調整可能なセグメント化ポリアセタール
本発明は、ポリマー組成物、すなわち数平均分子量が少なくとも4000ダルトンであるポリオール残基を含み、このポリオール同士が実際の結合によって結合されている生分解性セグメント化ブロックコポリマーに関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマー組成物およびそれから作成された加工品に関する。特に、本発明は、高い機械的強度を有する生分解性ポリマー、および身体内への埋め込みに適した荷重支持(load bearing)医療用デバイス製造へのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
脂肪族ポリエステルの分解特性は、理想的ではない。ポリグリコール酸、およびグリコール酸成分(例えばポリグリコネート)を多く有するコポリマーは、強度を急速に失う(通常約4週間のうち)。大抵の治癒プロセス(例えば、骨折修復、骨治癒など)は、これより長くなる可能性がある(通常6〜12週間)。したがって、こうしたポリマーでできたインプラントは、治癒するのに十分な期間にわたり機械的支持を提供するものではない。こうしたポリマーでは、質量損失が、一般に約1〜1.5年後に起こる。グリコール酸分解生成物の放出は、炎症反応につながる。
【0003】
対照的に、ポリ(L-ラクチド)(PLLA)をベースとするポリマーは、その機械的特性をかなり長く(通常6〜12カ月)保持し、すなわち、治癒プロセス全体を通して機械的支持を提供することができる。しかし、PLLAは、3〜5年間まったく質量損失を受けない。これは、デバイスが、たとえ機能があったとしても機能を提供しなくなってからずっと後まで、このデバイスを組織で置き換えることができないことを意味する。PGAの場合と同じく、分解で放出される分解生成物は、酸性であり、炎症反応をもたらす可能性がある。
【0004】
より最適な分解速度を生み出すために試みられた一方法は、乳酸とグリコール酸のコポリマー(PLGA)、またはL-乳酸とD-乳酸のコポリマー(PDLLA)を使用するものである。これらのポリマーの分解時間は、PLLAとPGAの分解時間の間である。しかし、これらのポリマーは、非晶質であり、機械的特性がPGAおよびPLLAより劣っている。また、PLLAおよびPGAと同様に、これらのポリマーはバルク加水分解によって分解され、その結果、機械的強度を失ってからずっと後に著しい質量損失および組織増殖のためのスペースの生成が起こる。
【0005】
PLLAやPGAなどの材料に関するさらなる問題は、その材料がもろく、それから作成されたインプラントが、挿入中にそれにかかる力によって破壊されやすい可能性があることである。これに対処する一方法は、PLLAまたはPGAをポリ(トリメチレンカーボネート)などのゴム様ポリマーと共重合させることである。こうするとポリマーの靭性は改善されるが、こうした材料には依然PLLAやPGAと同じ分解プロフィルの問題がある。
【0006】
使用されている別の生分解性ポリマーは、ポリカプロラクトン(PCL)である。このポリマーは60℃で溶融する。したがって、これを溶融形で身体に送達することができ、その後、硬化させてin situでインプラントを形成する。しかし、ポリカプロラクトンは、非常に分解が遅く、その結果、身体内での質量損失には3年以上かかる。
【非特許文献1】Synthetic biodegradable polymer scaffolds、5章、Bioactive polymers、J.West、J.Hubbell、1997年、ISBN 0-8176-3919-5
【非特許文献2】D.HullおよびT.W.Clyne、「An introduction to composite materials」、Cambridge university出版
【非特許文献3】L.L.Henchら、J.Biomed,Materials.Research.、41巻、1998年、511〜518頁
【非特許文献4】D.Wheelerら、J.Biomed.Materials.Research.、41巻、1998年、527〜533頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、生分解性ポリマーを埋植する操作に最適な強度および分解特性を有する生分解性ポリマーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、アセタール結合によって結合され、少なくとも4000ダルトンの数平均分子量(Mn)を有するポリオール残基を含む生分解性のセグメント化ブロックコポリマーが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
前記残基を以下「強度成分」と称す。
【0010】
本発明の第1実施形態によれば、アセタール結合は、ポリアセタール残基を含む(本発明のこの実施形態のポリマーの模式図を添付図面の図1に示す)。
【0011】
前記第1実施形態の一形態では、ポリアセタール残基は、酵素分解性ポリアセタール/ジアミノ酸エステルブロックを含んでもよい(添付図面の図2に示す)。
【0012】
あるいは、ポリアセタール残基は、組み込まれた生活性ジオールを含んでもよい(添付図面の図3に示す)。
【0013】
ポリアセタール残基は、酵素分解性ポリアセタール/ジアミノ酸エステルブロックと組み込まれた生活性ジオール試薬のどちらも含んでもよい(添付図面の図4に示す)。
【0014】
本発明の別の実施形態によれば、本発明のセグメント化ブロックコポリマーは、他のポリマー材料またはセラミック材料とブレンドすることができる。
【0015】
本発明の強度成分は、少なくとも4000ダルトン、より好ましくは4000〜20000ダルトンのポリオールである。しかし、適切には、ポリオール残基は、少なくとも5000ダルトン、または少なくとも7500ダルトン、または10000ダルトンの分子量を有することができる。
【0016】
適切には、ポリオール残基は、5000〜17500ダルトン、7500〜15000ダルトン、または10000〜12500ダルトンの分子量を有する。
【0017】
適切なポリオールは、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ乳酸(PLA、L、およびD形)、ポリグリコール酸(PGA)、またはポリジオキサノンのホモポリマーやコポリマーなどのポリエステルを含むことができる。他の適切なポリオールは、分解性脂肪族または芳香族エステル、ジメチルトリメチレンカーボネート(DMTMC)などの分解性カーボネート、ポリアミド、ポリウレタンなどを含むことができる。
【0018】
アミノ酸ジエステル/アセタールブロックは、適切にはアセタール結合で結合された酵素分解性ブロックであり、アミノ酸をベースとする。前記ブロックは、アミノ酸と、アミン、酸、アルコール、またはイソシアネート基とを反応させて、対応するジヒドロキシ末端ブロックに転換させることができる分解性アミノ酸含有ユニットを生じることによって生成することができる。例えば、ジアミノ末端アミノ酸ブロックをカプロラクトンと反応させてジヒドロキシ末端酵素分解性アミノ酸ブロックを得ることができる。
【0019】
本発明の生分解性セグメント化ブロックコポリマーは、生活性材料と共に使用することができる。生活性試剤を、本発明の生分解性セグメント化ブロックコポリマーに組み込み、ブレンドし、かつ/または反応させることができる。
【0020】
本発明の他の実施形態では、試剤は、増殖因子、抗生物質、ストロンチウム塩、フッ化物塩、マグネシウム塩、ナトリウム塩、骨形成因子、化学療法薬、鎮痛薬、ビスホスホネート、骨成長剤、血管新生因子、およびそれらの組合せからなる群から選択される。別の特定の実施形態では、増殖因子は、血小板由来増殖因子(PDGF)、トランスフォーミング増殖因子b(TGF-b)、インスリン関連増殖因子-I(IGF-I)、インスリン関連増殖因子-II(IGF-II)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、β-2-ミクログロブリン(BDGF II)、骨形成タンパク質(BMP)、モノブチリン、酪酸、およびそれらの組合せからなる群から選択される。別の特定の実施形態では、抗生物質は、塩酸テトラサイクリン、バンコマイシン、セファロスポリン、およびトブラマイシンやゲンタマイシンなどのアミノグリコシド、ならびにそれらの組合せからなる群から選択される。別の特定の実施形態では、因子は、脱ミネラル化骨タンパク質、脱ミネラル化骨基質(DBM)、骨タンパク質(BP)、骨形成タンパク質(BMP)、オステオネクチン、オステオカルシン、オステオゲニン、およびそれらの組合せからなる群から選択される。別の特定の実施形態では、試剤は、シスプラチン、イソファミデ、メトトレキサート、塩酸ドキソルビシン、およびそれらの組合せからなる群から選択される。別の特定の実施形態では、鎮痛薬は、塩酸リドカイン、塩酸ブピバカイン(bipivacaine)、ケトロラクトロメタミンなどの非ステロイド系抗炎症薬、およびそれらの組合せからなる群から選択される。
【0021】
組織修復を促進するために、1種または数種の物質を、本発明の複合生吸収性材料中に導入し、あるいは複合生吸収性材料からなる織物または移植物に含浸させることができる。代表的な物質には、ヒト増殖因子などのポリエプチド(polyeptide)がある。「ヒト増殖因子」または「HGF」という用語は、文献で周知の、そのように呼ばれる材料を包含し、生物学的に活性な密接に関連した誘導体もそれに含まれる。
【0022】
ポリアセタールブロックは、芳香族、脂肪族、および/または脂環式基を含むことができる加水分解性ブロックである。このブロックは、通常、ジビニルエーテルとアルコールの反応によって形成される。典型的な例は、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテルとシクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテルとポリラクチドジオールである。
【0023】
活性ポリアセタールブロックは、アセタールユニットによって互いに結合されている活性アルコールをベースにしたものであり、したがって放出時にこうした活性アルコールは、生理的効果を引き起こし、すなわち、治癒を改善するための生体プロセスを刺激または阻害し、その適切な例は、モノブトリン(monobutryin)、ヒドロコルチゾン、コレステロール、1,4-ブテンドール(butendol)である。
【0024】
炭酸カルシウムの緩衝効果によって、以下の特性を向上させることができる。(I)処理中のポリマーの安定化、(II)分解調節剤、(II)弾性率向上剤、(IV)骨伝導係留点(Osteoconductive anchoring point)。速度改変剤は、前述のポリマーまたはポリマーブレンド中に、例えば重合または物理的ブレンドによって組み込むことができる。こうした試剤、例えば、酸(例えば、脂肪酸、乳酸)、無水物(例えば、無水ラウリン酸)、または環状エステル(例えば、グリコリド、ラクチド)は、分解を促進することができる。あるいは、これらの試剤は、例えば、塩基(例えば、CaCO3、MgCO3)などの緩衝剤を使用することによって分解を遅くすることができる。
【0025】
本発明のポリマーがアミノ酸ブロックを含む場合、酸または塩基の使用は、加水分解から主に酵素による分解メカニズムに切り替えるのに使用することができる。例えば、酸を使用すると酸感受性成分(すなわちアセタール成分)の分解が促進され、塩基を使用するとアセタールの分解が遅くなり、したがって酵素分解性アミノ酸ブロックの相対速度が増大する。
【0026】
本発明によれば、さらに無機(微粒子または線維)充填剤および/またはポリマー(線維または微粒子)充填剤を組み込むことによって、こうした材料の弾性率を改善する方法が提供される。破骨細胞と骨芽細胞の結合を増大させるための骨形成促進材料として無機充填剤を添加することも使用される。
【0027】
本発明はさらに、RGD、GRGDS、REDV、GREDVYグループなどのペプチド配列を組み込むことによって、こうした材料の細胞結合を改善する方法を提供する。その他のグループは、文献(すなわち、Synthetic biodegradable polymer scaffolds、5章、Bioactive polymers、J.West、J.Hubbell、1997年、ISBN 0-8176-3919-5)から調べることができる。
【0028】
本発明のポリマーの強度は、複合材料技術の使用により増大させることができる。微粒子、短い線維、および連続した線維の添加を個別にまたは組み合わせて使用して、複合材料の理論(例えば、D.HullおよびT.W.Clyne、「An introduction to composite materials」、Cambridge university出版を参照)に従って予想されるように、ポリマーの機械的特性を改善することができる。
【0029】
使用に適した生体適合性または生分解性充填剤には、ヒドロキシアパタイト(HA)やリン酸三カルシウム(TCP)などのセラミック材料が含まれ得る。バイグラス(biglasses)を使用することもできる(例えば、L.L.Henchら、J.Biomed,Materials.Research.、41巻、1998年、511〜518頁、またはD.Wheelerら、J.Biomed.Materials.Research.、41巻、1998年、527〜533頁を参照)。これらの材料は、本発明のポリマー中に組み込むために、既存の技術を使用して粒子または線維に加工することができる。
【0030】
さらに、ポリマー繊維を使用して、ポリアセタールポリマーを強化することもできる。こうした線維は、PLLA、PDLA、PGA、PDO、PCL、PTMC、ポリ無水物、ポリオルトエステルポリアセタールなど、周知の生体再吸収性ポリマーのホモポリマー、コポリマー、ブレンド、およびアロイから作成することができる。さらに、本発明で開示するポリアセタール組成物の1つから線維を作成することもできる。こうした線維は、圧縮成型により線維の周りにポリマーを溶融させたり、線維の周りにポリマーを溶液流延させるなど、従来の加工技術を使用してポリマー中に組み込むことができる。
【0031】
本発明の生分解性セグメント化ブロックコポリマーは、デバイスをin situで形成するために注射剤にすることができる。
【0032】
特定の実施形態では、ポリオール残基は、低融点であり、ポリカプロラクトンやポリブチルアジパートなど、低融点のポリエステル(低融点ポリエステル)を含むことができる。低融点ポリエステルという用語は、融点が約45℃〜約80℃のポリエステルを意味し、適切には、低融点ポリエステルの融点は、50℃〜75℃、または50℃〜65℃でもよい。
【0033】
ポリオール残基が低融点ポリエステルを含む本発明のこうした実施形態によって、材料をin situで形成/成形/硬化させることが可能になり、したがってそれを身体内で使用することができる。これによって、本発明を、ネジやクギなどの医療用固定デバイスとして使用することが可能になる。
【0034】
ネジやクギなどの医療用固定デバイスを作成する方法は、本発明の生分解性セグメント化ブロックコポリマーをin situで形成することを含む。
【0035】
本発明はまた、本発明のセグメント化コポリマーから形成される加工品も提供する。こうした加工品には、それだけには限らないが、ネジ、縫合糸固定具、プレート、薬剤送達デバイスなどがある。
【0036】
本発明の加工品は、整形外科または軟組織の適用例に使用することができる。例えば、前記加工品には、ネジを増強するための注射用セメント、骨折の固定もしくは骨折安定化の改善、ネジ/固定具の増強、靱帯固定、骨の補強(例えば背骨の適用例での使用)、または薬剤送達がある。
【0037】
本発明の生分解性セグメント化ブロックコポリマーは、医療用デバイス、例えば、移植片、縫合糸、ネジ、クギ、または骨プレートのコーティングとして使用することができる。
【0038】
図5は、ポリアセタール構造の例を示す。
強度ブロック=ポリマーの主要強度成分
アミノ酸ジエステル/アセタールブロック=酵素分解性および細胞適合性ブロック
ポリアセタールブロック=加水分解性ブロック
活性/ポリアセタール=活性な放出ブロック
【0039】
R1は、アミノ酸由来の有機残基である。
【0040】
R2は、エステルまたはカルバメートに由来する有機残基であり、少なくとも1個の炭素が少なくとも1個のC(O)NH-またはC(O)O-基で置換されている、アルキル-、シクロアルキル-、置換シクロアルキル-、アリール-、置換アリール-、またはアルケニル-アルコール由来のものでよい。
【0041】
R3は、環状エステル、環式カーボネート、ヒドロキシ酸、またはアミド保護されたアミノ酸に由来する有機残基である。
【0042】
R4は、エステルまたはカルバメートに由来する有機残基であり、少なくとも1個の炭素が少なくとも1個のC(O)NH、C(O)NR5、またはC(O)O基で置換されている、アルキル-、シクロアルキル-、置換シクロアルキル-、アリール-、置換アリール-、またはアルケニル-ジビニルエーテル由来のものでよい。
【0043】
R5は、ジビニルエーテル上の置換基であり、水素、脂肪族アルキル、芳香族または環式アルカン基の形をとることができる。
【0044】
