説明

読取装置および読取方法

【課題】レセプトや帳票紙等の書類に記載された情報の読取処理の速度を増大することができる読取装置および読取方法を提供すること。
【解決手段】読取装置100の給紙装置130は、複数の種類のレセプト160,161と異なる種類のレセプト160,161の間に挿入され複数の紙を重ねて接着してなる仕切り紙170とが載置される紙載置台110を具備する。紙搬送装置131は、紙載置台110に載置されている紙をOCRユニット140に搬送する。紙搬送装置131により搬送される紙のうち2枚以上の紙が同時に搬送されることを検出して紙重送検出信号を生成する。紙搬送制御装置134は、紙重送検出装置133からの前記紙重送検出信号を受けたときに紙搬送装置131の搬送動作を停止させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、レセプト(診療報酬明細書)を含む帳票紙などの書類に記載された情報を読み取る読取装置および読取方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の読取装置の1例として、特許文献1に記載されたレセプト処理装置等の文字認識装置がある。次に、この特許文献1に記載されたレセプト処理装置について概説する。
【0003】
このレセプト処理装置は、紙載置台(ホッパ)と紙搬送装置と光学式文字読取部(スキャナ)とソータに設けられた複数の排出ポケットとを具備している。
【0004】
前記紙載置台には、複数の種類のレセプトが載置される。前記紙搬送装置は、前記紙載置台に載置されているレセプトを1枚ずつ前記光学式文字読取ユニットに搬送する。前記光学式文字読取部は、前記紙搬送装置における紙搬送路のレセプトからイメージを読み取ってこのイメージに基づいて文字認識を行って電子ファイルを作成して記憶する。
【0005】
イメージの読取処理が終了したレセプトは、ガイド装置により複数の排出ポケットのいずれかに収容される。レセプトが排出ポケットに収容された後に、前記レセプト処理装置は、次のレセプトの電子ファイル化の処理を行う。このようにして、前記レセプト処理装置は、例えば、保険者又は医療機関ごとにレセプトを分類して電子ファイル化している。
【0006】
この従来のレセプト処理装置は、同種の複数のレセプトを処理する場合には、当該同種の複数のレセプトを紙載置台に載置して積み込み、かつ、当該同種の複数のレセプトのレセプト情報を操作入力装置により入力した後に、レセプトの処理を開始して実行する。
【0007】
この従来のレセプト処理装置は、異なる種類の複数のレセプトを処理する場合には、異なる種類の複数のレセプトのうち同種の複数のレセプトを紙載置台に載置して積み込み、かつ、当該同種の複数のレセプトのレセプト情報を操作入力装置により入力した後に、レセプトの処理を開始して実行し、次に他の同種の複数のレセプトを紙載置台に載置して積み込み、かつ、当該他の同種の複数のレセプトのレセプト情報を操作入力装置により入力した後に、レセプトの処理を開始して実行する動作を繰り返すことになる。
【0008】
【特許文献1】特開2004−164381号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来のレセプト処理装置(読取装置)においては、異なる種類の複数のレセプトを処理する場合には、異なる種類の複数のレセプトの種類ごとに複数のレセプトを紙載置台に載置して積み込む紙積込作業を行う必要があるため、この紙積込作業の時間にはレセプトの処理を行うことができないから、レセプトの処理速度が遅くなってしまうという問題がある。
【0010】
例えば、従来のレセプト処理装置(読取装置)の1例であるイメージOCR装置は、1分間当たりに200枚のレセプトの処理を行うことができる。実際の運用での1台のイメージOCR装置におけるレセプトの最低処理枚数の目標は、1日当たりに100,000枚以上である。したがって、従来のイメージOCR装置においては、レセプトの処理を行うことができない紙積込作業の時間の累積によりレセプトの処理速度が非常に遅くなってしまうという問題が生じる。
【0011】
