説明

視覚的に識別できる多液相組成物

多液相組成物であって、前記相が視覚的に識別できる多液相組成物。これらの組成物は、多目的のパーソナルケア組成物を作成するために複数の相を組み合わせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多相を有する組成物及びこうした組成物を製造するための方法に関する。これらの組成物は、各相の一貫性のある投与量が各塗布時に容器から放出されるように、それらの容器から容易に分配される。
【背景技術】
【0002】
時間に追われる日常生活において、人は、身体の衛生的要求に対処するためのより効率の良い方法を求めている。例えば、単一工程で洗浄及びコンディショニングをする2イン1シャンプーは、一般消費者に広く使われている。消費者は、この同じ利便性を、固形石鹸のように洗浄するがまた皮膚をコンディショニングもする皮膚クレンジング製品の形態において求めている。こうした製品を提供することについての初期の試みは、別々のクレンジング及びコンディショニング製品を含有する二重室の包装を採用した。別々のコンディショニング及びクレンジング組成物は、長期間の貯蔵中に物理的に分かれたままであり及び安定なままである。これらの包装は、洗浄及びコンディショニングを同時に達成するために製品を共に分配するように設計されていた。別の実施形態では、洗浄及びコンディショニング製品は、分配直前に混合される。こうした二重室デリバリーシステムは、消費者が求める改善した利便性を提供するように見えたが、それらは異なる相の不均一な分配のために一貫性のある及び同一の性能を達成できないことが頻繁にあった。更にこれらの包装システムは、最終製品に相当な支出を加え、及び一般家庭の浴槽/シャワーのような区域において場所を取る傾向があった。
【0003】
あるいは、クリーム相及びゲル相を含むクレンジングクリーム−収れん剤組成物が、両相の同時分配のために典型的な製品包装内で組み合わされた。これらの製品は、初めは分かれている及び識別できる2つの相組成物が充填ヘッドに導かれ、及び回転する包装又は容器内に同時に分配される特別な処理を必要とした。包装中に充填ヘッドの中で製品を攪拌することは、充填ヘッドの周囲に配置される複数個のかき混ぜ棒を用いて達成される。これらのクレンジングクリーム−収れん剤製品は、パーソナルクレンジング製品中に典型的に見出されるような「界面活性剤」相は含有しないことに注意されたい。その上、こうした組成物が界面活性剤相を含有するとしても、個々の相は典型的な包装から不均一に投与されるであろう。これは、こうしたクレンジングクリーム−収れん剤製品を、一般消費者が求めるパーソナルクレンジング製品の2イン1型として用いるのに不適当にする。
【0004】
以下の参照文献は多液相包装に関する:米国特許第4,159,028号(バーカー(Barker)らの名前により1979年6月26日発行):米国特許第4,335,103号(バーカー(Barker)らの名前により1982年6月15日発行);米国特許第6,245,344号(シビアント(Thibiant)らの名前により2001年6月12日発行);米国特許第6,367,519号(シビアント(Thibiant)らの名前により2002年4月9日発行);米国特許第6,516,838号(シビアント(Thibiant)らの名前により2003年2月11日発行)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ありきたりの包装から均一に分配する多液相製品を製造する他の試みは、2つの化合物を別々の貯蔵槽中に提供し及び専用ポンプを提供することにより製造されており、各相は、別々のノズルを通って回転する包装内へ導入される。これらの製品は典型的には、少なくとも1つの着色相を有し、及び界面活性剤のような物質のみを含有する。組成物は界面活性剤のみを含有するため、これらの組成物は相対的に高い脂質濃度を含む別々のスキンコンディショニング相を含まない。上記の論議に基づき、クレンジング及びスキンコンディショニングへの消費者の需要を満たす、ありきたりの包装から均一に分配する単一製品を製造することへの要求がなお存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、複数個の視覚的に識別できる相を含む組成物に関し、その場合容器から分配する際に、組成物の各相の指定された体積比を前記組成物が含むように相が処理される。本発明の1つの特別な実施形態では、放出時に、組成物はその容器内の組成物中に見出されるように、各相のおよそ等しい量を含有する。
【0007】
本発明は更に、多液相組成物を製造する方法に関し、多液相組成物が分配される際に、各相の一貫性のある投与量で各分配事象に容器から放出されるように、それらの容器中に配分される。更に、容器からの分配時の指定された体積比は、処理の開始時の相の体積比と本質的に等しい。
【0008】
本発明は更に、次の工程を含む多液相組成物を製造するための方法に関する:
a)複数個の液体組成物を別々の槽(vessel)中に入れる工程であって、該槽が、前記液体組成物を該槽から移すための手段を装備している工程;
b)選択された液体組成物の予め定められた量を、コンバイナ(combiner)に移す工程;
c)該液体組成物を前記コンバイナからブレンダーに移す工程;
d)前記液体組成物相を共にブレンドして組み合わせ製品を製造する工程であって、前記組み合わせ製品を構成する前記液体組成物が、互いに物理的に識別できる工程;及び
e)空の製品容器を充填するために分配手段を通じて前記組み合わせ製品を移す工程。
【0009】
本方法の実施形態では、模様は互いに視覚的に識別でき、かつ分配される時に均一な配分を容易にする相を含む。
一つの実施形態では、本方法は更に、充填される容器の底近くにノズルを初めに設置し、及び容器が充填するにしたがって分配手段が上がっていくことを伴う。更に充填中に、容器は、充填される間にボトルを回転するために回転台上に固定され得る。この台は、上記の分配の利益を提供するために、組成物に適切な模様を提供する速度で回転し得る。典型的な台の速度は、約0回転/分(rpm)〜800rpmの範囲である。所望であれば、回転台は、変速駆動機構によって回転され得る。
【0010】
相の間の視覚的な識別は、色又は質感によることができる。具体的な模様は、多種多様な模様から選択することができ、ストライプ(stripe)模様、大理石模様、幾何学的図形、螺旋、及びこれらの混合が挙げられるがこれらに限定されない。
【0011】
(定義)
本明細書で使用する時、「周囲条件」という用語は、特に指示がない限り、一(1)気圧、相対湿度50%、及び25℃における周囲の条件を指す。
【0012】
本明細書で使用する時、「安定な」という用語は、特に指示がない限り、周囲条件において少なくとも約180日間、視覚的に識別できる相が物理的に接触した状態を維持する組成物を指す。
【0013】
本明細書で使用する時、「パーソナルクレンジング組成物」という用語は、特に指示がない限り、本発明の組成物を指し、この組成物は、皮膚又は毛髪への局所塗布のための組成物を包含することを意図する。幾つかの実施形態では、パーソナルクレンジング組成物は、起泡性相及び非起泡性相を含む。
