説明

超音波映像装置およびそのアレイ探触子水平調整方法

【課題】アレイ探触子を容易、迅速、かつ正確に水平調整を行うことができる超音波映像装置およびそのアレイ探触子水平調整方法を提供する。
【解決手段】 アレイ探触子105の両端近傍から2つの超音波ビームB1,Bnを出力し、受信した超音波信号の時間差からアレイ探触子105の傾斜度(水平度補正量)を正確に算出し、その水平度補正量に基づいて回転駆動部114によりアレイ探触子105の水平調整を容易に行う。アレイ探触子105の水平調整は自動的に行うように構成することもできるし、調整作業者に対して警告を与えることにより手動で行うように構成することもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は超音波映像装置およびそのアレイ探触子水平調整方法に関し、特に、多数の圧電素子を配列して成るアレイ探触子を備え、超音波ビームを電子的に高速走査する超音波映像装置、および当該超音波映像装置におけるアレイ探触子を水平に調整するアレイ探触子水平調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
完成製品の目視では確認することができない内部の不具合を検査したり、使用中の製品に発生する劣化や疲労等の異常が無いことを定期的に検査したりするために、超音波による非破壊検査が利用されることがある。例えば、特許文献1の開示されるような一般的な超音波映像装置として、複数の圧電素子を一列に配置したアレイ探触子から検査を行う試料に超音波を出力し、試料から反射する超音波信号を受信して画像データとして出力するものがある。このような超音波映像装置について、図15〜図18を参照して説明する。
【0003】
図15は従来の超音波映像装置の構成を示す斜視図である。図15に示す従来の超音波映像装置100は、スキャナ台101、水102が注入・供給されて試料(被検体)103を設置する水槽104、複数の圧電素子を一列に配置したアレイ探触子105、スキャナ106、プローブホルダアーム107、プローブホルダ108、X軸スキャナ109、Y軸スキャナ110を備え、さらに図16に示された制御部111、入力装置112、表示装置113から構成される。
【0004】
アレイ探触子105は、水槽104に設置された試料103に超音波を出力し、試料103から反射する超音波信号を受信するものである。水槽104に注入される水102は、アレイ探触子105から出力された超音波を試料103に効率良く伝播させるための媒体である。アレイ探触子105から出力される超音波は、水102を介在して、試料103に到達する。
【0005】
スキャナ106は、アレイ探触子105が取り付けられるプローブホルダアーム107、プローブホルダアーム107を支持するプローブホルダ108、アレイ探触子105を図中のX軸方向に移動を案内するX軸スキャナ109、X軸スキャナ109を図中のY軸方向に移動を案内するY軸スキャナ110から構成される。アレイ探触子105をX軸スキャナ109により図中のX軸方向に移動させたり、Y軸スキャナ110により図中のY軸方向に移動させたりしながら、当該アレイ探触子105により試料103に対して超音波を出力する。
【0006】
制御部111は、超音波映像装置100の全体を統括して制御するものである。入力装置112は、例えばキーボードやボタン等を備えたものであって、検査を行う測定条件や検査モード等を設定するものである。表示装置113は、例えばLCDディスプレイ等のモニタであって、検査結果画像や測定条件、検査モード等を表示するものである。
【0007】
図16は、従来の超音波映像装置の制御部の構成を示すブロック図である。図16に示されるように制御部111は、マイクロプロセッサ201、制御データバス202、電子走査ユニット203、スキャナ制御部204、制御インタフェイス205、探傷器(パルサ/レシーバ等)206、A/D変換処理部207、画像メモリ210、表示処理部211、メモリ208から構成される。
【0008】
マイクロプロセッサ201は制御部111の全部を統括して制御するものであり、制御データバス202は制御部111の各部から出力される制御信号およびデータを送受信するものである。
【0009】
電子走査ユニット203は、アレイ探触子105に対して、一列に配置される複数の圧電素子の一方の端から他方の端に順番に超音波を出力して、試料103を電子的に走査する(電子走査)という制御を行うものである。またスキャナ制御部204は、X軸スキャナ109およびY軸スキャナ110を移動させ、アレイ探触子105により試料を機械的に走査する(機械走査)という制御を行うものである。制御インタフェイス205は、探傷器206、電子走査ユニット203、およびスキャナ制御部204を制御するものであり、探傷器206からの駆動信号の送信動作、アレイ探触子105による走査を開始または停止する指示や、アレイ探触子105を任意の位置に移動させる指示を出力するものである。電子走査と機械走査とに基づき、反射信号として、電子走査ユニット203から出力される信号は、探傷器206により増幅処理やフィルタリング処理等を行なわれ、A/D変換処理部207でアナログ信号からデジタル信号に変換される。
