説明

超伝導マグネット向け冷却システム

【課題】ボイルオフした冷媒を再活用し閉鎖冷媒冷却システム内に蓄積できるシステムを提供する。
【解決手段】冷却システム(14)はマグネット(12)と熱的に接触させており、これに対して冷却を提供する。冷却システム(14)により放出された気体を蓄積するために、蓄積タンク(32)を冷却システム(14)と流体接続させている。次いで、必要に応じて蓄積しておいた気体を冷却システム(14)に戻すように放出することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般的には超伝導体向けの冷却システムに関し、さらに詳細には、ボイルオフした冷却剤を超伝導体冷却システム内に留めておくための再活用回路を有する冷却システムに関する。
【背景技術】
【0002】
超伝導マグネットは一般に、液体状冷媒を使用してその超伝導コイルを低温にし超伝導動作を維持している。閉鎖冷媒冷却システムは典型的には、冷媒液体タンク及びクライオクーラ再凝縮ユニットを含む。通常の超伝導動作の間に、こうした閉鎖冷媒システムは、冷媒が全く失われないように超伝導マグネットの熱負荷を平衡させるための冷却を提供している。しかし、冷却電力が失われるような停電その他のシステム障害の間では、超伝導マグネットの熱負荷によって冷媒の圧力及び温度が上昇する傾向がある。圧力及び温度を典型的な閉鎖冷媒冷却システムの域内に保持しようとして、圧力リリーフバルブを通して気体状冷媒が雰囲気中に放出される、すなわちボイルオフ(boil−off)される。このため、ボイルオフした冷媒が雰囲気に失われる。
【0003】
システム障害が是正されてシステムが通常動作に復帰した時点でシステムから逃がれた冷媒を再配置しなければならない。閉鎖冷媒冷却システムに対する補充には通常、冷媒サービスがシステムを補充するようにサービスコールをすることが必要である。こうした冷媒サービスは、特に常設の冷媒サービス・ネットワークがない地域において、システムに対するサービスコスト増を生じさせる。さらに、超伝導マグネットを備えたMRIスキャナなどのシステムでは、冷媒サービスがサービスコールをするための待機のためにスキャナのダウンタイムが増大する。
【特許文献1】米国特許第5613367号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、ボイルオフした冷媒を再活用し閉鎖冷媒冷却システム内に蓄積できるシステムがあることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の欠点を克服した超伝導マグネット向け冷却システムを提供する。閉鎖冷媒冷却システムは、冷媒液体タンクと、冷媒蓄積タンクと、クライオクーラ再凝縮ユニットと、を含む。このクライオクーラ再凝縮ユニットは、通常動作時にマグネットの熱負荷を平衡させるための冷却を提供する。停電その他のクライオクーラ再凝縮ユニットの障害時において、ボイルオフした気体が蓄積タンク内で再活用される。システムが再初期化されると、蓄積しておいたボイルオフ気体が超伝導マグネットの冷却のためにシステム内に再導入される。
【0006】
したがって、本発明の一態様では、マグネット・アセンブリは、マグネットと、このマグネットと熱的に接触させた冷却システムと、を含む。この冷却システムにはタンクが流体接続されていると共に、このタンクは冷却システムから放出されたボイルオフ流体を受け入れかつ蓄積するように構成させている。
【0007】
本発明の別の態様では、超伝導体システムは、超伝導マグネットと、この超伝導マグネットと熱的に接触させると共に超伝導マグネットを冷却するように構成させた冷凍剤と、を含む。この冷凍剤を気体状態から液体状態まで凝縮するように構成させた冷却システムが含まれている。この冷却システムに対して蓄積タンクが流体接続されていると共に、このタンクは冷却システムから放出された排出冷凍剤を蓄積するように構成させている。
【0008】
本発明のまた別の態様では、MRI装置は、偏向磁場を印加するようにマグネットのボアの周りに位置決めされた複数の傾斜コイルと、RF信号をRFコイル・アセンブリに送信してMR画像を収集するようにパルス・モジュールによって制御を受けているRF送受信器システム及びRFスイッチと、を有する磁気共鳴イメージング(MRI)システムを含む。冷媒冷却システムが含まれており、この冷媒冷却システムはマグネットと熱的に接触した状態にある。冷媒再活用回路が含まれており、この冷媒再活用回路は冷媒冷却システムと流体接続されていると共に、冷媒冷却システムが放出したボイルオフされた冷媒を蓄積するように構成されている。
