説明

記憶媒体、通信システム、並びに制御装置。

【課題】携帯電話に関わる種々のサービスをSIMカード上に一体化して、キャリア主導で提供できるようにする。
【解決手段】SIMカードに、反射波伝送方式による無線通信機能を搭載し、無線通信を介して外部の制御装置からSIMカードの制御インターフェースにアクセスする。SIMカードは、キャリアが加入者情報を取り扱うSIM機能とともに、電子マネーなどを取り扱うクレジット機能を搭載する。さらに、SIMカードに大容量のメモリカード機能を付加し、反射波伝送を介して制御装置からメモリカードの制御インターフェースにアクセスする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話の加入者情報を記憶するとともに携帯電話との接触型の接続インターフェースを備え、携帯電話側から加入者情報の制御が行なわれる記憶媒体に係り、特に、GSM(11.11)及びISO/IEC7816で規定されるSIMカード機能を備えた記憶媒体、制御装置、並びに記憶媒体と制御装置で構成される通信システムに関する。
【0002】
さらに詳しくは、本発明は、GSM(11.11)及びISO/IEC7816で規定される通りのSIMカードのサイズ及び端子形状を備えるとともに、メモリカード、電子マネーやクレジット・カードといった複数の機能を携帯電話上で提供する記憶媒体、制御装置、並びに記憶媒体と制御装置で構成される通信システムに係り、特に、携帯電話との接触型の接続インターフェースの他に非接触インターフェースを備え、メモリカード、電子マネーやクレジット・カードといったサービス提供に関する記憶内容が非接触インターフェースを介して外部の制御装置によって制御される記憶媒体、制御装置、並びに記憶媒体と制御装置で構成される通信システムに関する。
【背景技術】
【0003】
近年、情報機器や情報通信における技術の進歩と普及を背景として、通信事業者の再編成や価格改定、通信サービスの多様化が進んでいる。日進月歩する通信業界の中でも、とりわけ携帯電話を始めとする移動体通信技術の成長は顕著である。
【0004】
携帯電話機は一般に、携帯電話網のキャリア(通信会社)に対する加入者情報を格納する、SIM(Subscriber Identity Module)と呼ばれる接触型ICカードを搭載している。また、最近の携帯電話機の多くは、電子マネーなどのアプリケーションを担持する非接触型ICカード機能を搭載している。さらに、カメラで撮影した画像や、再生用の音楽データを記録するためのメモリカードを装着するスロットを備えたものも多い。以下、携帯電話機に搭載される各カード機能に関して、背景技術を説明する。
【0005】
SIMカード、ICカード
SIMカードは、ISO/IEC7816規格の接触型ICカードであり、GSM(Global System for Mobile Communications)やW−CDMA(Wideband−Code Division Multiple Access)などの方式の携帯電話で使用される。SIMカードには、IMSI(International Mobile Subscriber Identity)と呼ばれる固有の番号が付与されており、これと電話番号を結び付けることで携帯電話は通信が可能となる。
【0006】
SIMカード1は、携帯電話機に内蔵するため、一般的な非接触ICカード1´のサイズ(86mm×54mm)に対して(図14Bを参照のこと)、小型のサイズ(幅15mm×奥行き25mm×厚み0.76mm)と、特定の形状が定められている(図14Aを参照のこと)。接触型のICカードにおいて、機器との間の情報のやり取りは、特定の形状の端子部300を介して行なわれる。
【0007】
図15には、携帯電話2にSIMカード1を適用した様子を示している。抜き差しの前に確実にSIMカードの電源を切る必要があることから、多くの電話機では、電池を取り外して電源をオフにしないとSIMカードの抜き差しができない構造になっている。図示の例では、SIMカード1は、携帯電話2の背面において、電池21の裏側に搭載されている。
【0008】
SIMカードを携帯電話に抜き差しすることで、電話番号を他の携帯電話機に移したり、1つの携帯電話機で複数の電話番号を切替えて使用したりすることができるが、基本的にはSIMカードは頻繁に抜き差しすることを想定したものではない。実用化されているSIMカードの最大容量は128MB程度で、契約者の個人情報や数十件の電話帳を保存できるくらいである。但し、1GBへと大容量化する動きもあり、コンテンツ情報などの保存も可能となる。
【0009】
SIMカードなどの接触型ICカードは、一般に、内部の情報を安全に記録し、適用する機器(携帯電話や決済端末など)、及びサービス間で安全に取り扱うことを目的としている。ここで、図16を参照しながら、SIMカード及びICカードの機能について説明しておく。
【0010】
SIMカード1には、加入者情報が安全に記録されており、携帯電話網に接続するときに、キャリア30との認証を行なうために利用される。また、SIMカード1内には電話帳などを保存するデータ領域があり、携帯電話2上のユーザ操作に従って電話番号の記録や参照を行なうことができる。
【0011】
一方、ICカード1´は、例えばキャッシュ・カードやクレジッド・カード、電子マネーICカードなどとして使用されるが、センタ31間の認証のみならず、決済端末2´間の認証を行なうことがある。また、クレジット情報(電子マネー情報も含む)や個人情報などの重要なデータを、決済端末2’との間、及びセンタ31との間で暗号化してやり取りする。
【0012】
上記の過程において、SIMカード並びにICカードは、それぞれ適用する機器からコマンド/レスポンス制御される。ICカード・インターフェース4上における電気信号の端子、電気的仕様、データ転送制御方式、及びコマンド/レスポンスの送受信方式は、ISO/IEC7816により標準規格として規定されている。また、上位レベルにおけるコマンド/レスポンス、及びプロトコルはサービス毎に規定される。例えば、携帯電話のサービスに対してはGSMの、クレジッド・カードのサービスに対してはEVM(Europay、MasterCard、Visa)の世界的な共通規格がある
【0013】
したがって、SIMカードとICカードは、データを保持する機能を有するとともに、ISO7816の規格に適合したインターフェース機能を共通的に搭載し、各々のサービスに対応したプロトコル機能を持つ。そして、プロトコルが提供する機能に応じて、認証、暗号化などの制御を行なう。
【0014】
図17には、SIMカード(ICカード)のハードウェア構成を模式的に示している。
【0015】
ICカード端子部300は、ICカード・インターフェース4に適用される電気信号端子であり、ISO/IEC7816−1、2の規格では、電源(VCC)、リセット(Reset)、クロック(Clock)、プログラム電源(VPP)、データ伝送用入出力(I/O)、グランド(GND)、及びリザーブ(RFU)の各端子が同図のように配置される。
【0016】
ICカード・インターフェース・コントローラ301は、インターフェース機能を提供し、ISO/IEC7816−3の規格に従って、ICカード・インターフェース4との間でデータ転送制御を行ない、ISO/IEC7816−4のフォーマット(Application Protocol Data Unit:APDU)に従ったコマンドの受信、及びレスポンスの送信を行なう。
【0017】
CPU(Central Processing UInit)302は、携帯電話2との間でサービスに対応したプロトコル制御を行なうための主要制御部である。
【0018】
ROM(Read Only Memory)304は、CPU302が実行するプログラムを不揮発的に格納するメモリ領域である。また、RAM(Random Access Memory)305は、CPU302がプログラムを実行する際のワーク用メモリ領域である。
【0019】
暗号ブロック306は、CPU302が暗号データを取り扱う際にデータの暗号化並びに復号を行なうブロックである。例えば、DES(Data Encryption Standard)、Triple−DES、AES(Advanced Encryption Standard)などの暗号アルゴリズムが実装される。
【0020】
EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)307は、カードが取り扱うデータを保持する不揮発性のメモリ領域である。
【0021】
CPU302は、システム・バス303を介して、ICカード・インターフェース・コントローラ301からコマンドを取得し、暗号ブロック306、EEPROM307にアクセスして、所定のプロトコル制御を行ない、ICカード・インターフェース・コントローラ301にレスポンスを送信する。
【0022】
また、図18には、SIMカード1を搭載した携帯電話端末2のハードウェア構成を模式的に示している。
【0023】
ICカード・スロット400は、SIMカード1を受容するための差し込み口であり、SIMカード1のICカード端子部300の各信号端子に対応した接点を持つ。
【0024】
ICカード・インターフェース・コントローラ401は、ICカード・スロット400に装着されたSIMカード1内の同コントローラ301に対応したコントローラで、ICカード・インターフェース4に対するコマンド送信と、レスポンス受信とを行なう。
【0025】
CPU402は、SIMカード1に対するプロトコル制御を行なうとともに、携帯通信機能部409の制御を行ないキャリア3とのプロトコル制御を行なう。その他、UI機能部408を介して携帯電話2としてのアプリケーション制御を行なう。
【0026】
ROM404は、CPU402が実行するプログラムを不揮発的に格納するメモリ領域である。また、RAM405は、CPU402がプログラムを実行する際のワーク用メモリ領域である。また、EEPROM407は、カードが取り扱うデータを保持する不揮発性のメモリ領域である。
【0027】
暗号ブロック406は、CPU402が暗号データを取り扱う際にデータの暗号化並びに復号を行なうブロックであり、DES、Triple−DES、AESなどの暗号アルゴリズムが実装される。
【0028】
携帯通信機能部409は、携帯電話の通信機能を提供する無線通信部であり、UI機能部408は携帯電話のユーザ・インターフェースを提供する操作系、表示系のデバイスである。
【0029】
図19には、ISO/IEC7816−3、4規格に基づくSIMカード(ICカード)のインターフェース処理の手順をフローチャートの形式で示している。同処理は、コマンド処理504を除き、ICカード・インターフェース・コントローラ301が担当する。
【0030】
