説明

赤ブドウ葉の抽出物および抗炎症剤を含む、慢性静脈疾患を治療するための組成物

本発明は、効果的な濃度の赤ブドウ葉の水抽出物(1)および抗炎症剤(2)を含む、下肢の軽中度慢性静脈不全に関連する不快感を予防または軽減するための新規組成物に関する。本発明の組成物はさらに医薬的または化粧的に許容される添加剤を含んでもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
1. 技術分野
本発明は、効果的な量の赤ブドウ葉の水抽出物および抗炎症剤を含む、下肢の軽中度慢性静脈不全を予防または軽減するための組成物に関する。本発明の組成物は、さらに許容される医薬用または化粧用添加剤を含む。加えて、本発明の組成物は、下肢静脈流の障害に起因するふくらはぎおよび足首周辺部のむくみに関連する、だるさ(倦怠感)、肢の重量感、肢の疲れ、張りの感覚および痛みなどの自覚症状を軽減または予防する。
【背景技術】
【0002】
2. 関連技術
現在、下肢の軽中度慢性静脈不全を患う人が世界中にいる何百万人もいる。このありふれた疾患は、下肢から心臓へ血液を返還する静脈循環の不全を特徴とする。適正な静脈返還の欠除は静脈鬱滞および静脈内の血圧上昇を招き、浮腫および組織内水滞留の発生を促進する。慢性静脈不全(CVI)は静脈返還の継続的な不全により引き起こされる機能性疾患であり、臨床的には浮腫、皮膚変化、および、典型的には起立していること、また高い環境温度により増幅される疲労した重い脚、痛みまたはチクチクする感覚のような自覚症状により特徴付けられる。この機能不全は、患者の全体的健康および生活の質に対する著しい悪影響を伴う大きな苦痛の源となり得る。
初期の段階(グレードI)は足底傍冠状静脈拡張、筋膜下鬱血および浮腫によって特徴付けられ;グレードII CVIは低グレードの皮膚変化、湿疹および脂肪皮膚硬化症に関連する。治療しない場合、グレードIおよびIIは、しばしば反復性静脈下肢潰瘍によって特徴付けられる進行段階(グレードIII)へと進行する。この病状により引き起こされるストレス(当初は比較的軽い場合であっても)と、その後の合併症のリスクは、CVIの初期段階において適切な対症的および予防的対策の必要性を示す。
一部の患者は初期段階であっても手術(硬化療法および静脈瘤手術)を必要とするかもしれないが、物理療法を別途伴うまたは伴わない圧迫ストッキングの使用が最も一般的な治療方法である。圧迫の効果は物理的であるに過ぎず、すなわちこの方法は関連する生物学的機能不全(特に毛細血管脆弱性)に影響または正常化しない。さらには、圧迫ストッキングによる治療は、外観上の問題および特に夏における圧迫ストッキングの全体的な不便さのため、多くの場合受け入れにくい。従って、効果的で、よく許容され、かつより便利な代替法に対する差し迫った必要性がある。
【0003】
この赤ブドウ葉の抽出物は、フラボン(フラボノール) -グリコシド、-グルクロニドおよびフラボノイドを含み、ケルセチン-3-O-ベータ-D-グルクロニドとイソクエルシトリン(ケルセチン-3-O-ベータ-グルコシド)がその主たる活性成分である。それらの薬理学的作用の範囲はまだ完全には解明されていないが、インビトロ実験は、それらが抗酸化特性および抗炎症性特性を有し、また、おそらくは毛細血管透過性を減らすことによってそれらが血小板凝集およびヒアルロニダーゼを阻害し、そして浮腫を軽減することを示す。臨床前のインビボ実験は抗炎症作用および毛細血管壁肥厚作用を示した。
赤ブドウ葉の水抽出物を含む食品補助剤が、下肢の軽中度慢性静脈不全に関連する不快感を予防および軽減することがWO 01/28363に開示されている。しかしながら、赤ブドウ葉の水抽出物および他の活性成分(例えば抗炎症剤)を含む組成物の示唆はWO 01/28363には与えられていない。
ドイツ実用新案DE 202 09 650は、赤ブドウ葉の抽出物、アロエベラ、キンセンカおよびセイヨウトチノキの抽出物、ラベンダー油、ビタミンおよび他の成分を含む、静脈不全を有する人の下肢をケアするための水性鎮静薬の製造方法を開示する。しかしながら、下肢の軽中度慢性静脈不全に関連する不快感の予防および軽減についての示唆はない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
発明の簡単な説明
