説明

調節可能であるルーバー加工されたプラズマエレクトロンフラッド筐体

イオン注入システムにおいて粒子汚染を低減させるための装置が提供される。該装置は、入口(260)、出口(262)及び自側面内に規定される複数のルーバー(266)を有する少なくとも1つのルーバー加工された側面(264)を有する筐体(250)を有する。イオン注入システムのビームライン(P)該入口及び該出口を通過する。該少なくとも1つのルーバー加工された側面の該複数のルーバーは、該ビームラインに沿って飛行するイオンビームの縁を機械的にフィルタリングするように構成される。該筐体は、2つのルーバー加工された側面(254 A、B)及びルーバー加工された上面(278)を有し得る。該筐体の該入口及び該出口の各幅は、該ビームラインに対し垂直に測定される場合、該2つのルーバー加工された側面の互いに対する位置により略規定される。1つ以上の該ルーバー加工された側面は調節可能に取り付けられており、該筐体の該入口及び該出口の片方又は両方の幅は調節可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連文献の参照〕
本出願は、「ADJUSTABLE LOUVERED PLASMA ELECTRON FLOOD ENCLOSURE」という名称の、2009年7月15日に出願された米国特許仮出願第61/225,843に基づく優先権および利益を主張する。この内容は、参照することにより、その全体があたかも本明細書に十分に明記されているかのように本明細書に組み込まれるものとする。
【0002】
本発明は、一般に、イオン注入システムに関する。より具体的には、イオン注入システムにおける粒子汚染を制御するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
半導体デバイスまたは他の製品の製造において、イオン注入システムが、ドーパントエレメントとして知られている不純物を半導体ウエハ、表示パネル、または他のワークピースに与えるために用いられている。従来のイオン注入システムまたはイオン注入器は、ワークピース内に、n型またはp型のドープ領域を生成するために、または、パッシベーション層を形成するために、イオンビームと共にワークピースを取り扱う。イオン注入システムは、半導体をドープするために用いられる場合、所望の外因性物質を生成するために選択されたイオン種を注入する。例えば、アンチモン、砒素、または燐のようなソース物質から生成されたイオンの注入により、結果的にn型の外因性物質ウエハがもたらされる。また、ホウ素、ガリウム、またはインジウムのような物質から生成されたイオンの注入により、半導体ウエハ内にp型の外因性物質の部分が生成される。
【0004】
従来のイオン注入システムは、所望のドーパントエレメントをイオン化するイオン源を備えており、これは、規定のエネルギーのイオンビームを形成するために続いて加速される。ドーパントエレメントをワークピースに注入するために、イオンビームがワークピースの表面に向き付けられる。イオンビームにおいてエネルギーを有するイオンは、所望の導電性の領域を形成するためにワークピース物質の結晶構造内に埋め込まれるように、ワークピースの表面を貫通する。注入プロセスは、残存ガス分子との衝突によるイオンビームの拡散を防止し、浮遊微粒子によりワークピースが汚染されるリスクを最小限にする、高真空プロセスチャンバにおいて典型的に実行される。
【0005】
イオンのドーズ量およびエネルギーは、イオン注入を規定するために通常用いられる2つの変数である。イオンのドーズ量は、与えられた半導体物質に対し注入されるイオンの濃度に付随している。典型的に、(一般に、10ミリアンペア(mA)のイオンビーム電流よりも大きい)高電流注入器が、高ドーズ注入に用いられ、(一般に、略1mAのビーム電流まで可能な)中電流注入器が、低ドーズ注入に用いられる。イオンのエネルギーは、半導体デバイスにおける接合の深さを制御するために用いられる。イオンビームを形成するイオンのエネルギーは、注入されたイオンの深さの程度を決定する。半導体デバイスにおいてレトログレードウェルを形成するために用いられるプロセスのような高エネルギープロセスでは、典型的に、数百万電子ボルト(MeV)までの注入が必要である。一方、浅い接合では、1000電子ボルト(keV)より小さいエネルギーが要求されるのみである。
【0006】
より小さな半導体デバイスへという継続的な流れは、低エネルギーでの高ビーム電流を供給するように機能する、イオン源を伴う注入器を必要とする。高ビーム電流により、必要なドーズ量レベルが提供される。一方、低エネルギーレベルにより、浅い接合が可能になる。相補型金属酸化膜半導体(CMOS)デバイスにおけるソース/ドレイン接合は、例えば、このような高電流、低エネルギーの適用が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、イオン注入システムにおける粒子汚染を低減させる方法を提供することによって先行技術の限界を克服する。従って、本発明の幾つかの側面の基本的な理解を提供するために、本発明の簡略化した概要を以下に示している。この概要は、本発明の広範囲に亘る要約ではない。本発明の鍵となるまたは重要なエレメントを識別することも、本発明の範疇を詳細に記述することも意図されてはいない。この概要の目的は、後述されているより詳細な記述への前置きとして、本発明の幾つかの概念を簡略化した形状にて示すことである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、一般に、イオン注入システムにおける粒子汚染を低減させるための装置および方法に向けられたものである。1つの側面によれば、イオン注入システムのビームラインに沿って存在するように構成されている筐体を備える装置が提供される。筐体は、入口、出口、および、自側面内に規定される複数のルーバーを有する少なくとも1つの側面を有している。複数のルーバーは、例えば、イオンビームの飛行方向において測定される場合、イオンビームに対して略90度より小さい角度で曲げられている。1つの特定の実施例では、複数のルーバーは、ビームラインに対して略45度から55度までの間の角度で曲げられている。