起動処理500は、携帯電話2がSIMカード1を起動するための処理である。具体的には、SIMカード1の各端子を、VCC供給、Clock供給、VPP停止、RST=Low、I/O=受信モードという状態に制御する。
【0031】
リセット処理501は、携帯電話2が起動した後にSIMカード1にリセットを発行し、Answer to Reset(ATR)と呼ばれる、インターフェースの能力情報を取得する処理である。能力情報には、供給可能なクロック周波数の上限値や、変更可能なクロック・レート変換因子(F、Dのように規定される)、データ(コマンド/レスポンス)を送受信するための転送プロトコル方式(T=0、T=1のように規定される)、VPPの供給電圧値などが記載される。携帯電話2は、データ通信を行なう際に能力情報に従ったインターフェース制御を行なわなければならない。
【0032】
プロトコル設定(Protocol Type Selection:PTS)処理502は、携帯電話2がSIMカード1に対して転送プロトコル方式やクロック・レート変換因子を設定するための処理である。本処理において、携帯電話2は、PTS要求を発行し、SIMカード1にプロトコル方式を設定する。SIMカード1はPTS応答を返し、設定したプロトコル方式を通知する。以降のデータ(コマンド/レスポンス)の通信は、設定された転送プロトコル及びクロック・レートによって行なわれる。
【0033】
コマンド受信処理503は、SIMカード1が携帯電話2から送信されたコマンドを受信する処理である。受信したコマンドは、CPU302に渡される。
【0034】
コマンド処理504は、CPU302において行なわれる処理である。CPU302は受信したコマンドの解析、コマンドに対応した暗号演算、EEPROM制御などを行ない、レスポンスを構築する。
【0035】
レスポンス送信処理505は、CPU302から渡されたレスポンスを携帯電話2に送信する処理である。
【0036】
コマンド受信処理503、コマンド処理504、レスポンス送信処理505を繰り返すことによって、一連のコマンド処理が行なわれ、サービスに応じたプロトコル制御が行なわれる。
【0037】
停止処理506は、携帯電話2がSIMカード1を停止するための処理である。具体的には、SIMカード1の各端子を、VCC停止、Clock停止、VPP停止、RST=L、I/O=Lの状態に制御することによって行なわれる。
【0038】
図20には、ISO/IEC7816−4規格に基づくSIMカード(ICカード)のインターフェースに適用されるコマンド/レスポンスのAPDU(Application Protocol Data Unit)を示している。
【0039】
参照番号60で示すコマンドAPDUにおいて、CLA(600)は、サービスに対応したプロトコルを識別するクラス(CLAss)情報を与える。INS(601)は、そのサービス・クラスにおけるコマンドの命令(INStruction)情報を与える。P1(602)並びにP2(603)は、コマンドに付随するパラメータ情報を与え、Lc(604)には後に続くコマンドのデータ領域(605)のデータ長が与えられる。また、Le(606)には、レスポンスのデータ領域(610)のデータ長の期待値が与えられる。
【0040】
また、参照番号61で示すレスポンスAPDUにおいて、データ領域(610)の後に続くSW1(611)、SW2(612)はレスポンスの終了を示し、値によって処理ステータスを示す場合がある。
【0041】
図21には、SIMカードとICカードを用いた、認証、暗号化のプロトコル制御シーケンスの例を簡略化して示している。
【0042】
図示のシーケンスでは、SIMカード1とキャリア(センタ)3が共通秘密鍵Ki(700)を保持し、照合を行なう。但し、共通秘密鍵Ki(700)が伝送路(ICカード・インターフェース4若しくは通信網5)に流れないように、キャリア3が生成した乱数(701)と共通秘密鍵Ki(700)とを共通の暗号アルゴリズムA(702)に入力し、得られる認証データ(703)を照合に利用する。また、認証後には、認証データ(703)とともに得られるセッション鍵Ks(704)によってデータの暗号化してから伝送が行なわれ、相手側で復号される。
【0043】
ICカード・インターフェース4では、携帯電話2の起動時に図19に示した起動処理500、リセット処理501、プロトコル設定処理502が行なわれる。それ以降は、図20に示したAPDUによって、サービスに対して規定されるコマンド/レスポンスが送受信される。ここで、コマンドAPDUのクラス情報CLS(600)にはサービスを与える共通の値が与えられる。
【0044】
以下では、図21を参照しながら、各コマンド/レスポンスの内容、及び動作シーケンスについて説明する。
【0045】
認証要求コマンド(710)のINS(601)には、「認証要求」を示す値が与えられる。コマンドAPDUのデータ領域(605)に乱数(701)が指定され、Lc(604)にそのデータ長が指定される。
【0046】
SIMカード1は、認証要求コマンド(710)を受信し、認証データ(703)とセッション鍵Ks(704)の演算を開始する。それとともに認証要求レスポンス(711)を送信する。レスポンスAPDUのSW1、SW2に処理の正常開始を表す処理ステータスが設定される。
【0047】
携帯電話2は、認証データ(703)を取得するために、SIMカード1に対して認証応答コマンド(712)を発行する。コマンドAPDUのINS(601)に「認証応答」を示す値が、Lc(604)には認証データ(703)のデータ長がそれぞれ指定される。
【0048】
SIMカード1は、演算結果として得られた認証データ(703)をレスポンスAPDUのデータ領域(610)に付加して、認証応答レスポンス(713)を送信する。このとき、レスポンスAPDUのSW1、SW2には処理ステータスが設定される。
【0049】
また、SIMカード1からデータ・リードを行なうとき、携帯電話2はキャリア3がデータ・リード要求したアドレスと、データ長とをデータ・リード・コマンド(714)に付加して、SIMカード1に送信する。コマンドAPDUにおいて、INS(601)には「データ・リード」を示す値が、P1(602)並びにP2(603)にアドレスの値が、Lc(604)にデータ長が設定される。
【0050】
SIMカード1は、データ・リード・コマンド(714)を受信すると、当該コマンドで指定されたアドレスから平文データ(705)をリードし、これをセッション鍵Ks(704)によって暗号化する。得られた暗号文(706)をレスポンスAPDUのデータ領域(610)に付加し、データ・リード・レスポンス(715)を送信する。暗号文(706)はキャリア3において平文(705)に復号される。
【0051】
また、SIMカード1に対してデータ・ライトを行なうときには、携帯電話2は、キャリアがデータ・ライト要求したアドレスと、データ長と、キャリア3において暗号化された暗号文(708)とをデータ・ライト・コマンド(716)に付加してSIMカード1に送信する。コマンドAPDUにおいて、INS(601)には「データ・ライト」を示す値が、P1(602)、P2(603)にアドレスの値が、Lc(604)に暗号文(708)のデータ長が、データ領域(605)に暗号文(708)が設定される。
【0052】
そして、SIMカード1は、データ・ライト・コマンド(716)を受信すると、そのデータ領域に設定されている暗号文(708)を平文(707)に復号し、指定されたアドレスにライトする。処理結果をレスポンスAPDUのSW1、SW2に付加し、データ・ライト・レスポンス(718)を送信する。
【0053】
なお通信網(公衆網、携帯網)側における通信方式に関しては、本発明の要旨に直接関連しないので説明を省略する。
【0054】
メモリカード
メモリカードは、大容量のフラッシュ・メモリを記録媒体として持つカード型の記憶装置であり、例えば、メモリースティック、SD(Secure Digital)カード、MMC(マルチメディアカード)、コンパクトフラッシュ(登録商標)、USB(Universal Serial Bus)メモリなど、多種にわたる標準規格がある。また著作権に絡む音楽、映像などのメディア・コンテンツを記録することを考慮し、著作権管理技術を実装しているメモリカードも存在する。
【0055】
図22には、メモリカードのハードウェア構成を模式的に示している。
【0056】
メモリカード・インターフェース6は、外部機器からメモリカード7を制御するためのインターフェースであり、メモリカードの規格毎に規定される。一般的に、電気信号と伝送方式とを規定する物理仕様と、外部機器からコマンド制御を行なうためのメモリカードの論理仕様が規定される。コマンド制御においては、メモリ・データのリード・ライトを行なうためのコマンド体系が規定されている他、著作権管理技術を実装する場合には、外部機器との間で認証を行ない、データの暗号化を行なうためのコマンド体系が規定される。
【0057】
メモリカード端子部800は、メモリカードの規格に従った電気信号を伝送するための端子部である。
【0058】
メモリカード・インターフェース・コントローラ801は、メモリカード・インターフェース6の物理仕様並びに論理仕様の規定に従い、外部機器との間でコマンド処理を行なう。コマンド処理に対応して、フラッシュ・コントローラ803との間で、コマンドに付加される制御情報、メモリ・データのやり取りを行なう。また、著作権管理に関連するコマンド処理に際しては、暗号ブロック802を制御し、認証情報の演算やメモリ・データの暗号化、復号などを行なう。
【0059】
フラッシュ・コントローラ803は、制御情報に従ってフラッシュ・メモリ804との間でメモリ・データのリード/ライトを行なう。
【0060】
SIM機能と大容量のメモリ機能を搭載するメモリカード
不揮発性メモリカード及びSIMカードの両方を利用する種々の用途では、SIM集積回路チップがメモリカードの中に組み込まれると便利である。例えば、MMCカード規格又はSDカード規格のいずれかにより指定される同じ形状及びピン位置を有するように物理的に変更された、ISO/IEC7816規格に従うカードや、ISO/IEC7816規格に従うカードの回路構成を包含するように修正された、MMCカード規格又はSDカード規格のいずれかに従うカードについて提案がなされている(例えば、特許文献1を参照のこと)。
【0061】
また、SIM機能がMMC又はSDカード標準規格に従う不揮発性フラッシュ・メモリ及びそのコントローラと組み合わされた複合的なメモリカードについても提案がなされている(例えば、特許文献2を参照のこと)。この複合カードの物理的フォーマットは、プラグインSIMカード、MMCあるいはSDカードのうちのいずれかである。1つの代表的な形では、プラグインSIMカード・フォーマットが使用され、MMC標準規格又はSD標準規格のいずれかに従うメモリの動作に必要とされ得るように数個の外部電気接点がプラグインSIM標準規格のそれに追加される。
