説明

見当ずれを補償するための方法

【課題】枚葉紙輪転印刷機内で回転振動に起因した見当ずれを補償する。
【解決手段】本発明の方法は、以下のステップを行う。印刷条件下にて印刷回転数範囲を通過する間の共振回転数範囲内で駆動歯車列ARZ内の回転振動と、付属する印刷装置または塗工装置での見当ずれとを一度検出する。共振回転数範囲について検出された回転振動のうち許容公差範囲の外側に見当ずれが現れる離散高調波成分を算出する。検出された回転振動の高調波成分から、反対向きの高調波補償モーメントのパラメータを算出する。補償モーメントのパラメータと共振回転数範囲に対するそれらの関係とを記憶する。印刷操業時に、共振回転数範囲内で主駆動モータMの駆動モーメントを、記憶された補償モーメントと、回転数に依存して重ね合わせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給紙台(AN)と印刷装置および/または塗工装置(DW)とを結ぶ駆動歯車列(ARZ)と、この駆動歯車列に作用する主駆動モータ(M)と、この主駆動モータに付設された駆動制御装置(A)とを有する枚葉紙輪転印刷機内で回転振動に起因した見当ずれを補償するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
見当ずれとは、個々の印刷装置または塗工装置内で順次塗布される部分印刷像(色分解)または塗工層を刷り重ね合わせるときの相対的位置ずれのことである。部分印刷像の間の系統的見当ずれは印刷版製造時の不正確さ、印刷版の位置誤差、印刷像を被印刷物に転写するときの展開差、または被印刷物の位置誤差によって生じることがある。これらの誤差は印刷装置または塗工装置の公知の調整手段で十分に制御可能である。
【0003】
数多くの努力の対象は、被印刷物を案内する回転体の回転振動によって生じる見当誤差の除去である。
【0004】
枚葉紙輪転印刷機では、少なくとも個々の印刷装置の圧胴と印刷装置間に配置される搬送胴または渡し胴とを歯車列と機械的に互いに連結し、この駆動歯車列を主駆動装置によって電気的に駆動するのが標準である。印刷機の駆動歯車列とこれに連結される回転体が振動系を形成し、振動系の動力学は対向モーメント、ばね定数、慣性モーメント等によって決定される。この駆動系統の要素の均一な回転は、角度に依存し各回転で周期的に反復する(同期)回転振動と非周期的(非同期)回転振動とによって乱されることがある。
【0005】
枚葉紙印刷機の有する印刷装置が多ければ多いほど、振動傾向は一層大きくなる。
【0006】
枚葉紙輪転印刷機内の周期的回転振動の発生源は、カム機構のサイクルもしくは回転角と結び付いた作業運動(給紙台伝動装置、インキ装置内での揺動運動)、歯車の心出し誤差、なかんずく胴内の特に胴通路内での転動接触における不安定、くわえ系の開閉運動による駆動歯車列内での回転モーメント変動である。
【0007】
回転モーメント変動は、駆動歯車の弾性の結果、目標回転角位置からの個々に異なるずれを生じ、もしくは回転運動の同期性におけるずれを生じ、互いにかみ合う駆動歯車の歯面交換に至る。
【0008】
駆動歯車列内の振動源によって局所的に励振される回転振動は駆動歯車列のかみ合う歯車を介して印刷機全体に継続して伝わり、隣接する回転体の間の回転角差の絶えず交番する変動として、従って品質上危険な渡し見当誤差/折重ね誤差として表面化する。
【0009】
回転振動は特定振動数(固有振動数)において印刷機の長さにわたって時間的に一定した特徴的振幅‐局所分布(固有振動モード)を示し、これは少なくとも駆動歯車列の末端で、一般に第1、最終印刷装置または塗工装置で、局所的極値に達する。固有振動数と固有モードは印刷機の振動励振に依存しない特性であり、多数の印刷装置および印刷機構造様式とに依存しており、第1固有モードにおける振動は最も低い固有振動数で優勢であり、すなわち最大の振動振幅を有し、それゆえに印刷機の振動解析時に特別な注意が見られる。
【0010】
印刷機の固有振動数近傍に振動数を有する外乱回転振動によって駆動歯車列内で振動が励振される場合、共振、すなわち振動上昇を生じ、これは個々の印刷装置または塗工装置内で塗布される部分印刷像または塗工層の間の渡し見当ずれが回転数に依存して許容外に高いことに現れる。さらに、これらの共振は駆動要素の強い負荷と摩耗促進とをもたらす。
【0011】
主要な振動源は給紙台の枚葉紙位置決め系(前当て、プルタイプレイ)および枚葉紙加速系(スイング給紙台、ストップドラム)であり、これらはその不連続的運動の結果として給紙台の駆動モーメントに変動を引き起こす。給紙台が駆動歯車列によって一緒に駆動されるので、給紙台によって引き起こされる振動が駆動歯車列に伝達され、印刷機全体に伝搬する。給紙台での回転モーメント変動は回転数の上昇に伴って増加し、駆動歯車列全体内で印刷品質を危険にする振動振幅をもたらす。これらの振動振幅は印刷速度が高い場合個々の印刷装置または塗工装置内で塗布される部分印刷像または塗工層の間で許容外に高い渡し見当ずれを帰結する。さらに、駆動装置内での負荷変動に起因した回転振動は駆動要素の強い負荷をもたらし、摩耗促進をもたらす。
