説明

試料ホルダ、試料ホルダに試料を固定する固定方法、及び試料ホルダに固定された試料の分析方法

【課題】作業効率を悪化させることなく、試料を精度よく分析することが可能な試料ホルダ、試料ホルダに試料を固定する固定方法、及び試料ホルダに固定された試料の分析方法を提供する。
【解決手段】
試料ホルダ20を、試料10が載置される試料台3と、この試料台の試料が載置される側に設けられた導電性を有する網目状の電極ネット6と、この電極ネットを試料台に接離可能とする接離手段1,4と、を有する構成とし、この試料ホルダ20を用いて、接離手段1,4によって電極ネットを試料台に接近させて電極ネットと試料台とで試料を挟持して固定する。
また、上記挟持された試料を電極ネット6の網目開口部を介して分析を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料ホルダ、試料ホルダに試料を固定する固定方法、及び試料ホルダに固定された試料の分析方法に係り、特に電子顕微鏡やX線分析装置等の分析装置に用いられる試料ホルダ、試料ホルダに試料を固定する固定方法、及び試料ホルダに固定された試料の分析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子顕微鏡、X線分析装置、EPMA(Electron Probe Micro-Analysis)、オージェ電子顕微鏡等の分析装置は、各種励起源から、試料ホルダに固定された試料に電子線やX線等を照射することによって、試料を分析する装置である。
例えば、特許文献1には、電子顕微鏡に関して記載されている。
【特許文献1】特開2006−286685号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ここで、上述した分析装置に用いられる一般的な試料ホルダ、試料ホルダに試料を固定する固定方法、及び試料ホルダに固定された試料の分析方法について、図6を用いて説明する。
図6は、一般的な試料ホルダ、試料ホルダに試料を固定する固定方法、及び試料ホルダに固定された試料の分析方法を説明するための斜視図であり、図6中の(a),(b),及び(c)は、試料ホルダに試料を固定する過程をそれぞれ示している。
【0004】
図6(a)に示すように、試料ホルダ60は平坦な面A60を有しており、この面A60に導電性ペースト62を塗布する。
次に、図6(b)に示すように、塗布された導電性ペースト62上に導電性を有する試料63を載置した後、導電性ペースト62を硬化させることによって試料63を試料ホルダ60に固定する。
導電性ペースト62は、試料63の表面に蓄積された電荷を試料ホルダ60に効率的に逃がすことができるので、分析におけるハレーション等の悪影響を防止することができる。
そして、この試料63の表面について所望の分析を行う。例えば、電子顕微鏡による分析を行う場合には、試料63の表面に電子線を照射してその2次電子を検出することにより、試料63の表面の分析を行う。
【0005】
また、図6(c)に示すように、表面に電極等の導電性部位65を備えた絶縁材料からなる試料64を分析する場合は、導電性部位65に蓄積された電荷が試料ホルダ60に効率的に逃げるように、導電性部位65と試料ホルダ60とが導電性ペースト62を介して電気的に接続するように導電性ペースト62を導電性部位65と試料ホルダ60とに亘って塗布することにより、分析する際のハレーション等の悪影響を防止することができる。
そして、この導電性部位65について所望の分析を行う。例えば、電子顕微鏡による分析を行う場合には、導電性部位65に電子線を照射してその2次電子を検出することにより、導電性部位65の分析を行う。
【0006】
しかしながら、上述した試料ホルダ、試料ホルダに試料を固定する固定方法、及び試料ホルダに固定された試料の分析方法では、導電性ペースト62が硬化する際に発生する揮発物が試料63,64の表面や導電性部位65に付着する虞がある。
