説明

誤用を避けるために設計された固形の、経口的な、微粒子状の剤形

本発明は、含まれる薬学的活性成分の誤用を防止する組成を含む、固形の経口的な微粒子状の剤形の分野に関する。本発明の目的は、適切な公衆衛生当局により公式に承認された治療的な使用以外の使用のために固形の経口的な薬剤を不適切に使用することを防止することである。特に、本発明は、少なくとも一部の薬学的活性成分が微粒子中に含まれること、前記本発明の剤形が薬学的活性成分の微粒子を粉砕することを妨害するかまたは完全に防止することを意図した粉砕に抵抗する手段を含んでなることを特徴とする、その誤用を防止するための固形の、経口的な剤形に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
本発明は、薬学的な活性成分AIの誤用を防止する組成を含む固形の、経口的な、微粒子状の剤形に関する。
【0002】
考慮する前記活性成分(AI)は、薬学的なAIであり、例えば麻薬性の産物に分類されるものである。後者は、誤用した場合、薬物中毒に関連した行動を引き起こし得る。
本開示の目的として、「AI」という用語は、単一の活性成分およびいくつかの活性成分の混合物の両方を指す。
【0003】
本発明の目的として、「微粒子状の剤形」という用語は、AIが1000ミクロンより小さいサイズの微粒子中に含まれる形態を意味するものである。これらのAIを含有する粒子は、AIの徐放のためのマイクロカプセルであってよい。後者の場合、前記マイクロカプセルは、例えば、経口投与の後にAIの放出速度を制御するポリマーフィルムで覆われる。
【0004】
本発明の目的は、適切な公衆衛生当局により公式に承認された治療的使用以外の使用を目的とした、固形の経口的な薬剤の不適切な誤用を防止することにある。言い換えれば、固形の経口的な薬剤の意図的または非意図的な誤用を防止するという問題である。
【問題の所在】
【0005】
誤用は、主に以下の場合に直面する:
a. 習慣性の行為(薬物嗜癖、ドーピング)、
b. 犯罪行為(化学的依存)、
c. 不注意または患者に影響を与える障害を原因とする、医学的な推奨(薬量学)に従わない方法での薬剤の使用、
d. セルフメディケーション。
【0006】
aの場合(またはbの場合)、固形の経口的な薬剤を悪用する意図を有する個人は、一般的に、吸入し得る粉末状の形態またはシリンジを用いて注射し得る液体の形態にして、自分自身に適用する。
【0007】
固形の経口的な薬剤から注射可能な液体を得ることには、標的であるAIの水またはアルコール抽出からなるステップが含まれる。この抽出は、粉砕した後に行うことができる。
【0008】
AIの効果を強めることを可能とし、短時間で体内における吸収を促進する方法であるので、吸入または注射による投与方法は、薬物嗜癖に対して特に適している。これらの粉が鼻を通して吸引されるかまたは水に溶解して注射された場合、AIの望んだドーピングまたは多幸感を誘発する効果は、非常に急速に且つ憎悪した様子で表れる。
【0009】
固形の経口的な薬剤の誤用は、薬量学に従って迅速に嚥下するのではなく、薬剤を嚥下する前にかんだ場合にも見られる。
【0010】
習慣性の行為(a)、犯罪行為(b)、およびセルフメディケーション(d)に付随するリスクは明らかである。注射による薬剤の悪用が深刻な局面であるということを思い起こさせるであろう:賦形剤は局所的な組織の壊死、感染、ならびに呼吸器および心臓の問題の原因となり得る。
【0011】
患者の不注意および/または障害による薬剤の誤用(c)に関しても、深刻な結果となり得る。例えば、AIの修飾された放出のための薬剤を嚥下する前にかむことは、薬剤を即時放出型の形態に変化させる。それ故、最も良いのは非常に短時間で薬剤の効果がなくなることであり、最も悪いのは薬剤が毒になることである。
【0012】
それ故、薬剤、特に固形の経口的な薬剤の誤用に関する深刻な公衆衛生上の問題が明らかに存在する。
この増加する現象は、保健当局にとってますます心配事となっており、不適切な使用を避けるための剤形の開発に対してのアピールを増大させている。
【先行技術】
【0013】
出願人の知識によると、この問題に取り組む唯一の試みは、誤用に対して、化学的に活性を有する化合物を関心のある薬剤に加えることに存ずる。
