説明

豆腐で水和させた構造化タンパク質組成物

本発明は、構造化タンパク質組成物を形成するために豆腐、大豆ホエー、または豆乳、および凝固剤と混ぜ合わせることができる構造化タンパク質製品を含む構造化タンパク質組成物を開示する。構造化タンパク質組成物を含む再構成食肉組成物および再構成食品組成物も含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2007年8月1日に出願された米国仮特許出願第60/953,252号(参照によってその全体が本明細書に援用される)からの優先権を主張する。
【0002】
本発明は、水和構造化タンパク質組成物およびそれを製造するために使用される方法を提供する。特に、水和構造化タンパク質組成物は、実質的に位置合わせされたタンパク質繊維を含む構造化タンパク質製品および豆腐を含み、食肉と混ぜ合わせられてもよい。
【背景技術】
【0003】
全てのタイプの豆腐(例えば、絹ごし豆腐および木綿豆腐)は、主に、高い物理的品質規格での小売販売のために製造される。カード(curd)の角がパッケージ内で削られるような負の物理特性のためにグレードAでない豆腐は、現在、他のタイプのタンパク質を含む付加価値製品では使用されていない。この豆腐は、構造化タンパク質原料を水和させるために使用することができる。豆腐の使用は、水で水和された構造化タンパク質製品で製造された製品の食味を保持または増大し得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の1つの態様は、構造化タンパク質製品および豆腐を混ぜ合わせることによって形成された水和構造化タンパク質食品組成物を包含する。構造化タンパク質製品を水和させて水和構造化タンパク質組成物を形成するために、豆腐は構造化タンパク質製品と混合される。
【0005】
本発明の別の態様は、構造化タンパク質製品および豆乳を混ぜ合わせ、次に凝固剤を添加して、構造化タンパク質製品内に凝固タンパク質が分散された水和構造化タンパク質組成物を形成することによって調製された水和構造化タンパク質組成物を包含する。
【0006】
本発明のさらなる態様は、構造化タンパク質製品を豆乳と混合するステップと、凝固剤を添加して水和構造化タンパク質組成物を形成するステップとを含む、水和構造化タンパク質組成物の製造方法を包含する。さらに、大豆ホエーを用いて構造化タンパク質製品を水和させることができる。
【0007】
本発明の別の態様は、構造化タンパク質製品を水と混ぜ合わせ、次に構造化タンパク質製品を豆腐と混ぜ合わせることによって調製された水和構造化タンパク質組成物を包含する。
【0008】
水和構造化タンパク質組成物を用いて、ベジタリアン食品と共にベジタリアンバーガーおよび他の食肉類似品などの食肉を含まない製品を調製することができる。また、水和構造化タンパク質組成物を食肉と混ぜ合わせて、様々な種類の食品を調製することもできる。さらに、水和構造化タンパク質を粉砕野菜または粉砕果実と混ぜ合わせて、種々の食品を製造することもできる。
【0009】
本発明のその他の態様および特徴は、以下により詳細に説明される。
【0010】
カラー図面の参照
本出願書類はカラーで作成された少なくとも1枚の写真を含有する。カラー写真付きの本特許出願公報のコピーは、要求および必要な手数料の支払いに応じて特許庁により提供されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実質的に位置合わせされたタンパク質繊維を有する本発明の構造化タンパク質製品を示す顕微鏡写真の画像を示す。
【図2】本発明の方法で製造されなかったタンパク質製品を示す顕微鏡写真の画像を示す。植物タンパク質製品を構成するタンパク質繊維は、本明細書に記載されるように交差している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、水和構造化タンパク質組成物および水和構造化タンパク質組成物の製造方法を提供する。通常、水和構造化タンパク質組成物は、豆腐と、実質的に位置合わせされたタンパク質繊維を有する構造化タンパク質製品とを含み得る。あるいは、水和構造化タンパク質組成物は、実質的に位置合わせされたタンパク質繊維を有する構造化タンパク質製品と、豆乳と、凝固剤とを含み得る。別の実施形態では、構造化タンパク質製品は、構造化タンパク質単離物、構造化タンパク質濃縮物、構造化タンパク質粉、またはこれらの混合物である。組成物は、粉砕野菜または粉砕果実と組み合わせて使用して、種々の食品を製造することができる。通常、組成物は食肉と混ぜ合わせられて食肉食品を形成するか、あるいは食肉なしに使用されて食肉類似食品またはベジタリアン食品を形成する。
【0013】
(I)構造化タンパク質製品
本発明の水和構造化タンパク質組成物は、以下のI(e)においてより詳細に説明されるように、実質的に位置合わせされたタンパク質繊維を含む構造化タンパク質製品を含む。例示的な実施形態では、構造化タンパク質製品は、以下のI(d)において詳述される押出成形法を受けたタンパク質材料の押出物である。構造化タンパク質製品は動物肉と同様の形で実質的に位置合わせされたタンパク質繊維を含むので、本発明の水和構造化植物性タンパク質組成物は、通常、動物肉のものと同様のテクスチャおよび食味特性を有するが、改善された栄養プロファイル(すなわち、タンパク質の割合がより高く、脂肪およびコレステロールの両方の割合がより低い)を提供する。
【0014】
(a)タンパク質含有材料
タンパク質含有材料は様々な源に由来することができる。その源または原料の分類に関係なく、押出成形法で用いられる原料は、通常、実質的に位置合わせされたタンパク質繊維を有する構造化タンパク質製品を形成することができる。このような原料の適切な例は、以下にさらに十分に詳述される。
【0015】
タンパク質を含有する様々な原料を熱プラスチック押出成形法で用いて、食品中で使用するのに適した構造化タンパク質製品を製造することができる。植物由来のタンパク質を含む原料が通常使用されるが、本発明の範囲から逸脱することなく動物源などの他の源に由来するタンパク質が使用され得ることも想定される。例えば、カゼイン、カゼイン塩、乳清タンパク質、およびこれらの混合物からなる群から選択される乳タンパク質が使用され得る。例示的な実施形態では、乳タンパク質は乳清タンパク質である。さらなる例として、オボアルブミン、オボグロブリン、オボムチン、オボムコイド、オボトランスフェリン、オボビテラ(ovovitella)、オボビテリン、アルブミン、グロブリン、ビテリン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される卵タンパク質が使用され得る。さらに、コラーゲン、血液、内臓肉、機械的に分離した食肉、部分的に脱脂した組織、血清タンパク質、およびこれらの組み合わせからなる食肉タンパク質またはタンパク質原料が、構造化タンパク質製品の原料の1つまたは複数として含まれてもよい。
【0016】
タンパク質に加えて他の原料タイプが使用され得ることが想定される。このような原料の非限定的な例としては、糖、デンプン、オリゴ糖、大豆繊維、他の食物繊維、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0017】
いくつかの実施形態では、タンパク質原料としてグルテンが使用され得るが、構造化タンパク質製品はグルテンを含まないことも想定される。さらに、構造化タンパク質製品は小麦を含まないことも想定される。グルテンは通常押出成形法でフィラメント形成において使用されるので、構造化タンパク質製品がグルテンまたは小麦タンパク質源を欠いている場合には、フィラメント形成を容易にするために食用架橋剤が使用されてもよい。適切な架橋剤の非限定的な例としては、L−システイン、トランスグルタミナーゼ、カルシウム塩、マグネシウム塩、およびこれらの組み合わせが挙げられる。当業者は、グルテンを含まない実施形態において、存在する場合には、必要とされる架橋材料の量を容易に決定することができる。
【0018】
(i)植物タンパク質材料
例示的な実施形態では、植物に由来する少なくとも1種の原料を使用して、構造化タンパク質製品を形成することができる。一般的に言えば、原料はタンパク質を含み得る。植物に由来するタンパク質含有材料は、植物ミール、植物由来粉、植物タンパク質単離物、植物タンパク質濃縮物、およびこれらの組み合わせであり得る。使用される原料中に存在するタンパク質の量は、用途に応じて異なることが可能であり、異なるであろう。例えば、使用される原料中に存在するタンパク質の量は、約40重量%〜約100重量%の範囲であり得る。別の実施形態では、使用される原料中に存在するタンパク質の量は、約50重量%〜約100重量%の範囲であり得る。付加的な実施形態では、使用される原料中に存在するタンパク質の量は、約60重量%〜約100重量%の範囲であり得る。さらなる実施形態では、使用される原料中に存在するタンパク質の量は、約70重量%〜約100重量%の範囲であり得る。さらに別の実施形態では、使用される原料中に存在するタンパク質の量は、約80重量%〜約100重量%の範囲であり得る。さらなる実施形態では、使用される原料中に存在するタンパク質の量は約90重量%〜約100重量%の範囲であり得る。
【0019】
押出成形において使用される原料は、様々な適切な植物から得ることができる。植物は従来の方法で栽培されてもよいし、有機栽培されてもよい。非限定的な例として、適切な植物には、アマランス、クズウコン、大麦、ソバ、キャッサバ、キャノーラ、ヒヨコマメ(ガルバンゾ)、トウモロコシ、カムート、マメ科植物(legume)、ヒラマメ、ルピナス(lupin)、キビ、オート麦、エンドウ豆、ピーナツ、ジャガイモ、キノア、セイヨウアブラナ、米、ライ麦、ソルガム、ヒマワリ、タピオカ、ライ小麦、小麦、およびこれらの混合物が含まれる。例示的な植物には、大豆、小麦、キャノーラ、トウモロコシ、マメ科植物、ルピナス、オート麦、エンドウ豆、ジャガイモ、および米が含まれる。
【0020】
一実施形態では、原料は小麦および大豆から単離される。別の例示的な実施形態では、原料は大豆から単離される。さらなる実施形態では、原料は小麦から単離される。適切な小麦由来タンパク質含有原料には、小麦グルテン、小麦粉、およびこれらの混合物が含まれる。本発明において使用することができる市販の小麦グルテンの例としては、Manildra Gem of the West Vital Wheat GlutenおよびManildra Gem of the West Organic Vital Wheat Glutenが挙げられ、これらはそれぞれManildra Milling Corporation(Shawnee Mission,KS)から入手可能である。適切な大豆由来タンパク質含有原料(「大豆タンパク質材料」)は、大豆タンパク質単離物、大豆タンパク質濃縮物、大豆粉、およびこれらの混合物を含み、これらはそれぞれ以下で詳述される。前述の実施形態のそれぞれにおいて、大豆材料は、デンプン、小麦粉、グルテン、食物繊維、およびこれらの混合物からなる群から選択される1つまたは複数の原料と混ぜ合わせられてもよい。
【0021】
様々な源から単離されるタンパク質含有材料の適切な例は、種々の組み合わせを示す表Aに詳述されている。
【0022】
【表1】

【0023】

【0024】

【0025】
表Aに詳細に記載される実施形態のそれぞれにおいて、タンパク質含有材料の組み合わせは、デンプン、小麦粉、グルテン、食物繊維、およびこれらの混合物からなる群から選択される1種または複数の原料と混ぜ合わせることができる。一実施形態では、タンパク質含有材料は、タンパク質、デンプン、グルテン、および繊維を含む。例示的な実施形態では、タンパク質含有材料は、乾燥物質ベースで約45%〜約65%の大豆タンパク質、乾燥物質ベースで約20%〜約30%の小麦グルテン、乾燥物質ベースで約10%〜約15%の小麦デンプン、および乾燥物質ベースで約1%〜約5%の繊維を含む。上述の実施形態のそれぞれにおいて、タンパク質含有材料は、リン酸二カルシウム、L−システイン、あるいはリン酸二カルシウムおよびL−システインの両方の組み合わせを含んでもよい。
【0026】
(ii)大豆タンパク質材料
例示的な実施形態では、上記で詳述したように、大豆タンパク質単離物、大豆タンパク質濃縮物、大豆粉、およびこれらの混合物を押出成形法で用いることができる。大豆タンパク質材料は、当該技術分野において一般に知られている方法に従って、全大豆から得ることができる。全大豆は、商品化大豆(すなわち、非遺伝子改変大豆)、有機大豆、分別生産流通管理された(identity preserved)大豆、遺伝子改変大豆、およびこれらの組み合わせでよい。
【0027】
一実施形態では、大豆タンパク質材料は単離大豆タンパク質(ISP)であり得る。一般に、単離大豆タンパク質は、無水ベースで少なくとも約90%の大豆タンパク質のタンパク質含量を有する。一般的に言えば、単離大豆タンパク質が使用される場合、好ましくは、高度に加水分解された単離大豆タンパク質でない単離物が選択される。しかしながら、特定の実施形態では、他の単離大豆タンパク質と併用して、高度に加水分解された単離大豆タンパク質が使用され得るが、ただし、合わせた単離大豆タンパク質のうちの高度に加水分解された単離大豆タンパク質の含量は、通常、合わせた単離大豆タンパク質の約40重量%未満であることを条件とする。さらに、使用される単離大豆タンパク質は、好ましくは、押出成形の際に単離物中のタンパク質が実質的に位置合わせされた繊維を形成できるようにするために十分なエマルジョン強度およびゲル強度を有する。本発明において有用な大豆タンパク質単離物の例は、例えばSolae,LLC(St.Louis,MO)から市販されており、SUPRO(登録商標)500E、およびSUPRO(登録商標)EX33を含む。