試料63,64の表面の被測定範囲にこの揮発物が付着すると分析精度等が悪化する場合がある。特に、上述したように表面に電極等の導電性部位65を備えた絶縁材料からなる試料64を分析する場合、上記被測定範囲のより近傍に導電性ペースト62が存在するため、上記揮発物が被測定範囲に付着する可能性が高くなるので、分析精度等を悪化させる可能性がより高くなる。
【0007】
また、導電性部位65と試料ホルダ61とを導電性ペースト62を介して電気的に接続する他の方法として、試料64の表面全体に金コーティング処理等を施してこの表面全体を導電性を有する構成とする方法がある。この方法によれば、導電性ペースト62を被測定範囲近傍に塗布する必要がないので、上記揮発物が付着する可能性を低くできるが、工程が増えて作業効率が悪くなるため、その改善が望まれる。
【0008】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、作業効率を悪化させることなく、試料を精度よく分析することが可能な試料ホルダ、試料ホルダに試料を固定する固定方法、及び試料ホルダに固定された試料の分析方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本願各発明は次の手段を有する。
1)試料(10)を固定するための試料ホルダであって、前記試料が載置される試料台(3)と、前記試料台の前記試料が載置される側に設けられた導電性を有する網目状の電極ネット(6)と、前記電極ネットを前記試料台に接離可能とする接離手段(1,4)と、を有することを特徴とする試料ホルダ(20)である。
2)試料(10)を固定するための試料ホルダであって、環状の第1の溝部(1a)が設けられた第1の面(A1)、及び、前記第1の面に直交し第1のねじ部(1c)が設けられた第2の面(C1)を有する基台(1)と、前記第1の面上に配置されて、前記第1の溝部が設けられた領域に対応する領域に複数のベアリングボール(2a)が回転自在に設けられたベアリング(2)と、前記ベアリング上に配置されて、前記ベアリングと対向して前記複数のベアリングボールが設けられた領域に対応する領域に環状の第2の溝部(3a)が設けられた第3の面(B3)、及び、前記第3の面上に位置し前記試料が載置される第4の面(A3)を有する試料台(3)と、前記試料台上に配置されて、開口部(5a)を備えた導電性を有する枠部(5)と、前記開口部を覆うように前記枠部に固定された導電性を有する網目状の電極ネット(6)とを有すると共に、前記枠部の内周面(A5)に前記第1のねじ部と螺合可能な第2のねじ部(5b)を有する試料固定リング(4)と、を備えてなる試料ホルダ(20)である。
3)試料ホルダ(20)に試料(10)を固定する固定方法であって、前記試料ホルダを、前記試料が載置される試料台(3)と、前記試料台の前記試料が載置される側に設けられた導電性を有する網目状の電極ネット(6)と、前記電極ネットを前記試料台に接離可能とする接離手段(1,4)とを備えた構成とし、前記試料台に前記試料を載置する載置工程と、前記載置工程後に、前記接離手段により前記電極ネットを前記試料台に接近させることによって、前記電極ネットと前記試料台とで前記試料を挟持して固定する試料固定工程と、を有することを特徴とする試料ホルダに試料を固定する固定方法である。
4)試料ホルダ(20)に試料(10)を固定する固定方法であって、前記試料ホルダを、環状の第1の溝部(1a)が設けられた第1の面(A1)、及び、前記第1の面に直交し第1のねじ部(1c)が設けられた第2の面(C1)を有する基台(1)と、前記第1の面上に配置されて、前記第1の溝部が設けられた領域に対応する領域に複数のベアリングボール(2a)が回転自在に設けられたベアリング(2)と、前記ベアリング上に配置されて、前記ベアリングと対向して前記複数のベアリングボールが設けられた領域に対応する領域に環状の第2の溝部(3a)が設けられた第3の面(B3)、及び、前記第3の面上に位置し前記試料が載置される第4の面(A3)を有する試料台(3)と、前記試料台上に配置されて、開口部(5a)を備えた導電性を有する枠部(5)と、前記開口部を覆うように前記枠部に固定された導電性を有する網目状の電極ネット(6)