説明

認証装置、ユーザ認証方法、ユーザ認証用カード及び記憶媒体

【課題】本発明は認証装置、ユーザ認証方法、ユーザ認証用カード及び記憶媒体に関し、セキュリティの信頼性を高めると共に容易にセキュリティの高い認証を行うことを目的とする。
【解決手段】座標検出器上から座標を指定する部材に設けられた複数の不連続な穴又は孔、切り欠きやマーク等を介して入力された座標を検出し、検出した座標と登録した複数の座標との比較結果に基づいて認証を行うように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は認証装置、ユーザ認証方法、ユーザ認証用カード及び記憶媒体に係り、特に認証装置、認証装置によるユーザ認証方法、ユーザ認証用カード及びユーザ認証のためのプログラムを記憶した記憶媒体に関する。
【技術背景】
【0002】
従来、パーソナルコンピュータ(パソコン又はPCと言う)で用いるセキュリティはキーボードからパスワードやユーザIDを入力して認証を得ることが一般的である。この方法では、ユーザが定義したパスワードやユーザIDを第三者に秘密にし、パソコンなどの画面上から入力して認証を受けて起動したり各種アクセスを行うようにしていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記文字列や数字列のパスワードやユーザIDが第三者に知られてしまうと簡単に破られてしまうため、セキュリティとしての信頼性に問題があった。
【0004】
本発明は、これらの問題を解決するため、タブレットを持つ装置やペン入力型のパソコン(以下、ペンPCと言う)等の座標検出が可能な装置のタッチパネルまたはタブレット上で入力された座標パターン又はカードの穴又は孔、切り欠きやマークなどから入力された座標パターンと登録座標パターン等とを照合して認証を行い、ユーザ独自のキーを用いてセキュリティの信頼性を高めると共にキーを設定したカードを携帯し簡易にセキュリティの高い認証を行うことを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
図1を参照して課題を解決するための手段を説明する。
【0006】
図1において、中央処理装置(CPU)1は、プログラムに従い各種処理を行うものであって、ここでは、読み取った座標と登録した座標とを比較したり、比較した結果をもとに認証を行ったりなどするものである。
【0007】
座標検出マイコン4は、プログラムに従い座標検出器6からの信号をもとに座標を検出したりなどするものである。また、比較認証するのはCPU1のみではなく、座標検出マイコン4のローカル処理で比較した結果をもとに認証を行ったりする。
【0008】
座標検出器6は、画面上で入力された座標を検出するためのものである。ここで、画面とは、CRTや液晶などで像を表示する画面や、タブレットなどの座標を検出する面などを含めた画面、タッチパネルが表示装置上に設けられたものを言う。従って、図1に示す座標検出器6は、表示部と入力部とを含む。
【0009】
次に、動作を説明する。
【0010】
座標検出マイコン4が座標検出器6上から入力された座標を読み取り(又は、検出し)、CPU1が読み取った(又は、検出した)複数の座標と登録した複数の座標とを比較し、比較した結果をもとに認証を行うようにしている。
【0011】
この際、CPU1は読み取った複数の座標の順序と登録した座標の順序とをそれぞれ比較し、これら比較したそれぞれの結果をもとに認証を行うようにしている。
【0012】
また、座標検出マイコン4は読み取った複数の座標の入力間隔の平均値あるいは所定の間隔よりも長くなったときに上記複数の座標の入力が終了したと判定するようにしている。
【0013】
また、複数の不連続な穴又は孔、切り欠き或るいはマークを設けたカードを座標検出器6上に置いて穴又は孔、切り欠き或いはマークをもとに入力された座標を座標検出マイコン4が読み取るようにしている。
【0014】
即ち、座標が指定できれば良く、カードを貫通する孔でも良く、貫通しない窪み状の穴でも良い。後述するペンPCでは、抵抗膜方式、静電結合方式、電磁誘導方式等があるが、例えば、電磁誘導方式は、画面の下方に配置した座標検出器により、ペン(又はスタイラス)の磁気を感知して座標を検出するので、ペンが直接画面に触れなくても、磁気を感知する。従って、この場合は、カードに設けるものは、必ずしも貫通する孔で無くとも良く、窪みや穴でも良い。又、単にマークでも良い。
【0015】
また、座標検出マイコン4が複数の不連続な穴又は孔、切り欠き或いはマークを設けたカードが座標検出器6上の指定領域に置かれて穴又は孔、切り欠き或いはマークをもとに入力された座標を読み取り、CPU1が読み取った座標のパターンと登録した座標のパターンとを比較し、比較した結果をもとに認証を行うようにしている。
【0016】
また、カードの複数の不連続な穴又は孔、切り欠き或いはマークを任意に設けるようにしている。
【0017】
また、画面上の指定領域を乱数で決めた所定領域とするようにしている。
【0018】
また、画面上の指定領域を4隅のいずれかを乱数で決めるようにしている。
【0019】
また、座標検出マイコン4が複数の不連続な穴又は孔、切り欠き或いはマークを設けたカードを座標検出器6上の任意に移動された指定領域に置いて当該穴又は孔、切り欠き或いはマークをもとに入力された座標を読み取り、CPU1が読み取った座標のパターンと登録した座標のパターンとを比較し、比較した結果をもとに認証を行うようにしている。
【0020】
また、座標検出マイコン4が複数の不連続な穴又は孔、切り欠き或いはマークを設けたカードを座標検出器6上に表示されたキーボードの枠に置いて穴又は孔、切り欠き或いはマークをもとに入力されたキーボードの非表示のキーに対応するコード値を読み取り(出力し)、CPU1が読み取った(出力した)コードと登録したコードとを比較し、比較した結果をもとに認証を行うようにしている。 この際、CPU1が登録した複数の座標、登録した座標のパターン、あるいは登録したコード値について、ユーザレベルと、ユーザレベルの全てに共通の管理者レベルとを登録するようにしても良い。
【0021】
また、座標検出マイコン4が複数の不連続な穴又は孔、切り欠き或いはマークを設けたカードが座標検出器上に置かれて当該穴又は孔、切り欠き或いはマークをもとに入力された座標を読み取り、CPU1が読み取った座標のパターンの任意番目の1個あるいは任意番目の任意個によって指示された位置をもとに、読み取った座標のパターンと上記指示された位置および登録パターンから決まるパターンと比較し、比較した結果をもとに認証を行うようにしている。
【0022】
また、座標検出マイコン4が複数の不連続な穴又は孔、切り欠き或いはマークを設けたカードが座標検出器上に置かれて当該穴又は孔、切り欠き或いはマークをもとに入力された任意番目の1個あるいは任意番目の複数個によって指示された位置にキーボードを仮想的に設定し、当該仮想的に設定したキーボードをもとに上記入力された位置のキーに対応するコードを読み取り、CPU1が読み取ったコードと登録したコードとを比較し、比較した結果をもとに認証を行うようにしている。
【0023】
また、座標検出マイコン4が抵抗膜型の座標検出器6上から入力された1つあるいは複数の座標に対応する抵抗値を読み取り、CPU1が読み取った抵抗値と登録した抵抗値とを比較し、比較した結果をもとに認証を行うようにしている。 従って、カードの複数の不連続な穴又は孔、切り欠きやマークなどから入力された座標パターンと登録座標パターンなどとを照合して認証を行うことにより、ユーザ独自のキーを用いてセキュリティの信頼性を高めると共にキーを設定したカードを携帯し簡易にセキュリテの高い認証を行うことが可能となる。
【0024】
また、図29に本発明をペンPCに適用した例を示す。ここでは、ペンPC31の画面32上にカード(又はIDカード)34等のカードを当ててその穴又は孔、切り欠き或いはマークを、ペン33で押下することにより、画面32上に配置した透明な座標検出器あるいは電磁誘導方式の場合には画面32の下方の配置した非透明な座標検出器によってペンからの磁気を感知することによりその座標がそれぞれ検出され、既述したようにして登録したIDなどと比較して認証を行うことが可能となる。この際、画面上32にはカード枠やカードを置く位置を示す位置マーカ等を表示して、例えばそのカード枠内にカード34を配置してペン33で穴又は孔、切り欠き或いはマーク部分を押下してもよいし、また、カード枠を表示しなく、当該カード34の所定番目の1個或いは複数の穴又は孔、切り欠き或いはマーク部分の押下をもとにカード枠あるいはソフト10キーの枠などを仮想的に設定してもよい。いずれにしても、表示した枠や位置マーカあるいは内部で仮想的に設定した枠や位置マーカをもとに押下された座標を検出し、登録した座標と比較して認証を行う。
【0025】
カード(又はIDカード)34は、例えば一般的に使用されているクレジットカードと略同じ形状及び寸法とすると、携帯に便利である。
【0026】
また、図30に本発明の応用例を示す。携帯可能な図示のようなペン入力型コンピュータ41が既に開発されている。例えば薄いB5やA4サイズの液晶表示板からなる表示部42が取り付けられている。この表示部42の前面を覆うように図示外の透明なタッチパネルを装着し、当該タッチパネルを入力ペン43で近接、接触又は軽く押下することによって、接触した位置の座標の検出が可能となる。ここで、表示部42は、液晶表示としたが、本発明はそれだけでなく、プラズマ放電パネルやCRTでもよい。このようなペン入力コンピュータ41は既述した図1の構成を内部に持つことが可能である。また、本発明は、ペン入力コンピュータ41のみではなく、ワードプロセッサ、電子手帳、座標検出装置を接続したデスクトップ装置、キャッシュディスペンサ等の座標検出装置を持つ各種プログラム可能な装置等にも適用可能である。
【0027】
また、コンピュータ入力方式としては、抵抗膜方式、静電結合方式、電磁誘導方式等に大別できるが、本発明ではどの入力方式を取ってもよい。更に、ペン入力がなく、指でタッチするタッチパネル等に適用してもよい。
【発明の効果】
【0028】
以上説明したように、本発明によれば、カードの穴や切り欠きなどから入力された座標パターンと登録座標パターンなどとを照合して認証を行う構成を採用しているため、ユーザ独自のキーを用いてセキュリティの信頼性を高めると共にキーを設定したカードを携帯し簡易にセキュリティの高い認証を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
次に、図1から図30を用いて本発明の実施の形態および動作を順次詳細に説明する。
【実施例】
【0030】
図1は、本発明のシステム構成図を示す。
【0031】
図1において、CPU1は、プログラムに従って各種処理を行うものである。ここで、CD−ROM装置8によってCD−ROM8aから読み取ったプログラム、フロッピィディスク(FD)装置9によってフロッピィディスク(FD)9aから読み取ったプログラム、あるいは通信装置7を介してセンタからダウンロードしたプログラムを、ハードディスク装置10のハードディスクにローディングしてCPU1がこれを読み出して図2ないし図22によって説明する各種処理を行うようにしている。
【0032】
各種回路2は、CPU1が各種処理を行う上で必要な各種回路である。各種回路2は、例えば表示制御部やキーボード(図示せず)の制御部等の入出力(I/O)制御部を含む。
【0033】
システムメモリ3やハードディスク装置10のハードディスクは、プログラムやデータを格納するメモリである。
