説明

記録材処理装置

【課題】本発明は、ユーザが回転する送り出し部材に接触することで生じる不具合の発生を低減する記録材処理装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の記録材処理装置は、用紙が積載される積載面と、回転し用紙を積載面に送り出す送り胴内排出ロールとを有し、胴内排出ロールが送り出す用紙が収容される記録材収容部と、少なくとも一方向から記録材収容部を覆うとともに、記録材収容部に対して開閉可能に設けられるカバー部材と、記録材収容部に対して覆い部材を固定するとともに、胴内排出ロールによる用紙の送り出しが終了し送り出し部材の回転の停止に応じて固定を解除するカバーロック部とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録材処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術として、軽度障害を持つオペレータの安全性を確保することが可能な画像形成装置の提供を目的として、給紙又は排紙をするための開口部と、この開口部に設けられ、給紙又は排紙をするための給紙手段又は排紙手段と、この給紙手段又は排紙手段を遮蔽する遮蔽カバーと、この遮蔽カバーの開閉を行う遮蔽カバー制御手段とを有する画像形成装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−75565号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、回転する送り出し部材に対するユーザの接触を抑止する記録材処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、記録材が積載される積載面と、回転し記録材を当該積載面に送り出す送り出し部材とを有し、当該送り出し部材が送り出す記録材が収容される記録材収容部と、少なくとも一方向から前記記録材収容部を覆うとともに、当該記録材収容部に対して開閉可能に設けられる覆い部材と、前記記録材収容部に対して前記覆い部材を固定するとともに、前記送り出し部材による記録材の送り出しが終了し当該送り出し部材の回転の停止に応じて固定を解除する固定解除機構とを含む記録材処理装置である。
請求項2記載の発明は、前記固定解除機構は、前記送り出し部材が回転を開始する前に前記覆い部材を固定することを特徴とする請求項1記載の記録材処理装置である。
請求項3記載の発明は、前記固定解除機構は、前記送り出し部材が複数の記録材を送り出す場合には、前記送り出し部材による最後の記録材の送り出しが終了し当該送り出し部材の回転が停止した後に固定を解除することを特徴とする請求項1または2記載の記録材処理装置である。
請求項4記載の発明は、原稿上の画像を読み取って画像データを生成する画像読取部と、前記画像読取部の下方に設けられ、記録材に対し予め定められた処理を施す記録材処理部と、前記記録材処理部による処理が行われた記録材が積載される積載面と、回転し当該記録材処理部から搬送されてきた記録材を当該積載面に送り出す送り出し部材と、当該送り出し部材により送り出された記録材がユーザによって取り出される取り出し口とを有し、前記画像読取部の下方であって当該記録材処理部の上方あるいは側方に設けられかつ当該記録材処理部による処理が行われた記録材が収容される記録材収容部と、少なくとも一方向から前記記録材収容部の前記取り出し口を覆うとともに、当該記録材収容部に対して開閉可能に設けられる覆い部材と、前記記録材収容部に対して前記覆い部材を固定するとともに、前記送り出し部材による記録材の送り出しが終了し当該送り出し部材の回転の停止に応じて固定を解除する固定解除機構とを含む記録材処理装置である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、回転する送り出し部材に対するユーザの接触を抑止する記録材処理装置を提供することができる。
請求項2記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、回転する送り出し部材に対するユーザの接触をより抑止することができる。
請求項3記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、複数の記録材を処理する際に、回転する送り出し部材に対するユーザの接触を抑止することができる。
