触媒または吸着媒体用内部フィン支持体を備えるマイクロチャネル
本発明は、高さ、幅、および長さ(高さは約10mm以下)を有し、プロセスマイクロチャネルの幅に沿う一方向とプロセスマイクロチャネルの長さに沿う他の方向に展延する基底壁を有する、少なくとも1個のプロセスマイクロチャネルと、基底壁からプロセスマイクロチャネル中に突出し、プロセスマイクロチャネルの長さの少なくとも一部に沿って展延する、少なくとも1個のフィンと、フィンに担持された触媒または吸着媒体とを含む装置に関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、触媒または吸着媒体を担持するための内部フィンを備えるマイクロチャネルに関する。これらのマイクロチャネルは、触媒活性化された反応の実施と、吸着媒体を用いる流体の分離に用いるのに適している。
【背景技術】
【0002】
マイクロチャネル反応器は、反応物がマイクロチャネル内の触媒に接触して反応を行う様々な触媒方法に用いることができる。「マイクロチャネル」という用語は、本明細書では約10mmまでの内部幅と高さを有するチャネルを指す。これらのマイクロチャネル反応器に伴う問題は、多くの方法において方法を効率的に運転するのに十分な触媒表面積を提供するのが困難なことである。また、多くの方法において、反応物を触媒表面領域へ移動する質量移動距離を十分短くして、方法を効率的に運転するのが困難なことである。
【0003】
これらの問題に対するひとつの解決策は、大きな表面積を与えるために、マイクロチャネルの内壁をウォッシュコートと呼ばれる無機酸化物の中間層でコーティングすることである。次いで、触媒がウォッシュコートの表面に堆積される。これらのウォッシュコートの使用に伴う問題は、提供された追加の表面積が多くの方法にとって不十分なことである。
【0004】
この問題に対する他の解決策は、発泡体、フェルト、またはワッドなどの多孔質構造に触媒を堆積させ、次いでそれらをマイクロチャネル中に配置することである。「発泡体」という用語は、本明細書では構造全体の孔を画定する連続壁を備える構造を指すために用いられる。「フェルト」という用語は、本明細書ではその間に介在する空間を有する繊維の構造を指すために用いられる。「ワッド(wad)」という用語は、本明細書では鋼ウールなどの絡み合った束の構造を指すために用いられる。これらの各々の担体構造に伴う問題は、これらの担体構造によって与えられる熱伝導率が多くの方法にとって不十分なことである。
【0005】
本発明はこれらの問題に対する解決策を提供する。本発明では、触媒を担持するための1個または複数の内部フィンが提供され、フィンは触媒の表面積の拡大ならびに熱伝導率の向上を提供する。また、フィンは反応の起きる触媒表面までの反応物の短い質量移動距離を提供する。本発明の一実施形態において、内部フィンは構造安定性を向上させたマイクロチャネルを提供する。
【0006】
隣接する熱交換器に結合されたマイクロチャネル反応器に伴う問題は、高い熱フラックスまたは高い処理量が望まれるとき、マイクロチャネルの小さな内部寸法の結果、発生する圧力降下がしばしば比較的大きいことである。質量移動制限を克服するためにマイクロチャネルの高さまたは幅を比較的小さく維持するならば、圧力降下はチャネルの高さまたは幅に反比例して増加する傾向があり、最大処理量が制限される可能性がある。
【0007】
本発明は、質量移動制限の影響を最小化しまたは低減するために必要な最小の寸法から、マイクロチャネルを流れる流体が確保できる総断面積を増加させることによって、この問題に対する解決を提供する。フィンが隣の熱交換器から熱伝達表面から直角に外方へ突出するならば、隣接するフィンの間隔が質量移動制限を最小化するため十分小さく保たれる限り、フィンの高さは質量移動制限を最小化するために必要な間隙のサイズよりもかなり大きくすることができる。より高いフィンはマイクロチャネル反応器の単位長さ当たりの圧力降下をより低くすることができる。また、フィン材料の熱伝導率およびフィンの高さは、対象の反応器の熱伝達限界を避けるように微調節することができる。熱伝導量が限界に達する距離は多くの場合質量移動量が限界に達する距離よりも長いので、フィンの高さはしばしば望ましい質量移動特性を可能にする最大間隔を十分超えて展延することができる。したがって、本発明を用いることによって、反応性能を低下させることなく、マイクロチャネル毎のより小さな圧力降下および/またはより高い容量を実現することができる。
【0008】
本明細書に提供されるフィンはマイクロチャネル反応器内で用いられる触媒の担体を提供するのに有用なだけではなく、マイクロチャネル中で実施される分離方法に用いるための吸着媒体の担体を提供するためにも有用である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、高さ、幅、および長さ(高さは約10mm以下)を有し、プロセスマイクロチャネルの幅に沿う一方向とプロセスマイクロチャネルの長さに沿う他の方向に展延する基底壁を有する、少なくとも1個のプロセスマイクロチャネルと、基底壁からプロセスマイクロチャネル中に突出し、プロセスマイクロチャネルの長さの少なくとも一部に沿って展延する、少なくとも1個のフィンと、フィンに担持された触媒または吸着媒体とを含む装置に関する。
【0010】
付属の図面において、同様の部品および構造は同様の参照番号を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
「マイクロチャネル」という用語は、約10ミリメートル(mm)までの高さまたは幅の少なくとも1個の内部寸法を有するチャネルを指し、一実施形態において約5mmまで、一実施形態において約2mmまで、一実施形態において約1mmまでである。一実施形態において、高さまたは幅は約0.05〜約10mmの範囲であり、一実施形態において約0.05〜約5mm、一実施形態において約0.05〜約2mm、一実施形態において約0.05〜約1.5mm、一実施形態において約0.05〜約1mm、一実施形態において約0.05〜約0.75mm、一実施形態において約0.05〜約0.5mmである。高さおよび幅は両方ともマイクロチャネルを通る流れ方向に垂直である。
【0012】
1個のチャネルの位置を他のチャネルの位置に関して参照するときの用語「隣接する」は、壁が2個のチャネルを分離するように直接隣接することを意味する。この壁は厚さが変化してもよい。しかし、「隣接する」チャネルは、チャネル間の熱伝達を妨害するであろう介在流体含有チャネルによって分離されない。
【0013】
「流体」という用語は、ガス、液体、または分散した固体を含むガスもしくは液体、またはその混合物を指す。流体は分散された液滴を含むガスの形とすることができる。
【0014】
「接触時間」という用語は、マイクロチャネル反応器内の反応ゾーンの容積を温度0℃、1気圧の反応組成物の容積流量で除したものを指す。
【0015】
「滞留時間」という用語は、空間を通って流れる流体によって占拠された空間の内部容積(例えばマイクロチャネル反応器内の反応ゾーン)を、使用される温度と圧力で空間を通って流れる流体の平均容積流量で除したものを指す。
【0016】
「反応ゾーン」という用語は、反応物が触媒に接触するマイクロチャネル反応器内の空間を指す。
【0017】
「炭化水素反応物の変換」という用語は、反応組成物と生成物間の炭化水素反応物のモル変化を反応組成物中の炭化水素反応物のモルで除したものを指す。
【0018】
「所望の生成物への選択性」という用語は、生成された所望の酸素化またはニトリルのモルを、生成された所望の酸素化またはニトリルのモル+他の生成された生成物のモル(例えばCO、CO2)で除し、それらの各々の化学量論的因子を乗じたものを指す。例えば、望ましくない副生成物として二酸化炭素を含む、エチレンの酸化エチレンへの酸化では、1モルの酸化エチレンと1モルの二酸化炭素の生成は、選択性が100×(1/(1+1/2))=67%になる。
【0019】
最初に、図1に関して本発明を説明する。図1を参照すれば、本発明の装置100はプロセスマイクロチャネル110と、プロセスマイクロチャネル110内に配置された複数の平行に間隔を置くフィン140を備えるフィン組立体141と、プロセスマイクロチャネルに隣接して配置された熱交換器170とを含む。
【0020】
プロセスマイクロチャネル110は、図1において点112から点114に伸びる縦線で示す高さ、点114から点116に伸びる水平線で示す幅、点114から点118に伸びる線で示す長さを有する。プロセスマイクロチャネル110は、基底壁120と、対向する基底壁120に平行な上部壁122とを有する。また、プロセスマイクロチャネルは壁120および122を連結する縦壁124および126も有する。
【0021】
フィン140は基底壁120を覆うフィン担体142上に搭載される。フィン140はフィン支持体142からプロセスマイクロチャネル110の内部へ突出する。フィン140は上部壁122の内部表面まで展延してこれに接触する。フィン140の間のフィンチャネル144は、方向矢印146で示すように、流体がプロセスマイクロチャネル110にその長さと平行に流れる流路を提供する。フィン140の各々は、その各側部に外部表面148を有し、この外部表面は触媒または吸着媒体の担体基板を提供する。触媒反応で、1種または複数種の流体反応物はフィンチャネル144を方向矢印146で示す方向に流れ、フィン140の外部表面148上に担持触媒と接触し、反応して生成物を形成する。流体分離方法で、流体はフィンチャネル144を方向矢印146で示す方向に流れ、フィン140の外部表面148上に担持された吸着媒体と接触し、流体の1種または複数種の成分が吸着媒体に吸着される。
【0022】
フィン140の各々は約0.02mmからプロセスマイクロチャネル110の高さまでの範囲の高さを有することができ、一実施形態において約0.02〜約10mm、一実施形態において約0.02〜約5mm、一実施形態において約0.02〜約2mmである。各フィンの幅は約0.02〜約5mmの範囲とすることができ、一実施形態において約0.02〜約2mm、一実施形態において約0.02〜約1mmである。各フィンの長さはプロセスマイクロチャネル110の長さまでの任意の長さとすることができ、一実施形態において約5mm〜約500cm、一実施形態において約1cm〜約250cm、一実施形態において約1cm〜約100cm、一実施形態において約2cm〜約25cmである。各フィン140間の間隔は任意の値とすることができ、約0.02〜約5mmの範囲とすることができ、一実施形態において約0.02〜約2mm、一実施形態において約0.02〜約1mmである。プロセスマイクロチャネル110中のフィン140の数は、プロセスマイクロチャネル110の幅のセンチメートル当たり約1〜約50フィンの範囲とすることができ、一実施形態においてセンチメートル当たり約1〜約30フィン、一実施形態においてセンチメートル当たり約1〜約10フィン、一実施形態においてセンチメートル当たり約1〜約5フィン、一実施形態においてセンチメートル当たり約1〜約3フィンである。フィンの各々は図1〜図5に示すように矩形もしくは正方形の形状、または図6および図12に示すように台形の形状の断面を有することができる。その長さに沿って見るとき、各フィン140は直線、テーパー付きとすることができ、または蛇行形態を有することができる。フィン140は、プロセスマイクロチャネル110が意図された運転を可能にするための十分な強度、寸法安定性、および熱伝達特性を提供する任意の材料から作製することができる。これらの材料は、鋼(例えばステンレス鋼、炭素鋼等)、モネル、インコネル、アルミニウム、チタン、ニッケル、白金、ロジウム、銅、クロム、真鍮、任意の前記金属の合金、ポリマー(例えば熱硬化性樹脂)、セラミック、ガラス、1種または複数種のポリマー(例えば熱硬化樹脂)およびファイバーガラスを含む複合材、石英、シリコン、またはその2種以上の組合せを含む。フィン140は、酸化されたとき皮膜がアルミナを形成するように、FeCrAlYなどのアルミナ形成材料から作製することができる。アルミナ皮膜は触媒または吸着材料用の担体コーティングを受容するのに特に適している。
【0023】
熱交換器170はプロセスマイクロチャネル110に隣接して配置され、熱交換チャネル172および174を含む。熱交換チャネル172および174は、方向矢印176で示すように、熱交換流体がプロセスマイクロチャネル110を流れる流体と平行に長手方向にチャネルを流れるようにされる。熱交換流体が図1に示す方向に流れるとき、それはプロセスマイクロチャネル110を流れる流体と同方向に流れる。代りに、熱交換流体は熱交換チャネル172および174を図1に示す方向と反対方向に流れ、したがってプロセスマイクロチャネル110を流れる流体とは対向流で流れることができよう。代りに熱交換チャネル172および174は、プロセスマイクロチャネル110に関して90度の角度に配向することができ、プロセスマイクロチャネル110を通る流体に関して対向流の方向の熱交換流体の流れを提供することができよう。
【0024】
図1には、装置100に使用するための単一方法チャネル110および2個の熱交換チャネル172と174のみを示したが、装置100に使用することのできるプロセスマイクロチャネル110、および熱交換チャネル172と174の数には特別の上限はない。例えば、装置100は、2個、4個、6個、8個、10個、20個、50個、100個、数百個、千個、数千個、一万個、数万個、十万個、数十万個、百万個等のプロセスマイクロチャネルと熱交換チャネルを含むことができる。
【0025】
プロセスマイクロチャネル110は、並列に、例えば平面マイクロチャネルのアレイに配置することができる。マイクロチャネルは、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6,200,536B1号に開示されているように、マイクロ部品(microcomponent)シート構造体の変形とすることができる。プロセスマイクロチャネル110の各々は、約10mmまでの高さを有することができ、一実施形態において約0.05〜約10mm、一実施形態において約0.05〜約5mm、一実施形態において約0.05〜約2mm、一実施形態において約0.05〜約1.5mm、一実施形態において約0.05〜約1mm、一実施形態において約0.05〜約0.5mmである。幅は任意の値とすることができ、例えば、約0.1cm〜約100cmの範囲とすることができ、一実施形態において約0.1cm〜約75cm、一実施形態において約0.1cm〜約50cm、一実施形態において約0.2cm〜約25cmである。プロセスマイクロチャネル110の各々の長さは任意の値とすることができ、例えば、長さは約1cm〜約500cmの範囲とすることができ、一実施形態において1cm〜約250cm、一実施形態において1cm〜約100cm、一実施形態において1cm〜約50cm、一実施形態において約2cm〜約25cmである。
【0026】
プロセスマイクロチャネル110は、それらの意図された方法の運転を可能にする十分な強度、寸法安定性、および熱伝達特性を提供する任意の材料から作製することができる。これらの材料は、鋼(例えばステンレス鋼、炭素鋼等)、モネル、インコネル、アルミニウム、チタン、ニッケル、白金、ロジウム、銅、クロム、真鍮、任意の前記金属の合金、ポリマー(例えば熱硬化性樹脂)、セラミック、ガラス、1種または複数種のポリマー(例えば熱硬化樹脂)およびファイバーガラスを含む複合材、石英、シリコン、またはその2種以上の組合せを含む。
【0027】
熱交換チャネル172および174の各々は、約10mmまでの高さまたは幅の少なくとも1個の内部寸法を有することができ、一実施形態において約0.05〜約10mm、一実施形態において約0.05〜約5mm、一実施形態において約0.05〜約2mm、一実施形態において約0.05〜約1mmである。他の内部寸法は、約1mm〜約1mの範囲とすることができ、一実施形態において約1mm〜約0.5m、一実施形態において約2mm〜約10cmである。熱交換チャネルの長さは、約1mm〜約1mの範囲とすることができ、一実施形態において約1cm〜約0.5mである。各プロセスマイクロチャネル110と次の隣接する熱交換チャネル172または174間の分離は、約0.05mm〜約5mmの範囲とすることができ、一実施形態において約0.2mm〜約2mmである。
【0028】
熱交換器170は、それが意図する運転を可能にするのに十分な強度、寸法安定性、および熱伝達特性を提供する任意の材料から作製することができる。これらの材料は、鋼(例えばステンレス鋼、炭素鋼等)、モネル、インコネル、アルミニウム、チタン、ニッケル、白金、ロジウム、銅、クロム、真鍮、任意の前記金属の合金、ポリマー(例えば熱硬化性樹脂)、セラミック、ガラス、1種もしくは複数種のポリマー(例えば熱硬化性樹脂)およびファイバーグラスを含む複合材、石英、シリコン、またはその2種以上の組合せを含む。
【0029】
装置100は適切なヘッダ、フッタ、弁、導管ライン、制御機構等を有し、方法流体および熱交換流体の流入と流出を制御する。これらは図1に示されていないが、当業者であれば提供することができる。
【0030】
図2に示した装置100Aは、フィン140が部分フィン140aに置き換えられていることを除いて図1に示した装置100と同一である。図2の部分フィン140aは、フィン担体142から上部壁122の途中まで展延する。部分フィン140aの高さは、フィン担体142と上部壁122の間隔の約1%〜約99%の範囲とすることができ、一実施例において約5%〜約95%、一実施例において約10%〜約90%、一実施例において約20〜約80%である。部分フィン140aを使用する利点は、マイクロチャネル110中に提供される追加の空間145が段階的な酸素または空気の添加を容易にすることであり、燃焼または選択的酸化反応などのある種の方法に有用である。部分フィン140aは、酸素または空気がフィンチャネル144に流入することを可能にする。部分フィン140aの追加の利点は、流れるための追加の空間145を提供する結果、プロセスマイクロチャネル110を流れる流体の圧力降下が小さくなることである。
【0031】
フィン140は外部表面148の一部またはすべてを覆う多孔質材料を有することができる。これは図3に示されており、多孔質材料147がフィン140の外部表面148を覆う。多孔質材料はコーティング、繊維、フェルト、発泡体、または他の低密度基材の形とすることができる。孔サイズは約3オングストローム〜約100ミクロンの範囲とすることができる。触媒または吸着媒体は多孔質材料の上に堆積することができる。
【0032】
フィン140の外部表面148は、図4に示すように外部表面148から展延する不規則繊維147a、または図5に示すように外部表面148から展延する突起147bなどの表面増強物(enhancer)を含むことができる。繊維147aおよび突起147bは約0.001〜約0.3mmの範囲の長さを有することができ、一実施形態において約0.01〜約0.1mmである。触媒または吸着媒体は繊維147aまたは突起147b上に堆積することができる。
【0033】
フィン140は図7〜図10に示すように流れ方向に沿って連続的または不連続的のいずれかとすることができる。不連続フィンの利点は、軸方向の伝導率の寄与を低減する熱的遮断を提供できることを含む。他の利点は、チャネルの長さに沿う段階的酸化剤添加を用いて、フィン構造をプロセスマイクロチャネル中に一体化することのできることである。フィンのない部分151(図7および図8)は、酸化剤入口、ジェット、ノズル、または酸化剤をプロセスマイクロチャネル中に導入するための他の機構の次に配置することができる。次いで、酸化剤は、次のフィン領域に入る前にプロセスマイクロチャネルを流れる流体と完全にまたは部分的に混合することができる。
【0034】
一実施形態において、フィン140は図9に示すようにすべて同じ長さである必要はない。いくつかのフィン140はプロセスマイクロチャネル110の長さ全体にわたって展延することができるが、他のフィンは途中まで展延することができる。この実施形態は、質量移動抵抗が反応ゾーンの先端で最も高いいくつかの反応にとって有利である。より近接して間隔を置くフィンは反応物の触媒または吸着壁への移動距離を短縮する。質量移動時間は、拡散距離の2乗を質量拡散率で除した値にほぼ一致する。反応または吸着が進むと、この近接して間隔を置くフィンをゾーンの長さにわたって継続して配置する必要はないであろう。これは全体の圧力降下を低減する利点を有する。追加の利点は、フィンがより近接して間隔を置くところに存在する熱伝達の向上である。反応物の濃度が最大である反応ゾーンの前端近くにより多くの熱を伝達することは有利であろう。追加のフィンは余剰の熱伝達表面積を加え、液体力学的に低減された直径は局部的な対流熱伝達係数を増加させる。
【0035】
代替実施形態は、図10に示すように異なる高さのフィン140を使用することである。いくつかのフィンは相対的に高く、他は相対的に低い。相対的に高いフィンは、上部壁122に接触することができ、他はプロセスマイクロチャネル110の間隔または高さの一部(例えば約10%〜約90%)だけを満たす。この構成の利点は、流れの閉塞を低減することによって全体的な圧力降下を低減することである。この構成は、熱または質量移動のための表面積の増加をわずかしか必要としないいくつかの方法に用いることができる。
【0036】
フィン140は、プロセスマイクロチャネル100内に挿入するのではなく、基底壁120の上に直接形成することができる。これらのフィンは溝切り鋸、光化学的機械加工、または電気化学的機械加工を用いて形成することができる。図11に示すように、方法用の流路は、一区画は閉塞されていないチャネルを含むことができ、次いでフィンを含む反応または吸着ゾーンに流入する。フィンは基底壁120の一端部から他の端部へ展延することができ、あるいは、それらは代りに基底壁120内に短く終端することができる。
【0037】
外部(ex situ)で形成され、次いでプロセスマイクロチャネル110内に配置されるフィンは、一度に1個のマイクロチャネルを満たすのに十分な広さで作製することができ、あるいは複数のマイクロチャネルを同時に満たすようにより広く作製することができる。図12は、4個のプロセスマイクロチャネルにまたがるフィン組立体の例を示す。これらのフィンは、積層シートを積み重ねる間に挿入し、次いで拡散結合を行って一体化された要素を形成することができる。これらのフィンの利点は、それらが、結合の間にマイクロチャネル壁の追加の担体を提供することである。代りに、フィンを拡散結合の後に挿入し、プロセスマイクロチャネルの運転の後に取り外して刷新または交換することができる。
【0038】
触媒または吸着媒体は、従来の技術を用いて、図4および図5に示すように、外部表面148、外部表面を覆う多孔質材料、または表面増強剤上に堆積することができる。これらは、フィン表面へ触媒または吸着媒体をウォッシュコートすること、フィン表面へ触媒または吸着媒体を溶液から成長させること、あるいはフィン表面へ蒸着を用いて触媒または吸着媒体を堆積させることを含む。蒸着は化学的気相成長法または物理的蒸着とすることができる。
【0039】
触媒は、流体反応物を使用する化学的反応器に用いるのが適切な、任意の触媒を含むことができる。触媒は、アセチル化付加反応、アルキル化、脱アルキル化、水素脱アルキル化、還元アルキル化、アミノ化、アンモニア合成、芳香族化、アリール化、オートサーマル改質、カルボニル化、脱カルボニル化、還元カルボニル化、カルボキシル化、還元カルボキシル化、還元結合、縮合、分解、水素分解、環化、環オリゴマー化、アンモ酸化、水−ガス転移、脱ハロゲン化、二量化、エポキシ化、エステル化、フィッシャー−トロプシュ反応、ハロゲン化、ヒドロハロゲン化、同族体化、水和、脱水、水素化、脱水素化、ヒドロカルボキシル化、ヒドロホルミル化、水素化分解、ヒドロメタル化、ヒドロシリル化、加水分解、水素化処理、異性化、メチル化、脱メチル化、複分解、メタノール合成、窒化、酸化、部分酸化、重合、還元、改質、逆水ガス転移、スルホン化、テロメリゼーション、エステル交換反応、三量化、サバティエ反応、二酸化炭素改質、優先酸化(preferential oxidation)または優先メタン化の1種または複数種の化学反応を実施するのに有用な触媒とすることができる。
【0040】
触媒は、Mo、W、V、Nb、Sb、Sn、Pt、Pd、Cs、Zr、Cr、Mg、Mn、Ni、Co、Ce、またはその2種以上の混合物から選択される金属、金属酸化物または金属酸化物の混合物とすることができる。また、これらの触媒は、1種または複数のアルカリ金属またはアルカリ土類金属または他の遷移金属、希土類金属、またはランタニドを含むことができる。さらにPおよびBiなどの元素も存在することができる。
【0041】