【0034】
座標検出マイコン4は、フラッシュROM5などに格納されたプログラムに従い各種処理を行うものである。
【0035】
フラッシュROM5は、プログラムなどを格納する不揮発メモリであって、EEPROM、マスクROMなどの不揮発性にメモリのうちの1例を挙げたものである。また、座標検出マイコンの内部に持つROMに置き換えてもよい。尚、実際には、タブレットなどの座標入力装置は、座標検出時の補正データ、即ち、タブレット毎の特性を表す補正データを、フラッシュROM、EEPROM等の書き換え可能な不揮発性メモリに格納してこれを使用して座標検出の補正を行っているので、本願発明で説明する登録データを一緒に格納して以下使用することもできる。
【0036】
座標検出器6は、入力された座標値を検出したり、抵抗式の場合には入力された座標に対応する抵抗値を検出したりなどするものである。この座標検出器6は、CRT上に表示された画面、液晶上に表示された画面、タブレットなどの入力された座標値を検出するものである。これらの、CRT上に表示された画面、液晶ディスプレイ上に表示された画面、タッチパネル、タブレット、抵抗式のタブレットなどの全ての座標を検出するものを含めて本願発明では座標検出器と呼んでいる。例えば、液晶ディスレイ、プラズマ放電パネルの上に薄膜抵抗式のデジタイザを配したタッチパネルや、液晶ディスプレイやプラズマ放電パネルの下に電磁誘導方式のデジタイザを配したタッチパネル等でも良い。電磁誘導方式の場合は、画面(例えば液晶ディスプレイ)の下方に配置した座標検出器により、ペン(又はスタイラス)からの磁気を感知して座標を検出する。
【0037】
本発明の認証装置は、少なくとも座標検出マイコン4、フラッシュROM5(又はメモリ)及び座標検出器6からなり、ペンパソコンやタブレットを表示装置に備えたパーソナルコンピュータに適用可能である。好ましい実施例では、携帯型のペンパソコンや電子手帳のように表示画面上にペンや手で直接ポイントして入力可能なタブレットやタッチパネルを有する型のパソコンである。
【0038】
通信装置7は、センタとの間でプログラムやデータの授受を行うものである。 CD−ROM装置8は、CD−ROM8aからプログラムを読み出してシステムメモリ3に格納したりなどするものである。
【0039】
FD装置9は、FD9aからプログラムを読み出してシステムメモリ3に格納したりなどするものである。以下順次詳細に説明する。
【0040】
尚、図1において、通信装置7、CD−ROM装置8やFD装置9等は、パソコン等の装置に対して接続される外部装置であっても良く、又、CPU1及び座標検出マイコン4を単一のCPUで構成しても良いことは、言うまでもない。同様に、システムメモリ3及びフラッシュROM5は、単一のメモリで構成しても良い。
【0041】
図2は、本発明の全体の動作説明フローチャートを示す。
【0042】
図2において、ステップS1は、システムのブートアップを行う。
【0043】
ステップS2は、入出力制御プログラム(BIOS)のローディングを行う。これは、図1のCPU1が動作できるようにするために、各種回路2中のフラッシュメモリ等の不揮発性メモリからBIOSを読み出してシステムメモリ3にローディングし、起動する。
【0044】
ステップS3は、ユーザIDの入力を行う。これは、本発明に係る図3ないし図22を用いて後述する座標検出器6上で座標値を入力してユーザIDの入力を行う。
【0045】
ステップS4は、ID認証を行う。これは、ステップS3で入力されたユーザIDのIDが登録されているものと一致するかの認証を行う。
【0046】
ステップS5は、OKか判別する。これは、ステップS4で認証した結果、OKか判別する。ステップS5の判別結果がYESの場合には、ステップS6に進む。ステップS5の判別結果がNOの場合には、ステップS12で不一致と決定して処理は終了し、次のステップS6に進めないように禁止する。
【0047】
ステップS6は、ステップS5でユーザIDのIDが認証されたので、オペレーティングシステム(OS)のローディングを行う。
【0048】
ステップS7は、アプリ起動する。尚、アプリ起動時にもOSローディグ時と同様なID認証を行うことができる。
【0049】
ステップS8は、ユーザIDの入力を行う。
【0050】
ステップS9は、IDの認証を行う。
【0051】
ステップS10は、ステップS9で認証した結果、OKか判別する。ステップS10の判別結果がYESの場合には、ステップS11でアプリの実起動を行う。ステップS10の判別結果がNOの場合には、ステップS13で不一致と決定して処理は終了し、ステップS11に進むことを禁止する。ここで、ステップS8〜S10,S13は、既述したステップS3〜ステップS5,S12に対応するので詳細な説明は省略する。
【0052】
以上によって、図1を構成するコンピュータシステムを起動する際に、BIOSをローディングした後、OSをローディングする前に本発明に係るユーザID入力、ID認証を行うと共に、アプリ起動時にも本発明に係るユーザID入力、ID認証を行うようにしている。この際のユーザID入力、ID認証について、従来の数字やアルファベットなどからなるテキストデータによるユーザIDに比し、本発明ではユーザがIDとして唯一持つものを用いて座標値を入力して当該座標値あるいは座標値パターンが正しいときにユーザIDの認証OKと判定することによってセキュリティを高めるようにしている。以下ユーザID入力およびID認証について順次詳細に説明する。
【0053】
図3は、本発明のカード位置変更フローチャートを示す。ここで、CPU上のソフトウェアは図1のCPU1がシステムメモリ3からプログラムを読み込んで処理を行うときのソフトウェア(プログラム)であり、座標検出マイコンは図1のフラッシュROM5から読み出したプログラムで動作する座標検出マイコン4である。これらCPU上のソフトウェアおよび座標検出マイコンは、それぞれ下段に記載した処理を行う。
【0054】
図3において、ステップS21は、場所Noとして乱数を発生する。これは、後述する図4の画面11上の例えば4隅に場所No1、2、3、4を付与し、1ないし4内で乱数を発生させ、いずれかの場所を乱数によって選択する。
【0055】
ステップS22は、座標検出マイコン4に場所Noを通知し、座標検出マイコンにID認証処理の起動を通知する。これにより、ステップS21で乱数で選択した場所Noを通知して座標検出マイコン4のID認証処理が起動されることとなる。
【0056】
ステップS23は、場所Noに対応したカード枠を表示する。これは、ステップS21で乱数によって選択された場所、例えば図4の場所No1にカード枠を表示し、ユーザにそのカード枠に合わせてカードの穴又は孔、切り欠き或いはマーク等を介した座標の入力を促す。
【0057】
ステップS31は、ステップS22によって座標検出マイコンのID処理が起動される。
【0058】
ステップS32は、指定された場所Noに対応する登録データを比較データとする。これは、ステップS22で通知された場所Noに対応する登録データとして、後述する図5の(b)の登録データから当該場所Noに対応する登録データを取り出して比較データとする。
【0059】
ステップS33は、座標チェックを行う。これは、ステップS23でタッチパネル又はタブレットの画面11上に図4に示すようにカード枠を表示し、ユーザがこのカード枠にカードを当ててその穴又は孔、切り欠き或いはマークの部分をペンなどで押下して画面上の押下された座標値を検出し、当該検出した座標値と、ステップS32で取り出した登録データとが一致するか比較してチェックする。
【0060】
ステップS34は、認証結果をCPU1上のソフトへ通知する。
【0061】
ステップS24は、認証が済か判別する。ステップS24は、ステップS34の認証結果が得られるまで繰り返される。ステップS34から認証結果が得られると、認証が済であるので処理はステップS25に進む。
【0062】
ステップS25は、認証結果に対応した処理を行う。例えば認証結果がOKの場合には図2のOSあるいはアプリをローディング/起動し、NGの場合には図2のOSあるいはアプリのローディング/起動を行わなく、エラーなどとする。 以上によって、乱数によって場所を選択、例えば図4の場所No1を選択し、当該場所No1にカード枠を表示して当該カード枠にユーザがカードを置いて当該カードの穴又は孔、切り欠き或いはマークをペンなどで押下し、その座標値を読み取って当該場所Noに対応する登録データとを照合して一致するときに認証OK、不一致のときに認証NGと判定することが可能となる。
【0063】
また、本発明は、上述した座標入力をペンで行うだけで容易に座標を入力することができ、その座標を用いて認証を行うので、ペン入力機器、タッチパネルなどの後述する図29や図30のような携帯型ペン入力機器の操作性に合致した認証の手法を提供できる。特に、ペン入力機器、タッチパネルなどの後述する図29や図30のような携帯型ペン入力機器は、キーボードを持たない場合もあり、また、持っていてもユーザが日頃キーボードを使用しないケースも多い。そのような機器の使用状況下において、ペン入力機器又はペンコンピュータの使用形態に合致した認証を行うことができ、操作性を損なうことのない、認証が可能となる。
【0064】
図4は、本発明のユーザID入力画面イメージ例を示す。このユーザID入力画面イメージ例は、図示のように、「カードを当て、ペンで入力して下さい」というメッセージに対応して図示のカード枠12が乱数によって選択して表示されるので、ユーザはカード枠12にカードを当て、ペンで当該カードの穴又は孔、切り欠き或いはマークの部分を押下する。装置は画面11上で押下された座標値を読み取って、登録データと比較し、一致しているときに認証OK、不一致のときに認証NGと判定することが可能となる。
【0065】
図5は、本発明のカードを当てる位置を変更可能にする場合の説明図である。 図5の(a)は、タッチパネルの画面イメージ例を示す。このタッチパネルはCRT、液晶のディスプレイ、プラズマ放電パネル等のディスプレイ上に透明なデジタイザやタブレット(抵抗膜)を配したものや、ディスプレイの下に電磁誘導方式のデジタイザを配したものなどがある。電磁誘導方式の場合は、画面(例えば液晶ディスプレイ)の下方に配置した座標検出器により、ペン(又はスタイラス)からの磁気を感知して座標を検出する。この画面11上の4隅に、カード枠12の場所No1、場所No2、場所No3、場所No4を図示のように決め、それぞれに図示のように2点(点No1、点No2)がそれぞれ基準座標値として指定して登録すると、図5の(b)のようになる。
【0066】
図5の(b)は、登録データ例を示す。この登録データ例は、図5の(a)の画面11上の4隅に場所No1、場所No2、場所No3、場所o4を図示のように決め、各場所で点1、点2の座標を指定して図示のように登録したものである。例えば場所No1の点No1は座標(x11,y11)、No2は座標(x12,y12)とそれぞれ決めて登録したものである。尚、各場所内の登録する点の数は任意に決めればよい。
【0067】
以上のように画面11上のカード枠12を乱数で決定、表示する位置をここでは4隅の場所No1、場所No2、場所No3、場所No4と決め、更に各場所で点No1、点No2の座標をそれぞれ指定して登録する。これにより、カードを図示の4つのいずれかに乱数で決定、表示されたカード枠に当ててペンで点No1、点No2の位置に開けられた穴又は孔、切り欠き或いはマークを押下して座標を入力し、登録データと比較して一致しているときに認証OKと判定することにより、同じ場所にカードを当てたときに画面11に傷が付くなどしてカード枠が判ってしまったり、第三者に場所を覚えられてしまったりする事態を無くすことができる。 図6は、本発明の登録データの構造説明図を示す。
