発の抑制又は阻害を意味する。好ましい態様では、患者、好ましくはヒトへの予防手段として、該患者へ外科手技を実施する前に本発明の化合物を投与して、感染を防ぐ。
【0160】
本明細書に使用するように、「有効量」という用語は、感染症の発現を予防する、感染症の重症度、期間、又は進行を低下又は改善させる、感染症の進行を予防する、感染症の退縮を引き起こす、感染症に関連した症状の再発、進展、発現、又は進行を予防する、又は別の療法の予防又は治療効果(複数)を増強又は改善するのに十分である、細菌感染症を治療又は予防するための本発明の化合物の量を意味する。
【0161】
治療医薬品におけるその使用に加えて、式(I)の化合物とその医薬的に許容される塩は、新たな療法剤の探索の一部として、ネコ、イヌ、ウサギ、サル、ラット、及びマウスのような実験動物におけるDNAジャイレース及び/又はトポイソメラーゼIVの阻害剤の効果の評価用の in vitro 及び in vivo 試験系を開発及び標準化するときの薬理学的ツールとしても有用である。
【0162】
上記の他の医薬組成物、方法、手法、使用、及び医薬品製造の特徴には、本明細書に記載の本発明の化合物の代わりの特別な態様も適用される。
【実施例】
【0163】
これから本発明を、以下の「実施例」により例示するが、本発明はそれに制限されない。ここで、他に述べなければ:
(i)蒸発操作は、真空中のロータリーエバポレーションにより行って、残留固形物の濾過による除去の後で、後処理操作を行った;
(ii)各種操作は、通常は18〜26℃の範囲にある周囲温度で、他に述べなければ、又は当業者が他のやり方で不活性気体の下で作業しなければ、空気を排除せずに行った;
(iii)カラムクロマトグラフィー(フラッシュ法による)は、化合物を精製するために使用して、他に述べなければ、Merck Kieselgelシリカ(Art.9385)で実施した;
(iv)収率は、例示のためにのみ示し、必ずしも達成可能な最大値ではない;
(v)一般に、本発明の最終生成物の構造は、NMR及び質量スペクトルの技術により確定した;プロトン磁気共鳴スペクトルを引用して、他に述べなければ、300MHzの磁場強度で作動するBruker DRX−300分光計を使用して、DMSO−dにおいて概して決定した。化学シフト(δスケール)を内部標準としてのテトラメチルシランから下方磁場の百万分率で報告して、ピーク多重度を以下のように示す:s,一重項;d,二重項;AB又はdd,二重項の二重項;dt,三重項の二重項;dm,多重項の二重項;t,三重項,m,多重項;br,ブロード;一般に、高速原子衝突(FAB)質量スペクトルデータは、Platform分光計(供給元:Micromass)をエレクトロスプレーで作動させて使用して入手し、適宜、陽イオンデータ又は陰イオンデータのいずれかを回収するか、又はSedex 75ELSDを取り付けたAgilent 1100シリーズLC/MSDを大気圧化学イオン化モードで作動させて使用して、適宜、陽イオンデータ又は陰イオンデータのいずれかを回収した;質量スペクトルは、直接曝露プローブを使用する化学イオン化(CI)モードにおいて70電子ボルトの電子エネルギーで実施した;示す場合、電子衝撃(EI)、高速原子衝突(FAB)、又は電子スプレー(ESP)によってイオン化を実効した;m/zの数値を示す;一般に、親質量を示すイオンだけを報告する;
(vi)各中間体は、後続の段階に求められる規格まで精製し、十分詳しく特性決定して、帰属した構造が正しいことを確かめた;高速液体クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、又はNMRにより純度を評価して、赤外分光法(IR)、質量分析法、又はNMR分光法により同一性を適宜決定した;
(vii)以下の略語を使用する場合がある:
ACNは、アセトニトリルであり;
CDClは、重水素クロロホルムであり;
DBUは、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エンであり;
DCMは、ジクロロメタンであり;
DIEAは、ジイソプロピルエチルアミンであり;
DMFは、N,N−ジメチルホルムアミドであり;
DMSOは、ジメチルスルホキシドであり;
EDCは、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドであり;
EtOAcは、酢酸エチルであり;
EtOHは、エタノールであり;
