説明

記録装置

【課題】複数のプリントジョブをネスティングなど集約印刷する場合、記録媒体が異なったプリントジョブにおいても、記録媒体別にレイアウトした印刷が行うことができるようにして記録媒体を有効に活用する。
【解決手段】受信した複数のプリントジョブを記憶する手段と、該プリントジョブを記録する記録媒体の情報をプリントジョブで指定する手段と、プリントジョブを記録する媒体ごとに分類する手段と、少なくとも2つ以上の記録媒体を切り替える手段と分類ごとにレイアウトを行う手段と、該レイアウトにしたがってプリントジョブの指定した記録媒体に対して該記録媒体切り替え手段を制御し、該記録媒体へ記録する手段とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録データが指定する記録媒体よりも大きな複数の媒体に複数の記録データを集約して記録する記録装置における媒体別の集約制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プリンタは年々高画質化している。また、印刷できる媒体の種類・サイズも多様化している。例えばA1、B0などロール紙を使用した幅広タイプの高画質インクジェットプリンターも普及し始めている。従来はオフセット印刷業者に依頼していたようなものを上記プリンタの印刷を最終出力物として使用され始めている。店頭におけるPOPや芸術作品のレプリカ(複製品)などがそれにあたる。一般にインクジェット記録装置は、記録ヘッドおよびインクタンクを搭載するキャリッジと、記録紙を搬送する搬送機構と、これらを制御する制御回路とを具備している。このような記録装置では、インク液滴を吐出させる複数の吐出口を有した記録ヘッドを記録紙の搬送方向(副走査方向)と直行する方向(主走査方向)にシリアル・スキャンさせながらインク吐出を行う一方で、記録ヘッドからのインク吐出がない間に記録紙を記録ヘッドの記録幅に等しい量で間欠的に搬送することにより記録動作を実行する。最終出力物として記録する記録媒体は高価な場合が多い。そのため、レイアウト確認などは安価な記録媒体で、最終出力は高価な媒体に印刷するなど記録媒体を切り替えて使用することがある。また、非定型サイズのPOPや芸術作品はその目的に合ったサイズに印刷を行われることが多い。こうした場合は、印刷サイズよりも大きな定形もしくはロール紙などの記録媒体に印刷することになる。
【0003】
プリンタの記録媒体を有効(余白を少なく)に活用する手段として集約印刷技術が知られている。これは、複数のプリントジョブをプリンタで記録媒体の大きさにあわせてレイアウトを行うものである。例えば、A2用紙にA4原稿を4ページ面つけする方法がそれにあたる。
【0004】
ネットワークを利用し、任意の場所から任意のプリンタに対して印刷する共有環境における、複数のプリントジョブを集約する方法として下記の提案がされている。プリント画像に識別コードを付加し、その識別コード別に複数のプリント画像を1つの記録シートに形成すべき枚数にしたがって集約印刷する方法(特許文献1参照)が提案されている。また、複数のプリントジョブを集約して記録媒体を有効に活用する手段として、ネスティング技術も知られている(非特許文献1参照)。これは、プリントジョブの縦横の長さと記録媒体の幅(横)とを比較し、記録媒体の使用効率が上がるように画像を回転、もしくは非回転を判別し印刷するものである。
【特許文献1】特開2005−111934号公報
【非特許文献1】日本ヒューレット・パッカード社 WEBページ 大判プリンタHP Designjet4000シリーズ
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の技術によるプリントジョブが指定する記録媒体に複数のジョブを集約して印刷する場合を示す。最初に受信したプリントジョブの指定する記録媒体とそれ以降に受信したジョブの指定する記録媒体が同一であれば、複数のプリントジョブを集約して印刷することができる。しかしながら、最初のプリントジョブと異なるプリントジョブを受信した時点で、それ以前のプリントジョブによる集約印刷が開始してしまう。最悪の場合は、交互に異なる記録媒体を指定したプリントジョブを受信したときに発生する。この場合は、複数のジョブをまたがった集約印刷が出来なくなってしまうという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明にかかわる第1の発明による記録装置は以下の構成からなる。
【0007】
複数のプリントジョブをレイアウトして集約記録することが可能な記録装置において、複数のプリントジョブを記憶する手段と、該プリントジョブを記録する記録媒体の情報をプリントジョブで指定する手段と、プリントジョブを記録する媒体ごとに分類する手段と、少なくとも2つ以上の記録媒体を切り替える手段と分類ごとにレイアウトを行う手段と、該レイアウトにしたがってプリントジョブの指定した記録媒体に対して該記録媒体切り替え手段を制御し、該記録媒体へ記録する手段とを具備することを特徴とする。