【0068】
図6の(a)は、画面左下原点の例を示す。これは、既述した図5の4隅の4つの場所にカード枠12を表示する場合において、左下の場所の図示の位置を原点(0,0)とした例を示す。ここでは、図示の点1ないし点4の座標を指定して登録する。
【0069】
図6の(b)は、登録データ例を示す。これは、図6の(a)に示すようにカード枠12を表示し、点1(x1 ,y1 )、点2(x2 ,y2 )、点3(x3 ,y3 )、点4(x4 ,y4 )を登録した例を示す。
【0070】
以上のようにカード枠12に4つの点1、点2、点3、点4の座標を登録データとして登録しておき、タッチパネルの画面11上に表示されたカード枠の穴又は孔、切り欠き或いはマークをペンで4個所押下し、その押下した点の座標が、登録データの点1、点2、点3、点4の座標値と一致したときに認証OKとし、不一致のときに認証NGと判定することが可能となる。
【0071】
図7は、本発明の入力順を問わない場合の動作説明フローチャートを示す。
【0072】
図7において、ステップS41は、1回目の座標入力か判別する。ステップS41の判別結果がYESの場合には、ステップS42で座標値をセーブする。ステップS41の判別結果がNOの場合には、ステップS41を繰り返して待機する。1回目の入力にはタイムアウトを設けず、ユーザの入力開始をずっと待つようにする。
【0073】
ステップS43は、座標入力有か判別する。ステップS43の判別結果がYESの場合には、ステップS44で座標をセーブし、ステップS43に戻り繰り返す。一方、ステップS43の判別結果がNOの場合には、処理はステップS45に進む。
【0074】
ステップS45は、入力待ちタイムアウト(一定時間経過)か判別する。ステップS45の判別結果がYESの場合には一定時間経過して座標入力が終了したと判明したので、処理はステップS47に進む。一方、ステップS45の判別結果がNOの場合には、一定時間経過していなく座標入力の終了でないと判明したので、処理はステップS43に戻り繰り返す。
【0075】
ステップS46は、ステップS45の判別結果がYESで座標入力の終了と判明したので、登録データと比較する。これは、入力された座標値と、登録データとを比較する。
【0076】
ステップS47は、一致か判別する。ステップS47の判別結果がYESの場合には、ステップS48でID認証出力する。ステップS47の判別結果がNOの場合には、ID不一致出力する。ID認証出力及びID不一致出力は、CPU1に通知されるが、例えばID不一致出力の場合はCPU1がこれに応答してID不一致を表示するように制御を行っても良く、以下の説明でも同様の制御を行っても良い。
【0077】
以上によって、カードを画面11上のカード枠12に当ててペンで1回目の座標が入力された後、座標入力が順次行われ、一定時間経過しても座標入力が行われないときに座標入力が終了したと判定し、入力された座標値と登録データとを比較して一致のときにID認証出力し、不一致のときにID不一致出力することにより、カードを画面11上のカード枠12に当てて穴又は孔、切り欠き或いはマークをペンで押下して座標値を入力してセキュリティの高いID認証を行うことが可能となる。
【0078】
図8は、本発明の入力順を問う場合の動作説明フローチャートを示す。
【0079】
図8において、ステップS51は、1回目の座標入力か判別する。ステップS51の判別結果がYESの場合には、ステップS52で座標値をセーブする。ステップS51の判別結果がNOの場合には、ステップS41を繰り返して待機する。
【0080】
ステップS53は、1回目の登録データと比較する。これは、ステップS52でセーブした1回目の入力した座標値と、登録データの1回目の登録値とを比較する。
【0081】
ステップS54は、一致か判別する。ステップS54の判別結果がYESの場合には、一致と判明したので、処理はステップS56に進む。ステップS54の判別結果がNOの場合には、不一致と判明したので不一致出力をして処理は終了する。
【0082】
ステップS55は、座標入力有か判別する。ステップS55の判別結果がYESの場合には、ステップS56で座標をセーブし、処理はステップS57に進む。ステップS55の判別結果がNOの場合には、処理はステップS61に進む。 ステップS57は、入力回数と登録回数とを比較する。
【0083】
ステップS58は、入力回数が登録回数をオーバーしたか判別する。ステップS58の判別結果がYESの場合には、入力回数が登録回数をオーバーしたと判明したので、不一致出力をし処理は終了する。ステップS58の判別結果がNOの場合には、処理はステップS59に進む。
【0084】
ステップS59は、座標入力に基づいた入力データと登録データとを比較する。
【0085】
ステップS60は、ステップS59で比較した入力データと登録データとが一致するか判別する。ステップS60の判別結果がYESの場合には、一致と判明したので、処理はステップS55に戻り次の座標の入力を待つ。ステップS60の判別結果がNOの場合には、不一致と判明したので、不一致出力をして処理は終了する。
【0086】
ステップS61は、ステップS55のNOで座標の入力がないと判明したので、入力待ちタイムアウト(一定時間経過)か判別する。ステップS61の判別結果がYESの場合には一定時間経過して座標入力が終了したと判明したので、処理はステップS62に進む。一方、ステップS61の判別結果がNOの場合には、一定時間経過していなく座標入力の終了でないと判明したので、処理はステップS55に戻り次の座標の入力を待機する。
【0087】
ステップS62は、入力個数と登録個数を比較する。
【0088】
ステップS63は、ステップS62で比較された入力個数と登録個数とが一致するか判別する。ステップS63の判別結果がYESの場合には、ID認証出力をする。ステップS63の判別結果がNOの場合には、不一致出力をする。
【0089】
以上によって、カードをタッチパネルの画面11上のカード枠12に当ててペンで規定された順番で座標が入力されるとその入力された座標と登録データとを順番に比較し、所定時間経過しても座標入力がないときに座標入力の終了と判定し、これまでに入力された座標と登録データとを順次比較して一致しかつ個数が等しいときにID認証出力し、不一致のときに不一致出力することにより、カードを画面11上のカード枠12に当てて穴又は孔、切り欠き或いはマークをペンで所定の順番で押下して座標値を順次入力してセキュリティの高いかつID数の多いID認証を行うことが可能となる。
【0090】
図9は、本発明のカード位置変更フローチャートを示す。
【0091】
図9において、ステップS71は、カード位置(x0 ,y0 )を乱数で決定する。
【0092】
ステップS72は、座標検出マイコンにカード位置座標(x0 ,y0 )を通知し、座標検出マイコンにID認証処理の起動を通知する。
【0093】
ステップS73は、カード位置に対応するカード枠を表示する。尚、カード枠の代わりに、カードを置くべき位置を示すことのできる任意の位置マーカを表示しても良い。
【0094】
ステップS81は、ステップS72の通知に対応して座標検出マイコン4のID認証処理を起動する。
【0095】
ステップS82は、登録データとカード位置座標から比較座標を算出する。これは、登録データについて、ステップS72で通知を受けたカード位置座標(x0 ,y0 )をもとに比較座標値を算出する。
【0096】
ステップS83は、座標チェックを行う。これは、ステップS73で画面上に後述する図10の(a)に示すようにカード枠12を表示し、ユーザがこのカード枠12にカードを当ててその穴又は孔、切り欠き或いはマークの部分をペンなどで押下して画面11上の押下された座標値を検出し、当該検出した座標値と、ステップS82で算出した比較座標値とが一致するか比較してチェックする。
【0097】
ステップS84は、認証結果をCPU1上のソフトへ通知する。
【0098】
ステップS74は、認証済か判別する。ステップS74は、ステップS84の認証結果が得られるまで繰り返される。ステップS84から認証結果が得られると、認証が済であるので処理はステップS75に進む。
【0099】
ステップS75は、認証結果に対応した処理を行う。例えば認証結果がOKの場合には図2のOSあるいはアプリをローディング/起動し、NGの場合には図2のOSあるいはアプリのローディング/起動を行わなく、エラーなどとする。 以上によって、乱数によってカード位置(x0,y0)を決定、例えば図10のカード位置(x0 ,y0 )と決定し、カード位置(x0 ,y0 )にカード枠12を表示して当該カード枠12にユーザがカードを置いて当該カードの穴又は孔、切り欠き或いはマークをペンなどで押下し、その座標値を読み取って登録データとカード位置(x0 ,y0 )から算出した比較座標値とを照合して一致するときに認証OK、不一致のときに認証NGと判定することが可能となる。
【0100】
図10は、本発明のCPU上のソフトウェアがカードの位置を通知する場合のデータ構造説明図を示す。
【0101】
図10の(a)は、タッチパネルの画面上のカード位置例を示す。このカード位置(x0,y0)は、乱数によって任意に決定したものである。このカード位置(x0 ,y0 )を原点にカード枠12を図示のように表示する。そして、カード枠12にカードを当ててその穴又は孔、切り欠き或いはマークからペンで座標を入力する。
【0102】
図10の(b)は、カード内座標の例を示す。カードの左下を原点(0,0)とし、4つの点の座標をそれぞれ図示のように設定する。図10の(a)のカード枠12は、このカードの原点(0,0)を、画面11上の乱数で決めた原点(x0 ,y0 )に一致するように配置し、4つの点の座標は原点(x0 ,y0 )の座標を加算して算出する(図9のステップS82)。
【0103】
図10の(c)は、登録データの例を示す。ここで、点Noは、図10の(b)のカード内に指定した4つの点Noに対応する。カード原点(x0 ,y0 )は、図10の(a)の画面11上でカード枠12を表示する乱数で決めた原点である。カード内穴座標値は、図10の(b)の4つのカード内穴座標値である。比較座標値は、図10の(b)の4つのカード内座標値に、図10の(a)の画面11上で乱数によって決めた原点(x0 ,y0 )を加算してそれぞれ算出したものである。
【0104】
以上のように、乱数で図10の(a)のカード位置(x0 ,y0 )を決めてカード枠12を表示すると共に当該カード位置(x0 ,y0 )をカード内座標に加算して画面11上の穴の座標値を求めて比較座標値しておき、実際に検出された座標値と比較座標値とが一致したときに認証OKとし、不一致のときに認証NGとすることが可能となる。
【0105】
図11は、本発明のソフトKBを利用するフローチャートを示す。
【0106】
図11において、ステップS91は、カードのサイズに対応した10×nのソフト10キーを画面上に設定する。これは、後述する図12の(b)の0、1、2、3・・・9の10個からなるキーをn行配置したものを、図12の(a)の画面11上の乱数で決めた原点(x0 ,y0 )の位置に設定する。
【0107】
ステップS92は、ソフト10キー位置座標と登録データから比較座標を算出する。これは、既述したように、原点(x0 ,y0 )を、ソフト10キー位置にそれぞれ加算して画面11上の座標を比較座標として算出する。
