貫通配線基板
【課題】高周波信号等の電気信号の伝送損失を低減し、貫通孔から導電物質が剥離することによる導通不良を抑制する貫通配線基板およびその製造方法の提供。
【解決手段】第1面と第2面とを有する基板2と;前記第1面と前記第2面との間を貫通する貫通孔24内に、導電性物質26を充填又は成膜することにより形成された貫通配線22と;を備える貫通配線基板20であって、前記貫通孔24は、変曲部22cと、該変曲部の両端に、該変曲部と接続する直線部22a、22bとを有し、前記変曲部の中心線に沿った断面の外周および内周のうち、少なくとも内周が円弧状であり、前記直線部のうち少なくとも一方の直線部は前記第1面又は第2面に対して垂直に開口する貫通配線基板。
【解決手段】第1面と第2面とを有する基板2と;前記第1面と前記第2面との間を貫通する貫通孔24内に、導電性物質26を充填又は成膜することにより形成された貫通配線22と;を備える貫通配線基板20であって、前記貫通孔24は、変曲部22cと、該変曲部の両端に、該変曲部と接続する直線部22a、22bとを有し、前記変曲部の中心線に沿った断面の外周および内周のうち、少なくとも内周が円弧状であり、前記直線部のうち少なくとも一方の直線部は前記第1面又は第2面に対して垂直に開口する貫通配線基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の内部を貫通する貫通配線を有する貫通配線基板に関する。
本願は、2009年07月06日に、日本に出願された特願2009−159869号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板の一方の面である第1面に実装された第1デバイスと、他方の面である第2面に実装された第2デバイスとの間を電気的に接続する方法として、基板の内部を貫通する貫通配線を設ける方法が用いられている。
貫通配線基板の一例として、特許文献1には、基材の厚み方向とは異なる方向に延びる部分を有する微細孔に導電性物質を充填してなる貫通配線を備えた貫通配線基板が記載されている。
【0003】
その一例としては、例えば図8に示すような貫通配線基板が挙げられる。この貫通配線基板100は、石英ガラス等からなる基板102を構成する一方の面と一つの側面とを結ぶように貫通孔104を配し、この貫通孔104に導電性物質106を充填してなる貫通配線101を備える。この貫通配線101は、略直角の屈曲部を有し、基板の厚み方向に延びる直線部101bと、基板の厚み方向とは異なる方向(長手方向)に延びる直線部101aとは、その略直角の屈曲部において接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−303360号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の貫通配線基板に備える貫通配線が、基板内に略直角の屈曲部を有する場合、この屈曲部の内周部に電流が集中し、この貫通配線を介する電気信号、特に高周波信号における伝送損失が大きくなる問題があった。また、超臨界成膜法等によって充填された導電性物質が、この屈曲部の尖った端部を起点として貫通孔から剥離してしまい、導通不良を生じる問題があった。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、高周波信号等の電気信号の伝送損失を低減し、貫通孔から導電物質が剥離することによる導通不良を抑制する貫通配線基板およびその製造方法の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明の貫通配線基板は、第1面と第2面とを有する基板と;前記第1面と前記第2面との間を貫通する貫通孔内に、導電性物質を充填又は成膜することにより形成された貫通配線と;を備える貫通配線基板であって、前記貫通孔は、変曲部と、該変曲部の両端に、該変曲部と接続する直線部とを有し、前記変曲部の中心線に沿った断面の外周および内周のうち、少なくとも内周が円弧状であり、前記直線部のうち少なくとも一方の直線部は前記第1面又は第2面に対して垂直に開口することを特徴とする。
【0008】
本発明の貫通配線基板において、前記貫通孔は、第一変曲部と、該第一変曲部の一端及び他端にそれぞれ第一直線部及び第二直線部とが接続され、前記第一変曲部の中心線に沿った断面の外周および内周のうち、少なくとも内周が円弧状であり、前記第一直線部の一端は前記第1面に対して垂直に開口し、前記第一直線部の他端は前記第一変曲部の一端に接続されることが好ましい。
前記第二直線部の一端は前記第一変曲部の他端に接続され、前記第二直線部の他端は第二変曲部の一端に接続されていることが好ましい。
前記第二変曲部の他端は第三直線部の一端に接続されていることが好ましい。
前記第三直線部の他端は前記第2面に対して垂直に開口することが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、高周波信号等の電気信号の伝送損失を低減し、貫通孔から導電性物質が剥離することによる導通不良を抑制する貫通配線基板およびその製造方法を提供することができる。
本発明の貫通配線基板内に設けられた前記貫通配線は変曲部を有し、この変曲部の縦断面の外周部および内周部のうち、少なくとも内周部が円弧状であることにより、少なくとも内周部には尖った端部を有しない。そのため、この貫通配線を構成する貫通孔から導電性物質が剥離することを抑制できるため、導電性物質の剥離による導通不良を抑制することができる。
また、前記内周部に加えて前記外周部も円弧状である場合、外周部及び内周部の両方に尖った端部を有しないので、導電性物質の剥離による導通不良を一層抑制することができる。
さらに、少なくとも前記内周部及び外周部の一方が円弧状であり、この円弧の曲率半径が10〜1000μmである場合、変曲部がより滑らかとなり、導電性物質の剥離による導通不良をさらに一層抑制することができる。
本発明の貫通配線基板内に設けられた前記貫通配線は変曲部を有し、この変曲部の縦断面の外周部および内周部のうち、少なくとも内周部が円弧状であることにより、少なくとも内周部には尖った端部を有しない。そのため、内周部への電流の局所的な集中を緩和して、高周波信号等の伝送損失を低減することができる。
さらに、少なくとも前記内周部及び外周部の一つが円弧状であり、その円弧の曲率半径が10〜1000μmである場合、変曲部がより滑らかとなり、高周波信号等の伝送損失をさらに一層低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1実施形態に係る貫通配線基板を示す断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係る貫通配線基板を示す断面図である。
【図3】本発明の第3実施形態に係る貫通配線基板を示す断面図である。
【図4】本発明の第4実施形態に係る貫通配線基板を示す断面図である。
【図5A】本発明の第5実施形態に係る貫通配線基板を示す平面図である。
【図5B】図5Aのx−x線に沿う貫通配線基板の断面図である。
【図6A】本発明にかかる貫通配線基板の製造方法を示す平面図である。
【図6B】図6Aのx−x線に沿う断面図である。
【図7A】本発明にかかる貫通配線基板の製造方法を示す平面図である。
【図7B】図7Aのx−x線に沿う断面図である。
【図8】従来の貫通配線基板の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る貫通配線基板20の断面図である。この貫通配線基板20は、貫通配線22を備えている。単一の基板2を構成する一方の面(表面又は裏面;第1面)と一つの側面(第2面)とを貫通する貫通孔24を配し、この貫通孔24に導電性物質26を充填又は成膜して、貫通配線22を構成する。前記貫通孔24は変曲部(湾曲部)22cを有し、この変曲部22cの縦断面の外周部及び内周部が円弧状に形成されている。図1に示すように、この変曲部は、その縦断面において、凹状に湾曲している内周部と、凸状に湾曲している外周部とを有する。この貫通孔24は、連続している直線部22bと、変曲部22cと、直線部22aとを備えている。なお、導電性物質26を充填又は成膜する前は貫通孔24であり、導電性物質26を充填又は成膜した後は、貫通孔24から貫通配線22になる。従って、以下の説明で、貫通孔24が変曲部22cを備えると表現する場合もあれば、貫通配線22が変曲部22cを備えると表現する場合もある。
【0012】
また、図1の貫通配線基板20の断面は、貫通配線22の中心線に沿った縦断面である。貫通配線22の一端は、貫通配線基板20の一方の面(第1面)に露呈する第1導電部222a(貫通孔の第1開口部224a)である。前記貫通配線22の一端から基板2の厚み方向(一方の面から他方の面に見た方向;例えば、表面から裏面に見た方向)に直線部22bが延びて、円弧状の変曲部22cに達する。この変曲部22cから基板2の両面に平行する方向に沿って直線部22aが延びて、基板2の一つの側面(第2面)に露呈する第2導電部222b(貫通孔の第2開口部224b)に達する。この第2導電部222bは、貫通配線22の他端である。
【0013】
貫通配線22において、基板2の厚み方向に延びる直線部22bと基板2の両面に平行する方向に延びる直線部22aとを滑らかに接続する変曲部22cは円弧状である。
変曲部22cが円弧状である時、変曲部22cの中心線に沿った断面(縦断面)において、変曲部22cの外周部及び内周部は円弧状である。
前記変曲部22cの内周部のみが円弧状であってもよいが、本発明の効果がより優れる観点から、前記外周部及び内周部の両方が円弧状であることが好ましい。
なお、前記円弧状が、例えばその円弧に内接又は外接する多角形状や、その円弧に沿って蛇行する曲線状等の略円弧状の場合にも、本発明と同様な効果が期待できる。
【0014】
図1において、変曲部22cの外周部は、中心がq1で半径がR1の四分円の円弧部であり、変曲部22cの内周部は、中心がp1で半径がr1の四分円の円弧部である。