【0014】
この解決法は、使用者に対するある程度の危険を有しており、承認された条件下での使用に対する危険も含まれる。加えて、AIと他の活性化合物との組み合わせは制御しにくく、公衆衛生に対する深刻な問題が生じている。
【0015】
US-A-2003/0068371は、あへん剤AI、前記AIのアンタゴニスト、およびゲル化剤(例えばキサンタンガム)を含んでなる経口医薬製剤について開示している。前記ゲル化剤は、前記製剤に粘性を与えるために存在するため、鼻腔または非経口的に投与することはできない。前記アンタゴニストの存在は、おそらく患者により引き起こされる医療的なリスクに関する主要な不利益である。加えて、この医薬製剤は粉末状にすることが可能であり、その結果として、鼻腔への投与による悪用の問題が生じ得る。
【発明の目的】
【0016】
このような状況下において、本発明の本質的な目的の1つは、先行技術の欠点を克服することである。
【0017】
本発明の他の本質的な目的は、薬学的に活性を有し、それ故使用者に対して危険であるAI以外の物質に頼ることなく、特に前記(a)、(b)、(c)、(d)の場合における誤用を非常に困難にし、または不可能にさえし得る、新規の固形の経口的な薬剤を提供することにある。
【0018】
本発明のもう1つの本質的な目的は、新規の固形の経口的な薬剤であって、治療的状況の外側で経口的に、鼻腔に、および/または注射(静脈内、皮下、筋肉内等)により摂取され得るようにすることを意味する薬剤の変換を妨げることにより、薬剤に含まれるAIの性質の不正な行為による悪用を妨げることを可能にする薬剤を提供することである。そのようにすることにより、これらの誘導体に付随するリスクを防ぐことができるか、または最小に抑えることができる。
【0019】
本発明のもう1つの本質的な目的は、新規の固形の経口的な薬剤であって、誤用を防ぐことを可能にする一方で、同時に、標準的に経過観察された患者に対する治療の質、特に患者に合った用量を保証する薬剤を提供することである。
【0020】
本発明のもう1つの本質的な目的は、新規の固形の経口的な薬剤であって、薬剤の薬理学的性質に影響を与えることなく、標準的に薬剤を使用する患者に付加的なリスクを及ぼすことなく、且つ最後に、投与の間に後の安楽に対して有害となることなく誤用を防ぐことを可能にする薬剤を提供することである。
【0021】
本発明のもう1つの本質的な目的は、新規の固形の経口的な薬剤を提供することであって、誤用を防止することを可能にし、簡単に得られ、コストの増大を引き起こさない薬剤を提供することである。
【発明の簡単な説明】
【0022】
これらの目的を達成するために、微粒子状の剤形の誤用についての一般的な問題を再び明確化することは、発明者の信望となる。
活性成分の種々の適法な投与方法を試験する場合、乾燥した微粒子状の剤形の粉砕が必須のステップであると事実上思われる。
【0023】
実際に、非経口的な投与による誤用の場合、水中において、例えば1mlより多い場合のような多すぎる注射量を避けるために十分高い濃度で、液相中のAIの抽出を予め行う必要がある。この抽出ステップは、活性成分を溶解または懸濁することを可能にするために、前記微粒子状の乾燥形態を予め粉砕することを必要とする。
【0024】
鼻腔への投与による誤用の場合、前記微粒子状の乾燥した剤形は、吸引することができる粉末状の形態に前もって変換する必要がある。もう一度言うと、微粒子状の形態の粉砕は、必須のステップである。
【0025】
乾燥した微粒子状の剤形の経口投与による誤用の場合、微粒子を細かく粉砕することにより、活性成分の放出を促進する必要がある。
それ故、乾燥した微粒子状の剤形の粉砕は、前記剤形の誤用のための必須のステップである。
【0026】
乾燥した微粒子状の剤形の誤用と闘う問題が、AIを含有する微粒子の粉砕を防止する問題へと再び明確化されることは、出願人の信望となる。
【0027】
この新しいアプローチは、驚くべきことに且つ予想外に、薬剤の組成において、防止しようとしている誤用、それを妨げることを可能にする物理化学的な作用方法を有する薬学的に許容可能な賦形剤の組み合わせに関与すること、または、誤用の意図的または非意図的な作用を不可能にさえすることが賢明であると彼らに発見させることができる。
【0028】