【0108】
ステップS93は、ソフト10キー自身は画面に表示せず、カードの枠のみを表示する。
【0109】
ステップS101は、画面上で入力があったら入力座標をCPU上のソフトへ通知する。
【0110】
ステップS102は、入力有りか判別する。ステップS102の判別結果がYESの場合には、ステップS103で座標を検出し、ステップS104でCPU上のソフトに通知する。
【0111】
ステップS94は、座標チェックと10キー解析を行う。これは、ステップS104の入力座標の通知をもとに当該入力座標がいずれの10キーの座標に対応するかをチェックして10キーに変換する。
【0112】
ステップS95は、パスワード型セキュリティを行う。これは、ステップS94で10キーに変換された数値(0、1、2・・・9)の列について、登録データと比較して一致するか判別するという、いわゆるパスワード型セキュリティを行う。
【0113】
ステップS96は、認証結果に対応した処理を行う。
【0114】
以上によって、ソフト10キーの枠を画面11の乱数で決めた原点(x0,y0)をもとに設定して10キーの枠のみを表示し、10キー自身は非表示とし、当該枠の上に既述したカードを当てて穴又は孔、切り欠き或いはマークをペンで押下して座標入力し、読み取った座標値をもとに10キーのいずれが押下されたかに変換した後、登録データと比較して一致したときに認証OK、不一致のときに認証NGと判定することにより、画面上から任意の数字列などを順次入力して認証することが可能となる。
【0115】
図12は、本発明の非表示のソフト10キー上にカードを当ててキーコードを通知する場合のデータ構造の説明図を示す。
【0116】
図12の(a)は、座標検出マイコンの座標検出例を示す。この画面11は、乱数で決めた原点(x0 ,y0 )を基準にソフト10キーの枠のみを表示したイメージを示す。このソフト10キーの枠内に図示のように、1行に1点、計4行に4点の座標値を図示のように決める。
【0117】
図12の(b)は、CPU上のソフトによるソフト10キーの座標値例を示す。ここでは、ソフト10キーが0、1、2・・・9の1行当たり10個とし、4行分を図示のように座標値をそれぞれ設定する。左下の隅が原点(0,0)である。
【0118】
図12の(c)は、座標検出マイコンがCPU上のソフトに通知する入力座標値の例を示す。ここでは、点1、2、3、4について、図12の(a)のカードの枠内の点1、2、3、4の座標値をCPU上のソフトに通知するようにしている。
【0119】
図12の(d)は、CPU上のソフトによる比較の説明図を示す。点Noおよび受け取った座標は、図12の(c)で座標検出マイコンから受け取った入力座標の値である。ソフト10キーの原点座標は乱数で決めた原点(x0 ,y0 )である。ソフト10キー比較座標は受け取った座標から原点座標をx、yについてそれぞれ減算し、ソフト10キー内の座標に変換したものである。比較結果は、ソフト10キー比較座標が、図12の(b)のソフト10キー内のいずれの座標値を一致するかを比較し、一致した座標値を取り出したものである。結果は、比較結果の座標値を0、1、2・・・9までの該当する数字に変換したものである。図では結果が“2692”であったのでこれのキーコードを送り出す。
【0120】
以上によって、画面11上に乱数で決めた原点(x0 ,y0 )を基準にソフト10キーの枠のみを表示し、当該枠に当てたカードの穴又は孔、切り欠き或いはマークをペンで押下したときにその入力座標を取り込み、いずれのソフト10キーが押下されたかに変換して結果を求め、この結果に対応するキーコードを送り出す。これにより送り出されたキーコードに対応する複数の数字と、登録データとが一致したときに認証OK、不一致のときに認証NGと判定することが可能となる。
【0121】
図13は、本発明の非表示のソフト10キー上にカードを当ててキーコードを通知する場合のデータ構造の説明図(他の例)を示す。
【0122】
図13の(a)は、既述した図12の(d)のデータと同一である。図12ではCPU上のソフトがソフト10キーの制御を行ったが、この図13では座標検出マイコンがソフト10キーの制御を行うようにした。そのため、CPU上のソフトは画面11上にカード枠12を表示およびソフト10キーの乱数で決めた原点(x0 ,y0 )を座標検出マイコン4に通知する。通知を受けた座標検出マイコン4は、既述したようにして得られた結果(例えば図示の“2692”)のキーコードを通常のキーボードインタフェースに変換し、図13の(b)のハードブロック図に示すKBマイコン13の外付KB用インタフェースへ送信する。KBマイコン13は、以降キーコードをOS経由でCPU1上のソフトの入力部へ通知する。
【0123】
図13の(b)は、ハードブロック図を示す。これは、上述したように、座標検出マイコン4で図12で既述したCPU1上のソフトが行っていたソフト10キーの制御を行うようにした場合のハードブロック図であって、KBマイコン13を設けて当該KBマイコン13経由でデータをCPU1上のソフトの入力部に送るようにしている。タブレット15は、図1の座標検出器6の例である。
【0124】
図14は、本発明のソフトKBを利用するフローチャートを示す。
【0125】
図14において、ステップS111は、カード位置(x0 ,y0 )を乱数で決定する。
【0126】
ステップS112は、座標マイコンに通知してID認証処理を起動する。
【0127】
ステップS113は、カード位置に対応するカード枠を表示する。
【0128】
ステップS121は、ID認証処理を起動する。
【0129】
ステップS122は、カード位置(x0 ,y0 )に対応した10×nのソフト10キーを画面上に設定する。
【0130】
ステップS123は、座標検出と10キー解析を行う。これは、既述したようにしてカード枠にカードを当てて当該カードの穴又は孔、切り欠き或いはマークをペンで押下したときに入力座標を検出して該当するソフト10キー上の位置を求めて対応する数値(結果)に変換する。
【0131】
ステップS124は、キーコードを送出する。これは、ステップS123で求めた数値(結果)をキーコードに変換して送出する。
【0132】
ステップS114は、パスワード型セキュリティを行う。これは、既述したように、ステップS123で10キーに変換された数値(0、1、2・・・9)の列について、登録データと比較して一致するか判別するという、いわゆるパスワード型セキュリティを行う。
【0133】
ステップS115は、認証結果に対応した処理を行う。
【0134】
以上によって、ソフト10キーの枠を画面11の乱数で決めた原点(x0 ,y0 )をもとに設定して10キーの枠のみを表示し、10キー自身は非表示とし、当該枠の上に既述したカードを当てて穴又は孔、切り欠き或いはマークをペンで押下して座標入力し、読み取った座標値をもとに10キーのいずれが押下されたかに変換した後、登録データと比較して一致したときに認証OK、不一致のときに認証NGと判定することにより、画面上から任意の数字列などを入力して認証することが可能となる。
【0135】
尚、具体例では10×nで説明したが、ソフト10キーはm×nと配置することも可能である。又、ソフト10キーの代わりに、アルファベット、かな、記号等の通常のキーボードにあるキーからなるソフトキーボードを用いても良いことは言うまでもない。
【0136】
図15は、本発明のカードの構造例を示す。
【0137】
図15の(a)は、m×nのグリッド上の任意の位置に穴を開けたカードの例を示す。図では、穴を4個開けてコンピュータシステムと一緒に出荷する。この際、内部のテーブルに登録データとして図示の4個の穴の位置の座標値を登録データとして登録しておく。
【0138】
図15の(b)は、m×nのグリッドの交点部分の任意の個所をユーザが簡単に打ち抜くことができるようにしたカードの例を示す。
【0139】
図15の(b−1)は、m×nのグリッドの交点部分に簡単に打ち抜きできるようにしたカードの様子を示す。
【0140】
図15の(b−2)は、図15の(b−1)のグリッドの交点部分の拡大図を示す。拡大図に示すように、グリッドの交点部分は円形状の一部を残し他を打ち抜いておき、ユーザが所望のグリッドの交点部分をペン等で押下して打ち抜き、任意の個所に穴を開けることができるようにしたものである。
【0141】
図15の(b−3)は、10列×n行のグリッドの図示の部分を打ち抜き、“1690”を設定した例を示す。ユーザは任意に作成した唯一のカードを装置にID登録させることができる。
【0142】
以上のように、カードをn×mのグリッドにして任意の座標位置に穴を開けることにより、当該カードを既述したように画面11上に表示されたカード枠12に当てて穴をペンで押下して所定の座標値を入力することが可能となる。
【0143】
次に、本発明において、今まで説明してきたカード以外のカードの形状について、図16と共に説明する。抵抗膜方式において、カードに図16のような複数の突起がある場合を説明する。画面11上に透明な抵抗膜を置き、表示されたカード枠に図示のようにピンのでたカード34を押下することにより、図では3つのピンで抵抗膜が押下され、図示の下段の式に示すように、3点の加重平均座標に相当する抵抗値が検出される。このため、カード34の複数のピンの位置によって所望の加重平均座標が得られるように予め設定し、登録データと比較して一致したときに認証OK、不一致のときに認証NGと判定することが可能となる。 図17は、本発明の比較説明図(固定値)を示す。位置検出装置で検出した座標には、検出誤差が含まれ、かつユーザ個人のペンの当て方にもクセがあり、検出座標と登録座標の比較には必ず許容範囲を設ける必要がある。
【0144】
図17において、ステップS121は、許容範囲Δx、Δyを設定する。これは、既述した画面11上に表示されたカード枠12にカードを当ててペンで押下して座標入力して検出ときの許容範囲を固定値のΔx、Δyと設定する。
【0145】
ステップS122は、Xとxn±Δxの比較を行う。これは、入力座標(X,Y)のうちのXと、n個目の登録データ(xn,yn)のうちのxnに±Δxを加算した値とを比較する。
【0146】
ステップS123は、xn−Δx≦X≦xn+Δxの範囲内か判別する。これは、入力座標のXがステップS121で設定した許容誤差Δxの範囲内にあるか判別する。ステップS123の判別結果がYESの場合には、許容範囲内にあると判明したので、処理はステップS124に進む。ステップS123の判別結果がNOの場合には、許容範囲外と判明したので、不一致出力をし、処理は終了する。
【0147】
ステップS124は、ステップS122と同様に、Yとyn±Δyの比較を行う。これは、入力座標(X,Y)のうちのYと、n個目の登録データ(xn,yn)のうちのynに±Δyを加算した値とを比較する。
【0148】
ステップS125は、yn−Δy≦Y≦yn+Δyの範囲内か判別する。これは、入力座標のYがステップS121で設定した許容誤差Δyの範囲内にあるか判別する。ステップS125の判別結果がYESの場合には、許容範囲内にあると判明したので、ステップS126で座標一致出力し、処理は終了する。ステップS125の判別結果がNOの場合には、許容範囲外と判明したので、不一致出力をし、処理は終了する。
【0149】
以上によって、許容範囲Δx、Δy(固定値)を設定し、画面11上から検出した座標入力(X、Y)が登録データの許容範囲Δx、Δyにあるときに座標一致として判定し、座標入力時の誤差がある程度あっても許容範囲内のときは正しく判定されることとなる。
