説明

記番号を有する紙葉類の補刷差替システム

【課題】 本発明は、記番号が印刷された記番号製品の補刷差替システムに関するものである。
【解決手段】 異常製品発生時に検査装置から送信された異常製品情報を受信し、異常製品と同一券種の補刷差替情報を補刷装置、差替装置へ送信し、異常製品発生時に補刷差替情報及び異常製品情報に基づき異常製品と同一券種の予備券を選択して給紙し、予備券を検査装置内において搬送させる予備券搬送手段と、異常製品と同一記番号を予備券上の同じ位置へ印刷して補刷製品とし、補刷製品の印刷模様、記番号、寸法及び厚みの補刷製品正損判定を行い、補刷製品の記番号と異常製品との記番号が同一であるかを検査して補刷製品正損判定及び記番号の同一性を検査し、通常補刷製品及び異常補刷製品を区別して集積することを特徴とする記番号を有する紙葉類の補刷差替システムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記番号が印刷された紙葉類の補刷差替システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、紙幣及び有価証券等の貴重印刷物には、流通性や製品保証の為に、連続番号が保証された記番号が印刷されている。一般的に記番号は、印刷工程終了後の枚葉紙に番号印刷装置で印刷している。記番号印刷工程終了後における枚葉紙は、断裁機により断裁され小切券となる。断裁後の小切券は、検査装置(例えば、特許文献1参照)において印刷模様、形状及び厚み等の品質検査を行う。検査装置において品質検査を行った際に、異常製品(以下「損紙」という。)が発生すると、その損紙に印刷されている記番号は欠番となる。このような場合、損紙と同じ記番号が印刷された正規状態に刷り直した製品(以下「補刷製品」という。)を作製し、損紙と補刷製品を差替える必要がある。
【0003】
補刷製品は、補刷装置を用いて作製されるが、補刷製品の作製方法としては、まず、作業者が損紙の記番号を目視で確認した後に、補刷装置における記番号印刷領域を目視確認した記番号と同じ記番号に手動でセットし、記番号が印刷されていない予備の小切券へ損紙と同じ記番号を印刷することで、補刷製品を作製し、作業員が損紙と補刷製品を目視確認しながら差替えることで、連続番号を有する正規製品として完成する。しかしながら、目視確認により記番号を手動でセットしているため、人的ミスにより所望の記番号とは異なる記番号をセットするセットミスや、損紙とは異なる券種の予備券に記番号を印刷する等、誤印刷が発生する可能性がある。
【0004】
このような問題点を解決するために、特許文献2には、補刷を容易に行うことが可能な、番号印刷システムが開示されている。番号印刷システムは、記番号印刷工程において欠番が発生すると、その番号(欠番番号)を選択した後、記番号印刷部にて欠番番号を入力する。次に、記番号印刷部において、欠番番号に応じて字輪を自動設定した後に補刷製品を作製する。最後に、補刷製品の記番号を確認装置にて確認し、補刷印刷は終了となる。
【0005】
さらに、特許文献3には、番号印刷工程を含む複数の工程から成る記番号製品の製造システムが開示されている。製造システムは、情報通信回線により連結されることで、各工程において欠番番号情報を共有している。また、作製した補刷製品は、番号照合手段により適合判定し、その判定結果に基づいて自動で欠番発生個所へと挿入する。各工程で発生する欠番番号情報を共有することで、必要の都度、速やかに補刷印刷を行うことが可能となる。また、番号照合手段の適合判定結果に基づき、補刷製品を自動で欠番発生個所へと挿入することで、従来発生していた人的ミスを減少させ、効率的、かつ、確実に記番号製品を製造することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第2573185号公報
【特許文献2】特開2002−192821号公報
【特許文献3】特開2008−229883号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2に開示されている番号印刷システムでは、記番号印刷時において発生した損紙のみを補刷する方法であり、最終工程である小切券の検査工程において発生した損紙の補刷方法の記載がない。また、欠番番号に応じて、字輪の記番号を自動設定しているが、記番号を有するほとんどの貴重印刷物は、券種ごとに記番号の書体や記番号印刷に用いるインキが異なっている。そのため、券種ごとに番号印刷システムを設ける必要があり、システムが大型化するという問題点がある。さらに、記番号製品は、券種ごとに、あらかじめ設定された記番号印刷位置があり、その記番号印刷位置は、券種ごとに異なる。そのため、券種が変わる都度、券種の種類に応じた記番号印刷位置となるように、予備小切券及び記番号印刷部の位置を、作業員が手動で調整しセットする必要がある。
【0008】
