説明

誘導加熱装置

【課題】回路の小型化を可能とした誘導加熱装置を提供すること。
【解決手段】整流回路2と電流検出手段3を共用させた構成で、電流検出手段の検出値と目標値が一定時間内に所定値以上差が生じた場合に、第1および第2のインバータ4、5の少なくとも一方を停止させることで負荷変動が生じても安定に動作させることができ、インバータ回路を小型化できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波磁界による誘導加熱を利用して被加熱物の加熱を行う誘導加熱装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の誘導加熱装置は、商用電源からインバータへの入力電流に応じて加熱コイルに供給する高周波電流を制御している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図5は、特許文献1に記載された従来の誘導加熱装置を示すものである。図5に示すように、商用電源11と、第1及び第2の加熱コイル16,17と、商用電源を整流する第1及び第2の整流回路12、22と、整流回路の出力を高周波電力に変換しそれぞれの加熱コイルに高周波電力を供給する第1及び第2のインバータ14、15と、それぞれのインバータに供給される電流を検出する第1及び第2のカレントトランス13,23と、カンレントトランスの出力に応じてインバータの動作状態を制御するマイクロコンピュータ18とから構成されている。
【0004】
従来例の動作を説明する。図5において、マイクロコンピュータ18は、第1及び第2のカレントトランス13,23で検出した入力電流が予め設定された電流値になるように第1及び第2のインバータ14,15内の半導体スイッチの導通時間を制御して、第1及び第2にインバータ14,15に接続された第1及び第2の加熱コイル16,17に必要な高周波電流を供給する。
【0005】
第1及び第2の加熱コイル16,17に供給された高周波電流により、第1及び第2の加熱コイル16,17から発生する高周波磁界が、加熱コイルと磁気的に結合する鍋などの負荷に印加される。
【0006】
この高周波磁界により鍋などの負荷に渦電流が発生し、この渦電流と鍋自身の表皮抵抗により鍋自身が発熱する。
【0007】
また、第1及び第2の加熱コイル16,17に第1及び第2のインバータ14,15から同時に高周波電力を供給する際には、マイクロコンピュータ18が、各インバータに接続されたカレントトランスで各インバータ入力電流を検出し、各インバータの入力電力が所定値になるように第1及び第2のインバータ内の半導体スイッチを独立して制御している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−267052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、前記従来の構成では、複数の加熱コイルのそれぞれに高周波電力を供給するためのインバータと、整流回路と、カレントトランスとを複数個備える必要があり、回路が大型化して筐体内の収納が困難になるという課題を有していた。
【0010】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、回路の小型化を可能とした誘導加熱装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記従来の課題を解決するために、本発明の誘導加熱装置は、交流電源を整流する整流回路と、前記整流回路の出力を高周波電力に変換し第1および第2の加熱コイルに電力を印加する第1および第2のインバータと、前記交流電源からの入力電流を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段に応じて前記第1および第2のインバータ内にある複数の半導体スイッチの導通時間を制御する制御手段とを備え、第1および第2のインバータが同時に動作する際、制御手段は前記電流検出手段の検出値が目標値に到達した後、電流検出手段の検出値と目標値が一定時間内に所定値以上差が生じた場合に、第1および第2のインバータの少なくとも一方を停止させる誘導加熱装置としたものである。
【0012】
