説明

超小型絶対位置センサを用いたハンドインターフェースグローブ及びこれを用いたハンドインターフェースシステム

【課題】超小型絶対位置センサを用いて指関節の絶対位置を測定した信号を用いて仮想空間の仮想ハンドモデルを制御し仮想空間の客体と相互作用できるようにして現実空間の使用者の手動きを精密で正確に仮想空間の仮想のハンドモデルの動きと自然に一致されるように現実空間と一致度の高い自然な手の動きおよび視覚的一致感を支援するグローブ及びこれを使用したシステムを提供する。
【解決手段】指関節の絶対位置を測定する超小型絶対位置センサを用いて指関節の微素変位を測定し、測定された指関節の動きを用いて仮想のハンドモデルの動きを制御し仮想環境の客体と相互作用して、使用者の体形の大きさによって異なる変化距離の補正を簡単な2つの動作にてできるようにして仮想の製品品評などの高品質の仮想現実技術に接し、実際と類似に製品の品評過程を模擬して製品の欠陥と誤謬を事前に検出でき、全体的に製品の生産過程及び設計過程を短縮させる効果がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンドインターフェースを用いて仮想の環境(virtual environment)との相互作用をすることができるシステムに関するものであって、さらに詳細には現実空間(real space)で、手の動きを追跡して仮想空間の仮想のハンドモデルを精巧で細密に制御し、仮想の環境と現実の空間の使用者が自然に相互作用をすることができる超小型絶対位置センサを用いたハンドインターフェースグローブ及びこれを用いたハンドインターフェースシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ハンドインターフェース技術とは、人間の手と仮想環境の各物体ら間の相互作用に関するインターフェース技術を言う。このようなハンドインターフェース技術は、既存の視覚及び聴覚的特殊効果を補完して一次元高い没入感を提供する人間中心のインターフェース技術であって、ゲーム及び仮想医療分野で多く用いられている。しかし、仮想的製品生産等の製造品分野に適用される事例は全世界的に微々である。
【0003】
又、最近では自動車、船舶などの製造工程での高費用、低効率問題の克服のために、仮想現実技術を適用している。しかし、現在まで開発された仮想現実技術は、単純視覚情報を提供する程度の技術であって、触覚器官を用いて仮想空間の物体と相互作用をすることができる技術については使用性及び精密度の側面から産業現場で適用することが困難であった。
【0004】
したがって、産業現場の生産プロセサのための仮想現実の技術開発は、産業界に適用することができるほど精密で使用するに便利な技術でなければならない。これのため、使用者は、まるで物体を弄ったり扱ったりするように感じることができて、さらに繊細な手の動きを仮想空間の物体と相互作用ができるようにしなければならない。
【0005】
よって、産業現場の生産プロセサのための仮想現実技術は、触覚器官を用いた高精密相互作用技術であって、使用者に異質感や不便を与えずに、使用者の現実空間の動きを正確で精密に仮想空間の客体と相互作用できる技術の事実的なハンドインターフェース装置の開発が必要である。
【0006】
このようなハンドインターフェース技術に関するもので、米国特許公開公報US2004/0164880(発明の名称:Wearable Data Input Device Employing Wrist and Finger Movements)は、一般的キーボードを用いた情報入力を代替できるように手首及び指の動きのためのスイッチ型センサを内蔵してキーボードの位置がわかる効果を得られるが、指の精密な動きを支援するために多関節を測定することができないし、又、高い正確度を保障することができないだけではなく、キャリブレーション過程が複雑であるとの問題がある。
【0007】
米国特許公開公報US6,937,033(発明の名称:Position Sensor With Resistive Element)は、容易に曲れる抵抗式センサを指や体形の関節に取付けて動きを追跡する方法であって、変位センサの原理と具現方法に関する技術である。しかし、使用者による指の関節の長さや位置、湿度、温度などの変化に強い特性を有していないため、デザイン、品評、組立て等、実際感を要求する環境に適用できない問題がある。
【0008】
米国特許公開公報US6,701,296(発明の名称:Strain-sensing Goniometers, Systems and Recognition Algorithms )は、曲がれる抵抗式センサを用いて指に密着し、指の湾曲時生じる抵抗の変化を感知してグローブ型インターフェースに応用できる方法に関する特許であって、やはり人の指関節の長さや位置、湿度、温度などの影響を受けやすい短所があり頻繁なキャリブレーション過程を遂行しなければならない短所がある。
