説明

診断機器ワークステーション

患者との臨床的な出会いにおいて使用される一体型医療用ワークステーションが、演算処理装置に相互接続されたバーコードスキャナなどの入力装置を備えている。少なくとも1つの生理パラメータを得ることができる少なくとも1つの装置が、ワークステーションに直接取り付けられているか、またはこれと通信状態にある。入力走査装置が、例えばネットワーク内に配置されている医療用ワークステーションの少なくとも実質的な全体動作を制御することが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には医学の分野に関し、特に、患者と医師、ならびに他の医療従事者との間の臨床的な出会いで使用することのできる一体型医療用診断プラットホームまたはワークステーションに関する。
【背景技術】
【0002】
典型的な病院の診察/手術フロアのスタッフは、数々の大きなプレッシャーにさらされた状態にある。これらに加え、看護師不足が広がっており、それはつまり、看護師対患者の比率が高くなり、勤務時間が長く時間外勤務が増えることを意味する。その結果、見落とし等による過失が増加する恐れがある。以前は、患者のバイタルサインデータは正看(RN)が取っていたが、今はこれらの示数は、より多くの患者を扱い、臨床知識の少ない看護助手によって一日に何度も(6回またはそれ以上も)取られることがしばしばある。さらに、負担を軽減しようとして、病院は、より多くの“トラベラー”、すなわち臨時契約看護師を利用し、これらの看護師は部署間を異動することが多い。従って、使用者は一時的となり、新たな内部処理を非常に素早く覚えなければならず、上記の問題を悪化させている。
【特許文献1】米国特許第343,683号明細書
【特許文献2】米国特許第354,350号明細書
【特許文献3】米国意匠第455,916号明細書
【特許文献4】米国意匠第456,171号明細書
【特許文献5】米国意匠第459,610号明細書
【特許文献6】米国意匠第466,721号明細書
【特許文献7】米国特許第4,785,969号明細書
【特許文献8】米国特許第5,956,523号明細書
【特許文献9】米国特許第5,014,875号明細書
【特許文献10】米国特許第5,187,641号明細書
【特許文献11】米国特許第5,337,992号明細書
【特許文献12】米国特許第5,355,149号明細書
【特許文献13】米国特許第5,361,085号明細書
【特許文献14】米国特許第5,375,604号明細書
【特許文献15】米国特許第5,537,289号明細書
【特許文献16】米国特許第5,590,648号明細書
【特許文献17】米国特許第5,640,953号明細書
【特許文献18】米国特許第5,682,526号明細書
【特許文献19】米国特許第5,685,314号明細書
【特許文献20】米国特許第5,687,717号明細書
【特許文献21】米国特許第5,738,316号明細書
【特許文献22】米国特許第5,752,917号明細書
【特許文献23】米国特許第5,842,672号明細書
【特許文献24】米国特許第5,865,733号明細書
【特許文献25】米国特許第5,882,300号明細書
【特許文献26】米国特許第5,939,699号明細書
【特許文献27】米国特許第5,947,907号明細書
【特許文献28】米国特許第5,950,632号明細書
【特許文献29】米国特許第5,956,523号明細書
【特許文献30】米国特許第6,003,006号明細書
【特許文献31】米国特許第6,003,072号明細書
【特許文献32】米国特許第6,017,307号明細書
【特許文献33】米国特許第6,035,328号明細書
【特許文献34】米国特許第6,076,166号明細書
【特許文献35】米国特許第6,116,461号明細書
【特許文献36】米国特許第6,171,237号明細書
【特許文献37】米国特許第6,183,417号明細書
【特許文献38】米国特許第6,202,360号明細書
【特許文献39】米国特許第6,221,012号明細書
【特許文献40】米国特許第6,285,742号明細書
【特許文献41】米国特許第6,285,899号明細書
【特許文献42】米国特許第6,289,238号明細書
【特許文献43】米国特許第6,317,719号明細書
【特許文献44】米国特許第6,338,007号明細書
【特許文献45】米国特許第6,338,714号明細書
【特許文献46】米国特許第6,339,732号明細書
【特許文献47】米国特許第6,343,601号明細書
【特許文献48】米国特許第6,348,793号明細書
【特許文献49】米国特許第6,352,504号明細書
【特許文献50】米国特許第6,377,162号明細書
【特許文献51】米国特許第6,394,402号明細書
【特許文献52】米国特許第6,405,165号明細書
【特許文献53】米国特許第6,427,167号明細書
【特許文献54】米国特許第6,441,747号明細書
【特許文献55】米国特許第6,463,320号明細書
【特許文献56】米国特許第6,493,220号明細書
【特許文献57】米国特許第6,520,910号明細書
【特許文献58】米国特許第6,551,243号明細書
【特許文献59】米国特許第6,568,596号明細書
【特許文献60】米国特許第6,575,900号明細書
【特許文献61】米国特許第6,577,893号明細書
【特許文献62】米国特許第6,581,069号明細書
【特許文献63】米国特許第6,584,454号明細書
【特許文献64】米国特許第6,585,645号明細書
【特許文献65】米国特許第6,585,731号明細書
【特許文献66】米国特許第6,587,945号明細書
【特許文献67】米国特許第6,589,170号明細書
【特許文献68】米国特許第6,594,146号明細書
【特許文献69】米国特許第6,601,172号明細書
【特許文献70】米国特許第6,603,494号明細書
【特許文献71】米国特許第6,603,991号明細書
【特許文献72】米国特許第6,607,485号明細書
【特許文献73】米国特許第6,609,115号明細書
【特許文献74】米国特許第6,612,664号明細書
【特許文献75】米国特許出願公開第2002/0099274号明細書
【特許文献76】米国特許出願公開第2003/0119445号明細書
【特許文献77】米国特許出願公開第2003/0002473号明細書
【特許文献78】米国特許出願公開第2003/0076925号明細書
【特許文献79】米国特許出願公開第2003/0092980号明細書
【特許文献80】米国特許出願公開第2003/0144590号明細書
【特許文献81】米国特許出願公開第2003/0074220号明細書
【特許文献82】米国特許出願公開第2003/0050792号明細書
【特許文献83】米国特許出願公開第2003/0009106号明細書
【特許文献84】米国特許出願公開第2002/0095315号明細書
【特許文献85】米国特許出願公開第2002/0093537号明細書
【特許文献86】米国特許出願公開第2002/0158911号明細書
【特許文献87】米国特許出願公開第2002/0161795号明細書
【特許文献88】米国特許出願公開第2003/0105389号明細書
【特許文献89】米国特許出願公開第2003/0125978号明細書
【特許文献90】米国特許出願公開第2003/0172151号明細書
【特許文献91】米国特許出願公開第2003/0120652号明細書
【特許文献92】米国特許出願公開第2002/0184568号明細書
【特許文献93】米国特許出願公開第2002/0158912号明細書
【特許文献94】欧州特許出願公開第0310699A1号明細書
【特許文献95】国際公開第02/33681A2号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
現在、看護助手は、滞在期間中に患者のバイタルサインを取るために、別々の自動化された血圧、検温、血中酸素濃度装置を含む幾つかの患者診断装置を備えたカートを使用している。平均して、看護助手は、約5日間の平均病院滞在中に、一日あたり約6の示数を取るであろう。一般に、上記装置はカートに一体化されておらず別々に配置されているが、公知の一体型バイタルサイン監視装置、中でもニューヨーク州スカネアトレスのウェルチアレン社によって製造されるような装置がある。
【0004】
バイタルサイン示数を取った時は、通常は作業票に、あるいはしばしば紙片に書き留められる。巡回の終わりに、これらの示数は“バイタル”シートの患者のカルテに書き写される。異常な示数に気づいた場合は、RNに知らせる。その他の場合には、RNは相談されず、取られた示数を点検する機会を持たない、あるいは持てないことが多い。
【0005】
検討の上、バイタルサイン示数が何らかの点で疑われた場合、RNは助手を患者のところに送り返して、もう一度示数を取ってくるように要請することが多い。この間、患者のバイタルサインに重大な変化が検出されていたとしても、時間が浪費されて無くなってしまう。現在の検査の方法では、患者の状態が著しく変化するまで、多くのバイタルサインの変化が把握されず、あるいは検出または認識されないという可能性がある。
【0006】
これらの問題は恐らくあまり複雑でないかもしれないが、この分野において医師または他の医療提供者の部屋で要求される、患者との臨床的な出会いをより良好に行い、より効率的に記録に残すことができるという同様で一般的な必要性がある。
【0007】
従って、本発明の主要な目的は、上に示した従来技術の欠点を克服することである。
【0008】
本発明の別の主要な目的は、医師の部屋であっても院内の環境であっても、患者との臨床的な出会いの実行を改善することである。
【0009】
本発明の別の主要な目的は、患者と使用者の両方にとって簡単、効率的で、改良された操作を提供する一体型の医療用診断ワークステーションを開発することによって、病院/臨床環境において現在見られる負担を軽減できることである。
【0010】
本発明の別の主要な目的は、来院の間に、あるいは臨床的な出会いの際に利用される、使い捨て品や非使い捨て品、および薬剤を含むがこれらに限定されない、機器および患者関連用品に関する在庫および補給の側面をより良好に管理し効率的に追跡できることである。
【0011】
本発明のさらに別の主要な目的は、在庫、薬剤、および処置に関する更に良好な追跡システム提供することによって、来院の際に行われる、かつ/または臨床的な出会いに関する課金の誤りを実質的に減少または無くすことができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
従って本発明の好ましい側面によれば、少なくとも1つの医療機器、機械可読情報を読み取るための手段を有する入力装置、前記少なくとも1つの医療機器と前記入力装置に接続された演算処理装置とを備える、患者との出会いにおいて使用される一体型機器ワークステーションが提供される。前記入力装置は、バーコードスキャナなどの、機械符号化情報を識別・復号化できる走査装置であることが好ましく、このワークステーションは、スキャナの使用によって選択的に実行される一組の機械符号化・実行可能指示/コマンドを備えており、この走査装置の使用は、患者のバイタルサインの取得、および/またはワークステーションの他の側面を含む、診断ワークステーションの実質的な動作を可能にするものである。
【0013】
本発明の別の好ましい側面によれば、演算処理装置と入力装置に相互接続された小型撮像装置によって、画像データを選択的に取り込むことができる。画像データは、例えば走査装置を使用して、選択的に取り込まれ演算処理装置の記憶装置に蓄積され、かつ/または患者のカルテの一部として医師によって使用されたり患者の情報を更新したりするのに適した形式に印刷されることができる。さらに、血圧、脈拍、SPO2、および他の患者関連データを含むがこれらに限定されないバイタルサイン情報などの生理情報も収集することができ、その結果はデータ記録および/または必要に応じてトレンディングのために、あるいは一覧または他のレポートとして印刷するために選択的に蓄積される。
【0014】
別の好ましい実施例によれば、画像取り込み手段は、撮像器ベースのスキャナであれば、撮像器として働いて、画像を取り込むだけでなく、符号化された患者、医師、装置、および/または薬剤/処置情報を必要に応じて走査・蓄積できるようにするスキャナを備えることができる。
【0015】
さらに別の好ましい実施例によれば、ここに述べる一体型ワークステーションの全体的な動作は、全体としてあるいはその大部分を、入力装置を使用することによって実行することができ、演算処理装置に内蔵されているソフトウエアとの組み合わせによる機械符号化情報の受け取り、走査、および復号化は、ワークステーションの効率的かつ反復可能な動作を提供する。このような装置では、その操作は大いに簡素化され一層効率的にすることができ、それと同時に誤りは大幅に減少することができる。あるいは、ワークステーションは、必要に応じて手動で、すなわちキーボードおよび/または前記少なくとも1つの医療機器(例えば、バイタルサイン収集機、注入ポンプなど)の使用により、あるいはワークステーションの操作卓上に設けられた個別の制御ボタンの使用により、操作することもできる。
【0016】
このワークステーションおよび/または患者関連データが適切な許可なく使用されることを防ぎ、HIPAAなどの政府規制を遵守するために、指紋確認装置および/または他の生体許可アクセス装置などの暗号化手段を、ワークステーションとともに使用されるように容易に付加または実装して、許可されていない使用者がこのワークステーションを操作できないようにすることができる。
【0017】
患者固有の情報の蓄積によって、例えば、血圧計の圧力制御装置と組み合わせて個別調整された使用が可能になり、その患者が例えば低血圧であるか高血圧であるかに応じて血圧測定用腕帯の膨張を自動的に制御できる。
【0018】
さらにこのワークステーションは、流体の入出力情報などの患者に関連する他のデータを検出するように構成することができる。この検出は、走査装置、および患者飲用カップおよび/またはビンなどの流体容器上の機械符号化流体識別タグを用いて、自動的になされうることが好ましい。
【0019】
本発明のさらに別の側面によれば、このワークステーションは、受動位置決めタグを備えた機器および他の物品を識別するために位置決め信号を送信する呼びかけ装置を備えることができる。このタグは、RFまたは他の手段を用いてワークステーションに対して応答信号を送出し、例えば診察室内のある設備の識別を可能にする。
【0020】
このワークステーションは、Bluetooth、WiFi、または他の公知のプロトコルを用いて、デジタルスケール、バイタルサイン収集機、または注入ポンプなどの、ワークステーション自体からは離れているが診察室内にあるものを含む、少なくとも1つの医療診断機器と無線式に通信することができる。この、好ましくは双方向の通信アクセスによって前記少なくとも1つの医療診断機器は操作されることができ、その結果/データは蓄積および/またはデータアーカイブのためにワークステーションに送信される。
【0021】
