記録再生装置
【構成】
記録された複数のJPEGファイルの各々には、画像作成時刻および画像記録時刻が割り当てられる。記録された複数の音声ブロックの各々にも、音声作成時刻および音声記録時刻が割り当てられる。CPU44は、基準JPEGファイルの画像記録時刻との間で時刻条件を満足する音声記録時刻を有する音声ブロックを特定する。CPU44はまた、基準JPEGファイルの画像作成時刻との間で時刻条件を満足する音声作成時刻を有する音声ブロックを、前段の処理で特定された音声ブロック以降の音声ブロックの中から特定する。基準JPEGファイルに遅れるJPEGファイルは、画像作成時刻を参照して再生される。再生されるJPEGファイルに関連する音声ブロックは、音声作成時刻を参照して再生される。基準JPEGファイルは、音声作成時刻の連続性に関するエラー条件が満足されたとき、再決定される。
【効果】操作性の向上が図られる。
記録された複数のJPEGファイルの各々には、画像作成時刻および画像記録時刻が割り当てられる。記録された複数の音声ブロックの各々にも、音声作成時刻および音声記録時刻が割り当てられる。CPU44は、基準JPEGファイルの画像記録時刻との間で時刻条件を満足する音声記録時刻を有する音声ブロックを特定する。CPU44はまた、基準JPEGファイルの画像作成時刻との間で時刻条件を満足する音声作成時刻を有する音声ブロックを、前段の処理で特定された音声ブロック以降の音声ブロックの中から特定する。基準JPEGファイルに遅れるJPEGファイルは、画像作成時刻を参照して再生される。再生されるJPEGファイルに関連する音声ブロックは、音声作成時刻を参照して再生される。基準JPEGファイルは、音声作成時刻の連続性に関するエラー条件が満足されたとき、再決定される。
【効果】操作性の向上が図られる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、記録再生装置に関し、特にたとえば監視カメラシステムに適用され、複数の画像フレームおよび複数の音声ブロックの記録/再生を行う、記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の装置の一例が、特許文献1に開示されている。この従来技術によれば、動画データはタイムコードが付加された状態でネットワークから受信され、音声データもまたタイムコードが付加された状態でネットワークから受信される。受信された動画データはフレーム・バッファを介してモニタから出力される。受信された音声データは、音声出力バッファに一時的に格納される。音声出力タイミング調整装置は、受信されたタイムコードおよび音声出力バッファの使用量情報に従い、モニタに表示するフレームに対応する音声がスピーカから出力されるように、音声出力バッファ上で無音声区間を挿入又は削除する。
【特許文献1】特開平9−65303号公報[H04N 7/10, 5/93]
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来技術では、動画データの出力タイミングがタイムコードによってのみ規定され、動画データの出力タイミングに合わせて音声データの出力タイミングが調整される。すると、動画データのフレームレートが極端に長く(たとえば1フレーム/30分)、かつ音声データが受信されない期間が間欠的に現れるような場合、同じ画像が長時間にわたって表示され続ける現象が発生する。このような現象は、操作性の点で問題がある。
【0004】
それゆえに、この発明の主たる目的は、操作性を向上させることができる、記録再生装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明に従う記録再生装置(200:実施例で相当する参照符号。以下同じ)は、画像/音声の記録時刻を定義する第1時間軸に沿う第1画像時刻情報と画像/音声の作成時刻を定義する第2時間軸に沿う第2画像時刻情報とが各々に割り当てられた複数の画像フレームを記録媒体(52)に記録する第1記録手段(S5)、第1時間軸に沿う第1音声時刻情報と第2時間軸に沿う第2音声時刻情報とが各々に割り当てられた複数の音声ブロックを記録媒体に記録する第2記録手段(S11)、基準画像フレームに割り当てられた第1画像時刻情報との間で時刻条件を満足する第1音声時刻情報が割り当てられた音声ブロックを複数の音声ブロックの中から特定する第1特定手段(S33, S35)、基準画像フレームに割り当てられた第2画像時刻情報との間で時刻条件を満足する第2音声時刻情報が割り当てられた音声ブロックを第1特定手段によって特定された音声ブロック以降の音声ブロックの中から特定する第2特定手段(S39, S41, S43)、基準画像フレームに遅れる複数の画像フレームを第2画像時刻情報に基づいて記録媒体から再生する画像再生手段(S61)、画像再生手段によって再生される複数の画像フレームに関連する複数の音声ブロックを第2音声時刻情報に基づいて記録媒体から再生する音声再生手段(S51)、および音声再生手段によって再生される音声ブロックについて作成/記録時刻の連続性に関するエラー条件が満足されたとき基準画像フレームを再決定する再決定手段(S93)を備える。
【0006】
第1時間軸は画像/音声の記録時刻を定義し、第2時間軸は画像/音声の作成時刻を定義する。第1記録手段によって記録媒体に記録される複数の画像フレームの各々には、第1時間軸に沿う第1画像時刻情報と第2時間軸に沿う第2画像時刻情報とが割り当てられる。また、第2記録手段によって記録媒体に記録される複数の音声ブロックの各々には、第1時間軸に沿う第1音声時刻情報と第2時間軸に沿う第2音声時刻情報とが割り当てられる。
【0007】
第1特定手段は、基準画像フレームに割り当てられた第1画像時刻情報との間で時刻条件を満足する第1音声時刻情報が割り当てられた音声ブロックを、複数の音声ブロックの中から特定する。第2特定手段は、基準画像フレームに割り当てられた第2画像時刻情報との間で時刻条件を満足する第2音声時刻情報が割り当てられた音声ブロックを、第1特定手段によって特定された音声ブロック以降の音声ブロックの中から特定する。
【0008】
画像再生手段は、基準画像フレームに遅れる複数の画像フレームを第2画像時刻情報に基づいて記録媒体から再生する。音声再生手段は、画像再生手段によって再生される複数の画像フレームに関連する複数の音声ブロックを第2音声時刻情報に基づいて記録媒体から再生する。基準画像フレームは、音声再生手段によって再生される音声ブロックについて作成時刻の連続性に関するエラー条件が満足されたとき、再決定手段によって再決定される。
【0009】
このように、画像再生処理および音声再生処理は、第2時間軸に沿う時刻情報に基づいて実行される。したがって、画像と音声との間で同期を正確に確立することができる。また、音声ブロックについて作成時刻の連続性に関するエラー条件が満足されると、基準画像フレームが再決定され、第1時間軸に沿う時刻情報に基づいて画像再生処理および音声再生処理が再開される。これによって、エラー条件が満足されたときに、再決定された基準画像フレームからの同期再生を速やかに再開することができ、操作性の向上が図られる。
【0010】
請求項2の発明に従う記録再生装置は、請求項1に従属し、再決定手段は画像再生手段によって今回再生された画像フレームの次の画像フレームを基準画像フレームとして決定する。エラー条件が満足されると、再生される画像フレームが次の画像フレームに更新される。
【0011】
請求項3の発明に従う記録再生装置は、請求項1または2に従属し、画像フレームおよび音声ブロックを公衆回線網を通して取り込む取込手段(30)をさらに備える。第1時間軸に沿う時刻と第2時間軸に沿う時刻のずれは、公衆回線網を介した通信を行うときに顕在化し易い。かかる場合に、第1時間軸および第2時間軸の両方に注目する意義が大きくなる。
【0012】
請求項4の発明に従う記録再生装置は、請求項1ないし3のいずれかに従属し、時刻条件は注目する画像時刻情報が示す時刻に遅れる最先の時刻を示すという条件である。
【0013】
請求項5の発明に従う記録再生装置は、請求項1ないし4のいずれかに従属し、基準画像フレームを記録媒体から再生する開始画像再生手段(S23)をさらに備える。
【0014】
請求項6の発明に従う記録再生装置は、請求項1ないし5のいずれかに従属し、エラー条件は、画像再生手段によって今回再生された画像フレームに割り当てられた第2画像時刻情報が示す時刻と音声再生手段によって次回再生される音声ブロックに割り当てられた第2音声時刻情報が示す時刻との差分の絶対値が第1閾値を上回るという第1閾値条件を含む。第2時間軸が平常時間と夏時間との間で遷移し、第2画像時刻情報が示す時刻が平常時間に対応する一方、第2音声時刻情報が夏時間に対応するような場合、第1閾値条件が満足される。これによって、第2時間軸の歪みに対する耐久性が向上する。
【0015】
請求項7の発明に従う記録再生装置は、請求項6に従属し、第1閾値は1つの音声ブロックによって表現される音声の期間に相当する。
【0016】
請求項8の発明に従う記録再生装置は、請求項1ないし7のいずれかに従属し、エラー条件は、画像再生手段によって今回再生される現画像フレームと画像再生手段によって次回再生される次画像フレームとの間で再生すべき音声ブロックが欠落しているというブロック条件を含む。
【0017】
請求項9の発明に従う記録再生装置は、請求項6ないし8のいずれかに従属し、エラー条件は、画像再生手段によって今回再生された画像フレームに割り当てられた第2画像時刻情報が示す時刻と画像再生手段によって次回再生される画像フレームに割り当てられた第2画像時刻情報が示す時刻との差分の絶対値が第2閾値を上回るという第2閾値条件をさらに含む。
【0018】
請求項10の発明に従う記録再生装置は、請求項1ないし9のいずれかに従属し、第1時間軸は世界標準時刻の時間軸に相当する。
【0019】
請求項11の発明に従う記録再生プログラムは、記録再生装置(200)のプロセサ(44)に、画像/音声の記録時刻を定義する第1時間軸に沿う第1画像時刻情報と画像/音声の作成時刻を定義する第2時間軸に沿う第2画像時刻情報とが各々に割り当てられた複数の画像フレームを記録媒体(52)に記録する第1記録ステップ(S5)、第1時間軸に沿う第1音声時刻情報と第2時間軸に沿う第2音声時刻情報とが各々に割り当てられた複数の音声ブロックを記録媒体に記録する第2記録ステップ(S11)、基準画像フレームに割り当てられた第1画像時刻情報との間で時刻条件を満足する第1音声時刻情報が割り当てられた音声ブロックを複数の音声ブロックの中から特定する第1特定ステップ(S33, S35)、基準画像フレームに割り当てられた第2画像時刻情報との間で時刻条件を満足する第2音声時刻情報が割り当てられた音声ブロックを第1特定ステップによって特定された音声ブロック以降の音声ブロックの中から特定する第2特定ステップ(S39, S41, S43)、基準画像フレームに遅れる複数の画像フレームを第2画像時刻情報に基づいて記録媒体から再生する画像再生ステップ(S61)、画像再生ステップによって再生される複数の画像フレームに関連する複数の音声ブロックを第2音声時刻情報に基づいて記録媒体から再生する音声再生ステップ(S51)、および音声再生ステップによって再生される音声ブロックについて作成/記録時刻の連続性に関するエラー条件が満足されたとき基準画像フレームを再決定する再決定ステップ(S93)を実行させるための、記録再生プログラムである。
【0020】
請求項1の発明と同様、画像と音声との間での正確な同期の確立と、操作性の向上とが図られる。
【0021】