また、特許文献3に開示されている記番号製品の製造システムでは、番号照合手段の適合判定結果に基づき、補刷製品を欠番発生個所へ自動で挿入することで、従来発生していた差替作業時における人的ミスの発生を抑制することが可能となったが、補刷製品を自動で挿入する際に、番号照合のみで挿入している。そのため、多くの券種を一台の差替装置で差替える際には、誤って異なる券種の予備小切券をセットしたのちに補刷作業を行っても、同じ番号が印刷されていれば番号照合手段においては正常の補刷製品と判定されるため、異なる券種が混入したまま製品として出荷される恐れがある。
【0009】
本発明は、上記課題の解決を目的とするものであり、具体的には、検査工程において損紙と判定された小切券の記番号及び券種を読み取り、補刷工程においては、読み取った異常製品情報に基づいて損紙と同一券種の予備小切券を自動で選択し、さらには、券種ごとの記番号印刷位置に対応した所定位置へと位置決め及び記番号印刷を行うことの可能な記番号製品の補刷差替システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の記番号製品の自動補刷差替システムは、規則性を持って変化する連続番号を含む記番号が印刷された紙葉類の印刷模様、記番号、寸法及び厚みの正損判定を行い、正損判定結果に基づいて正常製品と異常製品とに区別する検査装置と、記番号が印刷されていない紙葉類である予備券へ、記番号印刷部により異常製品と同一の記番号を印刷して補刷製品を作製する補刷装置と、補刷製品を正常製品内に連続番号となるように挿入したのち、連続番号となっているか否かを判定する差替装置と、紙葉類の券種、記番号印刷位置、書体及び寸法の補刷差替情報及び検査装置において正損判定を行う際の判定基準をあらかじめ正常製品情報として記憶し、補刷差替情報及び正常製品情報をもとに検査装置、補刷装置及び差替装置を制御するサーバを備えた紙葉類の検査及び差替えを行う、記番号を有する紙葉類の補刷差替システムであって、補刷装置が、予備券を券種ごとに分類して保管する予備券保管手段と、予備券保管手段から、異常製品情報に基づき、異常製品と同一券種の予備券を選択して一枚ずつ給紙する予備券給紙手段と、予備券給紙手段により給紙した予備券を補刷差替情報をもとに券種ごとの寸法に対応した所定の位置へと位置決めする予備券位置決め手段と、記番号印刷部を補刷差替情報をもとに、券種ごとの記番号印刷位置に対応した所定の位置へと位置決めする記番号印刷位置決め手段と、予備券保管手段、予備券給紙手段、予備券位置決め手段及び記番号印刷位置決め手段を制御する補刷装置制御手段とを少なくとも備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の記番号製品の自動補刷差替システムにおける予備券位置決め手段は、予備券給紙手段により給紙した予備券の上端辺及び/又は下端辺の位置決めを行う前当部と、右端部及び/又は左短辺の位置決めを行う横当部とを有し、前当部又は横当部の少なくとも一つ以上を用いて、予備券をサーバにあらかじめ補刷差替情報として記憶した記番号印刷位置に基づき券種ごとの寸法に対応した所定の位置へと位置決めすることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の記番号製品の自動補刷差替システムにおける記番号印刷位置決め手段は、記番号印刷部を保持する記番号保持部と、記番号保持部を予備券給紙手段により給紙した予備券上の、予備券と平行する第一の方向及び/又は第一の方向に直交する第二の方向に移動する記番号移動部とを有し、記番号移動部を用いて、記番号保持部を補刷差替情報をもとに券種ごとの記番号印刷位置に対応した所定の位置へと位置決めすることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の記番号製品の自動補刷差替システムにおける記番号印刷部は、少なくとも二つ以上の字輪と、二つ以上の字輪を交換する字輪交換部を有し、二つ以上の字輪は、それぞれが他の字輪とは異なる書体の記番号を印刷可能な字輪であり、字輪交換部は、サーバにあらかじめ補刷差替情報として記憶した書体に対応した所定の書体の印刷可能な字輪を選択及びセットすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の記番号製品の自動補刷差替システムは、あらかじめ記番号製品の券種、記番号印刷位置、書体及び寸法を補刷差替情報としてサーバに記憶しておき、損紙発生時には、当該製品の印刷模様、記番号、寸法及び、券種、記番号印刷インキ、寸法等の正常製品情報等をもとに、自動で損紙と同じ券種の予備小切券及び記番号印刷インキを補刷装置へセットしたのち、あらかじめ設定した記番号印刷領域へ記番号印刷を行うことで、異なる券種の補刷製品の混入を防ぐとともに、作業の効率化が図れるという効果を奏する。
【0015】
また、異なる書体を有する字輪を複数設け、さらに補刷差替情報をもとに自動でセットするようにしたことで、誤って異なる券種の予備小切券に同じ番号を印刷することで発生していた、異なる券種の混入を未然に防ぐことが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の記番号製品の一例を示す平面図。
【図2】本発明の補刷差替システムの全体を表すブロック図。
