説明

超音波診断装置、及び画像処理方法

【課題】 ボクセルデータから超音波画像を生成する際に補間処理を行う必要がない超音波診断装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 DSC7は、超音波ラスタデータからボクセルデータを生成するとき、ボリューム・レンダリングにおける視線方向22とボクセルデータ21とが直交するように、ボクセルデータ21を生成する。このボクセルデータ21を表すための直交座標系(X’、Y’、Z’)と、超音波プローブに対して固定的な座標系(X、Y、Z)とは、一次変換により変換が可能なように対応付けられている。視線方向22を示す単位ベクトルとその一次変換を表す変換式とにより、視線方向22に直交するようにボクセルデータ21を生成し、ボリューム・レンダリングによって3次元超音波画像を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、被検体に超音波を送信して被検体からの反射波を受信することにより、被検体内の超音波診断情報を得る超音波診断装置、及び超音波画像を生成する画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、診断及び治療を行う医療現場においては、超音波診断装置、X線CT装置、MRI装置等の医用画像診断装置上で作成された画像を、3次元的な画像として表示して診断及び治療に用いている。
【0003】
例えば、超音波診断装置においては、超音波ビームを被検体内の空間に3次元的に送受信できる2次元超音波プローブの開発が進められ、実用段階に入ろうとしている。この2次元超音波プローブは、超音波を送受信する圧電素子がマトリックス(格子)状に配置され、走査(スキャン)することによって3次元的に超音波を送受信し、プローブの表面から放射状に広がる形状の3次元データを収集するものである。そして、3次元データとして得られた超音波診断情報を画像処理して3次元画像を生成している。
【0004】
3次元画像を作成するための代表的な手法として、ボリューム・レンダリング(Volume Rendering:以下、VR処理と称することがある)が挙げられる。このボリューム・レンダリングは、超音波診断装置以外のX線CT装置やMRI装置等の医用画像診断装置においても広く用いられている3次元表示手法である。超音波診断装置等の医用画像診断装置による3次元画像処理では、収集した3次元画像データから一旦ボクセルという立方体のデータを作成し、そのボクセルデータに基づいて3次元画像を生成している。なお、医用画像診断装置以外の、3次元画像データを扱う情報処理装置においても、画像データはボクセルデータであることが多い。
【0005】
このボリューム・レンダリングは、ボクセルデータに対して所定の視線方向(投影光線の投影方向)を決めて、任意の視点から光線追跡処理を行い、視線上のボクセル値(輝度値等)の積分値や重み付き累積加算値を投影面上の画像ピクセルに出力することによって、臓器等を立体的に抽出して3次元画像を生成するものである。
【0006】
このボリューム・レンダリングによる3次元画像の生成について図14を参照しつつ説明する。ボリューム・レンダリングによる画像は、ボクセルデータセット80を特定の視点81をもとに特定の方向を有する投影光線82を貫くことによって、その投影光線82に垂直な投影面83に投影されたピクセル84に基づいて生成される。投影光線82によって貫かれた各ボクセル値により積分値や重み付き累積加算値が計算され、この得られた積分値や重み付け加算値がピクセル84に格納される。そして、最終的には、ボクセル値が格納されたピクセル84が複数個集まることによって、3次元画像が生成される。
【0007】
一方、操作者は、投影光線82の投影方向(視点からボクセルデータを望む方向)を任意に設定することが可能である。この投影光線82及び投影面83は、図14中のXYZ座標を用いれば、簡単な方程式で設定することができる。ボリューム・レンダリングで生成される画像は、投影面83上に投影された複数のピクセル84により生成され、最終的にモニタに表示される。
【0008】
また、ボリューム・レンダリングで生成される3次元画像の他に、用途によって、最大値/最小値投影画像、MPR画像等がボクセルデータから生成される。