HATUは、N−[(ジメチルアミノ)−1H,2,3−トリアゾロ[4,5−b−]ピリジン−1−イルメチレン]−N−メチルメタンアミニウム・ヘキサフルオロリン酸塩N−オキシドであり;
HOBTは、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールであり;
MeOHは、メタノールであり;
MSは、質量分析法であり;
RT又はrtは、室温であり;
SMは、出発材料であり;
TFAは、トリフルオロ酢酸であり;
TFAAは、無水トリフルオロ酢酸であり;
THFは、テトラヒドロフランである;そして
(viii)温度は、℃として引用する。
【0164】
実施例1
1−エチル−3−(5’−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−4−(ピリジン−2−イルエチニル)−3,3’−ビピリジン−6−イル)尿素
【0165】
【化14】

【0166】
(1−(4−ブロモ−5’−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−3,3’−ビピリジン−6−イル)−3−エチル尿素(中間体1,62mg,0.15ミリモル)、2−エチニルピリジン(15.78mg,0.15ミリモル)、ヨウ化銅(I)(1.457mg,7.65μモル)、トリエチルアミン(0.064mL,0.46ミリモル)、及びジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(5.37mg,7.65μモル)の混合物をアセトニトリル(5mL)に懸濁させて、マイクロ波において6時間加熱した。この反応混合物を室温へ冷やし、セライトに通して濾過して、濾液を減圧で濃縮した。カラムクロマトグラフィーによる精製(シリカ、Hex/EtOAcで溶出させる)によって、所望の生成物(28mg)を得た。
【0167】
MS (ESP): C17H14N6O3に対して 428 (MH+)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.11(t, 3H); 3.21 (q, 2H); 7.43 (t, 1H); 7.52 (d, 1H); 7.62 (t, 1H); 7.83 (t, 1H); 7.88 (s, 1H); 8.47 (s, 1H); 8.51 (s, 1H); 8.59 (d, 1H); 9.0 (s, 2H); 9.49 (s, 1H); 12.80 (br, 1H)。
【0168】
実施例2
1−エチル−3−(4−エチニル−5’−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−3,3’−ビピリジン−6−イル)尿素
【0169】
【化15】

【0170】
1−エチル−3−(5’−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−4−((トリメチルシリル)エチニル)−3,3’−ビピリジン−6−イル)尿素(実施例3,84mg,0.20ミリモル)をメタノール(5ml)に懸濁させた。NaOH(2ml,2.00ミリモル)を加えて、この混合物を室温で2時間撹拌した。pHが6.5に達するまで、HCl水溶液(2N)を加えた。DCM(10ml)を加えて、有機層を分離させ、塩水で洗浄してMgSOで乾燥させてから、濾過して、2mLの容量へ濃縮した。ヘキサンを加えて、得られる沈殿を濾過してDCMで洗浄し、所望の生成物(25mg)として採取した。
【0171】
MS (ESP): C17H14N6O3 に対して 351 (MH+)
1H-NMR (DMSO-d6): 1.10 (t, 3H); 3.20 (m, 2H); 4.66 (s, 1H); 7.61 (m, 1H); 7.78 (s, 1H); 8.34 (m, 1H); 8.41 (s, 1H); 8.92 (d, 1H); 8.98 (d, 1H); 9.43 (s, 1H); 12.84 (br, 1H) ppm。
【0172】
実施例3
1−エチル−3−(5’−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−4−((トリメチルシリル)エチニル)−3,3’−ビピリジン−6−イル)尿素
【0173】
【化16】

【0174】