【0008】
さらに本発明にかかわる第2の発明による記録装置は以下の構成からなる。
【0009】
すなわち、第1の発明による記録装置において、プリントジョブを一定時間受信しなかった場合に集約記録を開始する手段を具備することを特徴とする。
【0010】
さらに本発明にかかわる第3の発明による記録装置は以下の構成からなる。
【0011】
すなわち、第1の発明による記録装置において、プリントジョブを一定時間受信しなかった時間を媒体ごと管理する手段と該一定時間受信しなかった媒体の集約記録の開始を媒体ごとに行う手段とを具備することを特徴とする。
【0012】
さらに本発明にかかわる第4の発明による記録装置は以下の構成からなる。
【0013】
すなわち、第1の発明による記録装置において、レイアウト後に記録媒体ごとに記録時間を予測する手段と該記録時間によって記録する記録媒体の順番を制御する手段を具備することを特徴とする。
【0014】
さらに本発明にかかわる第5の発明による記録装置は以下の構成からなる。
【0015】
すなわち、第1の発明による記録装置において、プリントジョブに集約記録を開始させるコマンドを具備することを特徴とする。
【0016】
さらに本発明にかかわる第6の発明による記録装置は以下の構成からなる。
【0017】
すなわち、第1の発明による記録装置において、プリントジョブに含まれる集約記録開始コマンドにより、すべての媒体の集約記録を開始する手段を具備することを特徴とする。
【0018】
さらに本発明にかかわる第7の発明による記録装置は以下の構成からなる。
【0019】
すなわち、第1の発明による記録装置において、集約記録開始コマンドを媒体ごとに管理する手段と該集約記録開始コマンドで指定した媒体に対して集約記録を開始する手段を具備することを特徴とする。
【0020】
さらに本発明にかかわる第8の発明による記録装置は以下の構成からなる。
【0021】
すなわち、第1の発明による記録装置において、プリントジョブに含まれる集約記録開始コマンドを媒体ごとに管理する手段と集約記録開始コマンドを含んだ媒体に対して集約記録を開始する手段を具備することを特徴とする。
【0022】
さらに本発明にかかわる第9の発明による記録装置は以下の構成からなる。
【0023】
すなわち、第1の発明による記録装置において、プリントジョブの記録データを回転する手段と記録データの回転、非回転を考慮して記録媒体の未使用部分が最小になるように該レイアウトを実行する手段とを具備することを特徴とする。
【0024】
さらに本発明にかかわる第10の発明による記録装置は以下の構成からなる。
【0025】
すなわち、第1の発明による記録装置において、記録媒体の切り替え動作に時間を要さないように記録する媒体の順番を制御する手段を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明を実施することにより、プリントジョブの記録画像をプリンタで解析し、その画像特性を分類する。その分類ごとにプリントジョブを管理し記録媒体のサイズの中でレイアウトして印刷することができる。1つのシートに集約する画像数を指定することなく、記録媒体が異なったプリントジョブにおいても、記録媒体別にレイアウトした印刷が行うことができる。そうすることで、記録媒体を有効に活用することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
次に、本発明の詳細を実施例の記述に従って説明する。
【0028】
発明を実施するための最良の形態を、下記の実施例を用いて説明する。
【実施例1】
【0029】
図1および図2は、本実施例における、集約制御を行うインクジェット記録装置のコントローラ部およびエンジン部の構成を示すブロック図である。
【0030】
まず、図1コントローラ部の構成および動作について説明する。101はCPUである。108はUSBインターフェースである。109はIEEE1394インターフェースである。122は、ローカルエリアネットワークインターフェースである。120、121、123は記録データを記録装置にデータを送信してくるホストコンピュータである。特にコンピュータ123は、1台以上の、ネットワークに接続されたコンピュータ群である。102はメモリコントローラである。105は、制御プログラムや各種定数データなどを格納したROMである。104は、ホストコンピュータ120〜123から受信したコマンド信号や画像情報を格納するためのRAMである。