【0009】
投影光線82によって貫かれた各ボクセル値の中から最大値を計算し、得られた最大値をピクセル84に格納することによって生成される画像を、最大値投影画像という。また、各ボクセル値の中から最小値を計算し、得られた最小値をピクセル84に格納することによって生成される画像を、最小値投影画像という。
【0010】
また、ボクセルデータを特定の平面(切断平面)で切断することによって得られる切断面により生成される画像を、MPR(Multi Plane Reconstruction:MPR)画像という。このMPR画像について図15を参照しつつ説明する。図15(a)は、ボクセルデータセット85を切断平面86で切断した模式図である。図15(b)は、ボクセルデータセット85が切断平面86で切断されることにより得られた切断面87を示す模式図である。切断面87上のピクセルには、切断平面86がボクセルデータセット85と交わるボクセルの値が格納される。
【0011】
一方、操作者は、3次元空間(XYZ座標により形成される空間)における切断平面86を設定することが可能とである。この切断平面86は、図15中のXYZ座標を用いれば、簡単な方程式で設定することができる。
【0012】
ここで、ボクセルデータの生成方法について説明する。超音波診断装置におけるボクセルデータの生成方法について説明するために、まず、1次元超音波プローブを備えた超音波診断装置における画像データの収集とその画像化(例えば、特許文献1)について図16乃至図18を参照しつつ説明する。図16は従来技術に係る超音波診断装置の概略構成を示す機能ブロック図である。図17は直交座標系の2次元画像に変換する処理を説明するための図である。図18はデジタルスキャンコンバータ(DSC)の詳細な機能ブロック図である。
【0013】
図16に示すように、従来の超音波診断装置100は、1次元超音波プローブ101と、送受信回路102と、Bモード処理回路103と、CFM(Color Flow Mapping:カラーフローマッピング)処理回路104と、記憶装置105と、DSC(Digital Scan Converter:デジタルスキャンコンバータ)106と、表示装置107と、コントローラ108とからなる。
【0014】
1次元超音波プローブ101で得られたエコーデータは、送受信回路102を介してBモード処理回路103及びCFM処理回路104に送られる。Bモード処理回路103ではエコーの振幅情報の映像化が行われる。また、CFM処理回路104では動いている血流情報の映像化が行われる。Bモード処理回路103で生成されるデータをBモード超音波ラスタデータといい、CFM処理回路104で生成されるデータをカラー超音波ラスタデータという。
【0015】
Bモード処理回路103で得られたBモード超音波ラスタデータ、及びCFM処理回路104で得られたカラー超音波ラスタデータは、記憶装置105に記憶されるとともに、DSC106に送られる。DSC106は表示装置107で表示するための画像を作成する。また、コントローラ108は超音波診断装置全体の動作を制御する。
【0016】
DSC106は、直交座標系で表される画像を得るために、超音波ラスタデータを直交座標で表される画像データに変換する。この変換処理について図17及び図18を参照しつつ説明する。
【0017】
超音波ラスタデータ90は図17(a)に示すような距離Rと角度θとで表現される座標系で得られる。ここで、点Oは超音波プローブ101表面の中心であり、点Oにおける超音波プローブ101の表面に垂直な線をX軸と定義する。また、X軸に対して垂直となるY軸(深さ方向)を図17に示すように設定する。
【0018】
距離Rは超音波の送受信点(1次元超音波プローブ101の位置)と超音波サンプル点90aとの距離であり、角度θは超音波ビームの振り角度である。DSC106は、(R、θ)座標系で得られた超音波ラスタデータ90を、図17(b)に示すような直交座標系の画像データ91に変換する(スキャンコンバージョン処理:SC処理)。超音波ラスタデータ90の座標系(R、θ)と表示用の画像データ91の座標系(X、Y)との間には以下の関係式(1)が成立する。
式(1) R=(x+y1/2