1−(4−ブロモ−5’−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−3,3’−ビピリジン−6−イル)−3−エチル尿素(中間体1,400mg,0.99ミリモル)、エチニルトリメチルシラン(116mg,1.18ミリモル)、ヨウ化銅(I)(18.80mg,0.10ミリモル)、EtN(0.550mL,3.95ミリモル)、及びPd(PPh(57.1mg,0.05ミリモル)を無水DMF(10mL)中に合わせて、80℃で4時間加熱した。室温へ冷やした後で、粗製の試料をセライトに通して濾過し、濾液を濃縮してシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(Hex/EtOAc)によって精製して、表題化合物(160mg)を得た。
【0175】
MS (ESP): C20H22N6O3Si に対して 423 (MH+)
1H-NMR (DMSO-d6): 0.12 (s, 9H); 1.10 (t, 3H); 3.20 (m, 2H); 7.57 (m, 1H); 7.72 (s, 1H); 8.41 (m, 1H); 8.45 (s, 1H); 8.92 (d, 1H); 8.99 (d, 1H); 9.41 (s, 1H); 12.86 (s, 1H) ppm。
【0176】
中間体1
1−(4−ブロモ−5’−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−3,3’−ビピリジン−6−イル)−3−エチル尿素
【0177】
【化17】

【0178】
DMF(3ml)中の(1−(4−ブロモ−5’−(ヒドラジンカルボニル)−3,3’−ビピリジン−6−イル)−3−エチル尿素(中間体2,60mg,0.16ミリモル)、1,1’−カルボニルビス(1H−イミダゾール)(34.4mg,0.21ミリモル)、及びジイソプロピルエチルアミン(0.041ml,0.24ミリモル)の混合物を50℃で4時間加熱してから、室温へ冷やした。この粗製の残渣を減圧で濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シリカ、ジクロロメタン中5%メタノール)によって精製して、所望の生成物(62mg)を固形物として得た。
【0179】
MS (ESP): C15H13BrN6O3に対して 407 (MH+)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.09 (t, 3H); 3.19 (t, 2H); 7.48 (t, 1H); 8.04 (s, 1H); 8.23 (t, 1H); 8.29 (s, 1H); 8.80 (d, 1H); 9.0 (d, 1H); 9.45 (s, 1H)。
【0180】
中間体2
1−(4−ブロモ−5’−(ヒドラジンカルボニル)−3,3’−ビピリジン−6−イル)−3−エチル尿素
【0181】
【化18】

【0182】
4’−ブロモ−6’−(3−エチルウレイド)−3,3’−ビピリジン−5−カルボン酸エチル(中間体3,1.32g,2.85ミリモル)とヒドラジン水和物(1.416ml,28.53ミリモル)をエタノール(20ml)中で混合し、80℃で2日間加熱してから、室温へ冷やした。得られる残渣を酢酸エチルで希釈した。得られる沈殿を濾過によって採取して、酢酸エチルで洗浄した(920mg)。
【0183】
MS (ESP): C14H15BrN6O2に対して 381 (MH+)。
1H-NMR (DMSO-d6): 1.08 (t, 3H); 3.17 (q, 2H); 3.58 (br, 2H); 7.43 (t, 1H); 8.05 (s, 1H); 8.27 (s, 2H); 8.85 (s, 1H); 9.03 (s, 1H); 9.43 (s, 1H); 11.15 (br, 1H)。
【0184】
中間体3
4’−ブロモ−6’−(3−エチルウレイド)−3,3’−ビピリジン−5−カルボン酸エチル
【0185】
【化19】

【0186】
1−(4−ブロモ−5−ヨードピリジン−2−イル)−3−エチル尿素(中間体4,1.33g,3.59ミリモル)、5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ニコチン酸エチル(1.049g,3.59ミリモル)、パラジウム−テトラキストリフェニルホスフィン(0.415g,0.36ミリモル)、及びKCO(0.745g,5.39ミリモル)の混合物をDMF(10mL)及び水(1.000mL)の混合物に懸濁させた。この懸濁液を脱気して窒素でパージして、100℃で1.5時間加熱した。この反応混合物を室温へ冷やして濾過して、濾液を減圧で濃縮した。シリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによる精製によって、所望の生成物(1.32g)を得た。