【0010】
メモリ208は、機械走査プログラム208a、電子走査プログラム208b、測定条件等設定プログラム208cを記憶するものであり、これらのプログラムには、上述した機械走査や電子走査等の制御を行ったり、測定条件や検査モード等を設定したり、A/D変換処理部207から出力される信号を2次元画素に変換したりするものである。
【0011】
入力インタフェイス209は、入力装置112から入力される入力データを制御部111の各部に出力するものである。また画像メモリ210は2次元画素に変換された画像データを一時的に記憶するものであり、表示処理部211は画像メモリ210に記憶される画像データを表示装置113のデータ形式に変換して出力するものである。
【0012】
図17は、アレイ探触子105による電子走査を説明するための模式図である。図17(a)に示すアレイ探触子105の圧電素子301−1〜301−nのうち、圧電素子301−1〜301−6の各々から超音波を発生させ、これらを収束して超音波ビームB1として出力する。続いて、図17(b)に示すアレイ探触子105の圧電素子301−2〜302−7の各々から超音波を発生させ、これらを収束して超音波ビームB2として出力する。このように、超音波を出力する圧電素子を電子的に1つずつ順番にシフトさせていき、超音波ビームを出力することにより、図17(c)に示すように電子走査範囲Lを図中のX軸方向に高速に走査する。
【0013】
図18は、アレイ探触子105による電子走査と機械走査を説明するための模式図である。図18に示す試料の走査範囲401のうち、最初に走査範囲402−1を上述したように超音波ビームB1から順番に超音波ビームBnまで順番に電子走査する。この時、超音波ビームB1から超音波ビームBnまで、各超音波ビーム間をピッチ間隔PXで電子走査する。走査範囲402−1の電子走査が終了すると、超音波ビームのピッチ間隔PYだけアレイ探触子105をY軸方向に移動(機械走査)して、走査範囲402−2を同様の方法で電子走査する。このように、電子走査と機械走査とを繰り返しながら、図中のY軸方向を走査範囲402−mまで走査する。
【0014】
図中のY軸方向を全て走査し終わると、機械走査によりアレイ探触子105をX軸方向に機械走査して、走査範囲403−mを電子走査する。続いて、機械走査によりアレイ探触子105をY軸方向に移動して、走査範囲403−1まで順番に電子走査する。走査範囲403−1の電子走査が終了したならば、上述した同様の方法で、機械走査によりアレイ探触子105をX軸方向に機械走査して、試料の走査範囲401を全て走査する。アレイ探触子105を、図中に示す矢印404−1、矢印404−2、矢印404−3、矢印404−4の順番で、電子走査と機械走査とを交互に繰り返しながら、試料の走査範囲401を走査する。
【特許文献1】特許第3025614号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
上述したような超音波映像装置のアレイ探触子105は、メンテナンスや交換等により取り外すことがあるため、取り付け時にアレイ探触子105の下部の開口面部分と、水槽104の内側底面(試料が置かれる試料台の台面に相当)とが水平になるように、アレイ探触子105の傾きを調整できるような機構になっている。そして、アレイ探触子105から任意の超音波ビームを切り換えながら出力して、モニタでその波形画像を見ながら、調整作業者が手動でアレイ探触子105が水平になるように調整を行っている。
【0016】
ところが、調整作業者が手動でアレイ探触子105の調整を行うため、アレイ探触子105が水平に取り付けられていないことがあった。アレイ探触子105の下部の開口面部分と試料103を配置する水槽104の内側底部とが互いに水平になるように調整されていないと、アレイ探触子105の圧電素子301−1〜301−nの両端では、水槽104との距離が顕著に異なることになり、超音波の到達時間に遅れが生じ、正しい検査結果画像を得ることができなかった。超音波は伝播していくと共に次第に減衰していくので、検査結果画像の明瞭度が低下する原因の一つになっていた。またアレイ探触子105が正確に水平に調整されていないと、超音波が試料103に入射する角度にずれが生じるため、受信した超音波波形の乱れが発生して正確な検査結果画像を得ることができなかった。
【0017】
さらに、大きな試料を取り扱うような超音波映像装置では、スキャナの幅が数メートルの距離になるため、調整用の波形が表示されるモニタと作業者との距離とが離れ、モニタの波形を確認しづらかったり、また調整作業者が超音波ビームを切り換える操作を行う際に、アレイ探触子と操作部との間を往復しなければならないため、調整作業の効率が非常に悪く、アレイ探触子を正確に調整することが困難であった。
【0018】
本発明の目的は、上記の課題に鑑み、1次元配列等のアレイ探触子を容易、迅速、かつ正確に水平調整を行うことができる超音波映像装置およびそのアレイ探触子水平調整方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明に係る超音波映像装置およびそのアレイ探触子水平調整方法は、上記の目的を達成するために、次のように構成される。