θ=arctan(x/y)
DSC106は、上記の座標変換を行って表示用の座標系(X、Y)で表される画像データ91を作成する。
【0019】
ここで、DSC106の構成について図18を参照しつつ説明する。シーケンサ106aの制御により、X座標発生器106b及びY座標発生器106cは生成すべき画像ピクセルの位置情報(X、Y)を発生する。その情報を示す信号は、Rアドレス変換器106d及びθアドレス変換器106eに送られ、上記の式(1)に基づいて座標の変換処理が行われる。
【0020】
そして、Rアドレス変換器106dからRを示す位置情報が出力され、θアドレス変換器106eからθを示す位置情報が出力され、アドレス変換器106fはそれらの位置情報から記憶装置105を参照するための記憶装置105のアドレス情報を算出する。このアドレス情報に基づき、記憶装置105から座標(R、θ)における超音波ラスタデータが読み出される。この座標(R、θ)における超音波ラスタデータは変換後の座標(X、Y)に対応している。
【0021】
超音波ラスタデータは補間処理回路106gに入力されて補間処理回路106gによって表示用の画像データが生成され、表示装置107に直交座標で表された超音波画像が表示される。なお、超音波ラスタデータは離散的に収集されるため、記憶装置105からは複数の超音波ラスタデータが読み出され、補間処理により画像データが生成される。補間処理は、例えば、着目の座標を取り囲む周囲の超音波ラスタデータによって直線補間処理を行う。この場合、Rアドレス変換器106d及びθアドレス変換器106eから補間係数が補間処理回路106gに出力され、補間処理により画像データが生成される。
【0022】
次に、2次元超音波プローブを用いて3次元の超音波ラスタデータを収集し、ボクセルデータを作成する場合について、図19乃至図21を参照しつつ説明する。図19はスキャンコンバータ処理によってボクセルデータが生成されることを説明するための概念図である。図20は直交座標系の3次元画像に変換する処理を説明するための図である。図21はデジタルスキャンコンバータ(DSC)の詳細な機能ブロック図である。
【0023】
図19(a)は、2次元超音波プローブを用いて収集される3次元の超音波ラスタデータの幾何形状を示している。点Oは2次元超音波プローブ表面の中心点であり、点Oにおける超音波プローブ表面に垂直な線をX軸として定義する。また、X軸に対して垂直で互いに垂直となるY軸とZ軸を図19に示すように設定する。そして、この超音波ラスタデータに対してスキャンコンバージョン処理が施され、図19(b)に示すような直交座標系で表されるボクセルデータ94が生成される。
【0024】
この座標変換について図20を参照しつつ詳しく説明する。超音波ラスタデータ93は、図20(a)に示すような距離Rと角度θと角度φとで表現される座標系で得られる。距離R、角度θ、角度φは以下に示す定義(1)によって定義される。
定義(1)
距離R:超音波の送受信点(2次元超音波プローブの位置)と超音波サンプリング点93aとの距離
角度θ:超音波ビームの軌跡をXY平面上に投影したとき、投影された軌跡がY軸となす角度
角度φ:超音波ビームの軌跡をYZ平面上に投影したとき、投影された軌跡がY軸となす角度
【0025】
DSCは、座標系(R、θ、φ)で表された超音波ラスタデータ93を、図20(b)に示すような直交座標系で表されるボクセルデータ94に変換する。超音波ラスタデータの座標系(R、θ、φ)と、ボクセルデータの座標系(X、Y、Z)との間には以下の関係式(2)が成立する。
式(2) R=(x+y+z1/2
θ=arctan(x/y)
φ=arctan(z/y)
DSCは、上記の座標変換を行って座標系(X、Y、Z)で表されるボクセルデータを作成する。
【0026】
ここで、DSCの構成について図21を参照しつつ説明する。各回路の機能は、図18で示したDSCと同じである。3次元で表されるボクセルデータへの変換のため、図18に示すDSCに加えて、Z座標発生器106hとφアドレス変換器106iが備えられている。
【0027】