【図3】本発明の補刷装置の全体を表すブロック図。
【図4】本発明の補刷作業手順を示すフローチャート。
【図5】本発明の記番号製品における積層形態の一例を示す図。
【図6】本発明の補刷差替作業手順を示すフローチャート。
【図7】本発明の補刷差替情報及び正常製品情報の一例を示す図。
【図8】本発明の予備券位置決め手段を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態について図面を用いて説明する。以下、本実施の形態において、記番号とは、印刷物の連続番号を含む記号及び番号のことであり、記番号製品とは、連続番号が付与された紙葉類であって、少なくとも一方の面に対して一箇所以上、所定の位置に記番号が付与された小切券のことである。
【0018】
図1は、本発明における記番号製品を示す平面図である。本実施の形態における記番号製品は、連続番号が印刷された紙葉類として、例えば、枚葉紙を断裁した紙葉類(以下「小切券」という。)のことである。また、小切券(1)に印刷された記番号とは、例えば、図1に示すような、三つの記号(図1においては、アルファベット)と6桁の番号のことを指す。以下、記番号が付与されている小切券(1)を、記番号順に積層する処理方法の一例について説明するが、本発明の記番号製品の自動補刷差替システムは、これに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載される技術的思想の範囲であれば、その他の形態が実施可能である。
【0019】
図2は、本発明における補刷差替システム(M)の全体を表すブロック図である。補刷差替システム(M)は、検査装置(2)、補刷装置(3)、差替装置(4)及びサーバ(5)により構成される。
【0020】
検査装置(2)は、小切券(1)の印刷模様、記番号、寸法及び厚み等を検査する装置であり、検査装置(2)は、少なくとも小切券検査部(6)及び検査装置制御部(7)を有する。小切券検査部(6)は、後述するサーバ(5)にあらかじめ記憶している正常製品情報に基づき、小切券(1)の印刷模様である表裏面画像、寸法、厚み等の正損判定を行い、正常製品又は損紙と判定するものであり、損紙が発生した際には、小切券検査部(6)において、損紙の券種及び記番号を読み取り、その券種情報及び記番号情報(以下「損紙データ」という。)を後述する検査装置制御部(7)へと送信する。また、検査装置制御部(7)は、検査装置(2)における各部の動作を制御する部であり、小切券検査時においては、サーバ(5)にあらかじめ記憶している正常製品情報を読み出し、その正常製品情報をもとに前述した小切券検査部(6)を動作制御し、検査を行う。小切券検査部(6)にて読み取った損紙データは、検査装置制御部(7)において受信した後、後述するサーバ(5)へと送信する。
【0021】
補刷装置(3)は、検査装置(2)における小切券検査部(6)にて発生した損紙と同じ記番号を有する補刷製品を印刷する装置であり、予備券保管手段(8)、予備券給紙手段(9)、予備券位置決め手段(10)、記番号印刷手段(11)、記番号印刷位置決め手段(12)及び補刷装置制御手段(13)とを少なくとも備えている。
【0022】
図3は、本発明における補刷装置(3)の全体を表すブロック図である。予備券保管手段(8)は、予備券を券種ごとに分類し、保管しておく手段である。補刷製品の券種が変更された時は、図示しない駆動手段により、所望の予備券が積載されている予備券保管手段(8)を自動でセットする。
【0023】
予備券保管手段(8)内には、積載した予備券の最上部を押えるためのバネ又はおもり等を設けても良い。バネ又はおもり等を設けることで、予備券を連続して予備券保管手段(8)内から給紙する際に、予備券同士の摩擦抵抗及び重量により発生する予備券のズレ及び折れの発生を抑制することが可能となる。また、予備券保管手段(8)内に積載した予備券の最上高さや、予備券の天地及び表裏の入れ違いを検出する積載検知センサ(14)を設けても良い。積載検知センサ(14)を設けることで、予備券の供給高さを一定に保ち、安定して供給を行うことが可能となる。また、一定の供給高さ以下となった際にも検知するセンサとすることで、予備券の残量不足による供給不良を防ぐことも可能となる。なお、積載検知センサ(14)は、表示灯又は警報(メロディー音)等を適宜用いることが可能である。
【0024】
予備券給紙手段(9)は、予備券保管手段(8)から、正常製品情報に基づき、損紙と同一券種の予備券を選択して一枚ずつ給紙する手段である。券種ごとに予備券が保管されている予備券保管手段(8)から、損紙と同じ券種の予備券を正常製品情報に基づき選択した後に、予備券を一枚ずつ取り出す。
【0025】
正常製品情報は、検査装置(2)において正損判定を行う際の判定基準のことである。正損判定は、正常製品と、当該小切券の印刷模様、記番号、寸法、厚み、券種、記番号印刷インキ、記番号印刷位置等を比較することで判定される。なお、小切券の印刷模様及び記番号印刷部に用いたインキが、磁気インキ、蛍光インキ等の特殊インキである際には、磁気特性、発光強度等が正常製品の基準値内であるか否かを判定基準に追加しても良い。