【0014】
本明細書で使用する時、「相」という用語は、均質でない物理−化学系の中に存在する物質の、均質な、物理的に識別できる、及び機械的に分離可能な部分を指す。幾つかの実施形態では、本明細書の相は異なる色を有する組成物である。幾つかの実施形態では、相は同じ化学組成物を含むが異なる着色剤を有する。
【0015】
本明細書で使用する時、「起泡性」という用語は、本明細書に開示される全発泡体積法(Total Lather Volume Method)を用いて試験する時に、350mlを超える発泡体積を生じる組成物を指す。
【0016】
本明細書で使用する時、「非起泡性」という用語は、本明細書に開示される全発泡体積法(Total Lather Volume Method)を用いて試験する時に、350ml未満の発泡体積を生じる組成物を指す。
【0017】
本明細書で使用する時、「液体」という用語は、液体、半液体、クリーム、ローション、又はゲル組成物、即ち流動性を有する組成物を指す。
【0018】
本明細書で使用する時、「視覚的に識別できる」という用語は、包装の中で又は使用する時に視覚的に異なる相を示す組成物を表す。これらの異なる相は、はっきりと分離しているか、又は多液相組成物が裸眼で見える限りで部分的に混合しているかのいずれかである。
【0019】
本明細書で使用する時、「ストライプ(stripe)」という用語は、組成物が貯蔵される包装内部に、組成物中に存在する各相が、別個であり識別できる物理的空間であるが、互いに直接接触している物理的空間を占めることを意味する。本発明の1つの好ましい実施形態では、パーソナルクレンジング組成物は、容器内に識別できる層又は「ストライプ」として存在する、起泡性相と非起泡性相を含む。ストライプは、包装の寸法全体にわたって、相対的に同一及び均一であってもよい。あるいは、層は不均一、即ち起伏があってもよく、又は寸法が同一でなくてもよい。ストライプは、包装の寸法全体にわたって必ずしも伸びているわけではない。「ストライプ」は、様々な幾何学模様、様々な色、及び又は輝き、若しくは真珠光沢を含むことができるが、ただし前記代わりのものの濃度が視覚的に識別できるバンド又は領域を形成するという条件である。
【0020】
本明細書で使用する時、「大理石模様」という用語は、大理石に類似した脈状の及び/又は斑状の外観を有するストライプ模様のデザインを指す。
【0021】
以下に定義される方法は、本出願の多液相を含む組成物に使用されるストライプ模様及び大理石模様の定量的測定を可能にする:
1.平均のストライプ・サイズ(Average Stripe Size)(AS)を測定するための方法
最初に、鉛筆を用いて製品包装の中央に沿って垂線を引く。様々な色を有するすべての製品のストライプを包含する、視覚的に区別できる製品のストライプの数の合計又はNを出す。Dとしてミリメートル(mm)で測定される製品包装の高さをNで割る。平均のストライプ・サイズが次のように算出される:
AS=D/N
本発明の平均のストライプ・サイズ(AS)は、約0.1mm〜約10mmである。より好ましくは、平均のストライプ・サイズは、約0.5mm〜約5mmである。最も好ましくは、平均のストライプ・サイズは、約0.5mm〜約2mmである。
【0022】
2.ストライプ模様/大理石模様の多液相組成物についての色の方法
グレタグマクベス(GretagMacbeth)のカラー−アイ(Color-Eye)70000A分光光度計を用いて、ストライプ模様/大理石模様の多液相組成物の色差を測定する。開口の大きさは3mm×8mm(非常に小さい視野)である。機器は、2°の入射光線に関して反射モードで実行する。最初に、試料の最も明るい区域の周辺で1つの色測定を行う。この読みを、基準色として用いる。第2の色測定を試料の最も暗い区域の周辺で行う。この色の読みを、基準色(明るい点)と比べ、及び色差をΔEとして計算する。
【0023】
本発明のストライプ模様/大理石模様の多液相組成物は、ΔE≧1を有する。好ましくは、ΔEは2を超える。最も好ましくは、ΔEは4を超える。
【0024】
以下の段落に定義される方法は、容器から分配される組成物に関して各相の体積を、ある相と別の相に対する比として測定するための方法である。本発明の多液相組成物は、容器から分配される時に組成物のすべての相の一貫性のある比を送達する。
【0025】
1)異なる密度を有する多液相組成物についての超遠心分離法
ベックマン(Beckman)LM−8超遠心分離機を用いて、異なる密度を有する多液相組成物の分配比を決定する。決定は、50℃で、50,000rpmで1時間SW60Tiローターを用いて決定する。多相間の分配比は、超遠心分離法後の相体積の測定を通じて決定できる。
【0026】
2)様々な色を有する多液相組成物についての色による方法
グレタグマクベス(GretagMacbeth)のカラー−アイ(Color-Eye)70000A分光光度計を用いて、異なる色を有する多液相組成物の分配比を決定する。最初に、基準色試料の組を、様々な混合比で異なる着色相を混合することにより調製する。試料を穏やかに混合して、試料が確実に均質になるようにする。次に、色測定機器を用いて色測定を行い、及び色の読みを記録する。次に、製品を包装から約10g間隔で分配する。これらの分配された試料を穏やかに混合し、次いで色測定を行う。実際の分配比は、分配された試料の色の読みと、混合比が既知の最も近い基準色と比べることにより決定できる。
【0027】
3)化学分析法
多液相組成物の1つの中にマーカー分子として化学化合物が用いられる場合には、化学分析法を用いて多液相製品の分配比を決定する。標準分析方法(例えば、GC、LC、及び質量分析法)を通じてマーカー分子の化学濃度を分析することにより、分配比を算出できる。
【0028】
本開示の目的のために、以下に開示される方法により、発泡、粘度、及び降状点を測定する。
【0029】
(発泡体積法)
ストライプ模様の液体パーソナルクレンジング組成物の発泡体積は、メスシリンダー及びタンブラー装置を用いて測定される。10ml間隔に印が付けられ、その底部の内側から1,000mlの印までの高さが36.8cm(14.5インチ)の1,000mlメスシリンダー(例えば、パイレックス(登録商標)No.2982)を選択する。蒸留水(23℃で100g)をメスシリンダーに加える。このシリンダーは、回転装置内にクランプ固定されるが、これは、メスシリンダーの中心を横断する回転軸に関してシリンダーをクランプ固定する。1gの全パーソナルクレンジング組成物をメスシリンダー中に加え、及びシリンダーに蓋をする。約20秒に10回転の速度でシリンダーを回転させ、垂直な位置で停止させて第1の回転シーケンスを完了する。これによって発生した泡の排出のための30秒を見込んでタイマーを設定する。こうした30秒の排出の後に、底部からの泡の高さをmlで記録し、第1の発泡体積を四捨五入して10ml単位で測定する(上部に泡が浮いている底部に排出されたいずれの水も包含する)。
【0030】