それ故、本発明は、主に、誤用を防止するための固形の経口的な剤形であって、AIの少なくとも一部が微粒子中に含まれること、およびAIの微粒子を粉砕することを困難にするかまたは不可能にさえするために提供される粉砕に抵抗する手段を含んでなることを特徴とする剤形に関する。
【0029】
この乾燥した微粒子状の剤形における粉砕に抵抗する手段は、例えば、それらの中に含まれ、AIを含有する微粒子の粉砕を妨げることができるか、もしくは不可能にさえすることができる(または防止する)賦形剤である。
【0030】
本発明による剤形は、物理化学的な方法を用いて上記で述べた問題を解決し、設定された目的を、有効に、単純に、且つ経済的手段により満たす。これは、薬剤を正常に使用する者に対しては全く無害である。それらは、薬局方および薬剤の市販許可を承認する責任を有する公衆衛生当局により承認された薬理学的に中性(不活性)の化合物である。
【発明の詳細な説明】
【0031】
本発明は、乾燥した微粒子状の剤形に関し、その組成は、AIを含有する微粒子の粉砕を妨げることができるか、または少なくとも非常に困難にすることができる。
【0032】
本発明の第一の実施形態において、前記粉砕に抵抗する手段は、少なくとも1の粘結剤(M)を含んでなる。
【0033】
変形によると、本発明による剤形は、少なくとも1の粘結剤A)および少なくとも1の増粘剤(viscosifying agent) B)からなる任意の組み合わせを含まなくてよい。
【0034】
この変形において、前記粘結剤A)は、ドライバインダーとして作用する疎水性の化合物群から選択され、好ましくは、以下から選択される:
綿実油、大豆油、パーム油、ヒマシ油、およびこれらの油の全てもしくはいくつかの混合物を含んでなる群;および/または
ワックスの群、ならびにより好ましくは硬化綿実油、硬化大豆油、硬化パーム油、ベヘン酸グリセリル、硬化ヒマシ油、トリステアリン、トリパルミチン、トリミリスチン、黄ろう、硬脂肪、無水乳脂肪、ラノリン、グリセリルパルミトステアレート、グリセリルステアレート、ラウリル酸マクロゴールグリセリド、セチルアルコール、ポリグリセリルジイソステアレート、ジエチレングリコールモノステアレート、エチレンモノステアレート、オメガ3(omegas 3)、およびこれらのワックスの全てもしくはいくつかの混合物を含んでなるワックスの亜群;および/または
グリセロール、トリグリセリド、カカオ脂、カカオバター、およびこれらの製品の全てもしくはいくつかの混合物を含んでなる坐剤のための脂肪性の基質の群;
且つ、前記増粘剤B)は以下のポリマーの群から選択される:
ポリアクリル酸およびその誘導体、および/または
ポリアルキレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール)、および/または
ポリビニルピロリドン、および/または
ゼラチン、および/または
ポリサッカライド、好ましくは、以下からなる亜群より選択される:アルギン酸ナトリウム、ペクチン、グアー、キサンタン、カラゲナン、ジェラン、およびセルロース誘導体(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース)、ならびにそれらの混合物。
【0035】
好ましくは、前記粘結剤(M)は、せん断作用下において、固形の剤形を非粉末性のペーストに変換することができ、AIの微粒子の粉砕を困難にすることができるように選択される。
【0036】
現在では、粘性のあるペーストから濃縮したい化合物を抽出することが極めて難しいことは周知である。
【0037】
前記粘結剤(M)は、ドライバインダーとして作用する疎水性の化合物群から選択され、好ましくは、以下から選択される:
植物油:綿実油、大豆油、パーム油、ヒマシ油、およびこれらの油の全てもしくはいくつかの混合物;および/または鉱油を含んでなる群、および/または
ワックスの群、ならびにより好ましくは硬化綿実油ワックス、硬化大豆油、硬化パーム油、ベヘン酸グリセリル、硬化ヒマシ油、トリステアリン、トリパルミチン、トリミリスチン、黄ろう、硬脂肪、無水乳脂肪、ラノリン、グリセリルパルミトステアレート、グリセリルステアレート、ラウリル酸マクロゴールグリセリド、セチルアルコール、ポリグリセリルジイソステアレート、ジエチレングリコールモノステアレート、エチレンモノステアレート、オメガ3(omegas 3)、およびこれらのワックスの全てもしくはいくつかの混合物を含んでなるワックスの亜群;および/または
