説明

試験環境装置および試験環境システム

【課題】あたかも携帯電話端末などの無線通信機器が実際に使用される場所で試験が実際的に行われるような環境を提供する。
【解決手段】通信網に接続されると共に、無線通信機器に対する基地局信号を発生する複数個の基地局信号発生手段11〜13と、これら複数個の基地局信号発生手段に制御信号を供給する制御手段30とを備える試験環境装置である。試験環境装置は、固定された位置において無線通信機器における試験を行う。制御手段30は、予め定められた地図上の移動経路を試験対象の無線通信機器50が移動すると仮定したときに、その移動経路上の各位置において無線通信機器50が受信可能な複数の基地局からの基地局信号を、無線通信機器50が実際上受信するものと同等となるように、複数個の基地局信号発生手段11〜13からの基地局信号の送信出力を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば携帯電話端末などの無線通信機器を試験するための試験環境装置および試験環境システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、携帯電話端末の基本的な送受機能の試験は、例えば特許文献1(特開2009−218998号公報)に示されるように、工場内において発呼シーケンスおよび着呼シーケンスを回線シミュレータなどを用いて実行させることができる。しかし、この種の試験装置では、実際の受信環境における複数の基地局からの基地局信号を切り替えたりしながらの送受信の試験はできない。
【0003】
そこで、従来から、実際に、携帯電話端末を携帯した作業者が、所定の移動経路を移動しながら、通信を行って試験を実行することが行われていた。特に、携帯電話端末の現在位置に基づいて、現在位置周辺地図を表示したり、現在位置周辺施設情報を表示したりするアプリケーションプログラムの試験は、上述のように作業者が実際に移動を行いながらアプリケーションを実行して動作確認することが行われていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−218998号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、日本で使用される携帯電話端末の最終的な性能試験や、当該携帯電話端末に搭載される上記のようなアプリケーションプログラムの動作試験は、日本の携帯電話の通信事業者からの電波が海外では受信できないので、海外で行うことはできなかった。このため、例えば、日本で使用される携帯電話端末が海外で生産される場合であっても、完成品の最終的な性能試験や完成品に搭載されるアプリケーションプログラムの動作試験は、わざわざ日本に持ってきて行う必要がある。
【0006】
逆に、海外で使用される携帯電話端末を日本で生産する場合にも、上記のような試験は、海外の通信事業者からの電波を受信できない日本で行うことはできず、完成品を、使用する海外に持っていって試験を行う必要があった。
【0007】
この発明は、以上の点にかんがみ、あたかも携帯電話端末などの無線通信機器が実際に使用される場所で試験が実際的に行われるような環境を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、
通信網に接続されると共に、無線通信機器に対する基地局信号を発生する複数個の基地局信号発生手段と、
前記複数個の基地局信号発生手段に制御信号を供給する制御手段と、
を備え、固定された位置において前記無線通信機器における試験を行う試験環境装置であって、
前記制御手段は、
予め定められた地図上の移動経路を前記無線通信機器が移動すると仮定したときに、前記移動経路上の各位置において前記無線通信機器が受信可能な複数の基地局からの基地局信号を、前記無線通信機器が実際上受信するものと同等となるように、前記複数個の基地局信号発生手段からの前記基地局信号の送信出力を制御する基地局信号制御手段を備える試験環境装置を提供する。
【0009】
上述の構成の試験環境装置においては、固定された位置に在る無線通信機器に対して、複数個の基地局信号発生手段からの基地局信号が供給される。そして、それら複数個の基地局信号発生手段からの基地局信号は、予め定められた地図上の移動経路を無線通信機器が移動すると仮定したときに、移動経路上の各位置において無線通信機器が受信可能な複数の基地局からの基地局信号と同等となるように、制御手段により制御されている。
【0010】
したがって、試験対象の無線通信機器は、固定された位置に在っても、実際に移動経路上を移動しているときに基地局から送信される基地局信号を受信するのと同等となる。すなわち、請求項1の発明による試験環境装置によれば、試験対象の無線通信機器は、任意の場所において、特定の地図上の移動経路を移動したときの基地局信号を受信することができるようになり、あたかも、前記特定の地図上を移動したときの試験が可能になる。
【0011】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の試験環境装置において、
測位用衛星からの測位用電波と同等の測位用電波を発生する機能を有する複数個の測位用電波発生手段をさらに備え、
前記制御手段は、
予め定められた地図上の移動経路を前記無線通信機器が移動すると仮定したときに、前記移動経路上の各位置において前記無線通信機器が受信可能な複数の測位用衛星からの測位用電波を、前記無線通信機器が実際上受信するものと同等となるように、前記複数個の測位用電波発生手段からの前記測位用電波の送信信号を制御する測位用電波制御手段を備える
ことを特徴とする。
【0012】
この請求項2の発明においては、複数個の測位用電波発生手段からの、測位用衛星からの測位用電波と同等の測位用電波が無線通信危機に供給される。そして、それら複数個の測位用電波発生手段からの測位用電波は、予め定められた地図上の移動経路を無線通信機器が移動すると仮定したときに、移動経路上の各位置において無線通信機器が受信可能な複数の測位用衛星からの測位用電波と同等となるように、制御手段により制御されている。
【0013】
したがって、試験対象の無線通信機器は、固定された位置に在っても、実際に移動経路上を移動しているときに測位用衛星から送信される測位用電波を受信するのと同等の状態となる。すなわち、請求項2の発明による試験環境装置によれば、試験対象の無線通信機器は、任意の場所において、特定の地図上の移動経路を移動したときの測位用電波を受信することができるようになる。
【0014】
このため、測位用電波を受信して現在位置を検出する機能を備えると共に、検出された現在位置に情報に関連する所定の処理機能を実行するアプリケーションプログラムを搭載している試験対象の無線通信機器において、任意の場所において、前記アプリケーションプログラムの動作試験を行うことができる。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、あたかも無線通信機器が実際に使用される場所で試験が実際的に行われるような環境を提供することができる。したがって、日本で使用される無線通信機器を、海外で生産して最終試験までをすることができ、逆に、海外で使用される無線通信機器を、日本で生産して最終試験までをすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明による試験環境装置の実施形態の説明するためのシステム構成図である。
【図2】実施形態の試験環境装置を構成する基地局信号発生手段の一例の構成を示すブロック図である。
【図3】実施形態の試験環境装置を構成するGPS電波発生器の一例の構成を示すブロック図である。
【図4】実施形態の試験環境装置を構成する制御用パソコンの一例の構成を示すブロック図である。