【0009】
筐体は、例えば、ビームラインへの汚染が最小限に抑えられる炭素から成る。他の実施例では、筐体は、イオン注入システムに対して、接地されているか、または、バイアス電圧が印加されている。ビームラインは、入口を介して筐体に進入し、出口を介して筐体から射出される。ここで、少なくとも1つのルーバー加工された側面の複数のルーバーは、ビームラインに沿って飛行するイオンビームの縁を機械的にフィルタリングするように構成されている。他の実施例では、筐体は、プラズマエレクトロンフラッド筐体を備えている。ここで、少なくとも1つの電極が、プラズマエレクトロンフラッド筐体内部のイオンビームに電子を供給するように構成されており、注入される基板上の電荷を制御している。
【0010】
1つの特定の実施例では、筐体は、互いに略対向して配置されている2つのルーバー加工された側面を備えている。筐体の入口および出口は、例えば、ビームラインに対して垂直に測定される場合、互い対する2つのルーバー加工された側面の位置によって略規定される。他の実施例では、少なくとも1つのルーバー加工された側面は、調節可能に取り付けられている。ここで、筐体の入口および出口の片方および両方の幅は、調節可能であり、少なくとも1つのルーバー加工された側面の位置に基づいて制御される。例えば、2つのルーバー加工された側面の各々は、筐体の入口に付随した回転軸をそれぞれ備えている。ここで、2つのルーバー加工された側面は、それぞれの回転軸について回転するように構成されており、筐体の出口の幅を制御している。例えば、少なくとも1つのルーバー加工された側面の位置の制御により、筐体の入口および出口の片方または両方の幅が制御される。
【0011】
他の実施例では、筐体は、互い対して非平行な平面内に存在する2つのルーバー加工された側面を備えている。ここで、筐体の入口の幅は、筐体の上流側にあるリゾルビング開口部の幅によって略規定され、筐体の出口の幅は、ワークピースの直上流側にある、ビームラインの出口開口部によって略規定される。
【0012】
更に他の実施例によれば、筐体は、2つのルーバー加工された側面の間にて筐体の上部を略包囲する上面を更に備えている。上面は、例えば、炭素から成る、穿孔されているまたは穿孔されていないプレートを備えている。他の実施例では、上面は、自上面内に規定される複数のルーバーを有している。筐体の上面の位置は、例えば、筐体の上流側の開口部(例えば、入口)および下流側の開口部(例えば、出口)の片方または両方を略規定する。例えば、筐体の入口に最も近いルーバーは、ビームを規定する開口部を略設けている。ここで、ビーム衝突(ビームストライク)および連続的なスパッタリングおよび/または付着(plating)は、下流側のコンポーネント上にて最小限にされるか、または除去される。更に他の実施例では、筐体の底部を略包囲する底面が更に設けられている。ここで、底面は、2つのルーバー加工された側面の間を略延伸する。底面は、例えば、複数の穿孔を備えている。ここで、複数の穿孔は、重力によって汚染物質を筐体から放出せしめるように動作可能である。
【0013】
粒子汚染を低減させるための方法が更に提供される。ここで、少なくとも1つのルーバー加工された側面の複数のルーバーが、イオンビームの縁を機械的にフィルタリングし、1つ以上の汚染物質をビームラインから除去する。
【0014】
先述の目的および関連した目的を実現するために、本発明は、以下において十分に記述されつつ、特許請求の範囲において特に指摘されている特徴を含んでいる。以下の記述および添付の図面において、本発明に係るある説明的な実施形態が詳細に明記されている。しかしながら、これらの実施形態は、本発明の主義が用いられている様々な態様の内の幾つかを示すものである。本発明の他の目的、利点、および、優れた特徴は、図面に関連付けて熟考するのであれば、以下の発明を実施するための形態から明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】従来のイオン注入システムの平面図である。
【図2】本発明の1つの側面に係る例示的なイオン注入システムのシステムレベルのブロック図である。
【図3】本発明の他の側面に係る例示的なイオン注入システムの平面図である。
【図4】本発明の更に他の側面に係る他の例示的なイオン注入システムの詳細な平面図である。
【図5】本発明の更に他の側面に係る例示的なルーバー加工された筐体の斜視図である。
【図6】上面および側面が除去された図5のルーバー加工された筐体の斜視図である。
【図7】他の側面に係る図5のルーバー加工された筐体の上方断面図である。
【図8】本発明の他の側面に係る、自筐体を通過するイオンビームを示している、図7のルーバー加工された筐体の他の上方断面図である。
【図9】更に他の側面に係る図5のルーバー加工された筐体の垂直断面図である。
【図10】傾斜した上面を有する他の例示的なルーバー加工された筐体の他の垂直断面図である。
【図11】本発明の他の例示的な側面に係る、1つ以上のワークピースへのイオン注入時における粒子汚染を低減させるための例示的な方法のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、一般に、1つ以上のワークピースにイオン注入する間の粒子汚染を減少させるための装置および方法に向けられたものである。より具体的には、本方法は、複数のルーバーが、ワークピースでの粒子汚染を略低減させるイオン注入システムのビームラインに沿って設けられた筐体を提供する。本発明は、適宜、図面を参照しながら記述されている。同様の符号が同様のエレメントを通して参照するために用いられる。これらの側面の記述は単に説明のためであり、限定的な意味に解釈されるべきでないことは理解されるべきである。説明のための以下の記述では、本発明を完全に理解してもらおうと、特定の詳細が数多く明記されている。しかしながら、当業者にとっては、本発明がこれらの特定の詳細なしに実行され得ることは明白である。