触媒は、貴金属、遷移金属およびその組合せを含む触媒金属、アルカリ金属の酸化物を含む金属酸化物、アルカリ土類金属、ホウ素、ガリウム、ゲルマニウム、ヒ素、セレン、テルリウム、タリウム、鉛、ビスマス、ポロニウム、マグネシウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、ニッケル、コバルト、銅、亜鉛、ジルコニウム、モリブデン、スズ、カルシウム、アルミニウム、ケイ素、ランタン類元素、およびその混合物、複合材、窒化物、炭化物、硫化物、ハロゲン化物、リン酸塩の1種または複数種および任意の上記の組合せを含むことができる。
【0042】
触媒は、式
Mo12WaBibFecCodNieSifKgSnhOx
で表される酸化触媒を含むことができ、式中、
aは0〜5であり、bは0.5〜5であり、cは0.1〜10であり、dは0.5〜10であり、eは0〜10であり、fは0〜15であり、gは0〜1であり、hは0〜2であり、xは他の元素に結合している酸素の量でありそれらの酸化状態に依存する。これらの触媒は、酸化によってプロピレンからアクロレインを作製するのに有用であることが米国特許第6,251,821B1号に記述されている。この特許は参照により本明細書に組み込まれている。触媒は、式
MoaBibPcX1dX2eX3fX4gOh
で表される酸化触媒を含むことができ、式中、
X1はV、Nb、Ta、Cr、W、Ga、Ce、および/またはLaであり、X2はLi、Na、K、Rb、Cs、Cu、Ag、Au、Pd、および/またはPtであり、X3はSn、Pb、Sb、Bi、Te、Fe、Co、および/またはNiであり、X4はSi、Al、Ti、および/またはZrであり、aは0〜2であり、dは、aとdの和が少なくとも0.20であるならば0〜2であり、bは0〜1.5であり、cは、bとcの和が少なくとも0.1であるならば0〜10であり、eは0〜0.5であり、fは0〜0.5であり、gは0〜20であり、hは酸素と異なる元素の原子価および頻度によって決定される0以外の数字である。この触媒は、プロピレンをアクロレインに変換するのに有用であることが米国特許第6,252,122B1号に記述されている。この特許は参照により本明細書に組み込まれている。
【0043】
触媒は、式
Mo12BiaFebX1cX2dX3eX4fOn
で表される酸化触媒を含むことができ、式中、
X1はNiおよび/またはCoであり、X2はTl、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属であり、X3はZn、P、As、B、Sb、Sn、Ce、Pb、および/またはWであり、X4はSi、Al、Ti、および/またはZrであり、aは0.5〜5であり、bは0.01〜5であり、一実施形態において2〜4であり、cは0〜10であり、一実施形態において3〜10であり、dは0〜2であり、一実施形態において0.02〜2であり、eは0〜8であり、一実施形態において0〜5であり、fは0〜10であり、nは酸素以外の元素の原子価および頻度によって決定される数字である。これらの触媒は、プロピレンをアクロレインに酸化するのに有用であることが米国特許第6,395,936B1号に開示されている。この特許は参照により本明細書に組み込まれている。
【0044】
触媒は、式
[BinAaOx][(100−z)%EeFefNigMomOy+z%SiO2]
で表される酸化触媒を含むことができ、式中、
AはB、P、およびMoからなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、Eは原子価2を有する少なくとも1種の元素であり、mが1であるとき、nは0.001〜3であり、aは0〜3であり、eは0〜3であり、fは0.01〜5であり、gは0.1〜5であり、zは0〜90であり、xおよびyは、それぞれ触媒相のコアおよびシェル中の酸素に対して要求される他の元素の原子価となるような数字である。この触媒は、プロピレンをアクロレインに酸化するのに有用であることが米国特許第6,410,800B1号に開示されている。この特許は参照により本明細書に組み込まれている。
【0045】
触媒は、式
Mo12Co3.5Bi1.1Fe0.8W0.5So1.4K0.05Ox、または
Ni2.1Co3.5Fe2.6P0.43Bi1.0Mo9.3Mn0.15Cr0.09Ba0.07Zr0.0012K0.07Ox
で表される酸化触媒を含むことができ、式中、
xは他の元素に結合している酸素の量であり、それらの酸化状態に依存する。これらの触媒は、プロピレンをアクロレインに酸化するのに有用であることが米国特許第6,437,193B1号に開示されている。この特許は参照により本明細書に組み込まれている。
【0046】
触媒は、式
BibMocVvAaDdEeOx
で表される酸化触媒を含むことができ、式中、
AはK、Na、Li、Cs、Tlの1種または複数種であり、DはFe、Ni、Co、Zn、Ce、またはLaの1種または複数種であり、EはW、Nb、Sb、Sn、P、Cu、Pb、B、Mg、Ca、またはSrの1種または複数種であり、a、d、eはそれぞれ0〜10であり、bは0.1〜10であり、cは0.1〜20であり、vは0.1〜10であり、c:bは2:1〜30:1であり、v:bは1.5〜8:1であり、xは上記式中の酸素以外の元素の頻度と原子価によって決定される。これらの触媒は、プロパンをアクリル酸、プロピレン、アクロレイン、酢酸に変換するのに有用であることが米国特許第5,198,580号に開示されている。この特許は参照により本明細書に組み込まれている。
【0047】
触媒は、式
M1aMo1−bM2bOx
で表される酸化触媒を含むことができ、式中、
M1はCo、Ni、Mg、Zn、Mn、および/またはCuであり、M2はW、V、Te、Nb、P、Cr、Fe、Sb、Ce、Sn、および/またはLaであり、aは0.5〜1.5であり、bは0〜0.5であり、xは酸素以外の元素の頻度と原子価によって決定される数字である。これらの触媒は、プロパンをアクロレインおよび/またはアクリル酸に変換するのに有用であることが米国特許第6,388,129B1号、第6,423,875B1号、第6,426,433B1号に開示されている。これらの特許は参照により本明細書に組み込まれている。
【0048】
触媒は、式
AaBbCcCadFeeBifMo12Ox
で表される酸化触媒を含むことができ、式中、
AはLi、Na、K、Rb、またはCsの1種または複数種であり、BはMg、Sr、Mn、Ni、Co、またはZnの1種または複数種であり、CはCe、Cr、Al、Sb、P、Ge、Sn、Cu、V、またはWの1種または複数種であり、aは0.01〜1.0であり、bおよびeは1.0〜10であり、cは0〜5.0であり、一実施形態において0.05〜5.0であり、一実施形態において0.05〜4.0であり、dおよびfは0.05〜5.0であり、xは存在する他の元素に要求される原子価によって決定される数字である。これらの触媒は、プロパンをアクロレインおよびアクリル酸に変換するのに有用であることが米国特許第6,268,529B1号に開示されている。この特許は参照により本明細書に組み込まれている。
【0049】
触媒は、式
Mo12V4.8Sr0.5W2.4Cu2.2Ox
で表される酸化触媒を含むことができ、式中、
xは他の元素に結合している酸素の量であり、それらの酸化状態に依存する。この触媒は、アクロレインをアクリル酸に変換するのに有用であることが米国特許第6,310,240B1号に開示されている。この特許は参照により本明細書に組み込まれている。
【0050】
触媒は、式
MoaWbVcAdBeOx
で表される酸化触媒を含むことができ、式中、
AはFe、Cu、Bi、Cr、Sn、Sb、Ni、Co、Mn、Ce、またはTlであり、Bはアルカリまたはアルカリ土類金属であり、a、b、c、d、e、XはそれぞれMo、W、V、A、B、Oの原子比率を示す。aが10であるとき、bは1.5〜4であり、cは1〜5であり、dは1〜4であり、eは0〜2であり、xは他の元素の酸化状態によって決定される。この触媒は、アクロレインをアクリル酸に変換するのに有用であることが米国特許第6,384,275、B2号に開示されている。この特許は参照により本明細書に組み込まれている。
【0051】
触媒は、式
Mo12VaX1bX2cX3dX4eX5fX6gOn
で表される酸化触媒を含むことができ、式中、
X1はW、Nb、Ta、Cr、および/またはCeであり、X2はCu、Ni、Co、Fe、Mn、および/またはZnであり、X3はSbおよび/またはBiであり、X4は1種または複数種のアルカリ金属であり、X5は1種または複数種のアルカリ土類金属であり、X6はSi、Al、Ti、および/またはZrであり、aは1〜6であり、bは0.2〜4であり、cは0.5〜18であり、dは0〜40であり、eは0〜2であり、fは0〜4であり、gは0〜40であり、nは酸素以外の元素の原子価および頻度によって決定される数字である。この触媒は、アクロレインをアクリル酸に変換するのに有用であることが米国特許第6,403,829B2号に開示されている。この特許は参照により本明細書に組み込まれている。
【0052】
触媒は、式
MoaVbWcCudXeOg
で表される酸化触媒を含むことができ、式中、
XはMg、Ca、Sr、Baからなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、
a、b、c、d、e、gは、それぞれMo、V、W、Cu、X、Oの原子比率であり、aが12であるとき、bは2〜14の範囲であり、cは0〜12の範囲であり、dは0を除く(例えば0.1〜6)0〜6の範囲であり、eは0〜3の範囲であり、gは元素の酸化状態によって決定される数字である。この触媒は、アクロレインをアクリル酸に変換するのに有用であることが米国特許第6,429,332B1号に開示されている。この特許は参照により本明細書に組み込まれている。
【0053】
触媒は、式
MoaWbBicFedAeBfCgDhEiOx
で表される酸化触媒を含むことができ、式中、
AはNiまたはCoであり、BはNa、K、Rb、Cs、またはTlであり、Cはアルカリ土類金属であり、DはP、Te、Sb、Sn、Ce、Pb、Nb、Mn、As、B、またはZnであり、EはSi、Al、Ti、またはZrである。aが12であるとき、bは0〜10であり、cは0〜10であり、dは0〜10であり、eは2〜15であり、fは0〜10であり、gは0〜10であり、hは0〜4であり、iは0〜30であり、xは各元素の酸化の程度によって決定される。この触媒は、プロピレン、イソブチレン、t−ブタノールまたはメチル−t−ブチルエーテルを(メタ)アクロレインまたは(メタ)アクリル酸に変換するのに有用であることが米国特許第6,383,973B1号に開示されている。この特許は参照により本明細書に組み込まれている。
【0054】
触媒は、式
MoaPbAcBaCeDfOx
で表される酸化触媒を含むことができ、式中、
AはAs、Sb、Ge、Bi、Zr、Ce、Seからなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、BはCu、Fe、Cr、Ni、Mn、Co、Sn、Ag、Zn、Pd、Rh、Teからなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、CはV、W、Nbからなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、Dはアルカリ金属、アルカリ土類金属、Tlからなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、a、b、c、d、e、f、xは、それぞれMo、P、A、B、C、D、Oの原子比率であり、aが12であるとき、bは0.5〜4の範囲の数字であり、一実施形態において0.5〜3であり、cは0〜5の範囲であり、一実施形態において0.01〜3であり、dは0〜3の範囲であり、一実施形態において0.01〜2であり、eは0〜4の範囲であり、一実施形態において0.01〜3であり、fは0.01〜4の範囲であり、一実施形態において0.01〜3であり、xは元素の酸化状態によって決定される数字である。この触媒は、メタクロレイン、イソブチルアルデヒド、またはイソブチル酸をメタクリル酸に変換するのに有用であることが米国特許第5,618,974号に開示されている。この特許は参照により本明細書に組み込まれている。
【0055】
触媒は、Mo、V、Nb、Pd、またはMo、La、V、Pdを含む酸化触媒を含むことができる。特定の例は、
MoV0.396Nb0.128Pd0.000384、および、
MoV0.628Pd0.000288La0.00001
を含む。これらの触媒は米国特許第6,274,764B1号に開示されており、参照により本明細書に組み込まれている。
【0056】
参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6,143,921号は、3種類の酸化触媒を開示しており、いずれも本発明の方法に使用することができる。第1の触媒は、式、MoaVbNbcPddで表され、式中、aは1〜5であり、bは0〜0.5であり、cは0.01〜0.5であり、dは0〜0.2である。a、b、c、dの数字は、それぞれ触媒中の元素Mo、V、Nb、Pdの相対的原子グラム割合を表す。元素は様々な酸化物の形で酸素と結合して存在する。第2の触媒は元素Mo、V、Pd、Nb、La、Xを含む組成物を有し、XはMoaVbLacPddNbeXfの割合の酸化物の形のAl、Ga、Si、またはGeであり、aは1であり、bは0.01〜0.9であり、cは>0〜0.2であり、dは>0〜0.2であり、eは>0〜0.2であり、fは>0〜0.3である。第3の触媒は、式MoaVbNbcXdによって表される焼成した組成物から形成され、XはP、B、Hf、Te、Asからなる群から選択される少なくとも1種の助触媒であり、aは約1〜5であり、bは1であり、cは約0.01〜0.5であり、dは約0〜0.1である。
【0057】
触媒は、式
MoaWbAucVdNbeYf
による酸素と結合したモリブデン、バナジウム、ニオブ、金を含む酸化触媒とすることができ、式中、
Yは、Cr、Mn、Ta、Ti、B、Al、Ga、In、Pt、Zn、Cd、Bi、Ce、Co、Rh、Ir、Cu、Ag、Fe、Ru、Os、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、Zr、Hf、Ni、P、Pb、Sb、Si、Sn、Tl、U、Re、Te、La、Pdからなる群から選択された1種または複数種の元素であり、a、b、c、d、e、fは、0<a≦1、0≦b<1、a+b=1、10−5<c≦0.02、0<d≦2、0<e≦1、0<f≦2であるような原子グラム割合を表す。この触媒は、エタンまたはエチレンを酢酸に酸化するのに有用であることが米国特許第6,333,444B1号に開示されている。この特許は参照により本明細書に組み込まれている。
【0058】
触媒は、式MoaVbNbcPddによって表される焼成した組成物を有する酸化触媒とすることができ、aは1〜5であり、bは0〜0.5であり、cは0.01〜0.5であり、dは0〜0.2である。この触媒は、エタンを酢酸に変換することが米国特許第6,383,977B1号に開示されている。この特許は参照により本明細書に組み込まれている。
【0059】
参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6,441227B1号は、本発明に独立でまたは互いに組み合わせて用いることのできる2種類の酸化触媒を開示している。第1の触媒は、式
MoaPdbBicFedX1eX2fX3gOz
によって表される混合された金属酸化物を開示しており、式中、
X1はCo、Ni、V、Pt、またはRhの少なくとも1種または複数種であり、X2はAl、Ga、Ge、Mn、Nb、Zn、Ag、P、Si、またはWの少なくとも1種または複数種であり、X3はK、Mg、Rb、Ca、Sr、Ba、Na、またはInの少なくとも1種または複数種であり、Oは酸素であり、aは1であり、0<b≦0.3、0<c≦0.9、0<d≦0.9、0<e≦0.9、0<f≦0.9、0<g<0.3であり、zは式中の他の元素の原子価を満足する数字である。この触媒は、オレフィンをα−β不飽和アルデヒドに変換するのに有用であると記述されている。第2の触媒は、式
Moa1Vb1Alc1Xd1Ye1Oz1
で表される金属酸化物であり、式中、
XはWまたはMn、あるいは両方であり、YはPd、Sb、Ca、P、Ga、Ge、Si、Mg、Nb、またはKの少なくとも1種または複数種であり、Oは酸素であり、a1は1であり、b1は0.01〜0.9であり、0<c1≦0.2、0<d1≦0.5、0<e1≦0.5であり、z1は式中の他の元素の原子価を満足する数字である。この触媒は、α−β不飽和アルデヒドをα−β不飽和カルボン酸に変換するのに有用であると記述されている。
【0060】
触媒は、式
AaKbCscMgdNieFefBigMo12Ox
で表されるアンモ酸化触媒を含むことができ、式中、
Aは、Co、Mn、Cr、P、Sb、Te、Na、Ce、またはWから選択される1種または複数種の元素であり、aは0〜5の数字であり、bとcの和が0.1〜0.4であるならば、bは0〜0.4の数字であり、cは0〜0.4の数字であり、d、e、f、gは約0.2〜10の数字であり、xは他の元素に要求される原子価によって決定される数字である。この触媒は、オレフィン、アンモニア、および酸素を前述の触媒の存在下で反応させることによって、オレフィン(例えばプロピレンまたはイソブチレン)を対応する不飽和ニトリル(例えばアクリロニトリルまたはメタクリロニトリル)に酸化するのに有用であることが米国特許第5,093,299号に開示されている。この特許は参照により本明細書に組み込まれている。
【0061】
触媒は、式
VSbaMmNnOx
で表されるアンモ酸化触媒を含むことができ、式中、
aは0.5〜2であり、MはSn、Ti、Fe、またはGaの1種または複数種であり、mは0.05〜3であり、NはW、Bi、Mo、Li、Mg、P、Zn、Mn、Te、Ge、Nb、Zr、Cr、Al、Cu、Ce、またはBの1種または複数種であり、nは0.0〜0.5であり、xは他の元素の互いの酸化程度によって決定される数字である。この触媒は、C3〜C5モノオレフィンを3〜5個の炭素原子を有するα、βモノ不飽和アクリル酸ニトリル(例えばアクリロニトリル)にアンモ酸化するのに有用であることが米国特許第5,258,543号に開示されている。
【0062】
参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6,486,091B1号は、式
BiaMobVcSbdNbeAfBgOx
によって表されるアンモ酸化触媒を開示しており、式中、
Aは周期律表のVB(例えばV、Nb、Ta)、VIB(例えばCr、Mo、W)、VIIB(例えばMn、Tc、Re)、またはVIII(例えばFe、Co、Ni)類から選択される1種または複数種の元素であり、Bは周期律表のIA(例えばLi、Na、K)、またはIIA(例えばMg、Ca、)類から選択される少なくとも1種のアルカリ助触媒であり、aは0.01〜12であり、bは0.01〜12であり、cは0.01〜2であり、dは0.01〜10であり、eは0.01〜1であり、fは0〜2であり、gは0〜1であり、xは存在する元素の原子価要求を満たすために必要な酸素原子の数である。この触媒は、オレフィンを不飽和ニトリルに変換するのに有用であると記述されている。
【0063】
吸着媒体は配位子で錯化された金属イオン(例えばキレート化)を含むことができる。金属イオンはO2、または分離すべき他の流体成分と錯化することができる。使用することのできる金属イオンは、Fe(II)、Co(II)、Cu(I)、V(II)、Mn(II)、Mn(III)、Cr(II)、Ag(I)、Rh(I)、Rh(II)、Rh(III)、U(IV)、V(IV)、Ru(II)、Ru(IV)、Ti(III)、Cr(IV)、Bi(III)、Ni(II)、W(V)、W(IV)、Mo(II)、Mo(III)、Mo(IV)、Mo(V)、Mo(VI)、またはその2種以上の組合せを含む。前述のローマ数字はイオンの酸化状態または原子価数を示す。
【0064】
金属イオンと錯化するのに使用できる配位子は、ジピリジル、2,6−[1−(2−イミダゾール−4−イルエチルイミノ)エチルピリジン]、シクレン、シクラム、Schiff塩基配位子、アセチルアセトネートまたはそのオリゴマーもしくはポリマー、カルボキシレート、ビピリジルまたはそのオリゴマーもしくはポリマー、ポルフィリンまたはそのオリゴマーもしくはポリマー、コリンまたはそのオリゴマーもしくはポリマー、ポリアミド、プロテイン、8−ヒドロキシキノリンまたはそのオリゴマーもしくはポリマー、エチルシステネートまたはそのオリゴマーもしくはポリマー、N−アルキルアルカノヒドロキシアミック酸、ジメチルグリオキシム、sym−ジエチルエチレンジアミン、またはその2種以上の組合せを含む。配位子はフッ素−炭素結合を含むことができる。配位子はフッ素化(例えば過フッ素化)することができる。
【0065】
一実施形態において、金属イオン配位錯体は軸配位子とすることができる。それらはアダクト形成を可能にする酸素との適切な結合を提供するが金属は酸化しないので、これらの配位子は酸素精製に適している。例には、イミダゾール、ヒスチジンアミノ酸、ピリジン、ピペリジン、4−メチルアミノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、硝酸塩、チオシアネート、ハロゲン化物、またはその2種以上の組合せが含まれる。
【0066】
使用することのできる吸着媒体は、ヘモグロビン、ヘモエリチリン、ヘモシアニン、ミオグロビン、Co(II)(acacen)、Co(II)(ドライケーブ(dry cave))(N−メチルイミダゾール)、Fe(II)(H2TpivPP)B、Fe(II)(末端ポルフィリン)B、Fe(オフェン)22+、ビス(エチルシステネート)オキソバナジウム(IV)、Cu(I)(bimp)、ビス(ジメチルグリオキシメート)コバルト(II)、ビス(ヒスチジン)コバルト(II)、ジニトレート−ビス(sym−ジエチルエチレンジアミン)コバルト(II)、ジクロロ−ビス(sym−ジエチルエチレンジアミン)コバルト(II)、[m−テトラ(a,a,a,a−o−ピバルアミドフェニル)ポルフィリン]コバルト(II)、[N,N−ビス(サリチリデン)ジプロピレントリアミン]コバルト(II)、[2,3,10,11,13,19−ヘキサメチル−3,10,14,18,21,25−ヘキサアザビシクロ[10.7.7]ヘキサコサ−1,11,13,18,20,25−ヘキセン−K4N]コバルト(II)ヘキサフルオロホスフェート、[N,N’−ビス(サリチリチリデン)エチレンジアミン]コバルト(II)、[N,N’−ビス(3−メトキシサリチリチリデン)エチレンジアミン]コバルト(II)、[N,N’−ビス(サリチリチリデン)テトラメチルエチレンジアミン]コバルト(II)、[N,N’−ビス(3−メトキシサリチリチリデン)テトラメチルエチレンジアミン]コバルト(II)、[N,N’−ビス(3−イソプロポキシサリチリチリデン)テトラメチルエチレンジアミン]コバルト(II)、[N,N’−ビス(3−エトキシサリチリチリデン)テトラメチルエチレンジアミン]コバルト(II)、[N,N’−ビス(5−メトキシサリチリチリデン)テトラメチルエチレンジアミン]コバルト(II)、[N,N’−ビス(5−n−ブトキシサリチリチリデン)テトラメチルエチレンジアミン]コバルト(II)、[N,N’−ビス(サリチリデン)エチレンジアミン]コバルト(II)、コバルト(II)ポルフィリン錯体、ゼオライト中に封入された金属−シアニド錯体、シアノコバルト酸塩、ヘモグロビン、二鉄(III、IV)を含むヘモエリチリンまたはヘモシアニン、二銅(II)または二マンガンコア、N,N’−ジサリチリデンエチレンジアミンコバルト(II)、コバルトジ−(3−メトキシサリチラルtertブチルアミン)、[N,N’−ビス(サリチリデン)n−プロピルジプロピレントリアミン]コバルト(II)、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、4−ジメチルアミノピリジン、シアノピリジン、エチレン−ジアミン−四酢酸、メチルメタクリレート、およびブチルアクリレートから誘導したコバルトキレート化コポリマー、ビス(ヒスチジン)コバルト(II)、[a−モノ(o−メタクリルアミドフェニル)−a,a,a−トリス(o−ピバルアミドフェニル)ポルフィネート]コバルト、[meso−a,a,a,a−テトラキス(o−ピバルアミドフェニル)ポルフィネート]−鉄(II)、コバルト(II)meso−テトラ−フェニル−ポルフィリン、コバルト(II)meso−テトラキス(2−クロロフェニル)プロフィリン、コバルト(II)meso−テトラキス(4−クロロフェニル)ポルフィリン、コバルト(II)meso−テトラキス(4−メトキシフェニル)ポルフィリン、コバルト(II)meso−テトラキス(2,4−ジメトキシフェニル)ポルフィリン、ルテニウム(III)ビス(サリチルアルデヒド)エチレンジイミン、ルテニウム(III)ビス(サリチルアルデヒド)ジエチレントリイミン、ルテニウム(III)ビス(ピコリンアルデヒド)−o−フェニレンジイミン、ルテニウム(III)ビス(ピコリンアルデヒド)エチレンジイミン、ルテニウム(III)ビス(ピコリンアルデヒド)ジエチレントリイミン、ビス(ジメチルグリオキシメート)ニッケル(II)、ビス(ジメチルグリオキシメート)コバルト(II)、ビス(ジメチルグリオキシメート)銅(II)、ジニトレート−ビス(sym−ジエチレンジアミン)コバルト(II)、ジチオシアナト−ビス(sym−ジエチルエチレンジアミン)コバルト(II)、ジクロロ−ビス(sym−ジエチルエチレンジアミン)コバルト(II)、コバルトジ−(サリチラル)−3,3’−ジイミノ−ジ−n−プロピルアミン、N,N’−ジサリチクリデン、エチレンジアミンコバルト(II)、N,N’−エチレン−ビス(5−ニトロ−サリチリデン−イミナト)コバルト(II)、またはその2種以上の組合せとすることができる。