【0150】
図18は、本発明のセキュリティレベル設定説明図を示す。
【0151】
図18の(a)は、フローチャートを示す。
【0152】
図18の(a)において、ステップS131は、セキュリティレベルをチェックする。
【0153】
ステップS132は、セキュリティレベルに合った許容範囲Δxm、Δymを設定する。例えばセキュリティレベルを高くするために許容範囲Δxm、Δymを小さく設定し、セキュリティレベルを低くするために許容範囲Δxm、Δymを大きく設定する。
【0154】
ステップS133は、比較を行う。これは、ステップS132でセキュリティレベルに応じて設定された許容範囲Δxm、Δymをもとに、既述した図17のフローチャートに従い比較を行い、座標一致出力あるいは座標不一致出力を行う。
【0155】
以上によって、セキュリティレベルの高い/低いに応じて許容範囲Δx、Δyを小さく/大きく設定することにより、入力座標値の比較判定を厳しく/緩やかに任意の設定することが可能となる。
【0156】
図18(b)において、セキュリティレベル1は判定を最も緩やかに、セキュリティレベルl(エル)は最も厳しくした場合を示している。
【0157】
図19は、本発明の相対座標の範囲設定の説明図を示す。表示されたカード枠に対して、ユーザが当てたカード位置には必ず位置決め誤差が含まれる。これはカード原点座標(x0 ,y0 )に対する許容範囲の設定により吸収できる。
【0158】
図19の(a)は、データ例を示す。ここで、点Noはカード内に設定した点No1、2、3、4である。カード原点は画面11上のカード枠を表示する原点(x0 ,y0 )およびその許容範囲(Δx0 ,Δy0 )である。カード内穴座標の登録データはカード内の穴座標の登録データである。比較座標範囲のmin(最小値)は図示のようにカード原点(x0 ,y0 )から許容範囲(Δx0 ,Δy0 )を減算し当該減算した値に各点の座標を加算した値である。比較座標範囲のmax(最大値)は図示のようにカード原点(x0,y0)に許容範囲(Δx0,Δy0)を加算し当該加算した値に各点の座標を加算した値である。
【0159】
図19の(b)は、フローチャートを示す。
【0160】
図19の(b)において、ステップS141は、登録データとカード原点、許容範囲から比較座標min/maxを算出する。これは、図19の(a)で説明したように登録データ(カード内の穴の登録データ)とカード原点と許容範囲から比較座標min/maxを算出する。
【0161】
ステップS142は、座標チェックを行う。画面11上で表示されたカード枠にカードを当てて穴又は孔、切り欠き或いはマークをペンで押下して座標入力し、当該座標入力が比較座標のminとmaxの範囲にあるか判別し、範囲内にあるときに認証OK、範囲外のときに認証NGと決定する。
【0162】
ステップS143は、認証結果をCPU上のソフトに通知する。
【0163】
以上によって、カード内の登録データとカードの原点と許容範囲をもとに比較座標範囲(min/max)を算出し、画面11上で表示されたカード枠にカードを当てて穴又は孔、切り欠き或いはマークをペンで押下して座標入力したときの当該座標入力が比較座標のminとmaxの範囲にあるか判別し、範囲内のときに認証OK、範囲外のときに認証NGと判定することが可能となる。
【0164】
図20は、本発明の許容範囲の学習説明図を示す。
【0165】
図20において、ステップS151は、n回入力を行う。これは、画面11上で表示されたカード枠にカードを当てて穴又は孔、切り欠き或いはマークをペンで押下して座標入力することをn回繰り返す。
【0166】
ステップS152は、統計的解析を行う。
【0167】
ステップS153は、許容範囲(Δx,Δy)を算出する。これらステップS152及びS153は、ステップS151でn回座標入力した値をもとに統計的解析し、例えば平均値を求め、登録データからこの求めた平均値の周りの一定範囲を許容範囲として算出する。
【0168】
以上によって、画面11上で表示されたカード枠12にカードを当ててペンで穴又は孔、切り欠き或いはマークを押下して座標入力したときに、座標入力の平均値を求めて登録データから当該平均値の一定範囲を許容範囲と算出することにより、ユーザ毎のクセにより座標入力する点がずれてもユーザ個別に予め許容範囲を求めて狭く設定することが可能となり、セキュリティレベルを高めることができる。
【0169】
図21は、本発明の検出終了の動作説明フローチャート(順序なしの場合)を示す。ユーザ本人は自分のID入力時よどみなく一連の動作で入力できる。そこで、終了検出を固定値のタイムアウトではなく、ユーザ自身の入力の平均より求めることで、入力途中で今までの入力速度に対して長い入力なし時間が現れた時点で終了検出させることにより、本人確認のセキュリティを上げることができる。
【0170】
図21において、ステップS161は、入力待ちタイムアウトtに初期値t0 を設定する。
【0171】
ステップS162は、1回目の座標入力か判別する。ステップS162の判別結果がYESの場合には、ステップS163で座標をセーブ(保存)し、処理はステップS164に進む。ステップS162の判別結果がNOの場合には、処理はステップS162に戻り待機する。
【0172】
ステップS164は、座標入力か判別する。ステップS164の判別結果がYESの場合には、ステップS165で座標をセーブし、ステップS166で前回入力からの時間間隔より平均入力間隔tAVE を算出し、入力待ちタイムアウトtを更新する。これにより、入力待ちタイムアウトtが平均入力間隔tAVE に更新されることとなる。そして、ステップS164に戻り繰り返す。一方、ステップS164の判別結果がNOの場合には、処理はステップS167に進む。
【0173】
ステップS167は、入力待ちタイムアウトt×n倍をオーバーしたか判別する。ステップS167の判別結果がYESの場合には、現在の待ち時間が、入力待ちタイムアウトt×n倍をオーバーしたと判明したので、座標入力が終了したと判定し、ステップS168で登録データと比較する。一方、ステップS167の判別結果がNOの場合には、ステップS164に戻り座標入力を待つ。
【0174】
ステップS169は、一致するか判別する。ステップS169の判別結果がYESの場合には、ID認証出力する。ステップS169の判別結果がNOの場合には、不一致出力をする。
【0175】
以上によって、座標入力の間隔の平均値を求め、求めた平均値のn倍の時間間隔の間以上、座標入力がなかったときに座標入力の終了と判定し、座標入力された座標値と登録データとを比較して一致したときに認証OK、不一致のときに認証NGと判定することが可能となる。
【0176】
図22は、本発明の検出終了の動作説明フローチャート(順序ありの場合)を示す。
【0177】
図22において、ステップS171は、入力待ちタイムアウトtに初期値t0 を設定する。
【0178】
ステップS172は、1回目の座標入力か判別する。ステップS172の判別結果がYESの場合には、処理はステップS173に進む。ステップS172の判別結果がNOの場合には、処理はステップS172に戻り待機する。
【0179】
ステップS173は、座標をセーブ(保存)する。
【0180】
ステップS174は、1回目の座標入力による入力データと登録データとを比較する。これは、ステップS173でセーブした座標入力と、登録データとを比較する。
【0181】
ステップS175は、一致か判別する。ステップS175の判別結果がYESの場合には、処理はステップS176に進む。ステップS175の判別結果がNOの場合には、不一致出力をし、処理は終了する。
【0182】
ステップS176は、座標入力か判別する。ステップS176の判別結果がYESの場合には、処理はステップS177に進む。ステップS176の判別結果がNOの場合には、処理はステップS183に進む。
【0183】
ステップS177は、ステップS176で座標入力があったと判明したので、座標入力をセーブする。
【0184】
ステップS178は、入力個数と登録個数を比較する。
【0185】
ステップS179は、入力個数が登録個数をオーバーしたか判別する。ステップS179の判別結果がYESの場合には、不一致出力をし、処理は終了する。ステップS179の判別結果がNOの場合には、処理はステップS180に進む。
【0186】
ステップS180は、前回の入力からの時間間隔より平均入力間隔tAVE を算出し、入力待ちタイムアウトtを更新する。これにより、入力待ちタイムアウトtが平均入力間隔tAVE に更新されることとなる。
【0187】
ステップS181は、座標入力と登録データとを比較する。
【0188】
ステップS182は、ステップS181で比較した座標入力と登録データとが一致か判別する。ステップS182の判別結果がYESの場合には、処理はステップS176に戻り待機する。ステップS182の判別結果がNOの場合には、不一致出力をし、処理は終了する。
【0189】
ステップS183は、入力待ちタイムアウトt×n倍をオーバーしたか判別する。ステップS183の判別結果がYESの場合には、現在の待ち時間が、入力待ちタイムアウトt×n倍をオーバーしたと判明したので、座標入力が終了したと判定し、処理はステップS184に進む。ステップS183の判別結果がNOの場合には、処理はステップS176に戻り座標入力を待つ。
【0190】
ステップS184は、入力回数と登録回数を比較する。
【0191】
ステップS185は、一致か判別する。ステップS185の判別結果がYESの場合には、入力回数と登録回数が一致すると判明したので、ID認証出力をし、処理は終了する。ステップS185の判別結果がNOの場合には、不一致出力をし、処理は終了する。
【0192】
以上によって、座標入力の間隔の平均値を求め、求めた平均値のn倍の時間間隔の間以上、座標入力がなかったときに座標入力の終了と判定し、座標入力された座標値と登録回数について登録データと比較して一致したときに認証OK、不一致のときに認証NGと判定することが可能となる。
【0193】
次に、図23のフローチャートに示す順序に従い、図24を参照して座標検出器上のカード34の枠を表示しなく、カード34を例えばタブレット等の座標検出器上に置いて穴又は孔、切り欠き或いはマークをペンで押下する場合の動作を順次詳細に説明する。
【0194】
図23は、本発明のタブレットやタッチパネル上の任意位置にカード34を当てるフローチャートを示す。
【0195】
図23において、ステップS191は、CPU1上のソフトウェアが座標検出マイン4のID認証処理を起動する。
【0196】
ステップS192は、座標検出マイコン4がID認証を開始する。
【0197】
ステップS193は、カード原点(x00,y00)とカード上の他の特定点(x01,y01)よりカード位置を検出する。これは、後述する例えば図24の(a)のタブレット21上に示すように、第1番目にペンを押下しカード34の左下の座標(x00,y00)、および第2番目にペンで押下したカード34の右下の座標(x01,y01)をそれぞれカード原点(x00,y00)および他の特定点(x01,y01)として検出する。
【0198】
ステップS194は、検出したカード位置に対応した10×nのソフト10キーを画面上に設定する。ここで、ソフト10キーは、仮想的に画面上に設定され、カードの枠は非表示である。
【0199】
ステップS195は、座標検出と10キー解析する。これは、カード34の穴又は孔、切り欠き或いはマークをペンで押下したときに入力座標を検出して該当するソフト10キー上の位置を求めて対応する数値(結果)に変換する。