本発明の目的は、レセプトや帳票紙等の書類に記載された情報の読取処理の速度を増大することができる読取装置および読取方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の請求項1に係る読取装置は、複数の種類の書類を含む紙が載置される紙載置台と、前記紙載置台に載置されている前記紙に記載された情報を読み取る読取ユニットに搬送する紙搬送装置と、前記紙搬送装置により搬送される先行の前記紙に対し後続の紙の厚さ、大きさ、形状又は色が異なるときに当該後続の紙を異種紙として検出して異種紙検出信号を生成する異種紙検出装置と、前記異種紙検出装置からの前記異種紙検出信号を受けたときに前記紙搬送装置の搬送動作を停止させる紙搬送制御装置と、を具備する。
【0013】
本発明の請求項1に係る読取装置によれば、例えば、書類に対し厚さ、大きさ、形状又は色が異なる紙(異種紙)を準備し、かつ、複数の種類の書類と異なる種類の前記書類の間に挿入される前記異種紙とを紙載置台に載置して積み込む場合に、前記異種紙を検出して異種紙検出信号を生成して紙搬送装置の搬送動作を停止させることができる。このため、先行の同種の書類の読取処理中において後続の他の同種の書類を紙載置台に載置して積み込むことができるので、この紙積込作業の時間中に書類の読取処理を停止する必要がない。その結果、書類に記載された情報の読取処理の速度を増大することができる。
【0014】
本発明の請求項2に係る読取装置は、複数の種類の帳票紙と、異なる種類の前記帳票紙の間に挿入され複数の紙を重ねて接着してなる仕切り紙とが載置される紙載置台と、前記紙載置台に載置されている前記帳票紙に記載された情報および前記仕切り紙を光学的に読み取る読取ユニットに搬送する紙搬送装置と、前記紙搬送装置により搬送される前記帳票紙および前記仕切り紙のうち2枚以上の紙が同時に搬送されることを検出して紙重送検出信号を生成する紙重送検出装置と、前記紙重送検出装置からの前記紙重送検出信号を受けたときに前記紙搬送装置の搬送動作を停止させる紙搬送制御装置と、を具備する。
【0015】
本発明の請求項2に係る読取装置によれば、紙重送検出装置が仕切り紙を検出したときに紙重送検出信号を生成して紙搬送装置の搬送動作を停止させることができる。このため、先行の同種の帳票紙の読取処理中において後続の他の同種の帳票紙を紙載置台に載置して積み込むことができるから、この紙積込作業の時間中に帳票紙の読取処理を停止する必要がない。この結果、帳票紙に記載された情報の読取処理の速度を増大することができる。
【0016】
本発明の請求項3に係る読取方法は、帳票紙を載置する紙載置台と、前記帳票紙を搬送する紙搬送装置と、紙が重なっていることを検出する紙重送検出装置と、前記紙搬送装置の搬送動作を制御する紙搬送制御装置とを具備する読取装置における読取方法であって、前記紙載置台に複数の種類の前記帳票紙と、異なる種類の前記帳票紙の間に挿入され複数の紙を重ねて接着してなる仕切り紙とを載置する紙載置ステップと、前記紙搬送装置が前記紙載置台に載置されている前記帳票紙に記載された情報および前記仕切り紙を光学的に読み取る読取ユニットに搬送する紙搬送ステップと、前記紙搬送装置により搬送される前記帳票紙および前記仕切り紙のうち2枚以上の紙が同時に搬送されることを前記紙重送検出装置が検出して紙重送検出信号を生成する紙重送検出ステップと、前記紙搬送制御装置が前記紙重送検出装置からの前記紙重送検出信号を受けたときに前記紙搬送装置の搬送動作を停止させる搬送動作停止ステップと、を具備する。
【0017】
本発明の請求項3に係る読取方法によれば、紙重送検出装置が仕切り紙を検出したときに紙重送検出信号を生成して紙搬送装置の搬送動作を停止させることができる。このため、先行の同種の帳票紙の読取処理中において後続の他の同種の帳票紙を紙載置台に載置して積み込むことができるので、この紙積込作業の時間中に帳票紙の読取処理を停止する必要がない。その結果、帳票紙に記載された情報の読取処理の速度を増大することができる。
【0018】