ここで、前記二つの四分円の中心q1と中心p1の位置が同じであり、半径R1>半径r1であることが好ましい。半径R1と半径r1との差が、直線部22b及び/又は直線部22aにおける貫通配線22の直径に等しいことが好ましい。この場合、直線部22bと直線部22aとを、変曲部22cを介してより滑らかに接続することができ、本発明の効果をより向上させることができる。
【0015】
変曲部22cの外周部及び/又は内周部(外周部及び内周部の少なくとも一つ)が円弧状である場合、それらの曲率半径(R1及びr1)は、貫通配線22の径及び基板2の厚みにもよるが、10〜1000μmの範囲であることが好ましい。この範囲の曲率半径であると、直線部22bと直線部22aとを、変曲部22cを介してより滑らかに接続することができ、本発明の効果をより向上させることができる。
なお、図1の貫通配線基板20の厚みは300μmであり、前記R1は90μmであり、前記r1は50μmであり、貫通配線22の直径は40μmである。これらの数値は、本発明の第1実施形態に係る貫通配線基板20の一例であり、必要に応じて、前記基板の厚み、曲率半径(R1及びr1)、貫通配線の直径等を適宜変更することが可能である。
【0016】
図2は、本発明の第2実施形態にかかる貫通配線基板30の断面図である。この貫通配線基板30は、単一の基板2を構成する一方の面(表面又は裏面;第1面)と他方の面(裏面又は表面;第2面)とを貫通する貫通孔34を配し、この貫通孔34に導電性物質36を充填又は成膜してなる貫通配線32を備えている。前記貫通配線32は、変曲部32cを有し、その変曲部32cの縦断面の外周部及び内周部が円弧状である。
【0017】
また、図2の貫通配線基板30の断面は、貫通配線32の中心線に沿った縦断面である。貫通配線32の一端は、貫通配線基板30の一方の面(第1面)に露呈する第1導電部である。貫通配線32の一端から基板2の厚み方向(一方の面から他方の面に見た方向;例えば表面から裏面に見た方向)に直線部32bが延びて、円弧状の変曲部32cに達する。この変曲部32cから基板2の厚み方向とは異なる方向(厚み方向に交差す方向)に直線部32aが延びて、基板2の他方の面(第2面)に露呈する第2導電部に達する。この第2導電部は、貫通配線32の他端である。
【0018】
貫通配線32において、基板2の厚み方向に延びる直線部32bと基板2の厚み方向とは異なる方向(厚み方向に交差す方向)に延びる直線部32aとを滑らかに接続する変曲部32cは円弧状である。
変曲部32cが円弧状である時、変曲部32cの中心線に沿った断面(縦断面)において、変曲部32cの外周部及び内周部は円弧状である。
前記変曲部32cの内周部のみが円弧状であってもよいが、本発明の効果がより優れる観点から、前記外周部及び内周部の両方が円弧状であることが好ましい。
なお、前記円弧状が、例えばその円弧に内接又は外接する多角形状や、その円弧に沿って蛇行する曲線状等の略円弧状の場合にも、本発明と同様な効果が期待できる。
【0019】
図2において、変曲部32cの外周部は、中心がq2で半径がR2の八分円の円弧部であり、変曲部32cの内周部は、中心がp2で半径がr2の八分円の円弧部である。
ここで、前記二つの八分円の中心q2と中心p2の位置が同じであり、半径R2>半径r2であることが好ましい。半径R2と半径r2との差が、直線部32b及び/又は直線部32aにおける貫通配線32の直径に等しいことが好ましい。この場合、直線部32bと直線部32aとを、変曲部32cを介してより滑らかに接続することができ、本発明の効果をより向上させることができる。
【0020】
変曲部32cの外周部及び/又は内周部(外周部及び内周部の少なくとも一つ)が円弧状である場合、それらの曲率半径(R2及びr2)は、貫通配線32の径及び基板2の厚みにもよるが、10〜1000μmの範囲であることが好ましい。この範囲の曲率半径であると、直線部32bと直線部32aとを、変曲部32cを介してより滑らかに接続することができ、本発明の効果をより向上させることができる。
なお、図2の貫通配線基板30の厚みは300μmであり、前記R2は110μmであり、前記r2は65μmであり、貫通配線32の直径は45μmである。前述したように、これらの数値は、本発明の第2実施形態に係る貫通配線基板30の一例であり、必要に応じて、これらの数値を適宜変更することが可能である。
【0021】
図3は、本発明の第3実施形態にかかる貫通配線基板40の断面図である。この貫通配線基板40は、単一の基板2を構成する一方の面(表面又は裏面;第1面)と他方の面(裏面又は表面;第2面)とを貫通する貫通孔44を配し、この貫通孔44に導電性物質46を充填又は成膜してなる貫通配線42を備えている。前記貫通孔44は、第1の変曲部42c及び第2の変曲部42eを有し、前記第1の変曲部42cの縦断面の外周部及び内周部、並びに前記第2の変曲部42eの縦断面の外周部及び内周部が円弧状である。言い換えると、貫通配線が第1の変曲部42cと第2の変曲部42eとを備え、これらの第1の変曲部42c及び第2の変曲部42eは、その縦断面の外周部及び内周部が円弧状である。
【0022】
また、図3の貫通配線基板40の断面は、貫通配線42の中心線に沿った縦断面である。貫通配線42の一端は、貫通配線基板40の一方の面(第1面)に露呈する第1導電部である。貫通配線42の一端から基板2の厚み方向(一方の面から他方の面に見た方向;例えば表面から裏面に見た方向)に直線部42bが延びて、円弧状の第1の変曲部42cに達する。この第1の変曲部42cから基板2の両面と平行する方向に直線部42aが延びて、円弧状の第2の変曲部42eに達する。この第2の変曲部42eから基板2の厚み方向に直線部42dが延びて基板2の他方の面(第2面)に露呈する第2導電部に達する。この第2導電部は、貫通配線42の他端である。
【0023】
貫通配線42において、基板2の厚み方向に延びる直線部42bと基板2の両面に平行する方向に延びる直線部42aとを滑らかに接続する第1の変曲部42cは、円弧状である。
第1の変曲部42cが円弧状である時、第1の変曲部42cの中心線に沿った断面(縦断面)において、第1の変曲部42cの外周部及び内周部は円弧状である。
前記第1の変曲部42cの内周部のみが円弧状であってもよいが、本発明の効果がより優れる観点から、前記第1の変曲部42cの外周部及び内周部の両方が円弧状であることが好ましい。
なお、前記円弧状が、例えばその円弧に内接又は外接する多角形状や、その円弧に沿って蛇行する曲線状等の略円弧状の場合にも、本発明と同様な効果が期待できる。
【0024】
貫通配線42において、基板2の両面に平行する方向に延びる直線部42aと基板2の厚み方向に延びる直線部42dとを滑らかに接続する第2の変曲部42eは、円弧状である。
第2の変曲部42eが円弧状である時、第2の変曲部42eの中心線に沿った断面(縦断面)において、第2の変曲部42eの外周部及び内周部は円弧状である。
前記第2の変曲部42eの内周部のみが円弧状であってもよいが、本発明の効果がより優れる観点から、前記第2の変曲部42eの外周部及び内周部の両方が円弧状であることが好ましい。
なお、前記円弧状が、例えばその円弧に内接又は外接する多角形状や、その円弧に沿って蛇行する曲線状等の略円弧状の場合にも、本発明と同様な効果が期待できる。
【0025】
図3において、第1の変曲部42cの外周部は、中心がq3で半径がR3の四分円の円弧部であり、第1の変曲部42cの内周部は、中心がp3で半径がr3の四分円の円弧部である。
ここで、前記二つの四分円の中心q3と中心p3の位置が同じであり、半径R3>半径r3であることが好ましい。半径R3と半径r3との差が、基板2の厚み方向に延びる直線部42b及び/又は基板2の両面に平行する方向に延びる直線部42aにおける貫通配線42の直径に等しいことが好ましい。この場合、基板2の厚み方向に延びる直線部42bと基板2の両面に平行する方向に延びる直線部42aとを、第1の変曲部42cを介してより滑らかに接続することができ、本発明の効果をより向上させることができる。
【0026】
図3において、第2の変曲部42eの外周部は、中心がq4で半径がR4の四分円の円弧部であり、第2の変曲部42eの内周部は、中心がp4で半径がr4の四分円の円弧部である。
ここで、前記二つの四分円の中心q4と中心p4の位置が同じであり、半径R4>半径r4であることが好ましい。半径R4と半径r4との差が、基板2の両面に平行する方向に延びる直線部42a及び/又は基板2の厚み方向に延びる直線部42dにおける貫通配線42の直径に等しいことが好ましい。この場合、基板2の両面に平行する方向に延びる直線部42aと基板2の厚み方向に延びる直線部42dとを、第2の変曲部42eを介してより滑らかに接続することができ、本発明の効果をより向上させることができる。
【0027】
第1の変曲部42cの外周部及び/又は内周部(外周部及び内周部の少なくとも一つ)が円弧状である場合、それらの曲率半径(R3及びr3)は、貫通配線42の径及び基板2の厚みにもよるが、10〜1000μmの範囲であることが好ましい。この範囲の曲率半径であると、基板2の厚み方向に延びる直線部42bと基板2の両面に平行する方向に延びる直線部42aとを、第1の変曲部42cを介してより滑らかに接続することができ、本発明の効果をより向上させることができる。
なお、図3の貫通配線基板40の厚みは300μmであり、前記R3は90μmであり、前記r3は50μmであり、貫通配線42の直径は40μmである。
【0028】
第2の変曲部42eの外周部及び/又は内周部(外周部及び内周部の少なくとも一つ)が円弧状である場合、それらの曲率半径(R4及びr4)は、貫通配線42の径及び基板2の厚みにもよるが、10〜1000μmの範囲であることが好ましい。この範囲の曲率半径であると、基板2の両面に平行する方向に延びる直線部42aと基板2の厚み方向に延びる直線部42dとを、第2の変曲部42eを介してより滑らかに接続することができ、本発明の効果をより向上させることができる。
