解剖学的構造における深度の評価を提供する装置、プローブ、および方法
【課題】解剖学的構造の少なくとも一部に関する情報を得る装置および方法が提供可能である。
【解決手段】例えば、少なくとも1つの第1の配置構成を用いて少なくとも1つの第1の電磁放射を少なくとも一部に送ることができる。さらに少なくとも1つの第2の配置構成を用いて、試料から少なくとも1つの第2の電磁放射を検出することができ、第2の電磁放射は第1の電磁放射に関連される。第2の配置構成は複数の積分時間において第2の電磁放射に関連されるデータを得るために用いられることができる。さらに少なくとも1つの第3の配置構成を用いて、第2の電磁放射を用いて一部内の深度の関数として少なくとも1つの動きの性質を決定可能である。動きの性質は第2の電磁放射に関連付けられたデータを得ることによって決定可能である。データは第2の配置構成によって検出されたスペックルデータであってもよい。
【解決手段】例えば、少なくとも1つの第1の配置構成を用いて少なくとも1つの第1の電磁放射を少なくとも一部に送ることができる。さらに少なくとも1つの第2の配置構成を用いて、試料から少なくとも1つの第2の電磁放射を検出することができ、第2の電磁放射は第1の電磁放射に関連される。第2の配置構成は複数の積分時間において第2の電磁放射に関連されるデータを得るために用いられることができる。さらに少なくとも1つの第3の配置構成を用いて、第2の電磁放射を用いて一部内の深度の関数として少なくとも1つの動きの性質を決定可能である。動きの性質は第2の電磁放射に関連付けられたデータを得ることによって決定可能である。データは第2の配置構成によって検出されたスペックルデータであってもよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2006年9月12日に出願の米国特許出願第60/844,302号の優先権の利益を主張し、その開示全体は引用により本明細書に援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、解剖学的構造に関連する情報を取得する装置、プローブ、および方法に関し、より詳細には、異なる深度において、例えば、火傷による損傷を含む損傷についての情報を検査するために、そのような解剖学的構造の評価を提供することができる装置、プローブ、および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
火傷の初期の迅速な診断および治療により、命を救うことができる。火傷の深度は臨床検査によって診断されるが、その臨床検査は火傷について経験豊かな外科医または医師が検査した場合であってもおよそ50%の正確性しか有しない場合がある。火傷による損傷を診断する特定の方法が提案されているが、非侵襲的に患者の火傷の深度を決定するために用いることができる、広く認可された診断方法または診断システムは存在しない。外因性蛍光色素、放射性同位体、色素吸収、高周波数超音波、レーザドップラー流量計および画像化、ならびに反射率分光法などの多くの技術および/装置が、火傷の深度を測定するために記載されている。これらの技術/装置の少なくとも一部は、火傷の損傷後の初期段階での正確性の無さ、長引く測定時間、患者に有毒性である可能性などを含む、著しい不都合を有する場合がある。さらに、そのような従来の装置の多くは、扱い辛くかつ高価であるので、その結果、一般の開業医、緊急治療室の医師、または当該分野における医療人員によって用いられない可能性が高い。
【0004】
熱傷を受けると、通常は、肌の外側の部分は取り返しのつかない損傷(痂皮)を受け、その部分への血液の供給が失われる可能性がある。火傷の深度(例えば痂皮層の厚さ)が毛包および汗管の基部を含まない場合、その火傷は、血管の真皮上部に位置する、皮膚付属器腫瘍から生じる上皮細胞によって、肌表面の細胞収集により治癒する場合がある。それゆえ、火傷の解剖学的構造は、無血管の層(痂皮)とそれに覆われる血管の層(生存組織)とからなる2層の媒体としてモデル化することができる(図1に示す)。無血管の層の厚さを測定することができる装置は、火傷の深度の推定を提供し、表皮の再上皮形成の可能性を予測し、初期段階での切除および移植のために、深い火傷を識別することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、上述の従来の配置構成および方法に関する不備の少なくとも一部を克服する必要性が存在する場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(本発明の例示的実施形態の目的および要約)
上述の問題および/または不備、ならびに他の不備に取り組む、および/または克服するために、異なる深度において、例えば、火傷による損傷を含む損傷についての情報を検査するために、そのような解剖学的構造の評価を提供することができる例示的実施形態の装置、プローブ、および方法が容易になされることができる。
【0007】
本発明の一例示的実施形態によれば、装置、プローブ、および方法が、少なくとも上述の理由およびその他のために提供可能である。特に、解剖学的構造の少なくとも一部に関する情報を得るための装置および方法の一例示的な実施形態が提供可能である。例えば、少なくとも1つの第1の配置構成を用いて少なくとも1つの第1の電磁放射を少なくとも一部に送ることができる。さらに少なくとも1つの第2の配置構成を用いて、試料から少なくとも1つの第2の電磁放射を検出することができ、第2の電磁放射は第1の電磁放射に関連される。第2の配置構成は複数の積分時間において第2の電磁放射に関連されるデータを得るために用いられることができる。
【0008】
さらに少なくとも1つの第3の配置構成を用いて、第2の電磁放射を用いて一部内の深度の関数として少なくとも1つの動きの性質を決定可能である。動きの性質は第2の電磁放射に関連付けられたデータを得ることによって決定可能である。データは第2の配置構成によって検出されたスペックルデータであってもよい。さらに第3の配置構成においてデータに基づいて一部の光学的性質を決定することができる。さらに第4の配置構成を用いて一部上の複数の位置に放射するために、第1の電磁放射を受け取り、複数の第3の電磁放射を生成することができる。第2の配置構成は第3の電磁放射に基づいて試料から第2の電磁放射を検出するために用いることができ、第3の配置構成はまた少なくとも1つの第2の電磁放射の関数として、少なくとも一部の複数の位置に対する、深度の関数として、複数の動きの性質を決定するために用いることができる。
【0009】
本発明の他の例示的実施形態によれば、データは、少なくとも一部の少なくとも一部分の画像であってもよい。第3の配置構成を用いてデータのコントラストを決定することが可能であってもよい。コントラストは、一部上の第1の電磁放射の接触点からの照射の距離の関数として決定されてもよい。さらに、積分時間において収集されたデータの、少なくとも1つの非相関関数を決定することが可能であってもよい。非相関関数は、一部上の第1の電磁放射の接触点からの照射の距離の関数として決定されてもよい。さらに、第3の配置構成を用いて、積分時間において収集されたデータの、非相関関数の少なくとも1つの時定数を決定することが可能でもよい。
【0010】
本発明のさらに他の例示的実施形態によれば、光学的性質の関数として、一部の少なくとも一部分の動きの性質、および積分時間において収集されたデータの非相関関数の時定数を決定するために、第3の配置構成を用いることが可能である。光学的性質は、拡散反射率分光光度法手順を用いて、積分時間において収集されたデータに基づいて決定されてもよい。さらに、第1の配置構成は、第1の電磁放射の、少なくとも1つの可変パルス持続時間または可変電力を提供するように用いられてもよい。第2の配置構成は、第2の電磁放射を検出するために、少なくとも1つの可変シャッタ、可変積分時間、または可変の利得を提供するように利用されてもよい。
【0011】
本発明のさらなる他の例示的実施形態によれば、第1の配置構成および/または第2の配置構成と協動するように構成可能であるシャッタ構成が提供可能である。そのシャッタ構成は、第1の配置構成と少なくとも一部との間、および/または一部と第2の配置構成との間に提供されてもよい。第2の電磁放射を用いて、試料から交差偏光された光を検出するように構成され得る偏光の配置構成が提供可能である。さらに、動きの性質の関数として、一部の少なくとも1つの画像を生成するように用いられてもよい。さらに、第3の配置構成は、モンテカルロの手順、拡散方程式の手順、および/または確率分散関数の手順を用いて、動きの性質に関連付けられた一部の深度を決定するように利用可能であってもよい。第1、第2、および第3の配置構成は、一体型の手持ち式ユニットにおいて提供されてもよい。本発明のこれらならびに他の目的、特徴、および利点は、添付の特許請求の範囲と関連して考慮される場合、本発明の以下の実施形態の詳細な記載を読むことで明らかとなる。
【0012】
さらに、本発明のさらなる目的、特徴、および利点は、本発明の例示的な実施形態を示す添付の図面に関連して記載された以下の詳細な記載から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】コヒーレント光を用いて組織を照射した場合に、観察され得る粒状の干渉パターンを示す例示的なスペックル画像である。
【図2】本発明の例示的実施形態に係る火傷のモデルの略図である。
【図3】本発明に係る方法の第1の例示的実施形態のフロー図である。
【図4】本発明に係る方法の第2の例示的実施形態のフロー図である。
【図5】本発明に係る装置の例示的実施形態の略図である。
【図6】時間積分レーザスペックル画像を得るために使用可能である、本発明の例示的実施形態に係る光学的配置構成のブロック図である。
【図7】図7(a)から(d)は、約5mm/秒で動く、テフロン(登録商標)の散乱ファントムの例示的実施形態から得られる一連のスペックル画像である。
【図8】実際の速度の関数として、本発明に係る時間積分スペックル装置の例示的実施形態によって測定された相対速度の例示的グラフである。
【図9】本発明に係る、時間積分レーザスペックル画像化(LSI)法を実施する小型のプラットフォームの例示的実施形態の図である。
【図10】図10(a)および(b)は、解剖学的構造の深度を通る光子の伝播およびそれに関連する非相関時間の例示的な図である。
【図11】半無限の均一組織についての例示的な散乱モデルから計算された理論的な光子の動径方向確率と比較された繊維性プラークに対して実験的に測定された、例示的な光子の動径方向確率のグラフである。
【図12】動径方向分解の光子侵入度が照射位置から距離の関数として提供されているモンテカルロ・シミュレーションの例示的結果のグラフである。
【図13】組織構造から測定された平均繊維性被膜の厚さの関数として提供された例示的な侵入深度のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面を通して、特段の記載がなければ、同様の参照符号および特性は、図示された実施形態のうちの類似の特徴、要素、構成要素、または部分を示すために用いられる。さらに、ここで本発明は図面を参照して詳細に記載されるが、それは例示的な実施形態に関連して記載される。添付の特許請求の範囲によって規定されるように、本発明の真なる範囲および趣旨から逸脱することなく、変更および修正が記載の実施形態になされ得ることが意図される。
【0015】
(一般的な議論)
痂皮の厚さを測定するための、非侵襲の一例示的方法は、レーザスペックルパターンの時空間的分析である。この例示的な方法の関連資料は、Sadhwani,AらのAppl.Opt.35(28):5727−5735、1996年、Nadkarni,SらのJournal of Biomedical Optics 11(2):021006、および2001年10月30日出願の米国特許出願第10/016,244号に記載される。
【0016】
