説明

誘電体磁器およびコンデンサ

【課題】 高誘電率かつ安定な比誘電率の温度特性を示す誘電体磁器と、それを用いたコンデンサを提供する。
【解決手段】 チタン酸バリウムを主成分とする結晶粒子を有し、マグネシウム、イットリウム、マンガンおよびニオブを酸化物換算で所定の割合で含有するとともに、結晶粒子の平均粒径を0.05〜0.2μmとすることにより、従来の強誘電性を有する誘電体磁器よりも比誘電率の温度変化率が小さく、また、従来の常誘電性を有する誘電体磁器に比較して高誘電率であり、かつ安定な比誘電率の温度特性を示すとともに、自発分極の小さい誘電体磁器を得ることができる。また、上記誘電体磁器を誘電体層として適用することにより、従来のコンデンサよりも高容量かつ容量温度特性の安定なコンデンサを形成できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チタン酸バリウムを主成分とする結晶粒子によって形成された誘電体磁器とそれを用いたコンデンサに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、モバイルコンピュータや携帯電話をはじめとするデジタル方式の電子機器の普及が目覚ましく、近い将来、地上デジタル放送が全国に展開されようとしている。地上デジタル放送用の受信機であるデジタル方式の電子機器として液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどがあるが、これらデジタル方式の電子機器には多くのLSIが用いられている。
【0003】
そのため、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなど、これらデジタル方式の電子機器を構成する電源回路にはバイパス用のコンデンサが数多く実装されているが、ここで用いられているコンデンサは高い静電容量を必要とする場合には高誘電率の積層セラミックコンデンサ(例えば、特許文献1を参照)が採用され、一方、低容量でも温度特性を重視する場合には容量変化率の小さい温度補償型の積層セラミックコンデンサ(例えば、特許文献2を参照)が採用されている。
【特許文献1】特開2001−89231号公報
【特許文献2】特開2001−294481号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された高誘電率の積層セラミックコンデンサは、強誘電性を有する誘電体磁器の結晶粒子によって構成されているため比誘電率の温度変化率が大きく、かつ誘電分極を示すヒステリシスが大きいという不具合があった。
【0005】
また、特許文献1に開示された強誘電性の誘電体磁器を用いて形成されたコンデンサでは、電源回路上において電気誘起歪に起因する“音鳴り”現象を発生させやすいことから、プラズマディスプレイなどに使用する際の障害となっていた。
【0006】
一方、温度補償型の積層セラミックコンデンサは、それを構成する誘電体磁器が常誘電性であるため電界−誘電分極特性におけるヒステリシスが小さく、強誘電性特有の電気誘起歪が起こらないという利点があるものの、誘電体磁器の比誘電率が低いために蓄電能力が低くバイパスコンデンサとしての性能を満たさないという問題があった。
【0007】
従って、本発明は、高誘電率かつ安定な比誘電率の温度特性を示す誘電体磁器と、それを用いたコンデンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の誘電体磁器は、チタン酸バリウムを主成分とする結晶粒子と、該結晶粒子間に形成された粒界相とからなる誘電体磁器であって、前記チタン酸バリウムを構成するバリウム1モルに対して、マグネシウムをMgO換算で0.01〜0.06モルの割合で、イットリウムをY換算で0.0015〜0.03モルの割合で、マンガンをMnO換算で0.0002〜0.03モルの割合で含有するとともに、前記チタン酸バリウム100質量部に対して、ニオブをNb換算で4.2〜33.3質量部含有し、かつ前記結晶粒子の平均粒径が0.05〜0.2μmであることを特徴とする。
【0009】