請求項4記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、回転する送り出し部材に対するユーザの接触を抑止する記録材処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本実施の形態が適用される画像形成装置を示す概略構成図である。
【図2】本実施の形態が適用される胴内排出ロールの駆動系を説明する説明図である。
【図3】本実施の形態が適用される画像形成装置を示す斜視図である。
【図4】本実施の形態が適用されるカバーロック部の説明図である。
【図5】胴内排出ロールとカバーロック部との関係を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<画像形成装置100>
図1は、本実施の形態が適用される画像形成装置100を示す概略構成図である。図1に示す画像形成装置100は、所謂タンデム型のカラープリンタである。この画像形成装置100は、各色の画像データに対応して画像形成を行う画像形成部10(記録材処理部)と、画像形成装置100全体の動作を制御する制御部20とを備えている。また、画像形成装置100は、画像形成装置100の上方側に設けられ、原稿の画像を読み取るスキャナにより構成される画像読取装置30(画像読取部)を備えている。さらに、画像形成装置100は、画像形成部10に用紙Sを供給する用紙供給部40を備えている。
【0009】
ここで、画像形成装置100の各構成部材は、筺体50の内部に収容されている。また、画像読取装置30の下方であって筺体50の上部の面には、画像形成部10によって画像が形成された用紙Sが積載される積載面をもつ胴内積載部60が設けられている。さらに画像形成装置100は、開閉可能に設けられ胴内積載部60と画像読取装置30との間に形成される記録材収容部の一例である空間の前面(操作面側、画像形成装置100のフロント側)を覆うカバー部材80が設けられている。また、画像形成装置100は、カバー部材80を閉じられた状態でロック(固定)するカバーロック部70を有するとともに、閉じられたカバー部材80と対向する位置にカバー部材80が閉じられていることを検知するカバーセンサ(図示せず)を有する。
【0010】
<画像形成部10>
画像形成部10には、一定の間隔をおいて並列的に配置される4つの画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kが備えられている。各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、静電潜像を形成してトナー像を保持する感光体ドラム12を備えており、いわゆる電子写真方式によってトナー像を形成する。ここで、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、現像装置に収納されるトナーを除いて、同様に構成される。そして、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、それぞれがイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像を形成する。このようなことから、以下の説明においては、画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kの各構成についてはそれぞれ「Y」、「M」、「C」、「K」という符号を付して区別するが、区別する必要のないときは、これらの符号は付さない。
【0011】
また、画像形成部10は、各画像形成ユニット1の感光体ドラム12上に形成された各色トナー像が転写される中間転写ベルト13を備えている。また、画像形成部10は、各画像形成ユニット1にて形成された各色トナー像を中間転写ベルト13に順次転写(一次転写)する一次転写ロール17を備えている。さらに、画像形成部10は、中間転写ベルト13上に重畳して形成された各色トナー像を記録材(記録紙)である用紙Sに一括転写(二次転写)する二次転写部19と、二次転写された各色トナー像を用紙Sに定着させる定着装置21とを備えている。
さらにまた、画像形成部10は、定着装置21によってトナー像が定着された用紙Sの通過を検知するエグジットセンサ22を備える。さらにまた、このエグジットセンサ22を通過した用紙Sを胴内積載部60に排出する胴内排出ロール23を備える。
【0012】