【0067】
吸着媒体は無機とすることができる。使用することのできる無機吸着媒体の例は、Sb2O5、AgO、PtO、CrO2、PbO、HgO、Cu2O、MnO、Mn2O3、Bi2O4、NiO、NiO2、Cu2O3、SnO、SnO2、WO2、WO3、W2O5、過フッ素化フィルム、Pt/g−アルミナ、Fe/g−アルミナ、Cu/g−アルミナ、Zn/g−アルミナ、Co/g−アルミナ、ゼオライト、またはその2種以上の組合せを含む。この群に含まれるのは金属シアン化物オリゴマーおよびポリマーである。これらは式[Cu(I)(CN)x]n、[Fe(II)(CN)y]n、または[Co(II)(CN)y]nで表されるオリゴマーおよびポリマーを含み、式中、xは3であり、yは5であり、nは少なくとも2の数字であり、一実施形態において約2〜約16,500の範囲であり、一実施形態において約1000〜約10,000である。
【0068】
吸着媒体は銀、金、白金銅、亜鉛、パラジウム、ニッケル、ゼオライト、シリカゲル、カーボンモルキュラシーブ、ポリマー材料、アルミナ、無機錯体(例えば金属中心ポルフィリン環)またはその2種以上の組合せを含むことができる。
【0069】
一実施形態において、吸着媒体は、流体成分と比較的高い温度で可逆的化学錯体を形成する反応性錯形成吸着剤を含み、流体成分は吸着媒体の表面に吸着される。より低い温度では化学反応が逆転され、錯化した流体はより純度の高い形で回収される。
【0070】
吸着媒体は酸化防止剤を含むことができる。例には、第二アミン、フェノール性リン酸塩、亜リン酸塩、フェノール樹脂、ビスフェノール樹脂、ヒドロキシルアミン、オレフィン性カルボン酸塩、アミノカルボン酸塩(例えばエチレンジアミン四酢酸とその塩)トコフェロール、ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、第一スズ塩、酸化スズ、ソルベート、ポリソルベート、またはその2種以上の組合せが含まれる。
【0071】
本発明の利点は、活性吸着媒体を担持するフィン構造を使用することによって比較的迅速な熱振動が可能になることである。金属フィン構造は約10〜約20W/m/Kの熱伝導率、または選択される材料に応じてさらに高い伝導率を有することができる。アルミニウムは100W/m/Kを超えることができる。一方、ペレットまたは粉状吸着剤床などの多孔質媒体の熱伝導率は、典型的に約0.2〜約2W/m/Kである。その結果、多孔質媒体に対してフィンを通る熱伝達が高められるため、フィンに担持された吸着媒体を使用することによって、より迅速なサイクル時間が可能になる。サイクル時間の差は、吸着媒体の熱伝導率の差にほぼ比例する。フィンに担持された吸着媒体は、多孔質吸着媒体に比べて各サイクル時間を顕著に低減することを可能にする。このサイクル時間の向上はガス相および液体の相吸着分離方法両方を容易にする。
【実施例1】
【0072】
熱伝達面の両側での一体的燃焼による蒸気/メタン生成(SMR)方法は、FeCrAlYフィンに担持されたSMR触媒を用いてマイクロチャネル反応器中で行われる。プロセスマイクロチャネル中に挿入されたフィン上のSMR触媒を使用すると、驚くべき高い熱フラックス(10〜141W/cm2)、低いSMR接触時間(10〜0.7ms)、および低いSMR圧力降下を示す。
【0073】
SMR触媒を担持するFeCrAlYフィンを除き、マイクロチャネル反応器を様々な厚さのインコネル617プレートから作製し、積み重ね、互いに締め付け、周縁を溶接して底面積0.5×3.36インチ(12.7×92mm)、高さ0.67インチ(171.1mm)の反応器を形成する。ガス流用のすべてのチャネルは、電極放電加工(EDM)によって形成される空気ジェットオリフィスを除き、従来の技術を用いて機械加工される。空気ヘッダプレート(厚さ6.35mmで底面積12.7×56.5mm)を、空気ジェットオリフィスの上の燃焼プレート中に機械加工された深さ2.54mmの窪み中に溶接する。燃焼プレートに隣接する面に、深さ0.125インチ(3.18mm)×幅0.080インチ(2.03mm)×長さ1.84インチ(46.8mm)の寸法の空気ヘッダチャネルが機械加工される。燃焼プレートはウェブプレートに隣接して積み重ねられ、これはSMRプレートに隣接して積み重ねられる。SMRプレートは同一面で3区画に分割され、積み重ねた後、互いに、およびウェブプレートに溶接される。中心SMR区画(長さ17.7mmのヘッダとフッタ間の中心)の全体の長さ56.7mmにフィンを含むマイクロチャネルが機械加工される。隣接するSMRプレート区画は各々その中に断面2.03×0.66mmで長さ12.6mmのヘッダまたはフッタチャネルが形成してある。燃焼プレートがウェブプレートに隣接する面に機械加工されて長さ1.78インチ(4.52cm)の燃焼チャネルを形成し、熱を吸熱SMR反応へ提供する。燃焼チャネルは0.080×0.036インチ(2.03×0.91mm)の断面を有する。また、燃焼プレートは流れ方向に沿った燃焼チャネル中心線上の中心にジェットオリフィスも含み、厚さ0.150インチ(3.81mm)のプレートに電極放電加工(EDM)によって機械加工され、それによって空気ヘッダチャネルを燃焼チャネルに連結する。燃焼流はSMRガスに対して並流で供給される。燃焼チャネルは燃焼チャネルの入口で水素を供給され、予備過熱された空気は、長さ45.2cmの燃焼ゾーンに、特に燃焼ゾーン入口から1.0、2.7,4.8,7.4、14.7、24.4、34.0mm下流に分配された前述の空気ジェットオリフィスに導入される。軸方配置1.0mmと4.8mmの空気ジェットオリフィスの断面は流れの軸に沿って楕円であり、寸法は0.024×0.012インチ(0.61×0.30mm)で両端は全円である。軸方配置2.7mmのジェット孔の断面は正三角形であり、0.024インチ(0.61mm)の両辺と半径0.05mmの円の角を有し、下流を「指す」。他のすべての空気ジェットオリフィスの断面は直径0.012インチ(0.30mm)の円である。水素燃料は、断面2.03×0.41mmで長さ23.4mmのヘッダ領域を燃焼ゾーンへ導かれる。燃焼燃料ヘッダの端部で、0.41mmの寸法はウェブからジェット孔へ向かって突然拡大して0.91mmに広がる。燃焼チャネルとSMR反応プロセスマイクロチャネルの分離は、0.060インチ(1.52mm)ウェブであり、ウェブプレートの中心(マイクロチャネル幅の中心でもある)から周縁へ深さ0.25インチ(6.35mm)に穿孔された直径0.023インチ(0.58mm)のサーモウェル(thermowell)を除いて均質な固体である。ウェブに反応ゾーンの長さに沿って6箇所に配置されたこれらのサーモウェルは、0.50mmのK型非接地インコネルのコーティング熱電対を介してSMRと燃焼チャネル間の金属の温度測定を可能にし、燃焼またはSMRチャネルのいずれかに気密シールを施す煩わしさがない。ガスは空気、水素、およびSMR反応物入口に導入され、各プレートの面に直交して展延する内径1.75mm(外径3.18)の管を経て燃焼排気およびSMR生成物出口から除かれる。追加で設けられた4個の内径1.75mm管は、フィンの両端でSMRチャネルに接し、燃焼ゾーンの始めと終わりに一致するレベルで燃焼チャネルに接する。
【0074】
マイクロチャネルに挿入されたFeCrAlYフィンは基底部で長さ1.78インチ(4.52cm)、幅0.100インチすなわち2.54mmである。基底部は0.006インチすなわち0.152mmの高さを有する。各フィンは高さ0.014インチであり、0.006インチの基底部の上に着座する。各フィンは隣接するフィンから0.010インチの間隔を置いて離れ、0.010インチの流れ間隙を形成する。フィン担体から突出する4個のフィンがある。フィン担体は、SMR反応プロセスマイクロチャネルと隣接する熱交換燃焼反応室とを分離する熱伝達面の上部に着座する。
【0075】
フィン挿入部を含むマイクロチャネルの断面は、0.080インチ(2.03mm)(フィン基底部から0.100インチ(2.54mm)展延する)×0.026インチ(0.66mm)である。マイクロチャネル反応器フィンは1.78インチ(4.52mm)の長さを有し、FeCrAlYフィン挿入部上にウォッシュコートされたSMR触媒を含む。フィンは反応器を溶接する前にフィンのいずれかの端部の2個の小さなインコネル片(0.18×2.54×5.74mm)と一緒にマイクロチャネル反応器に挿入され、フィンは片をチャネルの長さ方向中心に保持し、フィン基底部面でフィンの上流および下流の間近での流れを防止する。
【0076】
FeCrAlYフィンをプロセスマイクロチャネルに挿入する前に、フィンは2−プロパノール、HNO3(20重量%)、および脱イオン水を用いて超音波洗浄器によって各々10分間洗浄される。次いで、プロセスマイクロチャネルに配置し、周縁でデバイスを溶接する前に、それを昇温および冷却速度3.5℃/分で空気中1000℃で8時間熱処理する。
【0077】
FeCrAlYフィンに触媒をコーティングする前に、200標準立方センチメートル(sccm)の窒素を導入管の各々(空気、燃料、SMR反応物)に3.5℃/分で1000℃まで加熱しながら流すことによって、酸化物層がFeCrAlYフィン上に堆積される。次いで窒素流を停止し、200sccmの炭化水素を含まない空気を3個の入口を経て1000℃で24時間供給する。次いで、デバイスを3.5℃/分で25℃まで(連続的な空気流を維持しながら)冷却し、プロセスマイクロチャネルに配置する。デバイスは周縁部で溶接される。
【0078】
SMRおよび燃焼反応物チャネルは、外部のウォッシュコート孔を用いてSMRフィンの基材に対応する領域のみ安定剤と活性金属でウォッシュコートされる。入口と出口を含んで反応器全体にアルミナゾルコーティングを塗工し、背景(background)活性を防止する。
【0079】
アルミナゾル(Sasolから供給される14N4−25)を燃焼およびSMRチャネルに注射器を用いて導入し、底部から垂直に配向されたチャネルを備えるチャネルおよび入口/出口配管を充填する。ゾルをチャネルから除去する前にデバイスに2分間吸収させる。窒素を毎分5標準リットル(SLPM、0℃、1気圧で定義される標準)供給して過剰のゾルを除去する。デバイスは100℃炉中で1時間150cc/分で流れる炭化水素を含まない空気で乾燥し、続いて10℃/分の昇温および冷却速度で450℃4時間焼成する。次いで、ゾルの第2層を第1ゾルコーティング層で説明した同じ方法で燃焼およびSMRチャネルに塗工する。La(NO3)・6H2Oの10重量%水性溶液を、60ml/時間の速度で注射筒ポンプを用いて連続的に燃焼チャネルに導入する。このステップおよび後続のステップでは、溶液は連続的に反応ゾーンの一端部のウォッシュコート管を経由して導入され、水平に配向されたチャネルを有する方法ゾーンの他端部のウォッシュコート管を経由して除去される。このコーティングステップの間、20sccmの窒素を入口および出口配管を経由して導入し、入口および出口領域の浸透を防止する。その後、溶液をチャネルから除去し、デバイスを窒素でフラッシュして過剰溶液を除去する。同じ手順を繰り返してSMRチャネルをLa(NO3)3・6H2Oの水性溶液でコーティングする。SMRチャネルを窒素でフラッシュした後、炭化水素のない空気中で150cc/分で100℃1時間乾燥する。次いで、それを昇温および冷却速度3.5℃/分で1000℃4時間焼成する。
【0080】
燃焼チャネルは、硝酸塩の形の前躯体を使用して、プラセオジムとパラジウムの原子比率4対1からなる活性金属の第1層でコーティングされる。溶液はLaのステップで前に説明した同じ方法で燃焼チャネルに導入され、次いで除去される。デバイスは150cc/分で流れる炭化水素を含まない空気中で100℃1時間乾燥し、続いて、昇温および冷却速度10℃/分で1000℃1時間焼成される。
【0081】
白金からなる活性金属の第2層が、注射筒ポンプを用いて燃焼チャネル中に10重量%のPt(NH3)4(NO3)2でコーティングされる。溶液はLaのステップで前に説明した同じ方法で燃焼チャネルに導入され、次いで除去される。次いで、SMRチャネルは注射筒ポンプを用いて、硝酸塩溶液中10重量%のロジウムからなる第2活性層でコーティングされる。溶液はLaのステップで前に説明した同じ方法でSMRチャネルに導入され、次いで除去される。デバイスは150cc/分で流れる炭化水素を含まない空気中で100℃で1時間乾燥し、続いて、昇温および冷却速度3.5℃/分で1000℃で1時間焼成される。
【0082】
反応器全体は15cmのクラムシェル(clamshell)Ni−Crセラミックヒーター内部で運転され、熱損失の影響を相殺するために最大燃焼ウェブ温度より約25〜50℃低い温度に保たれる。反応物と空気流には外部ヒーターによって予備加熱が提供される。
【0083】
各反応物ガスはBrooks5850eおよび5851eシリーズの質量流量制御装置を経て供給される。圧力はNoShok圧力トランスジューサモデル1001501127および1003001127を用いて測定される。ガス組成物は熱伝導率検出器ガスクロマトグラフによって分析される。すべての機器を較正し適切な動作を検証する。流量は、BIOS Internationalによって較正され証明された主要標準較正器、Dry−Cal DC−2M Primary Flow Calibratorに対して較正する。圧力トランスジューサは、Flukeによって較正され証明されたFluke700P07または700P06圧力モジュールを備えるFluke圧力較正器モデル718 1006を用いて較正する。ガスクロマトグラフは、Praxair Distribution Inc.によって混合され証明された較正ガスに対して較正する。純粋な水素を燃焼燃料として用い、5〜27%の過剰空気を用いる。燃焼排気分析は常に100%の水素変換を示す。
【0084】
「平均面積熱フラックス」は、発熱反応熱効率をフィンの基底部に隣接する熱伝達表面の面積で除したもので定義される。この面積は熱交換チャネルからフィンの基底部に伝達される熱伝達通路である。
【0085】
「ウェブ」は吸熱反応プロセスマイクロチャネル(フィンを含む)と熱交換燃焼反応室を分離する壁であると定義される。
【0086】
「平衡変換温度」(表1)は、所与の入口組成物が、測定された方法出口の圧力で、測定されたメタン変換に等しい平衡メタン変換を得るために必要な温度である。同様に、「平衡選択性温度」(表1)は、所与の入口組成物が、測定された方法出口の圧力で、測定されたCOに等しいCO値に対する平衡選択性を得るために必要な温度である。平衡ガス組成物は、NASA LEWIS熱力学平衡コーダーまたはChemCADを用いて計算される。一酸化炭素へのメタン変換および選択性は、ガスクロマトグラフによって測定した乾燥生成物ガス組成物から、式1および2にしたがって計算される。
CH4変換=1−(YCH4/YCH4+YCO+YCO2) (1)
COへの選択性=YCO/(YCO+YCO2) (2)
式中、Yは示した各成分のモル割合である。
【0087】
接触時間(CT)は気体時間空間速度(GHSV)の逆数に、時間の逆数をミリ秒に変換する変換因子を乗じたものである。
CT=(1/GHSV)(3600000ms/hr)
式中、GHSVは時間逆数の空間速度である。反応器に供給される容積流量は、接触時間またはGHSVのいずれかを計算するための0℃および圧力1気圧の標準条件で定義される。したがって、接触時間およびGHSVは入口のモル流量および反応室容積にのみ依存する。
【0088】
反応器の性能データは表1および図13と図14に示される。金属ウェブが最高温度950℃および900℃であるとき、平衡SMR変換および選択性はそれぞれ明らかなSMR温度925℃および875℃で達成され、5ミリ秒(MS)未満の接触時間で熱フラックス>25W/cm2が達成される。より短い接触時間で、90〜140W/cm2のフラックスが達成され、触媒の上流区画におけるSMRフィン担持触媒のより高い熱要求に追随する能力を示す。燃焼金属ウェブ温度875℃14気圧で得たデータは、約800℃の当量変換を示すが、25気圧での同じ温度条件は約840℃の当量変換を示す。
【0089】
フィン担持SMRプロセスマイクロチャネルを用いて、SMR反応器の上流端で達成可能な最大熱フラックスを試験する。総流量毎分7.4標準リットル(SLPM)の反応物(1.78インチ触媒床中で接触時間0.5ms)、25atmおよび950℃に保った最大燃焼ウェブ温度で、140W/cm2を超える平均熱フラックスが得られ、変換と選択性の値はそれぞれ約700℃と800℃の平衡値を与える(表1参照)。
【表1】
【実施例2】
【0090】
部分酸化反応方法に使用するためのフィンを設計し、以下の特性に焦点を合わせてメタンの合成ガスへの部分酸化を試験する。
1.高いCH4変換:フィンの使用は高いCH4変換を提供するはずである。
2.高いH2選択性:フィンの使用は高いH2選択性を提供するはずである。
3.高いCO選択性:フィンの使用は高いCO選択性を提供するはずである。
4.低い圧力降下:フィンの使用は低い流動抵抗を提供するはずである。
5.機械的および熱的強度:フィンはデバイスの作製の間(接合など)およびその運転中にチャネル内部の大きな応力条件に耐える高い機械的強度を有するはずである。良好な熱伝達特性を有する設計は熱点と材料劣化を防止する。
【0091】
図6は、燃焼マイクロチャネル中でPOX反応方法を行うために有用なフィンの幾何形状を示す。フィンの台形形状はフィンの基底に機械的な剛性を与える。フィンのすべては矩形の基底上に支持され、フィンの熱伝達特性を高める。フィンはワイヤEDM法を用いてFeCrAlYから作製される。次の表はフィンの寸法をまとめたものである。
【表2】
【0092】
Al2O3スラリーは7.2gのγ−Al2O3粉、12gの脱イオンH2O、および42gの直径3mmのAl2O3ビーズを混合することによって調製される。pH値は硝酸を用いて3.5〜4に調節する。Al2O3は酸性γAl2O3であり、150マイクロメートルより小さな粉に粉砕する。混合物を8時間ボールミルで粉砕する。0.8gの25重量%Al2O3ゾル(Sasol 14N4−25)を4.2gのスラリーに攪拌しながら加える。
【0093】
FeCrAlYフィンをイソプロパノール中で20分間超音波をかけて洗浄する。100℃で1時間乾燥し室温に冷却した後、フィンを20重量%のHNO3溶液で20分間超音波をかけて洗浄する。次いでフィンをpH値が7になるまで脱イオン水で洗う。120℃で1時間乾燥した後、フィンを昇温速度3.5℃/分で、1000℃で空気中で加熱し、1000℃で8時間空気中で焼成する。焼成の後、高密度Al2O3層が形成される。Al2O3層は保護皮膜として機能し、コーティングとフィンの間の接着も高める。Al2O3スラリーは浸漬によってフィン上にウォッシュコートされる。過剰のスラリーはコーティングされた表面に空気を噴射して除去される。フィンは120℃で1時間乾燥し、次いで昇温および冷却速度3.5℃/分で450℃4時間焼成する。7.5重量%のLa(NO3)3溶液を浸漬によってフィンに含浸する。フィンは120℃で1時間乾燥され、次いで昇温および冷却速度3.5℃/分で1000℃4時間空気中で焼成する。表面のLa2O3はAl2O3を安定化する。スラリーの装填はフィン当たり25.4mgである。10重量%のRh(NO3)3溶液をフィンの上に滴下し、過剰の溶液を圧縮空気で吹き払う。フィンに担持された、得られる触媒は120℃で1時間乾燥し、次いで1000℃で1時間空気中で焼成する。Rh装填はフィン当たり4.8mgである。
【0094】
フィンに担持された触媒は、ペレットで、メタンの1気圧での合成ガスへの部分酸化について試験する。ペレットは直径0.5インチ、長さ2インチの円筒状の金属棒である。ペレットは、中心に矩形のマイクロチャネル切断部を有する。切断部はその内部軸に沿って棒の長さ全体を展延する。切断部は0.05インチの高さおよび0.18インチの幅を有する。担持触媒を試験のため切断部に置く。切断部の両側に気密性接続を設ける。反応物は配管から切断部へ流入し、切断部を通ってフィンに担持された触媒と接触する。ペレットは炉中に置かれる。炉の温度はペレットの中間長さ部の外皮温度を850℃に保つように昇温される。炉の入口の供給流の温度は室温であり、ペレットに入る前に予備加熱される。炉の入口からペレットまでの配管の長さは10フィートである。生成物流の出口圧力は大気圧である。ペレット中の圧力降下はCapsuhelic差動圧力計で測定される。生成物の組成物を2カラムガスクロマトグラフで分析する。フィンに担持された触媒の性能をCH4変換、H2選択性、およびCO選択性について測定する。
CH4変換(%)=(VCH4,in−VCH4,out)/(VCH4,in)×100
H2選択性(%)=(VH2,out測定値)/(VH2,out理論値)×100
CO選択性(%)=(VCO,out)/(VCO2,out+VCO2,out)×100
【0095】
触媒を使用する前にH2で400℃30分間還元する。供給ガス組成物は29.6%のCH4と70.4%の空気(CH4/O2=2/1)であり、総流量2030ml/分である(標準条件)。接触時間は3.3msである。接触時間は容積流量に対するフィンのないペレット中の流れ容積の比として定義される。以下の表はフィンに担持された触媒の157時間運転後の性能を示す。
【表3】
【実施例3】
【0096】
POX反応方法に使用する代替のフィンは圧力降下を少なくする利点を提供する。流動面積はフィンの数を低減することによって増加する。フィン支持体から突出する5個のフィンがある。フィンは図6に示すように台形断面を有する。フィンの台形形状と共にフィンの厚さはフィンの基底で機械的な剛性を提供する。フィンは矩形の担体または基底部に支持されフィンの熱伝達特性を高める。フィンはFeCrAlYから作られる。フィンはワイヤEDM法によって作製される。以下の表にフィンの寸法をまとめる。
【表4】
【0097】
Al2O3スラリーは7.2gのγ−Al2O3粉、12gの脱イオンH2O、および42gの直径3mmのAl2O3ビーズを混合することによって調製される。pH値は硝酸を用いて3.5〜4に調節する。Al2O3は酸性γAl2O3であり、150マイクロメートルより小さな粉に粉砕される。混合物を8時間ボールミルで粉砕する。0.8gの25重量%Al2O3ゾル(Sasol 14N4−25)を4.2gのスラリーに攪拌しながら加える。
【0098】
FeCrAlYフィンをイソプロパノール中で20分間超音波をかけて洗浄する。100℃で1時間乾燥し室温に冷却した後、フィンを20重量%のHNO3溶液で20分間超音波をかけて洗浄する。フィンをpH値が7になるまで脱イオン水で洗う。120℃で1時間乾燥した後、フィンを昇温速度3.5℃/分で、1000℃で空気中で加熱し、1000℃で8時間空気中で焼成する。Al2O3スラリーが浸漬によってフィン上にウォッシュコートされる。過剰のスラリーはコーティングされた表面に空気を噴射して除去される。フィンは120℃で1時間乾燥し、次いで昇温および冷却速度3.5℃/分で450℃4時間焼成する。7.5重量%のLa(NO3)3溶液を浸漬によってスラリーをコーティングしたフィンに含浸する。フィンは120℃で1時間乾燥し、次いで昇温および冷却速度3.5℃/分で1000℃4時間空気中で焼成する。スラリーの装填はフィン当たり6.0mgである。10重量%のRh(NO3)3溶液をフィンの上に滴下し、過剰の溶液を圧縮空気で吹き払う。フィンは120℃で1時間乾燥し、次いで1000℃で1時間空気中で焼成する。Rh装填はフィン当たり1.0mgである。
【0099】
得られるフィンに担持された触媒を、実施例2に述べたペレットで、メタンの1気圧での合成ガスへの部分酸化について試験する。ペレットは炉中に置かれる。炉の温度はペレットの中間長さ部の外皮温度を805℃に保つように調節される。炉の入口の供給流の温度は室温である。供給流はペレットに入る前に予備加熱される。炉の入口からペレットまでの配管の長さは10フィートである。生成物流の出口圧力は大気圧である。ペレット中の圧力降下は、入口と出口の圧力の間の差である。生成物の組成物を2カラムガスクロマトグラフで分析する。フィンの性能をCH4変換、H2選択性、およびCO選択性について測定する。以下の表に115時間の運転後のフィンの触媒性能をまとめる。