このワークステーションは、病院ネットワークに付加することもできるが、そこではワークステーションは、ハードワイヤード式または無線式で、単一の装置として、あるいは好ましくは複数のワークステーションと共に、接続されることができる。従って、データは、中央サーバにおける集中蓄積のために任意のワークステーションからアップロードすることができる。
【0022】
画像データに加えて他のデータを伝達することもでき、例えば声の(音声)データを、患者との出会いの際にワークステーションを利用して蓄積することができる。さらに、声のデータは、必要に応じて例えばRNまたは他の看護提供者に対して、遠隔に送信することもできる。
【0023】
本発明の利点は、医師の部屋でも院内環境でも、患者と医師の臨床的な出会いがさらに総合的かつ効率的であると同時に経済的であることである。
【0024】
さらに別の利点は、様々なサイズの血圧測定用加圧帯、EKG電極などといった予備装備を含む、臨床的な出会いに必要な在庫の全て、あるいはほとんど全てを保持したワークステーションを提供することによって、このような物品を別々に配置しなければならない際の時間を節約できることである。
【0025】
さらに別の利点は、このワークステーションが、例えば、患者のバイタルサインが所定の範囲またはデータトレンディングおよびデータ記録による示数のエンベロープ内にない場合に自動的に警告を発するよう、特定の患者に合わせた設定変更を可能とすることである。
【0026】
さらに別の利点は、バーコードスキャナまたは他の同様の装置の使用により、このワークステーションが、ワークステーションの操作のための指示だけでなく、使い捨てプローブや同様の用品などの患者関連用品といった多数の用品を走査可能となることである。このワークステーションはまた、同様の走査手順によりカートで使用される用品の在庫管理をするために使用されることもできる。さらに、患者の薬剤および調合薬を同様の方法で追跡・確認して、その結果を演算処理装置のメモリに蓄積することもできる。
【0027】
ここに述べるワークステーションは、その自動化により、熟練した正看護師(RN)を必ずしも必要とすることなく、患者が適切な看護を受けられるようにするもので、特に必要とされない限りはもっと緊急の事態を扱うよう、正看護師を解放するものである。さらに、このワークステーションは、これもまたその簡素化された操作および自動化特徴により、新しい助手や他の医療提供者に対する訓練を簡単にしている。
【0028】
このワークステーションの構成に基づいて、付加的な設備を容易に追加することができる。例えば、病院または診察室内の他の設備の位置を判断するためのRFまたは他の形式の特定可能なタグ、および/またはワークステーションの位置を探査するための全地球測位システム(GPS)に対して走査することができる、無線リンクを追加することができる。
【0029】
これらおよび他の目的、特徴、および利点は、添付の図面とともに読まれるべき以下の“発明を実施するための最良の形態”から明らかとなるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下の記述は、本発明による一体型医療機器ワークステーションの幾つかの好ましい実施例に関するものである。この発明の所期の範囲内において多くの修正および変形が可能であることは当業者にとって容易に明らかであろう。さらに、この明細書では、添付の図面に関する適切な座標系を提供するために、幾つかの用語が用いられている。しかしながらこれらの用語は、特に明記する場合を除いて、本発明を限定することを意図するものではない。
【0031】
この記述を通して幾つかの他の用語も用いられているが、これらは、本発明の実施例に関するさらなる記述が付け加えられる前に、追加的な説明および脚注を与えられるべきであろう。
【0032】
“医療機器”という語は、患者との出会いの際の文書化、診断、処置、または診療のために患者に関連して使用することのできる任意の機器を包含するために用いられている。
【0033】
ここで使用される“演算処理装置”という語は、携帯用ラップトップ型コンピュータまたは携帯情報端末(例えばPDA)など、任意の形態の処理エンジンを指すが、その構造を、規定された筐体を有するハードウエアに限定すべきではない。すなわち、例えば他の回路に連結され、ソリッドステート記憶装置を有する適切な入出力集積回路基板を、本発明に基づいてここで適宜利用することができる。
【0034】
ここで使用される“バイタルサイン収集機”または“バイタルサインモニタ”という語は、血圧、心電図(EKG)、血中酸素濃度、体温、および脈拍数を含むがこれらに限定されない多数の生理パラメータ/患者のバイタルサイン示数を収集することのできる任意の機器または装置を指す。
【0035】
ここで使用される“カート”という語は、複数の単品部品を支持する移動可能な支持構造を指す。
【0036】
“支持体または支持構造”という語は、複数の単品医療部品および他の部品を保持することが可能な、任意の形態の枠体または他の支持体を指す。
【0037】
ここで使用される“機械可読情報”または“機械可読コード”は、機械によって読み取り(例えば走査)かつ解釈可能な情報を指す。これは、例えば一次元(1D)および二次元(2D)バーコード記号に加え、光学式文字認識(OCR)記号を含む。この語はもっと単純に、色、または音などの物理的パラメータといった任意の他の機械認識可能情報の識別も指す。例えば、上記の定義は、呼びかけ機によって位置探査できる物品または装置の位置を識別するために使用できる受動無線周波数(RF)タグに当てはめることができる。
【0038】
“無線”という語は、配線による接続を必要としない任意の通信技術を指す。Bluetooth、WiFi(802.11(b))、Zigbee、周波数ホッピング、および802.11(a)や802.11(g)などのような無線周波数プロトコルのみならず、とりわけ赤外線(IR)、光学、および他の無線周波数(RF)技術がこの定義に含まれる。
【0039】
第1の実施例:図1ないし図5(a)を参照して、本発明の第1の実用実施例に従って製造された医療用診断ワークステーション10についてここで説明する。この医療用診断ワークステーション10は、一体化された組立体を形成するよう幾つかの単品部品を支持している移動可能な支持構造20を備えている。これらの部品の中には演算処理装置30とバイタルサイン収集機40があり、それぞれ支持構造20の上側部分22上に保持されている。
【0040】
この実施例による演算処理装置30は、キーボード32に加え、薄膜トランジスタ(TFT)または他の形態のLEDディスプレイ34を備えた携帯用ラップトップ型コンピュータである。上に示したように、本発明の理解にとって重要な事として、ここに示す“演算処理装置”という語は、ラップトップ型および携帯情報端末(PDA)などのコンピュータ・ハードウエアを包含するよう意図されているが、全体として、その処理能力の点のみにおいて演算処理装置を考慮することがより望ましい。すなわち、この語は、その定義を任意の具体的な形態の支持構造(例えば個別の筐体)に明確に限定するのではなく、おおむね演算処理装置の内部機能に関して読まれることが意図され、入出力集積回路基板かつ/または文字通り任意の形態の処理エンジンおよび適切なソリッドステート記憶装置を意味するものである。
【0041】
この実施例によるバイタルサイン収集機40は、ニューヨーク州スカネアトレスのウェルチアレン社によって製造されるSPOT(商標)バイタルサインモニタであり、このモニタは、患者(図示せず)のある生理パラメータ(バイタル)を計測するために、図13に示されているように、口腔体温計プローブ、血中酸素濃度計プローブ、および血圧測定用加圧帯49などといった複数の様々なプローブを取り付けることができる、一体型ディスプレイ42を有する筐体41を備えている。このバイタルサイン収集機40はさらに、充電式バッテリー(図示せず)とともに、壁変圧器を備えている。
【0042】
この特定の実施例によれば、ここに記載されている医療用診断ワークステーションの支持構造20は、無数の患者エリア間において設置できるよう移動可能であって、この支持構造は、車輪付き基礎部26を定義する下側部分24を備えている。支持構造20の下側部分24と上側部分22は、垂直に延在する支柱28によって分離されていて、この支柱には変圧器、電源供給装置、および/またはテーブルタップなどの他の電気設備が取り付けられている。この支柱28は、診断ワークステーション10の高さ調節を可能にするために伸縮されるよう、軸方向に調節できることが好ましい。
【0043】
さらに詳細には、支持構造20の上側部分22は水平な台36を備えていて、この水平台は、その上に演算処理装置30を、好ましくは釈放可能な方法で据え付けまたは取り付け可能とする上部支持面を有している。バイタルサイン収集機40の筐体41は、演算処理装置30の近傍に、これもまた好ましくは釈放可能な方法で、隣接した平坦な支持体48上に搭載されており、これらの部品間の双方向無線通信を可能にする無線リンク54によって、そこから分離されている。バイタルサイン収集機40を平坦な支持体48に釈放可能に取り付けたことにより、バイタルサイン収集機40を必要に応じて容易に単独で移動し、それ自体の内部電源供給装置(図示せず)を用いて使用できるという点において汎用性が提供される。この実施例による無線リンク54は、PCMCIAカードに対する赤外線リンクであるが、他の公知の形態(光学、IRdA、RFなど)の無線相互接続を利用できることは容易に明らかであろう。PCMCIAカード(図示せず)は、バイタルサインデータを演算処理装置30からローカルエリアネットワーク(LAN)に通信できるようにする。演算処理装置30およびバイタルサイン収集機40の変圧器から延びるケーブルはそれぞれ、垂直に延在する支柱28上に従来の手段によって支持されている対応した分離電源変圧器64に接続されている。この変圧器64は、演算処理装置30およびバイタルサイン収集機40のそれぞれを、所定の時間間隔で、充電可能とする。
【0044】
水平台36は、その前側および後ろ側にそれぞれ位置する一対のスプリング式水平延在部分68、72を有する支持体によって規定されている。台36の前側にある部分68は、図2にさらに明確に示されているように、使用者のための作業面を作るよう延在し、後ろ側の部分72は、図4にさらに明確に示されているように、演算処理装置40のための予備バッテリー76を内蔵している。部分68、72はそれぞれ、必要とされるまで、通常は台36の内側に格納されている。従来の手段によって支柱28に取り付けられた支持容器、この場合はバスケット80が、図13の血圧測定用加圧帯49、予備の心電図または体温プローブに加え、プローブカバーなどの使い捨て用品など(これらに限らないが)、幾つかの患者に関連した用品を保持するためにバイタルサイン収集機40とともに用いられる。
【0045】
この実施例による支持構造20は、上側部分22と下側部分24の中間の高さに、支柱28の周りに円周方向に突出するグリップ用ハンドル84をさらに備えている。このグリップ用ハンドル84は、支持構造20を様々な患者エリア間で簡単に移動可能とするものだが、少なくとも1つの付加的な収納ポケット88を備えていることが好ましい。
【0046】
横向きの平坦な支持板48は、演算処理装置30がバーコードスキャナ90(図5(a)に模式的にのみ図示される)と通信できるようにするために、IRdAまたは他の無線リンク96のための開口部94をさらに備えている。あるいは、図示はしていないが、配線による接続を使用することもできるであろう。この特定の実施例では、スキャナは、ハンドヘルドプロダクツ社によって製造されるDolphin 7400型携帯データ端末(PDT)である。上記の製品は、一次元(1D)および二次元(2D)バーコード記号(中でもPDF417、Maxiコード、QRコード、およびデータマトリックスなど)を読み取り、解釈できるようにする走査ソフトを備えている。さらにこのスキャナ90は、CCDなどの撮像器のみならず、GIFおよびJPEG画像の署名、画像、およびIDカードなども取り込み可能とする処理回路をさらに備えている。
【0047】
動作の際、図1ないし図5(a)を参照すると、ワークステーション10の入力装置として作動するバーコードスキャナ90は、演算処理装置30の記憶装置に以前のデータが蓄積されていなければ、まず患者に関する情報を取得するために使用されることができる。例えば、緊急やトリアージの状況では、スキャナ90はまず、人口統計学上の情報を入手し画像を走査するために患者のID99(運転免許証など)を走査するよう、ワークステーション10から離れて使用することができる。この情報は、医師の部屋または診察室に集めたり、スキャナ90によって遠隔的に入手および保管したりすることができる。スキャナ90に収められた情報は、その後、無線リンク96を介して演算処理装置30に送信することができる。同様に、医師または他の使用者のバッジをスキャナ90に“通す”こともでき、記憶装置に収められている保存された許可使用者のリストに基づいてアクセスを許可したり拒否したりすることができる。他の方法では、この診断ワークステーション10は、演算処理装置30およびバイタルサイン収集機40を作動させることによって電源投入される。
【0048】
ひとたび使用者が識別され、許可使用者の公知のリストと比較されると、医師または他の使用者は、現在の患者のデータがもしあれば、そのデータを見たり、ワークステーション10を使用したりすることが認められる。通常の臨床的な状況では、もしその患者が以前の履歴を持たない“新しい”患者であれば、バーコードタグまたは他の走査可能な識別手段の使用、あるいはキーボード32を用いた手入力、あるいはスキャナ90のキーパッドのいずれかによってデータを入力することができ、その後、演算処理装置30に対してIR送信される。
【0049】
上に述べたように患者の人口統計学的データを入手した後、バイタルサイン収集機40を用いて、プローブ装置のいずれかを使用する通常の方法により、バイタルサイン(例えば血圧、脈拍数、体温、SPO2など)を取ることができる。これらの示数は、収集機のディスプレイ42に表示され、無線リンク54により演算処理装置30の記憶装置に送信される。バイタルサイン示数を送信するためのコマンドは、自動的に、あるいはキーボード32に手動で入力することのできるコマンドにより、あるいは特定の制御ボタン(図示せず)により、行うことができる。これらの結果は、その後、コンピュータ装置30のディスプレイ34に、患者の人口統計学的データおよび画像データを含む他の情報とともに表示することができる。
【0050】
任意に、プリンタ98(図5(a)のみに図示する)を演算処理装置30に相互接続して、表示された情報のいずれかを、必要に応じて一覧シートの形式で印刷可能とすることもできる。この一覧シートは走査可能、すなわち少なくとも1つの機械可読部、例えば少なくとも1つのバーコードを備えていて、このシートを符号化された情報とともに他の診察領域に運ぶことができるようにしている。この符号化情報は、例えば患者の人口統計学的データおよび/または生理パラメータデータを含むことができる。この方法により、一覧シートは、会計所、別の医師の部屋、または追加検査施設など、それ以降の場所でアップロードされることができる。後者の場所のうちいずれにおいても、バーコード化された情報は、その個々の場所で走査され、コンピュータにアップロードされることができる。住所変更、課金状態の変化、新しい投薬データなどといった新しい情報や変更された情報は、一覧シートの少なくとも1つのコードに追加することができ、その後、この一覧シートを印刷することができる。