【図5】実施形態の試験環境装置で実行される試験スケジュールの一例を説明するために用いる図である。
【図6】実施形態の試験環境装置を構成する制御用パソコンの処理動作の一例を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。
【図7】実施形態の試験環境装置を構成する制御用パソコンの処理動作の一例を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明による試験環境装置および試験環境システムの実施形態を、図を参照しながら説明する。図1は、この発明による試験環境装置を含む試験環境システムの実施形態の全体の構成を示すブロック図である。
【0018】
図1において、点線で囲んで示すのは、試験環境室10であり、これは例えば地下室など、この実施形態で必要とする電波が他の電波と干渉しない空間である。
【0019】
この実施形態では、この試験環境室10には、フェムトセル基地局11,12,13と、GPS(Global Positioning System)電波発生器21,22,23,24と、制御用パーソナルコンピュータ(以下、パソコンと略称する)30と、試験結果収集装置40とからなる試験環境装置が設けられる。そして、この例においては、この試験環境室10には、試験対象の無線通信機器の例として、携帯電話端末50が設けられる。
【0020】
この例の試験対象の携帯電話端末50は、測位用電波(以下、GPS電波という)の受信アンテナ(図示を省略)を備え、受信したGPS電波から自端末の現在位置を測位する機能を備える。また、この実施形態の携帯電話端末50は、受信したGPS電波から測位した自端末の現在位置を、基地局から受信した情報を用いて、より精度良く補正する機能も備える。
【0021】
また、この実施形態の携帯電話端末50は、GPS電波を用いる測位については、A−GPS方式を採用しており、基地局を通じてGPS測位のためのアルマナックデータを得るようにしている。
【0022】
さらに、この実施形態の携帯電話端末50は、検出した自端末の現在位置情報を、後述するサービスサーバ63に送り、このサービスサーバ63から、前記現在位置情報に関連するサービス情報を取得することができる機能を備えている。携帯電話端末50は、この現在位置情報に関連するサービス情報を取得することができる機能を実現するためのアプリケーションプログラムを搭載している。
【0023】
また、さらに、この実施形態では、携帯電話端末50は、GPS電波のみから測位するのではなく、基地局からの基地局信号をも用いて、より詳細な現在位置の測位を可能にしている。携帯電話端末50は、GPS衛星からの測位用電波が全く受信できない場合には、3個の基地局からの信号を受信して、自端末の位置を知ることができる。
【0024】
フェムトセル基地局11,12,13は、基地局信号発生手段または基地局信号発生装置の例であり、試験対象機器である携帯電話端末50に基地局信号を送信する。これらフェムトセル基地局11,12,13は、通信ネットワーク61の例えば光インターネット(ブロードバンド回線)に接続される。
【0025】
後述するように、この実施形態では、試験対象の携帯電話端末50が、地図上に設定された移動経路を実際に移動したときと同様の試験環境を、試験環境室10に生成して、試験を実行するようにする。フェムトセル基地局11,12,13は、携帯電話端末50の試験の際には、あたかも、当該携帯電話端末50が地図上に設定された移動経路を実際に移動したときに受信できる基地局の振る舞いをするように、制御用パソコン30により制御される。
【0026】
通信ネットワーク61には、試験用位置管理サーバ62が接続され、この試験用位置管理サーバ62にはサービスサーバ63が接続されている。また、制御用パソコン30は、通信ネットワーク61を通じて試験用位置管理サーバ62にアクセスすることができるように構成されている。
【0027】
通常の位置管理サーバは、中継局などに設けられ、各基地局の番号、各基地局の設置位置の緯度および経度などを管理すると共に、基地局から送られてくる携帯電話端末の端末識別情報や当該携帯電話端末からの電波の受信電界強度の情報から、携帯電話端末の位置を三角測量の手法を用いて算出して管理する機能を備える。また、位置管理サーバは、算出した携帯電話端末の位置情報を、当該携帯電話端末に送ったり、さらに、その位置情報から、各携帯電話端末に必要なアルマナックデータを、それぞれの携帯電話端末に送ったりする機能も備える。
【0028】
試験用位置管理サーバ62は、試験用の基地局となるフェムトセル基地局11,12,13に対して、通常の位置管理サーバと同様の働きをする。そのために、試験用位置管理サーバ62には、試験用の基地局となるフェムトセル基地局11,12,13の識別情報と、携帯電話端末50の端末識別情報とが予め位置管理サーバ62に登録されている。また、試験用位置管理サーバ62は、制御用パソコン30からのアクセスを試験用のアクセスとして認識するようにする。
【0029】
そして、この例の試験用位置管理サーバ62は、制御用パソコン30からの、通信ネットワーク61を通じた位置情報(緯度、経度)を伴う基地局の情報の問い合わせに対して、当該位置情報で特定される位置で受信可能な基地局の番号、当該基地局の設置位置の緯度および経度を返信応答する機能を備える。
【0030】
制御用パソコン30は、後述するように、この試験用位置管理サーバ62から受け取った基地局番号をフェムトセル基地局11,12,13に設定すると共に、受け取った各基地局の設置位置情報から、フェムトセル基地局11,12,13に供給する基地局制御信号を生成するようにする。
【0031】
この試験用位置管理サーバ62は、通常の位置管理サーバとは別個に独立して設けて良いし、通常の位置管理サーバに、付加機能として設けるようにしても良い。
【0032】
サービスサーバ63は、この試験用位置管理サーバ62に接続されている。サービスサーバ63は、通信ネットワーク61および試験用位置管理サーバ62を通じて、携帯電話端末50から、位置情報と当該位置情報で示される位置においてユーザが欲する情報の指定情報とを受け取ると、受け取った位置情報に関連して、ユーザが指定した情報を、データベースから検索して、携帯電話端末50に提供する。
【0033】
サービスサーバ63は、例えば、携帯電話端末から位置情報と、その位置付近の地図情報の要求を受け取ると、受け取った位置情報で特定される位置を中心とした地図情報を、データベースから検索して生成し、携帯電話端末に提供する。また、ユーザが、携帯電話端末から、位置情報と、レストランなどの飲食店についてのその位置周辺の情報を要求すると、サービスサーバ63は、受け取った位置情報で特定される位置周辺の飲食店情報をデータベースから検索し、地図上にそれらの飲食店を表示したデータを生成して、携帯電話端末に提供する。
【0034】
そして、この実施形態では、フェムトセル基地局11,12,13は、制御用パソコン30に、例えばケーブルを通じて有線接続されている。フェムトセル基地局11,12,13と制御用パソコン30とは無線接続するようにしても良い。
【0035】
この例のフェムトセル基地局11,12,13のそれぞれは、制御用パソコン30からの制御信号を受けて、それぞれが発生する基地局信号の送信電力を制御する構成を備える。また、この例においては、フェムトセル基地局11,12,13は、制御用パソコン30からの制御信号により、自局の識別子(基地局ID(Identification))を切り替えることが可能である。
【0036】
また、この実施形態では、フェムトセル基地局11,12,13のそれぞれは、試験の実行に際しては、試験用位置管理サーバ62からのアルマナックデータを受けて、基地局信号に含めて携帯電話端末50に供給するようにする。制御用パソコン30は、試験に際して、地図上の携帯電話端末50の位置の情報を、試験用位置管理サーバ62に通信ネットワーク61を通じて送る。試験用位置管理サーバ62は、受信した位置情報に基づいて必要なアルマナックデータを生成し、フェムトセル基地局11,12,13を通じて、携帯電話端末50に送るようにする。