グリセロール、トリグリセリド、カカオ脂、カカオバター、およびこれらの油の全てもしくはいくつかの混合物を含んでなる坐剤のための脂肪性の基質の群。
【0038】
本発明の第二の実施形態において、前記微粒子状の剤形は、その粉砕に抵抗する手段が不溶性の不活性な微小ビーズを含んでなることにおいて特徴付けられ、前記微小ビーズは、AIの微粒子の平均直径の1.25倍以上、好ましくは1.5倍以上、より好ましくは2倍以上の平均直径を有する。
【0039】
水性または水-アルコール性の媒質に不溶性であるこれらの微小ビーズは、圧縮することができない。前記中性ビーズがAIを含有する微粒子よりも大きいという事実により、粉砕の圧力は主に前記ビーズにかかり、それ故、AIを含有する微粒子は保護される。それ故、それらは機械的な粉砕における試みを無効にする。
【0040】
好ましくは、前記不溶性の中性の微小ビーズは、以下の物質からなる群より選択される:セルロースおよびその不溶性の誘導体、ポリメタクリル酸樹脂およびその誘導体、シリカ、タルク、セモリナ、ベントナイト、およびそれらの混合物。
【0041】
本発明の第三の実施形態において、前記微粒子状の剤形は、少なくとも1の滑沢剤(L)を含んでなる粉砕に抵抗する手段により特徴付けられる。
【0042】
前記滑沢剤の役割は、機械的に粉砕された場合に、AIを含有する微粒子の摩耗を非常に制限するか、または排除さえすることである。前記滑沢剤またはスリップ剤は、流動を促進することにより前記微粒子状の剤形を粉砕することを困難にし、それ故、製品にかかるずり応力を減少させる。
【0043】
前記滑沢剤またはスリップ剤の利点は、ウォールスリップ(wall slip)を生じることであり;それ故、前記製品はミルの壁面に付着せず、それにより微粒子中に存在する活性成分に対するずり応力の伝達を妨げることができる。
【0044】
滑沢剤またはスリップ剤の存在下において、活性成分の微粒子を構成する粉末は、粘着性でなく、非常によい流動性を有する。
前記滑沢剤は、固形の微粒子状の剤形と簡単に混合されるか、または当業者に既知の方法、例えばスプレーコーティングにより、AIを含有する微粒子の表面に直接沈着される。
【0045】
滑沢剤またはスリップ剤の非限定的な例は、以下に挙げるものであってよい:
ステアリン酸カルシウム;
グリセリルパルミトステアレート;
硬化植物油;
酸化マグネシウム;
ポロキサマー;
ポリエチレングリコール;
ポリビニルアルコール;
安息香酸ナトリウム;
陰イオン性、陽イオン性、または非イオン性界面活性剤;
ステアリン酸;
コーンスターチ;
タルク;
コロイド性シリカ;
ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム;
およびそれらの混合物。
【0046】
本発明による固形の剤形における滑沢剤の質量による割合は、例えば1%〜40%である。
本発明によるAIを含有する微粒子は、1000ミクロン以下の平均直径、好ましくは50〜800ミクロンの平均直径、より好ましくは100〜600ミクロンの平均直径を有する。
【0047】
本発明によるAIを含有する微粒子は、AIの徐放のためのマイクロカプセルであってよく、すなわち、当業者に既知の技術により沈着されたポリマーフィルムでコートされたマイクロカプセルであってよい。この対象において、例えば、論文 “formes pharmaceutiques nouvelles” [“new pharmaceutical forms”] by Buri, Puisieux, Doelker and Benoit, Lavoisier 1985, p175-227, が考慮に入れられるであろう。
【0048】
好都合に、本発明による剤形は、鼻腔からの吸引による投与が可能な乾燥形態に変換することができない。
本発明による剤形は注射可能な形態に変換することができないことにも注目すべきである。
【0049】
変形によると、本発明による剤形は、即時放出型のAIおよび/または徐放性のAIを含んでなる。