【0200】
ステップS196は、キーコードを送出する。これは、ステップS195で求めた数値(結果)をキーコードに変換して送出する。
【0201】
ステップS197は、パスワード型セキュリティを行う。これは、既述したように、ステップS195で10キーに変換された数値(0、1、2・・・9)の列について、登録データと比較して一致するか判別するという、いわゆるパスワード型セキュリティを行う。
【0202】
ステップS198は、認証結果に対応した処理を行う。
【0203】
以上によって、タブレットやタッチパネルなどの座標入力装置上で原点(x00,y00)および他の特定点(x01,y01)を入力してソフト10キーを仮想的に設定し、10キーの枠および10キー自身の両者を非表示とし、カード34を当てて穴又は孔、切り欠き或いはマークをペンで押下して座標入力し、読み取った座標値をもとに10キーのいずれが押下されたかに変換した後、登録データと比較して一致したときに認証OK、不一致のときに認証NGと判定することにより、カード枠などを表示できないタブレット上から任意の数字列などを入力して認証することが可能となる。
【0204】
尚、図23に示すフローチャートにおけるソフト10キーによる認証方法は、前述の他の方法と置き換えても良いことは言うまでもない。
【0205】
図24は、本発明のカード位置をタブレットやタッチパネル上の任意位置とする場合のデータ構造の説明図を示す。
【0206】
図24の(a)は、タブレットやタッチパネル上の座標入力のイメージを示す。タブレット21上にカード34を当てて当該カードの左下隅および右下隅の穴又は孔、切り欠き或いはマークをペンで順次押下してカード原点(x00,y00)および他の特定点(x01,y01)を入力する。これら2つのカード原点(x00,y00)および他の特定点(x01,y01)の座標値および傾きからカード34の位置を決める。次に、カード34上の4点の穴又は孔、切り欠き或いはマークをペンで順次押下して座標入力(x0,y0)、(x1 ,y1 )、(x2 ,y2 )、(x3 ,y3 )を行う。
【0207】
図24の(b)は、登録データ例を示す。
【0208】
図24の(b)において、点Noは、図24の(a)でカード34上の穴又は孔、切り欠き或いはマークを押下して座標を入力したシーケンシャルに付与した数であって、ここでは、1ないし4の4個である。
【0209】
検出座標は、点No1ないし4のときに検出した検出座標(x1 ,y1 )、(x2 ,y2 )、(x3 ,y3 )、(x4 ,y4 )である。
【0210】
カード位置検出座標は、図24の(a)で入力したカード34の左下隅のカード原点(x00,y00)および他の特定点(x01,y01)の座標値をもとに、カードの傾きsinΔθ、cosΔθおよび距離l0 を図示のように求めたものである。 ソフト10キー比較座標は、点No1ないし4の各点の座標(x1 ,y1 )、(x2 ,y2 )、(x3 ,y3 )、(x4 ,y4 )について、カード位置検出座標をもとにソフト10キー上の座標値(x1 ’,y1 ’)、(x2 ’,y2 ’)、(x3 ’,y3 ’)、(x4 ’,y4 ’)に図示の式によって変換したものである。
【0211】
比較結果は、ソフト10キー比較座標(x1 ’,y1 ’)、(x2 ’,y2 ’)、(x3 ’,y3 ’)、(x4 ’,y4 ’)が属するソフト10キー上の座標として図示のような例えば値(x12,y12)(ここでは、添字は“12”は1、2、3、4、5、6、7、8、9、0と配置した10キーを4行設定したうちの、1行目の2番目のキー(数値“2”)を表す)となる。
【0212】
数値は、比較結果を数値で表したものであって、ここでは、“2692”となる。
【0213】
以上のように、タブレット21やタッチパネル上の任意の位置にカード34を当てて例えば左下隅および右下隅の穴又は孔、切り欠き或いはマークを第1番目、第2番目にペンで押下してカード原点(x00,y00)および他の特定点(x01,y01)を指定してソフト10キーをシステム内部で仮想的に設定し、次に、カード34上の点No1ないしNo4の穴又は孔、切り欠き或いはマークについてペンで第3番目から第6番目を順次押下すると、その結果が数値例えば“2692”として出力されることとなる。
【0214】
図25は、本発明の座標検出マイコンでのローカルなID認証フローチャートを示す。
【0215】
図25において、ステップS201は、座標検出マイコン4が入力ありか判別する。ステップS201の判別結果がYESの場合には、処理はステップS202に進む。ステップS201の判別結果がNOの場合には、待機する。
【0216】
ステップS202は、座標検出する。これは、後述する図26に示すように、タブレット21上にカード34を当てて当該カードの穴又は孔、切り欠き或いはマークをペンで押下した座標を検出する。
【0217】
ステップS203は、ID認証/入力終了領域か判別する。これは、ステップS202で座標検出された座標値がらID認証を開始する領域かあるいは入力終了する領域かを判別する。ステップS203の判別結果がYESの場合には、処理はステップS204に進む。ステップS203の判別結果がNOの場合には、他の処理を行う。
【0218】
ステップS204は、ID認証処理を行う。これは、ステップS202で検出された座標値をもとに、既述した図23および図24のように、カード原点(x00,y00)および他の特定点(x01,y01)をもとにソフト10キーをシステム内部で仮想的に設定し、次に、カード上の点No1ないしNo4の穴又は孔、切り欠き或いはマークについてペンで第3番目から第6番目(x1 ,y1 )、(x2 ,y2 )、(x3 ,y3 )、(x4 ,y4 )を順次押下すると、その結果を数値に変換してキーコードを順次送出する。
【0219】
以上によって、座標検出マイコン4側で図26に示すタブレット21上にカード34を当てて左下隅および右下隅の穴又は孔、切り欠き或いはマークをペンで押下して原点および他の特定点を指定してソフキーを仮想的に配置し、次に点No1ないしNo4の4点のカード34の穴又は孔、切り欠き或いはマークをペンで押下してこれら座標値をもとに数値に変換したキーコードで出力することがローカル(座標検出マイコン4側でローカル)に可能となる。
【0220】
ステップS205は、パスワード型セキュリティを行う。これは、既述したように、ステップS204で10キーに変換された数値(0、1、2・・・9)の列について、登録データと比較して一致するか判別するという、いわゆるパスワード型セキュリティを行う。
【0221】
ステップS206は、認証結果に対応した処理を行う。
【0222】
以上によって、タブレットやタッチパネルなどの座標入力装置上で原点(x00,y00)および他の特定点(x01,y01)を入力してソフト10キーを仮想的に設定し、10キーの枠および10キー自身の両者を非表示とし、カード34を当てて穴又は孔、切り欠き或いはマークをペンで押下して座標入力し、読み取った座標値をもとに10キーのいずれが押下されたかに変換することをローカルに座標検出マイコン4側で行った後、CPU上のソフトウェア側で登録データと比較して一致したときに認証OK、不一致のときに認証NGと判定することにより、カード枠などを表示できないタブレットやタッチパネル上から任意の数字列などを入力して認証することが可能となる。
【0223】
図26は、本発明のID認証起動/ID入力終了の定義説明図を示す。ここで、左下隅のID認証/入力終了の領域を設け、既述した図25のステップS203のID認証の開始あるいはID入力終了を指示する(詳細は図27を用いて後述する)。ここでは、タブレット21やタッチパネル上の左下隅の特定領域をペンで押下して座標検出マイコン4のID認証処理ステップS204を起動する。次に、タブレット21やタッチパネル上に当てたカード34の左下隅および右下隅の穴又は孔、切り欠き或いはマークをペンで順次押下してカード原点(x00,y00)および他の特定点(x01,y01)を入力し、これらカード原点(x00,y00)および他の特定点(x01,y01)の座標値および傾きからカード34の位置を決める。続いて、カード34上の4点の穴又は孔、切り欠き或いはマークをペンで順次押下して座標入力(x0 ,y0 )、(x1 ,y1 )、(x2 ,y2 )、(x3 ,y3 )を行う。そして、タブレット21やタッチパネル上の左下隅の特定領域をペンで再度押下してID入力が終了したことをマイコンに通知する。
【0224】
図27は、本発明のタブレットやタッチパネル上の特定領域からの座標入力による終了検出フローチャート(順序を問う場合)を示す。
【0225】
図27において、ステップS211は、n回目の入力か判別する。これは、既述した図26の例では、座標入力の4点分の4回目の入力か判別する。ステップS211の判別結果がYESの場合には、処理はステップS213に進む。ステップS211の判別結果がNOの場合には、処理はステップS212に進む。
【0226】
ステップS212は、終了入力か判別する。これは、タブレット21やタッチパネル上の左下隅の終了領域内の座標が入力されたか判別する。ステップS212の判別結果がNOの場合には、処理はステップS211に戻る。ステップS212の判別結果がYESの場合には、ステップS217で入力個数と登録個数を比較し、ステップS218で一致したときにID認証出力をし、NOのときには不一致出力をする。
【0227】
ステップS213は、座標をセーブする。
【0228】
ステップS214は、入力個数と登録個数を比較する。
【0229】
ステップS215は、入力数が登録個数をオーバーしたか判別する。ステップS215の判別結果がYESの場合には、不一致出力をする。ステップS215の判別結果がNOの場合には、処理はステップS216に進む。
【0230】
ステップS216は、n回目の入力と登録データとを比較する。
【0231】
ステップS219は、ステップS216での比較結果が一致か判別する。ステップS219の判別結果がYESの場合には、処理はステップS211に戻り次の入力を待機する。ステップS219の判別結果がNOの場合には、不一致出力をする。
【0232】
以上によって、タイウアウトではなく、タブレット21やタッチパネル上の特定領域からの座標入力による終了検出を行うことによって(ステップS212のYES)、入力された座標の順番に登録データと比較し、一致したときにID認証出力をし、不一致のときに不一致出力をする。
【0233】
図28は、本発明の認証IDの数を増やす説明図を示す。これは、登録データの例であって、下記の内容を持つものである。
【0234】
図28において、点Noは、図24の(a)、図26でカード上の穴又は孔、切り欠き或いはマークを押下して座標を入力したシーケンシャルに付与した数であって、ここでは、説明の都合上、例えば1ないし4の4個である。
【0235】
検出座標は、点No1ないし4のときに検出した検出座標(x1 ,y1 )、(x2 ,y2 )、(x3 ,y3 )、(x4 ,y4 )である。
【0236】
カード位置検出座標は、図24の(a)で入力したカードの左下隅のカード原点(x00,y00)および他の特定点(x01,y01)の座標値をもとに、カードの傾きsinΔθ、cosΔθおよび距離l0 を図示のように求めたのである。 比較座標(ソフト10キー比較座標)は、点No1ないし4の各点の座標(x1 ,y1 )、(x2 ,y2 )、(x3 ,y3 )、(x4 ,y4 )について、カード位置検出座標をもとにソフト10キー上の座標値(x1 ’,y1 ’)、(x2 ’,y2 ’)、(x3 ’,y3 ’)、(x4 ’,y4 ’)に図示の式によって変換したものである。