【表5】
【実施例4】
【0100】
FeCrAlYフィンは鋸切断法によって作製され、ペレット中で触媒性能が試験される。以下の表にフィンの寸法をまとめる。
【表6】
【0101】
Al2O3スラリーは7.2gのγ−Al2O3粉、12gの脱イオンH2O、および42gの直径3mmのAl2O3ビーズを混合することによって調製される。pH値は硝酸を用いて3.5〜4に調節する。Al2O3は酸性γAl2O3であり、150マイクロメートルより小さな粉に粉砕される。次いで、混合物を8時間ボールミルで粉砕する。0.8gの25重量%Al2O3ゾル(Sasol 14N4−25)を4.2gのスラリーに攪拌しながら加える。
【0102】
FeCrAlYフィンをイソプロパノール中で20分間超音波をかけて洗浄する。100℃で1時間乾燥し室温に冷却した後、フィンを20重量%のHNO3溶液で20分間超音波をかけて洗浄する。次いで、フィンをpH値が7になるまで脱イオン水で洗う。120℃で1時間乾燥した後、フィンを昇温速度3.5℃/分で、1000℃で空気中で加熱し、1000℃で8時間空気中で焼成する。Al2O3スラリーが浸漬によってフィン上にウォッシュコートされる。過剰のスラリーはコーティングされた表面に空気を噴射して除去される。フィンは120℃で1時間乾燥し、次いで昇温および冷却速度3.5℃/分で450℃4時間焼成する。7.5重量%のLa(NO3)3溶液を浸漬によってスラリーをコーティングしたフィン上に含浸する。フィンは120℃で1時間乾燥し、次いで昇温および冷却速度3.5℃/分で1000℃4時間空気中で焼成する。スラリーの装填はフィン当たり18.7mgである。10重量%のRh(NO3)3溶液をフィンの上に滴下し、過剰の溶液を圧縮空気で吹き払う。フィンは120℃で1時間乾燥し、次いで1000℃で4時間空気中で焼成する。Rh装填はフィン当たり3.2mgである。
【0103】
得られるフィンに担持された触媒を、実施例2に述べたペレットで、メタンの1気圧での部分酸化について試験する。ペレットは炉中に置かれる。触媒は使用する前にH2で400℃30分間還元する。供給ガス組成物は29.6%のCH4と70.4%の空気(CH4/O2=2/1)であり、総流量(標準条件)2372ml/分である。接触時間は3.3である。炉の温度はペレットの中間長さ部の外皮温度を850℃に保つように調節される。炉の入口の供給流の温度は室温である。供給流はペレットに入る前に予備加熱される。炉の入口からペレットまでの配管の長さは10フィートである。生成物流の出口圧力は大気圧である。ペレット中の圧力降下はCapsuhelic差動圧力計で測定される。生成物の組成物を2カラムガスクロマトグラフで分析する。フィンの性能をCH4変換、H2選択性、およびCO選択性について測定する。以下の表に、担持触媒の400時間運転後の性能をまとめる。
【表7】
【実施例5】
【0104】
実施例4のフィンと同じ寸法を有するフィンをイソプロパノール中で20分間超音波をかけて洗浄する。100℃で1時間乾燥し室温まで冷却した後、フィンを20重量%のHNO3溶液中で20分間超音波をかけて洗浄する。フィンをpH値が7になるまで脱イオン水で洗う。120℃で1時間乾燥した後、フィンを昇温速度3.5℃/分で、1000℃で空気中で加熱し、1000℃で8時間空気中で焼成する。焼成後、高密度のAl2O3層が形成される。Al2O3層は保護皮膜として機能し、コーティングとフィンの間の接着も高める。Al2O3ゾル(25重量%、Sasol 14N4−25)が浸漬によってフィン上にコーティングされる。過剰のゾルはコーティングされた表面に空気を噴射して除去される。フィンは120℃で1時間乾燥し、次いで昇温および冷却速度3.5℃/分で450℃4時間焼成する。ゾルコーティング方法はフィン当たり17mgのAl2O3装填が達成されるまで3〜4回繰り返す。7.5重量%のLa(NO3)3溶液を浸漬によってフィンに含浸する。フィンは120℃で1時間乾燥され、次いで昇温および冷却速度3.5℃/分で1000℃4時間空気中で焼成する。10重量%のRh(NO3)3溶液をフィンの上に滴下し、過剰の溶液を圧縮空気で吹き払う。フィンは120℃で1時間乾燥し、次いで500℃で1時間空気中で焼成する。Rh(NO3)3溶液コーティングは1回繰り返し、フィンを1000℃で4時間焼成する。Rh装填はフィン当たり5.2mgである。
【0105】
得られるフィンに担持された触媒を、実施例2に述べたペレットを用いて、メタンの1気圧での合成ガスへの部分酸化について試験する。ペレットは炉中に置かれる。触媒は使用する前にH2で450℃30分間還元する。供給ガス組成物は29.6%のCH4と70.4%の空気(CH4/O2=2/1)であり、総流量(標準条件)2361ml/分であった。接触時間は3.3msである。炉の温度はペレットの中間長さ部の外皮温度を800℃に保つように調節される。炉の入口の供給流の温度は室温である。供給流はペレットに入る前に予備加熱される。炉の入口からペレットまでの配管の長さは10フィートである。生成物流の出口圧力は大気圧である。ペレット中の圧力降下はCapsuhelic差動圧力計で測定される。生成物の組成物を2カラムガスクロマトグラフで分析する。フィンの性能をCH4変換、H2選択性、およびCO選択性について測定する。以下に、フィンに担持された触媒の600時間定常運転後の性能を示す。
【表8】
【0106】
前述のフィンに担持された触媒をn―ブタンとCH4の燃料混合物で試験する。供給ガスは、7.2%のCH4、7.2%のn−ブタン、および85.6%の空気を含み、総流量2091ml/分である。4カラムガスクロマトグラフを用いて出口ガス組成物の分析を行う。炉の温度はペレットの中間長さ部の外皮温度を800℃に保つように調節される。フィンに担持された触媒の300時間運転後の性能を以下にまとめる。
【表9】
【実施例6】
【0107】
図1に示す設計の吸着分離ユニットを作製する。選択性吸着媒体吸着剤をフィンの壁にコーティングする。フィンはアルミニウムから作られ、高さ1mm、幅0.5mm、間隔0.5mmで離れる。フィンの基底部は0.5mmである。フィンは高さ1.05mm、幅5cmのプロセスマイクロチャネルに挿入される。マイクロチャネル内には50個のフィンがある。プロセスマイクロチャネルは熱伝達チャネルに隣接する。熱伝達流体として水が使用され、吸着のためのユニットを冷却し、脱着のためのユニットを暖める。脱着の間、65℃の水流が熱交換チャネルを流れる。吸着の間、15℃の水流が熱交換チャネルを流れる。
【0108】
メタンと窒素の混合原料を吸着ユニットに供給する。メタンは窒素よりも吸着媒体に優先的に吸着する。吸着は35℃で起きる。吸着媒体が能力を満たされると、暖かな流体を熱交換チャネルに流すことによって、吸着媒体の温度は55℃に増加する。メタンはメタンまたは天然ガスである脱着流体を脱着する。メタンの脱着の後、吸着媒体の温度は第2吸着サイクルのために35℃に冷却される。加熱と冷却の間のサイクル時間は0.1秒である。
【0109】
本発明を様々な詳細な実施形態について説明したが、当業者であれば、本明細書を読めばその様々な変更が明らかになることを理解すべきである。したがって、本明細書に開示した本発明は、添付の特許請求の範囲に含まれるそれらの変更を包含することを意図していると理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】プロセスマイクロチャネルと、マイクロチャネル内に配置された複数のフィンを含むフィン組立体と、プロセスマイクロチャネルに隣接する熱交換器とを含む本発明の装置の概要図である。
【図2】図1に示す装置の代替実施形態を示す図である。
【図3】図1に示すフィン組立体の代替実施形態を示す図である。
【図4】図1に示す1種のフィンの代替実施形態を示す図である。
【図5】図1に示す1種のフィンの他の代替実施形態を示す図である。
【図6】図1に示すフィン組立体の代替実施形態を示す図である。
【図7】図1に示すフィン組立体の代替実施形態を示す図である。
【図8】図1に示すフィン組立体の代替実施形態を示す図である。
【図9】図1に示すフィン組立体の代替実施形態を示す図である。
【図10】図1に示すフィン組立体の代替実施形態を示す図である。
【図11】図1に示すプロセスマイクロチャネルの基底壁に形成された複数のフィンを示す図である。
【図12】図1に示す種類の複数の隣接するプロセスマイクロチャネルを作製するのに使用される挿入可能なフィン組立体を示す図である。
【図13】実施例1で得られた結果を開示するグラフである。
【図14】実施例1で得られた結果を開示するグラフである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、触媒または吸着媒体を担持するための内部フィンを備えるマイクロチャネルに関する。これらのマイクロチャネルは、触媒活性化された反応の実施と、吸着媒体を用いる流体の分離に用いるのに適している。
【背景技術】
【0002】
マイクロチャネル反応器は、反応物がマイクロチャネル内の触媒に接触して反応を行う様々な触媒方法に用いることができる。「マイクロチャネル」という用語は、本明細書では約10mmまでの内部幅と高さを有するチャネルを指す。これらのマイクロチャネル反応器に伴う問題は、多くの方法において方法を効率的に運転するのに十分な触媒表面積を提供するのが困難なことである。また、多くの方法において、反応物を触媒表面領域へ移動する質量移動距離を十分短くして、方法を効率的に運転するのが困難なことである。
【0003】
これらの問題に対するひとつの解決策は、大きな表面積を与えるために、マイクロチャネルの内壁をウォッシュコートと呼ばれる無機酸化物の中間層でコーティングすることである。次いで、触媒がウォッシュコートの表面に堆積される。これらのウォッシュコートの使用に伴う問題は、提供された追加の表面積が多くの方法にとって不十分なことである。
【0004】
この問題に対する他の解決策は、発泡体、フェルト、またはワッドなどの多孔質構造に触媒を堆積させ、次いでそれらをマイクロチャネル中に配置することである。「発泡体」という用語は、本明細書では構造全体の孔を画定する連続壁を備える構造を指すために用いられる。「フェルト」という用語は、本明細書ではその間に介在する空間を有する繊維の構造を指すために用いられる。「ワッド(wad)」という用語は、本明細書では鋼ウールなどの絡み合った束の構造を指すために用いられる。これらの各々の担体構造に伴う問題は、これらの担体構造によって与えられる熱伝導率が多くの方法にとって不十分なことである。
【0005】
本発明はこれらの問題に対する解決策を提供する。本発明では、触媒を担持するための1個または複数の内部フィンが提供され、フィンは触媒の表面積の拡大ならびに熱伝導率の向上を提供する。また、フィンは反応の起きる触媒表面までの反応物の短い質量移動距離を提供する。本発明の一実施形態において、内部フィンは構造安定性を向上させたマイクロチャネルを提供する。
【0006】
隣接する熱交換器に結合されたマイクロチャネル反応器に伴う問題は、高い熱フラックスまたは高い処理量が望まれるとき、マイクロチャネルの小さな内部寸法の結果、発生する圧力降下がしばしば比較的大きいことである。質量移動制限を克服するためにマイクロチャネルの高さまたは幅を比較的小さく維持するならば、圧力降下はチャネルの高さまたは幅に反比例して増加する傾向があり、最大処理量が制限される可能性がある。
【0007】
本発明は、質量移動制限の影響を最小化しまたは低減するために必要な最小の寸法から、マイクロチャネルを流れる流体が確保できる総断面積を増加させることによって、この問題に対する解決を提供する。フィンが隣の熱交換器から熱伝達表面から直角に外方へ突出するならば、隣接するフィンの間隔が質量移動制限を最小化するため十分小さく保たれる限り、フィンの高さは質量移動制限を最小化するために必要な間隙のサイズよりもかなり大きくすることができる。より高いフィンはマイクロチャネル反応器の単位長さ当たりの圧力降下をより低くすることができる。また、フィン材料の熱伝導率およびフィンの高さは、対象の反応器の熱伝達限界を避けるように微調節することができる。熱伝導量が限界に達する距離は多くの場合質量移動量が限界に達する距離よりも長いので、フィンの高さはしばしば望ましい質量移動特性を可能にする最大間隔を十分超えて展延することができる。したがって、本発明を用いることによって、反応性能を低下させることなく、マイクロチャネル毎のより小さな圧力降下および/またはより高い容量を実現することができる。
【0008】
本明細書に提供されるフィンはマイクロチャネル反応器内で用いられる触媒の担体を提供するのに有用なだけではなく、マイクロチャネル中で実施される分離方法に用いるための吸着媒体の担体を提供するためにも有用である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、高さ、幅、および長さ(高さは約10mm以下)を有し、プロセスマイクロチャネルの幅に沿う一方向とプロセスマイクロチャネルの長さに沿う他の方向に展延する基底壁を有する、少なくとも1個のプロセスマイクロチャネルと、基底壁からプロセスマイクロチャネル中に突出し、プロセスマイクロチャネルの長さの少なくとも一部に沿って展延する、少なくとも1個のフィンと、フィンに担持された触媒または吸着媒体とを含む装置に関する。
【0010】
付属の図面において、同様の部品および構造は同様の参照番号を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
「マイクロチャネル」という用語は、約10ミリメートル(mm)までの高さまたは幅の少なくとも1個の内部寸法を有するチャネルを指し、一実施形態において約5mmまで、一実施形態において約2mmまで、一実施形態において約1mmまでである。一実施形態において、高さまたは幅は約0.05〜約10mmの範囲であり、一実施形態において約0.05〜約5mm、一実施形態において約0.05〜約2mm、一実施形態において約0.05〜約1.5mm、一実施形態において約0.05〜約1mm、一実施形態において約0.05〜約0.75mm、一実施形態において約0.05〜約0.5mmである。高さおよび幅は両方ともマイクロチャネルを通る流れ方向に垂直である。
【0012】
1個のチャネルの位置を他のチャネルの位置に関して参照するときの用語「隣接する」は、壁が2個のチャネルを分離するように直接隣接することを意味する。この壁は厚さが変化してもよい。しかし、「隣接する」チャネルは、チャネル間の熱伝達を妨害するであろう介在流体含有チャネルによって分離されない。
【0013】
「流体」という用語は、ガス、液体、または分散した固体を含むガスもしくは液体、またはその混合物を指す。流体は分散された液滴を含むガスの形とすることができる。
【0014】
「接触時間」という用語は、マイクロチャネル反応器内の反応ゾーンの容積を温度0℃、1気圧の反応組成物の容積流量で除したものを指す。
【0015】
「滞留時間」という用語は、空間を通って流れる流体によって占拠された空間の内部容積(例えばマイクロチャネル反応器内の反応ゾーン)を、使用される温度と圧力で空間を通って流れる流体の平均容積流量で除したものを指す。
【0016】
「反応ゾーン」という用語は、反応物が触媒に接触するマイクロチャネル反応器内の空間を指す。
【0017】
「炭化水素反応物の変換」という用語は、反応組成物と生成物間の炭化水素反応物のモル変化を反応組成物中の炭化水素反応物のモルで除したものを指す。
【0018】
「所望の生成物への選択性」という用語は、生成された所望の酸素化またはニトリルのモルを、生成された所望の酸素化またはニトリルのモル+他の生成された生成物のモル(例えばCO、CO2)で除し、それらの各々の化学量論的因子を乗じたものを指す。例えば、望ましくない副生成物として二酸化炭素を含む、エチレンの酸化エチレンへの酸化では、1モルの酸化エチレンと1モルの二酸化炭素の生成は、選択性が100×(1/(1+1/2))=67%になる。
【0019】
最初に、図1に関して本発明を説明する。図1を参照すれば、本発明の装置100はプロセスマイクロチャネル110と、プロセスマイクロチャネル110内に配置された複数の平行に間隔を置くフィン140を備えるフィン組立体141と、プロセスマイクロチャネルに隣接して配置された熱交換器170とを含む。
【0020】
プロセスマイクロチャネル110は、図1において点112から点114に伸びる縦線で示す高さ、点114から点116に伸びる水平線で示す幅、点114から点118に伸びる線で示す長さを有する。プロセスマイクロチャネル110は、基底壁120と、対向する基底壁120に平行な上部壁122とを有する。また、プロセスマイクロチャネルは壁120および122を連結する縦壁124および126も有する。
【0021】
フィン140は基底壁120を覆うフィン担体142上に搭載される。フィン140はフィン支持体142からプロセスマイクロチャネル110の内部へ突出する。フィン140は上部壁122の内部表面まで展延してこれに接触する。フィン140の間のフィンチャネル144は、方向矢印146で示すように、流体がプロセスマイクロチャネル110にその長さと平行に流れる流路を提供する。フィン140の各々は、その各側部に外部表面148を有し、この外部表面は触媒または吸着媒体の担体基板を提供する。触媒反応で、1種または複数種の流体反応物はフィンチャネル144を方向矢印146で示す方向に流れ、フィン140の外部表面148上に担持触媒と接触し、反応して生成物を形成する。流体分離方法で、流体はフィンチャネル144を方向矢印146で示す方向に流れ、フィン140の外部表面148上に担持された吸着媒体と接触し、流体の1種または複数種の成分が吸着媒体に吸着される。
【0022】
フィン140の各々は約0.02mmからプロセスマイクロチャネル110の高さまでの範囲の高さを有することができ、一実施形態において約0.02〜約10mm、一実施形態において約0.02〜約5mm、一実施形態において約0.02〜約2mmである。各フィンの幅は約0.02〜約5mmの範囲とすることができ、一実施形態において約0.02〜約2mm、一実施形態において約0.02〜約1mmである。各フィンの長さはプロセスマイクロチャネル110の長さまでの任意の長さとすることができ、一実施形態において約5mm〜約500cm、一実施形態において約1cm〜約250cm、一実施形態において約1cm〜約100cm、一実施形態において約2cm〜約25cmである。各フィン140間の間隔は任意の値とすることができ、約0.02〜約5mmの範囲とすることができ、一実施形態において約0.02〜約2mm、一実施形態において約0.02〜約1mmである。プロセスマイクロチャネル110中のフィン140の数は、プロセスマイクロチャネル110の幅のセンチメートル当たり約1〜約50フィンの範囲とすることができ、一実施形態においてセンチメートル当たり約1〜約30フィン、一実施形態においてセンチメートル当たり約1〜約10フィン、一実施形態においてセンチメートル当たり約1〜約5フィン、一実施形態においてセンチメートル当たり約1〜約3フィンである。フィンの各々は図1〜図5に示すように矩形もしくは正方形の形状、または図6および図12に示すように台形の形状の断面を有することができる。その長さに沿って見るとき、各フィン140は直線、テーパー付きとすることができ、または蛇行形態を有することができる。フィン140は、プロセスマイクロチャネル110が意図された運転を可能にするための十分な強度、寸法安定性、および熱伝達特性を提供する任意の材料から作製することができる。これらの材料は、鋼(例えばステンレス鋼、炭素鋼等)、モネル、インコネル、アルミニウム、チタン、ニッケル、白金、ロジウム、銅、クロム、真鍮、任意の前記金属の合金、ポリマー(例えば熱硬化性樹脂)、セラミック、ガラス、1種または複数種のポリマー(例えば熱硬化樹脂)およびファイバーガラスを含む複合材、石英、シリコン、またはその2種以上の組合せを含む。フィン140は、酸化されたとき皮膜がアルミナを形成するように、FeCrAlYなどのアルミナ形成材料から作製することができる。アルミナ皮膜は触媒または吸着材料用の担体コーティングを受容するのに特に適している。
【0023】
熱交換器170はプロセスマイクロチャネル110に隣接して配置され、熱交換チャネル172および174を含む。熱交換チャネル172および174は、方向矢印176で示すように、熱交換流体がプロセスマイクロチャネル110を流れる流体と平行に長手方向にチャネルを流れるようにされる。熱交換流体が図1に示す方向に流れるとき、それはプロセスマイクロチャネル110を流れる流体と同方向に流れる。代りに、熱交換流体は熱交換チャネル172および174を図1に示す方向と反対方向に流れ、したがってプロセスマイクロチャネル110を流れる流体とは対向流で流れることができよう。代りに熱交換チャネル172および174は、プロセスマイクロチャネル110に関して90度の角度に配向することができ、プロセスマイクロチャネル110を通る流体に関して対向流の方向の熱交換流体の流れを提供することができよう。
【0024】
図1には、装置100に使用するための単一方法チャネル110および2個の熱交換チャネル172と174のみを示したが、装置100に使用することのできるプロセスマイクロチャネル110、および熱交換チャネル172と174の数には特別の上限はない。例えば、装置100は、2個、4個、6個、8個、10個、20個、50個、100個、数百個、千個、数千個、一万個、数万個、十万個、数十万個、百万個等のプロセスマイクロチャネルと熱交換チャネルを含むことができる。
【0025】
プロセスマイクロチャネル110は、並列に、例えば平面マイクロチャネルのアレイに配置することができる。マイクロチャネルは、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6,200,536B1号に開示されているように、マイクロ部品(microcomponent)シート構造体の変形とすることができる。プロセスマイクロチャネル110の各々は、約10mmまでの高さを有することができ、一実施形態において約0.05〜約10mm、一実施形態において約0.05〜約5mm、一実施形態において約0.05〜約2mm、一実施形態において約0.05〜約1.5mm、一実施形態において約0.05〜約1mm、一実施形態において約0.05〜約0.5mmである。幅は任意の値とすることができ、例えば、約0.1cm〜約100cmの範囲とすることができ、一実施形態において約0.1cm〜約75cm、一実施形態において約0.1cm〜約50cm、一実施形態において約0.2cm〜約25cmである。プロセスマイクロチャネル110の各々の長さは任意の値とすることができ、例えば、長さは約1cm〜約500cmの範囲とすることができ、一実施形態において1cm〜約250cm、一実施形態において1cm〜約100cm、一実施形態において1cm〜約50cm、一実施形態において約2cm〜約25cmである。
【0026】
プロセスマイクロチャネル110は、それらの意図された方法の運転を可能にする十分な強度、寸法安定性、および熱伝達特性を提供する任意の材料から作製することができる。これらの材料は、鋼(例えばステンレス鋼、炭素鋼等)、モネル、インコネル、アルミニウム、チタン、ニッケル、白金、ロジウム、銅、クロム、真鍮、任意の前記金属の合金、ポリマー(例えば熱硬化性樹脂)、セラミック、ガラス、1種または複数種のポリマー(例えば熱硬化樹脂)およびファイバーガラスを含む複合材、石英、シリコン、またはその2種以上の組合せを含む。
【0027】
熱交換チャネル172および174の各々は、約10mmまでの高さまたは幅の少なくとも1個の内部寸法を有することができ、一実施形態において約0.05〜約10mm、一実施形態において約0.05〜約5mm、一実施形態において約0.05〜約2mm、一実施形態において約0.05〜約1mmである。他の内部寸法は、約1mm〜約1mの範囲とすることができ、一実施形態において約1mm〜約0.5m、一実施形態において約2mm〜約10cmである。熱交換チャネルの長さは、約1mm〜約1mの範囲とすることができ、一実施形態において約1cm〜約0.5mである。各プロセスマイクロチャネル110と次の隣接する熱交換チャネル172または174間の分離は、約0.05mm〜約5mmの範囲とすることができ、一実施形態において約0.2mm〜約2mmである。
【0028】
熱交換器170は、それが意図する運転を可能にするのに十分な強度、寸法安定性、および熱伝達特性を提供する任意の材料から作製することができる。これらの材料は、鋼(例えばステンレス鋼、炭素鋼等)、モネル、インコネル、アルミニウム、チタン、ニッケル、白金、ロジウム、銅、クロム、真鍮、任意の前記金属の合金、ポリマー(例えば熱硬化性樹脂)、セラミック、ガラス、1種もしくは複数種のポリマー(例えば熱硬化性樹脂)およびファイバーグラスを含む複合材、石英、シリコン、またはその2種以上の組合せを含む。
【0029】