【0051】
上記に加え、以前のバイタルサインおよび/または患者に関連する任意の他の蓄積データ(現存する記録が存在するのであれば)は、看護提供者に対して動向情報を提示するように表示や図化され、ダウンロード(例えば印刷)または遠隔地に、例えばインターネット接続を利用して送信することができる。この実施例では、例えばこの情報は、PCMCIAカードを介してローカルエリアネットワーク(LAN、図示せず)にのせて、例えば離れた病院の中央受信局などの遠隔地へ送信することもできる。
【0052】
以前のバイタルサインおよび患者関連データに加え、バーコードスキャナ90は、使い捨て品や薬剤を含む、患者の看護や処置で使用される補給品や在庫品などの他の情報を、それぞれの用品に備えられているバーコード化情報を走査し、その結果を常駐のデータベースに蓄積することによって読み込むために使用することができる。このデータベースは、支持構造20上の補給品がいつ切れて補充が必要であるかを示すために、さらに患者ごとの用品および処置を追跡するために、LANインタフェースを介するなどして遠隔操作によりアクセスすることができる。上記は、上記ワークステーション10を用いて図表化および分類整理することができる。同様に、機械により符号化された記号の走査などによって得られる他の情報も、同様の方法で追跡することができる。
【0053】
第2の実施例:図6ないし図15を参照すると、本発明の第2の実施例による、ここでは参照番号100で表されている医療用診断機器ワークステーションまたはプラットホームが開示されている。ここに述べる実施例のそれぞれでは、本発明のワークステーションは、相互接続され、特に示す場合を除いては1つの共通の支持構造上に保持されている複数の個別の単品部品を備えることによって、一体化された組立体を定義している。簡単に言えば、この特定の実施例によると、これらの支持部品には、ビデオカメラ120などの小型撮像装置、バイタルサイン収集機130、携帯演算処理装置140、ディスプレイ150が含まれ、各部品は、移動可能なカート110によって支持されている。カート110は、病棟の患者の病室間など様々な領域間での移動を可能にする車輪付き基部114に加え、垂直に延在する支柱160上に配置されたバスケット118などの支持容器を備えている。支柱160は、ワークステーションの単品部品を保持するための手段を保持または備え、補助バスケット118は、血圧測定用加圧帯49(図13)、使用済みプローブなどの使い捨て用品、あるいは患者関連の他の用品の収納を可能にしている。支持部品のそれぞれについて、ここでさらに詳細に説明する。
【0054】
小型ビデオカメラ120は、手持ち作業を可能にする筐体またはハンドル122からなり、対物レンズシステム126に対して筐体の内部に配置されているCCDまたはCMOS型電子撮像部材などの電子撮像部材を備えている。A/D変換器を含む処理回路は、電子撮像部材のピクセル配列によって検出される光学信号を電気信号に変換し、続いてこの電気アナログ信号を適切なデジタルビデオ信号に変換可能とする。デジタル信号ビデオ処理の具体的な詳細は、この分野において大変よく知られており、その組み込みを除いては、本発明の本質的な部分を構成するものではない。
【0055】
有線コードまたはケーブル128は、小型ビデオカメラ120を使用するために、ワークステーション100上に設けられた受け台154から取り外せるようにしている。小型ビデオカメラ120はまた、必要とされる診察対象の照射を提供するために複数の白色LED124を備えていることが好ましく、これらのLEDは機器頭部内に保持され、対物レンズシステム126に対して円周方向に配置されている。あるいは、例えば、ハロゲンランプなどの小型白熱電球といった他の照明源を代用することができる。この特定の実施例では、小型ビデオカメラ120の内側に内蔵されている磁気スイッチ(図示せず)が、受け台154内に配置されている磁石(これもまた図示せず)と結合している。この磁気スイッチを使用することにより、受け台154から取り外された時に、カメラ120のみならず、白色LED124および電子撮像素子を自動的に作動させられるようになる。カメラ120は、カメラ筐体122を受け台154から取り外してから図11ないし図13に示すように逆向きに再挿入することによって、電源“オン”状態のままにしておくことができる。カメラ120は、複数の処理されたデジタル画像を保持するのに十分な不揮発性メモリを備えた演算処理装置140に電気的に接続されている。
【0056】
この実施例では図示されていないが、小型ビデオカメラは、現在述べているワークステーションの使用の際に、医師または他の使用者に更なる自由度を認めるよう、一体型ディスプレイも備えることができる。一体型折り畳み式ディスプレイを備えた小型ビデオカメラの一例は、図18に示すように以降の実施例で説明する。
【0057】
バイタルサイン収集機130は、カート110の上部に対して、好ましくは釈放自在に取り付けられた用品として、取り付けられている。前述のように、収集機130は、ニューヨーク州スカネアトレスのウェルチアレン社によって製造されるSPOT(商標)バイタルサインモニタであり、酸素飽和度、血液量、血圧、口腔体温、および脈拍数を含む患者の複数のバイタルサインを、一体型ディスプレイ134を有する筐体132に対して取り付けられた専用プローブを用いて測定可能である。しかしながら、患者のバイタルサインを得ることが可能な、文字通り任意の監視装置を使用できることは、当業者にとって容易に明らかであろう。ここで使用される収集機は実装された充電式バッテリーを内蔵しているので、この実施例のように収集機130を釈放自在とすることによって、ワークステーション100の全体的な自由度および汎用性が向上する。しかしながら、別の選択肢として、収集機130は、カート110に対して固定取り付け、あるいはこれと一体に製造されることもできる。以下の議論から明らかになるであろう理由から、カート110におけるバイタルサイン収集機130自体の位置は重要でない。
【0058】
この実施例では、携帯演算処理装置140は、カート110の下側部分において、垂直に延在する支柱160に対して開口部を貫通して取り付けられている水平な台164上に支持されている。前述のように、ここで使用される演算処理装置140は、従来のラップトップ型コンピュータでキーボードおよびLEDディスプレイを備えているが、後者の特徴のいずれも本実施例の動作にとっては重要でないことは明らかであろう。
【0059】
ワークステーション・ディスプレイ150は、カート110の上側部分に位置するグリップ用ハンドル180の枠内に、補助バスケット118に隣接して取り付けられている。グリップ用ハンドル180は、支柱160から外側方向に、水平台164をわずかに超えるよう延在している。
【0060】
プリンタ170は、カート110から離れて、例えば診察室の別の部分または患者の病室に遠隔に配置され、図15に示されているように、アクセスセル174を介した無線周波数(RF)接続などの無線リンクにより、携帯演算処理装置140と相互接続されている。他の無線プロトコルを、同様に利用することもできる。RF通信の詳細は当業者にとって公知であり、これらの詳細は本来それ自体で本発明の本質的な部分を形成するものではない。
【0061】
接続性に関して、演算処理装置140は、バイタルサイン収集機130およびワークステーション・ディスプレイ150のみならず、小型ビデオカメラ120と電気的に相互接続されている。ワークステーション・ディスプレイ150は、この実施例で使用されている演算処理装置140のディスプレイ(図示せず)の代わりに使用される。上で述べたように、演算処理装置140のプロセッサ部は、このワークステーション100の動作に関してここで説明されるように、利用されるもの全てである。その処理能力に関して、この実施例を参照すると、上記部品のそれぞれは小型ビデオカメラ120に電気的に接続されていて、そこに設けられている一組の制御ボタンの使用による操作を可能にすることが好ましい。
【0062】
この実施例では、バイタルサイン収集機130、小型ビデオカメラ120、演算処理装置140、およびワークステーション・ディスプレイ150は、カート110上のボックス184内に支持され、台164の真下に位置する平行な水平台168によって支持されている専用の電源供給装置(図示せず)によって電力供給されている。バイタルサイン収集機130と演算処理装置140の間に、無線リンク148が構築されている。この場合、リンクは赤外線(IRdA)接続であるが、他の公知の形態を利用することもできる。
【0063】
この特定の実施例によれば、携帯演算処理装置140は、PDF317、Maxiコード、データマトリックスなどの一次元または二次元バーコード記号、あるいはOCR(光学的文字認識)などの他の機械可読情報を取り込んだデジタル画像から識別し、復号化できるようにするソフトウエアを備えている。この実施例で使用されるソフトウエアは、米国特許第6,015,088号にさらに完全に記載されており、その全体的な内容は参照によって本明細書に援用される。演算処理装置140はさらに、ワークステーション100の少なくとも一部の動作を可能にするソフトウエアによりプログラムされている。
【0064】
この実施例によれば、小型ビデオカメラ120の筐体122は、ワークステーション100の実質的な動作を可能にする一対の外部制御ボタン142,146を備えている。簡単に説明すると、第1の制御ボタン142を押すと、画像の取り込みだけでなく、複数のメニュー駆動機能をワークステーション・ディスプレイ150上で見ることができるようになる。この制御は、小型ビデオカメラ120がコンピュータ周辺装置として携帯演算処理装置140に物理的に相互接続されるインタフェースにより実行される。この接続を可能にするインタフェース回路は、変圧器、電源ケーブルなどと共に、演算処理装置の下で、台168上にあるボックス184内に、ワークステーション100によって保持されている部品のそれぞれに電力供給するための内蔵電源(図示せず)と共に含まれている。
【0065】
上記のインタフェースによって、この実施例では、従来のコンピュータマウスとまさに同じ方法で、第1の制御ボタン142を最初に押すことによって、ワークステーション・ディスプレイ150に表示される一組のメニュー項目に対するアクセスが最初のクリックで可能となり、それに続いて特定のメニュー項目の実行が第2のクリックで達成されるので、ワークステーション100の動作が簡単になる。カメラ120の持ち手122に設けられた第2の隣接した制御ボタン146は、必要に応じて画像を削除するといった以前のコマンドを取り消すためなど、表示されたメニューを切り替えて戻すために用いられる。
【0066】
動作の際には、まず小型ビデオカメラ120が使用者(図示せず)によってアクセスされ、ワークステーション100の電源投入を開始するために、カメラの持ち手122に設けられた第1の制御ボタン142が押される。小型ビデオカメラ120は、いったん受け台154から釈放されると、受け台に備えられた磁石から離れる動きに基づいて磁気スイッチが切り換えられることにより自動的に起動され、それから機械可読情報を含む医師のバッジ(図示せず)に向けられ、制御ボタン142をダブルクリックすることによってバッジの画像が取り込まれる。すると、演算処理装置140に内蔵されている機械符号識別ソフトウエアは、取り込んだ画像中の機械可読情報(バーコード、光学式文字など)の存在を識別し、これを復号化する。この復号化によって、それ以降の使用者によるワークステーション100の使用が可能となる。あるいは、指紋または他の生体認証システムを使用して、保存された記録に基づいて使用者や患者を識別し、これにより適切な許可およびワークステーション100に対するアクセスを提供することができる。この一例は、以降の実施例に示されている(例えば図25参照)。
【0067】
その後、上述したワークステーション100を用いて患者を診察することができ、患者の識別および使用者の適切な許可の後、患者の履歴/記録(もしあれば)にアクセスすることができる。バイタルサインデータ(血圧、脈拍数、体温など)は、バイタルサイン収集機130のプローブ集合体を用いて得ることができ、その結果は、演算処理装置140の記憶装置に対して、これらの間の相互接続無線リンク148を介して送信することができる。これらの示数は、自動的に、あるいは制御ボタン142の操作により送信することができる。
【0068】
血圧測定用加圧帯49は、ワークステーション100に実装されていない他の機器、および使い捨てプローブなど他の患者に関連する物品とともに、支持体110上に設けられた補助バスケット118内に保管することができる。複数の画像プリントおよびバイタルサインデータを含む、表示された情報の図20に示すような一覧データをプリントアウトした紙は、カメラ筐体122に設けられた制御ボタン142を用いて、ワークステーション・ディスプレイ150上で選択することができるメニュー選択に基づいて、適切なコマンドにより作成され、プリンタ170によって出力されることができる。
【0069】
多くの変形例が可能であることは明らかであろう。例えば、演算処理装置140のディスプレイは、別個のディスプレイ150の代わりに用いることもできるであろう。さらに、小型ビデオカメラ120ではなく、バイタルサイン収集機130または他の装置が、ワークステーション100の動作を制御するように構成することもできるであろう。小型ビデオカメラ120は、有線式コード128を用いるのではなく、無線接続を介してワークステーション100に接続することもできるであろう。他の同様な変形は自明であろう。
【0070】
図17および図18を参照して、本発明に基づく多様なデザインによる一対の小型ビデオカメラについてここで説明する。第1のカメラ200(図17)は、先に上で述べたようなワークステーション(図示せず)の受け台に対して同じように接続可能である。前述のように、カメラ200は、持ち手202の機器頭部に配置されている電子撮像素子(図示せず)を、照明システムおよびビデオ信号を生成するための処理回路とともに備えている。前述のように一組の白色LEDを使用するのではなく、一体型ディスプレイ装置204は、LEDまたはランプ型照明システムの代わりに、その全体的な内容が参照によって本明細書に援用される米国特許第5,684,365号、5,937,272号、及び6,424,093号に記載されているような有機EL装置(OLED)を使用することによって、使用者に対して画像の連続したストリームを生成することができる。このカメラ200は、カメラから画像データを受信するための手段を持つ演算処理装置を備えたワークステーション(図示せず)の残りの部分に対してケーブル206によって配線接続されている。この実施例によれば、表示された画像は、取り込まれ、先に述べたように有線または無線インタフェースを介して演算処理装置に対して送信される。
