超伝導ケーブルの熱収縮を管理する方法及びこの方法を実施するための装置
【課題】超伝導ケーブルの熱収縮を管理する方法及び装置を提供する。
【解決手段】巻かれた金属エレメントからなり、ケーブルの端部間に設置された外部スクリーンによって囲まれたケーブル本体を含む、極低温流体で満たされた容器1、すなわちクライオスタット内の超伝導体ケーブル2の熱収縮を管理する方法として、該超伝導体ケーブルの該端部の近傍のいわゆる固定点5A、5Bにおいて、該スクリーンにのみ固定するための力を機械的に付与する。
【解決手段】巻かれた金属エレメントからなり、ケーブルの端部間に設置された外部スクリーンによって囲まれたケーブル本体を含む、極低温流体で満たされた容器1、すなわちクライオスタット内の超伝導体ケーブル2の熱収縮を管理する方法として、該超伝導体ケーブルの該端部の近傍のいわゆる固定点5A、5Bにおいて、該スクリーンにのみ固定するための力を機械的に付与する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超伝導ケーブルの熱収縮を管理する方法及びこの方法を実施するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
超伝導体ケーブルは、一般的に、紙のような絶縁体で覆われた超電導体材料テープがその上に巻きつけられた、たとえば銅の金属支持体と、たとえば銅からなる、テープまたはワイヤから構成された外部金属スクリーンとを含む。支持体と、テープと絶縁体との組み合わせを、本明細書においてケーブル本体と呼称する。
【0003】
超伝導体ケーブルは、正しく機能するように、高い温度で、極低温の流体に浸けられる。−200℃のオーダの温度まで上記のように冷却することにより、ケーブルの大幅な熱収縮が生じる。この熱収縮は管理する必要がある。
【0004】
このような熱収縮を、ケーブルの端部に接続されたフレキシブルな導体またはすり接点によって管理することが、たとえば特許文献1により知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】EP1489692
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、この種の解決策は、産業上は使用できないことがわかる。収縮は、ケーブル長の0.3%のオーダであり、数キロメータの長さの系統にわたり、数メータに達し、すり接点またはフレキシブルな導体によって効率的に管理するのは不可能であるか困難である。さらに、対応する、かさばる追加の土木構造を建設する必要があり、利用できるスペースが得られない可能性もある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、この問題を解決し、巻かれた金属エレメントからなり、ケーブルの端部間に設置された外部スクリーンによって囲まれたケーブル本体を含む、極低温流体で満たされた容器内の超伝導体ケーブルの熱収縮を管理する方法であって、該超伝導体ケーブルの該端部の近傍のいわゆる固定点において、該スクリーンにのみかける固定するための力を機械的に付与する方法を提案する。
【0008】
所定のピッチで巻かれた、スクリーンを形成する導体エレメントは、機械的に強固なワイヤまたはテープであり、したがって難なくしっかり締めることができる。これらは、たとえば銅などの抵抗性のエレメントか金属機械補強エレメントである。
【0009】
このようなケーブルを冷却する際に、結果として生じる一定の収縮力は、数トンのオーダであり、スクリーンの上記の巻かれたエレメントを締め付け、ケーブルの両端の間で巻きピッチを減少させる傾向がある。本発明によれば、スクリーンは、2個の固定点で固定されているので、このピッチは一定であるが、ケーブル本体を構成する超伝導体ケーブルの全ての他のエレメントまたは層に径方向の圧力がかかり、この圧力が他のエレメントまたは層を固定する。そこで、ケーブルの熱収縮に起因する長手方向の変位を防止するには、スクリーンのみを固定する必要がある。
【0010】
好ましい実施形態において、前記ケーブル前記端部のそれぞれと前記容器との間で、前記スクリーン機械的に固定する。
【0011】
本方法は、有利には、前記ケーブルの前記端部のそれぞれと前記容器との間に配置された補助クライオスタットモジュール内において、前記スクリーンを機械的に固定する。
【0012】
前記固定する力は、好ましくは、地面などに固定された支持装置へ伝達される。
【0013】
前記固定点と前記ケーブルの近くの端部との間の収縮は、すり接点によって管理されてもよい。
【0014】
本発明は、また、この種の方法を実施するための固定機構であって、前記固定点において、前記スクリーンの下に配置されたリングと、前記リングの対称面の両側に配置された相補的な内側形状の、互いにクランプされた2個の環状フランジとを含む固定機構に関する。