なお、図3の貫通配線基板40の厚みは300μmであり、前記R4は90μmであり、前記r4は50μmであり、貫通配線42の直径は40μmである。前述したように、これらの数値は、本発明の第3実施形態に係る貫通配線基板40の一例であり、必要に応じて、これらの数値を適宜変更することが可能である。
【0029】
前述した第1の変曲部42c及び第2の変曲部42eは、互いに同一の形状であってもよく、互いに異なる形状であってもよい。すなわち、前記R3とR4、及び前記r3とr4はそれぞれ、互いに同じであってもよく、互いに異なっていてもよい。
【0030】
図4は、本発明の第4実施形態にかかる貫通配線基板50の断面図である。この貫通配線基板50は、単一の基板2を構成する一方の面(表面又は裏面;第1面)と他方の面(裏面又は表面;第2面)とを貫通する貫通孔54を配し、この貫通孔54に導電性物質56を充填又は成膜してなる貫通配線52を備えている。前記貫通孔54は、第1の変曲部52cと、第2の変曲部52hと、第3の変曲部52iと、第4の変曲部52fとを有する。前記第1の変曲部52cの縦断面の外周部及び内周部、前記第2の変曲部52hの縦断面の内周部、前記第3の変曲部52iの縦断面の内周部、並びに前記第4の変曲部52fの縦断面の外周部及び内周部が、円弧状である。
【0031】
また、図4の貫通配線基板50の断面は、貫通配線52の中心線に沿った縦断面である。貫通配線52は、一方の面(第1面)に露呈する第1導電部と一方の面(第1面)に露呈する第2導電部と、他方の面(第2面)に露呈する第3導電部とを有する。この第1導電部から基板2の厚み方向に(一方の面から他方の面に見た方向;例えば表面から裏面に見た方向)第1の直線部52bが延びて第1の変曲部52cに達する。第1の変曲部52cから基板2の両面に平行する方向に第2の直線部52aが延びて、第2の変曲部52h及び第3の変曲部52iからなる分岐部に達する。この分岐部から基板2の両面に平行する方向に第3の直線部52dがさらに延びて、第4の変曲部52fに達する。また、この第2導電部から基板2の厚み方向に第4の直線部52eが延びて前記第4の変曲部52fに達する。さらに、前記分岐部から基板2の厚み方向に第5の直線部52gが延びて他方の面(第2面)に露呈する第3導電部に達する。
【0032】
貫通配線52において、第1の直線部52bと第2の直線部52aとを滑らかに接続する第1の変曲部52cは、円弧状である。
貫通配線52において、第4の直線部52eと第3の直線部52dとを滑らかに接続する第4の変曲部52fは、円弧状である。
これらの第1の変曲部52c及び第4の変曲部52fの説明は、前記貫通配線基板20の変曲部22cの説明と同様である。なお、第1の変曲部52c及び第4の変曲部52fは、互いに同一の形状であってもよく、互いに異なる形状であってもよい。
【0033】
前記分岐部は、図4に示すように、第2の変曲部52h及び第3の変曲部52iからなる。
第2の変曲部52hは、第2の直線部52aと第5の直線部52gとを滑らかに接続する。
第3の変曲部52iは、第3の直線部52dと第5の直線部52gとを滑らかに接続する。
【0034】
第2の変曲部52hの中心線に沿った断面(縦断面)において、第2の変曲部52hの外周部は直線状である一方、第2の変曲部52hの内周部は円弧状である。本発明の効果が優れ、第2の直線部52aと第5の直線部52gとをより滑らかに接続できる観点から、第2の変曲部52hの内周部は滑らかな円弧状であることが好ましい。
また、第3の変曲部52iの中心線に沿った断面(縦断面)において、第3の変曲部52iの外周部は直線状である一方、第3の変曲部52iの内周部は円弧状である。本発明の効果が優れ、第3の直線部52dと第5の直線部52gとをより滑らかに接続できる観点から、第3の変曲部52iの内周部は滑らかな円弧状であることが好ましい。
なお、前記円弧状が、例えばその円弧に内接又は外接する多角形状や、その円弧に沿って蛇行する曲線状等の略円弧状の場合にも、本発明と同様な効果が期待できる。
【0035】
図4において、第2の変曲部52hの内周部は、中心がp7で半径がr7の四分円の円弧部であり、第3の変曲部52iの内周部は、中心がp8で半径がr8の四分円の円弧部である。
ここで、前記四分円の半径r7と半径r8の長さが等しく、且つこの二つの四分円が、前記第5の直線部52gの中心線に対して線対称であることが好ましい。すなわち、第2の変曲部52hと第3の変曲部52iとが、前記第5の直線部52gの中心線に対して線対称であることが好ましい。この場合、第2の直線部52a、第3の直線部52d、及び第5の直線部52gを、第2の変曲部52h及び第3の変曲部52iからなる分岐部を介してより滑らかに接続することができ、本発明の効果をより向上させることができる。
【0036】
第2の変曲部52hの内周部、第3の変曲部52iの内周部がそれぞれ円弧状である場合、その曲率半径(r7、r8)は、貫通配線52の径及び基板2の厚みにもよるが、10〜1000μmの範囲であることが好ましい。この範囲の曲率半径であると、第2の直線部52aと第5の直線部52gとを、第2の変曲部52hを介してより滑らかに接続することができる。さらに、第3の直線部52dと第5の直線部52gとを、第3の変曲部52iを介してより滑らかに接続することができ、本発明の効果をより向上させることができる。
なお、図4の貫通配線基板50の厚みは300μmであり、前記R5及びR6は90μmであり、前記r5〜r8は50μmであり、貫通配線52の直径は40μmである。前述したように、これらの数値は、第4実施形態にかかる貫通配線基板50の一例であり、必要に応じて、適宜設置することが可能である。
【0037】
前述した第1の変曲部52c及び第4の変曲部52fは、互いに同一の形状であってもよく、互いに異なる形状であってもよい。すなわち、前記曲率半径R5とR6、及び前記曲率半径r5とr6は、それぞれ、互いに同じであってもよく、互いに異なっていてもよい。また、前述した第2の変曲部52h及び第3の変曲部52iは、互いに同一の形状であってもよく、互いに異なる形状であってもよい。すなわち、前記曲率半径r7とr8は、それぞれ、互いに同じであってもよく、互いに異なっていてもよい。
【0038】
図5A及び図5Bは、本発明の第5実施形態にかかる貫通配線基板60を示す平面図および断面図である。図5Aは貫通配線基板60の平面図であり、図5Bは、図5Aの平面図のx-x線に沿う貫通配線基板60の断面図である。
この貫通配線基板60は、前述の貫通配線基板40と同様に、単一の基板2を構成する一方の面(表面又は裏面;第1面)と他方の面(裏面又は表面;第2面)とを貫通する貫通孔44を配し、この貫通孔44に導電性物質46を充填又は成膜してなる貫通配線42を備えている。図3に示したように、前記貫通孔44は、第1の変曲部42c及び第2の変曲部42eを有し、前記第1の変曲部42cの縦断面の外周部及び内周部、並びに前記第2の変曲部42eの縦断面の外周部及び内周部が円弧状である。本実施形態に係る貫通配線基板60は、さらに、流路63及び64を備えてなる。
【0039】
図5に示した貫通配線基板60の貫通配線42の説明は、前述の貫通配線基板40の貫通配線42の説明と同様である。
前記流路63及び64は共に直線状であり、基板2の両面に平行する貫通配線42に沿って配され、基板2の両側面を貫通している。
前記流路63及び64は、例えば冷却用流体を流通させる流路として用いられることができる。その他、前記流路63及び64は、DNA(核酸)、タンパク質、脂質などの生体溶液を流通させる流路として用いることもできる。
例えば、前記流路63及び64を冷却用流体の流路として用いられる場合、貫通配線基板60を液冷することができ、熱発生の大きいデバイスを基板上に実装した場合であっても、当該デバイスの温度上昇を効果的に低減することが可能になる。さらに、基板上にデバイスの電極が高密度に配置されている場合であっても、貫通配線基板の温度上昇を効果的に低減することが可能である。この流路は、基板2の全体に亘って設けられてもよく、また、実装するデバイスの発熱部に重なるように集中的に設けられてもよい。なお、冷却用液体としては、例えば水(H2O)が挙げられる。
前記流路63及び64を基板2内に形成する方法は、後述するように、前記貫通配線42となる貫通孔44を形成する方法と同様の方法で行うことができる。
【0040】
以上で示した、本発明の貫通配線基板における基板2の材料としては、例えばガラス、サファイア、プラスチック、セラミックス等の絶縁体や、シリコン(Si)等の半導体が挙げられる。これらの材料のなかでも、絶縁性の石英ガラスが好ましい。基板材料が石英ガラスであると、後述する貫通孔の内壁に絶縁層を形成する必要がなく、浮遊容量成分の存在等による高速伝送の阻害要因がなく、冷却用液体の流路の安定性が高い、等の利点がある。
この基板の両面に実装されるデバイスとして、シリコン基板に素子を形成した電子デバイスが考えられる。この際に、この電子デバイスとこの基板との間の線膨張係数差が大きい場合、実装時の温度による両者の伸び量が大きく異なる場合がある。その結果、デバイスの端子と基板のパッドとの間に位置ずれが生じ、精度の高い接続が困難となり、場合によっては接続そのものが困難となる。本実施形態に係る基板は、シリコンやガラスを用いることができるため、この電子デバイスとこの基板との間の線膨張係数差を小さくすることができる。従って、デバイス端子と基板のパッドとの位置ずれを抑制することができ、高精度の接続を実現することができる。
基板2の厚さ(一方の面から他方の面までの距離;例えば、表面から裏面までの距離)としては、約150μm〜1mmの範囲で適宜設定できる。
貫通配線基板に配された貫通孔に充填又は成膜する前記導電性物質26,36,46,56としては、例えば金錫(Au−Sn)、銅(Cu)等が挙げられる。
【0041】
本発明の貫通配線基板に備えられる貫通配線のパターンや断面形状は、以上の例示に限定されるものではなく、適宜設計することが可能である。また、本発明の貫通配線基板に備えられる流路のパターン(経路)や断面形状は、以上の例示に限定されるものではなく、適宜設計することが可能である。