【0009】
本発明のその他の様々な特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び図面より明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図面では、本発明を実施するように目下のところ企図されている好ましい一実施形態を図示している。
【0011】
図1を参照すると、本発明による好ましい閉ループ・マグネット冷却システム10を表している。マグネット12は超伝導動作に対応するように、マグネット12のコイル(図示せず)と熱的に接続させた複数の冷却剤チューブを有する冷却システム14によって能動的に冷却を受けている。この際に好ましい一実施形態では、そのマグネット12は、電流がその内部を通過したときに磁場を発生させるようなコイル配列を有する超伝導マグネットである。冷却システム14はマグネット12のコイルにヘリウム、窒素、ネオン、その他などの冷凍剤16を通し、マグネット12の温度が臨界超伝導温度未満になるようにしている。冷凍剤(refrigerant)16は冷媒(cryogen)であることが好ましい。
【0012】
冷却システム14は、液体状冷凍剤16が重力によってその内部に流入するように位置決めされた液体マス回収器18を含む。液体マス回収器18はマグネット12の下に位置決めされることが好ましい。冷却システム14は、マグネット12を囲繞すると共にマグネット12と冷凍剤16の間の熱的連絡を可能にさせる冷却用チューブまたはライザー20を含む。ライザー20は液体マス回収器18と流体連絡状態にある。この方式により冷凍剤16は、液体マス回収器18からライザー20内に流れ込むことができる。
【0013】
気体回収器22はライザー20と流体接続されていると共に、気体状冷凍剤を回収する。通常の動作状態において冷凍剤16は、一定の沸点温度に維持されている。この方式により冷凍剤がライザー20全体に行き渡ってマグネット12が冷却される。沸騰している冷凍剤がライザー20内を通過すると、気体状冷凍剤がライザー20から気体回収器22内に上がってくる。
【0014】
この気体回収器22には液化カップ24が流体接続されて気体状冷凍剤を受け取っている。液化カップ24にはクライオクーラ再凝縮器またはコールドヘッド26が取り付けられて、液化カップ24内の気体状冷凍剤を液体状冷凍剤になるように凝縮させている。この液体状冷凍剤は液化カップ24の底部27まで下がり、さらに重力の支援によって液体状冷凍剤が液体マス回収器18に流入することになる。
【0015】
クライオクーラ再凝縮器26は一般に、マグネット12の総熱負荷を超える冷却をもたらす。液体マス回収器18にはヒータ28が流体接続されており、冷却システム14に対して熱を加えて冷凍剤16の圧力及び温度を通常の動作圧及び温度まで増加させている。好ましい一実施形態では、そのヒータ28は圧力センサ制御式ヒータである。
【0016】
通常の動作状態において、冷却システム14はシステム内の冷凍剤16の平衡を維持する。すなわち、液体状冷凍剤から気化する気体状冷凍剤が再凝縮されて液体状冷凍剤に戻される。しかし、停電やクライオクーラ再凝縮器障害などの障害状態においては、冷却システム14は気体状冷凍剤を有効に液体状冷凍剤まで再凝縮させることができず、その平衡が失われる。この状況では、マグネット12の熱負荷によって液体状冷凍剤が気化されて気体状冷凍剤になると共に、冷却システム内部の圧力が上昇し始める。冷却システム14は、障害状態からの冷却システム14の復旧を可能とするのに要するライドスルー(ride−through)時間を経過できるだけの十分な量の液体状冷凍剤を包含している。ライドスルー時間によって冷却システム14は、システム内に残っている液体状冷凍剤を用いて液体状冷凍剤の供給がなくなるまでマグネット12の冷却を継続することができる。ライドスルー時間によって例えば、液体状冷凍剤によるマグネット12の冷却を半日から丸一日にわたって継続できることがある。
【0017】