【0012】
回転振動は受動的、能動的補助系によって減らすことができる。このため従来公知の装置は発生するあらゆる周期的、非周期的な回転振動に照準を合わせており、費用のかかる振動吸収器および制御回路がこのために必要である。
【0013】
印刷機の回転振動を操作部材によって低減するための装置および方法が特許文献1に開示されており、操作部材は駆動モータとすることもでき、操作部材を制御するためのデータは振動吸収器で測定し、計算するかまたは印刷機の試運転で算出するかのいずれかである。操作部材用制御信号の形成は詳しく述べられていない。
【0014】
特許文献2は印刷機内の回転振動を補償するための方法および装置に関するものであり、この方法は、印刷機の少なくとも1つの固有モードが算定され、この固有モードが振幅0でない少なくとも1つの局所について、固有モードで振動を励振するモーメントの補償用に各1つの対向モーメントがカム機構または付加的モータによって加えられる。
【0015】
対向モーメントは平均回転数について、またはさまざまな回転数および機械パラメータについても、算定することができる。ここでも、対向モーメントがどのように形成されるのかは不明なままである。付加的振動補償器用の費用が不利である。
【0016】
特許文献3はアクチュエータから加えられる同一振動数の高調波モーメントによって回転振動の少なくとも1つの離散振動数成分を重ね合わせることによって機械的回転振動を補償するための方法および装置を述べており、振動数は固有振動数と機械速度とに依存してオンラインで算定される。この装置は振動センサを有する費用のかかる適応制御回路と、同一振動数の高調波補償モーメントを直接的または間接的に機械軸に加えるアクチュエータとを含み、このアクチュエータは駆動モータとすることができる。単に1つの機械軸の振動を最大補償することに方法が向けられていることが不利である。
【0017】
特許文献4により公知の装置および方法は、能動的操作要素、例えばモータを個々の胴に設け、振動を消去する調整力が生じるように制御回路を介してモータを制御する。問題とされているのは機械特有の固有モードにおける振動に対する最初から適切な対抗戦略ではなく、非同期振動、つまり回転する部品の回転に伴って非周期的にのみ現れる振動が測定され、その後、測定場所で克服せんと努められる。しかしこの仕方では補償が時間的に最適でなく、高い制御費用を必要とし、制御装置が過大な時間遅延を有するかまたはそれ自体が振動を引き起こすかのいずれかである危険がある。
【0018】
さらに、公知の振動補償法に共通する欠点として、それらは達成可能な最低印刷品質に向けられていない。
【特許文献1】独国特許出願公開第4412945号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第19914627号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第10149525号明細書
【特許文献4】欧州特許第0592850号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明の課題は、技術の現状の諸欠点から出発して、既存の手段で輪転印刷機のすべての印刷装置または塗工装置での印刷品質を減退させる見当ずれを避けることを可能とする、回転振動に起因した見当ずれを減らす方法を示すことである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明によればこの課題は、請求項1の特徴を有する方法によって解決される。本方法の望ましい諸展開は従属請求項の対象である。
【0021】
本発明の基本的考えは、あらゆる操業状況において回転振動の最大減少という不可避的に費用を要する解決に至る公知の目標設定とは異なり、振動低減措置を一方で実際に印刷品質を損ないかつ摩耗を促進する振動上昇が現れる共振回転数範囲にのみ限定し、しかし他方で印刷機のすべての印刷装置および/または塗工装置(印刷装置と塗工装置の少なくとも一方)(例えば枚葉紙印刷機の印刷装置または塗工装置の間の枚葉紙渡し個所)で所定の印刷品質(最大許容見当公差)が守られることを保証することである。
【0022】
これは、本発明によれば、主駆動モータの駆動モーメントを、駆動制御装置の内部に記憶され共振振動に対抗する回転数に依存した対向モーメントと共振回転数範囲内で重ね合わせることによって達成される。さまざまな回転数において、回転数に依存した振幅を有する異なる高調波補償モーメントが振動減衰に利用される。
