説明

誘電性構造体、並びに誘電性構造体を用いた放電装置および流体改質装置

【課題】プラズマの放電状態を容易に制御することができる誘電性構造体を提供する。
【解決手段】誘電体基板2と、誘電体基板2の第1表面S1に設けられた第1電極4aと、誘電体基板2の内部若しくは誘電体基板2の第1表S1面に対向する第2表面S2に設けられた第2電極4bとを備える。この誘電性構造体1は、第1電極4aと第2電極4bとの間に電圧が生じると、第1電極4aの周囲にプラズマを発生可能である。そして、第1電極4aは、外周に沿って、第1表面に平行な方向に突出した複数の突出部Pを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばプラズマ発生体として用いられる誘電性構造体、およびその誘電性構造体を用いた放電装置、並びに流体改質装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマ放電技術は、オゾン発生器、電気集塵装置、空気清浄機、および有害ガス分解装置など幅広い分野において利用されている技術である。このプラズマ放電技術を用いるためのプラズマ発生体として、例えば、一方向に配列された複数の平板状電極を有するものがある。このようなプラズマ発生体においては、電極間に高電圧を印加してプラズマ場を発生させる。このプラズマ場内に流体を通過させると、流体中の物質を分解することが可能となり、例えば排ガスの浄化に用いることができる。(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−221026号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述のプラズマ発生体においては、プラズマ放電の起点を制御できず、結果としてプラズマ放電が不均一になる場合があった。すなわち、平板状電極で挟まれた空間において放電状態の制御が困難であるという問題があった。
【0004】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、プラズマの放電状態を容易に制御することができる誘電性構造体、その誘電性構造体を用いた放電装置、並びに流体改質装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の誘電性構造体は、誘電体基板と、誘電体基板の第1表面に設けられた第1電極と、誘電体基板の内部若しくは誘電体基板の第1表面に対向する第2表面に設けられた第2電極とを備える。この誘電性構造体は、第1電極と第2電極との間に電圧が生じると、第1電極の周囲にプラズマを発生可能である。そして、第1電極は、外周に沿って、第1表面に平行な方向に突出した複数の突出部を有する。
【0006】
本発明の第2の誘電性構造体は、誘電体基板と、誘電体基板の第1表面に設けられた第1電極と、第1表面に関して誘電体基板とは反対の位置に設けられた第2電極とを備える。この誘電性構造体は、第1電極と第2電極との間に電圧が生じると、第1電極の周囲にプラズマを発生可能である。そして、第1電極は、外周に沿って、第1表面に平行な方向に突出した複数の突出部を有する。
【0007】
好ましくは、第1または第2の誘電性構造体において、第1電極は、その外周が鋸歯形状である。この誘電性構造体を第3の誘電性構造体という。
【0008】
好ましくは、第1または第2の誘電性構造体において、誘電体基板の第1表面に、複数の第1電極が存在し、第2電極は、複数の第1電極に対向する表面を備えている。この誘電性構造体を第4の誘電性構造体という。
【0009】
第1乃至第4の誘電性構造体のいずれかにおいて、好ましくは、誘電体基板において、第1の外周に接する領域は、他の領域よりも誘電率が低い。この誘電性構造体を第5の誘電性構造体という。
【0010】
本発明の第6の誘電性構造体は、第1方向に沿って配列された複数の誘電体基板と、各誘電体基板の第1表面にそれぞれ設けられた第1電極と、各誘電体基板の内部若しくは該各誘電体基板の第1表面に対向する第2表面にそれぞれ設けられた第2電極とを備える。
第1電極および第2電極は、第1方向に沿って対向する。第1電極と第2電極との間に電圧が生じると、第1電極の周囲にプラズマを発生可能である。第1電極は、外周に沿って、第1表面に平行な方向に突出した複数の突出部を有する。
【0011】
本発明の第7の誘電性構造体は、第1方向に沿って配列された複数の誘電体基板と、各誘電体基板の第1表面にそれぞれ設けられた第1電極と、誘電体基板の間に設けられた第2電極とを備える。第1電極および第2電極は、第1方向に沿って対向する。第1電極と第2電極との間に電圧が生じると、第1電極の周囲にプラズマを発生可能である。第1電極は、外周に沿って、第1表面に平行な方向に突出した複数の突出部を有する。
【0012】
本発明の放電装置は、第1乃至第7のいずれかに記載の誘電性構造体と、誘電性構造体の第1電極と第2電極との間に電圧を印加する電源とを備える。
【0013】
本発明の流体改質装置は、上記放電装置と、第1電極に接するように流体を供給する供給源とを備える。
【発明の効果】
【0014】