【0071】
ディスプレイは、カメラの本体または図17によればカメラの頭部に一体化できる、あるいは図18の実施例に示されるようにカメラの本体に対して“折り畳める”または展開できるように展開式とすることができる。後者のデザインでは、小型ビデオカメラ220は、少なくとも1つのリチウムイオンまたはニッケルカドミウム電池などの、ドッキング/充電台224の受け部234に嵌めることによって充電することができる内蔵電源を備えた手持ち可能な本体222を備えている。この本体222は蝶着ディスプレイ228を具備しており、このディスプレイは、この実施例によれば電子撮像器、および先に上で組み込んだような有機EL装置を備えた照明システムも備えている。ドッキング/充電台224はまた、小型ビデオカメラ220によって記憶装置に取り込まれた少なくとも1つの蓄積画像をダウンロードするための手段も備えることができる。
【0072】
更なる改良としては、図19に示すように、カメラ220およびドッキング/充電台224は、変圧器239を有する壁取り付け型医療用診断ワークステーション230の釈放自在な、または固定された部分として付加することができる。小型ビデオカメラ220およびドッキング台224を保持することに加え、このワークステーションは、検眼鏡や耳鏡など幾つかの手持ち診断医療器具236を保持するための手段を有する枠体232を備えている。変圧器239は、作動されると、保持された各部品に対して電力を提供するスイッチ238を備えている。
【0073】
第3の実施例:本発明の第3の実施例による医療用診断ワークステーション240の機能ブロック図について、図21に従ってここで説明する。ワークステーション240は、前述の実施例のいずれかに示すような、処理エンジン244を介してリンクされた(すなわち相互接続された)幾つかの部品を備えた支持体(図示せず)によって規定されている。処理エンジン244は、先に述べたように、携帯用ラップトップ型コンピュータの一部、またはPalm(登録商標)などの携帯情報端末(PDA)、または他の同様の装置とすることができる。さらに詳細には、このエンジン244は、構造物ではなく、単に、適切なソリッドステート記憶装置246を有する入出力処理カードを介した機能に限定される。
【0074】
図9ないし図18に記載されるようなカメラ248、および/または制御インタフェース/エンジン256を備えたバーコードスキャナ252等の入力装置などの幾つかの単品部品が、上記の処理エンジン244に選択的に組み込まれている。カメラ248は、問題となる対象の少なくとも1つの電子画像を得るための手段を備えていることが好ましく、この方法は、照明システム268、および任意に図18に示すような折り畳み式のような一体型ディスプレイ272を備えている。
【0075】
処理エンジン244にはさらに、患者の生理パラメータ、中でもECG,脈拍数、血圧、体温、およびSPO2などのバイタルサイン示数を収集することのできるバイタルサイン収集機260も連結されており、この収集機は、ローカルディスプレイ264を有することが好ましい。
【0076】
ディスプレイ・インタフェース280およびワークステーション・ディスプレイ276もまた、処理エンジン244に接続されており、このインタフェースは、配線または無線リンクのいずれかによって定義されることができる。上記の各部品は、284として模式的に図示されている電源供給装置に相互接続されている。
【0077】
前述の実施例と同様に、カメラ248は、ダブルクリックの方法で作動されてワークステーションの動作を制御する、ボタンの形状でカメラに付加されている制御装置の性質により、マウスインタフェース288と呼ばれるものを介して周辺装置の様式で処理エンジン244に取り付けることができる。
【0078】
プリンタ292が、有線または無線(RF、IRdAなど)とすることができる別個のインタフェース296を介して処理エンジン244に取り付けられ、画像および/またはバイタルサイン示数、および他のデータを必要に応じて出力可能としている。
【0079】
この実施例によれば、マイクまたは他の入力手段300により音声データを処理エンジン244に付加することができ、処理エンジンは同様に、手段304によりスピーカー(図示せず)を介して出力したり、以降の検索のために、対応するウェーブ(wav)ファイルなどの他の出力蓄積を提供したりすることができる。あるいは、音声データは、携帯電話接続を用いてネットワークインタフェースにより入出力することができる。
【0080】
生体データ収集器308は処理エンジン244に繋がっていて、これによりカメラ248を使用して、かつ/またはバーコードスキャナ252から取り込んだバーコード化情報から、指紋312、網膜または虹彩走査316、声暗号化320、顔認識324を含むことのできる特定の生物測定のみにより、一定の許可が与えられる。
【0081】
動作の際は、この実施例では、バーコードスキャナまたはカメラ(あるいは他の画像取り込み装置)を使用することができる。あるいは、必要とされる制御および情報/用途の種類に応じて、両方の形態の装置を合わせて組み込むこともできるであろう。これについて説明するために、各部分について別々に述べる。
【0082】
まずカメラ248を利用したバージョンのワークステーションに関して、このカメラ筐体は、ディスプレイに提供されたメニューを走査し、次に適切な制御ボタンを作動することによってワークステーション240の実質的な動作を可能にする、処理エンジン244に対するマウスインタフェース288を介した複数のボタン制御部を備えている。
【0083】
カメラ248は、カメラによって取り込まれた画像に含まれる任意の機械可読情報を検出し、その後、自動的に復号できるように、バーコードエンジン256に接続されることができる。この特徴は、暗号化のために、例えば、許可された使用者(例えば医療提供者)を識別するため、または、例えば患者の人口統計などの他の情報を、手入力に頼るのではなく取り込むために使用することができる。
【0084】
ワークステーション240は、さらに、あるいは代替選択肢として、ブロック図に挙げたものなどの(しかしこれらに限定されない)所定の生体の検出により、許可されていない使用を防止するための手段を提供するために、生体データ収集器308を使用することができる。上記の構成要素(プリンタ292、バイタルサイン収集機260、ディスプレイ276)の全てはいずれも、それらの様々なインタフェースを介して処理エンジン244に対して、そして最終的には内蔵されるソフトウエアによりカメラボタン制御部に対して相互接続されていることが好ましい。ディスプレイ276は、ひとたび許可が得られると、カメラ248の制御部の選択的な作動により切り替えることのできる、バイタルサインの収集、様々な画像データの取り込み、画像データとバイタルサインデータの両方、ならびに、もし必要であれば動向データを含む一覧レポートの出力などといったメニューを提示する。一覧データシート340の見本が図20に提示されているが、これは患者の画像および患者情報ウインドウ352のみならず、選択的に表示される複数の取り込まれた画像344を備えている。
【0085】
バーコードスキャナタイプは、この装置252が処理エンジン244に対するインタフェース256を介してワークステーション240の動作を制御するという点において、ある程度は同様である。さらに、以降の実施例で説明するように、スキャナで制御されるタイプを用いると付加的な能力を持つようになる。
【0086】
簡単に説明すると、スキャナ252は、先に述べた残りの構成要素と同様に、処理エンジン244に対して連結されている。ワークステーション244によって実行可能な一組の指示コマンドには、走査、印刷、画像取り込み、バイタルサイン取得、特定の“バイタルサイン”取得などを含む様々なコマンドが含まれていて、これらはワークステーション240に対して有線あるいは無線式で接続されているスキャナ252の近傍にある別個のシートおよび表のいずれかに内蔵されることができる。
【0087】
画像データ、文字データ、較正データ、および保守指示を含む数組の指示を含むがこれらに限らない、患者との出会いに関連する数種類の医療データを受け取るために、他の医療機器または装置294を処理エンジン244に接続することができる。
【0088】
各指示コマンドが走査されると、処理エンジン244は、この指令を復号し、残りの構成要素との個別の相互接続により自動的にコマンドを実行する。
【0089】
第4の実施例:図16および22ないし26を参照して、本発明の第4の実施例による医療用診断ワークステーション400について、ここで図示し説明する。
【0090】
簡単に説明すると、この医療用診断ワークステーション400は、先に説明した撮像器ベースのワークステーション200と同様であるが、汎用性を示すために若干異なる構成を備えている。
【0091】
前述と同様に、ここで説明するワークステーション400は、幾つかの単品部品を保持し支持する、車輪付き基部414を有する移動可能な支持体410によって定義されている。これらの支持された部品には、バイタルサイン収集機420、演算処理装置430、受け台448に保持された状態で図16にのみ図示される小型ビデオカメラ440、ワークステーション・ディスプレイ460、およびプリンタ480が含まれる。
【0092】
前述と同様に、この実施例によるバイタルサイン収集機420は、小型筐体422およびローカルディスプレイ424を備えたSPOT(商標)バイタルサインモニタであって、このモニタは、患者の血圧、血液酸素飽和度、脈拍数、体温を測定するためのプローブ手段を有している。この実施例による演算処理装置430は、適切なソリッドステート記憶装置を有するペンティアム(登録商標)プロセッサ、ならびにキーボードおよびディスプレイを備えた携帯用ラップトップ型コンピュータであるが、これら後者の二つの特徴のいずれも、この実施例では実際に利用されず必要とされない。すなわち、ラップトップコンピュータの処理エンジンのみが、実際にワークステーション400による使用に必要とされる全てである。
【0093】
バイタルサイン収集機420、演算処理装置430、小型ビデオカメラ440のいずれも、前述の実施例で説明したのと同様に、移動可能なカート410の垂直に延在する支柱450に取り付けられている。さらに、前述と同様に、バイタルサイン収集機420は、支柱450の頂部に釈放自在に取り付けられていることが好ましく、演算処理装置430は、支柱450に取り付けられた一対の平行な水平台454,456の一方の上に保持されている。しかしながら前述とは異なり、支柱450と平行に配置された第2の支柱470がワークステーション・ディスプレイ460を保持しており、このディスプレイは、支柱の頂部に従来の手段によって取り付けられている。一対の補助バスケット416,418が設けられていて、前者は支柱450の頂部に隣接して設けられ、後者は一対の水平な台454,456の間の、ワークステーション400の前面に配置されている。
【0094】
支持された構成要素420,430,440,460,および480はそれぞれ、構造的かつ電気的に相互接続されて、一体化された組立体を規定している。バイタルサイン収集機420は、IRdAまたは他の適切な無線リンク468により演算処理装置430に接続されて、ワークステーション・ディスプレイ460に画像データとともに表示できる、蓄積されたバイタルサイン示数の送信を可能にしている。このデータを表示するために演算処理装置430のディスプレイを使用することができるであろうが、ワークステーション・ディスプレイ460がこの目的のために使用されている。プリンタ480は、選択的に、有線接続を介してカート410の台456の上に設けられるか、あるいは先に示したように、プリンタとワークステーション400の残りの部分との間に、図15のように無線接続を確立して、患者のデータのハードコピーを指令により出力することもできるであろう。ワークステーションの動作の全てあるいはほとんどの制御は、インタフェースを介して行われることが好ましく、これにより同様に、カメラ440を演算処理装置430に対する周辺装置として働かせる。前述と同様に、このインタフェース回路ならびに内蔵電源供給装置および他の変圧器および電気設備は、ワークステーション400の演算処理装置430の下に設置されたボックス484内に保持されている。
【0095】
さらに、ここに述べる診断ワークステーション400は、ソニー・インスツルメンツ(Sony Instruments)社によって製造されるような指紋認証システム490を備えており、これは好ましくは支持体の上部に取り付けられ、演算処理装置430に相互接続されている。許可された使用者のみがワークステーション400にアクセスできるようにするために、複数の許可された指紋がファイルに保存され、判定されている指紋と比較されることが好ましい。
【0096】
動作時、ワークステーション400は、前述と同様の方法で使用される。小型ビデオカメラ400がその受け台から取り外されることにより、必要であれば患者の画像を取り込むために使用されるカメラが起動される。同時に、指紋認証システム490は、使用者の指紋を、許可された使用者の保存リストと比較することにより、ワークステーション400に対する許可されたアクセスを認める。
【0097】
小型ビデオカメラ400の制御ボタンは、ワークステーション400を作動させるために使用される。バイタルサイン示数は、バイタルサイン収集機420を使用して従来の方法で得ることができ、その結果は、演算処理装置430の記憶装置に対して無線式で送信され、その後、選択的に表示される。
【0098】
画像は、カメラ440を用いて取り込むことができ、保存されている患者の記録に付け加えられ、さらにバイタルサインデータと合わせて表示されることもできる。その後、これらの結果は全て、ディスプレイ上に現れるメニューにより誘導されて制御ボタンの操作によって、プリンタ480に選択的に出力することができる。
【0099】
第5の実施例:図27ないし図32を参照して、本発明の第5の実施例による医療用診断ワークステーションについて、ここで説明する。
【0100】
この実施例による医療用診断ワークステーション500は、一組の車輪508を備えた基部を有する移動可能なカート504を備えている。しかしながら、前述の実施例とは対照的に、このカート504は、上部支持体516に加え、カート504のそれぞれの側面に組み込まれた複数の引出し512を備えたキャビネット状構造によって定義されていて、予備のEKG、体温、または他のプローブ、予備設備、周辺機器、薬剤だけでなく、手袋、プローブカバーなどの使い捨て用品など、病院または臨床環境で使用される様々な患者に関連する用品の収納場所を提供するものである。例えば、カート504の1つの引出し512は、病院のあるフロアの患者ごとに割り当てうるであろうと考えられる。各引出し512は、盗難を防ぐために錠(図示せず)を備えることができるのが好ましい。
【0101】