【0037】
図1の例では、3個のフェムトセル基地局11,12,13が、試験環境室10内に設けられるが、1個以上であれば、何個であっても良い。ただし、試験環境室10内にはフェムトセル基地局を複数個設けた方がよい。なぜなら、実際の携帯電話端末の受信環境においては、携帯電話端末の移動に伴い、複数個の基地局からの基地局信号を受信し、例えば基地局のハンドオーバー制御などをしたり、CDMA方式におけるレイク受信をしたりする必要があるためである。
【0038】
GPS電波発生器21,22,23,24のそれぞれは、測位用電波発生手段または測位用電波発生装置の例であり、測位用のGPS衛星からのGPS電波と同等のGPS電波を発生する。
【0039】
また、この実施形態では、GPS電波発生器21,22,23,24のそれぞれは、制御用パソコン30に、例えばケーブルを通じて接続されている。フェムトセル基地局11,12,13と制御用パソコン30とは無線接続するようにしても良い。
【0040】
この例のGPS電波発生器21,22,23,24は、それぞれ、制御用パソコン30からの制御信号を受けて、それぞれが発生するGPS電波の送信電力を制御する構成を備える。
【0041】
また、GPS電波発生器21,22,23,24は、それぞれ、制御用パソコン30からの制御信号により、自発生器の識別子(GPS衛星IDに相当)を切り替えることが可能である。また、GPS電波発生器21,22,23,24には、識別子の切り替えに応じて、制御用パソコン30から、航法メッセージデータ(航法情報)のうちの少なくともエフェメリスデータが供給される。
【0042】
図1の例では、4個のGPS電波発生器21,22,23,24が、試験環境室10内に設けられるが、これは、GPS電波から測位するためには、4個の衛星からのGPS電波が必要であるからである。したがって、試験環境室10内に設けるGPS電波発生器は、4個以上であれば、何個であっても良い。
【0043】
制御用パソコン30は、この実施形態の試験環境装置における携帯電話端末50の試験を行う際の全体の制御をするためのものである。この制御用パソコン30は、後述するように、試験対象の携帯電話端末50を使用したい国や地域の地図データを格納するメモリを有すると共に、その地図上での試験対象の携帯電話端末50の仮想的試験スケジュールの設定入力を受け付ける機能を備える。
【0044】
この実施形態では、携帯電話端末50が備える、現在位置情報に関連するサービス情報を取得することができる機能を実現するためのアプリケーションプログラムが、正しく動作するか否かの試験を行うものとし、そのための、仮想的試験スケジュールを設定する。
【0045】
この仮想的試験スケジュールには、試験対象の携帯電話端末50が、地図上で仮想的に移動する移動経路および移動速度の設定入力と、幾つかの地図上位置で停止して、サービスサーバ63にアクセスして、サービスを受ける設定入力とを含む。
【0046】
制御用パソコン30は、設定入力された仮想的試験スケジュールに基づいて、地図上を試験対象の携帯電話端末50を仮想的に移動させる。そして、制御用パソコン30は、この仮想的試験スケジュールに基づいて、フェムトセル基地局11,12,13およびGPS電波発生器21,22,23,24を制御することにより、あたかも、地図上の場所で携帯電話端末50を実際に移動させて試験をした場合と同様の試験ができるようにする。
【0047】
地図上の位置に対応する実際の位置に携帯電話端末50が存在する場合には、携帯電話端末50は当該位置において通信可能な1または複数の基地局からの基地局信号を受信する。そして、携帯電話端末50が受信する基地局信号の受信電界強度は、携帯電話端末50と基地局との間の距離に応じたものとなる。
【0048】
この実施形態では、この携帯電話端末50と、実際上の複数の基地局との関係を、携帯電話端末50とフェムトセル基地局11,12,13で代替表現するようにする。すなわち、地図上位置に対応する実際位置において受信可能な基地局の基地局ID(基地局番号)を、制御用パソコン30が、フェムトセル基地局11,12,13に割り当てる。そして、地図上位置に対応する実際位置における携帯電話端末50と基地局との距離に応じた受信電界強度は、制御用パソコン30が、フェムトセル基地局11,12,13からの基地局信号の送信電力を制御することで仮想的に得られるようにする。
【0049】
そして、設定入力された仮想的試験スケジュールに基づいて、地図上を試験対象の携帯電話端末50を仮想的に移動させる際には、その移動に応じて、制御用パソコン30は、フェムトセル基地局11,12,13の基地局IDを選択切替しながら、それぞれの基地局信号の送信電力を制御するようにする。
【0050】
この実施形態では、フェムトセル基地局11,12,13は、試験対象の携帯電話端末50に対して互いに異なる方向に、携帯電話端末50からそれぞれ、予め定められた基準距離だけ離れて配置される。このようにフェムトセル基地局11,12,13のそれぞれと携帯電話端末50との離隔距離を基準の等距離とするのは、制御用パソコン30によるフェムトセル基地局11,12,13の送信電力制御を容易にするためである。
【0051】
なお、携帯電話端末50とフェムトセル基地局11,12,13のそれぞれとの距離が予め分かっている場合には、それらの距離を参照して、フェムトセル基地局11,12,13の送信電力制御をすることは可能であるので、フェムトセル基地局11,12,13のそれぞれと携帯電話端末50との離隔距離を基準の等距離とすることは必須ではない。
【0052】
以上は、設定入力された仮想的試験スケジュールに基づいて地図上を試験対象の携帯電話端末50を仮想的に移動させる場合における、携帯電話端末50と、基地局との関係について考察したが、測位用衛星からのGPS電波についても、制御用パソコン30と、GPS電波発生器21,22,23,24を用いることにより、同様にできる。
【0053】
すなわち、地図上の位置に対応する実際の位置に携帯電話端末50が存在する場合には、携帯電話端末50は当該位置において受信可能な1または複数のGPS衛星からのGPS電波を受信して測位を実行する。このとき、携帯電話端末50が受信するGPS電波の受信電界強度は、携帯電話端末50と衛星との間の距離に応じたものとなる。
【0054】
この実施形態では、この携帯電話端末50と、実際上の複数の測位用衛星との関係を、携帯電話端末50とGPS電波発生器21,22,23,24で代替表現するようにする。すなわち、制御用パソコン30は、地図上位置に対応する実際位置において受信可能な測位用衛星IDを、GPS電波発生器21,22,23,24に割り当てる。そして、地図上位置に対応する実際位置における携帯電話端末50と測位用衛星との距離に応じた受信電界強度は、制御用パソコン30が、GPS電波発生器21,22,23,24からのGPS電波の送信電力を制御することで仮想的に得られるようにする。
【0055】
そして、制御用パソコン30は、GPS電波発生器21,22,23,24についても、地図上における試験対象の携帯電話端末50の仮想的移動に応じて、GPS電波発生器の識別子(測位用衛星IDに相当)を選択切替しながら、それぞれのGPS電波の送信電力を制御するようにする。
【0056】
なお、GPS電波発生器21,22,23,24は、この実施形態では、試験対象の携帯電話端末50に対して互いに異なる方向に、携帯電話端末50からそれぞれ、予め定められた所定の基準距離だけ離れて配置される。この基準距離は、フェムトセル基地局11,12,13の場合と同じであっても良いし、異なっても良い。このようにGPS電波発生器21,22,23,24のそれぞれと携帯電話端末50との離隔距離を基準の等距離とするのは、GPS電波発生器21,22,23,24の送信電力制御を容易にするためである。