【0237】
登録座標は、登録した座標であって、検出座標に対応するものである。
【0238】
この方式はソフトキーを使わない方式である。4行×10列の場合、ソフト10キー方式では各行から1個づつ任意のキー(数字)を選択する。従って、104 =1万通りとなる。一方、本発明の方式は、各行から1個づつの制約を取り払い、1回目の入力は40個の穴の中から任意の1個、2回目の入力は残りの139個の穴から任意の1個というように選択するト、40×39×38×37=2,193,360通りとなる。1度選択した点を除いたのは、ペン押下時のバウンドで同じ座標が複数入力される可能性があるためである。座標検出マイコンは、各座標の比較の結果、一致したと判断した場合には別途登録してあるキーコードを出力する。
【0239】
一方、本願発明のソフトキー10キーの4行列を、カードの左下隅のカード原点(x00,y00)および右下隅の他の特定点(x01,y01)で仮想的に同時にタブレット21やタッチパネル上に対応づけて設定した場合には、4行×10列中の任意の全て穴又は孔、切り欠き或いはマークから任意の4つを選択するから、10進4桁のIDを入力するときの全IDの組み合わせは、40×39×38×37=2,193,360通りとなる(従来の10キーを用いて順次入力した場合に比して全IDの組み合わせ数が219倍にもなる)。この際、カード原点および他の特定点にそれぞれ1点の合計2点を使うとすると、残りが38点となり、全IDの組み合わせ数は、38×37×36×35=1,771,560通りとなる(従来の10キーを用いて順次入力した場合に比して全IDの組み合わせ数が177倍にもなる)。
【0240】
以上のように、タブレット21やタッチパネル上に仮想的にソフト10キーを非表示で設定し、カードをタブレット21に当てて当該カードの任意の2点(例えばカードの左下隅のカード原点(x00,y00)および右下隅の他の特定点(x01,y01)の2点)を指定し仮想的にソフトキー10キーを設定し、座標入力した座標値をもとに数値に変換することにより、従来の10キーを押下して入力する場合に比して極めてID数の組み合わせ回数を数百倍以上に増大させて信頼性を向上させたり、第三者の盗用の防止を実現することが可能となる。
【0241】
図29は、本発明の応用例(その1)を示す。上述した本発明をペンPC(ペン入力型のパーソナルコンピュータ)に適用した例を示す。ここでは、ペンPC31の画面32上にカード(又はIDカード)34などのカードを当ててその穴又は孔、切り欠き或いはマークを、ペン33で押下することにより、画面32上に配置した透明な座標検出器あるいは電磁誘導方式の場合には画面32の下方の配置した非透明な座標検出器によってその座標がそれぞれ検出され、既述したようにして登録したIDなどと比較して認証を行うことが可能となる。この際、画面上32にはカード枠を表示してそのカード枠内にカード34を配置してペン33で穴又は孔、切り欠き或いはマークを押下してもよいし、また、カード枠を表示しなく、当該カード34の所定番目の1個の穴又は孔、切り欠き或いはマーク、或いは、複数の穴又は孔、切り欠き或いはマークの押下をもとにカード枠あるいはソフト10キーの枠などを仮想的に設定してもよい。いずれにしても、表示した枠あるいは内部で仮想的に設定した枠をもとに押下された座標を検出し、登録した座標と比較して認証を行う。
【0242】
図30は、本発明の応用例(その2)を示す。携帯可能な図示のようなペン入力コンピュータ41が既に開発されている。例えば薄いB5やA4サイズの液晶表示板からなる表示部42が取り付けられている。この表示部42の前面を覆うように図示外の透明なタッチパネルを装着し、当該タッチパネルを入力ペン43で接触(軽く押下)することによって、接触した位置の座標の検出が可能となる。ここで、表示部42は、液晶表示としたが、本発明はそれだけでなく、プラズマ放電パネルやCRTでもよい。このようなペン入力コンピュータ41は既述した図1の構成を内部に持つことが可能である。また、本発明は、ペン入力コンピュータ41のみではなく、ワードプロセッサ、電子手帳、座標検出装置を接続したデスクトップ装置、キャッシュディスペンサ等の座標検出装置を持つ各種プログラム可能な装置等にも適用可能である。また、ペンコンピュータの入力方式としては、抵抗膜方式、静電結合方式、電磁誘導方式等に大別できるが、本発明ではどの入力方式を取っても良い。電磁誘導方式の場合は、画面(例えば液晶ディスプレイ)の下方に配置した座標検出器により、ペン(又はスタイラス)からの磁気を感知して座標を検出する。更に、ペン入力がなく、指でタッチするタッチパネル等に適用してもよい。
【0243】
本発明の他の実施の形態では、上記の如き本発明のユーザ認証方法をコンピュータに行わせるプログラムが、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納されている。つまり、図1に示す座標検出マイコン4、又は、CPU1及び座標検出マイコン4、又は、CPU1及び座標検出マイコン4の機能が単一のCPUで実現される場合にはこの単一のCPUに上記の如きユーザ認証方法を行わせるプログラムが、CD−ROM8aやFD9a等の記憶媒体に格納されている。記憶媒体はCD−ROMやFDに限定されず、ROM、EPROM、EEPROM、RAM等の半導体記憶装置、光ディスク、光磁気ディスクや磁気ディスク等の各種ディスク、カード状記録媒体等の、プログラムを格納可能な記憶媒体であれば良い。
【0244】
次に、本発明のユーザ認証用カードについて、図31〜図34と共に説明する。
【0245】
図31は、ユーザ認証用カードの第1実施例を示す図である。同図中、カード34−1は、右上の角に切り欠き341を有し、中央部分にはユーザIDを入力するための穴又は孔、切り欠き、マーク或いは図15と共に説明した打ち抜き可能な部分が設けられたID入力領域350が設けられている。このように、カード34−1の形状を上下左右に対して非対称とすることにより、ユーザは容易にカード34−1の表裏及び上下を正しく認識することができる。図31に示すカード34−1の場合、ユーザは、カード34−1を座標検出器の画面に置く場合に切り欠き341がカード34−1の右上の角にくるように置かなければいけないことを予め知らされている。従って、ユーザは、カード34−1を座標検出器の画面に置く場合に切り欠き341がカード34−1の右上の角にくるように置くことで、カード34−1の表裏及び上下の方向が自動的に正しい状態で置かれることになり、カード34−1の表裏や上下の方向が誤っていることによるユーザIDの誤入力を確実に防止することができる。
【0246】
ユーザID等を入力するためには、座標が指定できれば良く、カードを貫通する孔でも良く、貫通しない窪み状の穴でも良い。即ち、穴、窪み状の穴、貫通した孔、切り欠き印刷等されたマーク、突起状の物等でも良い。ペンコンピュータに使用される座標入力装置は、抵抗膜方式、静電結合方式、電磁誘導方式等があるが、例えば電磁誘導方式は、画面の下方に配置した座標検出器により、ペン(又はスタイラス)の磁気を感知して座標を検出するので、ペンが直接画面に触れなくても、座標検出器は磁気を感知し、座標を検出する。従って、この場合は、カードに設けるものは、必ずしも貫通する孔で無くとも良く、窪みや穴、又、単に印刷等されたマークでも良い。
【0247】
図32は、ユーザ認証用カードの第2実施例を示す図である。カード34−2の表面には、同図(a)に示すように、表を示すAなるマーク342が印刷されており、カード34−2の裏面には、同図(b)に示すように、裏を示すBなるマーク343が印刷されている。尚、例えば裏面のマーク343は省略して、カード34−2の表面、裏面の一方のみにマークを設けても良い。又、マーク342,343は、例えば凹凸等の幾何学的形状変化としてカード34−2に形成されていても良い。カード34−2の中央部分にはユーザIDを入力するための穴又は孔、切り欠き、マーク或いは図15と共に説明した打ち抜き可能な部分が設けられたID入力領域350が設けられている。ユーザは、カード34−2を座標検出器の画面に置く場合にマーク342が正しい向きでAと読めるように置くことで、カード34−2の表裏及び上下の方向が自動的に正しい状態で置かれることになり、カード34−2の表裏や上下の方向が誤っていることによるユーザIDの誤入力を確実に防止することができる。
【0248】
尚、図31及び図32に示すカード34−1,34−2のID入力領域350は、画面がペン等により直接接触された場合にのみ座標入力が可能な構成を用いている場合には複数の不連続な穴又は孔、切り欠き或いは図15と共に説明した打ち抜き可能な部分からなり、カード34−1,34−2は透明な部材から形成されていても、不透明な部材から形成されていても良い。他方、カード34−1,34−2のID入力領域350は、画面がペン等により直接接触されなくても座標入力が可能な構成を用いている場合には複数の不連続な穴又は孔、切り欠き、マーク或いは図15と共に説明した打ち抜き可能な部分からなり、カード34−1,34−2は透明な部材から形成されていても、不透明な部材から形成されていても良い。
【0249】
図33は、ユーザ認証用カードの第3実施例を示す図である。同図中、カード34−3には、穴344a,344bが上下左右に対して非対称な位置に形成されている。カード34−3の中央部分にはユーザIDを入力するための穴又は孔、切り欠き、マーク或いは図15と共に説明した打ち抜き可能な部分が設けられたID入力領域350が設けられている。穴344a,344bは、例えば図5と共に説明したように、カード34−3の位置に関するデータを座標検出マイコン4に入力する際に用いられる。又、カード34−3の右上の角に形成された穴344aは、図31又は図32と共に示したような、ユーザがカード34−3の表裏及び上下を正しく認識するための向き指示手段としても機能する。このように、カード34−1の穴344a,344bの位置を上下左右に対して非対称とすることにより、ユーザは容易にカード34−3の表裏及び上下を正しく認識することができる。図33に示すカード34−3の場合、ユーザは、カード34−3を座標検出器の画面に置く場合に穴344aがカード34−3の右上の角にくるように置かなければいけないことを予め知らされている。従って、ユーザは、カード34−3を座標検出器の画面に置く場合に穴344aがカード34−3の右上の角にくるように置くことで、カード34−3の表裏及び上下の方向が自動的に正しい状態で置かれることになり、カード34−3の表裏や上下の方向が誤っていることによるユーザIDの誤入力を確実に防止することができる。
【0250】