【0023】
請求項11に述べられた方法の基本的考えは、給紙台の駆動装置内の計算または測定技術的算出で十分に接近可能な周期的回転モーメント変動を、給紙台の直接的近傍で第1印刷装置または塗工装置に配置される主駆動モータの対向モーメントによって補償することにあり、第2の印刷装置または塗工装置に対する合成駆動モーメントは給紙台の回転振動を含まない。回転数に依存した補償回転モーメントは主駆動モータの駆動制御装置の内部で真理値表(回転角、正規化補償回転モーメント)としてまたは補償モーメントとしてそのフーリエ係数付きで記憶されている。
【0024】
補償モーメントは、実際に近い印刷条件下での試運転において一度算出され、または設計データから計算され、持続的に働くアルゴリズムとして回転数に依存した成分で後の印刷操業のとき駆動モータ電流に重ね合わされる。その際、同期(周期的)振動が高調波対向モーメントで補償されるとき、外乱非同期振動も減衰されるという意外な事実が利用される。
【0025】
本発明に係る方法は、既存の主駆動モータで実現可能であり、付加的振動補償器を必要としないという経済的利点を有する。費用のかかる制御回路の代わりに、主駆動モータ電流用のプログラマブル制御モジュールが必要であるにすぎない。さらに、提案された方法はごく僅かな補償手段ですべての印刷装置または塗工装置において印刷品質の確保を保証する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明に係る方法は枚葉紙輪転印刷機を例に詳しく説明する。
図1に例示的に略示した直列構造様式の枚葉紙輪転印刷機は給紙台ANと印刷装置DW1〜4と排紙台AUとを有する。印刷装置のうち図示されているのは振動上重要な枚葉紙を案内する圧胴DZ1〜4と渡しドラムUT1〜3だけである。少なくともこれらの回転体は連続した駆動歯車列ARZ(図5)を介してそれらの回転運動を同期化される。印刷機用主駆動モータMの駆動回転モーメントMは第1印刷装置DW1の圧胴DZ1を介して駆動歯車列ARZに供給される。主駆動モータMは駆動制御装置Aによって回転数および回転モーメントを制御される。
【0027】
枚葉紙輪転印刷機内では、負荷変動と結び付いた多数の作業運動が経過する。その際、印刷装置または塗工装置内で駆動歯車列ARZを介して結合された回転体DZ、UTの一様な回転運動に周期的(同期)および非同期回転振動Sが励振される。負荷変動振幅が特定限度を上まわると、共振回転数範囲n内において駆動歯車列ARZのうち印刷機の固有振動が特別顕著である特定区域内で振動上昇S>Szulが生じ、従って或るつかみ系から後続のつかみ系に枚葉紙を渡すとき(渡し見当)回転角位置の許容外の変動を生じ、これによりもはや許容できない印刷精度低下を生じる。印刷品質にとって重要なこの共振振動S>Szulが測定技術で検出され、フーリエ解析にかけられる。
【0028】
次に振動Sは、異なる成分a、振動数および位相位置bを有するiの離散高調波振動の合計として記述することができ、振動数fは回転数nの整数倍(次数)iである:
f=i*n
S=a0+a1*sin(t*(1*n)+b1)+a2*sin(t*(2*n)+b2)
+ … +ai*sin(t*(i*n)+bi) ・・・・・(1)

=第i高調波振動の振幅
=第i高調波振動の移相
t=時間
n=回転数
i=外乱の振動数fと印刷機回転数との間の整数比。
【0029】
各印刷機は下側印刷速度nと上側印刷速度nとの間の印刷回転数範囲内に少なくとも1つの重要な固有振動数feig,lを有し、固有振動数の値は実質的に機械編成に依存している。励振振動もしくは高調波振動成分iの振動数fはl個の固有振動数feig,lの1つに近似的に一致する(共振回転数nR,l,i)場合、

i*nR,l,i=feig,l ・・・・・(2)

の第i高調波励振振動による共振励振が存在する。そのことから振動励振が特別高くなり、従って駆動歯車列およびそれを介して結合された胴およびドラム内で振動(共振振動SR,l,i)が上昇し、最も低い固有振動数feig,1での共振時に最も高い回転振動振幅Seig,lが生じる。共振振動Sの高調波成分の振幅aは一般に次数iの上昇に伴って低下し、同時に、摩擦を伴う運動経過による減衰は振動数の上昇に伴って増加し、高次iの共振は小さな共振振動振幅を帰結する。
【0030】
印刷機の固有振動数feig,lが既知であると、すべての共振回転数nR,l,iは(2)式により算出することができる。固有振動数feig,lと共振回転数nとの間の関係は共振グラフ(図3a)から明らかとなる。
【0031】
固有振動数fは回転数nに依存しており、直線方程式f=i*nによって記述することができ、振動数‐回転数線図において座標原点で交わる上昇する直線を形成する。それに対して固有振動数feig,lは横座標と平行であり、回転数nにではなく具体的印刷機編成に依存した定数である。水平線と対角線との交点が共振回転数nR,l,iである。