好ましくは、本発明による剤形のAIの微粒子の少なくともいくらかは、AIの徐放のための微粒子であり、好ましくはマイクロカプセルである。
【0050】
好都合に、AIの微粒子またはAIのマイクロカプセルは、1000μm以下の平均直径、好ましくは50〜800ミクロンの平均直径、より好ましくは100〜600ミクロンの平均直径を有する。
本発明による剤形の他の注目すべき特徴によると、咀嚼および/または粉砕によるAIの抽出は無効である。
【0051】
使用されるAIは、例えば、少なくとも1の以下の活性物質の群に属する:アンフェタミン、鎮痛剤、食欲抑制剤、抗うつ剤、抗てんかん薬、抗片頭痛薬、抗パーキンソン薬、鎮咳薬、抗不安薬、バルビツレート、ベンゾジアゼピン、睡眠薬、緩下剤、神経遮断薬、オピエート、覚醒剤、向精神薬、鎮静剤、興奮剤。
【0052】
特に、使用されるAIは、以下の化合物から選択される:メチルフェニデート、フェンタニル、アルフェンタニル(Alfentanyl)、ペンタゾシン、ペチジン、フェノペリジン、レミフェンタニル、スフェンタニル、アセトルフィン(Acetorphine)、アセチルαメチルフェンタニル、アセチルメタドール(Acetyl methadol)、アルフェンタニル、アリルプロジン、αセチルメタドール、αメプロジン、αメタドール、αメチルフェンタニル、αメチルチオフェンタニル、αプロジン、アニレリジン、アトロピン、ベンゼチジン、ベンジルモルヒネ、β-ヒドロキシフェンタニル、β-ヒドロキシメチル-3-フェンタニル、βセチルメタドール、βメプロジン、βメタドール、βプロジン、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ジオキサフェンチルブチレート、カンナビス、ケトベミドン、クロニタゼン、コデイン、コカ、コカイン、コドキシム、ポピーストロー(poppy straw)の濃縮物、デソモルヒネ、デキストロモルアミド、ジアンプロマイド、ジエチルチアンブテン(Diethylthiambutene)、ジフェノキシン、ジヒドロエトルフィン、ジヒドロモルヒネ、ジメノキサドール、ジメヘプタノール(Dimepheptanol)、ジメチルチアンブテン、ジフェノキシレート、ジピパノン、ドロテバノール(Drotebanol)、エクゴニン、エフェドリン、エチルメチルチアンブテン、エトニタゼン、エトルフィン、エトキセリジン(Etoxeridine)、フェンタニル、フレチジン(Furethidine)、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルヒノール(Hydromorphinol)、ヒドロモルフォン、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、レボメトルファン(Levomethorphane)、レボモラミド、レボフェンアシルモルファン(Levophenacylmorphane)、レボルファノール、メペリジン、メタゾシン、メサドン、メチルデソルフィン、メチルジヒドロモルヒネ、メチル-3-チオフェンタニル、メチル-3-フェンタニル、メトポン、モラミド、モルフェリジン(Morpheridine)、モルヒネ、MPPP、ミロフィン(Myrophine)、ニコモルヒネ、ノラシメタドール(Noracymethadol)、ノルレボルファノール、ノルメサドン、ノルモルヒネ、ノルピパノン、アヘン、オキシコドン、オキシモルフォン、パラ-フルオロフェンタニル、PEPAP、ペチジン、フェナンプロミド(Phenampromide)、フェナゾシン、フェノモルファン(Phenomorphane)、フェノペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロヘプタジン、プロパノロール、プロペリジン、ラセメトルファン(Racemethorphane)、ラセモラミド(Racemoramide)、ラセモルファン(Racemorphane)、レミフェンタニル、スフェンタニル、テバコン(Thebacone)、テバイン、チオフェンタニル、チリジン、トリメペリジン、アセチルジヒドロコデイン、コデイン、デキストロプロポキシフェン、ジヒドロコデイン、エチルモルヒネ、ニココジン(Nicocodine)、ニコジコジン(Nicodicodine)、ノルコデイン、フォルコジン、プロピラム、およびこれらの混合物。
