説明

貫通孔形成方法、およびインクジェットヘッドの製造方法

【課題】シリコン単結晶基板に形成する貫通孔の幅をより細くすること。
【解決手段】まず、シリコンリザーバ基板2の内部のノズル連通孔7の形成予定部分24に改質領域25を形成する。続いて、シリコンリザーバ基板2に異方性エッチングを行い、改質領域25を形成した部分を除去し、改質領域25を除去してなる空洞を拡大する。これによって、シリコンリザーバ基板2にノズル連通孔7を形成する。そのため、改質領域25を形成した部分を異方性エッチングし、異方性エッチングによって当該部分にノズル連通孔7を形成できる。そのため、シリコンリザーバ基板2に形成されるノズル連通孔7の幅を、改質領域25の幅と同等の大きさとすることができる。したがって、シリコンリザーバ基板2により細いノズル連通孔7を形成できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコン単結晶基板に貫通孔を形成する貫通孔形成方法、およびインクジェットヘッドの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の技術としては、例えば、特許文献1に記載されているものがある。
この特許文献1に記載の技術では、まず、主面の面方位が(110)面のシリコン単結晶基板の表面に、貫通孔の開口部の形成予定部分と対向する部分に開口部が形成されたエッチング耐性膜を設ける。続いて、エッチング耐性膜が形成されたシリコン単結晶基板の表面に、シリコン単結晶基板に吸収されるレーザ光を集光し、シリコン単結晶基板の貫通孔の形成予定部分を、主面側から当該主面と反対側の面までレーザ光で融除して先行穴を形成する。続いて、改質領域が形成されたシリコン単結晶基板に異方性エッチングを行い、主面と直交する(111)面が露呈するまで先行穴を拡大する。
これによって、シリコン単結晶基板に、主面と垂直な方向に延びる貫通孔を形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−166600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1に記載の技術では、シリコン単結晶基板の貫通孔の形成予定部分をレーザ光で融除して先行穴を形成するようになっている。
そのため、例えば、シリコン単結晶基板が厚い場合には、シリコン単結晶基板が薄い場合に比べ、レーザ光のエネルギを高くする必要がある。それゆえ、レーザ光のエネルギが高くなることで、シリコン単結晶基板に形成される先行穴の直径が大きくなる。その結果、異方性エッチングによって先行穴を拡大して得られる貫通孔の幅が大きくなる。
本発明の技術的課題は、上記のような点に着目し、シリコン単結晶基板に形成する貫通孔の幅をより細くすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記技術的課題を解決するために、本発明の各態様は、以下のような構成からなる。
本発明の第1の態様は、
主面の面方位が(110)面のシリコン単結晶基板に、前記主面と垂直な方向に延びる貫通孔を形成する貫通孔形成方法であって、前記シリコン単結晶基板の表面に、前記貫通孔の開口部の形成予定部分と対向する位置に開口部が形成された耐エッチングマスク膜を形成するマスク膜形成工程と、前記耐エッチングマスク膜が形成された前記シリコン単結晶基板の内部に前記シリコン単結晶基板および前記耐エッチングマスク膜を透過するレーザ光を集光し、前記貫通孔の形成予定部分に改質領域を形成する改質領域形成工程と、前記改質領域が形成されたシリコン単結晶基板に異方性エッチングを行い、前記シリコン単結晶基板の内部から前記改質領域を形成した部分およびその周辺部を、主面と直交する(111)面が露呈するまで除去するエッチング工程と、を有することを特徴とする。
このような態様によれば、改質領域を形成した部分を異方性エッチングし、異方性エッチングによって当該部分に貫通孔を形成できる。そのため、シリコン単結晶基板に形成される貫通孔の幅を、改質領域の幅と同等の大きさとすることができる。
したがって、シリコン単結晶基板により細い貫通孔を形成することが可能となる。
【0006】
また、本発明の第2の態様は、
主面の面方位が(110)面のシリコン単結晶基板に、前記主面と垂直な方向に延びる貫通孔を形成する貫通孔形成方法であって、前記シリコン単結晶基板の内部に前記シリコン単結晶基板を透過するレーザ光を集光し、前記貫通孔の形成予定部分に改質領域を形成する改質領域形成工程と、前記改質領域が形成された前記シリコン単結晶基板の表面に、前記貫通孔の開口部の形成予定部分と対向する位置に開口部が形成された耐エッチングマスク膜を形成するマスク膜形成工程と、前記耐エッチングマスク膜が形成されたシリコン単結晶基板に異方性エッチングを行い、前記シリコン単結晶基板の内部から前記改質領域を形成した部分およびその周辺部を、主面と直交する(111)面が露呈するまで除去するエッチング工程と、を有することを特徴とする。