泡の上面が平らでない場合、メスシリンダー断面の半分ほどに及ぶのが見られる最も低い高さが、第1の発泡体積(ml)になる。泡が粗すぎて、単一又はほんのわずかなフォームセル(foam cells)(「バブル(bubbles)」)しかシリンダー断面全体に広がらない場合、空間を満たすのに少なくとも10個のフォームセルが必要になる高さが、底部からのまたmlによる第1の発泡体積になる。いずれの寸法においても1インチより大きいフォームセルは、どこで発生しようとも、泡ではなく、中身のない空気として指定する。メスシリンダーの上部に集まるが排出されないフォームは、その上部のフォームがそれ自体連続的な層である場合、定規を使用して層の厚さを測定し、そこに集まったフォームのmlを底部から測定されたフォームのmlに加えることによっても、測定に組み込む。最大フォーム高さは1,000mlである(全フォーム高さがメスシリンダーの1,000mlの印を超えた場合でも)。第1の回転が完了してから1分後に、第1の回転シーケンスと速度及び持続時間が同一である第2の回転シーケンスが開始する。第2の発泡体積は、第1と同じように、同じ30秒の排出時間の後に記録する。第3のシーケンスが完了したら、排出と測定値取得との間に同じ休止時間をおいて、第3の発泡体積を同じように測定する。
【0031】
各シーケンスの後の発泡結果を合算し、全発泡体積を、3つの測定値の合計としてmlで決定する。瞬間発泡体積は、第1の回転シーケンスの後の結果のみであり、即ち第1の発泡体積のmlである。本発明の起泡性クレンジング組成物は、400mlを超える全発泡体積、及び150mlを超える瞬間発泡体積を有する。
【0032】
(液体パーソナルクレンジング組成物の粘度)
ウェルズ−ブルックフィールド・コーン/プレート・モデルDV−II+(Wells-Brookfield Cone/Plate Model DV-II+)粘度計を用いて、本明細書の液体パーソナルクレンジング組成物の粘度を決定する。この決定は、各コーン及びプレート上における小さな2つのピンの間の隙間が0.013mmである2.4cm°のコーン測定システムによって、25Cで実施される。測定は、コーンとプレートとの間に分析すべき試料の0.5mlを注入し、コーンを1rpmの設定速度で回転する(toating)ことによって実施される。コーンの回転に対する抵抗が、液体試料の剪断応力に比例したトルクを生み出す。トルクの量が試料の装填後2分で読み取られ、及び粘度計により、コーンの幾何定数、回転速度、及びトルクに関連する応力に基づいて、絶対センチポアズ単位(mPa・s)に計算される。
本明細書に開示される組成物の粘度は、2,000〜100,000センチポアズの範囲である。好ましくは粘度は、5,000〜60,000センチポアズである。
【0033】
(液体パーソナルクレンジング組成物の降状点)
キャリメドCSL100応力レオメーター(Carrimed CSL 100 Controlled Stress Rheometer)を用いて、液体パーソナルクレンジング組成物の降伏点を決定する。本明細書の目的上、降伏点は、液体パーソナルクレンジング組成物上で1%のひずみを生み出すために必要な応力の量である。この決定は、隙間51ミクロンに設定された4cm、2°のコーン測定システムによって、25C(77F)で実施される。この決定は、5分の時間間隔にわたる剪断応力(典型的には約0.06dyn/平方cm〜約500dyn/平方cm)のプログラム化した適用を介して実施される。この量の応力は、試料の変形を結果としてもたらし、剪断応力対ひずみ曲線が作成できる。この曲線から、液体パーソナルクレンジング組成物の降伏点が計算できる。本明細書に開示されるような多液相組成物は、.5パスカルを超える値を有する。
【0034】
本明細書で用いる時、すべての百分率、割合及び比は、特に指示がない限り、全組成物の重量に基づく。このようなすべての重量は、記載した成分に関する限り活性濃度に基づくものであり、したがって特に指示がない限りは、市販材料に包含される場合がある溶媒又は副産物を包含しない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
上記のように、本発明は、多液相を有する組成物、及びこうした組成物を製造するための方法に関する。これらの組成物は、各相の一貫性のある投与量が各分配事象において容器から放出されるように、それらの容器から容易に分配される。本多液相製品により提供されるクレンジング性能及びスキンコンディショニング剤又は皮膚活性物質の均一な適用/配分に加えて、本パーソナルクレンジング組成物の実施形態は、消費者が容器の全内容物を使用することを可能にし、投与される最後の投与量でさえも組み合わせ製品のすべての層を含む。
【0036】
驚くべきことに、ブレンダーのミキシングエレメントが存在する場合には、典型的な起泡性相の非起泡性相に対する投与量は、40:60〜60:40の範囲外の値を有さずに平均50:50の体積比を示す。ブレンダーのミキシングエレメントが存在しなかった場合には、0:100〜100:0の広範囲の分配比が得られる。
【0037】
構成成分の物理特性、即ち色、レオロジー、質感、密度などについて多くの変化が可能であるが、色の変化が広く求められている。組み合わせ製品中に達成される具体的なデザイン又は模様(即ち、ストライプ又は大理石模様などの幅、長さ)は、相のレオロジー特性、分配手段の直径、充填中の容器の回転の有無、回転速度及び不変性が挙げられるがこれらに限定されない多数の要因を変えることにより変えることができる。
【0038】
これらの多液相製品の充填中の分配手段の設置は、追加的なプロセスの一変形である。一つの実施形態では、本方法は、充填される容器の底近くにノズルを初めに設置し、及び容器が充填するにしたがって分配手段が上がっていくことを伴う。他の変形では、容器自体が分配手段上に立てられるか、又は容器は上部から充填され得る。1つの可能性のある変形では、容器は逆さまで充填され得、及び充填に続いて底が容器に付着される。
【0039】
非起泡性(脂質)相が使用される実施形態については、起泡性相は加熱すること、及び組み合わせ/充填処理を開始する前に冷却するために熱交換器を通過することを必要としてもよい。
【0040】
本発明の一つの実施形態では、組成物を手で圧搾又は逆さにして重力供給(gravity feed)する際に、組成物が容器から分配される。一つの実施形態では、本方法は、界面活性剤、水、及び任意の従来のパーソナルクレンジング成分を含有する起泡性相を含む第1のストライプ、並びに別々の非起泡性相を含む少なくとも1つの追加のストライプを有する、らせん状にストライプ模様のパーソナルクレンジング組成物を製造するために用いられる。
【0041】
パーソナルクレンジング組成物は、これで配合されたが、これは物理的に接触して包装されながら長期間安定なままである起泡性相(クレンジング)及び非起泡性相の両方を可能にし、非起泡性相は、油中水型、連続油又は高内部相エマルション相が挙げられるがこれらに限定されない多様な相の型を含むことができる。更に、1以上の相が安定な着色剤を包含することができ、パーソナルクレンジング組成物が内容物の見える容器中に包装される場合に、目に見える模様を結果としてもたらす可能性がある。
【0042】