そして、上記の式(2)に基づいて2次元座標変換と同様に、座標(R、θ、φ)から直交座標(X、Y、Z)に変換され、図19(b)に示されるように、直交座標系で表されるボクセルデータ94が生成される。このボクセルデータに対してボリューム・レンダリング、最大値/最小値投影処理等の処理を施して超音波画像を生成する。なお、超音波ラスタデータは離散的に収集されるため、ボクセルデータを生成する際には、例えば、着目ボクセルを取り囲む周囲8個の超音波ラスタデータによる直線補間処理(Tri−Linear補間処理)が行われる。
【0028】
【特許文献1】特開平11−104133号公報(段落[0021]−[0022]、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0029】
ボリューム・レンダリングにおいては、図14に示すように、操作者によって任意の方向から視線を設定することができる。しかしながら、従来のスキャンコンバージョン処理における座標系(R、θ、φ)から直交座標系(X、Y、Z)への変換は固定的であり、直交座標の配置を任意に設定することは行われていない。つまり、ボクセルデータを表すための直交座標系(X、Y、Z)は超音波プローブに対して固定的に設定されており、視線の方向(投影光線の投影方向)に関わらず、X軸は超音波プローブ表面に垂直な軸として定義され、Y軸、Z軸は互いに垂直で、かつ、X軸に対して垂直な軸として定義されている。
【0030】
ボクセルデータに対して斜めの方向から視線を設定して、一定の間隔で投影光線を進めた場合、その間隔ごとにボクセルデータが存在するとは限らないため、ボリューム・レンダリングにおいて補間処理を行う必要がある。この補間処理として、例えば、着目するボクセルを取り囲む周囲8個のボクセルを用いた直線補間処理(Tri−Linear補間処理)を行う必要がある。
【0031】
このように、従来の超音波診断装置及び画像処理方法においては、DSCのスキャンコンバージョン処理によってボクセルデータを生成する際に行われる補間処理の他、ボリューム・レンダリングによって画像データを生成する際においても補間処理を行う必要がある。従って、超音波ラスタデータから画像データを生成するまでの間に、2段階の補間処理を行う必要があるが、一般的に、補間処理の回数が増えるほど画像の空間分解能が劣化する問題がある。
【0032】
また、従来のスキャンコンバージョン処理においては、ボクセルデータの生成順序も固定的であった。例えば、図22に示すように、ボクセルデータセット95は、同図に示す順番(1、2、3、4、・・・)で生成される場合、ボリューム・レンダリングの投影面97に近いボクセルの生成が全体のボクセルの中で後発となり、スキャンコンバージョン処理の完了を待たないとボリューム・レンダリングを開始できない状態にあった。つまり、所定の視線上に位置する全てのボクセルが生成されないと、光線追跡処理が行えない状態にあった。このような処理の遅延は、超音波診断装置の利点の1つであるリアルタイム性を大きく損なってしまう。
【0033】
さらに、ボリューム・レンダリングは、パーソナルコンピュータ(PC)やワークステーション等を用い、ソフトウェアで処理されることが一般的であった。超音波診断装置には可搬性が求められるが、超音波診断装置にPC等を接続するとその可搬性が損なわれる。また、PC等の接続は、医用システム全体の消費電力を大きく増加させる要因にもなる。このため、システムの小型化、低消費電力化を実現するためには、ボリューム・レンダリングをASIC等のハードウェアで処理することが望まれる。しかしながら、ボリューム・レンダリングの視線設定等は操作者が任意に行える必要があり、特に、光線追跡処理等のハードウェアによる実現は複雑さを増し、回路規模の増大を招いてしまう問題があった。
【0034】
この発明は上記の課題を解決するものであり、ボクセルデータを表すための直交座標系を超音波プローブに対して任意に設定可能とし、特に、視線方向に対してボクセルデータの1つの方向が平行になるように直交座標系を設定することで、超音波画像を生成する際に補間処理を行う必要がない超音波診断装置を提供することを目的とする。このように補間処理の回数を減らすことによって空間分解能の向上を図ることを目的とする。
【0035】
また、補間処理の回数を減らすことで、ソフトウェアで処理する場合のCPU(中央処理装置)の負担を軽減し、ハードウェアで処理する場合の回路設計の簡潔化を図ることを目的とする。