とを有すると共に、前記枠部の内周面(A5)に前記第1のねじ部と螺合可能な第2のねじ部(5b)を有する試料固定リング(4)と、を備えた構成とし、前記基台上に、前記ベアリングと前記試料台とを、前記複数のベアリングボールが前記第1の溝部と前記第2の溝部とで挟持されるように順次載置する第1の載置工程と、前記第1の載置工程後に、前記試料台上に前記試料を載置する第2の載置工程と、前記第2の載置工程後に、前記試料固定リングを、前記試料が載置された側から前記第2のねじ部を前記第1のねじ部に螺合させて前記電極ネットを前記試料台に接近させることよって前記電極ネットと前記試料台とで前記試料を挟持して固定する試料固定工程と、を有することを特徴とする試料ホルダに試料を固定する固定方法である。
5)前記試料固定工程において、前記第2のねじ部を前記第1のねじ部に螺合させる際に、前記試料台と前記電極ネットとを連動させながら前記電極ネットを前記試料台に接近させることを特徴とする3)項または4)項記載の試料ホルダに試料を固定する固定方法である。
6)試料ホルダに固定された試料の分析方法であって、3)項乃至5)項のいずれか1項に記載の前記試料固定工程後に、前記試料における前記電極ネットの網目開口部に対応する領域を分析することを特徴とする試料ホルダに固定された試料の分析方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、作業効率を悪化させることなく、試料を精度よく分析することが可能になるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の実施の形態を、好ましい実施例により図1〜図5を用いて説明する。
図1は、本発明の試料ホルダの実施例を説明するための図である。
図2〜図4は、本発明の試料ホルダに試料を固定する固定方法の実施例を説明するための図である。
図5は、本発明の試料ホルダに固定された試料の分析方法の実施例を説明するための模式的断面図である。
【0012】
<実施例>
まず、本発明の試料ホルダの実施例について、図1を用いて説明する。
図1は本発明の試料ホルダの実施例を説明するための図であり、図1中の(a)はその斜視図、(b)は(a)におけるZ軸に沿った断面を示す模式的断面図、(c)は(a)におけるZ軸に直交する方向に沿った断面を示すと共に試料台3と試料固定リング4との関係を示す断面図である。
【0013】
図1(a),(b)に示すように、試料ホルダ20は、主として、導電性を有する略円板状または略円柱状の基台1と、ベアリング2と、略円板状または略円柱状の試料台3と、導電性を有する試料固定リング4とにより構成されている。
【0014】
基台1は、その軸方向と直交する面A1側に環状の溝部1aを有し、その軸方向に沿う面(端面または側面ともいう)C1側に雄ねじ部1cを有している。
【0015】
ベアリング2は、複数の球状のベアリングボール2aと、このベアリングボール2aを回転自在に保持してその厚さt2bがベアリングボール2aの直径R2aよりも薄いリング状の枠部2bとにより構成されている。
また、ベアリング2は、複数のベアリングボール2aが枠部2bにおける軸方向と直交する各面A2,B2からそれぞれ突出するよう構成されている。
そして、基台1の溝部1aと複数のベアリングボール2aと試料台3の後述する溝部3aとは、基台1にベアリング2と試料台3とを順次載置した際に、複数のベアリングボール2aが基台1の溝部1aと試料台3の溝部3aとにより挟持されるようにそれぞれ配置されている。
【0016】
試料台3は、その軸方向と直交する一方の面A3側が後述する試料10が載置される平坦面となっており、他方の面B3側は環状の溝部3aを有している。
また、試料台3は、その軸方向に沿う面(端面または側面ともいう)C3側に径方向に突出する突起部3bを有している。
【0017】
試料固定リング4は、主として、導電性を有するリング状の枠部5と、この枠部5の開口部5aを覆うように枠部5に固定された導電性を有する網目状の電極ネット6とにより構成されている。