このような態様によれば、改質領域を形成した部分を異方性エッチングし、異方性エッチングによって当該部分に貫通孔を形成できる。そのため、シリコン単結晶基板に形成される貫通孔の幅を、改質領域の幅と同等の大きさとすることができる。
したがって、シリコン単結晶基板により細い貫通孔を形成することが可能となる。
【0007】
さらに、本発明の第3の態様は、
前記改質領域形成工程は、
前記シリコン単結晶基板に形成する前記貫通孔が複数であり、それら複数の前記貫通孔の形成予定部分それぞれに、前記レーザ光の出射方向に沿って前記改質領域を複数層形成する場合には、前記シリコン単結晶基板の主面と直交する方向に対して前記集光レンズの焦点を順次移動させると共に、前記集光レンズの焦点が前記複数の前記貫通孔の形成予定部分それぞれを順次通過するように、前記シリコン単結晶基板の主面と平行な方向に対して前記集光レンズの焦点を順次移動させ、前記集光レンズの焦点が前記貫通孔の形成予定部分にあるときに、前記レーザ光の集光を行うことを特徴とする。
このような態様によれば、集光レンズの焦点をレーザ光の出射方向に移動させる回数を低減することができる。
これにより、複数層の改質領域の形成に要する時間を短縮することができる。
【0008】
また、本発明の第4の態様では、
主面の面方位が(110)面のシリコン単結晶基板に、前記主面と垂直な方向に延びる貫通孔であるノズル連通孔を形成するインクジェットヘッドの製造方法であって、前記シリコン単結晶基板の表面に、前記ノズル連通孔の開口部の形成予定部分と対向する位置に開口部が形成された耐エッチングマスク膜を形成するマスク膜形成工程と、前記耐エッチングマスク膜が形成された前記シリコン単結晶基板の内部に前記シリコン単結晶基板および前記耐エッチングマスク膜を透過するレーザ光を集光し、前記ノズル連通孔の形成予定部分に改質領域を形成する改質領域形成工程と、前記改質領域が形成されたシリコン単結晶基板に異方性エッチングを行い、前記シリコン単結晶基板の内部から前記改質領域を形成した部分およびその周辺部を、主面と直交する(111)面が露呈するまで除去するエッチング工程と、を有することを特徴とする。
このような態様によれば、改質領域を形成した部分を異方性エッチングし、異方性エッチングによって当該部分にノズル連通孔を形成できる。そのため、シリコン単結晶基板に形成されるノズル連通孔の幅を、改質領域の幅と同等の大きさとすることができる。
したがって、シリコン単結晶基板により細い貫通孔を形成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】インクジェットヘッド1の概略構成を示す概念図である。
【図2】レーザ加工装置8の概略構成を示す概念図である。
【図3】マスク膜形成工程の説明に用いる模式図である。
【図4】改質領域形成工程の説明に用いる模式図である。
【図5】改質領域25の形成位置の説明に用いる模式図である。
【図6】改質領域形成工程の実行によって得られるシリコンリザーバ基板2を表す模式図である。
【図7】エッチング工程の説明に用いる模式図である。
【図8】エッチング工程の実行によって得られるシリコンリザーバ基板2を表す模式図である。
【図9】第1実施形態の貫通孔形成方法の検証結果を示す図である。
【図10】改質領域形成工程の説明に用いる模式図である。
【図11】レーザ光源15によるレーザ光18の出射タイミングを示す図である。
【図12】図12は、比較例の説明のための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。
本実施形態の貫通孔形成方法では、静電アクチュエータ方式のインクジェットヘッド1(SEA-JET)のシリコンリザーバ基板2にノズル連通孔を形成する。
(第1実施形態)
(シリコンリザーバ基板2の構成)
図1は、インクジェットヘッド1の概略構成を示す概念図である。図1では、インクジェットヘッド1は、分解した状態の斜視図で表している。
まず、第1実施形態の貫通孔形成方法を実行することによって得られる、インクジェットヘッド1のシリコンリザーバ基板2について説明する。シリコンリザーバ基板2とは、図1に示すように、シリコンノズル基板3と、シリコンキャビティ基板4およびガラス基板5の積層体との間に配置され、インクジェットヘッド1を構成する基板である。