【0036】
さらに、ボクセルデータを生成する際にその生成順序を視線方向に沿った順番にすることで、スキャンコンバージョン処理の完了を待たずに超音波画像生成の処理を開始することが可能な超音波診断装置を提供することを目的とする。そのことにより、超音波画像生成処理の効率化を図り、リアルタイム性が損なわれない超音波診断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0037】
請求項1に記載の発明は、被検体に対して超音波の送受信を行う超音波プローブと、前記超音波プローブを駆動して前記被検体内を走査する送受信手段と、前記送受信手段が受信した受信信号に基づいて表示画像を生成するときの投影位置及び投影方向を設定する投影方向設定手段と、前記送受信手段の走査によって得られた受信信号に基づいて前記投影方向の座標系で表されるボクセルデータを生成するボクセルデータ生成手段と、前記ボクセルデータを基に前記投影方向の表示画像を生成する画像生成手段と、を有することを特徴とする超音波診断装置である。
【0038】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の超音波診断装置であって、前記ボクセルデータ生成手段は、前記投影方向と前記ボクセルデータの1つの方向とを平行させることを特徴とするものである。
【0039】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2のいずれかに記載の超音波診断装置であって、前記ボクセルデータ生成手段は、前記投影方向に沿った順番で前記ボクセルデータを生成することを特徴とするものである。
【0040】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の超音波診断装置であって、超音波画像を生成すべき関心領域を指定する関心領域指定手段を更に有し、前記ボクセルデータ生成手段は、前記関心領域内の受信信号に基づいてボクセルデータを生成することを特徴とするものである。
【0041】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の超音波診断装置であって、前記受信信号を前記送受信手段が収集した収集座標系で記憶する記憶手段を更に有し、前記ボクセルデータ生成手段は、ボクセルデータを特定する3次元直交座標を出力するボクセルジェネレータと、前記ボクセルデータを特定する3次元直交座標を前記設定された投影方向に変更し、かつ、前記収集座標系に変換する座標変換器と、を備え、前記座標変換器の出力で前記記憶手段にアクセスしてボクセルデータを生成することを特徴とするものである。
【0042】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の超音波診断装置であって、前記座標変換器は、前記ボクセルデータを特定する3次元直交座標のうち1つの方向の座標を前記投影方向と平行になるように変更することを特徴とするものである。
【0043】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の超音波診断装置であって、前記ボクセルジェネレータは、前記投影位置及び投影方向を基に、前記投影位置において投影方向に重なるボクセルデータを特定する3次元直交座標を前記投影方向に重なるボクセルデータの順に出力することを特徴とするものである。
【0044】
この発明の超音波プローブは、1次元超音波プローブ又は2次元超音波プローブからなる。1次元超音波プローブを用いる場合は、プローブを機械的に移動させることによって3次元で表される超音波ラスタデータを収集する。これらの超音波プローブで収集された3次元超音波ラスタデータから3次元直交座標系で表されるボクセルデータを生成する際に、視線方向(投影光線の投影方向)とボクセルデータの1つの方向とが平行になる(視線方向とボクセルデータの所定の面とが直交する)ようにそのボクセルデータを生成する。つまり、任意に設定された視線方向と、ボクセルデータを表すための3次元直交座標系の1つの方向とが平行になるように3次元直交座標系を設定し、その3次元座標系によってボクセルデータを表す。