【0057】
以上のような構成および制御により、この実施形態の試験環境装置においては、携帯電話端末50が、地図上の位置に現実には存在していなくても、その地図上位置を測位結果として得るようにすることができる。換言すれば、携帯電話端末50の送受信機能や、GPS電波および基地局信号を用いた測位演算機能が正しく動作していれば、試験スケジュールで定めた位置が、測位結果として得られ、もしも、携帯電話端末50に不具合があれば、所期の測位結果が得られない。よって、この実施形態の試験環境装置によれば、携帯電話端末50が、地図上の位置に現実には存在していなくても、その地図上位置で試験を実施したのと同等の結果が得られ、携帯電話端末50の性能試験が可能となる。
【0058】
そして、この実施形態では、フェムトセル基地局11,12,13は、ブロードバンド回線を介してインターネットに接続されているので、携帯電話端末50から、測位結果の地図上位置情報をサービスサーバ63に送ることにより、サービスサーバ63から、現在位置に関連するサービス、例えば現在位置周辺地図の提供や周辺施設の案内などのサービスを受けることが可能となっている。
【0059】
換言すれば、携帯電話端末50に搭載されているアプリケーションプログラムが所期の通りに動作する場合には、携帯電話端末50は、正しい現在位置に関連する所期のサービス情報の提供を、サービスサーバ63から得られるはずである。これに対して、もしも、アプリケーションプログラムに不具合があれば、携帯電話端末50は所期のサービス情報を取得することができない。
【0060】
こうして、この実施形態の試験環境装置によれば、携帯電話端末50が、地図上の位置に現実には存在していなくても、その地図上位置で、アプリケーションプログラムの試験を実施したのと同等の結果が得られる。
【0061】
試験結果収集装置40は、携帯電話端末50のデータ出力端子に接続され、上述した試験の実施時における携帯電話端末50における処理結果のデータを、受信して、格納する。この試験結果収集装置40は、試験スケジュールの通りに正しく動作したときの携帯電話端末50の処理結果のデータを、比較用理想データとして備えており、その比較用理想データと、試験時の処理結果のデータとを比較することができる。
【0062】
例えば、試験結果収集装置40は、試験スケジュールにより設定された地図上の位置情報を格納している。そして、試験結果収集装置40は、当該地図上の位置情報で示される位置に仮想的に存在するときの携帯電話端末50からの測位位置情報を試験結果として取得して、両者を比較表示するようにする。これにより、前述した携帯電話端末50の性能評価試験ができる。
【0063】
また、試験結果収集装置40は、試験スケジュールにより設定された地図上の位置に関連するサービス情報を、サービスサーバ63から取得して保持している。そして、当該地図上の位置情報で示される位置に仮想的に存在するときに携帯電話端末50がサービスサーバ63から取得したサービス情報を試験結果として取得し、両者を比較表示するようにする。これにより、前述した携帯電話端末50に搭載されたアプリケーションプログラムの評価試験ができる。
【0064】
次に、フェムトセル基地局11,12,13、GPS電波発生器21,22,23,24および制御用パソコン30の具体的ハードウエア構成例について説明する。
【0065】
[フェムトセル基地局のハードウエア構成例]
図2に、この実施形態のフェムトセル基地局11,12,13のハードウエア構成例を示す。フェムトセル基地局11,12,13は、同一の構成を有するので、この図2ではフェムトセル基地局11の構成を代表として示す。
【0066】
フェムトセル基地局11は、制御部110と、ブロードバンド回線インターフェース111と、送信信号生成部112と、受信信号処理部113と、送信アンプ114と、受信アンプ115と、アンテナ分配回路116と、送受信アンテナ11Aとからなる。送信アンプ114は、制御用パソコン30からの送信電力制御信号に基づく制御部110からの利得制御信号により利得制御されて、送信信号の送信電力を制御することが可能な構成とされている。
【0067】
制御部110は、ブロードバンド回線インターフェース111、送信信号生成部112、受信信号処理部113、送信アンプ114、の各部に接続されている。また、制御部110は、制御用パソコン30と接続されており、制御用パソコン30から制御信号を受けると共に、この実施形態では、A−GPS用のアルマナックデータを受ける。
【0068】
携帯電話端末50の待ち受け受信時には、送信信号生成部112で生成された基地局信号が、送信アンプ114を通じ、アンテナ分配回路116を通じて送受信アンテナ11Aから送信される。このとき制御部110は、制御用パソコン30から送られてくる基地局ID(基地局番号)を送信する基地局信号に含める。
【0069】
また、制御部110は、制御用パソコン30から送られてくる送信アンプ114の送信電力制御信号に基づいて、送信アンプ114を利得制御して、基地局信号の送信電力を制御する。この送信電力の制御は、フェムトセル基地局11からの基地局信号の携帯電話端末50での受信電界強度が、携帯電話端末50が地図上の所定の位置に実際に在るときに、実際上の基地局からの基地局信号を受信したときと同じ受信電界強度となるようにするためのものである。
【0070】
また、アンテナ11Aで受信した携帯電話端末50からの受信信号は、アンテナ分配回路116および受信アンプ115を通じて受信信号処理部113に供給される。受信信号処理部113は、制御部110の制御の下に、呼制御メッセージについては制御部110に送り、通話音声データやサービスサイトへのアクセスデータは、ブロードバンド回線インターフェース111を通じて通信網に送出する。
【0071】
以上のことから判るように、制御用パソコン30からの送信電力制御信号および基地局IDを受けることにより、フェムトセル基地局11,12,13のそれぞれは、いずれの基地局の代替にもなることができる。
【0072】
[GPS電波発生器のハードウエア構成例]
図3に、この実施形態のGPS電波発生器21,22,23,24のハードウエア構成例を示す。GPS電波発生器21,22,23,24は、同一の構成を有するので、この図3ではGPS電波発生器21の構成を代表として示す。
【0073】
GPS電波発生器21は、制御部210と、原子時計部211と、送信信号生成部212と、航法メッセージメモリ213と、スペクトラム拡散信号生成部214と、拡散符号発生部215と、送信アンプ216とからなる。送信アンプ216は、制御部210からの利得制御信号により利得制御されて、送信信号の送信電力を制御することが可能な構成とされている。
【0074】
制御部210は、制御用パソコン30と接続されており、制御用パソコン30から、この実施形態では、GPS衛星IDや、拡散符号切り替え信号や、送信電力制御信号を受けると共に、アルマナックデータおよびエフェメリスデータを受ける。制御部210は、制御用パソコン30から受信したアルマナックデータおよびエフェメリスデータを航法メッセージメモリ213に格納する。
【0075】
GPS衛星IDは、制御部210から送信信号生成部212に送られる。また、拡散符号切り替え信号は、拡散符号発生部215に供給される。この実施形態では、拡散符号発生部215は、現在、打ち上げられている測位用GPS衛星のそれぞれで使用されている拡散符号の全てを発生可能であり、拡散符号切り替え信号により、いずれの拡散符号を発生するかが決定される。
【0076】
原子時計部211は、基準となる時刻情報を発生するもので、その時刻情報を送信信号生成部212に供給する。
【0077】