【0053】
上述した実施形態は、単独でまたは相互に組み合わせて用いることができる。
【実施例】
【0054】
例1:
アシクロビル(モデル活性成分)の微粒子の調製:
ステップ1:顆粒
アシクロビル45g、PEG-40-硬化ヒマシ油25g、およびポビドン30gを、水/アセトン/イソプロパノールの混合物(5/57/38 m/m)中で予め可溶化する。この溶液をその後、Glatt GPC-G1流動化空気床装置中でセルロース球体(直径100〜200μm)800gに噴霧する。
【0055】
ステップ2:コーティング
上記で得られた顆粒50gを、アセトン/イソプロパノール混合物(60/40 m/m)に溶解したエチルセルロース6.5g、ヒマシ油0.5g、PEG-40硬化ヒマシ油(BASF) 0.5g、およびポビドン2.5gを用いて、ミニGlatt流動化空気床装置中でコーティングする。
【0056】
得られた微粒子の平均直径は180μmである。これらの微粒子は、実質的に球状である。
【0057】
例2:
PEG 6000を35gとステアリン酸マグネシウム5gをイソプロパノール160g中に分散させる。その後この分散系を、例1の第2のステップの最後で得られた微粒子40gに噴霧する。
これらの対象がせん断にさらされる場合、PEG 6000およびステアリン酸マグネシウムを含む層は、せん断の効果を減少させることにより活性成分の粒子を保護する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
AIの少なくとも一部が微粒子中に含まれること、およびAIの微粒子を粉砕することを困難にするかまたは不可能にさえするために提供される粉砕に抵抗する手段を含んでなることを特徴とする、誤用を防止するための固形の経口的な剤形。
【請求項2】
請求項1に記載の剤形であって、前記粉砕に抵抗する手段が、前記剤形の組成を構成し、且つAIの微粒子の粉砕を妨害することができるか、または防止することができる賦形剤であることを特徴とする剤形。
【請求項3】
請求項1または2に記載の剤形であって、乾燥形態からなることを特徴とする剤形。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の剤形であって、粉砕に抵抗する手段が少なくとも1の粘結剤(M)を含んでなることを特徴とする剤形。
【請求項5】
請求項4に記載の剤形であって、少なくとも1の粘結剤A)および少なくとも1の増粘剤B)からなる任意の組み合わせを含まないことを特徴とする剤形。
【請求項6】
請求項5に記載の剤形であって、前記粘結剤A)が、ドライバインダーとして作用する疎水性化合物の群であって好ましくは以下の群より選択され;
綿実油、大豆油、パーム油、ヒマシ油、およびこれらの油の全てもしくはいくつかの混合物を含んでなる群;および/または
ワックスの群、ならびにより好ましくは硬化綿実油、硬化大豆油、硬化パーム油、ベヘン酸グリセリル、硬化ヒマシ油、トリステアリン、トリパルミチン、トリミリスチン、黄ろう、硬脂肪、無水乳脂肪、ラノリン、グリセリルパルミトステアレート、グリセリルステアレート、ラウリル酸マクロゴールグリセリド、セチルアルコール、ポリグリセリルジイソステアレート、ジエチレングリコールモノステアレート、エチレンモノステアレート、オメガ3、およびこれらのワックスの全てもしくはいくつかの混合物を含んでなるワックスの亜群;および/または
グリセロール、トリグリセリド、カカオ脂、カカオバター、およびこれらの製品の全てもしくはいくつかの混合物を含んでなる坐剤のための脂肪性の基質の群;
且つ前記増粘剤B)が以下のポリマーの群から選択されることを特徴とする剤形:
ポリアクリル酸およびその誘導体、および/または
ポリアルキレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール)、および/または
ポリビニルピロリドン、および/または
ゼラチン、および/または
ポリサッカライド、好ましくは、以下からなる亜群より選択される:アルギン酸ナトリウム、ペクチン、グアー、キサンタン、カラゲナン、ジェラン、およびセルロース誘導体(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース)、ならびにそれらの混合物。
