説明

調理器具の沸騰蒸気による安全装置

【課題】 電気調理器具によって沸騰する蒸気が蒸気孔より噴出することで、状況により火傷の危険がある。とくに幼児においては皮膚も弱くこの限りで無い、よってこれらを解決する安全装置を提供するものである。
【解決手段】 金属製などの耐熱材をカップ状にして、その外周全体を断熱材で覆った形状にして開口部を下向きにして、電気ポットなどの蒸気孔のやや上にセットできるように設ける。さらに前記カップ状中にモーターによって回転するファンを設けて蒸気温度下げるように構成したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調理容器内に収容した液体を加熱のとき、沸騰蒸気の放出による火傷を防ぐことに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、調理器具において、電気式エアポット、電気式炊飯器などは、内蔵した電気ヒータなどの熱源で加熱により、沸騰した容器内の蒸気が蒸気通路を経て、電気ポットなどの蒸気孔より外部に排出する。この蒸気によって火傷をすることがある。とくに幼児においては皮膚が弱いことから一瞬の火傷となり極めて危険である。
【0003】
これらの蒸気による火傷を防ごうとする調理器具に、以下のようなものが広報によって知られている。
従来には、電気ポットのタンク内に発生した蒸気を外部に排出する蒸気孔を、ポット本体の外蓋を開閉可能に枢着するヒンジ部材に設ける。さらに押体の降下のストッパーより離れた位置にあることを特徴とした。(例えば特許文献1参照)
また、沸騰蒸気を蒸気逃がし路を通して連通する蒸気孔をそれぞれ設けて、上記蒸気が上面の操作部から水平方向に離れた位置に設けた電気ポットがある。(例えば特許文献2参照)
【0004】
【特許文献1】 特開平6−327562号公報
【特許文献2】 特公平2−28327号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の電気調理器具や、電気ポットにも下記のような問題がある。
特許文献1、又は2において、容器内より発生した沸騰蒸気は、取扱上離れた位置の蒸気孔より外部に出るとはいえ火傷の危険は付きまとっているものである。とくに、幼児の手などが沸騰蒸気に触れると一瞬の火傷にさらされる問題点がある。
【0006】
そこで本発明は、上記の課題に鑑み、沸騰蒸気孔を有する電気調理器具や、電気ポットの沸騰蒸気の温度を下げる防護装置を即座に取付ける事ができるようにするものであることから、どのような器具にも利用できるようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明は調理器具や電気ポットの蒸気出口の孔の上にセットするもので、耐熱材をカップ状に形成し、その外周全体を断熱材で覆う、前記カップ状の開口部を下向きに利用することから、開口部の周囲に水受け溝を設ける。
前記カップ状を調理器具に着脱できる媒体を装備した支持棒を取付けることで、蒸気孔より出る沸騰蒸気温度を沸騰より下げることができるようにすることを特徴としている。
【0008】
また、前記カップ状内にモーターによって回転するファンを設けて、前記モーターの動作は検知センサーによって蒸気孔より出る蒸気温度が設定温度に達すると、スイッチがオンとなり動作することで蒸気と外気とが混合して放出することで、さらに蒸気温度を下げることを特徴としている。
【0009】
さらに、前記ファンに設けた前記カップ状の上面に、外気吸入の複数の孔を設けて、前記ファンの回ることで外気を吸入して混合することで沸騰蒸気、蒸気温度を急激に下げることを特徴としている。
【0010】
また、調理器具や電気ポットに着脱できる媒体に吸着媒を取付けることで容易に調理器具などに取付け取外しができることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されているような効果を奏する。
【0012】
請求項1記載の発明によれば、耐熱性である金属製のカップ状に沸騰蒸気が触れることで温度がやや低下し、その後カップ状によって拡散して外気に蒸発することで幼児、高齢者の弱い肌に触れても火傷を最小げに防ぐことができるものである。
【0013】
請求項2記載の発明によれば、沸騰蒸気がカップ状内のファンの回転によって外気との混合により蒸気温度が安全な温度に下げられ火傷の危険を防ぐことができるものである。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、カップ状の上面の外気吸入孔より外気が強制的に吸い込まれ、沸騰蒸気と混合して急激に温度低下することで極めて安全な状態を得ることができるものである。