また、本発明のコンデンサは、上記誘電体磁器からなる誘電体層と導体層との積層体から構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の誘電体磁器によれば、チタン酸バリウムを主成分とする結晶粒子を有し、マグネシウム、イットリウム、マンガンおよびニオブを酸化物換算で上記の割合で含有するとともに、前記結晶粒子の平均粒径を0.05〜0.2μmとすることにより、従来の強誘電性を有する誘電体磁器よりも比誘電率の温度変化率が小さく、また、従来の常誘電性を有する誘電体磁器に比較して高誘電率であり、かつ安定な比誘電率の温度特性を示すとともに、自発分極の小さい誘電体磁器を得ることができる。
【0011】
また、本発明のコンデンサによれば、誘電体層として、高誘電率かつ安定な比誘電率の温度特性を示し、自発分極の小さい上記誘電体磁器を適用することにより、従来のコンデンサよりも高容量かつ容量温度特性の安定なコンデンサを形成できる。その為、このコンデンサを電源回路に用いた場合、電気誘起歪に起因する“音鳴り”現象の発生を抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の誘電体磁器は、チタン酸バリウムを主成分として、これにマグネシウム、イットリウム、マンガンおよびニオブを含有するものであり、その含有量はバリウム1モルに対して、マグネシウムをMgO換算で0.01〜0.06モルの割合で、イットリウムをY換算で0.0015〜0.03モルの割合で、マンガンをMnO換算で0.0002〜0.03モルの割合で含有するとともに、前記チタン酸バリウム100質量部に対して、ニオブをNb換算で4.2〜33.3質量部含有することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の誘電体磁器では、誘電体磁器を構成する結晶粒子の平均粒径が0.05〜0.2μmであることが重要である。
【0014】
上記組成および粒径の範囲であると、室温における比誘電率を250以上、125℃における比誘電率を230以上および25℃〜125℃間における比誘電率の温度係数((ε−ε25)/ε25(T−25))を絶対値で1000×10−6/℃以下にでき、電界−誘電分極特性におけるヒステリシスの小さい誘電体磁器を形成できるという利点がある。
【0015】
このような本発明の誘電体磁器は、チタン酸バリウムにマグネシウム、イットリウム、マンガンおよびニオブが固溶したもので、結晶構造が正方晶系で強誘電性を示すチタン酸バリウムに、マグネシウム、イットリウム、マンガンおよびニオブを固溶させるとともに、これらの成分が固溶したチタン酸バリウムを主成分とする結晶粒子の平均粒径を特定の範囲とすることで、当該結晶粒子の結晶構造が立方晶系を主体としたものとすることができる。これにより正方晶系の結晶構造に起因する強誘電性が低下し、常誘電性を高めることができ、常誘電性が増すことで自発分極を低減できる。
【0016】
また、チタン酸バリウムを主成分とする結晶粒子の結晶構造を立方晶系を主体とする結晶構造とすることで、比誘電率の変化率を示す曲線が−55℃〜125℃の温度範囲において平坦となり、いずれも電界−誘電分極特性におけるヒステリシスが小さくなる。そのため、比誘電率が250以上でも比誘電率の温度係数の小さい誘電体磁器を得ることができる。
【0017】
即ち、上述した範囲でチタン酸バリウムに対して、マグネシウム、イットリウム、マンガンを所定量含有させると、室温(25℃)以上のキュリー温度を示し、比誘電率の温度係数が正の値を示す誘電体磁器となるが、このような誘電特性を示す誘電体磁器に対して、さらにNbを含有させた場合に、本発明の効果が大きく現れ、比誘電率の温度係数を小さくして温度特性を平坦化できる。この場合、比誘電率の変化率を示す曲線が−55℃〜125℃の温度範囲において室温を中心にして2つのピークを有するものとなる。
【0018】
ここで、ニオブはチタン酸バリウムを主成分とする結晶粒子の粗大化を抑制する働きをもち、チタン酸バリウム100質量部に対して、ニオブをNb換算で4.2〜33.3質量部含有することが重要である。
【0019】