本発明の誘電性構造体によれば、プラズマの放電状態を容易に制御することができる。
【0015】
本発明の放電装置によれば、プラズマの放電状態を容易に制御することができる放電装置を実現できる。
【0016】
本発明の流体改質装置によれば、プラズマの放電状態を容易に制御して、流体をより高い効率で改質することができる流体改質装置を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、添付の図面を参照して、本発明の誘電性構造体の実施の形態について詳細に説明する。
【0018】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態による誘電性構造体の構成例を示す斜視図であり、図2(a)は、図1の誘電性構造体の平面図、図2(b)は、図2(a)のA−A線における断面図、図2(c)は、図1の誘電性構造体の平面透視図である。図1乃至図2に示されるように、本実施の形態による誘電性構造体1は誘電体からなる基板2を備える。基板2の第1表面S1には、第1電極4aが設けられている。また、基板2の内部には、第2電極4bが設けられている。第1電極4aおよび第2電極4bは、誘電体を挟んで対向する線状の電極であり、第1電極4aと第2電極4bとの間に電圧を印加することにより第1電極4aの上面の放電空間5にプラズマを発生させることが可能である。ここで、第2電極4bに基準電位が供給されるとともに、第1電極4aと第2電極4bとの間に交流電圧が印加される。
【0019】
本実施の形態による誘電性構造体1では、第1電極4aは、外周に沿って、第1表面S1に平行な方向に突出した複数の突出部Pを有する。なお、以下では、第1電極4aおよび第2電極4bを区別せずに、単に「電極4」という場合がある。
【0020】
さらに、基板2の端面には、第1電極4aに電気的に接続される外部端子6aと、第2電極4bに電気的に接続される外部端子6bが設けられる。なお、本明細書で基板2とは、内部に形成された電極4等の他の部品を除いた部分をいい、後述するように誘電性構造体1が複数のセラミックグリーンシートの積層体とその各セラミックグリーンシートの表面及び内部に形成された電極ペーストを同時焼成して得られる場合には、その積層体のみをいう。
【0021】
本実施の形態による誘電性構造体1では、第1電極4aと第2電極4bとの間に高電圧を印加して放電空間5にプラズマを発生させ、この放電空間5に例えば排気ガス等の流体を通過させることにより、流体中の化学物質を反応および分解させる。
【0022】
また、本実施の形態による誘電性構造体1では、第1電極4aの突出部Pをプラズマ放電の起点としている。このように第1電極4aの突出部Pがプラズマ放電の起点となるのは、第1電極4aの突出部Pは、第1電極4aと第2電極4bとの間に電圧を印加した場合に電界の集中が生じやすく、第1電極4aにおける突出部Pの電位を、他の部位の電位と比較して高めることができるからである。これにより、放電空間5においては、第1電極4aの突出部Pをプラズマ放電の起点とすることができる。
【0023】
また、突出部Pは、第1表面S1に平行な方向に突出していることから、第1表面S1から放電空間側に突出している場合と比較して、放電空間を流れる流体の流れを妨げることを抑制でき、突出部のプラズマおよび流体による腐食も抑制することができる。
【0024】
基板2は、電気絶縁材料から成り、例えば、セラミックスから成る。具体的に、基板2を製造する場合には、セラミックグリーンシートを準備し、次に準備したセラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施すとともに必要に応じて複数枚積層し、高温(約1300〜1800℃)で焼成することによって製作される。電気絶縁材料としては、例えば、酸化アルミニウム焼結体(アルミナセラミックス)がある。例えば酸化アルミニウム質焼結体から成るグリーンシートは、アルミナ(Al)、シリカ(SiO)、カルシア(CaO)、およびマグネシア(MgO)等の原料粉末に適当な有機溶剤および溶媒を添加混合して泥漿状となすとともにこれを従来周知のドクターブレード法若しくはカレンダーロール法等を採用し、シート状に成形することによって得られる。
【0025】
セラミックグリーンシートの積層体を作製する場合には、セラミックグリーンシートを積層した後圧着を行なう。圧着は3.0〜8.0MPa程度の圧力を加えて行ない、必要に応じて35〜80℃で加熱を行なう。また、セラミックグリーンシート同士の十分な接着性を得るために、溶剤と樹脂バインダーを混合するなどして作製した接着剤を用いてもよい。なお、電気絶縁材料としては、酸化アルミニウム質焼結体以外にも、ムライト質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体、コーディライト質焼結体、または炭化珪素質焼結体等が挙げられる。
【0026】