CPU101はこれらのメモリに格納された情報に基づいて記録動作を制御する。107は、操作パネルである。106は、操作パネル107を制御する操作パネルインターフェースである。110は、複数の画像データなどを格納可能な大容量の二次記憶装置HDDである。コンピュータ120、121、123から入力された印刷ジョブは、各種インタフェース108,109,122を経由してRAM104もしくは、HDD110に格納される。CPU101は、格納された印刷ジョブ情報のコマンド解釈や画像情報の生成および画像情報の解析を行う。画像の解析結果と画像情報は、HDD110に格納される。複数の記録画像をHDD110へ格納した後、CPU101によって記録媒体に対する記録画像のレイアウトが決定される。そのレイアウト情報に基づいて、HDD110に格納されている記録画像を画像データ処理ブロック111に入力する。ここでは、入力されたデータを色変換部で記録装置のインク色(本実施例においては、黒・シアン・マゼンダ・イエローの4色)に分解する。その後、インク色ごとに2値化部で多値の画像データを2値のデータに変換し、エンジン(図2)へ出力する。RAM112は画像情報処理ブロックで使用するメモリである。またコントローラとエンジンの間の各種コマンドやステータス情報の送受信は画像データと同様に、画像データ処理ブロック111を介して行われる。
【0031】
次に図2で示すみエンジン部の構成および動作概要について説明する。209は、バンドメモリ制御ブロックである。エンジン部はバンドメモリ制御ブロック209を介してコントローラ(図1)と接続されている。201はCPUである。203は、制御プログラムや更新可能な制御プログラムや処理プログラムや各種定数データなどを格納したROMである。202は、RAMである。コントローラ(図1)が受信したコマンド信号や画像情報を格納する。CPU201はRAM202にアクセスし、これらのメモリに格納された情報に基づいて記録動作を制御する。207はキャリッジモータ制御回路である。208はキャリッジモータである。キャリッジモータ制御回路207により制御される。204は、紙搬送モータ制御回路である。205は、紙送りモータである。紙搬送モータ制御回路204により制御される。206は紙搬送機構である。211は記録ヘッド制御ブロックである。212は記録ヘッド制御ブロック211によって制御され、インクを吐出する記録ヘッドである。220は211記録ヘッド制御ブロックおよび212記録ヘッドを含んだキャリッジである。記録ヘッドキャリッジモータ208により主走査方向にスキャンする。CPU201は、RAM202に格納されている各種情報に基づきバンドメモリ制御ブロック209や記録ヘッド制御ブロック211を制御して記録ヘッド212を駆動することにより記録媒体上に所望の画像を記録することができる。
【0032】
図9は記録装置の断面図である。本実施例では、記録媒体をロール紙という形態で2種類セットできるものを例にあげるが、種類の数やロール紙のみもしくは、カット紙トロール紙の組み合わせなどの記録媒体の形態について制限するものではない。901は、記録媒体Aのロール紙である。902は、記録媒体Bのロール紙である。これらのロール紙は221の記録媒体制御回路によって制御され排他的に使用される。903は、記録媒体Aの記録媒体切り替え用のローラである。904は、記録媒体Bの記録媒体切り替え用のローラである。905と906は、204の紙搬送制御回路によって制御されているモータ205で駆動される記録媒体搬送ローラである。907は、220に示した記録ヘッドおよび記録ヘッド制御回路を含んだキャリッジである。このキャリッジは、207のキャリッジモータ制御回路により制御され、主走査方向(奥行き:Z方向)にスキャンしながら、記録媒体へ記録していく。908は、記録媒体のカット部で909は鋭利な刃である。記録動作時には記録媒体の排紙領域から外れた所に位置しており、記録が終了するとZ方向に移動しながら記録媒体を切断する。910は、記録媒体を保護するためのカバーである。このカバーを上にあげることで、記録媒体を交換することができる。
【0033】