ライドスルー時間中は、気体状冷凍剤が再凝縮されて液体状冷凍剤にならず、冷凍剤16は気体と液体が共存したその飽和線の位置にある。気体状冷凍剤を再凝縮させるクライオクーラ再凝縮器の障害によって生じたシステム内の圧力ビルドアップによって、冷凍剤16の温度が上昇する。障害状態中の冷却システム14の超伝導動作時間を長くするために、冷却システム14内部の圧力が低く保たれる。
【0018】
さらに図1を参照すると、冷却システム14に対して冷凍剤再活用回路30を取り付け、これにより冷凍剤の再活用が望ましい期間である障害状態その他の動作状態の間に冷却システム14内部の気体状冷凍剤をその内部に放出させることができる。冷却システム14には気体タンク32を流体接続させ、内部に流入する気体状冷凍剤を蓄積させている。気体接続ライン34は第1の端部36において気体タンク32に流体接続されており、第2の端部40では弓状ループ38(例えば、U字型)と流体接続されている。気体タンク32及び気体接続ライン34に対しては断熱材42が取り付けされている。この方式により、冷却システム14からボイルオフされた気体状冷凍剤が低温に保たれると共に、全体的な圧力上昇が遅くなる。気体タンク32は周囲の温度(すなわち、室温)及び圧力にある気体状冷凍剤を包含するような十分な大きさとしかつ強化されている。しかし、安全リリーフバルブ44を気体タンク32に取り付け、気体タンク32内部の圧力が所望のレベル(例えば、30バール)を超えて上昇した場合に気体タンク32内の圧力によって気体状冷凍剤を外部の空気に逃がせるようにすることがある。リリーフバルブ44または追加的な充填バルブ46(破線で表示)を使用して閉ループ・マグネット冷却システム10に冷凍剤を充填することがある。閉ループ・マグネット冷却システム10に対しては、閉ループ・マグネット冷却システム10の製作または修理の後に、あるいは安全リリーフバルブ44を通した圧力放出があったときに、気体状冷凍剤を充填することがある。
【0019】
弓状ループ38は、気体状冷凍剤が弓状ループ38と液化カップ24の間を流通するように液化カップ24の上側部分48と流体接続させている。弓状ループ38は、通常の動作状態時における冷却システム14と気体タンク32の間の自然対流を低下させる。しかし障害状態時では、冷却システム14の圧力上昇によって気体状冷凍剤が液化カップ24から出て弓状ループ38及び気体接続ライン34を通過して気体タンク32内に入る。障害状態の期間が長くなると液体状冷凍剤のすべてが気体状態に変換されることになる。
【0020】
代替的な一実施形態では、冷却システム14と気体タンク32の間の自然対流を低下させるために、フローバルブ・アセンブリを使用することがある。例えば、冷却システム14と気体タンク32の間の対流及び流れを制御するために、1対の逆並列(anti−parallel)バルブを使用することがある。
【0021】
冷却システム14の動作状態への復帰及び初期化の時点で、クライオクーラ再凝縮器26は冷却システム14内に存在する気体状冷凍剤を凝縮し始める。気体状冷凍剤が液体状冷凍剤まで凝縮されると、冷却システム14の内部の温度及び圧力が低下し始める。液化カップ24内部の圧力が低下すると、再活用回路30内のより高い圧力によって、その内部に蓄積された気体状冷凍剤が弓状ループ38及び気体接続ライン34を通って気体タンク32から液化カップ24まで流れる。冷却システム14と再活用回路30の間に圧力平衡が確立されるまで、気体タンク32内に蓄積された気体状冷凍剤が液化カップ24内に流入し続ける。その後、冷却システム14は上述のように冷却システム14内部の冷凍剤16の平衡を維持するように機能する。
【0022】
ここで図2を参照すると、閉ループ・マグネット冷却システム10は、MRイメージング・システム50の超伝導コイルを能動的に冷却するため(ただし、これに限らない)などに特に適用可能であることが企図される。よく知られているように、MRイメージング・システム50の動作は、キーボードその他の入力デバイス53、制御パネル54及びディスプレイ56またはスクリーンを含むオペレータ・コンソール52から制御を受けている。コンソール52は、オペレータが画像の作成及びスクリーン56上への画像表示を制御できるようにする独立のコンピュータ・システム60と、リンク58を介して連絡している。コンピュータ・システム60は、バックプレーン60aを介して互いに連絡している多くのモジュールを含む。