請求項12の発明に従う記録再生方法は、記録再生装置(200)によって実行される記録再生方法であって、画像/音声の記録時刻を定義する第1時間軸に沿う第1画像時刻情報と画像/音声の作成時刻を定義する第2時間軸に沿う第2画像時刻情報とが各々に割り当てられた複数の画像フレームを記録媒体(52)に記録する第1記録ステップ(S5)、第1時間軸に沿う第1音声時刻情報と第2時間軸に沿う第2音声時刻情報とが各々に割り当てられた複数の音声ブロックを記録媒体に記録する第2記録ステップ(S11)、基準画像フレームに割り当てられた第1画像時刻情報との間で時刻条件を満足する第1音声時刻情報が割り当てられた音声ブロックを複数の音声ブロックの中から特定する第1特定ステップ(S33, S35)、基準画像フレームに割り当てられた第2画像時刻情報との間で時刻条件を満足する第2音声時刻情報が割り当てられた音声ブロックを第1特定ステップによって特定された音声ブロック以降の音声ブロックの中から特定する第2特定ステップ(S39, S41, S43)、基準画像フレームに遅れる複数の画像フレームを第2画像時刻情報に基づいて記録媒体から再生する画像再生ステップ(S61)、画像再生ステップによって再生される複数の画像フレームに関連する複数の音声ブロックを第2音声時刻情報に基づいて記録媒体から再生する音声再生ステップ(S51)、および音声再生ステップによって再生される音声ブロックについて作成/記録時刻の連続性に関するエラー条件が満足されたとき基準画像フレームを再決定する再決定ステップ(S93)を備える。
【0022】
請求項1の発明と同様、画像と音声との間での正確な同期の確立と、操作性の向上とが図られる。
【発明の効果】
【0023】
この発明によれば、画像再生処理および音声再生処理は、第2時間軸に沿う時刻情報に基づいて実行される。したがって、画像と音声との間で同期を正確に確立することができる。また、音声ブロックについて作成/記録時刻の連続性に関するエラー条件が満足されると、基準画像フレームが再決定され、第1時間軸に沿う時刻情報に基づいて画像再生処理および音声再生処理が再開される。これによって、エラー条件が満足されたときに、再決定された基準画像フレームからの同期再生を速やかに再開することができ、操作性の向上が図られる。
【0024】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図1を参照して、この実施例の監視カメラシステムは、インターネット網300を介して互いに接続された監視カメラ100および記録再生装置200を備える。監視カメラ100は図2に示すように構成され、記録再生装置200は図3に示すように構成される。
【0026】
図2を参照して、監視カメラ100は、被写界を捉えるイメージセンサ10を含む。イメージセンサ10は、被写界を表す画像データを周期的に出力し、カメラ処理回路12はイメージセンサ10から出力された複数フレームの画像データの各々にJPEG圧縮を施す。ここで、画像データの出力周期は、1/30秒〜1時間の間で調整可能である。つまり、イメージセンサ10のフレームレートは、30フレーム/秒〜1フレーム/1時間の間で調整される。
【0027】
JPEG圧縮によって生成された圧縮画像データつまりJPEGデータは、メモリ制御回路18によってSDRAM20に書き込まれる。JPEGデータの先頭および末尾にそれぞれ付加すべきヘッダおよびフッタは、CPU24によって作成される。
【0028】
CPU24は、イメージセンサ10の解像度およびフレームレート,注目するJPEGデータのフレーム番号などをヘッダに記述し、注目するJPEGデータを作成した時刻つまり画像作成時刻をフッタに記述する。ここで、画像作成時刻は、時計回路26によってミリ秒単位まで検出され、ミリ秒単位までフッタに記述される。こうして、図5(A)に示す構造を有するJPEGファイルがSDRAM20内に得られる。
【0029】
監視カメラ100はまた、被写界周辺の外部音声を捉えるマイクロフォン14を含む。音声処理回路16は、マイクロフォン14から出力された音声データを246ミリ秒単位で分割し、分割された各ブロックの音声データをメモリ制御回路18を通してSDRAM20に書き込む。各ブロックの音声データの先頭に付加すべきヘッダもまた、CPU24によって作成される。
【0030】
CPU24は、注目する音声データのブロック番号や注目する音声データを作成した時刻つまり音声作成時刻をヘッダに記述する。音声作成時刻もまた、時計回路26によってミリ秒単位まで検出され、ミリ秒単位までヘッダに記述される。ヘッダは20バイトで表現され、各ブロックの音声データは5900バイトで表現される。こうして、図5(B)に示す構造を有する音声ブロックがSDRAM20内に得られる。
【0031】
ここで、監視カメラ100はたとえばアメリカ合衆国に設置され、時計回路26が採用する時間軸は平常時間および夏時間の間で図12に示すように遷移する。夏時間は、4月第1日曜日午前2時00分から始まり、10月最終日曜日午前2時00分に終了する。開始日には午前2時00分が午前3時00分になり、終了日には午前2時00分が午前1時00分になる。
【0032】
I/F回路22は、SDRAM20に蓄積されたJPEGファイルおよび音声ブロックをインターネット網300を通して記録再生装置200に送出する。図4(A)に示すように、JPEGファイルはイメージセンサ10のフレームレートに対応する周期で送信され、音声ブロックは246ミリ秒毎に送信される。JPEGファイルはTCP/IPプロトコルに従って転送され、音声ブロックはUDPプロトコルに従って転送される。
【0033】
なお、音声処理回路16は切換操作によってオン/オフされる。オン状態では音声ブロックが上述の要領で作成されてI/F回路22から送信される一方、オフ状態では音声ブロックの作成/送信処理は中断される。
【0034】
図3を参照して、記録再生装置200は、インターネット網300と接続されるI/F回路30を含む。監視カメラ100から送信されたJPEGファイルおよび音声ブロックは、キーボード54によって記録モードが選択されたとき、I/F回路30によって受信される。受信されたJPEGファイルおよび音声ブロックは、メモリ制御回路32を介してDRAM34に書き込まれる。
【0035】
インターネット網300を経由した転送処理の性質上、JPEGファイルを受信する周期は監視カメラ100からのJPEGファイルの送信周期と必ずしも一致せず、音声ブロックを受信する周期もまた監視カメラ100からの音声ブロックの送信周期と必ずしも一致しない。このため、JPEGファイルおよび音声ブロックは、たとえば図4(B)に示すように、ジッタを伴って受信される。なお、この実施例は、JPEGファイルは送信順序と同じ順序でI/F回路30によって受信され、音声ブロックもまた送信順序と同じ順序でI/F回路30によって受信されることを前提とする。
【0036】
DRAM34に蓄積されたJPEGファイルその後、CPU44から画像記録命令を受けたHDD50によって読み出され、ハードディスク52に蓄積される。JPEGファイルは、図6(A)に示す動画像ファイルに受信順序と同じ順序で収められる。DRAM34に蓄積された音声ブロックも、CPU44から音声記録命令を受けたHDD50によって読み出され、ハードディスク52に蓄積される。音声ブロックは、図6(B)に示す音声ファイルに受信順序と同じ順序で収められる。
【0037】
CPU44は、HDD50によるJPEGファイルの記録処理と並行して図7(A)に示す画像INDEXテーブルT1を作成し、HDD50による音声ブロックの記録処理と並行して図7(B)に示す音声INDEXテーブルT2を作成する。
【0038】
図7(A)によれば、画像INDEXテーブルT1は、フレーム番号および画像記録時刻がそれぞれ書き込まれる2つのカラムが設けられ、各々のカラムを形成する複数のセクションに複数のインデックス番号がそれぞれ割り当てられる。また、図7(B)によれば、音声INDEXテーブルT2は、ブロック番号および音声記録時刻がそれぞれ書き込まれる2つのカラムが設けられ、各々のカラムを形成する複数のセクションに複数のインデックス番号がそれぞれ割り当てられる。
【0039】
CPU44は、記録処理を施されるJPEGファイルのヘッダからフレーム番号を検出し、記録処理が実行される時刻つまり画像記録時刻を時計回路46からミリ秒単位まで検出し、そして検出されたフレーム番号および画像記録時刻をインデックス番号に従う順序で画像INDEXテーブルT1に書き込む。時計回路46は世界標準時刻(UTC: Coordinated Universal Time)を採用し、時計回路46の時間軸は全世界共通である。CPU44はまた、記録処理を施される音声ブロックのヘッダからブロック番号を検出し、記録処理が実行される時刻つまり音声記録時刻を時計回路46からミリ秒単位まで検出し、そして検出されたブロック番号および音声記録時刻をインデックス番号に従う順序で音声INDEXテーブルT2に書き込む。
【0040】
なお、画像INDEXテーブルT1および音声INDEXテーブルT2は、記録モードが終了されたとき、ファイル形式でハードディスク52に記録される。
【0041】
再生モードが選択されると、ハードディスク52に記録された動画像ファイルおよび音声ファイルが次の要領で再生される。まず、画像INDEXテーブルT1および音声INDEXテーブルT2がハードディスク52から読み出される。次に、図8に示す再生バーB1およびスライダSL1が、画像再生回路36によってモニタ38に表示される。再生バーB1の左端近傍には、動画ファイルの先頭のJPEGファイルに記述された画像作成時刻のうち“月”,“日”,“時”,“分”および“秒”の数値が表示される。また、再生バーB1の右端近傍には、動画ファイルの末尾のJPEGファイルに記述された画像作成時刻のうち“月”,“日”,“時”,“分”および“秒”の数値が表示される。
【0042】
マウスポインタ56によってスライダSL1を所望の位置に配置すると、その位置に対応するJPEGファイルが基準JPEGファイルとされ、この基準JPEGファイルの取得処理および再生処理が実行される。このとき、ファイル取得命令がCPU44からHDD50に向けて発行され、ファイル再生命令がCPU44からJPEGデコーダ48および画像再生回路36の各々に向けて発行される。
【0043】
ハードディスク52内の動画像ファイルに収められた所望のJPEGファイルは、HDD50によって取得され、メモリ制御回路32を通してDRAM34に書き込まれる。JPEGファイルに格納されたJPEGデータはJPEGデコーダ48によってデコードされ、デコードされた画像データに対応する画像は画像再生回路36によって図8に示す要領でモニタ38に表示される。
【0044】
取得されたJPEGファイルに記述された画像作成時刻は、図9(A)に示すように変数ILTcrntおよび変数ILTinitの各々に設定される。また、取得されたJPEGファイルのフレーム番号と同じフレーム番号に割り当てられた画像記録時刻が、画像INDEXテーブルT1から検出される。検出された画像記録時刻は、図9(C)に示すように変数IUTcrntに設定される。
【0045】
続いて、今回再生されたJPEGファイルの次のJPEGファイルを動画ファイルから取得するべく、ファイル取得命令がCPU44からHDD50に向けて発行される。HDD50は、上述と同じの要領で次のJPEGファイルを取得し、取得したJPEGファイルをメモリ制御回路32を通してDRAM34に書き込む。取得されたJPEGファイルに記述された画像作成時刻は、図9(A)に示すように変数ILTnxtに設定される。
【0046】
つまり、変数ILTcrntおよびIUTcrntはそれぞれ、今回再生されたJPEGファイルに対応する画像作成時刻および画像記録時刻を示す。また、変数ILTinitは、再生モードが選択された当初に再生されたJPEGファイルに対応する画像作成時刻を示す。さらに、変数ILTnxtは、次回再生されるJPEGファイルに対応する画像作成時刻を示す。
【0047】
続いて、変数IUTcrntが示す画像記録時刻に遅れる最先の音声記録時刻が、時刻条件を満足する音声記録時刻として音声INDEXテーブルT2から検出される。検出された音声記録時刻は、図9(D)に示すように変数AUTnxtに設定される。さらに、変数AUTnxtに対応する音声ブロックを取得するべく、ブロック取得命令がCPU44からHDD50に向けて発行される。ハードディスク52内の音声ファイルに収められた所望の音声ブロックはHDD50によって取得され、メモリ制御回路32を通してDRAM34に書き込まれる。
【0048】
取得された音声ブロックに記述された音声作成時刻は、図9(B)に示すように変数ALTnxtに設定される。さらに、変数ILTinitによって示される画像作成時刻が変数ALTnxtによって示される音声作成時刻に先行するか否かが判別される。判別結果が否定的であれば次の音声ブロックが上述と同じ要領で音声ファイルから取得され、取得された音声ブロックに記述された音声作成時刻が変数ALTnxtに設定される。