【0020】
第1の超音波映像装置(請求項1に対応)は、複数の圧電素子を少なくとも1次元に配列して成るアレイ探触子を備え、アレイ探触子を試料に対して電子的および機械的に走査させて試料を測定する超音波映像装置において、装置本体にアレイ探触子を回転自在に取り付ける回転式取付け部と、アレイ探触子をそのアレイ探触子開口面が試料台の台面、例えば水槽の内側内面等を基準に水平になるように調整する時、アレイ探触子における複数の圧電素子のうちの少なくとも2箇所の圧電素子群(複数の圧電素子の意味である。または1つの圧電素子であってもよい。)から超音波ビームを出力させる超音波駆動信号送信指示手段と、少なくとも2箇所の圧電素子群の各々から発射された超音波ビームの反射波を受信して少なくとも2つの反射信号を取得し、各反射信号の到達時間の差から傾斜度を演算する傾斜度演算手段と、傾斜度演算手段から出力される傾斜度に基づき水平度補正量を演算する補正量演算手段と、を備えることを特徴とする。
【0021】
上記の構成によれば、超音波駆動信号送信指示手段により少なくとも2つの超音波ビームを出力させ、傾斜度演算手段が各反射信号の到達時間の差から傾斜度を演算し、補正量演算手段が水平度補正量を演算するため、回転式取付け部に取り付けられたアレイ探触子の水平度補正量を正確に求めることが可能となる。
【0022】
第2の超音波映像装置(請求項2に対応)は、上記の構成において、回転式取付け部に取り付けられたアレイ探触子の傾斜度を変える回転駆動部と、補正量演算手段から出力される水平度補正量に基づき回転駆動部を駆動制御してアレイ探触子の傾斜姿勢を水平にする姿勢調整手段と、を備えることを特徴とする。
【0023】
上記の構成によれば、回転駆動部は回転式取付け部に取り付けられたアレイ探触子の傾斜度を変えられるようになっており、姿勢調整手段はアレイ探触子の傾斜姿勢を水平になるように回転駆動部を駆動制御するため、自動でアレイ探触子の傾斜姿勢を水平に調整することが可能となる。
【0024】
第3の超音波映像装置(請求項3に対応)は、上記の構成において、補正量演算手段から出力される水平度補正量に基づき傾斜姿勢に係る警告を知らせる警告手段を備えることを特徴とする。
【0025】
上記の構成によれば、警告手段が水平度補正量に基づき傾斜姿勢に係る警告を知らせるため、手動によりアレイ探触子の傾斜姿勢を水平に調整する際も、調整作業者は正確な補正量を知ることが可能となる。
【0026】
第4の超音波映像装置(請求項4に対応)は、上記の構成において、アレイ探触子の複数の圧電素子は1次元配列であり、少なくとも2箇所の圧電素子群のうちの2箇所の圧電素子群は列の両端近傍のそれぞれに配置される圧電素子群であることを特徴とする。
【0027】
上記の構成によれば、2箇所の圧電素子群は列の両端近傍のそれぞれに配置される圧電素子群であるため、アレイ探触子の傾斜姿勢を精度良く水平に調整することが可能となる。
【0028】
第1の超音波映像装置のアレイ探触子水平調整方法(請求項5に対応)は、上記の構成において、複数の圧電素子を少なくとも1次元に配列して成るアレイ探触子を備え、アレイ探触子を試料に対して電子的および機械的に走査させて試料を測定する超音波映像装置に適用されるアレイ探触子水平調整方法であって、アレイ探触子をそのアレイ探触子開口面が試料台の台面を基準に水平になるように調整する時、アレイ探触子における複数の圧電素子のうちの少なくとも2箇所の圧電素子群から超音波ビームを出力させるステップと、少なくとも2箇所の圧電素子群の各々から出力された超音波ビームの反射波を受信して少なくとも2つの反射信号を取得するステップと、各反射信号の到達時間の差から傾斜度を演算するステップと、傾斜度に基づき水平度補正量を演算するステップと、を含むことを特徴とする。
【0029】
第2の超音波映像装置のアレイ探触子水平調整方法(請求項6に対応)は、上記の構成において、アレイ探触子は装置本体に回転式取付け部により回転自在に取り付けられ、かつ回転駆動部によりアレイ探触子の傾斜度は任意に変えられるように構成され、さらに補正量演算手段から出力される水平度補正量に基づき回転駆動部を駆動制御してアレイ探触子の傾斜姿勢を水平にするステップを有することを特徴とする。
【0030】
第3の超音波映像装置のアレイ探触子水平調整方法(請求項7に対応)は、上記の構成において、水平度補正量に基づき傾斜姿勢に係る警告を知らせるステップを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、調整作業者のスキル、能力、経験に関係することなく、容易、迅速、かつ正確にアレイ探触子の水平調整を行うことができる。アレイ探触子が正確に水平調整されるため、高精度で鮮明な検査結果画像を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下に、本発明の好適な実施形態(実施例)を添付図面に基づいて説明する。
【0033】