例えば、スペックルは、(図1の例に示すような)コヒーレント光で組織を照射した場合に観察され得る粒状の干渉パターンである。火傷の表面に形成されるスペックルパターンは皮膚の微視的構造によって測定可能であり、組織内の粒子の動きを高度に検知できる場合がある。その結果、血管組織を横断した光から形成されたスペックルパターンは一時的に変調され得る。対照的に、無血管(痂皮)の領域のみを横断する光から形成されたスペックルパターンは、通常、時間が経過しても一定のままである。例えば、組織が細い直径のビームで照射された場合、その組織へとより深く伝播した光子は、光源入り口点からさらに離れて組織から抜け出る可能性がより高い。それゆえ、火傷の表面上に形成されたレーザスペックルパターンの二次元画像は、静的なスペックルパターンを有する中央領域および変調されたスペックルパターンを有する周囲領域を含むはずである。痂皮の光学的性質の知識によって、その静的な領域の動径の測定により、その痂皮の厚さが測定できるはずである。加えて、変調されたスペックルパターンの時間的相関により、生存している層における組織の血液の流れ(perfusion)の推定量を提供してもよい。
【0017】
スペックルパターンの変動を測定する様々な異なる例示的方法、例えば時間変動測定および時間積分測定などが存在する。時間変動スペックルは、スペックルパターンが非相関である、特徴的な時定数Tdによって記載可能である。ブラウン運動または流れを受けない静的な試料は、静的なスペックルパターンを恐らく有し、高度に非相関の時定数を生じる。時間平均スペックルは、σ(ρ,T)/<Ι(ρ,T)>として規定されるスペックルコントラストと呼ばれる量によって特徴付けられることができ、ここでTはスペックルパターンの積分時間(カメラの露出時間または光源の照射期間)であり、ρは入射ビームからの距離である。静的な試料において、高いコントラストのスペックル画像が観察される。試料における分散が移動中の場合、恐らく不鮮明なスペックルパターンとなり、したがって、スペックルコントラストを低下させる。時間積分スペックルパターン分析のために、非相関時定数は以下の例示的な式を解くことによって非相関関数をまず決定することによって得ることができる。
【数1】
ここでTは積分時間であり、c(T)は測定された時間積分コントラストであり、C(t)は非相関関数である。
【0018】
組織への一点照射によって形成された時間積分または時間分解のスペックルパターンの例示的な時空的分析が深度分解情報を得るために用いられることが可能である。放射輸送方程式に対するモンテカルロ・シミュレーションおよび解析解は、(図2に示されるように)光が差し込んだ深度に比例する動径にて現われるように、光が照射位置から外側に向けて動径方向に(radially)拡散することを示す。例えば、図2に示されるように、光200が試料205に入射される。従って、光源の位置ρ210からの動径方向距離の関数としてのスペックル変調の分析は、試料205内における深度の関数として、組織の血液の流れに関する特定の情報を提供することができる。なぜならば、火傷の組織または痂皮220は壊死しているので、恐らく血液の流量が少ない動きであり、したがって一時的に静的なスペックルパターン230である。反対に、血管組織240を横断した光から形成されたスペックルは、恐らく一時的に変調されている(250)。それゆえ、火傷の損傷がもたらしたスペックルパターンは、壊死した組織の深度に対応する動径内の高いスペックル非相関の時定数を現すはずである。この動径の外側においては、光は、血液が流れている組織205を通して伝播し、その結果、これらの領域において低い時定数となる。これらの時定数が遷移する複数の動径が、通常生じ、光が差し込む深度は恐らく、組織の光学的性質によって関連される。有利なことに、これらの光学的性質は、拡散反射率分光光度法の例示的な技術を介した時間平均スペックルパターンを用いることによって測定されてもよい。深度の関数としての速度プロファイルは、例えば、測定された光学パラメータおよび時定数の動径などを用いることによって得られることができる。これらの深度分解の速度プロファイルは、拡散理論またはモンテカルロ・モデル化など、散乱媒質における光の光輸送のための例示的なモデルを用いることによって決定されてもよい。
【0019】
図3は、本発明に係る時間分解スペックルを用いた深度分解の速度分布を収集する手順または方法の第1の例示的な実施形態を示す。例えば、時間的コヒーレンスを有する光が、ステップ300において、問題となる組織に差し込まれる。CCDカメラ、CMOSカメラなどが、ステップ310において、時間の関数として一連の画像を得ることができる。ステップ320において、非相関の曲線は、時間領域またはフーリエ領域のいずれかにおける画像の残りと第1の画像との時間的非相関を用いることによって一連の画像から決定されることができる。一例示的実施形態において、複数の非相関の画像は、m×nのウィンドウを用いて、ビーム入り口点からの距離のさらなる関数として得られてもよく、ここでウィンドウは、ρすなわちビーム照射点からの距離に中心があってもよい。時定数τ(ρ)は、複数の指数関数法へのフィット、または、所定の流れ分布の確率分布関数へのフィットを用いて、ステップ330において、ρの関数として決定されてもよい。深度依存の流れを決定するために、試料に対する光学的性質μs、μaおよびgが測定可能である。これは、ステップ350において、当該技術分野における様々な公知の方法を介して達成され得る。一例示的実施形態において、光学的性質は拡散画像から決定されてもよい(ステップ340)。
【0020】
拡散画像は、時間分解スペックルパターンを合計することによって、および/または最も長い時間積分スペックルパターンを用いることによって得られてもよい。光学パラメータは、拡散反射率分光光度法を用いて再構成されてもよく、ここで拡散反射率プロファイルの動径方向への減衰(radial decay)は、光学的性質を収集するために、拡散理論と共に利用されてもよい。さらに、全反射はアルベドを収集するために利用されてもよい。光学的性質の測定に続いて、これらのパラメータおよびτρはモンテカルロ法または拡散理論手順に入力されてもよく、深度の関数としての流速は、フォワードソルーション(forward solution)の手順を用いて、または以前に決定されたモンテカルロ・シミュレーションのルックアップテーブルを用いることによって決定されてもよい(ステップ360)。この例示的な手順は、Nadkarni,Sら、Journal of Biomedical Optics 11(2):021006において詳細に記載されている。
【0021】
図4は、本発明に係る時間積分スペックルを用いて、深度分解の速度分布を収集する手順または方法の例示的実施形態を示す。この例示的な時間積分スペックル手順/方法は、時間分解スペックルとは、以下のように異なる。すなわち、(a)ステップ410において、スペックルパターンはCMOSカメラまたはCCDカメラの積分時間の関数として得られる。(b)コントラストは、ステップ420において各々の画像に対して得られ、その非相関関数は、次いで、ステップ430において式1によって決定される。
【0022】
火傷の深度を推定するためのレーザスペックル分析手順の例示的実施形態の使用は、他の提案された方法よりも優れた利点を有し得る。例えば、測定は、非浸襲的に、および外からの複合物を追加することなくなされることができる。レーザスペックルの観察は、レーザダイオード(レーザポインタ)およびCCDまたはCMOSカメラなどの単純な光源を用いてもよい。そのような装置は、おそらく非常に安価であり、容易に利用可能である。さらに、これらの例示的な装置は、おそらく非常にサイズが小さく、電池式が可能であり、ペンサイズで手持ち式のプローブとして容易に構成され得る。調査・観察の業界のために開発された小型の電池式RF送信器がスペックル画像を送信するために用いられてもよいので、無線操作が実装可能である。レーザスペックル分析の費用効率性および可搬性は、この例示的な技術を、例えば重度の火傷を負った患者の管理などに携わる大人数の人員に対して利用可能とすることができる。
【0023】
(例示的な実施形態の詳細)
本発明に係る装置の一例示的実施形態の略図が図5に示される。本発明に係る手持ち式のレーザスペックル火傷プローブの例示的実施形態の例示的装置は、図5に示されるような装置の例示的実施形態の装置に類似する。
【0024】
照射。本発明に係るプローブ/装置の例示的実施形態は、試料520の照射のための電池式レーザダイオードを含んでもよい。代替的に、または追加として、ヘリウム・ネオンレーザ、固体レーザ、およびLEDなどのレーザ光源が用いられてもよい。光源の一例示的な特徴は、時間コヒーレンスの長さが、火傷による痂皮の深度における高コントラストスペックルパターンを得るのに効果的であり得ることである。結果として、コヒーレンスの長さは、例えば、少なくとも1mmであってもよく、より好ましくは1cmより長くてもよい。別の例示的実施形態において、コヒーレンスの長さは様々であってもよく、スペックルコントラストは、痂皮の層の厚さを決定するために用いられてもよい。さらに別の例示的実施形態において、コヒーレンスの長さは、例えば1cm未満であってもよく、スペックルの平均および分散がその層の厚さを決定するために用いられてもよい。時間積分のレーザスペックルパターンの画像化のために、カメラの積分時間が固定されたままであったとしても、パルス状のレーザダイオードが積分時間を制御するために利用可能である。この例示的実施形態に対しては、パルス持続時間は積分時間を制御してもよい。さらなる別の例示的実施形態において、検出器上の積分強度が各々の積分時間に対して実質的に一定に維持されるように、レーザの電力はパルス毎に修正されてもよい。
【0025】
検出器。図5に示されるような本発明に係る装置/プローブ560の例示的実施形態において、電池式無線一次元または二次元のCCDまたはCMOSカメラ540がスペックル画像を得るために用いられることができる。カメラ540は、例えば、スペックル画像を分析するために、内蔵型または別個のプロセッサ550と通信してもよい。代替的に、または追加として、RF送信器550は、例示的な装置/プローブ560から離れたプロセッサにビデオデータを送信してもよい。例えば、1秒間に約30から1000の画像の範囲のフレーム率が、動的な層の速度の調査のために評価され得る。この例示的な方法において、組織の血液の流れおよび痂皮の深度が推定可能である。別の例示的な実施形態において、異なるパルス持続時間を用いてレーザ(または電磁放射の別の光源)500をパルスさせることによって、またはカメラ540の露出時間を変更させることのいずれかによって、画像は異なる積分時間を用いて取得される。異なる積分時間と同様の強度を維持するために、レーザ500の電力は、積分電力が、各積分時間に対して実質的に同じであるように修正されてもよい。あるいは、検出器/CCD/CMOS(例えばカメラ)540の利得は、信号強度が積分時間の各々に対して実質的に類似するように修正されてもよい。
【0026】
光源検出器の関係。異なる照射波長、光源のコヒーレンスの長さ、光源検出の角度、および光源検出の偏光方位などを含む、様々な例示的なプローブの構成が利用可能である。二次元領域における火傷の深度の推定を再構成するために、複数の位置を用いて視野を照射するための配置構成の例示的実施形態もまた、利用可能である。この例示的な操作を実行することができる不活性な光学素子は、回折格子、多重ビームのビームスプリッタ、ならびにホログラフィック光学素子およびパターン発生器を含むことができる。複数の、同時に照射された別個の位置からの深度データは、その火傷の深度の二次元マップを生成するために補間可能である。例えば、ラップトップ型コンピュータに接続されたRF受信器は、データ取得、画像処理、および火傷の深度の推定の決定のために用いられてもよい。代替的に、または追加として、内蔵型プロセッサが、深度分解の速度分布を再構成するために利用されてもよい。
【0027】
例示的な画像処理手順。例えば自動閾値決定などを用いて、適合可能な局所的分散の決定などの、静的なスペックルパターンのサイズを決定する画像処理手順の例示的実施形態が利用可能である。非浸襲性の光学的性質の測定は、拡散反射の分光光度法(Farrell,T.J.ら、Med. Phys. 19:879,1992に記載される)によって、または、スペックルパターンの確率分布関数の二次統計の決定(Thompson,C.A.ら、Appl. Opt. 36:3726,1997に記載される)によって達成されてもよい。光学的性質の推定と組み合わせた静的なスペックルのサイズは、例えば、痂皮の層の厚さおよび火傷の深度を提供できる。血液の流れの推定量は、フーリエ領域における時間的スペックルパターンの相関手順によって計算可能である。非静的層上の静的層の厚さを収集する手順の例示的な実施形態は、Nadkarni,Sら、Journal of Biomedical Optics 11(2):021006に記載される。
