説明

記録媒体ライブラリ装置

【課題】ドライブが交換されても搬送作業を続けることができるライブラリ装置を提供する。
【解決手段】ライブラリ装置は、複数の収納領域を備える収納棚(1)と前記収納領域の一部に設けられた記録媒体群(2)と媒体に読み書きするドライブ群(3)及びホストコンピュータ(4)と、アクセッサ(5)から構成されている。ホストコンピュータ(4)は、記録媒体が収納された第1収納領域を表す送側アドレスと、第2収納領域を表す受側アドレスとを含む記録媒体搬送命令を前記アクセッサに送信する。診断処理は該アクセッサが送側アドレスをドライブ診断用記録媒体(7)が収納された診断用記録媒体収納領域と解釈し、また受側アドレスを交換されたドライブと解釈して行われため搬送作業中であっても確実に実施する事が出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1収納領域から記録媒体を取り出して搬送し、第2収納領域に収納する記録媒体ライブラリ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
第1収納領域から磁気テープ媒体を取り出して搬送し、第2収納領域に収納する磁気テープライブラリ装置が特開2001−319399号公報に記載されている。
【0003】
図1は、従来の磁気テープライブラリ装置の構成を示すブロック図である。磁気テープライブラリ装置は、収納棚101と、磁気テープ媒体群102と、ドライブ群103と、装置管理部104と、ロボットであるアクセッサ105と、レール106を具備している。アクセッサ105と装置管理部104は、有線又は無線によって接続されている。レール106は、収納棚101に平行に設けられ、アクセッサ105は、レール106上を移動することができる。
収納棚101は、複数の収納領域を備えている。磁気テープ媒体群102は、複数の収納領域のうちの一部に収納される。ドライブ群103は、複数の収納領域のうちの他の一部に搭載される。ドライブ群103は、磁気テープ媒体群102のうちの1つの磁気テープ媒体を収納し、収納された磁気テープ媒体にデータの読み出し/書き込みを行なう。
【0004】
装置管理部104は、通常モードにおいて、複数の収納領域の複数のアドレスのうち、上記の1つの磁気テープ媒体が収納された第1収納領域を表す送側アドレスと、第2収納領域を表す受側アドレスとを含む磁気テープ媒体搬送命令を送信する。アクセッサ105は、通常モードにおいて、磁気テープ媒体搬送命令を受信する。このとき、アクセッサ105は、第1収納領域から上記の1つの磁気テープ媒体を取り出して搬送し、第2収納領域に収納する搬送作業を行なう。
【0005】
一方、装置管理部104は、ドライブ群103のうちの1つのドライブが交換されたとき、保守モードにおいて、磁気テープ媒体搬送命令の送信を停止する。
ドライブ群103が1つの磁気テープ媒体を収納するための受入口(間口)は、製造のバラツキにより、その位置が異なる。このため、ドライブ群103のうち、交換されたドライブにアクセッサ105が磁気テープ媒体を衝突させたり、こすったりしないように、保守モードにおいて、アクセッサ105は、間口の位置を認識する位置補正処理を行なう。また、保守モードにおいて、交換されたドライブに診断用磁気テープ媒体が収納されたときに、診断処理が行なわれる。診断用磁気テープ媒体は、そのドライブを診断するための磁気テープ媒体であり、診断処理では、そのドライブは、収納された診断用磁気テープ媒体にデータの読み出しと書き込みとを行なう。
【0006】
上述の磁気テープライブラリ装置では、ドライブが交換されたときに、保守モードにおいて、装置管理部104は磁気テープ媒体搬送命令の送信を停止するため、アクセッサ105は搬送作業を中断しなければならない。このため、作業員は、搬送作業により、磁気テープ媒体に記録されたデータをバックアップするバックアップ処理や、バッチ処理というようなユーザ作業を行ないたい場合、そのユーザ作業が遅れてしまう。
【0007】
このような磁気テープライブラリ装置について詳細に説明する。
【0008】
図2は、収納棚101の複数の収納領域を表している。アクセッサ105は、複数の収納領域の位置を把握するために、X方向の位置を決めるためのX方向位置決めフラグ(X座標)と、X方向に垂直なY方向の位置を決めるためのY方向位置決めフラグ(Y座標)とを用いる。X方向位置決めフラグは、フラグX0を基準とし、フラグX1、X2、X3…、を含んでいる。フラグX1、X2、X3…は、フラグX0からの距離を表している。Y方向位置決めフラグは、フラグY0を基準とし、フラグY1、Y2、Y3…、を含んでいる。フラグY1、Y2、Y3…は、フラグY0からの距離を表している。
【0009】
例えば、ドライブ群103は、ドライブ103−1、103−2、103−3を含んでいる。この場合、ドライブ103−1が搭載される収納領域は、座標(X4、Y1)、(X4、Y4)、(X5、Y1)、(X5、Y4)を角とする四辺形を表している。ドライブ103−2が搭載される収納領域は、座標(X4、Y4)、(X4、Y7)、(X5、Y4)、(X5、Y7)を角とする四辺形を表している。ドライブ103−3が搭載される収納領域は、座標(X4、Y7)、(X4、Y10)、(X5、Y7)、(X5、Y10)を角とする四辺形を表している。上記のドライブ群103が搭載される収納領域以外の収納領域には、それぞれ、磁気テープ媒体群102が収納される。
【0010】
図3は、ドライブ群103の構成を示す斜視図である。ドライブ群103の各々は、収納部131と、ドライブ本体130と、バーコード132とを具備している。収納部131は、ドライブ本体130に設けられた上記の間口に対応し、1つの磁気テープ媒体を収納する。ドライブ本体130は、収納部131に収納された磁気テープ媒体にデータの読み出し/書き込みを行なう。バーコード132は、ドライブ本体130に設けられている。
【0011】
ドライブ群103が出荷される前に、バーコード132に、ドライブ本体130に収納部131が設けられた位置を表す設置位置情報を保持しておく。アクセッサ105が収納部131の位置を把握するために、設置位置情報として、V方向の位置を決めるためのV方向位置決めフラグ(V座標)と、V方向に垂直なW方向の位置を決めるためのW方向位置決めフラグ(W座標)とが用いられる。V方向位置決めフラグは、フラグV0を基準とし、フラグV1、V2を含んでいる。フラグV1、V2は、フラグV0からの距離を表している。W方向位置決めフラグは、フラグW0を基準とし、フラグW1、W2を含んでいる。フラグW1、W2は、フラグW0からの距離を表している。この場合、設置位置情報は、座標(V1、W1)、(V1、W2)、(V2、W1)、(V2、W2)を角とする四辺形を表している。
また、フラグV0、W0は、出荷後にドライブ群103を収納領域に搭載するときの基準でもあり、例えば、ドライブ103−1における座標(V0、W0)と、収納領域における座標(X4、Y1)とが重なるように、ドライブ103−1が収納領域に搭載される。
【0012】
図4に示されるように、装置管理部104は、制御装置140と、メモリ142とを具備している。制御装置140は、CPU(Central Processing Unit)141を具備している。メモリ142は、CPU141が実行するためのコンピュータプログラム143と、アドレスデータベース145とを具備している。コンピュータプログラム143は、制御部144を含んでいる。制御部144の動作については後述する。図5に示されるように、アドレスデータベース145には、複数の収納領域のそれぞれに対応付けられる複数のアドレスと、複数の収納領域のそれぞれに磁気テープ媒体を収納するか否かを表す複数の状況情報とが格納されている。
【0013】
図4に示されるように、アクセッサ105は、ハンド部151と、位置センサ152と、バーコードリーダ153と、アクセッサ本体150とを具備している。ハンド部151は、図6に示されるように、アクセッサ本体150に設けられている。バーコードリーダ153は、アクセッサ本体150又はハンド部151に設けられ、図6に示されるように、例えば、ハンド部151に設けられている。位置センサ152は、アクセッサ本体150又はハンド部151に設けられ、例えば、ハンド部151に設けられている(図示省略)。