驚いたことに、抗炎症剤を赤ブドウ葉の水抽出物と組み合わせることによって、赤ブドウ葉の水抽出物の薬理学的作用の指標である抗炎症性作用および抗浮腫作用が、それ単独の作用と比較して増強されることが発見された。さらには、抗炎症剤を配合すると、下肢の軽中度慢性静脈不全に関連する不快感の予防および軽減の効果が増強され、かつ副作用が最小限または皆無の安全な組成物が得られた。
抗炎症剤および赤ブドウ葉水抽出物を含む新規組成物は、下肢の軽中度慢性静脈不全に対する予防または緩和の効果を増強させる。
従って、本発明は、薬理学的に活性な物質として有効量の赤ブドウ葉水抽出物および抗炎症剤を含む新規外用組成物に関し、またそれらの下肢の軽中度慢性静脈不全を予防および緩和する効果は増強されている。
【0005】
本発明の目的
本発明の主たる目的は、下肢の軽中度慢性静脈不全に関連する不快感を予防および軽減するためのより効果的な外用組成物を提供する。
本発明のさらなる目的は、ハーブ成分および抗炎症剤を含むより効果的な外用組成物を提供する。ハーブ成分は、下肢の軽中度慢性静脈不全に関連する不快感を予防および/または軽減するための成分のハーブ作用を保つための管理された方法に従って製造された。
本発明の別の目的は、ハーブ成分および抗炎症剤を含む、外用投与の安全のために副作用が最小限または皆無の、下肢の軽中度慢性静脈不全に関連する不快感を予防および/または軽減する、より効果的な外用組成物を提供する。
本発明の他の目的は、下肢の軽中度慢性静脈不全に関連する不快感を予防および/または軽減するための、より効果的な外用医薬組成物およびより効果的な外用薬用化粧組成物を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
発明の詳細な説明
本発明は、効果的な量の赤ブドウ葉の水抽出物および抗炎症剤を含む、下肢の軽中度慢性静脈不全に関連する不快感を予防または軽減するための外用組成物に関する。
本発明の外用組成物は、赤ブドウ葉 (folia vitis viniferae)の水抽出物(Extractum vitis viniferae e folium spissum et siccum)由来のハーブ成分および抗炎症剤からなる。
外用組成物の主たる活性成分は、赤ブドウ葉(foliae vitis viniferae L.)の水抽出物である。
本発明において、“赤ブドウ葉(の)水抽出物(aqueous extract)”の用語は、成分のハーブ作用を保つための管理された方法に従って製造された、水性または固体の、赤ブドウ葉水抽出物を意味する。本発明において、“赤ブドウ葉の乾燥させた抽出物”の用語は、上記赤ブドウ葉の水抽出物の、乾燥させた純抽出物を意味する。本発明において、“赤ブドウ葉の軟抽出物”の用語は、5〜7部の赤ブドウ葉を1部に濃縮した軟抽出物を意味する。本発明において、“赤ブドウ葉の液体抽出物”の用語は、赤ブドウ葉の軟抽出物を溶媒(60(V/V)%エタノール / 水)に1:1の割合で希釈することにより調製された液体抽出物を意味する。
【0007】
本発明の赤ブドウ葉の水抽出物の原料としての赤ブドウ葉は“ダイヤー(dyer)”としても知られ、黒みがかった青色の果皮および赤色の果肉を有するブドウ科ブドウ(vitis vinifera LINNE)の葉である。赤ブドウ葉における各ポリフェノール化合物の濃度およびその組成は、周囲の様々な生態生理学的要因により影響される。少なくとも4%の総ポリフェノールおよび0.2%のアントシアンを含む赤ブドウの乾燥した葉を本発明の原料として使用することが好ましい。そのような特徴を有する赤ブドウ葉は、フラボノイドの含有量が最大に達する時点(即ち、ブドウの収穫時期の近辺)に収穫される。さらには、長さ15 cm未満、幅12 cm 未満の赤ブドウ葉が好ましい。葉は丁寧に乾燥され、潰される。抽出のため、葉は好ましくは 5〜10 mmの破片に切断される。フラボノイドの含有量を高くするために、抽出は精製水を使用して、好ましくは60〜80℃の高温で、少なくとも6時間、最大10時間行われる。好ましい方法は、完全なパーコレーションの方法である。
【0008】
抽出の過程で得られるいわゆる流体抽出物は、液体製剤の調製に直接使用し得る。より濃縮された抽出物を得るために、好ましくは適切なエバポレーターを使用して溶媒の少なくとも一部が除去される。
濃縮抽出物は、加熱圧縮環境下、好ましくは120〜150℃の温度で1〜30秒間、より好ましくは140〜145℃の温度で2〜5秒間、滅菌される。この工程で得られた濃縮抽出物もまた、液体製剤の製造において直接使用し得る。
固形製剤の調製のために、濃縮抽出物は、例えば真空乾燥オーブンまたは真空乾燥コンベヤを使用して乾燥される。抽出物のさらなる加工を促進するために担体または賦形剤を乾燥の際に加えてもよい。