【0028】
あるいは、大豆タンパク質材料源として、単離大豆タンパク質の一部の代わりになるために大豆タンパク質濃縮物が単離大豆タンパク質とブレンドされてもよい。通常、大豆タンパク質濃縮物が単離大豆タンパク質の一部の代わりに使用される場合、大豆タンパク質濃縮物は、単離大豆タンパク質の約55重量%までの代わりに使用される。大豆タンパク質濃縮物は、大豆タンパク質単離物の約50重量%までの代わりに使用することができる。実施形態では、大豆タンパク質単離物の代わりに40重量%の大豆タンパク質濃縮物を使用することも可能である。別の実施形態では、代用される大豆タンパク質濃縮物の量は、大豆タンパク質単離物の約30重量%までである。本発明において有用な適切な大豆タンパク質濃縮物の例としては、ALPHATMDSP−C、ProconTM2000、ALPHATM12およびALPHATM5800が挙げられ、これらはSolae,LLC(St.Louis,MO)から市販されている。
【0029】
大豆粉が大豆タンパク質単離物の一部の代わりに使用される場合、大豆粉は、大豆タンパク質単離物の約35重量%までの代わりに使用される。大豆粉は、高タンパク質分散指数(PDI)の大豆粉でなければならない。大豆粉が使用される場合、出発材料は、好ましくは、脱脂大豆粉またはフレークである。全脂大豆は、約40重量%のタンパク質および約20重量%の油を含有する。脱脂大豆粉またはフレークが出発タンパク質材料を形成する場合には、これらの全脂全大豆は従来の方法によって脱脂され得る。例えば、豆は洗浄され、皮が剥かれ、破砕され、一連のフレーキングロールを通過させられ、そして次に、油を抽出して「使用済フレーク」を製造するためにヘキサンまたは他の適切な溶媒の使用による溶媒抽出にさらされ得る。脱脂フレークは、脱脂大豆粉を製造するために粉砕され得る。この方法はまだ全脂大豆粉と共に使用されていないが、全脂大豆粉もタンパク質源として役立つことができると考えられる。しかしながら、全脂大豆粉が加工される場合、油を除去するために、3段階遠心分離などの分離工程を用いる必要がある可能性が最も高い。さらに別の実施形態では、大豆タンパク質材料は、無水ベースで約49%〜約65%のタンパク質含量を有する脱脂大豆粉であってもよい。あるいは、大豆粉は大豆タンパク質単離物または大豆タンパク質濃縮物とブレンドされてもよい。
【0030】
(iii)繊維材料
当該技術分野において知られている食物繊維材料はどれも、本発明における繊維源として使用することができる。大豆子葉繊維は、場合により、繊維源として使用され得る。一般に、大豆タンパク質および大豆子葉繊維の混合物が同時押出される場合、適切な大豆子葉繊維は通常水と有効に結合し得る。これに関連して、「水と有効に結合する」は、一般に、大豆子葉繊維が大豆子葉繊維1グラムあたり少なくとも5.0〜約8.0グラムの水である水分保持能力を有し、好ましくは、大豆子葉繊維が大豆子葉繊維1グラムあたり少なくとも約6.0〜約8.0グラムの水である水分保持能力を有することを意味する。大豆タンパク質材料中に存在する場合、大豆子葉繊維は、一般に、無水ベースで約1重量%〜約20重量%、好ましくは無水ベースで約1.5重量%〜約20重量%、そして最も好ましくは無水ベースで約2重量%〜約5重量%の範囲の量で大豆タンパク質材料中に存在し得る。適切な大豆子葉繊維は市販されている。例えば、FIBRIM(登録商標)1260およびFIBRIM(登録商標)2000は、Solae,LLC(St.Louis,Mo.)から市販されている大豆子葉繊維材料である。
【0031】
(iv)動物タンパク質材料
様々な動物肉が、構造化タンパク質組成物において使用するためのタンパク質源として適している。食肉が得られる動物は従来の方法で飼育されてもよいし、有機的に飼育されてもよい。例として、種々の構造化植物性タンパク質特許のために特に定義される食肉および食肉原料には、完全なままのあるいは挽いた牛肉、豚肉、子羊肉、羊肉、馬肉、ヤギ肉、家禽(ニワトリ、アヒル、ガチョウまたは七面鳥などの飼いならされた鳥類)の肉、脂肪および皮、そしてより具体的には、任意の鳥類(任意の鳥の種)からの身の組織、淡水魚および塩水魚の両方に由来する魚の身、貝類および甲殻類由来の動物の身、凍結した魚、チキン、牛肉、豚肉などの切断からの凍結残渣などの加工から得られる動物の身のトリムおよび動物組織、鶏皮、豚皮、魚皮、牛脂肪、豚脂肪、子羊脂肪、鶏脂肪、七面鳥脂肪などの動物性脂肪、ラードおよび獣脂などのレンダリングした動物性脂肪、風味強化動物性脂肪、分別またはさらに加工した動物性脂肪組織、微細テクスチャ化した牛肉、微細テクスチャ化した豚肉、微細テクスチャ化した子羊肉、微細テクスチャ化したチキン、低温レンダリングした牛肉および低温レンダリングした豚肉などの低温レンダリングした動物組織、機械的に分離した牛肉、機械的に分離した豚肉、機械的に分離した魚(すり身を含む)、機械的に分離したチキン、機械的に分離した七面鳥などの機械的に分離した食肉または機械的に脱骨した食肉(MDM)(種々の機械的手段によって骨から除去された肉の身)、任意の調理した動物の身、ならびに任意の動物種に由来する内臓肉、そしてこれらの組み合わせが含まれる。肉の身は、動物組織の塩分画から得られる筋肉タンパク質画分、動物筋肉または食肉の等電分画および沈殿から得られるタンパク質原料、および高温骨抜きした食肉、ならびに機械的に調製したコラーゲン組織およびゼラチンを含むように拡張されるべきである。さらに、水牛、シカ、ヘラジカ、ムース、トナカイ、カリブー、レイヨウ、ウサギ、クマ、リス、ビーバー、マスクラット、フクロネズミ、アライグマ、アルマジロおよびヤマアラシなどの狩猟動物、ならびにヘビ、カメおよびトカゲなどの爬虫類生物、そしてこれらの組み合わせの食肉、脂肪、結合組織および内臓肉も食肉と考えられるべきである。
【0032】
さらなる実施形態では、動物肉は魚またはシーフードからのものでもよい。適切な魚の非限定的な例としては、バス、コイ、ナマズ、スギ、タラ、ハタ、カレイ、ハドック、ホキ、パーチ、ポラック、サケ、フエダイ、ヒラメ、マス、マグロ、ホワイトフィッシュ、ホワイティング、テラピア、およびこれらの組み合わせが挙げられる。シーフードの非限定的な例としては、ホタテガイ、エビ、ロブスター、クラム、カニ、イガイ、カキ、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0033】
本発明において様々な食肉品質が使用され得ることも想定される。食肉は、筋肉組織、臓器組織、結合組織、皮、およびこれらの組み合わせを含むことができる。食肉は、人間が消費するのに適した任意の動物肉であり得る。食肉は、レンダリングしていない非乾燥の生肉、生肉製品、生肉副産物、およびこれらの混合物であり得る。例えば、挽くかまたは厚切りにするか、もしくはステーキ形態の全筋肉食肉も用いることができる。別の実施形態では、食肉は、まず骨を破砕して動物組織を付着させ、次にふるいまたは同様のスクリーニング装置を通して動物組織を押し出す(骨は押し出さない)ことによって、動物組織から骨を分離する高圧機械を用いて形成された、機械的に脱骨または分離された生肉であり得る。この方法は、バターのような粘稠度を有する構造化されていないペースト様の柔らかい動物組織のブレンドを形成し、この材料は一般に機械的に脱骨された食肉またはMDMと呼ばれる。付加的な実施形態では、シーフード肉は、典型的なMDM法もしくは魚または貝類などのシーフード肉を骨または貝殻から分離するために当該技術分野において知られている任意の方法によって得ることができる。あるいは、食肉は、食肉副産物であってもよい。本発明との関連では、「食肉副産物」という用語は、屠殺された動物、魚、および貝類の屠殺体のレンダリングしていない部分を指すことが意図される。食肉副産物の例は、肺、脾臓、腎臓、脳、肝臓、血液材料、骨、部分的に脱脂された低温脂肪組織、胃、その内容物を含まない腸などの臓器および組織である。
【0034】
タンパク質源は、動物肉以外の動物由来のタンパク質であってもよい。例えば、タンパク質含有材料は乳製品に由来してもよい。適切な乳製品タンパク質製品には、無脂肪乾燥乳粉末、全乳粉末、乳タンパク質単離物、乳タンパク質濃縮物、カゼインタンパク質単離物、カゼインタンパク質濃縮物、カゼイン塩、ホエータンパク質単離物、ホエータンパク質濃縮物、およびこれらの組み合わせが含まれる。乳タンパク質含有材料は、雌ウシ、ヤギ、ヒツジ、ロバ、ラクダ、ラクダ科動物、ヤク、または水牛に由来し得る。例示的な実施形態では、乳製品タンパク質はホエータンパク質である。
【0035】
さらなる例として、タンパク質含有材料は卵製品からのものであってもよい。適切な卵タンパク質製品には、粉末卵、乾燥卵固形分、乾燥卵白タンパク質、液体卵白タンパク質、卵白タンパク質粉末、単離オボアルブミンタンパク質、およびこれらの組み合わせが含まれる。適切な単離卵タンパク質の例としては、オボアルブミン、オボグロブリン、オボムチン、オボムコイド、オボトランスフェリン、オボビテラ(ovovitella)、オボビテリン、アルブミン グロブリン、ビテリン、およびこれらの組み合わせが挙げられる。卵タンパク質製品は、ニワトリ、アヒル、ガチョウ、ウズラ、または他の鳥の卵に由来し得る。
【0036】
(v)タンパク質含有材料の組み合わせ
様々な源から単離されるタンパク質含有材料の非限定的な組み合わせは、表Aにおいて詳述される。一実施形態では、タンパク質含有材料は大豆に由来する。好ましい実施形態では、タンパク質含有材料は、大豆および小麦に由来する材料の混合物を含む。別の好ましい実施形態では、タンパク質含有材料は、大豆およびキャノーラに由来する材料の混合物を含む。さらに別の好ましい実施形態では、タンパク質含有材料は、大豆、小麦、および乳製品に由来する材料の混合物を含み、ここで、乳製品タンパク質はホエーである。
【0037】
(vi)ph調節剤
タンパク質含有材料はさらに、特定の最終用途のために所望されるテクスチャを得るために、pHを保持するためのpH調節剤を含むことができる。pH調節剤は、食品のpHを低下させる酸味料であってもよい。食品に添加することができる酸味料の例としては、クエン酸、酢酸(ビネガー)、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、乳酸、リン酸、ソルビン酸、安息香酸、およびこれらの組み合わせが挙げられる。使用されるpH調節剤の濃度は、使用されるタンパク質含有材料および着色剤に依存して異なり得る。通常、pH調節剤の濃度は、約0.001重量%〜約5.0重量%の範囲であり得る。一実施形態では、pH調節剤の濃度は、約0.01重量%〜約4.0重量%の範囲であり得る。別の実施形態では、pH調節剤の濃度は、約0.05重量%〜約3.0重量%の範囲であり得る。さらに別の実施形態では、pH調節剤の濃度は、約0.1重量%〜約3.0重量%の範囲であり得る。さらなる実施形態では、pH調節剤の濃度は、約0.5重量%〜約2.0重量%の範囲であり得る。別の実施形態では、pH調節剤の濃度は、約0.75重量%〜約1.0重量%の範囲であり得る。代替実施形態では、pH調節剤は、二リン酸二ナトリウムなどのpH上昇剤であってもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、所望のテクスチャを得るために、タンパク質含有材料のpHを酸性pH(すなわち、約7.0よりも低い)に調整することが望ましいこともある。従って、タンパク質含有材料はpH低下剤と接触させることができ、次に、混合物は以下で詳述される方法に従って押出される。一実施形態では、押出されるタンパク質含有材料のpHは、約6.0〜約7.0の範囲でよい。別の実施形態では、pHは約5.0〜約6.0の範囲でよい。代替の実施形態では、pHは約4.0〜約5.0の範囲でよい。さらに別の実施形態では、材料のpHは約4.0未満でよい。
【0039】
いくつかのpH低下剤は、本発明で使用するのに適している。pH低下剤は、有機酸であってもよい。あるいは、pH低下剤は無機酸であってもよい。例示的な実施形態では、pH低下剤は食品グレードの食用酸である。本発明で使用するのに適した非限定的な酸としては、酢酸、乳酸、塩酸、リン酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、およびこれらの組み合わせが挙げられる。例示的な実施形態では、pH低下剤は乳酸である。
【0040】
当業者により認識されるように、タンパク質含有材料と接触されるpH低下剤の量は、選択される薬剤、濃度、および所望のpHを含むいくつかのパラメータに応じて異なることが可能であり、異なるであろう。一実施形態では、pH低下剤の量は乾燥物質ベースで約0.1%〜約15%の範囲でよい。別の実施形態では、pH低下剤の量は乾燥物質ベースで約0.5%〜約10%の範囲でよい。代替の実施形態では、pH低下剤の量は乾燥物質ベースで約1%〜約5%の範囲でよい。さらに別の実施形態では、pH低下剤の量は乾燥物質ベースで約2%〜約3%の範囲でよい。
【0041】
いくつかの実施形態では、タンパク質含有材料のpHを上昇させることが望ましいこともある。従って、タンパク質含有材料はpH上昇剤と接触させることができ、次に、混合物は以下で詳述される方法に従って押出される。