【0009】
米国特許公開公報US7,012,593(発明の名称:Glove-type Data Input Device and Sending Method Thereof)は、手袋をはめた使用者の指の動きによる手袋の形又は位置の変化と、そのために少なくとも1つ以上の接触面らで感知される圧力の程度を感知して、携帯電話やキーボードのデータ入力のためのもので、小型端末装置のデータ入力が容易になる長所があるが、製品の仮想デザイン、品評、組立てなどをシミュレーションできる高い正確度の指の動きを支援することができない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明は、前記した従来技術の問題点を解決するためになされたものであって、本発明の目的は、超小型絶対位置センサを用いて指関節の絶対位置を測定した信号を用いて仮想空間の仮想ハンドモデルを制御し、仮想空間の客体と相互作用できるようにして現実空間の使用者の手動きを精密で正確に仮想空間の仮想のハンドモデルの動きと自然に一致されるように現実空間と一致度の高い自然なハンド動きおよび視覚的一致感を支援する超小型絶対位置センサを用いたハンドインターフェースグローブ及びこれを用いたハンドインターフェースシステムを提供するにある。
【0011】
一方、本発明の他の目的は、現実空間と一致度の高い自然なハンドインターフェースを支援して「自動車内観品評シナリオ」のような環境で現実感のある品評ができるようにして自動車内部空間で使用者が運転台を握ってみたり、計器盤のボーターンを押してみたり、ギアスティックを操作してドアの取っ手を開いてみるなどの事実的な仮想品評のための超小型絶対位置センサを用いたハンドインターフェースグローブおよびこれを用いたハンドインタ―フェースシステムを提供するにある。
【0012】
一方、本発明のまた他の目的は、指関節の絶対位置を測定する超小型絶対位置センサを用いて使用者の手動作を正確に追跡する過程において、使用者の体形による設定作業の簡単な動作により行なうようにして補正作業を簡便にする超小型絶対位置センサを用いたハンドインターフェースグローブおよびこれを用いたハンドインターフェースシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記のような目的を達成するための本発明の超小型絶対位置センサを用いたハンドインターフェースグローブは、手に装着できるように手の形状でなるグローブ装置と指関節の絶対位置を追跡する超小型絶対位置センサを、前記グローブ装置の指関節に該当する位置に複数個設置して指関節の動きによる指関節の絶対位置を示すアナログ信号を感知するセンサ部、また、前記センサ部によって感知された指関節のアナログ信号を入力され、データの増幅及びフィルタリングを通じてデジタル信号に変換し出力するデータ獲得装置を含むことを特徴とする。
【0014】
この際、超小型絶対位置センサは、指関節の絶対位置により内蔵されたコイルに挿入される微細ワイヤの長さ変化によって指関節の絶対位置に関する信号を感知することを特徴とし、前記グローブ装置の表面に着脱可能であることを特徴とする。
【0015】
一方、本発明の超小型絶対位置センサを用いたハンドインターフェースシステムは、手に装着されるグローブの指関節に該当する位置に指関節の絶対位置を測定する超小型絶対位置センサを設置し、各関節の絶対位置信号を感知して伝送するハンドインターフェースハードウエアと、前記伝送された各関節の絶対位置信号を用いて各指関節の関節角を計算して仮想のハンドモデルの動きを制御し、前記仮想ハンドモデルと仮想環境客体との相互作用を制御するハンドインターフェースソフトウエアを含むことを特徴とする。
【0016】
この際、ハンドインターフェースハードウエアの超小型絶対位置センサは、指関節の絶対位置によって内蔵されたコイルに挿入される微細ワイヤの長さ変化によって指関節の絶対位置に関する信号を感知することを特徴とし、前記感知された角関節の絶対位置信号を各関節のデジタル信号に変換して整理するデータ獲得装置をさらに含むことを特徴とする。
【0017】
また、ハンドインターフェースソフトウエアは、前記各指関節の最大、最小電圧を貯蔵し、前記貯蔵された最大、最小電圧を基に使用者の任意の関節角を探知するだけではなく、前記使用者の体形の大きさによって変わる変位距離の変化を補正するハンドインターフェースマネジメント部と、前記伝送された各関節の絶対位置信号を用いて各指関節の関節角を計算して仮想のハンドモデルの動きを制御し、前記仮想のハンドモデルと仮想環境の客体との相互作用を制御するハンドインターフェースAPIを含んで行なわれることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