【0032】
例えば第1固有振動数feig,l=6.5Hzであると、第4高調波振動の共振回転数nR,l,4は(6.5/4)s−1=5850min−1である。第2高調波振動の共振回転数nR,l,2はその場合11700min−1、等々である。従って10%〜20%の一定の公差幅を含む共振回転数nR,l,iの場合、共振振動上昇SR,l,iが現れるのは印刷機がこれらの領域の1つにおいて稼動されるときであると予想することができ、これらの領域は印刷機にとって負荷上昇と摩耗増とを意味し、もはや許容できない渡し見当誤差を生じる。それゆえに、一定して高い印刷品質にとって重要なのは、危険な共振回転数範囲nを通過するとき共振振動Sの発生を防止することである。
【0033】
これは、共振振動SR,l,iのうち個々の共振回転数範囲nR,l,i内でその都度最大の高調波成分を反対向きの高調波補償モーメントMK,l,iで適切に補償することによって達成される。
【0034】
提案された方法は、印刷機の操業様式がさまざまな印刷ジョブに適合されるとき、印刷機内で固有振動数feig,lと励振振動数fがさして変化しないとのことから出発する。なぜならば、駆動歯車列ARZの弾性、回転する胴DZおよびドラムUTの質量慣性または能動的周辺組立体等の振動上重要な影響量は印刷ジョブごとの振動上重要な変化を受けないからである。それゆえに、後に印刷機を利用するときの特徴的編成と操業様式とについて実際の印刷条件下で共振回転数範囲nと付属する補償モーメントMとを一度算出すれば間に合う。駆動モーメントMに重ね合わされる補償モーメントMは後の印刷ジョブに起因したあらゆる印刷機操業変種において有効的な振動減少をもたらすことになる。
【0035】
有利なことに印刷機内ではインキ装置および湿し装置内での摩擦によって、強く減衰された振動系が存在する。減衰は回転数nの上昇に伴って増加し、一般に第1固有振動数feig,lのみが臨界共振振動Sをもたらす。同時に、高い振動振幅aを有する共振振動Sの重要な高調波成分はごく僅かであり、またこれにより印刷回転数範囲n〜n内には考慮すべき共振回転数範囲nはごく僅かであり、駆動歯車列ARZ内での共振振動Sとこれを補償する反対向きの回転モーメントMとを算出するための費用は比較的少なく、いずれにしても実行しなければならない試運転時に1回だけ操業しなければならないだけである。
【0036】
まず、印刷機製造業者のもとで通常行われる印刷操業条件下での枚葉紙輪転印刷機の義務的試運転時に印刷回転数範囲n〜nを通過するときに現れる回転振動Sは見当どおりの印刷にとって決定的な測定個所で検出される。枚葉紙輪転印刷機の場合それは圧胴DZである。というのも、圧胴DZの回転角ずれは枚葉紙の渡し時枚葉紙位置(渡し見当)の周方向摺動をもたらし、または印刷像を枚葉紙に転写する版胴およびゴム胴に対する圧胴DZの捩れは枚葉紙上の印刷像の周方向見当ずれをもたらすからである。
【0037】
このため印刷機は試運転用に主に各圧胴DZ1…に各1つの回転角センサGが備えられる(図1)。印刷機の制御にとって必要でない回転角センサGは試運転終了後に再び取り外され、別の印刷機での他の測定用に再び使用され、測定技術上の費用は少ないままである。
【0038】
駆動歯車列ARZ内の回転振動Sは圧胴DZ1…の回転角位置φを時間的に同期して問い合わせ、その都度隣接する圧胴DZ間で差Δφを形成し、または‐振動測定を第1固有振動数feig,1(固有モードSeig,1、図2参照)に制限する場合‐最大振動振幅を測定可能な印刷機の第1、最終圧胴DZ1、DZの回転角センサGの間で差を形成することによって算出される。回転角差Δφは圧胴の直径を考慮して圧胴周面の回転振動Sの振幅を明らかにする(図3b)。回転振動は、枚葉紙渡しの瞬間に、隣接する圧胴DZおよび渡しドラムUTのつかみ系の相対位置を持続的に変える。回転角測定と同時に、印刷された枚葉紙のオフライン評価またはオンライン評価によって、個々の印刷装置内で塗布される部分印刷像の間の見当ずれの算定が行われる。見当ずれは回転振動Sの振幅と相関しており、振動低減措置が必要となる危険な共振回転数範囲nを確定するための決定的基準となる。枚葉紙オフセット印刷時にSzul≦10μmの許容公差範囲の外側にある渡し見当ずれは枚葉紙オフセット印刷機の印刷品質上危険な共振回転数範囲nを際立たせる。
【0039】
印刷品質上危険な共振回転数範囲n内の回転振動Sはオンライン‐フーリエ解析にかけられ、その都度異なる振幅a、振動数n*iおよび位相位置bを有するi成分に分解される。個々の共振回転数範囲nR,l,iを通過するとき、フーリエ解析によって算出された離散高調波振動成分の振幅aは回転数に依存して変化する。共振回転数範囲nR,l,i内でその都度最大の振幅aを有する高調波振動成分は、付属する各共振回転数範囲nR,l,iについて反対の位相位置で、加えるべき補償モーメントMK,l,iのパラメータとして記憶される。その際、記憶値は振動数n*i、回転数に依存した振幅aK,i(nR,l,i)、位相位置bK,iである。