【0042】
(b)付加的な原料
タンパク質に加えて他の原料添加剤も構造化タンパク質製品中で使用され得ることが想定される。このような原料の非限定的な例としては、糖、デンプン、オリゴ糖、および食物繊維が挙げられる。一例として、デンプンは、小麦、トウモロコシ、タピオカ、ジャガイモ、米などに由来し得る。適切な繊維源は、大豆子葉繊維であり得る。一般に、大豆タンパク質および大豆子葉繊維の混合物が同時押出成形される場合、適切な大豆子葉繊維は通常水と有効に結合し得る。これに関連して、「水と有効に結合する」は、一般に、大豆子葉繊維が大豆子葉繊維1グラムあたり少なくとも5.0〜約8.0グラムの水である水分保持能力を有し、好ましくは大豆子葉繊維が大豆子葉繊維1グラムあたり少なくとも約6.0〜約8.0グラムの水である水分保持能力を有することを意味する。大豆子葉繊維は、一般に、無水ベースで約1重量%〜約20重量%、好ましくは無水ベースで約1.5重量%〜約20重量%、そして最も好ましくは無水ベースで約2重量%〜約5重量%の範囲の量で大豆タンパク質含有材料中に存在し得る。適切な大豆子葉繊維は市販されている。例えば、FIBRIM(登録商標)1260およびFIBRIM(登録商標)2000は、Solae,LLC(St.Louis,MO.)から市販されている大豆子葉繊維材料である。
【0043】
本発明の範囲から逸脱することなく、上記で詳述したタンパク質含有材料の組み合わせのいずれかに1つまたは複数の酸化防止剤が添加されてもよい。酸化防止剤は、貯蔵寿命を長くするため、あるいは構造化タンパク質製品を栄養的に強化するために含まれ得る。適切な酸化防止剤の非限定的な例としては、BHA、BHT、TBHQ、ビタミンA、CおよびEならびに誘導体、酸化防止特性を有するカロテノイド、トコフェロールまたはフラボノイドを含有するのものなどの種々の植物抽出物、そしてこれらの組み合わせが挙げられる。酸化防止剤は、押出され得るタンパク質含有材料の約0.001重量%〜約10重量%、好ましくは約0.001重量%〜約5重量%、そしてより好ましくは約0.001重量%〜約2重量%のレベルの存在量を有し得る。
【0044】
タンパク質含有材料は、場合により、補足的なミネラルを含むこともできる。適切なミネラルは、1種または複数のミネラルまたはミネラル源を含み得る。ミネラルの非限定的な例としては、塩素、ナトリウム、カルシウム、鉄、クロム、銅、ヨウ素、亜鉛、マグネシウム、マンガン、モリブデン、リン、カリウム、セレン、およびこれらの組み合わせが挙げられる。前述のミネラルのいずれかの適切な形態には、可溶性ミネラル塩、わずかに可溶性のミネラル塩、不溶性ミネラル塩、キレート化ミネラル、ミネラル錯体、カルボニルミネラルなどの非反応性ミネラル、還元ミネラル、およびこれらの組み合わせが含まれる。
【0045】
遊離アミノ酸もタンパク質含有材料中に含まれ得る。適切なアミノ酸には、必須アミノ酸、すなわち、アルギニン、システイン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、チロシン、トリプトファン、バリン、およびこれらの組み合わせが含まれる。アミノ酸の適切な形態には、塩およびキレートの両方が含まれる。
【0046】
(c)含水量
当業者により認識されるように、タンパク質含有材料の含水量は押出成形法に依存して異なることが可能であり、異なるであろう。一般的に言えば、含水量は約1重量%〜約80重量%の範囲でよい。低水分の押出用途では、タンパク質含有材料の含水量は約1重量%〜約35重量%の範囲でよい。あるいは、高水分の押出用途では、タンパク質含有材料の含水量は約35重量%〜約80重量%の範囲でよい。例示的な実施形態では、押出物を形成するために用いられる押出用途は低水分である。実質的に位置合わせされた繊維を有するタンパク質を有する押出物を製造するための低水分押出成形法の例示的な例は、I(d)において詳述される。
【0047】
(d)タンパク質含有材料の押出成形
構造化タンパク質製品を調製するために適切な押出成形法は、タンパク質含有材料および他の原料を混合タンク(すなわち、原料ブレンダー)内に導入し、原料を混ぜ合わせて、ブレンドされたタンパク質材料プレミックスを形成することを含む。ブレンドされたタンパク質材料プレミックスはホッパーに移され、ブレンドされた原料はそこから水分と共に押出成形機内に導入され得る。別の実施形態では、ブレンドされたタンパク質材料プレミックスは、調整済タンパク質材料混合物を形成するために調整剤と混ぜ合わせることができる。次に、調整済材料は押出成形機内に供給することができ、タンパク質材料混合物はそこで押出成形機のスクリューにより生じる機械的圧下で加熱されて、溶融押出塊を形成する。あるいは、ブレンドされたタンパク質材料プレミックスは、水分および熱が導入されて溶融押出塊が形成される押出成形機内に、直接供給されてもよい。さらなる実施形態では、原料は、別個の流れとして予備調整器または押出成形機内に供給することができる。溶融押出塊は押出ダイを通って押出成形機を出て行き、実質的に位置合わせされたタンパク質繊維を有する構造化タンパク質製品を含む押出物が形成される。
【0048】
(i)押出成形法の条件
本発明の実施において有用である適切な押出成形装置の中には、例えば、米国特許第4,600,311号明細書に記載されるようなダブルバレルのツインスクリュー押出成形機がある。適切な市販の押出成形装置のさらなる例としては、CLEXTRAL Model BC−72押出成形機(Clextral,Inc.(Tampa,Florida)により製造される)、WENGER Model TX−57押出成形機、WENGER Model TX−168押出成形機、およびWENGER Model TX−52押出成形機(全てWenger Manufacturing,Inc.(Sabetha,Kansas)により製造される)が挙げられる。本発明における使用に適した他の従来の押出成形機は、例えば、米国特許第4,763,569号明細書、米国特許第4,118,164号明細書、および米国特許第3,117,006号明細書に記載されており、これらは参照によってその全体が本明細書に援用される。
【0049】
シングルスクリュー押出成形機も本発明において使用され得る。適切な市販のシングルスクリュー押出成形装置の例としては、WENGER Model X−175、WENGER Model X−165、およびWENGER Model X−85が挙げられ、これらは全て、Wenger Manufacturing,Inc.から入手可能である。
【0050】
ツインスクリュー押出成形機のスクリューは、バレル内で同一または反対方向に回転することができる。同一方向のスクリューの回転はシングルフローまたは同一方向回転と呼ばれ、反対方向のスクリューの回転はダブルフローまたはカウンター回転と呼ばれる。押出成形機のスクリューの速度は特定の装置に依存して異なり得るが、通常は、約250〜約450回転/分(rpm)である。一般に、スクリュー速度が増大するにつれて、押出物の密度は低下し得る。押出成形装置は、植物タンパク質材料の押出のための押出成形装置の製造業者により推奨されるように、混合およびせん断を向上させるために、シャフトおよびウォームセグメントから組み立てられたスクリューと、混合ローブ(lobe)およびリング型せん断ロック要素とを含有する。
【0051】
押出成形装置は一般に複数の加熱ゾーンを含み、タンパク質混合物は、押出ダイを通って押出成形装置を出て行く前に、機械的な圧力下で加熱ゾーン内を搬送される。一実施形態では、調整済プレミックスは押出成形装置内の4つの加熱ゾーンを通って移動され、溶融押出塊が約100℃〜約150℃の温度で押出ダイに入るように、タンパク質混合物は約100℃〜約150℃の温度に加熱される。当業者は、所望の特性を達成するために温度を調整して加熱または冷却できるであろう。通常、温度変化は作業入力によるものであり、突然起こり得る。従って、押出成形法にスチームとして導入される熱エネルギーと、熱エネルギーに変換される装置の機械エネルギーとの組み合わせは、押出成形装置内の温度を上昇させ、供給材料を熱可塑性溶融物に変えるために十分であり得るので、供給材料が熱可塑性溶融物になるために装置に熱を加える必要はないかもしれない。
【0052】
押出成形機バレル内の圧力は、通常、約50psig〜約500psigの間であり、好ましくは約75psig〜約200psigの間である。一般に、最後の2つの加熱ゾーン内の圧力は、約100psig〜約3000psigであり、好ましくは約150psig〜約500psigの間である。バレル圧力は、例えば、押出成形機スクリュー速度、混合物のバレルへの供給速度、水のバレルへの供給速度、およびバレル内の溶融塊の粘度、押出成形機バレル温度、ならびにダイ設計を含む多数の因子に依存する。
【0053】
水は押出成形機バレル内に注入され、タンパク質材料混合物を水和させ、タンパク質のテクスチャ化(texturization)を促進することができる。溶融押出塊の形成の補助として、水は可塑剤の働きをすることができる。水は、加熱ゾーンと連通する1つまたは複数の注入ジェットを介して押出成形機バレルに導入することができる。通常、バレル内の混合物は、約1重量%〜約35重量%の水を含有する。一実施形態では、バレル内の混合物は、約5重量%〜約20重量%の水を含有する。加熱ゾーンのいずれかへの水の導入速度は、一般に、所望の特性を有する押出物の製造を促進するために制御される。水のバレルへの導入速度が低下するにつれて、押出物の密度は低下することが観察されている。通常、タンパク質1kgあたり約1kg未満の水がバレルに導入される。好ましくは、タンパク質1kgあたり約0.1kg〜約1kgの水がバレルに導入される。
【0054】
(ii)任意的な予備調整
予備調整器において、タンパク質含有材料および他の原料(タンパク質含有混合物)は予備加熱され、水分と接触され、そして制御された温度および圧力条件下に保持されて、水分が個々の粒子に浸透して軟化できるようにする。予備調整工程は微粒子繊維材料混合物のバルク密度を増大させ、その流動特性を改善する。予備調整器は、タンパク質の均一の混合と、予備調整器を通るタンパク質混合物の移動とを促進するために、1つまたは複数のパドル付シャフトを含有する。パドルの形状および回転速度は、予備調整器の容量および長さ、押出成形機のスループット、および/または予備調整器または押出成形機バレル内での混合物の所望の滞留時間に依存して大きく異なる。一般に、パドルの速度は約100〜約1300回転/分(rpm)である。攪拌は均一な水和および良好な混合を得るため十分高くなければならない。
【0055】
通常、タンパク質含有混合物は、プレミックスを水分(すなわち、スチームおよび/または水)と接触させることによって、押出成形装置内に導入される前に予備調整される。好ましくは、タンパク質含有混合物は予備調整器内で約25℃〜約80℃、より好ましくは約30℃〜約40℃の温度に加熱される。
【0056】
通常、タンパク質含有プレミックスは、予備調整器の速度およびサイズに応じて、約0.5分〜約10.0分間調整される。例示的な実施形態では、タンパク質含有プレミックスは約3.0分〜約5.0分間調整される。さらなる例では、調整時間は約30秒〜約60秒間である。プレミックスは、スチームおよび/または水と接触され、所望の温度を達成するためにほぼ一定のスチーム流量で予備調整器内で加熱される。水および/またはスチームはプレミックスを調整し(すなわち、水和させ)、その密度を増大させ、そしてタンパク質がテクスチャ化される押出成形機バレルに導入される前に妨害されることなく乾燥ミックスの流動性を促進する。低水分プレミックスが所望される場合、調整済プレミックスは約1%〜約35%(重量による)の水を含有することができる。高水分プレミックスが所望される場合、調整済プレミックスは、約35%〜約80%(重量による)の水を含有することができる。
【0057】
調整済プレミックスは通常、約0.25g/cm3〜約0.60g/cm3のバルク密度を有する。一般に、予備調整済タンパク質混合物のバルク密度がこの範囲内で上昇するにつれて、タンパク質混合物は加工が容易になる。現在これはこのような混合物が押出成形機のスクリュー間の空間の全てまたは大部分を占め、それによりバレルを通る押出塊の搬送を容易にするためであると考えられている。また、より大きいせん断および圧力を生じて、溶融および押出塊をテクスチャ化する効率も改善する。
【0058】
(iii)押出成形法
乾燥プレミックスまたは調整済プレミックスは次に押出成形機内に供給され、混合物は加熱、せん断、そして最後に可塑化される。押出成形機は、任意の市販の押出成形機から選択することができ、スクリュー要素により混合物を機械的にせん断するシングルスクリュー押出成形機または好ましくはツインスクリュー押出成形機でよい。
【0059】
プレミックスが一般に押出成形装置に導入される速度は、特定の装置のサイズおよびモデルに依存して異なるであろう。一般に、プレミックスは、約75キログラム/分以下の速度で導入される。一般に、プレミックスの押出成形機への供給速度が増大するにつれて押出物の密度は低下することが観察されている。どんな押出成形機が使用されても、約50%過剰のモーター負荷で作動させるべきである。プレミックスが一般に押出成形装置に導入される速度は、特定の装置に依存して異なるであろう。通常、調整済プレミックスは、約16キログラム/分〜約60キログラム/分の間の速度で押出成形装置に導入される。別の実施形態では、調整済プレミックスは、20キログラム/分〜約40キログラム/分の間の速度で押出成形装置に導入される。調整済プレミックスは、約26キログラム/分〜約32キログラム/分の間の速度で押出成形装置に導入される。一般に、押出成形機へのプレミックスの供給速度が増大するにつれて押出物密度が低下することが観察されている。