送信信号生成部212は、原子時計部211からの時刻情報と、航法メッセージメモリ213からの航法メッセージデータと、制御部210からのGPS衛星IDとから、送信信号を生成し、スペクトラム拡散信号生成部214に供給する。
【0078】
スペクトラム拡散信号生成部214は、拡散符号発生部215からの拡散符号により送信信号生成部212からの送信信号をスペクトラム拡散して、測位用信号を生成する。そして、スペクトラム拡散信号生成部214は、生成した測位用信号を送信アンプ216を通じ、アンテナ30Aを通じて、GPS電波として送信する。
【0079】
前述したように、このとき、送信アンプ216は、制御部210が受信した制御用パソコン30からの送信電力制御信号に基づく制御部210からの利得制御信号により利得制御される。この送信電力の制御は、GPS電波発生器21からのGPS電波の携帯電話端末50での受信電界強度が、携帯電話端末50が地図上の所定の位置に実際に在るときに、実際上のGPS衛星からのGPS電波を受信したときと同じ受信電界強度となるようにするためのものである。
【0080】
以上のことから判るように、制御用パソコン30からの送信電力制御信号およびGPS衛星ID、拡散符号切り替え信号、エフェリメスデータを含む航法メッセージを受けることにより、GPS電波発生部21,22,23,24のそれぞれは、いずれのGPS衛星からのGPS電波をも発生可能である。
【0081】
[制御用パソコン30のハードウエア構成例]
図4に、この実施形態の制御用パソコン30のハードウエア構成例を示す。この例においては、制御用パソコン30は、システムバス300に対してCPU(Central Processing Unit)301と、プログラム等を格納するROM(Read Only Memory)302と、ワークエリアとして働くRAM(Random Access Memory)303とが接続される。
【0082】
また、この例では、システムバス300には、操作部インターフェース304と、ディスプレイインターフェース305と、I/Oポート306および307が接続される。操作部インターフェース204には、マウスやキーボードなどを含む操作部308が接続される。ディスプレイインターフェース305には、LCD(Liquid Crystal Display)などからなるディスプレイ309が接続されている。また、I/Oポート306には、フェムトセル基地局11,12,13が、それぞれ独立に入出力することができる状態で接続されている。さらに、I/Oポート307には、GPS電波発生器21,22,23,24が、それぞれ独立に入出力することができる状態で接続されている。
【0083】
さらに、また、この例の制御用パソコン30は、地図データメモリ310と、基地局情報記憶部311と、GPS衛星情報記憶部312と、基地局制御信号生成部313と、GPS電波発生器制御信号生成部314と、試験スケジュールデータ格納部315と、通信インターフェース316とが接続されている。
【0084】
CPU301は、この制御用パソコン30の全体の動作を制御するものである。ROM302には、この制御用パソコンにおける各種制御処理を実行するためのプログラムの他、前述した現在位置に関連するサービスの提供をサービスサーバ63から取得するためのアプリケーションプログラムが記憶されている。CPU301は、RAM303をワークエリア用のメモリとして用いて、このROM302に格納されているプログラムにしたがった処理を実行する。
【0085】
操作部インターフェース304は、操作部インターフェース304は、操作部308を通じた操作入力に応じた操作データをシステムバス300に入力する。CPU301は、操作部インターフェース304からの操作データを常に監視して、操作データがシステムバス300に現れたときには、それを解析して、いずれの操作がなされたかを検出し、その検出結果に応じた処理を実行する。
【0086】
ディスプレイインターフェース305は、CPU301の制御にしたがって、ディスプレイ309に、地図データメモリ310に格納されている地図データに基づく地図画像や、サービスサーバ63から取得した周辺検索結果などを表示する。
【0087】
地図データメモリ310は、試験対象である携帯電話端末50の使用を実際に予定している国や地域の地図データを格納している。この地図データに基づく地図上で、携帯電話端末50を仮想的に移動することにより、携帯電話端末50の試験を行う。
【0088】
基地局情報記憶部311は、地図データメモリ310に格納されている地図データに関連して、試験対象である携帯電話端末50を使用する国や地域に設置されている基地局の基地局の番号(基地局ID)、設置位置、などを記憶している。この基地局情報記憶部311の記憶情報は、この例では、試験用位置管理サーバ62から事前に取得されて格納されている。
【0089】
GPS衛星情報記憶部312は、アルマナックデータおよびエフェリメスデータから、地図上の各位置において、どのGPS衛星からのGPS電波を受信できるかのデータを記憶する。記憶データとしては、各位置に対応付けて、その位置でGPS電波を受信できるGPS衛星のID、当該GPS衛星までの距離、当該GPS衛星が持つエフェリメスデータ、当該GPS衛星が使用する拡散符号の識別子などからなる。
【0090】
基地局制御信号生成部313は、試験対象の携帯電話端末50を地図上で仮想的に移動させたときに、CPU301の制御に基づいて、移動中の各地図上位置におけるフェムトセル基地局11,12,13のそれぞれに対する基地局制御信号を生成する。CPU301は、この基地局制御信号生成部313で生成された基地局制御信号を、I/Oポート306を通じて、フェムトセル基地局11,12,13のそれぞれに供給する。
【0091】
GPS電波発生器制御信号生成部314は、試験対象の携帯電話端末50を地図上で仮想的に移動させたときに、CPU301の制御に基づいて、移動中の各地図上位置におけるGPS電波発生器21,22,23,24のそれぞれに対するGPS電波発生器制御信号を生成する。CPU301は、このGPS電波発生器制御信号生成部314で生成されたGPS電波発生器制御信号を、I/Oポート307を通じて、GPS電波発生器21,22,23,24のそれぞれに供給する。
【0092】
試験スケジュールデータ格納部315は、オペレータにより設定された試験スケジュールデータを格納保持する。
【0093】
なお、図4において、基地局制御信号生成部313と、GPS電波発生器制御信号生成部314は、CPU301が、ROM302のプログラムにしたがって実行するソフトウエア処理機能部として構成することもできる。
【0094】
通信インターフェース316は、通信ネットワーク61に接続されており、基地局情報を取得したりするために試験用位置管理サーバ62にアクセスする際に用いられる。
【0095】
[試験スケジュールの設定について]
試験スケジュールの設定方法について説明する。
オペレータは、操作部308を通じて、携帯電話端末50を実際に使用しようとする国の特定の地域を、試験を行おうとする国の特定の地域として指定入力する。すると、CPU301は、指定された国の特定の地域の地図データを地図データメモリ310から取得して、当該指定された国の特定の地域の地図画像を、例えば図5に示すように、ディスプレイ309に表示する。
【0096】
次に、オペレータは、操作部308のマウスなどにより、このディスプレイ309に表示された地図画像上で、試験対象の携帯電話端末50を仮想的に移動させる移動経路を、図5において太線で示すように、指定入力する。また、オペレータは、操作部308を通じて、移動経路上において、携帯電話端末50を一旦停止させて、サービスサーバ63にアクセスしてサービスを受ける位置を指定入力する。
【0097】