【0015】
請求項4記載の発明によれば、支持棒の下部に吸着媒を取付けることで、容易に電気ポットや調理器具に取付け取外しできることから、一台で様々な器具に利用できることで大変便利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1〜図4を参照して、本発明に係る調理器具の沸騰蒸気による安全装置の第1実施例における図である。
1は沸騰蒸気による火傷を防ぐ安全装置のカップ状で、調理器具の沸騰蒸気による安全装置のカップ状1(以後カップ状1と記載する。)は金属製などの耐熱材カップ状2と、その表面全体を断熱性の材質で覆うように形成した断熱材カップ状3からなるもので、4は水受溝であってカップ状1の開放内側の周囲に設けるものである。5はカップ状1を保持する支持棒で、支持棒5をカップ状1の側面に取付ける。このとき支持棒5を止金具10を用いて止める。また支持棒5の下部は差込み金具6を形成して、差込み金具6じように鍔9を取付ける。鍔9はやや上下移動できるように半固定に設ける。24は蒸気をである。
なお差込み金具6は差込み受金具7に抜き差しできるようにするものである。
11は調理器具である電気ポットで、12は沸騰蒸気24の逃し穴の蒸気孔である。
【0017】
なお、支持棒5は自在に曲げることができるような構造の棒状である。
【0018】
また、差込み受金具7の取付け板は撓る板である。取付け板の裏面は貼着材8によって電気ポット11などの器具に容易に腹付け固定できるものである。
【0019】
したがって、利用するにあたり沸騰蒸気24の安全装置であるカップ状1を電気ポット11の蒸気孔12のやや上の位置にセットするように電気ポット11の側面に差込み受金具7を取付ける。取付けにあたり撓る取付け板の貼着材8によっておこなう。取付けた差込み受金具7に本体の差込み金具6を挿入して鍔9によてカップ状1位置の微調整を行うことがで最善の状態に固定してセットができるように設ける。
【0020】
よって、電気ポット11内の水が熱せられて沸騰して蒸気孔12より蒸気24が放出されるとカップ1状の金属製の耐熱カップ2にあたり、熱量がやや吸収されて、その後カップ状1の開放口より拡散して外部に放出して外気と混じり沸騰蒸気24の温度が下がることで、手が蒸気24に触れても即座に火傷の危険性を防ぐことができるものである。
また、カップ状1に手が触れても周囲は断熱材カップ状3であるから安全である。
【0021】
蒸気24がカップ状1内で冷やされることで水滴が付くが、この水滴は水受溝4に溜るようになる。してがって、必要に応じて差込み受金具7より本体であるカップ状1全体を取り外して水を処理することができる。
【0022】
なお、カップ状1の形状は円形、楕円形及び多角形状でも上記記載の効果に変化はないものである。
【0023】
また、図5、図6、図7は第2実施例を示すもので、15はモーターでカップ状1Aの外部の上部に設けてモーター15の周囲にケスー19を形成する。16はカップ状の中に設けたファンでモーター15と直結している。モーター15の駆動回路は図8の回路構成で13が電池、20は主電源スイッチ、18は制御回路と14は温度センサーである。設定温度に達すると制御回路18によってモーター15に電力を送るシステムである。
【0024】
したがって、モーター15とファン16一体のカップ状1Bを前記記載の第1実施例と同様、電気ポット11に取付ける。電気ポット11を通電すると同時に図7に示す主電源スイッチ20をオンする。電気ポット11中の水が沸き始めると蒸気孔12より蒸気12が出始めることで温度センサー14の周囲温度が上昇する、よって制御回路18の設定した温度に達すると、制御回路18は電池13の電力をモーター15へ伝送し駆動することでカップ状1A内のファン16が回転をして、蒸気24を拡散しながら外気と混じりながら放出することで蒸気24の温度が低下して安全な状況となり火傷の危険が無くなるものである。
【0025】
また、図8、図9は第3実施例を示すもので、前記の第2の実施例と同様にカップ状1Bにモーター15Bとファン16Bを備えた構造、及び回路構成も同じであるがカップ状1Bの上面に外気25の吸い込む穴である外気吸入孔21を複数設けるものである。
【0026】