【0028】
(実施例)
時間分解のスペックル測定システムの例示的実施形態は、組織の光学的性質を測定し、深度分解の組織の動きおよび流れを決定するために利用可能な形で提供可能である。通常、時間分解のスペックルは、高価で比較的大きい高速CCDカメラを使用するので、時間積分システムを用いてこれらの測定を得ることには有利である。時間分解のスペックル画像化の例示的な手順とは対照的に、時間積分のスペックル測定の例示的な手順は、安価で小さい器具構成を用いて実施可能であり、その器具構成を手持ち式装置などの小さな装置に組み込むことも可能である。
【0029】
時間積分レーザスペックル画像を得るために使用可能である本発明にかかる配置構成の例示的実施形態のブロック図が図6に示される。例えば、偏光したヘリウム−ネオンレーザ(λ=632nm,4mW)600は、光のスループットと露出時間との両方を制御可能なシャッタ610を照射する。コヒーレントなレーザ光は、次いで、レンズ620によってフォーカスされ、ビームスプリッタ630を介して送られてもよい。試料640上のフォーカスされた点の直径は、例えば、約100μmであってもよい。試料から送られた光は、偏光子650および開口部660を介して送られ、交差偏光による検出を保証し、検出されたスペックルのサイズを制御する。スペックルパターンは、コンパクトCCDカメラ(例えば、JAI−CV11、30fps、640×480ピクセル)670によって検出可能である。時間積分のレーザスペックル測定装置の例示的実施形態は片手に収まる程度に十分に小さく、軽量であってもよい。
【0030】
例示的な手順は、リアルタイムで一連の時間積分のスペックル画像を自動的に取得し、分析を行うために利用可能である。スペックル画像は、約5.2msから約20.2msの範囲の積分時間に亘って取得されてもよい。例示的な非相関の時定数(例えば、血流速度と反比例する)は、異なる積分時間において得られるスペックル画像におけるコントラストを計算することによって決定されてもよい。図7(a)から(d)は、約5mm/sで動く、例示的なテフロン(登録商標)の散乱ファントムから得られることができる一連のスペックル画像を表す。スペックル画像は図7(a)から(d)に示され、それぞれ、5.2(700)ms、10.2(710)ms、15.2(720)ms、および20.2(730)msの露出時間が提供される。コントラストおよび露出時間は反比例した関係であった。
【0031】
本発明に係るシステムの例示的実施形態は、速度測定のための時間積分スペックルを有効化するために用いられる。散乱ファントムは、皮膚内に予想される血流量の範囲を概算し得る速度の範囲(例えば、約0.2mm/sから約10mm/s)において移動可能である。図8は、実際の速度の関数として、本出願人らの時間積分スペックル装置によって測定された相対速度のグラフ800を示す。グラフ800に示される実際の速度は、スケーリング定数によるスペックルパターンの速度とは異なる。時間積分のスペックルパターンによる速度測定とファントムの真なる速度(例えばR=0.99、p<0.001)との間においては直線的な関係が観察できる。これらの結果は、時間積分のスペックルパターンの分析が組織内の血流の速度を収集するために利用可能であることを示してもよい。
【0032】
このように、例えば、時間積分のLSIを実施する小型のプラットフォームなどの例示的実施形態が提供されることができ、同様のものを提供するシステムの例示的実施形態の概略図が図9に示される。例えば、図9に示されるシステムの例示的実施形態は、レーザダイオード900、結像光学系、小型のARMコンピュータ930、CMOSカメラ940、およびリチウムイオンバッテリ910を含むことができる。レーザダイオード900は、例えば、650nmにて、約5mWの直線偏光を提供することができる。画像に、異なる積分時間および一定の積分電力を提供するために、レーザダイオード900のハウジング上のリードに入力されるTTLパルスは電力およびパルス持続期間を制御してもよい。レーザ出力は、レーザハウジング内の小型レンズを介して、組織表面と接触して配置可能な偏光ビームスプリッタ(PBS)950へ方向付け可能である。組織から送られた光はPBS950を介して通過してもよく、小型のCMOSカメラ940によって画像化されてもよい。
【0033】
カメラと、パルス積分時間および電力との同期は、小型CPU930によって提供できる。小型のCPU930は、リアルタイムで実施される全てのレーザのスペックル画像化処理を容易にするために十分な計算能力を有することができる。起動時に、CPU930は、1msの増分にて、1msから30msの範囲の積分時間を用いてレーザのスペックル画像を取り込むことができる。画像データは、小型コンピュータ930に存在する小型のSDカードに保存されてもよい。本発明の一例示的実施形態によれば、CMOSカメラ940ドライバおよびソフトウェアは、小型のコンピュータ930に提供でき、画像が獲得可能である。また、画像データから時間分解の速度プロファイルを再構成し、装置の機械的ハウジングを構成するために、他の例示的な手順を用いることも可能である。さらに、深度依存の流れの分布のマップを提供し得る小さなLCDディスプレイ970を組み込むことが可能である。
【0034】
LSIからの試料における深度分解の動きを再構成するために利用可能な本発明に係る手順の例示的実施形態は、例えば、壊死性コアの線維性粥腫(NCFA)と呼ばれる特定のタイプの動脈硬化性プラークにおける繊維性被膜の厚さを検出してもよい(Nadkarni,Sら、Journal of Biomedical Optics 11(2):021006を参照)。例えば、最も単純な意味においては、NCFAは、コラーゲンおよび平滑筋細胞が豊富な、より硬い繊維性の層を有し、脂質残屑および壊死性残屑を含むより低い粘着性のより深いコアを覆う二層化された組織として記載できる。ブラウン運動を考慮すると、繊維層は、壊死性の脂質層(より短い時定数)と比較して、より緩慢な速度のスペックルの非相関(より長い時定数)の影響を及ぼす場合がある。モンテカルロ・シミュレーションおよび拡散理論の研究によれば、光子は組織に深く入り込み、それらは、例えば図2および図10(b)に示されるように、照射位置からより遠くに送られる可能性が高いことを示した。この効果により、NCFA内において、スペックルの非相関が照射位置からの動径方向距離ρの関数として測定される場合、動径方向に依存する(radially−dependent)時定数τ(ρ)が観察されてもよい。照射位置の近くにおいて、多くの光子は、硬く、高粘着性の繊維性被膜を横断するのみであり、非相関時間は長くなる。照射位置からさらに離れると、大多数の光子は、より深い低粘度のコアを介して伝播し、それによって、図10(a)および図10(b)の1010および1020にそれぞれ示されるように、非相関時間はより短くなる。この時定数の遷移が生じる距離は、NCFAの被膜の厚さと相関可能である。
【0035】
この例示的な効果を証明するために、例示的なセットのNCFAから得られたLSIデータの時空間的特性を分析することが可能である。各々の一連のスペックル画像に対して、およそプラークの中心にある照射スポットの位置は、手動で配置されてもよい。時間の関数としてのスペックルの非相関曲線は、各々のρの中心にある、正規化された200μm×200μmでウィンドウ表示された交差相関を実行することによって、ρの各々の値に対して獲得可能である。時系列における各々のウィンドウは、フーリエ領域において、第1の画像ウィンドウ(t=0)と相関してもよい。ρの各々の値に対しては、正規化されたスペックルの非相関曲線は、ウィンドウ表示された交差相関の最大値を抽出し、それらをウィンドウ表示された自動相関最大値へと正規化することによって、生成可能である。動径方向分解(radially−resolved)の非相関の時定数τ(ρ)は、各々のρに対する非相関の曲線の指数フィッティングによって、および50μmの増分においてウィンドウの中心を移動することによって決定されてもよい。このウィンドウは、組織構造(histology)を正確に登録するために、照射スポットからインクのマーク位置へと変形されてもよい。
【0036】
繊維性被膜の厚さにおける組織の不均質および変動のために、測定されたレーザのスペックルパターンは、不均整である場合がある。すなわち、各々のNCFAに対する照射位置のいずれかの側に対応し得る、τ(ρ)対ρの2つのグラフが取得可能である。τ(ρ)が照射位置における最大値の半分に入る場合の距離ρ’は、図10(a)に示されるように、決定されてもよい。それゆえ、ρ’よりも短い距離においては、観察されるスペックルパターンは、繊維性被膜内にて、光子の散乱によってその大部分が影響される(図10(b)を参照)。逆に、ρ’よりも長い距離に対しては、観察されるスペックルパターンは、主に、壊死性のコア内に散乱されることによって影響され得る。
【0037】
さらに、ρ’の動径方向距離は、NCFAの繊維性被膜を介した動径方向分解の最大光子侵入度を推定するための、空間分解の拡散反射率の拡散理論モデルおよび組織内の光輸送のモンテカルロ・モデルを組み合わせることによって、繊維性被膜の厚さに関連付けることができる。組織は、その光学的パラメータによって記載されてもよい。すなわち、吸収係数μa、散乱係数μs、異方性係数g、および空気と組織の屈折率(n=1.4)。例えば、繊維性組織の光学的性質は、動脈硬化性プラークからの動径方向依存分解の送付物(remittance)を測定することによって、例えば、およそ632nmで導き出され、組織学的に繊維性プラークとして確認されることができる。繊維性プラークにおけるコラーゲンの光学的性質が、NCFAにおける繊維性被膜の光学的性質と極めて類似し得る場合、繊維性プラークが利用されてもよい。
【0038】
繊維性プラークの時間依存性のスペックル画像は、上述されるような画像セットアップを用いて取得されてもよい。量子効率およびCCDカメラの利得を考慮すると、プラークから送られ、CCDセンサによって検出される拡散光子の総数は、は、約2秒間に亘って獲得される、時間平均スペックル画像によって測定されてもよい。繊維性プラークに対する動径方向分解の光子の確率P(ρ)は、動径ρの異なる環帯に亘って検出される光子の数を合計し、環帯領域およびCCD検出器の領域に亘って検出される光子の総数を正規化することによって生成可能である。次に、半無限の均一組織の場合のための単一の散乱体拡散モデルから決定される理論的な光子の動径方向確率は、繊維性プラークの光学的性質、μa、μs、およびgを抽出するために、例示的な最小二乗法の最適化手順を用いて、測定された光子の動径方向確率P(ρ)にフィッティングされてもよい。
【0039】
それらの光学的性質が確立される場合、それらは、半無限の均一層を仮定することができるモンテカルロ・モデルに対する入力として用いられてもよい。光子の初期状態は、半無限の層と垂直な入力ビームを含むことができる。複数の稼動が複数の同一または類似のセットの光学的性質と共に実行されてもよく、全体で約500,000の光子のパケット軌道が開始されてもよい。送られた光子は、例えば、約2mmの動径距離に亘って集められてもよい。モンテカルロ・シミュレーションの結果から、動径方向分解の最大侵入度は各光子に対して記録されてもよい。距離ρにおいて送られた光子の最大侵入度の分布の平均は、動径方向距離の関数として、平均最大侵入度zmax(ρ)の推定を提供することができる。さらに、各プラークに対して、ρ’は、上述のように時空間的なLSIを介して、およびパラメータzmax(ρ’)を得るための、zmax(ρ)のルックアップテーブルへの入力を介して決定されてもよい。各NCFAに対して、組み合わされたLSI−モンテカルロ技術を用いて得られたパラメータzmax(ρ’)は、直線回帰分析および対応のあるt−検定を用いた組織学によって測定された繊維性被膜の厚さと比較可能である。全ての分析に対して、0.05より小さいp値が、統計的に重要であると見なすことができる。
【0040】