【0060】
プレミックスは押出成形機によるせん断および圧力を受け、混合物が可塑化される。押出成形機のスクリュー要素は、押出成形機バレルおよびダイアセンブリを通って混合物を押し進めることによって、混合物をせん断すると共に圧力を生じる。スクリュー速度は、スクリュープロファイル、温度、および使用されるダイと共に、混合物に加えられるせん断および圧力の量を決定する。好ましくは、スクリュー速度は約200rpm〜約500rpm、より好ましくは約300rpm〜約450rpmに設定され、これにより混合物は、少なくとも約20キログラム/分、より好ましくは少なくとも約40キログラム/分の速度で押出成形機内を移動される。好ましくは、押出成形機は、約200〜約3000psigのダイ圧力を生じる。
【0061】
押出成形機は、混合物が押出成形機を通過する際に混合物の加熱し、混合物中のタンパク質をさらに変性させる。押出成形機を通過すると、変性タンパク質は再構築または再構成されて、実質的に位置合わせされたタンパク質繊維を有する構造化タンパク質材料を生じる。押出成形機は、混合物を約100℃〜約180℃の温度に加熱するための手段を含む。好ましくは、押出成形機内で混合物を加熱するための手段は押出成形機バレルジャケットを含み、スチームまたは水などの加熱または冷却手段をジャケット内に導入して、押出成形機を通過する混合物の温度を制御することができる。押出成形機は、押出成形機内の混合物にスチームを直接注入するためのスチーム注入ポートも含む。押出成形機は、押出成形機内の混合物にスチームを直接注入するためのスチーム注入ポートを含むこともできる。押出物の温度は、既に記載したように主に機械エネルギー入力によって決定されるが、押出成形機は、独立した温度に制御することができる多数の加熱ゾーンを含むことができ、好ましくは、加熱ゾーンの温度は押出成形機内を進行する際に混合物の温度を上昇させるように設定される。一実施形態では、押出成形機は4つの温度ゾーン構成で設定することができ、第1のゾーン(押出成形機の入口ポートに隣接)は約50℃〜約80℃の温度に設定され、第2のゾーンは約80℃〜100℃の温度に設定され、第3のゾーンは100℃〜約130℃の温度に設定され、そして第4のゾーン(押出成形機の出口ポートに隣接は)130℃〜150℃の温度に設定される。押出成形機は、所望されるように他の温度ゾーン構成で設定されてもよい。別の実施形態では、押出成形機は、5つの温度ゾーン構成で設定されてもよく、第1のゾーンは約25℃の温度に設定され、第2のゾーンは約50℃の温度に設定され、第3のゾーンは約95℃の温度に設定され、第4のゾーンは約130℃の温度に設定され、そして第5のゾーンは約150℃の温度に設定される。さらに別の実施形態では、押出成形機は6つの温度ゾーン構成で設定することができ、第1のゾーンは約90℃の温度に設定され、第2のゾーンは約100℃の温度に設定され、第3のゾーンは約105℃の温度に設定され、第4のゾーンは約100℃の温度に設定され、第5のゾーンは約120℃の温度に設定され、そして第6のゾーンは約130℃の温度に設定される。
【0062】
混合物は、押出成形機において溶融可塑化塊を形成する。ダイアセンブリは可塑化混合物が押出成形機の出口ポートからダイアセンブリへ流れることができるような構成で押出成形機に取り付けられ、ダイアセンブリを通って流れる際に可塑化混合物内のタンパク質繊維の実質的な位置合わせを生じる。ダイアセンブリは、フェースプレートダイ、周囲ダイ(peripheral die)、環状間隙ダイ(annular gap die)、または実質的に位置合わせされた繊維を形成し得ることが当該技術分野において知られている任意のダイアセンブリのいずれかを含むことができる。
【0063】
ダイ孔の幅および高さ寸法は、混合物の押出の前に、所望の寸法を有する繊維状材料の押出物を提供するように選択および設定される。ダイ孔の幅は、押出物が立体の塊肉からステーキヒレ肉までに似ているように設定することができ、ダイ孔の幅を広くすると、押出物の立体の塊のような性質が低下し、押出物のヒレ肉のような性質が高まる。好ましくは、ダイ孔の幅は、約5ミリメートル〜約40ミリメートルの幅に設定される。
【0064】
ダイ孔の高さ寸法は、押出物の所望の厚さを提供するように設定することができる。孔の高さは、非常に薄い押出物または厚い押出物を提供するように設定することができる。好ましくは、ダイ孔の高さは、約1ミリメートル〜約30ミリメートル、より好ましくは約8ミリメートル〜約16ミリメートルに設定され得る。
【0065】
また、ダイ孔は円形であり得ることも考えられる。ダイ孔の直径は、押出物の所望の厚さを提供するように設定することができる。孔の直径は、非常に薄い押出物または厚い押出物を提供するように設定することができる。好ましくは、ダイ孔の直径は、約1ミリメートル〜約30ミリメートル、より好ましくは約8ミリメートル〜約16ミリメートルに設定され得る。
【0066】
実質的に位置合わせされた構造化タンパク質繊維を製造するために本発明で使用するのに適した周囲ダイアセンブリの例は、米国仮特許出願第60/882,662号明細書、および米国特許出願第11/964,538号明細書に記載されており、参照によってその全体が本明細書に援用される。
【0067】
押出物は、ダイアセンブリを出た後に切断され得る。押出物を切断するために適切な装置には、Wenger Manufacturing,Inc.(Sabetha,Kansas)およびClextral,Inc.(Tampa,Florida)によって製造される、フェースダイ切断のためフレキシブルナイフおよび周囲切断のためのハードブレードが含まれる。通常、切断装置の速度は約100rpm〜約4500rpmである。最終的には、切断装置の速度は、最終用途の製品に所望される長さによって決定される。例示的な実施形態では、切断装置の速度は約1200rpmである。また、遅延切断が押出物に行われてもよい。このような遅延切断装置の一例はギロチン装置である。構造化タンパク質製品は、押出成形機から切断されると、特定のサイズおよび形の構造化タンパク質製品を調製するためにさらにサイズが低下され得る。サイズ低下のために用いられる装置には、Comitrol(登録商標)モデル2500 TranSlicer(登録商標)カッター(Urschel Laboratories,Inc.(Valparaiso,IN))、Urschel M6 Dicer(Urschel Laboratories,Inc.(Valparaiso,IN))、Comitrol(登録商標)Processor Model 2100(Urschel Laboratories,Inc.(Valparaiso,IN))およびFitzmill(登録商標)(Elmhurst,IL)などの、このような目的のために当該技術分野において知られている任意の装置が含まれる。
【0068】
乾燥器(1つが使用される場合)は、一般に、空気温度が異なり得る複数の乾燥ゾーンを含む。当該技術分野において知られている例としては、対流乾燥器が挙げられる。押出物は、所望の含水量を有する押出物を生じるのに十分な時間、乾燥器内に存在するであろう。従って、空気の温度は重要ではなく、より低い温度が使用される(50℃など)場合には、より高い温度が使用される場合よりも長い乾燥時間が必要とされるであろう。一般に、1つまたは複数のゾーン内の空気の温度は、約135℃〜約185℃であろう。適切な乾燥器としては、CPM Wolverine Proctor(Lexington,NC)、National Drying Machinery Co.(Trevose,PA)、Wenger(Sabetha,KS)、Clextral(Tampa,FL)、およびBuehler(Lake Bluff,IL)により製造されるものが挙げられる。
【0069】
別の選択は、マイクロ波により補助される乾燥を使用することである。この実施形態では、対流およびマイクロ波加熱の組み合わせを使用して、製品を所望の水分まで乾燥させる。マイクロ波により補助される乾燥は、強制空気対流加熱および乾燥を製品の表面に同時に用い、同時に、製品中に残存する水分を表面に押し出すマイクロ波加熱に製品をさらし、これにより対流加熱および乾燥を継続して製品を乾燥させることによって達成される。対流乾燥器のパラメータは既に記載したものと同一である。追加はマイクロ波加熱要素であり、マイクロ波の出力は、乾燥させる製品および所望の最終製品の水分に応じて調整される。一例として、製品は、マイクロ波エネルギーを製品に供給するための導波管と、マイクロ波がオーブンから出るのを防止するように設計されたチョークとを備えたトンネルを含有するオーブンを通して搬送することができる。製品がトンネルを通って搬送されると、対流およびマイクロ波加熱が同時に作用して製品の含水量を低下させ、乾燥させる。通常、空気温度は50℃〜約80℃であり、マイクロ波出力は、製品、製品がオーブン内にある時間、および所望される最終含水量に応じて変更される。
【0070】
所望の含水量は、押出物の意図される用途に依存して大きく異なり得る。一般的に言うと、押出された材料(構造化タンパク質製品)は約10%未満の水分の含水量を有し、さらなる例として、所望される場合には、構造化タンパク質製品は通常約5重量%〜約13重量%の含水量を有することができる。繊維を分離するために必要ではないが、水が吸収されるまで水中で水和させることとは、繊維を分離するための1つの方法である。構造化タンパク質製品が乾燥されない、または完全には乾燥されない場合、その含水量はより高く、一般に、約16重量%〜約30重量%であり得る。高い含水量を有する構造化タンパク質製品が製造される場合、製品の鮮度を保証し、腐敗を最小限にするために、構造化タンパク質製品は即時の使用または冷蔵を必要とし得る。
【0071】
押出物の平均粒径を小さくするために、押出物はさらに砕かれてもよい。通常、小さくされた押出物は約0.1mm〜約40.0mmの平均粒径を有する。1つの例では、小さくされた押出物は約5.0mm〜約30.0mmの平均粒径を有する。別の実施形態では、小さくされた押出物は約0.5mm〜約20.0mmの平均粒径を有する。さらなる実施形態では、小さくされた押出物は約0.5mm〜約15.0mmの平均粒径を有する。付加的な実施形態では、小さくされた押出物は約0.75mm〜約10.0mmの平均粒径を有する。さらに別の実施形態では、小さくされた押出物は約1.0mm〜約5.0mmの平均粒径を有する。粒径を小さくするために適切な装置には、Hosokawa Micron Ltd.(England)により製造されるMikro Hammer Millなどのハンマーミル、Fitzpatrick Company(Elmhurst、IL)により製造されるFitzmill(登録商標)、Urschel Laboratories、Inc.(Valparaiso、IN)により製造されるComitrol(登録商標)プロセッサ、およびRossKamp Champion(Waterloo、IL)により製造されるRossKamp Roller Millなどのローラーミルが含まれる。
【0072】
(e)構造化タンパク質製品のキャラクタリゼーション
上記のI(d)で製造された押出物(構造化タンパク質製品)は、通常、実質的に位置合わせされたタンパク質繊維を含む。本発明との関連では、「実質的に位置合わせされた」は、一般に、水平面で見たときに構造化タンパク質製品を形成するタンパク質繊維の著しく高い割合が約45°よりも小さい角度で互いに隣接しているようなタンパク質繊維の配列を指す。通常、構造化タンパク質製品を構成するタンパク質繊維の平均少なくとも55%は実質的に位置合わせされている。別の実施形態では、構造化タンパク質製品を構成するタンパク質繊維の平均少なくとも60%は実質的に位置合わせされている。さらなる実施形態では、構造化タンパク質製品を構成するタンパク質繊維の平均少なくとも70%は実質的に位置合わせされている。付加的な実施形態では、構造化タンパク質製品を構成するタンパク質繊維の平均少なくとも80%は実質的に位置合わせされている。さらに別の実施形態では、構造化タンパク質製品を構成するタンパク質繊維の平均少なくとも90%は実質的に位置合わせされている。
【0073】
タンパク質繊維の位置合わせの度合いを決定するための方法は当該技術分野において知られており、顕微鏡写真画像に基づく視覚的な決定を含む。例として、図1および2は、著しく交差したタンパク質繊維を有するタンパク質製品と比較して実質的に位置合わせされたタンパク質繊維を有する構造化タンパク質製品の違いを説明する顕微鏡写真画像を示す。図1は、実質的に位置合わせされたタンパク質繊維を有する、I(a)〜I(d)に従って調製された構造化タンパク質製品を示す。対照的に、図2は、著しく交差し、実質的に位置合わせされていないタンパク質繊維を含有するタンパク質製品を示す。図1に示されるようにタンパク質繊維が実質的に位置合わせされているので、本発明において使用される構造化タンパク質製品は概して動物肉のテクスチャおよび粘稠度を有する。対照的に、ランダムに配向されたあるいは交差されたタンパク質繊維を有する従来の押出物は概して柔らかいまたはスポンジ状のテクスチャを有する。
【0074】