これらの多液相パーソナルクレンジング組成物は、2つの別々の相が物理的に接触するが、なお安定なままであるように処理される、起泡性相及び非起泡性相を含む。組成物は、コンディショニング剤の改善した付着を皮膚上に提供する。本多液相組成物を介して身体に適用されるスキンコンディショナーは、均一に付着し、及び優れた皮膚の感触の利益を付与する。
【0043】
これらの組成物は更に、ストライプ模様の外観を介して改善した化粧品を提供し、及び適用中及び適用後に改善した皮膚の感触を提供する。物理的に接触する1以上の別々の相を有するこうした組成物は、製品の起泡性能及び安定性を譲歩することなく、十分に高濃度の有益剤と共に配合できることが見出された。優れた起泡性能は、本明細書に記載される発泡体積法を介して示すことができる。
【0044】
ストライプ模様のパーソナルクレンジング組成物が、改善した慢性的皮膚の利益を皮膚に提供する選択された皮膚活性剤と共に配合できることもまた見出された。これらの組成物は、クレンジング界面活性剤を含有する起泡性相、及び皮膚活性剤を含有する少なくとも1つの追加の別々の相を含み、クレンジング相及び活性物質相は物理的に接触した状態で包装されながらも長期間安定なままである。本発明の組成物に用いるのに適切な皮膚活性剤は、これらに限定されないがビタミン及びその誘導体;日焼け止め剤;抗ニキビ薬剤;酸化防止剤;皮膚鎮静剤及び皮膚治癒剤;キレート化剤及び金属イオン封鎖剤;精油、皮膚感覚剤(skin sensate)、色素(pigment)、真珠光沢剤、レーキ顔料、着色剤、及びこれらの混合物を含む。本発明に有用な着色剤は、レッド30ローアイアン(Low Iron)、FD&Cレッド40ALレーキ、レーキ27及びレーキ30のD&Cレッドレーキブレンド、FD&Cイエロー5Alレーキ、FD&Cイエロー6ALレーキ、FD&Cイエロー5レーキ、FD&Cブルー#1ALレーキ、コエット二酸化チタン(Kowet Titanium Dioxide)、D&Cレッド30タルクレーキ、D&Cレッド6バリウムレーキ、D&Cレッド7カルシウムレーキ、D&Cレッド34カルシウムレーキ、D&Cレッド30ALレーキ、D&Cレッド27ALレーキ、D&Cイエロー10ALレーキ、D&Cレッド21ALレーキ、黄酸化鉄(Yellow Iron Oxide)、D&Cレッド30レーキ、オクトサー(Octocir)イエロー6ALレーキ、オクトサー(Octocir)イエロー5ALレーキ、D&Cレッド28レーキ、D&Cオレンジ5ジルク(Zirc)Alレーキ、コスレッドオキシド(Cos Red Oxide)BC、コス酸化鉄(Cos Iron Oxide)レッドBC、コス酸化鉄(Cos Iron Oxide)ブラックBC、コス酸化鉄(Cos Iron Oxide)イエロー、コス酸化鉄(Cos Iron Oxide)ブラウン、コス酸化鉄(Cos Iron Oxide)イエローBC、ユーロオキシド・レッド・アンステリル(Euroxide Red Unsteril)、ユーロオキシド・ブラック・アンステリル(Euroxide Black Unsteril)、ユーロオキシド・イエロー・ステリル(Euroxide Yellow Steril)ユーロオキシド・ブラック・ステリル(Euroxide Black Steril)、ユーロオキシド・レッド(Euroxide Red)、ユーロオキシド・ブラック(Euroxide Black)、疎水性ユーロオキシド・ブラック(Hydrophobic Euroxide Black)、疎水性ユーロオキシド・イエロー(Hydrophobic Euroxide Yellow)、疎水性ユーロオキシド・レッド(Hydrophobic Euroxide Red)、D&Cイエロー6レーキ、D&Cイエロー5Zrレーキ、及びこれらの混合物から成る群から選択される。
【0045】
図1は、本発明の多液相組成物を製造するため、及び多液相組成物が販売される包装中へ充填されために用いられる部分の一つの実施形態の斜視図を示す。この図は単一の充填ステーションを表す。製造規模では、図2に示されるような装置のこの配置は、複数個の容器を同時に充填するために所望するだけ多くの充填ステーションが繰り返される。結合又は供給ライン1及び2aは、各相の供給槽と連絡しているが、本明細書には図示されていない。前記供給ライン1及び2aは、前記相をそれらの各供給槽から移送するのに有用なステンレス管又はホースのような硬質管又はたわみ管の配管形態をとることができる。こうした供給槽は典型的にはステンレス鋼であり、及び処理装置を停止せずにこうした槽を変えることができるように、流れを遮断できるバルブをそれらの底部に装備している。前記供給ラインは、供給槽からのインラインポンプを装備していてもよく、それによって供給ラインを加圧し、その結合した供給槽からの一貫性のある又は安定な流れを確実にする。図1は、供給ライン1が、図示されないインラインポンプにハード配管され、一方供給ライン2aが圧力下になく、及び個別の液相が供給槽から図1に示されるじょうごの中に供給される状況を示す。供給ライン1及び2aは、各ポンプ、この図ではポンプ3及び4まで各相の流れを調節するバルブ5に通じる。図1においてポンプは、容積式ピストン型シリンダーとして示される。バルブ5は、ポンプのピストンがその後方又は下方ストロークにある時、各相の流れがその供給槽からポンプのシリンダーへ入るように開く回転バルブである。各ポンプには単一のバルブがあり、及び1つの駆動機構がすべてのバルブを作動させるような方式でそれらが接続されているために、すべてのバルブは一致して作動する。あるいは、別々の駆動機構を用いて同様な効果を達成することもできる。流れがピストン型シリンダーに入ると同時に、バルブ5は前記シリンダーの出口を閉じて、相がコンバイナ6に向かう供給ライン3a及び4aに直接流れないようにする。ポンプが前方又は上方ストロークの時に、バルブ5は位置を反転し、各ポンプのシリンダーの内容物が、槽の供給ライン1及び2aの中に逆流することを防止しながら、その内容物を供給ライン3a及び4aを通じてコンバイナ6の方向に放出する。ポンプ3及び4を用いて、各相のコンバイナ部分6への一定な供給を保証する。相の適切な流れ特性を所与とする場合、こうしたピストン型ポンプは排除してもよい。ポンプが使用される場合、前記ポンプが流量計と提携して動作し、ポンプによる一貫性のある流量を保証することは好ましい。本明細書には図示されないが、容積式流量計、及び又は質量流量計を使用してポンプを調整し一定流量を保証することができる。これはまた、定量ポンプを使用して各相の必要な体積又は質量を送達することにより遂行できる。
【0046】
相がブレンダー7に入る前に、供給ライン3a及び4aは、図2の断面図に示されるようにコンバイナ部分6において配置される。図2は、ライン3a及び4aからの相の供給がブレンダー7に入る準備をした時の、それらの配置の断面図を表す。図2aは、3a及び4aからの供給の配置を示すが、独立した供給ライン21は、供給ライン22内に位置付けられ、それによってブレンダー7の中に向かう前に21から来る相をライン22からの供給の中央に、注入する。図2cは、図2aの代替であり、この場合供給はコンバイナ部分6からの共通ラインの中に隣り合って配置されている。図2bは同様に、4つの供給が共に、コンバイナ部分6から来てブレンダー7に向かう1つのラインの中に組み合わされる状況を示す。2b及び2cの代替として、複数の供給を表す平行に走る束状構造の配管もまた用いることができる。