本発明の特徴となるプリントジョブの分類方法を、図3のフローチャートを用いて説明する。S301では、コンピュータ120、121、123から送られてきたプリントジョブを受信する。S302では、プリントジョブのコマンドの解釈と画像データの生成を行う。S303では、次のプリントジョブを受信するまでの時間をカウントする。所定の時間に達する前に次のプリントジョブを受信した場合は、S301のプリントジョブ受信へ移行する。所定の時間内に次のプリントジョブを受信しなかった場合は、S304へ移行する。S304では、記録媒体ごとにレイアウトを開始する。その際、画像の回転も考慮した上で記録媒体の大きさを有効活用できるようにレイアウトを行う。次にS305では、記録媒体ごとに記録時間を予想する。記録時間の予想は、記録モードと記録領域から容易に算出可能である。記録時間の短い媒体から記録するように順番を確定する。S306では、S305で確定した記録時間の短い記録媒体の順番に従って印刷を開始する。図4は、記録装置が受信するプリントジョブを時間の経過も含めて示している。最初にジョブ1、次にジョブ2、ジョブ3、ジョブ4を順次受信している。各ジョブの記録領域と記録枚数を401〜404で示している。401は、プリントジョブ1が正方形に近い形の記録領域あることと、それを4枚記録することを示している。同様に402は、ジョブ2が横長の長方形の記録領域で2枚記録することを示している。403は、ジョブ3が横長の長方形の記録領域で8枚記録することを示している。404は、ジョブ4が縦長の長方形の記録領域で2枚記録することを示している。405は、ジョブ4以降ネスティング記録開始時間までジョブを受信しなかったため、S304の受信待ち状態からS305のレイアウト作業を開始したことを示している。また、図3で示したフローのS302のコマンド解釈結果により、各ジョブは記録媒体Aと記録媒体Bに分類されている。ジョブ2とジョブ3が記録媒体A、ジョブ1とジョブ4は記録媒体Bへのプリントジョブの場合を例にする。図5には、S304で行われたレイアウト結果を示している。501は、記録媒体Aである。502は、記録媒体Bである。レイアウトは記録媒体ごとに実施される。記録媒体Aへのジョブ2とジョブ3で記録媒体を有効活用するようにレイアウトを実施する。その際には、記録データを回転することも考慮する。本実施例では、ジョブ2はそのまま横に並べ、ジョブ3は90度回転している。1枚はジョブ2の横に残りの6枚はジョブ2の下に並べた形にレイアウトしている。同様に記録媒体Bへのジョブ1と4も回転も考慮した上で記録媒体を有効活用するようにレイアウトを実施する。ジョブ1はそのまま4枚を横に並べ、ジョブ4は90度回転しジョブ1の下に横に並べるレイアウトとしている。S305では、記録媒体ごとの記録時間の算出を以下の様に行う。あらかじめ記録媒体と記録モードごとに、単位面積あたりの記録時間を示したデータを備えておく。これは、ROM105にあらかじめ登録していても良いし、コンピュータからコマンドとして送信しても良い。各記録媒体のレイアウト後の記録領域と、記録媒体と記録モードの情報から、記録媒体ごとの記録時間を算出することが可能である。例えば、記録媒体Aと記録媒体Bの単位面積あたりの記録時間が同一である場合、図5の例では、502に示した記録媒体Bの方が501の記録媒体Aよりも記録面積が小さいことが分かる。この場合は、502の記録媒体の記録時間のほうが短いと判断し、記録媒体Bを最初に印刷し、次に記録媒体Aを印刷するように制御する。記録媒体Bの単位面積あたりの記録時間が、記録媒体Aの4倍であった場合は、501の記録媒体Aの方が記録時間は短いため、記録媒体Aを最初に印刷する。次に記録媒体Bを印刷するように制御する。実際には、221の記録媒体切替制御回路から記録媒体切替機構を制御し、記録媒体Aもしくは記録媒体Bに切り替えた後に印刷を実行する。
【実施例2】
【0034】
実施例1と同じ構成の記録装置を用いて説明する。図6は、実施例2における処理を示したフローチャートである。S601では、コンピュータ120、121、123から送られてきたプリントジョブを受信する。S602では、プリントジョブのコマンドの解釈と画像データの生成を行い、HDDに記録S606する。S603では、S602のコマンドの中に印刷を開始するコマンドが含まれているかどうかを判断する。印刷を開始するコマンドが有効ではなかった場合、S601のプリントジョブの受信のステップに移行する。印刷開始のコマンドが有効であった場合、同じプリントジョブのコマンドで指定されている記録媒体の集約レイアウトS604を開始する。S605では、S604でレイアウトされた情報を元に印刷を開始する。印刷が終了したらS601のステップに戻る。図7は記録装置が受信するプリントジョブを時間の経過も含めて示している。最初にジョブ1、次にジョブ2、ジョブ3、ジョブ4を順次受信している。各ジョブの記録領域と記録枚数を701〜704で示している。701は、プリントジョブ1が正方形に近い形の記録領域あることと、それを4枚記録することを示している。同様に702は、ジョブ2が横長の長方形の記録領域で2枚記録することを示している。703は、ジョブ3が横長の長方形の記録領域で8枚記録することを示している。704は、ジョブ4が縦長の長方形の記録領域で2枚記録することを示している。また、図6で示したフローのS602のコマンド解釈結果により、各ジョブは記録媒体Aと記録媒体Bに分類されている。