図34は、ユーザ認証用カードの第4実施例を示す図である。同図中、カード34−4には、マーク345a,345bが上下左右に対して非対称な位置に印刷又は幾何学的形状変化として形成されている。カード34−3の中央部分にはユーザIDを入力するための穴又は孔、切り欠き、マーク或いは図15と共に説明した打ち抜き可能な部分が設けられたID入力領域350が設けられている。マーク345a,345bは、例えば図5と共に説明したように、カード34−4の位置に関するデータを座標検出マイコン4に入力する際に用いられる。又、カード34−4の右上の角に形成されたマーク345aは、図31又は図32と共に示したような、ユーザがカード34−4の表裏及び上下を正しく認識するための向き指示手段としても機能する。このように、カード34−4のマーク345a,345bの位置を上下左右に対して非対称とすることにより、ユーザは容易にカード34−4の表裏及び上下を正しく認識することができる。図34に示すカード34−4の場合、ユーザは、カード34−4を座標検出器の画面に置く場合に穴345aがカード34−4の右上の角にくるように置かなければいけないことを予め知らされている。従って、ユーザは、カード34−4を座標検出器の画面に置く場合にマーク345aがカード34−4の右上の角にくるように置くことで、カード34−4の表裏及び上下の方向が自動的に正しい状態で置かれることになり、カード34−4の表裏や上下の方向が誤っていることによるユーザIDの誤入力を確実に防止することができる。
【0251】
尚、図33に示すカード34−3のID入力領域350は、画面がペン等により直接接触された場合にのみ座標入力が可能な構成を用いている場合には複数の不連続な穴又は孔、切り欠き或いは図15と共に説明した打ち抜き可能な部分からなり、カード34−3は透明な部材から形成されていても、不透明な部材から形成されていても良い。他方、図34に示すカード34−4のID入力領域350は、画面がペン等により直接接触されなくても座標入力が可能な構成を用いている場合には複数の不連続な穴又は孔、切り欠き、マーク或いは図15と共に説明した打ち抜き可能な部分からなり、カード34−4は透明な部材から形成されていても、不透明な部材から形成されていても良い。
【0252】
又、画面に表示される位置マーカがカードの外形内に表示される場合には、カードを透明な部材で形成することが望ましい。この場合、表示された位置マーカがカードを透過して見えるので、表示された位置マーカに対してカードを画面上で動かしながら、カードに設けられた穴又は孔、切り欠き或いはマークを位置マーカの位置と一致させやすい。
【0253】
更に、上記カードの各種実施例を任意に組み合わせ、カードに穴又は孔、切り欠き、マーク及び/又は打ち抜き可能な部分を混在させても良いことは言うまでもない。
【0254】
以上、本発明を実施例により説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0255】
【図1】本発明のシステム構成図である。
【図2】本発明の全体の動作説明フローチャートである。
【図3】本発明のカード位置変更フローチャートである。
【図4】本発明のユーザID入力画面イメージ例である。
【図5】本発明のカードを当てる位置を変更可能にする場合の説明図である。
【図6】本発明の登録データの構造説明図である。
【図7】本発明の入力順序を問わない場合の動作説明フローチャートである。
【図8】本発明の入力順序を問う場合の動作説明フローチャートである。
【図9】本発明のカード位置変更フローチャートである。
【図10】本発明のCPU上のソフトウェアがカードの位置を通知する場合のデータ構造説明図である。
【図11】本発明のソフトKBを利用するフローチャートである。
【図12】本発明の非表示のソフト10キー上にカードを当ててキーコードを通知する場合のデータ構造の説明図である。
【図13】本発明の非表示のソフト10キー上にカードを当ててキーコードを通知する場合のデータ構造の説明図(他の例)である。
【図14】本発明のソフトKBを利用するフローチャートである。
【図15】本発明のカードの構造例である。
【図16】本発明の抵抗膜方式の場合の説明図である。
【図17】本発明の比較説明図(固定値)である。
【図18】本発明のセキュリティレベル設定説明図である。
【図19】本発明の相対座標の範囲設定の説明図である。
【図20】本発明の許容範囲の学習説明図である。
【図21】本発明の検出終了の動作説明フローチャート(順序なしの場合)である。
【図22】本発明の検出終了の動作説明フローチャート(順序ありの場合)である。
【図23】本発明のタブレット上の任意位置にカードを当てるフローチャートである。
【図24】本発明のカード位置をタブレット上の任意位置とする場合のデータ構造の説明図である。
【図25】本発明の座標検出マイコンでのローカルなID認証フローチャートである。
【図26】本発明のID認証起動/ID入力終了の定義説明図である。
【図27】本発明のタブレット上の特定領域からの座標入力による終了検出フローチャート(順序を問う場合)である。
【図28】本発明の認証IDの数を増やす説明図である。
【図29】本発明の応用例(その1)である。
【図30】本発明の応用例(その2)である。
【図31】ユーザ認証用カードの第1実施例を示す図である。
【図32】ユーザ認証用カードの第2実施例を示す図である。
【図33】ユーザ認証用カードの第3実施例を示す図である。
【図34】ユーザ認証用カードの第4実施例を示す図である。
【符号の説明】
【0256】
1 CPU
2 各種回路
3 システムメモリ
4 座標検出マイコン
5 フラッシュROM
6 座標検出器
7 通信装置
8 CD−ROM装置
9 FD装置
10 ハードディスク装置
11 画面
12 カード枠
13 KBマイコン
21 タブレット
31 ペンPC
32 画面
33 ペン
34,34−1〜34−4 カード(IDカード)
41 ペン入力コンピュータ
42 表示部(パネル)
43 入力ペン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の不連続な異なる座標を指定する部材を介して入力された複数の座標を検出するタッチパネルと、前記部材は該タッチパネル上に置かれると共に前記複数の不連続な異なる座標を指定する複数の打ち抜き可能な部分又は突起を有し、
前記検出した複数の座標と登録した複数の座標とを比較する比較手段と、
該比較手段が比較した結果をもとに認証を行う認証手段を備えた、認証装置。
【請求項2】
前記部材は、複数の不連続な穴又は孔、切り欠き或いはマークにより前記複数の不連続な座標を指定する、請求項1記載の認証装置。
【請求項3】
前記複数の不連続な穴又は孔、切り欠き或いはマークは、前記部材の任意の位置に設けられている、請求項2記載の認証装置。
【請求項4】
前記検出した複数の座標の入力間隔が所定の間隔よりも長くなったとき、或いは、前記検出した複数の座標の入力間隔が入力間隔の平均値より長くなったときに前記複数の座標の入力が終了したと判定する判定手段を更に備えた、請求項1乃至3のいずれか1項記載の認証装置。
【請求項5】
前記部材は前記タッチパネル上の指定領域に置かれる、請求項1乃至4のいずれか1項記載の認証装置。
【請求項6】
前記登録した複数の座標、登録した座標のパターン、或いは、登録したコード値について、ユーザレベルと、ユーザレベルの全てに共通の管理者レベルとを登録する登録手段を更に備えた、請求項1乃至5のいずれか1項記載の認証装置。
【請求項7】
前記タッチパネルは、前記部材が前記タッチパネル上に置かれて当該指定をもとに入力された任意番目の1個或いは任意番目の複数個によって指示された位置にキーボードを仮想的に設定し、当該仮想的に設定したキーボードをもとに前記入力された位置のキーに対応するコードを検出し、前記比較手段は、前記検出したコードと登録したコードとを比較する、請求項1記載の認証装置。
【請求項8】
前記タッチパネルは、抵抗膜座標検出器上から前記部材を介して入力された座標に対応する抵抗を検出し、前記比較手段は、前記検出した抵抗と登録した抵抗とを比較することで前記検出した複数の座標と前記登録した複数の座標とを比較する、請求項1記載の認証装置。
【請求項9】
ポインティングデバイスを更に備え、
前記タッチパネルは、前記ポインティングデバイスにより前記部材を介して入力された座標を検出する、請求項1乃至8のいずれか1項記載の認証装置。
【請求項10】
前記ポインティングデバイスは、ペン又はスタイラスである、請求項9記載の認証装置。
【請求項11】
タッチパネル上に置かれ、複数の不連続な異なる座標を指定する複数の打ち抜き可能な部分又は突起を有する部材を介して入力された複数の座標を検出する検出ステップと、
前記検出した複数の座標と登録した複数の座標とを比較する比較ステップと、
該比較ステップが比較した結果をもとに認証を行う認証ステップを含む、ユーザ認証方法。
【請求項12】
前記部材は、複数の不連続な穴又は孔、切り欠き或いはマークにより前記複数の不連続な座標を指定する、請求項11記載のユーザ認証方法。
【請求項13】
前記複数の不連続な穴又は孔、切り欠き或いはマークは、前記部材の任意の位置に設けられている、請求項12記載のユーザ認証方法。
【請求項14】
前記認証ステップは、前記検出した複数の座標の順序と登録した座標の順序とをそれぞれ比較し、これら比較したそれぞれの結果をもとに認証を行う、請求項11乃至13のいずれか1項記載のユーザ認証方法。
【請求項15】
前記検出した複数の座標の入力間隔が所定の間隔よりも長くなったとき、或いは、前記検出した複数の座標の入力間隔が入力間隔の平均値より長くなったときに前記複数の座標の入力が終了したと判定する判定ステップを更に含む、請求項11乃至14のいずれか1項記載のユーザ認証方法。
【請求項16】
前記登録した複数の座標、登録した座標のパターン、或いは、登録したコード値について、ユーザレベルと、ユーザレベルの全てに共通の管理者レベルとを登録する登録ステップを更に含む、請求項11乃至15のいずれか1項記載のユーザ認証方法。
【請求項17】
前記比較ステップは、前記検出した複数の座標の任意番目の1個あるいは任意番目の任意個によって指示された位置及び登録パターンから前記登録した複数の座標を求める、請求項11記載のユーザ認証方法。
【請求項18】
前記検出ステップは、前記部材が前記タッチパネル上に置かれて当該指定をもとに入力された任意番目の1個或いは任意番目の複数個によって指示された位置にキーボードを仮想的に設定し、当該仮想的に設定したキーボードをもとに前記入力された位置のキーに対応するコードを検出し、前記比較ステップは、前記検出したコードと登録したコードとを比較する、請求項11記載のユーザ認証方法。
【請求項19】
前記検出ステップは、抵抗膜座標検出器上から前記部材を介して入力された座標に対応する抵抗を検出し、前記比較ステップは、前記検出した抵抗と登録した抵抗とを比較することで前記検出した複数の座標と前記登録した複数の座標とを比較する、請求項11記載のユーザ認証方法。
【請求項20】
コンピュータによるユーザ認証方法であって、
互いに異なる不連続な座標に対応する複数の不連続な突起を有する部材が、前記複数の不連続な突起がタッチパネルと接するように該タッチパネル上に置かれた際に、該複数の不連続な突起により指定された複数の点の加重平均座標を検出し、
前記検出した複数の点の加重平均座標と予め登録されている加重平均座標とを比較して比較結果を出力し、
前記比較結果に基づいて認証を行うことを特徴とする、ユーザ認証方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公開番号】特開2008−226243(P2008−226243A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−58071(P2008−58071)
【出願日】平成20年3月7日(2008.3.7)
【分割の表示】特願2003−202408(P2003−202408)の分割
【原出願日】平成10年4月7日(1998.4.7)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】