説明

超音波トランスデューサ

【課題】圧電体をプリント基板に実装することなく、圧電体からの電極リードの引き出しが容易な超音波トランスデューサを提供すること。
【解決手段】音響整合層12、圧電体16、並びに、バッキング材20が順に積層されてなる板状体(直方体部材)10により構成され、圧電体は積層方向の表裏の一方に第1の電極及び他方に第2の電極を有し、板状体の積層方向に平行な面に、第1の電極と接続され第1の電極からバッキング材に亘り形成された金属薄膜による第1の電極リード17と、第2の電極と接続され第2の電極からバッキング材に亘り形成された金属薄膜による第2の電極リードとを有すること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波診断装置や超音波探傷装置等に用いられる超音波トランスデューサに関し、超音波トランスデューサからの電極リードの引き出しの技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、超音波診断装置に使用する超音波プローブは超音波の送受信を行う超音波トランスデューサと超音波診断装置本体との間で電気信号を授受するために機能するケーブルアセンブリ、更に必要に応じて電気信号を制御する集積回路等モジュールから構成される。
【0003】
近年、超音波ビームの偏向、集束を全方位に渡って行い、超音波による3次元走査が可能な超音波プローブ、及びこの超音波プローブにより収集された被検体からの超音波情報に基づいて立体(3次元)超音波画像を生成し表示する超音波診断装置の検討が行われている。
【0004】
この超音波の全方位的なフォーカシングや高速な3次元走査を実現する超音波プローブとしては、超音波トランスデューサを構成する超音波振動素子をマトリックス状に多数配列した2次元アレイ超音波プローブがある。ここで、図15は、2次元アレイ超音波プローブを構成する2次元アレイ超音波トランスデューサの従来の構成を示す概略図であり、図15(a)は、2次元アレイ超音波トランスデューサ10の斜視図、図15(b)は、図15(a)において矢印方向から見たC−C断面図である。
【0005】
図15(a),(b)に示すように、2次元アレイ超音波トランスデューサ10は、音響整合層12、アース電極14、超音波振動素子(圧電体)16、信号電極18、バッキング材20(負荷材相)及び信号リード22(駆動電極リード)を具備する構成となっている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
音響整合層12は、被検体(図示せず)と超音波振動素子16との間に位置するように設けられており、被検体と超音波振動素子16との音響インピーダンスの整合をとるものである。
【0007】
アース電極14は、各超音波振動素子16の一端に設けられている。アース電極14はアース接続されている。
【0008】
超音波振動素子16は、2成分系或いは3成分系の圧電セラミックス等から成る圧電素子であり、2次元マトリックス状に配列されている。この超音波振動素子16の2次元的配列により、超音波の全方位的なフォーカシングと高速な3次元走査が可能である。
【0009】
信号電極18は、各超音波振動素子16の他端(すなわち、アース電極14とは異なる一端)に設けられており、圧電効果のための電力印加や被検体から受波した超音波に基づく電気信号を出力する電極である。
【0010】
バッキング材20は、超音波振動素子16の背面に設けられており、当該超音波振動素子16を機械的に支持する。
【0011】
また、バッキング材20は、後方への超音波を吸収し、また、超音波振動素子16の余分な振動を抑え、さらに、超音波パルスを短くするために、超音波振動素子16の動きを制動している。
【0012】
このバッキング材20は、後述する信号リード22の端部23が2次元配列されるように、信号電極18から超音波振動素子16の配列面と垂直な方向に信号リード22を引き出し可能な経路が形成されている。
【0013】
信号リード22は、その一端において信号リード22の端部23を有している。また、他端においては各超音波振動素子16の信号電極18と接続されており、超音波振動素子16の配列面と垂直な方向に、信号電極18から伸延して、バッキング材20中の経路を通し信号リード22の端部23が引き出されている。従って、信号リード22の端部23は、超音波振動素子16と反対側のバッキング材20の面において、2次元アレイ状に並んだ構成となっている。図15に示すように2次元アレイ超音波プローブでは、超音波トランスデューサを構成する超音波振動素子16をマトリックス状に多数配列するため、それぞれから信号リード22を引き出すことは容易ではない。
【0014】