R6は、生活性アルコールに由来する有機残基である。
【0045】
ポリマーは、ホモポリマーまたはコポリマーのジオールの残基である。適切な高分子ジオールは、分解性のポリエステル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、ポリアミド、ポリアミドエステル、ポリアミドカーボネート、またはポリウレタンに由来するものである。その例は、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸(D、L、または混合物)、ポリグリコリド、ポリジオキサノン、ポリジメチルトリメチレンカーボネート(DMTMC)である。ポリマーブロックは、以下の特徴の1つまたは複数を有する。(a)体温を超えるガラス転移温度(Tg)、(b)結晶性、(c)水素結合特性、または(d)ステレオ錯体(stereo complex)の形成。
【0046】
本発明の生分解性セグメント化ブロックコポリマーはまた、安定化剤または促進剤を含んでいてもよい。
【0047】
材料の分解速度を改変するために、これらを材料に組み込むことができる。これは、材料の分解を遅くまたは速くすることができる。
【0048】
促進剤という用語は、本発明の材料の分解を速くまたは高める添加剤を意味する。こうした添加剤には、酸または酸の誘導体が含まれ得る。
【0049】
安定化剤または促進剤は、本発明の材料にブレンドし、あるいは実際には構造中に重合させてもよい。
【0050】
本発明と共にかつ/または本発明で使用するのに適した促進剤としては、それだけには限らないが、ヘキサン酸、オクタン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、クロトン酸、4-ペンテン酸、2-ヘキセン酸、ウンデシレン酸、ペトロセレン酸(petroselenic acid)、オレイン酸、エルカ酸、2,4-ヘキサジエン酸、リノール酸、リノレン酸、安息香酸、ヒドロケイ皮酸、4-イソプロピル安息香酸、イブプロフェン、リシノール酸、アジピン酸、スベリン酸、フタル酸、2-ブロモラウリン酸、2,4-ヒドロキシドデカン酸、モノブチリン、2-ヘキシルデカン酸、2-ブチルオクタン酸、2-エチルヘキサン酸、2-メチル吉草酸、3-メチル吉草酸、4-メチル吉草酸、2-エチル酪酸、トランス-β-ヒドロムコン酸、無水イソ吉草酸、無水ヘキサン酸、無水デカン酸、無水ラウリン酸、無水ミリスチン酸、4-無水ペンテン酸、無水オレイン酸、無水リノール酸、無水安息香酸、ポリ(無水アゼライン酸)、2-オクテン-1-イル無水コハク酸、および無水フタル酸が挙げられる。
【0051】
ポリマー中への骨成長を促進するために、ポリマーが、骨伝導性充填剤、例えば、ヒドロキシアパタイト(HA)、硫酸カルシウム、リン酸三カルシウム、生体活性ガラス、アラレ石、方解石、およびこれらの充填剤の混合物を含むことが好ましい。骨伝導性充填剤のレベルが適切であると、ポリマーの送達性(deliverability)を許容できないほど減少させることなく骨成長を促進させる。骨片を別の充填剤なしで使用する場合、一般に、ポリマーが、骨片を約0〜60重量%、より好ましくは約20〜50重量%含むことが好ましい。
【0052】
本発明を以下の実施例および図面によって説明する。
【0053】
(実施例)
1.様々な大きさのポリカプロラクトンブロックを含むポリアセタールの調製
表1aに示す量のポリカプロラクトンジオール(PCL)を、やはり表1aに示す対応する量のp-トルエンスルホン酸一水和物(TSA)および無水クロロホルム50mlと一緒に、それぞれ125ml容のウィートンガラス瓶に入れた。このガラス瓶を密閉(シリコン栓/アルミニウムクリンプキャップ)し、反応物をマグネティックスターラーを使用して室温で撹拌した。シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル(CHDMDVE)/無水クロロオルム(chlororm)(1ml/10ml)溶液を調製し、次いで、これを各ガラス瓶に時間をかけて少量添加した。これらの反応物に添加されるクロロホルムの量を減少させるために、ニートのCHDMDVE(1mlおよび4ml)を低分子量PCLジオール(それぞれMn=1250およびMn=580)を使用して反応物に添加した。反応物の塊が粘性になった後、追加の無水クロロホルム20mlを添加して溶液の粘度を低下させた。これらの溶液をAl2O3/ガラスウールカラムに通し、CaCO3(2%wt/wt)を入れたガラス瓶に収集した。CaCO3を分散させ、得られた溶液を剥離紙上に流延し、得られたポリマーの分子量をGPCを使用して決定した。
【0054】
【表1】
【0055】
引張特性
上記の材料を加熱押圧(90℃)を使用して1mm厚のフラットシートに成型した。引張ダンベルをツウィック1435引張試験機で切断試験した(試験速度10mm/分、ゲージ長=10mm)。
【0056】
【表2】
【0057】
【表3】
【0058】
2.促進剤を使用したポリアセタール(PCL(4000)/ベクトロマー(vectromer)4060)の加速分解
ポリカプロラクトンジオール(Mn4000、11.7g)を125ml容のガラス瓶に入れた。p-トルエンスルホン酸一水和物(pTSA、0.023g)をガラス瓶に添加し、続いて無水クロロホルム40mlを添加した。これをマグネティックスターラーを使用して室温で撹拌した。ベクトロマー4060(ビス[4-(ビニルオキシ)ブチル]アジパート)(1.7g)/クロロホルム(15ml)溶液を調製した。次いで、溶液に粘性が生じるまで時間をかけてこれを少量添加した(10ml を1時間で)。やはり溶液の粘度を低下させるために、無水クロロホルム(20ml)を添加した。炭酸水素ナトリウム溶液(1M、2ml)を添加し、15分間混合した。次いで、ポリマーを沈澱させ、空気乾燥させた。最終材料を真空オーブンで乾燥させた。上記のポリアセタール3gをクロロホルム(50ml/無水)に溶解させた。ラウリン酸(LA、0.15g、5%wt/wt)を添加し、溶液を混合した。次いで、この溶液を剥離紙上に流延して溶媒を除去し、空気乾燥させた。得られたポリマー/LAブレンドを真空オーブン中でさらに乾燥させた(1時間/室温)。ポリマー/LAブレンド2gを清浄な小型のPTFEポットに入れ、90℃に加熱し、成型し(5分間)、冷却(室温)して、小さなポリマープラグ(18mm直径)を得た。このポリアセタール(PCL/ベクトロマー4060)サンプル、リン酸緩衝液(50ml)、および密封プラスチック瓶を使用して加速分解実験を行った。分解実験は、45℃/pH7.4で行った。プラグを各時間ポイントで取り出し、拭き取り乾燥させ、GPC(クロロホルム/PS基準)分析用に小片(0.1g)を取り出した。次いで、プラグを緩衝液中に戻し、次の時間ポイントに達するまで分解させた。
【0059】
【表4】
【0060】
3.様々なブロック比のPCL(Mn4000)を使用したポリアセタールの調製
ポリカプロラクトンジオール(Mn4000)およびシクロヘキサンジメタノール(CMDM)を125ml容のガラス瓶に入れた。p-トルエンスルホン酸一水和物(pTSA)をガラス瓶に添加し、続いて無水クロロホルム40mlを添加した。溶液をマグネティックスターラーを使用して室温で撹拌した。ニートのCHDMDVE(3mlおよび2ml)をそれぞれの反応物に添加した。無水クロロホルムを使用してシクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル(CHDMDVE)(1ml/10ml)の溶液を調製し、先の溶液が粘性になるまで、これを少量添加した。次いで無水クロロホルム20mlを添加し、得られた溶液を混合し、次にAl2O3/ガラスウールカラムに通した。得られた溶液をCaCO3を入れた別々のガラス瓶に収集し、機械的に撹拌してCaCO3を分散させ、剥離紙上に流延した。
【0061】
【表5】
【0062】
機械的特性
上記の材料を加熱押圧(90℃)を使用して1mm厚のフラットシートに成型した。引張ダンベルをツウィック1435引張試験機で切断しテストした(テストスピード10mm/分、ゲージ長=10mm)。
【0063】
【表6】
【0064】
【表7】
【0065】
熱可塑性エラストマー
ポリアセタール(PCL[4000]CHDM/CHDMDVE)(50%PCL)を冷間引き抜きして配向熱可塑性プラスチックエラストマーにした。これは、(力を加えたとき)伸び、力を抜いたとき最初の寸法を回復する。
【0066】
4.PCL(Mn4000)およびモノブチリンを使用したポリアセタールの調製
PCLジオール(Mn4000)およびシクロヘキサンジメタノールを真空オーブン中60℃で乾燥させた。モノブチリンを真空オーブン中室温で乾燥させた。触媒(p-TSA)をPCL/CHDM混合物に添加し、次いで、モノブチリンを添加した。無水クロロホルム50mlを添加し、混合物を室温で撹拌した。重合溶液が粘性になるまで、表4aに示すように、CHDMDVE/無水クロロホルム(1.0ml/10ml)溶液を添加して試薬を重合させた。混合物を無水クロロホルム20mlで希釈し、溶液をAl2O3/ガラスウールカラムに通した。すべての溶液をCaCO3(2%wt/wt)を入れた別々のガラス瓶に収集し、機械的に撹拌してCaCO3を分散させ、剥離紙上に流延して次の2種のポリアセタール(PCL/CHDM/モノブチリン/CHDMDVE)を得た。
【0067】
【表8】
【0068】
【表9】
【0069】
5.塊状重合法を使用したポリアセタール(PCL/CHDM/CHDMDVE)の調製
触媒の調製
PCLジオール(Mn4000)5.00gおよびp-トルエンスルホン酸一水和物(pTSA)0.0036gを60ml容のガラスジャーに量り入れ、次いでオーブン中100℃で加熱した。PCLが溶融した後、内容物をスパチュラを用いて十分に混合して溶液を生成し、次いで放冷した。使用前に混合物をオーブン中65℃で再度温めて透明な液体を生成した。
【0070】
ポリアセタール(PCL[4000]/CHDM/CHDMDVE)(72%PCL)
PCLジオール7.5g、CHDM1.06g、およびCHDMDVE1.81gを60ml容のガラスジャーに量り入れ、次いでオーブン中100℃で加熱した。PCLが溶融したら、内容物をスパチュラを用いて混合して均一な混合物を生成した。次いで、このジャーを65℃のオーブンに移し、それがこの温度で均衡状態になった後、PCL中に触媒0.30gを添加し、内容物をマグネティックスターラーを用いて十分に混合した。次いで、このジャーを密閉し、65℃のオーブンに戻した。反応4日後、分子量分析のためにサンプルをジャーから取り出した。結果を表5aに示す。
【0071】
ポリアセタール(CHDM/CHDMDVE)
CHDM8.46gおよびCHDMDVE11.53gを60ml容のガラスジャーに量り入れ、次いでオーブン中100℃で加熱した。CHDMが溶融した後、内容物をスパチュラを用いて混合して均一な混合物を生成した。次いで、このジャーを65℃のオーブンに移し、それがこの温度で均衡状態になった後、PCLジオール中に触媒0.47gを添加した。内容物をスパチュラを用いて十分に混合し、このジャーを密閉し65℃のオーブンに戻した。CHDMとCHDMDVEが混ざらないことを確認し、まずオーブンから取り出し、再混合し、オーブンに戻し、これを数回繰り返してから、粘度の増加が確認されなくなったときに取り出し、一晩放冷した。次いで、ジャーを湯浴に入れ、最高65℃に加熱し、マグネティックスターラーで撹拌した。半日撹拌した後、材料が反応して透明な粘性液体を形成した。次いで、ジャーを湯浴から取り出し、65℃のオーブンに戻し入れた。反応の4日後および6日後に、材料の分子量分析を行った。結果を表5aに記す。
【0072】
【表10】
【0073】
6.ポリマーブレンド
ポリアセタール(PCL/CHDMDVE)/ポリアセタール(CHDMDVE/CHDM)を、クロロホルム(50ml)中にポリアセタール(PCL/CHDMDVE)2gおよびポリアセタール(CHDMDVE/CHDM)を溶解して調製した。得られたものを剥離紙上に流延した。ブレンドの最終分子量は、Mn=17825、Mw=116800であった。
【0074】
7.in situでのPCLベースのポリアセタールの硬化特性の適用
7a 新規なin situ形成固定具(forming anchor)
商業用ポリエチレンテレフタレート(PET)Ashway#2縫合糸を使用して、4つの固定具システムを調べた。選択した液体の固定具材料は、純粋なε-ポリカプロラクトン(PCL)、mw=37000、ポリアセタール(PCL(Mn=4000)/CHDMDVE)、およびポリアセタール(PCL(Mn=4000)/CHDMDVE)/PCL(Mn=4000)ブレンドであった。比較のために、固体のOBL RC5固定具も検討用に選択された。
【0075】
20pcf Sawbone(40×20×20mm)のブロックに2つの穴(Φ2mm×10mm)を7mm離してあけた。各穴を70℃に予備加熱したポリマーで充填し、手持ち工具を使用してある長さの縫合糸を2つの穴に通した。形成されたループの高さを3.5mmに固定した。これは、棘上腱を骨に適切に固定し、その後に肩回旋筋腱板損傷が治癒できるのに十分な幅と考えられる。固体の固定具システムについては、2つの穴(Φ5mm×10mm)をあけ、表面の0.5〜1mm下に沈めた固定具ドライバカウンタを使用して金属固定具をこれらの穴に挿入した。機械試験は、8511サーボ油圧式引張試験機を使用して37℃に加熱した水を充填した環境チャンバで行った。テストした各Sawboneブロックをg形クランプで固定し、ブロックから出ている縫合糸ループを、Tピースの穴に通した支持クリップに取り付けた。次いで、これを、機械のアクチュエータに装着した1kN容量のスタティックロードセルに取り付けた30kN容量のウェッジアクショングリップに取り付けた。引抜き試験は、破損または縫合デバイスの引抜きによって破壊が起きるまで速度32mm/sでSawboneブロックの表面に対して垂直に行った。負荷による破損データをパーソナルコンピュータで収集し、結果を力-時間図を用いて評価した。テストした各固定具システムについて、5つの独立したサンプルから平均引抜き力を求めた。
【0076】
【表11】
【0077】
8.PLAベースのポリアセタールの合成
8.1 ポリ(L)ラクチドジオールの合成
ラクチド(49.5g)を125mlホイートンガラス瓶に入れ、このガラス瓶をシリコン栓およびアルミニウムクリンプキャップで封をした。次いで、ジラウリン酸スズ(ii)(0.1g)/ジエチレングリコール(5g)懸濁液1mlを添加した。ガラス瓶をオーブン(135℃)に入れ、モノマーがすべて溶解するまで加熱した。この間中ガラス瓶を手動で撹拌した。次いで、このガラス瓶を69.5時間加熱(135℃)して白色結晶固体を得た。温度を165℃に上昇させ、生じたPLA溶融物を6時間加熱した。すべてのサンプルをオーブンから取り出し、室温に冷却して白色固体を得た。固体をクロロホルム(80ml)に溶解し、メタノール(2×800ml)に沈澱させた。得られたポリマーを収集し、真空オーブン(5時間/70℃)で空気乾燥させた。ポリマーを室温/真空下(1mmHg)で一晩乾燥させた。得られたポリマーは、Mn=7400/Mw=10804であった。
【0078】
8.2 ポリアセタール(PLA/CHDM/CHDMDVE)の合成
下記はポリアセタール(PLA/CHDM/CHDMDVE)(50%PLA)の合成で使用した一般的手順である。下記の表8aのように、50〜90%のPLA含有量を有する他のポリアセタール(PLA/CHDM/CHDMDVE)材料を生成するのにも、試薬の比を調整しながら同じ方法を使用した。
【0079】
ポリ-l-乳酸ジオール(6g、Mn=7400/Mw=10804)、CHDM(2.5g)を125ml容のガラス瓶に入れた。p-トルエンスルホン酸一水和物(3.3mg)をガラス瓶に添加し、内容物を真空オーブン(60℃/4時間)中で乾燥させた。次いで、ガラス瓶に封(シリコン栓/アルミニウムクリンプ蓋)をし、無水クロロホルム50mlを添加した。これを、マグネティックスターラーを使用して室温で撹拌した。PLAジオールを、(シス/トランス)シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル(CHDMDVE)、ニートのCHDMDVE3.3ml、および希釈したCHDMDVE/無水クロロホルム(1ml/10ml)溶液2mlと重合させた。反応物が非常に高粘性であることが認められた。追加のクロロホルム20mlを添加して溶液粘度を減少させた。溶液をAl2O3/ガラスウールカラムに通して、CaCO3を入れたガラス瓶中に収集した。集めた溶液を機械式ローラーを使用して混合し、剥離シート上に流延した。特性:Mn=19800、Mw=47600、Tg=-3.2℃および42℃、Tm=143.2℃。
【0080】
これらのポリアセタール(PLA/CHDM/CHDMDVE)ポリマーを使用して引張試験サンプルを成型し、それぞれの引張特性を決定した。
【0081】
【表12】
【0082】
9.ポリアセタール(PLA/CHDM/CHDMDVE)の分解