これらのモジュールには、画像プロセッサ・モジュール62、CPUモジュール64、並びに当技術分野でフレーム・バッファとして知られている画像データ・アレイを記憶するためのメモリ・モジュール66が含まれる。コンピュータ・システム60は、画像データ及びプログラムを記憶するためにディスク記憶装置68及びテープ駆動装置70とリンクしており、さらに高速シリアル・リンク74を介して独立のシステム制御部72と連絡している。入力デバイス53は、マウス、ジョイスティック、キーボード、トラックボール、タッチ作動スクリーン、光学読取り棒、音声制御器、あるいは同様な任意入力デバイスや同等の入力デバイスを含むことができ、また入力デバイス53は、対話式の幾何学的指定をするために使用することができる。
【0023】
システム制御部72は、バックプレーン72aにより互いに接続させたモジュールの組を含んでいる。これらのモジュールには、CPUモジュール76や、シリアル・リンク80を介してオペレータ・コンソール52に接続させたパルス発生器モジュール78が含まれる。システム制御部72は、実行すべきスキャンシーケンスを指示するオペレータからのコマンドをリンク80を介して受け取っている。パルス発生器モジュール78は、各システム・コンポーネントを動作させて所望のスキャンシーケンスを実行させ、発生させるRFパルスのタイミング、強度及び形状、並びにデータ収集ウィンドウのタイミング及び長さを指示しているデータを発生させている。パルス発生器モジュール78は、スキャン中に発生させる傾斜パルスのタイミング及び形状を指示するために、1組の傾斜増幅器82と接続させている。パルス発生器モジュール78はさらに、対象に接続した多数の異なるセンサからの信号(例えば、対象に装着した電極からのECG信号)を受け取っている生理学的収集制御器84から対象データを受け取ることができる。また最終的には、パルス発生器モジュール78はスキャン室インタフェース回路86と接続させており、スキャン室インタフェース回路86はさらに、対象及びマグネット系の状態に関連する様々なセンサからの信号を受け取っている。このスキャン室インタフェース回路86を介して、対象位置決めシステム88はスキャンのために対象を所望の位置に移動させるコマンドを受け取っている。
【0024】
パルス発生器モジュール78が発生させる傾斜波形は、Gx増幅器、Gy増幅器及びGz増幅器を有する傾斜増幅器システム82に加えられる。各傾斜増幅器は、収集した信号の空間エンコードに使用する磁場傾斜を生成させるように全体を番号90で示す傾斜コイル・アセンブリ内の対応する物理的傾斜コイルを励起させている。傾斜磁場コイル・アセンブリ90は、偏向マグネット94及び全身用RFコイル96を含んでいるマグネット・アセンブリ92の一部を形成している。システム制御部72内の送受信器モジュール98は、RF増幅器100により増幅を受け送信/受信スイッチ102によりRFコイル96に結合するようなパルスを発生させている。対象内の励起された原子核が放出して得た信号は、同じRFコイル96により検知し、送信/受信スイッチ102を介して前置増幅器104に結合させることができる。増幅されたMR信号は、送受信器98の受信器部分で復調され、フィルタ処理され、さらにディジタル化される。送信/受信スイッチ102は、パルス発生器モジュール78からの信号により制御され、送信モードではRF増幅器100をコイル96と電気的に接続させ、受信モードでは前置増幅器104をコイル96と電気的に接続させる。送信/受信スイッチ102によりさらに、送信モードと受信モードのいずれに関しても独立したRFコイル(例えば、表面コイル)を使用することが可能となる。
【0025】
RFコイル96により取り込まれたMR信号は送受信器モジュール98によりディジタル化され、システム制御部72内のメモリ・モジュール106に転送される。未処理のk空間データのアレイをメモリ・モジュール106に収集し終わると、1回のスキャンが完了となる。この未処理のk空間データは、各画像を再構成させるように別々のk空間データ・アレイの形に配列し直されると共に、これらの各々はデータをフーリエ変換して画像データのアレイにするように動作するアレイ・プロセッサ108に入力される。この画像データはシリアル・リンク74を介してコンピュータ・システム60に送られ、コンピュータ・システム60において画像データはディスク記憶装置68内などのメモリ内に記憶される。この画像データは、オペレータ・コンソール52から受け取ったコマンドに応じて、テープ駆動装置70上などの長期記憶内にアーカイブしたり、画像プロセッサ62によりさらに処理してオペレータ・コンソール52に伝達しディスプレイ56上に表示させたりすることができる。