【0040】
振動解析は共振範囲nの外側にある印刷回転数範囲にも拡張することができ、補償モーメントMの恒常的振幅‐回転数関数が印刷回転数範囲n〜n全体について記憶される。
【0041】
一般に印刷回転数範囲n〜n内には、回転数nの上昇に伴って振動減衰が強まるので、印刷品質を減退させる重要な共振振動Sをもたらす固有振動数feig,Kは僅かに存在するだけである。この共振振動Sは一般に、その振動数fが印刷回転数範囲n〜n内部に共振をもたらす離散高調波成分も僅かに有するにすぎず、記憶しなければならないのは僅かな数の補償モーメントもしくはそのパラメータにすぎない(図3b)。共振回転数範囲nR,l,i内の共振振動SR,l,iが少なく、渡し見当の許容公差範囲Szulを越えない場合、共振振動は考慮されないままとすることができる。図3bの例においてこれは共振回転数範囲nR,2,6に該当する。
【0042】
共振振動Sの補償は主に駆動歯車列ARZ内に供給される主駆動モータMの駆動モーメントMを介して行われ、回転振動Sの個々の発生場所自体で行われるのではないので、他の方法ステップにおいて主駆動モータMと振動源との間の伝達関数、すなわち持ち込まれる補償モーメントMの減衰度および移相が考慮されねばならない。伝達関数は印刷機の振動モデルから得ることができるが、しかしこのためには振動源の位置が正確に確認されねばならず、印刷機をモデリングするための費用はきわめて高い。それゆえに方法簡素化のために、他の試運転において補償パラメータを経験的に最適化するのが望ましいと考えられる。このため、付属する共振回転数範囲nR,l,i内の補償モーメントMK,l,iは個々に主駆動モータMの駆動モータ電流Iの相応する変調によって生成され、連続的駆動モーメントMに重ね合わされ、すべての枚葉紙渡し個所で振動減衰が現れるまでまず位相位置bK,l,iが変えられる。次に補償モーメントMK,l,iの振幅aK,l,iの上昇が起き、印刷装置または印刷装置間のすべての測定点で見当ずれの振幅は所定の公差限界値Szulの内部にある。その際に決定的なのは1つの枚葉紙渡し個所での最大振動消去ではなく、所要の印刷品質に関する公差限界値を各枚葉紙渡し個所で守ることである。
【0043】
こうして最適化された補償パラメータaK,l,i、bK,l,iと付属する回転数範囲nR,l,iは主駆動モータMの駆動制御装置A内に記憶される。このため個別の補償モジュールKMが設けておくことができ、これは駆動制御装置Aに対する既存のインタフェースを介して共振回転数範囲nR,l,iを通過時にそのために記憶されている補償パラメータを電流制御装置に引き渡し、この電流制御装置はプログラマブルアルゴリズムに従って、印刷操業用に必要な駆動モータ電流Iを変調し、補償に必要な対向モーメントMが駆動モーメントMに印加され、共振回転数範囲nR,l,iの通過時にそれぞれこの回転数範囲について算定された補償パラメータ(a,b,i)K,l,iのみが作動される(図3cと図4)。次に共振回転数範囲nK,l,i内で対向モーメントが働く。
【0044】

K,l,i=aK,l,i(nK,l,i)*sin(t*(i*nK,l,i)+bK,l,i) ・・・・・(3)

印刷機が固有振動数feig,1の1つにおいて共振時に振動すると、印刷機の長さにわたって時間的に一定した振動振幅曲線Seig,l(固有モード)が生じ(図1と図2)、重要な第1、第2固有モードSeig,1、Seig,2の振動振幅は外側印刷装置(例えばDW1、DW4)に局所極値を有し、主駆動モータMを給紙台AN後の第1印刷装置DW1に、すなわち高振動振幅の現れる局所に配置すると、主駆動モータMを介して共振振動Sを効果的に補償するための好ましい前提条件が得られる。
【0045】
本発明に係る方法は、主駆動モータMでの駆動電流変調の代わりに、他の駆動装置による回転モーメントの重なりでも同様に実行可能であり、この駆動装置は駆動歯車列ARZに作用する任意のモータとすることができ、その駆動モーメントまたは制動モーメントが駆動歯車列ARZ内に補償モーメントMを形成する。例えば版胴の単一駆動装置は印刷操業時に駆動歯車列ARZと結合されたままとすることができ、補償モーメントMを主駆動モータMにかかわりなく駆動歯車列ARZ内に供給することができる。
【0046】