【0047】
コンバイナ部分6を通過した後、配置された相はブレンド部分7の中に導入される。ブレンダー部分7は、液相が入るのを迂回させる一連の障壁を含むミキシングエレメントを含み、乱流を生じさせる、及び組成物の最終的な包装内の模様を形成するのに寄与する方法で相を共にブレンドさせることを包含する。ほとんどの場合、スタティックミキサーがブレンド部分に使用される。スタティックミキサーは、当該技術分野において周知であり、及び一般に一連の繰り返し又は無作為の連動プレート及び又はフィンの形態である。本方法に用いるのに好適なスタティックミキサーは、ケミネール社(Chemineer Inc.)(45401オハイオ州デートン私書箱1123)から入手可能なケミネール(Chemineer)SSC.75−4R−S(KWA 4エレメント、3/4インチ(19ミリ))、及びコーク・グリッチLPマストランスファーセールス・アンド・エンジニアリング(Koch-Glitsch LP Mass Transfer Sales and Engineering)(45242オハイオ州シンシナティ、スイート16−246、ケンウッドロード9525)から入手可能なコークSMX4エレメントミキサー(Koch SMX 4 element mixer)(公称3/4インチ(19ミリ))である。
【0048】
ブレンドされた相がブレンダー部分7を通過した後、相はデリバリーノズル8に導入される。デリバリーノズル8を使用して組み合わされた相をボトルに送達する。前述のように、通常の製造作業では、複数個の容器が同時に充填される。図3は、こうした装置の複数個のステーションの1つを表す。容器31は、パック又はボトルホールダー32の中に固定される。回転台33が、容器31を駆動機構34により決められた速度で回す。回転台33用の駆動機構34は、可変速度機構又は等速機構であることができる。容器31は、製品に好適な任意の容器である。好ましい容器は、完成組成物の模様が消費者に見える透明なPETボトルである。
【実施例】
【0049】
以下の実施例は、本発明の範囲内にある実施形態を更に記載し実証するものである。実施例は、単に例示の目的のために与えられており、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、その多くの変更が可能であるため、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。特に指示がない限り、例示されるすべての量は、全組成物の重量による濃度、即ち、重量/重量百分率である。
【0050】
例示される各組成物は、調製された各組成物から送達されるスキンコンディショニング剤又は任意成分の改善した付着又は有効性を提供する。
【0051】
(実施例1〜3)
表1に記載される以下の実施例は、本明細書のパーソナルクレンジング組成物の非限定例である。
【0052】
【表1】

上記の組成物は、従来の処方及び混合技術によって調製することができる。クエン酸を水に1:1の比で加えてクエン酸プレミックスAを形成することによって、起泡性相の組成物を調製する。ポリオックスWSR301(Polyox WSR 301)をグリセリンに加え及びプレミックスBを形成する。以下の成分を主混合槽に次の順序で加える:水、N−ハンス(N-Hance)3196、エクスパンセル(Expancel)、クエン酸プレミックスA、ポリオックス(Polyox)プレミックスB。均質になるまで混合する。次に、以下の成分を加える:EDTA二ナトリウム、コカミドMEA、ミラケアSLB−365(Miracare SLB-365)、塩化ナトリウム、グリダント(Glydant)、及び香料。均質になるまで混合を続ける。
【0053】
非起泡性(コンディショニング)相を、ワセリンを主混合槽に加えることにより調製することができる。次に槽を85Cまで加熱する。ハイドロブライト(Hydrobrite)鉱油を主混合槽に加える。次にレッド30レーキを加える。均質な溶液が形成されるまで混合を続ける。
【0054】
組み合わせ及びブレンド部分、並びに充填中にボトルを下げ、かつ回転するボトル保持スタンドを包含するように変更された二相ピストン式充填機(REB社(54757ウィスコンシン州メノモニー、スイートA、3Mドライブ5408)、モデルDV0210)を用いる。クレンジング相を、相1用のピストンポンプ上の供給注入口に結合した重力送り式供給容器に設置する。再循環ループを、加熱されたコンディショニング相の槽からスクレイプウォール(scrape-wall)熱交換槽を通り、次にプレート及びフレーム熱交換器を通り、及び加熱されたコンディショニング相の器に戻るまで、流量を制御するために容積式ポンプを用いて構築する。スクレイプウォール(scrape-wall)熱交換器を用いてコンディショニング相を約40℃まで冷却し、及び物質を加熱して約65℃まで戻すようにプレート及びフレーム熱交換器を設定して、加熱されたコンディショニング相の器に戻す。相2用のポンプに供給する供給温度が約40℃であるように、相2用のピストンポンプの供給注入口を、スクレイプウォール(scrape-wall)熱交換器と、プレート及びフレーム熱交換器との間の一点で結合する。好適な直径及び長さのピストンを用いて、クレンジング相とコンディショニング相の両方を予め定められた量(例えば50:50又は70:30の体積比)で汲み上げる。充填機上のピストンポンプは2相を、組み合わせ部分、ブレンド部分を通って汲み上げ、及び充填ノズルを通ってボトルに供給する。組み合わせ部分は、2相が隣り合う方式で組み合わさるように設定されるべきである。ブレンド部分は、1/2インチの4エレメントのコークSMXスタティックミキサー(コーク・グリッチLPマストランスファーセールス・アンド・エンジニアリング(Koch-Glitsch LP Mass Transfer Sales and Engineering)(45242オハイオ州シンシナティ、スイート16−246、ケンウッドロード9525))を含有する。ノズルから出る相のミックスは、相の識別できる模様を示す製品を結果としてもたらす。ノズルがボトルの底の位置で開始するようにボトルは持ち上げられ、及びボトルが充填されるにしたがって、ノズルを2相の表面のすぐ上に保つように、ボトルは下げられる。回転台は、充填処理中にボトルを回転させ、ストライプ模様の外観を作り出す。台は、所望の模様を作り出すために、約250rpmで回転するように設定されるべきである。
【0055】
(実施例4〜6)
表2に記載される以下の実施例は、本明細書のパーソナルクレンジング組成物の非限定例である。
【0056】
【表2】