【0011】
シリコンリザーバ基板2は、厚さが200μmで、主面の面方位が(110)面のシリコン単結晶基板から構成される。主面とは、インクジェットヘッド1を構成した際に、シリコンノズル基板3と対向する面である。シリコンリザーバ基板2の外形は、両短辺側の端部それぞれが一部欠けた長方体形状となっている。
また、シリコンリザーバ基板2の中央部には、シリコンリザーバ基板2の主面と垂直な方向に貫通する貫通孔6が形成されている。貫通孔6の断面形状は、シリコンリザーバ基板2の長手方向に延びている長方形状となっている。
【0012】
さらに、シリコンリザーバ基板2の中央部には、貫通孔6を間に挟んで、シリコンリザーバ基板2の両短辺側それぞれに配置された第1および第2のノズル連通孔列7a、7bが形成されている。第1および第2のノズル連通孔列7a、7bのそれぞれは、シリコンリザーバ基板2の長手方向に沿って等間隔に配置された複数のノズル連通孔7から構成されている。ノズル連通孔7は、シリコンリザーバ基板2の主面と垂直な方向に貫通している。ノズル連通孔7の断面形状は、平行四辺形状となっている。
このノズル連通孔7が、本実施形態の貫通孔形成方法によって形成する貫通孔となる。
また、これら複数のノズル連通孔7それぞれは、シリコンノズル基板3に形成された複数の吐出ノズルそれぞれと1対1対応している。
【0013】
ここで、シリコンリザーバ基板2には、図1に示すようにシリコンリザーバ基板2の一方の短辺の側面に正対した状態を基準に、上面2a、下面2b、左面2c、右面2d、前面2e、および背面2fが定義されている。上面2aは、図1のシリコンリザーバ基板2の上側に位置する面である。同様に、下面2bは、シリコンリザーバ基板2の下側に位置する面である。左面2cは、左側に位置する面である。右面2dは、右側に位置する面である。前面2eは、手前側に位置する面である。背面2fは、奥側に位置する面である。
また、シリコンリザーバ基板2には、x軸方向、y軸方向およびz軸方向が定義されている。x軸方向は、シリコンリザーバ基板2の前面2eの法線方向(つまり、シリコンリザーバ基板2の長辺と平行な方向)である。同様に、y軸方向は、シリコンリザーバ基板2の左面2cの法線方向(つまり、シリコンリザーバ基板2の短辺と平行な方向)である。z軸方向は、シリコンリザーバ基板2の上面2aの法線方向である。
【0014】
(レーザ加工装置の構成)
次に、第1実施形態の貫通孔形成方法で使用するレーザ加工装置8について説明する。
図2は、レーザ加工装置8の概略構成を示す概念図である。
図2に示すように、レーザ加工装置8は、照射機構部9および制御部10を備える。
照射機構部9は、載置台11、X軸移動部12、Y軸移動部13、Z軸移動部14、レーザ光源15、集光レンズ16、および収差補正レンズ群17を備える。
載置台11は、シリコンリザーバ基板2を載置可能な平面が上部に形成された台である。また、載置台11には、X軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向が定義されている。X軸方向は、載置台11上部の平面内に設定した一方向である。同様に、Y軸方向は、載置台11上部の平面内にあり且つ載置台11を上方から見た場合にX軸方向を時計回りに90°回転させた方向である。また、Z軸方向は、当該平面の法線方向である。
【0015】
X軸移動部12は、制御部10からの信号に応じて、載置台11をX軸方向に沿って移動させる。例えば、X軸方向に沿って並進運動を行うスライダと、スライダを駆動するサーボモータとを有するものを利用できる。また同様に、Y軸移動部13は、制御部10からの信号に応じて、載置台11をY軸方向に沿って移動させる。Z軸移動部14は、制御部10からの信号に応じて、載置台11をZ軸方向に沿って移動させる。
レーザ光源15は、載置台11の上方に配置される。そして、レーザ光源15は、制御部10からの信号に応じて、レーザ光18を載置台11上部の平面に向けて出射する。レーザ光としては、シリコンリザーバ基板2および後述する耐エッチングマスク膜23に対して透過性を有するものを用いる。具体的には、波長1064μmのレーザ光を利用する。レーザ光18の出射方向は、照射機構部9のZ軸方向と平行な方向に設定する。
【0016】
集光レンズ16は、レーザ光源15と載置台11との間に配置される。そして、集光レンズ16は、レーザ光源15から出射されるレーザ光18を集光する。集光レンズ16の光軸は、レーザ光源15が出射するレーザ光18の光軸と一致するように設定する。