【0045】
超音波プローブに対して固定的に設定された3次元直交座標系と、視線方向と1つの方向とが平行になるボクセルデータを表現するための3次元直交座標系とは、例えば1次変換によって対応付けておく。ボクセルデータ生成手段は、その1次変換の関係と視線方向のベクトル情報とに基づいて、視線方向と1つの方向とが平行する3次元直交座標系を求め、求められた3次元直交座標系によってボクセルデータを表す。このように、座標系の変換処理を行うことによって、視線方向とボクセルデータの1つの方向とを平行させることが可能となる。
【0046】
視線方向とボクセルデータの1つの方向とが平行になることによって、例えば、ボリューム・レンダリングによって3次元超音波画像を生成する場合や、最大値又は最小値投影処理を行う場合や、視線方向を厚み方向としてその厚み方向に加算平均されたMPR画像を生成する場合おいて補間処理が不要になるため、光線追跡処理が比較的、容易になる。
【0047】
また、ボクセルデータに対して視線方向が斜めに設定されたままの状態においては、関心領域の設定(ボクセルデータの生成開始位置及び生成終了位置を算出するための計算)が複雑になってしまう。この発明のように視線方向とボクセルデータの1つの方向とを平行させることによって、関心領域の設定が簡潔になる。
【発明の効果】
【0048】
請求項1、請求項2、請求項5、請求項6、請求項8、請求項10、請求項11、請求項14、及び請求項15に記載の発明によると、ボクセルデータの向きを変えて視線方向とボクセルデータの1つの方向とを平行にすることで、ボクセルデータから超音波画像を生成する際の補間処理が不要になるため、超音波画像の空間分解能を向上させることが可能となる。また、ソフトウェア処理におけるCPUの負担を軽減し、ハードウェア処理における回路設計を簡潔にすることが可能となる。
【0049】
請求項8及び請求項17に記載の発明によると、ボリューム・レンダリング、最大値投影処理、最小値投影処理、及びMPR画像を生成処理において補間処理が不要になるため、3次元超音波画像、最大値投影画像、最小値投影画像、及びMPR画像の空間分解能を向上させることが可能となる。
【0050】
請求項3、請求項7、請求項12及び請求項16に記載の発明によると、視線方向に沿った順番でボクセルデータを生成することによって、生成されたボクセルデータに基づいて超音波画像(3次元超音波画像、最大値投影画像等)を順次生成することが可能になる。そのことにより、全てのボクセルデータが生成される前に、超音波画像の生成を開始することができるため、画像生成にかかる時間を短縮することが可能となり、画像生成の効率化が図れる。
【0051】
請求項4及び請求項13に記載の発明によると、関心領域内の受信信号に基づいてボクセルデータを生成することで、変換手段及び画像生成手段におけるボクセルデータの処理数を減少させることが可能となり、その分、高速に画像を生成することが可能となる。また、視線方向とボクセルデータの1つの方向とを平行にすることによって関心領域の設定が簡潔になるため、従来と比べて、ハードウェアの構成が簡潔になるとともに、画像生成に要する時間を短縮することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0052】
以下、この発明の実施形態に係る超音波診断装置について、図1乃至図13を参照しつつ説明する。
【0053】
[第1の実施の形態]
この発明の第1の実施形態に係る超音波診断装置及び画像処理方法について、図1乃至図7を参照しつつ説明する。
【0054】
(構成)
第1の実施形態に係る超音波診断装置の構成について、図1を参照しつつ説明する。図1は、この発明の第1の実施形態に係る超音波診断装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
【0055】
第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、2次元超音波プローブ2と、送受信回路3と、Bモード処理回路4と、CFM処理回路5と、記憶装置6と、DSC7と、ボリューム・レンダリング処理装置8と、表示装置9と、操作卓10と、座標系設定回路11と、コントローラ12とを含んで構成されている。