図1〜図3を参照して、本発明の第1実施形態に係る超音波映像装置を説明する。図1は超音波映像装置の構成を示す斜視図であり、図2は超音波映像装置のアレイ探触子付近の要部の構成を示す正面図であり、図3は超音波映像装置のアレイ探触子付近の要部の構成を示す側面図である。なお本発明の実施形態の説明では、前述した図15〜図18で説明した要素と実質的に同一の要素には同一の符号を付して説明するものとし、重複した説明を省略する。
【0034】
図1に示す超音波映像装置10は、図15に示した従来の超音波映像装置100の構成に、回転式取付け部114、回転駆動部115、後述するLEDおよびブザーを設けて構成される。なお、回転式取付け部114、回転駆動部115、LEDおよびブザー以外の各部は超音波映像装置100の構成と同一であるため、これらの各部には図15と同一の符号を付し、先の説明を援用することとし、ここでは各部の重複説明を省略する。
【0035】
回転式取付け部114は、プローブホルダアーム107の先端部分に設けられ、アレイ探触子105を取付けるものである。回転駆動部115は、回転式取付け部114を電動で駆動制御するものである。
【0036】
図2と図3に示すように、プローブホルダアーム107の先端部分に回転式取付け部114が設けられる。回転式取付け部114には、アレイ探触子105の傾斜角度を示すための目盛り114aが設けられており、水平状態を0度として、アレイ探触子105の傾斜角度を目盛り114aで確認することができる。回転駆動部115は、アレイ探触子105を自動で図中に示す矢印116の両方向に回転させるように制御する。勿論、回転駆動部115の自動制御に限らず手動により回転式取付け部114を回転させることも可能である。
【0037】
LED117は、その点灯・消灯状態によって、調整作業者にアレイ探触子105が水平調整中であることや、アレイ探触子105が傾斜状態であるために水平作業が必要なこと等を報知・警告するものである。またブザー118は、電子音等によって、LED117と同様に調整作業者に報知・警告するものである。またLED117およびブザー118に限らず、例えばアレイ探触子105付近に小型の液晶パネルやスピーカ等を設けても良い。小型の液晶パネルにより案内メッセージを表示したり、スピーカから音声案内等を出力したりすることもできる。
【0038】
図3に示すようにプローブホルダアーム107の先端部分に回転式取付け部114が設けられ、プローブホルダアーム107の回転式取付け部114の反対側部分に回転駆動部115が設けられる。
【0039】
図4を参照して超音波映像装置10の制御部111の構成を説明する。図4は超音波映像装置10の制御部111の構成を示すブロック図である。
【0040】
図4に示す制御部111は、図16に示した従来の超音波映像装置100の制御部111のメモリ208に水平調整プログラム208dを追加したものである。なお、水平調整プログラム208d以外の各部は従来の制御部111の構成と同一であるため、これらの各部には図16と同一の符号を付して各部の説明を省略する。
【0041】
この水平調整プログラム208dは、入力装置112に設けられる、例えば「水平調整」ボタンや「初期設定」ボタン等を押下することにより起動される。この水平調整プログラム208dは、アレイ探触子105で受信された超音波信号に基づいて、制御インタフェイス205に対して回転駆動部115の水平調整指示や水平補正量等を演算して出力するものである。
【0042】
図5を参照して水平調整プログラム208dの機能の構成を説明する。図5は水平調整プログラムによって実現される装置構成の機能ブロック図である。
【0043】
図5に示す水平調整プログラム208dは、補正制御指示手段501、超音波ビーム出力指示手段502、時間差算出手段503、差分距離算出手段504、傾斜度演算手段505、水平度補正量演算手段506、ブザー出力制御手段507、LED表示制御手段508から構成される。補正制御指示手段501は、データや指示を入出力すると共に、これらのデータや指示を機能各部とやり取りするものである。超音波ビーム出力指示手段502は、入力装置112から出力される水平調整指示に基づいて、アレイ探触子105における複数の圧電素子のうちの2つの圧電素子から超音波ビームを出力するように指示を出力するものである。時間差算出手段503は、受信した2つの超音波信号の時間差を算出するものである。差分距離算出手段504は、時間差算出手段503により算出された時間差からアレイ探触子105の傾斜による後述する差分距離Dを算出するものである。傾斜度演算手段505は、差分距離算出手段504により算出された差分距離Dからアレイ探触子105の傾斜度を算出するものである。水平度補正量演算手段506は傾斜度演算手段505により演算された傾斜度から水平度補正量を算出するものである。またブザー出力制御手段507はブザー118から出力されるブザー音出力を制御するものであり、LED表示制御手段508はLED117の点灯を制御するものである。
【0044】
図6を参照して、アレイ探触子105の傾斜度を算出する方法を説明する。図6はアレイ探触子105の傾斜度を算出方法を示す模式図であり、図7はアレイ探触子105が水平状態である時の波形状態を示す模式図であり、図8はアレイ探触子105が傾斜状態である時の波形状態を示す模式図である。