上述したように、本発明による超小型絶対位置センサを用いたハンドインターフェースグローブ及びこれを用いたハンドインターフェースシステムは、超小型絶対位置センサを用いて使用者の手の動きを正確に追跡し、現実と類似する3次元の仮想のハンドモデルを実時間で仮想空間に同期化して使用者と仮想空間の客体が精巧に相互作用できるようにして産業界で要求されている仮想品評および仮想製品の生産プロセスのような仮想環境において自然で直感的なハンドインターフェースを提供する効果がある。
【0019】
また、本発明は指関節の絶対位置を用いて測定し、指の動きで仮想空間に同期化するため、使用者の体形による補正作業が簡単な動作によって行なわれる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の超小型絶対位置センサを用いたハンドインターフェースグローブおよびこれを用いたハンドインターフェースシステムに対して添付した図面を参照して、さらに詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明に係る超小型絶対位置センサを用いたハンドインターフェースシステムの構成を示す図である。
【0022】
超小型絶対位置センサを用いたハンドインターフェースシステムは、指関節の動きを感知する装置であるハンドインターフェースハードウエア100と、感知された指関節の動きを用いて使用者と仮想空間の客体が相互作用できるようにするハンドインターフェースソフトウエア200とを含んで行なわれる。
【0023】
ハンドインターフェースハードウエア100は、手に装着されるグローブの指関節に該当する位置に指関節の絶対位置を測定する超小型絶対位置センサを設置し、各関節の絶対位置信号を感知して伝送する。
【0024】
ハンドインターフェースハードウエア100は、ハンドインターフェースグローブ110、センサ信号増幅部120、そして、データ獲得装置130を含んでなされる。
【0025】
ハンドインターフェースグローブ110は、手袋形態のグローブでなされる。ハンドインターフェースグロ部110は、使用者の手動作に関するトラッキング情報を測定する超小型絶対位置センサが装着される。ハンドインターフェースグローブ110は、超小型絶対位置センサにより感知されたアナログ信号をデータ獲得装置に130に伝達する。
【0026】
センサ信号増幅部120は、ハンドインターフェースグローブ110によるアナログ信号を増幅する。
【0027】
データ獲得装置130は、超小型絶対位置センサによって感知されたアナログ信号を入力される。入力された信号は、絶対位置センサの個数に該当する個数の信号で入力される。ハンドインターフェースグローブ110に装着される超小型絶対位置センサは、指関節の動きを測定するためのもので、指の一、二番目関節の位置に設置される。よって、データ獲得装置130は、1つのハンドインターフェースグローブ110に10個の超小型絶対位置センサが取付けられ、総20個のセンサからアナログ信号を入力される。
【0028】
データ獲得装置130は、20個のセンサから入力されたアナログ信号を増幅およびフィルタリング過程を通じて望むレベルのデジタル信号に変換する。超小型絶対位置センサは、コネクタを介してデータ獲得装置130とインターフェースするようになる。
【0029】
コンピュータでは、カード型のデータ獲得装置130を用いて入力されるサンプリング信号を各センサデータで表示する。コンピュータは、ウインドウ基盤のビジュアル(VISUAL)C++で設計された運用プログラムを通じてそれぞれの超小型絶対位置センサからデータをコンピュータ上で運用されるハンドインターフェースソフトウエア200に伝達する。
【0030】
ハンドインターフェースソフトウエア200は、伝送された各関節の絶対位置信号を用いて各指関節の関節角を計算して仮想のハンドモデルの動きを制御し、仮想のハンドモデルと仮想環境客体との相互作用を制御する。
【0031】
ハンドインターフェースソフトウエア200は、ハンドインターフェースマネジメント部210とハンドインターフェースAPI220を含んでなされる。
【0032】
ハンドインターフェースマネジメント部210は、ハンドインターフェースグローブ110に設置された複数の超小型絶対位置センサの指曲げの電圧値を線形変換するために測定された最小電圧と最大電圧を貯蔵し、各指の最大曲げ領域をウィンドウレジストリに貯蔵する役割をする。
【0033】
ハンドインターフェースマネジメント部210は、ハンドインターフェースAPI220とは別で独立的に存在するソフトウエアである。
【0034】