【0062】
また、SIMカードの機能と、大容量の不揮発性メモリ機能とを同時に搭載するSIMカード形状のメモリカードも出現している(例えば、非特許文献1を参照のこと)。このメモリカードは、SIMカードの電気接点と、不揮発性メモリにアクセスするための電気接点(例えばMMC、USB)とを独立して持ち、また、携帯電話において使用する加入者情報と、各種メディア・コンテンツとを1つのメモリカードに管理する。不揮発性メモリ機能に格納するデータに対しては著作権管理のための機能が提供されている。携帯電話のユーザは端末交換時にカードを取り替えることで、加入者情報を移行するだけでなく、同時にメディア・コンテンツを移行することができる。また、キャリアは、自身のコンテンツ・サービスによってユーザに提供するメディア・コンテンツを、加入者情報とともに同一のカードにおいて安全に管理することができる。また、携帯電話側では、メモリカードのスロットが不要になる。
【0063】
図23には、SIMカードとメモリカードとを1つの形状に搭載したカードのハードウェア構成例を模式的に示している。図示のカードは、基本的には、図17に示したSIMカードの機能ブロックに、図22に示したメモリカードの機能ブロックを組み合わせて構成され、各機能部ロックの構成や動作は既に説明した通りである。但し、暗号ブロック306は、SIMカードとメモリカードで共用される。
【0064】
非接触型ICカード技術
非接触型ICカードは、接触型ICカードが外部機器と接続するICカード・インターフェースを無線に置き換えたもので、リーダ・ライタからの送信キャリアによる電磁誘導作用を利用してICカードに電力を供給し、キャリアの変調によりリーダ・ライタとカード間で通信を行なうようになっている。非接触ICカード技術は、「Edy」などの電子マネー、「Suica」などの乗車券、あるいは社員証などに利用されている。
【0065】
非接触ICカード技術方式の1つとして「FeliCa(登録商標)」が広く知られている。FeliCaでは、13.56MHzの周波数帯を用いた電磁誘導方式が使用され、ASK10%で変調を行なうとともにマンチェスタ(Manchester)符号を採用し、通信速度は最高212kbpsである。
【0066】
ここで、電磁誘導方式の非接触ICカードの通信距離はアンテナ依存であり、例えばICカードのサイズ(86mm×54mm)の外周に沿った大きさのコイル状のアンテナが搭載される場合の通信距離は数cmから10cm程度となる。
【0067】
日本国内では、携帯電話にも非接触ICカード技術が搭載されている。例えば、フェリカネットワークス株式会社が開発したモバイルFelica ICチップを搭載することで、上述したEdyやSuica(モバイルSuica)を携帯電話でも利用することができ、非接触伝送経由の入出金が行なわれる他、携帯網経由の入金(チャージ)が可能になる。この場合にも、通信距離はアンテナ依存であり、携帯電話の外周に沿った大きさのコイル状アンテナが搭載される。
【0068】
【特許文献1】特表2004−506266号公報
【特許文献2】特表2006−523889号公報
【非特許文献1】http://www.spansion.com/jp/flash_memory_products/mirrorbit_hd_sim.html(平成19年2月22日現在)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0069】
現在、携帯電話に対して、SIMカード、メモリカード、非接触型ICカードの機能が個別の媒体として適用されており、キャリアのサービスに利用される。SIMカードによって、通話や「i−mode(登録商標)」のような情報提供サービスが提供されるのみならず、メモリカードを媒体としてメディア・コンテンツを扱うサービス(例えば音楽ダウンロードなど)を提供することができる。さらには非接触型ICカード技術を使用して電子マネー、乗車券のサービスを利用することができる。
【0070】
このような携帯電話の利用形態は、とりわけ日本国内において当てはまる。これは、日本国内ではキャリア主導で携帯電話に関わる種々のサービスを一体化して提供され、各メーカーが開発製造する携帯電話端末の仕様も基本的にはキャリア主導により策定されるという、キャリア側の自由度の高いビジネス・モデルに依拠する。
【0071】
他方、欧米や中国など、日本以外の主要な携帯電話市場となる各国では、キャリアは加入者情報を格納したSIMカードをユーザに供給するだけというビジネス・モデルが一般的であり、携帯電話端末の開発は各メーカーが独自に行なう。このため、日本に比べると、世界各国ではキャリアによるサービス提供の自由度が乏しいのが実情である。上述したような電子マネーのサービスを携帯電話で利用することを画策しても、メーカー側の賛同も得て非接触通信の機能を端末に搭載しなければ、サービスは目論み通りには実現しない。
【0072】
本発明者らは、日本以外の各国においてもキャリアが携帯電話で実現するサービス提供の自由度を確保する1つの方法とて、キャリアがユーザに供給するSIMカード内にさまざまな機能を搭載することが好適である、と思料する。
【0073】
ところで、非接触通信技術として電磁誘導方式を用いると、通信距離がアンテナ依存となり十分長くないという問題がある。例えば、13.56kHz体を使用するFeliCaでは通信距離は数cmから10cm程度となる(前述)。
【0074】
ここで、非接触ICカード技術をSIMカードに搭載した場合について考察してみる。
【0075】
抜き差しの前に確実にSIMカードの電源を切る必要があることから、SIMカードは、携帯電話の背面において電池の裏側に配設され、電池を取り外して電源をオフにしないとSIMカードの抜き差しができない構造が基本的である(図15を参照のこと)。このような構造では、非接触ICカードの通信距離が元々短い上に、さらに電池によって電波が妨害されてしまうという問題がある。
【0076】
また、非接触ICカード用のコイル状のアンテナをSIMカードのサイズに搭載することは困難である。コイル状のアンテナをSIMカードの外付けにするという設計も考えられるが、携帯電話端末内に外付けアンテナの引き回しを行なう必要があり、結局のところ、端末メーカーの賛同が得られなければ実現しないという状況に変わりはない。すなわち、キャリアはサービス提供の自由度を確保することはできない。
【0077】
上述したように、日本国内では、キャリア主導により各メーカーが携帯電話端末上にFeliCa方式のような非接触ICカード技術を搭載しているので、携帯電話上で電子マネーを利用するというサービスが実現されている。この場合も勿論、コイル状アンテナの引き回しの制約により端末のサイズが大きくなるという問題がある。さらに端末交換時には、SIMカードだけが古い携帯電話端末本体から取り外されて新しい携帯電話端末本体に移動し、非接触ICカード機能にチャージされた電子マネー情報は古い端末本体に取り残されてしまう。すなわち、端末交換時に電子マネーの情報をユーザの手によって速やかに移行することができないという問題がある。後者の観点からは、SIMカード上に非接触ICカード機能を搭載していれば、ユーザの手でSIMカードとともに電子マネー情報を移行することができて便利ということになる。
【0078】
また、不揮発性メモリカード及びSIMカードの両方を利用する用途では、SIM集積回路チップがメモリカードの中に組み込まれると便利である(前述)。この種の複合的なメモリカードに無線機能を搭載する技術は見受けられないが、本発明者らは、SIM機能を使用するために、例えばFeliCaのような非接触型ICカードの機能を搭載することを容易に想到することができる。ところが、13.56MHzの周波数帯を用いた電磁誘導方式のFelicaでは通信速度は最高でも最高212kbpsであり、大容量メモリカードに記録されたメディア・コンテンツを伝送するには十分な速度ではないという問題がある。勿論、無線LANやBluetooth通信などの従来の高速な無線通信技術を複合メモリカードに適用することも考えられるが、携帯電話に搭載するには消費電力が大き過ぎるという問題がある。
【0079】
本発明は、上述したような技術的課題を勘案したものであり、その主な目的は、GSM(11.11)及びISO/IEC7816で規定される通りのSIMカードのサイズ及び端子形状を備えるとともに、メモリカード、電子マネーやクレジット・カードといった複数の機能を携帯電話上で提供することができる、優れた記憶媒体、通信システム、並びに制御装置を提供することにある。
【0080】
本発明のさらなる目的は、携帯電話との接触型の接続インターフェースの他に非接触インターフェースを備え、メモリカード、電子マネーやクレジット・カードといったサービス提供に関する記憶内容が非接触インターフェースを介して外部の制御装置によって好適に制御される、優れた記憶媒体、通信システム、並びに制御装置を提供することにある。
【0081】
本発明のさらなる目的は、GSM(11.11)及びISO/IEC7816で規定される通りのSIMカード内にアンテナを含む非接触インターフェースに関するすべての回路コンポーネントを収容するとともに、携帯電話に装着した状態でも携帯電話端末側の部品による妨害を受けることなく非接触インターフェースの十分な通信性能を確保することができる、優れた記憶媒体、通信システム、並びに制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0082】
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、携帯電話と、前記携帯電話に装着して用いられ、少なくとも前記携帯電話の加入者情報を記憶する記憶媒体と、前記記憶媒体を用いたアプリケーション機能を提供する制御装置で構成され、
前記記憶媒体と前記携帯電話を接続する接触型接続手段と、
前記記憶媒体と外部の制御装置を接続する無線通信手段を備え、
前記携帯電話は前記接触型接続手段を介して前記加入者情報を制御可能であるとともに、前記制御装置は前記無線通信手段を介して前記加入者情報を制御可能である、
ことを特徴とする通信システムである。
【0083】
但し、ここで言う「システム」とは、複数の装置(又は特定の機能を実現する機能モジュール)が論理的に集合した物のことを言い、各装置や機能モジュールが単一の筐体内にあるか否かは特に問わない(以下、同様)。
【0084】
現在、携帯電話に対して、SIMカード、メモリカード、非接触型ICカードの機能が個別の媒体として適用され、キャリアのサービスに利用されている。しかしながら、これはキャリア主導により携帯電話に関わる種々のサービスを一体化して提供するという日本国内のビジネス・モデルに依存するものであり、キャリアは加入者情報を格納したSIMカードをユーザに供給するだけで、キャリアによるサービス提供の自由度が制限されるその他の多くの国々に浸透し難いのが実情である。