収差補正レンズ群17は、制御部10からの信号に応じて、集光レンズ16の収差を調整する。そして、収差補正レンズ群17は、集光レンズ16で集光されたレーザ光18の集光領域の長さを制御する。収差補正レンズ群17としては、例えば、集光レンズ16の鏡筒に移動可能に収容された複数枚のレンズからなるものを利用できる。
制御部10は、入力部19、表示部20、および演算部21を備える。
【0017】
入力部19は、レーザ加工の際に用いる、X軸移動部12、Y軸移動部13、Z軸移動部14、レーザ光源15、および収差補正レンズ群17に出力する信号のデータを利用者に入力させる。入力部19としては、例えば、キーボードやマウスを利用できる。
表示部20は、レーザ加工の際の各種情報を表示する。表示部20としては、例えば、液晶ディスプレイやCRT(cathode ray tube)ディスプレイを利用できる。
演算部21は、入力部19から入力されたデータを演算処理し、その処理結果をもとに、X軸移動部12、Y軸移動部13、Z軸移動部14、レーザ光源15、および収差補正レンズ群17に信号を出力する。演算部21としては、例えば、A/D変換回路、D/A変換回路、中央演算処理装置、メモリ等から構成されたコンピュータを利用できる。
【0018】
(貫通孔形成方法の説明)
次に、前述したレーザ加工装置8を用いて、シリコンリザーバ基板2に、ノズル連通孔7を形成する貫通孔形成方法について説明する。
貫通孔形成方法では、以下のマスク膜形成工程、改質領域形成工程およびエッチング工程を順に実行する。
【0019】
(マスク膜形成工程)
マスク膜形成工程では、シリコンリザーバ基板2の表面に、ノズル連通孔7の開口部22の形成予定部分24と対向する位置に開口部が形成された耐エッチングマスク膜23を形成する。耐エッチングマスク膜23とは、エッチング工程で用いるエッチング液26に耐蝕性を示す膜である。耐エッチングマスク膜23としては、例えば、熱酸化法によって形成される酸化シリコン(SiO2)膜2および窒化シリコン(SiN)膜を利用できる。
【0020】
図3は、マスク膜形成工程の説明に用いる模式図である。図3では、シリコンリザーバ基板2は、ノズル連通孔7の形成予定部分24を1つ含む面で破断している。
具体的には、図3(a)に示すように、まず、シリコンリザーバ基板2の表面全体に耐エッチングマスク膜23を形成する。続いて、図3(b)に示すように、シリコンリザーバ基板2の上面2aおよび下面2bのそれぞれから、耐エッチングマスク膜23のうちノズル連通孔7の開口部22の形成予定部分24と対向する部分を除去する。これによって、シリコンリザーバ基板2の表面に、ノズル連通孔7の開口部22の形成予定部分24と対向する位置に開口部が形成された耐エッチングマスク膜23のみが残った状態となる。
【0021】
(改質領域形成工程)
改質領域形成工程では、レーザ加工装置8を用いて、複数のノズル連通孔7の形成予定部分24それぞれに、複数層の多光子吸収による改質領域25を形成する。
図4は、改質領域形成工程の説明に用いる模式図である。図4では、シリコンリザーバ基板2は、ノズル連通孔7の形成予定部分24を1つ含む面で破断している。
具体的には、図4(a)に示すように、まず、シリコンリザーバ基板2のz軸方向が照射機構部9のZ軸方向に向くようにシリコンリザーバ基板2を載置台11に載置する。また、シリコンリザーバ基板2のx軸方向が照射機構部9のX軸方向に向くようにシリコンリザーバ基板2を位置決めする。これにより、ノズル連通孔7の形成予定部分24の軸方向が照射機構部9のZ軸方向、つまり、レーザ光18の進行方向と平行となる。
【0022】
続いて、演算部21により、複数のノズル連通孔7の形成予定部分24からノズル連通孔7の形成予定部分24を1つ選択する。そして、演算部21により、選択したノズル連通孔7の形成予定部分24を、「選択ノズル連通孔の形成予定部分」に設定する。
続いて、演算部21により、X軸移動部12、Y軸移動部13およびZ軸移動部14を制御して、集光レンズ16の焦点が、選択ノズル連通孔の形成予定部分の下面2b側端部の近傍に位置するように載置台11を移動させる。そして、演算部21により、レーザ光源15を制御して、レーザ光18の出射を開始させる。これにより、選択ノズル連通孔の形成予定部分の下面2b側端部の近傍にレーザ光18が集光される。そして、シリコンリザーバ基板2の内部には、レーザ光18の集光によって改質領域25を形成可能なエネルギ密度となった部分に、1層目の改質領域25が形成される。
【0023】
続いて、演算部21により、図4(b)に示すように、Z軸移動部14を制御して、集光レンズ16に対して載置台11をZ軸方向と反対方向に所定ピッチずつ相対移動させながら、選択ノズル連通孔の形成予定部分へのレーザ光18の集光を同様に繰り返す。所定ピッチとしては、例えば、改質領域25のz軸方向の長さを利用できる。これにより、選択ノズル連通孔の形成予定部分に、シリコンリザーバ基板2のz軸方向に沿って下面2b側から上面2a側へ複数層の改質領域25が順次形成される。