したがって、前記記載の第2の実施例と同様、電気ポット11内より蒸気孔12より蒸気24が出始めると、前記記載の第2項と同様にモーター15Bの駆動によってファン16Bが回転すると外気吸入孔21より外気25がカップ状1B内に吸収することでき、上昇の蒸気24と混合して一気に蒸気温度の低下をすることでカップ状1Bより放出した蒸気の状態は極めて安全な温度となるため火傷の危険はより一層安全であるものである。
【0027】
また、図10、図11は第4実施例を示すもので、第1の実施例の差込み金具6と差込み受金具7の無い支持棒1Cにする。前記の曲げ可能な状態を保持できる支持棒1Cの下部に吸着媒22を設ける。吸着媒22の取付部は移動可能として23は移動及び止具である。移動及び止具23は半固定とすること、よって吸着媒は移動できるように設けることから最適の状態の位置で締付け具25によって固定できるものである。。
【0028】
したがって、図12に示すように電気ポット11の上面に吸着媒22によって吸着して固定する、とともに支持棒1Cを適当な所で曲げて、カップ状1の位置を蒸気孔12の上に合わせるように移動及び止具23を移動して所定の位置で固定することができる。よって吸着媒22は必要に応じて着脱が容易である。とともに他の器具にも利用できることで一台で有効に活用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第一実施例を示す図で、カップ状の平面図である。
【図2】本発明の第一実施例のカップ状の要部切欠側面図である。
【図3】本発明の第一実施例カップ状本体を電気ポットに取付けた状態の側面図である。
【図4】支持棒の下の差込み金具と、差込み受金具の部分拡大斜視図である。
【図5】本発明の第二実施例のカップ状の側面図である。
【図6】本発明の第二実施例のカップ状の底面図で、開放部より見た図である。
【図7】本発明のモーター駆動回路の回路構成図である。
【図8】本発明の第三実施例のカップ状上面の平面図である。
【図9】本発明の第三実施例のカップ状の要部側面図である。
【図10】本発明の支持棒に吸着媒を取付けた状態の全体側面図である。
【図11】吸着媒を用いて電気ポットに沸騰蒸気の安全装置取付けた要部側面図である。
【符号の説明】
【0030】
1、1A、1B、1Cはカップ状 2、2A、2Bは耐熱材カップ
3、3A、3Bは断熱材カップ 4、4A、4Bは水受溝
5、5A、5B、5Cは支持棒 6、6Aは差込み金具
7、7Aは差込み受金具 8は貼着材
9、9Aは鍔 10、10Aは止金具
11、11Cは電気ポット 12、12Cは蒸気孔
13は電池 14、14Bは温度センサー
15、15Bはモーター 16、16Bはファン
17、17Bは電源部ケース 18は制御回路
19、19Bはモーターケース 20は主電源スイッチ
21は外気吸入孔 22は吸着媒
23は移動及び止具 24は蒸気
25は締付け具 26、26Bはスイッチツマミ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属製などの耐熱材をカップ状に形成し、外周全体を断熱材で覆う、前記カップ状の開口部を下向きに利用することから、開口部の内側の周囲に水受け溝を設けて、前記カップを調理器具に着脱できる媒体を装備した支持棒を設けて、蒸気孔より出る蒸気温度を下げることを特徴とする調理器具の沸騰蒸気による安全装置。
【請求項2】
前記カップ状内にモーターによって回転するファンを設けて、前記モーターは蒸気温度を検知する温度センサーを設けて、設定温度に達すると動作するように設けたことを特徴とする請求項1記載の調理器具の沸騰蒸気による安全装置。
【請求項3】
前記ファンに設けた前記カップ状の上面に、外気吸入の複数の孔を設けたことを特徴とする請求項1、2記載の調理器具の沸騰蒸気による安全装置。
【請求項4】
前記支持棒の下部に吸着媒を取付けて、容易に調理器具に取付け取外しできるように設けたことを特徴とする請求項1、2、3記載の調理器具の沸騰蒸気による安全装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−194437(P2008−194437A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−65815(P2007−65815)
【出願日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(500268270)
【Fターム(参考)】