【0085】
本発明者らは、日本以外の各国においてもキャリアが携帯電話で実現するサービス提供の自由度を確保する1つの方法とて、キャリアがユーザに供給するSIMカード内にさまざまな機能を搭載することが好適である、と思料する。例えば、SIMカード上に非接触ICカード機能を搭載していれば、端末交換時には、ユーザの手でSIMカードとともに電子マネー情報を移行することができて便利ということになる。
【0086】
ここで、非接触ICカード技術をSIMカードに搭載した場合について考察してみると、従来の電磁誘導方式では、通信距離がアンテナ依存となり十分長くない、電池など端末内の他の部品によって電波が妨害され易い、コイル状アンテナの引き回しの制約により、SIMカードや端末本体の設計が困難である、といった問題がある。
【0087】
これに対し、本発明では、携帯電話に装着して用いられる記憶媒体は、前記携帯電話と接続する接触型接続手段と、外部の制御装置と接続する無線通信手段と、前記携帯電話の加入者情報を記憶する加入者情報記憶手段を備え、前記加入者情報記憶手段は、前記接触型接続手段を介して前記携帯電話から制御可能であるとともに、前記無線通信手段を介して前記制御装置から制御可能となっている。この記憶媒体は、基本的には、GSM(11.11)及びISO/IEC7816で規定される通りのSIMカードのサイズと端子形状を備えている。
【0088】
ここで、前記無線通信手段は変調処理を施した反射波によりデータを送信する反射器を備えるとともに、前記制御装置は無変調キャリアを送信して前記反射器からの変調反射波からデータを読み取る反射波読取装置を備えており、前記制御装置とを接続する無線インターフェースは、反射波伝送方式を採用している。
【0089】
すなわち、本発明に係る記憶媒体は、反射波伝送方式による無線通信機能を搭載したSIMカードとして構成することができ、無線通信を介して外部の制御装置からSIMカードの制御インターフェースにアクセスすることができる。ここで、反射波伝送に2.4GHzの周波数帯を利用する場合、13.56MHz帯を使用するFeliCaに対してアンテナ・サイズを小さくすることができ、SIMカードと無線通信機能とを一体化することが容易になる。
【0090】
反射波伝送用のアンテナをSIMカードなどの記憶媒体に内蔵する場合、携帯電話のスロットに装着したときに、端末の種類に応じてSIMカードの向き(表裏)が異なる可能性を考慮して、内蔵アンテナをSIMカードの表面、裏面双方に配置すると良い。
【0091】
また、SIMカードとして構成される記憶媒体には、キャリアが加入者情報を取り扱うSIM機能とともに、電子マネーなどを取り扱うクレジット機能を搭載するようにしてもよい。この場合、制御装置からは反射波伝送を介してクレジット機能を制御することができる。あるいは、SIMカードに大容量のメモリカード機能を付加すると、制御装置からは反射波伝送を介してメモリカードの制御インターフェースにアクセスすることができる。
【0092】
このような場合、前記接触型接続手段は、ICカード・インターフェースとして、ISO/IEC7816−3に対応したデータ転送制御を行なう。また、前記無線通信手段は、前記制御装置との間で、ISO/IEC7816−4に規定されたコマンド/レスポンスAPDUを伝送する。
【0093】
また、この場合、前記携帯電話から前記接触型接続手段を通じて前記加入者情報記憶手段に対してISO/IEC7816−3に規定される転送プロトコル方式(T=0、T=1)を設定するようにしてもよい。そして、前記無線通信手段は、前記制御装置からのアクセスに際し、前記携帯電話から前記加入者情報記憶手段に設定された転送プロトコル方式を認識し、該転送プロトコル方式に則ったコマンド/レスポンス制御を行なうようにすればよい。
【0094】
また、本発明に係る記憶媒体は、サービス提供に関するサービス情報を記憶するサービス情報記憶手段をさらに備えることができる。ここで言うサービス提供に関するサービス情報は、従来は非接触ICカードとして提供されている電子マネー、クレジット・カードなどの機能のことである。そして、制御装置は、制御装置は、前記無線通信手段を介して前記のクレジット機能に対する入出金並びに課金制御を行なうことができる。
【0095】
すなわち、本発明によれば、携帯電話に非接触のクレジット機能を容易に搭載することができる。また、従来のSIMカードの形状や端子はそのままでよいことから、従来の携帯電話端末を改造する必要なく、本発明を円滑に適用することが可能である。また、携帯電話の端末交換時において、SIMカードを移し変えるだけで情報の移行を簡易に行なうことができる。
【0096】
また、本発明に係る記憶媒体は、同一の形状の中にメモリカード機能及び該メモリカード機能にアクセスするためのメモリカード端子をさらに備えていてもよい。このようなメモリカード機能は、前記メモリカード端子を介して前記携帯電話から制御可能であるとともに、そして、前記無線通信手段を介して前記制御装置から制御可能である。制御装置は、例えばメモリカード機能に対するメディア・コンテンツの送受信を行なうことができる。また、制御装置は、メモリカード機能に記録されているメディア・コンテンツの受信並びに再生を制御することができる。
【0097】
この場合、前記無線通信手段は、前記制御装置との間で、ISO/IEC7816−4に規定されたコマンド/レスポンスAPDUを伝送する。前記制御装置との間のコマンド・レスポンスには、前記メモリカード機能を制御するためのコマンド/レスポンスと、ISO/IEC7816−4に対応したコマンド/レスポンスとを区別するためには、アクセス種別を与える情報要素を含めるとよい。これによって、SIMカードに設定された転送プロトコルを変更することなく、携帯電話と制御装置と双方から同じ転送プロトコルでSIMカードへのアクセスを行なうことができる。
【0098】
ここで言うメモリカード機能は、メモリースティック、SDカード、MMC、コンパクトフラッシュ(登録商標)、USBメモリのうちいずれかの規格に規定されたメモリカード形状及びメモリカード端子を備えるものとする。反射波伝送方式の無線通信機能を搭載したSIMカードに対して、大容量のメモリカード機能を付加した場合、反射波伝送によりアクセスすることによって、携帯電話上で利用するメディア・コンテンツを制御装置からも扱うことができるようになる。このようなメモリカード機能をSIM機能、及びクレジット機能と組み合わせることで、キャリアは、メディア・コンテンツの配信サービスを提供することができる。
【0099】
また、ユーザは、本来携帯電話で利用するコンテンツを、反射波伝送を介して転送することで、外部機器から利用(すなわちコンテンツの再生)することも可能になる。コンテンツの読み取りに際しては、反射波伝送によれば低消費電力且つ高速の操作を行なうことができる。
【発明の効果】
【0100】
本発明によれば、GSM(11.11)及びISO/IEC7816で規定される通りのSIMカードのサイズ及び端子形状を備えるとともに、メモリカード、電子マネーやクレジット・カードといった複数の機能を携帯電話上で提供することができる、優れた記憶媒体、通信システム、並びに制御装置を提供することができる。
【0101】
また、本発明によれば、携帯電話との接触型の接続インターフェースの他に非接触インターフェースを備え、メモリカード、電子マネーやクレジット・カードといったサービス提供に関する記憶内容が非接触インターフェースを介して外部の制御装置によって好適に制御される、優れた記憶媒体、通信システム、並びに制御装置を提供することができる。
【0102】
また、本発明によれば、GSM(11.11)及びISO/IEC7816で規定される通りのSIMカード内にアンテナを含む非接触インターフェースに関するすべての回路コンポーネントを収容するとともに、携帯電話に装着した状態でも携帯電話端末側の部品による妨害を受けることなく非接触インターフェースの十分な通信性能を確保することができる、優れた記憶媒体、通信システム、並びに制御装置を提供することができる。
【0103】
本発明に係る記憶媒体は、SIMカードに反射波伝送方式による無線通信機能を搭載し、このような無線インターフェースを介して外部の制御装置からSIMカードの制御インターフェースにアクセスするように構成されている。そして、無線インターフェースでは、例えばISO/IEC7816−4に基づくコマンド/レスポンス体系を伝送する。したがって、携帯電話から行なう場合と同様に、外部の制御装置からも無線インターフェースを介してSIMカードの記憶内容を制御することができる。また、SIMカードの上位レベルのプロトコルに依存しないため、さまざまな種類のカードに対して無線機能を適用することができる。
【0104】
ここで、無線インターフェース経由でSIMカードにアクセスする際には、携帯電話からSIMカードに対して初期設定された転送プロトコル及びクロック・レートを認識した上でアクセス処理を行なうようにする。これによって、SIMカードに設定された転送プロトコル及びクロック・レートを変更することなく、携帯電話と制御装置と双方から同じ転送プロトコル及びクロック・レートでSIMカードへのアクセスを行なうことができる。
【0105】
また、SIMカードの機能として、キャリアが加入者情報を取り扱うSIM機能とともに、電子マネーなどを取り扱うクレジット機能を搭載することができる。そして、制御装置は、無線インターフェースを介して、SIM機能とともにクレジット機能を使用し、入出金、課金制御を行なうようにする。これによって、携帯電話上でも非接触のクレジット機能を利用することができる。従来のSIMカードの形状や端子はそのままであり、また、従来の携帯電話端末を改造する必要なく適用することが可能である。また、携帯電話の端末交換時には、SIMカードを移し変えるだけで、加入者情報と電子マネー情報をともに新機種に移行することができる。
【0106】
また、SIMカードに搭載する無線インターフェースとしての反射波伝送に2.4GHzの周波数帯を利用する場合、13.56MHz帯を使用するFeliCaと比較して、アンテナのサイズを小さくすることができ、カードと一体にすることができる。
【0107】
また、SIMカードにさらに大容量のメモリカード機能を付加してもよく、反射波伝送を介して外部の制御装置からメモリカードの制御インターフェースにアクセスすることができる。すなわち、そもそもは携帯電話から利用するメディア・コンテンツを外部の制御装置から扱うことが可能となる。キャリアは、大容量メモリカード機能をクレジット機能と組み合わせることで、メディア・コンテンツの配信サービスを提供することができる。また、ユーザは、本来は携帯電話で利用するコンテンツを反射波伝送によって送信することで、外部機器から利用することができる。コンテンツを読み取る際の反射波伝送は、低消費電力且つ高速の操作を行なうことができる。