図11は、半無限の均一組織に対する拡散モデルから計算された理論的な光子の動径方向確率と比較された繊維性プラークに対して実験的に測定された、光子の動径方向確率P(ρ)の例示的なグラフ1100を示す。例示的な光学パラメータは、繊維性プラークの光学的性質、すなわち、吸収係数μa=5.36cm−1、散乱係数μs=470.14cm−1、異方性係数g=0.8の値を生じた実験データに対して、理論曲線をフィッティングさせる、最小二乗法による最適化手順を利用することによって得られてもよい。これらの値は、約632nmの波長にて、ヒト大動脈の光学的性質についての以前に公表された結果に対応可能である。
【0041】
図12は、動径方向分解の光子侵入深度zmax(ρ)が照射位置から距離ρの関数としてプロットされているモンテカルロ・シミュレーションの例示的結果のグラフ1200を示す。グラフ1200は、zmax(ρ)を推定することにおける不確定性が照射位置からの距離とともに増加することを示す。図13において、zmax(ρ’)対組織構造から測定された平均繊維性被膜の厚さがグラフ13に提供される。ρ’とそれに対応するパラメータzmax(ρ’)の2つの測定が取得可能であり、照射位置の各々の側に1つずつある。それゆえ、19のNCFAからの38回の測定の全てが取得され得る。直線回帰分析は、LSI−モンテカルロ技術および繊維性被膜の厚さ(R=0.77、p<0.0001)によって測定されたzmax(ρ’)間において、強い正の相関を証明した。対応のあるt−検定の例示的な結果は、本出願人らのLSI−モンテカルロ技術を用いてなされたzmax(ρ’)の測定と、組織断片(p=0.2)から測定された繊維性被膜の厚さとの間において、統計学的に有意な差は存在しない可能性が高いことが示され得る。
【0042】
前述は、単に本発明の原理を示したのみである。記載された実施形態に対しての様々な修正および変更は、本明細書における教示に鑑みて、当業者に対して明らかである。すなわち本発明の例示的な実施形態に係る配置構成、システム、および方法は、撮像システムとともに、ならびに、例えば、2004年9月8日に出願の国際特許出願第PCT/US2004/029148号明細書、2005年11月2日に出願の米国特許出願第11/266,779号明細書、および2004年7月9日に出願の米国特許出願第10/501,276号明細書に記載された内容とともに用いられることができ、それらの開示は、本明細書に引用されることでその全体において援用される。当業者は、本明細書において明示的に示されないか、または記載されないけれども、本発明の原理を具現する、多数のシステム、配置構成、および方法を考案することができ、それらは本発明の趣旨および範囲内であることは理解される。さらに、従来技術の知識が上述の本明細書において明示的に引用により援用されていない限りでは、それはその全体において本明細書に援用されている。上述の本明細書において引用された全ての刊行物はその全体において引用されることにより本明細書において援用される。
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2006年9月12日に出願の米国特許出願第60/844,302号の優先権の利益を主張し、その開示全体は引用により本明細書に援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、解剖学的構造に関連する情報を取得する装置、プローブ、および方法に関し、より詳細には、異なる深度において、例えば、火傷による損傷を含む損傷についての情報を検査するために、そのような解剖学的構造の評価を提供することができる装置、プローブ、および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
火傷の初期の迅速な診断および治療により、命を救うことができる。火傷の深度は臨床検査によって診断されるが、その臨床検査は火傷について経験豊かな外科医または医師が検査した場合であってもおよそ50%の正確性しか有しない場合がある。火傷による損傷を診断する特定の方法が提案されているが、非侵襲的に患者の火傷の深度を決定するために用いることができる、広く認可された診断方法または診断システムは存在しない。外因性蛍光色素、放射性同位体、色素吸収、高周波数超音波、レーザドップラー流量計および画像化、ならびに反射率分光法などの多くの技術および/装置が、火傷の深度を測定するために記載されている。これらの技術/装置の少なくとも一部は、火傷の損傷後の初期段階での正確性の無さ、長引く測定時間、患者に有毒性である可能性などを含む、著しい不都合を有する場合がある。さらに、そのような従来の装置の多くは、扱い辛くかつ高価であるので、その結果、一般の開業医、緊急治療室の医師、または当該分野における医療人員によって用いられない可能性が高い。
【0004】
熱傷を受けると、通常は、肌の外側の部分は取り返しのつかない損傷(痂皮)を受け、その部分への血液の供給が失われる可能性がある。火傷の深度(例えば痂皮層の厚さ)が毛包および汗管の基部を含まない場合、その火傷は、血管の真皮上部に位置する、皮膚付属器腫瘍から生じる上皮細胞によって、肌表面の細胞収集により治癒する場合がある。それゆえ、火傷の解剖学的構造は、無血管の層(痂皮)とそれに覆われる血管の層(生存組織)とからなる2層の媒体としてモデル化することができる(図1に示す)。無血管の層の厚さを測定することができる装置は、火傷の深度の推定を提供し、表皮の再上皮形成の可能性を予測し、初期段階での切除および移植のために、深い火傷を識別することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、上述の従来の配置構成および方法に関する不備の少なくとも一部を克服する必要性が存在する場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(本発明の例示的実施形態の目的および要約)
上述の問題および/または不備、ならびに他の不備に取り組む、および/または克服するために、異なる深度において、例えば、火傷による損傷を含む損傷についての情報を検査するために、そのような解剖学的構造の評価を提供することができる例示的実施形態の装置、プローブ、および方法が容易になされることができる。
【0007】
本発明の一例示的実施形態によれば、装置、プローブ、および方法が、少なくとも上述の理由およびその他のために提供可能である。特に、解剖学的構造の少なくとも一部に関する情報を得るための装置および方法の一例示的な実施形態が提供可能である。例えば、少なくとも1つの第1の配置構成を用いて少なくとも1つの第1の電磁放射を少なくとも一部に送ることができる。さらに少なくとも1つの第2の配置構成を用いて、試料から少なくとも1つの第2の電磁放射を検出することができ、第2の電磁放射は第1の電磁放射に関連される。第2の配置構成は複数の積分時間において第2の電磁放射に関連されるデータを得るために用いられることができる。
【0008】
さらに少なくとも1つの第3の配置構成を用いて、第2の電磁放射を用いて一部内の深度の関数として少なくとも1つの動きの性質を決定可能である。動きの性質は第2の電磁放射に関連付けられたデータを得ることによって決定可能である。データは第2の配置構成によって検出されたスペックルデータであってもよい。さらに第3の配置構成においてデータに基づいて一部の光学的性質を決定することができる。さらに第4の配置構成を用いて一部上の複数の位置に放射するために、第1の電磁放射を受け取り、複数の第3の電磁放射を生成することができる。第2の配置構成は第3の電磁放射に基づいて試料から第2の電磁放射を検出するために用いることができ、第3の配置構成はまた少なくとも1つの第2の電磁放射の関数として、少なくとも一部の複数の位置に対する、深度の関数として、複数の動きの性質を決定するために用いることができる。
【0009】
本発明の他の例示的実施形態によれば、データは、少なくとも一部の少なくとも一部分の画像であってもよい。第3の配置構成を用いてデータのコントラストを決定することが可能であってもよい。コントラストは、一部上の第1の電磁放射の接触点からの照射の距離の関数として決定されてもよい。さらに、積分時間において収集されたデータの、少なくとも1つの非相関関数を決定することが可能であってもよい。非相関関数は、一部上の第1の電磁放射の接触点からの照射の距離の関数として決定されてもよい。さらに、第3の配置構成を用いて、積分時間において収集されたデータの、非相関関数の少なくとも1つの時定数を決定することが可能でもよい。
【0010】
本発明のさらに他の例示的実施形態によれば、光学的性質の関数として、一部の少なくとも一部分の動きの性質、および積分時間において収集されたデータの非相関関数の時定数を決定するために、第3の配置構成を用いることが可能である。光学的性質は、拡散反射率分光光度法手順を用いて、積分時間において収集されたデータに基づいて決定されてもよい。さらに、第1の配置構成は、第1の電磁放射の、少なくとも1つの可変パルス持続時間または可変電力を提供するように用いられてもよい。第2の配置構成は、第2の電磁放射を検出するために、少なくとも1つの可変シャッタ、可変積分時間、または可変の利得を提供するように利用されてもよい。
【0011】
本発明のさらなる他の例示的実施形態によれば、第1の配置構成および/または第2の配置構成と協動するように構成可能であるシャッタ構成が提供可能である。そのシャッタ構成は、第1の配置構成と少なくとも一部との間、および/または一部と第2の配置構成との間に提供されてもよい。第2の電磁放射を用いて、試料から交差偏光された光を検出するように構成され得る偏光の配置構成が提供可能である。さらに、動きの性質の関数として、一部の少なくとも1つの画像を生成するように用いられてもよい。さらに、第3の配置構成は、モンテカルロの手順、拡散方程式の手順、および/または確率分散関数の手順を用いて、動きの性質に関連付けられた一部の深度を決定するように利用可能であってもよい。第1、第2、および第3の配置構成は、一体型の手持ち式ユニットにおいて提供されてもよい。本発明のこれらならびに他の目的、特徴、および利点は、添付の特許請求の範囲と関連して考慮される場合、本発明の以下の実施形態の詳細な記載を読むことで明らかとなる。
【0012】
さらに、本発明のさらなる目的、特徴、および利点は、本発明の例示的な実施形態を示す添付の図面に関連して記載された以下の詳細な記載から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】コヒーレント光を用いて組織を照射した場合に、観察され得る粒状の干渉パターンを示す例示的なスペックル画像である。
【図2】本発明の例示的実施形態に係る火傷のモデルの略図である。
【図3】本発明に係る方法の第1の例示的実施形態のフロー図である。
【図4】本発明に係る方法の第2の例示的実施形態のフロー図である。
【図5】本発明に係る装置の例示的実施形態の略図である。
【図6】時間積分レーザスペックル画像を得るために使用可能である、本発明の例示的実施形態に係る光学的配置構成のブロック図である。
【図7】図7(a)から(d)は、約5mm/秒で動く、テフロン(登録商標)の散乱ファントムの例示的実施形態から得られる一連のスペックル画像である。
【図8】実際の速度の関数として、本発明に係る時間積分スペックル装置の例示的実施形態によって測定された相対速度の例示的グラフである。
【図9】本発明に係る、時間積分レーザスペックル画像化(LSI)法を実施する小型のプラットフォームの例示的実施形態の図である。
【図10】図10(a)および(b)は、解剖学的構造の深度を通る光子の伝播およびそれに関連する非相関時間の例示的な図である。
【図11】半無限の均一組織についての例示的な散乱モデルから計算された理論的な光子の動径方向確率と比較された繊維性プラークに対して実験的に測定された、例示的な光子の動径方向確率のグラフである。
【図12】動径方向分解の光子侵入度が照射位置から距離の関数として提供されているモンテカルロ・シミュレーションの例示的結果のグラフである。
【図13】組織構造から測定された平均繊維性被膜の厚さの関数として提供された例示的な侵入深度のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面を通して、特段の記載がなければ、同様の参照符号および特性は、図示された実施形態のうちの類似の特徴、要素、構成要素、または部分を示すために用いられる。さらに、ここで本発明は図面を参照して詳細に記載されるが、それは例示的な実施形態に関連して記載される。添付の特許請求の範囲によって規定されるように、本発明の真なる範囲および趣旨から逸脱することなく、変更および修正が記載の実施形態になされ得ることが意図される。