装置100は適切なヘッダ、フッタ、弁、導管ライン、制御機構等を有し、方法流体および熱交換流体の流入と流出を制御する。これらは図1に示されていないが、当業者であれば提供することができる。
【0030】
図2に示した装置100Aは、フィン140が部分フィン140aに置き換えられていることを除いて図1に示した装置100と同一である。図2の部分フィン140aは、フィン担体142から上部壁122の途中まで展延する。部分フィン140aの高さは、フィン担体142と上部壁122の間隔の約1%〜約99%の範囲とすることができ、一実施例において約5%〜約95%、一実施例において約10%〜約90%、一実施例において約20〜約80%である。部分フィン140aを使用する利点は、マイクロチャネル110中に提供される追加の空間145が段階的な酸素または空気の添加を容易にすることであり、燃焼または選択的酸化反応などのある種の方法に有用である。部分フィン140aは、酸素または空気がフィンチャネル144に流入することを可能にする。部分フィン140aの追加の利点は、流れるための追加の空間145を提供する結果、プロセスマイクロチャネル110を流れる流体の圧力降下が小さくなることである。
【0031】
フィン140は外部表面148の一部またはすべてを覆う多孔質材料を有することができる。これは図3に示されており、多孔質材料147がフィン140の外部表面148を覆う。多孔質材料はコーティング、繊維、フェルト、発泡体、または他の低密度基材の形とすることができる。孔サイズは約3オングストローム〜約100ミクロンの範囲とすることができる。触媒または吸着媒体は多孔質材料の上に堆積することができる。
【0032】
フィン140の外部表面148は、図4に示すように外部表面148から展延する不規則繊維147a、または図5に示すように外部表面148から展延する突起147bなどの表面増強物(enhancer)を含むことができる。繊維147aおよび突起147bは約0.001〜約0.3mmの範囲の長さを有することができ、一実施形態において約0.01〜約0.1mmである。触媒または吸着媒体は繊維147aまたは突起147b上に堆積することができる。
【0033】
フィン140は図7〜図10に示すように流れ方向に沿って連続的または不連続的のいずれかとすることができる。不連続フィンの利点は、軸方向の伝導率の寄与を低減する熱的遮断を提供できることを含む。他の利点は、チャネルの長さに沿う段階的酸化剤添加を用いて、フィン構造をプロセスマイクロチャネル中に一体化することのできることである。フィンのない部分151(図7および図8)は、酸化剤入口、ジェット、ノズル、または酸化剤をプロセスマイクロチャネル中に導入するための他の機構の次に配置することができる。次いで、酸化剤は、次のフィン領域に入る前にプロセスマイクロチャネルを流れる流体と完全にまたは部分的に混合することができる。
【0034】
一実施形態において、フィン140は図9に示すようにすべて同じ長さである必要はない。いくつかのフィン140はプロセスマイクロチャネル110の長さ全体にわたって展延することができるが、他のフィンは途中まで展延することができる。この実施形態は、質量移動抵抗が反応ゾーンの先端で最も高いいくつかの反応にとって有利である。より近接して間隔を置くフィンは反応物の触媒または吸着壁への移動距離を短縮する。質量移動時間は、拡散距離の2乗を質量拡散率で除した値にほぼ一致する。反応または吸着が進むと、この近接して間隔を置くフィンをゾーンの長さにわたって継続して配置する必要はないであろう。これは全体の圧力降下を低減する利点を有する。追加の利点は、フィンがより近接して間隔を置くところに存在する熱伝達の向上である。反応物の濃度が最大である反応ゾーンの前端近くにより多くの熱を伝達することは有利であろう。追加のフィンは余剰の熱伝達表面積を加え、液体力学的に低減された直径は局部的な対流熱伝達係数を増加させる。
【0035】
代替実施形態は、図10に示すように異なる高さのフィン140を使用することである。いくつかのフィンは相対的に高く、他は相対的に低い。相対的に高いフィンは、上部壁122に接触することができ、他はプロセスマイクロチャネル110の間隔または高さの一部(例えば約10%〜約90%)だけを満たす。この構成の利点は、流れの閉塞を低減することによって全体的な圧力降下を低減することである。この構成は、熱または質量移動のための表面積の増加をわずかしか必要としないいくつかの方法に用いることができる。
【0036】
フィン140は、プロセスマイクロチャネル100内に挿入するのではなく、基底壁120の上に直接形成することができる。これらのフィンは溝切り鋸、光化学的機械加工、または電気化学的機械加工を用いて形成することができる。図11に示すように、方法用の流路は、一区画は閉塞されていないチャネルを含むことができ、次いでフィンを含む反応または吸着ゾーンに流入する。フィンは基底壁120の一端部から他の端部へ展延することができ、あるいは、それらは代りに基底壁120内に短く終端することができる。
【0037】
外部(ex situ)で形成され、次いでプロセスマイクロチャネル110内に配置されるフィンは、一度に1個のマイクロチャネルを満たすのに十分な広さで作製することができ、あるいは複数のマイクロチャネルを同時に満たすようにより広く作製することができる。図12は、4個のプロセスマイクロチャネルにまたがるフィン組立体の例を示す。これらのフィンは、積層シートを積み重ねる間に挿入し、次いで拡散結合を行って一体化された要素を形成することができる。これらのフィンの利点は、それらが、結合の間にマイクロチャネル壁の追加の担体を提供することである。代りに、フィンを拡散結合の後に挿入し、プロセスマイクロチャネルの運転の後に取り外して刷新または交換することができる。
【0038】
触媒または吸着媒体は、従来の技術を用いて、図4および図5に示すように、外部表面148、外部表面を覆う多孔質材料、または表面増強剤上に堆積することができる。これらは、フィン表面へ触媒または吸着媒体をウォッシュコートすること、フィン表面へ触媒または吸着媒体を溶液から成長させること、あるいはフィン表面へ蒸着を用いて触媒または吸着媒体を堆積させることを含む。蒸着は化学的気相成長法または物理的蒸着とすることができる。
【0039】
触媒は、流体反応物を使用する化学的反応器に用いるのが適切な、任意の触媒を含むことができる。触媒は、アセチル化付加反応、アルキル化、脱アルキル化、水素脱アルキル化、還元アルキル化、アミノ化、アンモニア合成、芳香族化、アリール化、オートサーマル改質、カルボニル化、脱カルボニル化、還元カルボニル化、カルボキシル化、還元カルボキシル化、還元結合、縮合、分解、水素分解、環化、環オリゴマー化、アンモ酸化、水−ガス転移、脱ハロゲン化、二量化、エポキシ化、エステル化、フィッシャー−トロプシュ反応、ハロゲン化、ヒドロハロゲン化、同族体化、水和、脱水、水素化、脱水素化、ヒドロカルボキシル化、ヒドロホルミル化、水素化分解、ヒドロメタル化、ヒドロシリル化、加水分解、水素化処理、異性化、メチル化、脱メチル化、複分解、メタノール合成、窒化、酸化、部分酸化、重合、還元、改質、逆水ガス転移、スルホン化、テロメリゼーション、エステル交換反応、三量化、サバティエ反応、二酸化炭素改質、優先酸化(preferential oxidation)または優先メタン化の1種または複数種の化学反応を実施するのに有用な触媒とすることができる。
【0040】
触媒は、Mo、W、V、Nb、Sb、Sn、Pt、Pd、Cs、Zr、Cr、Mg、Mn、Ni、Co、Ce、またはその2種以上の混合物から選択される金属、金属酸化物または金属酸化物の混合物とすることができる。また、これらの触媒は、1種または複数のアルカリ金属またはアルカリ土類金属または他の遷移金属、希土類金属、またはランタニドを含むことができる。さらにPおよびBiなどの元素も存在することができる。
【0041】
触媒は、貴金属、遷移金属およびその組合せを含む触媒金属、アルカリ金属の酸化物を含む金属酸化物、アルカリ土類金属、ホウ素、ガリウム、ゲルマニウム、ヒ素、セレン、テルリウム、タリウム、鉛、ビスマス、ポロニウム、マグネシウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、ニッケル、コバルト、銅、亜鉛、ジルコニウム、モリブデン、スズ、カルシウム、アルミニウム、ケイ素、ランタン類元素、およびその混合物、複合材、窒化物、炭化物、硫化物、ハロゲン化物、リン酸塩の1種または複数種および任意の上記の組合せを含むことができる。
【0042】
触媒は、式
Mo12WaBibFecCodNieSifKgSnhOx
で表される酸化触媒を含むことができ、式中、
aは0〜5であり、bは0.5〜5であり、cは0.1〜10であり、dは0.5〜10であり、eは0〜10であり、fは0〜15であり、gは0〜1であり、hは0〜2であり、xは他の元素に結合している酸素の量でありそれらの酸化状態に依存する。これらの触媒は、酸化によってプロピレンからアクロレインを作製するのに有用であることが米国特許第6,251,821B1号に記述されている。この特許は参照により本明細書に組み込まれている。触媒は、式
MoaBibPcX1dX2eX3fX4gOh
で表される酸化触媒を含むことができ、式中、
X1はV、Nb、Ta、Cr、W、Ga、Ce、および/またはLaであり、X2はLi、Na、K、Rb、Cs、Cu、Ag、Au、Pd、および/またはPtであり、X3はSn、Pb、Sb、Bi、Te、Fe、Co、および/またはNiであり、X4はSi、Al、Ti、および/またはZrであり、aは0〜2であり、dは、aとdの和が少なくとも0.20であるならば0〜2であり、bは0〜1.5であり、cは、bとcの和が少なくとも0.1であるならば0〜10であり、eは0〜0.5であり、fは0〜0.5であり、gは0〜20であり、hは酸素と異なる元素の原子価および頻度によって決定される0以外の数字である。この触媒は、プロピレンをアクロレインに変換するのに有用であることが米国特許第6,252,122B1号に記述されている。この特許は参照により本明細書に組み込まれている。
【0043】
触媒は、式
Mo12BiaFebX1cX2dX3eX4fOn
で表される酸化触媒を含むことができ、式中、
X1はNiおよび/またはCoであり、X2はTl、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属であり、X3はZn、P、As、B、Sb、Sn、Ce、Pb、および/またはWであり、X4はSi、Al、Ti、および/またはZrであり、aは0.5〜5であり、bは0.01〜5であり、一実施形態において2〜4であり、cは0〜10であり、一実施形態において3〜10であり、dは0〜2であり、一実施形態において0.02〜2であり、eは0〜8であり、一実施形態において0〜5であり、fは0〜10であり、nは酸素以外の元素の原子価および頻度によって決定される数字である。これらの触媒は、プロピレンをアクロレインに酸化するのに有用であることが米国特許第6,395,936B1号に開示されている。この特許は参照により本明細書に組み込まれている。
【0044】
触媒は、式
[BinAaOx][(100−z)%EeFefNigMomOy+z%SiO2]
で表される酸化触媒を含むことができ、式中、
AはB、P、およびMoからなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、Eは原子価2を有する少なくとも1種の元素であり、mが1であるとき、nは0.001〜3であり、aは0〜3であり、eは0〜3であり、fは0.01〜5であり、gは0.1〜5であり、zは0〜90であり、xおよびyは、それぞれ触媒相のコアおよびシェル中の酸素に対して要求される他の元素の原子価となるような数字である。この触媒は、プロピレンをアクロレインに酸化するのに有用であることが米国特許第6,410,800B1号に開示されている。この特許は参照により本明細書に組み込まれている。
【0045】
触媒は、式
Mo12Co3.5Bi1.1Fe0.8W0.5So1.4K0.05Ox、または
Ni2.1Co3.5Fe2.6P0.43Bi1.0Mo9.3Mn0.15Cr0.09Ba0.07Zr0.0012K0.07Ox
で表される酸化触媒を含むことができ、式中、
xは他の元素に結合している酸素の量であり、それらの酸化状態に依存する。これらの触媒は、プロピレンをアクロレインに酸化するのに有用であることが米国特許第6,437,193B1号に開示されている。この特許は参照により本明細書に組み込まれている。
【0046】
触媒は、式
BibMocVvAaDdEeOx
で表される酸化触媒を含むことができ、式中、
AはK、Na、Li、Cs、Tlの1種または複数種であり、DはFe、Ni、Co、Zn、Ce、またはLaの1種または複数種であり、EはW、Nb、Sb、Sn、P、Cu、Pb、B、Mg、Ca、またはSrの1種または複数種であり、a、d、eはそれぞれ0〜10であり、bは0.1〜10であり、cは0.1〜20であり、vは0.1〜10であり、c:bは2:1〜30:1であり、v:bは1.5〜8:1であり、xは上記式中の酸素以外の元素の頻度と原子価によって決定される。これらの触媒は、プロパンをアクリル酸、プロピレン、アクロレイン、酢酸に変換するのに有用であることが米国特許第5,198,580号に開示されている。この特許は参照により本明細書に組み込まれている。
【0047】
触媒は、式
M1aMo1−bM2bOx
で表される酸化触媒を含むことができ、式中、
M1はCo、Ni、Mg、Zn、Mn、および/またはCuであり、M2はW、V、Te、Nb、P、Cr、Fe、Sb、Ce、Sn、および/またはLaであり、aは0.5〜1.5であり、bは0〜0.5であり、xは酸素以外の元素の頻度と原子価によって決定される数字である。これらの触媒は、プロパンをアクロレインおよび/またはアクリル酸に変換するのに有用であることが米国特許第6,388,129B1号、第6,423,875B1号、第6,426,433B1号に開示されている。これらの特許は参照により本明細書に組み込まれている。
【0048】
触媒は、式
AaBbCcCadFeeBifMo12Ox
で表される酸化触媒を含むことができ、式中、
AはLi、Na、K、Rb、またはCsの1種または複数種であり、BはMg、Sr、Mn、Ni、Co、またはZnの1種または複数種であり、CはCe、Cr、Al、Sb、P、Ge、Sn、Cu、V、またはWの1種または複数種であり、aは0.01〜1.0であり、bおよびeは1.0〜10であり、cは0〜5.0であり、一実施形態において0.05〜5.0であり、一実施形態において0.05〜4.0であり、dおよびfは0.05〜5.0であり、xは存在する他の元素に要求される原子価によって決定される数字である。これらの触媒は、プロパンをアクロレインおよびアクリル酸に変換するのに有用であることが米国特許第6,268,529B1号に開示されている。この特許は参照により本明細書に組み込まれている。
【0049】
触媒は、式
Mo12V4.8Sr0.5W2.4Cu2.2Ox
で表される酸化触媒を含むことができ、式中、
xは他の元素に結合している酸素の量であり、それらの酸化状態に依存する。この触媒は、アクロレインをアクリル酸に変換するのに有用であることが米国特許第6,310,240B1号に開示されている。この特許は参照により本明細書に組み込まれている。
【0050】
触媒は、式
MoaWbVcAdBeOx
で表される酸化触媒を含むことができ、式中、
AはFe、Cu、Bi、Cr、Sn、Sb、Ni、Co、Mn、Ce、またはTlであり、Bはアルカリまたはアルカリ土類金属であり、a、b、c、d、e、XはそれぞれMo、W、V、A、B、Oの原子比率を示す。aが10であるとき、bは1.5〜4であり、cは1〜5であり、dは1〜4であり、eは0〜2であり、xは他の元素の酸化状態によって決定される。この触媒は、アクロレインをアクリル酸に変換するのに有用であることが米国特許第6,384,275、B2号に開示されている。この特許は参照により本明細書に組み込まれている。
【0051】
触媒は、式
Mo12VaX1bX2cX3dX4eX5fX6gOn
で表される酸化触媒を含むことができ、式中、
X1はW、Nb、Ta、Cr、および/またはCeであり、X2はCu、Ni、Co、Fe、Mn、および/またはZnであり、X3はSbおよび/またはBiであり、X4は1種または複数種のアルカリ金属であり、X5は1種または複数種のアルカリ土類金属であり、X6はSi、Al、Ti、および/またはZrであり、aは1〜6であり、bは0.2〜4であり、cは0.5〜18であり、dは0〜40であり、eは0〜2であり、fは0〜4であり、gは0〜40であり、nは酸素以外の元素の原子価および頻度によって決定される数字である。この触媒は、アクロレインをアクリル酸に変換するのに有用であることが米国特許第6,403,829B2号に開示されている。この特許は参照により本明細書に組み込まれている。
【0052】
触媒は、式
MoaVbWcCudXeOg
で表される酸化触媒を含むことができ、式中、
XはMg、Ca、Sr、Baからなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、
a、b、c、d、e、gは、それぞれMo、V、W、Cu、X、Oの原子比率であり、aが12であるとき、bは2〜14の範囲であり、cは0〜12の範囲であり、dは0を除く(例えば0.1〜6)0〜6の範囲であり、eは0〜3の範囲であり、gは元素の酸化状態によって決定される数字である。この触媒は、アクロレインをアクリル酸に変換するのに有用であることが米国特許第6,429,332B1号に開示されている。この特許は参照により本明細書に組み込まれている。
【0053】
触媒は、式
MoaWbBicFedAeBfCgDhEiOx
で表される酸化触媒を含むことができ、式中、
AはNiまたはCoであり、BはNa、K、Rb、Cs、またはTlであり、Cはアルカリ土類金属であり、DはP、Te、Sb、Sn、Ce、Pb、Nb、Mn、As、B、またはZnであり、EはSi、Al、Ti、またはZrである。aが12であるとき、bは0〜10であり、cは0〜10であり、dは0〜10であり、eは2〜15であり、fは0〜10であり、gは0〜10であり、hは0〜4であり、iは0〜30であり、xは各元素の酸化の程度によって決定される。この触媒は、プロピレン、イソブチレン、t−ブタノールまたはメチル−t−ブチルエーテルを(メタ)アクロレインまたは(メタ)アクリル酸に変換するのに有用であることが米国特許第6,383,973B1号に開示されている。この特許は参照により本明細書に組み込まれている。
【0054】
触媒は、式
MoaPbAcBaCeDfOx
で表される酸化触媒を含むことができ、式中、
AはAs、Sb、Ge、Bi、Zr、Ce、Seからなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、BはCu、Fe、Cr、Ni、Mn、Co、Sn、Ag、Zn、Pd、Rh、Teからなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、CはV、W、Nbからなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、Dはアルカリ金属、アルカリ土類金属、Tlからなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、a、b、c、d、e、f、xは、それぞれMo、P、A、B、C、D、Oの原子比率であり、aが12であるとき、bは0.5〜4の範囲の数字であり、一実施形態において0.5〜3であり、cは0〜5の範囲であり、一実施形態において0.01〜3であり、dは0〜3の範囲であり、一実施形態において0.01〜2であり、eは0〜4の範囲であり、一実施形態において0.01〜3であり、fは0.01〜4の範囲であり、一実施形態において0.01〜3であり、xは元素の酸化状態によって決定される数字である。この触媒は、メタクロレイン、イソブチルアルデヒド、またはイソブチル酸をメタクリル酸に変換するのに有用であることが米国特許第5,618,974号に開示されている。この特許は参照により本明細書に組み込まれている。
【0055】
触媒は、Mo、V、Nb、Pd、またはMo、La、V、Pdを含む酸化触媒を含むことができる。特定の例は、
MoV0.396Nb0.128Pd0.000384、および、
MoV0.628Pd0.000288La0.00001
を含む。これらの触媒は米国特許第6,274,764B1号に開示されており、参照により本明細書に組み込まれている。
【0056】
参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6,143,921号は、3種類の酸化触媒を開示しており、いずれも本発明の方法に使用することができる。第1の触媒は、式、MoaVbNbcPddで表され、式中、aは1〜5であり、bは0〜0.5であり、cは0.01〜0.5であり、dは0〜0.2である。a、b、c、dの数字は、それぞれ触媒中の元素Mo、V、Nb、Pdの相対的原子グラム割合を表す。元素は様々な酸化物の形で酸素と結合して存在する。第2の触媒は元素Mo、V、Pd、Nb、La、Xを含む組成物を有し、XはMoaVbLacPddNbeXfの割合の酸化物の形のAl、Ga、Si、またはGeであり、aは1であり、bは0.01〜0.9であり、cは>0〜0.2であり、dは>0〜0.2であり、eは>0〜0.2であり、fは>0〜0.3である。第3の触媒は、式MoaVbNbcXdによって表される焼成した組成物から形成され、XはP、B、Hf、Te、Asからなる群から選択される少なくとも1種の助触媒であり、aは約1〜5であり、bは1であり、cは約0.01〜0.5であり、dは約0〜0.1である。
【0057】
触媒は、式
MoaWbAucVdNbeYf
による酸素と結合したモリブデン、バナジウム、ニオブ、金を含む酸化触媒とすることができ、式中、
Yは、Cr、Mn、Ta、Ti、B、Al、Ga、In、Pt、Zn、Cd、Bi、Ce、Co、Rh、Ir、Cu、Ag、Fe、Ru、Os、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、Zr、Hf、Ni、P、Pb、Sb、Si、Sn、Tl、U、Re、Te、La、Pdからなる群から選択された1種または複数種の元素であり、a、b、c、d、e、fは、0<a≦1、0≦b<1、a+b=1、10−5<c≦0.02、0<d≦2、0<e≦1、0<f≦2であるような原子グラム割合を表す。この触媒は、エタンまたはエチレンを酢酸に酸化するのに有用であることが米国特許第6,333,444B1号に開示されている。この特許は参照により本明細書に組み込まれている。
【0058】
触媒は、式MoaVbNbcPddによって表される焼成した組成物を有する酸化触媒とすることができ、aは1〜5であり、bは0〜0.5であり、cは0.01〜0.5であり、dは0〜0.2である。この触媒は、エタンを酢酸に変換することが米国特許第6,383,977B1号に開示されている。この特許は参照により本明細書に組み込まれている。
【0059】
参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6,441227B1号は、本発明に独立でまたは互いに組み合わせて用いることのできる2種類の酸化触媒を開示している。第1の触媒は、式
MoaPdbBicFedX1eX2fX3gOz
によって表される混合された金属酸化物を開示しており、式中、
X1はCo、Ni、V、Pt、またはRhの少なくとも1種または複数種であり、X2はAl、Ga、Ge、Mn、Nb、Zn、Ag、P、Si、またはWの少なくとも1種または複数種であり、X3はK、Mg、Rb、Ca、Sr、Ba、Na、またはInの少なくとも1種または複数種であり、Oは酸素であり、aは1であり、0<b≦0.3、0<c≦0.9、0<d≦0.9、0<e≦0.9、0<f≦0.9、0<g<0.3であり、zは式中の他の元素の原子価を満足する数字である。この触媒は、オレフィンをα−β不飽和アルデヒドに変換するのに有用であると記述されている。第2の触媒は、式
Moa1Vb1Alc1Xd1Ye1Oz1
で表される金属酸化物であり、式中、
XはWまたはMn、あるいは両方であり、YはPd、Sb、Ca、P、Ga、Ge、Si、Mg、Nb、またはKの少なくとも1種または複数種であり、Oは酸素であり、a1は1であり、b1は0.01〜0.9であり、0<c1≦0.2、0<d1≦0.5、0<e1≦0.5であり、z1は式中の他の元素の原子価を満足する数字である。この触媒は、α−β不飽和アルデヒドをα−β不飽和カルボン酸に変換するのに有用であると記述されている。
【0060】
触媒は、式
AaKbCscMgdNieFefBigMo12Ox
で表されるアンモ酸化触媒を含むことができ、式中、