ポリアセタール(PLA/CHDM/CHDMDVE)を下記の手順を使用して調製した。ポリ-l-乳酸ジオール(4.5g、Mn=5200/Mw=10800)、CHDM(2.1g)を125ml容のガラス瓶に入れた。p-トルエンスルホン酸一水和物(12mg)をガラス瓶に添加し、内容物を真空オーブン(100℃/4時間)中で乾燥させた。次いで、このガラス瓶に封(シリコン栓/アルミニウムクリンプ蓋)をし、無水クロロホルム(40ml)を添加した。これを、マグネティックスターラーを使用して室温で撹拌した。PLAジオールを、(シス/トランス)シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル(CHDMDVE)と重合させた。CHDMDVE/無水クロロホルム溶液(2.55g/10ml)を調製し、一定分量を2時間かけて撹拌溶液に添加した。別のCHDMDVE/クロロホルム(2g/10ml)溶液を調製した。この溶液9mlを2.5時間かけて添加した。反応物は非常に高粘性になり、追加のクロロホルム20mlを混合物に添加して粘性を減少させた。溶液をAl2O3/ガラスウールカラムに通してポリマーを精製し、メタノール中で沈澱させた。最終ポリマーを収集し乾燥させた(空気乾燥および真空オーブン(60℃/4時間))。ポリマーの分子量、Mn=35500/Mw=126000。6.2mmの穴を有するPTFEブロックにポリマーを詰めてポリマー棒(約6.0mm直径)を生成した。ポリマーが溶融するまで、これを170℃で加熱した。溶融ポリマーを圧縮し冷却して、柔軟な棒を形成した。これは冷却すると結晶化した。小さなプラグ(長さ約10mm)を切断し、酸(pH3)および緩衝液(pH7.4)中で分解させた(図6)。分解データを下記の表9aに示す。
【0083】
【表13】
【0084】
10.ポリアセタール(PLA/CHDM/CHDMDVE)の熱安定性に対する緩衝剤の効果
クロロホルム(20ml)中で(PLA/CHDM/CHDMDVE)(3.5g)をCaCO3粉末(3.5g)と溶液ブレンドすることによって、ポリアセタール(PLA/CHDM/CHDMDVE)/CaCO3ブレンドを生成した。得られた溶液を流延してフィルムを形成し乾燥(一晩空気乾燥させ、次いで真空オーブンで80℃)させた。9.3mmの穴を有するPTFEブロックにポリマー/CaCO3を詰めてポリマー棒(約9.3mm直径)を生成した。ポリマーが溶融するまで、成型/ポリマーを185℃に加熱した。次いで、溶融ポリマーを圧縮し冷却した。冷却すると乳白色の棒が形成された。
【0085】
【表14】
【0086】
11.ポリアセタール(PLA/CHDM/CHDMDVE)の分解に対するCaCO3(緩衝剤)の効果
ポリアセタール(PLA/CHDM/CHDMDVE)/CaCO3の棒を切断して、プラグ(直径9.3mm×長さ7.55mm)を得た。サンプルを密封ポットに入れ、リン酸緩衝液中37℃/pH7.4で分解させた。
【0087】
【表15】
【0088】
12.PLAベースのポリアセタールの弾性率を増大させるための無機充填剤の使用
ポリアセタール(PLA/CHDM/CHDMDVE)/(50重量%PLA)/CaCO3をヒドロキシアピタイト(HA)粒子(Ceramed)と溶液ブレンドすることによって、50%HAを含有するポリアセタール(PLA/CHDM/CHDMDVE)/CaCO3を生成した。得られた溶液を流延し乾燥させた。Fontijne加熱油圧圧縮機を使用してブレンドを圧縮成型して15cmの円形シートを製造することによって、引張りサンプルを生成した。引張りサンプルは、5mmの短いダンベルカッターおよびAtom SE8油圧打抜圧縮機を使用してダンベルを切断することによって生成した。
【0089】
【表16】
【0090】
13.ポリアセタール(PLA/CHDM/アミノ酸ジエステル/CHDMDVE)の合成
反応経路は、下記のスキームに従う。
ステップ1 2NH2-R1-CO2H + HO-R2-OH->NH2-R1-CO2-R2-O2C-R1-NH2 + 2H2O
ステップ2 NH2-R1-CO2-R2-O2C-R1-NH2 + R3C=O->
HO-R3-CONH-R1-CO2-R2-O2C-R1-NHCO-R3-OH
ステップ3 HO-R3-CONH-R1-CO2-R2-O2C-R1-NHCO-R3-OH + HO-R2-OH +
CH2=C(R5)-O-R4-O-C(R5)=CH2 + HO-POLYMER-OH
-> {[O-POLYMER-O-CH(R5)-OR4-OCH(R5)-]m-[O-R2-O-CH(R5)-OR4-OCH(R5)-]p-[O-R3-CONH-R1-CO2-R2-O2C-R1-NHCO-R3-O-CH(R5)-OR4-OCH(R5)-]n-}r
m = 1-100, n = 0-100, p = 0-100, r = 1-100
【0091】
ステップ1:ジアミノエステル
L-フェニルアラニン(16.5g、0.1モル)を、シクロヘキサンジメタノール(7.2g、0.05モル)およびp-トルエンスルホン酸一水和物(20g、0.105モル)と反応させた。水を回収するために、これらの試薬をディーンスタークヘッドを使用して130mlトルエン中で加熱還流した。水2.6mlを回収した。トルエン溶媒をロータリーエバポレーターで除去すると粗製白色粉状生成物が残った。白色粉末を無水アルコール(3×80ml)で洗浄し、得られた生成物を恒量になるまで真空オーブン中で乾燥させて精製した。生成物を脱イオン水200ml(80℃)に懸濁させ、炭酸カリウム(10g)で中和した。ガス(CO2)が発生し、その結果、油/水エマルジョンが形成された。室温に冷却すると、淡褐色固体が生じた。固体を回収し、クロロホルムに溶解し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、溶液をローターエバポレーターで低減させると褐色のクリーム状固体が得られた。ジアミノエステルの構造を、1H-NMRおよびFT-IRを使用して確認した。
【0092】
ステップ2:ジアミノエステル/カプロラクトン付加物
ジフェニルアラニンエステル(2.5g)およびカプロラクトン(2.5g)をホイートンガラス瓶(10ml)に入れた。このガラス瓶を密閉(シリコン栓およびアルミニウムクリンプキャップ)し、105℃(2時間)の抽出オーブンに入れ、次いで150℃(5時間)にし、この間サンプルを手動で撹拌した。ジエステルが急速に溶融し、カプロラクトンに可溶になって黄色生成物をもたらすことが認められた。サンプルをさらに14時間反応させ、取り出し、冷却して、褐色の粘性液体を得た。ジアミノエステルの構造を、1H-NMRおよびFT-IRを使用して確認した。
【0093】
キモトリプシンを使用したジフェニルアラニンエステル/カプロラクトン付加物の分解
ジフェニルアラニンエステル/カプロラクトン付加物約1.0gを、2つの別々のポリプロピレン容器(25mm×5.5mm)に入れた。これらを2つのポリカーボネートジャー(25ml)に入れた。次いで、材料を(I)キモトリプシン溶液または(II)トリス緩衝液にさらすことによって分解した。これらの溶液は以下のようにして調製した。
【0094】
(a)1.0mM HCL3.366ml中にキモトリプシン0.5gを含む酵素ストック溶液を生成した。これを用いて、トリス緩衝液(22.67ml)、2M CaCl2溶液(0.675ml)、および酵素ストック溶液(1.65ml)をポリカーボネートポット中に添加することにより、500ユニット/mlの活性を有する酵素溶液25mlを作成した。この溶液10mlを、ジフェニルアラニンエステル/カプロラクトン付加物サンプルを入れた25ml容のポリカーボネートポットに移した。
【0095】
(b)緩衝(対照)液を同様の方法を使用して調製した。次いで、この場合は、トリス緩衝液(22.67ml)、2M CaCl2溶液(0.675ml)、および希HCl溶液(1.65ml)を、密封ポリカーボネートポット中に添加することによって作成した。この溶液10mlを、ジフェニルアラニンエステル/カプロラクトン付加物サンプルを入れた25ml容のポリカーボネートポットに移した。
【0096】
すべてのサンプルを機械的に撹拌しながら37℃でインキュベートした。それぞれの溶液からサンプルを取り出し、空気乾燥(2日)し、秤量した。次いで、これらのサンプルをそれぞれの溶液中でさらに分解した。酵素の高活性を確保するために、また分解溶液を3日毎に交換した。
【0097】
【表17】
【0098】
ステップ3:ジアミノエステル/カプロラクトン付加物を含むPLAベースのポリアセタール
ポリアセタール(PLA/CHDM/CHDMDVE/フェニルアラニンエステル-カプロラクトン付加物)を次の手順を使用して生成した。ポリ-l-乳酸ジオール(4g、Mn=5200/Mw=10800)およびジフェニルアラニンエステル/カプロラクトン(3.0g)付加物を、125ml容のガラス瓶に入れた。p-トルエンスルホン酸一水和物(16mg)をこのガラス瓶に添加し、内容物を真空オーブン(100℃/4時間)中で乾燥させた。次いで、このガラス瓶に封(シリコン栓/アルミニウムクリンプ蓋)をし、無水クロロホルム30mlを添加した。これをマグネティックスターラーを使用して室温で撹拌した。PLAジオールを(シス/トランス)シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル(CHDMDVE)と重合させた。CHDMDVE/無水クロロホルム溶液(2g/10ml)を調製し、少量添加した。得られた溶液が濁ったことが認められた。次いで、この溶液を、0.45umナイロンフィルタを取り付けたシリンジによってろ過し、CHDM(1.0g)、マグネティックスターラー、およびp-TSA(10mg)を入れた別の密封ホイートンガラス瓶(125ml)に入れた。これは透明な淡黄色溶液を形成した。CHDMDVE/クロロホルム溶液(1.23g/クロロホルム10ml)9mlを2時間かけて添加した。得られた粘性溶液をAl2O3/ガラスウールカラムに通して精製し、メタノール中で沈澱させ、乾燥させて残留溶媒を除去した。ポリマー構造をFTIRおよびNMRを使用して確認した。6.2mmの穴を有するPTFEブロックにポリマーを詰めてポリマーの棒(約6.0mm直径)を生成した。ポリマーが溶融するまで、得られた成型物を10分間180℃で加熱した。次いで、溶融ポリマーを圧縮し冷却して、柔軟な棒を形成した。これは冷却すると結晶化した。
【0099】
【表18】
【0100】
14.ジアミノエステル/カプロラクトン付加物を含む分解PLAベースのポリアセタール
ポリアセタール(PLA/CHDM/CHDMDVE/フェニルアラニンエステル-カプロラクトン付加物)を上記の方法を使用して生成した。ダイヤモンド鋸を使用してポリアセタール棒からポリマープラグを切断した。次いで、10mlの酵素溶液または緩衝液中で37℃/pH7.8でポリマープラグを分解させることによって、これらの材料の酵素による分解を評価した。酵素および緩衝液の調製手順(protocol)は、実施例13に示してある。
【0101】
【表19】
【0102】
15.ポリアセタール(PLA/CHDM/CHDMDVE/トリプトファンジエステル-CL付加物)/CaCO3ブレンド
ポリアセタール(PLA/CHDM/CHDMDVE/トリプトファンジエステル-CL付加物)を上記の方法を使用して調製した。ポリマー構造を、FTIR、NMR、およびGPCによる分子量(Mn=23900およびMw=152600)を使用して確認した。ポリアセタール(PLA/CHDM/CHDMDVE/トリプトファンジエステル-CL付加物)3gを、CaCO3(3g)粉末を入れたガラス瓶に入れた。ジクロロメタン(10ml)を添加し、すべてのポリマーが溶解するまで溶液を撹拌した。溶液を流延し、乾燥させて残留溶媒を除去した。ポリマーブレンドをPTFE型(直径9mm穴)に詰め、加熱し(160℃)、冷却することによって棒を成型して、ポリマー棒を得た。
【0103】
【表20】
【0104】
16.細胞癒着
細胞結合が、ポリアセタールの化学組成に依存することが分かった。ヒト末梢血由来の破骨細胞は、ポリアセタール試験材料のディスク上でin situで分化した。ポリアセタール-(トリプトファンジエステル/PLA)、ポリアセタール-(トリプトファンジエステル/PLA)/CaCO3、ポリアセタール-(PLA/CHDM/CHDMVE)、ポリアセタール-(PLA/CHDM/CHDMVE)/CaCO3、および対照材料を、破骨前駆細胞が成熟破骨細胞に分化する4週間の培養期間にわたりテストした(図7)。培養中の6日後および19日後に、細胞が、対照材料およびポリアセタール-(トリプトファンジエステル/PLA)/CaCO3に付着したことが観察された。さらなる細胞が、ポリアセタール-(トリプトファンジエステル/PLA)に付着した。また培養中の12日後に、ポリアセタール-(PLA/CHDM/CHDMVE)またはポリアセタール-(PLA/CHDM/CHDMVE)/CaCO3に付着した細胞はなかった。こうした効果が、細胞障害の問題を有する材料によって引き起こされるとは思われない。
【0105】
材料のディスクのまわりで培養された前造骨細胞(preosteoblastic)MC3T3-E1を使用した材料のバルク材料細胞障害試験は、材料が細胞に肉眼大の(gross)細胞障害効果を及ぼさないことを示した(図8)。ポリアセタール-(トリプトファンジエステル/PLA)、ポリアセタール-(PLA/CHDM/CHDMVE)、およびポリアセタール-(PLA/CHDM/CHDMVE)/CaCO3に付着する細胞の欠如は、in vitroでのそれらの分解速度と関係付けることができ、細胞がディスク表面の浸食によって失われたことを示唆する。一方、細胞は、ポリアセタール-(トリプトファンジエステル/PLA)/CaCO3ディスク上に依然として存在し、これはin vitroでこの材料が最も遅い分解速度を有することと一致した。
【0106】
また細胞の生存率実験をWST法を使用して行った。ポリアセタールサンプルを、2週間37℃で酸(pH3)中で分解させた。次いで、溶液をNa2CO3で中和した。様々な濃度の分解溶液を、培地を使用して段階希釈法で調製した。次いで、MC3T3-E1(骨芽細胞様)を試験溶液を用いて24時間培養した。細胞の生存率を分析した。対照溶液を、(I)LDPE馴化培地および(II)PVC/スズ馴化培地から生成した。グリコール酸と乳酸の細胞障害性を共に対照として測定した。>90%の細胞生存率を示すグリコール酸の最高許容濃度は、0.1mg/mlであり、>90%の細胞生存率を示す乳酸の最高許容濃度は、0.5mg/mlであった。
【0107】
【表21】
【0108】
17.複合材料バーの生成
材料
PLLA-co-PA(50:50)+4%w/wCaCO3
高強度PGA線維
方法
1.PLLA-co-PAのシート状圧縮成型
ポリマー10gを、PTFEを含浸させた2枚のガラスクロスシートの間で50kNの力で1分間135℃で圧縮成型した。次いで、得られたポリマーシートを切断し、同じ条件下で再成型して気泡の数を減少させた。成形されたシートを約0.1mbarで2時間50℃で真空乾燥させた。
【0109】
2.線維の調製
PTFEを含浸させたガラスクロスで裏打ちした金属シートに線維を巻き付けて、直径約6.5cmのきつく巻き付けた螺旋体を製造した。プレートに厚さ0.5mmのシムを取り付け、成型中それを安定させるためにプレートの両面で螺旋体の両側に接して配置した。
【0110】
次いで、線維およびプレートを、圧縮機中で、PTFEを含浸させたガラスクロスシートの間で135℃で2分間加熱した。次いで、プレートを圧縮機から取り出し、冷却する前にPLLA-co-PAシートをプレートの両面でPGA線維を覆って配置した。プレートを圧縮機に戻し30秒間低圧下に置いてPLLA-co-PAを溶融させ、次いで30秒間50kNの圧力をかけてポリマーを線維にした。次いで、この圧縮機を急激(crash)に冷却し、プレートを取り出して単一の線維層を含む2枚の複合材料シート(プレートの各面から1枚ずつ)を得た。次いで、複合材料シートを切断して、線維が長手方向に平行に配向した1.0×7.0cmの帯片を生成した。
【0111】
3.複合材料の生成
スロット(0.3×1×12cm)を有するアルミニウムブロック(1×4×12cm)を型として使用した。
【0112】
PTFEを含浸させたガラスクロスの帯片で型の底部を裏打ちし、型を圧縮機中で135℃に加熱した。型が温まった後、圧縮機を開け、複合材料シートの5つの帯片を一時に1つずつ加え、新しいシートを加えるたびに、ローラーを使用してシート間の気泡を除去した。
【0113】
次いで、型をPTFEを含浸させた1枚のガラスクロスシートで覆い、50kNの力で1分間圧縮し、次いで圧縮機を急激に冷却し、型を取り出した。次いで、型をドライアイスで冷却し、型を軽く叩いて複合材料バーを取り出した。次いで、複合材料バーを直ちに真空オーブン中で室温で約0.1mbarで乾燥させて、凍結プロセスで生じた結露を除去した。乾燥後、バーの端を切り揃えてそれらを平行な典型的な複合材料バーにした。このバーの断面を図1および2に示す。
【0114】
4本の棒を引張試験のために製造し試験した。引張試験の後、バーの半分を分子量分布を決定するためにGPCにかけた。2本のバーから長さ1cmを切断し、これを使って線維の内容を2回決定した。これは、サンプルを秤量し測定し、次いで、クロロホルムを使用して線維からマトリクスを洗浄除去することによって行った。次いで、残りの線維を乾燥させ秤重した。
【0115】
結果
出発ポリマー、個々のバーのマトリクス、およびPGA線維の分子量分布を表2にまとめて示す。
【0116】
【表22】
【0117】
複合材料バーの機械的特性を表3にまとめて示す。