【0015】
このような固定機構は、数トンのオーダの比較的高い力に耐えうる。
【0016】
好ましい実施形態において、前記リングは、円弧形状の凸の外面を有し、前記環状フランジは、相補的な丸い内側形状を有する。
【0017】
前記フランジの少なくとも一つは、好ましくは、地面などに固定された支持装置に固定されている。
【0018】
最後に本発明は、この種の固定機構を設置する方法であって、前記リングを、前記ケーブルの端部から前記固定点までスクリーンの下を摺動させた後、前記フランジを設置する方法に関する。
【0019】
前記ケーブルの端部において、前記リングに、好ましくは、スクリーンの2個の隣接する導体エレメントの間に配置される2個の取り外し可能な外部ハンドルを取り付け、前記固定点まで前記リングを回転及び摺動させる。
【0020】
このような方法は、ケーブルのスクリーンの連続性に影響を与えないので、スクリーンの特別な接続を必要としない。
【0021】
このような方法は、さらにとくに簡単であり、比較的低コストである。
【0022】
本発明は、以下において図面を参照してより詳細に記載される。図面は、本発明の一つの好ましい実施形態を示すにすぎない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の超伝導体ケーブルを含む系統の縦断面図である。
【図2】本発明の超伝導体ケーブルを含む系統の縦断面図である。
【図3】本発明の固定機構の縦断面図である。
【図4】本発明の固定機構の縦断面図である。
【図5】本発明の固定機構の縦断面図である。
【図6】この固定機構を設置する、本発明の方法を説明する透視図である。
【図7】この固定機構を設置する、本発明の方法を説明する透視図である。
【図8】この固定機構を設置する、本発明の方法を説明する透視図である。
【図9】この固定機構を設置する、本発明の方法を説明する透視図である。
【図10】この固定機構を設置する、本発明の方法を説明する透視図である。
【図11】この固定機構を設置する、本発明の方法を説明する透視図である。
【図12】この固定機構を設置する、本発明の方法を説明する透視図である。
【図13】この固定機構を設置する、本発明の方法を説明する透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1及び図2に示すように、超伝導体ケーブルを含む系統は、極低温流体で満たされ、ケーブル2を収納する、クライオスタットと呼ばれる容器1を含む。ケーブル2の端部は、終端3A及び3Bに配置され、そこで、ケーブルの、抵抗性の金属支持体が出力端子4A及び4Bに接続される。
【0025】
ケーブル2は、ワイヤまたはテープの形態の、巻かれた金属エレメントから構成される外部スクリーンを含む。外部スクリーンには、ケーブルの端部の近傍の、いわゆる固定点5A及び5Bにおいて、外部スクリーンのみにかかる、固定するための力が機械的に付加される。この固定するための力は、固定点において、ケーブル本体にはかからない。
【0026】
系統は、同様に、クライオスタット1と終端3A及び3Bとの間に配置される、別のクライオスタットモジュール6A及び6Bを備えてもよい。
【0027】
一般的に本発明の方法は、ケーブル2の各端部とクライオスタット1との間で、スクリーンを機械的に固定することからなる。
【0028】
上記の固定点は、図1に示すように、終端3A及び3Bに配置してもよいし、好ましくは、図2に示すように、別のクライオスタットモジュール6A及び6Bに配置してもよい。
【0029】
固定するための力は、地面などに固定された機械的に強固な支持装置7A及び7Bへ伝達される。上記の固定機構は、一般的に、クライオスタット1、または別のクライオスタットモジュール6A及び6Bの容器に固定され、この容器は、地面にしっかりと固定される。
【0030】
固定点5A及び5Bと、ケーブルのその近傍の端部との間の収縮は、すり接点によって管理してもよい。
【0031】
図3乃至図5は、上記の方法を実施するための固定機構の実施形態を、縦断面で示す図である。
【0032】
この固定機構は、滑らかな外表面を有し、上記固定点においてスクリーン2Aの下に配置されたリング8と、ケーブル2の外径よりもわずかに大きい内径を有し、リングの対称面の両側に配置された、相補的な内部形状を有し、ねじ機構によって一緒にクランプされた2個の環状フランジ9及び10とを含む。このリングは、スクリーン2Aの外側で、ケーブルの外径よりもわずかに大きい内径を有する。
【0033】
リング8は、円弧形状の凸の外面を有するのが好ましく、フランジ9及び10は、相補的な丸い内側形状を有するのが好ましい。
【0034】
リング8は、機械的に強固な材料から製造され、特定の電気的性質を有していない。リング8は、ステンレス鋼から製造されるのが好ましい。