【0045】
図6に示すアレイ探触子105は水平状態を基準(0[度])とすると、図中の右方向にθ[度]傾斜している。電子走査範囲Lの一方の端から出力される超音波ビームB1と、他方の端から出力される超音波ビームBnとを同時に出力し、水槽104の内側底面か(試料が置かれる試料台の台面に相当)ら反射する超音波信号を受信し、受信した時の超音波の時間差に基づいて差分距離Dを算出する。この時、アレイ探触子105の傾斜度θはsinθ−1(D/L)[θ]の計算式により算出することができる。水平度補正量は、この傾斜度θに等しく、図中の左方向にθ[度]だけ回転させることでアレイ探触子105を水平に補正することができる。
【0046】
図7(a)に示すアレイ探触子105は水平状態であり、この時、アレイ探触子105の超音波ビームB1と超音波ビームBnを出力して、アレイ探触子105で受信した超音波信号により図7(b)に示すような2つの信号波形W1,W2が得られる。上段に示す信号波形W1が超音波ビームB1により得られた信号波形であり、下段に示す信号波形W2が超音波ビームBnにより得られた信号波形である。アレイ探触子105が水平状態であるため、アレイ探触子105の電子走査範囲Lの両端と水槽104の内側底面までのそれぞれの距離は同じである。このため、2つの超音波ビームB1と超音波ビームBnにより得られた2つの信号波形に時間のずれが生じず、時間T1の時に2つの信号波形はピーク値となる。
【0047】
また図8(b)に示すアレイ探触子105は傾斜状態であり、この時、アレイ探触子105の超音波ビームB1と超音波ビームBnを出力して、アレイ探触子105で受信した超音波信号により図8(b)に示すような2つの信号波形W3,W4が得られる。アレイ探触子105が傾斜状態であるため、アレイ探触子105の電子走査範囲Lの両端と水槽104の内側底面までのそれぞれの距離が異なる。このため、超音波ビームB1により得られた信号波形W3は時間T2の時にピークとなり、上述したアレイ探触子105が水平状態であった時の信号波形がピークとなる時間T1よりも進んだ信号波形となる。また超音波ビームBnにより得られた信号波形W4は時間T3の時にピークとなり、時間T1よりも遅れた信号波形となる。超音波ビームB1と超音波ビームBnとにより得られた2つの信号波形は、時間差ΔT=(時間T3−時間T2)が生じる。
【0048】
図9を参照して、水平調整プログラムによるアレイ探触子の自動水平調整方法を流れを説明する。図9は、アレイ探触子の自動水平調整方法の流れを示すフローチャートである。
【0049】
入力装置112から自動水平調整指示が行われると、超音波ビーム出力指示手段502は電子走査範囲Lの一方の端から超音波ビームB1と、他方の端から超音波ビームBnとを出力するように、補正制御指示手段501を介して指示を出力する(ステップS601)。水槽104の内側底面から反射する2つの超音波信号を受信して、時間差算出手段503が2つの超音波信号の時間差を算出し(ステップS602)、差分距離算出手段504は時間差算出手段503により算出された時間差から差分距離Dを算出する(ステップS603)。傾斜度演算手段505は、電子走査範囲Lと差分距離Dとから傾斜度θを算出する(ステップS604)。
【0050】
水平度補正量演算手段506は、算出された傾斜度θが許容範囲内(0度を含む−Δθ<θ<+Δθ)でない場合には水平補正を行う必要があると判断し(ステップS605のNO)、補正制御指示手段501を介して、回転駆動部115が水平調整を行うように制御インタフェイス205に指示を出力する(ステップS606)。水平度補正量演算手段506は、算出された傾斜度θが許容範囲内である場合には水平補正を行う必要が無いと判断し(ステップS605のYES)、処理を終了する。
【0051】
続いて図10を参照して、水平調整プログラムによるアレイ探触子の手動水平調整方法を流れを説明する。図10は、アレイ探触子の手動水平調整方法の流れを示すフローチャートである。
【0052】
上述した自動水平調整方法と同様に入力装置112から手動水平調整指示が行われると、補正制御指示手段501は、ブザー出力制御手段507とLED表示制御手段508とに水平調整開始指示を出力する。ブザー出力制御手段507は、ブザー118からブザー音の出力を開始するように補正制御指示手段501を介して指示を出力する(ステップS631)。またLED表示制御手段は、LED117を消灯状態から点灯状態にさせるように補正制御指示手段501を介して指示を出力する(ステップS632)。
【0053】
超音波ビーム出力指示手段502は、アレイ探触子105から超音波ビームB1と超音波ビームBnとを出力するように指示を出力し(ステップS633)、時間差算出手段503が2つの超音波信号の時間差を算出し(ステップS634)、差分距離算出手段504は時間差算出手段503により算出された時間差から差分距離Dを算出する(ステップS635)。傾斜度演算手段505は、電子走査範囲Lと差分距離Dとから、傾斜度θを算出する(ステップS636)。
【0054】