即ち、チタン酸バリウム100質量部に対するNbの含有量が4.2質量部よりも少ないと、誘電体磁器の比誘電率が高いものの、比誘電率の温度係数が大きいものとなり、一方、チタン酸バリウム100質量部に対するNbの含有量が33.3質量部よりも多いと、25℃における比誘電率が250よりも低くなり、また、125℃における比誘電率が230未満となるためである。
【0020】
また、マグネシウム、イットリウム、マンガンの含有量は、バリウム1モルに対して、マグネシウムをMgO換算で0.01〜0.06モルの割合で、イットリウムをY換算で0.0015〜0.03モルの割合で、マンガンをMnO換算で0.0002〜0.03モルの割合で含有することが重要である。
【0021】
即ち、バリウム1モルに対するマグネシウムの含有量がMgO換算で0.01モルより少ない場合または0.06モルより多い場合には、誘電体磁器の比誘電率の温度係数が大きくなるからであり、また、バリウム1モルに対するイットリウムの含有量がY換算で0.0015モルよりも少ない場合または0.03モルよりも多い場合には、誘電体磁器の比誘電率は高いものの、比誘電率の温度係数が大きくなるからであり、さらにバリウム1モルに対するマンガンの含有量がMnO換算で0.0002モルよりも少ない場合または0.03モルよりも多い場合には、誘電体磁器の比誘電率の温度係数が大きくなるからである。
【0022】
さらに、本発明の誘電体磁器はチタン酸バリウムを主成分とする結晶粒子の平均粒径が0.05〜0.2μmであることが重要である。
【0023】
即ち、チタン酸バリウムを主成分とする結晶粒子の平均粒径を0.05〜0.2μmとすることで、そのチタン酸バリウムを主成分とする結晶粒子が立方晶系を主体とする結晶構造となり、電界−誘電分極特性におけるヒステリシスが小さく常誘電性に近い特性を示すものにでき、チタン酸バリウムを主成分とする結晶粒子の平均粒径が0.05μmよりも小さい場合には、配向分極の寄与が無くなるため誘電体磁器の比誘電率が低下し、一方、結晶粒子の平均粒径が0.2μmよりも大きい場合には、X線回折による測定において正方晶系の結晶相が見られ誘電体磁器の比誘電率の温度係数が大きくなるからである。なお、立方晶系を主体とする結晶構造とは、立方晶系のチタン酸バリウムの最も強いピークである(110)面の回折ピークの強度が異相の回折ピークの強度よりも大きい状態をいう。
【0024】
また、本発明では、電界−誘電分極特性において0Vでの分極電荷を20nC/cm以下にできるという点で、結晶粒子の平均粒径は0.14〜0.18μmがより望ましい。
【0025】
また、好ましいニオブ、マグネシウム、イットリウムおよびマンガンの含有量としては、バリウム1モルに対するマグネシウムがMgO換算で0.017〜0.06モル、イットリウムがY換算で0.005〜0.01モル、マンガンがMnO換算で0.01〜0.03モルの割合でそれぞれ含み、ニオブがチタン酸バリウム100質量部に対してNb換算で6.3〜15.6質量部の範囲で含有するとともに、バリウム1モルに対するチタン比が0.97〜0.98であるものが良く、この範囲の誘電体磁器は、25℃における比誘電率を400以上、125℃における比誘電率を380以上、比誘電率の温度係数を絶対値で400×10−6/℃以下にすることが可能になる。
【0026】
次に、本発明の誘電体磁器の製法について説明する。先ず、素原料粉末として、純度がいずれも99%以上のBaCO粉末とTiO粉末、MgO粉末、Y粉末および炭酸マンガン粉末を用いる。これらの素原料粉末を、チタン酸バリウムを構成するバリウム1モルに対して、MgOを0.01〜0.06モルの割合で、Yを0.0015〜0.03モルの割合で、炭酸マンガンを0.0002〜0.03モルの割合で配合する。
【0027】
次に、上記した素原料粉末の混合物を湿式混合し、乾燥させた後、温度900〜1100℃で仮焼し、粉砕する。このとき仮焼粉末の結晶構造が立方晶系を主体とするものとなるように粒成長させることにより常誘電性に近い比誘電率の温度特性を維持した高誘電率の誘電体磁器を得ることが可能になる。
【0028】