用紙供給部40は、用紙収容部41と、繰り出しロール43と、捌きロール45と、レジロール47とを備える。用紙収容部41は、用紙Sを収容する。繰り出しロール43は、用紙収容部41の上部に配設され、用紙収容部41に収容される用紙Sの束のうち、最上位の用紙Sを繰り出す。捌きロール45は、繰り出しロール43にて繰り出された用紙Sを1枚ずつに捌いて搬送する。また、レジロール47は、捌きロール45によって捌いて搬送された用紙Sを一旦停止させ、タイミングを合わせて回転を再開することにより二次転写部19に対して用紙Sを供給する。
【0013】
<胴内排出ロール23>
次に、図1及び図2を参照しながら、胴内排出ロール23について説明をする。ここで、図2は、本実施の形態が適用される胴内排出ロール23の駆動系を説明する説明図である。
まず、図2に示すように、胴内排出ロール23は、駆動源であるモータMからの駆動を受ける駆動ロール23aと、この駆動ロール23aに従動しかつ駆動ロール23aとの間にニップ部を形成する従動ロール23bとを有する。なお、この駆動ロール23aと従動ロール23bとは、筺体50の胴内積載部60が設けられる側の側面である筺体側面50a(図3参照)に露出した状態で設けられている。
【0014】
また、本実施の形態では、駆動ロール23aと同軸で設けられ、駆動ロール23aの駆動力を受ける駆動歯車23cが設けられている。さらに、モータMからの駆動力を駆動歯車23cに伝達する歯車G1、G2が設けられている。また、モータMと駆動歯車23cとの間に電磁クラッチ25が設けられている。この電磁クラッチ25をオンまたはオフすることで、モータMから胴内排出ロール23への駆動力の伝達を遮断される。なお、モータMの駆動力は、画像形成装置100の他の部材や他の機構(中間転写ベルト13や二次転写部19等)にも不図示のギアを介して伝達される。付言すると、本実施の形態では、モータMの共有化が図られる。なお、本実施の形態では、このようにモータMを共有しているが、駆動ロール23aを回転させる専用のモータを設けてもよい。
【0015】
<カバー部材80>
次に、図1及び図3を参照しながら、カバー部材80について説明をする。ここで、図3は、本実施の形態が適用される画像形成装置100を示す斜視図である。
まず、覆い部材の一例であるカバー部材80は、図3に示すように、画像形成装置100の前面(操作面側)に開閉可能に設けられている(矢印A参照)。ここで本実施の形態では、胴内積載部60と画像読取装置30との間であって、画像形成装置100の前面側に、画像が形成された用紙Sが取り出される取り出し開口53が形成されている。本実施の形態におけるカバー部材80は、この取り出し開口53(取り出し口)を覆うように設けられている。
【0016】
ここで、カバー部材80が閉じられている状態においては、胴内積載部60上に排出された用紙Sが取り出し開口53から取り出されることや、胴内積載部60側に露出する胴内排出ロール23にユーザの体の一部やペン等の異物が接触することを制限する。なお、上記では説明を省略したが、カバー部材80は、板状の部分であるカバー面80aと、カバー面80aの一方の端部(下端部)に設けられたヒンジ81と、ヒンジ81が設けられた一方の端部とは反対側の端部に設けられ画像形成装置100の本体部側によりその移動が規制される被拘束部85とを有する。
【0017】
カバー面80aは、カバー部材80が閉じられた状態において、画像読取装置30の下部から胴内積載部60の下方までを覆う寸法で構成されている。
カバー部材のヒンジ81は、図3に示すように、閉じられた状態のカバー部材80(図3の破線参照)の下側の端部に設けられるとともに、胴内積載部60の下方において筺体50に固定されている。
被拘束部85は、カバー部材80が閉じられた状態にて、胴内積載部60が設けられる筺体側面50aに対向配置される。本実施の形態における被拘束部85は、カバー面80aと連続した状態で形成されている。また、被拘束部85は、筺体側面50aに向けて開口する開口87(詳細は後述)を有する。
【0018】
<カバーロック部70>
次に、図3及び図4を参照しながら、カバーロック部70について説明をする。ここで、図4(A)はカバーロック部70周辺の斜視図であり、図4(B)は図4(A)のI面におけるカバーロック部70の断面図である。詳細には、(B−1)はカバーロック部70によるロックが解除されている状態を示し、(B−2)はカバーロック部70によってロックされている状態を示す。