【0026】
本発明の閉ループ・マグネット冷却システムは上述のようなMRイメージング・システムで使用できるだけではなく、能動的な冷却が使用されているMRイメージング・システムのこれ以外のコイルを冷却するために使用することもできる。さらに本発明は、MRイメージング・システムで使用される超伝導マグネットコイルに対する能動的な冷却に限定されるものではない。この閉ループ・マグネット冷却システム10は能動的な冷却を受ける任意の超伝導マグネットコイル・システムで使用できることが企図される。さらに本発明は、ボイルオフした冷凍剤を雰囲気に対して放出することなく再活用することが望ましいような任意のコイル冷却システムの形で具現化することができる。
【0027】
本発明による閉ループ・マグネット冷却システムは、障害状態が発生したときの冷媒再充填サービスに関連するサービスコストが低減されるという利点を含む。気体状冷凍剤をシステム外部に放出するのではなく、本発明は放出された気体状冷凍剤を蓄積することを含む。この方式により、システムが動作可能になったときに蓄積しておいた冷凍剤が使用される。このため、冷媒再充填のサービスコールが減少する。さらに、例えば発展途上国など冷媒再充填サービス・ネットワークが確立されていない地域では、本発明による閉ループ・マグネット冷却システムによってシステムをより迅速に再開することが可能となる。
【0028】
したがって、本発明の一実施形態では、マグネット・アセンブリは、マグネットと、このマグネットと熱的に接触させた冷却システムと、を含む。この冷却システムにはタンクが流体接続されていると共に、このタンクは冷却システムから放出されたボイルオフ流体を受け入れかつ蓄積するように構成させている。
【0029】
本発明の別の実施形態では、超伝導体システムは、超伝導マグネットと、この超伝導マグネットと熱的に接触させると共に超伝導マグネットを冷却するように構成させた冷凍剤と、を含む。この冷凍剤を気体状態から液体状態まで凝縮するように構成させた冷却システムが含まれている。この冷却システムに対して蓄積タンクが流体接続されていると共に、このタンクは冷却システムから放出された排出冷凍剤を蓄積するように構成させている。
【0030】
本発明のまた別の実施形態では、MRI装置は、偏向磁場を印加するようにマグネットのボアの周りに位置決めされた複数の傾斜コイルと、RF信号をRFコイル・アセンブリに送信してMR画像を収集するようにパルス・モジュールによって制御を受けているRF送受信器システム及びRFスイッチと、を有する磁気共鳴イメージング(MRI)システムを含む。冷媒冷却システムが含まれており、この冷媒冷却システムはマグネットと熱的に接触した状態にある。冷媒再活用回路が含まれており、この冷媒再活用回路は冷媒冷却システムと流体接続されていると共に、冷媒冷却システムが放出したボイルオフされた冷媒を蓄積するように構成されている。
【0031】
本発明を好ましい実施形態について記載してきたが、明示的に記述した以外に、本特許請求の範囲の域内で等価、代替及び修正が可能であることを理解されたい。また、図面の符号に対応する特許請求の範囲中の符号は、単に本願発明の理解をより容易にするために用いられているものであり、本願発明の範囲を狭める意図で用いられたものではない。そして、本願の特許請求の範囲に記載した事項は、明細書に組み込まれ、明細書の記載事項の一部となる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明による閉ループ・マグネット冷却システムの概要図である。
【図2】本発明と共に使用されるMRイメージング・システムのブロック概要図である。
【符号の説明】
【0033】
10 閉ループ・マグネット冷却システム
12 マグネット
14 冷却システム
16 冷凍剤
18 液体マス回収器
20 冷却用チューブまたはライザー
22 気体回収器
24 液化カップ
26 クライオクーラ再凝縮器またはコールドヘッド
27 底部
28 ヒータ
30 冷凍剤再活用回路
32 気体タンク
34 気体接続ライン
36 第1の端部
38 弓状ループ
40 第2の端部
42 断熱材
44 安全リリーフバルブ
46 追加的な充填バルブ
48 上側部分