【0035】
フランジ9及び10は、地面7に固定された支持装置12に固定される。
【0036】
図3に示すように、2個のフランジ9及び10を一緒に固定し、また、これらを支持装置12に固定することができる単一のねじ機構11であってもよい。
【0037】
図4に示すように、2個のフランジ9及び10を一緒に固定する一方の機構11’と、一つのフランジ9を支持装置12に固定する他方のねじ機構11’’と、の2個のねじ機構を備えてもよい。
【0038】
図5に示すように、2個のフランジ9及び10を一緒に固定する1個だけのねじ機構11’’ ’があり、一つのフランジ9を支持装置12に溶接してもよい。
【0039】
図6乃至図13は、上記の機構を設置する方法を説明する透視図である。
【0040】
図6に示すように、フランジのひとつ10を、ケーブル2の当該端部に通す。この端部においては、スクリーン2Aの部分が取り除かれており、そこへリング8を通す。リング8は、一組の開口8Aを含む。一組の開口8Aの機能は、後で説明する。
【0041】
図7に示すように、リング8を部分的にスクリーン2Aの下へ摺動させる。
【0042】
図8に示すように、2個の取り外し可能な外部ハンドル13A及び13Bを、2個の径方向に向かい合う開口8Aに差し込む。これらの外部ハンドルは、単純なタイ・ロッドの形をとる。
【0043】
図9及び図10に示すように、2個の取り外し可能な外部ハンドル13A及び13Bを、スクリーン2Aの2個の隣接する導体エレメントの間に配置し、2個の導体エレメントのピッチにしたがって、矢印Fの方向にリング8を回転及び摺動させることによって、リング8を、ケーブルの端部から固定点までスクリーンの下を摺動させる。
【0044】
図11に示すように、外部ハンドル13A及び13Bを取り外し、第2のフランジ9をケーブルの端部に通す。
【0045】
図12に示すように、2個のフランジ9及び10を、スクリーン2Aの下のリング8によって肥大した部分に突き合せる。
【0046】
図13に示すように、所定数のボルトからなるねじ機構11を、フランジ9及び10の開口に配置し、スクリーン2Aを介して、フランジ9及び10をリング8に対して締め付ける。
【技術分野】
【0001】
本発明は、超伝導ケーブルの熱収縮を管理する方法及びこの方法を実施するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
超伝導体ケーブルは、一般的に、紙のような絶縁体で覆われた超電導体材料テープがその上に巻きつけられた、たとえば銅の金属支持体と、たとえば銅からなる、テープまたはワイヤから構成された外部金属スクリーンとを含む。支持体と、テープと絶縁体との組み合わせを、本明細書においてケーブル本体と呼称する。
【0003】
超伝導体ケーブルは、正しく機能するように、高い温度で、極低温の流体に浸けられる。−200℃のオーダの温度まで上記のように冷却することにより、ケーブルの大幅な熱収縮が生じる。この熱収縮は管理する必要がある。
【0004】
このような熱収縮を、ケーブルの端部に接続されたフレキシブルな導体またはすり接点によって管理することが、たとえば特許文献1により知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】EP1489692
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、この種の解決策は、産業上は使用できないことがわかる。収縮は、ケーブル長の0.3%のオーダであり、数キロメータの長さの系統にわたり、数メータに達し、すり接点またはフレキシブルな導体によって効率的に管理するのは不可能であるか困難である。さらに、対応する、かさばる追加の土木構造を建設する必要があり、利用できるスペースが得られない可能性もある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、この問題を解決し、巻かれた金属エレメントからなり、ケーブルの端部間に設置された外部スクリーンによって囲まれたケーブル本体を含む、極低温流体で満たされた容器内の超伝導体ケーブルの熱収縮を管理する方法であって、該超伝導体ケーブルの該端部の近傍のいわゆる固定点において、該スクリーンにのみかける固定するための力を機械的に付与する方法を提案する。
【0008】
所定のピッチで巻かれた、スクリーンを形成する導体エレメントは、機械的に強固なワイヤまたはテープであり、したがって難なくしっかり締めることができる。これらは、たとえば銅などの抵抗性のエレメントか金属機械補強エレメントである。
【0009】