第1電極4aおよび第2電極4bは、放電空間5にプラズマを発生させるための電極として機能する。第1電極4aおよび第2電極4bは、その端部が基板2の外表面近傍まで導出されており、外部端子6a,6bに直接に、または補助電極を介して電気的に接続される。第1電極4aおよび第2電極4bは、タングステン、モリブデン、銅、または銀等の金属粉末電極からなり、スクリーン印刷法等の印刷手段を用いて、基板2用のセラミックグリーンシートの所定の位置に第1電極4a,第2電極4b用の電極ペーストを印刷塗布し、基板2用のセラミックグリーンシートと同時焼成することによって基板2の内部および表面に所定のパターンに形成することができる。電極ペーストは、主成分の金属粉末に有機バインダーおよび有機溶剤、並びに必要に応じて分散剤等を加えて、ボールミル、三本ロールミル、またはプラネタリーミキサー等の混練手段により混合および混練することで製作される。電極ペーストには、セラミックグリーンシートの焼結挙動に合わせたり、焼結後の基板2との接合強度を高めたりするためにガラスやセラミックスの粉末を添加してもよい。
【0027】
また、第1電極4aと第2電極4bの面積は、必要とするプラズマの強度、および第1電極4aと第2電極4bと間に印加する電圧等によって適宜決定される。例えば、ディーゼルエンジンの排気ガス中のPMや酸化成分等の流体を浄化する。
【0028】
基板2の端面には、外部端子6a、6bが形成されている。外部端子6a、6bは、外部電源から第1電極4aおよび第2電極4bに電圧を印加するための導電路として機能し、基板2の表面に導出された第1電極4aおよび第2電極4bのそれぞれに電気的に接続されている。外部端子6a、6bは、タングステン、モリブデン、銅、または銀等の金属粉末電極からなり、スクリーン印刷法等の印刷手段を用いて、基板2用のセラミックグリーンシートの所定の位置に外部端子6a、6b用の電極ペーストを印刷塗布し、基板2用のセラミックグリーンシートと同時焼成することによって誘電性構造体1の所定の位置に形成することができる。外部端子6a、6b用の電極ペーストは、第1電極4aおよび第2電極4b用の電極ペーストと同様にして作製されるが、有機バインダーおよび有機溶剤の量により印刷に適した粘度に調製される。
【0029】
なお、外部端子6a、6bの露出する表面には、ニッケルまたは金等の耐蝕性に優れる金属を形成しておくことが好ましい。なお、外部端子6a、6bが酸化腐食するのを抑制するとともに、外部端子6a、6bと外部電源の電源端子との接合を強固なものとするために、厚みが1〜10μm程度のニッケルめっき層と厚みが0.1〜3μm程度の金めっき層とが順次形成されていることが好ましい。なお、外部端子6a、6bにおいても、上述と同様に、高温下にて使用する場合には、ニッケルまたは金等の耐蝕性に優れる金属を単層で形成しておいても構わない。
【0030】
あるいは、外部端子6a、6bは、基板2用のセラミックグリーンシートの焼成後に、所定の位置に貼り付けられた金属板でもよい。
【0031】
そして、外部電源の電源端子を圧接または接合等の手段により外部端子6a、6bに電気的に接続し、外部端子6a、6bを通して第1電極4aおよび第2電極4bに電圧を印加すると、放電空間5にプラズマを発生させることができる。これにより、放電空間5を通過する流体は、プラズマを通過することとなるので、反応および分解されて、浄化される。例えば、還元雰囲気下においては、NO(窒素酸化物)は、下記の式(1)および(2)に示された反応より分解して、NおよびOが生成されて浄化される。
【0032】
2NO → 2NO+O・・・・・・・・・・(1)
2NO+O → N2+2O・・・・・・・・・・(2)
なお、放電空間5にプラズマを発生させるために、周波数の高い交流電圧が印加される。印加される交流電圧は、必要とされるプラズマの強度等によって適宜選択される。例えば、ディーゼルエンジンの排気ガス中の粒子状物質(PM)や酸化成分等の流体を浄化するプラズマ発生体において印加される交流電圧の周波数は、例えば、1kHz〜100MHzである。
【0033】
また、第1電極4a、第2電極4b間に印加する電圧は、交流電圧以外に、パルス電圧であってもよい。なお、交流電圧は、正弦波電圧に限らず、矩形波電圧若しくは方形波電圧等であってよい。
【0034】
なお、図3に示すように、基板2の第1表面S1に第1電極4aを配置し、第1表面S1に対向する基板2の第2表面S2に第2電極4bを配置してもよい。そのような場合も、第1電極4aにおける突出部Pがプラズマ放電の起点となる。
【0035】
また、基板2の第1表面S1において、第1電極4aの突出部Pの周囲の誘電率を他の領域よりも低くすることが好ましい。図4は、そのような場合の誘電性構造体1の構成例を示す平面図である。図4に示す構成では、基板2の第1表面S1における突出部Pの周囲に、誘電体膜7が形成されている。この誘電体膜7は、基体2よりも誘電率が低い誘電体からなる。このように突出部Pの周囲に、誘電率が低い誘電体膜7を形成すると、突出部Pの周囲にプラズマが発生しやすくなる。これは、誘電率が低いことにより電界が集中しやすいためである。なお、第1電極4aと基板の第1表面S1との間に誘電体膜7と同じ材料からなる誘電体膜を形成してもよい。
【0036】
また、第1電極4aの複数の突出部Pは、鋸歯形状であってもよい。図5は、第1電極4aの外周が鋸歯形状である場合の誘電性構造体の構成例を示す平面図である。このように、第1電極4aの外周が鋸歯形状である場合、突出部Pの先端が尖っており、電界がより集中しやすくなることから、第1電極4aの外周部の周囲でよりプラズマが発生しやすくなる。