【0042】
次に、本発明の貫通配線基板を製造する方法の一例として、貫通配線基板60を製造する方法を、図6A〜図7Cに示す。
ここで、図6A〜図7Cは、貫通配線基板60を製造する基板2の平面図および断面図である。このうち、図6A及び図7Aはこの基板2の平面図であり、図6B及び図7Bは、それぞれ上記平面図のx-x線に沿う基板2の断面図である。
【0043】
<工程A>
まず、図6Bに示すように、基板2にレーザー光81を照射して、基板2内に基板2の材料が改質されてなる改質部82、83、及び84を形成する。改質部82、83、及び84は、貫通配線42(貫通孔44)、流路63、及び流路64となる領域にそれぞれ設けられる。
【0044】
基板2の材料としては、例えばガラス、サファイア、プラスチック、セラミックス等の絶縁体や、シリコン(Si)等の半導体が挙げられる。これらの材料のなかでも、絶縁性の石英ガラスが好ましい。基板材料が石英ガラスであると、後述する貫通孔の内壁に絶縁層を形成する必要がなく、浮遊容量成分の存在等による高速伝送の阻害要因がなく、冷却用液体の流路の安定性が高い、等の利点がある。
基板2の厚さ(一方の面から他方の面までの距離;例えば、表面から裏面までの距離)としては、約150μm〜1mmの範囲で適宜設定できる。
【0045】
レーザー光81は、例えば基板2の一方の面(表面又は裏面;第1面)側から照射され、基板2内の所望の位置で焦点86を結ぶ。焦点86を結んだ位置で、この基板2の材料が改質される。したがって、レーザー光81を照射しながら焦点86の位置を順次ずらして移動(走査)して、貫通孔44、流路63、及び流路64となる領域の全部に対して、焦点86を結ぶことにより、改質部82、83、及び84を形成することができる。
【0046】
レーザー光81の光源としては、例えばフェムト秒レーザーを挙げることができる。このレーザー光81を照射することによって、例えば径が数μm〜数十μmとした改質部82、83、及び84を得ることができる。また、基板2内部におけるレーザー光81の焦点86を結ぶ位置を制御することにより、所望の形状を有する改質部82、83、及び84を形成することができる。
【0047】
貫通孔44の有する変曲部42cとなる領域をレーザー照射して改質する際、その変曲部42cの縦断面の外周部及び内周部のうち、少なくとも内周部が円弧状であり、その円弧の曲率半径が10〜1000μmの範囲となるように、レーザーを走査する。
【0048】
本実施例では、第1の変曲部42cの縦断面の外周部及び内周部の曲率半径R3及びr3が、それぞれ90μm及び50μmとなるように、第2の変曲部42eの縦断面の外周部及び内周部の曲率半径R4及びr4が、それぞれ90μm及び50μmとなるように、改質部82を形成した。
【0049】
図6Bの断面図に示した矢印は、レーザー光81の焦点86を走査する向きを表す。すなわち、前記矢印は、基板2の他方の面(裏面又は表面;第2面)の前記第2導電部(貫通孔の第2開口部)から一方の面(表面又は裏面;第1面;レーザー光の入射面)の前記第1導電部(貫通孔の第1開口部)までこの焦点86を走査することを表す。このとき、矢印の向きで一筆書きの走査を行うことが、製造効率上好ましい。すなわち、レーザー光81の焦点86の走査は、レーザー光の入射面とは異なる他方の面から始めて、レーザー光の入射面で終了する。例えば、レーザー光81が、基板2の表面から入射される場合、すなわち、基板2の表面がレーザー光の入射面である場合、この入射面とは異なる他方の面である裏面から、レーザー光81の焦点86の走査を行う。
【0050】
以上のように、改質部82,83,84を形成する際、レーザー光81を照射する方向としては、基板2の一方または他方の面からのみレーザー光81を照射してもよいし、基板2の両面からレーザー光81を照射してもよい。
【0051】
その他の手法として、改質部82,83,84の形状に対応するパターンが記録されたホログラムをフェムト秒レーザーと基板2との間に配置し、ホログラムを通してレーザー光を基板2に照射することにより、基板の内部に改質部82,83,84を一括形成することができる。その後、当該改質部をエッチングすることで、所望の貫通孔(微細孔)及び/又は流路を形成することができる。
【0052】
<工程B>
図7A及び図7Bに示すように、前記改質部82,83,及び84を形成した基板2をエッチング液(薬液)67に浸漬して、改質部82,83,及び84をエッチング(ウエットエッチング)することにより基板2から除去する。その結果、改質部82,83,及び84が存在した部分に、貫通孔44、流路63、及び流路64が形成される。本実施形態では基板2の材料として石英ガラスを用い、エッチング液67としてフッ酸(HF)を主成分とする溶液を用いた。このエッチングは、基板2の改質されていない部分に比べて改質部82,83,及び84が非常に速くエッチングされる現象を利用するものであり、結果として改質部82,83,及び84の形状に応じた貫通孔44、流路63、及び流路64を形成することができる。この段階で、貫通孔44の一端は、基板の一方の面(第1面)に露呈する第1開口部である。貫通孔44の他端は、基板の他方の面(第2面)に露呈する第2開口部である。この貫通孔44に導電性物質を充填又は成膜することによって、この第1開口部に第1導電部が形成され、第2開口部に第2導電部が形成される。
【0053】
前記エッチング液67は特に限定されず、例えばフッ酸(HF)を主成分とする溶液、フッ酸に硝酸等を適量添加したフッ硝酸系の混酸等を用いることができる。また、基板2の材料に応じて、他の薬液を用いることもできる。
【0054】
以上では、基板2内に対し、貫通配線42が形成される貫通孔44とともに、流路63及び64を形成する場合を示した。このように、貫通孔と流路とを同時に形成すれば、製造工程が簡略化でき、コストを低減することができる。
一方、この流路63及び64を形成しない場合は、前述の工程(A)において、改質部83及び84を形成しなければよい。
なお、ここでは図示していないが、流路が変曲部を有する場合には、この変曲部の縦断面の外周部及び/又は内周部は円弧状であることが好ましい。円弧状であることにより、この流路を冷媒が流通する際に、この変曲部において発生する乱流を低減することができる。
【0055】
<工程C>
前記貫通孔44、流路63及び64が形成された基板2において、貫通孔44に導電性物質46を充填又は成膜して貫通配線42を形成する。この導電性物質46としては、例えば金錫(Au−Sn)、銅(Cu)等が挙げられる。この導電性物質46の作製(充填又は成膜)方法としては、溶融金属吸引法、超臨界成膜法などを適宜用いることができる。
この基板2に前記冷却用の流路63及び64が形成されている場合には、この流路63及び64内に導電性物質46が侵入しないよう、この流路63及び64の開口部にレジスト等の保護層を設けて、一時的にこの開口部を閉じることが好ましい。このレジストは、例えば樹脂レジストや無機系材料の薄膜などを用いることができる。この保護層を設けることにより、この流路63及び64内に導電性物質が充填又は成膜されることを防ぐことができる。この保護層は、貫通孔44への導電性物質46の充填又は成膜を終えた後に除かれる。
以上の工程A〜Cにより、図5A及び図5Bに示した貫通配線基板60が得られる。
【0056】
さらに所望に応じて、貫通配線42の導電部上にランド部を形成してもよい。ランド部の形成方法は、めっき法、スパッタ法など、適宜用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明の貫通配線基板を用いることにより、貫通配線基板の2つの面に実装したデバイス間の高周波信号等の伝送損失を低減し、そのデバイス間の導通不良を抑制することができる。よって、本発明の貫通配線基板は、その両面にデバイスを実装する3次元実装や、複数のデバイスを一つのパッケージ内でシステム化するシステムインパッケージ(SiP)など、各種デバイスの高密度実装に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0058】
2…基板、20…貫通配線基板、22…貫通配線、24…貫通孔、26…導電性物質、30…貫通配線基板、32…貫通配線、34…貫通孔、36…導電性物質、40…貫通配線基板、42…貫通配線、44…貫通孔、46…導電性物質、50…貫通配線基板、52…貫通配線、54…貫通孔、56…導電性物質、60…流路付き貫通配線基板、63…流路、64…流路、67…エッチング液、81…レーザー光、82…改質された領域(改質部)、83…改質された領域(改質部)、84…改質された領域(改質部)、86…焦点
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の内部を貫通する貫通配線を有する貫通配線基板に関する。
本願は、2009年07月06日に、日本に出願された特願2009−159869号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板の一方の面である第1面に実装された第1デバイスと、他方の面である第2面に実装された第2デバイスとの間を電気的に接続する方法として、基板の内部を貫通する貫通配線を設ける方法が用いられている。
貫通配線基板の一例として、特許文献1には、基材の厚み方向とは異なる方向に延びる部分を有する微細孔に導電性物質を充填してなる貫通配線を備えた貫通配線基板が記載されている。
【0003】