また、振動子配列に対応する中継基板をバッキング材背面に配置して信号リードの引き出しを構成する構造を採用した特許文献1の他には、マトリックス状に配列した素子の各列間隔に各振動子から信号リード及びアースを引き出すためのプリント基板を配置した構造を有し、プリント基板上に1列相当の振動子アレイを実装した後、振動子を実装したプリント基板を行方向に配列して2次元アレイトランスデューサを構成する方法が提案されている(例えば、特許文献2)。これによれば、信号リード及びアースはプリント基板に形成されるので、信号リード及びその引き出し及びアースの引き出しも容易である。
【0015】
また、2次元アレイ超音波プローブの個々の超音波振動素子は、大きさが小さくなるためインピーダンスが大きくなり、超音波の送信音圧の低下や、受信時の伝送損失が増大する場合がある。これに対し、特許文献1に記載の2次元アレイ超音波プローブでは、積層圧電体の内部電極から信号リード及びアースを引き出すことは困難であるが、特許文献2の方法によれば、積層圧電体の内部電極をプリント基板に形成された信号リードまたはアースに交互に連結・絶縁することができるから、超音波振動素子16として積層圧電体を採用でき、これにより超音波振動素子16のインピーダンスを低減することが可能となる。そのため超音波の送信音圧の増強や、受信時の伝送損失の低減が可能となる。
【0016】
【特許文献1】特開2001−292496号公報
【特許文献2】特開2001−309493号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかしながら、特許文献2の方法、すなわち超音波振動素子をプリント基板に実装する方法では、超音波振動素子の側面がプリント基板に固定されているので超音波振動素子の振動がプリント基板により阻害される。また、他の超音波振動素子の振動がプリント基板を介して伝播されることがある。また、超音波振動素子の配列は、プリント基板上の超音波振動素子の配列方向と、プリント基板の配列方向とでは、超音波振動素子間のプリント基板の存在が異なるから2次元アレイ超音波プローブに異方性を有する。したがって、超音波特性、例えば超音波波形、スペクトラム及び指向性に問題を生じる場合がある。また、プリント基板上に1列相当の振動子アレイは、厚みにばらつきが生じやすく、行方向の配列位置精度が不十分となることがある。さらに、プリント基板の厚さにより、プリント基板の配列方向の超音波振動素子の配列間隔を小さくできず制約されるという問題があった。
【0018】
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、圧電体をプリント基板に実装することなく、圧電体からの電極リードの引き出しが容易な超音波トランスデューサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記課題を解決するために請求項1記載の発明に係る超音波トランスデューサは、音響整合層、圧電体、並びに、バッキング材が順に積層されてなる直方体部材により構成され、前記圧電体の前記積層方向の表裏の一方に第1の電極及び他方に第2の電極を有し、前記直方体部材の前記積層方向に平行な面に、前記第1の電極と接続され前記第1の電極から前記バッキング材に亘り形成された金属薄膜による第1の電極リードと、前記第2の電極と接続され前記第2の電極から前記バッキング材に亘り形成された金属薄膜による第2の電極リードとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、超音波トランスデューサを音響整合層、第1の電極及び第2の電極を有する圧電体、並びに、バッキング材が積層されてなる直方体で構成し、直方体の積層方向に平行な面に金属薄膜を形成することによって第1の電極と接続される第1電極リード及び第2の電極と接続される第2電極リードとして容易に引き出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。なお、ここでは、本実施形態の超音波トランスデューサを、その製造プロセスに沿って説明することにする。
【0022】
〔第1の実施形態〕
図1〜図11は、本発明に係る第1の実施形態の超音波トランスデューサを説明するための図である。
【0023】
(積層体形成)
まず、積層体1を形成する。図1は、超音波トランスデューサを構成する積層体1を示す図である。図1に示すように、積層体1は、図1上側から音響整合層12、アース電極14、圧電体16及び内部電極11a、11b、信号電極18、並びに、バッキング材20が積層された構成となっている。各部材を予め所定の厚さに加工した後、接着剤などにより接着することにより積層体1を形成する。また、本例の圧電体16は積層圧電体を例とし、内部電極11a、11bと分割された3つの小圧電体が積層されて構成される。信号電極18及びアース電極14は、本発明の第1の電極または第2の電極に相当する。