図5において、Stは移動経路のスタート地点、Edは移動経路の終了地点であり、T1〜T8のそれぞれは、携帯電話端末50を一旦停止させて、サービスサーバ63にアクセスしてサービスを受けるアクセス実行地点を示している。
【0098】
以上のようにして、オペレータにより設定された試験を仮想的に行う地域の地図情報および移動経路、アクセス実行地点の位置情報が、試験スケジュールデータ格納部315に格納される。オペレータにより設定された試験スケジュールデータが複数存在する場合には、試験スケジュールデータ格納部315には、試験スケジュールデータのそれぞれに識別ファイル名などが付与されて、格納される。試験スケジュールデータは、同じ地図上で異なる移動経路を設定した場合にも、別のものとして、試験スケジュールデータ格納部315に格納される。
【0099】
試験を行うに際しては、オペレータは、試験スケジュールデータ格納部315に格納されている複数の試験スケジュールデータの一覧から、試験を実際に行おうとする試験スケジュールデータを選択指定することができる。
【0100】
移動経路の設定が終了したら、制御用パソコン30は、通信インターフェース316を通じ、通信ネットワーク61を通じて試験用位置管理サーバ62にアクセスする。そして、制御用パソコンは、設定した移動経路上の所定距離間隔毎の地点の位置情報(緯度および経度)を、試験用位置管理サーバ62に送って、基地局情報の取得を要求する。この基地局情報の取得要求を受けた試験用位置管理サーバ62は、受け取った位置情報の地点で受信可能な基地局の基地局ID(基地局番号)と、その位置情報(緯度および経度)とを検索して、制御用パソコン30に送信する。
【0101】
制御用パソコン30は、この基地局ID(基地局番号)およびその位置情報からなる基地局情報を受け取ると、その移動経路が設定された試験スケジュールデータの識別ファイル名と、その移動経路の各地点の位置情報とに関連付けて、その基地局情報を、基地局情報記憶部311に格納する。
【0102】
これにより、試験スケジュールを実行したときに、携帯電話端末50の移動経路上の位置が確定すると、その位置情報(緯度、経度)により基地局情報記憶部311を参照することにより、当該位置において、試験対象の携帯電話端末50と通信可能となる基地局が判定できる。ちなみに、図5において、丸印で示したのは、基地局が設置されている位置である。実際の地図上には、この基地局の設置位置は表示されていても良いし、表示されていなくても良い。
【0103】
同様に、移動経路上の位置が確定すると、その位置情報によりGPS衛星情報記憶部312を参照することにより、当該位置において、受信可能となるGPS衛星を判定することができる。
【0104】
なお、地図上の仮想移動経路を携帯電話端末50が移動する際に、基地局信号を受信可能となる基地局の個数は、図5に示したように、多数個となる。この多数個の基地局の数だけ、フェムトセル基地局を設けて、試験環境装置を構成するようにすれば、それらのフェムトセル基地局の送信電力を携帯電話端末50があたかも実際に設置されている基地局から送信されているように制御すれば良い。
【0105】
しかしながら、携帯電話端末50の地図上での移動の際に必要とする基地局の全数分だけ、フェムトセル基地局を設ける場合には、多数個のフェムトセル基地局を用意しなければならない。それでは、試験環境装置の構成が大規模になると共に、コスト高となる。
【0106】
ところで、地図上における携帯電話端末50が基地局信号を受信可能となる基地局の数は、例えば3個程度と限られている。そして、携帯電話端末50が移動するにしたがって、携帯電話端末50が受信可能となる基地局信号を発生する基地局が変わってゆく。
【0107】
そこで、この実施形態の試験環境装置では、必要最小限の数、例えば3個のフェムトセル基地局11,12,13を設ける。そして、地図上位置における携帯電話端末50が基地局信号を受信可能となる基地局を判定して、その判定された基地局のID(基地局番号)を、各フェムトセル基地局11,12,13に割り当てる。そして、携帯電話端末50の地図上の位置が変更したときには、その変更後の位置において、携帯電話端末50が基地局信号を受信可能となる基地局を判定して、その判定された基地局のID(基地局番号)を、フェムトセル基地局に割り当てるように変更する。すなわち、フェムトセル基地局11,12,13に割り当てる基地局を、携帯電話端末50の移動に応じて、切り替え変更するものである。
【0108】
GPS電波発生器についても、全く同様の考えの下に、測位に必要な最小限の4個のGPS電波発生器21,22,23,24を備える。そして、4個のGPS電波発生器21,22,23,24に割り当てるGPS衛星を、携帯電話端末50の移動に応じて、切り替え変更するものである。
【0109】
[試験スケジュールに基づく試験の実行時の制御用パソコンの処理例]
オペレータは、試験対象の携帯電話端末50を、フェムトセル基地局11,12,13に対する配置関係を前述したようにすると共に、GPS電波発生器21,22,23,24に対する配置関係を前述したようにして、試験環境室10の所定位置に固定配置する。
【0110】
そして、オペレータは、試験スケジュール格納部315に格納されている試験スケジュールデータのうちから、これから試験を行おうとする国や地域についての試験スケジュールデータを選択して、試験開始を指示する。
【0111】
なお、このとき、携帯電話端末50の試験時の移動速度は、オペレータが任意に設定しても良いし、予め、設定された複数通りの移動速度の中から、オペレータが選択指定するようにしても良い。
【0112】
試験スケジュールに基づく試験の実行時の制御用パソコン30の処理動作例を、図6および図7のフローチャートを参照しながら説明する。なお、この図6および図7の各ステップの処理は、制御用パソコン30のCPU301が、ROM302のプログラムにしたがって、RAM303をワークエリアとして用いて実行するものである。そして、以下の例は、CPU301が、基地局制御信号生成部313と、GPS電波発生器制御信号生成部314の処理機能をソフトウエア処理機能部として構成した場合に相当する。
【0113】
先ず、制御用パソコン30のCPU301は、試験スケジュールデータに基づいて、携帯電話端末50の仮想的な地図上の現在位置を認定(検出)する(ステップS101)。そして、CPU301は、認定した地図上の現在位置のデータにより基地局情報記憶部311の記憶内容を参照して、当該地図上位置に在る携帯電話端末50が基地局信号を受信可能な基地局を判定する(ステップS102)。
【0114】
そして、CPU301は、ステップS102で判定した基地局ID(基地局番号)のそれぞれを、フェムトセル基地局11,12,13に対して割り当てる(ステップS103)。次に、CPU301は、ステップS103でのフェムトセル基地局11,12,13に対する基地局の割り当てが、一つ前の地図上位置のときとは変更されたか否か判別する(ステップS104)。
【0115】
ステップS104で、フェムトセル基地局11,12,13に対する基地局の割り当てが変更されたと判別したときには、CPU301は、フェムトセル基地局11,12,13のうち、割り当てが変更されたフェムトセル基地局に対する基地局ID(基地局番号)を当該フェムトセル基地局に送信する(ステップS105)。
【0116】
そして、ステップS105の次には、CPU301は、各フェムトセル基地局11,12,13に対して送信電力制御信号を送り、あたかもステップS102で判定した基地局から、試験対象の携帯電話端末50に対して基地局信号が送信されているように、各フェムトセル基地局11,12,13から出力される基地局信号の送信電力を制御する(ステップS106)。
【0117】