【0009】
本発明において使用される、赤ブドウ葉の水抽出物(赤ブドウ葉の水抽出物の、純抽出物への変換を経たもの)は、総フラボノイド(ケルセチン-3-O-ベータ-D-グルクロニド)を好ましくは0.625〜25%の範囲、より好ましくは1.25〜12.5%の範囲、特に2.5〜10%の範囲で含む。
局所使用の場合、下肢の軽中度慢性静脈不全の不快感を予防および/または軽減するためには、赤ブドウ葉の軟抽出物相当量での赤ブドウ葉の水抽出物の量は、組成物100g(または100mL)あたり0.1〜20g、好ましくは組成物100g(または100mL)あたり0.2〜10g、より好ましくは組成物100g(または100mL)あたり0.3〜5g、さらにより好ましくは組成物100g(または100mL)あたり0.5〜3gである。
赤ブドウ葉の液体抽出物相当量での赤ブドウ葉の水抽出物の量は、組成物100g(または100mL)あたり0.2〜40g、好ましくは組成物100g(または100mL)あたり0.4〜20g、より好ましくは組成物100g(または100mL)あたり0.6〜10g、さらにより好ましくは組成物100g(または100mL)あたり1〜6gである。
【0010】
本発明の組成物は、アロエベラ、セイヨウトチノキおよびキンセンカの抽出物および/またはラベンダー油が除外されるという条件下において、上記赤ブドウ葉の水抽出物に加えて、第二活性成分として抗炎症剤を含む。
本発明において使用される抗炎症剤は、その薬剤が抗炎症性作用を有するのであれば限定および左右されるものではないが、しかしながら、副作用が最小限または皆無のこの薬剤の安全のためには、非処方薬、薬用化粧品および化粧品分野において長年使用された穏やか効果の抗炎症剤が好ましい。加えて、抗炎症剤の種類および量は、この外用組成物が、医薬品であるか、薬用化粧品であるか、または化粧品であるかによって変化する。
前記の抗炎症剤の例は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、ヘパリノイド、カプサイシン、酸化亜鉛、グリチルリチン酸およびその塩、グリチルレチン酸およびその塩および誘導体、アラントインおよびその誘導体、ヒアルロン酸およびその塩、アズレンおよびその塩および誘導体、抗炎症性作用を有する生薬およびハーブ等である。これらの抗炎症剤は単独で、または2種以上を混合して使用し得る。
【0011】
前記の非ステロイド性抗炎症薬の例は、サリチル酸、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、サリチル酸エチレングリコール、インドメタシン、ジクロフェナク、ピロキシカム、ケトプロフェン、フェルビナク、ブフェキサマク、ウフェナマート、イブプロフェンピコノール、フルルビプロフェン等である。
前記のグリチルリチン酸およびその塩の例は、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸一カリウム、グリチルリチン酸三ナトリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム、グリチルリチン酸アンモニウム等である。
前記のグリチルレチン酸およびその塩および誘導体の例は、グリチルレチン酸、グリチルレチン酸ステアリル、ベータ-グリチルレチン酸、カルベノキソロン二ナトリウム(スクシニルグリチルレチン酸二ナトリウム)等である。
前記のアラントインおよびその誘導体の例は、アラントイン、アルミニウムクロロヒドロキシアラントイナート(アルクロキサ)等である。
前記のヒアルロン酸およびその塩の例は、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム等である。
前記のアズレンおよびその塩および誘導体の例は、アズレン、グアイアズレン(1,4-ジメチル-7-イソプロピルアズレン)、アズレンスルホン酸ナトリウム、グアイアズレンスルホン酸ナトリウム等である。
【0012】