【0017】
例示的なイオン注入システム10が図1に示されており、このイオン注入システムは、ターミナル12、ビームラインアセンブリ14およびエンドステーション16を備えている。ターミナル12は、電源22によって電力が供給される適切なイオン源20を備えている。ここで、ターミナルは、イオンビーム24を生成し、イオンビーム24をビームラインアンセブリ14を通して、最後にエンドステーション16に向き付けるように構成されている。ビームラインアセンブリ14は、例えば、ビームガイド26およびそれに付随している質量分析器28を有している。ここで、適切な質量電荷比のイオンのみを、エンドステーション16に配置されているワークピース32(例えば、半導体ウエハ、表示パネル、等)へのビームガイド26の出口端部での開口部30を通過させるために、双極子磁場が設けられる。
【0018】
短いビームラインの高電流ペンシルビームイオン注入システムのような幾つかの実施例では、プラズマエレクトロンフラッド(PEF:plasma electron flood)34が、空間電荷を制御したりビームのブローアップを除去したりする目的と同様に、ワークピース上の電荷を制御する目的のために、ワークピース32の直上流側にて用いられている。しかしながら、発明者は、PEF34の利用には、プラズマが形成される筐体36が含まれると認識している。例えは、筐体36は、電子のロスを最小限にしつつプラズマフラッドを包囲し、PEF34において用いられているイオン化ガス(図示なし)がシステム10の他の場所における高電圧部分(図示なし)に接触すること、すなわちイオン注入システムを通して粒子汚染および金属汚染を包含することを防止している。
【0019】
しかしながら、ワークピース32へのイオン注入の間、様々な汚染物質(図示なし)が時間と共に典型的にイオンビーム24から生成され、ビームパスに沿って配置されている開口部30およびPEF筐体36のような様々なコンポーネント38に衝突し、様々なコンポーネント38上に固着または堆積する。イオンと様々なコンポーネント38との衝突は、例えば、ビームパスに沿って配置されている他の表面40上の汚染物質(図示なし)を更にスパッタさせ得る。イオンビーム24は、汚染物質をワークピース32に更に輸送させ得る。
【0020】
図2は、ブロック図の形状により示された他の例示的なイオン注入システム100を示しており、この例示的なイオン注入システムは、本発明の1つ以上の側面を実行することに適している。システム100は、パスまたはビームラインPに沿って飛行するように動作可能である多数のイオンを生成し、これによりワークピース104(例えば、半導体ウエハ、表示パネル、等)にイオンを注入させるためのイオンビーム103を規定するためのイオン源102を有するイオン注入装置101を備えている。例えば、イオン源102は、一般に、プラズマチャンバ105、プロセスガス源106、および電源108を備えている。ここで、電源から電力を供給することによって、正に荷電されたイオンがプラズマチャンバ内のプロセスガスから生成される。プロセスガス源106は、イオン化可能ガスまたは予め気化されている気化済固体ソース物質または種のようなソース物質を含んでいてもよい。ワークピース104へのn型の注入に対しては、例えば、ソース物質はホウ素、ガリウムまたはインジウムを含んでいてもよい。p型の注入に対しては、例えば、ソース物質は、砒素、燐またはアンチモンを含んでいてもよい。
【0021】
イオン源102は、それに付随する引出しアセンブリ109を更に備えている。ここで、引出し電圧VExtractが印加されることによって、荷電されたイオンがイオン源から引出される。引出し電源110は、引出し電圧VExtractを供給するように動作可能である。ここで、引出し電圧は、更に調整されてもよい。ビームラインアセンブリ112は、イオン源102の下流側に更に設けられている。ここで、ビームラインアセンブリは、一般に、荷電されたイオンを受容する。ビームラインアセンブリ112は、例えば、ビームガイド116、質量分析器118および開口部120ような1つ以上のコンポーネント114を備えている。ここで、この1つ以上のコンポーネントは、イオンビーム103を形成しつつ成形するように動作可能である。
【0022】
質量分析器118は、例えば、マグネット(図示なし)のような、コンポーネントを生成する場を更に備えている。ここで、質量分析器は、一般に、イオンビーム103を横切って磁場を供給し、これにより、イオンの電荷質量比に従って様々な軌道を描くイオンビームからイオンを偏向させる。例えば、磁場を通って飛行するイオンは、所望の電荷質量比を有する個々のイオンをビームパスPに沿って向き付けつつ、所望ではない電荷質量比を有するイオンをビームパスから偏向させる力を被る。一旦、質量分析器118を通ると、イオンビーム103は開口部120を通って向き付けられる。ここで、イオンビームは、ワークピース104に注入するための簡潔なビームを生成するように略制限されている。
【0023】
イオン注入システム100は、ワークピース104が一般に存在するエンドステーション122を更に備えている。集積回路デバイス、表示パネル、および他の製品の製造において、一般に、ワークピース104の全表面に亘りドーパント種を均一に注入することが好ましい。それ故に、イオン注入装置101は、1つのワークピース104にイオンを注入するように構成され得る(例えば、「枚葉式」イオン注入器)。ここで、ワークピースは、一般に、エンドステーション122内部に配置されている基台(ペデスタル)またはチャック(図示なし)上に存在している。また、イオン注入装置101は、複数のワークピース104にイオンを注入するように構成され得る(例えば、「バッチ式」イオン注入器)。ここで、エンドステーション122は、自身上にて幾つかのワークピースがイオンビーム103に対して平行移動される回転プラッタ(図示なし)を備えている。なお、イオン源からイオンを引出し、それらを1つ以上のワークピースに注入するように動作可能なあらゆるイオン注入装置も、本発明の範疇の中にあるように考えられている。しかしながら、本発明は、比較的短いビームライン長を有するイオン注入システム100(例えば、高電流イオン注入システム)における特定の使い良さを示している。