【0187】
MS (ESP): C16H17BrN4O3 に対して 395 (MH+)
1H-NMR (CDCl3): 1.29 (t, 3H); 1.45 (t, 3H); 3.45 (q, 2H); 4.47 (q, 2H); 7.30 (br, 1H); 8.12 (s, 1H); 8.38 (t, 1H); 8.84 (2s, 2xH); 9.29 (s, 1H)
【0188】
中間体4
1−(4−ブロモ−5−ヨードピリジン−2−イル)−3−エチル尿素
【0189】
【化20】

【0190】
4−ブロモ−5−ヨードピリジン−2−アミン(中間体5,3.2g,10.71ミリモル)の乾燥クロロホルム(15mL)溶液をイソシアネートエタン(2.52mL,32.12ミリモル)で処理して、この反応混合物を加熱して24時間還流させた。この反応混合物を室温へ冷やして、ヘキサンを加えた。所望の生成物が沈殿として生成し、これを濾過によって採取した(収量:3.14g)。
【0191】
MS (ESP+): C8H9BrIN3O に対して 371 (MH+)
1H-NMR (DMSO-d6): 1.06 (t, 3H); 3.32 (q, 2H); 7.24 (br, 1H); 8.05 (s, 1H); 8.52 (s, 1H); 9.31 (s, 1H)
【0192】
中間体5
4−ブロモ−5−ヨードピリジン−2−アミン
【0193】
【化21】

【0194】
4−ブロモピリジン−2−アミン(2.5g,14.45ミリモル)のDMF(6mL)/クロロホルム(20mL)溶液へ1−ヨードピロリジン−2,5−ジオン(6.50g,28.90ミリモル)を加えた。この反応混合物を45℃で2日間撹拌した。クロロホルムを減圧で除去して、残存する溶液を水(15mL)へ注いで、EtOAc(15mLx3)で抽出した。有機相を減圧で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン/EtOAcで溶出させる)による精製によって、表題化合物(3.2g)を得た。
【0195】
MS (ESP): C5H4BrIN2 に対して 298(MH+)
1H-NMR (DMSO-d6): 4.51 (br, 2H); 6.80 (s, 1H); 8.35 (s, 1H)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

の化合物、又はその医薬的に許容される塩[式中:
Xは、N、CH、又はCRであり;
Lは、C1−6アルキレン、−CH=CH−(C1−4アルキレン)、又は−C≡C−(C1−4アルキレン)であり、ここでLが−CH=CH−(C1−4アルキレン)又は−C≡C−(C1−4アルキレン)であるとき、その二重若しくは三重結合は、環Aへの付加点であり;
は、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、又はC3−6シクロアルキルより選択され;ここでRは、炭素上で1以上のRによって置換されていてもよく;
は、水素又はC1−6アルキルより選択され;ここで前記C1−6アルキルは、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、及びアミノより独立して選択される1以上の基によって置換されていてもよい;
又はRとRは、それらが付く窒素と一緒にヘテロシクリルを形成し;ここで前記ヘテロシクリルは、1以上の炭素原子上で、1以上のRで置換されていてもよく;そしてここで前記ヘテロシクリルが=N−若しくは−S−部分を含有するならば、その窒素は、1つのオキソ基によって置換されていてもよく、そしてそのイオウは、1又は2のオキソ基によって置換されていてもよく;そしてここで前記ヘテロシクリルが−NH−部分を含有するならば、その窒素は、Rより選択される基によって置換されていてもよい;
は、水素、C1−6アルキル、(C1−6アルキル)シリル、C3−14カルボシクリル、又はヘテロシクリルであり;ここでRは、1以上の炭素原子上で1以上のR10によって置換されていてもよく;そしてここで前記ヘテロシクリルが=N−若しくは−S−部分を含有するならば、その窒素は、1つのオキソ基によって置換されていてもよく、そしてそのイオウは、1又は2のオキソ基によって置換されていてもよく;そしてここで前記ヘテロシクリルが−NH−部分を含有するならば、その窒素は、R11より選択される基によって置換されていてもよい;