この電極ネット6は、金(Au)線等の導電性を有する導線を編み込んだ構成を有している。
また、試料固定リング4は、枠部5の内周面A5側に、上記基台1の雄ねじ部1bと螺合可能な雌ねじ部5bと、上記試料台3の突起部3bを収容可能な凹み部5cとを有している。
【0018】
実施例では、基台1については、材質をA2017ジュラルミン、直径R1を12mm(M12の雄ねじに相当する)、厚さt1を10mmとし、溝部1aの幅W1a(溝部1aの延在方向に対して直行する方向の距離)を2.8mm、その中心径R1aを6mmとした。
ベアリング2については、ベアリングボール2aの直径R2aを4mmとし、枠部2bの外径R2bを10mm、厚さt2bを2mmとした。
試料台3については、その外径R3を10mm、厚さt3を2mmとし、溝部3aの幅W3a(溝部3aの延在方向に対して直行する方向の距離)を2.8mm、その中心径R3aを6mmとし、突起部3bにおける試料台3の径方向の長さL3bを基準値1mmに対して公差が+0mm−0.1mm、周方向の長さW3bを基準値1mmに対して公差が+0mm−0.1mmとした。
試料固定リング4については、枠部5の材質をA2017ジュラルミン、その外径R5aを20mm、内径R5bを12mm(M12の雌ねじに相当する)、厚さt5を6mmとし、凹み部5cにおける枠部5の径方向の長さL5bを基準値1mmに対して公差が+0.1mm−0mm、周方向の長さW5bを基準値1mmに対して公差が+0.1mm−0mmとした。
また、電極ネット6については、直径が50μmの金(Au)線を編み込んだ構成とし、電極ネット6の各編み目開口部の形状を一辺が50μmの正方形とした。
【0019】
次に、上述した試料ホルダ20に後述する試料10を固定する固定方法の実施例について、図2〜図4を用いて説明する。
図2〜図4は、本発明の試料ホルダに試料を固定する固定方法の実施例を説明するための図であり、各図中の(a)は斜視図、(b)はその模式的断面図である。
【0020】
まず、図2に示すように、ベアリング2を複数のベアリングボール2aが基台1の溝部1aに当接するように基台1に載置した後、試料台3を溝部3aが複数のベアリングボール2aに当接するようにベアリング2に載置する。
【0021】
次に、図3に示すように、試料台3の面B3上に、試料10をピンセット等を用いて載置する。
【0022】
その後、図4及び図1(c)に示すように、試料固定リング4を、凹み部5bが試料台3の突起部3bを収容するようにして、基台1に載置する。
さらに、試料固定リング4の雌ねじ部5aを基台1の雄ねじ部1bに螺合させて試料固定リング4を基台1に固定する。
【0023】
上述した手順により、試料10は、試料固定リング4の電極ネット6と試料台3とにより挟持されて固定される。
また、試料台3の突起部3bが試料固定リング4の凹み部5bによって固定されるため、試料固定リング4の雌ねじ部5aを基台1の雄ねじ部1bに螺合させる際に、試料10は試料固定リング4及び試料台3と連動して回転するので、試料10と電極ネット6とが擦れて試料10の被分析表面が傷つくことを防止できる。
【0024】
次に、上述した試料ホルダ20に固定された試料10の分析方法の実施例を図5を用いて説明する。
図5は、本発明の試料ホルダに固定された試料の分析方法の実施例を説明するための模式的断面図である。
ここでは、走査型電子顕微鏡による表面分析を例に挙げて説明する。
【0025】
まず、上述した手順により試料10が固定された試料ホルダ20を走査型電子顕微鏡50のステージ51に固定する。ステージ51は接地されている。
次に、走査型電子顕微鏡50の電子銃52から、電子線を、電極ネット6の編み目開口部を通過させて試料10の被分析表面に照射する。この電子線の照射により、電子線が照射された試料10の被分析表面から2次電子が放出される。そして、この放出された2次電子を走査型電子顕微鏡50の検知部53で検知することによって、試料10の表面を分析する。
【0026】