【0049】
つまり、変数ALTnxtは、変数ILTinitが示す画像作成時刻に遅れる最先の音声作成時刻が検出されるまで、つまり時刻条件を満足する音声作成時刻が検出されるまで、図9(B)に示すように更新される。画像作成時刻に関連する変数ILTinit,ILTcrntおよびILTnxtとの関係では、音声作成時刻に関連する変数ALTnxtは図10に示すように更新される。こうして、時刻条件を満足する音声作成時刻が記述された音声ブロックが特定される。
【0050】
特定された音声ブロック以降の複数の音声ブロックは、各音声ブロックに記述された音声作成時刻とクロック回路44cによって定義されるシステム時刻とを参照して246ミリ秒毎に再生される。このとき、ブロック再生命令が音声再生回路40に向けて繰り返し発行され、かつブロック取得命令がHDD50に向けて繰り返し発行される。ブロック再生命令を受けた音声再生回路40は、DRAM34に格納された音声ブロックをメモリ制御回路32を通して読み出し、読み出された音声ブロックに対応する音声をスピーカ42から出力する。ブロック取得命令を受けたHDD50の動作は上述の通りである。
【0051】
また、変数ILTinitによって示される画像作成時刻が記述されたJPEGファイル以降の複数のJPEGファイルは、各JPEGファイルに記述された画像作成時刻とシステム時刻とを参照して、監視カメラ100のフレームレートに対応する周期で再生される。このとき、ファイル再生命令がJPEGデコーダ48および画像再生回路40に向けて繰り返し発行され、かつファイル取得命令がHDD50に向けて繰り返し発行される。JPEGデコーダ,画像再生回路40およびHDD50の動作は上述のとおりである。この結果、対応する画像がモニタ38から出力される。
【0052】
このように、音声ブロックは音声記録時刻ではなく音声作成時刻を参照して再生され、JPEGファイルは画像記録時刻ではなく画像作成時刻を参照して再生される。したがって、インターネット網300を介した転送処理に起因するジッタに関係なく、正確な同期再生が可能となる。
【0053】
ただし、監視カメラ100の設定によっては、音声ブロックの送信が中断される。また、監視カメラ100の時計回路26が採用する時間軸は、平常時間および夏時間の間での遷移、または電源オフに伴う時計回路26のリセットに起因して歪む場合がある。この歪みは、音声ファイル上で隣り合う2つの音声ブロックにそれぞれ記述された2つの音声作成時刻の連続性を破壊し、画像および音声の同期再生を困難にする。
【0054】
そこで、この実施例では、図11に示すように、(1)今回再生されたJPEGファイルに対応する画像作成時刻と次に再生される音声ブロックに対応する音声作成時刻との差分絶対値が246ミリ秒を上回るとき、または(2)今回再生されたJPEGファイルに対応する画像作成/記録時刻と次回再生されるJPEGファイルに対応する画像作成/記録時刻との間に記録された音声ブロックが存在しないときに、音声作成/記録時刻の連続性が損なわれたと判断し、基準JPEGファイルを再決定するようにしている。基準JPEGファイルは、今回再生されたJPEGファイルの次に受信されたJPEGファイルである。基準JPEGファイルが再決定されるため、JPEGファイルおよび音声ブロックの同期再生は、図9(A)〜図9(D)に示す処理を経て再開される。
【0055】
上述の条件(1)および(2)をそれぞれ“閾値条件”および“ブロック条件”と定義し、両者の上位概念を“エラー条件”と定義すると、基準JPEGファイルは、音声ブロックについて作成/記録時刻の連続性に関するエラー条件が満足されたときに再決定される。そして、画像INDEXテーブルT1および音声INDEXテーブルT2の参照を経て同期再生が再開される。これによって、エラー条件が満足されたときに、再決定された基準JPEGファイルからの同期再生を速やかに再開することができ、操作性の向上が図られる。
【0056】
CPU44は、記録モードが選択されたとき図13に示す記録制御処理を実行し、再生モードが選択されたとき図14〜図18に示す再生制御処理を実行する。なお、これらのフロー図に対応する制御プログラムは、ハードディスク52に記憶される。
【0057】
図13を参照して、ステップS1ではJPEGファイルを受信したか否かを判別し、ステップS3では音声ブロックを受信したか否かを判別する。具体的には、新規のJPEGファイルがDRAM34に確保されたか否かがステップS1で判別され、新規の音声ブロックがDRAM34に確保されたか否かがステップS3で判別される。ステップS1でYESであればステップS5に進み、ステップS3でYESであればステップS11に進む。
【0058】
ステップS5では、HDD50に対して画像記録命令を発行する。HDD50は、DRAM34に格納されたJPEGファイルを読み出し、読み出されたJPEGファイルをハードディスク52内の動画ファイルに書き込む。ステップS7では、時計回路46が示す現在時刻を画像記録時刻として取得する。ステップS9では、今回記録されるJPEGファイルに記述されたフレーム番号とステップS7で取得された画像記録時刻とを画像INDEXテーブルT1に書き込む。書き込みが完了すると、ステップS1に戻る。
【0059】
ステップS11では、HDD50に対して音声記録命令を発行する。HDD50は、DRAM34に格納された音声ブロックを読み出し、読み出された音声ブロックをハードディスク52内の音声ファイルに書き込む。ステップS13では、時計回路46が示す現在時刻を音声記録時刻として取得する。ステップS15では、今回記録される音声ブロックに記述されたブロック番号とステップS13で取得された音声記録時刻とを音声INDEXテーブルT2に書き込む。書き込みが完了すると、ステップS1に戻る。
【0060】
図14を参照して、ステップS21では指定されたJPEGファイルの取得&再生を実行するべく、ファイル取得命令をHDD50に向けて発行し、画像再生命令をJPEGデコーダ48および画像再生回路36に向けて発行する。ハードディスク52内の動画像ファイルに収められた所望のJPEGファイルは、メモリ制御回路32を通してDRAM34に書き込まれる。JPEGファイルに格納されたJPEGデータはJPEGデコーダ48によってデコードされ、デコードされた画像データに対応する画像は画像再生回路36によってモニタ38に表示される。
【0061】
ステップS23では、ステップS21で取得されたJPEGファイルのフッタから画像作成時刻を検出し、検出された画像作成時刻を変数ILTcrntに設定する。ステップS25では、取得されたJPEGファイルのフレーム番号と同じフレーム番号に割り当てられた画像記録時刻を画像INDEXテーブルT1から検出する。ステップS27では、変数ITLcrntが示す数値を変数ITLinitに設定する。
【0062】
ステップS29では、ステップS23で取得されたJPEGファイルの次のJPEGファイルを取得するべく、HDD50に向けてファイル取得命令を発行する。所望のJPEGファイルは、上述と同様、メモリ制御回路32を通してDRAM34に書き込まれる。ステップS31では、取得したJPEGファイルのフッタから画像作成時刻を検出し、検出された画像作成時刻を変数ILTnxtに設定する。
【0063】
ステップS33では、変数IUTcrntが示す時刻に遅れる最先の音声記録時刻(時刻条件を満足する音声記録時刻)を音声INDEXテーブルT2から検出し、検出された音声記録時刻を変数AUTnxtに設定する。ステップS35では、変数AUTnxtが示す時刻に記録された音声ブロックをハードディスク52に記録された音声ファイルから取得し、ステップS37では取得された音声ブロックに記述された音声作成時刻を検出する。検出された音声作成時刻は、変数ALTnxtに設定される。
【0064】
ステップS39では、変数ILTinitが示す時刻が変数ALTnxtが示す時刻に先行するか否か(時刻条件が満足されるか否か)を判別する。ここでNOであれば、ステップS35で取得された音声ブロックの次の音声ブロックを取得するべく、ステップS41でブロック取得命令をHDD50に向けて発行する。所望の音声ブロックは、上述と同様、メモリ制御回路32を通してDRAM34に書き込まれる。ステップS43では、取得した音声ブロックから音声作成時刻を検出し、検出された音声作成時刻を変数ALTnxtに設定する。ステップS43の処理が完了すると、ステップS39に戻る。
【0065】
ステップS39でYESであればステップS45に進み、クロック回路44cが示す現在のシステム時刻を再生開始時刻として取得する。取得された再生開始時刻は、変数Tinitに設定される。ステップS47では、現在のシステム時刻を再度取得し、取得されたシステム時刻を変数Tcrntに設定する。ステップS49では、変数TcrntおよびTinitの差分値である“Tcrnt−Tinit”が変数ALTnxtおよびILTinitの差分値である“ALTnxt−ILTinit”を上回るか否かを判別する。ここでNOであれば直接ステップS59に進む一方、YESであればステップS51〜S57の処理を経てステップS59に進む。
【0066】
ステップS51では、変数ALTnxtが示す時刻に記録された音声ブロックを再生すべく、音声再生命令を音声再生回路40に向けて発行する。音声再生回路40は、DRAM34に格納された音声ブロックをメモリ制御回路32を通して読み出し、読み出された音声ブロックに対応する音声をスピーカ42から出力する。ステップS53では、変数ALTnxtが示す数値を変数ALTcrntに設定する。続くステップS55およびS57では、上述のステップS41およびS43と同様の処理を実行する。こうして、音声ブロックが連続的に再生され、変数ALTcrntおよびALTnxtが1ブロック毎に更新される。
【0067】
ステップS59では、変数TcrntおよびTinitの差分値である“Tcrnt−Tinit”が変数ILTnxtおよびILTinitの差分値である“ILTnxt−ILTinit”を上回るか否かを判別する。ここでNOであれば直接ステップS71に進む一方、YESであればステップS61〜S69の処理を経てステップS71に進む。
【0068】
ステップS61では、変数ILTnxtが示す時刻に記録されたJPEGファイルを再生すべく、画像再生命令をJPEGデコーダ48および画像再生回路36に向けて発行する。この結果、所望のJPEGファイルに格納JPEGデータに基づく画像がモニタ38に表示される。
【0069】
ステップS63では変数ILTcrntが示す数値を変数Tlastに設定し、ステップS65では変数ILTnxtが示す数値を変数ILTcrntに設定する。続くステップS67およびS69では、上述のステップS29およびS31と同様の処理を実行する。こうして、JPEGファイルが連続的に再生され、変数Tlast,ILTcrntおよびILTnxtが1ブロック毎に更新される。
【0070】
ステップS71では、変数ILTnxtおよびILTcrntの差分絶対値である|ILTnxt−ILTcrnt|が閾値TH(=たとえば10秒)を上回るか否かを判別する。また、ステップS73ではフラグFLG2が“0”であるか否かを判別する。さらに、ステップS75では、変数ILTcrntおよび変数ALTnxtの差分絶対値である|ILTcrnt−ALTcrnt|が1ブロックの音声データの長さである246ミリ秒以下であるか否か、つまり閾値条件が満足されるか否かを判別する。また、ステップS77では、変数IUTcrntが示す時刻に遅れ、かつ変数IUTnxtが示す時刻に先行する時刻に記録された音声ブロックが音声ファイルに存在するか否か、つまりブロック条件が満足されるか否かを判別する。
【0071】
ステップS71またはS73でNOであれば、直接ステップS83に進む。ステップS71,S73,S75およびS77のいずれもYESであれば、ステップS79でフラグFLG1およびFLG2をそれぞれ“0”および“1”に設定してからステップS83に進む。ステップS71およびS73でYESであるものの、ステップS75またはS77でNOであれば、ステップS81でフラグFLG1およびFLG2の各々を“1”に設定してからステップS83に進む。