【0108】
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0109】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳解する。
【0110】
本発明は、携帯電話の加入者情報を記憶するSIMカードに無線通信機能を搭載した記憶媒体であり、基本的には、ISO/IEC7816で規定される通りのカードのサイズ及び端子形状を備えている。
【0111】
また、本発明に係る記憶媒体は、無線通信方式として反射波伝送方式を用いている。ここで言う反射波伝送とは、反射器が受信電波に対し変調処理を施した反射波信号を送ることによって無線伝送を行なう通信方式である。反射波伝送は、反射器側からの送信比率が通信のほとんどを占めるような通信形態では低消費電力化を実現することができるという特徴がある。
【0112】
反射波伝送システムは、変調処理を施した反射波によりデータを送信する反射器と、反射器からの反射波からデータを読み取る反射波読取装置で構成される。データ伝送時には、反射波読取装置が無変調キャリアを送信する。これに対し、反射器は、例えばアンテナの終端のオン/オフなどの負荷インピーダンス操作を用い、無変調キャリアに対し伝送データに応じた変調処理を施すことで、データを送出する。そして、反射波読取装置側では、この反射波を受信し復調・復号処理して伝送データを取得することができる。
【0113】
反射器は、例えば、入射する連続波の電波を反射させるアンテナと、送信データの発生回路と、送信データに対応させてアンテナのインピーダンスを変化させるインピーダンス変化回路で構成される。図1には、反射器に適用される非接触無線部10の構成例を示している。
【0114】
参照番号1001は、SPDT(Single−Pole/Double−Throw Switch:単極/双投スイッチ)のアンテナ・スイッチであり、反射波の生成と送受信の切り替えを兼用する。端子cはアンテナに接続されている。
【0115】
データ送信時には、端子bはベースバンド制御部1002よりオフに制御され、右端のスイッチはオフとなる。そして、ベースバンド制御部1002より送信データ(TX_DATA)が端子aに加えられる。左端のスイッチは端子dを接地しているため、送信データが1のときはショート、0のときはオープンとなる。このようにして、アンテナ(図示しない)より受信された無変調キャリアは位相変調が施され、またアンテナより偏重反射波信号として放射される。
【0116】
一方、データ受信時には、端子bはベースバンド制御部1002よりオンに制御され、アンテナで受信されたASK変調信号は端子eを経由してASK受信部1003に送られ、ここで復調され受信データ(RX_DATA)に変換される。このようにして、受信データはベースバンド制御部1002に渡される。
【0117】
図2には、反射波読取装置側に適用される無線装置11の構成例を示している。図示の無線装置11は、アンテナ1101と、サーキュレータ1102と、受信部1103と、送信部1104と、ベースバンド制御部1105で構成される。
【0118】
上述の非接触無線部10からデータを読み取るとき、ベースバンド部1105の指示により、送信部1104から無変調キャリアが生成され、サーキュレータ1102を経由してアンテナ1101より非接触無線部10に向けて放射される。ここで、サーキュレータ1102は、送受信を同時に行なう際に、送信波(無変調キャリア)と受信波(変調反射波)を分離するために用いられる。
【0119】
上述したように、非接触無線部10側では無変調キャリアに対して反射波が生成され、無線装置110には変調反射波として戻ってくる。この変調反射波は、アンテナ1101、サーキュレータ1102を経由して受信部1103で受信され、ベースバンドIQ信号に変換され、ベースバンド制御部1105で復調される。
【0120】
一方、無線装置110から非接触無線部10にデータや制御コマンドを送信するときには、ベースバンド制御部1105からの送信データに従って送信部1104でASK変調波を生成し、同様にアンテナ1101より放射される。ベースバンド制御部1105は、システム・バス1106に接続され、これを介してCPU(Central Processing Unit)1107とデータの授受を行なう。CPU1107は、通信プロトコルの上位層処理や装置全体の動作制御のための処理を行なう。
【0121】
ここで、非接触無線部10において、アンテナの負荷インピーダンスを変化させるためのアンテナ・スイッチ1001を、回路モジュールに組み込んでCMOSトランジスタで構成することもできるが、回路モジュールとは切り離して、ガリウム砒素(GaAs)のIC(Integrated Circuit)で構成することで、低消費電力で高速な切り替え動作が可能となる。後者の場合、反射波変調によるデータ伝送レートが向上するとともに、その消費電力は数10μW以下に抑制される。したがって、無線LANでは通信時に数百mW〜数W程度の電力を消費することを考慮すると、反射波通信は一般的な無線LANの平均消費電力と比較すると圧倒的な性能差を持つと言える(例えば、特開2005−64822号公報を参照のこと)。
【0122】
また、反射器を搭載した非接触無線部10(若しくはこれを搭載したSIMカード)は、受信電波を反射する動作を行なうだけで自らキャリアを発生する訳でないから、無線局とはみなされず、電波通信に課される法規制の対象外として扱われる。また、電磁誘導方式など他の非接触通信システムでは数MHz〜数百MHz(例えば13.65MHz)の周波数を用いるのに対し、反射波通信方式では例えばISM(Industrory Science and Medical Band)と呼ばれる2.4GHz帯の高帯域を用いた高速なデータ伝送を実現することができる。
【0123】
反射波伝送システムの性能仕様を下表に示しておく。同表において、「上り」とは非接触無線部10から無線装置11への方向を示し、「下り」とは無線装置11から非接触無線部10への方向を示すものとする。
【0124】
【表1】

【0125】
図3には、無線インターフェースに反射波伝送方式を適用したSIMカード12のハードウェア構成を示している。図示のSIMカードは、図17に示したSIMカードに、非接触無線部10と、内蔵アンテナ1200と、ICカード制御部1201、セレクタ1202が追加して搭載された構成である。
【0126】
無線インターフェース7は、反射波伝送方式を介してSIMカード12を制御するためのインターフェースであり、ICカード・インターフェースに適用されるコマンド/レスポンスAPDUのデータ(図20を参照のこと)を無線フレームによってトランスポートすることを特徴とする。
【0127】
非接触無線部10は、内蔵アンテナ1200を経由して無線フレームを受信すると、当該フレームに搭載されるコマンド・データをICカード制御部1201に送信する。
【0128】
ICカード制御部1201は、セレクタ1202を介して、ICカード・インターフェースに適用される所定の電気信号によって、ICカード・インターフェース・コントローラ301と接続される。なお、セレクタ1202は、ICカード制御部1201からの電気信号と、ICカード端子部300からの電気信号との経路選択制御を行なう。
【0129】
ICカード制御部1201は、ISO/IEC7816に準拠したデータ転送方式により、コマンド・データをICカード・インターフェース・コントローラ301に送信する。そして、CPU302におけるコマンド処理の結果として、レスポンス・データを受信する。レスポンス・データは、非接触無線部10によって無線フレームに搭載され、内蔵アンテナ1200を経由して無線インターフェース7に送信される。
【0130】
内蔵アンテナ1200の構成に関しては、SIMカード12を携帯電話のスロットに入れる際に、端末の種類に応じてSIM12カードの向き(表裏)が異なる可能性を考慮し、内蔵アンテナをSIMカードの表面、裏面双方に配置すると良い。
【0131】
一方、図4には、図3に示したSIMカード12を、反射波伝送方式の無線インターフェース7を介して制御する制御装置13のハードウェア構成を模式的に示している。図示の制御装置13は、無線装置11から無線インターフェース7を介してSIMカード12を制御する。
【0132】
無線装置11は、ICカード・インターフェースに適用されるコマンド/レスポンスAPDUのデータ(前述)を送受信するので、図18に示した携帯電話側のICカード・インターフェース・コントローラ401と同等の機能を制御装置13に提供する。また、CPU402、システム・バス403、ROM404、RAM405、暗号ブロック406、並びにEEPROM407は、図18で説明したのと同じ機能を持つ。
【0133】
また、UI(User Interface)機能部1300、及び通信機能部1301は、制御装置13が提供するアプリケーション機能に対応して提供される。制御装置13のアプリケーション例に関しては、後述に譲る。
【0134】
図23には、SIMカードとメモリカードとを1つの形状に搭載したカードの構成例を示した。図5には、メモリカード機能と一体化するとともに、さらに無線インターフェースとして反射波伝送方式を適用したSIMカード14のハードウェア構成例を示している。
【0135】
図示のSIMカード14は、図23に示したSIMカードに対し、内蔵アンテナ1200と、非接触無線部10、さらにはICカード/メモリカード制御部1400と、セレクタ1401を搭載している。
【0136】
SIMカード14は、図3に示したSIMカードの構成と同様に、非接触無線部10を介してSIMカード機能部に対する無線制御を行なうとともに、メモリカード機能部の無線制御を行なう。すなわち、無線インターフェース7においては、共通の無線フレーム上でメモリカードを制御するコマンド/レスポンスをトランスポートする。
【0137】
また、SIMカード14は、非接触無線部10を介してコマンド・データ/レスポンス・データを送受信する。ICカード/メモリカード制御部1400によって、メモリカード・インターフェース・コントローラ801との間でコマンド/レスポンスの転送制御を行なう。
【0138】
セレクタ1401は、メモリカード端子部800を経由した電気信号と、ICカード/メモリカード制御部1400からの電気信号との経路選択制御を行なう。
【0139】
なお、メモリカードの制御方式に関しては、例えば本出願人に既に譲渡されている特開2006−202260号公報を参照されたい。また、無線インターフェース上のトランスポート方式に関しては、例えば本出願人に既に譲渡されている特開2006−146460号公報や特願2006−330894号明細書を参照されたい。
【0140】
図6には、無線フレームの構成例を示している。送受信において共通の構成が与えられる。
【0141】