【0019】
固定解除機構の一例であるカバーロック部70は、カバー部材80が閉じられた状態で、カバー部材80の被拘束部85と対向する位置に設けられる。図3においては、カバーロック部70は取り出し開口53の左上(図3の楕円内)に配置される。
またカバーロック部70は、図4(A)、(B)に示すように、被拘束部85を拘束するロックピン71と、このロックピン71と接続されロックピン71を移動させるソレノイド75と、ロックピン71とソレノイド75との間に設けられロックピン71を元の位置(図4の(B−1)の位置)に戻す戻しばね73とを有する。
【0020】
ここで、ロックピン71は、同図(B−1)、(B−2)に示すように、屈曲部71cを有するL字状の部材であり、被拘束部85に対して進退可能に設けられる(矢印B及びC参照)。このロックピン71は、屈曲部71cから被拘束部85に向けて延びる主部711と、屈曲部71cにて主部711に接続され主部711と交差する方向(直交する方向)に延びる副部712とを有する。そして、ロックピン71の主部711は筺体側面50aを貫通して設けられている。
ソレノイド75は、ロックピン71の副部712の端部71a(主部711に接続された端部とは反対側に位置する端部)に固定して接続されている。ソレノイド75は、この副部712側の端部71aを被拘束部85に対して進退させる(矢印B及びC参照)。なお、戻しばね73は、この端部71aとソレノイド75との間に設けられている。
【0021】
図4の(B−1)及び(B−2)を参照しカバーロック部70の動作を説明する。
まず、図4の(B−1)に示されるように、カバーロック部70によるロックが解除されている状態においては、ロックピン71の主部711側の端部71bが、筺体側面50aに接近した位置Paに配置されている。ここで、ロックピン71の端部71bが位置Paに配置されている状態においては、ロックピン71は、被拘束部85の開口87に進入していない。したがって、被拘束部85がロックピン71によって移動が制限されないことからカバー部材80を開放することが可能である。
【0022】
そして、ソレノイド75が駆動しロックピン71の副部712側の端部71aが矢印B方向に移動すると、ロックピン71の主部711が筺体側面50aからさらに突出し、筺体側面50aより離れた位置Pbへと移動する。そして、図4(B−2)に示されるように、ロックピン71が位置Pbに配置されることにより、カバーロック部70によってカバー部材80がロックされ、カバー部材80は閉じられた状態で固定される。具体的には、ロックピン71の端部71bが被拘束部85の開口87に進入しており、被拘束部85の移動経路上にロックピン71が位置する状態となる。これにより、被拘束部85はロックピン71によって移動が制限され、カバー部材80の開放が制限される。なお、ロックピン71が位置Pbへと移動する際、戻しばね73は圧縮される。
【0023】
一方で、カバーロック部70によるカバー部材80のロックを解除する(ロックを外す)場合には、上述の動作とは反対の動作が行われる。具体的に説明すると、オン状態とされていたソレノイド75がオフ状態とされる。これにより戻しばね73が伸長する。そしてこの伸長によって、ロックピン71が矢印C方向に押圧され、被拘束部85から離れる方向にロックピン71が移動する。これにより、被拘束部85の移動経路上からはずれた位置Paにロックピン71が位置するようになる。そしてこの状態になると、カバー部材80の開放が可能となる。
【0024】
<画像形成装置100の動作>
ここで、画像形成装置100の動作について説明をする。
【0025】
画像形成装置100が画像形成動作を開始すると、画像読取装置30等から入力された画像データは、予め定められた画像処理が施された後、各画像形成ユニット1に送られる。そして、例えば黒(K)色トナー像を形成する画像形成ユニット1Kでは、感光体ドラム12が回転しながら、予め定められた電位で一様に帯電された後に走査露光される。それにより、感光体ドラム12上には、黒(K)色画像に関する静電潜像が形成される。そして、感光体ドラム12上に形成された静電潜像は現像され、感光体ドラム12上には黒(K)トナー像が形成される。同様に、画像形成ユニット1Y,1M,1Cにおいても、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色のトナー像が形成される。