【0024】
一実施例では、イオン注入装置101は、イオンビーム103のパスPに沿って略配置されているルーバー加工された筐体124を更に備えている。一実施例では、ルーバー加工された筐体124は、ビームラインアンセブリ112とエンドステーョン122との間に略存在している。しかしながら、ルーバー加工された筐体は、代替的にプラズマチャンバ105と質量分析器118との間に存在していてもよい。より詳細に以下に記述されているように、ルーバー加工された筐体124は、例えば、イオンビームがエンドステーション122に進入するよりも先に、イオンビーム103の縁を機械的にフィルタリングまたは「クリッピング」するように動作可能である。1つの特定の実施例では、ルーバー加工された筐体124は、イオンビームパスPに沿って開口部120の下流側に配置されているプラズマエレクトロンフラッド(PEF)筐体126を備えている。ここで、イオンビームのブローアップまたは広がりを制御するために、および、注入されるワークピース104上に構築される電荷を制御するために、PEF筐体は、電子をイオンビーム103に供給するように、そしてイオンビームに付随した空間電荷を制御するように構成されている。
【0025】
イオン注入システム100は、制御装置128を更に備えている。ここで、制御装置は、イオン注入装置101を制御するように動作可能である。例えば、制御装置128は、イオンビームパスPが略制御される引出し電源110と同様に、イオンを生成するための電源108を制御するように動作可能である。制御装置128は、とりわけ質量分析器118に付随した磁場の強度および向き付けを調節するように更に動作可能である。他の実施例では、制御装置128は、イオン注入装置101内部のワークピース104の位置を制御するように更に動作可能であり、イオンビームパスPに対してルーバー加工された筐体124の位置および/または向き付けを制御するように更に構成され得る。制御装置128が、プロセッサ、コンピュータシステム、および/またはシステム100の全体を制御するための操作者(例えば、操作者による入力と連動するコンピュータシステム)を備えていてもよいことは当然である。
【0026】
図3を参照すると、図2における装置101のような例示的なイオン注入装置200が示されており、例示的なイオン注入装置がより詳細に示されている。図4は、イオン注入装置200をより詳細に示している。なお、イオン注入装置200が1つの例として示されているが、本発明は、高エネルギーシステム、低エネルギーシステム、または他の注入システムのような、様々な他の種類のイオン注入装置およびシステムを用いて実行され得る。このような全てのシステムは、本発明の範疇の中にあるように考えられている。
【0027】
図3および4のイオン注入システム200は、例えば、ターミナル212、ビームラインアセンブリ214、およびエンドステーション216(例えば、集合的に呼称されるプロセスチャンバ)を備えている。ここで、イオン注入システムは、図3に示されている1つ以上の真空ポンプ218による真空状態下にて略配置されている。ターミナル212は、例えば、ソース電源222によって電力が供給されるイオン源220、および、イオン源220からイオンを引出し、これによりビームラインアセンブリ214にイオンビーム210を供給するために、引出し電源226によって電力が供給される引出しアセンブリ224を備えている。ビームラインアセンブリ214と連動する引出しアセンブリ224は、例えば、所定のエネルギーレベルにて注入するための、エンドステーション216内の支台229に存在するワークピース228にイオンを向き付けるように動作可能である。
【0028】
一実施例では、イオン源220は、プロセス物質MSOURCEのイオンが高い正の電位VSOURCEにて電圧が印加されるプラズマチャンバ(図示なし)を備えている。なお、本発明は、ソース220によって負のイオンが生成されるシステムにも適用可能であるが、一般に、正のイオンが生成される。引出しアセンブリ224は、プラズマ電極230および1つ以上の引出し電極232を更に備えている。ここで、プラズマ電極は、1つ以上の引出し電極に対してバイアスされているが、イオン源220内部のプラズマに対して浮いている(例えば、プラズマ電極は、典型的に接地されているワークピース228に対して120kvである)。1つ以上の引出し電極232は、例えば、プラズマ電極230の電圧より低い電圧にてバイアスされている(例えば、引出し電圧VExtractは0−100kVである)。1つ以上の引出し電極232でのプラズマに対する負の相対電圧は、イオンをイオン源220から引出し、加速させるように動作可能な静電場を生成する。例えば、1つ以上の引出し電極232は、それに付随する1つ以上の引出し開口部234を有している。ここで、イオンビーム210を形成するために、正に荷電されたイオンが、1つ以上の引出し開口部234を通ってイオン源220から射出される。引出されたイオンの速度は、1つ以上の引出し電極に供給される電位VExtractによって略決定される。
【0029】
本発明の1つの例示的な側面に係るビーラインアセンブリ214は、(例えば、引出し開口部234に付随した、)イオン源220付近に入口を有するビームガイド235、リゾルビングプレート236を伴う出口、および、引出しイオンビーム210を受容し、適切な電荷質量比またはその範囲のイオン(例えば、所望の質量範囲にあるイオンを有する質量分析されたイオンビーム)のみをエンドステーション216に配置されているワークピース228に向けて通過させるために双極子磁場を生成する質量分析器238を備えている。イオン源220におけるソース物質のイオン化は、所望の原子質量を有する正に荷電されたイオン種を生成する。しかしながら、イオン化プロセスでは、所望のイオン種に加えて、他の原子質量を有する一部のイオンも同様に生成される。適切な原子質量よりも大きいまたは小さい原子質量を有するイオンは、注入には適しておらず、望ましくない種と見なされる。質量分析器238により生成された磁場により、一般に、イオンビーム210中のイオンは湾曲した軌道を描く。つまり、所望のイオン種の原子質量に等しい原子質量を有するイオンのみがエンドステーション216に向けてビームパスPを横切るように、磁場が設定される。