上記の組成物は、従来の処方及び混合技術によって調製することができる。クエン酸を水に1:1の比で加えてクエン酸プレミックスAを形成することによって、起泡性相の組成物を調製する。ポリオックスWSR301(Polyox WSR 301)をグリセリンに加え及びプレミックスBを形成する。以下の成分を主混合槽に次の順序で加える:水、N−ハンス(N-Hance)3196、エクスパンセル(Expancel)、クエン酸プレミックスA、ポリオックス(Polyox)プレミックスB。均質になるまで混合する。次に、以下の成分を加える:EDTA二ナトリウム、コカミドMEA、ミラケアSLB−365(Miracare SLB-365)、ラウリン酸、ポリケア(Polycare)133、塩化ナトリウム、グリダント(Glydant)、レッド30レーキ、及び香料。均質になるまで混合を続ける。
【0057】
(油中水型相)
非起泡性(油中水型)相を、ワセリンを主混合槽に加えることにより調製することができる。次に、槽を85℃(185°F)に加熱し、及びアーラセル(Arlacel)P135を加える。次に、攪拌しながら水をゆっくりと加える。非起泡性(油中水型)相を1時間攪拌し続ける。次に、生成物を高速剪断ミキサーを通して貯蔵タンクに汲み上げる。次に、油中水型相を周囲温度に冷却する。
【0058】
組み合わせ及びブレンド部分、並びに充填中にボトルを下げ、かつ回転するボトル保持スタンドを包含するように変更された二相ピストン式充填機(REB社(54757ウィスコンシン州メノモニー、スイートA、3Mドライブ5408)、モデルDV0210)を用いる。クレンジング相を、相1用のピストンポンプ上の供給注入口に結合した重力送り式供給容器に設置する。コンディショニング相を、相2用のピストンポンプ上の供給注入口に結合した重力送り式供給容器に設置する。好適な直径及び長さのピストンを用いて、クレンジング相とコンディショニング相の両方を予め定められた量(例えば50:50又は70:30の体積比)で汲み上げる。充填機上のピストンポンプは2相を、組み合わせ部分、ブレンド部分を通って汲み上げ、及び充填ノズルを通ってボトルに供給する。組み合わせ部分は、2相が隣り合う方式で組み合わさるように設定されるべきである。ブレンド部分は、1/2インチ(13ミリ)の4エレメント、コークSMXスタティックミキサー(コーク・グリッチLPマストランスファーセールス・アンド・エンジニアリング(Koch-Glitsch LP Mass Transfer Sales and Engineering)(45242オハイオ州シンシナティ、スイート16−246、ケンウッドロード9525))を含有する。ノズルから出る相のミックスは、相の識別できる模様を示す製品を結果としてもたらす。ノズルがボトルの底の位置で開始するようにボトルは持ち上げられ、及びボトルが充填されるにしたがって、ノズルを2相の表面のすぐ上に保つように、ボトルは下げられる。回転台は、充填処理中にボトルを回転させ、ストライプ模様の外観を作り出す。台は、所望の模様を作り出すために、約250rpmで回転するように設定されるべきである。
【0059】
(実施例7〜9)
表3に記載される以下の実施例は、本明細書のパーソナルクレンジング組成物の非限定例である。
【0060】
【表3−1】

【0061】
【表3−2】

上記の起泡性相及び非起泡性(高内部相エマルション)相の組成物は、従来の処方及び混合技術によって調製することができる。クレンジング組成物7を、最初に以下のプレミックスを作成することにより調製する:クエン酸の水中プレミックス(クエン酸と水の比が1:3)、ジャガー(Jaguar)C−17及びN−ハンス(N-Hance)3196とのグアーポリマーの水中プレミックス(グアーポリマーと水の比が1:10)、JR−30Mとのユーケア(UCARE)の水中プレミックス(ユーケアと水の比が約1:30)、PEG−90M及びPEG−14Mとのポリオックス(Polyox)のグリセリン中プレミックス(ポリオックスとグリセリンの比が約1:2)。次に、以下の成分を主混合槽に加える:ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス−3硫酸アンモニウム、クエン酸プレミックス、ミラノールL−32ウルトラ(Miranol L-32 ultra)、塩化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、EDTA二ナトリウム、ラウリン酸、チキシンR(Thixcin R)、グアープレミックス、ユーケア(UCARE)プレミックス、ポリオックス(Polyox)プレミックス、及び水の残り。次に攪拌しながら槽を190°F(88℃)に達するまで加熱する。それを約10分間混合する。ゆっくり攪拌しながら、バッチを冷水浴で110°F(43℃)に達するまで冷却する。以下の成分を加える:グリダント(Glydant)、香料、二酸化チタン。均質な溶液が形成するまで混合する。
【0062】
起泡性組成物8を、最初に以下のプレミックスを作成することにより調製する:クエン酸の水中プレミックス(クエン酸と水の比が1:3)、N−ハンス(N-Hance)3196とのグアーポリマーの水中プレミックス(グアーポリマーと水の比が1:10)、及びPEG−14Mとのポリオックス(Polyox)のグリセリン中プレミックス(ポリオックスとグリセリンの比が約1:2)。次に、以下の成分を主混合槽に加える:ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス−3硫酸アンモニウム、クエン酸プレミックス、ミラノールL−32ウルトラ(Miranol L-32 ultra)、塩化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、EDTA二ナトリウム、ラウリン酸、チキシンR(Thixcin R)、グアープレミックス、ポリオックス(Polyox)プレミックス、ポリケア133(Polycare 133)、メルクアト・プラス3300(Merquat Plus 3300)、モノシルPLN(Monosil PLN)、及び水の残り。次に攪拌しながら槽を190°F(88℃)に達するまで加熱する。それを約10分間混合する。次に、ゆっくり攪拌しながら、バッチを冷水浴で110°F(43℃)に達するまで冷却する。最後に以下の成分:グリダント(Glydant)、香料、二酸化チタンを加え、及び均質な溶液が形成するまで混合する。
【0063】
起泡性組成物9を、最初に以下のプレミックスを作成することにより調製する:クエン酸の水中プレミックス(クエン酸と水の比が1:3)、N−ハンス(N-Hance)3196とのグアーポリマーの水中プレミックス(グアーポリマーと水の比が1:10)、及びPEG−14Mとのポリオックス(Polyox)のグリセリン中プレミックス(ポリオックスとグリセリンの比が約1:2)。次いで、次の成分を主混合槽に加える:ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス−3硫酸アンモニウム、クエン酸プレミックス、ミラノールL−32ウルトラ(Miranol L-32 ultra)、塩化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、EDTA二ナトリウム、ラウリン酸、チキシンR(Thixcin R)、グアープレミックス、ポリオックス(Polyox)プレミックス、モナシルPLN(Monasil PLN)、及び水の残り。次に攪拌しながら槽を190°F(88℃)に達するまで加熱する。槽の内容物を約10分間混合する。次に、ゆっくり攪拌しながら、バッチを冷水浴で110°F(43℃)に達するまで冷却する。最後に以下の成分:グリダント(Glydant)、香料、二酸化チタンを加え、及び均質な溶液が形成するまで混合する。