【0026】
予備券位置決め手段(10)は、予備券給紙手段(9)により給紙した予備券を、後述するサーバ(5)にあらかじめ記憶している補刷差替情報内の記番号印刷位置情報に基づき、券種ごとの寸法に対応した所定の位置へと位置決めする手段である。予備券位置決め手段(10)は、前当部(15)及び横当部(16)とを少なくとも有する。
【0027】
前当部(15)は、予備券給紙手段(9)により給紙した予備券の上端辺(X1)及び/又は下端部(X2)の位置決めを行う部である。また、横当部(16)は、予備券給紙手段(9)により給紙した予備券の右端部(Y1)及び/又は左端部(Y2)の位置決めを行う部である。前当部(15)及び横当部(16)には、ガイドレール、吸引口等を用いる。前当部(15)及び横当部(16)をガイドレールとし、予備券の下端部(X2)及び左端部(Y2)の位置決めを行うとした際のガイドレールは、サーバ(5)にあらかじめ記憶しておいた補刷差替情報内の記番号印刷位置に基づき、当該券種の寸法に対応した位置へと移動する。次に、予備券給紙手段(9)により給紙した予備券は、下端部(X2)がガイドレールに沿って進み、左端部(Y2)がガイドレールにそれぞれ沿って給紙される。そのまま予備券を給紙し続けることで、それぞれのガイドレールの延長上にある券種ごとの寸法に対応した所定の位置へと位置決めすることが可能となる。その後、予備券給紙手段(9)を停止して予備券を所定の位置へ固定させる。
【0028】
予備券位置決め手段(10)内には、予備券積載の有無を検出する積載検知センサ(14)を設け、予備券がない場合に、記番号印刷を開始しないように制御しても良い。また、前当部(15)及び横当部(16)には、吸着口のエアを入り切りすることが可能な電磁弁や、予備券を保持する押さえバネ又は固定具等を設けても良い。電磁弁や押さえバネ等を設けることで、位置決め後の予備券がずれて、搬送及び記番号印刷不良となることを防止することが可能となる。さらに、予備券位置決め手段(10)内には、重送検知センサ(17)を設けても良い。重送検知センサ(17)により重送を検出した場合は、表示灯又は警報(メロディー音)等が発生するとともに、当該予備券は自動で排除される。
【0029】
記番号印刷手段(11)は、予備券へ、検査装置(2)にて発生した損紙と同一の記番号を印刷する手段である。記番号印刷手段(11)は、番号器(18)及び番号器交換部(19)を有する。
【0030】
番号器(18)は、記番号を印刷するための器具であり、字輪(20)及びインキ供給仕組み(21)を少なくとも有する。字輪(20)は、0から9までの数字とアルファベット文字の凸版を外周に彫刻した版面である。インキ供給仕組み(21)は、字輪表面へインキを供給するところである。インキ供給仕組み(21)は、検査装置(2)にて検査する小切券に用いられている記番号印刷インキの種類と同じ種類のものを準備しておくことが好ましい。それにより、補刷作業時における、所望の印刷インキをセットする準備時間を短縮することが可能となる。
【0031】
また、番号器(18)は、二つ以上設けても良く、番号器(18)を二つ以上設けた際には、それぞれが他の番号器(18)とは異なる書体及び/又は異なる色のインキを印刷可能な番号器(18)とする。なお、異なる書体とは、検査装置(2)において異なる複数の券種を検査する際に、それぞれの券種ごとに対応した記番号の書体のことである。番号器(18)を二つ以上設けることで、検査装置(2)において、異なる複数の券種を検査し、かつ、異なる券種の損紙がそれぞれ発生した場合においても、各券種に対応した書体の番号器(18)を適宜選択し印刷することが可能となる。
【0032】
番号器交換部(19)は、サーバ(5)にあらかじめ補刷差替情報として記憶した記番号の書体と同じ書体の番号器(18)を選択した後、損紙の記番号と同じ記番号に字輪(20)をセットする部である。番号器交換部(19)は、複数設けた番号器(18)及び字輪(20)を駆動させる手段であり、モータ駆動、タイミングベルト駆動等がある。番号器交換部(19)をモータ駆動部とした際には、ホイルシャフト、固定仕組み、モータ、ギヤ、シャフト、ロックポール及びソレノイド等より構成される。
【0033】
損紙発生時において、まず、番号器交換部(19)は、番号器(18)と連結したホイルシャフトを回転させる。次に、サーバ(5)にあらかじめ補刷差替情報として記憶しておいた書体と同じ書体の番号器(18)を記番号印刷可能な位置へと設置させた後、ホイルシャフトの回転を停止し、損紙の記番号と同じ記番号に字輪(20)をセットする。セット方法は、ホイルシャフトに動力を伝達することで、字輪(20)を一定の速度で回転させている。次に、補刷差替情報をもとに、字輪(20)の記号及び番号位置を検出して、回転する字輪(20)が損紙の記番号と一致するよう、ソレノイドを介してロックポールにより字輪(20)の回転を停止させることで、字輪(20)のセットは終了となる。
【0034】