プリアンブル150は、フレームのビット同期などを行なうためのデータである。ユニーク・ワード151は、フレーム同期を行なうための固定パターンのデータである。ヘッダ152は、フレーム種別1521、送信先アドレス1522、送信元アドレス1523、コントロール1524、及びデータ長1525によって構成される。フレーム種別1521はビーコン、制御フレーム、データ・フレームなどの区別を与える。送信先アドレス1522と送信元アドレス1523は、フレームの送受信先を与える。コントロール1524は、再送制御や到達確認などを行なう。データ長1525は、データ153、送受信を行なうデータ領域であり、データ・フレームにおいては一般的に「ペイロード」と呼ばれる。FEC154は、フレーム・エラー・チェック(Frame Error Check)を行なうための誤り訂正符号であり、例えばCRC32などが用いられる。
【0142】
また、図7には、データ・フレームにSIMカードに適用される制御コマンド体系を搭載するフレーム構成を示している。
【0143】
無線フレーム(データ・フレーム)15のペイロード153に、図20に示したコマンドAPDU60、あるいはレスポンスAPDU61が、アクセス種別160と併せて搭載される。アクセス種別1600は、上述したSIMカード14のICカード/メモリカード制御部1400の制御対象を識別するための種別情報であり、ここでは制御対象をICカード側にするよう値が与えられる。
【0144】
また、図8には、データ・フレームにメモリカードに適用される制御コマンド体系を搭載するフレーム構成例を示している。同様のフレーム構成は、特願2006−330894号明細書にも開示されており、メモリカードに対する直接的なレジスタ制御、コマンド制御、バッファ制御を、無線を介して実施することを特徴とする。
【0145】
同図に示すデータ・フレームは、制御コマンド1700、あるいはレスポンス1701が、アクセス種別1600と併せてペイロード153に搭載される。アクセス種別は図7に示したものと同様、SIMカード14のICカード/メモリカード制御部1400の制御対象を識別するための種別情報であり、ここでは制御対象をメモリカード側にするよう値が与えられる。
【0146】
また、図9には、データ・フレームにセクタ・データを連結してメモリカードにリード/ライトする制御コマンド体系を搭載するフレーム構成例を示している。参照番号180はリードを行なう際のペイロード構成を示し、参照番号181はライトを行なう際のペイロード構成を示す。参照番号1800並びに1801は、リード用のコマンド並びにレスポンスを示し、参照番号1802並に1803はライト用のコマンド並びにレスポンスを示す。同様のフレーム構成は特開2006−146460号公報にも開示されている。メモリカード側で、一連のレジスタ制御、コマンド制御、バッファ制御を実行させることで、セクタ単位のリード/ライトを行なうことを特徴とする。また、セクタ・データを連結してデータの転送を行なうことで、無線フレームの効率を向上させることができる。
【0147】
同図に示すデータ・フレームは、制御コマンド1800(1802)、あるいはレスポンス1801(1803)が、アクセス種別160と併せて搭載される。アクセス種別は図7並びに図8に示したものと同様、SIMカード14のICカード/メモリカード制御部1400の制御対象を識別するための種別情報であり、ここでは制御対象をメモリカード側にするよう値が与えられる。
【0148】
図10には、SIMカード12を制御装置13から制御するためのフレーム・シーケンス例を示している。ここでは、図21において携帯電話2がキャリア3に対して行なっていた認証シーケンスを、制御装置13が行なうことを例として説明する。制御装置13は公衆網5若しくはその他の固定網と接続されていることを前提とするが、キャリア3との間の通信方式については、図21の場合と同様に、本発明の要旨に直接関連しないので詳細な説明を省略する。
【0149】
SIMカード12は、携帯電話2のスロットに挿設して使用される。携帯電話2の起動(1900)とともに、携帯電話2からSIMカード12に対して電源が投入される。SIMカード12は電源投入により、無線通信に対する初期設定(1901)を行なう。また、携帯電話2からSIMカード12に対して、起動処理500、リセット処理501、及びプロトコル設定処理502(図19を参照のこと)が行なわれる。これにより、ICカード・インターフェース・コントローラ301は、所定のプロトコルによりデータ転送を行なうよう設定される。
【0150】
このとき、ICカード制御部1201もまた同じプロトコルでICカード・インターフェース・コントローラ301に対しデータ転送を行なわなければならない。そこで、セレクタ1202には、ICカード端子部300とICカード・インターフェース・コントローラ301との間のICカード・インターフェースをモニタすることで、PTS要求及びPTS応答(前述)からプロトコルの種別情報及びクロック・レート変換因子を取得し、ICカード制御部1201に対して通知する機能が備わる。以上のようにして、ICカード制御部1201に対するプロトコル設定処理(1902)が完了する。
【0151】
図示のフレーム・シーケンス例では、制御装置13からSIMカード12に対してコネクション型の接続を行なう。制御装置13は、ビーコン・フレーム1903を定期的に同報し、SIMカード12からの応答を待つ。ユーザ操作により、SIMカード12(を搭載した携帯電話)を制御装置13に近接させたときに、SIMカード12はビーコン・フレーム(1903)を受信し、これに応答して自身の所在を所在通知フレーム(1904)によって制御装置13に通知する。これに対し、制御装置13は、所在通知フレーム(1904)を受信し、接続要求フレーム(1905)を送信する。そして、SIMカード12から接続応答フレーム(1906)を受信することにより接続が確立する。
【0152】
以降は、図7に示したデータ・フレームによって、制御装置13からSIMカード12に対するコマンド/レスポンス制御が行なわれる。具体的には、認証要求コマンド(1907)のINS(601)には、「認証要求」を示す値が与えられる。コマンドAPDUのデータ領域(605)に乱数(701)が指定され、Lc(604)にそのデータ長が指定される。
【0153】
SIMカード1は、認証要求コマンド(1907)を受信し、認証データ(703)とセッション鍵Ks(704)の演算を開始する。それとともに認証要求レスポンス(1908)を送信する。レスポンスAPDUのSW1、SW2に処理の正常開始を表す処理ステータスが設定される。
【0154】
制御装置3は、認証データ(703)を取得するために、SIMカード1に対して認証応答コマンド1909を発行する。コマンドAPDUのINS(601)に「認証応答」を示す値が、Lc(604)には認証データ(703)のデータ長がそれぞれ指定される。
【0155】
SIMカード12は、演算結果として得られた認証データ(703)をレスポンスAPDUのデータ領域(610)に付加して、認証応答レスポンス(1910)を送信する。このとき、レスポンスAPDUのSW1、SW2には処理ステータスが設定される。
【0156】
このようにして、携帯電話2から行なうのと同等のコマンド制御(図21を参照のこと)を、制御装置13から無線を介して行なうことができる。また、メモリカード機能を併せて搭載するSIMカード14に対しては、図8に示したデータ・フレームを用いることで、携帯電話2から行なうのと同等のコマンド制御を行なうことが可能になる。さらに、図9に示したデータ・フレームを用いることで、高速のメモリ・データ・アクセスを行なうことができる。
【0157】
同一のコネクションに対して、所定のSIMカード制御、メモリカード制御を行なった後制御装置13はSIMカード12(又は14)に対して切断要求フレーム(1911)を送信し、SIMカード12(又は14)から切断応答フレーム(1912)を受信して通信を終了する。
【0158】
図11には、本発明に係るSIMカードと制御装置とを用いて、電子マネーあるいはクレジッド・カードのサービスを提供する無線通信システムの構成例を示している。
【0159】
SIMカード120は、従来のSIMカードと同様の、キャリア30に対する加入者情報を取り扱う機能(SIM機能)を有するとともに、通常はICカードの形態で提供される電子マネー、若しくはクレジット・カードの機能(クレジット機能)を有する。具体的には、電子マネーやクレジット・カードに関わる情報(クレジット情報)をSIMカード(ICカード)の記憶領域に記憶し、適用する機器、及びセンタ31との間で、これら情報を安全に取り扱うためのプロトコルを有する。このプロトコルは、ICカード・インターフェース4、あるいは無線インターフェース7から一連のコマンド/レスポンス制御を行なうことで実現される。
【0160】
携帯電話20は、SIMカード120を通常のSIMカードと同様にICカード・インターフェース4を介して制御する。従来の携帯電話の場合は、SIM機能のみに対応するが、本実施形態では、携帯電話20はSIM機能とともにクレジット機能にも対応する。
【0161】
制御装置130は、無線インターフェース7を介してSIMカード120にアクセスするとともに、通信網5を介してキャリア30、センタ31と接続する。
【0162】
図11に示したシステム構成によれば、SIMカード120を携帯電話20に適用することにより、従来通り加入者認証による携帯電話20の使用が可能である。また、携帯電話20がクレジット機能に対応する場合には、携帯網を介して電子マネー/クレジット・カードのサービスを利用することができる。
【0163】
さらに、制御装置130を介しても同様に電子マネー/クレジット・カードのサービスを利用することができる。この場合、制御装置130は、SIMカード120、及びセンタ31との間で、電子マネー/クレジット・カードを利用する際の入出金、課金などの処理(クレジット処理)を行なう決済端末としての役割を担う。
【0164】
また、図11に示したシステムでは、同一のSIMカードにおいて、加入者認証と、クレジット処理とを行なうことが可能である。したがって、携帯電話のキャリアにとってはサービス提供の自由度が高まり、本来の通話などのサービスと併せて、電子マネー/クレジット・カードのサービスをユーザに提供することができるようになる。
【0165】
また、加入者情報とクレジット情報を1つのSIMカードで管理できるので、携帯電話を有するユーザにとっては、携帯電話端末の交換時にSIMカードを取り換えるだけで、これら情報を移すことができるという利点がある。
【0166】
図12には、上述した多機能のSIMカードと制御装置とを用いて、著作権管理(DRM:Digital Right Management)コンテンツの配信サービスを提供する無線通信システムの構成例を示している。