この移動可能カート504はさらに、先に述べた、上述のSPOT(商標)バイタルサインモニタなどの、カートの範囲内に配置される、図31のみに示されるバイタルサイン収集機520、および演算処理装置530、この場合は上部支持体516上に保持されたキーボード532およびディスプレイ534を備えた携帯用ラップトップ型コンピュータを備え、上記のそれぞれは、カートによって支持されるのみならず、ともに電気的に相互接続もされている。血圧測定用加圧帯524、血中酸素濃度計プローブ526、および口腔体温計プローブ装置528など、バイタルサイン収集機520の個別プローブ集合体はそれぞれ、カート504の前向きの面509に沿って個別の受け台に保持されている。図示はしていないが、EKGプローブなど他のプローブ集合体をこのワークステーション500に簡単に組み込めることは、容易に明らかであろう。
【0102】
この実施例の作用の一部を成すものとして、ハンドヘルドプロダクツ社によって製造されるIT4410型2次元CCDバーコードスキャナなどのバーコードスキャナ540もまた、以下でさらに詳細に説明する方法で演算処理装置530に対して電気的に接続され、カート504の前向きの面509上に、上部支持体516に隣接して設けられているホルスター状受け台に保持されている。
【0103】
演算処理装置530は、この装置を受けるのに適当な大きさのくぼみを備え、さらにキーボード532を覆うために枢動可能に取り付けられたカバーまたは作業面521をさらに備えた上部支持体516内に収められている。アクセススロット519(図28)は、ディスプレイ534が、図30に示すようにそこから展開できるようにしている。このように演算処理装置530は、ディスプレイ534以外は、表面上は使用者から隠されていて、使用者はワークステーションが演算処理装置を備えていることにほとんど気づかないが、キーボードは、バックアップ入力/制御装置オプションとして利用可能なままであることが好ましい。
【0104】
移動可能カート540は、図31のみに示されるように、内部に備えられた内蔵電源525をさらに備えていて、この電源は、バイタルサイン収集機520の下に配置されることが便利であり、バイタルサイン収集機と電源はそれぞれ、図28に組み立てられた状態で示されている着脱可能背面パネル515により手が届くようにされている。内蔵電源525は、バイタルサイン収集機520および演算処理装置530の内部電源(図示せず)を充電するためだけでなく、バーコードスキャナ540に電源供給するための手段を備えていることが好ましい。カート504の前向きの面509はさらに、プローブ集合体およびバーコードスキャナ540の収納受け部の下に位置する凹んだ部分514を備えており、これにより、それぞれの延長コードを衝突なくぶら下げることができる。
【0105】
ここに述べる診断ワークステーション500は、例えば病院または臨床環境において、複数の患者診察室間を簡単に移動可能とできるような全体的な底面形状を保持しており、カート504は、移送を容易にする背面グリップ用ハンドル544、および患者のカルテを収納するのに好ましいサイズの背面スロット548を上部支持体516に隣接して備えている。それぞれ診断ワークステーション500を動作させるための符号化指示コマンドを好ましくは備えている一組の機械符号化記号550が、以下で説明されるように、スキャナ540に対して取り付けられる、あるいは他の方法でアクセス可能とされることが好ましい。この一組の記号550は、スキャナ540および演算装置530の操作のみによって作動され、使用者によるキーボードまたは他の手動操作によることなくワークステーション500の動作を可能にして、起こりうる誤りの発生を大幅に減少させ、あまり慣れていない使用者が有効に患者に対応できるようにしている。
【0106】
図27ないし図32を参照すると、上記ワークステーション500は、以下のように動作することができる。まず、患者(図示せず)のタグまたは識別IDを最初にバーコードスキャナ540によって走査する。その結果、ある情報がアクセスされ演算処理装置530によって表示され、この情報は最初に演算処理装置530に対するアクセスを許可するために使用される。次に医師のIDタグまたはバッジを走査することによって、例えば演算処理装置530の記憶装置に蓄積されている許可使用者のリストと比較されることによって、許可された使用者によるワークステーション500の使用が認められる。先に示したように、診断ワークステーション500およびその中に保存されているデータに対する適切な許可および/またはアクセスを提供するために、例えば図21に示すような所定の生体測定の検出に依拠する他の形式の暗号化手段を簡単に利用できることは、容易に明らかであろう。
【0107】
ワークステーション500の全体的な動作、すなわち、これにより実行されることができる診断処置の全ては、バーコードスキャナ540を用いて駆動されることが好ましい。従って、バイタルサインまたは他の生理パラメータデータ、画像データなどの収集は、もっぱらスキャナ540および一組の符号化された指示コマンド550を用いて行われることが好ましい。さらに、バーコードスキャナ540は、使い捨てプローブカバー、圧舌器、手袋などのような患者に関連する用品の使用を、それぞれが医師または使用者に使用された時に、さらに課金のために行われる手続きの一覧を、追跡することもできる。ワークステーションの引出し512はそれぞれ、ある特定の患者のために指定されることができ、各引出しは、予備のプローブや使い捨て品だけでなく、薬剤も備えることができる。薬剤は、適切なバーコード(図示せず)を備えた薬剤容器を、上に述べたのと同様の方法でスキャナ540を用いて走査し、続いて走査したデータを患者のバイタルサイン示数および他の情報と共に、保存されている患者の履歴に送信することによって、このワークステーション500を使用して追跡することもできる。患者ごとに履歴ファイルを保持することによって、動向データを実現することができる。動向データを備えた出力ディスプレイ564の一例が、図32および図49に図示されている。別の例が図49に示されている。
【0108】
画像および他のデータに加え、スキャナ540は、デジタル署名を取り込むこともできる。従って、紙の上に署名欄を備えてバーコード“ボックス”を作成することができ、そこに医療従事者または患者の署名を入手し保存することができる。
【0109】
上記ワークステーション500をこのように使用すれば、誤りが減少し、データ集計がなお一層総合的かつ完全になる。演算処理装置530は、例えば図35ないし図37に示されるような、ワークステーション500上またはその近くに、あるいは別途、位置する一組の指示650から適切なバーコードまたは他の機械可読記号を検出することにより、演算処理装置530内に設けられている格納マクロまたはソフトウエアを起動し、患者の情報だけでなく、画像取り込み、一覧データシートの印刷、画像データの点検、バイタルサイン示数の表示などをディスプレイ534上に表示させる。図30に示すように、プリンタ560は、図32に図示するような一覧データシートを出力できるように、引出し512の1つに配置される、あるいは他の手段によってこれに接続され、従来の方法で演算処理装置530に接続されることができる。プリンタ650は、物理的に接続される、またはローカルエリアネットワーク(LAN)あるいは無線接続により、接続されることができる。プリンタは、後者の場合、ワークステーション500から離れて設置することもできる。
【0110】
診断ワークステーション500は、患者のバイタルサインを所定のスケジュールで取るようにプログラムすることもできる。従って、各ワークステーション500は、データのログを取ることによって特定の患者の特徴に合うように設定することもできる。すなわち、ワークステーション500は、患者の示数を15分(あるいは何らかの他の所定の時間)ごとに取り、その示数を既存あるいは以前の蓄積示数と比較するようにプログラムすることができる。この示数が、例えば20パーセントまたは他の所定の値だけ低下した場合は、警告音が鳴らされる。このようにして、血圧示数が通常よりも高い患者は、“普通の”患者とは対照的に補われることができる。これらの結果は、図32に示すような動向と対比して考査することができる。さらに、これらの示数は、血圧測定用腕帯の膨張を制御するために、蓄積されている示数を比較し、これらの示数を用いることによって(例えば低血圧または高血圧の患者)、血圧示数の取り込みを自動的に事前設定するために使用することができる。血圧腕帯は、例えばこの腕帯上に設けられているバーコードまたは他の機械可読情報ラベルの使用により、ワークステーション500によって使用される前に識別されることができる。これらのタグは、在庫情報を含むだけでなく、例えば腕帯の幅も含むことができ、この情報は血圧計の使用に先立ってスキャナ540によって走査される。この情報は、腕帯の適切な膨張を自動的に制御するために使用することもできる。
【0111】
図示はされていないが、カート504は、演算処理装置530に相互接続されている無線送受信装置を装備することもできる。カート504が臨床または病院環境内を車輪により移動され、その全域にわたって配置されている無線アクセスポイントを通過すると、データは自動的に検索され送信されることができる。この情報は、固定サーバに送信され、その後、例えばインターネット接続を介して送出されることができる。さらに、カート上に設けられ、演算処理装置に接続されたマイクによって、患者との出会いに関連した音声データを選択的に取り込み・保存することが可能になる。このデータは、他の患者関連データとともにアーカイブされることができ、この音声データは、インターネット接続によってウェーブ(wav)ファイルの形式で送信することもできる。さらに、このワークステーション500は、相談や緊急の事態のために、あるいは、例えばある装置が患者の診察室にない場合など付加的なハードウエアを要請するために、病院のネットワークなど、後の実施例でさらに詳細に説明するネットワークを介したリアルタイム音声リンクを備えることもできる。
【0112】
第6および代替例:図33ないし図43を全体的に参照すると、本発明の多くの代替実施例による医療用診断ワークステーション600もまた、カートに組み込まれていない物品(様々なサイズの血圧測定用加圧帯、予備プローブ、プローブカバー、薬剤など)の収納のために使用することができる複数の引出し614を、その側面および前面のいずれかにさらに備えた、キャビネット形状の支持構造を規定している移動可能カート610を備えている。ウェルチアレン社によって製造される上述したSPOT(商標)バイタルサインモニタなどのバイタルサイン収集機620は、カート610のそれぞれの上部支持面に配置されている。これらのカート610はそれぞれ、上述したIT‐4410 HHP二次元CCDスキャナなどのバーコードスキャナ630のみならず、血圧、血中酸素濃度、および体温プローブなどのバイタルサイン収集機620によって使用される幾つかの手持ち式診断プローブ集合体を保持するための、その前面に設けられた個別の受け台をさらに備えている。キーボード(図示せず)およびディスプレイ644を備えた演算処理装置640、この場合は携帯用ラップトップ型コンピュータもまた、各カート610の上部に収納されている。
【0113】
これらのワークステーション600はそれぞれ、同様に、バイタルサイン収集機620(およびこれらと共に使用されるプローブ集合体)を演算処理装置640およびディスプレイと一体化し、バーコードスキャナ630は、先に述べた方法で一組の指示記号(この実施例では図示せず)を使用して、主としてワークステーションの全体的な動作を制御するための手段を提供している。
【0114】
こうして、バーコードスキャナ630は、生理パラメータ示数(例えばバイタル)の取得、演算処理装置640の記憶装置へのパラメータ示数の送信、患者に関連する情報の表示、画像の選択的取り込み、および患者と医師の臨床的出会いに関連する他の操作上の特徴を制御することができる。さらに、この情報のいずれかまたは全てを、プリンタを使用して一覧形式で出力することができる。
【0115】
各ワークステーション600は、在庫、薬剤、および/または処置を正確に追跡するために使用することもでき、これによって、課金の際の誤りをさらに減らし、病院環境において資源をさらに効果的に利用するための手段を提供している。
【0116】
図33ないし図43のそれぞれに示されるように、上で述べたように幾つかの可能な設計上の変形を含んだ代替カート状診断台600C〜600Pが、例示のために図示されている。これらの移動可能ワークステーションはそれぞれ、幾つかの単品部品を可動カート構造610C〜610P上にそれぞれ支持することができ、カートによって保持されている幾つかの手持ち式医療診断器具、演算処理装置640C〜640P、およびバーコードスキャナ630C〜630Pなどの入力装置を共通して備えている。
【0117】
さらに、各カート610C〜610Pは、使い捨て品、薬剤、予備のプローブ、または患者との出会いにおいて有用であろう他の物品の収納のための複数の引出し614C〜614Pを備えている。
【0118】
さらに詳細には、図33ないし図35のカート、それぞれ610C,610D,610Eは、各々、全ての診断機器およびバーコードスキャナ630C,630D,および630Eを備えていて、これらはカートの前向きの面の受け部に収納されている。機械可読言語で書かれている一組の指示650は、前向きの面の受け部の上方に設けられる、あるいは使用者にとって都合が良いように他の場所に設けることもできる。
【0119】
各カート610C,610D,610Eの上面618C,618D,618Eは、演算処理装置640C,640D,640Eを格納しており、ディスプレイ644C,644D,644Eは、図示されているように、使用するために開くことができる。カートの上面618Cおよび618Eはそれぞれ、図35に示す患者のカルテ660を保持するような大きさの隣接した垂直スロット652C,652Eもまた備えている。
【0120】
図34は、少なくとも1つの横向き引出し614Dが、例えば患者のベッドに向かって、あるいはベッドから離れる向きにピボット式に開くことができることを図示している。
【0121】
図36のワークステーションタイプ600Fもまた、複数の引出し614Fを備えた移動可能カート610Fを図示している。このタイプでは、医療機器領域は、バイタルサイン収集機620Fのみならず、それぞれ個別の受け部に収められているPalm(登録商標)機器などのPDA664(携帯情報端末)および電話666を備えている。このタイプ600Fは、カート筐体の一方の側面に蝶着されているディスプレイとしてビデオモニタ644Fをさらに備えている。カート筐体610F内部のプリンタ(図示せず)は、出力トレイ670を備えており、電源供給装置および配電部品はカート610Fの下部室674内に保持されている。
【0122】
図37は、図36に記載されたものと同様のワークステーション設計600Gを図示しており、これは複数の手持ち式医療診断機器、PDA664G、モニタ644G、電話666G、およびバイタルサイン収集機620Gを含む前述の各部品を備えている。このワークステーションはさらに、内部プリンタのみならず、遠隔地に対する出力を可能にするため、あるいは別の装置からの入力を受信するための、IRdAリンク679などの無線リンクを備えている。ワークステーション600Gは、作業面682も備えている。