ジョブ2とジョブ3が記録媒体A、ジョブ1とジョブ4は記録媒体Bへのプリントジョブであった場合を例にする。図7にあるように、最初に受信するジョブ1は印刷開始コマンドが無効のため、そのまま画像データはHDD110に記録した状態で印刷動作は開始しない。ジョブ2は、ジョブ1と同様に印刷開始コマンドが無効なため、画像データは記憶するが印刷動作は開始しない。ジョブ3は、印刷開始コマンドが有効なため記録媒体Aへのレイアウト作業を行い印刷を実行する。ジョブ4は、印刷開始コマンドが有効なため記録媒体Bへのレイアウト作業を行い印刷を実行する。図8は、実施例1と同様のレイアウト作業を行った結果と出力結果を示す。出力の順番は、印刷開始コマンドを受信した順番に従い、最初に801の記録媒体A、次に802の記録媒体Bを出力する。
【実施例3】
【0035】
実施例2と同じ構成の記録装置において、プリント開始コマンドを単独で発行することが可能な場合を、図10のフローチャートを用いて説明する。S1001では、ホストコンピュータ120,121,123からデータを受信したかどうかを判断する。データを受信していなければ、そのまま受信状態を維持する。データを受信すると、S1002へ進み、受信したデータがプリントジョブなのか、もしくは印刷開始コマンドなのかを判別する。この印刷開始コマンドには、印刷を開始する媒体の情報も含まれている。それは1つの媒体であっても良いし、複数の媒体であっても良い。受信したデータがプリントジョブの場合は、S1003のプリントジョブの処理に移行する。S1003以降の処理は、実施例2と同じである。S1002で印刷開始コマンドであった場合は、S1007の開始コマンドで指示された記録媒体の集約レイアウトを開始する。S1007以降の処理は実施例2と同一である。
【実施例4】
【0036】
実施例2と同じ構成の記録装置において、記録媒体の切替時間が短いものを最初に記録を開始する例を説明する。プリントジョブの記録開始の指示は、ジョブに含まれるものであっても、印刷開始コマンド単体であっても良い。図9の記録媒体Bを搬送可能な状態から、記録媒体Aを搬送可能な状態に切り替える動作を説明する。まず、902の記録媒体Bを半時計回りに回転させ、904記録媒体切替機構まで巻き取る。次に903の記録媒体切替機構のローラを回転させ、901の記録媒体Aを905の紙搬送ローラまで送り出し、記録を開始可能な状態へと切り替わる。ここで、プリントジョブとして記録媒体Aと記録媒体Bを受信した状態で、記録開始コマンドを受信した場合の動作を説明する。記録媒体の指定がある記録開始コマンドを受信した場合は、指定の記録媒体のレイアウトおよび記録媒体の切替尾行った後に印刷を行う。記録媒体の指定がない記録開始コマンドを受信した場合は、まず記録媒体切替機構の状態を確認する。図9の状態を例に取ると902の記録媒体Bが905の紙搬送ローラで搬送可能な状態にあるため、直ちに記録を開始することが可能である。この場合は、最初に記録媒体Bの記録データのレイアウトおよび記録を行い、次に記録媒体Aのレイアウトおよび記録を行う。
【産業上の利用可能性】
【0037】
上記実施例においては、インクジェット記録装置の実施例を示したが、電子写真など記録方式が異なる装置であってもよい。
【0038】
また、本発明に係る記録システムの形態は、コンピュータやワードプロセッサなどの情報処理装置の画像出力手段として一体または別体に設けられるものに限らず、読取装置と組み合わせた複写装置や通信機能を有するファクシミリ装置などであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施例1および実施例2の記録装置におけるコントローラ部の概略ブロック図である。
【図2】本発明の実施例1および実施例2の記録装置におけるエンジン部の概略ブロック図である。
【図3】本発明の実施例1における記録動作のフローチャートである。
【図4】本発明の実施例1におけるジョブの受信状況を示す概念図である。
【図5】本発明の実施例1における分類ごとのレイアウト結果を示す概念図である。
【図6】本発明の実施例2における記録動作のフローチャートである。
【図7】本発明の実施例2におけるジョブの受信状況を示す概念図である。
【図8】本発明の実施例2における分類ごとのレイアウト結果を示す概念図である。
【図9】本発明の実施例2における記録装置の断面図である。
【図10】本発明の実施例3における記録動作のフローチャートである。
【符号の説明】
【0040】
101 CPU
102 メモリコントローラ
103 バスブリッジ
104 RAM
105 ROM
106 操作パネルインタフェース
107 操作パネル
108 USBインタフェース
109 IEEE1394インタフェース
110 HDD(ハードディスク)
111 画像データ処理ブロック
112 画像データ処理ブロック用RAM