【0014】
図4に示されるように、アクセッサ本体150は、コンピュータが搭載され、アクセッサ制御装置154と、メモリ156とを具備している。アクセッサ制御装置154は、CPU155を具備している。メモリ156は、CPU155が実行するためのコンピュータプログラム160と、位置座標データベース170とを具備している。コンピュータプログラム160は、位置測定制御部161、通常モード検索制御部162、通常モード送側搬送制御部163、通常モード受側搬送制御部164、保守モード検索制御部165、保守モード実行制御部166を含んでいる。コンピュータプログラム160の動作については後述する。図7に示されるように、位置座標データベース170には、複数のアドレスと、後述する複数の位置情報とが格納される。
【0015】
出荷前、又は、出荷後に、装置管理部104の制御部144は、作業者の操作により、アドレスデータベース145を参照して、複数の位置測定指示をアクセッサ105に送信する。複数の位置測定指示は、それぞれ、複数のアドレスを含み、アクセッサ105が複数の収納領域の位置を測定する順番を表している。この場合、アクセッサ105の位置測定制御部161は、複数の位置測定指示に応じて、それぞれ、複数の収納領域の位置を測定するように位置センサ152を制御する。その後、位置測定制御部161は、複数のアドレスと、複数の収納領域のそれぞれの位置を表す複数の位置情報とを位置座標データベース170に格納する。
【0016】
例えば、複数の位置測定指示を84個とした場合、位置測定制御部161は、第1番目の位置測定指示に応じて、第1番目の位置測定指示に含まれるアドレスを位置座標データベース170に格納する。第1番目の収納領域は、磁気テープ媒体群102のうちの1つの磁気テープ媒体が収納される収納領域である。その後、位置測定制御部161は、第1番目の収納領域の位置を測定するように位置センサ152を制御し、その位置を表す位置情報として、座標(X0、Y0)、(X0、Y1)、(X1、Y0)、(X1、Y1)を位置座標データベース170に格納する。
位置測定制御部161は、第42番目の位置測定指示に応じて、第42番目の位置測定指示に含まれるアドレスを位置座標データベース170に格納する。第42番目の収納領域は、ドライブ群103のうちのドライブ103−1が搭載される収納領域である。その後、位置測定制御部161は、第42番目の収納領域の位置を測定するように位置センサ152を制御し、その位置を表す位置情報として、座標(X4、Y1)、(X4、Y4)、(X5、Y1)、(X5、Y4)を位置座標データベース170に格納する。
【0017】
出荷後にドライブ群103が収納棚101に搭載された場合、装置管理部104の制御部144は、作業者の操作により、アドレスデータベース145を参照して、3つの間口位置測定指示をアクセッサ105に送信する。3つの間口位置測定指示は、それぞれ、ドライブ103−1〜103−3が搭載された収納領域のアドレスを含み、アクセッサ105がドライブ103−1〜103−3の収納部131の位置を測定する順番を表している。この場合、アクセッサ105の位置測定制御部161は、3つの間口位置測定指示に応じて、それぞれ、ドライブ103−1〜103−3のバーコード132に保持された設置位置情報を読み取るように、バーコードリーダ153を制御する。その後、位置測定制御部161は、それぞれ、ドライブ103−1〜103−3の位置情報であるドライブ位置情報と、3つの設置位置情報とに基づいて、ドライブ103−1〜103−3の収納部131の正確な位置を表す3つの補正位置情報を生成する。位置測定制御部161は、それぞれ、3つの補正位置情報をドライブ103−1〜103−3のドライブ位置情報として、ドライブ103−1〜103−3のアドレスに対応付けて、位置座標データベース170に格納する。
【0018】
例えば、位置測定制御部161は、最初の間口位置測定指示に応じて、ドライブ103−1のバーコード132に保持された設置位置情報を読み取るように、バーコードリーダ153を制御する。読み取られた設置位置情報は、座標(V1、W1)、(V1、W2)、(V2、W1)、(V2、W2)である。その後、位置測定制御部161は、ドライブ103−1のドライブ位置情報を位置座標データベース170から読み出し、そのドライブ位置情報と、読み取られた設置位置情報とに基づいて、ドライブ103−1の収納部131の正確な位置を表す補正位置情報を生成する。上述のように、フラグV0、W0は、出荷後にドライブ群103を収納領域に搭載するときの基準でもある。このため、位置測定制御部161は、ドライブ位置情報の座標(X4、Y1)に、設置位置情報の座標(V1、W1)、(V1、W2)、(V2、W1)、(V2、W2)を加算することにより、補正位置情報として、座標(X4+V1、Y1+W1)、(X4+V1、Y1+W2)、(X4+V2、Y1+W1)、(X4+V2、Y1+W2)を生成する。位置測定制御部161は、その補正位置情報をドライブ103−1のドライブ位置情報として、ドライブ103−1のアドレスに対応付けて、位置座標データベース170に格納する。
【0019】
出荷後に運用する場合、装置管理部104の制御部144は、作業者の操作により、通常モード又は保守モードを表すモード信号をアクセッサ105に送信する。モード信号は、インアクティブ状態であるときに通常モードを表し、アクティブ状態であるときに保守モードを表している。
【0020】
装置管理部104の制御部144は、作業者の操作により、通常モードを表すモード信号をアクセッサ105に送信する。このとき、アクセッサ105の通常モード検索制御部162は、通常モードを表すモード信号を受信して、搬送作業を遂行することを認識する(図9のステップS100−NO)。
【0021】
装置管理部104の制御部144は、通常モードにおいて、アドレスデータベース145を参照して、図8に示されるようなフォーマットにより、磁気テープ媒体が収納された第1収納領域を指定する送側アドレスFROMと、第2収納領域を指定する受側アドレスTOとを含む磁気テープ媒体搬送命令をアクセッサ105に送信する。アクセッサ105の通常モード検索制御部162は、磁気テープ媒体搬送命令を受信する。このとき、通常モード検索制御部162は、位置座標データベース170を参照して、複数の位置情報の中から、送側アドレスFROMに対応する送側位置情報と、受側アドレスに対応する受側位置情報とを検索する。アクセッサ105の通常モード送側搬送制御部163は、送側位置情報が表す位置に移動するようにアクセッサ本体150を制御する(図9のステップS101)。
次に、通常モード送側搬送制御部163は、送側位置情報が表す位置にハンド部151を導いて、磁気テープ媒体を取り出す(図9のステップS102)。
【0022】
ハンド部151が磁気テープ媒体を取り出した後、アクセッサ105の通常モード受側搬送制御部164は、受側位置情報が表す位置に移動するようにアクセッサ本体150を制御する(図9のステップS103)。
次に、通常モード受側搬送制御部164は、受側位置情報が表す位置にハンド部151を導いて、ドライブ103−1の収納部131に磁気テープ媒体を投入(収納)する(図9のステップS104)。
【0023】
例えば、受側アドレスは、第2収納領域として、ドライブ103−1を表し、受側位置情報は、ドライブ103−1のドライブ位置情報(X4+V1、Y1+W1)、(X4+V1、Y1+W2)、(X4+V2、Y1+W1)、(X4+V2、Y1+W2)である。この場合、ステップS104にて、通常モード受側搬送制御部164は、そのドライブ位置情報が表す位置にハンド部151を導いて、ドライブ103−1の収納部131に磁気テープ媒体を投入する。これにより、アクセッサ105がドライブ103−1に磁気テープ媒体を衝突させたり、こすったりすることなく、磁気テープ媒体をドライブ103−1の収納部131に収納することができる。
【0024】