【0024】
(板状体切り出し)
次に、図2に示すように積層体1から所定の幅で板状体10を機械加工で切り出す。この板状体10は本発明の直方体部材である。図2は、積層体1から板状体10を切り出した様子を示した図である。そして、図3に切り出された板状体10を示す。さらに、板状体10の切断面等を必要に応じて研磨することにより、切断面を平滑化し、且つ、板状体10の高さ、幅及び厚さなどの各寸法を整える。
【0025】
(溝加工及び絶縁処理)
続いて、溝加工及び絶縁処理を行う。図4(a)における板状体の手前側端部の拡大図を図4(b)に示し、その拡大図に形成される絶縁処理用の溝を示した。図4(b)に示すように、板状体10の面のアース電極14、内部電極11a、11b、及び、信号電極18のそれぞれの位置に、積層方向に平行な一方の面(表面)13及び他方の面(裏面)15に交互に電極を跨ぐ溝を形成する。そして、各溝に電気絶縁樹脂を充填する。
【0026】
これによって、後述の図5を用いて説明する工程に於いて、板状体10の表面13または裏面15に圧電体16からバッキング材20に伸延する金属薄膜をスパッタ、蒸着などによって形成した際、溝加工及び電気絶縁樹脂充填処理を施した面側では、電極は形成する金属薄膜と電気的に絶縁され、且つ、溝加工及び電気絶縁樹脂充填処理を施さなかった面側では、電極は形成する金属薄膜と電気的に接続することが可能となる。
【0027】
(駆動電極リードの形成)
図5に駆動電極リード17の一例を示す。図5は、板状体10を表面13側から見た斜視図である。本実施例では、表面13側に圧電体16からバッキング材20に伸延する金属薄膜を形成し、内部電極11aと信号電極18とが金属薄膜によって電気接続されて駆動電極リード17を構成する。したがって、内部電極11aは信号電極となる。金属薄膜としてCrとAuの2層構造を採用するがその限ではなく層数、材料を変更することも可能である。また、図5(a)に示すように、駆動電極リード17は、バッキング材20の表面13側では、帯状に所定のピッチで形成される。また、図5(b)は、板状体10をバッキング材20の端面側から見た斜視図であるが、図5(b)に示すように、金属薄膜により積層方向に直交するバッキング材20の端面に電極パッド19が駆動電極リード17と同じピッチで形成され、各駆動電極リード17は、それぞれ電極パッド19に導かれる。この各駆動電極リード17は、圧電体16が分割された際、個々の圧電体16を独立したチャンネルとして動作させるための独立した駆動電極リード17として機能する。また、電極パッド19は、後述のIC基板40等との接続に用いられるものである。
【0028】
図6に圧電体16が音響整合層12からバッキング材20の圧電体16側の端部近傍に亘り表面13から裏面15に貫通する分割溝25(溝)で所定のピッチで等間隔に分割されたときの様子を示す。図6に示すように、各駆動電極リード17は、それぞれ分割された圧電体16の内部電極11aと信号電極18とに接続される。ただし、図6は、各駆動電極リード17と分割されたときの圧電体16との関係を説明するためのものであって、本実施の形態では、圧電体16の分割は、後述の図11に示す工程で初めて実現される。しかしながら、図6に示す板状体10を1つ用いて1次元アレイの超音波トランスデューサとして用いることも可能である。また、分割されたときの圧電体16の2以上で圧電体群を構成し、駆動電極リード17を圧電体群毎に接続するようにしてもよい。
【0029】
また、本例では金属薄膜は表面13で圧電体16全面およびバッキング材20の一部に形成されたがその限りではなく、連結すべき電極(全面・背面・内部電極の一部)に電気接続される限に於いては圧電体16の一部に留めることも可能であって、また、音響整合層12側面に及ぶこともあり得る。更に本例においてはバッキング材20においてのみ金属薄膜が等間隔でパターン化され形成されているがその限ではなく、圧電体16の面において金属薄膜をパターン化して形成することも可能である。
【0030】
(アース電極リードの形成)
図7にアース電極リード21の一例を示す。図7は、板状体10を裏面15側から見た斜視図である。本実施例では、裏面15側に圧電体16からバッキング材20に伸延する金属薄膜を形成し、アース電極14と内部電極11bとが金属薄膜によって電気接続されてアース電極リード21を構成する。したがって、内部電極11bはアース電極となる。金属薄膜としてCrとAuの2層構造を採用するがその限ではなく層数、材料を変更することも可能である。
【0031】