水平度補正量演算手段506は、算出された傾斜度θが許容範囲内でない場合にはアレイ探触子105が傾斜状態であると判断し(ステップS637のNO)、ステップS634に戻り、アレイ探触子105が水平状態となるまで処理を繰り返す。そして、水平度補正量演算手段506は、算出された傾斜度θが許容範囲内となった場合にはアレイ探触子105が水平状態に手動で補正されたと判断し(ステップS637のYES)、補正制御指示手段501は、ブザー出力制御手段507とLED表示制御手段508とに水平調整完了指示を出力する。ブザー出力制御手段507は、ブザー118からブザー音の出力を停止するように補正制御指示手段501を介して指示を出力する(ステップS638)。またLED表示制御手段は、LED117を点灯状態から消灯状態にさせるように補正制御指示手段501を介して指示を出力する(ステップS639)。
【0055】
手動によるアレイ探触子105の水平調整では、自動による水平調整とは異なり、最初に補正量を算出せずに、随時補正量を算出しながら、水平であることを判定する。またここでは、水平度補正量が許容範囲内となった場合に、LED117を消灯し、ブザー118のブザー音を停止するように説明したが、水平度補正量が所定の範囲となった場合には、LEDを点灯から点滅に変えたり、ブザー音を長音から短音に変更することで、手動による水平調整を案内しても良い。またブザーの代わりにスピーカを設けた場合には、「調整中です。右方向にあと5度傾けてください。」等と音声で案内を出力したり、LEDの代わりに小型LCDを設ければ、小型LCDに画像やメッセージ等を表示させて、探触子アレイ105の傾斜度を案内することもできる。
【0056】
なお、複数の圧電素子301から発生させた超音波を収束して超音波ビームを出力しているが、超音波を出力する圧電素子301の数は、走査精度や検査モード等に合わせて任意の数で良い。また水平調整を行う際にアレイ探触子105から出力する2つの超音波ビームは、アレイ探触子105の電子走査範囲Lの両端に限らず、電子走査範囲Lの両端の近傍付近ならば良い。例えば超音波ビームB2と超音波ビームBn−1とによって、水平調整を行うこともできる。
また、2つの超音波ビームに限らず、3つ、4つ等、複数の超音波ビームにより傾斜度θを算出するようにしても良い。また、傾斜度θを算出する箇所は1つに限らず、アレイ探触子をX方向およびY方向にずらして複数の箇所で傾斜度θを算出し、例えばこれらの平均値に基づいて調整を行うようにしても良い。
【0057】
図11および図12を参照して、本発明の第2実施形態に係る超音波映像装置を説明する。図11はアレイマトリクス用探触子付近の要部の構成を示す正面図であり、図12はアレイマトリクス用探触子付近の要部の構成を示す側面図である。
【0058】
図11に示す第2実施形態に係る超音波映像装置のプローブホルダアーム107の先端部分には、アレイ探触子105の代わりにアレイマトリクス用探触子121が設けられている。さらに、アレイマトリクス用回転駆動部123が設けられている。
【0059】
アレイ探触子105は一列に配置される複数の圧電素子の一方の端から他方の端に順番に超音波を出力して、試料を電子走査していたのに対して、アレイマトリクス用探触子121は、縦方向と横方向とに圧電素子を二次元に配列させたものであり、1列目の電子走査が終了した後、2列目、3列目、...、n列目まで電子走査が可能なものである。機械走査を必要とせずに、電子走査のみで広範囲を高速に走査することが可能である。アレイマトリクス用探触子121は、回転式取付け部114に取り付けられ、アレイマトリクス用探触子121を自動または手動で図中に示す矢印122の両方向に自在に回転させることができる。
【0060】
また図12に示すように、プローブホルダアーム107には回転駆動部115とは別に、アレイマトリクス用回転駆動部123が設けられている。これにより、アレイマトリクス用探触子123は、自動または手動で図中に示す矢印124の両方向に自在に回転させることができる。アレイマトリクス用回転駆動部123は、圧電素子を二次元に配列されているため、図中のX軸方向のみならず、Y軸方向にもアレイマトリクス用探触子121を回転駆動させて、アレイマトリクス用探触子121の水平調整を行う。
【0061】
図13を参照して、アレイマトリクス用探触子の水平調整方法を流れを説明する。図13は、アレイマトリクス用探触子の水平調整方法を示す模式図である。
【0062】
図13に示すアレイマトリクス用探触子121において、X軸方向とY軸方向に二次元に配列した圧電素子301のうち、9つの圧電素子301−1〜301−9の各々から超音波を発生させ、これらを収束して超音波ビームBaを出力する。またX軸方向の一端から超音波ビームBbを出力する。超音波ビームBaと超音波ビームBbを出力して、上述した第1実施形態と同様に受信した2つの超音波信号の時間差によって、X軸方向の傾斜を補正してX軸方向の水平調整を行う。X軸方向の水平調整が終了したならば、Y軸方向で超音波ビームBbとは別の一端から超音波ビームBcを出力し、同様の方法で、Y軸方向の水平調整を行う。X軸方向とY軸方向のそれぞれに対して水平調整を順番に行う。なお、ここでは9つの圧電素子301−1〜301−9から発生させた超音波を収束して超音波ビームを出力しているが、アレイ探触子と同様に超音波を出力する圧電素子301の数は任意の数で良い。