本発明の請求項4に係る読取装置は、複数の種類の帳票紙と、異なる種類の前記帳票紙の間に挿入され仕切り識別情報が記載された仕切り紙とが載置される紙載置台と、前記紙載置台に載置されている前記帳票紙および前記仕切り紙に記載された情報を光学的に読み取る読取ユニットに搬送する紙搬送装置と、前記紙搬送装置により搬送される紙が前記仕切り紙であることを前記仕切り識別情報に基づいて検出して仕切り紙検出信号を生成する仕切り紙検出装置と、前記仕切り紙検出装置からの前記仕切り紙検出信号を受けたときに前記紙搬送装置の搬送動作を停止させる紙搬送制御装置と、を具備する。
【0019】
本発明の請求項4に係る読取装置によれば、紙搬送装置により搬送される紙が仕切り紙であることを仕切り識別情報に基づいて検出して仕切り紙検出信号を生成して紙搬送装置の搬送動作を停止させることができる。このため、先行の同種の帳票紙の読取処理中において後続の他の同種の帳票紙を紙載置台に載置して積み込むことができるので、この紙積込作業の時間中に帳票紙の読取処理を停止する必要がない。その結果、帳票紙の読取処理に記載された情報の速度を増大することができる。
【0020】
本発明の請求項5に係る読取方法は、帳票紙を載置する紙載置台と、前記帳票紙を搬送する紙搬送装置と、仕切り紙を検出する仕切り紙検出装置と、前記紙搬送装置の搬送動作を制御する紙搬送制御装置とを具備する読取装置における読取方法であって、前記紙載置台に複数の種類の前記帳票紙と、異なる種類の前記帳票紙の間に挿入され仕切り識別情報が記載された前記仕切り紙とを載置する紙載置ステップと、前記紙搬送装置が前記紙載置台に載置されている前記帳票紙に記載された情報および前記仕切り紙の仕切り識別情報を光学的に読み取る読取ユニットに搬送する紙搬送ステップと、前記紙搬送装置により搬送される紙が前記仕切り紙であることを前記仕切り識別情報に基づいて前記仕切り紙検出装置が検出して仕切り紙検出信号を生成する仕切り紙検出ステップと、前記紙搬送制御装置が前記仕切り紙検出装置からの前記仕切り紙検出信号を受けたときに前記紙搬送装置の搬送動作を停止させる搬送動作停止ステップと、を具備する。
【0021】
本発明の請求項5に係る読取方法によれば、紙搬送装置により搬送される紙が仕切り紙であることを仕切り識別情報に基づいて検出して仕切り紙検出信号を生成して紙搬送装置の搬送動作を停止させることができる。このため、先行の同種の帳票紙の読取処理中において後続の他の同種の帳票紙を紙載置台に載置して積み込むことができるので、この紙積込作業の時間中に帳票紙の読取処理を停止する必要がない。その結果、帳票紙に記載された情報の読取処理の速度を増大することができる。
【0022】
本発明の請求項6に係る読取装置は、複数の種類の帳票紙と、異なる種類の前記帳票紙の間に挿入され次の読取対象のレセプト情報が記載された仕切り紙とが載置される紙載置台と、前記紙載置台に載置されている前記帳票紙および前記仕切り紙の記載情報を光学的に読み取る読取ユニットに搬送する紙搬送装置と、前記紙搬送装置により搬送される紙が前記仕切り紙であることを前記レセプト情報に基づいて検出して仕切り紙検出信号を生成する仕切り紙検出装置と、前記仕切り紙検出装置からの前記仕切り紙検出信号を受けたときに前記紙搬送装置の搬送動作を停止させる紙搬送制御装置と、を具備する。
【0023】
本発明の請求項6に係る読取装置によれば、紙搬送装置により搬送される紙が仕切り紙であることをレセプト情報に基づいて検出して仕切り紙検出信号を生成して紙搬送装置の搬送動作を停止させることができる。このため、先行の同種の帳票紙の読取処理中において後続の他の同種の帳票紙を紙載置台に載置して積み込むことができるので、この紙積込作業の時間中に帳票紙の読取処理を停止する必要がない。その結果、帳票紙に記載された情報の読取処理の速度を増大することができる。
【0024】
本発明の請求項7に係る読取方法は、帳票紙を載置する紙載置台と、前記帳票紙を搬送する紙搬送装置と、仕切り紙を検出する仕切り紙検出装置と、前記紙搬送装置の搬送動作を制御する紙搬送制御装置とを具備する読取装置における読取方法であって、前記紙載置台に複数の種類の帳票紙と、異なる種類の前記帳票紙の間に挿入され次の読取対象のレセプト情報が記載された仕切り紙とを載置する紙載置ステップと、前記紙搬送装置が前記紙載置台に載置されている前記帳票紙および前記仕切り紙に記載された情報を光学的に読み取る読取ユニットに搬送する紙搬送ステップと、前記紙搬送装置により搬送される紙が前記仕切り紙であることを前記レセプト情報に基づいて前記仕切り紙検出装置が検出して仕切り紙検出信号を生成する仕切り紙検出ステップと、前記紙搬送制御装置が前記仕切り紙検出装置からの前記仕切り紙検出信号を受けたときに前記紙搬送装置の搬送動作を停止させる搬送動作停止ステップと、を具備する。