【0072】
ステップS83では、変数TcrntおよびTlastの差分値である“Tcrnt−Tlast”が閾値THを上回るか否かを判別する。ステップS85ではフラグFLG2が“1”であるか否かを判別し、ステップS87ではフラグFLG1が“1”であるか否かを判別する。ステップS83またはS85でNOであれば直接ステップS47に戻る。ステップS83およびS85でYESであり、かつステップS87でNOであれば、ステップS89でフラグFLG1およびFLG2を初期化(=0)してからステップS47に戻る。
【0073】
ステップS85,S87およびS89のいずれもYESであれば、ステップS91でフラグFLG1およびFLG2を初期化する。ステップS93では、ステップS67で取得されたJPEGファイルの次に受信されたJPEGファイルを指定し、その後にステップS21に戻る。なお、図示しないが、フラグFLG1およびFLG2は、図14〜図18に示す再生制御処理が開始される前に、初期化される。
【0074】
以上の説明から分かるように、画像作成時刻および音声作成時刻は、監視カメラ100の時計回路26が採用する時間軸によって定義される。画像記録時刻および音声記録時刻は、記録再生装置200の時計回路46が採用する時間軸によって定義される。ハードディスク52に記録される複数のJPEGファイルの各々には、画像作成時刻および画像記録時刻が割り当てられる。また、ハードディスク52に記録される複数の音声ブロックの各々には、音声作成時刻および音声記録時刻が割り当てられる。
【0075】
CPU44は、基準JPEGファイルに割り当てられた画像記録時刻との間で時刻条件を満足する音声記録時刻が割り当てられた音声ブロックを、複数の音声ブロックの中から特定する(S33, S35)。CPU44はまた、基準JPEGファイルに割り当てられた画像作成時刻との間で時刻条件を満足する音声作成時刻が割り当てられた音声ブロックを、前段の処理で特定された音声ブロック以降の音声ブロックの中から特定する(S39, S41, S43)。
【0076】
基準JPEGファイルに遅れる複数のJPEGファイルは、各々に割り当てられた画像作成時刻を参照してハードディスク52から再生される(S61)。再生される複数のJPEGファイルに関連する複数の音声ブロックは、各々に割り当てられた音声作成時刻を参照してハードディスク52から再生される(S51)。基準JPEGファイルは、音声作成時刻の連続性に関するエラー条件が満足されたとき、再決定される(93)。
【0077】
このように、JPEGファイルおよび音声ブロックは、画像作成時刻および音声作成時刻を参照して再生される。したがって、画像と音声との間で同期を正確に確立することができる。また、音声作成時刻の連続性に関するエラー条件が満足されると、基準JPEGファイルが再決定され、世界標準時刻である画像記録時刻および音声記録時刻の参照を経て同期再生が再開される。これによって、エラー条件が満足されたときに、再決定された基準JPEGファイルからの同期再生を速やかに再開することができ、操作性の向上が図られる。
【0078】
なお、この実施例では、ステップS77の判別処理にあたって画像記録時刻および音声記憶時刻に注目するようにしているが、これに代えて画像作成時刻および音声作成時刻に注目するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】この発明の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】図1実施例に適用される監視カメラの構成の一例を示すブロック図である。
【図3】図1実施例に適用される記録再生装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図4】(A)は監視カメラからの転送処理の一例を示す図解図であり、(B)は記録再生装置の受信処理の一例を示す図解図である。
【図5】(A)はJPEGファイルの構造の一例を示す図解図であり、(B)は音声ブロックの構造の一例を示す図解図である。
【図6】(A)は複数のJPEGファイルのデータを収めた画像ファイルの構造の一例を示す図解図であり、(B)は複数の音声ブロックを収めた音声ファイルの構造の一例を示す図解図である。
【図7】(A)は画像INDEXファイルに収められたテーブルの一例を示す図解図であり、(B)は音声INDEXファイルに収められたテーブルの一例を示す図解図である。
【図8】記録再生装置に適用されるモニタに表示される画像の一例を示す図解図である。
【図9】(A)は画像ファイルの構造の一例を示す図解図であり、(B)は音声ファイルの構造の一例を示す図解図であり、(C)は画像INDEXファイルに収められたテーブルの一例を示す図解図であり、(D)は音声INDEXファイルに収められたテーブルの一例を示す図解図である。
【図10】図3実施例の動作の一部を示す図解図である。
【図11】図3実施例の動作の他の一部を示す図解図である。
【図12】平常時間と夏時間との関係を示す図解図である。
【図13】図3実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図14】図3実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図15】図3実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図16】図3実施例に適用されるCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図17】図3実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図18】図3実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0080】
100 …監視カメラ
200 …記録再生装置
300 …インターネット網
10 …イメージセンサ
14 …マイクロフォン
26,46 …時計回路
22,30 …I/F回路
44 …CPU
52 …ハードディスク
56 …マウスポインタ
38 …モニタ
42 …スピーカ
【技術分野】
【0001】
この発明は、記録再生装置に関し、特にたとえば監視カメラシステムに適用され、複数の画像フレームおよび複数の音声ブロックの記録/再生を行う、記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の装置の一例が、特許文献1に開示されている。この従来技術によれば、動画データはタイムコードが付加された状態でネットワークから受信され、音声データもまたタイムコードが付加された状態でネットワークから受信される。受信された動画データはフレーム・バッファを介してモニタから出力される。受信された音声データは、音声出力バッファに一時的に格納される。音声出力タイミング調整装置は、受信されたタイムコードおよび音声出力バッファの使用量情報に従い、モニタに表示するフレームに対応する音声がスピーカから出力されるように、音声出力バッファ上で無音声区間を挿入又は削除する。
【特許文献1】特開平9−65303号公報[H04N 7/10, 5/93]
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来技術では、動画データの出力タイミングがタイムコードによってのみ規定され、動画データの出力タイミングに合わせて音声データの出力タイミングが調整される。すると、動画データのフレームレートが極端に長く(たとえば1フレーム/30分)、かつ音声データが受信されない期間が間欠的に現れるような場合、同じ画像が長時間にわたって表示され続ける現象が発生する。このような現象は、操作性の点で問題がある。
【0004】
それゆえに、この発明の主たる目的は、操作性を向上させることができる、記録再生装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明に従う記録再生装置(200:実施例で相当する参照符号。以下同じ)は、画像/音声の記録時刻を定義する第1時間軸に沿う第1画像時刻情報と画像/音声の作成時刻を定義する第2時間軸に沿う第2画像時刻情報とが各々に割り当てられた複数の画像フレームを記録媒体(52)に記録する第1記録手段(S5)、第1時間軸に沿う第1音声時刻情報と第2時間軸に沿う第2音声時刻情報とが各々に割り当てられた複数の音声ブロックを記録媒体に記録する第2記録手段(S11)、基準画像フレームに割り当てられた第1画像時刻情報との間で時刻条件を満足する第1音声時刻情報が割り当てられた音声ブロックを複数の音声ブロックの中から特定する第1特定手段(S33, S35)、基準画像フレームに割り当てられた第2画像時刻情報との間で時刻条件を満足する第2音声時刻情報が割り当てられた音声ブロックを第1特定手段によって特定された音声ブロック以降の音声ブロックの中から特定する第2特定手段(S39, S41, S43)、基準画像フレームに遅れる複数の画像フレームを第2画像時刻情報に基づいて記録媒体から再生する画像再生手段(S61)、画像再生手段によって再生される複数の画像フレームに関連する複数の音声ブロックを第2音声時刻情報に基づいて記録媒体から再生する音声再生手段(S51)、および音声再生手段によって再生される音声ブロックについて作成/記録時刻の連続性に関するエラー条件が満足されたとき基準画像フレームを再決定する再決定手段(S93)を備える。
【0006】
第1時間軸は画像/音声の記録時刻を定義し、第2時間軸は画像/音声の作成時刻を定義する。第1記録手段によって記録媒体に記録される複数の画像フレームの各々には、第1時間軸に沿う第1画像時刻情報と第2時間軸に沿う第2画像時刻情報とが割り当てられる。また、第2記録手段によって記録媒体に記録される複数の音声ブロックの各々には、第1時間軸に沿う第1音声時刻情報と第2時間軸に沿う第2音声時刻情報とが割り当てられる。
【0007】
第1特定手段は、基準画像フレームに割り当てられた第1画像時刻情報との間で時刻条件を満足する第1音声時刻情報が割り当てられた音声ブロックを、複数の音声ブロックの中から特定する。第2特定手段は、基準画像フレームに割り当てられた第2画像時刻情報との間で時刻条件を満足する第2音声時刻情報が割り当てられた音声ブロックを、第1特定手段によって特定された音声ブロック以降の音声ブロックの中から特定する。
【0008】
画像再生手段は、基準画像フレームに遅れる複数の画像フレームを第2画像時刻情報に基づいて記録媒体から再生する。音声再生手段は、画像再生手段によって再生される複数の画像フレームに関連する複数の音声ブロックを第2音声時刻情報に基づいて記録媒体から再生する。基準画像フレームは、音声再生手段によって再生される音声ブロックについて作成時刻の連続性に関するエラー条件が満足されたとき、再決定手段によって再決定される。
【0009】
このように、画像再生処理および音声再生処理は、第2時間軸に沿う時刻情報に基づいて実行される。したがって、画像と音声との間で同期を正確に確立することができる。また、音声ブロックについて作成時刻の連続性に関するエラー条件が満足されると、基準画像フレームが再決定され、第1時間軸に沿う時刻情報に基づいて画像再生処理および音声再生処理が再開される。これによって、エラー条件が満足されたときに、再決定された基準画像フレームからの同期再生を速やかに再開することができ、操作性の向上が図られる。
【0010】
請求項2の発明に従う記録再生装置は、請求項1に従属し、再決定手段は画像再生手段によって今回再生された画像フレームの次の画像フレームを基準画像フレームとして決定する。エラー条件が満足されると、再生される画像フレームが次の画像フレームに更新される。
【0011】
請求項3の発明に従う記録再生装置は、請求項1または2に従属し、画像フレームおよび音声ブロックを公衆回線網を通して取り込む取込手段(30)をさらに備える。第1時間軸に沿う時刻と第2時間軸に沿う時刻のずれは、公衆回線網を介した通信を行うときに顕在化し易い。かかる場合に、第1時間軸および第2時間軸の両方に注目する意義が大きくなる。
【0012】