【0024】
図5は、改質領域25の形成位置の説明に用いる模式図である。図5では、図4のシリコンリザーバ基板2の下面2b側を拡大した拡大図で表している。
ここで、図5に示すように、シリコンリザーバ基板2の表面に耐エッチングマスク膜23を形成した後、シリコンリザーバ基板2を異方性エッチングのためのエッチング液に浸漬すると、耐エッチングマスク膜23の開口部と対向するシリコンリザーバ基板2の表面、つまり、ノズル連通孔7の開口部22の形成予定部分24からシリコンリザーバ基板2の異方性エッチングが徐々に進行する。そして、異方性エッチングの進行により、シリコンリザーバ基板2の内部から、シリコンリザーバ基板2の表面と55.5度で交差する(111)面が表面に露呈すると異方性エッチングが停止する。異方性エッチングが停止したときの、シリコンリザーバ基板2の表面の最深部の深さZは、耐エッチングマスク膜23の開口部の幅をWで表すと、Z≒0.7Wとなる。それゆえ、選択ノズル連通孔の形成予定部分の上面2a側端部の近傍および下面2b側端部の近傍へのレーザ光18の集光時には、少なくとも上面2aまたは下面2bから0.7W以内の深さ位置に改質領域25が形成されるように、レーザ光18の集光領域を調整する。
また、選択ノズル連通孔の形成予定部分へのレーザ光18の集光時には、演算部21により、収差補正レンズ群17を制御して、改質領域25のz軸方向の長さ、つまり、レーザ光18進行方向の長さが一定となるように、集光レンズ16の収差を適宜調整する。
【0025】
図6は、改質領域形成工程の実行によって得られるシリコンリザーバ基板2を表す模式図である。図6では、シリコンリザーバ基板2は、ノズル連通孔7の形成予定部分24を複数含む面で破断している。
次に、選択ノズル連通孔の形成予定部分への改質領域25の形成が終了すると、演算部21により、複数のノズル連通孔7の形成予定部分24から、未だ改質領域25の形成を行っていない他のノズル連通孔7の形成予定部分24を1つ選択する。そして、選択した他のノズル連通孔7の形成予定部分24を、新しい「選択ノズル連通孔の形成予定部分」に設定し、上記フローを繰り返し実行する。これによって、シリコンリザーバ基板2の内部のうち、新しい選択ノズル連通孔の形成予定部分に複数層の改質領域25を形成する。
同様に、複数のノズル連通孔7の形成予定部分24それぞれを、順次新しい「選択ノズル連通孔の形成予定部分」に設定し、上記フローを繰り返し実行する。これによって、図6に示すように、シリコンリザーバ基板2の内部のうち、複数のノズル連通孔7の形成予定部分24それぞれに、複数層の改質領域25を形成する。
【0026】
(第3の行程)
エッチング工程では、シリコンリザーバ基板2に異方性エッチングを行い、シリコンリザーバ基板2の内部から改質領域25を形成した部分およびその周辺部を、主面と直交する(111)面が露呈するまで拡大する。
図7は、エッチング工程の説明に用いる模式図である。図7では、シリコンリザーバ基板2は、ノズル連通孔7の形成予定部分24を1つ含む面で破断している。
図8は、エッチング工程の実行によって得られるシリコンリザーバ基板2を表す模式図である。図8では、シリコンリザーバ基板2は、ノズル連通孔7の形成予定部分24を複数含む面で破断している。
【0027】
具体的には、図7に示すように、まず、シリコンリザーバ基板2を異方性エッチングのためのエッチング液26に浸漬する。エッチング液26としては、例えば、水酸化カリウム(KOH)を利用できる。すると、耐エッチングマスク膜23の開口部と対向するシリコンリザーバ基板2の表面、つまり、ノズル連通孔7の開口部の形成予定部分24からシリコンリザーバ基板2の異方性エッチングが徐々に進行する。そして、異方性エッチングの進行により、シリコンリザーバ基板2の内部から改質領域25が露呈すると、改質領域25、つまり、レーザ光18により結晶性が崩れたシリコンリザーバ基板2の部分が除去される。続いて、当該部分の周辺部にも異方性エッチングが進行し、主面と直交する(111)面が露呈するまで除去される。これによって、図8に示すように、シリコンリザーバ基板2に複数のノズル連通孔7が形成される。
【0028】
このように、本実施形態では、まず、シリコンリザーバ基板2の内部のノズル連通孔7の形成予定部分24に改質領域25を形成する。続いて、シリコンリザーバ基板2に異方性エッチングを行い、改質領域25を形成した部分およびその周辺部を、主面と直交する(111)面が露呈するまで除去する。これによって、シリコンリザーバ基板2にノズル連通孔7を形成する。