【0025】
本発明の請求項7に係る読取方法によれば、紙搬送装置により搬送される紙が仕切り紙であることをレセプト情報に基づいて検出して仕切り紙検出信号を生成して紙搬送装置の搬送動作を停止させることができる。このため、先行の同種の帳票紙の読取処理中において後続の他の同種の帳票紙を紙載置台に載置して積み込むことができるので、この紙積込作業の時間中に帳票紙の読取処理を停止する必要がない。その結果、帳票紙に記載された情報の読取処理の速度を増大することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係る読取装置および読取方法によれば、先行の同種の帳票紙を含む書類に記載された情報の読取処理中において後続の他の同種の書類を紙載置台に載置して積み込むことができるので、この紙積込作業の時間中に書類に記載された情報の読取処理を停止する必要がない。その結果、帳票紙等の書類の読取処理の速度を増大させて、作業の効率化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0028】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る読取装置の構成を示す概略図である。図2は、本発明の実施の形態1に係る読取装置の給紙装置の構成を示すブロック図である。図3は、本発明の実施の形態1に係る読取装置の給紙装置における紙載置台を拡大して示す図である。
【0029】
図1に示すように、本発明の実施の形態1に係る読取装置100は、紙載置台110と、操作入力装置120と、給紙装置130と、光学式文字読取ユニット(OCRユニット)140と、複数の排出ポケット150と、を具備している。
【0030】
図1および図3に示すように、紙載置台110は、複数の種類のレセプト160,161および仕切り紙170を含む紙を載置するためのものである。紙載置台110の後部には、バックプレート111が移動可能に配設されている。バックプレート111は、紙載置台110に載置される紙を支持するものである。バックプレート111が移動されることにより紙載置台110に載置される紙の量が調整されるようになっている。なお、紙載置台110に載置される紙(書類)は、レセプト160,161に限定されるものでなく、請求書や、他の帳票紙等の電子ファイル化する書面であってもよい。
【0031】
操作入力装置120は、読取開始信号および読取終了信号を含む操作信号並びにレセプト160,161を電子ファイル化する処理をするのに必要な操作情報等を入力するためのものである。
【0032】
図2に示すように、本発明の実施の形態1に係る読取装置100の給紙装置130は、紙載置台110に載置されている紙を1枚ずつOCRユニット140に給送するためのものである。この給紙装置130は、紙搬送装置131と、紙搬送路132に配置されている紙重送検出装置133と、紙搬送制御装置134と、を具備している。紙搬送制御装置134は、紙搬送装置131および紙重送検出装置133に接続されている。また、紙搬送制御装置134は、操作入力装置120に接続されている。
【0033】
紙搬送制御装置134は、操作入力装置120からの読取開始信号を受けると、紙搬送装置131に紙の搬送動作を開始させる。紙搬送装置131は、紙載置台110に載置されている紙を1枚ずつ紙搬送路132を介してOCRユニット140に搬送するためのものである。
【0034】
紙重送検出装置133は、2枚以上の紙が同時に搬送されることを検出して紙重送検出信号を生成する。紙重送検出装置133は、例えば、フォトカプラおよび光読取処理回路を有し、この光読取処理回路がフォトカプラから受ける紙の透過光量と基準光量とを比較して当該紙の紙厚を検出することにより、2枚以上の紙が同時に搬送されることを検出して紙重送検出信号を生成する。
【0035】