【0064】
(HIPE相)
非起泡性(HIPE)相を、水を主混合槽に加えることにより調製する。次に槽を185°F(85℃)まで加熱する。次に、攪拌しながらゆっくりとナトロゾルプラス(Natrosol Plus)を加える。HIPE相を1時間攪拌し続ける。別の槽の中で、ワセリンを185°F(85℃)まで加熱する。よく攪拌しながら、主混合槽にワセリンを加える。次に生成物を高速剪断ミキサーを通して貯蔵容器に汲み上げ、及び周囲温度に冷却する。
【0065】
組み合わせ及びブレンド部分、並びに充填中にボトルを下げ、かつ回転するボトル保持スタンドを包含するように変更された二相ピストン式充填機(REB社(54757ウィスコンシン州メノモニー、スイートA、3Mドライブ5408)、モデルDV0210)を用いる。クレンジング相を、相1用のピストンポンプ上の供給注入口に結合した重力送り式供給容器に設置する。コンディショニング相を、相2用のピストンポンプ上の供給注入口に結合した重力送り式供給容器に設置する。好適な直径及び長さのピストンを用いて、クレンジング相とコンディショニング相の両方を予め定められた量(例えば40:60又は70:30の体積比)で汲み上げる。充填機上のピストンポンプは2相を、組み合わせ部分、ブレンド部分を通って汲み上げ、及び充填ノズルを通ってボトルに供給する。組み合わせ部分は、2相が隣り合う方式で組み合わさるように設定されるべきである。ブレンド部分は、1/2インチ(13ミリ)の4エレメント、コークSMXスタティックミキサー(コーク・グリッチLPマストランスファーセールス・アンド・エンジニアリング(Koch-Glitsch LP Mass Transfer Sales and Engineering)(45242オハイオ州シンシナティ、スイート16−246、ケンウッドロード9525))を含有する。ノズルから出る相のミックスは、相の識別できる模様を示す製品を結果としてもたらす。ノズルがボトルの底の位置で開始するようにボトルは持ち上げられ、及びボトルが充填されるにしたがって、ノズルを2相の表面のすぐ上に保つように、ボトルは下げられる。回転台は、充填処理中にボトルを回転させ、ストライプ模様の外観を作り出す。台は、所望の模様を作り出すために、約250rpmで回転するように設定されるべきである。
【0066】
(実施例10〜12)
実施例10〜12は、表4に記載される。実施例10〜12は、本明細書のパーソナルクレンジング組成物の非限定例である。
【0067】
【表4】

上記の組成物は、従来の処方及び混合技術によって調製することができる。クエン酸を水に1:1の比で加えてクエン酸プレミックスAを形成することによって、起泡性相の組成物を調製する。ポリオックスWSR301(Polyox WSR 301)をグリセリンに加え及びプレミックスBを形成する。以下の成分を主混合槽に次の順序で加える:水、N−ハンス(N-Hance)3196、エクスパンセル(Expancel)、クエン酸プレミックスA、ポリオックス(Polyox)プレミックスB。均質になるまで混合する。次に、以下の成分を加える:EDTA二ナトリウム、コカミドMEA、ミラケアSLB−365(Miracare SLB-365)、ラウリン酸、ポリケア(Polycare)133、塩化ナトリウム、グリダント(Glydant)、レッド30レーキ、及び香料。均質になるまで混合を続ける。
【0068】
(HIPE相)
非起泡性(HIPE)相を、水を主混合槽に加えることにより調製する。次に槽を185°F(85℃)まで加熱する。次に、攪拌しながらゆっくりとナトロゾルプラス(Natrosol Plus)を加える。非起泡性(HIPE)相を1時間攪拌する。別の槽の中で、ワセリンを185°F(85℃)まで加熱する。よく攪拌しながら主混合槽にワセリンを加える。次に生成物を高速剪断ミキサーを通して貯蔵容器に汲み上げ、及び周囲温度に冷却する。
【0069】
組み合わせ及びブレンド部分、並びに充填中にボトルを下げ、かつ回転するボトル保持スタンドを包含するように変更された二相ピストン式充填機(REB社(54757ウィスコンシン州メノモニー、スイートA、3Mドライブ5408)、モデルDV0210)を用いる。クレンジング相を、相1用のピストンポンプ上の供給注入口に結合した重力送り式供給容器に設置する。コンディショニング相を、相2用のピストンポンプ上の供給注入口に結合した重力送り式供給容器に設置する。好適な直径及び長さのピストンを用いて、クレンジング相とコンディショニング相の両方を予め定められた量(例えば50:50又は70:30の体積比)で汲み上げる。充填機上のピストンポンプは2相を、組み合わせ部分、ブレンド部分を通って汲み上げ、及び充填ノズルを通ってボトルに供給する。組み合わせ部分は、2相が隣り合う方式で組み合わさるように設定されるべきである。ブレンド部分は、1/2インチ(13ミリ)の4エレメント、コークSMXスタティックミキサー(コーク・グリッチLPマストランスファーセールス・アンド・エンジニアリング(Koch-Glitsch LP Mass Transfer Sales and Engineering)(45242オハイオ州シンシナティ、スイート16−246、ケンウッドロード9525))を含有する。ノズルから出る相のミックスは、相の識別できる模様を示す製品を結果としてもたらす。ノズルがボトルの底の位置で開始するようにボトルは持ち上げられ、及びボトルが充填されるにしたがって、ノズルを2相の表面のすぐ上に保つように、ボトルは下げられる。回転台は、充填処理中にボトルを回転させ、ストライプ模様の外観を作り出す。台は、所望の模様を作り出すために、約250rpmで回転するように設定されるべきである。
【0070】
「発明を実施するための最良の形態」で引用したすべての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であるとの容認と解釈されるべきではない。
本発明の特定の実施形態を例示し記載したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の実施形態による多液相組成物を製造するための装置の斜視図。
【図2a】本発明の多液相組成物を製造するために用いられる典型的なブレンダー注入口部分の断面図。
【図2b】本発明の多液相組成物を製造するために用いられる典型的なブレンダー注入口部分の断面図。
【図2c】本発明の多液相組成物を製造するために用いられる典型的なブレンダー注入口部分の断面図。
【図3】充填中の容器の回転のための装置の正面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個の視覚的に識別できる液相を含むパーソナルクレンジング組成物であって、容器(container)を振盪又は混合することなく該容器から分配する際に、前記組成物が、前記組成物の前記相を、所望の利益を提供するための指定された体積比で含むように、前記相が処理されることを特徴とするパーソナルクレンジング組成物。