【0063】
図14を参照して、水平調整プログラムによるアレイマトリクス用探触子の自動水平調整方法を流れを説明する。図14は、アレイマトリクス用探触子の自動水平調整方法の流れを示すフローチャートである。
【0064】
入力装置112から自動水平調整指示が行われると、まずX軸方向の水平調整を行うため、超音波ビーム出力指示手段502は超音波ビームBaと、他方の端から超音波ビームBbとを同時に出力するように、補正制御指示手段501を介して指示を出力する(ステップS661)。水槽104の内側底面から反射する2つの超音波信号を受信して、時間差算出手段503が2つの超音波信号の時間差を算出し(ステップS662)、差分距離算出手段504は時間差算出手段503により算出された時間差から差分距離Dを算出する(ステップS663)。傾斜度演算手段505は、電子走査範囲Lと差分距離Dとから、X軸方向の傾斜度θを算出する(ステップS664)。
【0065】
水平度補正量演算手段506は、算出された傾斜度θが許容範囲内でない場合にはX軸方向の水平補正を行う必要があると判断し(ステップS665のNO)、補正制御指示手段501を介して、回転駆動部115が水平調整を行うように制御インタフェイス205に指示を出力する(ステップS666)。水平度補正量演算手段506は、算出された傾斜度θが許容範囲内である場合にはX軸方向の水平補正を行う必要が無いと判断し(ステップS665のYES)、X軸方向の水平補正処理を終了する。
【0066】
X軸方向の水平補正処理を終了すると、続いて、Y軸方向の水平補正処理を行う。Y軸方向の超音波ビームBbと、他方の端から超音波ビームBcとを同時に出力するように、指示を出力する(ステップS667)。2つの超音波信号を受信して、時間差算出手段503が2つの超音波信号の時間差を算出し(ステップS668)、差分距離算出手段504は時間差算出手段503により算出された時間差から差分距離Dを算出する(ステップS669)。傾斜度演算手段505は、Y軸方向の傾斜度θを算出する(ステップS670)。
【0067】
水平度補正量演算手段506は、算出された傾斜度θが許容範囲内でない場合にはY軸方向の水平補正を行う必要があると判断し(ステップS671のNO)、アレイマトリクス回転駆動部123が水平調整を行うように制御インタフェイス205に指示を出力する(ステップS672)。水平度補正量演算手段506は、算出された傾斜度θが許容範囲内である場合にはY軸方向の水平補正を行う必要が無いと判断し(ステップS671のYES)、Y軸方向の水平補正処理を終了する。
【0068】
なお、超音波ビームBa,Bb,Bcを出力するために超音波を出力する圧電素子301の数はアレイ探触子と同様に任意の数で良い。また水平調整を行う際にアレイマトリクス用探触子121から出力する3つの超音波ビームの位置は、アレイ探触子と同様にX軸方向、Y軸方向のそれぞれの両端の近傍付近であれば良い。さらに、自動による水平調整のみならず、上述したブザー音とLED表示とに基づいてX軸方向とY軸方向のそれぞれに対して手動で水平調整を行うこともできる。
【0069】
以上の実施形態において、水平調整は水槽の底面となっているが、基準となり得る水平面であれば良いことは言うまでもない。また、ブザー、LEDによる警告の他、制御パネル上での警告、表示も当然含まれるものである。
さらに、以上の実施形態で説明された構成、形状、大きさおよび配置関係については本発明が理解・実施できる程度に概略的に示したものにすぎず、また数値および各構成の組成(材質)については例示にすぎない。従って本発明は、説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、各種の試料または被検体の内部の傷の非接触検査に利用され、常に容易に試料台の台面に対してアレイ探触子を水平に保持するのに利用される。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明に係る超音波映像装置の第1実施形態の構成を示す斜視図である。
【図2】第1実施形態に係る超音波映像装置のアレイ探触子付近の要部の構成を示す正面図である。
【図3】第1実施形態に係る超音波映像装置のアレイ探触子付近の要部の構成を示す側面図である。
【図4】第1実施形態に係る超音波映像装置の制御部の構成を示すブロック図である。
【図5】水平調整プログラムで実現される装置構成を示す機能ブロック図である。
【図6】アレイ探触子の傾斜度を算出方法を示す模式図である。
【図7】アレイ探触子が水平状態である時の波形状態を示す模式図である。
【図8】アレイ探触子が傾斜状態である時の波形状態を示す模式図である。
【図9】アレイ探触子の自動水平調整方法の手順を示すフローチャートである。
【図10】アレイ探触子の手動水平調整方法の手順を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第2実施形態に係る超音波映像装置のアレイマトリクス用探触子付近の要部の構成を示す正面図である。