【0030】
本発明の他の側面によれば、図3のビームガイド235の出口でのリゾルビングプレート236は、所望のイオン種の原子質量に近いが同一ではない原子質量を有する望ましくないイオン種をイオンビーム210から除去するために質量分析器238と連動する。リゾルビングプレート236は、例えば、ガラス状グラファイト、または、タングステンまたはタンタル等の他の物質から成り、1つ以上の細長い開口部240を有している。ここで、イオンビーム210中のイオンは、ビームガイド235から射出されるときにこの開口部を通過する。(例えば、P’と示されている)イオンビーム210のパスPからのイオンの分散は、リゾルビングプレート236にて最小値であり、イオンビーム210がリゾルビング開口部240を通過すると、イオンビームの幅(P’−P’)は最小になる。
【0031】
上記において説明したように、イオン源220から引出されたイオンの速度と同様に、図3の質量分析器238の磁場の強度および向き付けは、一般に、所望の種の原子量(または、電荷質量比)に等しい原子量を有するイオンのみがエンドステーション216に向けて所定の所望のイオンビームパスPを横切るように、図2の制御装置によって設定される。所望のイオンの原子質量よりも非常に大きいまたは非常に小さい原子質量を有する望ましくないイオン種は、鋭く逸らされ、図3のビームガイド235のハウジング242に衝突する。
【0032】
しかしながら、望ましくないイオンの原子質量が所望な種の原子質量に非常に近い場合、望ましくないイオンの軌道は、所望のビームパスPから僅かに逸れるだけである。つまり、所望なビームパスPから僅かに逸れるだけの望ましくないイオンは、リゾルビング開口部236の上流側に面する表面244に衝突する傾向にある。(「減速モード」と呼称される)減速化イオン注入システムでは、ビームパスPの長さは比較的短い。このようなシステムでは、図4の減速抑制プレート246が、リゾルビングプレートの下流側に設けられる。ここで、電気的なバイアスが、イオンビームを略減速させ、電子がビームラインPに沿って上流側に飛行することを防止する。接地プレート248が、減速抑制プレート246の下流側に更に設けられている。減速抑制プレート246および接地プレート248の一部として光学が実行されるとき、例えば、イオンビームは、減速抑制プレートに適切な電圧を印加することにより、Y座標において更にフォーカスされ得る。
【0033】
本実施例によれば、ルーバー加工された筐体250は、リゾルビング開口部236の下流側に(例えば、減速抑制プレート246および接地プレート248の更に下流側に)設けられており、このルーバー加工された筐体は、PEF筐体252を備えている。イオン注入装置200の動作時において、ワークピース228からのスパッタされたフォトレジストおよびシリコンと同様に、望ましくないイオン種、リゾルビング開口部236、ビームガイド235等からのスパッタされた炭素または堆積ビーム種の層間剥離、ドーパント物質、および/またはイオン源220からの物質等の汚染物質は、表面254に構築される傾向にある。特に、リゾルビングプレート236の上流側に面する表面244は、ワークピース228への低エネルギーイオン注入を繰り返した後、汚染物質(図示なし)を構築する傾向にある。また、高エネルギーイオンビームは、リゾルビングプレート236の上流側および下流側の両方にあるコンポーネントに対して炭素または他の汚染物質をスパッタする傾向にある。更に、ワークピース228自身からのフォトレジスト物質も、イオン注入装置200の内部表面上に構築される。
【0034】
従来、リゾルビングプレート236のようなコンポーネント256の表面254上での汚染物質の構築は、注入時に最終的に剥がれて取れる傾向にあり、このようにして不都合な放電および微粒子の問題が生じてしまう。更に、リゾルビング開口部240周辺に汚染物質が構築されていることにより、ビームパスP’の外側の先端付近の所望のイオンが、構築された汚染物質と衝突し、構築された汚染物質を移動させてしまう。移動された汚染物質は、ワークピース228の表面に向かい更に飛行し得る。このようにして、結果として注入されたワークピースへの様々な悪影響を潜在的に引き起こしてしまう。
【0035】
図5〜9は、例示的なルーバー加工された筐体250の様々な図を示している。ここで、このルーバー加工された筐体は、入口260、出口262、および、自側面内に規定される複数のルーバー266を有する少なくとも1つのルーバー加工された側面264を有している。ルーバー加工された筐体250は、例えば、汚染を最小限に抑えられる炭素から成る。他の実施例では、ルーバー加工された筐体250は、イオン注入システム200に対して、浮いている(例えば、電気的にバイアスされていない)か、接地されているか、または、バイアスされている。図3のビームラインPは、例えば、図5〜8のルーバー加工された筐体250の入口260および出口262を通過する。ここで、少なくとも1つのルーバー加工された側面264の複数のルーバー266は、ビームラインPに沿って飛行している図3のイオンビーム201の縁を機械的にフィルタリングするように構成されている。例えば、筐体250の入口260に最も近いルーバー267は、ビームを規定する開口部を略設けている。ここで、下流側のコンポーネント上でのビーム衝突(ビームストライク)および連続的なスパッタリングおよび/または汚染物質の付着は、最小限になるか、または除去される。
【0036】