120 ホストコンピュータ1
121 ホストコンピュータ2
122 LAN(ネットワーク)インタフェース
123 ホストコンピュータ3
201 CPU
202 RAM
203 ROM
204 紙搬送モータ制御回路
205 紙搬送モータ
206 紙搬送機構
207 キャリッジモータ制御回路
208 キャリッジモータ
209 バンドメモリ制御ブロック
210 バンドメモリ制御ブロック用メモリ
211 プリントヘッド制御ブロック
212 プリントヘッド
220 キャリッジ
221 記録媒体切替制御回路
222 記録媒体切替機構
401 ジョブ1の記録領域、記録枚数および分類
402 ジョブ2の記録領域、記録枚数および分類
403 ジョブ3の記録領域、記録枚数および分類
404 ジョブ4の記録領域、記録枚数および分類
405 レイアウト開始ポイント
501 記録媒体A
502 記録媒体B
701 ジョブ1の記録領域、記録枚数および分類
702 ジョブ2の記録領域、記録枚数および分類
703 ジョブ3の記録領域、記録枚数および分類
704 ジョブ4の記録領域、記録枚数および分類
801 記録媒体A
802 記録媒体B
901 記録媒体A
902 記録媒体B
903 記録媒体切替機構
904 記録媒体切替機構
905 記録媒体搬送ローラ
906 記録媒体搬送ローラ
907 キャリッジ
908 カット部
908 記録媒体カッター部
909 記録媒体カッターの刃
910 記録媒体保護カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のプリントジョブをレイアウトして集約記録することが可能な記録装置において、
複数のプリントジョブを記憶する手段と、
該プリントジョブを記録する記録媒体の情報をプリントジョブで指定する手段と、
プリントジョブを記録する媒体ごとに分類する手段と、
少なくとも2つ以上の記録媒体を切り替える手段と、
分類ごとにレイアウトを行う手段と、
該レイアウトにしたがってプリントジョブの指定した記録媒体に該記録媒体切り替え手段を制御し該記録媒体へ記録する手段と
を備えることを特徴とする記録装置。
【請求項2】
プリントジョブを一定時間受信しなかった場合に集約記録を開始する手段
を備えることを特徴とする請求項1に記載の記憶装置。
【請求項3】
プリントジョブを一定時間受信しなかった時間を媒体ごと管理する手段と、
該一定時間受信しなかった媒体の集約記録の開始を媒体ごとに行う手段と
を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の記録装置。
【請求項4】
該レイアウト後に記録媒体ごとの記録時間を予測する手段と、
該記録時間によって記録する記録媒体の順番を制御する手段と
を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の記録装置。
【請求項5】
記録装置が受信するデータとして集約記録を開始させるコマンド
を備えることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項6】
集約記録開始コマンドにより、すべての媒体の集約記録を開始する手段
を備えることを特徴とする請求項1、又は請求項5に記載の記録装置。
【請求項7】
集約記録開始コマンドを媒体ごとに管理する手段と、
該集約記録開始コマンドで指定した媒体に対して集約記録を開始する手段
を備えることを特徴とする請求項1、又は請求項5に記載の記録装置。
【請求項8】
プリントジョブに含まれる集約記録開始コマンドを媒体ごとに管理する手段と、
該集約記録開始コマンドを含んだ媒体に対して集約記録を開始する手段と
を備えることを特徴とする請求項1、又は請求項5に記載の記録装置。
【請求項9】
プリントジョブの記録データを回転する手段と、
記録データの回転、非回転を考慮して記録媒体の未使用部分が最小になるように該レイアウトを実行する手段とを備えることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項10】
記録媒体の切り替え動作に時間を要さないように記録する媒体の順番を制御する手段を備えることを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載の記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−5905(P2010−5905A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−167571(P2008−167571)
【出願日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】