【0026】
各画像形成ユニット1で形成された各色のトナー像は、回転駆動される中間転写ベルト13上に、一次転写ロール17により順次静電吸引される。これにより中間転写ベルト13には各色トナーが重畳された重畳トナー像が形成される。そして、中間転写ベルト13上の重畳トナー像は、中間転写ベルト13の移動に伴って二次転写部19に搬送される。
一方で、用紙収容部41に積載された用紙Sは、繰り出しロール43によって繰り出され、捌きロール45によって捌かれて搬送される。さらに、捌かれた用紙Sはレジロール47によって二次転写部19へと供給される。
そして、重畳トナー像は、二次転写部19が形成する転写電界の作用により、レジロール47を経て供給される用紙S上に一括して静電転写される。
【0027】
その後、重畳トナー像が静電転写された用紙Sは、中間転写ベルト13から剥離され、定着装置21まで搬送される。定着装置21に搬送された用紙S上のトナー像は、定着装置21によって熱及び圧力による定着処理を受けて用紙S上に定着される。そして、定着画像が形成された用紙Sは、エグジットセンサ22によって検知された後、胴内排出ロール23によって胴内積載部60に排出され積載される。このようにして、画像形成装置100での画像形成がプリント枚数分のサイクルだけ繰り返される。
【0028】
ここで、図5(胴内排出ロール23とカバーロック部70との関係を示すタイミングチャートを示した図)の中段に示すように、用紙収容部41に積載された用紙Sが搬送され、画像を形成された後に胴内積載部60へ排出される過程においては、用紙Sは、レジロール47、二次転写部19、定着装置21、エグジットセンサ22、及び胴内排出ロール23を順に通過していく。
【0029】
さて、図5の上段に示すように、用紙Sの搬送方向における後端が胴内排出ロール23を通過した後に、胴内排出ロール23は回転を停止する。この胴内排出ロール23は、用紙Sの搬送方向後端が胴内排出ロール23を通過した後、図5の矢印Eに示すように、予め定められた時間、回転を継続する。このように、胴内排出ロール23の回転を継続させた場合、用紙Sの搬送方向における後端が胴内排出ロール23(あるいは胴内排出ロール23周辺の部材)に引っかかった状態となることが抑制される。付言すると、胴内積載部60に用紙Sが完全に落ちきらずに、用紙Sの後端が胴内排出ロール23に引っかかる事態の発生が抑制される。
なお、本実施の形態においては、画像が形成された用紙Sの搬送方向における後端がエグジットセンサ22を通過してからの時間によって、胴内排出ロール23の回転を制御している。付言すれば、用紙Sの搬送方向における後端がエグジットセンサ22を通過した後、用紙Sがエグジットセンサ22から胴内搬出ロール23まで搬送されるのに要する時間と矢印Eで示す時間とを加えた時間(矢印F参照)、胴内排出ロール23の回転を継続させる。
【0030】
そして、図5の下段に示すように、胴内排出ロール23が回転を停止した後に、カバーロック部70によるカバー部材80のロックが解除される。より具体的には、ロックピン71が位置Pbから位置Paに移動(図4の矢印C参照)し、ロックピン71が被拘束部85の開口87の外に配置される。これにより、カバー部材80の開放が可能となり、画像が形成され胴内積載部60に積載された用紙Sの取り出しが可能となる。
本実施の形態においては、胴内排出ロール23が回転を停止した後にカバー部材80のロックが解除されることから、回転する胴内排出ロール23にユーザが触れることが抑制される。
【0031】
なお、画像形成装置100が複数の用紙Sに画像を形成する場合は、最後の用紙Sの搬送方向における後端が胴内排出ロール23を通過した後に、胴内排出ロール23の回転を停止する。その後に、カバーロック部70によるカバー部材80のロックが解除される。
【0032】
さて、本実施の形態においては、図5の下段に示すように、胴内排出ロール23が回転を停止した後に、中間転写ベルト13が停止する。
そして、本実施の形態においては、カバーロック部70は、胴内排出ロール23が回転を停止した後であって、かつ中間転写ベルト13が停止した後に、カバーロック部70によるカバー部材80のロックが解除される。このことにより、中間転写ベルト13が作動していることによる影響により、仮に胴内排出ロール23が回転した場合であっても、この胴内排出ロール23とユーザとが接触することが抑制される。付言すれば、中間転写ベルト13等の画像形成装置100の他の部材や機構が停止した後にカバーロック部70のロックを解除することにより、回転する胴内排出ロール23とユーザとの接触することがより抑制される。