【0118】
【表23】
【0119】
複合材料の重量組成を測定し、計算した体積組成からPGA線維の密度を1.53gcm-3と推定した。マトリクスポリマーの密度も計算し、これらの結果を表4にまとめて記す。
【0120】
【表24】
【0121】
PCLベースのポリアセタールの分解実験
この実験で使用したポリカプロラクトン(PCL)ベースのアセタールは、本特許に記載の方法を使用して生成した。この実験で使用したポリカプロラクトン-co-ポリアセタールコポリマーは、PCLジオール(Mn=10k)から合成され、(PCL-co-PA(CHDMDVE)を約95%および(PCL-co-PA(CHDM/CHDMDVE))PCLを50%含んでいた。無水ラウリン酸(LAH)(2%wt/wt)を上記のコポリマー中に溶液ブレンドし、オプサイト(opsite)シート上に流延し乾燥させた。次いで、ポリカプロラクトン-co-ポリアセタールポリマーおよび対応する無水ラウリン酸のブレンドをPCLシリンジに詰め、105℃で成型して棒を形成した。棒から円筒状のプラグを標準的な寸法(長さ10mmおよび直径4.6mm)に切断した。各材料の質量を、各サンプル間で直接比較できるようにかなり一定に保った。各サンプルをリン酸緩衝液(PBS)30mlを入れたガラス瓶に入れた。新規なPCLベースの材料の質量損失および分子量損失の影響を調べるために、2つの分解プロフィルを設定した。第1のエージングプロフィルは生理的状態(37℃、PBS)で、第2の実験は加速状態(45℃、PBS)で行った。どちらのケースでも、サンプルをPBS30mlに浸し、緩衝液は、どんな定期的流体分析もせずいずれの時点でも交換しなかった。この実験では、「クリップ型」トップを使用して、保存中にガラス瓶から起きるかもしれない蒸発を最小限に抑える一助とした。サンプルを10週間分解させ、取り出し、評価(MWTおよび質量損)した。この実験では、各時間ポイントにつき1つの材料当たり合計3つの複製物を使用した。最初に、各サンプルの乾重量を記録した。各サンプルを各時間ポイントの最後に廃棄した。各時間ポイントで、PBSをガラス瓶から出し、少量の手動(hand)乾燥を行って過剰なPBSを除去した後にサンプルの「湿重量」を記録した。その後、サンプルを真空ポンプを使用して乾燥させて残留液体を除去し、それによって「乾重量」を得た。この技術は、時間をかけてサンプルの質量損をモニターするのに使用した。最終サンプルについてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を行って分子量の変化を決定した。収集したデータを最初の時間ポイントと比較し、適切な分析を行った。
【0122】
PBSにおける37℃分解での分子量および質量の変化
【0123】
【表25】
【0124】
18.in vivo評価
ポリマープラグの生成
本研究で使用したポリラクチド(PLLA)ベースのポリアセタールは、実施例8に記載の方法を使用して生成した。PLA-co-ポリアセタールコポリマーは、PLLAジオール(Mn=7.5K)から合成され、PLLAを約50%含む。
【0125】
ポリアセタール(PLA/CHDM/CHDMDVE)コポリマーとヒドロキシアピタイト(HA、170℃/15時間で予め乾燥)を密封ホイートンガラス瓶(125ml)中で溶液ブレンドすることによってPLA-co-PA(CHDM/CHDMDVE)/HA(40%wt/wt)ブレンドを生成し、オプサイト剥離紙上に流延させ、空気乾燥させた。PLA-co-PA(CHDM/CHDMDVE)およびPLA-co-PA (CHDM/CHDMDVE)/HA(40%wt/wt)のシートを小さく切断し、クライオミルで粉砕して、Rondol 12mm一軸スクリュー押出機への給送に適した粉末を生成した。次いで、下記の条件下で材料を押出成形して棒にした。
【0126】
(i)ポリアセタール(PLA-co-PA(CHDM/CHDMDVE)棒
スクリュー速度=90ユニット
バレル温度=135℃
ダイ温度=140℃
【0127】
溶融物を、長さ約50mmで6.4mmの穴を有するホットPTFEブロック(130℃)中に押し出した。ポリマー溶融押出物を7個のブロックに充填した。ポリマー棒の取出しを助けるために、ブロックを冷凍庫で冷却した。
【0128】
(II)ポリアセタール(PLA-co-PA(CHDM/CHDMDVE)/HA棒
スクリュー速度=90ユニット
バレル温度=170℃
ダイ温度=170℃
【0129】
溶融物を、長さ約50mmで6.4mmの穴を有するホットPTFEブロック(130℃)中に押し出した。ポリマー溶融押出物を10個のブロックに充填した。ポリマー棒の取出しを助けるために、ブロックを冷凍庫で冷却した。
【0130】
Buehler Isomet 2000ソーで棒を切断してポリマープラグを製造し長さ11mmのプラグを得た。次いで、これらをBuehler Metaserv研磨機で研磨して、一端が先細になったプラグを製造した。すべての棒を無水アルコールで洗浄し空気乾燥させた。すべてのサンプルを別々のビューパックに入れバッチ処理した。サンプルを秤量し、測定し、ETO滅菌した。埋め込む前にすべてのサンプルを分析した(表XX-分子量および熱特性)。
【0131】
【表26】
【0132】
臨床上適切な骨部位を使用して、in vivoでの研究を行った。ポリマープラグを埋め込み、12カ月後に収集し、分類分けをせず、標準的なH&E染色を使用して染色した。両方のポリマープラグが、表面割れ、ポリマー浸食、およびインプラント表面での骨形成の徴候を示した。インプラント表面積の全減少分を計算すると、PLA-co-PA(CHDM/CHDMDVE)およびPLA-co-PA(CHDM/CHDMDVE)/HAそれぞれについて17.5%(±0.6)および21.5%(±0.4)であった。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】アセタール結合がポリアセタール残基を含む本発明の実施形態の概略図である。
【図2】ポリアセタール残基が酵素分解性ポリアセタール/ジアミノ酸エステルブロックを含む本発明の実施形態の概略図である。
【図3】ポリアセタール残基が、組み込んだ生活性ジオールを含む本発明の実施形態の概略図である。
【図4】ポリアセタール/ジアミノ酸エステルブロックおよび組み込んだ生活性試剤の本発明の実施形態の概略図である。
【図5】ポリアセタール構造の例を示す図である。
【図6a】PH7.4のリン酸緩衝液中で分解させたポリアセタール(PLA/CHDM/CHDMLVE)の直径から、約9日間緩衝液中で分解させた後の最初のポリアセタールの直径の減少分を示す図である。
【図6b】ポリアセタール表面上での分解の効果を示す図である。
【図7】ポリアセタール(PLA/CHDM/CHDMDVE/トライトパン(Trytophan)ジエステルカプロラクトン)CaCO3表面上への破骨細胞の癒着を示す図である。
【図8a】WST試験を使用した材料のバルク材料細胞毒性試験で、材料が細胞に肉眼大の(gross)細胞障害効果を及ぼさないことを示した、ポリアセタール(PLA/CHDM/CHDMDVE/トライトパンジエステルカプロラクトン)CaCO3のディスクのまわりで培養された前造骨細胞MC3T3-E1を示す図である。
【図8b】WST試験を使用した材料のバルク材料細胞毒性試験から得られた、一連の充填および非充填のPLAベースのポリアセタールでのすべての生存可能性(viability)を(吸収の関数として)示す図である。
【図9】本発明の典型的な複合材料の棒を示す図である。
【図10】本発明の典型的な複合材料の棒の断面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマー組成物およびそれから作成された加工品に関する。特に、本発明は、高い機械的強度を有する生分解性ポリマー、および身体内への埋め込みに適した荷重支持(load bearing)医療用デバイス製造へのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
脂肪族ポリエステルの分解特性は、理想的ではない。ポリグリコール酸、およびグリコール酸成分(例えばポリグリコネート)を多く有するコポリマーは、強度を急速に失う(通常約4週間のうち)。大抵の治癒プロセス(例えば、骨折修復、骨治癒など)は、これより長くなる可能性がある(通常6〜12週間)。したがって、こうしたポリマーでできたインプラントは、治癒するのに十分な期間にわたり機械的支持を提供するものではない。こうしたポリマーでは、質量損失が、一般に約1〜1.5年後に起こる。グリコール酸分解生成物の放出は、炎症反応につながる。
【0003】
対照的に、ポリ(L-ラクチド)(PLLA)をベースとするポリマーは、その機械的特性をかなり長く(通常6〜12カ月)保持し、すなわち、治癒プロセス全体を通して機械的支持を提供することができる。しかし、PLLAは、3〜5年間まったく質量損失を受けない。これは、デバイスが、たとえ機能があったとしても機能を提供しなくなってからずっと後まで、このデバイスを組織で置き換えることができないことを意味する。PGAの場合と同じく、分解で放出される分解生成物は、酸性であり、炎症反応をもたらす可能性がある。
【0004】
より最適な分解速度を生み出すために試みられた一方法は、乳酸とグリコール酸のコポリマー(PLGA)、またはL-乳酸とD-乳酸のコポリマー(PDLLA)を使用するものである。これらのポリマーの分解時間は、PLLAとPGAの分解時間の間である。しかし、これらのポリマーは、非晶質であり、機械的特性がPGAおよびPLLAより劣っている。また、PLLAおよびPGAと同様に、これらのポリマーはバルク加水分解によって分解され、その結果、機械的強度を失ってからずっと後に著しい質量損失および組織増殖のためのスペースの生成が起こる。
【0005】
PLLAやPGAなどの材料に関するさらなる問題は、その材料がもろく、それから作成されたインプラントが、挿入中にそれにかかる力によって破壊されやすい可能性があることである。これに対処する一方法は、PLLAまたはPGAをポリ(トリメチレンカーボネート)などのゴム様ポリマーと共重合させることである。こうするとポリマーの靭性は改善されるが、こうした材料には依然PLLAやPGAと同じ分解プロフィルの問題がある。
【0006】
使用されている別の生分解性ポリマーは、ポリカプロラクトン(PCL)である。このポリマーは60℃で溶融する。したがって、これを溶融形で身体に送達することができ、その後、硬化させてin situでインプラントを形成する。しかし、ポリカプロラクトンは、非常に分解が遅く、その結果、身体内での質量損失には3年以上かかる。
【非特許文献1】Synthetic biodegradable polymer scaffolds、5章、Bioactive polymers、J.West、J.Hubbell、1997年、ISBN 0-8176-3919-5
【非特許文献2】D.HullおよびT.W.Clyne、「An introduction to composite materials」、Cambridge university出版
【非特許文献3】L.L.Henchら、J.Biomed,Materials.Research.、41巻、1998年、511〜518頁
【非特許文献4】D.Wheelerら、J.Biomed.Materials.Research.、41巻、1998年、527〜533頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、生分解性ポリマーを埋植する操作に最適な強度および分解特性を有する生分解性ポリマーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、アセタール結合によって結合され、少なくとも4000ダルトンの数平均分子量(Mn)を有するポリオール残基を含む生分解性のセグメント化ブロックコポリマーが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
前記残基を以下「強度成分」と称す。
【0010】
本発明の第1実施形態によれば、アセタール結合は、ポリアセタール残基を含む(本発明のこの実施形態のポリマーの模式図を添付図面の図1に示す)。
【0011】
前記第1実施形態の一形態では、ポリアセタール残基は、酵素分解性ポリアセタール/ジアミノ酸エステルブロックを含んでもよい(添付図面の図2に示す)。
【0012】
あるいは、ポリアセタール残基は、組み込まれた生活性ジオールを含んでもよい(添付図面の図3に示す)。
【0013】
ポリアセタール残基は、酵素分解性ポリアセタール/ジアミノ酸エステルブロックと組み込まれた生活性ジオール試薬のどちらも含んでもよい(添付図面の図4に示す)。
【0014】
本発明の別の実施形態によれば、本発明のセグメント化ブロックコポリマーは、他のポリマー材料またはセラミック材料とブレンドすることができる。
【0015】
本発明の強度成分は、少なくとも4000ダルトン、より好ましくは4000〜20000ダルトンのポリオールである。しかし、適切には、ポリオール残基は、少なくとも5000ダルトン、または少なくとも7500ダルトン、または10000ダルトンの分子量を有することができる。
【0016】
適切には、ポリオール残基は、5000〜17500ダルトン、7500〜15000ダルトン、または10000〜12500ダルトンの分子量を有する。
【0017】
適切なポリオールは、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ乳酸(PLA、L、およびD形)、ポリグリコール酸(PGA)、またはポリジオキサノンのホモポリマーやコポリマーなどのポリエステルを含むことができる。他の適切なポリオールは、分解性脂肪族または芳香族エステル、ジメチルトリメチレンカーボネート(DMTMC)などの分解性カーボネート、ポリアミド、ポリウレタンなどを含むことができる。
【0018】
アミノ酸ジエステル/アセタールブロックは、適切にはアセタール結合で結合された酵素分解性ブロックであり、アミノ酸をベースとする。前記ブロックは、アミノ酸と、アミン、酸、アルコール、またはイソシアネート基とを反応させて、対応するジヒドロキシ末端ブロックに転換させることができる分解性アミノ酸含有ユニットを生じることによって生成することができる。例えば、ジアミノ末端アミノ酸ブロックをカプロラクトンと反応させてジヒドロキシ末端酵素分解性アミノ酸ブロックを得ることができる。
【0019】
本発明の生分解性セグメント化ブロックコポリマーは、生活性材料と共に使用することができる。生活性試剤を、本発明の生分解性セグメント化ブロックコポリマーに組み込み、ブレンドし、かつ/または反応させることができる。
【0020】
本発明の他の実施形態では、試剤は、増殖因子、抗生物質、ストロンチウム塩、フッ化物塩、マグネシウム塩、ナトリウム塩、骨形成因子、化学療法薬、鎮痛薬、ビスホスホネート、骨成長剤、血管新生因子、およびそれらの組合せからなる群から選択される。別の特定の実施形態では、増殖因子は、血小板由来増殖因子(PDGF)、トランスフォーミング増殖因子b(TGF-b)、インスリン関連増殖因子-I(IGF-I)、インスリン関連増殖因子-II(IGF-II)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、β-2-ミクログロブリン(BDGF II)、骨形成タンパク質(BMP)、モノブチリン、酪酸、およびそれらの組合せからなる群から選択される。別の特定の実施形態では、抗生物質は、塩酸テトラサイクリン、バンコマイシン、セファロスポリン、およびトブラマイシンやゲンタマイシンなどのアミノグリコシド、ならびにそれらの組合せからなる群から選択される。別の特定の実施形態では、因子は、脱ミネラル化骨タンパク質、脱ミネラル化骨基質(DBM)、骨タンパク質(BP)、骨形成タンパク質(BMP)、オステオネクチン、オステオカルシン、オステオゲニン、およびそれらの組合せからなる群から選択される。別の特定の実施形態では、試剤は、シスプラチン、イソファミデ、メトトレキサート、塩酸ドキソルビシン、およびそれらの組合せからなる群から選択される。別の特定の実施形態では、鎮痛薬は、塩酸リドカイン、塩酸ブピバカイン(bipivacaine)、ケトロラクトロメタミンなどの非ステロイド系抗炎症薬、およびそれらの組合せからなる群から選択される。
【0021】
組織修復を促進するために、1種または数種の物質を、本発明の複合生吸収性材料中に導入し、あるいは複合生吸収性材料からなる織物または移植物に含浸させることができる。代表的な物質には、ヒト増殖因子などのポリエプチド(polyeptide)がある。「ヒト増殖因子」または「HGF」という用語は、文献で周知の、そのように呼ばれる材料を包含し、生物学的に活性な密接に関連した誘導体もそれに含まれる。
【0022】
ポリアセタールブロックは、芳香族、脂肪族、および/または脂環式基を含むことができる加水分解性ブロックである。このブロックは、通常、ジビニルエーテルとアルコールの反応によって形成される。典型的な例は、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテルとシクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテルとポリラクチドジオールである。
【0023】
活性ポリアセタールブロックは、アセタールユニットによって互いに結合されている活性アルコールをベースにしたものであり、したがって放出時にこうした活性アルコールは、生理的効果を引き起こし、すなわち、治癒を改善するための生体プロセスを刺激または阻害し、その適切な例は、モノブトリン(monobutryin)、ヒドロコルチゾン、コレステロール、1,4-ブテンドール(butendol)である。
【0024】
炭酸カルシウムの緩衝効果によって、以下の特性を向上させることができる。(I)処理中のポリマーの安定化、(II)分解調節剤、(II)弾性率向上剤、(IV)骨伝導係留点(Osteoconductive anchoring point)。速度改変剤は、前述のポリマーまたはポリマーブレンド中に、例えば重合または物理的ブレンドによって組み込むことができる。こうした試剤、例えば、酸(例えば、脂肪酸、乳酸)、無水物(例えば、無水ラウリン酸)、または環状エステル(例えば、グリコリド、ラクチド)は、分解を促進することができる。あるいは、これらの試剤は、例えば、塩基(例えば、CaCO3、MgCO3)などの緩衝剤を使用することによって分解を遅くすることができる。
【0025】
本発明のポリマーがアミノ酸ブロックを含む場合、酸または塩基の使用は、加水分解から主に酵素による分解メカニズムに切り替えるのに使用することができる。例えば、酸を使用すると酸感受性成分(すなわちアセタール成分)の分解が促進され、塩基を使用するとアセタールの分解が遅くなり、したがって酵素分解性アミノ酸ブロックの相対速度が増大する。
【0026】
本発明によれば、さらに無機(微粒子または線維)充填剤および/またはポリマー(線維または微粒子)充填剤を組み込むことによって、こうした材料の弾性率を改善する方法が提供される。破骨細胞と骨芽細胞の結合を増大させるための骨形成促進材料として無機充填剤を添加することも使用される。
【0027】
本発明はさらに、RGD、GRGDS、REDV、GREDVYグループなどのペプチド配列を組み込むことによって、こうした材料の細胞結合を改善する方法を提供する。その他のグループは、文献(すなわち、Synthetic biodegradable polymer scaffolds、5章、Bioactive polymers、J.West、J.Hubbell、1997年、ISBN 0-8176-3919-5)から調べることができる。
【0028】
本発明のポリマーの強度は、複合材料技術の使用により増大させることができる。微粒子、短い線維、および連続した線維の添加を個別にまたは組み合わせて使用して、複合材料の理論(例えば、D.HullおよびT.W.Clyne、「An introduction to composite materials」、Cambridge university出版を参照)に従って予想されるように、ポリマーの機械的特性を改善することができる。
【0029】
使用に適した生体適合性または生分解性充填剤には、ヒドロキシアパタイト(HA)やリン酸三カルシウム(TCP)などのセラミック材料が含まれ得る。バイグラス(biglasses)を使用することもできる(例えば、L.L.Henchら、J.Biomed,Materials.Research.、41巻、1998年、511〜518頁、またはD.Wheelerら、J.Biomed.Materials.Research.、41巻、1998年、527〜533頁を参照)。これらの材料は、本発明のポリマー中に組み込むために、既存の技術を使用して粒子または線維に加工することができる。
【0030】
さらに、ポリマー繊維を使用して、ポリアセタールポリマーを強化することもできる。こうした線維は、PLLA、PDLA、PGA、PDO、PCL、PTMC、ポリ無水物、ポリオルトエステルポリアセタールなど、周知の生体再吸収性ポリマーのホモポリマー、コポリマー、ブレンド、およびアロイから作成することができる。さらに、本発明で開示するポリアセタール組成物の1つから線維を作成することもできる。こうした線維は、圧縮成型により線維の周りにポリマーを溶融させたり、線維の周りにポリマーを溶液流延させるなど、従来の加工技術を使用してポリマー中に組み込むことができる。
【0031】
本発明の生分解性セグメント化ブロックコポリマーは、デバイスをin situで形成するために注射剤にすることができる。
【0032】
特定の実施形態では、ポリオール残基は、低融点であり、ポリカプロラクトンやポリブチルアジパートなど、低融点のポリエステル(低融点ポリエステル)を含むことができる。低融点ポリエステルという用語は、融点が約45℃〜約80℃のポリエステルを意味し、適切には、低融点ポリエステルの融点は、50℃〜75℃、または50℃〜65℃でもよい。
【0033】
ポリオール残基が低融点ポリエステルを含む本発明のこうした実施形態によって、材料をin situで形成/成形/硬化させることが可能になり、したがってそれを身体内で使用することができる。これによって、本発明を、ネジやクギなどの医療用固定デバイスとして使用することが可能になる。
【0034】
ネジやクギなどの医療用固定デバイスを作成する方法は、本発明の生分解性セグメント化ブロックコポリマーをin situで形成することを含む。
【0035】
本発明はまた、本発明のセグメント化コポリマーから形成される加工品も提供する。こうした加工品には、それだけには限らないが、ネジ、縫合糸固定具、プレート、薬剤送達デバイスなどがある。
【0036】
本発明の加工品は、整形外科または軟組織の適用例に使用することができる。例えば、前記加工品には、ネジを増強するための注射用セメント、骨折の固定もしくは骨折安定化の改善、ネジ/固定具の増強、靱帯固定、骨の補強(例えば背骨の適用例での使用)、または薬剤送達がある。
【0037】
本発明の生分解性セグメント化ブロックコポリマーは、医療用デバイス、例えば、移植片、縫合糸、ネジ、クギ、または骨プレートのコーティングとして使用することができる。
【0038】
図5は、ポリアセタール構造の例を示す。
強度ブロック=ポリマーの主要強度成分
アミノ酸ジエステル/アセタールブロック=酵素分解性および細胞適合性ブロック
ポリアセタールブロック=加水分解性ブロック
活性/ポリアセタール=活性な放出ブロック
【0039】
R1は、アミノ酸由来の有機残基である。
【0040】
R2は、エステルまたはカルバメートに由来する有機残基であり、少なくとも1個の炭素が少なくとも1個のC(O)NH-またはC(O)O-基で置換されている、アルキル-、シクロアルキル-、置換シクロアルキル-、アリール-、置換アリール-、またはアルケニル-アルコール由来のものでよい。
【0041】
R3は、環状エステル、環式カーボネート、ヒドロキシ酸、またはアミド保護されたアミノ酸に由来する有機残基である。
【0042】
R4は、エステルまたはカルバメートに由来する有機残基であり、少なくとも1個の炭素が少なくとも1個のC(O)NH、C(O)NR5、またはC(O)O基で置換されている、アルキル-、シクロアルキル-、置換シクロアルキル-、アリール-、置換アリール-、またはアルケニル-ジビニルエーテル由来のものでよい。
【0043】
R5は、ジビニルエーテル上の置換基であり、水素、脂肪族アルキル、芳香族または環式アルカン基の形をとることができる。
【0044】
R6は、生活性アルコールに由来する有機残基である。
【0045】
ポリマーは、ホモポリマーまたはコポリマーのジオールの残基である。適切な高分子ジオールは、分解性のポリエステル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、ポリアミド、ポリアミドエステル、ポリアミドカーボネート、またはポリウレタンに由来するものである。その例は、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸(D、L、または混合物)、ポリグリコリド、ポリジオキサノン、ポリジメチルトリメチレンカーボネート(DMTMC)である。ポリマーブロックは、以下の特徴の1つまたは複数を有する。(a)体温を超えるガラス転移温度(Tg)、(b)結晶性、(c)水素結合特性、または(d)ステレオ錯体(stereo complex)の形成。
【0046】
本発明の生分解性セグメント化ブロックコポリマーはまた、安定化剤または促進剤を含んでいてもよい。
【0047】
材料の分解速度を改変するために、これらを材料に組み込むことができる。これは、材料の分解を遅くまたは速くすることができる。
【0048】
促進剤という用語は、本発明の材料の分解を速くまたは高める添加剤を意味する。こうした添加剤には、酸または酸の誘導体が含まれ得る。
【0049】
安定化剤または促進剤は、本発明の材料にブレンドし、あるいは実際には構造中に重合させてもよい。
【0050】
本発明と共にかつ/または本発明で使用するのに適した促進剤としては、それだけには限らないが、ヘキサン酸、オクタン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、クロトン酸、4-ペンテン酸、2-ヘキセン酸、ウンデシレン酸、ペトロセレン酸(petroselenic acid)、オレイン酸、エルカ酸、2,4-ヘキサジエン酸、リノール酸、リノレン酸、安息香酸、ヒドロケイ皮酸、4-イソプロピル安息香酸、イブプロフェン、リシノール酸、アジピン酸、スベリン酸、フタル酸、2-ブロモラウリン酸、2,4-ヒドロキシドデカン酸、モノブチリン、2-ヘキシルデカン酸、2-ブチルオクタン酸、2-エチルヘキサン酸、2-メチル吉草酸、3-メチル吉草酸、4-メチル吉草酸、2-エチル酪酸、トランス-β-ヒドロムコン酸、無水イソ吉草酸、無水ヘキサン酸、無水デカン酸、無水ラウリン酸、無水ミリスチン酸、4-無水ペンテン酸、無水オレイン酸、無水リノール酸、無水安息香酸、ポリ(無水アゼライン酸)、2-オクテン-1-イル無水コハク酸、および無水フタル酸が挙げられる。
【0051】
ポリマー中への骨成長を促進するために、ポリマーが、骨伝導性充填剤、例えば、ヒドロキシアパタイト(HA)、硫酸カルシウム、リン酸三カルシウム、生体活性ガラス、アラレ石、方解石、およびこれらの充填剤の混合物を含むことが好ましい。骨伝導性充填剤のレベルが適切であると、ポリマーの送達性(deliverability)を許容できないほど減少させることなく骨成長を促進させる。骨片を別の充填剤なしで使用する場合、一般に、ポリマーが、骨片を約0〜60重量%、より好ましくは約20〜50重量%含むことが好ましい。
【0052】
本発明を以下の実施例および図面によって説明する。
【0053】
(実施例)
1.様々な大きさのポリカプロラクトンブロックを含むポリアセタールの調製
表1aに示す量のポリカプロラクトンジオール(PCL)を、やはり表1aに示す対応する量のp-トルエンスルホン酸一水和物(TSA)および無水クロロホルム50mlと一緒に、それぞれ125ml容のウィートンガラス瓶に入れた。このガラス瓶を密閉(シリコン栓/アルミニウムクリンプキャップ)し、反応物をマグネティックスターラーを使用して室温で撹拌した。シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル(CHDMDVE)/無水クロロオルム(chlororm)(1ml/10ml)溶液を調製し、次いで、これを各ガラス瓶に時間をかけて少量添加した。これらの反応物に添加されるクロロホルムの量を減少させるために、ニートのCHDMDVE(1mlおよび4ml)を低分子量PCLジオール(それぞれMn=1250およびMn=580)を使用して反応物に添加した。反応物の塊が粘性になった後、追加の無水クロロホルム20mlを添加して溶液の粘度を低下させた。これらの溶液をAl2O3/ガラスウールカラムに通し、CaCO3(2%wt/wt)を入れたガラス瓶に収集した。CaCO3を分散させ、得られた溶液を剥離紙上に流延し、得られたポリマーの分子量をGPCを使用して決定した。
【0054】
【表1】
【0055】
引張特性
上記の材料を加熱押圧(90℃)を使用して1mm厚のフラットシートに成型した。引張ダンベルをツウィック1435引張試験機で切断試験した(試験速度10mm/分、ゲージ長=10mm)。
【0056】
【表2】
【0057】
【表3】
【0058】
2.促進剤を使用したポリアセタール(PCL(4000)/ベクトロマー(vectromer)4060)の加速分解
ポリカプロラクトンジオール(Mn4000、11.7g)を125ml容のガラス瓶に入れた。p-トルエンスルホン酸一水和物(pTSA、0.023g)をガラス瓶に添加し、続いて無水クロロホルム40mlを添加した。これをマグネティックスターラーを使用して室温で撹拌した。ベクトロマー4060(ビス[4-(ビニルオキシ)ブチル]アジパート)(1.7g)/クロロホルム(15ml)溶液を調製した。次いで、溶液に粘性が生じるまで時間をかけてこれを少量添加した(10ml を1時間で)。やはり溶液の粘度を低下させるために、無水クロロホルム(20ml)を添加した。炭酸水素ナトリウム溶液(1M、2ml)を添加し、15分間混合した。次いで、ポリマーを沈澱させ、空気乾燥させた。最終材料を真空オーブンで乾燥させた。上記のポリアセタール3gをクロロホルム(50ml/無水)に溶解させた。ラウリン酸(LA、0.15g、5%wt/wt)を添加し、溶液を混合した。次いで、この溶液を剥離紙上に流延して溶媒を除去し、空気乾燥させた。得られたポリマー/LAブレンドを真空オーブン中でさらに乾燥させた(1時間/室温)。ポリマー/LAブレンド2gを清浄な小型のPTFEポットに入れ、90℃に加熱し、成型し(5分間)、冷却(室温)して、小さなポリマープラグ(18mm直径)を得た。このポリアセタール(PCL/ベクトロマー4060)サンプル、リン酸緩衝液(50ml)、および密封プラスチック瓶を使用して加速分解実験を行った。分解実験は、45℃/pH7.4で行った。プラグを各時間ポイントで取り出し、拭き取り乾燥させ、GPC(クロロホルム/PS基準)分析用に小片(0.1g)を取り出した。次いで、プラグを緩衝液中に戻し、次の時間ポイントに達するまで分解させた。
【0059】
【表4】
【0060】
3.様々なブロック比のPCL(Mn4000)を使用したポリアセタールの調製
ポリカプロラクトンジオール(Mn4000)およびシクロヘキサンジメタノール(CMDM)を125ml容のガラス瓶に入れた。p-トルエンスルホン酸一水和物(pTSA)をガラス瓶に添加し、続いて無水クロロホルム40mlを添加した。溶液をマグネティックスターラーを使用して室温で撹拌した。ニートのCHDMDVE(3mlおよび2ml)をそれぞれの反応物に添加した。無水クロロホルムを使用してシクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル(CHDMDVE)(1ml/10ml)の溶液を調製し、先の溶液が粘性になるまで、これを少量添加した。次いで無水クロロホルム20mlを添加し、得られた溶液を混合し、次にAl2O3/ガラスウールカラムに通した。得られた溶液をCaCO3を入れた別々のガラス瓶に収集し、機械的に撹拌してCaCO3を分散させ、剥離紙上に流延した。
【0061】
【表5】
【0062】
機械的特性
上記の材料を加熱押圧(90℃)を使用して1mm厚のフラットシートに成型した。引張ダンベルをツウィック1435引張試験機で切断しテストした(テストスピード10mm/分、ゲージ長=10mm)。
【0063】
【表6】
【0064】
【表7】
【0065】
熱可塑性エラストマー
ポリアセタール(PCL[4000]CHDM/CHDMDVE)(50%PCL)を冷間引き抜きして配向熱可塑性プラスチックエラストマーにした。これは、(力を加えたとき)伸び、力を抜いたとき最初の寸法を回復する。
【0066】
4.PCL(Mn4000)およびモノブチリンを使用したポリアセタールの調製
PCLジオール(Mn4000)およびシクロヘキサンジメタノールを真空オーブン中60℃で乾燥させた。モノブチリンを真空オーブン中室温で乾燥させた。触媒(p-TSA)をPCL/CHDM混合物に添加し、次いで、モノブチリンを添加した。無水クロロホルム50mlを添加し、混合物を室温で撹拌した。重合溶液が粘性になるまで、表4aに示すように、CHDMDVE/無水クロロホルム(1.0ml/10ml)溶液を添加して試薬を重合させた。混合物を無水クロロホルム20mlで希釈し、溶液をAl2O3/ガラスウールカラムに通した。すべての溶液をCaCO3(2%wt/wt)を入れた別々のガラス瓶に収集し、機械的に撹拌してCaCO3を分散させ、剥離紙上に流延して次の2種のポリアセタール(PCL/CHDM/モノブチリン/CHDMDVE)を得た。
【0067】
【表8】
【0068】
【表9】
【0069】
5.塊状重合法を使用したポリアセタール(PCL/CHDM/CHDMDVE)の調製
触媒の調製
PCLジオール(Mn4000)5.00gおよびp-トルエンスルホン酸一水和物(pTSA)0.0036gを60ml容のガラスジャーに量り入れ、次いでオーブン中100℃で加熱した。PCLが溶融した後、内容物をスパチュラを用いて十分に混合して溶液を生成し、次いで放冷した。使用前に混合物をオーブン中65℃で再度温めて透明な液体を生成した。
【0070】
ポリアセタール(PCL[4000]/CHDM/CHDMDVE)(72%PCL)