OCRユニット140は、給紙装置130により給送されてくる紙搬送路132のレセプト160,161から画像データを光学的に読み取ってこの画像データに基づいて文字認識を行って電子ファイルを作成して記憶する。画像データの読取処理が終了したレセプト160,161は、ガイド装置により複数の排出ポケット150のいずれかに収容される。
【0036】
図1および図3に示す各レセプト160,161は、患者(被保険者)ごとに1枚ずつ作成されている。レセプト160とレセプト161とは、保険の種別等が異なる種類のものを種類ごとに区分けしてある。
仕切り紙170は、その異なる種類のレセプト160とレセプト161との間に挿入されて仕切るための部材である。なお、この仕切り紙170は、紙製のものに限定されるものではなく、例えば、レセプト160とレセプト161とを仕切ることが可能で、仕切ったことを仕切り紙検出装置211で検出することが可能な略シート状のものであればよく、材質や形状等は特に限定されない。
【0037】
図4は、本発明の実施の形態1に係る読取装置において用いられる仕切り紙の1例を示す平面図である。図5は、本発明の実施の形態1に係る読取装置において用いられる仕切り紙の他の例を示す平面図である。図6は、本発明の実施の形態1に係る読取装置において用いられる仕切り紙のさらに他の例を示す平面図である。
【0038】
図4に示すように、仕切り紙170は、3枚の紙171を重ねて3枚の紙171の一端部を接着テープ172で接着してなるものであってもよい。また、図5に示すように、仕切り紙170は、3枚の紙171を重ねて3枚の紙171の一端部を接着剤173で接着してもよい。さらに、図6に示すように、仕切り紙170は、3枚の紙171を重ねて3枚の紙171の一端部の一部を接着剤173やホチキス等で固定してもよい。なお、仕切り紙170は、2枚又は4枚の紙171を重ねて前述のように接着してもよい。また、仕切り紙170の紙171は、レセプト160,161と区別できるように色紙であることが望ましい。
【0039】
仕切り紙170は複数の紙171を重ねて接着してなるものであるため、紙重送検出装置133は仕切り紙170を検出して紙重送検出信号を生成して紙搬送制御装置134に与える。紙搬送制御装置134は、紙重送検出装置133からの前記紙重送検出信号を受けたときに紙搬送装置131の搬送動作を停止させる。
【0040】
次に、本発明の実施の形態1に係る読取装置100の給紙装置130の動作を図2および図7に基づいて詳細に説明する。図7は、本発明の実施の形態1に係る読取装置100の給紙装置130の動作を説明するためのフローチャートである。
【0041】
図7に示すように、ステップST101において、紙搬送制御装置134は、操作入力装置120からの読取開始信号を受けたかを判断する。紙搬送制御装置134は、操作入力装置120からの読取開始信号を受けたときに、紙搬送装置131をONとしてこの紙搬送装置131に紙の搬送動作を開始させる(ステップST102)。
【0042】
次に、ステップST103において、紙搬送制御装置134は、紙重送検出装置133からの紙重送検出信号を受けたかを判断する。紙搬送制御装置134は、紙重送検出装置133からの紙重送検出信号を受けてないときに、ステップST102に戻って紙搬送装置131に紙の搬送動作を維持させる。一方、紙搬送制御装置134は、紙重送検出装置133からの紙重送検出信号を受けたときに、紙搬送装置131をOFFとして(ステップST104)紙搬送装置131に紙の搬送動作を停止させてから、ステップST101へ戻る。
【0043】
本発明の実施の形態1において、紙搬送装置131が仕紙搬送装置に仕切り紙170の搬送を停止させた後に、操作者は紙搬送装置131の紙搬送路132のこの仕切り紙170を除去してから操作入力装置120を操作してレセプト情報および読取開始信号等を入力して読取装置100に次のレセプトの読取を実行させる。
【0044】