次いで、この仮焼粉末100質量部に対してNb粉末を4.0〜32質量部の割合で混合する。この後、混合粉末をペレット状に成形し、大気中で1150℃〜1250℃の温度範囲で焼成を行うことにより本発明の誘電体磁器を得ることができる。ここで、焼成温度が1150℃よりも低い場合には結晶粒子の粒成長と緻密化が抑えられるため密度が低いものとなり、一方、焼成温度が1250℃よりも高い場合には結晶粒子が粒成長しすぎてしまうおそれがある。
【0029】
次に、図1は本発明のコンデンサの例を示す断面模式図である。本発明の誘電体磁器を用いて、以下のようなコンデンサを形成できる。
【0030】
本発明のコンデンサはコンデンサ本体10の端部に外部電極12が設けられたものであり、また、コンデンサ本体10は誘電体層13と内部電極層である導体層14とが交互に積層された積層体1から構成されている。そして、誘電体層13は上述した本発明の誘電体磁器によって形成されることが重要である。この場合、導体層14は高積層化しても製造コストを抑制できるという点でNiやCuなどの卑金属が望ましく、特に、本発明のコンデンサを構成する誘電体層13との同時焼成を図るという点でNiがより望ましい。この導体層14の厚みは平均で1μm以下が好ましい。
【0031】
また、このようなコンデンサを作製する場合には、上述した混合粉末をグリーンシートに成形するとともに、導体層14となる導体ペーストを調製して前記グリーンシートの表面に印刷した後積層し焼成して積層体1を形成する。しかる後、積層体1の端面にさらに導体ペーストを印刷して焼成し、外部電極2を形成することによりコンデンサを得ることができる。
【実施例】
【0032】
本発明の誘電体磁器を以下のように作製した。まず、いずれも純度が99.9%のBaCO粉末、TiO粉末、MgO粉末、Y粉末、炭酸マンガン粉末を用意し、表1に示す割合で調合し混合粉末を調製した。なお、表1に示すMg、YおよびMnの量はそれぞれMgO、YおよびMnOに相当する量である。TiはBa1モルに対するモル比である。
【0033】
次に、混合粉末を温度1000℃にて仮焼して仮焼粉末を作製した後、得られた仮焼粉末を粉砕した。この後、仮焼粉末100質量部に対して、純度99.9%のNb粉末を表1に示す割合で混合した。この後、混合粉末を造粒し、直径16.5mm、厚さ1mmの形状のペレット状に成形した。
【0034】
次に、各組成のペレットを10個ずつ、大気中にて、表1に示す温度で焼成した。誘電体磁器の平均粒径は誘電体磁器の破断面を研磨した後、走査型電子顕微鏡を用いて内部組織の写真を撮り、次いで、その写真に映し出されている結晶粒子の輪郭を画像処理し、各粒子を円と見立ててその直径を求め、平均化して求めた。写真の倍率は約30000倍とし、観察点数は各試料3点とし、その平均値を求めた。
【0035】
焼成後の試料の表面にインジウム・ガリウムの導体層を印刷した。作製した誘電体磁器であるこれらの試料はLCRメーター4284Aを用いて周波数1.0kHz、入力信号レベル1.0Vにて静電容量を測定し、試料の直径と厚みおよび導体層の面積から比誘電率を算出した。また、比誘電率の温度係数を25〜125℃の範囲で測定した。これらの測定は試料数を各10個とし、その平均値を求めた。
【0036】
また、得られた誘電体磁器について電気誘起歪の大きさを誘電分極の測定によって求めた。この場合、電圧を±1250Vの範囲で変化させた時の、0Vにおける電荷量(残留分極)の値で評価した。また、試料の組成分析はICP分析もしくは原子吸光分析により行った。この場合、得られた誘電体磁器を硼酸と炭酸ナトリウムと混合し溶融させたものを塩酸に溶解させて、まず、原子吸光分析により誘電体磁器に含まれる元素の定性分析を行い、次いで、特定した各元素について標準液を希釈したものを標準試料として、ICP発光分光分析にかけて定量化した。また、各元素の価数を周期表に示される価数として酸素量を求めた。
【0037】
表1に調製組成、仮焼粉末の平均粒径および焼成温度を、表2に焼成後の結晶粒子の平均粒径と特性の結果を示す。
【0038】
ここで、表1におけるNbの添加量は仮焼粉末100質量部に対する割合である。一方、表2におけるNbの含有量は誘電体磁器中におけるチタン酸バリウム100質量部に対する割合である。また、表2に示すMg、YおよびMnの量は酸化物換算量である。なお、表2において、比誘電率の温度変化の曲線の欄において○を付してないものは2つのピークがみられなかった試料を、分極電荷の欄において○を付してないものは分極電荷が20nC/cm以下ではない試料を示すことを意味する。