【0033】
<他の態様>
上述の実施形態においては、記録材処理装置の例として画像形成装置100を用いて説明したが、これに限定されない。記録材処理装置としては、例えば後処理装置や用紙積載装置等であってもよい。後処理装置としては、ステープル針を用いて(あるいは用いることなく)記録材に対する綴じ処理を行う綴じ処理装置、パンチ穴をあけるパンチャ、折り筋を付ける折り筋装置等を有する構成がある。用紙積載装置としては、用紙を複数の積載部に仕分けられる機構を有する構成がある。
【0034】
また、上述の実施形態においては、胴内排出ロール23の駆動を電磁クラッチ25を用いて遮断する構成を用いて説明したがこれに限定されない。例えば、胴内排出ロール23が駆動源であるモータMに単独で接続され、胴内排出ロール23を任意のタイミングで回転あるいは停止させる構成であってもよい。
【0035】
さらに、上述の実施形態においては、カバー部材80を画像形成装置100の前面(操作面側)に設ける構成を用いて説明したが、これに限定されない。例えば、画像形成装置100の側面に設けてもよい。図1を用いて例示すると、胴内積載部60と画像読取装置30との間に形成される空間の図1中の右側面に設けてもよい。
さらに、画像形成装置100の前面(操作面側)と画像形成装置100の側面との両面にそれぞれカバー部材80を設けるよう構成してもよい。
【符号の説明】
【0036】
1Y,1M,1C,1K…画像形成ユニット、19…二次転写部、21…定着装置、23…胴内排出ロール、50…筺体、60…胴内積載部、70…カバーロック部、71…ロックピン、73…戻しばね、75…ソレノイド、80…カバー部材、85…被拘束部、87…開口、100…画像形成装置、S…用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録材が積載される積載面と、回転し記録材を当該積載面に送り出す送り出し部材とを有し、当該送り出し部材が送り出す記録材が収容される記録材収容部と、
少なくとも一方向から前記記録材収容部を覆うとともに、当該記録材収容部に対して開閉可能に設けられる覆い部材と、
前記記録材収容部に対して前記覆い部材を固定するとともに、前記送り出し部材による記録材の送り出しが終了し当該送り出し部材の回転の停止に応じて固定を解除する固定解除機構と
を含む記録材処理装置。
【請求項2】
前記固定解除機構は、前記送り出し部材が回転を開始する前に前記覆い部材を固定することを特徴とする請求項1記載の記録材処理装置。
【請求項3】
前記固定解除機構は、前記送り出し部材が複数の記録材を送り出す場合には、前記送り出し部材による最後の記録材の送り出しが終了し当該送り出し部材の回転が停止した後に固定を解除することを特徴とする請求項1または2記載の記録材処理装置。
【請求項4】
原稿上の画像を読み取って画像データを生成する画像読取部と、
前記画像読取部の下方に設けられ、記録材に対し予め定められた処理を施す記録材処理部と、
前記記録材処理部による処理が行われた記録材が積載される積載面と、回転し当該記録材処理部から搬送されてきた記録材を当該積載面に送り出す送り出し部材と、当該送り出し部材により送り出された記録材がユーザによって取り出される取り出し口とを有し、前記画像読取部の下方であって当該記録材処理部の上方あるいは側方に設けられかつ当該記録材処理部による処理が行われた記録材が収容される記録材収容部と、
少なくとも一方向から前記記録材収容部の前記取り出し口を覆うとともに、当該記録材収容部に対して開閉可能に設けられる覆い部材と、
前記記録材収容部に対して前記覆い部材を固定するとともに、前記送り出し部材による記録材の送り出しが終了し当該送り出し部材の回転の停止に応じて固定を解除する固定解除機構と
を含む記録材処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−98531(P2012−98531A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−246308(P2010−246308)
【出願日】平成22年11月2日(2010.11.2)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】