これにより、整流回路と電流検出手段を共用化した構成で2つのインバータの同時動作を行ってもそれぞれのインバータに所定の電力を供給することができるとともに、加熱コイル上の負荷の状態が変動するのを検出することができるため、インバータ回路の安定動作が可能となり、インバータ回路の実装体積が少なくなる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の誘導加熱装置は、整流回路と電流検出手段を、2つのインバータに対して共用化した構成で、2つのインバータの同時動作を行っても、それぞれのインバータに所定の電力を供給することができるとともに、加熱コイル上の負荷の変動を検出することができるため、インバータ回路の安定動作が可能となり、インバータ回路の実装体積が少なくコンパクトな誘導加熱装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1における誘導加熱装置の回路構成図
【図2】本発明の実施の形態1における誘導加熱装置の負荷変動時の入力電流変化グラフ
【図3】本発明の実施の形態2における誘導加熱装置の入力電流変化グラフ
【図4】本発明の実施の形態3における誘導加熱装置の半導体スイッチの最大導通時間を示すグラフ
【図5】従来の誘導加熱装置の回路構成図
【発明を実施するための形態】
【0015】
第1の発明は、交流電源を整流する整流回路と、前記整流回路の出力を高周波電力に変換し第1および第2の加熱コイルに電力を印加する第1および第2のインバータと、前記交流電源からの入力電流を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段に応じて前記第1および第2のインバータ内にある複数の半導体スイッチの導通時間を制御する制御手段とを備え、第1および第2のインバータが同時に動作する際、制御手段は前記電流検出手段の検出値が目標値に到達した後、電流検出手段の検出値と目標値が一定時間内に所定値以上差が生じた場合に、第1および第2のインバータの少なくとも一方を停止させる誘導加熱装置とすることにより、整流回路と電流検出手段を共用化した構成で2つのインバータの同時動作を行っても、それぞれのインバータに所定の電力を供給することができるとともに、加熱コイル上の負荷の状態が変動を検出することができるため、インバータ回路の安定動作が可能となり、インバータ回路の実装体積の少ないコンパクトな誘導加熱装置を実現することができる。
【0016】
第2の発明は、交流電源を整流する整流回路と、前記整流回路の出力を高周波電力に変換し第1および第2の加熱コイルに電力を印加する第1および第2のインバータと、前記交流電源からの入力電流を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段に応じて前記第1および第2のインバータ内にある複数の半導体スイッチの導通時間を制御する制御手段と
を備え、第1および第2のインバータが同時に動作する際、制御手段は前記電流検出手段の検出値が目標値に到達した後、電流検出手段の検出値と目標値が一定時間内に所定値以上差が生じた場合に、第1および第2のインバータの少なくとも一方の導通時間を最小導通時間にすることにより、整流回路と電流検出手段を共用化した構成で2つのインバータの同時動作を行ってもそれぞれのインバータに所定の電力を供給することができるとともに、加熱コイル上の負荷の状態が変動した際に、再加熱までの時間を短くすることができるため、インバータ回路が安定して電力を供給することが可能となり、インバータ回路の実装体積の少ないコンパクトな誘導加熱装置を実現することができる。
【0017】
第3の発明は、特に、第1および第2の発明の制御手段を、インバータが同時に動作する際、電流検出手段の検出値が目標値に到達した際の第1および第2のインバータ内の半導体スイッチの導通時間を安定時導通時間として、目標値の変更がない場合、安定時動通時間から一定時間以上導通時間が増加しない最大導通時間を設けるとすることにより、整流回路と電流検出手段を共用化した構成で独立した2つのインバータの同時動作を行っても各加熱コイル上の置かれた負荷がずれた場合に、加熱コイルの中心から負荷がずれるに従って入力電力を減少させることができるため、負荷がずれた状態で大きな入力電力を供給することを防止することができる。
【0018】
第4の発明は、特に、第4の発明の制御手段を、第1および第2のインバータのいずれか一方が最大導通時間に達した場合、第1および第2のインバータの双方の導通時間の増加を禁止することにより、整流回路と電流検出手段を共用化した構成で独立したインバータの同時動作を行ってもそれぞれの加熱コイル上の置かれた負荷を移動させた場合に、加熱コイルの中心から鍋がずれるに従って入力電力を減少させることができるため、鍋がずれた状態で大きな入力電力を供給することを防止することができる。
【0019】
第5の発明は、特に、第3の発明の制御手段を、第1および第2のインバータのいずれか一方が最大導通時間に達した場合、第1および第2のインバータの少なくとも一方を停止させることにより、整流回路と電流検出手段を共用化した構成で独立したインバータの同時動作を行ってもそれぞれの加熱コイル上の置かれた負荷を移動させた際に、加熱動作を止めることができるため、不要な動作を抑えることができる。