【0037】
また、誘電性構造体は、複数の基板2が一方向に配列されて構成されてもよい。図6は、そのような場合の誘電性構造体の構成例を示す断面図である。図6に示すように、誘電性構造体11は、第1方向Zに沿って配列された複数の基板2とその基板2を所定の間隔をあけて支持する支持部9とをそなえる。基板2と支持部9は、放電空間となる空洞5A,5B,5Cを形成する。ここで、基板2の第1平面S1と第2平面S2は、第1方向Zに沿って対向している。
【0038】
ここで、誘電性構造体11において、3つ以上の基板2が配列される場合、第1方向Zにおける両端部の基板2以外の基板2は、その第1表面S1および第2表面S2に第1電極4aがそれぞれ設けられ、その内部に第2電極4bが設けられる。このようにすると、空洞5を挟んで隣接する2つの基板2の空洞5に接する表面にそれぞれ第1電極4aが配置されることになることから、空洞5内により多くのプラズマを発生させることができ、空洞5内を通過する流体をより効率良く改質することができる。
【0039】
また、図6に示された誘電性構造体11において、第2電極4bは、複数の電極層から形成されていてもよい。ここで、図7は、そのような場合の誘電性構造体15の断面図である。図7に示すように、第1方向Zにおける両端部の基板2以外の基板2において、第2電極4bは、2層の電極層4b1,4b2とからなる。この構成によれば、電極層4b1と第1電極4aとの間の距離、および電極層と第1電極4aとの間の距離を、第2電極4bと第1電極4aとの間の距離よりも小さくすることができることから、第1電極4aへの電荷の集中効果をより高めることができ、図6に示した誘電性構造体11よりも、放電空間5の領域においてより強いプラズマを発生させることができる。このように、第2電極4bが複数の層からなる場合は、第1電極4aと第2電極4bとの間の距離を小さくしても、基板2の厚み(第1方向Zの長さ)を薄くする必要がないため、基板2の強度を保つことができる。
【0040】
なお、誘電性構造体1は、基板2が、セラミックグリーンシートを同時焼成することにより形成され、第1電極4a、第2電極4b、および外部端子6a,6bが、電極ペーストをセラミックグリーンシートと同時に焼成することにより形成されることが好ましい。このことにより、誘電性構造体1はセラミックスと電極ペーストを同時焼成することにより一体化されているので、高温、高振動等の環境下で長期間使用される場合にも、誘電性構造体1の変形を小さなものとし、放電空間5または空洞5の形状をより安定したものとすることができる。従って、放電空間5および空洞5内を通過するPMや酸化性成分等の流体を長期間にわたってより安定して反応させ、分解させて良好に浄化することができる。
【0041】
なお、上述の説明では、基板2の表面S1上に1つの第1電極4aを設けたが、図8に示すように、複数の第1電極4aを設けてもよい。このように複数の第1電極4aを設けると、放電空間5内のプラズマ密度を上げることが可能となる。また、このように複数の第1電極4aを設けると、放電空間5を広げることができるとともに、放電空間5の起点の位置も制御できる。第1電極4aを規則的に、例えば、等間隔で並べると、放電空間5において、より均一なプラズマを得ることができる。
【0042】
さらには、表面S1上に複数の第1電極4aを設けた基板2を一方向に配列して、図6,7に示すような誘電性構造体を形成してもよい。この場合には、各空洞5におけるプラズマ放電状態を、所望の放電状態、例えば、均一なプラズマ状態にすることができる。
【0043】
なお、誘電性構造体単独ではなく、他の排気ガスの浄化機構をともに用いてもよい。例えば、誘電性構造体の前後にフィルターや触媒を付着しておいても良く、これにより排気ガス中のPMや酸化成分等の排出をさらに低減させることができる。このようなフィルターとして、セラミック製のDPF(Diesel Particulate Filter)等があり、触媒として白金等を用いることができる。
【0044】
(第2の実施の形態)
図9は、本発明の第2の実施の形態による誘電性構造体21の構成例を示す斜視図である。図10(a)は、図9の基板2の上面図、(b)は、図9に示した誘電性構造体21の断面図、(c)は、(b)の変形例を示す断面図である。なお、図10(a)では、第1電極4aおよび第2電極4bの配置関係を明確にするために、第2電極4bも示している。図9および図10に示されるように、本実施の形態による誘電性構造体21は、基板2のS1に対向する表面S21を備えた誘電体からなる基板22を有し、その表面S21に第2電極4bを設ける。すなわち、第2電極4bを第1表面S1に関して誘電体基板2とは反対の位置に設けている。
【0045】
そして、第1電極4aおよび第2電極4bを対向させて、第1電極4aおよび第2電極4bの間に電圧を印加すると、第1電極4aおよび第2電極4b間にプラズマが発生する。
【0046】