例えば、送側アドレスは、第1収納領域として、ドライブ103−1を表し、送側位置情報は、ドライブ103−1のドライブ位置情報(X4+V1、Y1+W1)、(X4+V1、Y1+W2)、(X4+V2、Y1+W1)、(X4+V2、Y1+W2)である。この場合、ステップS102にて、通常モード送側搬送制御部163は、そのドライブ位置情報が表す位置にハンド部151を導いて、ドライブ103−1の収納部131から磁気テープ媒体を取り出す。これにより、アクセッサ105がドライブ103−1にハンド部151を衝突させたり、こすったりすることなく、磁気テープ媒体をドライブ103−1の収納部131から取り出すことができる。
【0025】
ドライブ群103のうちのドライブ103−1が交換されたとき、装置管理部104の制御部144は、作業者の操作により、磁気テープ媒体搬送命令の送信を停止し、保守モードを表すモード信号をアクセッサ105に送信する。このとき、アクセッサ105の保守モード検索制御部165は、保守モードを表すモード信号を受信して、保守作業として位置補正処理と診断処理とを遂行することを認識する(図9のステップS100−YES)。
【0026】
装置管理部104の制御部144は、保守モードにおいて、アドレスデータベース145を参照して、交換アドレスを含む保守モード命令を送信する。交換アドレスは、交換されたドライブ103−1を表している。アクセッサ105の保守モード検索制御部165は、保守モード命令を受信する。このとき、保守モード検索制御部165は、位置座標データベース170を参照して、複数の位置情報の中から、交換アドレスに対応するドライブ位置情報を検索する。ここで、保守モード検索制御部165は、保守モード命令を受信した場合、交換アドレスに対応するドライブ位置情報として、座標(X4、Y1)、(X4、Y4)、(X5、Y1)、(X5、Y4)を位置座標データベース170から読み出す。アクセッサ105の保守モード実行制御部166は、読み出されたドライブ位置情報により位置補正処理を実行することを認識し、ドライブ位置情報が表す位置に移動するようにアクセッサ本体150を制御する(図9のステップS113)。
【0027】
位置補正処理において、保守モード実行制御部166は、交換されたドライブ103−1のバーコード132に保持された設置位置情報を読み取るように、バーコードリーダ153を制御する(図9のステップS114)。読み取られた設置位置情報は、座標(V1、W1)、(V1、W2)、(V2、W1)、(V2、W2)である。
【0028】
位置補正処理において、保守モード実行制御部166は、交換されたドライブ103−1のドライブ位置情報と、読み取られた設置位置情報とに基づいて、ドライブ103−1の収納部131の正確な位置を表す補正位置情報を生成する(図9のステップS115)。上述のように、フラグV0、W0は、出荷後にドライブ群103を収納領域に搭載するときの基準でもある。このため、保守モード実行制御部166は、ドライブ位置情報の座標(X4、Y1)に、設置位置情報の座標(V1、W1)、(V1、W2)、(V2、W1)、(V2、W2)を加算することにより、補正位置情報として、座標(X4+V1、Y1+W1)、(X4+V1、Y1+W2)、(X4+V2、Y1+W1)、(X4+V2、Y1+W2)を生成する。
【0029】
位置補正処理において、保守モード実行制御部166は、その補正位置情報をドライブ103−1のドライブ位置情報として、交換されたドライブ103−1のアドレスに対応付けて、位置座標データベース170に格納する(図9のステップS116)。
【0030】
交換されたドライブ103−1の収納部131には診断用磁気テープ媒体が収納され、診断処理が実行される。交換されたドライブ103−1は、その収納部131に収納された診断用磁気テープ媒体にデータの読み出しと書き込みとを行なう。
【0031】
装置管理部104の制御部144は、作業者の操作により、保守モード解除命令として、通常モードを表すモード信号をアクセッサ105に送信する。このとき、アクセッサ105の通常モード検索制御部162は、通常モードを表すモード信号を受信して、搬送作業を遂行することを認識する(図9のステップS100−NO)。
【0032】
しかしながら、磁気テープライブラリ装置では、ドライブ103−1が交換されたときに、図10に示されるように、保守モードにおいて、装置管理部104は磁気テープ媒体搬送命令の送信を停止し、アクセッサ105は搬送作業を中断する。このため、作業員は、搬送作業により、ユーザ作業(バックアップ処理、バッチ処理)を行ないたい場合、そのユーザ作業が遅れてしまう。
【0033】
【特許文献1】特開2001−319399号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0034】
本発明の課題は、ドライブが交換されても搬送作業を続けることができる記録媒体ライブラリ装置を提供することにある。
本発明の他の課題は、交換されたドライブが診断用記録媒体にデータの読み出しと書き込みとを行なう診断処理を搬送作業中に実施することができる記録媒体ライブラリ装置を提供することにある。
本発明の更に他の課題は、交換されたドライブの収納部(間口)の位置をアクセッサが認識する位置補正処理を搬送作業中に実施することができる記録媒体ライブラリ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0035】
以下に、[発明を実施するための最良の形態]で使用する番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明を実施するための最良の形態]の記載との対応関係を明らかにするために付加されたものであるが、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0036】
本発明の記録媒体ライブラリ装置は、複数の収納領域を備える収納棚(1)と、前記複数の収納領域のうちの一部に収納される記録媒体群(2)と、前記複数の収納領域のうちの他の一部に搭載されたドライブ群(3)と、ホストコンピュータ(4)と、アクセッサ(5)とを具備している。前記ドライブ群(3)は、前記記録媒体群(2)のうちの1つの記録媒体を収納し、前記収納された記録媒体にデータの読み出し/書き込みを行なう。前記アクセッサ(5)は、ロボットであり、コンピュータプログラム(60)を具備するコンピュータが搭載されている。前記アクセッサ(5)は、コンピュータプログラム(60)により動作する。
前記ホストコンピュータ(4)は、前記複数の収納領域の複数のアドレスのうち、前記1つの記録媒体が収納された第1収納領域を表す送側アドレスと、第2収納領域を表す受側アドレスとを含む記録媒体搬送命令を送信する。前記アクセッサ(5)は、前記記録媒体搬送命令を受信したとき、前記第1収納領域から前記1つの記録媒体を取り出して搬送し、前記第2収納領域に収納する(S1〜S4)。
前記記録媒体群(2)のうちの1つは、前記ドライブ群(3)のうち、交換されたドライブ(3−1)を診断するための診断用記録媒体(7)を含んでいる。
前記送側アドレスは、前記第1収納領域として、前記診断用記録媒体(7)が収納された診断用記録媒体収納領域を表し、前記受側アドレスは、前記第2収納領域として、前記交換されたドライブ(3−1)を表す。この場合、前記アクセッサ(5)は、前記記録媒体搬送命令を受信したとき、前記診断用記録媒体収納領域から前記診断用記録媒体(7)を取り出して搬送し、前記交換されたドライブ(3−1)に収納する(S1、S2、S11−YES、S12−YES、S13〜S16、S4)。
【0037】
本発明の記録媒体ライブラリ装置によれば、上記の構成により、ドライブ(3−1)が交換されても、ホストコンピュータ(4)は記録媒体搬送命令を送信するため、アクセッサ(5)は、その記録媒体搬送命令を受けて、第1収納領域から記録媒体を取り出して搬送し、第2収納領域に収納する搬送作業を続けることができる。このため、作業員は、搬送作業により、ユーザ作業(バックアップ処理、バッチ処理)を常に行なうことができる。
【0038】
また、本発明の記録媒体ライブラリ装置によれば、送側アドレスは、第1収納領域として、診断用記録媒体(7)が収納された診断用記録媒体収納領域を表していて、受側アドレスは、第2収納領域として、交換されたドライブ(3−1)を表している場合、交換されたドライブ(3−1)に診断用記録媒体(7)が収納される。この場合、交換されたドライブ(3−1)が診断用記録媒体(7)にデータの読み出しと書き込みとを行なう診断処理を搬送作業中に実施することができる。