ハンドインターフェースマネジメント部210は、ハンドインターフェース、装置情報、状態モニタリング及び仮想ハンドモデルのディスプレイを通じた正確な補正機能を担当する。そして、装置連結状態と各センサの状態のチェックのような状態をモニタリングする。
【0035】
ハンドインターフェースマネジメント部210は、使用者の体形の大きさによって変わる変位距離の変化を補正する機能を遂行する。補正する過程は、インターフェース初期化作業時、各指の正確な初期値を得るための2つの手動作によって行なわれる。簡単な2つの手動作は、こぶしを握った状態で親指だけを伸ばした動作と、手の平を全部伸ばした状態で親指だけを曲げた動作である。この2つの動作を通じて指関節の最小と最大の曲げ範囲の電圧値を求めることができる。ここで、親指と残りの4つの指が他の時期に曲げられる理由は、こぶしを握った状態では親指の正確な最小、最大変位値を求めることができないためである。1番目の動作を行なった後、20個のセンサから伝達される電圧値と、2番目動作を行なった後、20個のセンサから伝達される電圧値とをレジストリに全部貯蔵する。
【0036】
このように貯蔵された各指関節の最小、最大電圧値を基に、使用者が任意の角度で指関節を曲げた時の関節角を求めるため、次の式(1)で計算する。
Angle(i)=( V(i)― Vmin(i))/( Vmax(i)― Vmin(i))x Anglemax(i)......(1)
【0037】
ここで、Angle(i)は、(i)番目の関節を使用者が任意の角度で曲げた時の関節角であり、Vmax(i)は、I番目関節を最大に伸ばした時の電圧値であり、Vmin(i)は、I番目の関節を最大に曲げたときの電圧値であり、最後に、Anglemax(i)は、I番目の関節の最小最大の関節角の範囲を言う。Anglemax(i)は、ハンドインターフェースマネジメント部210のGUIを通じて使用者が自分の手に合せて調整できるようにする。指の一番目、二番目の関節は、センサが装着されて関節角を直接的に見つけて、センサが取付けられていない三番目の関節は、手の人体学的な動き構造から三番目の関節の角を予測してわかるようにする。三番目の関節は、二番目の関節とほぼ同様な角で共に動くので、二番目角度でマッピングして予測することができる。これは、センサの個数を最大に減らして十分なデータ帯域幅の確保と製作単価を下げることができる長所がある。
【0038】
また、事実的で正確なハンドインターフェース補正作業のため、可変型皮膚変更技法(variable skin transforming scheme)を適用して柔らかな関節を表現した仮想のハンドモデルを用いて多様な角方向のビューを提供することができる機能があって、使用者が直接関節角を比較しながら細密に調整することができる。
【0039】
ハンドインターフェースAPI220は、伝送された角関節の絶対位置信号を用いて各指関節の関節角を計算し、仮想のハンドモデルの動きを制御し、仮想のハンドモデルと仮想環境400の客体との相互作用を制御する機能をする。
【0040】
ハンドインターフェースAPI220は、仮想現実応用プログラムにおいて、ハンドインターフェース装置を容易に統合運用できるように、装置の初期化および装置連結、デバイス入出力データのストリーミングを支援する。ハンドインターフェースAPI220は、各種アプリケーションに容易に統合可能なPC基盤のライブラリである。ハンドインターフェースAPI220は、センサ初期値と指関節範囲初期値をレジストリでローディングし、データ獲得装置130を通じて測定された各指関節の電圧値を基に、指関節角を計算する全ての機能を関数レベルから提供する。また、ハンドインターフェースAPI220は、プログラミングライブラリ形態で提供され、応用プログラムに該当される仮想環境400のアプリケーションで関数呼出を用いることができるようにコンファイリング時にリンクさせて使用するようになる。
【0041】
図2aは、本発明に係るハンドインターフェースハードウエアの構成を、図2bは、超小型絶対位置センサの構成を、図2cは、超小型絶対位置センサの差動原理を示す図である。
【0042】
ハンドインターフェースハードウエア100は、手形のグローブ10と、一指に2つの超小型絶対位置センサ20を取付けて(片手に10個のセンサ適用)、手形を精密に追跡することができるハードウエア装置である。ハンドインターフェースハードウエア100の超小型絶対位置センサ20は、変位によって生じる直線的な長さの変化を測定する装置である。その原理は、指関節の絶対位置によってコイルが内蔵された固定部24の中に挿入される微細ワイヤ22の長さが異なるようになり、ワイヤ22の挿入長さに比例してパルス波が印加されたコイルの波型が変化し、これを計測して指関節の絶対変位を測定する。挿入されるワイヤ22の長さによって印加されたパルスの波型が変わる自動原理について図2cの回路に示す。