請求項4の発明に従う記録再生装置は、請求項1ないし3のいずれかに従属し、時刻条件は注目する画像時刻情報が示す時刻に遅れる最先の時刻を示すという条件である。
【0013】
請求項5の発明に従う記録再生装置は、請求項1ないし4のいずれかに従属し、基準画像フレームを記録媒体から再生する開始画像再生手段(S23)をさらに備える。
【0014】
請求項6の発明に従う記録再生装置は、請求項1ないし5のいずれかに従属し、エラー条件は、画像再生手段によって今回再生された画像フレームに割り当てられた第2画像時刻情報が示す時刻と音声再生手段によって次回再生される音声ブロックに割り当てられた第2音声時刻情報が示す時刻との差分の絶対値が第1閾値を上回るという第1閾値条件を含む。第2時間軸が平常時間と夏時間との間で遷移し、第2画像時刻情報が示す時刻が平常時間に対応する一方、第2音声時刻情報が夏時間に対応するような場合、第1閾値条件が満足される。これによって、第2時間軸の歪みに対する耐久性が向上する。
【0015】
請求項7の発明に従う記録再生装置は、請求項6に従属し、第1閾値は1つの音声ブロックによって表現される音声の期間に相当する。
【0016】
請求項8の発明に従う記録再生装置は、請求項1ないし7のいずれかに従属し、エラー条件は、画像再生手段によって今回再生される現画像フレームと画像再生手段によって次回再生される次画像フレームとの間で再生すべき音声ブロックが欠落しているというブロック条件を含む。
【0017】
請求項9の発明に従う記録再生装置は、請求項6ないし8のいずれかに従属し、エラー条件は、画像再生手段によって今回再生された画像フレームに割り当てられた第2画像時刻情報が示す時刻と画像再生手段によって次回再生される画像フレームに割り当てられた第2画像時刻情報が示す時刻との差分の絶対値が第2閾値を上回るという第2閾値条件をさらに含む。
【0018】
請求項10の発明に従う記録再生装置は、請求項1ないし9のいずれかに従属し、第1時間軸は世界標準時刻の時間軸に相当する。
【0019】
請求項11の発明に従う記録再生プログラムは、記録再生装置(200)のプロセサ(44)に、画像/音声の記録時刻を定義する第1時間軸に沿う第1画像時刻情報と画像/音声の作成時刻を定義する第2時間軸に沿う第2画像時刻情報とが各々に割り当てられた複数の画像フレームを記録媒体(52)に記録する第1記録ステップ(S5)、第1時間軸に沿う第1音声時刻情報と第2時間軸に沿う第2音声時刻情報とが各々に割り当てられた複数の音声ブロックを記録媒体に記録する第2記録ステップ(S11)、基準画像フレームに割り当てられた第1画像時刻情報との間で時刻条件を満足する第1音声時刻情報が割り当てられた音声ブロックを複数の音声ブロックの中から特定する第1特定ステップ(S33, S35)、基準画像フレームに割り当てられた第2画像時刻情報との間で時刻条件を満足する第2音声時刻情報が割り当てられた音声ブロックを第1特定ステップによって特定された音声ブロック以降の音声ブロックの中から特定する第2特定ステップ(S39, S41, S43)、基準画像フレームに遅れる複数の画像フレームを第2画像時刻情報に基づいて記録媒体から再生する画像再生ステップ(S61)、画像再生ステップによって再生される複数の画像フレームに関連する複数の音声ブロックを第2音声時刻情報に基づいて記録媒体から再生する音声再生ステップ(S51)、および音声再生ステップによって再生される音声ブロックについて作成/記録時刻の連続性に関するエラー条件が満足されたとき基準画像フレームを再決定する再決定ステップ(S93)を実行させるための、記録再生プログラムである。
【0020】
請求項1の発明と同様、画像と音声との間での正確な同期の確立と、操作性の向上とが図られる。
【0021】
請求項12の発明に従う記録再生方法は、記録再生装置(200)によって実行される記録再生方法であって、画像/音声の記録時刻を定義する第1時間軸に沿う第1画像時刻情報と画像/音声の作成時刻を定義する第2時間軸に沿う第2画像時刻情報とが各々に割り当てられた複数の画像フレームを記録媒体(52)に記録する第1記録ステップ(S5)、第1時間軸に沿う第1音声時刻情報と第2時間軸に沿う第2音声時刻情報とが各々に割り当てられた複数の音声ブロックを記録媒体に記録する第2記録ステップ(S11)、基準画像フレームに割り当てられた第1画像時刻情報との間で時刻条件を満足する第1音声時刻情報が割り当てられた音声ブロックを複数の音声ブロックの中から特定する第1特定ステップ(S33, S35)、基準画像フレームに割り当てられた第2画像時刻情報との間で時刻条件を満足する第2音声時刻情報が割り当てられた音声ブロックを第1特定ステップによって特定された音声ブロック以降の音声ブロックの中から特定する第2特定ステップ(S39, S41, S43)、基準画像フレームに遅れる複数の画像フレームを第2画像時刻情報に基づいて記録媒体から再生する画像再生ステップ(S61)、画像再生ステップによって再生される複数の画像フレームに関連する複数の音声ブロックを第2音声時刻情報に基づいて記録媒体から再生する音声再生ステップ(S51)、および音声再生ステップによって再生される音声ブロックについて作成/記録時刻の連続性に関するエラー条件が満足されたとき基準画像フレームを再決定する再決定ステップ(S93)を備える。
【0022】
請求項1の発明と同様、画像と音声との間での正確な同期の確立と、操作性の向上とが図られる。
【発明の効果】
【0023】
この発明によれば、画像再生処理および音声再生処理は、第2時間軸に沿う時刻情報に基づいて実行される。したがって、画像と音声との間で同期を正確に確立することができる。また、音声ブロックについて作成/記録時刻の連続性に関するエラー条件が満足されると、基準画像フレームが再決定され、第1時間軸に沿う時刻情報に基づいて画像再生処理および音声再生処理が再開される。これによって、エラー条件が満足されたときに、再決定された基準画像フレームからの同期再生を速やかに再開することができ、操作性の向上が図られる。
【0024】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図1を参照して、この実施例の監視カメラシステムは、インターネット網300を介して互いに接続された監視カメラ100および記録再生装置200を備える。監視カメラ100は図2に示すように構成され、記録再生装置200は図3に示すように構成される。
【0026】
図2を参照して、監視カメラ100は、被写界を捉えるイメージセンサ10を含む。イメージセンサ10は、被写界を表す画像データを周期的に出力し、カメラ処理回路12はイメージセンサ10から出力された複数フレームの画像データの各々にJPEG圧縮を施す。ここで、画像データの出力周期は、1/30秒〜1時間の間で調整可能である。つまり、イメージセンサ10のフレームレートは、30フレーム/秒〜1フレーム/1時間の間で調整される。
【0027】
JPEG圧縮によって生成された圧縮画像データつまりJPEGデータは、メモリ制御回路18によってSDRAM20に書き込まれる。JPEGデータの先頭および末尾にそれぞれ付加すべきヘッダおよびフッタは、CPU24によって作成される。
【0028】
CPU24は、イメージセンサ10の解像度およびフレームレート,注目するJPEGデータのフレーム番号などをヘッダに記述し、注目するJPEGデータを作成した時刻つまり画像作成時刻をフッタに記述する。ここで、画像作成時刻は、時計回路26によってミリ秒単位まで検出され、ミリ秒単位までフッタに記述される。こうして、図5(A)に示す構造を有するJPEGファイルがSDRAM20内に得られる。
【0029】
監視カメラ100はまた、被写界周辺の外部音声を捉えるマイクロフォン14を含む。音声処理回路16は、マイクロフォン14から出力された音声データを246ミリ秒単位で分割し、分割された各ブロックの音声データをメモリ制御回路18を通してSDRAM20に書き込む。各ブロックの音声データの先頭に付加すべきヘッダもまた、CPU24によって作成される。
【0030】
CPU24は、注目する音声データのブロック番号や注目する音声データを作成した時刻つまり音声作成時刻をヘッダに記述する。音声作成時刻もまた、時計回路26によってミリ秒単位まで検出され、ミリ秒単位までヘッダに記述される。ヘッダは20バイトで表現され、各ブロックの音声データは5900バイトで表現される。こうして、図5(B)に示す構造を有する音声ブロックがSDRAM20内に得られる。
【0031】
ここで、監視カメラ100はたとえばアメリカ合衆国に設置され、時計回路26が採用する時間軸は平常時間および夏時間の間で図12に示すように遷移する。夏時間は、4月第1日曜日午前2時00分から始まり、10月最終日曜日午前2時00分に終了する。開始日には午前2時00分が午前3時00分になり、終了日には午前2時00分が午前1時00分になる。
【0032】
I/F回路22は、SDRAM20に蓄積されたJPEGファイルおよび音声ブロックをインターネット網300を通して記録再生装置200に送出する。図4(A)に示すように、JPEGファイルはイメージセンサ10のフレームレートに対応する周期で送信され、音声ブロックは246ミリ秒毎に送信される。JPEGファイルはTCP/IPプロトコルに従って転送され、音声ブロックはUDPプロトコルに従って転送される。
【0033】
なお、音声処理回路16は切換操作によってオン/オフされる。オン状態では音声ブロックが上述の要領で作成されてI/F回路22から送信される一方、オフ状態では音声ブロックの作成/送信処理は中断される。
【0034】
図3を参照して、記録再生装置200は、インターネット網300と接続されるI/F回路30を含む。監視カメラ100から送信されたJPEGファイルおよび音声ブロックは、キーボード54によって記録モードが選択されたとき、I/F回路30によって受信される。受信されたJPEGファイルおよび音声ブロックは、メモリ制御回路32を介してDRAM34に書き込まれる。
【0035】
インターネット網300を経由した転送処理の性質上、JPEGファイルを受信する周期は監視カメラ100からのJPEGファイルの送信周期と必ずしも一致せず、音声ブロックを受信する周期もまた監視カメラ100からの音声ブロックの送信周期と必ずしも一致しない。このため、JPEGファイルおよび音声ブロックは、たとえば図4(B)に示すように、ジッタを伴って受信される。なお、この実施例は、JPEGファイルは送信順序と同じ順序でI/F回路30によって受信され、音声ブロックもまた送信順序と同じ順序でI/F回路30によって受信されることを前提とする。
【0036】
DRAM34に蓄積されたJPEGファイルその後、CPU44から画像記録命令を受けたHDD50によって読み出され、ハードディスク52に蓄積される。JPEGファイルは、図6(A)に示す動画像ファイルに受信順序と同じ順序で収められる。DRAM34に蓄積された音声ブロックも、CPU44から音声記録命令を受けたHDD50によって読み出され、ハードディスク52に蓄積される。音声ブロックは、図6(B)に示す音声ファイルに受信順序と同じ順序で収められる。
【0037】
CPU44は、HDD50によるJPEGファイルの記録処理と並行して図7(A)に示す画像INDEXテーブルT1を作成し、HDD50による音声ブロックの記録処理と並行して図7(B)に示す音声INDEXテーブルT2を作成する。
【0038】
図7(A)によれば、画像INDEXテーブルT1は、フレーム番号および画像記録時刻がそれぞれ書き込まれる2つのカラムが設けられ、各々のカラムを形成する複数のセクションに複数のインデックス番号がそれぞれ割り当てられる。また、図7(B)によれば、音声INDEXテーブルT2は、ブロック番号および音声記録時刻がそれぞれ書き込まれる2つのカラムが設けられ、各々のカラムを形成する複数のセクションに複数のインデックス番号がそれぞれ割り当てられる。
【0039】
CPU44は、記録処理を施されるJPEGファイルのヘッダからフレーム番号を検出し、記録処理が実行される時刻つまり画像記録時刻を時計回路46からミリ秒単位まで検出し、そして検出されたフレーム番号および画像記録時刻をインデックス番号に従う順序で画像INDEXテーブルT1に書き込む。時計回路46は世界標準時刻(UTC: Coordinated Universal Time)を採用し、時計回路46の時間軸は全世界共通である。CPU44はまた、記録処理を施される音声ブロックのヘッダからブロック番号を検出し、記録処理が実行される時刻つまり音声記録時刻を時計回路46からミリ秒単位まで検出し、そして検出されたブロック番号および音声記録時刻をインデックス番号に従う順序で音声INDEXテーブルT2に書き込む。