【0039】
本発明の記録媒体ライブラリ装置において、前記アクセッサ(5)は、アクセッサ本体(50)と、前記アクセッサ本体(50)に設けられたハンド部(51)とを具備している。
前記アクセッサ本体(50)は、メモリ(56;70)と、コンピュータプログラム(60)である検索制御部(62)、送側搬送制御部(63)、受側搬送制御部(64)とを具備している。前記メモリ(56;70)には、前記複数のアドレスと、前記複数の収納領域のそれぞれの位置を表す複数の位置情報とが格納されている。
前記検索制御部(62)は、前記記録媒体搬送命令を受信したとき、前記メモリ(56;70)を参照して、前記複数の位置情報の中から、前記送側アドレスに対応する送側位置情報と、前記受側アドレスに対応する受側位置情報とを検索する(S1)。
前記送側搬送制御部(63)は、前記送側位置情報が表す位置に移動するように前記アクセッサ本体(50)を制御し(S1)、前記送側位置情報が表す位置に前記ハンド部(51)を導いて前記1つの記録媒体を取り出す(S2)。
前記受側搬送制御部(64)は、前記ハンド部(51)が前記1つの記録媒体を取り出した後、前記受側位置情報が表す位置に移動するように前記アクセッサ本体(50)を制御し(S3)、前記受側位置情報が表す位置に前記ハンド部(51)を導いて前記1つの記録媒体を収納する(S4)。
【0040】
本発明の記録媒体ライブラリ装置において、前記ドライブ群(3)の各々は、ドライブ本体(30)と、バーコード(32)とを具備している。前記ドライブ本体(30)は、前記1つの記録媒体を収納する収納部(31)が設けられ、前記収納部(31)に収納された記録媒体にデータの読み出し/書き込みを行なう。前記バーコード(32)は、前記ドライブ本体(30)に設けられ、前記ドライブ本体(30)に前記収納部(31)が設けられた位置を表す設置位置情報を保持する。
前記アクセッサ(5)は、前記アクセッサ本体(50)又は前記ハンド部(51)に設けられたバーコードリーダ(53)を更に具備している。
前記送側アドレスは、前記第1収納領域として、前記診断用記録媒体(7)が収納された診断用記録媒体収納領域を表し、前記受側アドレスは、前記第2収納領域として、前記交換されたドライブ(3−1)を表し、前記受側位置情報は、前記交換されたドライブ(3−1)の位置を表すドライブ位置情報である(S1、S2、S11−YES、S12−YES)。
この場合、前記受側搬送制御部(64)は、前記ハンド部(51)が前記診断用記録媒体(7)を取り出した後、前記ドライブ位置情報が表す位置に移動するように前記アクセッサ本体(50)を制御し(S13)、前記交換されたドライブ(3−1)の前記バーコード(32)に保持された前記設置位置情報を読み取るように前記バーコードリーダ(53)を制御する(S14)。
前記受側搬送制御部(64)は、前記ドライブ位置情報と前記設置位置情報とに基づいて、前記交換されたドライブ(3−1)の前記収納部(31)の正確な位置を表す補正位置情報を生成し(S15)、前記補正位置情報を前記ドライブ位置情報として前記メモリ(56;70)に格納する(S15)。
前記受側搬送制御部(64)は、前記補正位置情報が表す位置に前記ハンド部(51)を導いて、前記交換されたドライブ(3−1)の前記収納部(31)に前記診断用記録媒体(7)を収納する(S16)。
【0041】
また、本発明の記録媒体ライブラリ装置によれば、送側アドレスは、第1収納領域として、診断用記録媒体(7)が収納された診断用記録媒体収納領域を表していて、受側アドレスは、第2収納領域として、交換されたドライブ(3−1)を表している場合、アクセッサ(5)は、交換されたドライブ(3−1)に診断用記録媒体(7)を収納するときに、そのドライブ(3−1)の収納部(31)の位置を認識する位置補正処理を搬送作業中に実施することができる。このため、アクセッサ(5)がドライブ(3−1)に記録媒体を衝突させたり、こすったりすることなく、記録媒体をドライブ(3−1)に収納することができる。
【0042】
本発明の記録媒体ライブラリ装置において、前記記録媒体群(2)は、磁気テープである。
【0043】
本発明の記録媒体ライブラリ装置において、前記記録媒体群(2)は、光ディスクである。
【発明の効果】
【0044】
以上により、本発明の記録媒体ライブラリ装置は、ドライブが交換されても、アクセッサは搬送作業を続けることができる。
本発明の記録媒体ライブラリ装置は、交換されたドライブが診断用記録媒体にデータの読み出しと書き込みとを行なう診断処理を搬送作業中に実施することができる。
本発明の記録媒体ライブラリ装置は、交換されたドライブの収納部(間口)の位置をアクセッサが認識する位置補正処理を搬送作業中に実施することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
以下に添付図面を参照して、本発明の記録媒体ライブラリ装置について詳細に説明する。
【0046】
図11は、本発明の記録媒体ライブラリ装置の構成を示すブロック図である。本発明の記録媒体ライブラリ装置は、収納棚1と、記録媒体群2と、ドライブ群3と、ホストコンピュータ4と、ロボットであるアクセッサ5と、レール6を具備している。記録媒体群2は、磁気テープ、又は、光ディスクである。光ディスクとしては、DVD(Digital Video Disk)が例示される。アクセッサ5とホストコンピュータ4は、有線又は無線によって接続されている。レール6は、収納棚1に平行に設けられ、アクセッサ5は、レール6上を移動することができる。
収納棚1は、複数の収納領域を備えている。記録媒体群2は、複数の収納領域のうちの一部に収納される。ドライブ群3は、複数の収納領域のうちの他の一部に搭載される。ドライブ群3は、記録媒体群2のうちの1つの記録媒体を収納し、収納された記録媒体にデータの読み出し/書き込みを行なう。記録媒体群2のうちの1つは、ドライブ群3のうち、交換されたドライブを診断するための診断用記録媒体7を含んでいる。
【0047】
ホストコンピュータ4は、複数の収納領域の複数のアドレスのうち、上記の1つの記録媒体が収納された第1収納領域を表す送側アドレスと、第2収納領域を表す受側アドレスとを含む記録媒体搬送命令を送信する。アクセッサ5は、その記録媒体搬送命令を受信する。このとき、アクセッサ5は、第1収納領域から上記の1つの記録媒体を取り出して搬送し、第2収納領域に収納する搬送作業を行なう。
【0048】
また、ホストコンピュータ4は、ドライブ群3のうちの1つのドライブが交換されたとき、第1収納領域として診断用記録媒体7が収納された診断用記録媒体収納領域を表す送側アドレスと、第2収納領域として上記の交換されたドライブを表す受側アドレスとを含む記録媒体搬送命令を送信する。アクセッサ5は、その記録媒体搬送命令を受信する。このとき、アクセッサ5は、診断用記録媒体収納領域から診断用記録媒体7を取り出して搬送し、交換されたドライブに収納する。
ドライブ群3が1つの記録媒体を収納するための受入口(間口)は、製造のバラツキにより、その位置が異なる。このため、ドライブ群3のうち、交換されたドライブにアクセッサ5が記録媒体を衝突させたり、こすったりしないように、アクセッサ5は、交換されたドライブに診断用記録媒体7を収納するときに、間口の位置を認識する位置補正処理を行なう。また、交換されたドライブに診断用記録媒体7が収納されたときに、診断処理が行なわれる。診断処理では、そのドライブは、収納された診断用記録媒体7にデータの読み出しと書き込みとを行なう。
【0049】
本発明の記録媒体ライブラリ装置では、ドライブが交換されても、ホストコンピュータ4は記録媒体搬送命令を送信するため、アクセッサ5は搬送作業を続けることができる。このため、作業員は、搬送作業により、記録媒体に記録されたデータをバックアップするバックアップ処理や、バッチ処理というようなユーザ作業を常に行なうことができる。
【0050】