【0015】
(一般的な議論)
痂皮の厚さを測定するための、非侵襲の一例示的方法は、レーザスペックルパターンの時空間的分析である。この例示的な方法の関連資料は、Sadhwani,AらのAppl.Opt.35(28):5727−5735、1996年、Nadkarni,SらのJournal of Biomedical Optics 11(2):021006、および2001年10月30日出願の米国特許出願第10/016,244号に記載される。
【0016】
例えば、スペックルは、(図1の例に示すような)コヒーレント光で組織を照射した場合に観察され得る粒状の干渉パターンである。火傷の表面に形成されるスペックルパターンは皮膚の微視的構造によって測定可能であり、組織内の粒子の動きを高度に検知できる場合がある。その結果、血管組織を横断した光から形成されたスペックルパターンは一時的に変調され得る。対照的に、無血管(痂皮)の領域のみを横断する光から形成されたスペックルパターンは、通常、時間が経過しても一定のままである。例えば、組織が細い直径のビームで照射された場合、その組織へとより深く伝播した光子は、光源入り口点からさらに離れて組織から抜け出る可能性がより高い。それゆえ、火傷の表面上に形成されたレーザスペックルパターンの二次元画像は、静的なスペックルパターンを有する中央領域および変調されたスペックルパターンを有する周囲領域を含むはずである。痂皮の光学的性質の知識によって、その静的な領域の動径の測定により、その痂皮の厚さが測定できるはずである。加えて、変調されたスペックルパターンの時間的相関により、生存している層における組織の血液の流れ(perfusion)の推定量を提供してもよい。
【0017】
スペックルパターンの変動を測定する様々な異なる例示的方法、例えば時間変動測定および時間積分測定などが存在する。時間変動スペックルは、スペックルパターンが非相関である、特徴的な時定数Tdによって記載可能である。ブラウン運動または流れを受けない静的な試料は、静的なスペックルパターンを恐らく有し、高度に非相関の時定数を生じる。時間平均スペックルは、σ(ρ,T)/<Ι(ρ,T)>として規定されるスペックルコントラストと呼ばれる量によって特徴付けられることができ、ここでTはスペックルパターンの積分時間(カメラの露出時間または光源の照射期間)であり、ρは入射ビームからの距離である。静的な試料において、高いコントラストのスペックル画像が観察される。試料における分散が移動中の場合、恐らく不鮮明なスペックルパターンとなり、したがって、スペックルコントラストを低下させる。時間積分スペックルパターン分析のために、非相関時定数は以下の例示的な式を解くことによって非相関関数をまず決定することによって得ることができる。
【数1】
ここでTは積分時間であり、c(T)は測定された時間積分コントラストであり、C(t)は非相関関数である。
【0018】
組織への一点照射によって形成された時間積分または時間分解のスペックルパターンの例示的な時空的分析が深度分解情報を得るために用いられることが可能である。放射輸送方程式に対するモンテカルロ・シミュレーションおよび解析解は、(図2に示されるように)光が差し込んだ深度に比例する動径にて現われるように、光が照射位置から外側に向けて動径方向に(radially)拡散することを示す。例えば、図2に示されるように、光200が試料205に入射される。従って、光源の位置ρ210からの動径方向距離の関数としてのスペックル変調の分析は、試料205内における深度の関数として、組織の血液の流れに関する特定の情報を提供することができる。なぜならば、火傷の組織または痂皮220は壊死しているので、恐らく血液の流量が少ない動きであり、したがって一時的に静的なスペックルパターン230である。反対に、血管組織240を横断した光から形成されたスペックルは、恐らく一時的に変調されている(250)。それゆえ、火傷の損傷がもたらしたスペックルパターンは、壊死した組織の深度に対応する動径内の高いスペックル非相関の時定数を現すはずである。この動径の外側においては、光は、血液が流れている組織205を通して伝播し、その結果、これらの領域において低い時定数となる。これらの時定数が遷移する複数の動径が、通常生じ、光が差し込む深度は恐らく、組織の光学的性質によって関連される。有利なことに、これらの光学的性質は、拡散反射率分光光度法の例示的な技術を介した時間平均スペックルパターンを用いることによって測定されてもよい。深度の関数としての速度プロファイルは、例えば、測定された光学パラメータおよび時定数の動径などを用いることによって得られることができる。これらの深度分解の速度プロファイルは、拡散理論またはモンテカルロ・モデル化など、散乱媒質における光の光輸送のための例示的なモデルを用いることによって決定されてもよい。
【0019】
図3は、本発明に係る時間分解スペックルを用いた深度分解の速度分布を収集する手順または方法の第1の例示的な実施形態を示す。例えば、時間的コヒーレンスを有する光が、ステップ300において、問題となる組織に差し込まれる。CCDカメラ、CMOSカメラなどが、ステップ310において、時間の関数として一連の画像を得ることができる。ステップ320において、非相関の曲線は、時間領域またはフーリエ領域のいずれかにおける画像の残りと第1の画像との時間的非相関を用いることによって一連の画像から決定されることができる。一例示的実施形態において、複数の非相関の画像は、m×nのウィンドウを用いて、ビーム入り口点からの距離のさらなる関数として得られてもよく、ここでウィンドウは、ρすなわちビーム照射点からの距離に中心があってもよい。時定数τ(ρ)は、複数の指数関数法へのフィット、または、所定の流れ分布の確率分布関数へのフィットを用いて、ステップ330において、ρの関数として決定されてもよい。深度依存の流れを決定するために、試料に対する光学的性質μs、μaおよびgが測定可能である。これは、ステップ350において、当該技術分野における様々な公知の方法を介して達成され得る。一例示的実施形態において、光学的性質は拡散画像から決定されてもよい(ステップ340)。
【0020】
拡散画像は、時間分解スペックルパターンを合計することによって、および/または最も長い時間積分スペックルパターンを用いることによって得られてもよい。光学パラメータは、拡散反射率分光光度法を用いて再構成されてもよく、ここで拡散反射率プロファイルの動径方向への減衰(radial decay)は、光学的性質を収集するために、拡散理論と共に利用されてもよい。さらに、全反射はアルベドを収集するために利用されてもよい。光学的性質の測定に続いて、これらのパラメータおよびτρはモンテカルロ法または拡散理論手順に入力されてもよく、深度の関数としての流速は、フォワードソルーション(forward solution)の手順を用いて、または以前に決定されたモンテカルロ・シミュレーションのルックアップテーブルを用いることによって決定されてもよい(ステップ360)。この例示的な手順は、Nadkarni,Sら、Journal of Biomedical Optics 11(2):021006において詳細に記載されている。
【0021】
図4は、本発明に係る時間積分スペックルを用いて、深度分解の速度分布を収集する手順または方法の例示的実施形態を示す。この例示的な時間積分スペックル手順/方法は、時間分解スペックルとは、以下のように異なる。すなわち、(a)ステップ410において、スペックルパターンはCMOSカメラまたはCCDカメラの積分時間の関数として得られる。(b)コントラストは、ステップ420において各々の画像に対して得られ、その非相関関数は、次いで、ステップ430において式1によって決定される。
【0022】
火傷の深度を推定するためのレーザスペックル分析手順の例示的実施形態の使用は、他の提案された方法よりも優れた利点を有し得る。例えば、測定は、非浸襲的に、および外からの複合物を追加することなくなされることができる。レーザスペックルの観察は、レーザダイオード(レーザポインタ)およびCCDまたはCMOSカメラなどの単純な光源を用いてもよい。そのような装置は、おそらく非常に安価であり、容易に利用可能である。さらに、これらの例示的な装置は、おそらく非常にサイズが小さく、電池式が可能であり、ペンサイズで手持ち式のプローブとして容易に構成され得る。調査・観察の業界のために開発された小型の電池式RF送信器がスペックル画像を送信するために用いられてもよいので、無線操作が実装可能である。レーザスペックル分析の費用効率性および可搬性は、この例示的な技術を、例えば重度の火傷を負った患者の管理などに携わる大人数の人員に対して利用可能とすることができる。
【0023】
(例示的な実施形態の詳細)
本発明に係る装置の一例示的実施形態の略図が図5に示される。本発明に係る手持ち式のレーザスペックル火傷プローブの例示的実施形態の例示的装置は、図5に示されるような装置の例示的実施形態の装置に類似する。
【0024】
照射。本発明に係るプローブ/装置の例示的実施形態は、試料520の照射のための電池式レーザダイオードを含んでもよい。代替的に、または追加として、ヘリウム・ネオンレーザ、固体レーザ、およびLEDなどのレーザ光源が用いられてもよい。光源の一例示的な特徴は、時間コヒーレンスの長さが、火傷による痂皮の深度における高コントラストスペックルパターンを得るのに効果的であり得ることである。結果として、コヒーレンスの長さは、例えば、少なくとも1mmであってもよく、より好ましくは1cmより長くてもよい。別の例示的実施形態において、コヒーレンスの長さは様々であってもよく、スペックルコントラストは、痂皮の層の厚さを決定するために用いられてもよい。さらに別の例示的実施形態において、コヒーレンスの長さは、例えば1cm未満であってもよく、スペックルの平均および分散がその層の厚さを決定するために用いられてもよい。時間積分のレーザスペックルパターンの画像化のために、カメラの積分時間が固定されたままであったとしても、パルス状のレーザダイオードが積分時間を制御するために利用可能である。この例示的実施形態に対しては、パルス持続時間は積分時間を制御してもよい。さらなる別の例示的実施形態において、検出器上の積分強度が各々の積分時間に対して実質的に一定に維持されるように、レーザの電力はパルス毎に修正されてもよい。
【0025】
検出器。図5に示されるような本発明に係る装置/プローブ560の例示的実施形態において、電池式無線一次元または二次元のCCDまたはCMOSカメラ540がスペックル画像を得るために用いられることができる。カメラ540は、例えば、スペックル画像を分析するために、内蔵型または別個のプロセッサ550と通信してもよい。代替的に、または追加として、RF送信器550は、例示的な装置/プローブ560から離れたプロセッサにビデオデータを送信してもよい。例えば、1秒間に約30から1000の画像の範囲のフレーム率が、動的な層の速度の調査のために評価され得る。この例示的な方法において、組織の血液の流れおよび痂皮の深度が推定可能である。別の例示的な実施形態において、異なるパルス持続時間を用いてレーザ(または電磁放射の別の光源)500をパルスさせることによって、またはカメラ540の露出時間を変更させることのいずれかによって、画像は異なる積分時間を用いて取得される。異なる積分時間と同様の強度を維持するために、レーザ500の電力は、積分電力が、各積分時間に対して実質的に同じであるように修正されてもよい。あるいは、検出器/CCD/CMOS(例えばカメラ)540の利得は、信号強度が積分時間の各々に対して実質的に類似するように修正されてもよい。
【0026】
光源検出器の関係。異なる照射波長、光源のコヒーレンスの長さ、光源検出の角度、および光源検出の偏光方位などを含む、様々な例示的なプローブの構成が利用可能である。二次元領域における火傷の深度の推定を再構成するために、複数の位置を用いて視野を照射するための配置構成の例示的実施形態もまた、利用可能である。この例示的な操作を実行することができる不活性な光学素子は、回折格子、多重ビームのビームスプリッタ、ならびにホログラフィック光学素子およびパターン発生器を含むことができる。複数の、同時に照射された別個の位置からの深度データは、その火傷の深度の二次元マップを生成するために補間可能である。例えば、ラップトップ型コンピュータに接続されたRF受信器は、データ取得、画像処理、および火傷の深度の推定の決定のために用いられてもよい。代替的に、または追加として、内蔵型プロセッサが、深度分解の速度分布を再構成するために利用されてもよい。