このようなケーブルを冷却する際に、結果として生じる一定の収縮力は、数トンのオーダであり、スクリーンの上記の巻かれたエレメントを締め付け、ケーブルの両端の間で巻きピッチを減少させる傾向がある。本発明によれば、スクリーンは、2個の固定点で固定されているので、このピッチは一定であるが、ケーブル本体を構成する超伝導体ケーブルの全ての他のエレメントまたは層に径方向の圧力がかかり、この圧力が他のエレメントまたは層を固定する。そこで、ケーブルの熱収縮に起因する長手方向の変位を防止するには、スクリーンのみを固定する必要がある。
【0010】
好ましい実施形態において、前記ケーブル前記端部のそれぞれと前記容器との間で、前記スクリーン機械的に固定する。
【0011】
本方法は、有利には、前記ケーブルの前記端部のそれぞれと前記容器との間に配置された補助クライオスタットモジュール内において、前記スクリーンを機械的に固定する。
【0012】
前記固定する力は、好ましくは、地面などに固定された支持装置へ伝達される。
【0013】
前記固定点と前記ケーブルの近くの端部との間の収縮は、すり接点によって管理されてもよい。
【0014】
本発明は、また、この種の方法を実施するための固定機構であって、前記固定点において、前記スクリーンの下に配置されたリングと、前記リングの対称面の両側に配置された相補的な内側形状の、互いにクランプされた2個の環状フランジとを含む固定機構に関する。
【0015】
このような固定機構は、数トンのオーダの比較的高い力に耐えうる。
【0016】
好ましい実施形態において、前記リングは、円弧形状の凸の外面を有し、前記環状フランジは、相補的な丸い内側形状を有する。
【0017】
前記フランジの少なくとも一つは、好ましくは、地面などに固定された支持装置に固定されている。
【0018】
最後に本発明は、この種の固定機構を設置する方法であって、前記リングを、前記ケーブルの端部から前記固定点までスクリーンの下を摺動させた後、前記フランジを設置する方法に関する。
【0019】
前記ケーブルの端部において、前記リングに、好ましくは、スクリーンの2個の隣接する導体エレメントの間に配置される2個の取り外し可能な外部ハンドルを取り付け、前記固定点まで前記リングを回転及び摺動させる。
【0020】
このような方法は、ケーブルのスクリーンの連続性に影響を与えないので、スクリーンの特別な接続を必要としない。
【0021】
このような方法は、さらにとくに簡単であり、比較的低コストである。
【0022】
本発明は、以下において図面を参照してより詳細に記載される。図面は、本発明の一つの好ましい実施形態を示すにすぎない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の超伝導体ケーブルを含む系統の縦断面図である。
【図2】本発明の超伝導体ケーブルを含む系統の縦断面図である。
【図3】本発明の固定機構の縦断面図である。
【図4】本発明の固定機構の縦断面図である。
【図5】本発明の固定機構の縦断面図である。
【図6】この固定機構を設置する、本発明の方法を説明する透視図である。
【図7】この固定機構を設置する、本発明の方法を説明する透視図である。
【図8】この固定機構を設置する、本発明の方法を説明する透視図である。
【図9】この固定機構を設置する、本発明の方法を説明する透視図である。
【図10】この固定機構を設置する、本発明の方法を説明する透視図である。
【図11】この固定機構を設置する、本発明の方法を説明する透視図である。
【図12】この固定機構を設置する、本発明の方法を説明する透視図である。
【図13】この固定機構を設置する、本発明の方法を説明する透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1及び図2に示すように、超伝導体ケーブルを含む系統は、極低温流体で満たされ、ケーブル2を収納する、クライオスタットと呼ばれる容器1を含む。ケーブル2の端部は、終端3A及び3Bに配置され、そこで、ケーブルの、抵抗性の金属支持体が出力端子4A及び4Bに接続される。
【0025】
ケーブル2は、ワイヤまたはテープの形態の、巻かれた金属エレメントから構成される外部スクリーンを含む。外部スクリーンには、ケーブルの端部の近傍の、いわゆる固定点5A及び5Bにおいて、外部スクリーンのみにかかる、固定するための力が機械的に付加される。この固定するための力は、固定点において、ケーブル本体にはかからない。
【0026】
系統は、同様に、クライオスタット1と終端3A及び3Bとの間に配置される、別のクライオスタットモジュール6A及び6Bを備えてもよい。
【0027】
一般的に本発明の方法は、ケーブル2の各端部とクライオスタット1との間で、スクリーンを機械的に固定することからなる。
【0028】
上記の固定点は、図1に示すように、終端3A及び3Bに配置してもよいし、好ましくは、図2に示すように、別のクライオスタットモジュール6A及び6Bに配置してもよい。
【0029】