輪転印刷機の代表的操業状態について算出して記憶された補償パラメータは印刷機の振動挙動が印刷ジョブに起因して変化する場合でも十分な減衰作用を発揮するのではあるが、本方法は、頻繁に繰り返して外れる特徴的操業状態について最適化された補償パラメータを算出して記憶することによって改善することができる。輪転印刷機の複数の異なる操業状態は、例えば異なる減衰特性を有する駆動装置または伝動装置の異なる運転様式によって、個々の周辺機能群のオンオフによって、またはインキ送り胴またはローラの異なる摩擦によって実現される。特徴的操業状態のそれぞれについて試運転においてそれにとって最適な補償パラメータを算出して補償モジュールKMに記憶し、後の実際的印刷操業のとき操業状態に依存して駆動制御装置A内で作動されると、少なくとも標準機械設定を有する印刷ジョブについては常に最適な振動補償を達成することができる。
【0047】
本発明に係る方法は有利なことに、少なくとも2つの回転角センサG(例えば反転装置を備えた枚葉紙輪転印刷機について知られているように駆動歯車列ARZの初端と終端とに例えば回転角センサG)が永続的に印刷機に存在する場合、印刷操業中に印刷機の操業様式に依存した振動挙動の変化に補償モーメントMを自動的に適合させることによって拡張することができる。
【0048】
プログラムされるフィルタアルゴリズム(プログラマブル・フィルタアルゴリズム)を利用して回転振動Sの振幅aおよび位相位置bを連続的に検出することによって、印刷操業中に自動的サイクルで共振振動(S)の実際の振動パラメータを持続的に算出し、記憶された補償パラメータの補正を行い、駆動モーメント(M)に補正済み補償モーメントMを重ね合わせることができる。
【0049】
こうして補償モーメントMのパラメータは輪転印刷機の操業状態に周期的に適合し、各時点で最適な共振振動補償を引き起こすことができる。補償パラメータの更新サイクルは望ましくは、各操業状態にとって重要な設定の作動時に機械制御装置によって起動される。
【0050】
本発明に係る方法は個別の駆動モータMを有する動的に分離された部分機械にも、例えば反転装置が駆動歯車列ARZ中に分離個所を形成し、これにより駆動歯車列が各1つの駆動モータMを有する2つの動的に独立した駆動歯車列ARZに分割される場合反転装置の前および後の印刷装置群jにも応用可能である。その場合、各部分機械jもしくは印刷装置群または塗工装置群j内の共振振動SR、jが個別に検出され、付属する駆動制御装置Aと付属する主駆動モータMとによって個別に補償される。
【0051】
図5に例示的に略示された直列構造様式の枚葉紙輪転印刷機は給紙台ANと印刷装置DW1、DW2と排紙台AUとを有する。印刷装置DWのうち図示されているのは振動上重要な枚葉紙を案内する圧胴DZと渡しドラムUTだけである。少なくともこれらの回転体は連続した駆動歯車列ARZを介してそれらの回転運動を同期化される。印刷機用駆動モーメントMは第1印刷装置DW1の圧胴DZ1の主駆動モータMによって駆動歯車列ARZ内に供給され、そこから駆動歯車列ARZを介して第2のおよび後続のすべての印刷装置および/または塗工装置へと流れる。同時に駆動モーメントMの一部は反対方向に給紙台ANへと流れる。
【0052】
主駆動モータMは駆動制御装置Aによって回転数および回転モーメントを制御される。主駆動モータM用駆動制御装置Aは、機械制御装置に連結された公知のプログラマブル駆動制御器である。駆動制御器は補償モーメントMAKを記憶するためのプログラマブルモジュールKMを有する。
【0053】
給紙台内で、枚葉紙の輸送および枚葉紙の正確な整列に役立つ数多くのクロック制御下の作業運動が経過する。これらの運動は作業部材の周期的加速および制動で経過し、それゆえに給紙台ANの駆動系内での負荷変動と結び付いている。給紙台ANは駆動側で、隣接する第1印刷装置DW1の駆動歯車列ARZと連結されているので、これらの周期的(同期)回転モーメント変動もしくは回転モーメント振動MANはまず第1印刷装置内の駆動歯車列ARZに伝達され、次に、かみ合っている歯車の歯面接触を介して後続の印刷装置および/または塗工装置に転送される。駆動歯車の弾性と被動回転体DZ、UTの質量慣性との結果、これにより回転振動は駆動歯車列ARZの全長にわたって励振されよう。印刷品質にとって危険な給紙台ANのこの回転モーメント振動MANはいまや本発明によれば、それが駆動歯車列ARZに伝達される個所‐すなわち第1印刷装置DW1‐において、やはりこの個所で駆動される主駆動モータMによって、その駆動モーメントMに外乱回転モーメント振動MANとは反対向きの補償モーメントMAKを印加することによって補償される。給紙台ANの回転モーメント振動MANは主駆動モータMの駆動個所で消去される。従って、第2の印刷装置へと流れる合成駆動回転モーメントMAN+M+MAKは振動なしである(図6)。
【0054】