前記の抗炎症性作用を有する生薬の例は、ウコン(Curcumae rhizome)、タツナミソウの根(Scutellariae radix)、オウバク(Phellodendri cortex)、チョウセンニンジン(Ginseng radix)、オウレン(Coptidis rhizoma)、カンゾウ(Glycyrrhizae radix)、桂皮(Cinnamomi cortex)、ゲンチアナ(Gentianae radix)、ベニバナ(Carthami Flos)、クチナシ果実(Gardeniae fructus)、ムラサキの根(Lithospermi radix)、ボタンの根(Paeoniae radix)、ショウガ(Zingiberis Rhizoma)、センブリ(Swertia japonica)、ソウハクヒ(Mori cortex)、ダイオウ(Rhei rhizoma)、トウキ根(Angelicae radix)、トウガラシ(Capsici fructus)、ビャクジュツ(Atractylodis rhizoma)、ブクリョウ(Poria)、アジサイ(Hydrangea serrata Seringe var)、ヒレハリソウ(Symphytum officiale)、ウサギギク(Arnica montana)、イチョウ(Ginko biloba)、セイヨウオトギリソウ(Hypericum perforatum)、ヒメオドリコソウ(Lamium purpureum L.)、オリーブ(Olea europaea)の葉、カミツレ(Chamomilla recutita)、ニオイヨモギ(Artemisia capillaris)、クチナシ(Gardenia jasminoides)、高い地被植物(クマザサ(Sasa veitchii))、シソ(Perilla frutescens var. crispa)、シナノキ(Tilia cordata Mill.)、シラカバ(Betula platyphylla var. japonica)樹皮、ツクシ(Equisetum arvense)、カキドウシ(Hedera helix)、サルビア(Salvia officnalis)、アオイ(Malva sylvestris)、チョウジノキ(Pimenta syzygium)、キンセンカ(Calendula officinalis L.)、ドクダミ(Houttuynia cordata Thunberg)、ビワ(Eriobotrya japonica Lindl.)の葉、ヘチマ(Luffa cylindrica)、ボタン(Paeonia suffruticosa)、マツボックリ(Pinus sylyestris L.)、セイヨウトチノキ(Aesculus hippocastanum L.)、ムクロジ(Spindus mukurossi)、モモ(Prunus persica)の葉、ヤグルマギク(centaurea cyanuns L.)、ユキノシタ(Saxifraga stolonifera)、ヨモギ(Artemisia princeps Pampan)、マンネンロウ(Rosemarinus officinalis L.)、カミツレ(Anthemis Nobilis)、ワレモコウ(Sanguisorbae officinalis L.)、サンショウの実(Zanthoxyli fructus)、カミツレの花(Chamomilla recutita flos)、クスノキ(Cinnamomum camphora)、ツノゴマ(Harpagophytum procumbens)、ファーニードルオイル(Abies sibirica)、ヘイフラワー(Graminis flos)、松葉油(Pinus sylvestris)、セイヨウイラクサ(Urtica dioica)、セイヨウシロヤナギ樹皮(Salix alba cortex)、マンサク(Hamamelis virginiana L.)等である。加えて、これらの抗炎症性作用を有する生薬およびハーブは、乾燥粉末、抽出物、液体抽出物、チンキ、オイル等であり得る。
【0013】
本発明において使用される抗炎症剤の配合量、構成は、抗炎症剤の種類や医薬製品または薬用化粧品としての分類により変化するが、抗炎症剤の量は通常、組成物100g(または100mL)あたり0.0001〜50gである。
詳細には、非ステロイド性抗炎症薬の配合量は、好ましくは組成物100g(または100mL)あたり0.01〜50g、より好ましくは組成物100g(または100mL)あたり0.03〜20g、さらにより好ましくは組成物100g(または100mL)あたり0.05〜10gである。
ヘパリノイドの配合量は、好ましくは組成物100g(または100mL)あたり0.01〜1g、より好ましくは組成物100g(または100mL)あたり0.02〜0.5g、さらにより好ましくは組成物100g(または100mL)あたり0.03〜0.3gである。