そのため、改質領域25を形成した部分を異方性エッチングし、異方性エッチングによって当該部分にノズル連通孔7を形成できる。それゆえ、シリコンリザーバ基板2に形成されるノズル連通孔7の幅を、改質領域25の幅と同等の大きさとすることができる。
【0029】
したがって、シリコンリザーバ基板2により細いノズル連通孔7を形成できる。これによって、互いに隣り合うノズル連通孔7間のピッチをより狭くすることができる。
ここで、シリコンリザーバ基板2に形成される複数のノズル連通孔7それぞれは、インク滴を吐出する複数の吐出ノズルそれぞれと1対1対応している。それゆえ、互いに隣り合うノズル連通孔7間のピッチを狭くすることで、互いに隣り合う吐出ノズル間のピッチを狭くすることができる。その結果、ノズル密度をより高くすることができる。
【0030】
(実施例)
次に、本実施形態の貫通孔形成方法の効果を検証した実施例について説明する。
この実施例では、本実施形態の貫通孔形成方法を実行してシリコンリザーバ基板2にノズル連通孔7を形成した。シリコンリザーバ基板2としては、厚さが200μmで、主面の面方位が(110)面のシリコン単結晶基板を用いた。また、ノズル連通孔7の開口部22の幅は15μmとし、互いに隣り合うノズル連通孔7間のピッチは30μmとした。
図9は、第1実施形態の貫通孔形成方法の検証結果を示す図である。図9では、シリコンリザーバ基板2は、ノズル連通孔7の形成予定部分24を複数含む面で破断している。
【0031】
図9より、本実施形態の貫通孔形成方法では、開口部の幅:15μm、互いに隣り合うノズル連通孔7間のピッチ:30μmのノズル連通孔7を形成できることが確認できた。
なお、本実施例では、ノズル連通孔7の開口部22の幅が15μm、互いに隣り合うノズル連通孔7間のピッチが30μmのノズル連通孔7を形成する例を示したが、ノズル連通孔7の開口部22の幅をより細いノズル連通孔7を形成することもできる。例えば、ノズル連通孔7の開口部22の幅が10μm以下のものも形成できる。
【0032】
図12は、比較例の説明のための模式図である。図12(a)は比較例の改質領域形成工程を示す模式図であり、図12(b)は比較例のエッチング工程の実行によって得られるシリコンリザーバ基板2を表す模式図である。
ちなみに、図12に示すように、シリコンリザーバ基板2の表面にレーザ光18を集光し、シリコンリザーバ基板2のノズル連通孔7の形成予定部分24を、主面側から当該主面と反対側の面までレーザ光で融除して先行穴を形成する方法では、先行穴の開口部の幅は30〜40μmとなった。なお、この方法では、シリコンリザーバ基板2に吸収される波長532nmのレーザ光を利用した。また、この方法では、シリコンリザーバ基板2に吸収される波長のレーザ光を用いるため、耐エッチングマスク膜23の開口部の幅を、先行穴の開口部の幅より大きくする必要がある。それゆえ、異方性エッチングによって得られるノズル連通孔7の開口部22の幅が大きくなってしまう。
【0033】
(応用例)
なお、本実施形態では、マスク膜形成工程を実行した後に、改質領域形成工程を実行する例を示したが、これらの工程の実行順序は逆であってもよい。具体的には、改質領域形成工程、マスク膜形成工程、およびエッチング工程の順に実行してもよい。
【0034】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態について図面を参照して説明する。
なお、前記第1実施形態と同様な構成等については、同一の符号を付して説明する。
本実施形態の貫通孔形成方法の基本手順は、前記第1実施形態とほぼ同様である。ただし、改質領域形成工程で実行される作業の内容が異なっている。
【0035】
(改質領域形成工程)
図10は、改質領域形成工程の説明に用いる模式図である。図10では、シリコンリザーバ基板2は、ノズル連通孔7の形成予定部分24を複数含む面で破断している。
具体的には、図10(a)に示すように、まず、シリコンリザーバ基板2のz軸方向が照射機構部9のZ軸方向に向くようにシリコンリザーバ基板2を載置台11に載置する。また、シリコンリザーバ基板2のx軸方向が照射機構部9のX軸方向に向くようにシリコンリザーバ基板2を位置決めする。これによって、ノズル連通孔7の形成予定部分24の軸方向がZ軸方向、つまり、レーザ光18の進行方向と平行となる。また、第1のノズル連通孔列7aを構成する複数のノズル連通孔7、および第2のノズル連通孔列7bを構成する複数のノズル連通孔7それぞれの配置方向がX軸方向と平行となる。