記番号印刷位置決め手段(12)は、記番号印刷手段(11)を、サーバ(5)に記憶した補刷差替情報をもとに、券種ごとの記番号印刷位置に対応した所定の位置へと位置決めする手段である。記番号印刷位置決め手段(12)は、記番号保持部(22)及び記番号移動部(23)とを少なくとも有する。
【0035】
記番号保持部(22)は、記番号印刷手段(11)を保持する手段である。記番号移動部(23)は、補刷差替情報に基づき、記番号保持部(22)を、予備券上の予備券と平行する第一の方向(X)及び/又は第一の方向(X)に直交する第二の方向(Y)へと移動させ、券種ごとの記番号印刷位置に対応した所定の位置へと位置決めする。
【0036】
記番号印刷位置決め手段(12)には、位置センサ(24)を設けても良い。位置センサ(24)は、記番号印刷位置決め手段(12)により位置決めを行った予備券のセット位置を、再度確認する手段である。位置センサ(24)を設けることで、例えば、予備券が券種ごとの記番印刷位置に対応した所定の位置へセットされていない場合に、位置センサ(24)からサーバ(5)にセット位置不適合の信号を送り、再度記番号印刷位置決め手段(12)により所定の位置へ位置決めを行うことも可能となる。
【0037】
補刷装置制御手段(13)は、予備券保管手段(8)、予備券給紙手段(9)、予備券位置決め手段(10)、記番号印刷手段(11)及び記番号印刷位置決め手段(12)を制御する手段である。補刷装置制御手段(13)は、サーバ(5)にあらかじめ記憶している補刷差替情報及び正常製品情報に基づき、補刷装置(3)内における各手段を動作制御することで補刷製品を作製する。なお、本発明の補刷差替システム(M)に係る、補刷装置(3)を用いた補刷方法については、詳細に後述する。
【0038】
補刷装置(3)には、補刷製品検査手段(25)を設けても良い。補刷製品検査手段(25)は、印刷後の補刷製品を検査する部であり、補刷差替情報及び正常製品情報をもとに正損判定を行う。正損判定内容としては、損紙に印刷されていた記番号と、補刷製品に印刷した記番号が同一であるか否かを検査する。なお、補刷製品が、図1に示すように、上番及び下番を有する小切券である際には、上番及び下番の同一性検査も行う。
【0039】
差替装置(4)は、補刷装置(3)により作製した補刷製品を、正常製品内に連続番号となるように挿入したのち、規則性を持って変化する連続番号となっているか否かを判定する装置である。差替装置(4)は、少なくとも差替部(26)及び差替装置制御部(27)を有する。差替部(26)は、補刷装置(3)にて作製した補刷製品を、正常製品内に連続番号となるように挿入する部である。差替部(26)には、連続番号判定手段(28)及び補刷製品差替手段(29)を少なくとも設ける。連続番号判定手段(28)は、差替え前及び差替え後における正常製品の記番号を読み取り、連続番号となっているか否かを判定する手段である。補刷製品差替手段(29)は、連続番号判定手段(28)により正常製品の記番号を読み取った際に、欠番となっている個所へ補刷製品を挿入する手段である。
【0040】
サーバ(5)は、本発明における補刷差替システム(M)内で処理される小切券の券種や、券種ごとの記番号印刷位置、書体及び寸法等の補刷差替情報及び検査装置(2)において、正損判定を行う際の判定基準をあらかじめ正常製品情報として記憶しておく部である。サーバ(5)は、補刷差替情報及び正常製品情報をもとに、補刷差替システム(M)の各装置及び各部を制御する。
【0041】
次に、本発明の補刷差替システム(M)に係る、補刷装置(3)を用いた補刷方法について、図4のフローチャートを用いて詳細に説明する。補刷差替システム(M)内における検査装置(2)において損紙が発生すると、補刷装置(3)は、予備券への補刷作業を開始する。予備券への補刷作業開始をステップ(以下「S」という。)8−1とし、補刷作業手順を説明する。なお、本発明において、補刷差替システム(M)内における各装置及び各部間を小切券及び補刷製品が移動する際には、搬送テーブル及び搬送ベルト等の搬送手段を用いて移動を行う。まず、サーバ(5)から転送された正常製品情報に基づき、損紙と同じ券種の予備券を、予備券保管手段(8)から予備券給紙手段(9)によって、損紙と同一券種の予備券を一枚選択した後、同一券種の予備券を取り出す(S8−2)。
【0042】
予備券給紙手段(9)により給紙した予備券は、予備券位置決め手段(10)を用いて、記番号印刷可能な印刷位置へと位置決めをする(S8−3)。位置決めをする際には、サーバ(5)にあらかじめ記憶している補刷差替情報内の記番号印刷位置情報を呼び出し、補刷装置制御手段(13)へと転送する。次に、補刷装置制御手段(13)である前当部(15)及び/又は横当部(16)を記番号印刷位置情報に基づき、当該券種の寸法に対応した位置へと移動させる。予備券給紙手段(9)から、予備券を前当部(15)及び/又は横当部(16)に沿って給紙することで、予備券を所定の場所へと位置決めする。
【0043】