このとき、CPU101は、ステップS102で判定された各基地局の位置と、試験対象の携帯電話端末50の地図上の位置とから、各基地局と携帯電話端末50の位置との間の距離を算出し、その距離に応じて、各フェムトセル基地局11,12,13に対する送信電力制御信号を生成するものである。
【0118】
ステップS104で、フェムトセル基地局11,12,13に対する基地局の割り当てが変更されてはいないと判別したときには、CPU301は、ステップS105をバイパスして、ステップS104からステップS106にジャンプし、前述した各フェムトセル基地局11,12,13に対する送信電力制御を行う。
【0119】
次に、CPU301は、ステップS101で認定した地図上の現在位置のデータによりGPS衛星情報記憶部312の記憶内容を参照して、当該地図上位置に在る携帯電話端末50がGPS電波を受信可能なGPS衛星を判定する(ステップS107)。
【0120】
そして、CPU301は、ステップS107で判定したGPS衛星のそれぞれを、GPS電波発生器21,22,23,24に対して割り当てる(ステップS108)。次に、CPU301は、ステップS108でのGPS電波発生器21,22,23,24に対するGPS衛星の割り当てが、一つ前の地図上位置のときとは変更されたか否か判別する(図7のステップS111)。
【0121】
ステップS111で、GPS電波発生器21,22,23,24に対するGPS衛星の割り当てが変更されたと判別したときには、CPU301は、GPS電波発生器21,22,23,24のうち、割り当てが変更されたGPS電波発生器に対するGPS衛星IDと、対応するエフェメリスデータを当該GPS電波発生器に送信する(ステップS112)。
【0122】
そして、ステップS112の次には、CPU301は、各GPS電波発生器21,22,23,24に対して送信電力制御信号を送り、あたかもステップS107で判定したGPS衛星から、試験対象の携帯電話端末50に対してGPS電波が送信されているように、各GPS電波発生器21,22,23,24から出力されるGPS電波の送信電力を制御する(ステップS113)。
【0123】
また、ステップS111で、GPS電波発生器21,22,23,24に対するGPS衛星の割り当てが変更されてはいないと判別したときには、CPU301は、ステップS112をバイパスして、ステップS111からステップS113にジャンプし、前述した各GPS電波発生器21,22,23,24に対する送信電力制御を行う。
【0124】
ステップS113の次には、CPU301は、地図上の現在位置は、試験スケジュールにおいてサービスサーバ63に対してサービスのためのアクセスをするアクセス実行地点であるか否か判別する(ステップS114)。
【0125】
このステップS114で、地図上の現在位置は、アクセス実行地点であると判別したときには、CPU301は、サービスサーバ63へのアクセスをオペレータに実行依頼するメッセージをディスプレイ309に表示する(ステップS115)。オペレータは、この依頼に応じて、サービスサーバ63へのアクセスを実行する。そして、そのアクセスの結果、正しくサービスを得ることができるか否か試験をする。そして、アクセスが終了してサービス受信の試験が終了したら、オペレータは再スタートを操作入力する。
【0126】
CPU301は、オペレータによる再スタートの操作入力による再スタート指示を待ち(ステップS116)、再スタート指示を確認すると、試験スケジュールにしたがって携帯電話端末50の地図上での仮想的移動を行う(ステップS117)。そして、地図上での移動位置が試験終了地点Edであるか否かにより、試験終了であるか否か判別する(ステップS118)。
【0127】
このステップS118で、試験終了であると判別したときには、CPU301は、この処理ルーチンを終了する。また、このステップS118で、試験終了ではないと判別したときには、CPU201は、処理をステップS101に戻し、このステップS101以降の処理を繰り返す。
【0128】
また、ステップS114で、地図上の現在位置は、アクセス実行地点ではないと判別したときには、CPU301は、ステップS115およびステップS116をバイパスしてステップS117に進み、前述したステップS117以降の処理を繰り返す。
【0129】
なお、図6および図7の説明では省略したが、制御用パソコン30は、地図上位置における基地局が、試験が実行された日時に送出するのと等しいアルマナックデータを、フェムトセル基地局11,12,13のそれぞれから送信されるように制御する。すなわち、制御用パソコン30は、試験時における携帯電話端末50の仮想の位置情報を試験用位置管理サーバ62に送る。すると、試験用位置管理サーバ62は、当該位置の当該日時におけるアルマナックデータを、フェムトセル基地局11,12,13を通じて、携帯電話端末50に送信するようにする。したがって、携帯電話端末50は、あたかも実際に地図上位置に存在していて、その位置で基地局から得たアルマナックデータを用いて、A−GPS方式の測位を行うことができる。
【0130】
以上のようにして、この実施形態の試験環境装置およびシステムによれば、携帯電話端末50が、使用が予定される国や地域で実際に移動して試験が行われる場合と全く同様の試験環境を実現することができる。よって、この実施形態の試験環境装置およびシステムを用いれば、例えば日本で使用される携帯電話端末が海外で製造された場合には、その試験も、当該海外で、日本において行ったのと同様の環境で行うことができるようになる。また、逆に、海外で使用される携帯電話端末を日本で製造して、その試験を日本において、海外で行ったと同様の環境で行うことができる。
【0131】
なお、上述の説明では、携帯電話端末50のアプリケーションプログラムを用いてサービスサーバ63へのアクセスは、オペレータが携帯電話端末50を操作して実行するようにしたが、制御用パソコン30からの制御指示で、サービスサーバ63へのアクセスするように、試験対象の携帯電話端末50を構成するようにしても良い。その場合には、オペレータの手を経ることなく、試験スケジュール通りの試験を、全て自動で行うようにすることができる。
【0132】
[他の実施形態または変形例]
以上の実施形態の説明は、現在位置に関連する所定の処理機能を備えるアプリケーションプログラムの試験を行う場合を想定したので、GPS電波を用いて正確な現在位置を測位することを構成要件とした。
【0133】
しかし、携帯電話端末50の通信性能や位置情報を必要としないアプリケーションプログラムの動作試験の場合には、フェムトセル基地局のみを設ければよいので、GPS電波発生器は、必須ではない。例えば、地図上を移動しながら、携帯電話端末50で携帯電話網62を介した相手方との通話試験は、フェムトセル基地局11,12,13のみを用いて行うことができる。
【0134】
また、現在位置に関連する所定の処理機能を備えるアプリケーションプログラムの試験を行う場合にも、複数の基地局からの基地局信号に基づいて現在位置を知ることができるので、その現在位置を用いることで、GPS電波発生器を省略するようにしても良い。
【0135】
また、上述の実施形態では、制御用パソコン30は、試験を開始する前に、試験スケジュールで設定された移動経路の各位置についての基地局情報を試験用位置管理サーバ62から取得して、基地局情報記憶部311に格納しておき、試験の際には、この基地局情報記憶部311から基地局情報を読み出して、フェムトセル基地局11,12,13に基地局ID(番号)を設定したり、基地局制御信号を生成したりするようにした。
【0136】
しかし、制御用パソコン30は、試験スケジュールに基づいて試験を行ないながら、試験用位置管理サーバ62にアクセスして基地局情報を取得することにより、基地局情報記憶部311を不用にすることもできる。すなわち、その場合には、制御用パソコン30は、試験スケジュールに基づいた地図上の各位置の情報を、試験用中継局機能装置62に送り、基地局情報を取得し、フェムトセル基地局11,12,13に基地局ID(番号)を設定したり、基地局制御信号を生成したりする。