実質的に位置合わせされたタンパク質繊維を有することに加えて、本発明の構造化タンパク質製品は、通常、完全なままの筋肉食品と実質的に同様のせん断強度も有する。本発明との関連では、「せん断強度」という用語は、全筋肉のようなテクスチャおよび外観を構造化タンパク質製品に付与するために十分な繊維網の形成を定量化するための1つの手段を提供する。せん断強度は、所与のサンプルをせん断するために必要とされる最大力(グラム)である。せん断強度を測定するための方法は、実施例9に記載されている。一般的に言えば、本発明の構造化タンパク質製品は、少なくとも1400グラムの平均せん断強度を有するであろう。付加的な実施形態では、構造化タンパク質製品、約1500〜約1800グラムの平均せん断強度を有し得る。さらに別の実施形態では、構造化タンパク質製品は、約1800〜約2000グラムの平均せん断強度を有し得る。さらなる実施形態では、構造化タンパク質製品は、約2000〜約2600グラムの平均せん断強度を有し得る。付加的な実施形態では、構造化タンパク質製品は、少なくとも2200グラムの平均せん断強度を有し得る。さらなる実施形態では、構造化タンパク質製品は、少なくとも2300グラムの平均せん断強度を有し得る。さらに別の実施形態では、構造化タンパク質製品は、少なくとも2400グラムの平均せん断強度を有し得る。さらに別の実施形態では、構造化タンパク質製品は、少なくとも2500グラムの平均せん断強度を有し得る。さらなる実施形態では、構造化タンパク質製品は、少なくとも2600グラムの平均せん断強度を有し得る。
【0075】
形成されたタンパク質繊維のサイズおよび構造化タンパク質製品中のタンパク質繊維の量を定量化するための手段は、シュレッドキャラクタリゼーション(shred characterization)試験によって行うことができる。シュレッドキャラクタリゼーションは、構造化タンパク質製品中に形成された大きい断片の割合を大まかに決定する試験である。間接的な方法で、シュレッドキャラクタリゼーションの割合は、構造化タンパク質製品中のタンパク質繊維の位置合わせの度合いおよび繊維強度を定量化するための付加的な手段を提供する。一般的に言えば、大きい断片の割合が増大するにつれて、構造化タンパク質製品内で位置合わせされたタンパク質繊維の度合いも通常増大する。反対に、大きい断片の割合が低下するにつれて、構造化タンパク質製品内で位置合わせされたタンパク質繊維の度合いも通常低下する。シュレッドキャラクタリゼーションを決定するための方法は、実施例10において詳述される。本発明の構造化タンパク質製品は、通常、大きい断片が少なくとも10重量%の平均シュレッドキャラクタリゼーションを有する。さらなる実施形態では、構造化タンパク質製品は、大きい断片が約10重量%〜約20重量%の平均シュレッドキャラクタリゼーションを有する。別の実施形態では、構造化タンパク質製品は、大きい断片が約20重量%〜約30重量%の平均シュレッドキャラクタリゼーションを有する。さらに別の実施形態では、構造化タンパク質製品は、大きい断片が約30重量%〜約40重量%の平均シュレッドキャラクタリゼーションを有する。さらに別の実施形態では、構造化タンパク質製品は、大きい断片が約40重量%〜約50重量%の平均シュレッドキャラクタリゼーションを有する。さらに別の実施形態では、構造化タンパク質製品は、大きい断片が約50重量%〜約60重量%の平均シュレッドキャラクタリゼーションを有する。さらに別の実施形態では、構造化タンパク質製品は、大きい断片が約60重量%〜約70重量%の平均シュレッドキャラクタリゼーションを有する。さらに別の実施形態では、構造化タンパク質製品は、大きい断片が約70重量%〜約80重量%の平均シュレッドキャラクタリゼーションを有する。さらに別の実施形態では、構造化タンパク質製品は、大きい断片が約80重量%〜約90重量%の平均シュレッドキャラクタリゼーションを有する。別の実施形態では、平均シュレッドキャラクタリゼーションは、大きい断片が少なくとも90重量%、少なくとも91重量%、少なくとも92重量%、少なくとも93重量%、少なくとも94重量%、少なくとも95重量%、少なくとも96重量%、少なくとも97重量%、少なくとも98重量%、少なくとも99重量%、または100重量%である。
【0076】
本発明の適切な構造化タンパク質製品は、一般に、実質的に位置合わせされたタンパク質繊維を有し、少なくとも1400グラムの平均せん断強度を有し、そして大きい断片が少なくとも10重量%の平均シュレッドキャラクタリゼーションを有する。より一般的には、構造化タンパク質製品は、少なくとも55%位置合わせされたタンパク質繊維を有し、少なくとも1800グラムの平均せん断強度を有し、そして大きい断片が少なくとも15重量%の平均シュレッドキャラクタリゼーションを有するであろう。例示的な実施形態では、構造化タンパク質製品は、少なくとも55%位置合わせされたタンパク質繊維を有し、少なくとも2000グラムの平均せん断強度を有し、そして大きい断片が少なくとも17%の平均シュレッドキャラクタリゼーションを有するであろう。別の例示的な実施形態では、構造化タンパク質製品は、少なくとも55%位置合わせされたタンパク質繊維を有し、少なくとも2200グラムの平均せん断強度を有し、そして大きい断片が少なくとも20重量%の平均シュレッドキャラクタリゼーションを有するであろう。
【0077】
構造化タンパク質製品は、SUPRO(登録商標)MAX5050またはSUPRO(登録商標)MAX5000(Solae,LLC(St.Louis,MO))などの上記の構造化植物性タンパク質製品であり得る。また構造化タンパク質製品は、RESPONSETM4400(Solae,LLC(St.Louis,MO))などの構造化植物性タンパク質濃縮物、またはCENTEXTM(Solae,LLC(St.Louis,MO))などの構造化植物性タンパク質粉であってもよい。構造化植物性タンパク質製品は、種々の食品に取り込まれるために水和されてもよい。豆腐は、以下の実施例において記載されるように、構造化タンパク質製品を水和させるために使用することができる。絹ごし豆腐または木綿豆腐のいずれも使用することができる。木綿豆腐が使用される場合、水和構造化植物性タンパク質組成物を形成するために付加的な水が組成物に添加されなければならない。豆腐:構造化植物性タンパク質の比率は約2:1〜約6:1である。
【0078】
一実施形態では、グルテンを含まない水和構造化大豆タンパク質組成物は、構造化大豆タンパク質濃縮物のRESPONSETM4400を使用することによって製造される。
【0079】
別の実施形態では、構造化タンパク質製品を水和させるために豆乳および凝固剤が使用される。まず、豆乳は構造化タンパク質製品と混合され、次に混合物に凝固剤が添加されて、水和構造化タンパク質組成物が形成される。凝固剤は、硫酸カルシウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、グルコノデルタラクトン、キトサン、ミョウバン、にがりまたは苦汁、酵素、例えばトランスグルタミナーゼ、パパイン、ビネガー、レモンジュース、ライムジュース、およびこれらの混合物などの、この用途で作用し得ることが当該技術分野において知られている任意の凝固剤であり得る。
【0080】
(II)再構成食肉組成物および再構成食品組成物
構造化タンパク質製品は、本発明において、再構成食肉組成物および再構成食品組成物中の成分として用いられる。再構成食肉組成物は動物肉および構造化タンパク質製品の混合物を含んでもよいし、あるいは食肉を含まず、主として構造化タンパク質製品を含んでもよい。再構成食肉組成物の製造方法は、一般に、場合により動物肉と混合し、構造化タンパク質製品を着色および水和(豆腐により)させ、その粒径を低下させ、そして食肉を含む食品に組成物をさらに加工することを含む。再構成食品組成物は、粉砕野菜、粉砕果実、またはその両方と、構造化タンパク質製品とを含むことができる。
【0081】
まず骨を破砕して動物組織を付着させ、次にふるいまたは同様のスクリーニング装置を通して動物組織を押し出す(骨は押し出さない)ことによって動物組織から骨を分離する高圧機械を用いて機械的に脱骨または分離された生肉を製造することは、当該技術分野においてよく知られている。本発明における動物組織は、筋肉組織、臓器組織、結合組織および皮を含む。この方法は、バターのような粘稠度を有する構造化されていないペースト様の柔らかい動物組織のブレンドを形成し、一般に、機械的に脱骨された食肉またはMDMと呼ばれる。このペースト様ブレンドは、約0.25〜約15ミリメートルの粒径、好ましくは約5ミリメートルまでの粒径、そして最も好ましくは約3ミリメートルまでの粒径を有する。
【0082】
食肉を挽いたら、個々のストリップまたはピースへの切削性(cutability)を提供するために凍結する必要はない。食肉ミールとは違って、生肉は、タンパク質対水分の比率が約1:3.6〜1:3.7である自然の高含水量を有する。
【0083】
本発明で使用される生肉は、消費するのに適した任意の食用肉でよい。食肉は、レンダリングしていない非乾燥の生肉、生肉製品、生肉副産物、およびこれらの混合物でもよい。食肉または食肉製品は粉砕され、微生物腐敗を回避するために、完全に凍結した状態で、新鮮な非凍結状態で、または新鮮な非凍結の、予め塩漬けされ、予めキュア処理された状態で日々供給され得る。一般に、粉砕食肉の温度は約40℃(104°F)よりも低く、好ましくは約10℃(50°F)よりも低く、より好ましくは約−4℃(25°F)〜約6℃(43°F)であり、そして最も好ましくは約−2℃(28°F)〜約2℃(36°F)である。冷蔵またはチルド食肉が使用されてもよいが、プラントサイトで大量の非凍結食肉を長期間貯蔵することは実用的でない。凍結製品は、冷蔵またはチルド製品よりも長い保持期間を提供する。
【0084】
調理肉は、食品を形成するために水和構造化タンパク質組成物と組み合わせることができる。さらに、この組み合わせは、スパイス、野菜、果実、堅果の仁、シリアル粒(cereal grain)、風味料およびデンプンなどの添加原料を含有してもしなくてもよい。さらに、食品は、レトルト、オーブン、スチームまたはマイクロ波調理され得る。このような食品組成物は、約3%〜約95%の間の調理肉を含有し得る。
【0085】
再構成食肉組成物は、場合により、再構成食品組成物を製造するために粉砕野菜または粉砕果実とブレンドされてもよい。一般に、再構成食肉組成物は、同様の粒径を有する粉砕野菜または粉砕果実とブレンドされるであろう。
【0086】
様々な野菜または果実が再構成食品組成物における使用に適している。通常、再構成食品組成物中の粉砕野菜または粉砕果実の量に対する水和構造化タンパク質組成物の量は、組成物の意図される用途に応じて異なることが可能であり、異なるであろう。例として、再構成食品組成物中の粉砕野菜または粉砕果実の濃度は、約95重量%、90重量%、85重量%、80重量%、75重量%、70重量%、65重量%、60重量%、55重量%、50重量%、45重量%、40重量%、35重量%、30重量%、25重量%、20重量%、15重量%、10重量%、5重量%、2重量%、または0重量%であり得る。従って、再構成食品組成物中の水和構造化植物タンパク質組成物の濃度は、約5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、80重量%、85重量%、90重量%、95重量%、または99重量%であり得る。例示的な実施形態では、再構成食品組成物は、通常、約40重量%〜約60重量%の水和構造化タンパク質組成物と、約40重量%〜約60重量%の粉砕野菜または粉砕果実とを有するであろう。
【0087】
構造化タンパク質組成物は、場合により、再構成食品組成物を製造するために粉砕野菜または粉砕果実とブレンドされてもよい。一般に、構造化タンパク質組成物は、同様の粒径を有する粉砕野菜または粉砕果実とブレンドされるであろう。
【0088】
様々な野菜または果実が再構成食品組成物における使用に適している。通常、再構成食品組成物中の粉砕野菜または粉砕果実の量に対する水和構造化タンパク質組成物の量は、組成物の意図される用途に応じて異なることが可能であり、異なるであろう。例として、再構成食品組成物中の粉砕野菜または粉砕果実の濃度は、約95重量%、90重量%、85重量%、80重量%、75重量%、70重量%、65重量%、60重量%、55重量%、50重量%、45重量%、40重量%、35重量%、30重量%、25重量%、20重量%、15重量%、10重量%、5重量%、2重量%、または0重量%であり得る。従って、再構成食品組成物中の水和構造化植物タンパク質組成物の濃度は、約5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、80重量%、85重量%、90重量%、95重量%、または99重量%であり得る。例示的な実施形態では、再構成食品組成物は、通常、約40重量%〜約60重量%の水和構造化タンパク質組成物と、約40重量%〜約60重量%の粉砕野菜または粉砕果実とを有するであろう。
【0089】
(a)構造化タンパク質製品の水和および着色
構造化タンパク質製品は、通常、構造化タンパク質製品が使用され得るどんな最終用途の食品にも似ているように着色剤によって着色される。
【0090】
着色剤は、押出成形機に供給される前にタンパク質含有材料および他の原料と混合され得る。あるいは、着色剤は、押出成形機に供給された後にタンパク質含有材料および他の原料と混ぜ合わせられてもよい。
【0091】