【0027】
例示的な画像処理手順。例えば自動閾値決定などを用いて、適合可能な局所的分散の決定などの、静的なスペックルパターンのサイズを決定する画像処理手順の例示的実施形態が利用可能である。非浸襲性の光学的性質の測定は、拡散反射の分光光度法(Farrell,T.J.ら、Med. Phys. 19:879,1992に記載される)によって、または、スペックルパターンの確率分布関数の二次統計の決定(Thompson,C.A.ら、Appl. Opt. 36:3726,1997に記載される)によって達成されてもよい。光学的性質の推定と組み合わせた静的なスペックルのサイズは、例えば、痂皮の層の厚さおよび火傷の深度を提供できる。血液の流れの推定量は、フーリエ領域における時間的スペックルパターンの相関手順によって計算可能である。非静的層上の静的層の厚さを収集する手順の例示的な実施形態は、Nadkarni,Sら、Journal of Biomedical Optics 11(2):021006に記載される。
【0028】
(実施例)
時間分解のスペックル測定システムの例示的実施形態は、組織の光学的性質を測定し、深度分解の組織の動きおよび流れを決定するために利用可能な形で提供可能である。通常、時間分解のスペックルは、高価で比較的大きい高速CCDカメラを使用するので、時間積分システムを用いてこれらの測定を得ることには有利である。時間分解のスペックル画像化の例示的な手順とは対照的に、時間積分のスペックル測定の例示的な手順は、安価で小さい器具構成を用いて実施可能であり、その器具構成を手持ち式装置などの小さな装置に組み込むことも可能である。
【0029】
時間積分レーザスペックル画像を得るために使用可能である本発明にかかる配置構成の例示的実施形態のブロック図が図6に示される。例えば、偏光したヘリウム−ネオンレーザ(λ=632nm,4mW)600は、光のスループットと露出時間との両方を制御可能なシャッタ610を照射する。コヒーレントなレーザ光は、次いで、レンズ620によってフォーカスされ、ビームスプリッタ630を介して送られてもよい。試料640上のフォーカスされた点の直径は、例えば、約100μmであってもよい。試料から送られた光は、偏光子650および開口部660を介して送られ、交差偏光による検出を保証し、検出されたスペックルのサイズを制御する。スペックルパターンは、コンパクトCCDカメラ(例えば、JAI−CV11、30fps、640×480ピクセル)670によって検出可能である。時間積分のレーザスペックル測定装置の例示的実施形態は片手に収まる程度に十分に小さく、軽量であってもよい。
【0030】
例示的な手順は、リアルタイムで一連の時間積分のスペックル画像を自動的に取得し、分析を行うために利用可能である。スペックル画像は、約5.2msから約20.2msの範囲の積分時間に亘って取得されてもよい。例示的な非相関の時定数(例えば、血流速度と反比例する)は、異なる積分時間において得られるスペックル画像におけるコントラストを計算することによって決定されてもよい。図7(a)から(d)は、約5mm/sで動く、例示的なテフロン(登録商標)の散乱ファントムから得られることができる一連のスペックル画像を表す。スペックル画像は図7(a)から(d)に示され、それぞれ、5.2(700)ms、10.2(710)ms、15.2(720)ms、および20.2(730)msの露出時間が提供される。コントラストおよび露出時間は反比例した関係であった。
【0031】
本発明に係るシステムの例示的実施形態は、速度測定のための時間積分スペックルを有効化するために用いられる。散乱ファントムは、皮膚内に予想される血流量の範囲を概算し得る速度の範囲(例えば、約0.2mm/sから約10mm/s)において移動可能である。図8は、実際の速度の関数として、本出願人らの時間積分スペックル装置によって測定された相対速度のグラフ800を示す。グラフ800に示される実際の速度は、スケーリング定数によるスペックルパターンの速度とは異なる。時間積分のスペックルパターンによる速度測定とファントムの真なる速度(例えばR=0.99、p<0.001)との間においては直線的な関係が観察できる。これらの結果は、時間積分のスペックルパターンの分析が組織内の血流の速度を収集するために利用可能であることを示してもよい。
【0032】
このように、例えば、時間積分のLSIを実施する小型のプラットフォームなどの例示的実施形態が提供されることができ、同様のものを提供するシステムの例示的実施形態の概略図が図9に示される。例えば、図9に示されるシステムの例示的実施形態は、レーザダイオード900、結像光学系、小型のARMコンピュータ930、CMOSカメラ940、およびリチウムイオンバッテリ910を含むことができる。レーザダイオード900は、例えば、650nmにて、約5mWの直線偏光を提供することができる。画像に、異なる積分時間および一定の積分電力を提供するために、レーザダイオード900のハウジング上のリードに入力されるTTLパルスは電力およびパルス持続期間を制御してもよい。レーザ出力は、レーザハウジング内の小型レンズを介して、組織表面と接触して配置可能な偏光ビームスプリッタ(PBS)950へ方向付け可能である。組織から送られた光はPBS950を介して通過してもよく、小型のCMOSカメラ940によって画像化されてもよい。
【0033】
カメラと、パルス積分時間および電力との同期は、小型CPU930によって提供できる。小型のCPU930は、リアルタイムで実施される全てのレーザのスペックル画像化処理を容易にするために十分な計算能力を有することができる。起動時に、CPU930は、1msの増分にて、1msから30msの範囲の積分時間を用いてレーザのスペックル画像を取り込むことができる。画像データは、小型コンピュータ930に存在する小型のSDカードに保存されてもよい。本発明の一例示的実施形態によれば、CMOSカメラ940ドライバおよびソフトウェアは、小型のコンピュータ930に提供でき、画像が獲得可能である。また、画像データから時間分解の速度プロファイルを再構成し、装置の機械的ハウジングを構成するために、他の例示的な手順を用いることも可能である。さらに、深度依存の流れの分布のマップを提供し得る小さなLCDディスプレイ970を組み込むことが可能である。
【0034】
LSIからの試料における深度分解の動きを再構成するために利用可能な本発明に係る手順の例示的実施形態は、例えば、壊死性コアの線維性粥腫(NCFA)と呼ばれる特定のタイプの動脈硬化性プラークにおける繊維性被膜の厚さを検出してもよい(Nadkarni,Sら、Journal of Biomedical Optics 11(2):021006を参照)。例えば、最も単純な意味においては、NCFAは、コラーゲンおよび平滑筋細胞が豊富な、より硬い繊維性の層を有し、脂質残屑および壊死性残屑を含むより低い粘着性のより深いコアを覆う二層化された組織として記載できる。ブラウン運動を考慮すると、繊維層は、壊死性の脂質層(より短い時定数)と比較して、より緩慢な速度のスペックルの非相関(より長い時定数)の影響を及ぼす場合がある。モンテカルロ・シミュレーションおよび拡散理論の研究によれば、光子は組織に深く入り込み、それらは、例えば図2および図10(b)に示されるように、照射位置からより遠くに送られる可能性が高いことを示した。この効果により、NCFA内において、スペックルの非相関が照射位置からの動径方向距離ρの関数として測定される場合、動径方向に依存する(radially−dependent)時定数τ(ρ)が観察されてもよい。照射位置の近くにおいて、多くの光子は、硬く、高粘着性の繊維性被膜を横断するのみであり、非相関時間は長くなる。照射位置からさらに離れると、大多数の光子は、より深い低粘度のコアを介して伝播し、それによって、図10(a)および図10(b)の1010および1020にそれぞれ示されるように、非相関時間はより短くなる。この時定数の遷移が生じる距離は、NCFAの被膜の厚さと相関可能である。
【0035】
この例示的な効果を証明するために、例示的なセットのNCFAから得られたLSIデータの時空間的特性を分析することが可能である。各々の一連のスペックル画像に対して、およそプラークの中心にある照射スポットの位置は、手動で配置されてもよい。時間の関数としてのスペックルの非相関曲線は、各々のρの中心にある、正規化された200μm×200μmでウィンドウ表示された交差相関を実行することによって、ρの各々の値に対して獲得可能である。時系列における各々のウィンドウは、フーリエ領域において、第1の画像ウィンドウ(t=0)と相関してもよい。ρの各々の値に対しては、正規化されたスペックルの非相関曲線は、ウィンドウ表示された交差相関の最大値を抽出し、それらをウィンドウ表示された自動相関最大値へと正規化することによって、生成可能である。動径方向分解(radially−resolved)の非相関の時定数τ(ρ)は、各々のρに対する非相関の曲線の指数フィッティングによって、および50μmの増分においてウィンドウの中心を移動することによって決定されてもよい。このウィンドウは、組織構造(histology)を正確に登録するために、照射スポットからインクのマーク位置へと変形されてもよい。
【0036】
繊維性被膜の厚さにおける組織の不均質および変動のために、測定されたレーザのスペックルパターンは、不均整である場合がある。すなわち、各々のNCFAに対する照射位置のいずれかの側に対応し得る、τ(ρ)対ρの2つのグラフが取得可能である。τ(ρ)が照射位置における最大値の半分に入る場合の距離ρ’は、図10(a)に示されるように、決定されてもよい。それゆえ、ρ’よりも短い距離においては、観察されるスペックルパターンは、繊維性被膜内にて、光子の散乱によってその大部分が影響される(図10(b)を参照)。逆に、ρ’よりも長い距離に対しては、観察されるスペックルパターンは、主に、壊死性のコア内に散乱されることによって影響され得る。
【0037】
さらに、ρ’の動径方向距離は、NCFAの繊維性被膜を介した動径方向分解の最大光子侵入度を推定するための、空間分解の拡散反射率の拡散理論モデルおよび組織内の光輸送のモンテカルロ・モデルを組み合わせることによって、繊維性被膜の厚さに関連付けることができる。組織は、その光学的パラメータによって記載されてもよい。すなわち、吸収係数μa、散乱係数μs、異方性係数g、および空気と組織の屈折率(n=1.4)。例えば、繊維性組織の光学的性質は、動脈硬化性プラークからの動径方向依存分解の送付物(remittance)を測定することによって、例えば、およそ632nmで導き出され、組織学的に繊維性プラークとして確認されることができる。繊維性プラークにおけるコラーゲンの光学的性質が、NCFAにおける繊維性被膜の光学的性質と極めて類似し得る場合、繊維性プラークが利用されてもよい。
【0038】
繊維性プラークの時間依存性のスペックル画像は、上述されるような画像セットアップを用いて取得されてもよい。量子効率およびCCDカメラの利得を考慮すると、プラークから送られ、CCDセンサによって検出される拡散光子の総数は、は、約2秒間に亘って獲得される、時間平均スペックル画像によって測定されてもよい。繊維性プラークに対する動径方向分解の光子の確率P(ρ)は、動径ρの異なる環帯に亘って検出される光子の数を合計し、環帯領域およびCCD検出器の領域に亘って検出される光子の総数を正規化することによって生成可能である。次に、半無限の均一組織の場合のための単一の散乱体拡散モデルから決定される理論的な光子の動径方向確率は、繊維性プラークの光学的性質、μa、μs、およびgを抽出するために、例示的な最小二乗法の最適化手順を用いて、測定された光子の動径方向確率P(ρ)にフィッティングされてもよい。
【0039】