また、図8には図6と同様に圧電体16が分割溝25で所定のピッチに等間隔で分割されたときの様子を示すが、アース電極リード21は、分割溝25の底面25aよりからさらにバッキング材20側に伸延して形成する。また、図7または図8に示すように、金属薄膜により積層方向に平行な面で表面13及び裏面15を除く面のバッキング材20の端面にアース電極パッド26が形成され、アース電極リード21はアース電極パッド26に導かれ接続される。
【0032】
ここで、駆動電極リード17及びアース電極リード21は、本発明の第1の電極リードまたは第2の電極リードに相当する。また、上記の説明では駆動電極リード17及びアース電極リード21を表裏に配置するようにしたこれに限らず例えば隣接する面にそれぞれを配置するようにしてもかまわない。
【0033】
(積層工程)
最後に積層工程について説明する。上記のごとく駆動電極リード17及びアース電極リード21を形成した板状体10を、図9に示す如く図示しない所定の厚さの樹脂等の電気絶縁材を間隙に介して1列に配列する。
【0034】
更に、図10に示す如く図8の配列方向とは略直交する方向に複数の分割溝25を形成することによって、それぞれの板状体10の音響整合層、圧電体を図6及び図8で示したように分離する。
【0035】
最後に図11に示す如く電気絶縁樹脂で分割溝を充填する。そして、図11に示す音響整合層、圧電体が2次元アレイ状に並んだ超音波トランスデューサが形成される。本実施例の超音波トランスデューサは図示されないバッキング材底面に2次元配列された駆動電極パッド19を有し、図示されないバッキング材側面にアース電極パッド26を有している。
【0036】
さらに、図12は、第1の実施形態における超音波トランスデューサと超音波診断装置本体とを接続するケーブル(図示せず)と、IC基板40とを接続する機構を説明するための図である。
【0037】
図12に示すように、超音波トランスデューサとIC基板40とは中継基板を介し接続される。中継基板は、樹脂やセラミクスなどからなる平板形状の基板が望ましい。この中継基板は、例えば、超音波トランスデューサに対向する側の面に中継パッドが信号リードに応じて配設され、超音波トランスデューサの駆動電極パッド19のそれぞれと接続される。また、図示しないが、アース電極パッド26は、例えば超音波プローブの筐体等を介してアース接続される。
【0038】
また、図12に示すように、ケーブル接続基板50は、上述したIC基板40と、超音波診断装置本体とIC基板40等との電気的接続を取るケーブル(図示せず)とを接続するための基板である。当該ケーブル接続基板50は、柔軟性を備えたFPCでできており、その一端は、IC基板40における信号リード(図示せず)が設けられた一端とは反対側の一端に電気的に接続されている。
【0039】
コネクタ62は、ケーブル接続基板50の他端及び前記ケーブルの一端にそれぞれ設けられている。このコネクタ62によって、ケーブル接続基板50と前記ケーブルとは電気的に接続される。
【0040】
このような構成により、IC基板40上の各IC45によって処理された信号は、ケーブル接続基板50を介して超音波診断装置本体に送信されることとなる。
【0041】
以上、説明したように、音響整合層・圧電体・バッキング材などの積層体から切り出した板状体の表面または裏面に金属薄膜を形成することにより、駆動電極リード及びアース電極リードを容易に引き出すことができる。また、駆動電極リード、アース電極リードは金属薄膜であるから、圧電体の振動を阻害する恐れがなく、良好な超音波特性を確保することが可能である。圧電体として内部電極を有する積層圧電体を採用することが可能であるから、電気インピーダンス低減、延いては性能向上が可能となる。また、板状体を用いるので、板状体を積層体から機械加工で切り出した後、研磨加工を施して形成することが可能なため、形状寸法が安定且つ高精度で確保出来るので、行方向の配列を行う際の配列位置精度を確保することが可能となる。また駆動電極、アース電極の引き出しを金属薄膜で行うため、配列間隔を小さくすることが可能である。
【0042】
上記の説明において、一方を駆動電極リードとし他方をアース電極リードとしたが、必ずしもどちらかをアース電極リードに限ることはなく、いずれもが上記の駆動電極リードの構成を有するようにしてもよい。
【0043】
(第2の実施形態)
本発明に係る第2の実施形態としての超音波トランスデューサについて説明する。本実施形態は、駆動電極リード17として圧電体側面に形成された金属薄膜とそれに電気接続されるプリント基板の配線パターンを利用するものである。なお、以下には第1の実施の形態と実質的に同様の構成については、詳細な説明を省略し、主に異なる点について述べる。
【0044】