図7および8に示されているように、例えば、筐体250は、互いに略対向して配置される2つのルーバー加工された側面264Aおよび264Bを備えている。この2つのルーバー加工された側面264Aおよび264Bは、互いに対して非平行な平面内に存在している。この実施例によれば、筐体250の入口260の幅268は、筐体の上流側にある図3の接地開口部248の幅によって略規定され、筐体の出口262の幅270は、図3のワークピース228の直上流側にある、ビームラインPの出口開口部を略規定する。図7の筐体250の入口260および出口262の各幅268および270は、例えば、ビームラインPに対して垂直に(例えば、X座標に沿って)測定される場合、2つのルーバー加工された側面264Aおよび264Bの互いに対する位置によって略規定される。
【0037】
他の実施例によれば、ルーバー加工された側面264Aおよび264Bの少なくとも1つが、調節可能に取り付けられている。ここで、筐体250の入口260および出口262の幅268および270の片方または両方は、選択的に調節可能である。例えば、図7に示されているように、2つのルーバー加工された側面264Aおよび264Bの各々は、筐体の入口260に付随した回転軸272Aおよび272Bをそれぞれ有している。ここで、2つのルーバー加工された側面は、それぞれの回転軸の周りに回転するように構成されており、筐体の出口の幅270を制御する。ルーバー加工された側面246Aおよび264Bの回転は、例えば、手動により制御されるか、または、ルーバー加工された側面に動作可能に結合されているサーボメカニズム(図示なし)を介して図3の制御装置128により制御される。従って、ルーバー加工された側面264Aおよび264Bは、ルーバー加工された筐体250を通過する図3のイオンビーム210の各縁を選択的に機械的にフィルタリングするように構成されている。
【0038】
本発明の他の例示的な側面によれば、少なくとも図5に示されているように、ルーバー加工された筐体250は、2つのルーバー加工された側面264Aと264Bとの間にて筐体の上部276を略包囲する上面274を更に備えている。一実施例では、上面274は、自上面内に規定される(例えば、正の整数nを用いて278a...278nと示されている)複数のベーンまたはルーバー278を更に備えている。ルーバー加工された側面264Aおよび264Bのルーバー266と同様に、上部274のルーバー278は、ルーバー加工された筐体250を通過する図3のイオンビーム210の上部の縁(図示なし)を機械的にフィルタリングするように構成されている。
【0039】
更に他の例示的な側面によれば、図5のルーバー加工された筐体250は、例えば、底面279を備えている。ここで、この底面は、2つのルーバー加工された側面264Aと264Bとの間にて筐体の底部280を略包囲する。1つの実施形態では、ルーバー加工された筐体250のルーバー加工された側面264Aおよび264B、上面274、および底面280は、例えば、ルーバー加工された筐体がPEF筐体252として用いられる場合、ルーバー加工された筐体からの電子ロスを略最小限にするように構成されている。例えば、当業者であれば理解し得るように、(図9の領域281に配置されている)1つ以上の電極(図示なし)は、プラズマエレクトロンフラッド筐体252内部のイオンビーム210に電圧を印加するように構成されており、イオンビーム210の空間電荷を制御し、そこに電子を供給する。従って、PEF筐体252は、イオンビーム210のイオンおよび(図9の領域281に配置されている)PEFアークチャンバ(図示なし)からのイオンを、PEF筐体付近における他の高電圧のフィードスルーに向けて加速しないように略制限する。
【0040】
更に他の実施例によれば、図9に示されているように、出口開口部262の上部282は、例えば、ルーバー加工された筐体250の1つ以上の上面274および出口開口部によって略規定される。一実施例によれば、図10に示されているように、上面274の最も下流側のルーバー278nは、出口開口部262の高さ283を略規定する。図10のルーバー加工された筐体285では、例えば、上面274は、底面279に対して非平行である。また、出口開口部262の高さ283は、出口開口部自身によって規定される。ここで、図9に示されているように、上面274は、底面279に対して平行な平面内に略存在している。更に他の実施例では、上面274の第1のルーバー278aは、図3の接地開口部248の上部と同一の平面上に存在している。更に他の代替例では、上面274は、隣接する穿孔されていないプレート(図示なし)を備えている。
【0041】
図8に示されているように、イオンビーム210は、動作の間、例えば、ルーバー加工された筐体250を通過する。ここで、イオンビームの縁284は、複数のルーバー266を介して、機械的にフィルタリングまたはクリッピングされる。複数のルーバー266は、このようにして、ルーバー加工された筐体250内部からの(例えば、図7に示されている)粒子汚染286を外部環境289に安全に向き付ける。しかしながら、粒子汚染286の構築が、時間と共にルーバー266の縁288上に生じ得る。ここで、粒子汚染の層間剥離は、ルーバー加工された筐体250の下流側における潜在的な懸案事項である。こうして、図7〜10に示されているように、他の例示的な側面によれば、底面280は、複数の穿孔290を備えている。複数の穿孔290は、例えば、ルーバー加工された筐体250の表面292から層間剥離する粒子汚染286を、複数の穿孔を通して外部環境289に(例えば、重力によって)略落下せしめ、このようにして、図3のワークピース228に移動される粒子汚染の可能性を有利に低減させる。
【0042】
更に他の例示的な側面によれば、図5〜10の複数のルーバー266は、イオンビーム(例えば、図8のイオンビーム210)の飛行方向において測定される場合、ビームラインPに対して、略90度より小さな角度で曲げられている。1つの特定の実施例では、複数のルーバーは、ビームラインPに対して略45度から55度までの間の角度で曲げられている。このようにして、粒子汚染286は、ルーバー加工された筐体250から外側に向き付けられる。ここで、(イオンビームのフィルタリングされた縁284と同様に)粒子汚染は、運動量により外部環境289に略移動される。
【0043】