は、それぞれの出現について、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6アルコキシ、N−(C1−6アルキル)アミノ、N,N−(C1−6アルキル)アミノ、及びC1−6アルキルスルファニルからなる群より独立して選択され;ここでRは、それぞれの出現について、1以上の炭素原子上で、1以上のR12で独立的に置換されていてもよい;
は、水素又はヘテロシクリルであり;ここで該ヘテロシクリルは、1以上の炭素原子上で、=O、=S、又は1以上のR14で置換されていてもよく;そしてここで前記ヘテロシクリルが=N−若しくは−S−部分を含有するならば、その窒素は、1つのオキソ基によって置換されていてもよく、そしてそのイオウは、1又は2のオキソ基によって置換されていてもよく;そしてここで前記ヘテロシクリルが−NH−部分を含有するならば、その窒素は、R17より選択される基によって置換されていてもよい;
は、それぞれの出現について、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、スルファモイル、=O、=S、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6アルコキシ、N−(C1−6アルキル)アミノ、N,N−(C1−6アルキル)アミノ、C1−6アルキルS(O)−(ここでaは、0、1又は2である)、N−(C1−6アルキル)スルファモイル、N,N−(C1−6アルキル)スルファモイル、C1−6アルキルスルホニルアミノ、C3−14カルボシクリル、及びヘテロシクリルからなる群より独立して選択され;ここでRは、それぞれの出現について、1以上の炭素原子上で、1以上のR16で独立的に置換されていてもよく;そしてここで前記ヘテロシクリルが=N−若しくは−S−部分を含有するならば、その窒素は、1つのオキソ基によって置換されていてもよく、そしてそのイオウは、1又は2のオキソ基によって置換されていてもよく;そしてここで前記ヘテロシクリルが−NH−部分を含有するならば、その窒素は、R13より選択される基によって置換されていてもよい;
mは、0又は1であり;
pは、0、1、2、又は3であり;
環Bは、C3−14カルボシクリル若しくはヘテロシクリルであり;ここで前記ヘテロシクリルが−NH−部分を含有するならば、その窒素は、R15より選択される基によって置換されていてもよく;そしてここで前記ヘテロシクリルが=N−若しくは−S−部分を含有するならば、その窒素は、1つのオキソ基によって置換されていてもよく、そしてそのイオウは、1又は2のオキソ基によって置換されていてもよい;
、R、R10、R12、R14、及びR16は、炭素上の置換基であり、それらは、それぞれの出現について、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、メルカプト、スルファモイル、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6アルコキシ、C1−6アルカノイル、C1−6アルカノイルオキシ、N−(C1−6アルキル)アミノ、N,N−(C1−6アルキル)アミノ、C1−6アルカノイルアミノ、N−(C1−6アルキル)カルバモイル、N,N−(C1−6アルキル)カルバモイル、C1−6アルキルS(O)−(ここでaは、0、1又は2である)、C1−6アルコキシカルボニル、C1−6アルコキシカルボニルアミノ、N−(C1−6アルキル)スルファモイル、N,N−(C1−6アルキル)スルファモイル、C1−6アルキルスルホニルアミノ、−L−C3−6カルボシクリル、又は−L−ヘテロシクリルより独立して選択され;ここでR、R、R10、R12、R14、及びR16は、互いに独立して、1以上の炭素上で1以上のR19によって置換されていてもよく;そしてここで前記ヘテロシクリルが−NH−部分を含有するならば、その窒素は、R20より選択される基によって置換されていてもよく;そしてここで前記ヘテロシクリルが=N−若しくは−S−部分を含有するならば、その窒素は、1つのオキソ基によって置換されていてもよく、そしてそのイオウは、1又は2のオキソ基によって置換されていてもよい;
は、直結合、−O−、−N(R18)−、−C(O)−、−N(R18)C(O)−、−C(O)N(R18)−、−S(O)−、−SON(R18)−、又は−N(R18)SO−であり;ここでR18は、それぞれの出現について、独立して、水素又はC1−4アルキルであり、そしてpは、0〜2である;