【0040】
なお、画像INDEXテーブルT1および音声INDEXテーブルT2は、記録モードが終了されたとき、ファイル形式でハードディスク52に記録される。
【0041】
再生モードが選択されると、ハードディスク52に記録された動画像ファイルおよび音声ファイルが次の要領で再生される。まず、画像INDEXテーブルT1および音声INDEXテーブルT2がハードディスク52から読み出される。次に、図8に示す再生バーB1およびスライダSL1が、画像再生回路36によってモニタ38に表示される。再生バーB1の左端近傍には、動画ファイルの先頭のJPEGファイルに記述された画像作成時刻のうち“月”,“日”,“時”,“分”および“秒”の数値が表示される。また、再生バーB1の右端近傍には、動画ファイルの末尾のJPEGファイルに記述された画像作成時刻のうち“月”,“日”,“時”,“分”および“秒”の数値が表示される。
【0042】
マウスポインタ56によってスライダSL1を所望の位置に配置すると、その位置に対応するJPEGファイルが基準JPEGファイルとされ、この基準JPEGファイルの取得処理および再生処理が実行される。このとき、ファイル取得命令がCPU44からHDD50に向けて発行され、ファイル再生命令がCPU44からJPEGデコーダ48および画像再生回路36の各々に向けて発行される。
【0043】
ハードディスク52内の動画像ファイルに収められた所望のJPEGファイルは、HDD50によって取得され、メモリ制御回路32を通してDRAM34に書き込まれる。JPEGファイルに格納されたJPEGデータはJPEGデコーダ48によってデコードされ、デコードされた画像データに対応する画像は画像再生回路36によって図8に示す要領でモニタ38に表示される。
【0044】
取得されたJPEGファイルに記述された画像作成時刻は、図9(A)に示すように変数ILTcrntおよび変数ILTinitの各々に設定される。また、取得されたJPEGファイルのフレーム番号と同じフレーム番号に割り当てられた画像記録時刻が、画像INDEXテーブルT1から検出される。検出された画像記録時刻は、図9(C)に示すように変数IUTcrntに設定される。
【0045】
続いて、今回再生されたJPEGファイルの次のJPEGファイルを動画ファイルから取得するべく、ファイル取得命令がCPU44からHDD50に向けて発行される。HDD50は、上述と同じの要領で次のJPEGファイルを取得し、取得したJPEGファイルをメモリ制御回路32を通してDRAM34に書き込む。取得されたJPEGファイルに記述された画像作成時刻は、図9(A)に示すように変数ILTnxtに設定される。
【0046】
つまり、変数ILTcrntおよびIUTcrntはそれぞれ、今回再生されたJPEGファイルに対応する画像作成時刻および画像記録時刻を示す。また、変数ILTinitは、再生モードが選択された当初に再生されたJPEGファイルに対応する画像作成時刻を示す。さらに、変数ILTnxtは、次回再生されるJPEGファイルに対応する画像作成時刻を示す。
【0047】
続いて、変数IUTcrntが示す画像記録時刻に遅れる最先の音声記録時刻が、時刻条件を満足する音声記録時刻として音声INDEXテーブルT2から検出される。検出された音声記録時刻は、図9(D)に示すように変数AUTnxtに設定される。さらに、変数AUTnxtに対応する音声ブロックを取得するべく、ブロック取得命令がCPU44からHDD50に向けて発行される。ハードディスク52内の音声ファイルに収められた所望の音声ブロックはHDD50によって取得され、メモリ制御回路32を通してDRAM34に書き込まれる。
【0048】
取得された音声ブロックに記述された音声作成時刻は、図9(B)に示すように変数ALTnxtに設定される。さらに、変数ILTinitによって示される画像作成時刻が変数ALTnxtによって示される音声作成時刻に先行するか否かが判別される。判別結果が否定的であれば次の音声ブロックが上述と同じ要領で音声ファイルから取得され、取得された音声ブロックに記述された音声作成時刻が変数ALTnxtに設定される。
【0049】
つまり、変数ALTnxtは、変数ILTinitが示す画像作成時刻に遅れる最先の音声作成時刻が検出されるまで、つまり時刻条件を満足する音声作成時刻が検出されるまで、図9(B)に示すように更新される。画像作成時刻に関連する変数ILTinit,ILTcrntおよびILTnxtとの関係では、音声作成時刻に関連する変数ALTnxtは図10に示すように更新される。こうして、時刻条件を満足する音声作成時刻が記述された音声ブロックが特定される。
【0050】
特定された音声ブロック以降の複数の音声ブロックは、各音声ブロックに記述された音声作成時刻とクロック回路44cによって定義されるシステム時刻とを参照して246ミリ秒毎に再生される。このとき、ブロック再生命令が音声再生回路40に向けて繰り返し発行され、かつブロック取得命令がHDD50に向けて繰り返し発行される。ブロック再生命令を受けた音声再生回路40は、DRAM34に格納された音声ブロックをメモリ制御回路32を通して読み出し、読み出された音声ブロックに対応する音声をスピーカ42から出力する。ブロック取得命令を受けたHDD50の動作は上述の通りである。
【0051】
また、変数ILTinitによって示される画像作成時刻が記述されたJPEGファイル以降の複数のJPEGファイルは、各JPEGファイルに記述された画像作成時刻とシステム時刻とを参照して、監視カメラ100のフレームレートに対応する周期で再生される。このとき、ファイル再生命令がJPEGデコーダ48および画像再生回路40に向けて繰り返し発行され、かつファイル取得命令がHDD50に向けて繰り返し発行される。JPEGデコーダ,画像再生回路40およびHDD50の動作は上述のとおりである。この結果、対応する画像がモニタ38から出力される。
【0052】
このように、音声ブロックは音声記録時刻ではなく音声作成時刻を参照して再生され、JPEGファイルは画像記録時刻ではなく画像作成時刻を参照して再生される。したがって、インターネット網300を介した転送処理に起因するジッタに関係なく、正確な同期再生が可能となる。
【0053】
ただし、監視カメラ100の設定によっては、音声ブロックの送信が中断される。また、監視カメラ100の時計回路26が採用する時間軸は、平常時間および夏時間の間での遷移、または電源オフに伴う時計回路26のリセットに起因して歪む場合がある。この歪みは、音声ファイル上で隣り合う2つの音声ブロックにそれぞれ記述された2つの音声作成時刻の連続性を破壊し、画像および音声の同期再生を困難にする。
【0054】
そこで、この実施例では、図11に示すように、(1)今回再生されたJPEGファイルに対応する画像作成時刻と次に再生される音声ブロックに対応する音声作成時刻との差分絶対値が246ミリ秒を上回るとき、または(2)今回再生されたJPEGファイルに対応する画像作成/記録時刻と次回再生されるJPEGファイルに対応する画像作成/記録時刻との間に記録された音声ブロックが存在しないときに、音声作成/記録時刻の連続性が損なわれたと判断し、基準JPEGファイルを再決定するようにしている。基準JPEGファイルは、今回再生されたJPEGファイルの次に受信されたJPEGファイルである。基準JPEGファイルが再決定されるため、JPEGファイルおよび音声ブロックの同期再生は、図9(A)〜図9(D)に示す処理を経て再開される。
【0055】
上述の条件(1)および(2)をそれぞれ“閾値条件”および“ブロック条件”と定義し、両者の上位概念を“エラー条件”と定義すると、基準JPEGファイルは、音声ブロックについて作成/記録時刻の連続性に関するエラー条件が満足されたときに再決定される。そして、画像INDEXテーブルT1および音声INDEXテーブルT2の参照を経て同期再生が再開される。これによって、エラー条件が満足されたときに、再決定された基準JPEGファイルからの同期再生を速やかに再開することができ、操作性の向上が図られる。
【0056】
CPU44は、記録モードが選択されたとき図13に示す記録制御処理を実行し、再生モードが選択されたとき図14〜図18に示す再生制御処理を実行する。なお、これらのフロー図に対応する制御プログラムは、ハードディスク52に記憶される。
【0057】
図13を参照して、ステップS1ではJPEGファイルを受信したか否かを判別し、ステップS3では音声ブロックを受信したか否かを判別する。具体的には、新規のJPEGファイルがDRAM34に確保されたか否かがステップS1で判別され、新規の音声ブロックがDRAM34に確保されたか否かがステップS3で判別される。ステップS1でYESであればステップS5に進み、ステップS3でYESであればステップS11に進む。
【0058】
ステップS5では、HDD50に対して画像記録命令を発行する。HDD50は、DRAM34に格納されたJPEGファイルを読み出し、読み出されたJPEGファイルをハードディスク52内の動画ファイルに書き込む。ステップS7では、時計回路46が示す現在時刻を画像記録時刻として取得する。ステップS9では、今回記録されるJPEGファイルに記述されたフレーム番号とステップS7で取得された画像記録時刻とを画像INDEXテーブルT1に書き込む。書き込みが完了すると、ステップS1に戻る。
【0059】
ステップS11では、HDD50に対して音声記録命令を発行する。HDD50は、DRAM34に格納された音声ブロックを読み出し、読み出された音声ブロックをハードディスク52内の音声ファイルに書き込む。ステップS13では、時計回路46が示す現在時刻を音声記録時刻として取得する。ステップS15では、今回記録される音声ブロックに記述されたブロック番号とステップS13で取得された音声記録時刻とを音声INDEXテーブルT2に書き込む。書き込みが完了すると、ステップS1に戻る。
【0060】
図14を参照して、ステップS21では指定されたJPEGファイルの取得&再生を実行するべく、ファイル取得命令をHDD50に向けて発行し、画像再生命令をJPEGデコーダ48および画像再生回路36に向けて発行する。ハードディスク52内の動画像ファイルに収められた所望のJPEGファイルは、メモリ制御回路32を通してDRAM34に書き込まれる。JPEGファイルに格納されたJPEGデータはJPEGデコーダ48によってデコードされ、デコードされた画像データに対応する画像は画像再生回路36によってモニタ38に表示される。
【0061】
ステップS23では、ステップS21で取得されたJPEGファイルのフッタから画像作成時刻を検出し、検出された画像作成時刻を変数ILTcrntに設定する。ステップS25では、取得されたJPEGファイルのフレーム番号と同じフレーム番号に割り当てられた画像記録時刻を画像INDEXテーブルT1から検出する。ステップS27では、変数ITLcrntが示す数値を変数ITLinitに設定する。
【0062】
ステップS29では、ステップS23で取得されたJPEGファイルの次のJPEGファイルを取得するべく、HDD50に向けてファイル取得命令を発行する。所望のJPEGファイルは、上述と同様、メモリ制御回路32を通してDRAM34に書き込まれる。ステップS31では、取得したJPEGファイルのフッタから画像作成時刻を検出し、検出された画像作成時刻を変数ILTnxtに設定する。
【0063】
ステップS33では、変数IUTcrntが示す時刻に遅れる最先の音声記録時刻(時刻条件を満足する音声記録時刻)を音声INDEXテーブルT2から検出し、検出された音声記録時刻を変数AUTnxtに設定する。ステップS35では、変数AUTnxtが示す時刻に記録された音声ブロックをハードディスク52に記録された音声ファイルから取得し、ステップS37では取得された音声ブロックに記述された音声作成時刻を検出する。検出された音声作成時刻は、変数ALTnxtに設定される。
【0064】