本実施の形態による誘電性構造体21においても、基体2の第1表面S1に設けられた第1電極4aの外周に突出部Pを有していることから、突出部Pに電界が集中し、第1電極4aの外周をプラズマの起点とすることができる。これにより、第1電極4aの外周部の周囲でよりプラズマが発生しやすくなる。
【0047】
さらに、図10(c)に示されるように、第2電極4bは、基板22の内部に設けられてもよい。このように配置すると第2電極4bが、プラズマおよび流体により腐食されることを抑制できる。
【0048】
また、第2電極4bは、誘電体基板22の表面および内部に設けられることなく、単体で配置されてもよい。その場合、第2電極4bは、その一部を基板2に接続する、または他の部材に接続することにより、保持されることが可能である。
【0049】
さらには、表面S1上に複数の第1電極4aを設けるとともに、各第1電極4aに対向するように第2電極4bを設けてもよい。その場合の第2電極4bは、1枚の平板状の電極であってよい。
【0050】
また、第1表面S1に第1電極4aが設けられた基板2を一方向に配列し、その基板2の間に第2電極4bを設けることにより、誘電性構造体を形成してもよい。例えば、第1電極4aが形成された基板2と、第2電極4bが形成された基板22または第2電極4bとを交互に配列して、誘電性構造体を形成してもよく、図11に示すように、第1電極4aが形成された基板2と第2電極4b単体とを交互に配列して誘電性構造体を形成してもよい。
【0051】
(第3の実施の形態)
図12は、本発明の第3の実施の形態に係る反応装置100の構造的な構成を示す概念図である。なお、第1の実施の形態による誘電性構造体11と同様の構成については、第1の実施の形態による通電性構造体11と同一符号を付して説明を省略する。
【0052】
反応装置100は、第1の実施の形態の誘電性構造体1を備え、誘電性構造体1により被処理流体を処理して排出する装置として構成されている。被処理流体は、例えば、自動車の内燃機関の排気ガスであり、空洞5(以下、「放電空間」ともいう。)における化学変化によりNOxが改質される。また、例えば、被処理流体は、冷蔵庫やエアコンに冷却媒体として使用されたフロンであり、空洞5における化学変化によりフロンが分解される。なお、以下では、反応装置100のうち、誘電性構造体11以外の部分を、反応装置本体部101ということがある。
【0053】
反応装置本体部101は、被処理流体を供給する流体源103と、流体源103から誘電性構造体11に被処理流体を導く供給管105(供給部の一例)と、誘電性構造体11により処理された被処理流体を排出する排出管107と、被処理流体の流動を制御するための被処理流体用ポンプ109と、冷却媒体を供給する冷媒源111と、冷媒源111から誘電性構造体11に冷却媒体を導く供給用流動管50A(冷却部の一例)と、誘電性構造体11から冷媒源111に冷却媒体を導く排出用流動管50Bと、冷却媒体の流動を制御するための冷却媒体用ポンプ113(冷却部の一例)とを備えている。
【0054】
流体源103は、被処理流体としての排気ガスを排出する自動車の内燃機関等、被処理流体を生成するものである。あるいは、流体源103は、使用済みの冷蔵庫やエアコンの冷却媒体を保持したタンク等、被処理流体を保持するものである。
【0055】
供給管105は、一端側が、流体源103の被処理流体を生成又は保持する空間に連通し、他端側が、誘電性構造体11の空洞5に連通している。供給管105の誘電性構造体11側は、空洞5の数に対応して第1分岐部105aA、第2分岐部105aB、第3分岐部105aC(以下、単に「分岐部105a」といい、これらを区別しないことがある。)に分岐し、第1分岐部105aA〜第3分岐部105aCは、それぞれ空洞5A〜空洞5Cに連通している。
【0056】
排出管107は、一端側が、誘電性構造体11の空洞5に、供給管105とは反対側から連通し、他端側が、大気に開放され、又は、処理後の被処理流体を保持若しくは処理後の被処理流体に別の処理を施す不図示の空間に連通している。排出管107の誘電性構造体11側は、空洞5の数に対応して第1分岐部107aA、第2分岐部107aB、第3分岐部107aC(以下、単に「分岐部107a」といい、これらを区別しないことがある。)に分岐し、第1分岐部107aA〜第3分岐部107aCは、それぞれ空洞5A〜空洞5Cに連通している。なお、排出管107は、省略されてもよい。例えば、処理後の被処理流体が空洞5から大気へ直接的に排出されてもよい。
【0057】
供給管105及び排出管107は、金属や樹脂などの適宜な材料により形成されている。供給管105及び排出管107は、可撓性を有していてもよいし、有していなくてもよい。分岐部105a及び分岐部107aと、空洞5との接続は、例えば、分岐部105a及び分岐部107aの端部を、基板2における空洞5の開口を有していない側面に当接させて、接着剤や螺合部材などの適宜な固定部材により分岐部105a及び分岐部107aと基板2とを固定することにより行われる。なお、分岐部105aや分岐部107aを空洞5に嵌合挿入したり、流出用接続管等の突出した環状部分を空洞5の端部に基板2と一体的に形成し、その突出部分を分岐部105a及び分岐部107aに嵌合挿入することにより行われてもよい。
【0058】