【0123】
図38のワークステーション600Hは、複数の前述した特徴だけでなく、PDA664Gを保持するフリップダウン式作業面683に加え、バイタルサイン収集機や他の装置などの医療機器690を保持するために使用される隣接した前面室685を備えている。このカート610Hは、その頂部に格納式IVポール692も備えている。
【0124】
図39ないし図43は、前述と同様のカート設計を図示している。さらに、下に述べるような、図41A,42A,および43Aにそれぞれ698K,698N,および698Oとして示されるキーボード、および/または696K,696M,696Oとして示されるマウスインタフェースなどの、入力装置630を介する制御とともに、またはその代わりに使用することのできる様々なインタフェースを導入することができる。これらの図面に示すように、多様なカート設計の数は、機器、プローブ、使い捨て用品、電源供給装置などのための多彩な収納特徴、およびラップトップ形式の携帯用演算処理装置および/またはPDA、またはタブレットPCをワークステーションとともに使用できるようにする操作卓上の様々な収納場所と合わせると、ほとんど限りがない。
【0125】
前述の実施例のそれぞれは、図18および図19に開示された小型ビデオカメラシステムを除いては、移動可能な支持構造によって規定されるワークステーションについて言及している。しかしながら、“固定された”タイプもまた、この開示の発明思想内において明確に意図されていることに留意すべきである。例えば、図44を参照して、壁取り付けタイプの医療用診断ワークステーション700についてここで示し、説明する。
【0126】
ここで説明するワークステーション700の全体は、診察室または同様の環境の壁に取り付けられていて、以下を含む、すなわち先に示したように患者の血圧、酸素飽和度、脈拍数、および体温を測定することができる、SPOT(商標)バイタルサインモニタなどのバイタルサイン収集機720、携帯用ラップトップ型コンピュータなどの携帯可能な演算処理装置730、および複数の診断機器を含む、幾つかの単品部品を保持するための壁支持フレーム704を備えている。この壁支持フレーム704は、壁面変圧器、ならびにLCDモニタ716およびキーボード722を保持する垂直昇降装置712を支持する平板を含んでいる。ワークステーション700はさらに、電源供給装置および上記部品用の電気接続およびケーブル、ならびに他の電気設備を保持するボックス724を備えている。
【0127】
上記ワークステーション700は、医師の部屋内の診察室、診療所、病室、または他の適切な領域の壁に取り付けることができる。バイタルサイン収集機720は、壁支持体704に対して釈放自在に取り付けられていることが好ましく、これによりそれ自体の電源供給装置を備えた収集機を、必要があれば独立して使用可能としている。この実施例による複数の診断機器には、耳/咽頭鏡744、スペキュラディスペンサ748、検眼鏡752、皮膚顕微鏡756、デジタルスケール、および/または他の適切な装置が含まれる。例えば、図示はしていないが、膣鏡および/または耳鏡、および鼻鏡など他の装置をこれと共に利用することもできるであろう。
【0128】
使用の場合のシナリオとして、上記のワークステーション700は、中央トリアージ局に配置することができる。このシナリオでは、看護師または臨床使用者は、患者をこのトリアージ局に運んできて、キーボード722を使用して患者の名前をワークステーション700に入力することができ、そこには患者の履歴が(現在の患者および“新規”でない患者であれば)、アクセスできるように演算処理装置730の記憶装置にすでに蓄積されている。
【0129】
バイタルサイン(例えばSPO2、血圧、体温、脈拍数など)は、取り付けられている収集機のプローブ集合体を用いて得ることができるが、ここでバイタルサイン収集機720は、キーボード722に打ち込まれるコマンドを介するなどによる取り込みのために、演算処理装置730のプロセッサに対して光学的に、あるいは他の方法で無線接続されている。ひとたび全てのバイタルサインが得られると、使用者は、その結果を一覧シート(図示せず)に選択的に印刷することができるが、このシートには他の患者情報も含まれていることが好ましい。このシートは、例えば患者のカルテに貼り付けることができる。それから使用者は、患者および患者のカルテを診察室に運ぶことができる。この患者を診察する医師は、患者を見る前に、患者のカルテをチェックするか、あるいは可動演算処理装置(PDAまたはラップトップなど)上でこの情報を見ることができる。医師は、それから、例えば身体検査を行うために診察室に入ることができる。この検査の際、医師は、カルテに書き込むことによって、あるいは可動演算処理装置を用いて新しい情報を入力することによって、患者のカルテを更新することができる。
【0130】
この実施例によれば、演算処理装置730およびキーボードおよびディスプレイ716は、例えば使用者が座っているか立っているかに応じて高さの点で選択的に位置決めできる、調節可能な組立体712内に配置されている。さらに先に述べたように、バイタルサイン収集機720は、壁支持フレーム704に釈放自在に取り付けられていて、収集機を必要に応じてそれ自体で使用できるようにしていることが好ましい。
【0131】
例えば、先の実施例のバーコードスキャナまたは撮像装置を、ここに述べる壁取り付けタイプに備えるなど、上記のシステムの変形例は自明である。
【0132】
第7の実施例:第7の実施例について、ここで図45ないし図50を参照して説明する。まず図45を参照すると、可動診断ワークステーション800は、多数の部品を支持する支持構造810を備えており、これらの部品には、バーコードスキャナ820の形状の入力装置、演算処理装置830、血中酸素濃度計836、血圧計840、および口腔体温計844などが含まれる。
【0133】
先に上で説明した実施例の多くと同様に、これらの部品は、ワークステーション800の支持構造810に取り付けられている。ワークステーション800は可動であり、支持構造810は、フットブレーキ817を有する車輪付き基部814を備えている。支持構造810の垂直支柱816は、患者の記録、血圧計840、あるいは患者の使い捨て用品および/または薬剤を収納するために使用できる一対のポケットまたは収納容器824を備えている。
【0134】
演算処理装置830は、支持構造810の上側部分に、さらに詳細には傾斜した上面または操作卓818内に規定されているくぼみ内に支持されていて、演算処理装置のディスプレイ834が使用者に見えるようにしている。キーボード835は、バーコードスキャナ820によって実質的に行われる操作に加え、指示をワークステーション800に入力できるようにするもので、このスキャナは一体型小型撮像器を備え、ハンドヘルドプロダクツ社によって製造されるIT4410型2次元CCD撮像スキャナであるが、他の適切なCCDおよびレーザー走査装置を簡単に代用することもできるであろう。さらに、複数の選択制御ボタン838もまた、操作卓818上に設けられていて、下でさらに詳細に説明するような、診断ワークステーション800の幾つかの所定の動作のための付加的な制御オプションを提供している。垂直支柱の上側部分818に隣接したグリップ用ハンドル848は、ワークステーション800を、必要に応じて患者の病室間を容易に移動できるようにしている。
【0135】
ワークステーション800の全体的な動作を説明する前に、病院または医局環境における可能性のある接続性に関して述べる。
【0136】
図46に示すように、複数の生理パラメータ測定機器と病院ネットワークとの接続性に関して、診断ワークステーション800の実体表示が一例としてなされている。ここに図示するように、主として汎用性を示すために、幾つかのワークステーション800が示されているが、単一のワークステーションを同様に構成することもできるであろう。この実施例では、ワークステーション800は、支持構造810、一体型演算処理装置830、およびバーコードスキャナ820のみならず、血中酸素濃度計836、血圧計840、および口腔体温計844を備えた、上記で定義されたものと同様である。上記構成要素はそれぞれ、この実施例では互いに配線によって接続されており、一体構造を形成している。
【0137】
図46をさらに参照すると、ワークステーション800は、他の構成要素との、特に患者の病室内の他の装置、例えばウェルチアレン社によって製造されるSpot Ultraバイタルサイン収集機などのバイタルサイン収集機880や、例えばアボット・ラボラトリーズ社によって製造されるような注入ポンプ888との、Bluetooth、WiFi、または他の無線プロトコルを用いた無線通信リンク機構の中に配置することができる。この特定のプロトコルの詳細は、この分野ではそれ自体公知であり、本発明の一部とはみなされない。同様の接続を、ワークステーション800と、ウェルチアレンプロパックおよびウェルチアレンマイクロパックモニタなどの他のバイタルサインモニタのような他の携帯装置890,894との間に構築することもできる。
【0138】
ワークステーション800はさらに、コンピュータネットワーク890内に配置され、ワークステーションからのデータは、離れたコンピュータ審査局898や、電子医療記録(EMR)システムなどのコンピュータ情報システムまたは病院情報システム(CIS/HIS)900に対してイーサネット(登録商標)接続によってさらに接続されているワークステーションサーバ894を利用して、802.11a/b/g プロトコルにより送信される。動作の際、機器880,888とワークステーション800との間の無線通信によって、スキャナまたはキーボード操作、またはワークステーションの操作卓818上の特定の制御ボタンを利用して患者のデータを得ることができるようにしている。走査装置830が使用される場合、先に述べたように、ワークステーション800のアクセスを可能にするために、患者のIDとともに使用者のバッジがまず走査される。使用者がシステムの許可使用者である場合、走査装置830は、ディスプレイ上、あるいはワークステーション上に設けられた機械可読言語指示とともに使用されて、患者のデータの取り込みおよび保存、ならびにそのデータの病院ネットワーク890へのアップロードに関する動作を起動させることができる。操作卓818上に設けられたボタンなどの特定の制御装置は、走査装置830の代わりに、あるいはこれと共に、ある操作、例えば自動血圧測定を制御するために使用することができ、まず、腕帯を走査装置によって走査して、そこに含まれている機械可読情報により、あるいはキーボードの手入力により、腕帯の幅を決定することができる。次に、腕帯に取り付けられ演算処理装置830に接続されている圧力制御システムは、患者が記憶装置内に保存されている所定の血圧示数を有しているかを判定し、もし有していれば、腕帯の全体的な初期膨張を制御するために、患者が低血圧であるか高血圧であるかを判断する。
【0139】
注入ポンプ888とバイタルサイン収集機880それぞれの無線制御に関しては、ワークステーション800との通信リンク機構は、ワークステーション800における仮想制御インタフェースを提供するように、それぞれの制御を可能としている。バイタルサイン収集機880の場合、示数は取得され、ワークステーション800に送信される。これらの示数は、演算処理装置830の記憶装置に蓄積され、ワークステーション800が病院内の適切な無線アクセスポイントを通過した時に自動的に、あるいは制御ボタン838によって、またはこれを有効にするキーボード操作によって選択的に、病院ネットワーク890にアップロードすることができる。
【0140】
ワークステーション800は、先に示したように、臨床的な出会いの際に音声情報を使用者が選択的に作成できるように、マイクおよびスピーカーをさらに備えることができるのが好ましい。この情報は、例えば患者に対する新しいシフトの開始の前に使用することができ、手書きのメモの作成に代わるものとなり、このような音声メモは他の患者データとともに保管されるであろう。さらに、病院ネットワークとのワークステーション800の無線相互接続は、中央ナースステーションまたは他の指定された場所とワークステーションとの間の、ボイスオーバーIPやセルラー式電話リンクなどの付加的な通信リンク機構を備えることができる。
【0141】
ワークステーション800の性能のために、上記診断機器に加え、以下の図面のために、12リードECG装置(図48ないし図50に図示する)を、診断ワークステーション800の演算処理装置830に対して直列に、あるいは他の方法で接続することもできる。
【0142】
図47を参照すると、体の画像描写854を用いた形態を備えたグラフィカルユーザーインタフェース850の形式の、ワークステーション800のディスプレイ834の一例が図示されていて、そこには測定されている患者の生理パラメータのうち少なくとも1つが、測定が行われている場所によって表示されている。例えばそのような表示858の1つが、血圧を示すために体の画像の腕の近傍に提供されていて、これはウインドウ862に表示されている。第2の表示864は、ウインドウ866に示された体温を示すために口の近くに設けられていて、第3の表示870は、隣接したウインドウ874で示されるように血中酸素濃度を示すために、体の画像の指の近くに位置している。同様の表示およびウインドウが、呼吸878およびブドウ糖882用に設けられている。さらに、患者の身体的な特徴(体重、身長)がウインドウ884,886に表示されていて、患者のデジタル画像889がインタフェース850の上部に表示されている。
【0143】
ディスプレイ834の左側に示すように、使用者は付加的な特徴を切り替えることができ、現在の描写は、患者のバイタルの全体的な表示を提供している。さらに、蓄積された示数、さまざまな記録、および例えばECGなどの他の装置の患者履歴は、呼吸に関しては肺の近く、体温に関しては口の近くにおいて、使用者によって選択的にアクセスすることができる。
【0144】
図48ないし図50を参照すると、ここに述べる診断ワークステーション800を含むネットワーク接続の代替実施例が示されている。この実施例のために、ある特定の一体化された機器が、ワークステーションとともに使用されるために選択されている。図50では、単一のワークステーション800が図示されている。この実施例によれば、ワークステーション800は、一体型バーコードスキャナ820、タニタ製のデジタルスケール924、およびウェルチアリン社の心電図制御モジュールなどのECG装置920を備えており、上記の構成要素はそれぞれ、USBまたは他の適切な接続を介するなどによって、ワークステーションの支持構造(図示せず)内の演算処理装置830に対してハードワイヤード接続されている。バイタルサイン収集機880は、Bluetoothまたは他の適切なプロトコルを介して無線接続されている。図示されているこの実施例では、デジタルスケールデータはバイタルサイン収集機880によって収集され、両方のデータセットは、ワークステーション800に対して無線送信される。あるいは、デジタルスケール924は、ワークステーション800と直接通信することもできるであろう。
【0145】