なお、本発明の本発明の実施の形態1に係る読取装置100の給紙装置130は、紙重送検出装置133の代わりに異種紙検出装置を設けて、この異種紙検出装置が紙搬送装置131により搬送される先行の帳票紙を含む書類に対し後続の紙の厚さ、大きさ、形状又は色が異なるときに当該後続の紙を異種紙として検出して異種紙検出信号を生成して紙搬送制御装置134に与え、かつ、紙搬送制御装置134が前記異種紙検出信号を受けたときに紙搬送装置131の搬送動作を停止させるように構成してもよい。
【0045】
(実施の形態2)
図8は、本発明の実施の形態2に係る読取装置の構成を示す概略図である。図9は、本発明の実施の形態2に係る読取装置の給紙装置の構成を示すブロック図である。本発明の実施の形態2においては、本発明の実施の形態1と同じ構成要素には同じ符号を付してその説明を省略する。
【0046】
図8に示すように、本発明の実施の形態2に係る読取装置200は、本発明の実施の形態1において、紙重送検出装置133および紙搬送制御装置134の代わりに給紙装置210が仕切り紙検出装置211および紙搬送制御装置212を具備する。この構成以外の本発明の実施の形態2の構成は、本発明の実施の形態1と同じである。
【0047】
すなわち、本発明の実施の形態2に係る読取装置200は、紙載置台110と、操作入力装置120と、給紙装置210と、光学式文字読取ユニット(OCRユニット)140と、複数の排出ポケット150と、を具備している。
【0048】
図8に示すように、仕切り紙220は、同じ種類にまとめられたレセプト160と、このレセプト160と異なる種類のレセプト161との間に挿入され、種類別に区切っている。仕切り紙220は、その一部に仕切り識別情報又は次の読取対象のレセプト情報が記載されている。前記仕切り識別情報又は前記レセプト情報は、図10に示すようにバーコード221で表示される。また、前記仕切り識別情報又は前記レセプト情報は、他の画像で表示されてもよい。
【0049】
図9に示すように、本発明の実施の形態2に係る読取装置200の給紙装置210は、紙搬送装置131と、紙搬送路132に配置されている仕切り紙検出装置211と、紙搬送制御装置212と、を具備している。紙搬送制御装置212は、紙搬送装置131および仕切り紙検出装置211に接続されている。また、紙搬送制御装置212は、操作入力装置120に接続されている。
【0050】
仕切り紙検出装置211は、紙搬送装置131により搬送される紙が仕切り紙220であることを仕切り識別情報又はレセプト情報に基づいて検出して仕切り紙検出信号を生成して紙搬送制御装置212に与える。紙搬送制御装置212は、仕切り紙検出装置211からの仕切り紙検出信号を受けたときに紙搬送装置131の搬送動作を停止させる。
【0051】
次に、本発明の実施の形態2に係る読取装置200の給紙装置210の動作を図9および図11に基づいて詳細に説明する。図11は、本発明の実施の形態2に係る読取装置200の給紙装置210の動作を説明するためのフローチャートである。
【0052】
図11に示すように、ステップST201において、紙搬送制御装置212は、操作入力装置120からの読取開始信号を受けたかを判断する。紙搬送制御装置212は、操作入力装置120からの読取開始信号を受けたときに、紙搬送装置131をONとしてこの紙搬送装置131に紙の搬送動作を開始させる(ステップST202)。
【0053】
次に、ステップST203において、紙搬送制御装置212は、仕切り紙検出装置211からの仕切り紙検出信号を受けたかを判断する。紙搬送制御装置212は、仕切り紙検出装置211からの仕切り紙検出信号を受けてないときに、ステップST202に戻って紙搬送装置131に紙の搬送動作を維持させる。一方、紙搬送制御装置212は、仕切り紙検出装置211からの仕切り紙検出信号を受けたときに、紙搬送装置131をOFFとして(ステップST204)紙搬送装置131に紙の搬送動作を停止させてから、ステップST201へ戻る。
【0054】