着色剤は、天然着色剤、天然着色剤の組み合わせ、人工着色剤、人工着色剤の組み合わせ、または天然および人工着色剤の組み合わせであり得る。食品における使用が認可された天然着色剤の適切な例としては、アンナット(赤みを帯びたオレンジ)、アントシアニン(赤〜青、pHに依存)、ビートジュース、β−カロテン(オレンジ)、β−APO 8 カロテナール(オレンジ)、クロフサスグリ、バーントシュガー(burnt sugar)、カンタキサンチン(ピンク−赤)、カラメル、カルミン/カルミン酸(鮮やかな赤)、コチニール抽出物(赤)、クルクミン(黄−オレンジ)、ラック(深紅)、ルテイン(赤−オレンジ)、リコペン(オレンジ−赤)、混合カロテノイド(オレンジ)、モナスカス(monascus)(赤−紫、発酵赤米から)、パプリカ、赤キャベツジュース、リボフラビン(黄)、サフラン、二酸化チタン(白)、ターメリック(黄−オレンジ)が挙げられる。米国において食品使用が認可された人工着色剤の適切な例としては、FD&C Red No.3(Erythrosine)、FD&C Red No.40(Allure Red)、FD&C Yellow No.5(Tartrazine)、FD&C Yellow No.6(Sunset YELLOW FCF)、FD&C Blue No.1(Brilliant Blue)、FD&C Blue No.2(Indigotine)が挙げられる。他の国で使用され得る人工着色剤としては、Cl Food Red 3(Carmoisine)、Cl Food Red 7(Ponceau 4R)、Cl Food Red 9(Amaranth)、Cl Food YELLOW 13(Quinoline Yellow)、およびCl Food Blue 5(Patent Blue V)が挙げられる。食品着色剤は染料でもよく、これは水溶性の粉末、顆粒、または液体である。あるいは、天然および人工食品着色剤は、染料および不溶性材料の組み合わせであるレーキ顔料でもよい。レーキ顔料は油溶性ではないが、油に分散性であり、分散によって薄く着色する。
【0092】
様々な形態の適切な着色剤をタンパク質含有材料と混ぜ合わせることができる。非限定的な例としては、染料、レーキ、分散剤、および顔料が挙げられる。使用される着色剤の種類および濃度は、使用されるタンパク質含有材料および着色構造化タンパク質製品の所望の色に依存して異なり得る。通常、染料、レーキ、分散剤、および顔料の濃度は、約0.001重量%〜約5.0重量%の範囲であり得る。一実施形態では、染料、レーキ、分散剤、および顔料の濃度は、約0.01重量%〜約4.0重量%の範囲であり得る。別の実施形態では、染料、レーキ、分散剤、および顔料の濃度は、約0.05重量%〜約3.0重量%の範囲であり得る。さらに別の実施形態では、染料、レーキ、分散剤、および顔料の濃度は、約0.1重量%〜約3.0重量%の範囲であり得る。さらなる実施形態では、染料、レーキ、分散剤、および顔料の濃度は、約0.5重量%〜約2.0重量%の範囲であり得る。別の実施形態では、染料、レーキ、分散剤、および顔料の濃度は、約0.75重量%〜約1.0重量%の範囲であり得る。
【0093】
(b)任意的な原料の添加
再構成食肉組成物または食品組成物は、場合により、所望の風味またはテクスチャを付与するため、あるいは最終食品を栄養的に強化するために、様々な風味料、スパイス、酸化防止剤、または他の原料を含んでもよい。当業者により認識されるように、再構成食肉組成物に添加される原料の選択は、製造される食品に応じて異なることが可能であり、異なるであろう。
【0094】
(III)食品
再構成食肉組成物または食品組成物は、様々な形状を有する様々な食品に加工され得る。水和構造化タンパク質組成物が、ゲル化タンパク質、動物性脂肪、塩化ナトリウム、リン酸塩(トリポリリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸塩など)、着色剤、キュア処理剤、酸化防止剤、抗菌剤、風味料、またはこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの原料をさらに含む場合、組成物および方法は、水和構造化タンパク質組成物、動物肉、粉砕野菜、または粉砕果実、および水のみを用いる組成物および方法と同様の手順で完了される。構造化タンパク質製品は、まず、繊維を露出および分離するために水和および細断され得る。水和および細断が完了すると、着色剤を添加することができる。動物肉、粉砕野菜、または粉砕果実、および水が添加され、均質な塊が得られるまで内容物は混合される。この後、動物性脂肪、風味料、塩化ナトリウム、リン酸塩、およびゲル化タンパク質を添加することができる。付加的な実施形態では、塩およびリン酸塩と一緒に亜硝酸ナトリウムが添加され得る。
【0095】
野菜組成物は、構造化タンパク質組成物、好ましくは水和および細断構造化大豆タンパク質組成物を粉砕野菜と混ぜ合わせ、水和および細断構造化大豆タンパク質組成物ならびに粉砕野菜を混合して、実質的に位置合わせされたタンパク質繊維を有する均質な繊維状の構造化野菜製品を製造する方法によって調製することができる。
【0096】
野菜組成物の例としては、ベジタリアンパティ、ベジタリアンホットドッグ、ベジタリアンソーセージ、およびベジタリアンクランブルなどのベジタリアン食品が挙げられる。ベジタリアン食品の別の例は、水和および細断タンパク質組成物で増量されたチーズ製品である。
【0097】
果実製品は、タンパク質組成物、好ましくは水和および細断構造化大豆タンパク質組成物を粉砕果実と混ぜ合わせ、水和および細断構造化大豆タンパク質組成物ならびに粉砕果実を混合して、実質的に位置合わせされたタンパク質繊維を有する均質な繊維状の構造化果実製品を製造することによって調製することができる。
【0098】
果実組成物の例としては、果実ロールアップ、果実含有シリアル、および果実クランブルなどのスナック食品が挙げられる。
【0099】
定義
本明細書で使用される「動物肉」または「食肉」という用語は、動物から得られる筋肉、臓器、およびこれらの副産物を指し、ここで、動物は陸生動物でも水生動物でもよい。
【0100】
本明細書で使用される「粉砕果実」という用語は、1つまたは複数の粉砕した果実などの粉砕した果実と共に、単一果実のピューレまたは混合果実ピューレを指す。
【0101】
本明細書で使用される「粉砕食肉」という用語は、動物屠殺体から回収された食肉ペーストを指す。骨上の食肉、または食肉および骨は、食肉が骨から分離されてサイズが小さくなるように、脱骨装置内を通して押し出される。骨から離れた食肉は、脱骨装置ではさらに処理されない。食肉は、小径の孔を有するシリンダーを通して押し出されることによって食肉/骨混合物から分離される。食肉は液体の役割を果たし、孔を通って押し出され、残存する骨材料は後に残されたままである。砕いた食肉の脂肪含量は、動物性脂肪の添加によって上方に調整することができる。
【0102】
本明細書で使用される「粉砕野菜」という用語は、1つまたは複数の粉砕した野菜などの粉砕した野菜と共に、単一野菜のピューレまたは混合野菜ピューレを指す。
【0103】
本明細書で使用される「押出物」という用語は、押出成形の生成物を指す。これに関連して、実質的に位置合わせされたタンパク質繊維を含む植物タンパク質製品は、いくつかの実施形態では押出物であり得る。
【0104】
本明細書で使用される「繊維」という用語は、実施例2に詳述されるシュレッドキャラクタリゼーション試験が実施された後に、長さ約4センチメートルおよび幅約0.2センチメートルのサイズを有する植物タンパク質製品を指す。これに関連して、「繊維」という用語は、大豆子葉繊維などの栄養のある繊維の種類を含まず、植物タンパク質製品を構成する実質的に位置合わせされたタンパク質繊維の構造形成も指さない。
【0105】
本明細書で使用される「グルテン」という用語は小麦などの穀物の粉のタンパク質部分を指し、これは、高い含量のタンパク質と、独特の構造および接着特性とを有する。
【0106】
本明細書で使用される「グルテンを含まないデンプン」という用語は、変性タピオカデンプンなどの種々のデンプン製品を指す。グルテンを含まないまたは実質的にグルテンを含まないデンプンは、小麦、トウモロコシ、およびタピオカベースのデンプンから製造される。これらは、小麦、オート麦、ライ麦または大麦からのグルテンを含有しないのでグルテンを含まない。
【0107】
本明細書で使用される「水和試験」という用語は、既知の量のタンパク質組成物を水和させるために必要な時間の量(分)を測定する。
【0108】
本明細書で使用される「大きい断片」という用語は、着色または非着色構造化植物タンパク質製品のシュレッドの割合が特徴付けられる手段である。シュレッドキャラクタリゼーションの決定は実施例10で詳述される。
【0109】
本明細書で使用される「機械的に脱骨された食肉(MDM)」という用語は、市販の装置を用いて牛肉、豚肉および鶏肉の骨から回収される食肉ペーストを指す。MDMは、無処置の筋肉において見られる天然繊維のテクスチャが欠けている、砕かれた製品である。
【0110】
本明細書で使用される「含水量」という用語は材料中の水分の量を指す。材料の含水量は、参照によってその全体が本明細書中に援用されるA.O.C.S.(American Oil Chemists Society)法Ba 2a−38(1997年)によって決定することができる。
【0111】
本明細書で使用される、例えば大豆タンパク質含量などの「タンパク質含量」という用語は、材料サンプルの合計窒素含量をアンモニアとして決定し、サンプルの合計窒素含量の6.25倍としてタンパク質含量を決定するA.O.C.S.(American Oil Chemists Society)公定法Bc 4−91(1997年)、Aa 5−91(1997年)、またはBa 4d−90(1997年)(それぞれ、参照によってその全体が本明細書中に援用される)によって確認されるような材料の相対的なタンパク質含量を指す。
【0112】
本明細書で使用される「タンパク質繊維」という用語は、本発明の構造化植物性タンパク質の構造を一緒に確定する様々な長さの個々の連続フィラメントまたは別個の長尺片を指す。さらに、本発明の着色および非着色構造化植物タンパク質製品はいずれも実質的に位置合わせされたタンパク質繊維を有するので、タンパク質繊維の配列が全食肉筋肉のテクスチャを着色および非着色構造化植物タンパク質製品に付与する。
【0113】
本明細書で使用される「せん断強度」という用語は、形成される食品に食肉様のテクスチャおよび外観を付与するために十分な強度を有する繊維網をテクスチャ化タンパク質が形成する能力を測定する。せん断強度はグラムで測定される。
【0114】
本明細書で使用される「疑似」という用語は、動物肉を含有しない動物肉様の組成物を指す。
【0115】
本明細書で使用される「大豆子葉繊維」という用語は、少なくとも約70%の食物繊維を含有する大豆子葉の多糖類部分を指す。大豆子葉繊維は通常いくらか少量の大豆タンパク質を含有するが、100%の繊維を含んでもよい。本明細書で使用される大豆子葉繊維は、大豆皮の繊維を指さない、あるいは含まない。一般的に、大豆子葉繊維は、大豆の皮および胚を除去し、子葉をフレークまたは粉砕して、フレークまたは粉砕子葉から油を除去し、そして大豆子葉繊維を子葉の大豆タンパク質および炭水化物材料から分離することによって大豆から形成される。
【0116】
本明細書で使用される「大豆タンパク質濃縮物」という用語は、無水ベースで約65%から約90%未満までの大豆タンパク質のタンパク質含量を有する大豆材料である。大豆タンパク質濃縮物は、無水ベースで通常約3.5重量%から約20重量%までの大豆子葉繊維も含有し得る。大豆タンパク質濃縮物は、大豆の皮および胚を除去し、子葉をフレークまたは粉砕して、フレークまたは粉砕子葉から油を除去し、そして大豆タンパク質および大豆子葉繊維を子葉の可溶性炭水化物から分離することによって大豆から形成される。
【0117】
本明細書で使用される「大豆粉」という用語は、全脂大豆粉、酵素活性大豆粉、脱脂大豆粉、およびこれらの混合物を指す。脱脂大豆粉は、粒子がNo.100メッシュ(米国基準)スクリーンを通過できるようなサイズを有する粒子で形成された、好ましくは約1%未満の油を含有する脱脂大豆材料の砕いた形態を指す。大豆ケーク、チップ、フレーク、ミール、または材料の混合物は、従来の大豆粉砕方法を用いて大豆粉に砕かれる。大豆粉は、無水ベースで約49%〜約65%の大豆タンパク質含量を有する。好ましくは、粉は非常に細かく粉砕され、最も好ましくは、300メッシュ(米国基準)スクリーン上に約1%未満の粉が保持されるように粉砕される。全脂大豆粉は、元の油を全て(通常、18%〜20%)含有する粉砕した全大豆を指す。粉は酵素活性でもよいし、あるいは熱加工またはトーストして酵素活性を最小限にしてもよい。酵素活性大豆粉は、その天然酵素を無効にしないために最小限に熱処理された全脂大豆粉を指す。
【0118】
本明細書で使用される「大豆タンパク質単離物」という用語は、無水ベースで少なくとも約90%の大豆タンパク質のタンパク質含量を有する大豆材料である。大豆タンパク質単離物は、子葉から大豆の皮および胚を除去し、子葉をフレークまたは粉砕してフレークまたは粉砕子葉から油を除去し、子葉の大豆タンパク質および可溶炭水化物を子葉繊維から分離し、次いで大豆タンパク質を可溶炭水化物から分離することによって大豆から形成される。
【0119】
本明細書で使用される「デンプン」という用語は、任意の天然源から得られるデンプンを指す。典型的なデンプン源は、シリアル、塊茎、根、および果実である。