【0167】
DRMのシステムは、典型的にはコンテンツ提供者とライセンス管理者とユーザという参加者で構成される。ユーザは、コンテンツの再生装置を所持し、それを使ってコンテンツを利用する。また、ライセンス管理者は、ユーザにライセンスの発行を行なう。また、コンテンツ提供者は、ユーザにコンテンツの提供を行なう。DRMでは、コンテンツのライセンス(利用許可)をユーザに与えることは、コンテンツ鍵をそのユーザの(特定の)正当な再生装置に与えることで実現される。ここで言う「正当性」とは、再生装置が暗号鍵やコンテンツ鍵、並びに復号されたコンテンツを外部に漏らさないで処理できることを意味する。
【0168】
SIMカード140は、図5に示した構成を備え、SIMカード120の機能(SIM機能、クレジット機能)に加え、さらに大容量のメモリカード機能を有する。このうちメモリカード機能には著作権管理(DRM)機能が含まれ、適用する機器との間で、認証制御及びコンテンツの暗号化制御が行なわれる。
【0169】
図示のシステム構成では、携帯電話21は、SIM機能、クレジット機能、及び著作権管理コンテンツを再生する機能を有することを想定している。ここでは、携帯電話21は、ICカード・インターフェース4と、メモリカード・インターフェース6とによってSIMカード140を制御するものとする。
【0170】
また、制御装置131は、無線インターフェース7を介してSIMカード140にアクセスするとともに、通信網5(固定網)を介してキャリア30、センタ31、並びにコンテンツ配信サーバ32と接続する。
【0171】
図12に示したシステム構成によれば、SIMカード140を携帯電話21に適用することにより、携帯網を介して通話、並びに電子マネー/クレジット・カードのサービスとともに、コンテンツ配信サービスを利用することができる。さらに、制御装置131を介して同様のサービスを利用することができる。
【0172】
後者の場合、制御装置131は、SIMカード140に対して著作権管理コンテンツのダウンロード処理を行なうとともに、クレジット処理によるコンテンツを利用するためのライセンス購入手続きを行なう。このようにダウンロード処理とクレジット処理を組み合わせることで、音楽や映像などの著作権保護が施されたコンテンツの購入を、例えば携帯電話21を制御装置131にかざすといった簡易なユーザ操作によって同時に行なうことができる。
【0173】
また、同一のSIMカードにおいて、加入者認証と、クレジット処理と、ダウンロード処理とを行なうことができるので、携帯電話のキャリアにとっては、通話サービス、電子マネー/クレジット・カードのサービスと併せてコンテンツ配信のサービスをユーザに提供することができ、サービス提供の自由度が高まるという利点がある。
【0174】
また、加入者情報、クレジット情報、並びにコンテンツ情報を1つのSIMカードで管理できるので、携帯電話を有するユーザにとっては、携帯電話端末の交換時にSIMカードを取り換えるだけで、これら情報を一斉に移すことができるという利点がある。
【0175】
図13には、図12中のSIMカード140に記録されたDRMコンテンツの再生を制御装置で再生を行なう様子を示している。
【0176】
制御装置132は、無線インターフェース7を介して、SIMカード140のメモリカード領域に記憶されたDRM情報と、暗号化されたコンテンツとを取得し、DRM処理を施してコンテンツの再生を行なう。制御装置132は、映像コンテンツに対しては、テレビ2200への出力を行ない、音楽コンテンツに対してはスピーカ2201への出力を行なうよう、各コンテンツ・メディアに対応した出力機能を有する。
【0177】
このように、本来はメモリカードを装着した携帯電話21によってしか再生できないDRMコンテンツを、無線インターフェース7を介して送出することによって他の機器でも再生することができるようになる。また、個人で楽しむ利用スタイルを、複数人で楽しむ利用スタイルにすることが可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0178】
以上、特定の実施形態を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。
【0179】
本明細書では、携帯電話の加入者情報を記憶する記憶媒体として、GSM(11.11)及びISO/IEC7816で規定されるSIMカードに適用した実施形態を中心に説明してきたが、本発明の要旨は必ずしもこれに限定されるものではない。現在、SIMカードはGSMやW−CDMAなどの方式の携帯電話で広範に使用されているが、勿論、SIMカードとの互換性の有無に関わらず、携帯電話の加入者情報を記憶するさまざまなタイプの記憶媒体にも同様に本発明を適用することができる。
【0180】
要するに、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、特許請求の範囲を参酌すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0181】
【図1】図1は、反射器に適用される非接触無線部100の構成例を示した図である。
【図2】図2は、反射波読取装置側に適用される無線装置11の構成例を示した図である。
【図3】図3は、無線インターフェースに反射波伝送方式を適用したSIMカードのハードウェア構成を示した図である。
【図4】図4は、図3に示したSIMカード12を、反射波伝送方式の無線インターフェース7を介して制御する制御装置のハードウェア構成を模式的に示した図である。
【図5】図5は、メモリカード機能と一体化するとともに、さらに無線インターフェースとして反射波伝送方式を適用したSIMカード14のハードウェア構成例を示した図である。
【図6】図6は、無線フレームの構成例を示した図である。
【図7】図7は、データ・フレームにSIMカードに適用される制御コマンド体系を搭載するフレーム構成を示した図である。
【図8】図8は、データ・フレームにメモリカードに適用される制御コマンド体系を搭載するフレーム構成例を示した図である。
【図9】図9は、データ・フレームにセクタ・データを連結してメモリカードにリード/ライトする制御コマンド体系を搭載するフレーム構成例を示した図である。
【図10】図10は、SIMカード12を制御装置13から制御するためのフレーム・シーケンス例を示した図である。
【図11】図11は、本発明に係るSIMカードと制御装置とを用いて、電子マネーあるいはクレジッド・カードのサービスを提供する無線通信システムの構成例を示した図である。
【図12】図12は、多機能のSIMカードと制御装置とを用いて、著作権管理コンテンツの配信サービスを提供する無線通信システムの構成例を示した図である。
【図13】図13は、SIMカード140に記録されたDRMコンテンツの再生を制御装置で再生を行なう様子を示した図である。
【図14A】図14Aは、SIMカードの構成を示した図である。
【図14B】図14Bは、非接触ICカードの構成を示した図である。
【図15】図15は、携帯電話2にSIMカード1を適用した様子を示した図である。
【図16】図16は、SIMカード及びICカードの機能について説明するための図である。
【図17】図17は、SIMカード(ICカード)のハードウェア構成を模式的に示した図である。
【図18】図18は、SIMカード1を搭載した携帯電話端末2のハードウェア構成を模式的に示した図である。
【図19】図19は、ISO/IEC7816−3、4規格に基づくSIMカード(ICカード)のインターフェース処理の手順を示したフローチャートである。
【図20】図20は、ISO/IEC7816−4規格に基づくSIMカード(ICカード)のインターフェースに適用されるコマンド/レスポンスのAPDUを示した図である。
【図21】図21は、SIMカードとICカードを用いた、認証、暗号化のプロトコル制御シーケンスの例を簡略化して示した図である。
【図22】図22は、メモリカードのハードウェア構成を模式的に示した図である。
【図23】図23は、SIMカードとメモリカードとを1つの形状に搭載したカードのハードウェア構成例を模式的に示した図である。
【符号の説明】
【0182】
1…SIMカード
2…携帯電話
4…ICカード・インターフェース
6…メモリカード・インターフェース
7…無線インターフェース
10…非接触無線部
1001…アンテナ・スイッチ
1002…ベースバンド処理部
1003…ASK受信部
11…無線装置
1101…アンテナ
1102…サーキュレータ
1103…受信部
1104…送信部
1105…ベースバンド処理部
1106…システム・バス
1107…CPU
12…SIMカード
1200…内蔵アンテナ
1201…ICカード制御部
1202…セレクタ
13…制御装置
1301…UI機能部
1302…通信機能部
14…SIMカード
1400…ICカード/メモリカード制御部
1401…セレクタ
30…キャリア
31…センタ
300…ICカード端子部
301…ICカード・インターフェース・コントローラ
302…CPU
303…システム・バス
304…ROM
305…RAM
306…暗号ブロック
307…EEPROM
400…ICカード・スロット
401…ICカード・インターフェース・コントローラ
402…CPU
403…システム・バス
404…ROM
405…RAM
406…暗号ブロック
407…EEPROM
408…UI機能部
800…メモリカード端子部
801…メモリカード・インターフェース・コントローラ
802…暗号ブロック
803…フラッシュ・コントローラ
804…フラッシュ・メモリ
2200…テレビ
2201…スピーカ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電話に装着して用いられる記憶媒体であって、
前記携帯電話と接続する接触型接続手段と、
外部の制御装置と接続する無線通信手段と、
前記携帯電話の加入者情報を記憶する加入者情報記憶手段を備え、
前記加入者情報記憶手段は、前記接触型接続手段を介して前記携帯電話から制御可能であるとともに、前記無線通信手段を介して前記制御装置から制御可能である、
ことを特徴とする記憶媒体。
【請求項2】
前記無線通信手段は変調処理を施した反射波によりデータを送信する反射器を備えるとともに、前記制御装置は無変調キャリアを送信して前記反射器からの変調反射波からデータを読み取る反射波読取装置を備え、前記制御装置とは反射波伝送方式によりデータ通信を行なう、
ことを特徴とする請求項1に記載の記憶媒体。
【請求項3】
GSM(11.11)で規定される通りのカードのサイズで形成されるとともに、前記接触型接続手段はISO/IEC7816−2で規定される通りの端子形状を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の記憶媒体。
【請求項4】