【請求項7】
請求項4に記載の剤形であって、前記粘結剤(M)は、せん断作用下において、固形の剤形を非粉末性のペーストに変換することによりAIの微粒子の粉砕を困難にすることができるものから選択される剤形。
【請求項8】
請求項4または7に記載の剤形であって、前記粘結剤(M)が、ドライバインダーとして作用する疎水性化合物の群であって好ましくは以下の群より選択される剤形:
綿実油、大豆油、パーム油、ヒマシ油、およびこれらの油の全てもしくはいくつかの混合物を含んでなる群;および/または
ワックスの群、ならびにより好ましくは硬化綿実油、硬化大豆油、硬化パーム油、ベヘン酸グリセリル、硬化ヒマシ油、トリステアリン、トリパルミチン、トリミリスチン、黄ろう、硬脂肪、無水乳脂肪、ラノリン、グリセリルパルミトステアレート、グリセリルステアレート、ラウリル酸マクロゴールグリセリド、セチルアルコール、ポリグリセリルジイソステアレート、ジエチレングリコールモノステアレート、エチレンモノステアレート、オメガ3、およびこれらのワックスの全てもしくはいくつかの混合物を含んでなるワックスの亜群;および/または
グリセロール、トリグリセリド、カカオ脂、カカオバター、およびこれらの製品の全てもしくはいくつかの混合物を含んでなる坐剤のための脂肪性の基質の群。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の剤形であって、前記粉砕に抵抗する手段が、AIの微粒子の平均直径に対して1.25倍以上の平均直径、好ましくは1.5倍以上の平均直径、より好ましくは2倍以上の平均直径を有する不溶性の不活性な微小ビーズを含んでなることを特徴とする剤形。
【請求項10】
請求項9に記載の剤形であって、前記不溶性の中性の微小ビーズが以下の物質からなる群より選択されることを特徴とする剤形:セルロースおよびその不溶性の誘導体、ポリメタクリル酸樹脂およびその誘導体、シリカ、タルク、セモリナ、ベントナイト、ならびにそれらの混合物。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の剤形であって、前記粉砕に抵抗する手段が少なくとも1の滑沢剤(L)を含んでなることを特徴とする剤形。
【請求項12】
請求項11に記載の剤形であって、前記滑沢剤(L)が、機械的に粉砕された場合にAIを含有する微粒子の摩耗を排除することができるものから選択される剤形。
【請求項13】
請求項12に記載の剤形であって、前記滑沢剤(L)が以下の物質を含んでなる群から選択されることを特徴とする剤形:
ステアリン酸カルシウム;
グリセリルパルミトステアレート;
硬化植物油;
酸化マグネシウム;
ポロキサマー;
ポリエチレングリコール;
ポリビニルアルコール;
安息香酸ナトリウム;
陰イオン性、陽イオン性、または非イオン性界面活性剤;
ステアリン酸;
コーンスターチ;
タルク;
コロイド性シリカ;
ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム;
およびそれらの混合物。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の剤形であって、鼻腔からの吸引により投与することができる乾燥形態へ変換することができないことを特徴とする剤形。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか1項に記載の剤形であって、注射可能な形態に変換することができないことを特徴とする剤形。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか1項に記載の剤形であって、即時放出型のAIおよび/または徐放性のAIを含んでなることを特徴とする剤形。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか1項に記載の剤形であって、少なくともいくらかのAIの微粒子はAIの徐放のための微粒子、好ましくはマイクロカプセルであることを特徴とする剤形。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか1項に記載の剤形であって、AIの微粒子またはAIのマイクロカプセルの平均直径が1000μm以下、好ましくは50〜800ミクロン、より好ましくは100〜600ミクロンであることを特徴とする剤形。