、R11、R13、R15、R17、及びR20は、それぞれの出現について、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C1−6アルカノイル、C1−6アルキルスルホニル、C1−6アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−(C1−6アルキル)カルバモイル、N,N−(C1−6アルキル)カルバモイル、ベンジル、ベンジルオキシカルボニル、ベンゾイル、及びフェニルスルホニルより独立して選択され;ここでR、R11、R13、R15、R17、及びR20は、互いに独立して、炭素上で1以上のR23によって置換されていてもよい;そして
19とR23は、それぞれの出現について、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、メルカプト、スルファモイル、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、アセチル、アセトキシ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、N−メチル−N−エチルアミノ、アセチルアミノ、N−メチルカルバモイル、N−エチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル、N−メチル−N−エチルカルバモイル、メチルチオ、エチルチオ、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、メシル、エチルスルホニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、N−メチルスルファモイル、N−エチルスルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N,N−ジエチルスルファモイル、又はN−メチル−N−エチルスルファモイルより独立して選択される]。
【請求項2】
XがCHである、請求項1の化合物。
【請求項3】
XがNである、請求項1の化合物。
【請求項4】
Lが−C≡C−(C1−4アルキレン)である、請求項1、2、又は3の化合物。
【請求項5】
Lが−C=C−(C1−4アルキレン)である、請求項1、2、又は3の化合物。
【請求項6】
LがC1−6アルキレンである、請求項1、2、又は3の化合物。
【請求項7】
環Bが5若しくは6員ヘテロアリールであり、ここで前記ヘテロアリールが−NH−部分を含有するならば、その窒素は、R15より選択される基によって置換されていてもよく;そしてここで前記ヘテロアリールが=N−若しくは−S−部分を含有するならば、その窒素は、1つのオキソ基によって置換されていてもよく、そしてそのイオウは、1又は2のオキソ基によって置換されていてもよい、請求項1〜6のいずれか1項の化合物。
【請求項8】
環Bが、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、又はチアゾリルであり、ここでピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、又はチアゾリルのそれぞれの=N−は、1つのオキソ基で独立的に置換されていてもよく;そしてここで該チアゾリルの−S−部分は、1又は2のオキソ基によって置換されていてもよい、請求項1〜7のいずれか1項の化合物。
【請求項9】
環Bが二環系ヘテロシクリルであり、ここで前記ヘテロシクリルが−NH−部分を含有するならば、その窒素は、R15より選択される基によって置換されていてもよく;そしてここで前記ヘテロシクリルが=N−若しくは−S−部分を含有するならば、その窒素は、1つのオキソ基によって置換されていてもよく、そしてそのイオウは、1又は2のオキソ基によって置換されていてもよい、請求項1〜6のいずれか1項の化合物。
【請求項10】
環Bがキノキサリニル又は5,6−ジヒドロ[1,3]チアゾロ[4,5−d]ピリダジン−4,7−ジオンであり、ここで5,6−ジヒドロ[1,3]チアゾロ[4,5−d]ピリダジン−4,7−ジオンのそれぞれの−NH−部分は、R15より選択される基によって独立的に置換されていてもよく;そしてここでキノキサリニル又は5,6−ジヒドロ[1,3]チアゾロ[4,5−d]ピリダジン−4,7−ジオンのそれぞれの=N−は、1つのオキソ基で独立的に置換されていてもよく;そしてここで5,6−ジヒドロ[1,3]チアゾロ[4,5−d]ピリダジン−4,7−ジオンの−S−部分は、1又は2のオキソ基によって置換されていてもよい、請求項9の化合物。