図13にプリント基板30(駆動電極リード用プリント基板)を用いた駆動電極リード17の形成の一例を示す。まず、図13(a)に示すように、帯状の配線パターン31が所定のピッチで形成されたプリント基板30を板状体10の表面13側のバッキング材20上に配置する。プリント基板30は、接着剤などにより接着する。そして、図13(b)に示すように、圧電体16からプリント基板30の端部近傍に伸延する金属薄膜を形成する。本例に於いてはプリント基板30の構成として配線パターン31が露出したものを採用したがその限ではなく金属薄膜との接続部分のみを露出させ他を電気絶縁材料で被覆することも可能である。また本実施例ではプリント基板30はバッキング材20表面から突出した形で配置したが、バッキング材20表面を機械加工によって凹ませ内部に埋設することも可能であって、圧電体16を覆わない位置に配置する。図14に圧電体16が分割溝25で等ピッチに分割されたときの様子を示す。図14に示す通り、圧電体16を分離する分割溝25は音響整合層12、圧電体16のみならずバッキング材20及びプリント基板30の圧電体16側端部近傍にまで至り、分割溝25によってプリント基板30に切り欠き部32と凸形状部33が交互に形成され、駆動電極リード17と配線パターン31はそれぞれ凸形状部33で接続され各駆動電極リード17は電気的に分離される。
【0045】
また、図示しないが、本実施の形態のプリント基板30を延長してICを実装してもよいし、また、プリント基板30の端面に配線パターン31を露出させることにより第1の実施の形態の電極パッドと同様に利用することが可能である。
【0046】
また、図示しないが、アース電極リードも同様にプリント基板(アース電極リード用プリント基板)を利用することが可能である。また、同様に分割溝25によりアース電極リードそれぞれ分割し独立させてもよい。
【0047】
また、第1の実施の形態の構成による駆動電極リード17と本実施の形態のプリント基板によるアース電極リードとを組み合わせて用いることや、また、第1の実施の形態の構成によるアース電極リード21と本実施の形態のプリント基板による駆動電極リードとを組み合わせて用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】第1の実施形態の超音波トランスデューサを構成するための積層体を示す斜視図である。
【図2】積層体からの切り出される超音波トランスデューサを構成する板状体を示す斜視図である。
【図3】第1の実施形態の超音波トランスデューサを構成する板状体を示す斜視図である。
【図4】板状体に形成される絶縁処理用の溝を示す斜視図である。
【図5】板状体に形成される駆動電極リードを示す斜視図である。
【図6】圧電体を等ピッチで分割するように板状体に形成される分割溝を示す斜視図である。
【図7】板状体に形成されるアース電極リードを示す斜視図である。
【図8】圧電体を等ピッチで分割するように板状体に形成される分割溝を示す斜視図である。
【図9】本発明に係る超音波トランスデューサを構成するために、複数の板状体が積層された様子示す斜視図である。
【図10】複数の積層された板状体に分割溝が形成された様子示す斜視図である。
【図11】複数の積層された板状体に形成された分割溝に電気絶縁樹脂が充填された様子示す斜視図である。
【図12】第1の実施の形態の超音波トランスデューサとIC基板とを接続する機構を説明するための図である。
【図13】プリント基板を用いた駆動電極リードを示す斜視図である。
【図14】プリント基板を用いたアース電極リードを示す斜視図である。
【図15】超音波プローブの従来の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0049】
1 積層体
10 板状体
11 内部電極
12 音響整合層
14 アース電極
16 圧電体
17 駆動電極リード
18 信号電極
19 電極パッド
20 バッキング材
25 分割溝
26 アース電極パッド
30 プリント基板
31 配線パターン
32 切り欠き部
33 凸形状部
40 IC基板
45 IC
50 ケーブル接続基板
62 コネクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音響整合層、圧電体、並びに、バッキング材が順に積層されてなる直方体部材により構成され、
前記圧電体の前記積層方向の表裏の一方に第1の電極及び他方に第2の電極を有し、
前記直方体部材の前記積層方向に平行な面に、前記第1の電極と接続され前記第1の電極から前記バッキング材に亘り形成された金属薄膜による第1の電極リードと、前記第2の電極と接続され前記第2の電極から前記バッキング材に亘り形成された金属薄膜による第2の電極リードとを有することを特徴とする超音波トランスデューサ。
【請求項2】
複数の前記直方体部材を、電気絶縁材を介して配列した請求項1に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項3】