PCLジオール7.5g、CHDM1.06g、およびCHDMDVE1.81gを60ml容のガラスジャーに量り入れ、次いでオーブン中100℃で加熱した。PCLが溶融したら、内容物をスパチュラを用いて混合して均一な混合物を生成した。次いで、このジャーを65℃のオーブンに移し、それがこの温度で均衡状態になった後、PCL中に触媒0.30gを添加し、内容物をマグネティックスターラーを用いて十分に混合した。次いで、このジャーを密閉し、65℃のオーブンに戻した。反応4日後、分子量分析のためにサンプルをジャーから取り出した。結果を表5aに示す。
【0071】
ポリアセタール(CHDM/CHDMDVE)
CHDM8.46gおよびCHDMDVE11.53gを60ml容のガラスジャーに量り入れ、次いでオーブン中100℃で加熱した。CHDMが溶融した後、内容物をスパチュラを用いて混合して均一な混合物を生成した。次いで、このジャーを65℃のオーブンに移し、それがこの温度で均衡状態になった後、PCLジオール中に触媒0.47gを添加した。内容物をスパチュラを用いて十分に混合し、このジャーを密閉し65℃のオーブンに戻した。CHDMとCHDMDVEが混ざらないことを確認し、まずオーブンから取り出し、再混合し、オーブンに戻し、これを数回繰り返してから、粘度の増加が確認されなくなったときに取り出し、一晩放冷した。次いで、ジャーを湯浴に入れ、最高65℃に加熱し、マグネティックスターラーで撹拌した。半日撹拌した後、材料が反応して透明な粘性液体を形成した。次いで、ジャーを湯浴から取り出し、65℃のオーブンに戻し入れた。反応の4日後および6日後に、材料の分子量分析を行った。結果を表5aに記す。
【0072】
【表10】
【0073】
6.ポリマーブレンド
ポリアセタール(PCL/CHDMDVE)/ポリアセタール(CHDMDVE/CHDM)を、クロロホルム(50ml)中にポリアセタール(PCL/CHDMDVE)2gおよびポリアセタール(CHDMDVE/CHDM)を溶解して調製した。得られたものを剥離紙上に流延した。ブレンドの最終分子量は、Mn=17825、Mw=116800であった。
【0074】
7.in situでのPCLベースのポリアセタールの硬化特性の適用
7a 新規なin situ形成固定具(forming anchor)
商業用ポリエチレンテレフタレート(PET)Ashway#2縫合糸を使用して、4つの固定具システムを調べた。選択した液体の固定具材料は、純粋なε-ポリカプロラクトン(PCL)、mw=37000、ポリアセタール(PCL(Mn=4000)/CHDMDVE)、およびポリアセタール(PCL(Mn=4000)/CHDMDVE)/PCL(Mn=4000)ブレンドであった。比較のために、固体のOBL RC5固定具も検討用に選択された。
【0075】
20pcf Sawbone(40×20×20mm)のブロックに2つの穴(Φ2mm×10mm)を7mm離してあけた。各穴を70℃に予備加熱したポリマーで充填し、手持ち工具を使用してある長さの縫合糸を2つの穴に通した。形成されたループの高さを3.5mmに固定した。これは、棘上腱を骨に適切に固定し、その後に肩回旋筋腱板損傷が治癒できるのに十分な幅と考えられる。固体の固定具システムについては、2つの穴(Φ5mm×10mm)をあけ、表面の0.5〜1mm下に沈めた固定具ドライバカウンタを使用して金属固定具をこれらの穴に挿入した。機械試験は、8511サーボ油圧式引張試験機を使用して37℃に加熱した水を充填した環境チャンバで行った。テストした各Sawboneブロックをg形クランプで固定し、ブロックから出ている縫合糸ループを、Tピースの穴に通した支持クリップに取り付けた。次いで、これを、機械のアクチュエータに装着した1kN容量のスタティックロードセルに取り付けた30kN容量のウェッジアクショングリップに取り付けた。引抜き試験は、破損または縫合デバイスの引抜きによって破壊が起きるまで速度32mm/sでSawboneブロックの表面に対して垂直に行った。負荷による破損データをパーソナルコンピュータで収集し、結果を力-時間図を用いて評価した。テストした各固定具システムについて、5つの独立したサンプルから平均引抜き力を求めた。
【0076】
【表11】
【0077】
8.PLAベースのポリアセタールの合成
8.1 ポリ(L)ラクチドジオールの合成
ラクチド(49.5g)を125mlホイートンガラス瓶に入れ、このガラス瓶をシリコン栓およびアルミニウムクリンプキャップで封をした。次いで、ジラウリン酸スズ(ii)(0.1g)/ジエチレングリコール(5g)懸濁液1mlを添加した。ガラス瓶をオーブン(135℃)に入れ、モノマーがすべて溶解するまで加熱した。この間中ガラス瓶を手動で撹拌した。次いで、このガラス瓶を69.5時間加熱(135℃)して白色結晶固体を得た。温度を165℃に上昇させ、生じたPLA溶融物を6時間加熱した。すべてのサンプルをオーブンから取り出し、室温に冷却して白色固体を得た。固体をクロロホルム(80ml)に溶解し、メタノール(2×800ml)に沈澱させた。得られたポリマーを収集し、真空オーブン(5時間/70℃)で空気乾燥させた。ポリマーを室温/真空下(1mmHg)で一晩乾燥させた。得られたポリマーは、Mn=7400/Mw=10804であった。
【0078】
8.2 ポリアセタール(PLA/CHDM/CHDMDVE)の合成
下記はポリアセタール(PLA/CHDM/CHDMDVE)(50%PLA)の合成で使用した一般的手順である。下記の表8aのように、50〜90%のPLA含有量を有する他のポリアセタール(PLA/CHDM/CHDMDVE)材料を生成するのにも、試薬の比を調整しながら同じ方法を使用した。
【0079】
ポリ-l-乳酸ジオール(6g、Mn=7400/Mw=10804)、CHDM(2.5g)を125ml容のガラス瓶に入れた。p-トルエンスルホン酸一水和物(3.3mg)をガラス瓶に添加し、内容物を真空オーブン(60℃/4時間)中で乾燥させた。次いで、ガラス瓶に封(シリコン栓/アルミニウムクリンプ蓋)をし、無水クロロホルム50mlを添加した。これを、マグネティックスターラーを使用して室温で撹拌した。PLAジオールを、(シス/トランス)シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル(CHDMDVE)、ニートのCHDMDVE3.3ml、および希釈したCHDMDVE/無水クロロホルム(1ml/10ml)溶液2mlと重合させた。反応物が非常に高粘性であることが認められた。追加のクロロホルム20mlを添加して溶液粘度を減少させた。溶液をAl2O3/ガラスウールカラムに通して、CaCO3を入れたガラス瓶中に収集した。集めた溶液を機械式ローラーを使用して混合し、剥離シート上に流延した。特性:Mn=19800、Mw=47600、Tg=-3.2℃および42℃、Tm=143.2℃。
【0080】
これらのポリアセタール(PLA/CHDM/CHDMDVE)ポリマーを使用して引張試験サンプルを成型し、それぞれの引張特性を決定した。
【0081】
【表12】
【0082】
9.ポリアセタール(PLA/CHDM/CHDMDVE)の分解
ポリアセタール(PLA/CHDM/CHDMDVE)を下記の手順を使用して調製した。ポリ-l-乳酸ジオール(4.5g、Mn=5200/Mw=10800)、CHDM(2.1g)を125ml容のガラス瓶に入れた。p-トルエンスルホン酸一水和物(12mg)をガラス瓶に添加し、内容物を真空オーブン(100℃/4時間)中で乾燥させた。次いで、このガラス瓶に封(シリコン栓/アルミニウムクリンプ蓋)をし、無水クロロホルム(40ml)を添加した。これを、マグネティックスターラーを使用して室温で撹拌した。PLAジオールを、(シス/トランス)シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル(CHDMDVE)と重合させた。CHDMDVE/無水クロロホルム溶液(2.55g/10ml)を調製し、一定分量を2時間かけて撹拌溶液に添加した。別のCHDMDVE/クロロホルム(2g/10ml)溶液を調製した。この溶液9mlを2.5時間かけて添加した。反応物は非常に高粘性になり、追加のクロロホルム20mlを混合物に添加して粘性を減少させた。溶液をAl2O3/ガラスウールカラムに通してポリマーを精製し、メタノール中で沈澱させた。最終ポリマーを収集し乾燥させた(空気乾燥および真空オーブン(60℃/4時間))。ポリマーの分子量、Mn=35500/Mw=126000。6.2mmの穴を有するPTFEブロックにポリマーを詰めてポリマー棒(約6.0mm直径)を生成した。ポリマーが溶融するまで、これを170℃で加熱した。溶融ポリマーを圧縮し冷却して、柔軟な棒を形成した。これは冷却すると結晶化した。小さなプラグ(長さ約10mm)を切断し、酸(pH3)および緩衝液(pH7.4)中で分解させた(図6)。分解データを下記の表9aに示す。
【0083】
【表13】
【0084】
10.ポリアセタール(PLA/CHDM/CHDMDVE)の熱安定性に対する緩衝剤の効果
クロロホルム(20ml)中で(PLA/CHDM/CHDMDVE)(3.5g)をCaCO3粉末(3.5g)と溶液ブレンドすることによって、ポリアセタール(PLA/CHDM/CHDMDVE)/CaCO3ブレンドを生成した。得られた溶液を流延してフィルムを形成し乾燥(一晩空気乾燥させ、次いで真空オーブンで80℃)させた。9.3mmの穴を有するPTFEブロックにポリマー/CaCO3を詰めてポリマー棒(約9.3mm直径)を生成した。ポリマーが溶融するまで、成型/ポリマーを185℃に加熱した。次いで、溶融ポリマーを圧縮し冷却した。冷却すると乳白色の棒が形成された。
【0085】
【表14】
【0086】
11.ポリアセタール(PLA/CHDM/CHDMDVE)の分解に対するCaCO3(緩衝剤)の効果
ポリアセタール(PLA/CHDM/CHDMDVE)/CaCO3の棒を切断して、プラグ(直径9.3mm×長さ7.55mm)を得た。サンプルを密封ポットに入れ、リン酸緩衝液中37℃/pH7.4で分解させた。
【0087】
【表15】
【0088】
12.PLAベースのポリアセタールの弾性率を増大させるための無機充填剤の使用
ポリアセタール(PLA/CHDM/CHDMDVE)/(50重量%PLA)/CaCO3をヒドロキシアピタイト(HA)粒子(Ceramed)と溶液ブレンドすることによって、50%HAを含有するポリアセタール(PLA/CHDM/CHDMDVE)/CaCO3を生成した。得られた溶液を流延し乾燥させた。Fontijne加熱油圧圧縮機を使用してブレンドを圧縮成型して15cmの円形シートを製造することによって、引張りサンプルを生成した。引張りサンプルは、5mmの短いダンベルカッターおよびAtom SE8油圧打抜圧縮機を使用してダンベルを切断することによって生成した。
【0089】
【表16】
【0090】
13.ポリアセタール(PLA/CHDM/アミノ酸ジエステル/CHDMDVE)の合成
反応経路は、下記のスキームに従う。
ステップ1 2NH2-R1-CO2H + HO-R2-OH->NH2-R1-CO2-R2-O2C-R1-NH2 + 2H2O
ステップ2 NH2-R1-CO2-R2-O2C-R1-NH2 + R3C=O->
HO-R3-CONH-R1-CO2-R2-O2C-R1-NHCO-R3-OH
ステップ3 HO-R3-CONH-R1-CO2-R2-O2C-R1-NHCO-R3-OH + HO-R2-OH +
CH2=C(R5)-O-R4-O-C(R5)=CH2 + HO-POLYMER-OH
-> {[O-POLYMER-O-CH(R5)-OR4-OCH(R5)-]m-[O-R2-O-CH(R5)-OR4-OCH(R5)-]p-[O-R3-CONH-R1-CO2-R2-O2C-R1-NHCO-R3-O-CH(R5)-OR4-OCH(R5)-]n-}r
m = 1-100, n = 0-100, p = 0-100, r = 1-100
【0091】
ステップ1:ジアミノエステル
L-フェニルアラニン(16.5g、0.1モル)を、シクロヘキサンジメタノール(7.2g、0.05モル)およびp-トルエンスルホン酸一水和物(20g、0.105モル)と反応させた。水を回収するために、これらの試薬をディーンスタークヘッドを使用して130mlトルエン中で加熱還流した。水2.6mlを回収した。トルエン溶媒をロータリーエバポレーターで除去すると粗製白色粉状生成物が残った。白色粉末を無水アルコール(3×80ml)で洗浄し、得られた生成物を恒量になるまで真空オーブン中で乾燥させて精製した。生成物を脱イオン水200ml(80℃)に懸濁させ、炭酸カリウム(10g)で中和した。ガス(CO2)が発生し、その結果、油/水エマルジョンが形成された。室温に冷却すると、淡褐色固体が生じた。固体を回収し、クロロホルムに溶解し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、溶液をローターエバポレーターで低減させると褐色のクリーム状固体が得られた。ジアミノエステルの構造を、1H-NMRおよびFT-IRを使用して確認した。
【0092】
ステップ2:ジアミノエステル/カプロラクトン付加物
ジフェニルアラニンエステル(2.5g)およびカプロラクトン(2.5g)をホイートンガラス瓶(10ml)に入れた。このガラス瓶を密閉(シリコン栓およびアルミニウムクリンプキャップ)し、105℃(2時間)の抽出オーブンに入れ、次いで150℃(5時間)にし、この間サンプルを手動で撹拌した。ジエステルが急速に溶融し、カプロラクトンに可溶になって黄色生成物をもたらすことが認められた。サンプルをさらに14時間反応させ、取り出し、冷却して、褐色の粘性液体を得た。ジアミノエステルの構造を、1H-NMRおよびFT-IRを使用して確認した。
【0093】
キモトリプシンを使用したジフェニルアラニンエステル/カプロラクトン付加物の分解
ジフェニルアラニンエステル/カプロラクトン付加物約1.0gを、2つの別々のポリプロピレン容器(25mm×5.5mm)に入れた。これらを2つのポリカーボネートジャー(25ml)に入れた。次いで、材料を(I)キモトリプシン溶液または(II)トリス緩衝液にさらすことによって分解した。これらの溶液は以下のようにして調製した。
【0094】
(a)1.0mM HCL3.366ml中にキモトリプシン0.5gを含む酵素ストック溶液を生成した。これを用いて、トリス緩衝液(22.67ml)、2M CaCl2溶液(0.675ml)、および酵素ストック溶液(1.65ml)をポリカーボネートポット中に添加することにより、500ユニット/mlの活性を有する酵素溶液25mlを作成した。この溶液10mlを、ジフェニルアラニンエステル/カプロラクトン付加物サンプルを入れた25ml容のポリカーボネートポットに移した。
【0095】
(b)緩衝(対照)液を同様の方法を使用して調製した。次いで、この場合は、トリス緩衝液(22.67ml)、2M CaCl2溶液(0.675ml)、および希HCl溶液(1.65ml)を、密封ポリカーボネートポット中に添加することによって作成した。この溶液10mlを、ジフェニルアラニンエステル/カプロラクトン付加物サンプルを入れた25ml容のポリカーボネートポットに移した。
【0096】
すべてのサンプルを機械的に撹拌しながら37℃でインキュベートした。それぞれの溶液からサンプルを取り出し、空気乾燥(2日)し、秤量した。次いで、これらのサンプルをそれぞれの溶液中でさらに分解した。酵素の高活性を確保するために、また分解溶液を3日毎に交換した。
【0097】
【表17】
【0098】
ステップ3:ジアミノエステル/カプロラクトン付加物を含むPLAベースのポリアセタール
ポリアセタール(PLA/CHDM/CHDMDVE/フェニルアラニンエステル-カプロラクトン付加物)を次の手順を使用して生成した。ポリ-l-乳酸ジオール(4g、Mn=5200/Mw=10800)およびジフェニルアラニンエステル/カプロラクトン(3.0g)付加物を、125ml容のガラス瓶に入れた。p-トルエンスルホン酸一水和物(16mg)をこのガラス瓶に添加し、内容物を真空オーブン(100℃/4時間)中で乾燥させた。次いで、このガラス瓶に封(シリコン栓/アルミニウムクリンプ蓋)をし、無水クロロホルム30mlを添加した。これをマグネティックスターラーを使用して室温で撹拌した。PLAジオールを(シス/トランス)シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル(CHDMDVE)と重合させた。CHDMDVE/無水クロロホルム溶液(2g/10ml)を調製し、少量添加した。得られた溶液が濁ったことが認められた。次いで、この溶液を、0.45umナイロンフィルタを取り付けたシリンジによってろ過し、CHDM(1.0g)、マグネティックスターラー、およびp-TSA(10mg)を入れた別の密封ホイートンガラス瓶(125ml)に入れた。これは透明な淡黄色溶液を形成した。CHDMDVE/クロロホルム溶液(1.23g/クロロホルム10ml)9mlを2時間かけて添加した。得られた粘性溶液をAl2O3/ガラスウールカラムに通して精製し、メタノール中で沈澱させ、乾燥させて残留溶媒を除去した。ポリマー構造をFTIRおよびNMRを使用して確認した。6.2mmの穴を有するPTFEブロックにポリマーを詰めてポリマーの棒(約6.0mm直径)を生成した。ポリマーが溶融するまで、得られた成型物を10分間180℃で加熱した。次いで、溶融ポリマーを圧縮し冷却して、柔軟な棒を形成した。これは冷却すると結晶化した。