本発明に係る方法は、給紙台の内部で生成される回転モーメント振動を公知の計算法によって実に正確に算定できるという利点を利用している。これは、既知の質量と厳密にモデル化可能かつ被処理枚葉紙の特性におおむね影響されることなく経過する運動経過とを有するクローズド系である。回転モーメント変動MANは回転モーメント振動として扱われ、連続的MAN(φ)関数のフーリエ係数を提供するフーリエ解析にかけられる。すると振動は異なる成分a、振動数i*nおよび位相位置bを有するi個の離散高調波振動の合計として記述することができる。

AN =a0+a1*sin(t*(1*n)+b1)+a2*sin(t*(2*n)+
2)+ … +ai*sin(t*(i*n)+bi) ・・・・・(4)
φ=t*i*n

主駆動モータMの補償モーメントMAKはこの場合、反対の位相位置を有するフーリエ関数として駆動制御装置AのモジュールKM内に記憶される。
【0055】
周期的回転モーメント変動MANは、フーリエ係数算定または回転モーメント測定の結果、反対の位相位置を有する離散(φ,MAK)値対として補償モーメントKM用記憶モジュールに格納することもできる。
【0056】
補償モーメントMAKは駆動モーメントMと同様に所定の回転数nに依存しており、それゆえ、可能な各回転数について個別に記憶されねばならないであろうのから、主駆動モータMの駆動モーメントMに関係した(正規化)量MAK/Mとしてそれを記憶するのが望ましい。
【0057】
補償モーメントの計算が予定されていない場合には、選択的に、給紙台ANの駆動軸で好適な回転モーメントセンサによって回転モーメント変動MANを測定する可能性、または印刷装置および塗工装置DWを連結解除して主駆動モータMの駆動モータ電流Iの回転角依存性を検出する可能性がある。
【0058】
給紙台ANの回転モーメント変動MANを補償するために、その都度設定された回転数(印刷速度)に付属する正規化補償モーメントMAK/M(φ)もしくは付属するすべての(φ,MAK/M)値対が回転数に依存してモジュールKM内で呼び出され、駆動制御装置A内で実行されるM‐I伝達関数を利用して主駆動モータMの駆動モータ電流Iがそれに応じて変調される。
【0059】
本発明に係る方法は、主駆動モータMでの駆動電流変調の代わりに、第2の駆動装置で回転モーメントを重ね合わせることでも同様に実行可能であり、この第2の駆動装置はほぼ遅延なしに第1印刷装置DW1の駆動歯車列ARZに作用する本質的に小型のモータとすることができ、その駆動モーメントまたは制動モーメントが駆動歯車列ARZ内に補償モーメントMAKを印加する。本発明に係る方法によって簡単な手段で提供できる印刷機駆動装置は振動なしに駆動歯車列を駆動し、編成全体から影響を受けない。付加的機械的伝動装置なしに、給紙台後の第1印刷装置の主駆動モータの駆動個所で出力補償が達成される。これにより、給紙台からの外乱が表面化することもなく高い印刷速度が可能になる。振動に起因した摩耗が減少し、印刷結果が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】回転振動測定装置と振動補償部とを有する枚葉紙輪転印刷機の略図。
【図2】共振振動の固有モードを示す図。
【図3a】2つの固有振動数を有する振動系の共振グラフの1例。
【図3b】回転振動と回転数との関係を示す図。
【図3c】共振回転数範囲内の補償モーメントを示す図。
【図4a】主駆動モータの駆動モーメントを示す図。
【図4b】駆動モータ電流中の補償モーメントを示す図。
【図5】給紙台を有する枚葉紙輪転印刷機の略図。
【図6】給紙台での振動補償の原理を示す図。
【符号の説明】
【0061】
A、A 駆動制御装置
AN 給紙台
ARZ、ARZ 駆動歯車列
AU 排紙台
DW、DW1〜4 印刷装置または塗工装置
DZ、DZ1〜4 圧胴
G 回転角センサ
M、M 主駆動モータ
駆動モータ電流
KM 補償パラメータ用モジュール
駆動モーメント
補償モーメント
AN 給紙台の回転モーメント振動
S 回転振動、励振振動
eig 固有モード
共振振動
zul 回転振動用許容公差範囲
UT、UT1〜4 渡しドラム
a 回転振動の振幅
第i高調波振動の振幅
補償振動の振幅
b 回転振動の位相位置
第i高調波振動の位相位置
補償振動の位相位置
f 回転振動の振動数、励振振動数
eig 固有振動数
i 離散高調波振動成分の次数(固有次数)
j 動的に自立した印刷装置群または塗工装置群
l 固有振動数の次数
n 回転数
上側印刷回転数
共振回転数
下側印刷回転数
t 時間
Δφ 圧胴間の回転角差
φ 回転角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給紙台(AN)と印刷装置および/または塗工装置(DW)とを結ぶ駆動歯車列(ARZ)と、この駆動歯車列に作用する主駆動モータ(M)と、この主駆動モータに付設された駆動制御装置(A)とを有する枚葉紙輪転印刷機内で回転振動に起因した見当ずれを補償するための方法であって、