【0120】
本明細書で使用される「ストランド」という用語は、実施例10で詳述されるシュレッドキャラクタリゼーション試験が実施された後に、長さが約2.5〜約4センチメートルであり、幅が約0.2センチメートルよりも広いサイズを有する構造化植物タンパク質製品を指す。
【0121】
本明細書で使用される「豆腐」という用語は凝固した豆乳を指し、絹ごしでも木綿でもよい。
【0122】
本明細書で使用される「無水ベースの重量」という用語は、乾燥させて全ての水分を完全に除去した後の材料の重量(例えば、材料の含水量は0%である)を指す。特に、材料の無水ベースの重量は、材料が恒量に達するまで材料を100℃のオーブン内に入れた前後の材料を秤量することによって得ることができる。
【0123】
本明細書で使用される「小麦粉」という用語は、小麦の製粉から得られる粉を指す。一般的に言えば、小麦粉の粒径は約14μm〜約120μmである。
【0124】
以下の特許および特許出願は、参照によってその全体が本明細書に援用される:米国特許出願第11/437,164号明細書(構造化大豆タンパク質製品の製造を開示)、米国特許出願第11/749,590号明細書(構造化大豆タンパク質製品の製造を開示)、米国特許出願第11/857,876号明細書(シーフードおよび脂肪酸と混ぜ合わせた構造化大豆タンパク質製品を開示)、米国特許出願第11/852,637号明細書(構造化大豆タンパク質を含むレトルト魚製品を開示)、米国特許出願第11/868,087号明細書(pHレベルの調整による構造化大豆タンパク質製品のテクスチャの変更を開示)、米国特許出願第11/963,375号明細書(構造化大豆タンパク質を含み、さらに熱変性着色系を含む生バーガーを開示)、米国特許出願第11/942,860号明細書(乳化肉用途における構造化大豆タンパク質製品の使用を開示)、米国特許出願第11/942,860号明細書(乳化肉用途における構造化大豆タンパク質製品の使用を開示)、米国特許出願第12/053,975号明細書(ペットフードおよび動物飼料用途における構造化大豆タンパク質製品の使用を開示)、米国特許出願第12/059,432号明細書(魚MDMを含んだ構造化大豆タンパク質製品の使用を開示)、米国特許出願第12/057,834号明細書(調理肉を含んだ構造化大豆タンパク質製品の使用を開示)、米国特許出願第12/059,961号明細書(着色構造化タンパク質製品を開示)。
【0125】
以下の実施例は、本発明の好ましい実施形態を実証するために含まれる。以下の実施例で開示される技術が、本発明者らにより開示される本発明の技術を表し、本発明の実施において十分に機能することは当業者により認識されるべきである。しかしながら、当業者は、本開示を考慮すれば、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、開示される特定の実施形態において多くの変化が成され、それでも同様または類似の結果が得られることを認識すべきであり、従って、添付図面に説明または図示される全てのことは例示的であると解釈されるべきであり、限定的な意味で解釈されてはならない。
【実施例】
【0126】
実施例1〜11は、本発明の種々の実施形態を説明する。
【0127】
実施例1
SUPRO(登録商標)MAX5050およびSUPRO(登録商標)MAX5000(いずれもSolae,LLC(St.Louis,MO)から)などの構造化大豆タンパク質製品、ならびにRESPONSETM4400(Solae,LLC(St.Louis,MO))などの構造化大豆タンパク質濃縮物を水和させるために豆腐を使用する。全てのブレンディングは、パドルアタッチメントの付いたHobartミキサー(Model A−200、Troy,OH)を用いて行う。ブレンドはこれ以上粉砕せずに、Hollymatic成形機(Hollymatic Corporation(Countryside,IL))を用いてパティに成形する。対流熱およびスチームの組み合わせ選択肢が選択されたCombo Oven(Groen Combination Steamer Oven、Model CC20−E Convection Combo、Groen(Jackson,MS))において、全ての製品を350°Fで167°Fまで調理する。次に、さらなる試験の前に、貯蔵のために全ての製品を凍結する。
【0128】
豆腐だけ、または豆腐と水のブレンドを使用して、構造化植物性タンパク質原料を水和させる。絹ごし豆腐および木綿豆腐は地元のスーパーマーケットから入手され、同じ会社(VitaSoy USA,Inc.(Ayer,MA))によって商標名NASOYA(登録商標)で製造される。Waringコマーシャルブレンダー(Model 38BL19、Torrington,CT)を用いて低速で30秒間、そして高速で15秒間、絹ごし豆腐(豆腐カードおよび充填液の全ての充填内容物を用いる)を液化する。次に、この液化した絹ごし豆腐材料を用いて、種々の構造化植物性タンパク質を水和させて水和構造化植物性タンパク質組成物を形成する。Waringブレンダーを用いて低速で30秒間、そして高速で15秒間、木綿豆腐(豆腐カードおよび充填液の全ての充填内容物を用いる)を液化する。次に、液化した木綿豆腐に、2:1の豆腐対水の割合で水道水を添加する。次に、液化木綿豆腐および水の混合物を、Waringブレンダー内で高速で15秒間ブレンドする。次に、液化木綿豆腐および水のこの2:1ブレンドを用いて、種々の構造化植物性タンパク質を水和させて水和構造化植物性タンパク質組成物を形成する。
【0129】
次に、水和構造化植物性タンパク質組成物は、以下の実施例4〜8に開示されるように食肉と混ぜ合わせることもできるし、あるいは水和構造化植物性タンパク質組成物を用いて、食肉類似品、および他の食品を製造することもできる。
【0130】
実施例2
SUPRO(登録商標)MAX5050およびSUPRO(登録商標)MAX5000(いずれもSolae,LLC(St.Louis,MO)から)などの構造化大豆タンパク質製品、ならびにRESPONSETM4400(Solae,LLC(St.Louis,MO))などの構造化大豆タンパク質濃縮物は、水によって水和させ、次にブレンド中の豆腐と混ぜ合わせることができる。全てのブレンディングは、パドルアタッチメントの付いたHobartミキサー(Model A−200、Troy,OH)を用いて行う。ブレンドはこれ以上粉砕せずに、Hollymatic成形機(Hollymatic Corporation(Countryside,IL))を用いてパティに成形する。対流熱およびスチームの組み合わせ選択肢が選択された350°Fに設定したCombination Oven(Groen Combination Steamer Oven、Model CC20−E Convection Combo、Groen(Jackson,MS))において、全ての製品を℃(167°F)まで調理する。次に、さらなる試験の前に貯蔵のために全ての製品を凍結する。
【0131】
絹ごし豆腐および木綿豆腐は地元のスーパーマーケットから入手され、同じ会社((VitaSoy USA,Inc.(Ayer,MA))によって商標名NASOYA(登録商標)で製造される。Waringコマーシャルブレンダー(Model 38BL19、Torrington,CT)を用いて低速で30秒間、そして高速で15秒間、絹ごし豆腐(豆腐カードおよび充填液の全ての充填内容物を用いる)を液化する。次に、この液化した絹ごし豆腐材料を、水和構造化植物性タンパク質組成物とのブレンド中で用いる。Waringブレンダーを用いて低速で30秒間、そして高速で15秒間、木綿豆腐(豆腐カードおよび充填液の全ての充填内容物を用いる)を液化する。次に、液化した木綿豆腐に、2:1の豆腐対水の割合で水道水を添加する。次に、液化木綿豆腐および水の混合物を、Waringブレンダー内で高速で15秒間ブレンドする。次に、液化木綿豆腐および水のこの2:1ブレンドを、水和構造化植物性タンパク質組成物とのブレンドに添加する。
【0132】
次に、水和構造化植物性タンパク質組成物および豆腐のブレンドは、以下の実施例4〜8に開示されるように食肉と混ぜ合わせることもできるし、あるいは水和構造化植物性タンパク質組成物および豆腐のブレンドを用いて、食肉類似品、および他の食品を製造することもできる。
【0133】
実施例3
豆乳および凝固剤を、SUPRO(登録商標)MAX5050およびSUPRO(登録商標)MAX5000(いずれもSolae,LLC(St.Louis,MO)から)などの構造化大豆タンパク質製品、ならびにRESPONSETM4400(Solae,LLC(St.Louis,MO))などの構造化大豆タンパク質濃縮物と混ぜ合わせて、水和構造化植物性タンパク質組成物を形成する。全てのブレンディングは、パドルアタッチメントの付いたHobartミキサー(Model A−200、Troy,OH)を用いて行う。ブレンドはこれ以上粉砕せずに、Hollymatic成形機(Hollymatic Corporation(Countryside,IL))を用いてパティに成形する。対流熱およびスチームの組み合わせ選択肢が選択されたCombo Oven(Groen Combination Steamer Oven、Model CC20−E Convection Combo、Groen(Jackson,MS))において、製品を350°Fで167°Fまで調理する。次に、さらなる試験の前に、貯蔵のために全ての製品を凍結する。
【0134】
豆乳を構造化大豆タンパク質と混合する。次に、豆乳および構造化大豆タンパク質の混合物に凝固剤を添加して、水和構造化植物性タンパク質組成物を形成する。
【0135】
次に、水和構造化植物性タンパク質組成物は、食肉と混ぜ合わせて種々の食肉製品を形成することもできるし、あるいは水和構造化植物性タンパク質組成物を用いて、食肉類似品、および他の食品を製造することもできる。
【0136】
実施例4〜8のための製品の製造
SUPRO(登録商標)MAX5050およびSUPRO(登録商標)MAX5000(いずれもSolae,LLC(St.Louis,MO)から)などの構造化大豆タンパク質製品、ならびにRESPONSETM4400(Solae,LLC(St.Louis,MO))などの構造化大豆タンパク質濃縮物を水和させるための豆腐の使用は、完全調理したチキンパティモデルを用いることにより完了させた。使用した鶏胸肉は、1/2インチのサイズに粉砕し、そしてさらに1/4インチに粉砕した。使用した鶏皮は、1/2インチのサイズに粉砕し、そしてさらに1/4インチに粉砕した。全てのブレンディングは、パドルアタッチメントの付いたHobartミキサー(Model A−200、Troy,OH)を用いて完了させた。ブレンドはこれ以上粉砕せずに、Hollymatic成形機(Hollymatic Corporation(Countryside,IL))を用いてパティに成形した。対流熱およびスチームの組み合わせ選択肢が選択された350°Fに設定したCombo Oven(Groen Combination Steamer Oven、MODEL CC20−E Convection Combo、Groen(Jackson,Mississippi,39212))において、製品を167°Fまで調理した。次に、さらなる官能的および物理的評価の前に貯蔵のために全ての製品を凍結した。
【0137】
通常の水による水和を用いる代わりに、豆腐だけ、または豆腐と水のブレンドを使用して、構造化植物性タンパク質を水和させた。使用した絹ごし豆腐および木綿豆腐は、地元のスーパーマーケットから入手され、同じ会社(VitaSoy USA,Inc.(Ayer,MA 01432))によって商標名NASOYA(登録商標)で製造された。Waringコマーシャルブレンダー(Model 38BL19、Torrington,CT 06790)を用いて低速で30秒間、そして高速で15秒間、絹ごし豆腐(豆腐カードおよび充填液の全ての充填内容物を用いる)を液化した。次に、この液化した絹ごし豆腐材料を用いて、種々の構造化植物性タンパク質を水和させた。Waringブレンダーを用いて低速で30秒間、そして高速で15秒間、木綿豆腐(豆腐カードおよび充填液の全ての充填内容物を用いる)を液化した。次に、この液化した木綿豆腐に、2:1の豆腐対水の割合で水道水を添加した。次に、液化木綿豆腐および水の混合物を、Waringブレンダーにおいて高速で15秒間ブレンドした。次に、液化木綿豆腐および水のこの2:1ブレンドを用いて、種々の構造化植物性タンパク質を水和させた。これは、この研究の処理名において「木綿(firm)」豆腐と呼ばれる。
【0138】
実験において使用される各構造化植物性タンパク質タイプに対する対照処理があった。対照は、構造化植物性タンパク質が通常使用されるように水で水和させた。
【0139】
2つの異なる手順に従って、チキンパティの製造においてSUPRO(登録商標)MAX5050を使用した。一方は、マトリックスの食肉部分への添加の前に水和および細断したSUPRO(登録商標)MAX5050材料を与え、そして他方は、マトリックスの食肉部分への添加の前に水和および粉砕したSUPRO(登録商標)MAX5050であった。この方法の詳細な説明は以下に見出すことができる。これらの手順の違いのために、これらの2つは別々に議論され、粉砕SUPRO(登録商標)MAX5050または細断SUPRO(登録商標)MAX5050と呼ばれる。
【0140】
実施例4
【表2】