【図12】第2実施形態でのアレイマトリクス用探触子付近の要部の構成を示す側面図である。
【図13】第2実施形態でのアレイマトリクス用探触子の水平調整方法を示す模式図である。
【図14】第2実施形態でのアレイマトリクス用探触子の自動水平調整方法の手順を示すフローチャートである。
【図15】従来の超音波映像装置の構成を示す斜視図である。
【図16】従来の超音波映像装置の制御部の構成を示すブロック図である。
【図17】従来の超音波映像装置でのアレイ探触子による電子走査を説明するための模式図である。
【図18】従来の超音波映像装置でのアレイ探触子による電子走査と機械走査を説明するための模式図である。
【符号の説明】
【0072】
10 超音波映像装置
100 超音波映像装置
101 スキャナ台
102 水
103 試料
104 水槽
105 アレイ探触子
106 スキャナ
107 プローブホルダアーム
108 プローブホルダ
109 X軸スキャナ
110 Y軸スキャナ
111 制御部
112 入力装置
113 表示装置
114 回転式取付け部
115 回転駆動部
117 LED
118 ブザー
121 アレイマトリクス用探触子
123 アレイマトリクス用回転駆動部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の圧電素子を少なくとも1次元に配列して成るアレイ探触子を備え、前記アレイ探触子を試料に対して電子的および機械的に走査させて前記試料を測定する超音波映像装置において、
装置本体に前記アレイ探触子を回転自在に取り付ける回転式取付け部と、
前記アレイ探触子をそのアレイ探触子開口面が試料台の台面を基準に水平になるように調整する時、前記アレイ探触子における前記複数の圧電素子のうちの少なくとも2箇所の圧電素子群から超音波ビームを出力させる超音波駆動信号送信指示手段と、
前記少なくとも2箇所の圧電素子群の各々から出力された前記超音波ビームの反射波を受信して少なくとも2つの反射信号を取得し、前記各反射信号の到達時間の差から傾斜度を演算する傾斜度演算手段と、
前記傾斜度演算手段から出力される前記傾斜度に基づき水平度補正量を演算する補正量演算手段と、
を備えることを特徴とする超音波映像装置。
【請求項2】
前記回転式取付け部に取り付けられた前記アレイ探触子の傾斜度を変える回転駆動部と、
前記補正量演算手段から出力される前記水平度補正量に基づき前記回転駆動部を駆動制御して前記アレイ探触子の傾斜姿勢を水平にする姿勢調整手段と、
を備えることを請求項1記載の超音波映像装置。
【請求項3】
前記補正量演算手段から出力される前記水平度補正量に基づき傾斜姿勢に係る警告を知らせる警告手段を備えることを特徴とする請求項1記載の超音波映像装置。
【請求項4】
前記アレイ探触子の前記複数の圧電素子は1次元配列であり、前記少なくとも2箇所の圧電素子群のうちの2箇所の圧電素子群は列の両端近傍のそれぞれに配置される圧電素子群であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の超音波映像装置。
【請求項5】
複数の圧電素子を少なくとも1次元に配列して成るアレイ探触子を備え、前記アレイ探触子を試料に対して電子的および機械的に走査させて前記試料を測定する超音波映像装置に適用されるアレイ探触子水平調整方法であって、
前記アレイ探触子をそのアレイ探触子開口面が試料台の台面を基準に水平になるように調整する時、前記アレイ探触子における前記複数の圧電素子のうちの少なくとも2箇所の圧電素子群から超音波ビームを出力させるステップと、
前記少なくとも2箇所の圧電素子群の各々から出力された前記超音波ビームの反射波を受信して少なくとも2つの反射信号を取得するステップと、
前記各反射信号の到達時間の差から傾斜度を演算するステップと、
前記傾斜度に基づき水平度補正量を演算するステップと、
を含むことを特徴とする超音波映像装置のアレイ探触子水平調整方法。
【請求項6】
前記アレイ探触子は装置本体に回転式取付け部により回転自在に取り付けられ、かつ回転駆動部により前記アレイ探触子の傾斜度は任意に変えられるように構成され、
さらに前記補正量演算手段から出力される前記水平度補正量に基づき前記回転駆動部を駆動制御して前記アレイ探触子の傾斜姿勢を水平にするステップを有することを特徴とする請求項5記載の超音波映像装置のアレイ探触子水平調整方法。
【請求項7】
前記水平度補正量に基づき傾斜姿勢に係る警告を知らせるステップを有することを特徴とする請求項5記載の超音波映像装置のアレイ探触子水平調整方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−8543(P2009−8543A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−170472(P2007−170472)
【出願日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(300007280)日立建機ファインテック株式会社 (52)
【Fターム(参考)】