ステップS39では、変数ILTinitが示す時刻が変数ALTnxtが示す時刻に先行するか否か(時刻条件が満足されるか否か)を判別する。ここでNOであれば、ステップS35で取得された音声ブロックの次の音声ブロックを取得するべく、ステップS41でブロック取得命令をHDD50に向けて発行する。所望の音声ブロックは、上述と同様、メモリ制御回路32を通してDRAM34に書き込まれる。ステップS43では、取得した音声ブロックから音声作成時刻を検出し、検出された音声作成時刻を変数ALTnxtに設定する。ステップS43の処理が完了すると、ステップS39に戻る。
【0065】
ステップS39でYESであればステップS45に進み、クロック回路44cが示す現在のシステム時刻を再生開始時刻として取得する。取得された再生開始時刻は、変数Tinitに設定される。ステップS47では、現在のシステム時刻を再度取得し、取得されたシステム時刻を変数Tcrntに設定する。ステップS49では、変数TcrntおよびTinitの差分値である“Tcrnt−Tinit”が変数ALTnxtおよびILTinitの差分値である“ALTnxt−ILTinit”を上回るか否かを判別する。ここでNOであれば直接ステップS59に進む一方、YESであればステップS51〜S57の処理を経てステップS59に進む。
【0066】
ステップS51では、変数ALTnxtが示す時刻に記録された音声ブロックを再生すべく、音声再生命令を音声再生回路40に向けて発行する。音声再生回路40は、DRAM34に格納された音声ブロックをメモリ制御回路32を通して読み出し、読み出された音声ブロックに対応する音声をスピーカ42から出力する。ステップS53では、変数ALTnxtが示す数値を変数ALTcrntに設定する。続くステップS55およびS57では、上述のステップS41およびS43と同様の処理を実行する。こうして、音声ブロックが連続的に再生され、変数ALTcrntおよびALTnxtが1ブロック毎に更新される。
【0067】
ステップS59では、変数TcrntおよびTinitの差分値である“Tcrnt−Tinit”が変数ILTnxtおよびILTinitの差分値である“ILTnxt−ILTinit”を上回るか否かを判別する。ここでNOであれば直接ステップS71に進む一方、YESであればステップS61〜S69の処理を経てステップS71に進む。
【0068】
ステップS61では、変数ILTnxtが示す時刻に記録されたJPEGファイルを再生すべく、画像再生命令をJPEGデコーダ48および画像再生回路36に向けて発行する。この結果、所望のJPEGファイルに格納JPEGデータに基づく画像がモニタ38に表示される。
【0069】
ステップS63では変数ILTcrntが示す数値を変数Tlastに設定し、ステップS65では変数ILTnxtが示す数値を変数ILTcrntに設定する。続くステップS67およびS69では、上述のステップS29およびS31と同様の処理を実行する。こうして、JPEGファイルが連続的に再生され、変数Tlast,ILTcrntおよびILTnxtが1ブロック毎に更新される。
【0070】
ステップS71では、変数ILTnxtおよびILTcrntの差分絶対値である|ILTnxt−ILTcrnt|が閾値TH(=たとえば10秒)を上回るか否かを判別する。また、ステップS73ではフラグFLG2が“0”であるか否かを判別する。さらに、ステップS75では、変数ILTcrntおよび変数ALTnxtの差分絶対値である|ILTcrnt−ALTcrnt|が1ブロックの音声データの長さである246ミリ秒以下であるか否か、つまり閾値条件が満足されるか否かを判別する。また、ステップS77では、変数IUTcrntが示す時刻に遅れ、かつ変数IUTnxtが示す時刻に先行する時刻に記録された音声ブロックが音声ファイルに存在するか否か、つまりブロック条件が満足されるか否かを判別する。
【0071】
ステップS71またはS73でNOであれば、直接ステップS83に進む。ステップS71,S73,S75およびS77のいずれもYESであれば、ステップS79でフラグFLG1およびFLG2をそれぞれ“0”および“1”に設定してからステップS83に進む。ステップS71およびS73でYESであるものの、ステップS75またはS77でNOであれば、ステップS81でフラグFLG1およびFLG2の各々を“1”に設定してからステップS83に進む。
【0072】
ステップS83では、変数TcrntおよびTlastの差分値である“Tcrnt−Tlast”が閾値THを上回るか否かを判別する。ステップS85ではフラグFLG2が“1”であるか否かを判別し、ステップS87ではフラグFLG1が“1”であるか否かを判別する。ステップS83またはS85でNOであれば直接ステップS47に戻る。ステップS83およびS85でYESであり、かつステップS87でNOであれば、ステップS89でフラグFLG1およびFLG2を初期化(=0)してからステップS47に戻る。
【0073】
ステップS85,S87およびS89のいずれもYESであれば、ステップS91でフラグFLG1およびFLG2を初期化する。ステップS93では、ステップS67で取得されたJPEGファイルの次に受信されたJPEGファイルを指定し、その後にステップS21に戻る。なお、図示しないが、フラグFLG1およびFLG2は、図14〜図18に示す再生制御処理が開始される前に、初期化される。
【0074】
以上の説明から分かるように、画像作成時刻および音声作成時刻は、監視カメラ100の時計回路26が採用する時間軸によって定義される。画像記録時刻および音声記録時刻は、記録再生装置200の時計回路46が採用する時間軸によって定義される。ハードディスク52に記録される複数のJPEGファイルの各々には、画像作成時刻および画像記録時刻が割り当てられる。また、ハードディスク52に記録される複数の音声ブロックの各々には、音声作成時刻および音声記録時刻が割り当てられる。
【0075】
CPU44は、基準JPEGファイルに割り当てられた画像記録時刻との間で時刻条件を満足する音声記録時刻が割り当てられた音声ブロックを、複数の音声ブロックの中から特定する(S33, S35)。CPU44はまた、基準JPEGファイルに割り当てられた画像作成時刻との間で時刻条件を満足する音声作成時刻が割り当てられた音声ブロックを、前段の処理で特定された音声ブロック以降の音声ブロックの中から特定する(S39, S41, S43)。
【0076】
基準JPEGファイルに遅れる複数のJPEGファイルは、各々に割り当てられた画像作成時刻を参照してハードディスク52から再生される(S61)。再生される複数のJPEGファイルに関連する複数の音声ブロックは、各々に割り当てられた音声作成時刻を参照してハードディスク52から再生される(S51)。基準JPEGファイルは、音声作成時刻の連続性に関するエラー条件が満足されたとき、再決定される(93)。
【0077】
このように、JPEGファイルおよび音声ブロックは、画像作成時刻および音声作成時刻を参照して再生される。したがって、画像と音声との間で同期を正確に確立することができる。また、音声作成時刻の連続性に関するエラー条件が満足されると、基準JPEGファイルが再決定され、世界標準時刻である画像記録時刻および音声記録時刻の参照を経て同期再生が再開される。これによって、エラー条件が満足されたときに、再決定された基準JPEGファイルからの同期再生を速やかに再開することができ、操作性の向上が図られる。
【0078】
なお、この実施例では、ステップS77の判別処理にあたって画像記録時刻および音声記憶時刻に注目するようにしているが、これに代えて画像作成時刻および音声作成時刻に注目するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】この発明の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】図1実施例に適用される監視カメラの構成の一例を示すブロック図である。
【図3】図1実施例に適用される記録再生装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図4】(A)は監視カメラからの転送処理の一例を示す図解図であり、(B)は記録再生装置の受信処理の一例を示す図解図である。
【図5】(A)はJPEGファイルの構造の一例を示す図解図であり、(B)は音声ブロックの構造の一例を示す図解図である。
【図6】(A)は複数のJPEGファイルのデータを収めた画像ファイルの構造の一例を示す図解図であり、(B)は複数の音声ブロックを収めた音声ファイルの構造の一例を示す図解図である。
【図7】(A)は画像INDEXファイルに収められたテーブルの一例を示す図解図であり、(B)は音声INDEXファイルに収められたテーブルの一例を示す図解図である。
【図8】記録再生装置に適用されるモニタに表示される画像の一例を示す図解図である。
【図9】(A)は画像ファイルの構造の一例を示す図解図であり、(B)は音声ファイルの構造の一例を示す図解図であり、(C)は画像INDEXファイルに収められたテーブルの一例を示す図解図であり、(D)は音声INDEXファイルに収められたテーブルの一例を示す図解図である。
【図10】図3実施例の動作の一部を示す図解図である。
【図11】図3実施例の動作の他の一部を示す図解図である。
【図12】平常時間と夏時間との関係を示す図解図である。
【図13】図3実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図14】図3実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図15】図3実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図16】図3実施例に適用されるCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図17】図3実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図18】図3実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0080】
100 …監視カメラ
200 …記録再生装置
300 …インターネット網
10 …イメージセンサ
14 …マイクロフォン
26,46 …時計回路
22,30 …I/F回路
44 …CPU
52 …ハードディスク
56 …マウスポインタ
38 …モニタ
42 …スピーカ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像/音声の記録時刻を定義する第1時間軸に沿う第1画像時刻情報と画像/音声の作成時刻を定義する第2時間軸に沿う第2画像時刻情報とが各々に割り当てられた複数の画像フレームを記録媒体に記録する第1記録手段、
前記第1時間軸に沿う第1音声時刻情報と前記第2時間軸に沿う第2音声時刻情報とが各々に割り当てられた複数の音声ブロックを前記記録媒体に記録する第2記録手段、
基準画像フレームに割り当てられた第1画像時刻情報との間で時刻条件を満足する第1音声時刻情報が割り当てられた音声ブロックを前記複数の音声ブロックの中から特定する第1特定手段、
前記基準画像フレームに割り当てられた第2画像時刻情報との間で前記時刻条件を満足する第2音声時刻情報が割り当てられた音声ブロックを前記第1特定手段によって特定された音声ブロック以降の音声ブロックの中から特定する第2特定手段、
前記基準画像フレームに遅れる複数の画像フレームを前記第2画像時刻情報に基づいて前記記録媒体から再生する画像再生手段、
前記画像再生手段によって再生される複数の画像フレームに関連する複数の音声ブロックを前記第2音声時刻情報に基づいて前記記録媒体から再生する音声再生手段、および
前記音声再生手段によって再生される音声ブロックについて作成/記録時刻の連続性に関するエラー条件が満足されたとき前記基準画像フレームを再決定する再決定手段を備える、記録再生装置。
【請求項2】
前記再決定手段は前記画像再生手段によって今回再生された画像フレームの次の画像フレームを前記基準画像フレームとして決定する、請求項1記載の記録再生装置。
【請求項3】