カプサイシンの配合量は、好ましくは組成物100g(または100mL)あたり0.0001〜1g、より好ましくは組成物100g(または100mL)あたり0.0005〜0.5g、さらにより好ましくは組成物100g(または100mL)あたり0.001〜0.1gである。
酸化亜鉛の配合量は、好ましくは組成物100g(または100mL)あたり0.001〜60g、より好ましくは組成物100g(または100mL)あたり0.01〜20g、さらにより好ましくは組成物100g(または100mL)あたり0.1〜10gである。
グリチルリチン酸およびその塩の配合量は、好ましくは組成物100g(または100mL)あたり0.001〜2g、より好ましくは組成物100g(または100mL)あたり0.005〜1.5g、さらにより好ましくは組成物100g(または100mL)あたり0.01〜1gである。
【0014】
グリチルレチン酸およびその塩および誘導体の配合量は、好ましくは組成物100g(または100mL)あたり0.001〜3g、より好ましくは組成物100g(または100mL)あたり0.005〜2.5g、さらにより好ましくは組成物100g(または100mL)あたり0.01〜2gである。
アラントインおよびその誘導体の配合量は、好ましくは組成物100g(または100mL)あたり0.001〜10g、より好ましくは組成物100g(または100mL)あたり0.005〜5g、さらにより好ましくは組成物100g(または100mL)あたり0.05〜2gである。
ヒアルロン酸およびその塩の配合量は、好ましくは組成物100g(または100mL)あたり0.001〜10g、より好ましくは組成物100g(または100mL)あたり0.005〜5g、さらにより好ましくは組成物100g(または100mL)あたり0.01〜2gである。
ラクトフェリンの配合量は、好ましくは組成物100g(または100mL)あたり0.001〜5g、より好ましくは組成物100g(または100mL)あたり0.005〜3g、さらにより好ましくは組成物100g(または100mL)あたり0.01〜1g。
アズレンおよびその塩および誘導体の配合量は、好ましくは組成物100g(または100mL)あたり0.001〜0.4g、より好ましくは組成物100g(または100mL)あたり0.01〜0.3g、さらにより好ましくは組成物100g(または100mL)あたり0.02〜0.2gである。
抗炎症性作用を有する生薬およびハーブの配合量は、好ましくは組成物100g(または100mL)あたり0.001〜50g、好ましくは組成物100g(または100mL)あたり0.01〜30g、より好ましくは組成物100g(または100mL)あたり0.02〜20gである。
【0015】
本発明の外用組成物は、剤形に応じて日に1回または数回、下肢の皮膚に直接塗布される。そして、前記組成物は、足から出発してももに向かって、マッサージによって薄くすり込むことができる。
上述した活性成分に加えて、本発明の外用組成物は他の活性成分を含んでもよい。
本発明に説明される外用組成物は、クリーム剤、軟膏剤、ゲル軟膏剤、硬膏剤、テープ剤、外用水剤、エアゾール剤、ローション剤、チンキ剤等のいかなる局所用剤形で使用してもよい。これらの製剤のいずれも通常の方法を用いて調製し得る。また、必要であれば一般的に使用されるいかなる添加剤をこれらの製剤の調製の際に使用してもよい。
本発明において説明するこれらの外用製剤は、例えば以下のような一般に利用可能な医薬添加剤および化粧添加剤を加えることにより、通常の方法を使用して調製し得る:基剤、賦形剤、結合剤、滑沢剤、超可塑剤、可塑剤、消泡剤、光沢剤、起泡剤、帯電防止剤、乾燥剤、加湿剤、界面活性剤、可溶化剤、緩衝剤、溶剤、可溶化剤、溶剤、希釈剤、安定化剤、乳化剤、懸濁剤(suspension)、懸濁化剤、分散剤、等張化剤、エアゾール噴射剤、吸収剤、還元剤、抗酸化剤、バッキング剤、湿潤剤、湿分調整剤(wet modifier)、充填剤、増量剤、粘着剤、増粘剤、軟化材、pH 調整剤、防腐剤、保存剤、矯正剤、清涼剤、香味剤、香水、芳香剤、着色剤等。
【0016】
前記の添加剤の具体例は、(日本)医薬品添加物事典 2000(日本医薬品添加剤協会編集、薬事日報社発行)、(日本)食品添加物公定書(日本食品添加物協会発行)、(日本)医薬部外品原料規格(日本公定書協会編集、薬事日報社発行)、日本汎用化粧品原料集 第4版(日本化粧品工業連合会編集、薬事日報社発行)、化粧品種別許可基準(日本公定書協会編集、薬事日報社発行)、(日本)化粧品原料基準(薬事日報社編集・発行)、国際化粧品原料事典 第9版 2002(John A. Wenninger編集、米国化粧品工業会発行)等に説明される。