【0043】
図2bの超小型絶対位置センサ20は、関節を間において固定部24と移動部21がグローブ10に設置される。移動部21の一端には、関節の絶対位置によって固定部24に内蔵されたコイルに挿入されるワイヤ22が備えられる。固定部24は、コイルが内蔵されていて、内蔵されたコイルの中にワイヤ22が挿入されると、印加されたパルス波の波型が変化することを感知して関節の絶対位置を感知する。そして、感知されたアナログ信号はデータ獲得装置に伝達する。
【0044】
ハンドインターフェースハードウエア100に用いられた超小型絶対位置センサは、LVDT(liner variable differential transducer)タイプの位置センサであって、機械的変位を電気的信号に替えてくれる。LVDTは、コアの移動で1次コイルから2次コイルに誘導される磁束の変化、即ち、相互インダクタンスを変化させるtransducerとして機械的、電気的に分離されて動くことができるコアの変位に比例して、機械的、電気的に分離されて動くことができるコアの変位に比例して電気的出力が発生される。LVDTの出力は、コアの入力位置によって内部コイルに誘導電流が発生し、その電流の大きさを感知してこれを変形率に換算し、正確で線形的な正確を有するようになる。
【0045】
このようなLVDT式絶対位置センサは、検査装置、半導体工程装備、ロボット、医療機器などに幅広く使用されているが、その大きさのため人の指関節を接触式で変位測定しようとする試しはなかった。人の指関節の変位測定が可能になるように超小型に製作して接触式に装着すると、既存の抵抗や光学方式の短所である外部環境変化による安定性低下を克服することができる。即ち、人間の指関節と筋肉を真似て超小型絶対位置センサを関節角測定に直接的に用い、これは、使用者の体形の差異があっても測定値の均一性を保障することができるので、体形による別の設定(calibration)作業が不要であるとの長所を有している。また、4kHz速度の更新率と、12bit解像度の高精密追跡が可能な性能のLVDT式絶対位置センサなら、高精密ハンドインターフェースに用いることができると言える。
【0046】
既存のセンシング方法では、指関節の動きを直接測定する方法ではないので、追跡の精密度や効率が落ち、よって、使用者の体形の差異による補正過程作業時、各関節の非直観的な調節値に応じて補正を行う短所がある。
【0047】
しかし、絶対位置センサを用いると、直観的な調節値によって微素変位の測定を行なうため、理論的に初期1回の補正過程で相当の期間使用可能である。
【0048】
既存の絶対位置センサをハンドグローブ表面に装着時に使用する人の指の大きさによる最大限の曲げによって微細ワイヤの最大変位を超過する場合ワイヤが離脱する可能性がある。このような既存のLVDTセンサの短所を補完するために、パイプ内の終端に軟質プラスチック樹脂ガイドを延長し離脱可能性を最小化することができる。
【0049】
指関節を接触方式で測定する場合に、ワイヤの曲げが発生し、連続使用時センサの老巧化のための交替やリペアが必要になることもある。センサがハンドグローブ表面に固定付着されていると、リペアのための分離が難しくなるので、センサの着脱が可能なモジュールで作って、このような短所を克服することができる。
【0050】
図3は、本発明に係るハンドインターフェースマネジメント部の構成を示す図である。
【0051】
ハンドインターフェースマネジメント部210は、制御部212、センサ補正部211、状態モニタリング部213、ディスプレイ部214を含んでなされることを特徴とする。
【0052】
センサ補正部211は、使用者の体形の大きさによって変わる変位距離を補正する。補正は、初期化作業時に各指の正確な初期値を得るための手動作によって行なわれる。
【0053】
状態モニタリング部213は、装置連結状態、各センサの状態をチェックすることと同様な状態をモニタリングする。
【0054】
ディスプレイ部214は、仮想ハンドモデルがグラフィック画面にディスプレイされ、実際ハンドインターフェースとの正確なマッチングができるように手伝う。
【0055】
制御部212は、ハンドインターフェース装置情報、状態モニタリングおよび補正過程を制御する機能を遂行しながら、センサ補正部211、状態モニタリング部213、そして、ディスプレイ部214をコントロールする。
【0056】
図4は、本発明に係るハンドインターフェースAPIの構成を示す図である。
【0057】
ハンドインターフェースAPI220は、仮想現実応用プログラムからハンドインターフェースハードウエア100を容易に統合運用できるように装置の初期化及び装置連結、デバイス入出力データストリーミングを支援し、各種アプリケーションに容易に統合の可能なPC基盤のライブラリである。