また、本発明の記録媒体ライブラリ装置では、記録媒体搬送命令は、第1収納領域を表す送側アドレスと、第2収納領域を表す受側アドレスとを含んでいる。送側アドレスは、第1収納領域として、診断用記録媒体7が収納された診断用記録媒体収納領域を表していて、受側アドレスは、第2収納領域として、交換されたドライブを表している場合、交換されたドライブに診断用記録媒体7が収納される。この場合、交換されたドライブが診断用記録媒体7にデータの読み出しと書き込みとを行なう診断処理を搬送作業中に実施することができる。
【0051】
また、本発明の記録媒体ライブラリ装置では、送側アドレスは、第1収納領域として、診断用記録媒体7が収納された診断用記録媒体収納領域を表していて、受側アドレスは、第2収納領域として、交換されたドライブを表している場合、アクセッサ5は、交換されたドライブに診断用記録媒体7を収納するときに、そのドライブの間口の位置を認識する位置補正処理を搬送作業中に実施することができる。このため、アクセッサ5がドライブに記録媒体を衝突させたり、こすったりすることなく、記録媒体をドライブに収納することができる。
【0052】
このような記録媒体ライブラリ装置について詳細に説明する。
【0053】
図12は、収納棚1の複数の収納領域を表している。アクセッサ5は、複数の収納領域の位置を把握するために、X方向の位置を決めるためのX方向位置決めフラグ(X座標)と、X方向に垂直なY方向の位置を決めるためのY方向位置決めフラグ(Y座標)とを用いる。X方向位置決めフラグは、フラグX0を基準とし、フラグX1、X2、X3…、を含んでいる。フラグX1、X2、X3…は、フラグX0からの距離を表している。Y方向位置決めフラグは、フラグY0を基準とし、フラグY1、Y2、Y3…、を含んでいる。フラグY1、Y2、Y3…は、フラグY0からの距離を表している。
【0054】
例えば、ドライブ群3は、ドライブ3−1、3−2、3−3を含んでいる。この場合、ドライブ3−1が搭載される収納領域は、座標(X4、Y1)、(X4、Y4)、(X5、Y1)、(X5、Y4)を角とする四辺形を表している。ドライブ3−2が搭載される収納領域は、座標(X4、Y4)、(X4、Y7)、(X5、Y4)、(X5、Y7)を角とする四辺形を表している。ドライブ3−3が搭載される収納領域は、座標(X4、Y7)、(X4、Y10)、(X5、Y7)、(X5、Y10)を角とする四辺形を表している。上記のドライブ群3が搭載される収納領域以外の収納領域には、それぞれ、記録媒体群2が収納される。記録媒体群2が収納される収納領域のうち、診断用記録媒体7が収納される診断用記録媒体収納領域は、例えば、座標(X8、Y9)、(X8、Y10)、(X9、Y9)、(X9、Y10)を角とする四辺形を表している。
【0055】
図13は、ドライブ群3の構成を示す斜視図である。ドライブ群3の各々は、収納部31と、ドライブ本体30と、バーコード32とを具備している。収納部31は、ドライブ本体30に設けられた上記の間口に対応し、1つの記録媒体を収納する。ドライブ本体30は、収納部31に収納された記録媒体にデータの読み出し/書き込みを行なう。バーコード32は、ドライブ本体30に設けられている。
【0056】
ドライブ群3が出荷される前に、バーコード32に、ドライブ本体30に収納部31が設けられた位置を表す設置位置情報を保持しておく。アクセッサ5が収納部31の位置を把握するために、設置位置情報として、V方向の位置を決めるためのV方向位置決めフラグ(V座標)と、V方向に垂直なW方向の位置を決めるためのW方向位置決めフラグ(W座標)とが用いられる。V方向位置決めフラグは、フラグV0を基準とし、フラグV1、V2を含んでいる。フラグV1、V2は、フラグV0からの距離を表している。W方向位置決めフラグは、フラグW0を基準とし、フラグW1、W2を含んでいる。フラグW1、W2は、フラグW0からの距離を表している。この場合、設置位置情報は、座標(V1、W1)、(V1、W2)、(V2、W1)、(V2、W2)を角とする四辺形を表している。
また、フラグV0、W0は、出荷後にドライブ群3を収納領域に搭載するときの基準でもあり、例えば、ドライブ3−1における座標(V0、W0)と、収納領域における座標(X4、Y1)とが重なるように、ドライブ3−1が収納領域に搭載される。
【0057】
図14に示されるように、ホストコンピュータ4は、制御装置40と、メモリ42とを具備している。制御装置40は、CPU(Central Processing Unit)41を具備している。メモリ42は、CPU41が実行するためのコンピュータプログラム43と、アドレスデータベース45とを具備している。コンピュータプログラム43は、制御部44を含んでいる。制御部44の動作については後述する。図15に示されるように、アドレスデータベース45には、複数の収納領域のそれぞれに対応付けられる複数のアドレスと、複数の収納領域のそれぞれに記録媒体を収納するか否かを表す複数の状況情報とが格納されている。
【0058】
図14に示されるように、アクセッサ5は、ハンド部51と、位置センサ52と、バーコードリーダ53と、アクセッサ本体50とを具備している。ハンド部51は、図16に示されるように、アクセッサ本体50に設けられている。バーコードリーダ53は、アクセッサ本体50又はハンド部51に設けられ、図16に示されるように、例えば、ハンド部51に設けられている。位置センサ52は、アクセッサ本体50又はハンド部51に設けられ、例えば、ハンド部51に設けられている(図示省略)。
【0059】
図14に示されるように、アクセッサ本体50は、コンピュータが搭載され、アクセッサ制御装置54と、メモリ56とを具備している。アクセッサ制御装置54は、CPU55を具備している。メモリ56は、CPU55が実行するためのコンピュータプログラム60と、位置座標データベース70とを具備している。コンピュータプログラム60は、位置測定制御部61、検索制御部62、送側搬送制御部63、受側搬送制御部64を含んでいる。コンピュータプログラム60の動作については後述する。図17に示されるように、位置座標データベース70には、複数のアドレスと、後述する複数の位置情報とが格納される。
【0060】
出荷前、又は、出荷後に、ホストコンピュータ4の制御部44は、作業者の操作により、アドレスデータベース45を参照して、複数の位置測定指示をアクセッサ5に送信する。複数の位置測定指示は、それぞれ、複数のアドレスを含み、アクセッサ5が複数の収納領域の位置を測定する順番を表している。この場合、アクセッサ5の位置測定制御部61は、複数の位置測定指示に応じて、それぞれ、複数の収納領域の位置を測定するように位置センサ52を制御する。その後、位置測定制御部61は、複数のアドレスと、複数の収納領域のそれぞれの位置を表す複数の位置情報とを位置座標データベース70に格納する。
【0061】
例えば、複数の位置測定指示を84個とした場合、位置測定制御部61は、第1番目の位置測定指示に応じて、第1番目の位置測定指示に含まれるアドレスを位置座標データベース70に格納する。第1番目の収納領域は、記録媒体群2のうちの1つの記録媒体が収納される収納領域である。その後、位置測定制御部61は、第1番目の収納領域の位置を測定するように位置センサ52を制御し、その位置を表す位置情報として、座標(X0、Y0)、(X0、Y1)、(X1、Y0)、(X1、Y1)を位置座標データベース70に格納する。
位置測定制御部61は、第42番目の位置測定指示に応じて、第42番目の位置測定指示に含まれるアドレスを位置座標データベース70に格納する。第42番目の収納領域は、ドライブ群3のうちのドライブ3−1が搭載される収納領域である。その後、位置測定制御部61は、第42番目の収納領域の位置を測定するように位置センサ52を制御し、その位置を表す位置情報として、座標(X4、Y1)、(X4、Y4)、(X5、Y1)、(X5、Y4)を位置座標データベース70に格納する。
位置測定制御部61は、最終番目の位置測定指示に応じて、最終番目の位置測定指示に含まれるアドレスを位置座標データベース70に格納する。最終番目の収納領域は、記録媒体群2のうちの診断用記録媒体7が収納される診断用記録媒体収納領域である。その後、位置測定制御部61は、最終番目の収納領域の位置を測定するように位置センサ52を制御し、その位置を表す位置情報として、座標(X8、Y9)、(X8、Y10)、(X9、Y9)、(X9、Y10)を位置座標データベース70に格納する。