本発明によれば、試料10の表面を分析する際、試料10の表面に蓄積された電荷を、この表面の被分析領域の近傍に接触する電極ネット6を通じて、試料固定リング4の枠部5,基台1,走査型電子顕微鏡50のステージ51の順に効率的に逃がすことができるので、導電性ペーストを塗布したり金コーティング処理を施したりすることなく、分析におけるハレーション等の悪影響を防止することができる。
【0027】
また、本発明によれば、表面に電極等の導電性部位を備えた絶縁材料からなる試料を分析する場合においても、導電性部位の被分析領域の近傍に接触する電極ネット6を通じて、導電性部位に蓄積された電荷を、試料固定リング4の枠部5,基台1,走査型電子顕微鏡50のステージ51の順に効率的に逃がすことができるので、導電性ペーストを塗布したり金コーティング処理を施したりすることなく、分析におけるハレーション等の悪影響を防止することができる。
【0028】
本発明の実施例は、上述した構成及び手順に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において変形例としてもよいのは言うまでもない。
【0029】
例えば、試料ホルダ20の基台1、ベアリング2、試料台3、及び試料固定リング4の各寸法は一例であり、実施例に限定されるものではない。
【0030】
また、試料ホルダ20の基台1、ベアリング2、試料台3、及び試料固定リング4の各形状についても実施例に限定されるものではなく、試料を電極ネットと試料台とで挟持して固定する構造であれば、実施例と同様の作用効果を得ることができる。
【0031】
また、実施例では、試料台3に突起部3bを、試料固定リング4に凹み部5cをそれぞれ設ける構成としたが、これに限定されるものではなく、実施例とは逆に、試料台3に凹み部5cを、試料固定リング4に突起部3bをそれぞれ設ける構成としてもよい。
【0032】
また、実施例(図1〜3参照)では、ベアリング2においてベアリングボール2aを環状に4つ配置したがこれに限定されるものではない。
【0033】
また、実施例では、試料の分析方法として走査型電子顕微鏡による表面分析を例に挙げたが、これに限定されるものではなく、例えば、X線分析、EPMA(Electron Probe Micro-Analysis)、オージェ電子顕微鏡等の分析においても実施例と同様の作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の試料ホルダの実施例を説明するための図である。
【図2】本発明の試料ホルダに試料を固定する固定方法の実施例を説明するための図である。
【図3】本発明の試料ホルダに試料を固定する固定方法の実施例を説明するための図である。
【図4】本発明の試料ホルダに試料を固定する固定方法の実施例を説明するための図である。
【図5】本発明の試料ホルダに固定された試料の分析方法の実施例を説明するための模式的断面図である。
【図6】一般的な試料ホルダ、試料ホルダに試料を固定する固定方法、及び試料ホルダに固定された試料の分析方法を説明するための斜視図である。
【符号の説明】
【0035】
1 基台、 1a,3a 溝部、 1b,5b ねじ部、 2 ベアリング、 2a ベアリングボール、 2b,5 枠部、 3 試料台、 3b 突起部、 4 試料固定リング、 5a 開口部、 5c 凹み部、 6 電極ネット、 20 試料ホルダ、 50 走査型電子顕微鏡、 51 ステージ、 52 電子銃、 53 検知部、 A1,A2,A3,A5,B1,B2,B3,C3, 面、
t1,t2b,t3,t5 厚さ、 R1,R2a 直径、 R1a,R3a 中心径、 R2b,R3,R5a 外径、 R5b 内径、 W1a,W3a 幅、
L3b,W3b,L5b,W5b 長さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料を固定するための試料ホルダであって、
前記試料が載置される試料台と、
前記試料台の前記試料が載置される側に設けられた導電性を有する網目状の電極ネットと、
前記電極ネットを前記試料台に接離可能とする接離手段と、
を有することを特徴とする試料ホルダ。
【請求項2】
試料を固定するための試料ホルダであって、