【0058】
ハンドインターフェースAPI220は、センサ初期値と指関節範囲の初期値をレジストリでローディングし、データ獲得装置130を通じて測定された各指関節の電圧値を基に、指関節角を計算する全ての機能を関数レベルから提供する。また、ハンドインターフェースAPI220は、プログラミングライブラリ形態で提供され、応用プログラムに該当される仮想現実アプリケーションで関数呼出が使用できるようにコンファイリング時にリンクさせて使用するようになる。
【0059】
ハンドインターフェースAPIを細部的に記述すると、ハンド高水準API450とハンド装置API430で構成される。ハンド装置API430は、ハンドインターフェースの装置を管理するために、データ獲得装置およびセンサデータの初期化などを遂行して正しい装置の起動を保障する。装置制御モジュール431は、データ獲得装置からのハンドインターフェースセンサデータらをバッファから持ってくる役割をし、望む上下限値の抵抗値と解像度を持ってくることができる。
【0060】
ハンド高水準API450は、仮想グラフィックモデルデータをシングラフ451構造でローディングして実時衝突のための階層的衝突探索技法(hierarchical collision searching scheme)を支援する。
【0061】
シングラフモジュール451では、ハンド装置API430からハンドトラッキング情報を入力され、仮想のハンドモデルおよび仮想の環境モデル制御のための変換マトリックスをアップデートする。仮想のハンドモデル制御は、人体学基盤の指動きの実測値の補正が遂行され、衝突処理モジュールは、実時間衝突処理および手動作間の相互作用処理を遂行する。実感度を増加させるために略数百万ポリゴンデータモデルと仮想客体間の衝突イベント計算を実時間に処理するようにする。大容量データモデルとの実時間衝突処理のために肝心の部分客体を予め分類して実時間作業に必要な計算時間を短縮させ、階層的衝突探索技法を活用する。このような衝突処理情報を基に実使用者と最大に類似するハンドモデルと動きを有する仮想ハンドモデルのグラフィックアップデートを行なう。
【0062】
以上、いくつの実施の形態を挙げて本発明をさらに詳細に説明したが、本発明は必ずしもこのような実施の形態に限らず、本発明の技術思想を外れない範囲の内で多様に変更実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明に係る超小型絶対位置センサを用いたハンドインターフェースシステムの構成を示す図である。
【図2a】本発明に係る超小型ハンドインターフェースハードウエアの構成を示す図である。
【図2b】本発明に係る超小型絶対位置センサの構成を示す図である。
【図2c】本発明に係る超小型絶対位置センサの差動原理を示す図である。
【図3】本発明に係るハンドインターフェースマネジメント部の構成を示す図である。
【図4】本発明に係るハンドインターフェースAPIの構成を示す図である。
【符号の説明】
【0064】
100:ハンドインターフェースH/W
110:ハンドインターフェースグローブ
120:センサ信号増幅部
130:データ獲得装置
200:ハンドインターフェースS/W
210:ハンドインターフェースマネジメント部
220:ハンドインターフェースAPI
300:衝突処理部
400:仮想環境

【特許請求の範囲】
【請求項1】
手に装着されるように手の形状できるグローブ装置と、
指関節の絶対位置を追跡する超小型絶対位置センサを前記グローブ装置の指関節に該当する位置に複数個設置して指関節の動きによる指関節の絶対位置を示すアナログ信号を感知するセンサ部と、
前記センサ部によって感知された指関節のアナログ信号の入力を受け、データの増幅およびフィルタリングを経てデジタル信号に変換して出力するデータ獲得装置と、を含むことを特徴とする超小型絶対位置センサを用いるハンドインターフェースグローブ。
【請求項2】
前記超小型絶対位置センサは、指関節の絶対位置によって内蔵されたコイルに挿入される微細ワイヤの長さ変化により、指関節の絶対位置に関する信号を感知することを特徴とする超小型絶対位置センサを用いる請求項1に記載のハンドインターフェースグローブ。
【請求項3】
前記超小型絶対位置センサは、各指の二番目、三番目関節の位置に設置されることを特徴とする請求項1に記載のハンドインターフェースグローブ。
【請求項4】
前記超小型絶対位置センサは、前記グローブの表面に着脱可能になることを特徴とする請求項1に記載のハンドインターフェースグローブ。
【請求項5】
手に装着されるグローブの指関節に該当する位置に指関節の絶対位置を測定する超小型絶対位置センサを設置し、各関節の絶対位置信号を感知して伝送するハンドインターフェースハードウエアと、