【0062】
出荷後にドライブ群3が収納棚1に搭載された場合、ホストコンピュータ4の制御部44は、作業者の操作により、アドレスデータベース45を参照して、3つの間口位置測定指示をアクセッサ5に送信する。3つの間口位置測定指示は、それぞれ、ドライブ3−1〜3−3が搭載された収納領域のアドレスを含み、アクセッサ5がドライブ3−1〜3−3の収納部31の位置を測定する順番を表している。この場合、アクセッサ5の位置測定制御部61は、3つの間口位置測定指示に応じて、それぞれ、ドライブ3−1〜3−3のバーコード32に保持された設置位置情報を読み取るように、バーコードリーダ53を制御する。その後、位置測定制御部61は、それぞれ、ドライブ3−1〜3−3の位置情報であるドライブ位置情報と、3つの設置位置情報とに基づいて、ドライブ3−1〜3−3の収納部31の正確な位置を表す3つの補正位置情報を生成する。位置測定制御部61は、それぞれ、3つの補正位置情報をドライブ3−1〜3−3のドライブ位置情報として、ドライブ3−1〜3−3のアドレスに対応付けて、位置座標データベース70に格納する。
【0063】
例えば、位置測定制御部61は、最初の間口位置測定指示に応じて、ドライブ3−1のバーコード32に保持された設置位置情報を読み取るように、バーコードリーダ53を制御する。読み取られた設置位置情報は、座標(V1、W1)、(V1、W2)、(V2、W1)、(V2、W2)である。その後、位置測定制御部61は、ドライブ3−1のドライブ位置情報を位置座標データベース70から読み出し、そのドライブ位置情報と、読み取られた設置位置情報とに基づいて、ドライブ3−1の収納部31の正確な位置を表す補正位置情報を生成する。上述のように、フラグV0、W0は、出荷後にドライブ群3を収納領域に搭載するときの基準でもある。このため、位置測定制御部61は、ドライブ位置情報の座標(X4、Y1)に、設置位置情報の座標(V1、W1)、(V1、W2)、(V2、W1)、(V2、W2)を加算することにより、補正位置情報として、座標(X4+V1、Y1+W1)、(X4+V1、Y1+W2)、(X4+V2、Y1+W1)、(X4+V2、Y1+W2)を生成する。位置測定制御部61は、その補正位置情報をドライブ3−1のドライブ位置情報として、ドライブ3−1のアドレスに対応付けて、位置座標データベース70に格納する。
【0064】
出荷後に運用する場合、ホストコンピュータ4の制御部44は、アドレスデータベース45を参照して、図18に示されるようなフォーマットにより、記録媒体が収納された第1収納領域を指定する送側アドレスFROMと、第2収納領域を指定する受側アドレスTOとを含む記録媒体搬送命令をアクセッサ5に送信する。アクセッサ5の検索制御部62は、記録媒体搬送命令を受信する。このとき、検索制御部62は、位置座標データベース70を参照して、複数の位置情報の中から、送側アドレスFROMに対応する送側位置情報と、受側アドレスに対応する受側位置情報とを検索する。アクセッサ5の送側搬送制御部63は、送側位置情報が表す位置に移動するようにアクセッサ本体50を制御する(図19のステップS1)。
次に、送側搬送制御部63は、送側位置情報が表す位置にハンド部51を導いて、記録媒体を取り出す(図19のステップS2)。
【0065】
例えば、送側アドレスは、第1収納領域として、診断用記録媒体7が収納された診断用記録媒体収納領域を表していない(図19のステップS11−NO)。この場合、ハンド部51が記録媒体を取り出した後、アクセッサ5の受側搬送制御部64は、受側位置情報が表す位置に移動するようにアクセッサ本体50を制御する(図19のステップS3)。
次に、受側搬送制御部64は、受側位置情報が表す位置にハンド部51を導いて、ドライブ3−1の収納部31に記録媒体を投入(収納)する(図19のステップS4)。
【0066】
例えば、受側アドレスは、第2収納領域として、ドライブ3−1を表し、受側位置情報は、ドライブ3−1のドライブ位置情報(X4+V1、Y1+W1)、(X4+V1、Y1+W2)、(X4+V2、Y1+W1)、(X4+V2、Y1+W2)である。この場合、ステップS4にて、受側搬送制御部64は、そのドライブ位置情報が表す位置にハンド部51を導いて、ドライブ3−1の収納部31に記録媒体を投入する。これにより、アクセッサ5がドライブ3−1に記録媒体を衝突させたり、こすったりすることなく、記録媒体をドライブ3−1の収納部31に収納することができる。
【0067】
例えば、送側アドレスは、第1収納領域として、ドライブ3−1を表し、送側位置情報は、ドライブ3−1のドライブ位置情報(X4+V1、Y1+W1)、(X4+V1、Y1+W2)、(X4+V2、Y1+W1)、(X4+V2、Y1+W2)である。この場合、ステップS2にて、送側搬送制御部63は、そのドライブ位置情報が表す位置にハンド部51を導いて、ドライブ3−1の収納部31から記録媒体を取り出す。これにより、アクセッサ5がドライブ3−1にハンド部51を衝突させたり、こすったりすることなく、記録媒体をドライブ3−1の収納部31から取り出すことができる。
【0068】
ドライブ群3のうちのドライブ3−1が交換されたとき、ホストコンピュータ4の制御部44は、アドレスデータベース45を参照して、図18に示されるようなフォーマットにより、第1収納領域として診断用記録媒体7が収納された診断用記録媒体収納領域を表す送側アドレスFROMと、第2収納領域として上記の交換されたドライブ3−1を表す受側アドレスTOとを含む記録媒体搬送命令をアクセッサ5に送信する。アクセッサ5の検索制御部62は、記録媒体搬送命令を受信する。このとき、検索制御部62は、位置座標データベース70を参照して、複数の位置情報の中から、送側アドレスFROMに対応する送側位置情報と、受側アドレスに対応する受側位置情報とを検索する。送側位置情報は、診断用記録媒体収納領域の位置を表す診断用記録媒体位置情報である。この場合、検索制御部62は、診断用アドレス(送側アドレスFROM)に対応する診断用記録媒体位置情報として、座標(X8、Y9)、(X8、Y10)、(X9、Y9)、(X9、Y10)を位置座標データベース70から読み出す。受側位置情報は、交換されたドライブ3−1の位置を表すドライブ位置情報である。この場合、検索制御部62は、交換アドレス(受側アドレスTO)に対応するドライブ位置情報として、座標(X4、Y1)、(X4、Y4)、(X5、Y1)、(X5、Y4)を位置座標データベース70から読み出す。その後、アクセッサ5の送側搬送制御部63は、送側位置情報(診断用記録媒体位置情報)が表す位置に移動するようにアクセッサ本体50を制御する(図19のステップS1)。
次に、送側搬送制御部63は、送側位置情報(診断用記録媒体位置情報)が表す位置にハンド部51を導いて、診断用記録媒体7を取り出す(図19のステップS2)。
【0069】
上記の送側アドレスは、第1収納領域として、診断用記録媒体7が収納された診断用記録媒体収納領域を表している(図19のステップS11−YES)。また、上記の受側アドレスは、第2収納領域として、交換されたドライブ3−1を表し、受側位置情報は、交換されたドライブ3−1の位置を表すドライブ位置情報である(図19のステップS12−YES)。この場合、ハンド部51が診断用記録媒体7を取り出した後、アクセッサ5の受側搬送制御部64は、読み出されたドライブ位置情報により位置補正処理を実行することを認識し、ドライブ位置情報が表す位置に移動するようにアクセッサ本体50を制御する(図19のステップS13)。
【0070】
位置補正処理において、受側搬送制御部64は、交換されたドライブ3−1のバーコード32に保持された設置位置情報を読み取るように、バーコードリーダ53を制御する(図19のステップS14)。読み取られた設置位置情報は、座標(V1、W1)、(V1、W2)、(V2、W1)、(V2、W2)である。
【0071】