前記画像フレームおよび前記音声ブロックを公衆回線網を通して取り込む取込手段をさらに備える、請求項1または2記載の記録再生装置。
【請求項4】
前記時刻条件は注目する画像時刻情報が示す時刻に遅れる最先の時刻を示すという条件である、請求項1ないし3のいずれかに記載の記録再生装置。
【請求項5】
前記基準画像フレームを前記記録媒体から再生する開始画像再生手段をさらに備える、請求項1ないし4のいずれかに記載の記録再生装置。
【請求項6】
前記エラー条件は、前記画像再生手段によって今回再生された画像フレームに割り当てられた第2画像時刻情報が示す時刻と前記音声再生手段によって次回再生される音声ブロックに割り当てられた第2音声時刻情報が示す時刻との差分の絶対値が第1閾値を上回るという第1閾値条件を含む、請求項1ないし5のいずれかに記載の記録再生装置。
【請求項7】
前記第1閾値は1つの音声ブロックによって表現される音声の期間に相当する、請求項6記載の記録再生装置。
【請求項8】
前記エラー条件は、前記画像再生手段によって今回再生される現画像フレームと前記画像再生手段によって次回再生される次画像フレームとの間で再生すべき音声ブロックが欠落しているというブロック条件を含む、請求項1ないし7記載の記録再生装置。
【請求項9】
前記エラー条件は、前記画像再生手段によって今回再生された画像フレームに割り当てられた第2画像時刻情報が示す時刻と前記画像再生手段によって次回再生される画像フレームに割り当てられた第2画像時刻情報が示す時刻との差分の絶対値が第2閾値を上回るという第2閾値条件をさらに含む、請求項6ないし8のいずれかに記載の記録再生装置。
【請求項10】
前記第1時間軸は世界標準時刻の時間軸に相当する、請求項1ないし9のいずれかに記載の記録再生装置。
【請求項11】
記録再生装置のプロセサに、
画像/音声の記録時刻を定義する第1時間軸に沿う第1画像時刻情報と画像/音声の作成時刻を定義する第2時間軸に沿う第2画像時刻情報とが各々に割り当てられた複数の画像フレームを記録媒体に記録する第1記録ステップ、
前記第1時間軸に沿う第1音声時刻情報と前記第2時間軸に沿う第2音声時刻情報とが各々に割り当てられた複数の音声ブロックを前記記録媒体に記録する第2記録ステップ、
基準画像フレームに割り当てられた第1画像時刻情報との間で時刻条件を満足する第1音声時刻情報が割り当てられた音声ブロックを前記複数の音声ブロックの中から特定する第1特定ステップ、
前記基準画像フレームに割り当てられた第2画像時刻情報との間で前記時刻条件を満足する第2音声時刻情報が割り当てられた音声ブロックを前記第1特定ステップによって特定された音声ブロック以降の音声ブロックの中から特定する第2特定ステップ、
前記基準画像フレームに遅れる複数の画像フレームを前記第2画像時刻情報に基づいて前記記録媒体から再生する画像再生ステップ、
前記画像再生ステップによって再生される複数の画像フレームに関連する複数の音声ブロックを前記第2音声時刻情報に基づいて前記記録媒体から再生する音声再生ステップ、および
前記音声再生ステップによって再生される音声ブロックについて作成/記録時刻の連続性に関するエラー条件が満足されたとき前記基準画像フレームを再決定する再決定ステップを実行させるための、記録再生プログラム。
【請求項12】
記録再生装置によって実行される記録再生方法であって、
画像/音声の記録時刻を定義する第1時間軸に沿う第1画像時刻情報と画像/音声の作成時刻を定義する第2時間軸に沿う第2画像時刻情報とが各々に割り当てられた複数の画像フレームを記録媒体に記録する第1記録ステップ、
前記第1時間軸に沿う第1音声時刻情報と前記第2時間軸に沿う第2音声時刻情報とが各々に割り当てられた複数の音声ブロックを前記記録媒体に記録する第2記録ステップ、
基準画像フレームに割り当てられた第1画像時刻情報との間で時刻条件を満足する第1音声時刻情報が割り当てられた音声ブロックを前記複数の音声ブロックの中から特定する第1特定ステップ、
前記基準画像フレームに割り当てられた第2画像時刻情報との間で前記時刻条件を満足する第2音声時刻情報が割り当てられた音声ブロックを前記第1特定ステップによって特定された音声ブロック以降の音声ブロックの中から特定する第2特定ステップ、
前記基準画像フレームに遅れる複数の画像フレームを前記第2画像時刻情報に基づいて前記記録媒体から再生する画像再生ステップ、
前記画像再生ステップによって再生される複数の画像フレームに関連する複数の音声ブロックを前記第2音声時刻情報に基づいて前記記録媒体から再生する音声再生ステップ、および
前記音声再生ステップによって再生される音声ブロックについて作成/記録時刻の連続性に関するエラー条件が満足されたとき前記基準画像フレームを再決定する再決定ステップを備える、記録再生方法。
【請求項1】
画像/音声の記録時刻を定義する第1時間軸に沿う第1画像時刻情報と画像/音声の作成時刻を定義する第2時間軸に沿う第2画像時刻情報とが各々に割り当てられた複数の画像フレームを記録媒体に記録する第1記録手段、
前記第1時間軸に沿う第1音声時刻情報と前記第2時間軸に沿う第2音声時刻情報とが各々に割り当てられた複数の音声ブロックを前記記録媒体に記録する第2記録手段、
基準画像フレームに割り当てられた第1画像時刻情報との間で時刻条件を満足する第1音声時刻情報が割り当てられた音声ブロックを前記複数の音声ブロックの中から特定する第1特定手段、
前記基準画像フレームに割り当てられた第2画像時刻情報との間で前記時刻条件を満足する第2音声時刻情報が割り当てられた音声ブロックを前記第1特定手段によって特定された音声ブロック以降の音声ブロックの中から特定する第2特定手段、
前記基準画像フレームに遅れる複数の画像フレームを前記第2画像時刻情報に基づいて前記記録媒体から再生する画像再生手段、
前記画像再生手段によって再生される複数の画像フレームに関連する複数の音声ブロックを前記第2音声時刻情報に基づいて前記記録媒体から再生する音声再生手段、および
前記音声再生手段によって再生される音声ブロックについて作成/記録時刻の連続性に関するエラー条件が満足されたとき前記基準画像フレームを再決定する再決定手段を備える、記録再生装置。
【請求項2】
前記再決定手段は前記画像再生手段によって今回再生された画像フレームの次の画像フレームを前記基準画像フレームとして決定する、請求項1記載の記録再生装置。
【請求項3】
前記画像フレームおよび前記音声ブロックを公衆回線網を通して取り込む取込手段をさらに備える、請求項1または2記載の記録再生装置。
【請求項4】
前記時刻条件は注目する画像時刻情報が示す時刻に遅れる最先の時刻を示すという条件である、請求項1ないし3のいずれかに記載の記録再生装置。
【請求項5】
前記基準画像フレームを前記記録媒体から再生する開始画像再生手段をさらに備える、請求項1ないし4のいずれかに記載の記録再生装置。
【請求項6】
前記エラー条件は、前記画像再生手段によって今回再生された画像フレームに割り当てられた第2画像時刻情報が示す時刻と前記音声再生手段によって次回再生される音声ブロックに割り当てられた第2音声時刻情報が示す時刻との差分の絶対値が第1閾値を上回るという第1閾値条件を含む、請求項1ないし5のいずれかに記載の記録再生装置。
【請求項7】
前記第1閾値は1つの音声ブロックによって表現される音声の期間に相当する、請求項6記載の記録再生装置。
【請求項8】
前記エラー条件は、前記画像再生手段によって今回再生される現画像フレームと前記画像再生手段によって次回再生される次画像フレームとの間で再生すべき音声ブロックが欠落しているというブロック条件を含む、請求項1ないし7記載の記録再生装置。
【請求項9】
前記エラー条件は、前記画像再生手段によって今回再生された画像フレームに割り当てられた第2画像時刻情報が示す時刻と前記画像再生手段によって次回再生される画像フレームに割り当てられた第2画像時刻情報が示す時刻との差分の絶対値が第2閾値を上回るという第2閾値条件をさらに含む、請求項6ないし8のいずれかに記載の記録再生装置。
【請求項10】
前記第1時間軸は世界標準時刻の時間軸に相当する、請求項1ないし9のいずれかに記載の記録再生装置。
【請求項11】
記録再生装置のプロセサに、
画像/音声の記録時刻を定義する第1時間軸に沿う第1画像時刻情報と画像/音声の作成時刻を定義する第2時間軸に沿う第2画像時刻情報とが各々に割り当てられた複数の画像フレームを記録媒体に記録する第1記録ステップ、
前記第1時間軸に沿う第1音声時刻情報と前記第2時間軸に沿う第2音声時刻情報とが各々に割り当てられた複数の音声ブロックを前記記録媒体に記録する第2記録ステップ、
基準画像フレームに割り当てられた第1画像時刻情報との間で時刻条件を満足する第1音声時刻情報が割り当てられた音声ブロックを前記複数の音声ブロックの中から特定する第1特定ステップ、
前記基準画像フレームに割り当てられた第2画像時刻情報との間で前記時刻条件を満足する第2音声時刻情報が割り当てられた音声ブロックを前記第1特定ステップによって特定された音声ブロック以降の音声ブロックの中から特定する第2特定ステップ、
前記基準画像フレームに遅れる複数の画像フレームを前記第2画像時刻情報に基づいて前記記録媒体から再生する画像再生ステップ、
前記画像再生ステップによって再生される複数の画像フレームに関連する複数の音声ブロックを前記第2音声時刻情報に基づいて前記記録媒体から再生する音声再生ステップ、および
前記音声再生ステップによって再生される音声ブロックについて作成/記録時刻の連続性に関するエラー条件が満足されたとき前記基準画像フレームを再決定する再決定ステップを実行させるための、記録再生プログラム。
【請求項12】
記録再生装置によって実行される記録再生方法であって、
画像/音声の記録時刻を定義する第1時間軸に沿う第1画像時刻情報と画像/音声の作成時刻を定義する第2時間軸に沿う第2画像時刻情報とが各々に割り当てられた複数の画像フレームを記録媒体に記録する第1記録ステップ、
前記第1時間軸に沿う第1音声時刻情報と前記第2時間軸に沿う第2音声時刻情報とが各々に割り当てられた複数の音声ブロックを前記記録媒体に記録する第2記録ステップ、
基準画像フレームに割り当てられた第1画像時刻情報との間で時刻条件を満足する第1音声時刻情報が割り当てられた音声ブロックを前記複数の音声ブロックの中から特定する第1特定ステップ、
前記基準画像フレームに割り当てられた第2画像時刻情報との間で前記時刻条件を満足する第2音声時刻情報が割り当てられた音声ブロックを前記第1特定ステップによって特定された音声ブロック以降の音声ブロックの中から特定する第2特定ステップ、
前記基準画像フレームに遅れる複数の画像フレームを前記第2画像時刻情報に基づいて前記記録媒体から再生する画像再生ステップ、
前記画像再生ステップによって再生される複数の画像フレームに関連する複数の音声ブロックを前記第2音声時刻情報に基づいて前記記録媒体から再生する音声再生ステップ、および
前記音声再生ステップによって再生される音声ブロックについて作成/記録時刻の連続性に関するエラー条件が満足されたとき前記基準画像フレームを再決定する再決定ステップを備える、記録再生方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
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【図4】
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【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2008−92253(P2008−92253A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−270445(P2006−270445)
【出願日】平成18年10月2日(2006.10.2)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月2日(2006.10.2)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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