【請求項11】
がC1−6アルキルである、請求項1〜10のいずれか1項の化合物。
【請求項12】
がエチルである、請求項11の化合物。
【請求項13】
が水素である、請求項1〜12のいずれか1項の化合物。
【請求項14】
が5若しくは6員ヘテロアリールであり;ここで該ヘテロアリールは、1以上の炭素原子上で1以上のR10によって置換されていてもよく;そしてここで前記ヘテロアリールが=N−若しくは−S−部分を含有するならば、その窒素は、1つのオキソ基によって置換されていてもよく、そしてそのイオウは、1又は2のオキソ基によって置換されていてもよく;そしてここで前記ヘテロアリールが−NH−部分を含有するならば、その窒素は、R11より選択される基によって置換されていてもよい、請求項1〜13のいずれか1項の化合物。
【請求項15】
がピリジニルである、請求項14の化合物。
【請求項16】
が水素である、請求項1〜13のいずれか1項の化合物。
【請求項17】
がトリメチルシリルである、請求項1〜13のいずれか1項の化合物。
【請求項18】
が5員の芳香族ヘテロシクリルであり;ここで該ヘテロシクリルは、1以上の炭素原子上で、1以上のR14で置換されていてもよく;そしてここで前記ヘテロシクリルが=N−若しくは−S−部分を含有するならば、その窒素は、1つのオキソ基によって置換されていてもよく、そしてそのイオウは、1又は2のオキソ基によって置換されていてもよく;そしてここで前記ヘテロシクリルが−NH−部分を含有するならば、その窒素は、R17より選択される基によって置換されていてもよい、請求項1〜17のいずれか1項の化合物。
【請求項19】
が、1,3,4−オキサジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1H−テトラゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1H−ピラゾリル、3H−1,2,3,5−オキサチアジアゾリル、1H−イミダゾリル、モルホリニル、4,5−ジヒドロ−オキサゾリル、及び1H−1,2,4−トリアゾリルからなる群より選択され、ここで該1,3,4−オキサジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1H−テトラゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1H−ピラゾリル、3H−1,2,3,5−オキサチアジアゾリル、1H−イミダゾリル、モルホリニル、4,5−ジヒドロ−オキサゾリル、及び1H−1,2,4−トリアゾリルは、1以上の炭素原子上で、1以上のR14で置換されていてもよく;そしてここで1,3,4−オキサジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1H−テトラゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1H−ピラゾリル、3H−1,2,3,5−オキサチアジアゾリル、1H−イミダゾリル、4,5−ジヒドロ−オキサゾリル、及び1H−1,2,4−トリアゾリルの=N−部分は、1つのオキソ基で置換されていてもよくて、1,3,4−チアジアゾリル又は3H−1,2,3,5−オキサチアジアゾリルの−S−部分は、1又は2のオキソ基によって置換されていてもよく;そしてここで1H−テトラゾリル、1H−ピラゾリル、3H−1,2,3,5−オキサチアジアゾリル、1H−イミダゾリル、モルホリニル、又は1H−1,2,4−トリアゾリルの−NH−部分は、R17より選択される基によって置換されていてもよい、請求項18の化合物。
【請求項20】
14がC1−4アルキル又はヒドロキシからなる群より選択される、請求項18又は19の化合物。
【請求項21】
17がC1−4アルキルである、請求項18、19又は20の化合物。
【請求項22】
が5−ヒドロキシ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イルである、請求項18の化合物。
【請求項23】
mが0である、請求項1〜22のいずれか1項の化合物。
【請求項24】
pが0である、請求項1〜23のいずれか1項の化合物。
【請求項25】
pが1である、請求項1〜24のいずれか1項の化合物。
【請求項26】
請求項1〜25のいずれか1項の化合物又はその医薬的に許容される塩と医薬的に許容される賦形剤又は担体を含んでなる医薬組成物。