その一例としては、例えば図8に示すような貫通配線基板が挙げられる。この貫通配線基板100は、石英ガラス等からなる基板102を構成する一方の面と一つの側面とを結ぶように貫通孔104を配し、この貫通孔104に導電性物質106を充填してなる貫通配線101を備える。この貫通配線101は、略直角の屈曲部を有し、基板の厚み方向に延びる直線部101bと、基板の厚み方向とは異なる方向(長手方向)に延びる直線部101aとは、その略直角の屈曲部において接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−303360号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の貫通配線基板に備える貫通配線が、基板内に略直角の屈曲部を有する場合、この屈曲部の内周部に電流が集中し、この貫通配線を介する電気信号、特に高周波信号における伝送損失が大きくなる問題があった。また、超臨界成膜法等によって充填された導電性物質が、この屈曲部の尖った端部を起点として貫通孔から剥離してしまい、導通不良を生じる問題があった。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、高周波信号等の電気信号の伝送損失を低減し、貫通孔から導電物質が剥離することによる導通不良を抑制する貫通配線基板およびその製造方法の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明の貫通配線基板は、第1面と第2面とを有する基板と;前記第1面と前記第2面との間を貫通する貫通孔内に、導電性物質を充填又は成膜することにより形成された貫通配線と;を備える貫通配線基板であって、前記貫通孔は、変曲部と、該変曲部の両端に、該変曲部と接続する直線部とを有し、前記変曲部の中心線に沿った断面の外周および内周のうち、少なくとも内周が円弧状であり、前記直線部のうち少なくとも一方の直線部は前記第1面又は第2面に対して垂直に開口することを特徴とする。
【0008】
本発明の貫通配線基板において、前記貫通孔は、第一変曲部と、該第一変曲部の一端及び他端にそれぞれ第一直線部及び第二直線部とが接続され、前記第一変曲部の中心線に沿った断面の外周および内周のうち、少なくとも内周が円弧状であり、前記第一直線部の一端は前記第1面に対して垂直に開口し、前記第一直線部の他端は前記第一変曲部の一端に接続されることが好ましい。
前記第二直線部の一端は前記第一変曲部の他端に接続され、前記第二直線部の他端は第二変曲部の一端に接続されていることが好ましい。
前記第二変曲部の他端は第三直線部の一端に接続されていることが好ましい。
前記第三直線部の他端は前記第2面に対して垂直に開口することが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、高周波信号等の電気信号の伝送損失を低減し、貫通孔から導電性物質が剥離することによる導通不良を抑制する貫通配線基板およびその製造方法を提供することができる。
本発明の貫通配線基板内に設けられた前記貫通配線は変曲部を有し、この変曲部の縦断面の外周部および内周部のうち、少なくとも内周部が円弧状であることにより、少なくとも内周部には尖った端部を有しない。そのため、この貫通配線を構成する貫通孔から導電性物質が剥離することを抑制できるため、導電性物質の剥離による導通不良を抑制することができる。
また、前記内周部に加えて前記外周部も円弧状である場合、外周部及び内周部の両方に尖った端部を有しないので、導電性物質の剥離による導通不良を一層抑制することができる。
さらに、少なくとも前記内周部及び外周部の一方が円弧状であり、この円弧の曲率半径が10〜1000μmである場合、変曲部がより滑らかとなり、導電性物質の剥離による導通不良をさらに一層抑制することができる。
本発明の貫通配線基板内に設けられた前記貫通配線は変曲部を有し、この変曲部の縦断面の外周部および内周部のうち、少なくとも内周部が円弧状であることにより、少なくとも内周部には尖った端部を有しない。そのため、内周部への電流の局所的な集中を緩和して、高周波信号等の伝送損失を低減することができる。
さらに、少なくとも前記内周部及び外周部の一つが円弧状であり、その円弧の曲率半径が10〜1000μmである場合、変曲部がより滑らかとなり、高周波信号等の伝送損失をさらに一層低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1実施形態に係る貫通配線基板を示す断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係る貫通配線基板を示す断面図である。
【図3】本発明の第3実施形態に係る貫通配線基板を示す断面図である。
【図4】本発明の第4実施形態に係る貫通配線基板を示す断面図である。
【図5A】本発明の第5実施形態に係る貫通配線基板を示す平面図である。
【図5B】図5Aのx−x線に沿う貫通配線基板の断面図である。
【図6A】本発明にかかる貫通配線基板の製造方法を示す平面図である。
【図6B】図6Aのx−x線に沿う断面図である。
【図7A】本発明にかかる貫通配線基板の製造方法を示す平面図である。
【図7B】図7Aのx−x線に沿う断面図である。
【図8】従来の貫通配線基板の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る貫通配線基板20の断面図である。この貫通配線基板20は、貫通配線22を備えている。単一の基板2を構成する一方の面(表面又は裏面;第1面)と一つの側面(第2面)とを貫通する貫通孔24を配し、この貫通孔24に導電性物質26を充填又は成膜して、貫通配線22を構成する。前記貫通孔24は変曲部(湾曲部)22cを有し、この変曲部22cの縦断面の外周部及び内周部が円弧状に形成されている。図1に示すように、この変曲部は、その縦断面において、凹状に湾曲している内周部と、凸状に湾曲している外周部とを有する。この貫通孔24は、連続している直線部22bと、変曲部22cと、直線部22aとを備えている。なお、導電性物質26を充填又は成膜する前は貫通孔24であり、導電性物質26を充填又は成膜した後は、貫通孔24から貫通配線22になる。従って、以下の説明で、貫通孔24が変曲部22cを備えると表現する場合もあれば、貫通配線22が変曲部22cを備えると表現する場合もある。
【0012】
また、図1の貫通配線基板20の断面は、貫通配線22の中心線に沿った縦断面である。貫通配線22の一端は、貫通配線基板20の一方の面(第1面)に露呈する第1導電部222a(貫通孔の第1開口部224a)である。前記貫通配線22の一端から基板2の厚み方向(一方の面から他方の面に見た方向;例えば、表面から裏面に見た方向)に直線部22bが延びて、円弧状の変曲部22cに達する。この変曲部22cから基板2の両面に平行する方向に沿って直線部22aが延びて、基板2の一つの側面(第2面)に露呈する第2導電部222b(貫通孔の第2開口部224b)に達する。この第2導電部222bは、貫通配線22の他端である。
【0013】
貫通配線22において、基板2の厚み方向に延びる直線部22bと基板2の両面に平行する方向に延びる直線部22aとを滑らかに接続する変曲部22cは円弧状である。
変曲部22cが円弧状である時、変曲部22cの中心線に沿った断面(縦断面)において、変曲部22cの外周部及び内周部は円弧状である。
前記変曲部22cの内周部のみが円弧状であってもよいが、本発明の効果がより優れる観点から、前記外周部及び内周部の両方が円弧状であることが好ましい。
なお、前記円弧状が、例えばその円弧に内接又は外接する多角形状や、その円弧に沿って蛇行する曲線状等の略円弧状の場合にも、本発明と同様な効果が期待できる。
【0014】
図1において、変曲部22cの外周部は、中心がq1で半径がR1の四分円の円弧部であり、変曲部22cの内周部は、中心がp1で半径がr1の四分円の円弧部である。
ここで、前記二つの四分円の中心q1と中心p1の位置が同じであり、半径R1>半径r1であることが好ましい。半径R1と半径r1との差が、直線部22b及び/又は直線部22aにおける貫通配線22の直径に等しいことが好ましい。この場合、直線部22bと直線部22aとを、変曲部22cを介してより滑らかに接続することができ、本発明の効果をより向上させることができる。
【0015】
変曲部22cの外周部及び/又は内周部(外周部及び内周部の少なくとも一つ)が円弧状である場合、それらの曲率半径(R1及びr1)は、貫通配線22の径及び基板2の厚みにもよるが、10〜1000μmの範囲であることが好ましい。この範囲の曲率半径であると、直線部22bと直線部22aとを、変曲部22cを介してより滑らかに接続することができ、本発明の効果をより向上させることができる。
なお、図1の貫通配線基板20の厚みは300μmであり、前記R1は90μmであり、前記r1は50μmであり、貫通配線22の直径は40μmである。これらの数値は、本発明の第1実施形態に係る貫通配線基板20の一例であり、必要に応じて、前記基板の厚み、曲率半径(R1及びr1)、貫通配線の直径等を適宜変更することが可能である。
【0016】
図2は、本発明の第2実施形態にかかる貫通配線基板30の断面図である。この貫通配線基板30は、単一の基板2を構成する一方の面(表面又は裏面;第1面)と他方の面(裏面又は表面;第2面)とを貫通する貫通孔34を配し、この貫通孔34に導電性物質36を充填又は成膜してなる貫通配線32を備えている。前記貫通配線32は、変曲部32cを有し、その変曲部32cの縦断面の外周部及び内周部が円弧状である。
【0017】
また、図2の貫通配線基板30の断面は、貫通配線32の中心線に沿った縦断面である。貫通配線32の一端は、貫通配線基板30の一方の面(第1面)に露呈する第1導電部である。貫通配線32の一端から基板2の厚み方向(一方の面から他方の面に見た方向;例えば表面から裏面に見た方向)に直線部32bが延びて、円弧状の変曲部32cに達する。この変曲部32cから基板2の厚み方向とは異なる方向(厚み方向に交差す方向)に直線部32aが延びて、基板2の他方の面(第2面)に露呈する第2導電部に達する。この第2導電部は、貫通配線32の他端である。
【0018】
貫通配線32において、基板2の厚み方向に延びる直線部32bと基板2の厚み方向とは異なる方向(厚み方向に交差す方向)に延びる直線部32aとを滑らかに接続する変曲部32cは円弧状である。
変曲部32cが円弧状である時、変曲部32cの中心線に沿った断面(縦断面)において、変曲部32cの外周部及び内周部は円弧状である。