‐印刷条件下にて印刷回転数範囲(n〜n)を通過する間の共振回転数範囲(n)内で駆動歯車列(ARZ)内の回転振動(S)と、付属する印刷装置または塗工装置での見当ずれとを一度検出するステップ、
‐共振回転数範囲(n)について検出された回転振動(S)のうち許容公差範囲の外側に見当ずれが現れる離散高調波成分を算出するステップ、
‐検出された回転振動(S)の高調波成分から、反対向きの高調波補償モーメント(M)のパラメータを算出するステップ、
‐補償モーメント(M)のパラメータと共振回転数範囲(n)に対するそれらの関係とを記憶するステップ、および
‐印刷操業時に、共振回転数範囲(n)内で主駆動モータ(M)の駆動モーメント(M)を、記憶された補償モーメント(M)と、回転数に依存して重ね合わせるステップを含む方法。
【請求項2】
輪転印刷機の複数の異なる操業状態について駆動歯車列(ARZ)内の補償モーメント(M)のパラメータが算出され、記憶され、操業状態に依存して駆動モーメント(M)に重ね合わされる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
算出された補償モーメント(M)が回転数に依存して主駆動モータ(M)の駆動モーメント(M)に重ね合わされ、その際に補償モーメント(M)のパラメータが最適化される、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
補償モーメント(M)が主駆動モータ(M)のモータ電流(I)の変調によって生成される、請求項1、2または3記載の方法。
【請求項5】
補償モーメント(M)が他の駆動モータによって駆動歯車列(ARZ)に導入される、請求項1、2または3記載の方法。
【請求項6】
輪転印刷機が、それぞれ独自の駆動歯車列(ARZ)および独自の駆動モータ(M)を有する複数の印刷装置群または塗工装置群(j)で形成され、補償モーメント(MK、j)が各印刷装置群または塗工装置群(j)について個別に算出され最適化される、請求項1または3記載の方法。
【請求項7】
主駆動モータ(M)が、1つの輪転印刷機または1つの印刷装置群ないし塗工装置群(j)の、第1または最終の印刷装置ないし塗工装置(DW)に付設されている、請求項1または6記載の方法。
【請求項8】
回転振動(S)の検出が圧胴(DZ)の回転角センサ(G)で行われる、請求項1、2または6記載の方法。
【請求項9】
回転角センサ(G)が、1つの印刷機または1つの印刷装置群ないし塗工装置群(j)の、第1および最終の印刷装置ないし塗工装置(DW)に配置されている、請求項8記載の方法。
【請求項10】
印刷操業中、自動的サイクルで共振振動(S)の実際の振動パラメータがプログラマブル・フィルタアルゴリズムによって算出され、それに基づいて、記憶された補償モーメント(M)のパラメータ補正が行われ、駆動モーメント(M)が実際の補正された補償モーメント(M)と重ね合わされる、請求項1または6記載の方法。
【請求項11】
給紙台(AN)によって引き起こされる回転振動を減らすために、
‐給紙台(AN)から駆動歯車列(ARZ)に伝達される回転モーメント振動(MAN)を回転数(n)に依存して一度算出するステップ、
‐反対向きの補償回転モーメント(MAK)を駆動制御装置(A)内に記憶するステップ、および、
‐第2の印刷装置または塗工装置に対する合成駆動回転モーメント(MDW2)が給紙台の回転モーメント振動(MAN)を含まないように、主駆動モータ(M)の駆動モーメント(M)を補償回転モーメント(MAK)と、回転数に依存して重ね合わせるステップが実行される、請求項1記載の方法。
【請求項12】
回転モーメント振動(MAN)が給紙台(AN)の回転モーメントモデルから計算される、請求項11記載の方法。
【請求項13】
給紙台(AN)の回転モーメント振動(MAN)が回転モーメントまたはモータ電流‐回転角測定から算出される、請求項11記載の方法。
【請求項14】
補償モーメント(MAK)が主駆動モータ(M)の駆動モータ電流(I)の変調によって生成される、請求項11記載の方法。
【請求項15】
補償モーメント(MAK)が、主駆動モータ(M)と協動する流体力学式の第2の駆動装置によって形成される、請求項11記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−175876(P2006−175876A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−372807(P2005−372807)
【出願日】平成17年12月26日(2005.12.26)
【出願人】(399033108)ケーニッヒ、ウント、バウエル、アクチエンゲゼルシャフト (8)
【氏名又は名称原語表記】KOENIG&BAUER AG
【Fターム(参考)】