次に、記番号印刷手段(11)を用いて、位置決め後の予備券へ、検査装置(2)にて発生した損紙と同一の記番号を印刷する。サーバ(5)に記憶した補刷差替情報を呼び出して、損紙と同じ書体の番号器(18)へと交換(S8−4−1)してセットする(S8−4)。なお、あらかじめセットされている字輪が、所望の書体と同じであるならば、字輪(20)を再度交換する作業は必要ない。
【0044】
字輪(20)は、サーバ(5)から補刷装置制御手段(13)へと転送された補刷差替情報及び正常製品情報に基づき、損紙と同じ記番号に転換する(S8−5)。次に、記番号印刷位置決め手段(12)を用いて、記番号印刷手段(11)を券種ごとの記番号印刷位置に対応した所定の位置へと位置決めする(S9−6)。記番号位置決め方法としては、サーバ(5)に記憶した補刷差替情報である券種、記番号印刷位置及び寸法に関する情報を呼び出す。次に、その呼び出した補刷差替情報に基づいて、補刷装置制御手段(13)により記番号移動部(23)を動作制御し、券種ごとの記番号印刷位置に対応した所定の位置へと記番号印刷手段(11)を移動させる。
【0045】
なお、券種変更時において、記番号保持部(22)は、その都度、あらかじめ設定しておいた記番号移動部(23)により位置決め原点に戻した後、新たに位置決めを行っても良いが、券種ごとに位置決めを履歴としてサーバ(5)に記憶させ、その差の距離分だけ記番号保持部(22)を移動させる構成としても良い。
【0046】
記番号印刷手段(11)の位置決め後、インキ供給仕組み(21)において、損紙に印刷した記番号インキと同一のインキを、字輪(20)へ供給する(S8−7)。それぞれの選択及び設定が終了したら、予備券上へ記番号印刷を実行する(S8−8)。なお、損紙が図1に示すように上番及び下番を有する小切券である際には、記番号印刷部(14)を二ヶ所設けて上番及び下番の印刷を行う構成としても良い。また、別の構成としては、記番号印刷位置決め手段(12)を、上番及び下番にそれぞれ対応した位置へと位置決めを行った後、記番号印刷を行う構成としても良い。記番号印刷後の小切券は、補刷製品となる。
【0047】
印刷終了した補刷製品は、補刷製品検査手段(25)によって、記番号部分の検査を行う(S8−9)。補刷製品検査手段(25)では、あらかじめサーバ(5)に記憶した補刷差替情報及び正常製品情報を呼び出して、それらを元に正損判定を行い、正常と判断されることで補刷作業は終了となる。なお、補刷製品検査手段(25)において正常と判断されるまで、前述した補刷作業は繰返し行われる。
【実施例1】
【0048】
本発明の記番号製品の補刷差替システム(M)について、実施例を用いて詳細に説明する。本発明における補刷差替システム(M)において処理される小切券(1)とは、図1に示すようなギフト券であり、券種は一万円券である。
【0049】
本発明における規則性を持って変化する連続番号とは、例えば、図1に示す小切券(1)が、図5に示すような連続番号順に1,000枚積載される場合、三つの記号が同一記号(ABC)で、最下紙の番号の下一桁から下四桁がn001(nは0〜9の数字)となり、その上に積載された小切券(1)の番号が一番ずつ増加し、最上紙の番号の下一桁から下四桁は、(n+1)000となることをいう。例えば、図5に示すように、小切券(1)1,000枚が積載された場合においては、最下紙がAB000001Cで、1,000枚目の最上紙がAB001000Cとなる。
【0050】
図6は、本発明における補刷差替作業手順を示すフローチャートである。前述の通り、本発明の補刷差替システム(M)は、検査装置(2)、補刷装置(3)、差替装置(4)及びサーバ(5)から構成される。
まず、小切券検査を行う準備として、サーバ(5)へ、検査装置(2)において検査する小切券(1)の券種、記番号印刷位置、書体及び寸法の補刷差替情報及び検査装置において正損判定を行う際の判定基準である正常製品情報を記憶させる。図7は、 本発明における補刷差替情報及び正常製品情報の一例を示す図である。図7(a)は、正常製品情報であり、例えば、各券種の寸法、厚み及び印刷模様とする。図7(b)は、補刷差替情報であり、各券種の記番号印刷位置、記番号印刷部の書体及び用いるインキ及び予備券の種類である。
【0051】
初めに、番号印刷装置により記番号が印刷された小切券は、あらかじめ設定した所定枚数(例えば、1,000枚とする。)を一単位とした後、単位ごとに検査装置(2)へと搬送し、検査装置(2)へと投入する(S1)。検査装置(2)では、単位ごと(1,000枚ごと)に積層された小切券(1)の検査を行う。
【0052】
検査装置(2)は、小切券検査部(6)により、小切券(1)の正損判定をサーバ(5)にあらかじめ記憶している正常製品情報をもとに検査する(S2)。一単位内に一枚も小切券(1)の異常が発見されなかった場合、その一単位は全て正紙となり、再度規則性を持って変化する連続番号順に積層した後に検査装置(2)から排出し、検査は終了となる(S3)。一方、一単位内において小切券の異常、例えば、図5に示すような印刷汚れ(A)が発見された際には、当該小切券は損紙(1a)となるため、補刷差替作業が必要となる。
【0053】