続いて、演算部21により、第1のノズル連通孔列7aを構成する複数のノズル連通孔7のうちの、y軸方向と反対方向の端にあるノズル連通孔7の形成予定部分24を選択する。そして、演算部21により、選択したノズル連通孔7の形成予定部分24を、「選択ノズル連通孔の形成予定部分」に設定する。
【0036】
続いて、演算部21により、X軸移動部12、Y軸移動部13およびZ軸移動部14を制御して、集光レンズ16の焦点が、選択ノズル連通孔の形成予定部分の下面2b側端部の近傍に位置するように載置台11を移動させる。これにより、集光レンズ16が終点を結ぶ位置を、レーザ光18の発振を開始する発振開始位置に移動する。そして、集光レンズ16の焦点が発振開始位置に移動されると、演算部21により、レーザ光源15を制御して、レーザ光18の出射を開始させる。これにより、選択ノズル連通孔の形成予定部分の下面2b側端部の近傍にレーザ光18が集光される。そして、シリコンリザーバ基板2の内部には、レーザ光18の集光によって改質領域25を形成可能なエネルギ密度となった部分に、改質領域25が形成される。
【0037】
続いて、演算部21により、X軸移動部12を制御して、集光レンズ16に対して載置台11をX軸方向と反対方向に所定ピッチずつ相対移動させる。所定ピッチとしては、例えば、第1のノズル連通孔列7aを構成する、互いに隣り合うノズル連通孔7の中心間の距離を利用できる。これにより、集光レンズ16の焦点が、シリコンリザーバ基板2の内部をx軸方向に移動する。これによって、第1のノズル連通孔列7aを構成する複数のノズル連通孔7の形成予定部分24それぞれを順次通過する。
【0038】
図11は、レーザ光源15によるレーザ光18の出射タイミングを示す図である。
同時に、演算部21により、レーザ光源15を制御して、図11に示すように、集光レンズ16の焦点がノズル連通孔7の形成予定部分24に到達したときに、レーザ光18の出射を開始させる。これにより、ノズル連通孔7の形成予定部分24の下面2b側端部の近傍にレーザ光18が集光される。また、集光レンズ16の焦点がノズル連通孔7の形成予定部分24から外れたときに、レーザ光18の出射を停止させる。これによって、図10(b)に示すように、第1のノズル連通孔列7aを構成する複数のノズル連通孔7の形成予定部分それぞれに1層目の改質領域25を順次形成する。
【0039】
次に、第1のノズル連通孔列7aを構成する複数のノズル連通孔7の形成予定部分それぞれへの、1層目の改質領域25の形成が終了すると、演算部21により、Z軸移動部14を制御して、集光レンズ16に対して載置台11をZ軸方向と反対方向に所定ピッチ相対移動させる。所定ピッチとしては、例えば、改質領域25のz軸方向の長さを利用できる。これによって、集光レンズ16の焦点が、シリコンリザーバ基板2の上面2a側に所定ピッチ分移動する。続いて、演算部21により、X軸移動部12を制御して、集光レンズ16の焦点が、選択ノズル連通孔の形成予定部分に位置するように載置台11を移動させる。これにより、集光レンズ16の焦点を新しい発振開始位置に移動する。そして、集光レンズ16の焦点が、新しい発振開始位置に移動されると、演算部21により、上記フローを繰り返し実行する。これによって、図10(c)に示すように、第1のノズル連通孔列7aを構成する複数のノズル連通孔7の形成予定部分それぞれに2層目の改質領域25を形成する。
【0040】
同様に、シリコンリザーバ基板2の所定ピッチ分上面2a側で且つ選択ノズル連通孔の形成予定部分を、順次新しい「発振開始位置」に設定し、上記フローを繰り返し実行する。これによって、図10(c)に示すように、第1のノズル連通孔列7aを構成する複数のノズル連通孔7の形成予定部分それぞれに複数層の改質領域25を形成する。
また、第2のノズル連通孔列7bを構成する複数のノズル連通孔7の形成予定部分それぞれについても同様に、複数層の改質領域25を形成する。
【0041】
このように、本実施形態では、シリコンリザーバ基板2の主面と直交する方向に対して集光レンズ16の焦点を順次移動させると共に、集光レンズ16の焦点が複数のノズル連通孔7の形成予定部分それぞれを通過するように、シリコンリザーバ基板2の主面と平行な方向に対して集光レンズ16の焦点を順次移動させ、集光レンズ16の焦点がノズル連通孔7の形成予定部分にあるときに、レーザ光18の集光を行う。
そのため、集光レンズ16の焦点をレーザ光18の出射方向に移動させる回数を低減できる。それゆえ、複数層の改質領域25の形成に要する時間を短縮できる。
ちなみに、複数のノズル連通孔7の形成予定部分24それぞれに、複数層の改質領域25を1層ずつ形成する方法では、集光レンズ16の焦点をレーザ光18の出射方向に移動させる回数が増大し、複数層の改質領域25の形成に要する時間が増大する。