本発明の他の側面によれば、図11は、イオン注入システムにおいてワークピースにもたらされた粒子汚染を低減させる例示的な方法300を示している。本明細書において例示的な方法が一連の工程または事象として図示および記述されているが、本発明に従って、幾つかのステップが、異なる順番にて実行されてもよいように、および/または、本明細書に図示および記述されているステップとは異なる他のステップと同時に実行されてもよいように、本発明はこのような工程または事象の図示されている順番によって制限されるものでないことは当然である。また、図示されている全てのステップが、本発明に従って方法論を実行するために必要なわけではない。更に、本方法は、本明細書において図示および記述されている本システムに付随して、および、図示されていない他のシステムに付随して実行されることは当然である。
【0044】
図11に示されているように、方法300は、工程305においてイオン注入システムを設けることにより開始する。ここで、図2〜4のイオン注入システム100または200のように、イオン注入システムが、イオンビームを介して1つ以上のワークピースにイオンを注入するように構成されている。イオン注入システムは、イオン注入システムのビームラインに沿って存在するように構成されている筐体を備えている。ここで、図5〜9の筐体250および/または図10のルーバー加工された筐体285のように、筐体が、入口、出口、および、自側面内に規定される複数のルーバーを有する少なくとも1つのルーバー加工された側面を有している。
【0045】
図11の工程310では、イオンビームが筐体の入口および出口を通過する。ここで、少なくとも1つのルーバー加工された側面の複数のルーバーが、イオンビームの縁を機械的にフィルタリングする。工程315では、イオンビームの機械的フィルタリングに付随した1つ以上の汚染物質が、筐体から除去される。例えば、1つ以上の汚染物質は、例えば、図7〜10の穿孔290を介して筐体の底面を通過すると、イオン注入システムから更に隔離される。他の実施例では、制御される少なくとも1つのルーバー加工された側面の位置により、筐体の入口および出口の片方または両方の幅が制御され、このようにして筐体から射出されるイオンビームの幅が制御される。
【0046】
本発明は、特定の好適な実施形態または複数の実施形態に関して図示および記述されているが、本明細書および添付の図面を読み、理解することにより、当業者であれば等価的な変形例および変更例が生じ得ることは明白である。特に、上述のコンポーネント(アセンブリ、装置、回路等)により実行される様々な機能に関して、このようなコンポーネントを記述するために用いられる用語(「手段」として参照されるものも含む)は、本明細書にて説明された本発明の例示的な実施形態における機能を実行する開示された構造と構造的に同等でないとしても、他の方法が示されない場合には、記述されたコンポーネントの特定の機能を実行するあらゆるコンポーネント(すなわち、機能的に同等であるコンポーネント)にも対応するものとする。加えて、本発明の特定の特徴は、様々な実施形態の内の1つに関して開示されたが、このような特徴は、あらゆる既存のまたは特定の適用に対しても所望であり、かつ有利なものとなるように、他の実施形態の1つ以上の他の特徴に結び付けられてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオン注入システムにおける粒子汚染を低減させるための装置であって、
上記イオン注入システムのビームラインに沿って存在するように構成されている筐体を備えており、
上記筐体は、入口、出口、および、自側面内に規定される複数のルーバーを有する少なくとも1つのルーバー加工された側面を有しており、
上記ビームラインは、上記入口および上記出口を通過しており、
上記少なくとも1つのルーバー加工された側面の上記複数のルーバーは、上記ビームラインに沿って飛行するイオンビームの縁を機械的にフィルタリングするように構成されている、
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
上記筐体は、互いに略対向して配置されている2つのルーバー加工された側面を備えている、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
上記筐体の上記入口および上記出口の各幅は、上記ビームラインに対して垂直に測定される場合、上記2つのルーバー加工された側面の互いに対する位置により略規定される、
ことを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
上記ルーバー加工された側面の少なくとも1つは、調節可能に取り付けられており、
上記筐体の上記入口および上記出口の片方または両方の幅は、調節可能である、
ことを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
上記2つのルーバー加工された側面は、上記筐体の上記入口に付随した回転軸をそれぞれ有しており、上記2つのルーバー加工された側面は、上記回転軸のそれぞれについて回転するように構成されており、上記筐体の上記出口の上記幅を制御する、
ことを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
上記2つのルーバー加工された側面は、互いに対して非平行な平面内に存在している、
ことを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項7】
上記筐体の上記入口の上記幅は、上記筐体の上流側にある開口部の幅によって略規定され、上記筐体の上記出口の上記幅は、ワークピースの直上流側にある、上記ビームラインの出口開口部を略規定する、
ことを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
上記入口の上記幅は、上記出口の上記幅よりも小さい、
ことを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項9】