【請求項2】
容器からの分配の際に、前記指定された体積比が、該処理の開始時の該相の該体積比と本質的に等しいことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物を手で圧搾又は逆さにして重力供給(gravity feed)する際に、前記組成物が前記容器から分配されることを特徴とする請求項1〜2のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項4】
ビタミン及びその誘導体;日焼け止め剤;抗ニキビ薬剤;酸化防止剤;皮膚鎮静剤及び皮膚治癒剤;キレート化剤及び金属イオン封鎖剤;精油、皮膚感覚剤(skin sensate)、色素(pigment)、真珠光沢剤、レーキ顔料、着色剤、及びこれらの混合物から成る群から選択される皮膚活性剤を含み;好ましくは、前記着色剤が、レッド30ローアイアン(Low Iron)、FD&Cレッド40ALレーキ、レーキ27及びレーキ30のD&Cレッドレーキブレンド、FD&Cイエロー5Alレーキ、FD&Cイエロー6Alレーキ、FD&Cイエロー5レーキ、FD&Cブルー#1ALレーキ、コエット二酸化チタン(Kowet Titanium Dioxide)、D&Cレッド30タルクレーキ、D&Cレッド6バリウムレーキ、D&Cレッド7カルシウムレーキ、D&Cレッド34カルシウムレーキ、D&Cレッド30ALレーキ、D&Cレッド27ALレーキ、D&Cイエロー10ALレーキ、D&Cレッド21ALレーキ、黄酸化鉄(Yellow Iron Oxide)、D&Cレッド30レーキ、オクトサー(Octocir)イエロー6ALレーキ、オクトサー(Octocir)イエロー5ALレーキ、D&Cレッド28レーキ、D&Cオレンジ5ジルク(Zirc)Alレーキ、コスレッドオキシド(Cos Red Oxide)BC、コス酸化鉄(Cos Iron Oxide)レッドBC、コス酸化鉄(Cos Iron Oxide)ブラックBC、コス酸化鉄(Cos Iron Oxide)イエロー、コス酸化鉄(Cos Iron Oxide)ブラウン、コス酸化鉄(Cos Iron Oxide)イエローBC、ユーロオキシド・レッド・アンステリル(Euroxide Red Unsteril)、ユーロオキシド・ブラック・アンステリル(Euroxide Black Unsteril)、ユーロオキシド・イエロー・ステリル(Euroxide Yellow Steril)、ユーロオキシド・ブラック・ステリル(Euroxide Black Steril)、ユーロオキシド・レッド(Euroxide Red)、ユーロオキシド・ブラック(Euroxide Black)、疎水性ユーロオキシド・ブラック(Hydrophobic Euroxide Black)、疎水性ユーロオキシド・イエロー(Hydrophobic Euroxide Yellow)、疎水性ユーロオキシド・レッド(Hydrophobic Euroxide Red)、D&Cイエロー6レーキ、D&Cイエロー5Zrレーキ、及びこれらの混合物から成る群から選択されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記容器からの該組成物の分配を容易にするために、前記相が互いに相対的に、前記組成物の合成模様を該容器内に形成し;好ましくは前記組成物の前記模様がストライプ(stripe)から成り、該模様が、0.1mm〜10mmの平均ストライプ・サイズ(Average Stripe Size)を有し;より好ましくは前記組成物の前記模様が大理石模様を有し、該大理石模様が1.0を超える差分Eを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
請求項1に記載される組成物であって、
a.界面活性剤及び水を含む起泡性相、並びに
b.非起泡性スキンコンディショニング相を含み;該非起泡性相が、油中水型エマルション、水中油型エマルション、高内部相エマルション、油中シリコーンエマルション、及びこれらの混合物から成る群から選択され;好ましくは前記組成物が350mlを越える発泡体積(lather volume)を有することを特徴とする組成物。
【請求項7】
模様付き多相液体組成物を製造するための方法であって、前記組成物を容器から分配する際に、前記相が、予め定められた該相供給比で該処理装置中に分配され、前記方法が更に:
a)複数個の液相を別々の槽(vessel)中に入れる工程であって、該槽が、前記相を該槽から移すための手段を装備している工程;
b)各選択された液相の予め定められた量を、その各槽からコンバイナ(combiner)中に移す工程;
c)該組み合わされた相を前記コンバイナからブレンダーに移す工程;
d)前記液体組成物相を共にブレンドして、ある相と別の相との予め定められた比を有する多相液体組成物を製造する工程であって、該液体組成物の前記相が、互いに物理的に識別できる工程;及び
g)前記多液相組成物を分配手段を通じて個々の製品容器に移す工程;
を有することを特徴とする方法。
【請求項8】
前記分配手段が、前記製品容器を、前記多液相組成物で該容器の底から充填するように配置され;好ましくは、該製品容器がボトル保持装置に入り、その中で前記容器が回転台に固定され、前記容器が、前記組成物の前記容器中への移動中に前記回転台を用いて回転され;より好ましくは、該回転台が0回転/分〜800回転/分で回転され;更により好ましくは、各選択された液相の前記予め定められた量の、その各槽からコンバイナ中への該移動が、サーボコントローラー(servocontroller)を用いて遂行されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記模様が、互いに視覚的に識別でき、かつ分配される時に均一な配分を容易にする相を含み;好ましくは前記模様が、ストライプ、大理石模様、幾何学的図形、螺旋、及びこれらの混合物から成る群から選択されることを特徴とする請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
前記製品容器が、分配用開口部を含む閉鎖部を有する円筒形のPETボトルであることを特徴とする請求項7、8又は9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
請求項7〜10のいずれか一項に記載の方法により得られることを特徴とする組成物。


【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−525230(P2006−525230A)
【公表日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−501296(P2006−501296)
【出願日】平成16年4月23日(2004.4.23)
【国際出願番号】PCT/US2004/012739
【国際公開番号】WO2004/098545
【国際公開日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】