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0021】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における誘導加熱装置の回路構成図を示す。
【0022】
図1において、交流電源1と、交流電源を整流する整流回路2と、整流回路2の出力を高周波電力に変換する第1及び第2のインバータ4,5と、それぞれのインバータに接続されそれぞれのインバータから高周波電流が供給される第1及び第2の加熱コイル6,7と、交流電源からの入力電流を検出する電流検出手段3と、電流検出手段3からの出力に従い第1及び第2のインバータ内の半導体スイッチを制御する制御手段8とで構成している。
【0023】
ここで、第1のインバータ4と第1の加熱コイル6、及び第2のインバータ5と第2の加熱コイル7は、制御手段8の指令に従い、それぞれの加熱コイル上の戴置した鍋などの負荷を、加熱することになる。
【0024】
以上のように構成された誘導加熱装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0025】
図2は、本発明の第1の実施の形態における誘導加熱装置の負荷変動時の入力電流変化グラフである。
【0026】
まず、制御手段8は、第1または第2の加熱コイル6,7への動作指令を受け取ると、第1または第2の加熱コイル6,7上に載置された鍋などの負荷が加熱適合負荷かどうかを電気的な特性などを用いて判別し、不適合鍋の場合は加熱を停止させる。
【0027】
一方、制御手段8は、負荷が適合であるとみなした場合には、電流検出手段3により検出した入力電流が、設定値に達するまで加熱電力を順次増加させる。
【0028】
なお、単独の加熱コイルのみ電力を供給する際には、入力電流の目標値はそれぞれの加熱コイルに所定の電力を供給するための入力電流値となる。同時加熱の際の目標値は、両加熱コイルへ所定の電力を供給するためのそれぞれの入力電流値の合計値になる。
【0029】
ここで、両加熱コイルの同時加熱の際には、電流検出手段3はそれぞれのインバータに供給される入力電流の合計電流を検出することになるため、例えば負荷が加熱コイル上から取り除かれた際には、図2に示すように入力電流が設定値(目標値)に対して少ない状態が発生することになる。
【0030】
そこで、制御手段8は、一定時間(Δt)入力電流が目標値に対して少ない(ΔI)が継続した場合には、負荷に変動が生じたものと見なして各インバータの動作を停止させる。
【0031】
なお、図2では入力電流が目標値より一定量少ない場合を示しているが、一定量より多い場合が一定時間継続した場合も、負荷変動があったものとみなして停止させることが望ましい。
【0032】
また、変動を検出する時間(Δt)を、制御手段8が入力電流が少ないことを検出して各インバータ内の半導体スイッチの導通時間または周波数を増加させる補正時間よりも短かく設定することで、より検知速度を上げることが可能となる。
【0033】
更に、負荷変動を検出した際に、インバータを順番に停止させることで負荷変動が生じた加熱コイルを特定することが可能となる。すなわち、負荷変動があったインバータを停止させると、入力電流が変化せず、負荷変動がなかった側を停止させると入力電流が減少することになる。ここで、負荷変動がなかった側を停止させた場合には、すばやく所定の電力に復帰させることで違和感を感じずに調理動作を継続させることができる。
【0034】
また、どちらのインバータに負荷変動があったかが、加熱コイルに流れる電流や発生する共振電圧などの変化により検出できる場合は、当該インバータを優先的に停止させることも可能である。
【0035】
なお、負荷変動(負荷がなくなるなど)したインバータは通常の再起動動作を行い、再び負荷が正常な位置に戴置されると同時動作の状態に移行することになる。
【0036】
以上のように、本実施の形態においては、2つのバーナの同時加熱を行う際、制御手段8は電流検出手段3の検出値が目標値に到達した後、電流検出値3の検出値と目標値が一定時間内に所定値以上差が生じた場合に、第1および第2のインバータ4,5の少なくとも一方を停止させることにより、整流回路と入力電流検出手段を共用化した構成で2つのインバータの同時動作を行ってもそれぞれの加熱コイル上に置かれた負荷の変動を検出できるため、インバータの安定した動作が可能となり、インバータ回路の実装体積の小さい
コンパクトな誘導加熱装置を実現できるものである。
【0037】
(実施の形態2)