【符号の説明】
【0042】
1はインクジェットヘッド、2はシリコンリザーバ基板、3はシリコンノズル基板、4はシリコンキャビティ基板、5はガラス基板、6は貫通孔、7はノズル連通孔、7aは第1のノズル連通孔列、7bは第2のノズル連通孔列、8はレーザ加工装置、9は照射機構部、10は制御部、11は載置台、12はX軸移動部、13はY軸移動部、14はZ軸移動部、15はレーザ光源、16は集光レンズ、17は収差補正レンズ群、18はレーザ光、19は入力部、20は表示部、21は演算部、22は開口部、23は耐エッチングマスク膜、24は形成予定部分、25は改質領域、26はエッチング液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主面の面方位が(110)面のシリコン単結晶基板に、前記主面と垂直な方向に延びる貫通孔を形成する貫通孔形成方法であって、
前記シリコン単結晶基板の表面に、前記貫通孔の開口部の形成予定部分と対向する位置に開口部が形成された耐エッチングマスク膜を形成するマスク膜形成工程と、
前記耐エッチングマスク膜が形成された前記シリコン単結晶基板の内部に前記シリコン単結晶基板および前記耐エッチングマスク膜を透過するレーザ光を集光し、前記貫通孔の形成予定部分に改質領域を形成する改質領域形成工程と、
前記改質領域が形成されたシリコン単結晶基板に異方性エッチングを行い、前記シリコン単結晶基板の内部から前記改質領域を形成した部分およびその周辺部を、主面と直交する(111)面が露呈するまで除去するエッチング工程と、を有することを特徴とする貫通孔形成方法。
【請求項2】
主面の面方位が(110)面のシリコン単結晶基板に、前記主面と垂直な方向に延びる貫通孔を形成する貫通孔形成方法であって、
前記シリコン単結晶基板の内部に前記シリコン単結晶基板を透過するレーザ光を集光し、前記貫通孔の形成予定部分に改質領域を形成する改質領域形成工程と、
前記改質領域が形成された前記シリコン単結晶基板の表面に、前記貫通孔の開口部の形成予定部分と対向する位置に開口部が形成された耐エッチングマスク膜を形成するマスク膜形成工程と、
前記耐エッチングマスク膜が形成されたシリコン単結晶基板に異方性エッチングを行い、前記シリコン単結晶基板の内部から前記改質領域を形成した部分およびその周辺部を、主面と直交する(111)面が露呈するまで除去するエッチング工程と、を有することを特徴とする貫通孔形成方法。
【請求項3】
前記シリコン単結晶基板に形成する前記貫通孔が複数であり、それら複数の前記貫通孔の形成予定部分それぞれに、前記レーザ光の出射方向に沿って前記改質領域を複数層形成する場合には、前記シリコン単結晶基板の主面と直交する方向に対して前記集光レンズの焦点を順次移動させると共に、前記集光レンズの焦点が前記複数の前記貫通孔の形成予定部分それぞれを通過するように、前記シリコン単結晶基板の主面と平行な方向に対して前記集光レンズの焦点を順次移動させ、前記集光レンズの焦点が前記貫通孔の形成予定部分にあるときに、前記レーザ光の集光を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の貫通孔形成方法。
【請求項4】
主面の面方位が(110)面のシリコン単結晶基板に、前記主面と垂直な方向に延びる貫通孔であるノズル連通孔を形成するインクジェットヘッドの製造方法であって、
前記シリコン単結晶基板の表面に、前記ノズル連通孔の開口部の形成予定部分と対向する位置に開口部が形成された耐エッチングマスク膜を形成するマスク膜形成工程と、
前記耐エッチングマスク膜が形成された前記シリコン単結晶基板の内部に前記シリコン単結晶基板および前記耐エッチングマスク膜を透過するレーザ光を集光し、前記ノズル連通孔の形成予定部分に改質領域を形成する改質領域形成工程と、
前記改質領域が形成されたシリコン単結晶基板に異方性エッチングを行い、前記シリコン単結晶基板の内部から前記改質領域を形成した部分およびその周辺部を、主面と直交する(111)面が露呈するまで除去するエッチング工程と、を有することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−221527(P2010−221527A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−71457(P2009−71457)
【出願日】平成21年3月24日(2009.3.24)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】