【表1】

【0039】
【表2】

【0040】
表2の結果から明らかなように、本発明の誘電体磁器である試料No.2〜7、10〜13、16〜19、21〜25、27、28、30、33および34では、25℃における比誘電率が250以上、125℃における比誘電率が230以上であり、25〜125℃における比誘電率の温度係数が絶対値で1000×10−6/℃以下であった。
【0041】
特に、MgOを0.017〜0.06モル、Yを0.005〜0.01モル、MnOを0.01〜0.03モル、主成分であるチタン酸バリウム100質量部に対するNbの含有量が6.3〜15.6質量部であり、バリウム1モルに対するチタン比を0.97〜0.98である試料No.3〜5、11、12、17〜19、24、25、27、33および34では、25℃における比誘電率が400以上、125℃における比誘電率が380以上、比誘電率の温度係数が絶対値で400×10−6/℃以下であり、比誘電率の変化率を示す曲線が−55℃〜125℃の温度範囲において2つのピークを有し、かつ電界−誘電分極特性の測定において大きなヒステリシスが見られなかった。ヒステリシスの見られない試料は分極電荷が0Vにおいて20nC/cm以下であった。
【0042】
これらの試料から選択した試料No.4の誘電体磁器のX線回折図を図2に、同試料の比誘電率の変化を示すグラフを図3に、同試料の電界−誘電分極特性を図4にそれぞれ示す。試料No.4の誘電体磁器は図2〜図4に見られるように、結晶構造が立方晶系を主体とするものであり、また、比誘電率の温度特性が25℃を中心に2つのピークを有し、比誘電率の変化率が小さく、さらに、電界−誘電分極特性のヒステリシスが小さいものであった。また、他の試料についても結晶構造が立方晶系を主体とするものであり、また、比誘電率の変化率が小さいものであった。
【0043】
これに対して、本発明の範囲外の試料では、25℃における比誘電率が200未満であるか、または誘電分極にヒステリシスがあり、比誘電率の温度係数が絶対値で1000×10−6/℃よりも大きいものであった。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明のコンデンサの例を示す断面模式図である。
【図2】本発明の誘電体磁器のX線回折図の代表例である(試料No.4)。
【図3】本発明の誘電体磁器についての比誘電率の変化率を示すグラフである(試料No.4、試料No.33および試料No.34)。
【図4】本発明の誘電体磁器について求めた誘電分極(V−Q)特性の代表例である(試料No.4)。
【符号の説明】
【0045】
1 積層体
10 コンデンサ本体
13 誘電体層
14 導体層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チタン酸バリウムを主成分とする結晶粒子と、該結晶粒子間に形成された粒界相とからなる誘電体磁器であって、前記チタン酸バリウムを構成するバリウム1モルに対して、マグネシウムをMgO換算で0.01〜0.06モルの割合で、イットリウムをY換算で0.0015〜0.03モルの割合で、マンガンをMnO換算で0.0002〜0.03モルの割合で含有するとともに、前記チタン酸バリウム100質量部に対して、ニオブをNb換算で4.2〜33.3質量部含有し、かつ前記結晶粒子の平均粒径が0.05〜0.2μmであることを特徴とする誘電体磁器。
【請求項2】
請求項1に記載の誘電体磁器からなる誘電体層と導体層との積層体から構成されていることを特徴とするコンデンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−156202(P2008−156202A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−68614(P2007−68614)
【出願日】平成19年3月16日(2007.3.16)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】