本発明の組成物は医薬品または薬用化粧品として提供することができる。本発明に説明する組成物は以下の実際の実施例により説明される。しかしながら、本発明の範囲はこれらの実際の実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0017】
実施例 1
:クリーム剤
以下の成分を通常の方法により加工して総重量1kgのクリーム剤を作製し、クエン酸ナトリウムを加えてpH 5.5に調整した。


【0018】
実施例 2
:ゲル軟膏剤
以下の成分を通常の方法により加工して総重量1kgのゲル軟膏剤を作製し、トリエタノールアミンを加えてpH 5.5に調整した。


【0019】
実施例 3
:軟膏剤
以下の成分を通常の方法により加工して総重量1kgのクリーム剤を作製した。


【0020】
実施例 4
:硬膏剤
以下の成分を通常の方法により加工して総重量1kgの粘着性練薬を作製した。得られた粘着性練薬を不織布上にコーティングして硬膏剤を調製した。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬理学的に活性な物質として赤ブドウ葉の水抽出物(1)および抗炎症剤(2)を含む、下肢の軽中度慢性静脈不全(CVI)を予防および/または軽減するための組成物。
【請求項2】
少なくとも4%の総ポリフェノールおよび少なくとも0.2%のアントシアンを含む乾燥赤ブドウ葉を、精製水を使用して抽出することにより得られる赤ブドウ葉の水抽出物(1)を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
総組成物100g(または100mL)あたり0.1〜20g、好ましくは0.2〜10g、特に0.5〜3gの赤ブドウ葉の軟抽出物(1)を含む、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
総組成物100g(または100mL)あたり0.2〜40g、好ましくは0.4〜20g、特に1〜6gの赤ブドウ葉の液体抽出物(1)を含む、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項5】
赤ブドウ葉の乾燥させた水抽出物(1)中に、0.625〜25重量%、好ましくは2.5〜10重量%のフラボノイドを含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
抗炎症剤(2)が、非ステロイド性抗炎症薬、ヘパリノイド、カプサイシン、酸化亜鉛、グリチルリチン酸およびその塩、グリチルレチン酸およびその塩および誘導体、アラントインおよびその誘導体、ヒアルロン酸およびその塩、アズレンおよびその塩および誘導体、抗炎症性作用を有する生薬およびハーブまたはそれらの混合物からなる群より選択される、請求項1から5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
総組成物100g(または100mL)あたり0.0001〜50gの1または2以上の抗炎症剤(2)を含む、請求項1から6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
赤ブドウ葉の乾燥させた水抽出物(1)と抗炎症剤(2)との間の重量比が1〜500から400,000〜1である、請求項1から7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
非経口投与、好ましくは外用投与に適した、請求項1から8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
下肢の軽中度慢性静脈不全(CVI)を予防および/または軽減するための医薬品または薬用化粧品を調製するための、請求項1から9のいずれか1項に記載の組成物の使用。

【公表番号】特表2007−523110(P2007−523110A)
【公表日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−553503(P2006−553503)
【出願日】平成17年2月12日(2005.2.12)
【国際出願番号】PCT/EP2005/001424
【国際公開番号】WO2005/079600
【国際公開日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】