被処理流体用ポンプ109は、供給管105及び排出管107の少なくともいずれかに設けられている。図12では、供給管105に設けられた場合を例示している。なお、流体源103が内燃機関である場合など、流体源103の動力により被処理流体が流動される場合には、被処理流体用ポンプ109は省略されてもよい。また、被処理流体用ポンプ109は、誘電性構造体11に設けることも可能である。被処理流体用ポンプ109は、ロータリーポンプや往復ポンプ等の適宜なポンプにより構成されてよい。
【0059】
冷媒源111は、例えば、熱交換器を含んで構成され、排出用流動管50Bからの冷却媒体の温度を熱交換器により降下させて供給用流動管50Aに供給する。なお、冷媒源111は、冷却媒体を供給することができればよく、排出用流動管50Bからの冷却媒体を受け入れて冷却媒体を循環させるものでなくてもよい。すなわち、排出用流動管50Bからの冷却媒体は、冷媒源111とは異なる場所へ排出されてよい。例えば、冷却媒体として水道水が利用されるような場合に、排出用流動管50Bからの水は、冷媒源111としての水源とは異なる場所へ排出されてよい。逆に、冷却媒体が循環される構成である場合には、冷媒源111は省略されてもよい。
【0060】
供給用流動管50Aは、一端が冷媒源111に連通するとともに、他端が、上述のように、流入用接続管等を介して誘電性構造体11の空洞5(流路)に連通している。排出用流動管50Bは、一端が、基板2に一体的に設けられた流出用接続管等を介して誘電性構造体11の空洞5に連通するとともに、他端が冷媒源111に連通している。流動管50は、金属や樹脂などの適宜な材料により形成されている。流動管50は、可撓性を有していてもよいし、有していなくてもよい。
【0061】
冷却媒体用ポンプ113は、供給用流動管50A及び排出用流動管50Bの少なくともいずれかに設けられている。図12では、供給用流動管50Aに設けられた場合を例示している。なお、冷媒源111が高位置にあるタンクであり、重力により冷却媒体を流動させることができるなど、適宜に冷却媒体を流動させる動力が得られる場合には、冷却媒体用ポンプ113は省略されてもよい。また、冷却媒体用ポンプ113は、誘電性構造体11に設けることも可能である。冷却媒体用ポンプ113は、ロータリーポンプや往復ポンプ等の適宜なポンプにより構成されてよい。
【0062】
図12は、反応装置100の電気系の構成を示すブロック図である。ここでは、例として、基板2または支持体9の内部に基板2または支持体9の温度を検出するための温度検出素子115と、基板2を加熱するためのヒータ116とが設けられているものする。また、基板2の表面に、電極4に電圧を印加するための外部端子6a、6b、温度検出素子115からの電気信号を出力ためのセンサ用端子118、ヒータ116に電力を供給するためのヒータ用端子119がそれぞれ露出しているものとする。
【0063】
反応装置本体部101は、電極用端子117、センサ用端子118、ヒータ用端子119に接続される装置側電極用端子141、装置側センサ用端子143、装置側ヒータ用端子145を備えている。誘電性構造体11は、これら端子を介して反応装置本体部101から電力が供給されて駆動制御される。具体的には、以下のとおりである。
【0064】
電源部121は、例えば、バッテリを含んで構成され、バッテリからの直流電力を適宜な電圧の交流電力又は直流電力に変換して供給する。あるいは、商用周波数の交流電力を適宜な電圧の交流電力又は直流電力に変換して供給する。電源部121の電力は、制御部123、放電制御部125、温度検出部127、ヒータ駆動部129、被処理流体用ポンプ109、冷却媒体用ポンプ113に供給される。
【0065】
放電制御部125は、電源部121から供給される電力を、制御部123からの制御信号に応じた電圧の交流電力に変換し、その変換後の電力を装置側電極用端子141及び電極用端子117を介して電極4に供給する。放電制御部125は、例えば、インバータや変圧器等の電源回路を含んで構成されている。放電空間5では、放電制御部125により印加された電圧に応じた量の放電が行われる。
【0066】
温度検出部127は、例えば、温度検出素子115が温度変化により抵抗値が変化する抵抗体により構成されている場合、電源部121から供給される電力を適宜な電圧の直流電力又は交流電力に変換し、その変換した電力を装置側センサ用端子143及びセンサ用端子118を介して温度検出素子115に供給する。そして、温度検出素子115は、温度検出素子115の抵抗値を検出し、その検出した抵抗値に応じた信号を制御部123に出力する。温度検出素子115は、検出した抵抗値に基づいて温度検出素子115の温度を算出し、その算出値に応じた信号を制御部123に出力してもよい。
【0067】
ヒータ駆動部129は、電源部121から供給される電力を、制御部123からの制御信号に応じた電圧の直流電力又は交流電力に変換し、その変換した電力を装置側ヒータ用電極145及びヒータ用電極119を介してヒータ116に供給する。ヒータ駆動部129は、例えば、整流回路や変圧器等の電源回路を含んで構成されている。ヒータ116では、ヒータ駆動部129により印加された電圧に応じた量の発熱が行われる。