本発明の実施の形態2において、仕切り紙220に次の読取対象のレセプト情報が記載されている場合には、操作者が操作入力装置120を操作して次の読取対象のレセプト情報を入力する作業を省略することができるから、読取処理の速度をより増大させて、作業の処理速度、処理の能力、および作業効率を向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、レセプト160,161や帳票紙等の書類に記載された情報の読取処理の速度を増大することができる効果を有し、読取装置100,200の給紙装置および読取装置100,200における給紙方法に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施の形態1に係る読取装置の構成を示す概略図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る読取装置の給紙装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る読取装置の給紙装置における紙載置台を拡大して示す図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る読取装置において用いられる仕切り紙の1例を示す平面図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る読取装置において用いられる仕切り紙の他の例を示す平面図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る読取装置において用いられる仕切り紙のさらに他の例を示す平面図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係る読取装置の給紙装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態2に係る読取装置の構成を示す概略図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係る読取装置の給紙装置の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係る読取装置において用いられる仕切り紙の1例を示す平面図である。
【図11】本発明の実施の形態2に係る読取装置の給紙装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0057】
100,200 読取装置
110 紙載置台
120 操作入力装置
130,210 給紙装置
131 紙搬送装置
132 紙搬送路
133 紙重送検出装置
134,212 紙搬送制御装置
140 読取ユニット(OCRユニット)
150 排出ポケット
211 仕切り紙検出装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の種類の書類を含む紙が載置される紙載置台と、
前記紙載置台に載置されている前記紙に記載された情報を読み取る読取ユニットに搬送する紙搬送装置と、
前記紙搬送装置により搬送される先行の前記紙に対し後続の紙の厚さ、大きさ、形状又は色が異なるときに当該後続の紙を異種紙として検出して異種紙検出信号を生成する異種紙検出装置と、
前記異種紙検出装置からの前記異種紙検出信号を受けたときに前記紙搬送装置の搬送動作を停止させる紙搬送制御装置と、
を具備することを特徴とする読取装置。
【請求項2】
複数の種類の帳票紙と、異なる種類の前記帳票紙の間に挿入され複数の紙を重ねて接着してなる仕切り紙とが載置される紙載置台と、
前記紙載置台に載置されている前記帳票紙に記載された情報および前記仕切り紙を光学的に読み取る読取ユニットに搬送する紙搬送装置と、
前記紙搬送装置により搬送される前記帳票紙および前記仕切り紙のうち2枚以上の紙が同時に搬送されることを検出して紙重送検出信号を生成する紙重送検出装置と、
前記紙重送検出装置からの前記紙重送検出信号を受けたときに前記紙搬送装置の搬送動作を停止させる紙搬送制御装置と、
を具備することを特徴とする読取装置。
【請求項3】
帳票紙を載置する紙載置台と、前記帳票紙を搬送する紙搬送装置と、紙が重なっていることを検出する紙重送検出装置と、前記紙搬送装置の搬送動作を制御する紙搬送制御装置とを具備する読取装置における読取方法であって、
前記紙載置台に複数の種類の前記帳票紙と、異なる種類の前記帳票紙の間に挿入され複数の紙を重ねて接着してなる仕切り紙とを載置する紙載置ステップと、
前記紙搬送装置が前記紙載置台に載置されている前記帳票紙に記載された情報および前記仕切り紙を光学的に読み取る読取ユニットに搬送する紙搬送ステップと、