図3は、本発明の第2の実施の形態における誘導加熱装置の入力電流変化グラフである。本実施の形態の構成は実施の形態1と同一である。
【0038】
両加熱コイルの同時加熱の際に、電流検出手段3はそれぞれのインバータに供給される入力電流の合計電流を検出することになるため、例えば負荷が加熱コイル上から取られた際には、図3に示すように入力電流が設定値(目標値)に対して少ない状態が発生することになる。
【0039】
そこで、制御手段8は、一定時間(Δt)入力電流が目標値に対して少ない(ΔI)が継続した場合には、負荷に変動が生じたものと見なして各インバータの導通時間を最小導通時間まで減少させる。
【0040】
なお、図3では入力電流が目標値より一定量少ない場合を示しているが、一定量より多い場合が一定時間継続した場合も、負荷変動があったものとみなし各インバータの導通時間を最小導通時間まで減少させることが望ましい。
【0041】
また、変動を検出する時間(Δt)を、制御手段8が入力電流が少ないことを検出して各インバータ内の半導体スイッチの導通時間または周波数を増加させる補正時間よりも短かく設定することで、より検知速度を上げることが可能となる。
【0042】
更に、負荷変動を検出した際に、各インバータの導通時間を最小導通時間まで順番に減少させる動作を行うことで、負荷変動が生じた加熱コイルを特定することが可能となる。
【0043】
すなわち、負荷変動があったインバータの導通時間を最小設定にすると入力電流が変化せず、負荷変動がなかった側のインバータの導通時間を最小導通時間まで減少させると入力電流が減少することになる。
【0044】
ここで、負荷変動がなかった側のインバータの導通時間を最小導通時間まで減少させた場合には、すばやく所定の電力に復帰させることで違和感を感じずに調理動作を継続させることができる。
【0045】
あるいは、負荷変動を検出した際にインバータの導通時間を最小導通時間まで減少させた後に、順番に導通時間を増加させることで、負荷変動のあったインバータを特定することもできる。
【0046】
また、どちらのインバータに負荷変動があったかが、加熱コイルに流れる電流や発生する共振電圧などの変化により検出できる場合は、当該インバータを優先的に停止させることも可能である。
【0047】
なお、負荷変動(負荷がなくなるなど)したインバータは通常の再起動動作を行い、再び負荷が正常な位置に戴置されると同時動作の状態に移行することになる。
【0048】
以上のように、本実施の形態においては、2つのバーナの同時加熱を行う際、制御手段8は電流検出手段3の検出値が目標値に到達した後、電流検出値3の検出値と目標値が一定時間内に所定値以上差が生じた場合に、第1および第2のインバータ4,5の少なくとも一方の導通時間を最小導通時間にすることにより、整流回路と入力電流検出手段を共用化した構成で2つのインバータの同時動作を行ってもそれぞれの加熱コイル上の置かれた
負荷を移動させるなどして加熱条件が変わった際に加熱動作を違和感なく停止させることができるため、不要な動作を抑える誘導加熱装置を実現できるものである。
【0049】
(実施の形態3)
図4は、本発明の第3の実施の形態における誘導加熱装置の半導体スイッチの最大導通時間を示すグラフである。本実施の形態の構成は実施の形態1と同一である。
【0050】
両加熱コイルの同時加熱の際、電流検出手段3はそれぞれのインバータに供給される入力電流の合計電流を検出しているため、例えば鍋などの負荷がはじめの載置状態からずれて置かれた場合には、制御手段8は入力電流が設定値になるように第1または第2のインバータ4,5内の半導体スイッチの導通時間(Ton)を長くなるように制御することになる。ここで、制御手段8は、安定状態の導通時間を検出して(図4の導通時間A)、その導通から一定時間(Δα)を最大導通時間(図4の導通時間B)としてそれ以上導通時間が増加しないようにしている。
【0051】
このことにより、鍋などの負荷がバーナの中心から更にずれても、Tonmax以上に導通時間が増加しないため、加熱コイルと鍋などの負荷の結合が悪くなるに従い、入力電力は減少していくことになる。
【0052】
よって、鍋などの負荷がバーナの中心からずれた状態で、負荷に不要に大電力が供給されることを防止することができる。
【0053】
また、第1のインバータ4,第2のインバータ5のいずれか一方の導通時間が最大導通時間(Tonmax)に達した時点で、両インバータの導通時間の増加を制限することで、鍋などの負荷にずれが生じたインバータとは異なるインバータの電力を増加させた場合において、電力が片方のインバータに集中して供給されることを防止することができる。
【0054】