損紙発生時においては、まず、小切券検査部(6)で損紙(1a)の券種及び記番号を読み取った後に、損紙データとして検査装置制御部(7)へと送信するとともに、連続番号順に小切券(1)が積層した一単位の中から、当該損紙(1a)を抜き取る(S4)。損紙(1a)抜き取り後の、正紙999枚は、損紙(1a)とは別に一時集積する(S5)。その際、散逸を防止するために、集積後に帯掛けをしても良い。
【0054】
検査装置制御部(7)においては、受信した損紙データをサーバ(5)へと送信する。サーバ(5)においては、受信した損紙データを記憶するとともに、あらかじめ記憶している補刷差替情報中から、損紙データと同じ券種の正常製品情報(D1)及び補刷差替情報(D2)を呼び出す(S6)。
【0055】
次に、補刷作業を開始するにあたり、まず、小切券検査部(6)において読み取った記番号と、サーバ(5)にて呼び出した正常製品情報(D1)及び補刷差替情報(D2)を、補刷装置(3)へと転送する(S7)。サーバ(5)から転送された記番号、正常製品情報(D1)及び補刷差替情報(D2)は、補刷装置(3)内の補刷装置制御手段(13)にて受信される。また、補刷装置制御手段(13)においては、補刷作業を開始することを補刷差替システム(M)内の他の装置へ情報を送るために、補刷作業開始信号を各装置へと転送する。
【0056】
次に、補刷作業を開始する(S8−1)。サーバ(5)から転送された正常製品情報に基づき、一万円券の予備券を、予備券保管手段(8)から予備券給紙手段(9)によって選択した後、予備券を一枚取り出す(S8−2)。
【0057】
予備券給紙手段(9)により給紙した予備券は、予備券位置決め手段(10)を用いて、記番号印刷可能な印刷位置へと位置決めをする(S8−3)。図8は、本発明における予備券位置決め手段(10)を示す図である。位置決めをする際には、補刷差替情報(D2)内の記番号印刷位置情報に基づき、前当部(15)及び横当部(16)を一万円券の寸法に対応した位置へと移動させる。前当部(15)及び横当部(16)を移動後に、予備券給紙手段(9)から、予備券(1b)を前当部(15)及び横当部(16)に沿って給紙することで、予備券(1b)を所定の場所へと位置決めする。
【0058】
次に、記番号印刷手段(11)を用いて、位置決め後の予備券へ、検査装置(2)にて発生した損紙と同一の記番号を印刷する。補刷差替情報(D2)から書体情報を呼び出して、損紙と同じ書体の番号器(18)へと交換した後にセットする(S8−4)。字輪(20)を損紙データに基づき、損紙と同じ記番号であるAB000500Cに転換する(S8−5)。次に、記番号印刷位置決め手段(12)を用いて、記番号印刷手段(11)を一万円券の記番号印刷位置に対応した位置へと位置決めする(S8−6)。
【0059】
記番号印刷手段(11)の位置決め後、補刷差替情報(D2)内のインキ情報に基づき、損紙に印刷した記番号インキと同一のインキを、インキ供給仕組み(21)から、字輪(20)へ供給する(S8−7)。それぞれの選択及び設定が終了したら、予備券上へ記番号印刷を実行する(S8−8)。記番号印刷後の予備券は、補刷製品となる。
【0060】
印刷終了した補刷製品は、補刷製品検査手段(25)によって、記番号部分の検査を行い、損紙と同一の記番号AB000500Cであるかを検査する(S8−9)。記番号が同一であれば補刷製品は正紙となり、補刷作業は終了する(S8−10)。一方、記番号印刷部において、異なる記番号、字輪転換不良、記番号印刷のかすれ等の異常が発見された際には損紙となる。正損判定結果は、サーバ(5)及び補刷装置制御手段(13)へと送信される。正紙と判定された補刷製品は、記番号印刷部を乾燥させる。一方、損紙と判定された補刷製品は、再度補刷印刷及び検査を行い、これを正紙となるまで繰り返して実行する。
【0061】
次に差替装置(4)によって、差替作業を行う。まず、補刷装置(3)にて作製した補刷製品一枚と、検査装置(2)にて、当該損紙が欠番となっている正紙999枚を差替部(26)へ搬送する(S9)。次に、正紙999枚において、損紙発生個所以外の記番号が連続番号となっているかを、連続番号判定手段(28)により確認するとともに、正紙999枚内において欠番番号となっている損紙発生個所を検出する(S10)。正紙999枚の連続番号か否かを確認した後に、補刷製品差替手段(29)において、補刷製品を損紙発生個所である、記番号AB000499C及び記番号AB000501Cの間へ自動挿入する(S11)。
【0062】
補刷製品挿入後の小切券1,000枚は、連続番号判定手段(28)において、記番号がAB000001CからAB001000Cまで、一番ずつ増加する連続番号となっているか否かを再検査する(S12)。
最後に、連続番号判定手段(28)における検査結果を、各装置における制御部及びサーバ(5)へと送信する(S13)。検査結果を受信した各装置及びサーバ(5)は、当該損紙データに補刷終了のチェックを付け、補刷差替作業は完了となる(S3)。なお、連続番号判定手段(28)において異常が検出された際には、再度補刷差替作業を行う。
【0063】