【請求項27】
細菌DNAジャイレース及び/又は細菌トポイソメラーゼIVを阻害するような治療を必要とする温血動物においてそれを阻害する方法であって、請求項1〜25のいずれか1項の化合物又はその医薬的に許容される塩の有効量を該動物へ投与することを含んでなる、前記方法。
【請求項28】
抗菌効果を産生するような治療を必要とする温血動物においてそれを産生する方法であって、請求項1〜25のいずれか1項の化合物又はその医薬的に許容される塩の有効量を該動物へ投与することを含んでなる、前記方法。
【請求項29】
細菌感染症を治療することを必要とする温血動物においてそれを治療する方法であって、請求項1〜25のいずれか1項の化合物又はその医薬的に許容される塩の有効量を該動物へ投与することを含んでなる、前記方法。
【請求項30】
細菌感染症が、市中肺炎、院内肺炎、皮膚及び皮膚構造の感染症、慢性気管支炎の急性増悪、急性副鼻腔炎、急性中耳炎、カテーテル関連敗血症、熱性好中球減少症、骨髄炎、心内膜炎、尿路感染症、及び、ペニシリン耐性肺炎連鎖球菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、メチシリン耐性表皮ブドウ球菌、及びバンコマイシン耐性腸球菌のような薬剤耐性菌によって引き起こされる感染症からなる群より選択される、請求項29の方法。
【請求項31】
温血動物がヒトである、請求項27〜30のいずれか1項の方法。
【請求項32】
請求項1〜25のいずれか1項の化合物又はその医薬的に許容される塩の、温血動物における抗菌効果の産生に使用の医薬品の製造への使用。
【請求項33】
請求項1〜25のいずれか1項の化合物又はその医薬的に許容される塩の、温血動物における細菌DNAジャイレース及び/又はトポイソメラーゼIVの阻害に使用の医薬品の製造への使用。
【請求項34】
請求項1〜25のいずれか1項の化合物又はその医薬的に許容される塩の、温血動物における細菌感染症の治療に使用の医薬品の製造への使用。
【請求項35】
細菌感染症が、市中肺炎、院内肺炎、皮膚及び皮膚構造の感染症、慢性気管支炎の急性増悪、急性副鼻腔炎、急性中耳炎、カテーテル関連敗血症、熱性好中球減少症、骨髄炎、心内膜炎、尿路感染症、ペニシリン耐性肺炎連鎖球菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、メチシリン耐性表皮ブドウ球菌、及びバンコマイシン耐性腸球菌からなる群より選択される、請求項34の使用。
【請求項36】
温血動物がヒトである、請求項32〜35のいずれか1項の方法。
【請求項37】
温血動物における抗菌効果の産生に使用の、請求項1〜25のいずれか1項の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項38】
温血動物における細菌DNAジャイレース及び/又はトポイソメラーゼIVの阻害に使用の、請求項1〜25のいずれか1項の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項39】
温血動物における細菌感染症の治療に使用の、請求項1〜25のいずれか1項の化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項40】
市中肺炎、院内肺炎、皮膚及び皮膚構造の感染症、慢性気管支炎の急性増悪、急性副鼻腔炎、急性中耳炎、カテーテル関連敗血症、熱性好中球減少症、骨髄炎、心内膜炎、尿路感染症、ペニシリン耐性肺炎連鎖球菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、メチシリン耐性表皮ブドウ球菌、又はバンコマイシン耐性腸球菌のような薬剤耐性菌の治療に使用の、請求項1〜25のいずれか1項の化合物又はその医薬的に許容される塩。

【公表番号】特表2011−522030(P2011−522030A)
【公表日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−512223(P2011−512223)
【出願日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際出願番号】PCT/GB2009/050622
【国際公開番号】WO2009/147440
【国際公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(300022641)アストラゼネカ アクチボラグ (581)
【Fターム(参考)】