Aは、Co、Mn、Cr、P、Sb、Te、Na、Ce、またはWから選択される1種または複数種の元素であり、aは0〜5の数字であり、bとcの和が0.1〜0.4であるならば、bは0〜0.4の数字であり、cは0〜0.4の数字であり、d、e、f、gは約0.2〜10の数字であり、xは他の元素に要求される原子価によって決定される数字である。この触媒は、オレフィン、アンモニア、および酸素を前述の触媒の存在下で反応させることによって、オレフィン(例えばプロピレンまたはイソブチレン)を対応する不飽和ニトリル(例えばアクリロニトリルまたはメタクリロニトリル)に酸化するのに有用であることが米国特許第5,093,299号に開示されている。この特許は参照により本明細書に組み込まれている。
【0061】
触媒は、式
VSbaMmNnOx
で表されるアンモ酸化触媒を含むことができ、式中、
aは0.5〜2であり、MはSn、Ti、Fe、またはGaの1種または複数種であり、mは0.05〜3であり、NはW、Bi、Mo、Li、Mg、P、Zn、Mn、Te、Ge、Nb、Zr、Cr、Al、Cu、Ce、またはBの1種または複数種であり、nは0.0〜0.5であり、xは他の元素の互いの酸化程度によって決定される数字である。この触媒は、C3〜C5モノオレフィンを3〜5個の炭素原子を有するα、βモノ不飽和アクリル酸ニトリル(例えばアクリロニトリル)にアンモ酸化するのに有用であることが米国特許第5,258,543号に開示されている。
【0062】
参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6,486,091B1号は、式
BiaMobVcSbdNbeAfBgOx
によって表されるアンモ酸化触媒を開示しており、式中、
Aは周期律表のVB(例えばV、Nb、Ta)、VIB(例えばCr、Mo、W)、VIIB(例えばMn、Tc、Re)、またはVIII(例えばFe、Co、Ni)類から選択される1種または複数種の元素であり、Bは周期律表のIA(例えばLi、Na、K)、またはIIA(例えばMg、Ca、)類から選択される少なくとも1種のアルカリ助触媒であり、aは0.01〜12であり、bは0.01〜12であり、cは0.01〜2であり、dは0.01〜10であり、eは0.01〜1であり、fは0〜2であり、gは0〜1であり、xは存在する元素の原子価要求を満たすために必要な酸素原子の数である。この触媒は、オレフィンを不飽和ニトリルに変換するのに有用であると記述されている。
【0063】
吸着媒体は配位子で錯化された金属イオン(例えばキレート化)を含むことができる。金属イオンはO2、または分離すべき他の流体成分と錯化することができる。使用することのできる金属イオンは、Fe(II)、Co(II)、Cu(I)、V(II)、Mn(II)、Mn(III)、Cr(II)、Ag(I)、Rh(I)、Rh(II)、Rh(III)、U(IV)、V(IV)、Ru(II)、Ru(IV)、Ti(III)、Cr(IV)、Bi(III)、Ni(II)、W(V)、W(IV)、Mo(II)、Mo(III)、Mo(IV)、Mo(V)、Mo(VI)、またはその2種以上の組合せを含む。前述のローマ数字はイオンの酸化状態または原子価数を示す。
【0064】
金属イオンと錯化するのに使用できる配位子は、ジピリジル、2,6−[1−(2−イミダゾール−4−イルエチルイミノ)エチルピリジン]、シクレン、シクラム、Schiff塩基配位子、アセチルアセトネートまたはそのオリゴマーもしくはポリマー、カルボキシレート、ビピリジルまたはそのオリゴマーもしくはポリマー、ポルフィリンまたはそのオリゴマーもしくはポリマー、コリンまたはそのオリゴマーもしくはポリマー、ポリアミド、プロテイン、8−ヒドロキシキノリンまたはそのオリゴマーもしくはポリマー、エチルシステネートまたはそのオリゴマーもしくはポリマー、N−アルキルアルカノヒドロキシアミック酸、ジメチルグリオキシム、sym−ジエチルエチレンジアミン、またはその2種以上の組合せを含む。配位子はフッ素−炭素結合を含むことができる。配位子はフッ素化(例えば過フッ素化)することができる。
【0065】
一実施形態において、金属イオン配位錯体は軸配位子とすることができる。それらはアダクト形成を可能にする酸素との適切な結合を提供するが金属は酸化しないので、これらの配位子は酸素精製に適している。例には、イミダゾール、ヒスチジンアミノ酸、ピリジン、ピペリジン、4−メチルアミノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、硝酸塩、チオシアネート、ハロゲン化物、またはその2種以上の組合せが含まれる。
【0066】
使用することのできる吸着媒体は、ヘモグロビン、ヘモエリチリン、ヘモシアニン、ミオグロビン、Co(II)(acacen)、Co(II)(ドライケーブ(dry cave))(N−メチルイミダゾール)、Fe(II)(H2TpivPP)B、Fe(II)(末端ポルフィリン)B、Fe(オフェン)22+、ビス(エチルシステネート)オキソバナジウム(IV)、Cu(I)(bimp)、ビス(ジメチルグリオキシメート)コバルト(II)、ビス(ヒスチジン)コバルト(II)、ジニトレート−ビス(sym−ジエチルエチレンジアミン)コバルト(II)、ジクロロ−ビス(sym−ジエチルエチレンジアミン)コバルト(II)、[m−テトラ(a,a,a,a−o−ピバルアミドフェニル)ポルフィリン]コバルト(II)、[N,N−ビス(サリチリデン)ジプロピレントリアミン]コバルト(II)、[2,3,10,11,13,19−ヘキサメチル−3,10,14,18,21,25−ヘキサアザビシクロ[10.7.7]ヘキサコサ−1,11,13,18,20,25−ヘキセン−K4N]コバルト(II)ヘキサフルオロホスフェート、[N,N’−ビス(サリチリチリデン)エチレンジアミン]コバルト(II)、[N,N’−ビス(3−メトキシサリチリチリデン)エチレンジアミン]コバルト(II)、[N,N’−ビス(サリチリチリデン)テトラメチルエチレンジアミン]コバルト(II)、[N,N’−ビス(3−メトキシサリチリチリデン)テトラメチルエチレンジアミン]コバルト(II)、[N,N’−ビス(3−イソプロポキシサリチリチリデン)テトラメチルエチレンジアミン]コバルト(II)、[N,N’−ビス(3−エトキシサリチリチリデン)テトラメチルエチレンジアミン]コバルト(II)、[N,N’−ビス(5−メトキシサリチリチリデン)テトラメチルエチレンジアミン]コバルト(II)、[N,N’−ビス(5−n−ブトキシサリチリチリデン)テトラメチルエチレンジアミン]コバルト(II)、[N,N’−ビス(サリチリデン)エチレンジアミン]コバルト(II)、コバルト(II)ポルフィリン錯体、ゼオライト中に封入された金属−シアニド錯体、シアノコバルト酸塩、ヘモグロビン、二鉄(III、IV)を含むヘモエリチリンまたはヘモシアニン、二銅(II)または二マンガンコア、N,N’−ジサリチリデンエチレンジアミンコバルト(II)、コバルトジ−(3−メトキシサリチラルtertブチルアミン)、[N,N’−ビス(サリチリデン)n−プロピルジプロピレントリアミン]コバルト(II)、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、4−ジメチルアミノピリジン、シアノピリジン、エチレン−ジアミン−四酢酸、メチルメタクリレート、およびブチルアクリレートから誘導したコバルトキレート化コポリマー、ビス(ヒスチジン)コバルト(II)、[a−モノ(o−メタクリルアミドフェニル)−a,a,a−トリス(o−ピバルアミドフェニル)ポルフィネート]コバルト、[meso−a,a,a,a−テトラキス(o−ピバルアミドフェニル)ポルフィネート]−鉄(II)、コバルト(II)meso−テトラ−フェニル−ポルフィリン、コバルト(II)meso−テトラキス(2−クロロフェニル)プロフィリン、コバルト(II)meso−テトラキス(4−クロロフェニル)ポルフィリン、コバルト(II)meso−テトラキス(4−メトキシフェニル)ポルフィリン、コバルト(II)meso−テトラキス(2,4−ジメトキシフェニル)ポルフィリン、ルテニウム(III)ビス(サリチルアルデヒド)エチレンジイミン、ルテニウム(III)ビス(サリチルアルデヒド)ジエチレントリイミン、ルテニウム(III)ビス(ピコリンアルデヒド)−o−フェニレンジイミン、ルテニウム(III)ビス(ピコリンアルデヒド)エチレンジイミン、ルテニウム(III)ビス(ピコリンアルデヒド)ジエチレントリイミン、ビス(ジメチルグリオキシメート)ニッケル(II)、ビス(ジメチルグリオキシメート)コバルト(II)、ビス(ジメチルグリオキシメート)銅(II)、ジニトレート−ビス(sym−ジエチレンジアミン)コバルト(II)、ジチオシアナト−ビス(sym−ジエチルエチレンジアミン)コバルト(II)、ジクロロ−ビス(sym−ジエチルエチレンジアミン)コバルト(II)、コバルトジ−(サリチラル)−3,3’−ジイミノ−ジ−n−プロピルアミン、N,N’−ジサリチクリデン、エチレンジアミンコバルト(II)、N,N’−エチレン−ビス(5−ニトロ−サリチリデン−イミナト)コバルト(II)、またはその2種以上の組合せとすることができる。
【0067】
吸着媒体は無機とすることができる。使用することのできる無機吸着媒体の例は、Sb2O5、AgO、PtO、CrO2、PbO、HgO、Cu2O、MnO、Mn2O3、Bi2O4、NiO、NiO2、Cu2O3、SnO、SnO2、WO2、WO3、W2O5、過フッ素化フィルム、Pt/g−アルミナ、Fe/g−アルミナ、Cu/g−アルミナ、Zn/g−アルミナ、Co/g−アルミナ、ゼオライト、またはその2種以上の組合せを含む。この群に含まれるのは金属シアン化物オリゴマーおよびポリマーである。これらは式[Cu(I)(CN)x]n、[Fe(II)(CN)y]n、または[Co(II)(CN)y]nで表されるオリゴマーおよびポリマーを含み、式中、xは3であり、yは5であり、nは少なくとも2の数字であり、一実施形態において約2〜約16,500の範囲であり、一実施形態において約1000〜約10,000である。
【0068】
吸着媒体は銀、金、白金銅、亜鉛、パラジウム、ニッケル、ゼオライト、シリカゲル、カーボンモルキュラシーブ、ポリマー材料、アルミナ、無機錯体(例えば金属中心ポルフィリン環)またはその2種以上の組合せを含むことができる。
【0069】
一実施形態において、吸着媒体は、流体成分と比較的高い温度で可逆的化学錯体を形成する反応性錯形成吸着剤を含み、流体成分は吸着媒体の表面に吸着される。より低い温度では化学反応が逆転され、錯化した流体はより純度の高い形で回収される。
【0070】
吸着媒体は酸化防止剤を含むことができる。例には、第二アミン、フェノール性リン酸塩、亜リン酸塩、フェノール樹脂、ビスフェノール樹脂、ヒドロキシルアミン、オレフィン性カルボン酸塩、アミノカルボン酸塩(例えばエチレンジアミン四酢酸とその塩)トコフェロール、ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、第一スズ塩、酸化スズ、ソルベート、ポリソルベート、またはその2種以上の組合せが含まれる。
【0071】
本発明の利点は、活性吸着媒体を担持するフィン構造を使用することによって比較的迅速な熱振動が可能になることである。金属フィン構造は約10〜約20W/m/Kの熱伝導率、または選択される材料に応じてさらに高い伝導率を有することができる。アルミニウムは100W/m/Kを超えることができる。一方、ペレットまたは粉状吸着剤床などの多孔質媒体の熱伝導率は、典型的に約0.2〜約2W/m/Kである。その結果、多孔質媒体に対してフィンを通る熱伝達が高められるため、フィンに担持された吸着媒体を使用することによって、より迅速なサイクル時間が可能になる。サイクル時間の差は、吸着媒体の熱伝導率の差にほぼ比例する。フィンに担持された吸着媒体は、多孔質吸着媒体に比べて各サイクル時間を顕著に低減することを可能にする。このサイクル時間の向上はガス相および液体の相吸着分離方法両方を容易にする。
【実施例1】
【0072】
熱伝達面の両側での一体的燃焼による蒸気/メタン生成(SMR)方法は、FeCrAlYフィンに担持されたSMR触媒を用いてマイクロチャネル反応器中で行われる。プロセスマイクロチャネル中に挿入されたフィン上のSMR触媒を使用すると、驚くべき高い熱フラックス(10〜141W/cm2)、低いSMR接触時間(10〜0.7ms)、および低いSMR圧力降下を示す。
【0073】
SMR触媒を担持するFeCrAlYフィンを除き、マイクロチャネル反応器を様々な厚さのインコネル617プレートから作製し、積み重ね、互いに締め付け、周縁を溶接して底面積0.5×3.36インチ(12.7×92mm)、高さ0.67インチ(171.1mm)の反応器を形成する。ガス流用のすべてのチャネルは、電極放電加工(EDM)によって形成される空気ジェットオリフィスを除き、従来の技術を用いて機械加工される。空気ヘッダプレート(厚さ6.35mmで底面積12.7×56.5mm)を、空気ジェットオリフィスの上の燃焼プレート中に機械加工された深さ2.54mmの窪み中に溶接する。燃焼プレートに隣接する面に、深さ0.125インチ(3.18mm)×幅0.080インチ(2.03mm)×長さ1.84インチ(46.8mm)の寸法の空気ヘッダチャネルが機械加工される。燃焼プレートはウェブプレートに隣接して積み重ねられ、これはSMRプレートに隣接して積み重ねられる。SMRプレートは同一面で3区画に分割され、積み重ねた後、互いに、およびウェブプレートに溶接される。中心SMR区画(長さ17.7mmのヘッダとフッタ間の中心)の全体の長さ56.7mmにフィンを含むマイクロチャネルが機械加工される。隣接するSMRプレート区画は各々その中に断面2.03×0.66mmで長さ12.6mmのヘッダまたはフッタチャネルが形成してある。燃焼プレートがウェブプレートに隣接する面に機械加工されて長さ1.78インチ(4.52cm)の燃焼チャネルを形成し、熱を吸熱SMR反応へ提供する。燃焼チャネルは0.080×0.036インチ(2.03×0.91mm)の断面を有する。また、燃焼プレートは流れ方向に沿った燃焼チャネル中心線上の中心にジェットオリフィスも含み、厚さ0.150インチ(3.81mm)のプレートに電極放電加工(EDM)によって機械加工され、それによって空気ヘッダチャネルを燃焼チャネルに連結する。燃焼流はSMRガスに対して並流で供給される。燃焼チャネルは燃焼チャネルの入口で水素を供給され、予備過熱された空気は、長さ45.2cmの燃焼ゾーンに、特に燃焼ゾーン入口から1.0、2.7,4.8,7.4、14.7、24.4、34.0mm下流に分配された前述の空気ジェットオリフィスに導入される。軸方配置1.0mmと4.8mmの空気ジェットオリフィスの断面は流れの軸に沿って楕円であり、寸法は0.024×0.012インチ(0.61×0.30mm)で両端は全円である。軸方配置2.7mmのジェット孔の断面は正三角形であり、0.024インチ(0.61mm)の両辺と半径0.05mmの円の角を有し、下流を「指す」。他のすべての空気ジェットオリフィスの断面は直径0.012インチ(0.30mm)の円である。水素燃料は、断面2.03×0.41mmで長さ23.4mmのヘッダ領域を燃焼ゾーンへ導かれる。燃焼燃料ヘッダの端部で、0.41mmの寸法はウェブからジェット孔へ向かって突然拡大して0.91mmに広がる。燃焼チャネルとSMR反応プロセスマイクロチャネルの分離は、0.060インチ(1.52mm)ウェブであり、ウェブプレートの中心(マイクロチャネル幅の中心でもある)から周縁へ深さ0.25インチ(6.35mm)に穿孔された直径0.023インチ(0.58mm)のサーモウェル(thermowell)を除いて均質な固体である。ウェブに反応ゾーンの長さに沿って6箇所に配置されたこれらのサーモウェルは、0.50mmのK型非接地インコネルのコーティング熱電対を介してSMRと燃焼チャネル間の金属の温度測定を可能にし、燃焼またはSMRチャネルのいずれかに気密シールを施す煩わしさがない。ガスは空気、水素、およびSMR反応物入口に導入され、各プレートの面に直交して展延する内径1.75mm(外径3.18)の管を経て燃焼排気およびSMR生成物出口から除かれる。追加で設けられた4個の内径1.75mm管は、フィンの両端でSMRチャネルに接し、燃焼ゾーンの始めと終わりに一致するレベルで燃焼チャネルに接する。
【0074】
マイクロチャネルに挿入されたFeCrAlYフィンは基底部で長さ1.78インチ(4.52cm)、幅0.100インチすなわち2.54mmである。基底部は0.006インチすなわち0.152mmの高さを有する。各フィンは高さ0.014インチであり、0.006インチの基底部の上に着座する。各フィンは隣接するフィンから0.010インチの間隔を置いて離れ、0.010インチの流れ間隙を形成する。フィン担体から突出する4個のフィンがある。フィン担体は、SMR反応プロセスマイクロチャネルと隣接する熱交換燃焼反応室とを分離する熱伝達面の上部に着座する。
【0075】
フィン挿入部を含むマイクロチャネルの断面は、0.080インチ(2.03mm)(フィン基底部から0.100インチ(2.54mm)展延する)×0.026インチ(0.66mm)である。マイクロチャネル反応器フィンは1.78インチ(4.52mm)の長さを有し、FeCrAlYフィン挿入部上にウォッシュコートされたSMR触媒を含む。フィンは反応器を溶接する前にフィンのいずれかの端部の2個の小さなインコネル片(0.18×2.54×5.74mm)と一緒にマイクロチャネル反応器に挿入され、フィンは片をチャネルの長さ方向中心に保持し、フィン基底部面でフィンの上流および下流の間近での流れを防止する。
【0076】
FeCrAlYフィンをプロセスマイクロチャネルに挿入する前に、フィンは2−プロパノール、HNO3(20重量%)、および脱イオン水を用いて超音波洗浄器によって各々10分間洗浄される。次いで、プロセスマイクロチャネルに配置し、周縁でデバイスを溶接する前に、それを昇温および冷却速度3.5℃/分で空気中1000℃で8時間熱処理する。
【0077】
FeCrAlYフィンに触媒をコーティングする前に、200標準立方センチメートル(sccm)の窒素を導入管の各々(空気、燃料、SMR反応物)に3.5℃/分で1000℃まで加熱しながら流すことによって、酸化物層がFeCrAlYフィン上に堆積される。次いで窒素流を停止し、200sccmの炭化水素を含まない空気を3個の入口を経て1000℃で24時間供給する。次いで、デバイスを3.5℃/分で25℃まで(連続的な空気流を維持しながら)冷却し、プロセスマイクロチャネルに配置する。デバイスは周縁部で溶接される。
【0078】
SMRおよび燃焼反応物チャネルは、外部のウォッシュコート孔を用いてSMRフィンの基材に対応する領域のみ安定剤と活性金属でウォッシュコートされる。入口と出口を含んで反応器全体にアルミナゾルコーティングを塗工し、背景(background)活性を防止する。
【0079】
アルミナゾル(Sasolから供給される14N4−25)を燃焼およびSMRチャネルに注射器を用いて導入し、底部から垂直に配向されたチャネルを備えるチャネルおよび入口/出口配管を充填する。ゾルをチャネルから除去する前にデバイスに2分間吸収させる。窒素を毎分5標準リットル(SLPM、0℃、1気圧で定義される標準)供給して過剰のゾルを除去する。デバイスは100℃炉中で1時間150cc/分で流れる炭化水素を含まない空気で乾燥し、続いて10℃/分の昇温および冷却速度で450℃4時間焼成する。次いで、ゾルの第2層を第1ゾルコーティング層で説明した同じ方法で燃焼およびSMRチャネルに塗工する。La(NO3)・6H2Oの10重量%水性溶液を、60ml/時間の速度で注射筒ポンプを用いて連続的に燃焼チャネルに導入する。このステップおよび後続のステップでは、溶液は連続的に反応ゾーンの一端部のウォッシュコート管を経由して導入され、水平に配向されたチャネルを有する方法ゾーンの他端部のウォッシュコート管を経由して除去される。このコーティングステップの間、20sccmの窒素を入口および出口配管を経由して導入し、入口および出口領域の浸透を防止する。その後、溶液をチャネルから除去し、デバイスを窒素でフラッシュして過剰溶液を除去する。同じ手順を繰り返してSMRチャネルをLa(NO3)3・6H2Oの水性溶液でコーティングする。SMRチャネルを窒素でフラッシュした後、炭化水素のない空気中で150cc/分で100℃1時間乾燥する。次いで、それを昇温および冷却速度3.5℃/分で1000℃4時間焼成する。
【0080】
燃焼チャネルは、硝酸塩の形の前躯体を使用して、プラセオジムとパラジウムの原子比率4対1からなる活性金属の第1層でコーティングされる。溶液はLaのステップで前に説明した同じ方法で燃焼チャネルに導入され、次いで除去される。デバイスは150cc/分で流れる炭化水素を含まない空気中で100℃1時間乾燥し、続いて、昇温および冷却速度10℃/分で1000℃1時間焼成される。
【0081】
白金からなる活性金属の第2層が、注射筒ポンプを用いて燃焼チャネル中に10重量%のPt(NH3)4(NO3)2でコーティングされる。溶液はLaのステップで前に説明した同じ方法で燃焼チャネルに導入され、次いで除去される。次いで、SMRチャネルは注射筒ポンプを用いて、硝酸塩溶液中10重量%のロジウムからなる第2活性層でコーティングされる。溶液はLaのステップで前に説明した同じ方法でSMRチャネルに導入され、次いで除去される。デバイスは150cc/分で流れる炭化水素を含まない空気中で100℃で1時間乾燥し、続いて、昇温および冷却速度3.5℃/分で1000℃で1時間焼成される。
【0082】
反応器全体は15cmのクラムシェル(clamshell)Ni−Crセラミックヒーター内部で運転され、熱損失の影響を相殺するために最大燃焼ウェブ温度より約25〜50℃低い温度に保たれる。反応物と空気流には外部ヒーターによって予備加熱が提供される。
【0083】
各反応物ガスはBrooks5850eおよび5851eシリーズの質量流量制御装置を経て供給される。圧力はNoShok圧力トランスジューサモデル1001501127および1003001127を用いて測定される。ガス組成物は熱伝導率検出器ガスクロマトグラフによって分析される。すべての機器を較正し適切な動作を検証する。流量は、BIOS Internationalによって較正され証明された主要標準較正器、Dry−Cal DC−2M Primary Flow Calibratorに対して較正する。圧力トランスジューサは、Flukeによって較正され証明されたFluke700P07または700P06圧力モジュールを備えるFluke圧力較正器モデル718 1006を用いて較正する。ガスクロマトグラフは、Praxair Distribution Inc.によって混合され証明された較正ガスに対して較正する。純粋な水素を燃焼燃料として用い、5〜27%の過剰空気を用いる。燃焼排気分析は常に100%の水素変換を示す。
【0084】
「平均面積熱フラックス」は、発熱反応熱効率をフィンの基底部に隣接する熱伝達表面の面積で除したもので定義される。この面積は熱交換チャネルからフィンの基底部に伝達される熱伝達通路である。
【0085】
「ウェブ」は吸熱反応プロセスマイクロチャネル(フィンを含む)と熱交換燃焼反応室を分離する壁であると定義される。
【0086】
「平衡変換温度」(表1)は、所与の入口組成物が、測定された方法出口の圧力で、測定されたメタン変換に等しい平衡メタン変換を得るために必要な温度である。同様に、「平衡選択性温度」(表1)は、所与の入口組成物が、測定された方法出口の圧力で、測定されたCOに等しいCO値に対する平衡選択性を得るために必要な温度である。平衡ガス組成物は、NASA LEWIS熱力学平衡コーダーまたはChemCADを用いて計算される。一酸化炭素へのメタン変換および選択性は、ガスクロマトグラフによって測定した乾燥生成物ガス組成物から、式1および2にしたがって計算される。
CH4変換=1−(YCH4/YCH4+YCO+YCO2) (1)
COへの選択性=YCO/(YCO+YCO2) (2)
式中、Yは示した各成分のモル割合である。
【0087】
接触時間(CT)は気体時間空間速度(GHSV)の逆数に、時間の逆数をミリ秒に変換する変換因子を乗じたものである。
CT=(1/GHSV)(3600000ms/hr)
式中、GHSVは時間逆数の空間速度である。反応器に供給される容積流量は、接触時間またはGHSVのいずれかを計算するための0℃および圧力1気圧の標準条件で定義される。したがって、接触時間およびGHSVは入口のモル流量および反応室容積にのみ依存する。
【0088】
反応器の性能データは表1および図13と図14に示される。金属ウェブが最高温度950℃および900℃であるとき、平衡SMR変換および選択性はそれぞれ明らかなSMR温度925℃および875℃で達成され、5ミリ秒(MS)未満の接触時間で熱フラックス>25W/cm2が達成される。より短い接触時間で、90〜140W/cm2のフラックスが達成され、触媒の上流区画におけるSMRフィン担持触媒のより高い熱要求に追随する能力を示す。燃焼金属ウェブ温度875℃14気圧で得たデータは、約800℃の当量変換を示すが、25気圧での同じ温度条件は約840℃の当量変換を示す。