位置補正処理において、受側搬送制御部64は、交換されたドライブ3−1のドライブ位置情報と、読み取られた設置位置情報とに基づいて、ドライブ3−1の収納部31の正確な位置を表す補正位置情報を生成する(図19のステップS15)。上述のように、フラグV0、W0は、出荷後にドライブ群3を収納領域に搭載するときの基準でもある。このため、受側搬送制御部64は、ドライブ位置情報の座標(X4、Y1)に、設置位置情報の座標(V1、W1)、(V1、W2)、(V2、W1)、(V2、W2)を加算することにより、補正位置情報として、座標(X4+V1、Y1+W1)、(X4+V1、Y1+W2)、(X4+V2、Y1+W1)、(X4+V2、Y1+W2)を生成する。
【0072】
位置補正処理において、受側搬送制御部64は、その補正位置情報をドライブ3−1のドライブ位置情報として、交換されたドライブ3−1のアドレスに対応付けて、位置座標データベース70に格納する(図19のステップS16)。
【0073】
次に、受側搬送制御部64は、ドライブ位置情報が表す位置にハンド部51を導いて、交換されたドライブ3−1の収納部31に診断用記録媒体7を投入(収納)する(図19のステップS4)。このとき、診断処理が実行される。診断処理では、交換されたドライブ3−1は、その収納部31に収納された診断用記録媒体7にデータの読み出しと書き込みとを行なう。
【0074】
元の収納場所である診断用記録媒体収納領域に診断用記録媒体7を戻す場合、ホストコンピュータ4の制御部44は、アドレスデータベース45を参照して、図18に示されるようなフォーマットにより、第1収納領域として診断用記録媒体7が収納されたドライブ3−1を表す送側アドレスFROMと、第2収納領域として診断用記録媒体収納領域を表す受側アドレスTOとを含む記録媒体搬送命令をアクセッサ5に送信する。この場合、アクセッサ5は、ステップS1、S2、S11−YES、S12−NO、S3、S4を実行する。
【0075】
このように、本発明の記録媒体ライブラリ装置によれば、ドライブ3−1が交換されても、図20に示されるように、ホストコンピュータ4は記録媒体搬送命令を送信するため、アクセッサ5は、その記録媒体搬送命令を受けて搬送作業を続けることができる。このため、作業員は、搬送作業により、ユーザ作業(バックアップ処理、バッチ処理)を常に行なうことができる。
【0076】
また、本発明の記録媒体ライブラリ装置によれば、記録媒体搬送命令は、第1収納領域を指定する送側アドレスFROMと、第2収納領域を指定する受側アドレスTOとを含んでいる。送側アドレスは、第1収納領域として、診断用記録媒体7が収納された診断用記録媒体収納領域を表していて、受側アドレスは、第2収納領域として、交換されたドライブ3−1を表している場合、交換されたドライブ3−1に診断用記録媒体7が収納される。この場合、交換されたドライブ3−1が診断用記録媒体7にデータの読み出しと書き込みとを行なう診断処理を搬送作業中に実施することができる。
【0077】
また、本発明の記録媒体ライブラリ装置によれば、送側アドレスは、第1収納領域として、診断用記録媒体7が収納された診断用記録媒体収納領域を表していて、受側アドレスは、第2収納領域として、交換されたドライブ3−1を表している場合、アクセッサ5は、交換されたドライブ3−1に診断用記録媒体7を収納するときに、そのドライブ3−1の収納部31の位置を認識する位置補正処理を搬送作業中に実施することができる。このため、アクセッサ5がドライブ3−1に記録媒体を衝突させたり、こすったりすることなく、記録媒体をドライブ3−1に収納することができる。
【0078】
また、本発明の記録媒体ライブラリ装置によれば、アクセッサ5が自動的に位置補正処理、診断処理を実施するため、作業者の負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】図1は、磁気テープライブラリ装置の構成を示すブロック図である。(従来の技術)
【図2】図2は、磁気テープライブラリ装置における収納棚101の複数の収納領域を表している。(従来の技術)
【図3】図3は、磁気テープライブラリ装置におけるドライブ群103の構成を示す斜視図である。(従来の技術)
【図4】図4は、磁気テープライブラリ装置における装置管理部104とアクセッサ105の構成を示すブロック図である。(従来の技術)
【図5】図5は、磁気テープライブラリ装置における装置管理部104のアドレスデータベース145を示している。(従来の技術)
【図6】図6は、磁気テープライブラリ装置におけるアクセッサ105の側面図を示している。(従来の技術)
【図7】図7は、磁気テープライブラリ装置におけるアクセッサ105の位置座標データベース170を示している。(従来の技術)
【図8】図8は、磁気テープライブラリ装置における装置管理部104から送信される磁気テープ媒体搬送命令を示している。(従来の技術)
【図9】図9は、磁気テープライブラリ装置におけるアクセッサ105の動作を示すフローチャートである。(従来の技術)
【図10】図10は、磁気テープライブラリ装置における装置管理部104の動作を示すタイミングチャートである。(従来の技術)
【図11】図11は、本発明の記録媒体ライブラリ装置の構成を示すブロック図である。
【図12】図12は、本発明の記録媒体ライブラリ装置における収納棚1の複数の収納領域を表している。
【図13】図13は、本発明の記録媒体ライブラリ装置におけるドライブ群3の構成を示す斜視図である。
【図14】図14は、本発明の記録媒体ライブラリ装置における装置管理部4とアクセッサ5の構成を示すブロック図である。
【図15】図15は、本発明の記録媒体ライブラリ装置における装置管理部4のアドレスデータベース45を示している。
【図16】図16は、本発明の記録媒体ライブラリ装置におけるアクセッサ5の側面図を示している。
【図17】図17は、本発明の記録媒体ライブラリ装置におけるアクセッサ5の位置座標データベース70を示している。
【図18】図18は、本発明の記録媒体ライブラリ装置における装置管理部4から送信される磁気テープ媒体搬送命令を示している。
【図19】図19は、本発明の記録媒体ライブラリ装置におけるアクセッサ5の動作を示すフローチャートである。
【図20】図20は、本発明の記録媒体ライブラリ装置における装置管理部4の動作を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0080】
1 収納棚
2 磁気テープ媒体群
3 ドライブ群
3−1、3−2、3−3 ドライブ
4 装置管理部
5 アクセッサ
6 レール
30 ドライブ本体
31 収納部
32 バーコード
40 制御装置
41 CPU
42 メモリ
43 コンピュータプログラム
44 制御部
45 アドレスデータベース
50 アクセッサ本体
51 ハンド部
52 位置センサ
53 バーコードリーダ
54 アクセッサ制御装置
55 CPU
56 メモリ
60 コンピュータプログラム
61 位置測定制御部
62 検索制御部
63 送側搬送制御部
64 受側搬送制御部
70 位置座標データベース
101 収納棚
102 磁気テープ媒体群
103 ドライブ群
103−1、103−2、103−3 ドライブ
104 装置管理部
105 アクセッサ
106 レール
130 ドライブ本体
131 収納部
132 バーコード
140 制御装置
141 CPU
142 メモリ
143 コンピュータプログラム
144 制御部
145 アドレスデータベース
150 アクセッサ本体
151 ハンド部
152 位置センサ
153 バーコードリーダ
154 アクセッサ制御装置
155 CPU
156 メモリ
160 コンピュータプログラム
161 位置測定制御部
162 通常モード検索制御部
163 通常モード送側搬送制御部
164 通常モード受側搬送制御部
165 保守モード検索制御部
166 保守モード実行制御部
170 位置座標データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の収納領域を備える収納棚と、
前記複数の収納領域のうちの一部に収納される記録媒体群と、
前記複数の収納領域のうちの他の一部に搭載され、前記記録媒体群のうちの1つの記録媒体を収納し、前記収納された記録媒体にデータの読み出し/書き込みを行なうドライブ群と、
