説明

触媒活性金を使用した、水素に対する一酸化炭素の選択的酸化

本発明は、ナノ粒子、結晶性チタニアから得られるものなどのナノ細孔性担体に提供される金の触媒活性を制御または調節するための技術を提供する。実践的な態様において、本発明の触媒システムに組み込まれるナノ粒子媒体の表面には、結果として生じる触媒システムが水素を酸化させる能力を劇的に抑制する、表面の化学修飾が提供される。しかしながら、このシステムはさらに一酸化炭素を容易に酸化させる。換言すれば、本発明の原理を通じてナノ粒子表面を選択および/または修正することにより、PROX触媒は、触媒活性金およびナノ粒子媒体を含む物質から容易に作製される。さらに、ナノ粒子担体は任意に熱処理されてもよく、水素に対する一酸化炭素の酸化の選択性をさらに強化する。かかる熱処理は化学修飾の前または後に行ってもよいが、望ましくは、触媒活性金をナノ粒子を組み込む担体へ付着する前に行う。


Notice: Undefined index: DEJ in /mnt/www/gzt_disp.php on line 298

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気を生成するためのシステムであって、
a)担体上に付着した触媒活性金を含む触媒システムを保持する触媒容器であって、前記担体は複数個のナノ粒子を含み、前記ナノ粒子は多重ドメインの表面を有するとともに前記触媒活性金が付着する凝集ナノ粒子のクラスタとして前記担体に存在する、触媒容器;
b)前記触媒容器の入り口に流動的に結合したガス供給の供給物であって、前記ガス供給がCOおよび水素を含む、供給物;並びに
c)前記触媒容器下流の、前記触媒容器の出口に流動的に結合した電気化学電池、を含むシステム。
【請求項2】
電気を生成するためのシステムであって、
a)担体上に付着した触媒活性金を含む触媒システムを保持する触媒容器であって、前記担体は複数個のチタニアナノ粒子を含み、前記チタニアナノ粒子は多重ドメインの表面を有するとともに前記触媒活性金が付着する凝集ナノ粒子のクラスタとして前記担体に存在し、前記チタニアは少なくとも部分的に結晶性である、触媒容器;
b)前記触媒容器の入り口に流動的に結合したガス供給の供給物であって、前記ガス供給はCOおよび水素を含む、供給物;並びに
c)前記触媒容器下流の、前記触媒容器の出口に流動的に結合した電気化学電池、を含むシステム。
【請求項3】
水素に対してCOを選択的に酸化させるシステムであって、
a)担体上に付着した触媒活性金を含む触媒システムを保持する触媒容器であって、前記担体は複数個のナノ粒子を含み、前記ナノ粒子は多重ドメインの表面を有するとともに前記触媒活性金が付着する凝集ナノ粒子のクラスタとして前記担体に存在する、触媒容器;並びに
b)前記触媒容器の入り口に流動的に結合したガス供給の供給物であって、前記ガス供給はCOおよび水素を含む、供給物、を含むシステム。
【請求項4】
前記多重ドメインの表面は、前記金が付着する前記表面に近位の2つ以上の組成的に異なるドメインを含み、前記ドメインは、5nm未満の厚さおよび10nm未満の幅を有する、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記多重ドメインの表面はチタニウムオキソ化合物を含む第1のドメインと、少なくとも1つの付加的な金属オキソ化合物を含む第2のドメインとを含む、請求項3または4に記載のシステム。
【請求項6】
前記付加的な金属オキソ化合物はMg、Ca、Sr、Zn、Co、Mn、La、Nd、Al、Fe、Cr、Sn、W、Mo、Ce、またはこれらの組み合わせから選択される金属のオキソ化合物を含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記付加的な金属オキソ化合物は亜鉛オキソ化合物を含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記ナノ粒子は少なくとも部分的に結晶性であるチタニアを含む、請求項3〜7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記ナノ粒子は亜鉛をさらに含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記多重ドメインの表面は高チタン領域および高亜鉛領域を含む、請求項3〜9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記多重ドメインの表面は前記金の不動化を促す、請求項3〜10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記担体はナノ細孔をさらに含む、請求項3〜11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記ナノ細孔は1nm〜30nmの範囲の大きさを有する、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記ナノ細孔は前記金の不動化を促す、請求項12または13に記載のシステム。
【請求項15】
前記担体は前記ナノ粒子が担持されるホストをさらに含む、請求項3〜14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記ホストは複数個のホスト粒子を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記触媒システムは前記金、前記ナノ粒子および前記ホストの総重量に基づいて0.005〜1.5重量パーセントの金を含む、請求項15または16に記載のシステム。
【請求項18】
前記ナノ粒子クラスタは0.2ミクロン〜3ミクロンの範囲の大きさを有する、請求項3〜17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
前記金は約0.5nm〜約50nmの範囲の大きさを有するクラスタを含む、請求項3〜18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