それらの光学的性質が確立される場合、それらは、半無限の均一層を仮定することができるモンテカルロ・モデルに対する入力として用いられてもよい。光子の初期状態は、半無限の層と垂直な入力ビームを含むことができる。複数の稼動が複数の同一または類似のセットの光学的性質と共に実行されてもよく、全体で約500,000の光子のパケット軌道が開始されてもよい。送られた光子は、例えば、約2mmの動径距離に亘って集められてもよい。モンテカルロ・シミュレーションの結果から、動径方向分解の最大侵入度は各光子に対して記録されてもよい。距離ρにおいて送られた光子の最大侵入度の分布の平均は、動径方向距離の関数として、平均最大侵入度zmax(ρ)の推定を提供することができる。さらに、各プラークに対して、ρ’は、上述のように時空間的なLSIを介して、およびパラメータzmax(ρ’)を得るための、zmax(ρ)のルックアップテーブルへの入力を介して決定されてもよい。各NCFAに対して、組み合わされたLSI−モンテカルロ技術を用いて得られたパラメータzmax(ρ’)は、直線回帰分析および対応のあるt−検定を用いた組織学によって測定された繊維性被膜の厚さと比較可能である。全ての分析に対して、0.05より小さいp値が、統計的に重要であると見なすことができる。
【0040】
図11は、半無限の均一組織に対する拡散モデルから計算された理論的な光子の動径方向確率と比較された繊維性プラークに対して実験的に測定された、光子の動径方向確率P(ρ)の例示的なグラフ1100を示す。例示的な光学パラメータは、繊維性プラークの光学的性質、すなわち、吸収係数μa=5.36cm−1、散乱係数μs=470.14cm−1、異方性係数g=0.8の値を生じた実験データに対して、理論曲線をフィッティングさせる、最小二乗法による最適化手順を利用することによって得られてもよい。これらの値は、約632nmの波長にて、ヒト大動脈の光学的性質についての以前に公表された結果に対応可能である。
【0041】
図12は、動径方向分解の光子侵入深度zmax(ρ)が照射位置から距離ρの関数としてプロットされているモンテカルロ・シミュレーションの例示的結果のグラフ1200を示す。グラフ1200は、zmax(ρ)を推定することにおける不確定性が照射位置からの距離とともに増加することを示す。図13において、zmax(ρ’)対組織構造から測定された平均繊維性被膜の厚さがグラフ13に提供される。ρ’とそれに対応するパラメータzmax(ρ’)の2つの測定が取得可能であり、照射位置の各々の側に1つずつある。それゆえ、19のNCFAからの38回の測定の全てが取得され得る。直線回帰分析は、LSI−モンテカルロ技術および繊維性被膜の厚さ(R=0.77、p<0.0001)によって測定されたzmax(ρ’)間において、強い正の相関を証明した。対応のあるt−検定の例示的な結果は、本出願人らのLSI−モンテカルロ技術を用いてなされたzmax(ρ’)の測定と、組織断片(p=0.2)から測定された繊維性被膜の厚さとの間において、統計学的に有意な差は存在しない可能性が高いことが示され得る。
【0042】
前述は、単に本発明の原理を示したのみである。記載された実施形態に対しての様々な修正および変更は、本明細書における教示に鑑みて、当業者に対して明らかである。すなわち本発明の例示的な実施形態に係る配置構成、システム、および方法は、撮像システムとともに、ならびに、例えば、2004年9月8日に出願の国際特許出願第PCT/US2004/029148号明細書、2005年11月2日に出願の米国特許出願第11/266,779号明細書、および2004年7月9日に出願の米国特許出願第10/501,276号明細書に記載された内容とともに用いられることができ、それらの開示は、本明細書に引用されることでその全体において援用される。当業者は、本明細書において明示的に示されないか、または記載されないけれども、本発明の原理を具現する、多数のシステム、配置構成、および方法を考案することができ、それらは本発明の趣旨および範囲内であることは理解される。さらに、従来技術の知識が上述の本明細書において明示的に引用により援用されていない限りでは、それはその全体において本明細書に援用されている。上述の本明細書において引用された全ての刊行物はその全体において引用されることにより本明細書において援用される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
解剖学的構造の少なくとも一部に関する情報を得る装置であって、
少なくとも1つの第1の電磁放射を前記少なくとも一部に送るように構成される、少なくとも1つの第1の配置構成と、
少なくとも1つの試料から少なくとも1つの第2の電磁放射を検出するように構成される少なくとも1つの第2の配置構成であって、前記少なくとも1つの第2の電磁放射は前記少なくとも1つの第1の電磁放射に関連され、前記少なくとも1つの第2の配置構成は、複数の積分時間において、前記少なくとも1つの第2の電磁放射に関連されるデータを得る、少なくとも1つの第2の配置構成と、
前記少なくとも1つの第2の電磁放射を用いて、前記少なくとも一部内の深度の関数として、少なくとも1つの動きの性質を決定するように構成される、少なくとも1つの第3の配置構成であって、前記少なくとも1つの第3の配置構成は、前記少なくとも1つの第2の電磁放射に関連されるデータを得ることによって、前記少なくとも1つの動きの性質を決定し、前記データは前記少なくとも1つの第2の配置構成によって検出されるスペックルデータである、少なくとも1つの第3の配置構成と、
を備える、装置。
【請求項2】
前記データは、前記少なくとも一部のうちの少なくとも一部分の画像である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの第3の配置構成は、前記データのコントラストを決定するようにさらに構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記コントラストは、前記少なくとも一部上の前記少なくとも1つの第1の電磁放射の接触点からの照射の距離の関数として決定される、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの第3の配置構成は、前記積分時間において収集されたデータの、少なくとも1つの非相関関数を決定するようにさらに構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの非相関関数は、前記少なくとも一部上の前記少なくとも1つの第1の電磁放射の接触点からの照射の距離の関数として決定される、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの第3の配置構成は、前記積分時間において収集されたデータの、前記少なくとも1つの非相関関数の少なくとも1つの時定数を決定するようにさらに構成される、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの第3の配置構成は、前記データに基づいて前記少なくとも一部の光学的性質を決定するようにさらに構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つの第3の配置構成は、前記光学的性質の関数として、前記少なくとも一部の少なくとも一部分の前記少なくとも1つの動きの性質、および前記積分時間において収集された前記データの前記少なくとも1つの非相関関数の時定数を決定するようにさらに構成される、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記光学的性質は、拡散反射率分光光度法手順を用いて、前記積分時間において収集された前記データに基づいて決定される、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つの第1の配置構成は、前記少なくとも1つの第1の電磁放射の、少なくとも1つの可変パルス持続時間または可変電力を提供するようにさらに構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つの第2の配置構成は、前記少なくとも1つの第2の電磁放射を検出するために、少なくとも1つの可変シャッタ、可変積分時間、または可変の利得を提供するようにさらに構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つの第1の配置構成または前記少なくとも1つの第2の配置構成のうちの少なくとも1つと協動するように構成されるシャッタ構成をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記シャッタ構成は、(i)前記少なくとも1つの第1の配置構成と前記少なくとも一部との間、または(ii)前記少なくとも一部と前記少なくとも1つの第2の配置構成との間、のうちのいずれかに提供される、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記少なくとも1つの第2の電磁放射を用いて、前記試料から交差偏光された光を検出するように構成された偏光の配置構成をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記少なくとも一部上において、複数の位置を照射するために、前記少なくとも1つの第1の電磁放射を受け取り、複数の第3の電磁放射を生成するように構成された、少なくとも1つの第4の配置構成をさらに備え、
前記少なくとも1つの第2の配置構成は、前記第3の電磁放射に基づいて、前記少なくとも1つの試料から前記少なくとも1つの第2の電磁放射を検出するように構成され、
前記少なくとも1つの第3の配置構成は、前記少なくとも1つの第2の電磁放射の関数としての前記少なくとも一部の複数の位置に対する、深度の関数としての複数の動きの性質を決定するようにさらに構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記少なくとも1つの第3の配置構成は、前記動きの性質の関数として、前記少なくとも一部の少なくとも1つの画像を生成するようにさらに構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記少なくとも1つの第3の配置構成は、モンテカルロの手順、拡散方程式の手順、または確率分散関数の手順のうちの少なくとも1つを用いて、前記少なくとも1つの動きの性質に関連付けられた前記少なくとも一部の深度を決定するようにさらに構成される、請求項9に記載の装置。
【請求項19】
前記第1、第2、および第3の配置構成は、一体型の手持ち式ユニットにおいて提供される、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
解剖学的構造の少なくとも一部に関する情報を得る装置であって、
少なくとも1つの第1の電磁放射を前記少なくとも一部に送るように構成される、少なくとも1つの第1の配置構成と、
少なくとも1つの試料から少なくとも1つの第2の電磁放射を検出するように構成される少なくとも1つの第2の配置構成であって、前記少なくとも1つの第2の電磁放射は前記少なくとも1つの第1の電磁放射に関連される、少なくとも1つの第2の配置構成と、
前記少なくとも1つの第2の電磁放射を用いて、前記少なくとも一部内の深度の関数として、少なくとも1つの動きの性質を決定するように構成される、少なくとも1つの第3の配置構成であって、前記少なくとも1つの第3の配置構成は、前記少なくとも1つの第2の電磁放射に関連されるデータを得ることによって、前記少なくとも1つの動きの性質を決定し、前記データは前記少なくとも1つの第2の配置構成によって検出されるスペックルデータであり、前記少なくとも1つの第3の配置構成は、前記データに基づいて、前記少なくとも一部の光学的性質を決定するようにさらに構成される、少なくとも1つの第3の配置構成と、
を備える、装置。
【請求項21】
前記少なくとも1つの第3の配置構成は、前記光学的性質の関数として、前記少なくとも一部のうちの少なくとも一部分の前記少なくとも1つの動きの性質、および前記データの前記少なくとも1つの非相関関数の時定数を決定するようにさらに構成される、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記光学的性質は、拡散反射率分光光度法手順を用いて、前記積分時間において収集された前記データに基づいて決定される、請求項20に記載の装置。
【請求項23】
解剖学的構造の少なくとも一部に関する情報を得る装置であって、
少なくとも1つの第1の電磁放射を前記少なくとも一部に送るように構成される、少なくとも1つの第1の配置構成と、