【0089】
フィン担持SMRプロセスマイクロチャネルを用いて、SMR反応器の上流端で達成可能な最大熱フラックスを試験する。総流量毎分7.4標準リットル(SLPM)の反応物(1.78インチ触媒床中で接触時間0.5ms)、25atmおよび950℃に保った最大燃焼ウェブ温度で、140W/cm2を超える平均熱フラックスが得られ、変換と選択性の値はそれぞれ約700℃と800℃の平衡値を与える(表1参照)。
【表1】
【実施例2】
【0090】
部分酸化反応方法に使用するためのフィンを設計し、以下の特性に焦点を合わせてメタンの合成ガスへの部分酸化を試験する。
1.高いCH4変換:フィンの使用は高いCH4変換を提供するはずである。
2.高いH2選択性:フィンの使用は高いH2選択性を提供するはずである。
3.高いCO選択性:フィンの使用は高いCO選択性を提供するはずである。
4.低い圧力降下:フィンの使用は低い流動抵抗を提供するはずである。
5.機械的および熱的強度:フィンはデバイスの作製の間(接合など)およびその運転中にチャネル内部の大きな応力条件に耐える高い機械的強度を有するはずである。良好な熱伝達特性を有する設計は熱点と材料劣化を防止する。
【0091】
図6は、燃焼マイクロチャネル中でPOX反応方法を行うために有用なフィンの幾何形状を示す。フィンの台形形状はフィンの基底に機械的な剛性を与える。フィンのすべては矩形の基底上に支持され、フィンの熱伝達特性を高める。フィンはワイヤEDM法を用いてFeCrAlYから作製される。次の表はフィンの寸法をまとめたものである。
【表2】
【0092】
Al2O3スラリーは7.2gのγ−Al2O3粉、12gの脱イオンH2O、および42gの直径3mmのAl2O3ビーズを混合することによって調製される。pH値は硝酸を用いて3.5〜4に調節する。Al2O3は酸性γAl2O3であり、150マイクロメートルより小さな粉に粉砕する。混合物を8時間ボールミルで粉砕する。0.8gの25重量%Al2O3ゾル(Sasol 14N4−25)を4.2gのスラリーに攪拌しながら加える。
【0093】
FeCrAlYフィンをイソプロパノール中で20分間超音波をかけて洗浄する。100℃で1時間乾燥し室温に冷却した後、フィンを20重量%のHNO3溶液で20分間超音波をかけて洗浄する。次いでフィンをpH値が7になるまで脱イオン水で洗う。120℃で1時間乾燥した後、フィンを昇温速度3.5℃/分で、1000℃で空気中で加熱し、1000℃で8時間空気中で焼成する。焼成の後、高密度Al2O3層が形成される。Al2O3層は保護皮膜として機能し、コーティングとフィンの間の接着も高める。Al2O3スラリーは浸漬によってフィン上にウォッシュコートされる。過剰のスラリーはコーティングされた表面に空気を噴射して除去される。フィンは120℃で1時間乾燥し、次いで昇温および冷却速度3.5℃/分で450℃4時間焼成する。7.5重量%のLa(NO3)3溶液を浸漬によってフィンに含浸する。フィンは120℃で1時間乾燥され、次いで昇温および冷却速度3.5℃/分で1000℃4時間空気中で焼成する。表面のLa2O3はAl2O3を安定化する。スラリーの装填はフィン当たり25.4mgである。10重量%のRh(NO3)3溶液をフィンの上に滴下し、過剰の溶液を圧縮空気で吹き払う。フィンに担持された、得られる触媒は120℃で1時間乾燥し、次いで1000℃で1時間空気中で焼成する。Rh装填はフィン当たり4.8mgである。
【0094】
フィンに担持された触媒は、ペレットで、メタンの1気圧での合成ガスへの部分酸化について試験する。ペレットは直径0.5インチ、長さ2インチの円筒状の金属棒である。ペレットは、中心に矩形のマイクロチャネル切断部を有する。切断部はその内部軸に沿って棒の長さ全体を展延する。切断部は0.05インチの高さおよび0.18インチの幅を有する。担持触媒を試験のため切断部に置く。切断部の両側に気密性接続を設ける。反応物は配管から切断部へ流入し、切断部を通ってフィンに担持された触媒と接触する。ペレットは炉中に置かれる。炉の温度はペレットの中間長さ部の外皮温度を850℃に保つように昇温される。炉の入口の供給流の温度は室温であり、ペレットに入る前に予備加熱される。炉の入口からペレットまでの配管の長さは10フィートである。生成物流の出口圧力は大気圧である。ペレット中の圧力降下はCapsuhelic差動圧力計で測定される。生成物の組成物を2カラムガスクロマトグラフで分析する。フィンに担持された触媒の性能をCH4変換、H2選択性、およびCO選択性について測定する。
CH4変換(%)=(VCH4,in−VCH4,out)/(VCH4,in)×100
H2選択性(%)=(VH2,out測定値)/(VH2,out理論値)×100
CO選択性(%)=(VCO,out)/(VCO2,out+VCO2,out)×100
【0095】
触媒を使用する前にH2で400℃30分間還元する。供給ガス組成物は29.6%のCH4と70.4%の空気(CH4/O2=2/1)であり、総流量2030ml/分である(標準条件)。接触時間は3.3msである。接触時間は容積流量に対するフィンのないペレット中の流れ容積の比として定義される。以下の表はフィンに担持された触媒の157時間運転後の性能を示す。
【表3】
【実施例3】
【0096】
POX反応方法に使用する代替のフィンは圧力降下を少なくする利点を提供する。流動面積はフィンの数を低減することによって増加する。フィン支持体から突出する5個のフィンがある。フィンは図6に示すように台形断面を有する。フィンの台形形状と共にフィンの厚さはフィンの基底で機械的な剛性を提供する。フィンは矩形の担体または基底部に支持されフィンの熱伝達特性を高める。フィンはFeCrAlYから作られる。フィンはワイヤEDM法によって作製される。以下の表にフィンの寸法をまとめる。
【表4】
【0097】
Al2O3スラリーは7.2gのγ−Al2O3粉、12gの脱イオンH2O、および42gの直径3mmのAl2O3ビーズを混合することによって調製される。pH値は硝酸を用いて3.5〜4に調節する。Al2O3は酸性γAl2O3であり、150マイクロメートルより小さな粉に粉砕される。混合物を8時間ボールミルで粉砕する。0.8gの25重量%Al2O3ゾル(Sasol 14N4−25)を4.2gのスラリーに攪拌しながら加える。
【0098】
FeCrAlYフィンをイソプロパノール中で20分間超音波をかけて洗浄する。100℃で1時間乾燥し室温に冷却した後、フィンを20重量%のHNO3溶液で20分間超音波をかけて洗浄する。フィンをpH値が7になるまで脱イオン水で洗う。120℃で1時間乾燥した後、フィンを昇温速度3.5℃/分で、1000℃で空気中で加熱し、1000℃で8時間空気中で焼成する。Al2O3スラリーが浸漬によってフィン上にウォッシュコートされる。過剰のスラリーはコーティングされた表面に空気を噴射して除去される。フィンは120℃で1時間乾燥し、次いで昇温および冷却速度3.5℃/分で450℃4時間焼成する。7.5重量%のLa(NO3)3溶液を浸漬によってスラリーをコーティングしたフィンに含浸する。フィンは120℃で1時間乾燥し、次いで昇温および冷却速度3.5℃/分で1000℃4時間空気中で焼成する。スラリーの装填はフィン当たり6.0mgである。10重量%のRh(NO3)3溶液をフィンの上に滴下し、過剰の溶液を圧縮空気で吹き払う。フィンは120℃で1時間乾燥し、次いで1000℃で1時間空気中で焼成する。Rh装填はフィン当たり1.0mgである。
【0099】
得られるフィンに担持された触媒を、実施例2に述べたペレットで、メタンの1気圧での合成ガスへの部分酸化について試験する。ペレットは炉中に置かれる。炉の温度はペレットの中間長さ部の外皮温度を805℃に保つように調節される。炉の入口の供給流の温度は室温である。供給流はペレットに入る前に予備加熱される。炉の入口からペレットまでの配管の長さは10フィートである。生成物流の出口圧力は大気圧である。ペレット中の圧力降下は、入口と出口の圧力の間の差である。生成物の組成物を2カラムガスクロマトグラフで分析する。フィンの性能をCH4変換、H2選択性、およびCO選択性について測定する。以下の表に115時間の運転後のフィンの触媒性能をまとめる。
【表5】
【実施例4】
【0100】
FeCrAlYフィンは鋸切断法によって作製され、ペレット中で触媒性能が試験される。以下の表にフィンの寸法をまとめる。
【表6】
【0101】
Al2O3スラリーは7.2gのγ−Al2O3粉、12gの脱イオンH2O、および42gの直径3mmのAl2O3ビーズを混合することによって調製される。pH値は硝酸を用いて3.5〜4に調節する。Al2O3は酸性γAl2O3であり、150マイクロメートルより小さな粉に粉砕される。次いで、混合物を8時間ボールミルで粉砕する。0.8gの25重量%Al2O3ゾル(Sasol 14N4−25)を4.2gのスラリーに攪拌しながら加える。
【0102】
FeCrAlYフィンをイソプロパノール中で20分間超音波をかけて洗浄する。100℃で1時間乾燥し室温に冷却した後、フィンを20重量%のHNO3溶液で20分間超音波をかけて洗浄する。次いで、フィンをpH値が7になるまで脱イオン水で洗う。120℃で1時間乾燥した後、フィンを昇温速度3.5℃/分で、1000℃で空気中で加熱し、1000℃で8時間空気中で焼成する。Al2O3スラリーが浸漬によってフィン上にウォッシュコートされる。過剰のスラリーはコーティングされた表面に空気を噴射して除去される。フィンは120℃で1時間乾燥し、次いで昇温および冷却速度3.5℃/分で450℃4時間焼成する。7.5重量%のLa(NO3)3溶液を浸漬によってスラリーをコーティングしたフィン上に含浸する。フィンは120℃で1時間乾燥し、次いで昇温および冷却速度3.5℃/分で1000℃4時間空気中で焼成する。スラリーの装填はフィン当たり18.7mgである。10重量%のRh(NO3)3溶液をフィンの上に滴下し、過剰の溶液を圧縮空気で吹き払う。フィンは120℃で1時間乾燥し、次いで1000℃で4時間空気中で焼成する。Rh装填はフィン当たり3.2mgである。
【0103】
得られるフィンに担持された触媒を、実施例2に述べたペレットで、メタンの1気圧での部分酸化について試験する。ペレットは炉中に置かれる。触媒は使用する前にH2で400℃30分間還元する。供給ガス組成物は29.6%のCH4と70.4%の空気(CH4/O2=2/1)であり、総流量(標準条件)2372ml/分である。接触時間は3.3である。炉の温度はペレットの中間長さ部の外皮温度を850℃に保つように調節される。炉の入口の供給流の温度は室温である。供給流はペレットに入る前に予備加熱される。炉の入口からペレットまでの配管の長さは10フィートである。生成物流の出口圧力は大気圧である。ペレット中の圧力降下はCapsuhelic差動圧力計で測定される。生成物の組成物を2カラムガスクロマトグラフで分析する。フィンの性能をCH4変換、H2選択性、およびCO選択性について測定する。以下の表に、担持触媒の400時間運転後の性能をまとめる。
【表7】
【実施例5】
【0104】
実施例4のフィンと同じ寸法を有するフィンをイソプロパノール中で20分間超音波をかけて洗浄する。100℃で1時間乾燥し室温まで冷却した後、フィンを20重量%のHNO3溶液中で20分間超音波をかけて洗浄する。フィンをpH値が7になるまで脱イオン水で洗う。120℃で1時間乾燥した後、フィンを昇温速度3.5℃/分で、1000℃で空気中で加熱し、1000℃で8時間空気中で焼成する。焼成後、高密度のAl2O3層が形成される。Al2O3層は保護皮膜として機能し、コーティングとフィンの間の接着も高める。Al2O3ゾル(25重量%、Sasol 14N4−25)が浸漬によってフィン上にコーティングされる。過剰のゾルはコーティングされた表面に空気を噴射して除去される。フィンは120℃で1時間乾燥し、次いで昇温および冷却速度3.5℃/分で450℃4時間焼成する。ゾルコーティング方法はフィン当たり17mgのAl2O3装填が達成されるまで3〜4回繰り返す。7.5重量%のLa(NO3)3溶液を浸漬によってフィンに含浸する。フィンは120℃で1時間乾燥され、次いで昇温および冷却速度3.5℃/分で1000℃4時間空気中で焼成する。10重量%のRh(NO3)3溶液をフィンの上に滴下し、過剰の溶液を圧縮空気で吹き払う。フィンは120℃で1時間乾燥し、次いで500℃で1時間空気中で焼成する。Rh(NO3)3溶液コーティングは1回繰り返し、フィンを1000℃で4時間焼成する。Rh装填はフィン当たり5.2mgである。
【0105】
得られるフィンに担持された触媒を、実施例2に述べたペレットを用いて、メタンの1気圧での合成ガスへの部分酸化について試験する。ペレットは炉中に置かれる。触媒は使用する前にH2で450℃30分間還元する。供給ガス組成物は29.6%のCH4と70.4%の空気(CH4/O2=2/1)であり、総流量(標準条件)2361ml/分であった。接触時間は3.3msである。炉の温度はペレットの中間長さ部の外皮温度を800℃に保つように調節される。炉の入口の供給流の温度は室温である。供給流はペレットに入る前に予備加熱される。炉の入口からペレットまでの配管の長さは10フィートである。生成物流の出口圧力は大気圧である。ペレット中の圧力降下はCapsuhelic差動圧力計で測定される。生成物の組成物を2カラムガスクロマトグラフで分析する。フィンの性能をCH4変換、H2選択性、およびCO選択性について測定する。以下に、フィンに担持された触媒の600時間定常運転後の性能を示す。
【表8】
【0106】
前述のフィンに担持された触媒をn―ブタンとCH4の燃料混合物で試験する。供給ガスは、7.2%のCH4、7.2%のn−ブタン、および85.6%の空気を含み、総流量2091ml/分である。4カラムガスクロマトグラフを用いて出口ガス組成物の分析を行う。炉の温度はペレットの中間長さ部の外皮温度を800℃に保つように調節される。フィンに担持された触媒の300時間運転後の性能を以下にまとめる。
【表9】
【実施例6】
【0107】
図1に示す設計の吸着分離ユニットを作製する。選択性吸着媒体吸着剤をフィンの壁にコーティングする。フィンはアルミニウムから作られ、高さ1mm、幅0.5mm、間隔0.5mmで離れる。フィンの基底部は0.5mmである。フィンは高さ1.05mm、幅5cmのプロセスマイクロチャネルに挿入される。マイクロチャネル内には50個のフィンがある。プロセスマイクロチャネルは熱伝達チャネルに隣接する。熱伝達流体として水が使用され、吸着のためのユニットを冷却し、脱着のためのユニットを暖める。脱着の間、65℃の水流が熱交換チャネルを流れる。吸着の間、15℃の水流が熱交換チャネルを流れる。
【0108】
メタンと窒素の混合原料を吸着ユニットに供給する。メタンは窒素よりも吸着媒体に優先的に吸着する。吸着は35℃で起きる。吸着媒体が能力を満たされると、暖かな流体を熱交換チャネルに流すことによって、吸着媒体の温度は55℃に増加する。メタンはメタンまたは天然ガスである脱着流体を脱着する。メタンの脱着の後、吸着媒体の温度は第2吸着サイクルのために35℃に冷却される。加熱と冷却の間のサイクル時間は0.1秒である。
【0109】
本発明を様々な詳細な実施形態について説明したが、当業者であれば、本明細書を読めばその様々な変更が明らかになることを理解すべきである。したがって、本明細書に開示した本発明は、添付の特許請求の範囲に含まれるそれらの変更を包含することを意図していると理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】プロセスマイクロチャネルと、マイクロチャネル内に配置された複数のフィンを含むフィン組立体と、プロセスマイクロチャネルに隣接する熱交換器とを含む本発明の装置の概要図である。
【図2】図1に示す装置の代替実施形態を示す図である。
【図3】図1に示すフィン組立体の代替実施形態を示す図である。
【図4】図1に示す1種のフィンの代替実施形態を示す図である。
【図5】図1に示す1種のフィンの他の代替実施形態を示す図である。
【図6】図1に示すフィン組立体の代替実施形態を示す図である。
【図7】図1に示すフィン組立体の代替実施形態を示す図である。
【図8】図1に示すフィン組立体の代替実施形態を示す図である。
【図9】図1に示すフィン組立体の代替実施形態を示す図である。
【図10】図1に示すフィン組立体の代替実施形態を示す図である。
【図11】図1に示すプロセスマイクロチャネルの基底壁に形成された複数のフィンを示す図である。
【図12】図1に示す種類の複数の隣接するプロセスマイクロチャネルを作製するのに使用される挿入可能なフィン組立体を示す図である。
【図13】実施例1で得られた結果を開示するグラフである。
【図14】実施例1で得られた結果を開示するグラフである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1個のプロセスマイクロチャネルであって、高さ、幅、および長さ(該高さは約10mm以下)を有し、該プロセスマイクロチャネルの該幅に沿う一方向と該プロセスマイクロチャネルの該長さに沿う他の方向に展延する基底壁を有するプロセスマイクロチャネルと、
該基底壁から該プロセスマイクロチャネル中に突出し、該プロセスマイクロチャネルの該長さの少なくとも一部に沿って展延する、少なくとも1個のフィンと、
該フィンに担持された触媒または吸着媒体とからなる装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、前記少なくとも1個のプロセスマイクロチャネルが互いに平行に展延する複数のプロセスマイクロチャネルからなる装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置において、前記少なくとも1個のフィンが平行に間隔を置く複数のフィンからなる装置。
【請求項4】
請求項1に記載の装置において、前記プロセスマイクロチャネルが前記基底壁から間隔を置いて分離し対面する上部壁と、前記基底壁から該上部壁へ展延する前記フィンを有する装置。
【請求項5】
請求項1に記載の装置において、前記プロセスマイクロチャネルが前記基底壁から間隔を置いて分離し対面する上部壁と、前記基底壁から該上部壁へ途中まで展延する前記フィンを有する装置。
【請求項6】
請求項1に記載の装置において、前記フィンが外部表面を有し、多孔質材料が前記フィンの該外部表面の少なくとも一部を覆い、前記触媒または吸着媒体が該多孔質材料によって担持される装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置において、前記多孔質材料がコーティング、繊維、発泡体、またはフェルトからなる装置。
【請求項8】
請求項1に記載の装置において、前記フィンが外部表面を有し、複数の繊維または突起が前記フィンの該外部表面の少なくとも一部から展延し、前記触媒または吸着媒体が該突起に担持される装置。
【請求項9】
請求項1に記載の装置において、前記フィンが外部表面を有し、前記触媒または吸着媒体が前記フィンの該外部表面の少なくとも一部にウォッシュコートされるか、前記フィンの該外部表面の少なくとも一部に溶液から成長するか、あるいは前記フィンの該外部表面の少なくとも一部に蒸着を用いて堆積される装置。
【請求項10】
請求項1に記載の装置において、前記フィンが前記マイクロチャネルの前記長さの少なくとも一部に沿って連続的に展延する装置。
【請求項11】
請求項1に記載の装置において、前記フィンが前記マイクロチャネルの前記長さの少なくとも一部に沿って不連続的に展延する装置。
【請求項12】
請求項1に記載の装置において、前記フィンが前記マイクロチャネルの前記長さの少なくとも一部に沿って展延する複数の分離したフィン部材からなる装置。
【請求項13】
請求項1に記載の装置において、前記少なくとも1個のフィンが複数の平行に間隔を置くフィンからなり、少なくとも1個の該フィンが他の該フィンの長さとは異なる長さを有する装置。
【請求項14】
請求項1に記載の装置において、前記少なくとも1個のフィンが複数の平行に間隔を置くフィンからなり、少なくとも1個の該フィンが他の該フィンの高さとは異なる高さを有する装置。
【請求項15】
請求項1に記載の装置において、前記フィンの断面が正方形または矩形の形状を有する装置。
【請求項16】
請求項1に記載の装置において、前記フィンの断面が台形の形状を有する装置。
【請求項17】
請求項1に記載の装置において、前記フィンが前記マイクロチャネルから分離して作製され、前記マイクロチャネルに挿入される装置。
【請求項18】
請求項1に記載の装置において、前記フィンが前記マイクロチャネルの前記基底壁上に形成される装置。
【請求項19】
請求項1に記載の装置において、前記フィンが前記マイクロチャネルの前記基底壁の内部表面に切断される装置。
【請求項20】
請求項1に記載の装置において、前記プロセスマイクロチャネルが鋼、アルミニウム、チタン、ニッケル、白金、ロジウム、銅、クロム、真鍮、任意の該金属の合金、ポリマー、セラミック、ガラス、ポリマーおよびファイバーガラスからなる複合材、石英、シリコン、またはその2種以上の組合せからなる材料から作製される装置。
【請求項21】
請求項1に記載の装置において、前記フィンが鋼、アルミニウム、チタン、ニッケル、白金、ロジウム、銅、クロム、真鍮、任意の該金属の合金、ポリマー、セラミック、ガラス、ポリマーおよびファイバーガラスからなる複合材、石英、シリコン、またはその2種以上の組合せからなる材料から作製される装置。
【請求項22】
請求項1に記載の装置において、前記フィンがアルミナ形成材料から作製される装置。
【請求項23】
請求項1に記載の装置において、前記フィンがFeCrAlYから作製される装置。
【請求項24】
請求項1に記載の装置において、さらに前記マイクロチャネルに隣接する少なくとも1個の熱交換チャネルからなる装置。
【請求項25】
請求項24に記載の装置において、前記熱交換チャネルがマイクロチャネルである装置。
【請求項26】
請求項24に記載の装置において、前記熱交換チャネルが鋼、アルミニウム、チタン、ニッケル、白金、ロジウム、銅、クロム、真鍮、任意の該金属の合金、ポリマー、セラミック、ガラス、ポリマーおよびファイバーガラスからなる複合材、石英、シリコン、またはその2種以上の組合せからなる材料から作製される装置。
【請求項27】
請求項1に記載の装置において、触媒がアセチル化付加反応、アルキル化、脱アルキル化、水素脱アルキル化、還元アルキル化、アミノ化、アンモニア合成、芳香族化、アリール化、オートサーマル改質、カルボニル化、脱カルボニル化、還元カルボニル化、カルボキシル化、還元カルボキシル化、還元結合、縮合、分解、水素分解、環化、環オリゴマー化、アンモ酸化、水−ガス転移、脱ハロゲン化、二量化、エポキシ化、エステル化、フィッシャー−トロプシュ反応、ハロゲン化、ヒドロハロゲン化、同族体化、水和、脱水、水素化、脱水素化、ヒドロカルボキシル化、ヒドロホルミル化、水素化分解、ヒドロメタル化、ヒドロシリル化、加水分解、水素化処理、異性化、メチル化、脱メチル化、複分解、メタノール合成、窒化、酸化、部分酸化、重合、還元、改質、逆水ガス転移、スルホン化、テロメリゼーション、エステル交換反応、三量化、サバティエ反応、二酸化炭素改質、優先酸化、または優先メタン化の1種または複数種の化学反応を実施するのに有用な触媒からなる装置。
【請求項28】
請求項1に記載の装置において、前記触媒がMo、W、V、Nb、Sb、Sn、Pt、Pd、Cs、Zr、Cr、Mg、Mn、Ni、Co、Ce、またはその2種以上の混合物から選択される金属に由来する金属、金属酸化物または金属酸化物の混合物からなる装置。
【請求項29】
請求項1に記載の装置において、前記触媒が貴金属、遷移金属またはその組合せ、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ホウ素、ガリウム、ゲルマニウム、ヒ素、セレン、テルリウム、タリウム、鉛、ビスマス、ポロニウム、マグネシウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、ニッケル、コバルト、銅、亜鉛、ジルコニウム、モリブデン、スズ、カルシウム、アルミニウム、ケイ素、ランタン類元素、または前記の任意の2種以上の組合せの酸化物からなる装置。
【請求項30】
請求項1に記載の装置において、前記吸着媒体が銀、金、白金、パラジウム、ニッケル、ゼオライト、シリカゲル、またはその2種以上の組合せからなる装置。
【請求項31】
請求項1に記載の装置において、前記吸着媒体がFe(II)、Co(II)、Cu(I)、V(II)、Mn(II)、Mn(III)、Cr(II)、Ag(I)、Rh(I)、Rh(II)、Rh(III)、U(IV)、V(IV)、Ru(II)、Ru(IV)、Ti(III)、Cr(IV)、Bi(III)、Ni(II)、W(V)、W(IV)、Mo(II)、Mo(III)、Mo(IV)、Mo(V)、Mo(VI)、またはその2種以上の組合せに由来する装置。
【請求項32】