固定するための力は、地面などに固定された機械的に強固な支持装置7A及び7Bへ伝達される。上記の固定機構は、一般的に、クライオスタット1、または別のクライオスタットモジュール6A及び6Bの容器に固定され、この容器は、地面にしっかりと固定される。
【0030】
固定点5A及び5Bと、ケーブルのその近傍の端部との間の収縮は、すり接点によって管理してもよい。
【0031】
図3乃至図5は、上記の方法を実施するための固定機構の実施形態を、縦断面で示す図である。
【0032】
この固定機構は、滑らかな外表面を有し、上記固定点においてスクリーン2Aの下に配置されたリング8と、ケーブル2の外径よりもわずかに大きい内径を有し、リングの対称面の両側に配置された、相補的な内部形状を有し、ねじ機構によって一緒にクランプされた2個の環状フランジ9及び10とを含む。このリングは、スクリーン2Aの外側で、ケーブルの外径よりもわずかに大きい内径を有する。
【0033】
リング8は、円弧形状の凸の外面を有するのが好ましく、フランジ9及び10は、相補的な丸い内側形状を有するのが好ましい。
【0034】
リング8は、機械的に強固な材料から製造され、特定の電気的性質を有していない。リング8は、ステンレス鋼から製造されるのが好ましい。
【0035】
フランジ9及び10は、地面7に固定された支持装置12に固定される。
【0036】
図3に示すように、2個のフランジ9及び10を一緒に固定し、また、これらを支持装置12に固定することができる単一のねじ機構11であってもよい。
【0037】
図4に示すように、2個のフランジ9及び10を一緒に固定する一方の機構11’と、一つのフランジ9を支持装置12に固定する他方のねじ機構11’’と、の2個のねじ機構を備えてもよい。
【0038】
図5に示すように、2個のフランジ9及び10を一緒に固定する1個だけのねじ機構11’’ ’があり、一つのフランジ9を支持装置12に溶接してもよい。
【0039】
図6乃至図13は、上記の機構を設置する方法を説明する透視図である。
【0040】
図6に示すように、フランジのひとつ10を、ケーブル2の当該端部に通す。この端部においては、スクリーン2Aの部分が取り除かれており、そこへリング8を通す。リング8は、一組の開口8Aを含む。一組の開口8Aの機能は、後で説明する。
【0041】
図7に示すように、リング8を部分的にスクリーン2Aの下へ摺動させる。
【0042】
図8に示すように、2個の取り外し可能な外部ハンドル13A及び13Bを、2個の径方向に向かい合う開口8Aに差し込む。これらの外部ハンドルは、単純なタイ・ロッドの形をとる。
【0043】
図9及び図10に示すように、2個の取り外し可能な外部ハンドル13A及び13Bを、スクリーン2Aの2個の隣接する導体エレメントの間に配置し、2個の導体エレメントのピッチにしたがって、矢印Fの方向にリング8を回転及び摺動させることによって、リング8を、ケーブルの端部から固定点までスクリーンの下を摺動させる。
【0044】
図11に示すように、外部ハンドル13A及び13Bを取り外し、第2のフランジ9をケーブルの端部に通す。
【0045】
図12に示すように、2個のフランジ9及び10を、スクリーン2Aの下のリング8によって肥大した部分に突き合せる。
【0046】
図13に示すように、所定数のボルトからなるねじ機構11を、フランジ9及び10の開口に配置し、スクリーン2Aを介して、フランジ9及び10をリング8に対して締め付ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻かれた金属エレメントからなり、ケーブルの端部間に設置された外部スクリーン(2A)によって囲まれたケーブル本体を含む、極低温流体で満たされた容器(1)、すなわちクライオスタット内の超伝導体ケーブル(2)の熱収縮を管理する方法であって、該超伝導体ケーブルの該端部の近傍のいわゆる固定点(5A、5B)において、該スクリーン(2A)にのみかける固定するための力を機械的に付与する方法。
【請求項2】
前記ケーブル(2)の前記端部のそれぞれと前記容器(1)との間で、前記スクリーン(2A)を機械的に固定する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ケーブル(2)の前記端部のそれぞれと前記容器(1)との間に配置された補助クライオスタットモジュール(6A,6B)内において、前記スクリーン(2A)を機械的に固定する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記固定する力が、地面などに固定された支持装置(7A,7B)へ伝達される請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記固定点(5A、5B)と前記ケーブル(2)の近くの端部との間の収縮が、すり接点によって管理される請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかの方法を実施するための固定機構であって、前記固定点(5A、5B)において、前記スクリーン(2A)の下に配置されたリング(8)と、前記リング(8)の対称面の両側に配置された、相補的な内側形状の、互いにクランプされた2個の環状フランジ(9,10)とを含む固定機構。