前記接触型接続手段は、ICカード・インターフェースとして、ISO/IEC7816−3に対応したデータ転送制御を行ない、
前記無線通信手段は、前記制御装置との間で、ISO/IEC7816−4に規定されたコマンド/レスポンスAPDU(Application Protocol Data Unit)を伝送する、
ことを特徴とする請求項1に記載の記憶媒体。
【請求項5】
前記携帯電話から前記接触型接続手段を通じて前記加入者情報記憶手段に対してISO/IEC7816−3に規定される転送プロトコル方式(T=0、T=1)及びクロック・レート変換因子(F、D)を設定することができ、
前記無線通信手段は、前記制御装置からのアクセスに際し、前記携帯電話から前記加入者情報記憶手段に設定された転送プロトコル方式及びクロック・レート変換因子を認識し、該転送プロトコル方式及びクロック・レート変換因子に則ったコマンド/レスポンス制御を行なう、
ことを特徴とする請求項4に記載の記憶媒体。
【請求項6】
サービス提供に関するサービス情報を記憶するサービス情報記憶手段をさらに備え、
前記サービス情報記憶手段に記憶されているサービス情報は、前記接触型接続手段を介して前記携帯電話から制御可能であるとともに、前記無線通信手段を介して前記制御装置から制御可能である、
ことを特徴とする請求項1に記載の記憶媒体。
【請求項7】
前記サービス情報記憶手段は、サービス提供に関するサービス情報として、電子マネー、クレジット・カードのうち少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする請求項6に記載の記憶媒体。
【請求項8】
同一の形状の中にメモリカード機能及び該メモリカード機能にアクセスするためのメモリカード端子をさらに備え、
前記メモリカード機能は、前記メモリカード端子を介して前記携帯電話から制御可能であるとともに、前記無線通信手段を介して前記制御装置から制御可能である、
ことを特徴とする請求項1に記載の記憶媒体。
【請求項9】
前記メモリカード機能は、メモリースティック、SD(Secure Digital)カード、MMC(マルチメディアカード)、コンパクトフラッシュ(登録商標)、USB(Universal Serial Bus)メモリのうちいずれかの規格に規定されたメモリカード形状及びメモリカード端子を備える、
ことを特徴とする請求項8に記載の記憶媒体。
【請求項10】
前記無線通信手段は、前記制御装置との間で、ISO/IEC7816−4に規定されたコマンド/レスポンスAPDU(Application Protocol Data Unit)を伝送することができ、
前記制御装置との間のコマンド・レスポンスには、前記メモリカード機能を制御するためのコマンド/レスポンスと、ISO/IEC7816−4に対応したコマンド/レスポンスとを区別するために、アクセス種別を与える情報要素が含まれる、
ことを特徴とする請求項8に記載の記憶媒体。
【請求項11】
前記記憶媒体は、反射波伝送用の内蔵アンテナを表面、裏面双方に配置する、
ことを特徴とする請求項2に記載の記憶媒体。
【請求項12】
携帯電話と、前記携帯電話に装着して用いられ、少なくとも前記携帯電話の加入者情報を記憶する記憶媒体と、前記記憶媒体を用いたアプリケーション機能を提供する制御装置で構成され、
前記記憶媒体と前記携帯電話を接続する接触型接続手段と、
前記記憶媒体と外部の制御装置を接続する無線通信手段を備え、
前記携帯電話は前記接触型接続手段を介して前記加入者情報を制御可能であるとともに、前記制御装置は前記無線通信手段を介して前記加入者情報を制御可能である、
ことを特徴とする通信システム。
【請求項13】
前記無線通信手段は、前記記憶媒体に搭載された、変調処理を施した反射波によりデータを送信する反射器と、前記制御装置に装備される、無変調キャリアを送信して前記反射器からの変調反射波からデータを読み取る反射波読取装置で構成され、反射波伝送方式によりデータ通信を行なう、
ことを特徴とする請求項12に記載の通信システム。
【請求項14】
前記記憶媒体はGSM(11.11)で規定される通りのカードのサイズで形成されるとともに、前記接触型接続手段はISO/IEC7816−2で規定される通りの端子形状を備える、
ことを特徴とする請求項12に記載の通信システム。
【請求項15】
前記接触型接続手段は、ICカード・インターフェースとして、ISO/IEC7816−3に対応したデータ転送制御を行ない、
前記無線通信手段は、ISO/IEC7816−4に規定されたコマンド/レスポンスAPDUを伝送する、
ことを特徴とする請求項14に記載の通信システム。
【請求項16】
前記携帯電話は、前記接触型接続手段を通じて前記記憶媒体に対してISO/IEC7816−3に規定される転送プロトコル方式(T=0、T=1)及びクロック・レート変換因子(F、D)を設定し、
前記制御装置は、前記無線通信手段を介して前記記憶媒体にアクセスする際に、前記の設定された転送プロトコル方式及びクロック・レート変換因子を認識し、該転送プロトコル方式及びクロック・レート変換因子に則ったコマンド/レスポンス制御を行なう、
ことを特徴とする請求項15に記載の通信システム。
【請求項17】
前記記憶媒体は、サービス提供に関するサービス情報をさらに記憶し、
前記携帯電話は前記接触型接続手段を介して前記サービス情報を制御可能であるとともに、前記制御装置は前記無線通信手段を介して前記サービス情報を制御可能である、
ことを特徴とする請求項12に記載の通信システム。
【請求項18】
前記サービス情報は、電子マネー、クレジット・カードのうち少なくとも1つを含み、
前記制御装置は、前記無線通信手段を介して前記のクレジット機能に対する入出金並びに課金制御を行なう、
ことを特徴とする請求項17に記載の通信システム。
【請求項19】
前記記憶媒体は、同一の形状の中にメモリカード機能及び該メモリカード機能にアクセスするためのメモリカード端子をさらに備え、
前記携帯電話は前記接触型接続手段を介して前記メモリカード機能を制御可能であるとともに、前記制御装置は前記無線通信手段を介して前記メモリカード機能を制御可能である、
ことを特徴とする請求項12に記載の通信システム。
【請求項20】
前記制御装置は、前記メモリカード機能に対するメディア・コンテンツの送受信を制御する、
ことを特徴とする請求項19に記載の通信システム。
【請求項21】
前記制御装置は、前記メモリカード機能に記録されているメディア・コンテンツの受信並びに再生を制御する、
ことを特徴とする請求項19に記載の通信システム。
【請求項22】
前記メモリカード機能は、メモリースティック、SD(Secure Digital)カード、MMC(マルチメディアカード)、コンパクトフラッシュ(登録商標)、USB(Universal Serial Bus)メモリのうちいずれかの規格に規定されたメモリカード形状及びメモリカード端子を備える、
ことを特徴とする請求項19に記載の通信システム。
【請求項23】
前記記憶媒体はGSM(11.11)の規定に従って構成されており、
前記制御装置は、前記記憶媒体との間のコマンド・レスポンスに、前記メモリカード機能を制御するためのコマンド/レスポンスと、ISO/IEC7816−4に対応したコマンド/レスポンスとを区別するために、アクセス種別を与える情報要素を含める、
ことを特徴とする請求項19に記載の通信システム。
【請求項24】
携帯電話に装着され、少なくとも前記携帯電話の加入者情報を記憶する記憶媒体を制御する制御装置であって、
前記記憶媒体と接続する無線通信手段と、
前記無線通信手段を介して前記記憶媒体を制御する制御手段と、
を具備することを特徴とする制御装置。
【請求項25】
前記記憶媒体は変調処理を施した反射波によりデータを送信する反射器を搭載しており、
前記無線通信手段は、無変調キャリアを送信して前記反射器からの変調反射波からデータを読み取る反射波読取装置で構成され、反射波伝送方式によりデータ通信を行なう、
ことを特徴とする請求項24に記載の制御装置。
【請求項26】
前記記憶媒体はISO/IEC7816で規定される通りのカードのサイズで形成され、前記携帯電話とはICカード・インターフェースを介してISO/IEC7816−3に対応したデータ転送制御を行ない、
前記無線通信手段は、前記記憶媒体との間で、ISO/IEC7816−4に規定されたコマンド/レスポンスAPDUを伝送する、
ことを特徴とする請求項24に記載の制御装置。
【請求項27】
前記記憶媒体にはISO/IEC7816−3に規定される転送プロトコル方式(T=0、T=1)及びクロック・レート変換因子(F、D)が設定されており、
前記無線通信手段は、前記記憶媒体にアクセスする際に、前記の設定された転送プロトコル方式及びクロック・レート変換因子を認識し、該転送プロトコル方式及びクロック・レート変換因子に則ったコマンド/レスポンス制御を行なう、
ことを特徴とする請求項26に記載の制御装置。
【請求項28】
前記記憶媒体は、サービス提供に関するサービス情報をさらに記憶しており、
前記無線通信手段を介して前記サービス情報を制御する、
ことを特徴とする請求項24に記載の制御装置。
【請求項29】
前記サービス情報は、電子マネー、クレジット・カードのうち少なくとも1つを含み、
前記無線通信手段を介して前記のクレジット機能に対する入出金並びに課金制御を行なう、
ことを特徴とする請求項28に記載の制御装置。
【請求項30】
前記記憶媒体は、同一の形状の中にメモリカード機能をさらに備えており、
前記無線通信手段を介して前記メモリカード機能を制御可能する、
ことを特徴とする請求項24に記載の制御装置。
【請求項31】
前記無線通信手段を介して前記メモリカード機能に対するメディア・コンテンツの送受信を制御する、
ことを特徴とする請求項30に記載の制御装置。
【請求項32】
前記無線通信手段を介して前記メモリカード機能に記録されているメディア・コンテンツの受信並びに再生を制御する、
ことを特徴とする請求項30に記載の制御装置。
【請求項33】
前記記憶媒体はGSM(11.11)及びISO/IEC7816の規定に従って構成されており、
前記無線通信手段は、前記記憶媒体との間のコマンド・レスポンスに、前記メモリカード機能を制御するためのコマンド/レスポンスと、ISO/IEC7816−4に対応したコマンド/レスポンスとを区別するために、アクセス種別を与える情報要素を含める、
ことを特徴とする請求項30に記載の制御装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2008−210301(P2008−210301A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−48289(P2007−48289)
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】