あるいは、第1のインバータ4,第2のインバータ5のいずれか一方の導通時間が最大導通時間(Tonmax)に達した時点で、少なくとも一方のインバータを停止させることで、鍋などの負荷にずれが生じたインバータとは異なるインバータの電流を増加させ、電力が片方のインバータに集中することを防止することができる。
【0055】
なお、本実施の形態ではTonに関する制限値を設けているが、周波数の変化による制御を行っている場合は安定周波数(f)に対して許容できる最低周波数(f−Δα:fmin)を設けることで同様の制御を行うことが可能である。
【0056】
以上のように、本実施の形態においては、2つのバーナの同時加熱を行う時の第1および第2のインバータ4,5が同時に動作する際、制御手段8は電流検出手段3の検出値が目標値に到達した際の第1および第2のインバータ4,5内の半導体スイッチの導通時間を安定時導通時間として、目標値の変更がない場合、安定時動通時間から一定時間以上導通時間が増加しない最大導通時間を設けることで、整流回路と電流検出手段を共用化した構成で独立した2つのインバータの同時動作を行っても、各加熱コイル上の置かれた負荷が中心からずれた場合に、加熱コイルの中心から負荷がずれるに従って入力電力を減少させることができるため、負荷が中心からずれた状態で大きな入力電力を供給することを防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
以上のように、本発明にかかる誘導加熱装置は、インバータ回路の小型化が可能となり、回路の実装体積が小さくなるので、複数バーナによる加熱をおこなう調理器に有効である。
【符号の説明】
【0058】
1 交流電源
2 整流回路
3 電流検出手段
4 第1のインバータ
5 第2のインバータ
6 第1の加熱コイル
7 第2の加熱コイル
8 制御手段
12 第1の整流回路
13 第1のカレントトランス
18 マイクロコンピュータ
22 第2の整流回路
23 第2のカレントトランス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電源を整流する整流回路と、前記整流回路の出力を高周波電力に変換し第1および第2の加熱コイルに電力を印加する第1および第2のインバータと、前記交流電源からの入力電流を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段に応じて前記第1および第2のインバータ内にある複数の半導体スイッチの導通時間を制御する制御手段とを備え、第1および第2のインバータが同時に動作する際、制御手段は前記電流検出手段の検出値が目標値に到達した後、電流検出手段の検出値と目標値が一定時間内に所定値以上差が生じた場合に、第1および第2のインバータの少なくとも一方を停止させる誘導加熱装置。
【請求項2】
交流電源を整流する整流回路と、前記整流回路の出力を高周波電力に変換し第1および第2の加熱コイルに電力を印加する第1および第2のインバータと、前記交流電源からの入力電流を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段に応じて前記第1および第2のインバータ内にある複数の半導体スイッチの導通時間を制御する制御手段をと備え、第1および第2のインバータが同時に動作する際、制御手段は前記電流検出手段の検出値が目標値に到達した後、電流検出手段の検出値と目標値が一定時間内に所定値以上差が生じた場合に、第1および第2のインバータの少なくとも一方の導通時間を最小導通時間にする誘導加熱装置。
【請求項3】
制御手段は、第1および第2のインバータが同時に動作する際、電流検出手段の検出値が目標値に到達した際の第1および第2のインバータ内の半導体スイッチの導通時間を安定時導通時間として、目標値の変更がない場合、安定時動通時間から一定時間以上導通時間が増加しない最大導通時間を設ける請求項1または2に記載の誘導加熱装置。
【請求項4】
制御手段は、第1および第2のインバータのいずれか一方が最大導通時間に達した場合、第1および第2のインバータの双方の導通時間の増加を禁止する請求項3に記載の誘導加熱装置。
【請求項5】
制御手段は、第1および第2のインバータのいずれか一方が最大導通時間に達した場合、第1および第2のインバータの少なくとも一方を停止させる請求項3に記載の誘導加熱装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−262883(P2010−262883A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−114312(P2009−114312)
【出願日】平成21年5月11日(2009.5.11)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】