環状の第1の溝部が設けられた第1の面、及び、前記第1の面に直交し第1のねじ部が設けられた第2の面を有する基台と、
前記第1の面上に配置されて、前記第1の溝部が設けられた領域に対応する領域に複数のベアリングボールが回転自在に設けられたベアリングと、
前記ベアリング上に配置されて、前記ベアリングと対向して前記複数のベアリングボールが設けられた領域に対応する領域に環状の第2の溝部が設けられた第3の面、及び、前記第3の面上に位置し前記試料が載置される第4の面を有する試料台と、
前記試料台上に配置されて、開口部を備えた導電性を有する枠部と、前記開口部を覆うように前記枠部に固定された導電性を有する網目状の電極ネットとを有すると共に、前記枠部の内周面に前記第1のねじ部と螺合可能な第2のねじ部を有する試料固定リングと、
を備えてなる試料ホルダ。
【請求項3】
試料ホルダに試料を固定する固定方法であって、
前記試料ホルダを、前記試料が載置される試料台と、前記試料台の前記試料が載置される側に設けられた導電性を有する網目状の電極ネットと、前記電極ネットを前記試料台に接離可能とする接離手段とを備えた構成とし、
前記試料台に前記試料を載置する載置工程と、
前記載置工程後に、前記接離手段により前記電極ネットを前記試料台に接近させることによって、前記電極ネットと前記試料台とで前記試料を挟持して固定する試料固定工程と、
を有することを特徴とする試料ホルダに試料を固定する固定方法。
【請求項4】
試料ホルダに試料を固定する固定方法であって、
前記試料ホルダを、
環状の第1の溝部が設けられた第1の面、及び、前記第1の面に直交し第1のねじ部が設けられた第2の面を有する基台と、
前記第1の面上に配置されて、前記第1の溝部が設けられた領域に対応する領域に複数のベアリングボールが回転自在に設けられたベアリングと、
前記ベアリング上に配置されて、前記ベアリングと対向して前記複数のベアリングボールが設けられた領域に対応する領域に環状の第2の溝部が設けられた第3の面、及び、前記第3の面上に位置し前記試料が載置される第4の面を有する試料台と、
前記試料台上に配置されて、開口部を備えた導電性を有する枠部と、前記開口部を覆うように前記枠部に固定された導電性を有する網目状の電極ネットとを有すると共に、前記枠部の内周面に前記第1のねじ部と螺合可能な第2のねじ部を有する試料固定リングと、
を備えた構成とし、
前記基台上に、前記ベアリングと前記試料台とを、前記複数のベアリングボールが前記第1の溝部と前記第2の溝部とで挟持されるように順次載置する第1の載置工程と、
前記第1の載置工程後に、前記試料台上に前記試料を載置する第2の載置工程と、
前記第2の載置工程後に、前記試料固定リングを、前記試料が載置された側から前記第2のねじ部を前記第1のねじ部に螺合させて前記電極ネットを前記試料台に接近させることよって前記電極ネットと前記試料台とで前記試料を挟持して固定する試料固定工程と、
を有することを特徴とする試料ホルダに試料を固定する固定方法。
【請求項5】
前記試料固定工程において、前記第2のねじ部を前記第1のねじ部に螺合させる際に、前記試料台と前記電極ネットとを連動させながら前記電極ネットを前記試料台に接近させることを特徴とする請求項3または請求項4記載の試料ホルダに試料を固定する固定方法。
【請求項6】
試料ホルダに固定された試料の分析方法であって、
請求項3乃至請求項5のいずれか1項に記載の前記試料固定工程後に、前記試料における前記電極ネットの網目開口部に対応する領域を分析することを特徴とする試料ホルダに固定された試料の分析方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−157848(P2008−157848A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−349145(P2006−349145)
【出願日】平成18年12月26日(2006.12.26)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】