【請求項19】
請求項1〜18のいずれか1項に記載の剤形であって、咀嚼および/または粉砕によるAIの抽出が無効であることを特徴とする剤形。
【請求項20】
請求項1〜19のいずれか1項に記載の剤形であって、使用するAIが少なくとも1の以下の活性物質の群に属することを特徴とする剤形:アンフェタミン、鎮痛剤、食欲抑制剤、抗うつ剤、抗てんかん薬、抗片頭痛薬、抗パーキンソン薬、鎮咳薬、抗不安薬、バルビツレート、ベンゾジアゼピン、睡眠薬、緩下剤、神経遮断薬、オピエート、覚醒剤、向精神薬、鎮静剤、および興奮剤。
【請求項21】
請求項1〜20のいずれか1項に記載の剤形であって、使用するAIが以下の化合物より選択されることを特徴とする剤形:メチルフェニデート、フェンタニル、アルフェンタニル、ペンタゾシン、ペチジン、フェノペリジン、レミフェンタニル、スフェンタニル、アセトルフィン、アセチルαメチルフェンタニル、アセチルメタドール、アルフェンタニル、アリルプロジン、αセチルメタドール、αメプロジン、αメタドール、αメチルフェンタニル、αメチルチオフェンタニル、αプロジン、アニレリジン、アトロピン、ベンゼチジン、ベンジルモルヒネ、β-ヒドロキシフェンタニル、β-ヒドロキシメチル-3-フェンタニル、βセチルメタドール、βメプロジン、βメタドール、βプロジン、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ジオキサフェンチルブチレート、カンナビス、ケトベミドン、クロニタゼン、コデイン、コカ、コカイン、コドキシム、ポピーストローの濃縮物、デソモルヒネ、デキストロモルアミド、ジアンプロマイド、ジエチルチアンブテン、ジフェノキシン、ジヒドロエトルフィン、ジヒドロモルヒネ、ジメノキサドール、ジメヘプタノール、ジメチルチアンブテン、ジフェノキシレート、ジピパノン、ドロテバノール、エクゴニン、エフェドリン、エチルメチルチアンブテン、エトニタゼン、エトルフィン、エトキセリジン、フェンタニル、フレチジン、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルヒノール、ヒドロモルフォン、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、レボメトルファン、レボモラミド、レボフェンアシルモルファン、レボルファノール、メペリジン、メタゾシン、メサドン、メチルデソルフィン、メチルジヒドロモルヒネ、メチル-3-チオフェンタニル、メチル-3-フェンタニル、メトポン、モラミド、モルフェリジン、モルヒネ、MPPP、ミロフィン、ニコモルヒネ、ノラシメタドール、ノルレボルファノール、ノルメサドン、ノルモルヒネ、ノルピパノン、アヘン、オキシコドン、オキシモルフォン、パラ-フルオロフェンタニル、PEPAP、ペチジン、フェナンプロミド、フェナゾシン、フェノモルファン、フェノペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロヘプタジン、プロパノロール、プロペリジン、ラセメトルファン、ラセモラミド、ラセモルファン、レミフェンタニル、スフェンタニル、テバコン、テバイン、チオフェンタニル、チリジン、トリメペリジン、アセチルジヒドロコデイン、コデイン、デキストロプロポキシフェン、ジヒドロコデイン、エチルモルヒネ、ニココジン、ニコジコジン、ノルコデイン、フォルコジン、プロピラム、およびこれらの混合物。

【公表番号】特表2008−520635(P2008−520635A)
【公表日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−542066(P2007−542066)
【出願日】平成17年11月21日(2005.11.21)
【国際出願番号】PCT/FR2005/050973
【国際公開番号】WO2006/056713
【国際公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【出願人】(593125160)フラメル・テクノロジー (22)
【氏名又は名称原語表記】FLAMEL TECHNOLOGIES
【Fターム(参考)】