このワークステーション800は可動で、適切な無線アクセスポイント928を通過する際に、先に示したように病院のネットワークとの接続により、802.11(b)または、イーサネット(登録商標)接続934を介してCIS/EMRシステム938にデータを送信できる他の適切なプロトコルを使用して、情報をアップロードすることができる。
【0146】
図49を参照すると、少数のワークステーション(約3ないし10のワークステーション)が接続に関して示されていて、これらのワークステーションのそれぞれもまた、演算処理装置830に対する走査装置820、12リードECG装置920、およびデジタルスケール924の有線接続を同様に備えている。理解しやすいように、上記装置のうち1つだけが図示されている。演算処理装置830は、病院環境内のアクセスポイント928(そのうちの1つだけが図示されている)を介して、サーバ942および病院情報システム/電子医療記録(HIS/EMR)システム944にリンクされていて、後者はイーサネット(登録商標)接続934を介して適切にリンクされている。
【0147】
図50を参照すると、多数(20以上)のワークステーション800が、病院/診察室ローカルエリアネットワーク(LAN)950での使用に関して図示されていて、そこでは演算処理装置830は、無線アクセスポイント928によって無線式にリンクされている。ネットワーク950はさらに相互接続を備えており、これによってワークステーション800からのデータがコンピュータワークステーション954、タブレットPC958、および/またはポケットPC962の1つにアップロードでき、上記構成要素のそれぞれもまた、ネットワーク950に対して802.11プロトコルによって無線接続されている。ネットワーク950はまた、幾つかの同様の装置963に対してファイアウォール964による遠隔インターネット接続も提供しており、データは適切なウェブサーバ966によって管理されている。
【0148】
このネットワーク950はまた、アプリケーションサーバ970、SQL(構造化クエリー言語)サーバ・クラスター974、HIS/EMRシステム976の形態の多数のサーバを備えており、これによりワークステーション800によって収集されたデータを遠隔で審査したり分析したりできる。
【0149】
本発明は、図面に示された好ましい形式を参照して特に図示され説明されたが、請求項に定義される本発明の精神および範囲から逸脱することなく、詳細における様々な変更を行いうることは、当業者に理解されるであろう。
【0150】
他の特徴は、容易に付加することができる。例えば、前述の医療用診断ワークステーションのいずれも、現在、車や他の用途で使用されているような全地球測位システム(GPS)を、例えば病院、診療所、または他の環境での中央監視システムを利用して、その位置を追跡するための手段として備えることができる。別の実施例によれば、ここに述べる診断ワークステーションは、診察室にあるであろう他の機器または他の物品の位置を追跡するために使用できるRF呼びかけ装置をさらに備えることができる。この呼びかけ装置は、機器または物品上に位置する受動型RF識別タグからの返答信号の送信を引き起こす無線周波数信号を送信し、これによって、ある特定の機器の位置探査を支援している。上記タグは、例えば薄膜技術を利用することにより極めて小さく貼付可能であり、装置の型番や他の関連データなど装置固有の情報、ならびにこの装置固有の情報を蓄積するための常駐メモリを有する小型マイクロプロセッサを備えている。物品の識別は、例えば、探している装置がすでに診察室にある場合、診察を行う前に時間を節約するのに有効である。
【0151】
この議論を通じて、特定の診断について述べてきた。しかしながら、ここに述べるワークステーションを用いて文字通り任意の形式の検査を実行可能であることは容易に明らかであろう。例えば、ECG(12リード)、血中ブドウ糖、コレステロール、体重、および薬物送達のみならず、マルチパラメータモニタリングは、上記システムを利用して実行しうる他の有効な検査である。これらの検査には、例えば、疾病状態に関する免疫測定、分子診断、およびプロテオミクス分析などが含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0152】
【図1】本発明の第1の実施例による医療用診断ワークステーションの前方斜視図である。
【図2】図1の医療用診断ワークステーションの上側部分の拡大図である。
【図3】図1および図2の医療用診断ワークステーションの後方斜視図である。
【図4】図3の医療用診断ワークステーションの上側部分の一部拡大図である。
【図5】演算処理装置とバイタルサイン収集機との間の無線接続を図示する、医療用診断ワークステーションの頂部の一部拡大図である。
【図5(a)】図1ないし図5の医療用診断ワークステーションの模式図である。
【図6】本発明の第2の実施例による医療用診断ワークステーションの前面図である。
【図7】図6の医療用診断ワークステーションの側面図である。
【図8】図6および図7の医療用診断ワークステーションの上面図である。
【図9】図6ないし図8の医療用診断ワークステーションの側方斜視図である。
【図10】図9の医療用診断ワークステーションの完全な前面図である。
【図11】図9および図10の医療用診断ワークステーションの部分前面図である。
【図12】図9ないし図11の医療用診断ワークステーションの別の部分側方斜視図で、これと共に用いられる小型ビデオカメラおよびその受け台を図示している。
【図13】図9ないし図12の医療用診断ワークステーションの小型ビデオカメラおよびインタフェースの拡大図である。
【図14】図9ないし図13の医療用診断ワークステーションの部分側方斜視図で、バイタルサイン収集機と演算処理装置との無線リンクを示している。
【図15】図9ないし図14の医療用診断ワークステーションと共に用いられるプリンタおよび無線リンクの前面図である。
【図16】図9ないし図15の医療用診断ワークステーションの部分後方斜視図で、受け台と小型ビデオカメラを図示している。
【図17】本発明の医療用診断ワークステーションと共に使用される、好ましい実施例による別の小型ビデオカメラの部分前面図である。
【図17(a)】図17の小型ビデオカメラの背面図である。
【図18】本発明に従って作られ、一体型ビデオディスプレイを有する小型ビデオカメラを図示している。
【図19】図18の小型ビデオカメラ用の壁面取り付け型診断ワークステーションを図示している。
【図20】図9ないし図15の医療用診断ワークステーションにより入手可能な典型的な患者の一覧データシート形式である。
【図21】本発明の第3の実施例による医療用診断ワークステーションの機能ブロック図である。
【図22】本発明の第4の実施例による一体型医療用診断ワークステーションの前方斜視図である。
【図23】図22の医療用診断ワークステーションの部分前面図である。
【図24】図22および図23の医療用診断ワークステーションの部分側面図である。
【図25】図22ないし図24の医療用診断ワークステーションの、ほぼ45度からみた部分前方斜視図である。
【図26】図22ないし図25の医療用診断ワークステーションの別の部分前方斜視図である。
【図27】本発明の第5の実施例に従って作られた、非使用位置にある医療用診断ワークステーションの側方斜視図である。
【図28】図27の医療用診断ワークステーションの後方斜視図である。
【図29】図27および図28の医療用診断ワークステーションの、図27に対して反対側から見た斜視図である。
【図30】使用位置にある図27の医療用診断ワークステーションを図示する側方斜視図である。
【図31】内蔵されているバイタルサイン収集機の好ましい位置を図示するために背面パネルを取り外した、図28の医療用診断ワークステーションの後方斜視図である。
【図32】図27ないし図31の医療用診断ワークステーションの患者記録のサンプル表示出力である。
【図33】本発明に基づいて作られた医療用診断ワークステーションの第6の実施例の前方斜視イメージ図である。
【図34】本発明に基づいて作られた医療用診断ワークステーションの代替実施例の前方斜視イメージ図である。
【図35】本発明に基づいて作られた医療用診断ワークステーションの代替実施例の前方斜視イメージ図である。
【図36】本発明に基づいて作られた医療用診断ワークステーションの代替実施例の前方斜視イメージ図である。
【図37】本発明に基づいて作られた医療用診断ワークステーションの代替実施例の前方斜視イメージ図である。
【図38】本発明に基づいて作られた医療用診断ワークステーションの代替実施例の前方斜視イメージ図である。
【図39】本発明に基づいて作られた医療用診断ワークステーションの代替実施例の前方斜視イメージ図である。
【図40】本発明に基づいて作られた医療用診断ワークステーションの代替実施例の前方斜視イメージ図である。
【図41A】本発明に基づいて作られた医療用診断ワークステーションの代替実施例の前方斜視イメージ図である。
【図41B】本発明に基づいて作られた医療用診断ワークステーションの代替実施例の前方斜視イメージ図である。
【図42A】本発明に基づいて作られた医療用診断ワークステーションの代替実施例の前方斜視イメージ図である。
【図42B】本発明に基づいて作られた医療用診断ワークステーションの代替実施例の前方斜視イメージ図である。
【図43A】本発明に基づいて作られた医療用診断ワークステーションの代替実施例の前方斜視イメージ図である。
【図43B】本発明に基づいて作られた医療用診断ワークステーションの代替実施例の前方斜視イメージ図である。
【図44】本発明の別の好ましい実施例に基づいて作られた壁面取付け型医療用診断ワークステーションの前方斜視図である。
【図45】本発明の第7の実施例による診断ワークステーションの前方斜視図である。
【図46】臨床環境で使用される図45の診断ワークステーションを図示する、部分的に線図化した実体図である。
【図47】図45および図46の診断ワークステーションのグラフィカルユーザーインタフェースの前面図である。
【図48】図47ないし図49の診断ワークステーションを含んだ単一構成の図を表している。
【図49】図47ないし図49の診断ワークステーションを含んだ多数構成の図を表している。
【図50】図47ないし図49の診断ワークステーションを含んだ多数構成の図を表している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械可読情報を読み取るための手段を有する入力装置と、
少なくとも1つの医療機器および前記入力装置に接続された演算処理装置とを備える、患者との出会いにおいて使用される一体型装置。
【請求項2】
請求項1記載の一体型装置において、
患者との出会いの際に選択的に画像を取り込むための小型撮像装置をさらに備えることを特徴とする一体型装置。
【請求項3】
請求項1記載の一体型装置において、
前記少なくとも1つの医療機器、前記入力装置、および前記演算処理装置の動作を制御するための制御手段を備えることを特徴とする一体型装置。
【請求項4】
請求項2記載の一体型装置において、
前記小型撮像装置は、前記入力装置に設けられていることを特徴とする一体型装置。
【請求項5】
請求項1記載の一体型装置において、
前記入力装置は、バーコードスキャナであることを特徴とする一体型装置。
【請求項6】
請求項4記載の一体型装置において、
前記入力装置は、バーコードスキャナであることを特徴とする一体型装置。
【請求項7】
請求項1記載の一体型装置において、
少なくとも前記演算処理装置に接続されているプリンタを備えることを特徴とする一体型装置。
【請求項8】
請求項3記載の一体型装置において、
前記制御手段は、前記装置の動作を制御するための使用者が起動可能な制御部を備えていることを特徴とする一体型装置。
【請求項9】
請求項2記載の一体型装置において、
前記演算処理装置は、前記小型撮像装置によって取り込まれた少なくとも1つの画像、および前記入力装置と前記少なくとも1つの医療機器の少なくとも一方からのデータを選択的に記憶するためのデータ記憶手段を備えることを特徴とする一体型装置。
【請求項10】
請求項2記載の一体型装置において、
前記入力装置は、前記小型撮像装置によって取り込まれた少なくとも1つの画像内の少なくとも1つの機械可読部を識別するための手段を備えることを特徴とする一体型装置。
【請求項11】
請求項10記載の一体型装置において、
前記演算処理装置は、取り込まれた画像内において前記少なくとも1つの機械可読部が識別された場合にこれを復号するための手段を備えることを特徴とする一体型装置。
【請求項12】
請求項1記載の一体型装置において、
前記装置の許可されていない動作を防止するための暗号化手段を備えることを特徴とする一体型装置。
【請求項13】
請求項3記載の一体型装置において、
前記装置は、演算処理装置によって解釈され実行される指示を含む適切な機械可読情報部を走査することによって、前記入力装置を用いて実質的に制御されることを特徴とする一体型装置。
【請求項14】
請求項13記載の一体型装置において、
前記入力装置による適切な機械可読部の走査が、前記少なくとも1つの医療機器の起動を自動的に引き起こすことを特徴とする一体型装置。
【請求項15】
請求項14記載の一体型装置において、
前記機械可読部の少なくとも1つは、前記演算処理装置によって表示されることを特徴とする一体型装置。
【請求項16】
請求項14記載の一体型装置において、
前記機械可読部の少なくとも1つは、患者記録シート上にあることを特徴とする一体型装置。
【請求項17】
請求項16記載の一体型装置において、
前記患者記録シートは、患者関連データを含む少なくとも1つの機械可読部をさらに備え、この患者関連データは、前記演算処理装置のデータ記憶手段にアップロードすることができ、更新された機械可読部をその上に有する更新患者記録シートを作成するように、付加的な患者データを付け加えることができることを特徴とする一体型装置。
【請求項18】
請求項7記載の一体型装置において、
前記プリンタは、前記演算処理装置に無線接続されていることを特徴とする一体型装置。
【請求項19】
請求項1記載の一体型装置において、
前記入力装置と前記演算処理装置のそれぞれはいずれも、1つの可動カート上に実装されていることを特徴とする一体型装置。
【請求項20】
請求項19記載の一体型装置において、
前記プリンタは、前記可動カートによって支持されていることを特徴とする一体型装置。
【請求項21】
請求項19記載の一体型装置において、
前記可動カートは、患者関連用品を収納するための収納手段を備えることを特徴とする一体型装置。
【請求項22】
請求項21記載の一体型装置において、
前記収納手段は、前記可動カート上に設けられている少なくとも1つの引出しを備えることを特徴とする一体型装置。
【請求項23】
請求項21記載の一体型装置において、
前記収納手段は、少なくとも1つの収納受け台を備えることを特徴とする一体型装置。
【請求項24】
請求項1記載の一体型装置において、
データを装置から離れた場所に送信するための少なくとも1つの無線送受信装置および少なくとも1つのアンテナをさらに備えることを特徴とする一体型装置。