【0099】
【表18】
【0100】
14.ジアミノエステル/カプロラクトン付加物を含む分解PLAベースのポリアセタール
ポリアセタール(PLA/CHDM/CHDMDVE/フェニルアラニンエステル-カプロラクトン付加物)を上記の方法を使用して生成した。ダイヤモンド鋸を使用してポリアセタール棒からポリマープラグを切断した。次いで、10mlの酵素溶液または緩衝液中で37℃/pH7.8でポリマープラグを分解させることによって、これらの材料の酵素による分解を評価した。酵素および緩衝液の調製手順(protocol)は、実施例13に示してある。
【0101】
【表19】
【0102】
15.ポリアセタール(PLA/CHDM/CHDMDVE/トリプトファンジエステル-CL付加物)/CaCO3ブレンド
ポリアセタール(PLA/CHDM/CHDMDVE/トリプトファンジエステル-CL付加物)を上記の方法を使用して調製した。ポリマー構造を、FTIR、NMR、およびGPCによる分子量(Mn=23900およびMw=152600)を使用して確認した。ポリアセタール(PLA/CHDM/CHDMDVE/トリプトファンジエステル-CL付加物)3gを、CaCO3(3g)粉末を入れたガラス瓶に入れた。ジクロロメタン(10ml)を添加し、すべてのポリマーが溶解するまで溶液を撹拌した。溶液を流延し、乾燥させて残留溶媒を除去した。ポリマーブレンドをPTFE型(直径9mm穴)に詰め、加熱し(160℃)、冷却することによって棒を成型して、ポリマー棒を得た。
【0103】
【表20】
【0104】
16.細胞癒着
細胞結合が、ポリアセタールの化学組成に依存することが分かった。ヒト末梢血由来の破骨細胞は、ポリアセタール試験材料のディスク上でin situで分化した。ポリアセタール-(トリプトファンジエステル/PLA)、ポリアセタール-(トリプトファンジエステル/PLA)/CaCO3、ポリアセタール-(PLA/CHDM/CHDMVE)、ポリアセタール-(PLA/CHDM/CHDMVE)/CaCO3、および対照材料を、破骨前駆細胞が成熟破骨細胞に分化する4週間の培養期間にわたりテストした(図7)。培養中の6日後および19日後に、細胞が、対照材料およびポリアセタール-(トリプトファンジエステル/PLA)/CaCO3に付着したことが観察された。さらなる細胞が、ポリアセタール-(トリプトファンジエステル/PLA)に付着した。また培養中の12日後に、ポリアセタール-(PLA/CHDM/CHDMVE)またはポリアセタール-(PLA/CHDM/CHDMVE)/CaCO3に付着した細胞はなかった。こうした効果が、細胞障害の問題を有する材料によって引き起こされるとは思われない。
【0105】
材料のディスクのまわりで培養された前造骨細胞(preosteoblastic)MC3T3-E1を使用した材料のバルク材料細胞障害試験は、材料が細胞に肉眼大の(gross)細胞障害効果を及ぼさないことを示した(図8)。ポリアセタール-(トリプトファンジエステル/PLA)、ポリアセタール-(PLA/CHDM/CHDMVE)、およびポリアセタール-(PLA/CHDM/CHDMVE)/CaCO3に付着する細胞の欠如は、in vitroでのそれらの分解速度と関係付けることができ、細胞がディスク表面の浸食によって失われたことを示唆する。一方、細胞は、ポリアセタール-(トリプトファンジエステル/PLA)/CaCO3ディスク上に依然として存在し、これはin vitroでこの材料が最も遅い分解速度を有することと一致した。
【0106】
また細胞の生存率実験をWST法を使用して行った。ポリアセタールサンプルを、2週間37℃で酸(pH3)中で分解させた。次いで、溶液をNa2CO3で中和した。様々な濃度の分解溶液を、培地を使用して段階希釈法で調製した。次いで、MC3T3-E1(骨芽細胞様)を試験溶液を用いて24時間培養した。細胞の生存率を分析した。対照溶液を、(I)LDPE馴化培地および(II)PVC/スズ馴化培地から生成した。グリコール酸と乳酸の細胞障害性を共に対照として測定した。>90%の細胞生存率を示すグリコール酸の最高許容濃度は、0.1mg/mlであり、>90%の細胞生存率を示す乳酸の最高許容濃度は、0.5mg/mlであった。
【0107】
【表21】
【0108】
17.複合材料バーの生成
材料
PLLA-co-PA(50:50)+4%w/wCaCO3
高強度PGA線維
方法
1.PLLA-co-PAのシート状圧縮成型
ポリマー10gを、PTFEを含浸させた2枚のガラスクロスシートの間で50kNの力で1分間135℃で圧縮成型した。次いで、得られたポリマーシートを切断し、同じ条件下で再成型して気泡の数を減少させた。成形されたシートを約0.1mbarで2時間50℃で真空乾燥させた。
【0109】
2.線維の調製
PTFEを含浸させたガラスクロスで裏打ちした金属シートに線維を巻き付けて、直径約6.5cmのきつく巻き付けた螺旋体を製造した。プレートに厚さ0.5mmのシムを取り付け、成型中それを安定させるためにプレートの両面で螺旋体の両側に接して配置した。
【0110】
次いで、線維およびプレートを、圧縮機中で、PTFEを含浸させたガラスクロスシートの間で135℃で2分間加熱した。次いで、プレートを圧縮機から取り出し、冷却する前にPLLA-co-PAシートをプレートの両面でPGA線維を覆って配置した。プレートを圧縮機に戻し30秒間低圧下に置いてPLLA-co-PAを溶融させ、次いで30秒間50kNの圧力をかけてポリマーを線維にした。次いで、この圧縮機を急激(crash)に冷却し、プレートを取り出して単一の線維層を含む2枚の複合材料シート(プレートの各面から1枚ずつ)を得た。次いで、複合材料シートを切断して、線維が長手方向に平行に配向した1.0×7.0cmの帯片を生成した。
【0111】
3.複合材料の生成
スロット(0.3×1×12cm)を有するアルミニウムブロック(1×4×12cm)を型として使用した。
【0112】
PTFEを含浸させたガラスクロスの帯片で型の底部を裏打ちし、型を圧縮機中で135℃に加熱した。型が温まった後、圧縮機を開け、複合材料シートの5つの帯片を一時に1つずつ加え、新しいシートを加えるたびに、ローラーを使用してシート間の気泡を除去した。
【0113】
次いで、型をPTFEを含浸させた1枚のガラスクロスシートで覆い、50kNの力で1分間圧縮し、次いで圧縮機を急激に冷却し、型を取り出した。次いで、型をドライアイスで冷却し、型を軽く叩いて複合材料バーを取り出した。次いで、複合材料バーを直ちに真空オーブン中で室温で約0.1mbarで乾燥させて、凍結プロセスで生じた結露を除去した。乾燥後、バーの端を切り揃えてそれらを平行な典型的な複合材料バーにした。このバーの断面を図1および2に示す。
【0114】
4本の棒を引張試験のために製造し試験した。引張試験の後、バーの半分を分子量分布を決定するためにGPCにかけた。2本のバーから長さ1cmを切断し、これを使って線維の内容を2回決定した。これは、サンプルを秤量し測定し、次いで、クロロホルムを使用して線維からマトリクスを洗浄除去することによって行った。次いで、残りの線維を乾燥させ秤重した。
【0115】
結果
出発ポリマー、個々のバーのマトリクス、およびPGA線維の分子量分布を表2にまとめて示す。
【0116】
【表22】
【0117】
複合材料バーの機械的特性を表3にまとめて示す。
【0118】
【表23】
【0119】
複合材料の重量組成を測定し、計算した体積組成からPGA線維の密度を1.53gcm-3と推定した。マトリクスポリマーの密度も計算し、これらの結果を表4にまとめて記す。
【0120】
【表24】
【0121】
PCLベースのポリアセタールの分解実験
この実験で使用したポリカプロラクトン(PCL)ベースのアセタールは、本特許に記載の方法を使用して生成した。この実験で使用したポリカプロラクトン-co-ポリアセタールコポリマーは、PCLジオール(Mn=10k)から合成され、(PCL-co-PA(CHDMDVE)を約95%および(PCL-co-PA(CHDM/CHDMDVE))PCLを50%含んでいた。無水ラウリン酸(LAH)(2%wt/wt)を上記のコポリマー中に溶液ブレンドし、オプサイト(opsite)シート上に流延し乾燥させた。次いで、ポリカプロラクトン-co-ポリアセタールポリマーおよび対応する無水ラウリン酸のブレンドをPCLシリンジに詰め、105℃で成型して棒を形成した。棒から円筒状のプラグを標準的な寸法(長さ10mmおよび直径4.6mm)に切断した。各材料の質量を、各サンプル間で直接比較できるようにかなり一定に保った。各サンプルをリン酸緩衝液(PBS)30mlを入れたガラス瓶に入れた。新規なPCLベースの材料の質量損失および分子量損失の影響を調べるために、2つの分解プロフィルを設定した。第1のエージングプロフィルは生理的状態(37℃、PBS)で、第2の実験は加速状態(45℃、PBS)で行った。どちらのケースでも、サンプルをPBS30mlに浸し、緩衝液は、どんな定期的流体分析もせずいずれの時点でも交換しなかった。この実験では、「クリップ型」トップを使用して、保存中にガラス瓶から起きるかもしれない蒸発を最小限に抑える一助とした。サンプルを10週間分解させ、取り出し、評価(MWTおよび質量損)した。この実験では、各時間ポイントにつき1つの材料当たり合計3つの複製物を使用した。最初に、各サンプルの乾重量を記録した。各サンプルを各時間ポイントの最後に廃棄した。各時間ポイントで、PBSをガラス瓶から出し、少量の手動(hand)乾燥を行って過剰なPBSを除去した後にサンプルの「湿重量」を記録した。その後、サンプルを真空ポンプを使用して乾燥させて残留液体を除去し、それによって「乾重量」を得た。この技術は、時間をかけてサンプルの質量損をモニターするのに使用した。最終サンプルについてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を行って分子量の変化を決定した。収集したデータを最初の時間ポイントと比較し、適切な分析を行った。
【0122】
PBSにおける37℃分解での分子量および質量の変化
【0123】
【表25】
【0124】
18.in vivo評価
ポリマープラグの生成
本研究で使用したポリラクチド(PLLA)ベースのポリアセタールは、実施例8に記載の方法を使用して生成した。PLA-co-ポリアセタールコポリマーは、PLLAジオール(Mn=7.5K)から合成され、PLLAを約50%含む。
【0125】
ポリアセタール(PLA/CHDM/CHDMDVE)コポリマーとヒドロキシアピタイト(HA、170℃/15時間で予め乾燥)を密封ホイートンガラス瓶(125ml)中で溶液ブレンドすることによってPLA-co-PA(CHDM/CHDMDVE)/HA(40%wt/wt)ブレンドを生成し、オプサイト剥離紙上に流延させ、空気乾燥させた。PLA-co-PA(CHDM/CHDMDVE)およびPLA-co-PA (CHDM/CHDMDVE)/HA(40%wt/wt)のシートを小さく切断し、クライオミルで粉砕して、Rondol 12mm一軸スクリュー押出機への給送に適した粉末を生成した。次いで、下記の条件下で材料を押出成形して棒にした。
【0126】
(i)ポリアセタール(PLA-co-PA(CHDM/CHDMDVE)棒
スクリュー速度=90ユニット
バレル温度=135℃
ダイ温度=140℃
【0127】
溶融物を、長さ約50mmで6.4mmの穴を有するホットPTFEブロック(130℃)中に押し出した。ポリマー溶融押出物を7個のブロックに充填した。ポリマー棒の取出しを助けるために、ブロックを冷凍庫で冷却した。
【0128】
(II)ポリアセタール(PLA-co-PA(CHDM/CHDMDVE)/HA棒
スクリュー速度=90ユニット
バレル温度=170℃
ダイ温度=170℃
【0129】
溶融物を、長さ約50mmで6.4mmの穴を有するホットPTFEブロック(130℃)中に押し出した。ポリマー溶融押出物を10個のブロックに充填した。ポリマー棒の取出しを助けるために、ブロックを冷凍庫で冷却した。
【0130】
Buehler Isomet 2000ソーで棒を切断してポリマープラグを製造し長さ11mmのプラグを得た。次いで、これらをBuehler Metaserv研磨機で研磨して、一端が先細になったプラグを製造した。すべての棒を無水アルコールで洗浄し空気乾燥させた。すべてのサンプルを別々のビューパックに入れバッチ処理した。サンプルを秤量し、測定し、ETO滅菌した。埋め込む前にすべてのサンプルを分析した(表XX-分子量および熱特性)。
【0131】
【表26】
【0132】
臨床上適切な骨部位を使用して、in vivoでの研究を行った。ポリマープラグを埋め込み、12カ月後に収集し、分類分けをせず、標準的なH&E染色を使用して染色した。両方のポリマープラグが、表面割れ、ポリマー浸食、およびインプラント表面での骨形成の徴候を示した。インプラント表面積の全減少分を計算すると、PLA-co-PA(CHDM/CHDMDVE)およびPLA-co-PA(CHDM/CHDMDVE)/HAそれぞれについて17.5%(±0.6)および21.5%(±0.4)であった。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】アセタール結合がポリアセタール残基を含む本発明の実施形態の概略図である。
【図2】ポリアセタール残基が酵素分解性ポリアセタール/ジアミノ酸エステルブロックを含む本発明の実施形態の概略図である。
【図3】ポリアセタール残基が、組み込んだ生活性ジオールを含む本発明の実施形態の概略図である。
【図4】ポリアセタール/ジアミノ酸エステルブロックおよび組み込んだ生活性試剤の本発明の実施形態の概略図である。
【図5】ポリアセタール構造の例を示す図である。
【図6a】PH7.4のリン酸緩衝液中で分解させたポリアセタール(PLA/CHDM/CHDMLVE)の直径から、約9日間緩衝液中で分解させた後の最初のポリアセタールの直径の減少分を示す図である。
【図6b】ポリアセタール表面上での分解の効果を示す図である。
【図7】ポリアセタール(PLA/CHDM/CHDMDVE/トライトパン(Trytophan)ジエステルカプロラクトン)CaCO3表面上への破骨細胞の癒着を示す図である。
【図8a】WST試験を使用した材料のバルク材料細胞毒性試験で、材料が細胞に肉眼大の(gross)細胞障害効果を及ぼさないことを示した、ポリアセタール(PLA/CHDM/CHDMDVE/トライトパンジエステルカプロラクトン)CaCO3のディスクのまわりで培養された前造骨細胞MC3T3-E1を示す図である。
【図8b】WST試験を使用した材料のバルク材料細胞毒性試験から得られた、一連の充填および非充填のPLAベースのポリアセタールでのすべての生存可能性(viability)を(吸収の関数として)示す図である。
【図9】本発明の典型的な複合材料の棒を示す図である。
【図10】本発明の典型的な複合材料の棒の断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオール残基が、少なくとも4000ダルトンの分子量を有し、前記ポリオール残基が、アセタール結合で結合されていることを特徴とする、ポリオール残基を有する生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項2】
前記アセタール結合が、ポリアセタール残基を有する、請求項1に記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項3】
前記ポリアセタール残基が、酵素分解性ポリアセタール/ジアミノ酸エステルブロックを含む、請求項2に記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項4】
前記ポリアセタール残基が、組み込まれた生活性ジオールを含む、請求項2に記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項5】
前記ポリアセタール残基が、酵素分解性ポリアセタール/ジアミノ酸エステルブロックと組み込まれた生活性試剤を共に含む、請求項2に記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項6】
前記セグメント化ブロックコポリマーが、他のポリマー材料および/またはセラミック材料および/またはガラス材料とブレンドされる、請求項1から5のいずれか一項に記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項7】
前記ポリオール残基が、少なくとも5000ダルトンの分子量を有する、請求項1から6のいずれかに記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項8】
前記ポリオール残基は、分子量が4000〜20000ダルトンである、請求項1から6のいずれか一項に記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項9】
ポリオール残基が、ポリエステルを含む、請求項1から8のいずれかに記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項10】