前記複数の収納領域の複数のアドレスのうち、前記1つの記録媒体が収納された第1収納領域を表す送側アドレスと、第2収納領域を表す受側アドレスとを含む記録媒体搬送命令を送信するホストコンピュータと、
前記記録媒体搬送命令を受信したとき、前記第1収納領域から前記1つの記録媒体を取り出して搬送し、前記第2収納領域に収納するアクセッサとを具備し、
前記記録媒体群のうちの1つは、前記ドライブ群のうち、交換されたドライブを診断するための診断用記録媒体を含み、
前記送側アドレスは、前記第1収納領域として、前記診断用記録媒体が収納された診断用記録媒体収納領域を表し、前記受側アドレスは、前記第2収納領域として、前記交換されたドライブを表す場合、
前記アクセッサは、前記記録媒体搬送命令を受信したとき、前記診断用記録媒体収納領域から前記診断用記録媒体を取り出して搬送し、前記交換されたドライブに収納する
記録媒体ライブラリ装置。
【請求項2】
前記アクセッサは、
アクセッサ本体と、
前記アクセッサ本体に設けられたハンド部とを具備し、
前記アクセッサ本体は、
前記複数のアドレスと、前記複数の収納領域のそれぞれの位置を表す複数の位置情報とが格納されたメモリと、
前記記録媒体搬送命令を受信したとき、前記メモリを参照して、前記複数の位置情報の中から、前記送側アドレスに対応する送側位置情報と、前記受側アドレスに対応する受側位置情報とを検索する検索制御部と、
前記送側位置情報が表す位置に移動するように前記アクセッサ本体を制御し、前記送側位置情報が表す位置に前記ハンド部を導いて前記1つの記録媒体を取り出す送側搬送制御部と、
前記ハンド部が前記1つの記録媒体を取り出した後、前記受側位置情報が表す位置に移動するように前記アクセッサ本体を制御し、前記受側位置情報が表す位置に前記ハンド部を導いて前記1つの記録媒体を収納する受側搬送制御部と
を具備する請求項1に記載の記録媒体ライブラリ装置。
【請求項3】
前記ドライブ群の各々は、
前記1つの記録媒体を収納する収納部が設けられ、前記収納部に収納された記録媒体にデータの読み出し/書き込みを行なうドライブ本体と、
前記ドライブ本体に設けられ、前記ドライブ本体に前記収納部が設けられた位置を表す設置位置情報を保持するバーコードとを具備し、
前記アクセッサは、
前記アクセッサ本体又は前記ハンド部に設けられたバーコードリーダを更に具備し、
前記送側アドレスは、前記第1収納領域として、前記診断用記録媒体が収納された診断用記録媒体収納領域を表し、前記受側アドレスは、前記第2収納領域として、前記交換されたドライブを表し、前記受側位置情報は、前記交換されたドライブの位置を表すドライブ位置情報である場合、
前記受側搬送制御部は、
前記ハンド部が前記診断用記録媒体を取り出した後、前記ドライブ位置情報が表す位置に移動するように前記アクセッサ本体を制御し、
前記交換されたドライブの前記バーコードに保持された前記設置位置情報を読み取るように前記バーコードリーダを制御し、
前記ドライブ位置情報と前記設置位置情報とに基づいて、前記交換されたドライブの前記収納部の正確な位置を表す補正位置情報を生成し、
前記補正位置情報を前記ドライブ位置情報として前記メモリに格納し、
前記補正位置情報が表す位置に前記ハンド部を導いて、前記交換されたドライブの前記収納部に前記診断用記録媒体を収納する
請求項2に記載の記録媒体ライブラリ装置。
【請求項4】
前記記録媒体群は、磁気テープである
請求項1〜3のいずれかに記載の記録媒体ライブラリ装置。
【請求項5】
前記記録媒体群は、光ディスクである
請求項1〜3のいずれかに記載の記録媒体ライブラリ装置。
【請求項6】
複数の収納領域を備える収納棚と、前記複数の収納領域のうちの一部に収納される記録媒体群と、前記複数の収納領域のうちの他の一部に搭載され、前記記録媒体群のうちの1つの記録媒体を収納し、前記収納された記録媒体にデータの読み出し/書き込みを行なうドライブ群と、記録媒体搬送命令を送信するホストコンピュータと、コンピュータが搭載されたアクセッサとを具備する記録媒体ライブラリ装置に適用され、前記アクセッサを実行させるコンピュータプログラムであって、
前記記録媒体搬送命令は、前記複数の収納領域の複数のアドレスのうち、前記1つの記録媒体が収納された第1収納領域を表す送側アドレスと、第2収納領域を表す受側アドレスとを含み、
前記記録媒体搬送命令を受信したとき、前記第1収納領域から前記1つの記録媒体を取り出して搬送し、前記第2収納領域に収納するステップ
を前記アクセッサに実行させ、
前記記録媒体群のうちの1つは、前記ドライブ群のうち、交換されたドライブを診断するための診断用記録媒体を含み、
前記送側アドレスは、前記第1収納領域として、前記診断用記録媒体が収納された診断用記録媒体収納領域を表し、前記受側アドレスは、前記第2収納領域として、前記交換されたドライブを表す場合、
前記記録媒体搬送命令を受信したとき、前記診断用記録媒体収納領域から前記診断用記録媒体を取り出して搬送し、前記交換されたドライブに収納するステップ
を更に前記アクセッサに実行させるコンピュータプログラム。
【請求項7】
前記アクセッサは、アクセッサ本体と、前記アクセッサ本体に設けられたハンド部とを具備し、
前記アクセッサ本体は、前記複数のアドレスと、前記複数の収納領域のそれぞれの位置を表す複数の位置情報とが格納されたメモリを具備し、
前記記録媒体搬送命令を受信したとき、前記メモリを参照して、前記複数の位置情報の中から、前記送側アドレスに対応する送側位置情報と、前記受側アドレスに対応する受側位置情報とを検索するステップと、
前記送側位置情報が表す位置に移動するように前記アクセッサ本体を制御し、前記送側位置情報が表す位置に前記ハンド部を導いて前記1つの記録媒体を取り出すステップと、
前記ハンド部が前記1つの記録媒体を取り出した後、前記受側位置情報が表す位置に移動するように前記アクセッサ本体を制御し、前記受側位置情報が表す位置に前記ハンド部を導いて前記1つの記録媒体を収納するステップと
を更に前記アクセッサに実行させる請求項6に記載のコンピュータプログラム。
【請求項8】
前記ドライブ群の各々は、前記1つの記録媒体を収納する収納部が設けられ、前記収納部に収納された記録媒体にデータの読み出し/書き込みを行なうドライブ本体と、前記ドライブ本体に設けられ、前記ドライブ本体に前記収納部が設けられた位置を表す設置位置情報を保持するバーコードとを具備し、
前記アクセッサは、前記アクセッサ本体又は前記ハンド部に設けられたバーコードリーダを更に具備し、
前記送側アドレスは、前記第1収納領域として、前記診断用記録媒体が収納された診断用記録媒体収納領域を表し、前記受側アドレスは、前記第2収納領域として、前記交換されたドライブを表し、前記受側位置情報は、前記交換されたドライブの位置を表すドライブ位置情報である場合、
前記ハンド部が前記診断用記録媒体を取り出した後、前記ドライブ位置情報が表す位置に移動するように前記アクセッサ本体を制御するステップと、
前記交換されたドライブの前記バーコードに保持された前記設置位置情報を読み取るように前記バーコードリーダを制御するステップと、
前記ドライブ位置情報と前記設置位置情報とに基づいて、前記交換されたドライブの前記収納部の正確な位置を表す補正位置情報を生成するステップと、
前記補正位置情報を前記ドライブ位置情報として前記メモリに格納するステップと、
前記補正位置情報が表す位置に前記ハンド部を導いて、前記交換されたドライブの前記収納部に前記診断用記録媒体を収納するステップと
を更に前記アクセッサに実行させる請求項7に記載のコンピュータプログラム。
【請求項9】
前記記録媒体群は、磁気テープである
請求項6〜8のいずれかに記載のコンピュータプログラム。
【請求項10】
前記記録媒体群は、光ディスクである
請求項6〜8のいずれかに記載のコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2006−216104(P2006−216104A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−25631(P2005−25631)
【出願日】平成17年2月1日(2005.2.1)
【出願人】(302069930)NECパーソナルプロダクツ株式会社 (738)
【Fターム(参考)】