【0141】
豆腐を含んだ製品のために、実験の前日に、液化した豆腐をSUPRO(登録商標)MAX5050に添加して、真空パッケージ内で真空下の静止状態においてSUPRO(登録商標)MAX5050を水和させた。水で水和させた対照は、配合において使用する前に約30分間、SUPRO(登録商標)MAX5050に水を添加させて、真空パッケージ内で真空下の静止状態において保持した。次に、配合(表1)において使用する前に、これらのSUPRO(登録商標)MAX5050の流れのそれぞれを1/4インチに粉砕した。粉砕SUPRO(登録商標)MAX5050処理品の3つ全てのために、以下のブレンディング手順を使用した:粉砕鶏胸肉、粉砕鶏皮、塩、およびトリポリリン酸ナトリウムをミキサーボウルに添加して、パドルにより3分間混合した。次に、SUPRO(登録商標)500E、配合用の水(formula water)、粉砕SUPRO(登録商標)MAX5050、およびスパイスを添加して、さらに3分間混合した。次に、既に説明したように、ブレンドをパティに成形し、完全に調理し、そして凍結した。
【0142】
実施例5
【表3】

【0143】
豆腐による細断SUPRO(登録商標)MAX5050処理のために、ミキサーボウル内で、液化豆腐をSUPRO(登録商標)MAX5050に添加し、25分間浸漬させた。次にミキサーのパドルのスイッチをオンにし、35分間、SUPRO(登録商標)MAX5050を細断および水和させた。細断SUPRO(登録商標)MAX5050対照は、ミキサーボウル内で細断して水で水和させたが、パドルは35分間オンにした。細断SUPRO(登録商標)MAX5050処理品の3つ全てのために、表2の配合を使用し、以下の手順を用いた:細断SUPRO(登録商標)MAX5050を既に含有しているミキサーボウルに、粉砕鶏胸肉、粉砕鶏皮、塩、およびトリポリリン酸ナトリウムを添加し、パドルにより3分間混合した。次に、SUPRO(登録商標)500E、配合用の水、およびスパイスを添加して、さらに3分間混合した。次に、既に説明したように、ブレンドをパティに成形し、完全に調理し、そして凍結した。
【0144】
実施例6
【表4】

【0145】
豆腐によるSUPRO(登録商標)MAX5000処理のために、真空パッケージ内で、液化豆腐をSUPRO(登録商標)MAX5000に添加し、配合(表3)において使用する前に、静止状態の真空下で30分間水和を保持した。対照処理品において使用したSUPRO(登録商標)MAX5000は、配合において使用する前に、静止状態で水に10分間浸漬した。SUPRO(登録商標)MAX5000処理品の3つ全てのために、以下のブレンド手順を使用した:粉砕鶏胸肉、粉砕鶏皮、塩、およびトリポリリン酸ナトリウムをミキサーボウルに添加して、パドルにより3分間混合した。次に、SUPRO(登録商標)500E、配合用の水、水和SUPRO(登録商標)MAX5000、およびスパイスを添加して、さらに3分間混合した。次に、既に説明したように、ブレンドをパティに成形し、完全に調理し、そして凍結した。
【0146】
実施例7
【表5】

【0147】
豆腐によるRESPONSETM4400処理のために、真空パッケージ内で、液化豆腐をRESPONSETM4400に添加し、配合(表4)において使用する前に、静止状態の真空下で30分間水和を保持した。RESPONSETM4400の対照処理品は、静止状態で水に10分間浸漬することによって、水で水和させた。RESPONSETM4400処理品の3つ全てのために以下のブレンド手順を使用した:粉砕鶏胸肉、粉砕鶏皮、塩、およびトリポリリン酸ナトリウムをミキサーボウルに添加してパドルにより3分間混合した。次に、SUPRO(登録商標)500E、配合用の水、水和RESPONSETM4400、およびスパイスを添加して、さらに3分間混合した。次に、既に説明したように、ブレンドをパティに成形し、完全に調理し、そして凍結した。
【0148】
実施例8
【表6】

【0149】
構造化植物性タンパク質を含有する処理品と比較するために、全食肉対照製品を製造した。配合(表5)には、他の配合と同レベルのSUPRO(登録商標)500E、配合用の水、塩、トリポリリン酸ナトリウム、およびスパイスが含まれており、4%+/−1%の同等の脂肪の割合で鶏胸肉および鶏皮の量を増大させた。以下のブレンド手順によりブレンドを製造した:粉砕鶏胸肉、粉砕鶏皮、塩、およびトリポリリン酸ナトリウムをミキサーボウルに添加して、パドルにより2分間混合した。次に、SUPRO(登録商標)500E、配合用の水、およびスパイスを添加して、さらに2分間混合した。他の処理品に等しい食肉タンパク質抽出レベルを保持し、そして過剰なタンパク質抽出が製品の官能特性およびテクスチャ特性に影響を与えることを防止するために、混合時間を短くした。次に、既に説明したように、ブレンドをパティに成形し、完全に調理し、そして凍結した。
【0150】
実施例9.せん断強度の決定
以下の手順によって、サンプルのせん断強度をグラムで測定して決定することができる。構造化タンパク質製品のサンプルを秤量し、ヒートシール可能なポーチに入れ、サンプル重量の約3倍の室温の水道水でサンプルを水和させる。約0.01バールの圧力までポーチを排気し、ポーチを密封する。サンプルを約12〜約24時間水和させる。水和サンプルを取り出し、テクスチャアナライザからのナイフがサンプルの直径を通って切断するように向けられたテクスチャアナライザの基板に置く。さらに、サンプルは、ナイフがテクスチャ化断片の長手軸に垂直に切断するようにテクスチャアナライザナイフの下側で向けられなければならない。押出物を切断するために使用される適切なナイフは、Texture Technologies(米国)により製造されるインサイザーブレード(incisor blade)のモデルTA−45である。この試験を実施するための適切なテクスチャアナライザは、25、50、または100キログラムの負荷を備えたStable Micro Systems Ltd.(英国)により製造されるモデルTA、TXT2である。この試験との関連では、せん断強度は、サンプルをせん断するために必要とされる最大力(グラム)である。
【0151】
実施例10.シュレッドキャラクタリゼーションの決定
シュレッドキャラクタリゼーションを決定するための手順は以下のように実行することができる。丸ごとの片だけを用いて約150グラムの構造化タンパク質製品を秤量する。サンプルをヒートシール可能なプラスチックバッグに入れ、25℃で約450グラムの水を添加する。約150mmHgでバッグを真空密封し、内容物を約60分間水和させる。シングルブレードパドルを備えたKitchen AidミキサーモデルKM14G0の水和サンプルをボウルに入れ、内容物を130rpmで2分間混合する。パドルおよびボウルの側面をスクレイプし、スクレイプしたものをボウルの底に戻す。混合およびスクレイプを2回繰り返す。ボウルから約200gの混合物を取り出す。2.5cmよりも長い全ての繊維または長尺ストランドが細断混合物から隔離されるようにその混合物を分離する。細断混合物から分別された繊維群を秤量し、この重量を出発重量(例えば、約200g)で割り、この値に100をかける。これにより、サンプル中の大きい断片の割合が決定される。得られる値が15%よりも低いか、あるいは20%よりも高ければ試験は完了である。値が15%と20%の間であれば、ボウルからさらに約200gを秤量し、2.5cmよりも長い繊維または長尺ストランドを細断混合物から分離し、計算を再度実施する。
【0152】
実施例11.植物性タンパク質製品の製造
以下の押出成形法を使用して、本発明の着色構造化植物タンパク質製品を調製することができる。以下の:1000キログラム(kg)のSupro 620(大豆単離物)、440kgの小麦グルテン、171kgの小麦デンプン、34kgの大豆子葉繊維、10kgのキシロース、9kgのリン酸二カルシウム、および1kgのL−システインを乾燥ブレンド混合容器に添加する。内容物を混合して、乾燥ブレンド大豆タンパク質混合物を形成する。次に、乾燥ブレンドをホッパーに移し、乾燥ブレンドは480kgの水と共に、そこから予備調整器に導入され、調整済大豆タンパク質予備混合物が形成される。次に、調整済の大豆タンパク質予備混合物は、25kg/分以下の速度でツインスクリュー押出成形装置に供給される。押出成形装置は5つの温度制御ゾーンを含み、タンパク質混合物は、第1のゾーンの約25℃から、第2のゾーンの約50℃、第3のゾーンの約95℃、第4のゾーンの約130℃、そして第5のゾーンの約150℃の温度に制御される。押出塊は、第1のゾーンの少なくとも約400psigから、第5のゾーンの約1500psigまでの圧力を受ける。加熱ゾーンと連通する1つまたは複数の注入ジェットを介して、水60kgが押出成形機バレルに注入される。溶融押出塊は、ダイおよび裏板からなるダイアセンブリを通って押出成形機バレルから出る。塊がダイアセンブリから流れ出る際、その中に含有されるタンパク質繊維は、互いに実質的に位置合わせされて、繊維状押出物を形成する。繊維状押出物はダイアセンブリを出るとナイフで切断され、切断された塊は次に約10重量%の含水量まで乾燥される。
【0153】
本発明は例示的な実施形態に関連して説明されたが、説明を読めばこれらの種々の変更は業者に明らかになり得ることは理解されるべきである。従って、本明細書に開示される本発明が、特許請求の範囲の範囲内に含まれるこのような変更を包含するように意図されることは理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造化植物性タンパク質と、
豆腐と
を含み、水和構造化植物性タンパク質組成物を形成するために前記豆腐が前記構造化植物性タンパク質と混合された水和構造化植物性タンパク質組成物。
【請求項2】
食品を形成するために混合された請求項1に記載の水和植物性タンパク質組成物および食肉を含む食品。
【請求項3】
水をさらに含む請求項1に記載の水和構造化植物性タンパク質組成物。
【請求項4】
前記構造化植物性タンパク質が、構造化大豆タンパク質、構造化キャノーラタンパク質、構造化トウモロコシタンパク質、およびこれらの混合物からなる群から選択される請求項1に記載の水和構造化植物性タンパク質組成物。
【請求項5】
前記構造化植物性タンパク質が、単離大豆タンパク質、大豆タンパク質濃縮物、大豆粉、およびこれらの混合物からなる群から選択される構造化大豆タンパク質である請求項4に記載の水和構造化植物性タンパク質組成物。
【請求項6】
構造化植物性タンパク質に対する豆腐の比率が4:1である請求項1に記載の水和構造化植物性タンパク質組成物。
【請求項7】
前記食肉が、鶏肉、牛肉、豚肉、魚、シーフード、およびこれらの混合物からなる群から選択される請求項2に記載の食品。
【請求項8】
請求項1に記載の水和構造化植物性タンパク質組成物を含む食品。
【請求項9】
前記豆腐が、絹ごし豆腐、木綿豆腐、およびこれらの混合物からなる群から選択される請求項1に記載の水和構造化植物性タンパク質組成物。
【請求項10】
前記豆腐が木綿豆腐であり、前記水和構造化植物性タンパク質がさらに水を含む請求項9に記載の水和構造化植物性タンパク質組成物。
【請求項11】
前記構造化大豆タンパク質が構造化大豆タンパク質濃縮物であり、前記水和構造化植物性タンパク質がグルテンを含まない請求項5に記載の水和構造化植物性タンパク質組成物。
【請求項12】
(a)構造化植物性タンパク質と、
(b)豆乳と、
(c)凝固剤と
を含む水和構造化植物性タンパク質組成物。
【請求項13】
前記凝固剤が、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、およびこれらの混合物からなる群から選択される請求項12に記載の水和構造化植物性タンパク質組成物。
【請求項14】
(a)構造化植物性タンパク質を豆乳と混合するステップと、
(b)凝固剤を添加して、水和構造化植物性タンパク質組成物を形成するステップと
を含む水和構造化植物性タンパク質組成物の製造方法。
【請求項15】
(a)構造化大豆タンパク質と、
(b)豆腐と
を含み、水和構造化大豆タンパク質組成物を形成するために前記豆腐が前記構造化大豆タンパク質と混合された水和構造化大豆タンパク質組成物。
【請求項16】
請求項1に記載の挽肉組成物を含む食品。
【請求項17】
前記食品がパティまたはリンクに形成された請求項16に記載の食品。
【請求項18】
前記パティがビーフパティまたはソーセージパティである請求項17に記載の食品。
【請求項19】
ミートボール、ミートローフ、バター(衣)−パン粉の付いた製品、および再構成食肉製品からなる群から選択される製品を含む請求項16に記載の食品。
【請求項20】
請求項12に記載の挽肉組成物を含むビーフパティ。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−535029(P2010−535029A)
【公表日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−519259(P2010−519259)
【出願日】平成20年8月1日(2008.8.1)
【国際出願番号】PCT/US2008/072022
【国際公開番号】WO2009/018548
【国際公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【出願人】(504140299)ソレイ リミテッド ライアビリティ カンパニー (42)
【Fターム(参考)】