前記変曲部32cの内周部のみが円弧状であってもよいが、本発明の効果がより優れる観点から、前記外周部及び内周部の両方が円弧状であることが好ましい。
なお、前記円弧状が、例えばその円弧に内接又は外接する多角形状や、その円弧に沿って蛇行する曲線状等の略円弧状の場合にも、本発明と同様な効果が期待できる。
【0019】
図2において、変曲部32cの外周部は、中心がq2で半径がR2の八分円の円弧部であり、変曲部32cの内周部は、中心がp2で半径がr2の八分円の円弧部である。
ここで、前記二つの八分円の中心q2と中心p2の位置が同じであり、半径R2>半径r2であることが好ましい。半径R2と半径r2との差が、直線部32b及び/又は直線部32aにおける貫通配線32の直径に等しいことが好ましい。この場合、直線部32bと直線部32aとを、変曲部32cを介してより滑らかに接続することができ、本発明の効果をより向上させることができる。
【0020】
変曲部32cの外周部及び/又は内周部(外周部及び内周部の少なくとも一つ)が円弧状である場合、それらの曲率半径(R2及びr2)は、貫通配線32の径及び基板2の厚みにもよるが、10〜1000μmの範囲であることが好ましい。この範囲の曲率半径であると、直線部32bと直線部32aとを、変曲部32cを介してより滑らかに接続することができ、本発明の効果をより向上させることができる。
なお、図2の貫通配線基板30の厚みは300μmであり、前記R2は110μmであり、前記r2は65μmであり、貫通配線32の直径は45μmである。前述したように、これらの数値は、本発明の第2実施形態に係る貫通配線基板30の一例であり、必要に応じて、これらの数値を適宜変更することが可能である。
【0021】
図3は、本発明の第3実施形態にかかる貫通配線基板40の断面図である。この貫通配線基板40は、単一の基板2を構成する一方の面(表面又は裏面;第1面)と他方の面(裏面又は表面;第2面)とを貫通する貫通孔44を配し、この貫通孔44に導電性物質46を充填又は成膜してなる貫通配線42を備えている。前記貫通孔44は、第1の変曲部42c及び第2の変曲部42eを有し、前記第1の変曲部42cの縦断面の外周部及び内周部、並びに前記第2の変曲部42eの縦断面の外周部及び内周部が円弧状である。言い換えると、貫通配線が第1の変曲部42cと第2の変曲部42eとを備え、これらの第1の変曲部42c及び第2の変曲部42eは、その縦断面の外周部及び内周部が円弧状である。
【0022】
また、図3の貫通配線基板40の断面は、貫通配線42の中心線に沿った縦断面である。貫通配線42の一端は、貫通配線基板40の一方の面(第1面)に露呈する第1導電部である。貫通配線42の一端から基板2の厚み方向(一方の面から他方の面に見た方向;例えば表面から裏面に見た方向)に直線部42bが延びて、円弧状の第1の変曲部42cに達する。この第1の変曲部42cから基板2の両面と平行する方向に直線部42aが延びて、円弧状の第2の変曲部42eに達する。この第2の変曲部42eから基板2の厚み方向に直線部42dが延びて基板2の他方の面(第2面)に露呈する第2導電部に達する。この第2導電部は、貫通配線42の他端である。
【0023】
貫通配線42において、基板2の厚み方向に延びる直線部42bと基板2の両面に平行する方向に延びる直線部42aとを滑らかに接続する第1の変曲部42cは、円弧状である。
第1の変曲部42cが円弧状である時、第1の変曲部42cの中心線に沿った断面(縦断面)において、第1の変曲部42cの外周部及び内周部は円弧状である。
前記第1の変曲部42cの内周部のみが円弧状であってもよいが、本発明の効果がより優れる観点から、前記第1の変曲部42cの外周部及び内周部の両方が円弧状であることが好ましい。
なお、前記円弧状が、例えばその円弧に内接又は外接する多角形状や、その円弧に沿って蛇行する曲線状等の略円弧状の場合にも、本発明と同様な効果が期待できる。
【0024】
貫通配線42において、基板2の両面に平行する方向に延びる直線部42aと基板2の厚み方向に延びる直線部42dとを滑らかに接続する第2の変曲部42eは、円弧状である。
第2の変曲部42eが円弧状である時、第2の変曲部42eの中心線に沿った断面(縦断面)において、第2の変曲部42eの外周部及び内周部は円弧状である。
前記第2の変曲部42eの内周部のみが円弧状であってもよいが、本発明の効果がより優れる観点から、前記第2の変曲部42eの外周部及び内周部の両方が円弧状であることが好ましい。
なお、前記円弧状が、例えばその円弧に内接又は外接する多角形状や、その円弧に沿って蛇行する曲線状等の略円弧状の場合にも、本発明と同様な効果が期待できる。
【0025】
図3において、第1の変曲部42cの外周部は、中心がq3で半径がR3の四分円の円弧部であり、第1の変曲部42cの内周部は、中心がp3で半径がr3の四分円の円弧部である。
ここで、前記二つの四分円の中心q3と中心p3の位置が同じであり、半径R3>半径r3であることが好ましい。半径R3と半径r3との差が、基板2の厚み方向に延びる直線部42b及び/又は基板2の両面に平行する方向に延びる直線部42aにおける貫通配線42の直径に等しいことが好ましい。この場合、基板2の厚み方向に延びる直線部42bと基板2の両面に平行する方向に延びる直線部42aとを、第1の変曲部42cを介してより滑らかに接続することができ、本発明の効果をより向上させることができる。
【0026】
図3において、第2の変曲部42eの外周部は、中心がq4で半径がR4の四分円の円弧部であり、第2の変曲部42eの内周部は、中心がp4で半径がr4の四分円の円弧部である。
ここで、前記二つの四分円の中心q4と中心p4の位置が同じであり、半径R4>半径r4であることが好ましい。半径R4と半径r4との差が、基板2の両面に平行する方向に延びる直線部42a及び/又は基板2の厚み方向に延びる直線部42dにおける貫通配線42の直径に等しいことが好ましい。この場合、基板2の両面に平行する方向に延びる直線部42aと基板2の厚み方向に延びる直線部42dとを、第2の変曲部42eを介してより滑らかに接続することができ、本発明の効果をより向上させることができる。
【0027】
第1の変曲部42cの外周部及び/又は内周部(外周部及び内周部の少なくとも一つ)が円弧状である場合、それらの曲率半径(R3及びr3)は、貫通配線42の径及び基板2の厚みにもよるが、10〜1000μmの範囲であることが好ましい。この範囲の曲率半径であると、基板2の厚み方向に延びる直線部42bと基板2の両面に平行する方向に延びる直線部42aとを、第1の変曲部42cを介してより滑らかに接続することができ、本発明の効果をより向上させることができる。
なお、図3の貫通配線基板40の厚みは300μmであり、前記R3は90μmであり、前記r3は50μmであり、貫通配線42の直径は40μmである。
【0028】
第2の変曲部42eの外周部及び/又は内周部(外周部及び内周部の少なくとも一つ)が円弧状である場合、それらの曲率半径(R4及びr4)は、貫通配線42の径及び基板2の厚みにもよるが、10〜1000μmの範囲であることが好ましい。この範囲の曲率半径であると、基板2の両面に平行する方向に延びる直線部42aと基板2の厚み方向に延びる直線部42dとを、第2の変曲部42eを介してより滑らかに接続することができ、本発明の効果をより向上させることができる。
なお、図3の貫通配線基板40の厚みは300μmであり、前記R4は90μmであり、前記r4は50μmであり、貫通配線42の直径は40μmである。前述したように、これらの数値は、本発明の第3実施形態に係る貫通配線基板40の一例であり、必要に応じて、これらの数値を適宜変更することが可能である。
【0029】
前述した第1の変曲部42c及び第2の変曲部42eは、互いに同一の形状であってもよく、互いに異なる形状であってもよい。すなわち、前記R3とR4、及び前記r3とr4はそれぞれ、互いに同じであってもよく、互いに異なっていてもよい。
【0030】
図4は、本発明の第4実施形態にかかる貫通配線基板50の断面図である。この貫通配線基板50は、単一の基板2を構成する一方の面(表面又は裏面;第1面)と他方の面(裏面又は表面;第2面)とを貫通する貫通孔54を配し、この貫通孔54に導電性物質56を充填又は成膜してなる貫通配線52を備えている。前記貫通孔54は、第1の変曲部52cと、第2の変曲部52hと、第3の変曲部52iと、第4の変曲部52fとを有する。前記第1の変曲部52cの縦断面の外周部及び内周部、前記第2の変曲部52hの縦断面の内周部、前記第3の変曲部52iの縦断面の内周部、並びに前記第4の変曲部52fの縦断面の外周部及び内周部が、円弧状である。
【0031】
また、図4の貫通配線基板50の断面は、貫通配線52の中心線に沿った縦断面である。貫通配線52は、一方の面(第1面)に露呈する第1導電部と一方の面(第1面)に露呈する第2導電部と、他方の面(第2面)に露呈する第3導電部とを有する。この第1導電部から基板2の厚み方向に(一方の面から他方の面に見た方向;例えば表面から裏面に見た方向)第1の直線部52bが延びて第1の変曲部52cに達する。第1の変曲部52cから基板2の両面に平行する方向に第2の直線部52aが延びて、第2の変曲部52h及び第3の変曲部52iからなる分岐部に達する。この分岐部から基板2の両面に平行する方向に第3の直線部52dがさらに延びて、第4の変曲部52fに達する。また、この第2導電部から基板2の厚み方向に第4の直線部52eが延びて前記第4の変曲部52fに達する。さらに、前記分岐部から基板2の厚み方向に第5の直線部52gが延びて他方の面(第2面)に露呈する第3導電部に達する。
【0032】
貫通配線52において、第1の直線部52bと第2の直線部52aとを滑らかに接続する第1の変曲部52cは、円弧状である。
貫通配線52において、第4の直線部52eと第3の直線部52dとを滑らかに接続する第4の変曲部52fは、円弧状である。