【0068】
被処理流体用ポンプ109及び冷却媒体用ポンプ113はそれぞれ、例えば、特に図示しないが、ポンプの駆動源としてのモータと、当該モータを駆動するモータドライバとを含んで構成されており、モータドライバは、電源部121から供給される電力を、制御部123からの制御信号に応じた電圧の交流電力又は直流電力に変換してモータに印加する。モータは、印加された電圧に応じた回転数で回転し、ひいては、印加された電圧に応じた力が被処理流体や冷却媒体に加えられる。
【0069】
入力部131は、ユーザの操作を受け付け、ユーザの操作に応じた信号を制御部123に出力する。例えば、入力部131は、反応装置100の駆動開始操作、駆動停止操作、温度設定や流量制御に係る各種のパラメータの設定操作を受け付け、操作に応じた信号を出力する。入力部131は、例えば、各種スイッチを含んだ制御パネルやキーボードにより構成されている。
【0070】
制御部123は、例えば、特に図示しないが、CPU、ROM、RAM及び外部記憶装置を備えたコンピュータにより構成されている。制御部123は、温度検出部127や入力部131からの信号に基づいて、放電制御部125、ヒータ駆動部129、被処理流体用ポンプ109及び冷却媒体用ポンプ113に制御信号を出力する。
【0071】
例えば、制御部123は、入力部131から反応装置100の駆動開始操作に応じた信号が入力された場合には、電極4への電力の供給を開始するように放電制御部125に制御信号を出力し、入力部131から反応装置100の駆動停止操作に応じた信号が入力された場合には、電極4への電力の供給を停止するように放電制御部125に制御信号を出力する。
【0072】
また、例えば、制御部123は、温度検出部127により検出される温度が、誘電性構造体11が効率的にプラズマを発生させることができる温度として設定された所定の目標温度に達していないと判定した場合は、電極4へ供給する電力を、通常運転時に供給する電力よりも増加させるように、放電制御部125に制御信号を出力し、誘電性構造体11が目標温度に到達した場合には、電極4へ供給する電力を通常運転時に供給する電力に維持するように、放電制御部125に制御信号を出力する。
【0073】
また、例えば、制御部123は、温度検出部127により検出される温度が、誘電性構造体11が効率的にプラズマを発生させることができる温度として設定された所定の目標温度に達していないと判定した場合は、ヒータ116へ電力を供給し、又は、ヒータ116へ供給する電力を増加させるように、ヒータ駆動部129に制御信号を出力する。そして、誘電性構造体11が目標温度に到達した場合には、ヒータ116へ供給する電力を減少させ、又は、ヒータ116への電力の供給を停止するように、ヒータ駆動部129に制御信号を出力する。
【0074】
また、例えば、制御部123は、温度検出部127により検出される温度と、誘電性構造体11が効率的にプラズマを発生させることができる温度、あるいは、誘電性構造体11や反応装置本体部101が安全に運転される温度として設定された所定の目標温度とを比較し、検出された温度が目標温度よりも高い場合には冷却媒体の流速を高く、低い場合には冷却媒体の流速を低くするように、冷却媒体用ポンプ113へ制御信号を出力する。
【0075】
また、例えば、制御部123は、温度検出部127により検出される温度が、誘電性構造体11が効率的にプラズマを発生させることができる温度として設定された所定の目標温度に達していないと判定した場合は、被処理流体の流速を低く、達したと判定した場合は、被処理流体の流速を高くするように、被処理流体用ポンプ109へ制御信号を出力する。
【0076】
また、例えば、制御部123は、温度検出部127により検出される温度と、誘電性構造体11や反応装置本体部101が安全に運転される温度として設定された所定の温度範囲とを比較し、検出された温度が設定された温度範囲を超えた場合には、不図示の表示装置やスピーカ等の報知部に、異常の発生を報知するように制御信号を出力する。
【0077】
以上の第3の実施の形態によれば、反応装置100は、第1の実施の形態の誘電性構造体11と、空洞5に被処理流体を供給する供給管105と、空洞5でプラズマ発生を行なって被処理流体を化学変化させた反応流体を排出するための排出管107とを備えているから、第1の実施の形態と同様に、誘電性構造体11の耐久性の向上や誘電性構造体11の小型化の効果が得られ、ひいては、反応装置100の耐久性の向上や小型化の効果が得られる。
【0078】
なお、本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。例えば、上述においては、自動車、船舶、発電機等に使用されるディーゼルエンジン等の排気ガスの改質について説明を行っているが、その他の用途に使用される誘電性構造体およびその反応装置に適用してもよい。例えば、消臭、ダイオキシン分解、花粉分解等に使用される空気洗浄機器やプラズマエッチング、薄膜装置等に搭載される誘電性構造体および反応装置等に適用することができる。また、プラズマにより空洞5を通過する流体を反応または分解させるための誘電性構造体およびその反応装置に適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の第1の実施の形態による誘電性構造体の構成例を示す斜視図である。