【請求項25】
請求項19記載の一体型装置において、
前記演算処理装置に接続されている小型撮像装置を備えることを特徴とする一体型装置。
【請求項26】
請求項25記載の一体型装置において、
前記小型撮像装置は、前記入力装置に組み込まれていることを特徴とする一体型装置。
【請求項27】
請求項25記載の一体型装置において、
前記小型撮像装置は、前記可動カートに有線で繋がれていることを特徴とする一体型装置。
【請求項28】
請求項25記載の一体型装置において、
前記小型撮像装置は、前記演算処理装置に無線接続されていることを特徴とする一体型装置。
【請求項29】
請求項28記載の一体型装置において、
前記可動カートは、前記小型撮像装置と無線で通信するための手段を備えることにより、その間の双方向通信を可能にしていることを特徴とする一体型装置。
【請求項30】
請求項1記載の一体型装置において、
前記少なくとも1つの医療機器と前記演算処理装置は、無線でリンクされていることを特徴とする一体型装置。
【請求項31】
請求項30記載の一体型装置において、
前記少なくとも1つの医療機器と前記演算処理装置は、RF無線プロトコルによりリンクされていることを特徴とする一体型装置。
【請求項32】
請求項31記載の一体型装置において、
前記RF無線プロトコルは、Bluetooth、802.11(a)、802.11(b)、およびZigbeeの少なくとも1つであることを特徴とする一体型装置。
【請求項33】
請求項1記載の一体型装置において、
前記少なくとも1つの医療機器は、シリアル接続により前記演算処理装置にリンクされていることを特徴とする一体型装置。
【請求項34】
請求項1記載の一体型装置において、
電源供給装置を備えることを特徴とする一体型装置。
【請求項35】
請求項34記載の一体型装置において、
前記電源供給装置は、少なくとも1つの充電可能な電池を含むことを特徴とする一体型装置。
【請求項36】
請求項19記載の一体型装置において、
前記可動カートによって支持された電源供給装置を備えることを特徴とする一体型装置。
【請求項37】
請求項36記載の一体型装置において、
前記電源供給装置は、少なくとも1つの充電可能な電池を備えることを特徴とする一体型装置。
【請求項38】
請求項1記載の一体型装置において、
前記少なくとも1つの医療機器は、医療用バイタルサインモニタであることを特徴とする一体型装置。
【請求項39】
請求項38記載の一体型装置において、
前記バイタルサインモニタは、前記演算処理装置に無線で接続されていることを特徴とする一体型装置。
【請求項40】
請求項1記載の一体型装置において、
前記少なくとも1つの機器は、携帯式EKG装置であることを特徴とする一体型装置。
【請求項41】
請求項40記載の一体型装置において、
前記携帯式EKG装置は、前記演算処理装置に接続されていることを特徴とする一体型装置。
【請求項42】
請求項1記載の一体型装置において、
前記少なくとも1つの医療機器は、血圧計であることを特徴とする一体型装置。
【請求項43】
請求項42記載の一体型装置において、
前記血圧計は、腕帯を膨らませたり空気を抜いたりするための圧力制御装置を有する膨張可能な腕帯を備え、前記圧力制御装置は、血圧を測定している患者に応じて前記腕帯を所定の圧力に膨らませるよう、前記演算処理装置に接続されていることを特徴とする一体型装置。
【請求項44】
請求項43記載の一体型装置において、
前記演算処理装置は、患者の生理示数を記憶するための少なくとも1つのデータベースを備え、前記患者は前記入力装置を介して識別するための手段を有しており、前記患者識別手段は、前記データベースに自動的にアクセスして前記患者に合うよう前記圧力制御装置を予めプログラムすることを特徴とする一体型装置。
【請求項45】
請求項1記載の一体型装置において、
前記演算処理装置は、ディスプレイを備えていることを特徴とする一体型装置。
【請求項46】
請求項19記載の一体型装置において、
前記演算処理装置は、ディスプレイを備えていることを特徴とする一体型装置。
【請求項47】
請求項3記載の一体型装置において、
前記制御手段は、前記装置に対する指示を入力するための少なくとも1つの第2の入力装置を備えることを特徴とする一体型装置。
【請求項48】
請求項47記載の一体型装置において、
前記第2の入力装置は、前記演算処理装置に接続されたキーボードとマウスのうち少なくとも一方を備えることを特徴とする一体型装置。
【請求項49】
請求項48記載の一体型装置において、
前記演算処理装置はデータ記憶手段を備えており、前記第2の入力装置はキーボードで、前記キーボードは、前記データ記憶手段に対する患者関連データの手入力を可能にすることを特徴とする一体型装置。
【請求項50】
請求項1記載の一体型装置において、
前記装置の操作において新たな使用者を訓練するための手段を備えており、前記訓練手段は、使用者によって選択的に開くことのできる複数の機械可読アイコンを備えたテンプレートを備えており、前記入力装置によるアイコンの選択は、前記演算処理装置に、この演算処理装置の記憶装置内に保存されている訓練マニュアルの一部を開かせることを特徴とする一体型装置。
【請求項51】
請求項1記載の一体型装置において、
患者に関連する使い捨ておよび非使い捨て補給品の使用を追跡するための在庫管理手段を備えることを特徴とする一体型装置。
【請求項52】
請求項1記載の一体型装置において、
患者に対する薬剤の送達を追跡するための手段を備えることを特徴とする一体型装置。
【請求項53】
請求項7記載の一体型装置において、
前記演算処理装置は、機械可読コードをその上に有する少なくとも1つの記号を備え、データを入力する際の重複を避け更新を可能にするために前記少なくとも1つの記号に患者関連情報が符号化されている、印刷可能な一覧シートを選択的に生成することができることを特徴とする一体型装置。
【請求項54】
請求項1記載の一体型装置において、
患者の流体入力および出力の量を判断するための手段を備えることを特徴とする一体型装置。
【請求項55】
請求項54記載の一体型装置において、
少なくとも1つの患者の流体容器は、複数の機械可読指示計を備えており、各指示計は、前記容器内の流体レベルを表しており、前記入力装置は、少なくとも1つの前記指示計を選択的に読み取ることができ、前記演算処理装置は、読み取られた指示計に基づいて流体量を算出するための手段を有することを特徴とする一体型装置。
【請求項56】
請求項43記載の一体型装置において、
前記ディスプレイは、前記カートに対して前記ディスプレイを選択的に格納展開するための折畳み手段を備えることを特徴とする一体型装置。
【請求項57】
請求項1記載の一体型装置において、
前記演算処理装置は、患者の生理示数を記憶するための少なくとも1つのデータベースを備え、前記患者は前記入力装置を介して識別するための手段を有しており、前記患者識別手段は、自動的に前記データベースにアクセスすることを特徴とする一体型装置。
【請求項58】
請求項9記載の一体型装置において、
前記データ記憶手段は、患者の生理示数の履歴を保存するためのアーカイブ手段を備えることを特徴とする一体型装置。
【請求項59】
請求項58記載の一体型装置において、
前記演算処理装置は、前記アーカイブ手段からの結果を選択的に報告することができることを特徴とする一体型装置。
【請求項60】
請求項45記載の一体型装置において、
前記少なくとも1つの医療機器からの患者の生理パラメータデータは、前記演算処理装置のディスプレイに表示することができ、前記機器は診断器具であることを特徴とする一体型装置。
【請求項61】
請求項1記載の一体型装置において、
前記装置は壁に取り付けられることを特徴とする一体型装置。
【請求項62】
請求項45記載の一体型装置において、
前記ディスプレイは、タッチスクリーン式ディスプレイであることを特徴とする一体型装置。
【請求項63】
請求項48記載の一体型装置において、
前記第2の入力装置はキーボードであり、前記装置は流体を進入させるための手段をさらに備え、簡単な洗浄を可能にして前記キーボードからの生物的および他の感染性汚染物質を除去することを特徴とする一体型装置。
【請求項64】
請求項1記載の一体型装置において、
前記少なくとも1つの医療機器は、血糖、ブドウ糖、コレステロール測定値を判定することができることを特徴とする一体型装置。
【請求項65】
請求項1記載の一体型装置において、
前記装置をネットワークに相互接続するための手段を備えることを特徴とする一体型装置。
【請求項66】
請求項1記載の一体型装置において、
前記ネットワーク相互接続手段は、前記装置を前記ネットワークの少なくとも一部に無線で接続するための少なくとも1つの無線接続手段を備えることを特徴とする一体型装置。
【請求項67】
請求項1記載の一体型装置において、
少なくとも1つの前記医療機器は、前記装置に組み込まれていることを特徴とする一体型装置。
【請求項68】
請求項1記載の一体型装置において、
前記装置によって監視されている少なくとも1つの選択された生理パラメータが所定の閾値を超えた場合に使用者に通知するための手段を備えることを特徴とする一体型装置。
【請求項69】
請求項1記載の一体型装置において、
前記装置から離れた少なくとも1つの医療機器と通信するための手段を備えたことを特徴とする一体型装置。
【請求項70】
請求項69記載の一体型装置において、
前記少なくとも1つの医療機器は、バイタルサインモニタであることを特徴とする一体型装置。
【請求項71】
請求項69記載の一体型装置において、
前記少なくとも1つの遠隔医療機器は、注入ポンプであることを特徴とする一体型装置。
【請求項72】
請求項70記載の一体型装置において、
前記少なくとも1つの遠隔医療機器の動作を制御するための手段をさらに備えることを特徴とする一体型装置。
【請求項73】
請求項69記載の一体型装置において、
前記通信手段は、無線通信手段を備えることを特徴とする一体型装置。
【請求項74】
請求項73記載の一体型装置において、
前記無線通信手段は、前記少なくとも1つの医療機器と前記装置との双方向通信のための手段を備えることを特徴とする一体型装置。
【請求項75】
請求項1記載の一体型装置において、
前記第2の入力手段は、患者に関連する手操作による測定値を入力するための手段を備えることを特徴とする一体型装置。
【請求項76】
請求項1記載の一体型装置において、
前記演算処理装置は、前記装置に対して着脱自在に取り付けられていることを特徴とする一体型装置。
【請求項77】
請求項1記載の一体型装置において、
前記ディスプレイはグラフィカルユーザーインタフェースを備え、このユーザーインタフェースは体の画像の形式を備えていて、測定されている患者の生理パラメータを使用者が容易に識別できるようにしていることを特徴とする一体型装置。
【請求項78】
請求項77記載の一体型装置において、
前記の体画像形式は縮尺体表示を備えており、患者の生理パラメータ示数が、そのパラメータを測定している体の実際の位置の近傍に配置されていることを特徴とする一体型装置。
【請求項79】
請求項3記載の一体型装置において、
前記制御手段の少なくとも一部はキーボード上に設けられていることを特徴とする一体型装置。
【請求項80】
請求項79記載の一体型装置において、
前記制御手段の少なくとも一部は前記キーボードから離れて設けられていることを特徴とする一体型装置。
【請求項81】
請求項41記載の一体型装置において、
前記血圧計は自動的に操作されることを特徴とする一体型装置。
【請求項82】
請求項65記載の一体型装置において、
前記ネットワークは、複数の前記一体型装置を備えることを特徴とする一体型装置。
【請求項83】
請求項65記載の一体型装置において、
前記ネットワークは病院のネットワークであることを特徴とする一体型装置。
【請求項84】
請求項1記載の一体型装置において、
前記少なくとも1つの医療用診断機器は体重計を含むことを特徴とする一体型装置。
【請求項85】
請求項9記載の一体型装置において、
前記データ記憶手段は、少なくとも前記患者との出会いの間に追加された音声データを記憶するための手段を備えることを特徴とする一体型装置。
【請求項86】
請求項85記載の一体型装置において、
前記少なくとも1つの音声情報を離れた場所に送信するための手段を備えることを特徴とする一体型装置。
【請求項87】
請求項43記載の一体型装置において、
前記血圧腕帯を膨らませる前に、そのサイズを判断するための手段を備えることを特徴とする一体型装置。
【請求項88】
患者との出会いにおいて使用される一体型装置であって、
機械可読情報を読み取るための手段を有する入力装置と、
少なくとも1つの医療機器および前記入力装置に接続された演算処理装置とを備え、前記装置は、前記演算処理装置によって解釈され自動的に実行される指示を含む適切な機械可読情報部を走査することによって、前記入力装置を用いて実質的に制御されることを特徴とする一体型装置。
【請求項89】
患者との出会いにおいて使用される一体型装置であって、
機械可読情報を読み取るための手段を有する入力装置と、
少なくとも1つの医療機器および前記入力装置に接続された演算処理装置とを備え、少なくとも1つの医療機器は前記装置に組み込まれていることを特徴とする一体型装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図5(a)】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図17(a)】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41A】
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【図41B】
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【図42A】
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【図42B】
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【図43A】
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【図43B】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【公表番号】特表2006−514842(P2006−514842A)
【公表日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−531104(P2004−531104)
【出願日】平成15年8月20日(2003.8.20)
【国際出願番号】PCT/US2003/026022
【国際公開番号】WO2004/017831
【国際公開日】平成16年3月4日(2004.3.4)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
Bluetooth
【出願人】(598106809)ウェルチ・アリン・インコーポレーテッド (15)
【Fターム(参考)】