補刷差替済みの小切券1,000枚は、差替装置(4)から、検査装置(2)へと搬送し、再度小切券検査を行っても良い。最後に、検査装置(2)によって再度正損判定を行うことで、より確実な数量確認及び製品保証をすることが可能となる。以上のように補刷差替システム(M)内において補刷装置(3)及び検査装置(2)で品質確認及び数量確認を実施することによって、連続番号順及び印刷品質が保証された記番号製品となる。
【符号の説明】
【0064】
1 小切券
1a 損紙
1b 予備券
2 検査装置
3 補刷装置
4 差替装置
5 サーバ
6 小切券検査部
7 検査装置制御部
8 予備券保管手段
9 予備券給紙手段
10 予備券位置決め手段
11 記番号印刷手段
12 記番号印刷位置決め手段
13 補刷装置制御手段
14 積載検知センサ
15 前当部
16 横当部
17 重送検知センサ
18 番号器
19 番号器交換部
20 字輪
21 インキ供給仕組み
22 記番号保持部
23 記番号移動部
24 位置センサ
25 補刷製品検査手段
26 差替部
27 差替装置制御部
28 連続番号判定手段
29 補刷製品差替手段
M 補刷差替システム
X 第一の方向
X1 上端部
X2 下端部
Y 第二の方向
Y1 右端部
Y2 左端部
A 印刷汚れ
D1 正常製品情報
D2 補刷差替情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
規則性を持って変化する連続番号を含む記番号が印刷された紙葉類の印刷模様、記番号、寸法及び厚みの正損判定を行い、前記正損判定結果に基づいて正常製品と異常製品とに区別する検査装置と、前記記番号が印刷されていない紙葉類である予備券へ記番号印刷部により前記異常製品と同一の記番号を印刷して補刷製品を作製する補刷装置と、前記補刷製品を前記正常製品内に連続番号となるように挿入したのち、前記連続番号となっているか否かを判定する差替装置と、前記紙葉類の券種、記番号印刷位置、書体及び寸法の補刷差替情報及び前記検査装置において前記正損判定を行う際の判定基準をあらかじめ正常製品情報として記憶し、前記補刷差替情報及び前記正常製品情報をもとに前記検査装置、前記補刷装置及び前記差替装置を制御するサーバを備えた紙葉類の検査及び差替えを行う、記番号を有する紙葉類の補刷差替システムであって、
前記補刷装置は、前記予備券を券種ごとに分類して保管する予備券保管手段と、
前記予備券保管手段から前記異常製品情報に基づき、前記異常製品と同一券種の前記予備券を選択して一枚ずつ給紙する予備券給紙手段と、
前記予備券給紙手段により給紙した前記予備券を前記補刷差替情報をもとに券種ごとの寸法に対応した所定の位置へと位置決めする予備券位置決め手段と、
前記記番号印刷部を前記補刷差替情報をもとに券種ごとの記番号印刷位置に対応した所定の位置へと位置決めする記番号印刷位置決め手段と、
前記予備券保管手段、前記予備券給紙手段、前記予備券位置決め手段及び前記記番号印刷位置決め手段を制御する補刷装置制御手段とを少なくとも備えることを特徴とする記番号を有する紙葉類の補刷差替システム。
【請求項2】
前記予備券位置決め手段は、前記予備券給紙手段により給紙した予備券の上端辺及び/又は下端辺の位置決めを行う前当部と、
右端部及び/又は左短辺の位置決めを行う横当部とを有し、
前記前当部及び前記横当部から選択される少なくとも一つ以上を用いて、前記予備券を前記サーバにあらかじめ補刷差替情報として記憶した記番号印刷位置に基づき、券種ごとの寸法に対応した所定の位置へと位置決めすることを特徴とする請求項1記載の記番号を有する紙葉類の補刷差替システム。
【請求項3】
前記記番号印刷位置決め手段は、前記記番号印刷部を保持する記番号保持部と、
前記記番号保持部を、前記予備券給紙手段により給紙した予備券上の前記予備券と平行する第一の方向及び/又は第一の方向に直交する第二の方向に移動する記番号移動部とを有し、
前記記番号移動部を用いて、前記記番号保持部を前記補刷差替情報をもとに券種ごとの記番号印刷位置に対応した所定の位置へと位置決めすることを特徴とする請求項1又は2記載の記番号を有する紙葉類の補刷差替システム。
【請求項4】
前記記番号印刷部は、少なくとも二つ以上の字輪と前記二つ以上の字輪を交換する字輪交換部を有し、
前記二つ以上の字輪は、それぞれが他の字輪とは異なる書体の記番号を印刷可能な字輪であり、
前記字輪交換部は、前記サーバにあらかじめ補刷差替情報として記憶した書体に対応した所定の書体の印刷可能な字輪を選択及びセットすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の記番号を有する紙葉類の補刷差替システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−274451(P2010−274451A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−126778(P2009−126778)
【出願日】平成21年5月26日(2009.5.26)
【出願人】(303017679)独立行政法人 国立印刷局 (471)
【Fターム(参考)】