請求項1に記載の装置において、前記吸着媒体がジピリジル、2,6−[1−(2−イミダゾール−4−イルエチルイミノ)エチルピリジン]、シクレン、シクラム、Schiff塩基配位子、アセチルアセトネートまたはそのオリゴマーもしくはポリマー、カルボキシレート、ビピリジルまたはそのオリゴマーもしくはポリマー、ポルフィリンまたはそのオリゴマーもしくはポリマー、コリンまたはそのオリゴマーもしくはポリマー、ポリアミド、プロテイン、8−ヒドロキシキノリンまたはそのオリゴマーもしくはポリマー、エチルシステネートまたはそのオリゴマーもしくはポリマー、N−アルキルアルカノヒドロキサミン酸、ジメチルグリオキシム、sym−ジエチルエチレンジアミン、またはその2種以上の組合せに由来する装置。
【請求項33】
請求項1に記載の装置において、前記吸着媒体がイミダゾール、ヒスチジンアミノ酸、ピリジン、ピペリジン、4−メチルアミノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、硝酸塩、チオシアネート、ハロゲン化物、またはその2種以上の組合せに由来する装置。
【請求項34】
請求項1に記載の装置において、前記吸着媒体がヘモグロビン、ヘモエリチリン、ヘモシアニン、ミオグロビン、Co(II)(acacen)、Co(II)(ドライケーブ)(N−メチルイミダゾール)、Fe(II)(H2TpivPP)B、Fe(II)(末端ポルフィリン)B、Fe(オフェン)22+、ビス(エチルシステネート)オキソバナジウム(IV)、Cu(I)(bimp)、ビス(ジメチルグリオキシメート)コバルト(II)、ビス(ヒスチジン)コバルト(II)、ジニトレート−ビス(sym−ジエチルエチレンジアミン)コバルト(II)、ジクロロ−ビス(sym−ジエチルエチレンジアミン)コバルト(II)、[m−テトラ(a,a,a,a−o−ピバルアミドフェニル)ポルフィリン]コバルト(II)、[N,N−ビス(サリチリデン)ジプロピレントリアミン]コバルト(II)、[2,3,10,11,13,19−ヘキサメチル−3,10,14,18,21,25−ヘキサアザビシクロ[10.7.7]ヘキサコサ−1,11,13,18,20,25−ヘキセン−K4N]コバルト(II)ヘキサフルオロホスフェート、[N,N’−ビス(サリチリチリデン)エチレンジアミン]コバルト(II)、[N,N’−ビス(3−メトキシサリチリチリデン)エチレンジアミン]コバルト(II)、[N,N’−ビス(サリチリチリデン)テトラメチルエチレンジアミン]コバルト(II)、[N,N’−ビス(3−メトキシサリチリチリデン)テトラメチルエチレンジアミン]コバルト(II)、[N,N’−ビス(3−イソプロポキシサリチリチリデン)テトラメチルエチレンジアミン]コバルト(II)、[N,N’−ビス(3−エトキシサリチリチリデン)テトラメチルエチレンジアミン]コバルト(II)、[N,N’−ビス(5−メトキシサリチリチリデン)テトラメチルエチレンジアミン]コバルト(II)、[N,N’−ビス(5−n−ブトキシサリチリチリデン)テトラメチルエチレンジアミン]コバルト(II)、[N,N’−ビス(サリチリデン)エチレンジアミン]コバルト(II)、コバルト(II)ポルフィリン錯体、ゼオライト中に封入された金属−シアニド錯体、シアノコバルト酸塩、ヘモグロビン、二鉄(III、IV)を含むヘモエリチリンまたはヘモシアニン、二銅(II)または二マンガンコア、N,N’−ジサリチリデンエチレンジアミンコバルト(II)、コバルトジ−(3−メトキシサリチラルtertブチルアミン)、[N,N’−ビス(サリチリデン)n−プロピルジプロピレントリアミン]コバルト(II)、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、4−ジメチルアミノピリジン、シアノピリジン、エチレン−ジアミン−四酢酸、メチルメタクリレート、およびブチルアクリレートから誘導したコバルトキレート化コポリマー、ビス(ヒスチジン)コバルト(II)、[a−モノ(o−メタクリルアミドフェニル)−a,a,a−トリス(o−ピバルアミドフェニル)ポルフィネート]コバルト、[meso−a,a,a,a−テトラキス(o−ピバルアミドフェニル)ポルフィネート]−鉄(II)、コバルト(II)meso−テトラ−フェニル−ポルフィリン、コバルト(II)meso−テトラキス(2−クロロフェニル)プロフィリン、コバルト(II)meso−テトラキス(4−クロロフェニル)ポルフィリン、コバルト(II)meso−テトラキス(4−メトキシフェニル)ポルフィリン、コバルト(II)meso−テトラキス(2,4−ジメトキシフェニル)ポルフィリン、ルテニウム(III)ビス(サリチルアルデヒド)エチレンジイミン、ルテニウム(III)ビス(サリチルアルデヒド)ジエチレントリイミン、ルテニウム(III)ビス(ピコリンアルデヒド)−o−フェニレンジイミン、ルテニウム(III)ビス(ピコリンアルデヒド)エチレンジイミン、ルテニウム(III)ビス(ピコリンアルデヒド)ジエチレントリイミン、ビス(ジメチルグリオキシメート)ニッケル(II)、ビス(ジメチルグリオキシメート)コバルト(II)、ビス(ジメチルグリオキシメート)銅(II)、ジニトレート−ビス(sym−ジエチレンジアミン)コバルト(II)、ジチオシアナト−ビス(sym−ジエチルエチレンジアミン)コバルト(II)、ジクロロ−ビス(sym−ジエチルエチレンジアミン)コバルト(II)、コバルトジ−(サリチラル)−3,3’−ジイミノ−ジ−n−プロピルアミン、N,N’−ジサリチクリデン、エチレンジアミンコバルト(II)、N,N’−エチレン−ビス(5−ニトロ−サリチリデン−イミナト)コバルト(II)、またはその2種以上の組合せからなる装置。
【請求項35】
請求項1に記載の装置において、前記吸着媒体がSb2O5、AgO、PtO、CrO2、PbO、HgO、Cu2O、MnO、Mn2O3、Bi2O4、NiO、NiO2、Cu2O3、SnO、SnO2、WO2、WO3、W2O5、過フッ素化フィルム、Pt/g−アルミナ、Fe/g−アルミナ、Cu/g−アルミナ、Zn/g−アルミナ、Co/g−アルミナ、ゼオライト、またはその2種以上の組合せからなる装置。
【請求項36】
請求項1に記載の装置において、前記吸着媒体が金属シアン化物オリゴマーまたはポリマーからなる装置。
【請求項37】
請求項36に記載の装置において、前記金属シアン化物オリゴマーまたはポリマーが式[Cu(I)(CN)x]n、[Fe(II)(CN)y]n、または[Co(II)(CN)y]nで表され、式中、xは3であり、yは5であり、nは少なくとも2の数字である装置。
【請求項38】
請求項1に記載の装置において、前記吸着媒体がシリカゲル、発泡銅、焼結ステンレス鋼繊維、アルミナ、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリスルホネート、ポリ(テトラフルオロエチレン)、鉄、ニッケルスポンジ、ナイロン、ポリ二フッ化ビニリデン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンエチルケトン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン、ポリブチレン、またはその2種以上の組合せからなる装置。
【請求項39】
請求項1に記載の装置において、前記吸着媒体が第二アミン、フェノールリン酸塩、亜リン酸塩、フェノール樹脂、ビスフェノール樹脂、ヒドロキシルアミン、オレフィンカルボキシレート、アミノカルボキシレート、トコフェロール、ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、第一スズ塩、酸化スズ、ソルベート、ポリソルベート、またはその2種以上の組合せからなる装置。
【請求項40】
請求項1に記載の装置において、前記吸着媒体がメタンおよび水素に由来する堆積物からなる装置。
【請求項1】
少なくとも1個のプロセスマイクロチャネルであって、高さ、幅、および長さ(該高さは約10mm以下)を有し、該プロセスマイクロチャネルの該幅に沿う一方向と該プロセスマイクロチャネルの該長さに沿う他の方向に展延する基底壁を有するプロセスマイクロチャネルと、
該基底壁から該プロセスマイクロチャネル中に突出し、該プロセスマイクロチャネルの該長さの少なくとも一部に沿って展延する、少なくとも1個のフィンと、
該フィンに担持された触媒または吸着媒体とからなる装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、前記少なくとも1個のプロセスマイクロチャネルが互いに平行に展延する複数のプロセスマイクロチャネルからなる装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置において、前記少なくとも1個のフィンが平行に間隔を置く複数のフィンからなる装置。
【請求項4】
請求項1に記載の装置において、前記プロセスマイクロチャネルが前記基底壁から間隔を置いて分離し対面する上部壁と、前記基底壁から該上部壁へ展延する前記フィンを有する装置。
【請求項5】
請求項1に記載の装置において、前記プロセスマイクロチャネルが前記基底壁から間隔を置いて分離し対面する上部壁と、前記基底壁から該上部壁へ途中まで展延する前記フィンを有する装置。
【請求項6】
請求項1に記載の装置において、前記フィンが外部表面を有し、多孔質材料が前記フィンの該外部表面の少なくとも一部を覆い、前記触媒または吸着媒体が該多孔質材料によって担持される装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置において、前記多孔質材料がコーティング、繊維、発泡体、またはフェルトからなる装置。
【請求項8】
請求項1に記載の装置において、前記フィンが外部表面を有し、複数の繊維または突起が前記フィンの該外部表面の少なくとも一部から展延し、前記触媒または吸着媒体が該突起に担持される装置。
【請求項9】
請求項1に記載の装置において、前記フィンが外部表面を有し、前記触媒または吸着媒体が前記フィンの該外部表面の少なくとも一部にウォッシュコートされるか、前記フィンの該外部表面の少なくとも一部に溶液から成長するか、あるいは前記フィンの該外部表面の少なくとも一部に蒸着を用いて堆積される装置。
【請求項10】
請求項1に記載の装置において、前記フィンが前記マイクロチャネルの前記長さの少なくとも一部に沿って連続的に展延する装置。
【請求項11】
請求項1に記載の装置において、前記フィンが前記マイクロチャネルの前記長さの少なくとも一部に沿って不連続的に展延する装置。
【請求項12】
請求項1に記載の装置において、前記フィンが前記マイクロチャネルの前記長さの少なくとも一部に沿って展延する複数の分離したフィン部材からなる装置。
【請求項13】
請求項1に記載の装置において、前記少なくとも1個のフィンが複数の平行に間隔を置くフィンからなり、少なくとも1個の該フィンが他の該フィンの長さとは異なる長さを有する装置。
【請求項14】
請求項1に記載の装置において、前記少なくとも1個のフィンが複数の平行に間隔を置くフィンからなり、少なくとも1個の該フィンが他の該フィンの高さとは異なる高さを有する装置。
【請求項15】
請求項1に記載の装置において、前記フィンの断面が正方形または矩形の形状を有する装置。
【請求項16】
請求項1に記載の装置において、前記フィンの断面が台形の形状を有する装置。
【請求項17】
請求項1に記載の装置において、前記フィンが前記マイクロチャネルから分離して作製され、前記マイクロチャネルに挿入される装置。
【請求項18】
請求項1に記載の装置において、前記フィンが前記マイクロチャネルの前記基底壁上に形成される装置。
【請求項19】
請求項1に記載の装置において、前記フィンが前記マイクロチャネルの前記基底壁の内部表面に切断される装置。
【請求項20】
請求項1に記載の装置において、前記プロセスマイクロチャネルが鋼、アルミニウム、チタン、ニッケル、白金、ロジウム、銅、クロム、真鍮、任意の該金属の合金、ポリマー、セラミック、ガラス、ポリマーおよびファイバーガラスからなる複合材、石英、シリコン、またはその2種以上の組合せからなる材料から作製される装置。
【請求項21】
請求項1に記載の装置において、前記フィンが鋼、アルミニウム、チタン、ニッケル、白金、ロジウム、銅、クロム、真鍮、任意の該金属の合金、ポリマー、セラミック、ガラス、ポリマーおよびファイバーガラスからなる複合材、石英、シリコン、またはその2種以上の組合せからなる材料から作製される装置。
【請求項22】
請求項1に記載の装置において、前記フィンがアルミナ形成材料から作製される装置。
【請求項23】
請求項1に記載の装置において、前記フィンがFeCrAlYから作製される装置。
【請求項24】
請求項1に記載の装置において、さらに前記マイクロチャネルに隣接する少なくとも1個の熱交換チャネルからなる装置。
【請求項25】
請求項24に記載の装置において、前記熱交換チャネルがマイクロチャネルである装置。
【請求項26】
請求項24に記載の装置において、前記熱交換チャネルが鋼、アルミニウム、チタン、ニッケル、白金、ロジウム、銅、クロム、真鍮、任意の該金属の合金、ポリマー、セラミック、ガラス、ポリマーおよびファイバーガラスからなる複合材、石英、シリコン、またはその2種以上の組合せからなる材料から作製される装置。
【請求項27】
請求項1に記載の装置において、触媒がアセチル化付加反応、アルキル化、脱アルキル化、水素脱アルキル化、還元アルキル化、アミノ化、アンモニア合成、芳香族化、アリール化、オートサーマル改質、カルボニル化、脱カルボニル化、還元カルボニル化、カルボキシル化、還元カルボキシル化、還元結合、縮合、分解、水素分解、環化、環オリゴマー化、アンモ酸化、水−ガス転移、脱ハロゲン化、二量化、エポキシ化、エステル化、フィッシャー−トロプシュ反応、ハロゲン化、ヒドロハロゲン化、同族体化、水和、脱水、水素化、脱水素化、ヒドロカルボキシル化、ヒドロホルミル化、水素化分解、ヒドロメタル化、ヒドロシリル化、加水分解、水素化処理、異性化、メチル化、脱メチル化、複分解、メタノール合成、窒化、酸化、部分酸化、重合、還元、改質、逆水ガス転移、スルホン化、テロメリゼーション、エステル交換反応、三量化、サバティエ反応、二酸化炭素改質、優先酸化、または優先メタン化の1種または複数種の化学反応を実施するのに有用な触媒からなる装置。
【請求項28】
請求項1に記載の装置において、前記触媒がMo、W、V、Nb、Sb、Sn、Pt、Pd、Cs、Zr、Cr、Mg、Mn、Ni、Co、Ce、またはその2種以上の混合物から選択される金属に由来する金属、金属酸化物または金属酸化物の混合物からなる装置。
【請求項29】
請求項1に記載の装置において、前記触媒が貴金属、遷移金属またはその組合せ、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ホウ素、ガリウム、ゲルマニウム、ヒ素、セレン、テルリウム、タリウム、鉛、ビスマス、ポロニウム、マグネシウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、ニッケル、コバルト、銅、亜鉛、ジルコニウム、モリブデン、スズ、カルシウム、アルミニウム、ケイ素、ランタン類元素、または前記の任意の2種以上の組合せの酸化物からなる装置。
【請求項30】
請求項1に記載の装置において、前記吸着媒体が銀、金、白金、パラジウム、ニッケル、ゼオライト、シリカゲル、またはその2種以上の組合せからなる装置。
【請求項31】
請求項1に記載の装置において、前記吸着媒体がFe(II)、Co(II)、Cu(I)、V(II)、Mn(II)、Mn(III)、Cr(II)、Ag(I)、Rh(I)、Rh(II)、Rh(III)、U(IV)、V(IV)、Ru(II)、Ru(IV)、Ti(III)、Cr(IV)、Bi(III)、Ni(II)、W(V)、W(IV)、Mo(II)、Mo(III)、Mo(IV)、Mo(V)、Mo(VI)、またはその2種以上の組合せに由来する装置。
【請求項32】
請求項1に記載の装置において、前記吸着媒体がジピリジル、2,6−[1−(2−イミダゾール−4−イルエチルイミノ)エチルピリジン]、シクレン、シクラム、Schiff塩基配位子、アセチルアセトネートまたはそのオリゴマーもしくはポリマー、カルボキシレート、ビピリジルまたはそのオリゴマーもしくはポリマー、ポルフィリンまたはそのオリゴマーもしくはポリマー、コリンまたはそのオリゴマーもしくはポリマー、ポリアミド、プロテイン、8−ヒドロキシキノリンまたはそのオリゴマーもしくはポリマー、エチルシステネートまたはそのオリゴマーもしくはポリマー、N−アルキルアルカノヒドロキサミン酸、ジメチルグリオキシム、sym−ジエチルエチレンジアミン、またはその2種以上の組合せに由来する装置。
【請求項33】
請求項1に記載の装置において、前記吸着媒体がイミダゾール、ヒスチジンアミノ酸、ピリジン、ピペリジン、4−メチルアミノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、硝酸塩、チオシアネート、ハロゲン化物、またはその2種以上の組合せに由来する装置。
【請求項34】
請求項1に記載の装置において、前記吸着媒体がヘモグロビン、ヘモエリチリン、ヘモシアニン、ミオグロビン、Co(II)(acacen)、Co(II)(ドライケーブ)(N−メチルイミダゾール)、Fe(II)(H2TpivPP)B、Fe(II)(末端ポルフィリン)B、Fe(オフェン)22+、ビス(エチルシステネート)オキソバナジウム(IV)、Cu(I)(bimp)、ビス(ジメチルグリオキシメート)コバルト(II)、ビス(ヒスチジン)コバルト(II)、ジニトレート−ビス(sym−ジエチルエチレンジアミン)コバルト(II)、ジクロロ−ビス(sym−ジエチルエチレンジアミン)コバルト(II)、[m−テトラ(a,a,a,a−o−ピバルアミドフェニル)ポルフィリン]コバルト(II)、[N,N−ビス(サリチリデン)ジプロピレントリアミン]コバルト(II)、[2,3,10,11,13,19−ヘキサメチル−3,10,14,18,21,25−ヘキサアザビシクロ[10.7.7]ヘキサコサ−1,11,13,18,20,25−ヘキセン−K4N]コバルト(II)ヘキサフルオロホスフェート、[N,N’−ビス(サリチリチリデン)エチレンジアミン]コバルト(II)、[N,N’−ビス(3−メトキシサリチリチリデン)エチレンジアミン]コバルト(II)、[N,N’−ビス(サリチリチリデン)テトラメチルエチレンジアミン]コバルト(II)、[N,N’−ビス(3−メトキシサリチリチリデン)テトラメチルエチレンジアミン]コバルト(II)、[N,N’−ビス(3−イソプロポキシサリチリチリデン)テトラメチルエチレンジアミン]コバルト(II)、[N,N’−ビス(3−エトキシサリチリチリデン)テトラメチルエチレンジアミン]コバルト(II)、[N,N’−ビス(5−メトキシサリチリチリデン)テトラメチルエチレンジアミン]コバルト(II)、[N,N’−ビス(5−n−ブトキシサリチリチリデン)テトラメチルエチレンジアミン]コバルト(II)、[N,N’−ビス(サリチリデン)エチレンジアミン]コバルト(II)、コバルト(II)ポルフィリン錯体、ゼオライト中に封入された金属−シアニド錯体、シアノコバルト酸塩、ヘモグロビン、二鉄(III、IV)を含むヘモエリチリンまたはヘモシアニン、二銅(II)または二マンガンコア、N,N’−ジサリチリデンエチレンジアミンコバルト(II)、コバルトジ−(3−メトキシサリチラルtertブチルアミン)、[N,N’−ビス(サリチリデン)n−プロピルジプロピレントリアミン]コバルト(II)、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、4−ジメチルアミノピリジン、シアノピリジン、エチレン−ジアミン−四酢酸、メチルメタクリレート、およびブチルアクリレートから誘導したコバルトキレート化コポリマー、ビス(ヒスチジン)コバルト(II)、[a−モノ(o−メタクリルアミドフェニル)−a,a,a−トリス(o−ピバルアミドフェニル)ポルフィネート]コバルト、[meso−a,a,a,a−テトラキス(o−ピバルアミドフェニル)ポルフィネート]−鉄(II)、コバルト(II)meso−テトラ−フェニル−ポルフィリン、コバルト(II)meso−テトラキス(2−クロロフェニル)プロフィリン、コバルト(II)meso−テトラキス(4−クロロフェニル)ポルフィリン、コバルト(II)meso−テトラキス(4−メトキシフェニル)ポルフィリン、コバルト(II)meso−テトラキス(2,4−ジメトキシフェニル)ポルフィリン、ルテニウム(III)ビス(サリチルアルデヒド)エチレンジイミン、ルテニウム(III)ビス(サリチルアルデヒド)ジエチレントリイミン、ルテニウム(III)ビス(ピコリンアルデヒド)−o−フェニレンジイミン、ルテニウム(III)ビス(ピコリンアルデヒド)エチレンジイミン、ルテニウム(III)ビス(ピコリンアルデヒド)ジエチレントリイミン、ビス(ジメチルグリオキシメート)ニッケル(II)、ビス(ジメチルグリオキシメート)コバルト(II)、ビス(ジメチルグリオキシメート)銅(II)、ジニトレート−ビス(sym−ジエチレンジアミン)コバルト(II)、ジチオシアナト−ビス(sym−ジエチルエチレンジアミン)コバルト(II)、ジクロロ−ビス(sym−ジエチルエチレンジアミン)コバルト(II)、コバルトジ−(サリチラル)−3,3’−ジイミノ−ジ−n−プロピルアミン、N,N’−ジサリチクリデン、エチレンジアミンコバルト(II)、N,N’−エチレン−ビス(5−ニトロ−サリチリデン−イミナト)コバルト(II)、またはその2種以上の組合せからなる装置。
【請求項35】
請求項1に記載の装置において、前記吸着媒体がSb2O5、AgO、PtO、CrO2、PbO、HgO、Cu2O、MnO、Mn2O3、Bi2O4、NiO、NiO2、Cu2O3、SnO、SnO2、WO2、WO3、W2O5、過フッ素化フィルム、Pt/g−アルミナ、Fe/g−アルミナ、Cu/g−アルミナ、Zn/g−アルミナ、Co/g−アルミナ、ゼオライト、またはその2種以上の組合せからなる装置。
【請求項36】
請求項1に記載の装置において、前記吸着媒体が金属シアン化物オリゴマーまたはポリマーからなる装置。
【請求項37】
請求項36に記載の装置において、前記金属シアン化物オリゴマーまたはポリマーが式[Cu(I)(CN)x]n、[Fe(II)(CN)y]n、または[Co(II)(CN)y]nで表され、式中、xは3であり、yは5であり、nは少なくとも2の数字である装置。
【請求項38】
請求項1に記載の装置において、前記吸着媒体がシリカゲル、発泡銅、焼結ステンレス鋼繊維、アルミナ、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリスルホネート、ポリ(テトラフルオロエチレン)、鉄、ニッケルスポンジ、ナイロン、ポリ二フッ化ビニリデン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンエチルケトン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン、ポリブチレン、またはその2種以上の組合せからなる装置。
【請求項39】
請求項1に記載の装置において、前記吸着媒体が第二アミン、フェノールリン酸塩、亜リン酸塩、フェノール樹脂、ビスフェノール樹脂、ヒドロキシルアミン、オレフィンカルボキシレート、アミノカルボキシレート、トコフェロール、ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、第一スズ塩、酸化スズ、ソルベート、ポリソルベート、またはその2種以上の組合せからなる装置。
【請求項40】
請求項1に記載の装置において、前記吸着媒体がメタンおよび水素に由来する堆積物からなる装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2007−534457(P2007−534457A)
【公表日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−532390(P2006−532390)
【出願日】平成16年4月8日(2004.4.8)
【国際出願番号】PCT/US2004/010945
【国際公開番号】WO2004/103550
【国際公開日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【出願人】(505056694)ヴェロシス,インク. (20)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年4月8日(2004.4.8)
【国際出願番号】PCT/US2004/010945
【国際公開番号】WO2004/103550
【国際公開日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【出願人】(505056694)ヴェロシス,インク. (20)
【Fターム(参考)】
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