【0137】
また、上述の実施形態では、制御用パソコン30は、フェムトセル基地局11,12,13に基地局番号を設定して、フェムトセル基地局11,12,13の基地局番号を切り替えるようにした。しかし、次のように構成すれば、フェムトセル基地局11,12,13では、基地局番号の設定は不要となり、基地局番号を切り替えが不要になる。
【0138】
すなわち、試験用位置管理サーバ62には、フェムトセル基地局11,12,13の識別情報(基地局ID)が登録されているので、試験用位置管理サーバ62は、制御用パソコン30からの地図上の位置情報を受け取ったときに、その位置において受信可能な基地局と、フェムトセル基地局11,12,13との対応テーブルを作成する。そして、その対応テーブルの情報を、制御用パソコン30に通信ネットワーク61を通じて送信する。この対応テーブルの情報には、少なくともフェムトセル基地局11,12,13のそれぞれと、それが対応する基地局の位置情報が含まれるものである。
【0139】
試験用位置管理サーバ62は、フェムトセル基地局11,12,13を通じて送られてくる情報は、この対応テーブルを参照して、各フェムトセル基地局11,12,13が対応する基地局からあたかも送られてきたように処理を行なう。
【0140】
また、制御用パソコン30は、受信した対応テーブルの情報から、各フェムトセル基地局11,12,13に供給する基地局制御信号を生成して、それぞれのフェムトセル基地局11,12,13に供給するようにする。
【0141】
この例の場合には、制御用パソコン30は、フェムトセル基地局11,12,13の基地局番号を切り替える処理が不要になり、処理プログラムを簡略化できると共に、フェムトセル基地局11,12,13でも基地局番号を切り替えるという処理が不要になるという効果がある。
【0142】
なお、上述の実施形態では、基地局信号発生手段は、フェムトセル基地局としたが、同等の機能を備えるものであれば、フェムトセル基地局に限られない。
【0143】
以上の説明は、無線通信機器が携帯電話端末の場合について説明したが、この発明が適用される無線通信機器は、携帯電話端末に限らず、無線通信機能を備える携帯型端末であれば適用できることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0144】
10…試験環境室、11,12,13…フェムトセル基地局、21,22,23,24…GPS電波発生器、30…制御用パソコン、40…試験結果収集装置、50…試験対象の無線通信機器の例としての携帯電話端末、63…サービスサーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信網に接続されると共に、無線通信機器に対する基地局信号を発生する複数個の基地局信号発生手段と、
前記複数個の基地局信号発生手段に制御信号を供給する制御手段と、
を備え、固定された位置において前記無線通信機器における試験を行う試験環境装置であって、
前記制御手段は、
予め定められた地図上の移動経路を前記無線通信機器が移動すると仮定したときに、前記移動経路上の各位置において前記無線通信機器が受信可能な複数の基地局からの基地局信号を、前記無線通信機器が実際上受信するものと同等となるように、前記複数個の基地局信号発生手段からの前記基地局信号の送信出力を制御する基地局信号制御手段を備える
試験環境装置。
【請求項2】
測位用衛星からの測位用電波と同等の測位用電波を発生する機能を有する複数個の測位用電波発生手段をさらに備え、
前記制御手段は、
予め定められた地図上の移動経路を前記無線通信機器が移動すると仮定したときに、前記移動経路上の各位置において前記無線通信機器が受信可能な複数の測位用衛星からの測位用電波を、前記無線通信機器が実際上受信するものと同等となるように、前記複数個の測位用電波発生手段からの前記測位用電波の送信信号を制御する測位用電波制御手段を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の試験環境装置。
【請求項3】
前記無線通信機器は携帯電話端末であって、
基地局信号発生手段は、前記通信網を通じて交換局に接続されるフェムトセル基地局である
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の試験環境装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記基地局信号発生手段に対して、前記移動経路上に位置において前記無線通信機器が受信可能な複数の基地局のいずれであるかの基地局識別子を与えると共に、前記無線通信機器の移動にしたがって前記基地局識別子を切り替える
ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の試験環境装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記測位用電波発生手段に対して、前記移動経路上に位置において前記無線通信機器が受信可能な複数の測位用衛星のいずれであるかの衛星識別子を与えると共に、前記無線通信機器の移動にしたがって前記衛星識別子を切り替える
ことを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれかに記載の試験環境装置。
【請求項6】
静止位置に置かれる試験対象の無線通信機器と、
通信回線に接続されていると共に、前記無線通信機器に対する基地局信号を発生する複数個の基地局信号発生装置と、
前記複数個の基地局信号発生装置に制御信号を供給する制御装置と、
を備え、前記無線通信機器は静止位置において試験を行う試験環境システムであって、
前記制御装置は、
予め定められた地図上の移動経路を前記無線通信機器が移動すると仮定したときに、前記移動経路上の各位置において前記無線通信機器が受信可能な複数の基地局からの基地局信号を、前記無線通信機器が実際上受信するものと同等となるように、前記複数個の基地局信号発生装置からの前記基地局信号の送信出力を制御する基地局信号制御手段を備える
試験環境システム。
【請求項7】
測位用衛星からの測位用電波と同等の測位用電波を発生する機能を有する複数個の測位用電波発生装置をさらに備えると共に、
前記無線通信機器は、前記測位用電波を受信して、現在位置を検出する機能と、検出された現在位置に関連する所定の処理機能を実行するアプリケーションプログラムを備え、
前記制御装置は、
予め定められた地図上の移動経路を前記無線通信機器が移動すると仮定したときに、前記移動経路上の各位置において前記無線通信機器が受信可能な複数の測位用衛星からの測位用電波を、前記無線通信機器が実際上受信するものと同等となるように、前記複数個の測位用電波発生手段からの前記測位用電波の送信信号を制御する測位用電波制御手段を備え、
前記無線通信機器に搭載される前記アプリケーションプログラムの動作試験を行う
ことを特徴とする請求項6に記載の試験環境システム。
【請求項8】
請求項7に記載の試験環境システムにおいて、
前記無線通信機器は、前記測位用電波に加えて前記基地局信号を受信して、現在位置を検出する機能を備える
ことを特徴とする試験環境システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−80154(P2012−80154A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−220446(P2010−220446)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(500578216)株式会社ゼンリンデータコム (231)
【Fターム(参考)】