前記第1の電極リード及び前記第2の電極リードのそれぞれは、前記積層方向に平行な面の一面と前記一面の反対側の面とにそれぞれ設けられた請求項1に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項4】
複数の前記直方体部材を、それぞれ前記一面と前記一面の反対側の面とを対向させ、電気絶縁材を介して配列した請求項3に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項5】
前記一面から前記一面の反対側の面に貫通し、前記音響整合層側の端部から前記バッキング材の前記圧電体に接している側の端部近傍に至る溝が所定のピッチで複数形成され、
前記第1の電極リードまたは前記第2の電極リードの少なくともいずれか一方は、前記溝により分割された前記圧電体毎または前記溝により分割された前記圧電体のうちの2以上で構成される圧電体群毎に形成されている請求項3または請求項4に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項6】
前記直方体部材の前記積層方向に直交するバッキング材側の面に、前記溝により分割された圧電体または前記圧電体群に対応する電極パッドが形成され、
前記第1の電極リードまたは前記第2の電極リードの少なくともいずれか一方は、前記電極パッドと接続された請求項5のいずれかに記載の超音波トランスデューサ。
【請求項7】
前記一面または前記一面の反対側の面の少なくともいずれか一方の前記バッキング材上に、前記溝により分割された圧電体または前記圧電体群に対応する配線パターンを有するプリント基板が設けられ、
前記第1の電極リードまたは前記第2の電極リードの少なくともいずれか一方は、それぞれに対応する前記配線パターンに接続された請求項5に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項8】
前記プリント基板は、前記溝の断面形状に沿って切り欠き部と凸形状部とが交互に形成され、
前記第1の電極リードまたは前記第2の電極リードの少なくともいずれか一方と前記配線パターンとは前記凸形状部で接続された請求項7に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項9】
前記第1の電極リードまたは前記第2の電極リードのいずれか一方は、アース電極リードであって、
前記積層方向に平行な前記直方体部材の面のうち前記一面及び前記一面の反対側の面とは異なる面のバッキング材上にアース電極パッドが形成され、
前記第1の電極リードまたは前記第2の電極リードのいずれか一方のアース電極リードは、前記アース電極パッドと接続された請求項3または請求項4に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項10】
前記第1の電極リードまたは前記第2の電極リードのいずれか一方は、アース電極リードであって、
前記いずれか一方のアース電極リードを有する面の前記バッキング材上に、前記アース電極リードと接続される配線パターンを有するプリント基板が設けられた請求項3または請求項4に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項11】
前記積層方向に平行な面の一面から前記一面の反対側の面に貫通し、前記音響整合層側の端部から前記バッキング材の前記圧電体に接している側の端部近傍に至る溝が所定のピッチで複数形成され、
前記プリント基板は、前記溝により分割された圧電体または前記圧電体群に対応する配線パターンを有し、前記溝の断面形状に沿って切り欠き部と凸形状部とが交互に形成され、
前記アース電極リードは、それぞれに対応する前記配線パターンに、前記凸形状部で接続された請求項10に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項12】
前記直方体部材は、複数の圧電体が積層されてなり、
それぞれの該圧電体の前記積層方向の表裏の一方に第1の電極及び他方に第2の電極を有し、前記第1の電極及び第2の電極は交互に配置された請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の超音波トランスデューサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−201901(P2007−201901A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−19176(P2006−19176)
【出願日】平成18年1月27日(2006.1.27)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】