上記2つのルーバー加工された側面の間にて、上記筐体の上部を略包囲する上面を更に備えている、
ことを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項10】
上記上面は、穿孔されていないプレートを備えている、
ことを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
上記上面は、自上面内に規定される複数のルーバーを有するルーバー加工された上面を備えている、
ことを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項12】
上記出口に最も近い、上記上面における1つ以上の上記複数のルーバーは、出口開口部の上部を規定する、
ことを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
上記入口に最も近い、上記上面における1つ以上の上記複数のルーバーは、上流側の開口部と同一の高さを有している、
ことを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項14】
上記2つのルーバー加工された側面の間にて、上記筐体の底部を略包囲する底面を更に備えている、
ことを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項15】
上記底面は、複数の穿孔を備えている、
ことを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項16】
上記複数のルーバーは、上記イオンビームの飛行方向において測定される場合、上記ビームラインに対して略90度より小さな角度で曲げられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項17】
上記筐体は、炭素から成る、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項18】
上記筐体は、プラズマエレクトロンフラッド筐体を備えており、
1つ以上の電極が、上記プラズマエレクトロンフラッド筐体内部の上記イオンビームに電圧を印加するように構成されており、上記プラズマエレクトロンフラッド筐体内部の上記イオンビームの空間電荷を制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項19】
少なくとも1つの上記少なくとも1つのルーバー加工された側面が、調節可能に取り付けられており、
上記筐体の上記入口および上記出口の片方または両方の幅は、調節可能である、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項20】
上記筐体は、上記イオン注入システムに対して電気的に接地またはバイアスされていない、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項21】
1つ以上のワークピースへのイオン注入時における粒子汚染を低減させる方法において、
自イオン注入システムのビームラインに沿って存在するように構成されている筐体を備えているイオン注入システムであって、上記1つ以上のワークピースにイオンビームを介してイオンを注入するためのイオン注入システムを設ける工程を含んでおり、
上記筐体は、入口、出口、および、自側面内に規定される複数のルーバーを有する少なくとも1つのルーバー加工された側面を有しており、
上記イオンに上記筐体の上記入口および上記出口を通過させる工程を更に含んでおり、
上記少なくとも1つのルーバー加工された側面の上記複数のルーバーは、上記イオンビームの縁を機械的にフィルタリングし、上記ビームラインから1つ以上の汚染物質を除去する、
ことを特徴とする方法。
【請求項22】
上記筐体は、互いに略対向して配置されている2つのルーバー加工された側面を備えており、
上記筐体の上記入口および上記出口の各幅は、上記ビームラインに対して垂直に測定される場合、上記2つのルーバー加工された側面の互いに対する位置によって略規定されており、
少なくとも1つの上記ルーバー加工された側面の位置を制御し、上記筐体の上記入口および上記出口の片方または両方の上記幅を制御する工程を更に含んでいる、
ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
上記筐体は、上記2つのルーバー加工された側面の間にて上記筐体の底部を略包囲する底面を更に備えており、
上記底面は、上記底部を貫通する複数の穿孔を備えており、
上記1つ以上の汚染物質は、重力により上記複数の穿孔を通過せしめられ、
上記筐体の上記底面を通過した上記1つ以上の汚染物質を、上記イオン注入システムから隔離する工程を更に含んでいる、
ことを特徴とする請求項22に記載の方法。

【図1】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図2】
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【図3】
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【図11】
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【公表番号】特表2012−533848(P2012−533848A)
【公表日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−520625(P2012−520625)
【出願日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際出願番号】PCT/US2010/001994
【国際公開番号】WO2011/008288
【国際公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(505413587)アクセリス テクノロジーズ, インコーポレイテッド (53)
【Fターム(参考)】