これらの第1の変曲部52c及び第4の変曲部52fの説明は、前記貫通配線基板20の変曲部22cの説明と同様である。なお、第1の変曲部52c及び第4の変曲部52fは、互いに同一の形状であってもよく、互いに異なる形状であってもよい。
【0033】
前記分岐部は、図4に示すように、第2の変曲部52h及び第3の変曲部52iからなる。
第2の変曲部52hは、第2の直線部52aと第5の直線部52gとを滑らかに接続する。
第3の変曲部52iは、第3の直線部52dと第5の直線部52gとを滑らかに接続する。
【0034】
第2の変曲部52hの中心線に沿った断面(縦断面)において、第2の変曲部52hの外周部は直線状である一方、第2の変曲部52hの内周部は円弧状である。本発明の効果が優れ、第2の直線部52aと第5の直線部52gとをより滑らかに接続できる観点から、第2の変曲部52hの内周部は滑らかな円弧状であることが好ましい。
また、第3の変曲部52iの中心線に沿った断面(縦断面)において、第3の変曲部52iの外周部は直線状である一方、第3の変曲部52iの内周部は円弧状である。本発明の効果が優れ、第3の直線部52dと第5の直線部52gとをより滑らかに接続できる観点から、第3の変曲部52iの内周部は滑らかな円弧状であることが好ましい。
なお、前記円弧状が、例えばその円弧に内接又は外接する多角形状や、その円弧に沿って蛇行する曲線状等の略円弧状の場合にも、本発明と同様な効果が期待できる。
【0035】
図4において、第2の変曲部52hの内周部は、中心がp7で半径がr7の四分円の円弧部であり、第3の変曲部52iの内周部は、中心がp8で半径がr8の四分円の円弧部である。
ここで、前記四分円の半径r7と半径r8の長さが等しく、且つこの二つの四分円が、前記第5の直線部52gの中心線に対して線対称であることが好ましい。すなわち、第2の変曲部52hと第3の変曲部52iとが、前記第5の直線部52gの中心線に対して線対称であることが好ましい。この場合、第2の直線部52a、第3の直線部52d、及び第5の直線部52gを、第2の変曲部52h及び第3の変曲部52iからなる分岐部を介してより滑らかに接続することができ、本発明の効果をより向上させることができる。
【0036】
第2の変曲部52hの内周部、第3の変曲部52iの内周部がそれぞれ円弧状である場合、その曲率半径(r7、r8)は、貫通配線52の径及び基板2の厚みにもよるが、10〜1000μmの範囲であることが好ましい。この範囲の曲率半径であると、第2の直線部52aと第5の直線部52gとを、第2の変曲部52hを介してより滑らかに接続することができる。さらに、第3の直線部52dと第5の直線部52gとを、第3の変曲部52iを介してより滑らかに接続することができ、本発明の効果をより向上させることができる。
なお、図4の貫通配線基板50の厚みは300μmであり、前記R5及びR6は90μmであり、前記r5〜r8は50μmであり、貫通配線52の直径は40μmである。前述したように、これらの数値は、第4実施形態にかかる貫通配線基板50の一例であり、必要に応じて、適宜設置することが可能である。
【0037】
前述した第1の変曲部52c及び第4の変曲部52fは、互いに同一の形状であってもよく、互いに異なる形状であってもよい。すなわち、前記曲率半径R5とR6、及び前記曲率半径r5とr6は、それぞれ、互いに同じであってもよく、互いに異なっていてもよい。また、前述した第2の変曲部52h及び第3の変曲部52iは、互いに同一の形状であってもよく、互いに異なる形状であってもよい。すなわち、前記曲率半径r7とr8は、それぞれ、互いに同じであってもよく、互いに異なっていてもよい。
【0038】
図5A及び図5Bは、本発明の第5実施形態にかかる貫通配線基板60を示す平面図および断面図である。図5Aは貫通配線基板60の平面図であり、図5Bは、図5Aの平面図のx-x線に沿う貫通配線基板60の断面図である。
この貫通配線基板60は、前述の貫通配線基板40と同様に、単一の基板2を構成する一方の面(表面又は裏面;第1面)と他方の面(裏面又は表面;第2面)とを貫通する貫通孔44を配し、この貫通孔44に導電性物質46を充填又は成膜してなる貫通配線42を備えている。図3に示したように、前記貫通孔44は、第1の変曲部42c及び第2の変曲部42eを有し、前記第1の変曲部42cの縦断面の外周部及び内周部、並びに前記第2の変曲部42eの縦断面の外周部及び内周部が円弧状である。本実施形態に係る貫通配線基板60は、さらに、流路63及び64を備えてなる。
【0039】
図5に示した貫通配線基板60の貫通配線42の説明は、前述の貫通配線基板40の貫通配線42の説明と同様である。
前記流路63及び64は共に直線状であり、基板2の両面に平行する貫通配線42に沿って配され、基板2の両側面を貫通している。
前記流路63及び64は、例えば冷却用流体を流通させる流路として用いられることができる。その他、前記流路63及び64は、DNA(核酸)、タンパク質、脂質などの生体溶液を流通させる流路として用いることもできる。
例えば、前記流路63及び64を冷却用流体の流路として用いられる場合、貫通配線基板60を液冷することができ、熱発生の大きいデバイスを基板上に実装した場合であっても、当該デバイスの温度上昇を効果的に低減することが可能になる。さらに、基板上にデバイスの電極が高密度に配置されている場合であっても、貫通配線基板の温度上昇を効果的に低減することが可能である。この流路は、基板2の全体に亘って設けられてもよく、また、実装するデバイスの発熱部に重なるように集中的に設けられてもよい。なお、冷却用液体としては、例えば水(H2O)が挙げられる。
前記流路63及び64を基板2内に形成する方法は、後述するように、前記貫通配線42となる貫通孔44を形成する方法と同様の方法で行うことができる。
【0040】
以上で示した、本発明の貫通配線基板における基板2の材料としては、例えばガラス、サファイア、プラスチック、セラミックス等の絶縁体や、シリコン(Si)等の半導体が挙げられる。これらの材料のなかでも、絶縁性の石英ガラスが好ましい。基板材料が石英ガラスであると、後述する貫通孔の内壁に絶縁層を形成する必要がなく、浮遊容量成分の存在等による高速伝送の阻害要因がなく、冷却用液体の流路の安定性が高い、等の利点がある。
この基板の両面に実装されるデバイスとして、シリコン基板に素子を形成した電子デバイスが考えられる。この際に、この電子デバイスとこの基板との間の線膨張係数差が大きい場合、実装時の温度による両者の伸び量が大きく異なる場合がある。その結果、デバイスの端子と基板のパッドとの間に位置ずれが生じ、精度の高い接続が困難となり、場合によっては接続そのものが困難となる。本実施形態に係る基板は、シリコンやガラスを用いることができるため、この電子デバイスとこの基板との間の線膨張係数差を小さくすることができる。従って、デバイス端子と基板のパッドとの位置ずれを抑制することができ、高精度の接続を実現することができる。
基板2の厚さ(一方の面から他方の面までの距離;例えば、表面から裏面までの距離)としては、約150μm〜1mmの範囲で適宜設定できる。
貫通配線基板に配された貫通孔に充填又は成膜する前記導電性物質26,36,46,56としては、例えば金錫(Au−Sn)、銅(Cu)等が挙げられる。
【0041】
本発明の貫通配線基板に備えられる貫通配線のパターンや断面形状は、以上の例示に限定されるものではなく、適宜設計することが可能である。また、本発明の貫通配線基板に備えられる流路のパターン(経路)や断面形状は、以上の例示に限定されるものではなく、適宜設計することが可能である。
【0042】
次に、本発明の貫通配線基板を製造する方法の一例として、貫通配線基板60を製造する方法を、図6A〜図7Cに示す。
ここで、図6A〜図7Cは、貫通配線基板60を製造する基板2の平面図および断面図である。このうち、図6A及び図7Aはこの基板2の平面図であり、図6B及び図7Bは、それぞれ上記平面図のx-x線に沿う基板2の断面図である。
【0043】
<工程A>
まず、図6Bに示すように、基板2にレーザー光81を照射して、基板2内に基板2の材料が改質されてなる改質部82、83、及び84を形成する。改質部82、83、及び84は、貫通配線42(貫通孔44)、流路63、及び流路64となる領域にそれぞれ設けられる。
【0044】
基板2の材料としては、例えばガラス、サファイア、プラスチック、セラミックス等の絶縁体や、シリコン(Si)等の半導体が挙げられる。これらの材料のなかでも、絶縁性の石英ガラスが好ましい。基板材料が石英ガラスであると、後述する貫通孔の内壁に絶縁層を形成する必要がなく、浮遊容量成分の存在等による高速伝送の阻害要因がなく、冷却用液体の流路の安定性が高い、等の利点がある。
基板2の厚さ(一方の面から他方の面までの距離;例えば、表面から裏面までの距離)としては、約150μm〜1mmの範囲で適宜設定できる。
【0045】
レーザー光81は、例えば基板2の一方の面(表面又は裏面;第1面)側から照射され、基板2内の所望の位置で焦点86を結ぶ。焦点86を結んだ位置で、この基板2の材料が改質される。したがって、レーザー光81を照射しながら焦点86の位置を順次ずらして移動(走査)して、貫通孔44、流路63、及び流路64となる領域の全部に対して、焦点86を結ぶことにより、改質部82、83、及び84を形成することができる。
【0046】
レーザー光81の光源としては、例えばフェムト秒レーザーを挙げることができる。このレーザー光81を照射することによって、例えば径が数μm〜数十μmとした改質部82、83、及び84を得ることができる。また、基板2内部におけるレーザー光81の焦点86を結ぶ位置を制御することにより、所望の形状を有する改質部82、83、及び84を形成することができる。
【0047】
貫通孔44の有する変曲部42cとなる領域をレーザー照射して改質する際、その変曲部42cの縦断面の外周部及び内周部のうち、少なくとも内周部が円弧状であり、その円弧の曲率半径が10〜1000μmの範囲となるように、レーザーを走査する。
【0048】