前記伝送された各関節の絶対位置信号を用いて各指関節の関節角を計算して仮想のハンドモデルの動きを制御し、前記仮想ハンドモデルと仮想環境客体との相互作用を制御するハンドインターフェースソフトウエアとを含むことを特徴とする超小型絶対位置センサを用いるハンドインターフェースシステム。
【請求項6】
前記ハンドインターフェースハードウエアの超小型絶対位置センサは、指関節の絶対位置によって内蔵されたコイルに挿入される微細ワイヤの長さ変化により指関節の絶対位置に関する信号を感知することを特徴とする請求項5に記載の超小型絶対位置センサを用いるハンドインターフェースシステム。
【請求項7】
前記ハンドインターフェースハードウエアは、前記感知された各関節の絶対位置信号を各関節のデジタル信号に変換して整理するデータ獲得装置をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の超小型絶対位置センサを用いるハンドインターフェースシステム。
【請求項8】
前記ハンドインターフェースソフトウエアは、
前記各指関節の最大、最小電圧を貯蔵し、前記貯蔵された最大、最小電圧を基に使用者の任意の関節角を探知するだけではなく、前記使用者の体形の大きさによって変わる変位距離の変化を補正するハンドインターフェースマネジメント部と、
前記伝送された各関節の絶対位置信号を用いて各指関節の関節角を計算して仮想のハンドモデルの動きを制御し、前記仮想のハンドモデルと仮想環境の客体との相互作用を制御するハンドインターフェースAPIを含んで行なわれることを特徴とする請求項5に記載の超小型絶対位置センサを用いたハンドインターフェースシステム。
【請求項9】
前記ハンドインターフェースマネジメント部の補正する過程は、各指関節の最大、最小電圧を設定する簡単な2つの動作によって行なわれることを特徴とする請求項8に記載の 超小型絶対位置センサを用いるハンドインターフェースシステム。
【請求項10】
前記簡単な2つの動作は、各指の変位距離を正確に測定するための動作で、親指を伸ばした状態でこぶしを握った動作と、親指を曲げた状態で手を開けた動作であることを特徴とする請求項9に記載の超小型絶対位置センサを用いるハンドインターフェースシステム。
【請求項11】
前記ハンドインターフェースマネジメント部の補正する過程は、可変型皮膚変更技法を適用して柔らかな関節を表現した仮想のハンドモデルを用いて使用者が直接関節角を比較しながら調整することを特徴とする請求項9に記載の超小型絶対位置センサを用いるハンドインターフェースシステム。
【請求項12】
前記ハンドインターフェースAPIの前記仮想のハンドモデルと前記仮想の環境客体との相互作用は、前記仮想のハンドモデルと前記仮想の環境客体との衝突処理を通じて行われることを特徴とする請求項8に記載の超小型絶対位置センサを用いるハンドインターフェースシステム。
【請求項13】
前記衝突処理は、数百万ポリゴンデータの仮想のハンドモデルと仮想の環境客体間の衝突イベント計算によって行なわれることを特徴とする請求項12に記載の超小型絶対位置センサを用いるハンドインターフェースシステム。
【請求項14】
前記衝突処理は、階層的衝突探索技法によって行なわれることを特徴とする請求項12に記載の超小型絶対位置センサを用いるハンドインターフェースシステム。

【図1】
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【図2c】
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【図3】
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【図4】
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【図2a】
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【図2b】
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【公開番号】特開2007−157120(P2007−157120A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−296441(P2006−296441)
【出願日】平成18年10月31日(2006.10.31)
【出願人】(596180076)韓國電子通信研究院 (733)
【氏名又は名称原語表記】Electronics and Telecommunications Research Institute
【住所又は居所原語表記】161 Kajong−dong, Yusong−gu, Taejon korea
【Fターム(参考)】