50 MRイメージング・システム
52 オペレータ・コンソール
53 キーボードその他の入力デバイス
54 制御パネル
56 ディスプレイ
58 リンク
60 単独のコンピュータ・システム
60a バックプレーン
62 画像プロセッサ・モジュール
64 CPUモジュール
66 メモリモジュール
68 ディスク記憶装置
70 テープ駆動装置
72 単独のシステム制御部
72a バックプレーン
74 高速シリアルリンク
76 CPUモジュール
78 パルス発生器モジュール
80 シリアルリンク
82 傾斜増幅器組
84 生理学的収集制御器
86 スキャン室インタフェース回路
88 対象位置決めシステム
90 傾斜コイル・アセンブリ
92 マグネット・アセンブリ
94 偏向マグネット
96 全身用RFコイル
98 送受信器モジュール
100 RF増幅器
102 送信/受信スイッチ
104 前置増幅器
106 メモリモジュール
108 アレイ・プロセッサ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
マグネット(12)と、
前記マグネット(12)と熱的に接触させた冷却システム(14)と、
前記冷却システム(14)と流体接続すると共に、該冷却システム(14)から放出されるボイルオフ流体を受け入れかつ蓄積するように構成させたタンク(32)と、
を備えるマグネット・アセンブリ。
【請求項2】
さらに、前記冷却システム(14)を前記タンク(32)に流体接続させていると共に、通常の動作状態の間において該冷却システム(14)と該タンク(32)の間の自然対流を低下させるように構成させた弓状ループ(38)を備える請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記冷却システム(14)はさらに、
冷媒(16)と、
液体状冷媒(16)を保持するように構成させた液体回収器容器(18)と、
気体状冷媒(16)を保持するように構成させた気体回収器容器(22)と、
前記液体回収器容器(18)及び気体回収器容器(22)と流体接続させた液化容器(24)と、
前記液化容器(24)と接続させると共に、気体状冷媒(16)を液体状冷媒(16)まで凝縮させるように構成させたクライオクーラ再凝縮ユニット(26)と、
を備えている、請求項2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記弓状ループ(38)は冷却システム初期化中の前記タンク(32)から前記液化容器(24)への気体状冷媒の流れを可能にするように構成されている、請求項3に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記冷媒(16)はヘリウム、水素、ネオン及び窒素のうちの1つを含む、請求項3に記載のアセンブリ。
【請求項6】
さらに、前記冷却システム(14)に熱を加えるように構成させたヒータ(28)を備える請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記ヒータ(28)は圧力センサ制御式ヒータである、請求項6に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記タンク(32)は断熱されている、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記タンク(32)はボイルオフ気体を室温で蓄積するように構成されている、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項10】
さらに、前記タンク(32)に接続されていると共に、該タンク(32)内部の圧力が所定の値を超えた場合に蓄積したボイルオフ気体を雰囲気に対して放出するように構成させた緩和バルブ(44)を備える請求項1に記載のアセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−134703(P2007−134703A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−297782(P2006−297782)
【出願日】平成18年11月1日(2006.11.1)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】