本実施例では、第1の変曲部42cの縦断面の外周部及び内周部の曲率半径R3及びr3が、それぞれ90μm及び50μmとなるように、第2の変曲部42eの縦断面の外周部及び内周部の曲率半径R4及びr4が、それぞれ90μm及び50μmとなるように、改質部82を形成した。
【0049】
図6Bの断面図に示した矢印は、レーザー光81の焦点86を走査する向きを表す。すなわち、前記矢印は、基板2の他方の面(裏面又は表面;第2面)の前記第2導電部(貫通孔の第2開口部)から一方の面(表面又は裏面;第1面;レーザー光の入射面)の前記第1導電部(貫通孔の第1開口部)までこの焦点86を走査することを表す。このとき、矢印の向きで一筆書きの走査を行うことが、製造効率上好ましい。すなわち、レーザー光81の焦点86の走査は、レーザー光の入射面とは異なる他方の面から始めて、レーザー光の入射面で終了する。例えば、レーザー光81が、基板2の表面から入射される場合、すなわち、基板2の表面がレーザー光の入射面である場合、この入射面とは異なる他方の面である裏面から、レーザー光81の焦点86の走査を行う。
【0050】
以上のように、改質部82,83,84を形成する際、レーザー光81を照射する方向としては、基板2の一方または他方の面からのみレーザー光81を照射してもよいし、基板2の両面からレーザー光81を照射してもよい。
【0051】
その他の手法として、改質部82,83,84の形状に対応するパターンが記録されたホログラムをフェムト秒レーザーと基板2との間に配置し、ホログラムを通してレーザー光を基板2に照射することにより、基板の内部に改質部82,83,84を一括形成することができる。その後、当該改質部をエッチングすることで、所望の貫通孔(微細孔)及び/又は流路を形成することができる。
【0052】
<工程B>
図7A及び図7Bに示すように、前記改質部82,83,及び84を形成した基板2をエッチング液(薬液)67に浸漬して、改質部82,83,及び84をエッチング(ウエットエッチング)することにより基板2から除去する。その結果、改質部82,83,及び84が存在した部分に、貫通孔44、流路63、及び流路64が形成される。本実施形態では基板2の材料として石英ガラスを用い、エッチング液67としてフッ酸(HF)を主成分とする溶液を用いた。このエッチングは、基板2の改質されていない部分に比べて改質部82,83,及び84が非常に速くエッチングされる現象を利用するものであり、結果として改質部82,83,及び84の形状に応じた貫通孔44、流路63、及び流路64を形成することができる。この段階で、貫通孔44の一端は、基板の一方の面(第1面)に露呈する第1開口部である。貫通孔44の他端は、基板の他方の面(第2面)に露呈する第2開口部である。この貫通孔44に導電性物質を充填又は成膜することによって、この第1開口部に第1導電部が形成され、第2開口部に第2導電部が形成される。
【0053】
前記エッチング液67は特に限定されず、例えばフッ酸(HF)を主成分とする溶液、フッ酸に硝酸等を適量添加したフッ硝酸系の混酸等を用いることができる。また、基板2の材料に応じて、他の薬液を用いることもできる。
【0054】
以上では、基板2内に対し、貫通配線42が形成される貫通孔44とともに、流路63及び64を形成する場合を示した。このように、貫通孔と流路とを同時に形成すれば、製造工程が簡略化でき、コストを低減することができる。
一方、この流路63及び64を形成しない場合は、前述の工程(A)において、改質部83及び84を形成しなければよい。
なお、ここでは図示していないが、流路が変曲部を有する場合には、この変曲部の縦断面の外周部及び/又は内周部は円弧状であることが好ましい。円弧状であることにより、この流路を冷媒が流通する際に、この変曲部において発生する乱流を低減することができる。
【0055】
<工程C>
前記貫通孔44、流路63及び64が形成された基板2において、貫通孔44に導電性物質46を充填又は成膜して貫通配線42を形成する。この導電性物質46としては、例えば金錫(Au−Sn)、銅(Cu)等が挙げられる。この導電性物質46の作製(充填又は成膜)方法としては、溶融金属吸引法、超臨界成膜法などを適宜用いることができる。
この基板2に前記冷却用の流路63及び64が形成されている場合には、この流路63及び64内に導電性物質46が侵入しないよう、この流路63及び64の開口部にレジスト等の保護層を設けて、一時的にこの開口部を閉じることが好ましい。このレジストは、例えば樹脂レジストや無機系材料の薄膜などを用いることができる。この保護層を設けることにより、この流路63及び64内に導電性物質が充填又は成膜されることを防ぐことができる。この保護層は、貫通孔44への導電性物質46の充填又は成膜を終えた後に除かれる。
以上の工程A〜Cにより、図5A及び図5Bに示した貫通配線基板60が得られる。
【0056】
さらに所望に応じて、貫通配線42の導電部上にランド部を形成してもよい。ランド部の形成方法は、めっき法、スパッタ法など、適宜用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明の貫通配線基板を用いることにより、貫通配線基板の2つの面に実装したデバイス間の高周波信号等の伝送損失を低減し、そのデバイス間の導通不良を抑制することができる。よって、本発明の貫通配線基板は、その両面にデバイスを実装する3次元実装や、複数のデバイスを一つのパッケージ内でシステム化するシステムインパッケージ(SiP)など、各種デバイスの高密度実装に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0058】
2…基板、20…貫通配線基板、22…貫通配線、24…貫通孔、26…導電性物質、30…貫通配線基板、32…貫通配線、34…貫通孔、36…導電性物質、40…貫通配線基板、42…貫通配線、44…貫通孔、46…導電性物質、50…貫通配線基板、52…貫通配線、54…貫通孔、56…導電性物質、60…流路付き貫通配線基板、63…流路、64…流路、67…エッチング液、81…レーザー光、82…改質された領域(改質部)、83…改質された領域(改質部)、84…改質された領域(改質部)、86…焦点
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面と第2面とを有する基板と;
前記第1面と前記第2面との間を貫通する貫通孔内に、導電性物質を充填又は成膜することにより形成された貫通配線と;
を備える貫通配線基板であって、
前記貫通孔は、変曲部と、該変曲部の両端に、該変曲部と接続する直線部とを有し、前記変曲部の中心線に沿った断面の外周および内周のうち、少なくとも内周が円弧状であり、前記直線部のうち少なくとも一方の直線部は前記第1面又は第2面に対して垂直に開口することを特徴とする貫通配線基板。
【請求項2】
前記貫通孔は、第一変曲部と、該第一変曲部の一端及び他端にそれぞれ第一直線部及び第二直線部とが接続され、前記第一変曲部の中心線に沿った断面の外周および内周のうち、少なくとも内周が円弧状であり、前記第一直線部の一端は前記第1面に対して垂直に開口し、前記第一直線部の他端は前記第一変曲部の一端に接続されることを特徴とする請求項1に記載の貫通配線基板。
【請求項3】
前記第二直線部の一端は前記第一変曲部の他端に接続され、前記第二直線部の他端は第二変曲部の一端に接続されていることを特徴とする請求項2に記載の貫通配線基板。
【請求項4】
前記第二変曲部の他端は第三直線部の一端に接続されていることを特徴とする請求項3に記載の貫通配線基板。
【請求項5】
前記第三直線部の他端は前記第2面に対して垂直に開口することを特徴とする請求項4に記載の貫通配線基板。
【請求項1】
第1面と第2面とを有する基板と;
前記第1面と前記第2面との間を貫通する貫通孔内に、導電性物質を充填又は成膜することにより形成された貫通配線と;
を備える貫通配線基板であって、
前記貫通孔は、変曲部と、該変曲部の両端に、該変曲部と接続する直線部とを有し、前記変曲部の中心線に沿った断面の外周および内周のうち、少なくとも内周が円弧状であり、前記直線部のうち少なくとも一方の直線部は前記第1面又は第2面に対して垂直に開口することを特徴とする貫通配線基板。
【請求項2】
前記貫通孔は、第一変曲部と、該第一変曲部の一端及び他端にそれぞれ第一直線部及び第二直線部とが接続され、前記第一変曲部の中心線に沿った断面の外周および内周のうち、少なくとも内周が円弧状であり、前記第一直線部の一端は前記第1面に対して垂直に開口し、前記第一直線部の他端は前記第一変曲部の一端に接続されることを特徴とする請求項1に記載の貫通配線基板。
【請求項3】
前記第二直線部の一端は前記第一変曲部の他端に接続され、前記第二直線部の他端は第二変曲部の一端に接続されていることを特徴とする請求項2に記載の貫通配線基板。
【請求項4】
前記第二変曲部の他端は第三直線部の一端に接続されていることを特徴とする請求項3に記載の貫通配線基板。
【請求項5】
前記第三直線部の他端は前記第2面に対して垂直に開口することを特徴とする請求項4に記載の貫通配線基板。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【公開番号】特開2012−164998(P2012−164998A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−85795(P2012−85795)
【出願日】平成24年4月4日(2012.4.4)
【分割の表示】特願2011−521396(P2011−521396)の分割
【原出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年4月4日(2012.4.4)
【分割の表示】特願2011−521396(P2011−521396)の分割
【原出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】
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