【図2】(a)は、図1の誘電性構造体の平面図、(b)は、(a)のA−A線における断面図、(c)は、図1の誘電性構造体の平面透視図である。
【図3】第1の実施の形態による誘電性構造体の変形例を示す断面図である。
【図4】第1の実施の形態による誘電性構造体の変形例を示す上面図である。
【図5】第1の実施の形態による誘電性構造体の変形例を示す上面図である。
【図6】第1の実施の形態による誘電性構造体の変形例を示す断面図である
【図7】第1の実施の形態による誘電性構造体の変形例を示す断面図である
【図8】第1の実施の形態による誘電性構造体の変形例を示す上面図である
【図9】本発明の第2の実施の形態による誘電性構造体の構成例を示す斜視図である。
【図10】(a)は、図9の基板2の上面図、(b)は、図9に示した誘電性構造体21の断面図、(c)は、(b)の変形例を示す断面図である。
【図11】第2の実施の形態による誘電性構造体の変形例を示す断面図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態に係る反応装置の構造的な構成を示す概念図である。
【図13】図12の反応装置の電気系の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0080】
1・・・誘電性構造体
2・・・基体
4a,4b・・・電極
5・・・放電空間
6a,6b・・・外部端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体基板と、
前記誘電体基板の第1表面に設けられた第1電極と、
前記誘電体基板の内部若しくは前記誘電体基板の前記第1表面に対向する第2表面に設けられた第2電極と
を備え、
前記第1電極と前記第2電極との間に電圧が生じると、前記第1電極の周囲にプラズマを発生可能な誘電性構造体であって、
前記第1電極は、外周に沿って、前記第1表面に平行な方向に突出した複数の突出部を有する誘電性構造体。
【請求項2】
誘電体基板と、
前記誘電体基板の第1表面に設けられた第1電極と、
前記第1表面に関して前記誘電体基板とは反対の位置に設けられた第2電極と
を備え、
前記第1電極と前記第2電極との間に電圧が生じると、前記第1電極の周囲にプラズマを発生可能な誘電性構造体であって、
前記第1電極は、外周に沿って、前記第1表面に平行な方向に突出した複数の突出部を有する誘電性構造体。
【請求項3】
前記第1電極は、その外周が鋸歯形状である請求項1または請求項2に記載の誘電性構造体。
【請求項4】
前記誘電体基板の前記第1表面に、複数の前記第1電極が存在し、前記第2電極は、前記複数の第1電極に対向する表面を備えている請求項1または請求項2に記載の誘電性構造体。
【請求項5】
前記誘電体基板において、前記第1電極の外周に接する領域は、他の領域よりも誘電率が低い請求項1から請求項4のいずれかに記載の誘電性構造体。
【請求項6】
第1方向に沿って配列された複数の誘電体基板と、
前記各誘電体基板の第1表面にそれぞれ設けられた第1電極と、
前記各誘電体基板の内部若しくは該各誘電体基板の前記第1表面に対向する第2表面にそれぞれ設けられた第2電極と
を備え、
前記第1電極および前記第2電極は、前記第1方向に沿って対向し、
前記第1電極と前記第2電極との間に電圧が生じると、前記第1電極の周囲にプラズマを発生可能な誘電性構造体であって、
前記第1電極は、外周に沿って、前記第1表面に平行な方向に突出した複数の突出部を有する誘電性構造体。
【請求項7】
第1方向に沿って配列された複数の誘電体基板と、
前記各誘電体基板の第1表面にそれぞれ設けられた第1電極と、
前記誘電体基板の間に設けられた第2電極と
を備え、
前記第1電極および前記第2電極は、前記第1方向に沿って対向し、
前記第1電極と前記第2電極との間に電圧が生じると、前記第1電極の周囲にプラズマを発生可能な誘電性構造体であって、
前記第1電極は、外周に沿って、前記第1表面に平行な方向に突出した複数の突出部を有する誘電性構造体。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれかに記載の誘電性構造体と、
前記誘電性構造体の前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加する電源と
を備えた放電装置。
【請求項9】
請求項8に記載の放電装置と、
前記第1電極に接するように流体を供給する供給源と
を備える流体改質装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−33914(P2010−33914A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−195397(P2008−195397)
【出願日】平成20年7月29日(2008.7.29)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】