水素に対してCOを選択的に酸化するための触媒システムであって、担体に付着した触媒活性金を含み、前記担体は複数個のナノ粒子を含み、前記ナノ粒子は多重ドメインの表面を有するとともに前記触媒活性金が付着する凝集ナノ粒子のクラスタとして存在する、触媒システム。
【請求項21】
前記ナノ粒子は少なくとも部分的に結晶性であるチタニアを含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
触媒システムを作製する方法であって、触媒活性金を担体上に付着させるための物理的蒸着技術を使用する工程を含み、前記担体は複数個のナノ粒子を含み、前記ナノ粒子は多重ドメインの表面を有するとともに前記触媒活性金が付着する凝集ナノ粒子のクラスタとして前記担体に存在する、方法。
【請求項23】
前記金を前記担体上に付着することに先立って、前記ナノ粒子に熱処理を施す工程をさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記熱処理は前記ナノ粒子が前記担体に組み込まれる前に行われる、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記熱処理は、前記ナノ粒子が前記担体に組み込まれた後に行われる、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記熱処理は、200℃〜600℃の範囲の温度で、30秒間〜15時間の期間にわたって行われる、請求項23〜25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記金を前記担体上に付着させることに先立って、前記ナノ粒子が多重ドメインの表面を有するようにする工程をさらに含む、請求項22〜26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記ナノ粒子が多重ドメインの表面を有するようにする工程は、少なくとも1つのオキソ化合物を前記ナノ粒子上へ付着させることを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記ナノ粒子が多重ドメインの表面を有するようにする工程は、前記熱処理の前に行われる、請求項27または28に記載の方法。
【請求項30】
前記ナノ粒子が多重ドメインの表面を有するようにする工程は、前記熱処理の後に行われる、請求項27または28に記載の方法。
【請求項31】
前記金が付着した後に、前記触媒システムを熱処理する工程をさらに含む、請求項22〜30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記ナノ粒子は少なくとも部分的に結晶性であるチタニアを含む、請求項22〜31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記ナノ粒子は少なくとも1つの金属オキソ化合物をさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記金属オキソ化合物は、Mg、Ca、Sr、Zn、Co、Mn、La、Nd、Al、Fe、Cr、Sn、W、Mo、Ce、またはこれらの組み合わせから選択される金属のオキソ化合物を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記金属オキソ化合物は亜鉛オキソ化合物を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記ナノ粒子をホスト上へ担持する工程をさらに含む、請求項22〜35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記ホストは複数個のホスト粒子を含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記担体はナノ細孔をさらに含む、請求項22〜37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記ナノ細孔は1nm〜30nmの範囲の大きさを有する、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
電気を生成するための方法であって、
a)担体上に付着した触媒活性金を含む触媒システムに接触するCOおよび水素ガスを含む混合流体を生じる工程であって、前記担体は複数個のナノ粒子を含み、前記ナノ粒子は多重ドメインの表面を有するとともに前記触媒活性金が付着する凝集ナノ粒子のクラスタとして、前記担体に存在する、工程;並びに
b)前記ガスを前記触媒システムに接触させた後、前記ガスを使用して電気を生成する工程、を含む方法。
【請求項41】
触媒を調製する方法であって、
a)複数個の金属酸化物ナノ粒子を提供する工程と、
b)少なくとも第1および第2の組成的に異なる金属オキソドメインを含む複合粒子を形成するために有効な条件下で、第2の金属を含む物質を前記金属酸化物ナノ粒子へ加水分解する工程と、
c)前記複合粒子を前記複合粒子が触媒担体の表面の少なくとも一部分に凝集粒子のクラスタとして存在する触媒担体へ組み込む工程と、
d)触媒活性金を前記複合粒子へ物理蒸着する工程と、を含む方法。
【請求項42】
触媒システムを作製する方法であって、
a)担体が過酸化物とどのように反応するかを示す情報を提供する工程と、
b)前記情報を使用し、前記担体へ付着した触媒活性金を含む触媒システムを作製する工程と、を含む方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2009−526650(P2009−526650A)
【公表日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−555383(P2008−555383)
【出願日】平成19年2月13日(2007.2.13)
【国際出願番号】PCT/US2007/004134
【国際公開番号】WO2008/076137
【国際公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】