前記ポリエステルが、ポリカプロラクトン(PCL)のホモポリマー、ポリカプロラクトン(PCL)のコポリマー、ポリ乳酸(PLA、L、およびD形)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリジオキサノン、脂肪族エステル、または芳香族エステルの群から選択される、請求項9に記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項11】
前記ポリオールが、分解性カーボネートを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項12】
前記ポリオール残基が、ポリアミドを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項13】
前記生分解性セグメント化ブロックコポリマーが、ポリグリコール酸(PGA)、ポリカプロラクトン(PCL)、またはポリ乳酸(PLA)の群からの化合物を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項14】
前記生分解性セグメント化ブロックコポリマーが、生体適合性の無機材料を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項15】
前記生体適合性の無機材料が、炭酸カルシウム、ヒドロキシアピタイト(hydroxyapitite)(HA)、またはリン酸三カルシウム(TCP)の群からのものである、請求項14に記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項16】
前記ポリオール残基は、融点が50℃〜80℃のポリエステルを含む、請求項1から15のいずれかに記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項17】
安定化剤または促進剤が、生分解性セグメント化ブロックコポリマーにブレンドまたは重合される、請求項1から16のいずれかに記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項18】
前記セグメント化ブロックコポリマーが、その中にブレンドされた、またはそれと反応した、またはその他の生活性試剤を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項19】
前記生活性試剤が、増殖因子、抗生物質、ストロンチウム塩、フッ化物塩、マグネシウム塩、ナトリウム塩、骨形成因子、化学療法薬、鎮痛薬、ビスホスホネート、骨成長剤、血管新生因子、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項18に記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項20】
前記増殖因子が、血小板由来増殖因子(PDGF)、トランスフォーミング増殖因子b(TGF-b)、インスリン関連増殖因子-I(IGF-I)、インスリン関連増殖因子-II(IGF-II)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、β-2-ミクログロブリン(BDGF II)、骨形成タンパク質(BMP)、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項19に記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項21】
前記抗生物質が、塩酸テトラサイクリン、バンコマイシン、セファロスポリン、およびトブラマイシンやゲンタシンなどのアミノグリコシド、ならびにそれらの組合せからなる群から選択される、請求項19に記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項22】
前記増殖因子が、脱ミネラル化骨タンパク質、脱ミネラル化骨基質(DBM)、骨タンパク質(BO)、骨形成タンパク質(BMP)、オステオネクチン、オステオカルシン、オステオゲニン、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項19に記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項23】
前記薬剤が、シスプラチン、イホスファミド、メトトレキサート、塩酸ドキソルビシン、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項19に記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項24】
前記鎮痛薬は、塩酸リドカイン、塩酸ビピバカイン(bipivacain)、ケトロラクトロメタミンなどの非ステロイド系抗炎症剤、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項19に記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項25】
前記生分解性セグメント化ブロックコポリマーが、補強剤で補強される、請求項1から24のいずれか一項に記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項26】
前記補強剤が、ポリマー充填剤微粒子である、請求項25に記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項27】
前記補強剤が、線維(例えば、連続した線維、短い線維、またはその他)である、請求項25に記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項28】
前記生分解性セグメント化ブロックコポリマーが、医療用デバイス、例えば、クギ、ネジ、または骨プレート、固定具、縫合糸のコーティングである、請求項1から27のいずれか一項に記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項29】
前記生分解性セグメント化ブロックコポリマーが、医療用デバイス、例えば、クギ、ネジ、縫合糸、骨プレート、またはその他の全体または一部を形成する、請求項1から27のいずれか一項に記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項30】
請求項1から27のいずれか一項に記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマーを含む医療用デバイス。
【請求項31】
請求項1から27のいずれか一項に記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマーをin situで形成させるステップを含む医療用デバイスの製造方法。
【請求項1】
ポリオール残基が、少なくとも4000ダルトンの分子量を有し、前記ポリオール残基が、アセタール結合で結合されていることを特徴とする、ポリオール残基を有する生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項2】
前記アセタール結合が、ポリアセタール残基を有する、請求項1に記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項3】
前記ポリアセタール残基が、酵素分解性ポリアセタール/ジアミノ酸エステルブロックを含む、請求項2に記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項4】
前記ポリアセタール残基が、組み込まれた生活性ジオールを含む、請求項2に記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項5】
前記ポリアセタール残基が、酵素分解性ポリアセタール/ジアミノ酸エステルブロックと組み込まれた生活性試剤を共に含む、請求項2に記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項6】
前記セグメント化ブロックコポリマーが、他のポリマー材料および/またはセラミック材料および/またはガラス材料とブレンドされる、請求項1から5のいずれか一項に記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項7】
前記ポリオール残基が、少なくとも5000ダルトンの分子量を有する、請求項1から6のいずれかに記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項8】
前記ポリオール残基は、分子量が4000〜20000ダルトンである、請求項1から6のいずれか一項に記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項9】
ポリオール残基が、ポリエステルを含む、請求項1から8のいずれかに記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項10】
前記ポリエステルが、ポリカプロラクトン(PCL)のホモポリマー、ポリカプロラクトン(PCL)のコポリマー、ポリ乳酸(PLA、L、およびD形)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリジオキサノン、脂肪族エステル、または芳香族エステルの群から選択される、請求項9に記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項11】
前記ポリオールが、分解性カーボネートを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項12】
前記ポリオール残基が、ポリアミドを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項13】
前記生分解性セグメント化ブロックコポリマーが、ポリグリコール酸(PGA)、ポリカプロラクトン(PCL)、またはポリ乳酸(PLA)の群からの化合物を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項14】
前記生分解性セグメント化ブロックコポリマーが、生体適合性の無機材料を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項15】
前記生体適合性の無機材料が、炭酸カルシウム、ヒドロキシアピタイト(hydroxyapitite)(HA)、またはリン酸三カルシウム(TCP)の群からのものである、請求項14に記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項16】
前記ポリオール残基は、融点が50℃〜80℃のポリエステルを含む、請求項1から15のいずれかに記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項17】
安定化剤または促進剤が、生分解性セグメント化ブロックコポリマーにブレンドまたは重合される、請求項1から16のいずれかに記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項18】
前記セグメント化ブロックコポリマーが、その中にブレンドされた、またはそれと反応した、またはその他の生活性試剤を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項19】
前記生活性試剤が、増殖因子、抗生物質、ストロンチウム塩、フッ化物塩、マグネシウム塩、ナトリウム塩、骨形成因子、化学療法薬、鎮痛薬、ビスホスホネート、骨成長剤、血管新生因子、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項18に記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項20】
前記増殖因子が、血小板由来増殖因子(PDGF)、トランスフォーミング増殖因子b(TGF-b)、インスリン関連増殖因子-I(IGF-I)、インスリン関連増殖因子-II(IGF-II)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、β-2-ミクログロブリン(BDGF II)、骨形成タンパク質(BMP)、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項19に記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項21】
前記抗生物質が、塩酸テトラサイクリン、バンコマイシン、セファロスポリン、およびトブラマイシンやゲンタシンなどのアミノグリコシド、ならびにそれらの組合せからなる群から選択される、請求項19に記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項22】
前記増殖因子が、脱ミネラル化骨タンパク質、脱ミネラル化骨基質(DBM)、骨タンパク質(BO)、骨形成タンパク質(BMP)、オステオネクチン、オステオカルシン、オステオゲニン、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項19に記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項23】
前記薬剤が、シスプラチン、イホスファミド、メトトレキサート、塩酸ドキソルビシン、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項19に記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項24】
前記鎮痛薬は、塩酸リドカイン、塩酸ビピバカイン(bipivacain)、ケトロラクトロメタミンなどの非ステロイド系抗炎症剤、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項19に記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項25】
前記生分解性セグメント化ブロックコポリマーが、補強剤で補強される、請求項1から24のいずれか一項に記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項26】
前記補強剤が、ポリマー充填剤微粒子である、請求項25に記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項27】
前記補強剤が、線維(例えば、連続した線維、短い線維、またはその他)である、請求項25に記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項28】
前記生分解性セグメント化ブロックコポリマーが、医療用デバイス、例えば、クギ、ネジ、または骨プレート、固定具、縫合糸のコーティングである、請求項1から27のいずれか一項に記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項29】
前記生分解性セグメント化ブロックコポリマーが、医療用デバイス、例えば、クギ、ネジ、縫合糸、骨プレート、またはその他の全体または一部を形成する、請求項1から27のいずれか一項に記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマー。
【請求項30】
請求項1から27のいずれか一項に記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマーを含む医療用デバイス。
【請求項31】
請求項1から27のいずれか一項に記載の生分解性セグメント化ブロックコポリマーをin situで形成させるステップを含む医療用デバイスの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2007−516334(P2007−516334A)
【公表日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−546332(P2006−546332)
【出願日】平成16年12月22日(2004.12.22)
【国際出願番号】PCT/GB2004/005445
【国際公開番号】WO2005/061617
【国際公開日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【出願人】(391018787)スミス アンド ネフュー ピーエルシー (79)
【氏名又は名称原語表記】SMITH & NEPHEW PUBLIC LIMITED COMPANY
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月22日(2004.12.22)
【国際出願番号】PCT/GB2004/005445
【国際公開番号】WO2005/061617
【国際公開日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【出願人】(391018787)スミス アンド ネフュー ピーエルシー (79)
【氏名又は名称原語表記】SMITH & NEPHEW PUBLIC LIMITED COMPANY
【Fターム(参考)】
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