【請求項7】
前記リング(8)は、円弧形状の凸の外面を有し、前記環状フランジ(9,10)は、相補的な丸い内側形状を有する請求項6に記載の固定機構。
【請求項8】
前記フランジ(9,10)の少なくとも一つは、地面などに固定された支持装置(7A,7B)に固定された請求項6または7に記載の固定機構。
【請求項9】
請求項6から8のいずれかに記載の固定機構を設置する方法であって、前記リング(8)を、前記ケーブルの端部から前記固定点(5A、5B)までスクリーン(2A)の下を摺動させた後、前記フランジ(9,10)を設置する方法。
【請求項10】
前記ケーブルの端部において、前記リング(8)に、スクリーン(2A)の2個の隣接する導体エレメントの間に配置される2個の取り外し可能な外部ハンドル(13A及び13B)を取り付け、前記固定点(5A、5B)まで前記リング(8)を回転及び摺動させる請求項9に記載の方法。
【請求項1】
巻かれた金属エレメントからなり、ケーブルの端部間に設置された外部スクリーン(2A)によって囲まれたケーブル本体を含む、極低温流体で満たされた容器(1)、すなわちクライオスタット内の超伝導体ケーブル(2)の熱収縮を管理する方法であって、該超伝導体ケーブルの該端部の近傍のいわゆる固定点(5A、5B)において、該スクリーン(2A)にのみかける固定するための力を機械的に付与する方法。
【請求項2】
前記ケーブル(2)の前記端部のそれぞれと前記容器(1)との間で、前記スクリーン(2A)を機械的に固定する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ケーブル(2)の前記端部のそれぞれと前記容器(1)との間に配置された補助クライオスタットモジュール(6A,6B)内において、前記スクリーン(2A)を機械的に固定する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記固定する力が、地面などに固定された支持装置(7A,7B)へ伝達される請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記固定点(5A、5B)と前記ケーブル(2)の近くの端部との間の収縮が、すり接点によって管理される請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかの方法を実施するための固定機構であって、前記固定点(5A、5B)において、前記スクリーン(2A)の下に配置されたリング(8)と、前記リング(8)の対称面の両側に配置された、相補的な内側形状の、互いにクランプされた2個の環状フランジ(9,10)とを含む固定機構。
【請求項7】
前記リング(8)は、円弧形状の凸の外面を有し、前記環状フランジ(9,10)は、相補的な丸い内側形状を有する請求項6に記載の固定機構。
【請求項8】
前記フランジ(9,10)の少なくとも一つは、地面などに固定された支持装置(7A,7B)に固定された請求項6または7に記載の固定機構。
【請求項9】
請求項6から8のいずれかに記載の固定機構を設置する方法であって、前記リング(8)を、前記ケーブルの端部から前記固定点(5A、5B)までスクリーン(2A)の下を摺動させた後、前記フランジ(9,10)を設置する方法。
【請求項10】
前記ケーブルの端部において、前記リング(8)に、スクリーン(2A)の2個の隣接する導体エレメントの間に配置される2個の取り外し可能な外部ハンドル(13A及び13B)を取り付け、前記固定点(5A、5B)まで前記リング(8)を回転及び摺動させる請求項9に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−70617(P2012−70617A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−177963(P2011−177963)
【出願日】平成23年8月16日(2011.8.16)
【出願人】(501044725)ネクサン (81)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−177963(P2011−177963)
【出願日】平成23年8月16日(2011.8.16)
【出願人】(501044725)ネクサン (81)
【Fターム(参考)】
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