前記紙搬送装置により搬送される前記帳票紙および前記仕切り紙のうち2枚以上の紙が同時に搬送されることを前記紙重送検出装置が検出して紙重送検出信号を生成する紙重送検出ステップと、
前記紙搬送制御装置が前記紙重送検出装置からの前記紙重送検出信号を受けたときに前記紙搬送装置の搬送動作を停止させる搬送動作停止ステップと、
を具備することを特徴とする読取方法。
【請求項4】
複数の種類の帳票紙と、異なる種類の前記帳票紙の間に挿入され仕切り識別情報が記載された仕切り紙とが載置される紙載置台と、
前記紙載置台に載置されている前記帳票紙および前記仕切り紙に記載された情報を光学的に読み取る読取ユニットに搬送する紙搬送装置と、
前記紙搬送装置により搬送される紙が前記仕切り紙であることを前記仕切り識別情報に基づいて検出して仕切り紙検出信号を生成する仕切り紙検出装置と、
前記仕切り紙検出装置からの前記仕切り紙検出信号を受けたときに前記紙搬送装置の搬送動作を停止させる紙搬送制御装置と、
を具備することを特徴とする読取装置。
【請求項5】
帳票紙を載置する紙載置台と、前記帳票紙を搬送する紙搬送装置と、仕切り紙を検出する仕切り紙検出装置と、前記紙搬送装置の搬送動作を制御する紙搬送制御装置とを具備する読取装置における読取方法であって、
前記紙載置台に複数の種類の前記帳票紙と、異なる種類の前記帳票紙の間に挿入され仕切り識別情報が記載された前記仕切り紙とを載置する紙載置ステップと、
前記紙搬送装置が前記紙載置台に載置されている前記帳票紙に記載された情報および前記仕切り紙の仕切り識別情報を光学的に読み取る読取ユニットに搬送する紙搬送ステップと、
前記紙搬送装置により搬送される紙が前記仕切り紙であることを前記仕切り識別情報に基づいて前記仕切り紙検出装置が検出して仕切り紙検出信号を生成する仕切り紙検出ステップと、
前記紙搬送制御装置が前記仕切り紙検出装置からの前記仕切り紙検出信号を受けたときに前記紙搬送装置の搬送動作を停止させる搬送動作停止ステップと、
を具備することを特徴とする読取方法。
【請求項6】
複数の種類の帳票紙と、異なる種類の前記帳票紙の間に挿入され次の読取対象のレセプト情報が記載された仕切り紙とが載置される紙載置台と、
前記紙載置台に載置されている前記帳票紙および前記仕切り紙の記載情報を光学的に読み取る読取ユニットに搬送する紙搬送装置と、
前記紙搬送装置により搬送される紙が前記仕切り紙であることを前記レセプト情報に基づいて検出して仕切り紙検出信号を生成する仕切り紙検出装置と、
前記仕切り紙検出装置からの前記仕切り紙検出信号を受けたときに前記紙搬送装置の搬送動作を停止させる紙搬送制御装置と、
を具備することを特徴とする読取装置。
【請求項7】
帳票紙を載置する紙載置台と、前記帳票紙を搬送する紙搬送装置と、仕切り紙を検出する仕切り紙検出装置と、前記紙搬送装置の搬送動作を制御する紙搬送制御装置とを具備する読取装置における読取方法であって、
前記紙載置台に複数の種類の帳票紙と、異なる種類の前記帳票紙の間に挿入され次の読取対象のレセプト情報が記載された仕切り紙とを載置する紙載置ステップと、
前記紙搬送装置が前記紙載置台に載置されている前記帳票紙および前記仕切り紙に記載された情報を光学的に読み取る読取ユニットに搬送する紙搬送ステップと、
前記紙搬送装置により搬送される紙が前記仕切り紙であることを前記レセプト情報に基づいて前記仕切り紙検出装置が検出して仕切り紙検出信号を生成する仕切り紙検出ステップと、
前記紙搬送制御装置が前記仕切り紙検出装置からの前記仕切り紙検出信号を受けたときに前記紙搬送装置の搬送動作を停止させる搬送動作停止ステップと、
を具備することを特徴とする読取方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−222369(P2008−222369A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−62472(P2007−62472)
【出願日】平成19年3月12日(2007.3.12)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】