少なくとも1つの試料から少なくとも1つの第2の電磁放射を検出するように構成される少なくとも1つの第2の配置構成であって、前記少なくとも1つの第2の電磁放射は前記少なくとも1つの第1の電磁放射に関連される、少なくとも1つの第2の配置構成と、
前記少なくとも1つの第2の電磁放射を用いて、前記少なくとも一部内の深度の関数として、少なくとも1つの動きの性質を決定するように構成される、少なくとも1つの第3の配置構成であって、前記少なくとも1つの第3の配置構成は、前記少なくとも1つの第2の電磁放射に関連されるデータを得ることによって、前記少なくとも1つの動きの性質を決定し、前記データは前記少なくとも1つの第2の配置構成によって検出されるスペックルデータである、少なくとも1つの第3の配置構成と、
前記少なくとも一部上において、複数の位置を照射するために、前記少なくとも1つの第1の電磁放射を受け取り、複数の第3の電磁放射を生成するように構成された、少なくとも1つの第4の配置構成をさらに備え、前記少なくとも1つの第2の配置構成は、前記第3の電磁放射に基づいて、前記少なくとも1つの試料から前記少なくとも1つの第2の電磁放射を検出するように構成され、前記少なくとも1つの第3の配置構成は、前記少なくとも1つの第2の電磁放射の関数としての前記少なくとも一部の複数の位置に対する、深度の関数としての複数の動きの性質を決定するようにさらに構成される、少なくとも1つの第4の配置構成と、
を備える、装置。
【請求項1】
解剖学的構造の少なくとも一部に関する情報を得る装置であって、
少なくとも1つの第1の電磁放射を前記少なくとも一部に送るように構成される、少なくとも1つの第1の配置構成と、
少なくとも1つの試料から少なくとも1つの第2の電磁放射を検出するように構成される少なくとも1つの第2の配置構成であって、前記少なくとも1つの第2の電磁放射は前記少なくとも1つの第1の電磁放射に関連され、前記少なくとも1つの第2の配置構成は、複数の積分時間において、前記少なくとも1つの第2の電磁放射に関連されるデータを得る、少なくとも1つの第2の配置構成と、
前記少なくとも1つの第2の電磁放射を用いて、前記少なくとも一部内の深度の関数として、少なくとも1つの動きの性質を決定するように構成される、少なくとも1つの第3の配置構成であって、前記少なくとも1つの第3の配置構成は、前記少なくとも1つの第2の電磁放射に関連されるデータを得ることによって、前記少なくとも1つの動きの性質を決定し、前記データは前記少なくとも1つの第2の配置構成によって検出されるスペックルデータである、少なくとも1つの第3の配置構成と、
を備える、装置。
【請求項2】
前記データは、前記少なくとも一部のうちの少なくとも一部分の画像である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの第3の配置構成は、前記データのコントラストを決定するようにさらに構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記コントラストは、前記少なくとも一部上の前記少なくとも1つの第1の電磁放射の接触点からの照射の距離の関数として決定される、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの第3の配置構成は、前記積分時間において収集されたデータの、少なくとも1つの非相関関数を決定するようにさらに構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの非相関関数は、前記少なくとも一部上の前記少なくとも1つの第1の電磁放射の接触点からの照射の距離の関数として決定される、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの第3の配置構成は、前記積分時間において収集されたデータの、前記少なくとも1つの非相関関数の少なくとも1つの時定数を決定するようにさらに構成される、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの第3の配置構成は、前記データに基づいて前記少なくとも一部の光学的性質を決定するようにさらに構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つの第3の配置構成は、前記光学的性質の関数として、前記少なくとも一部の少なくとも一部分の前記少なくとも1つの動きの性質、および前記積分時間において収集された前記データの前記少なくとも1つの非相関関数の時定数を決定するようにさらに構成される、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記光学的性質は、拡散反射率分光光度法手順を用いて、前記積分時間において収集された前記データに基づいて決定される、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つの第1の配置構成は、前記少なくとも1つの第1の電磁放射の、少なくとも1つの可変パルス持続時間または可変電力を提供するようにさらに構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つの第2の配置構成は、前記少なくとも1つの第2の電磁放射を検出するために、少なくとも1つの可変シャッタ、可変積分時間、または可変の利得を提供するようにさらに構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つの第1の配置構成または前記少なくとも1つの第2の配置構成のうちの少なくとも1つと協動するように構成されるシャッタ構成をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記シャッタ構成は、(i)前記少なくとも1つの第1の配置構成と前記少なくとも一部との間、または(ii)前記少なくとも一部と前記少なくとも1つの第2の配置構成との間、のうちのいずれかに提供される、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記少なくとも1つの第2の電磁放射を用いて、前記試料から交差偏光された光を検出するように構成された偏光の配置構成をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記少なくとも一部上において、複数の位置を照射するために、前記少なくとも1つの第1の電磁放射を受け取り、複数の第3の電磁放射を生成するように構成された、少なくとも1つの第4の配置構成をさらに備え、
前記少なくとも1つの第2の配置構成は、前記第3の電磁放射に基づいて、前記少なくとも1つの試料から前記少なくとも1つの第2の電磁放射を検出するように構成され、
前記少なくとも1つの第3の配置構成は、前記少なくとも1つの第2の電磁放射の関数としての前記少なくとも一部の複数の位置に対する、深度の関数としての複数の動きの性質を決定するようにさらに構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記少なくとも1つの第3の配置構成は、前記動きの性質の関数として、前記少なくとも一部の少なくとも1つの画像を生成するようにさらに構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記少なくとも1つの第3の配置構成は、モンテカルロの手順、拡散方程式の手順、または確率分散関数の手順のうちの少なくとも1つを用いて、前記少なくとも1つの動きの性質に関連付けられた前記少なくとも一部の深度を決定するようにさらに構成される、請求項9に記載の装置。
【請求項19】
前記第1、第2、および第3の配置構成は、一体型の手持ち式ユニットにおいて提供される、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
解剖学的構造の少なくとも一部に関する情報を得る装置であって、
少なくとも1つの第1の電磁放射を前記少なくとも一部に送るように構成される、少なくとも1つの第1の配置構成と、
少なくとも1つの試料から少なくとも1つの第2の電磁放射を検出するように構成される少なくとも1つの第2の配置構成であって、前記少なくとも1つの第2の電磁放射は前記少なくとも1つの第1の電磁放射に関連される、少なくとも1つの第2の配置構成と、
前記少なくとも1つの第2の電磁放射を用いて、前記少なくとも一部内の深度の関数として、少なくとも1つの動きの性質を決定するように構成される、少なくとも1つの第3の配置構成であって、前記少なくとも1つの第3の配置構成は、前記少なくとも1つの第2の電磁放射に関連されるデータを得ることによって、前記少なくとも1つの動きの性質を決定し、前記データは前記少なくとも1つの第2の配置構成によって検出されるスペックルデータであり、前記少なくとも1つの第3の配置構成は、前記データに基づいて、前記少なくとも一部の光学的性質を決定するようにさらに構成される、少なくとも1つの第3の配置構成と、
を備える、装置。
【請求項21】
前記少なくとも1つの第3の配置構成は、前記光学的性質の関数として、前記少なくとも一部のうちの少なくとも一部分の前記少なくとも1つの動きの性質、および前記データの前記少なくとも1つの非相関関数の時定数を決定するようにさらに構成される、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記光学的性質は、拡散反射率分光光度法手順を用いて、前記積分時間において収集された前記データに基づいて決定される、請求項20に記載の装置。
【請求項23】
解剖学的構造の少なくとも一部に関する情報を得る装置であって、
少なくとも1つの第1の電磁放射を前記少なくとも一部に送るように構成される、少なくとも1つの第1の配置構成と、
少なくとも1つの試料から少なくとも1つの第2の電磁放射を検出するように構成される少なくとも1つの第2の配置構成であって、前記少なくとも1つの第2の電磁放射は前記少なくとも1つの第1の電磁放射に関連される、少なくとも1つの第2の配置構成と、
前記少なくとも1つの第2の電磁放射を用いて、前記少なくとも一部内の深度の関数として、少なくとも1つの動きの性質を決定するように構成される、少なくとも1つの第3の配置構成であって、前記少なくとも1つの第3の配置構成は、前記少なくとも1つの第2の電磁放射に関連されるデータを得ることによって、前記少なくとも1つの動きの性質を決定し、前記データは前記少なくとも1つの第2の配置構成によって検出されるスペックルデータである、少なくとも1つの第3の配置構成と、
前記少なくとも一部上において、複数の位置を照射するために、前記少なくとも1つの第1の電磁放射を受け取り、複数の第3の電磁放射を生成するように構成された、少なくとも1つの第4の配置構成をさらに備え、前記少なくとも1つの第2の配置構成は、前記第3の電磁放射に基づいて、前記少なくとも1つの試料から前記少なくとも1つの第2の電磁放射を検出するように構成され、前記少なくとも1つの第3の配置構成は、前記少なくとも1つの第2の電磁放射の関数としての前記少なくとも一部の複数の位置に対する、深度の関数としての複数の動きの性質を決定するようにさらに構成される、少なくとも1つの第4の配置構成と、
を備える、装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2010−503475(P2010−503475A)
【公表日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−528447(P2009−528447)
【出願日】平成19年9月12日(2007.9.12)
【国際出願番号】PCT/US2007/078254
【国際公開番号】WO2008/033909
【国際公開日】平成20年3月20日(2008.3.20)
【出願人】(592017633)ザ ジェネラル ホスピタル コーポレイション (177)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月12日(2007.9.12)
【国際出願番号】PCT/US2007/078254
【国際公開番号】WO2008/033909
【国際公開日】平成20年3月20日(2008.3.20)
【出願人】(592017633)ザ ジェネラル ホスピタル コーポレイション (177)
【Fターム(参考)】
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