【0056】
2次元超音波プローブ2は、超音波を送受信する圧電素子がマトリックス(格子)状に配置され、走査(スキャン)することによって3次元的に超音波を送受信し、プローブの表面から放射状に広がる形状の3次元データをエコー信号として受信する。
【0057】
送受信回路3は、2次元超音波プローブ2に電気信号を供給して超音波を発生させるとともに、2次元超音波プローブ2が受信したエコー信号を受信する。エコー信号は、処理の目的に応じてBモード処理回路4又はCFM処理回路5に出力される。
【0058】
Bモード処理回路4は、エコーの振幅情報の映像化を行い、エコー信号からBモード超音波ラスタデータを生成する。CFM処理回路5は、動いている血流情報の映像化を行い、カラー超音波ラスタデータを生成する。血流情報には、速度、分散、パワー等の情報があり、血流情報は2値化情報として得られる。超音波ラスタデータは、一時的にメモリからなる記憶装置6に記憶・保持される。
【0059】
DSC7は、直交座標系で表される画像を得るために、超音波ラスタデータを直交座標で表されるボクセルデータに変換する。このDSC7の詳細な構成及び動作については後述する。なお、DSC7がこの発明の「ボクセルデータ生成手段」に相当する。
【0060】
ボリューム・レンダリング処理回路8は、DSC7から出力されたボクセルデータに対してボリューム・レンダリングを施して3次元画像を生成する。ボリューム・レンダリング処理回路8によって作成された3次元画像は、CRT等からなる表示装置9により表示される。
【0061】
操作卓10は、キーボード、マウス、トラックボール等からなり、コントローラ12に接続され、操作者の操作によってボクセルデータに対して投影光線の投影方向(視線方向)を指定する。なお、操作卓10がこの発明の「投影方向設定手段」に相当する。座標系設定回路11は、操作卓10から視線方向を示す単位ベクトルの情報を受けとり、DSC7に出力する。また、コントローラ12は、超音波診断装置1を構成する各回路に接続され、それらの制御を行なう。
【0062】
(動作)
次に、第1の実施形態に係る超音波診断装置の動作について、図2乃至図5を参照しつつ説明する。図2は、第1の実施形態に係る超音波診断装置に備えられているデジタルスキャンコンバータ(DSC)の詳細な構成を示す機能ブロック図である。図3は、第1の実施形態に係る超音波診断装置の動作を順番に説明するためのフローチャートである。図4は、DSCにおける座標変換処理を説明するための図である。図5は、投影光線とボクセルデータとが一直線上に並んだ状態を示す模式図である。
【0063】
まず、2次元超音波プローブ2を用いて3次元の超音波ラスタデータを収集する(ステップS01)。収集された3次元の超音波ラスタデータを図4(a)に示す。点Oは2次元超音波プローブ2表面の中心点であり、点Oにおける超音波プローブ表面に垂直な線をX軸として定義する。また、X軸に対して垂直で互いに垂直となるY軸とZ軸とを図4(a)に示すように設定する。この座標系(X、Y、Z)は、2次元超音波プローブ2(超音波ラスタデータ20を表すための座標系(R、θ、φ))に対して固定的に設定されている。超音波ラスタデータを収集するときの座標系が座標系(R、θ、φ)であり、それを直交座標系にしたものが座標系(X、Y、Z)である。なお、座標系(R、θ、φ)がこの発明の「収集座標系」に相当する。
【0064】
DSC7は、図4(a)に示されている超音波ラスタデータ20からボクセルデータ21を生成するのに必要なボクセルデータの座標情報(X’、Y’、Z’)を受けて、図4(b)に矢印で示す投影光線22の投影方向とボクセルデータ21の1つの方向とが平行になる(投影方向とボクセルデータ21の所定の面とが直交する)ように、ボクセルデータ21を生成する。このボクセルデータ21の座標系を(X’、Y’、Z’)とし、図4(c)に座標系(X,Y、Z)、座標系(X’、Y’、Z’)、及びボクセルデータ21を示す。DSC7は、X’軸、Y’軸、Z’軸が直交する座標系(X’、Y’、Z’)を、Z’軸の向きが投影光線22の投影方向に平行する方向に変換する。
【0065】
ここで、座標系(X,Y、Z)と座標系(X’、Y’、Z’)との関係を具体的に説明する。座標系(X,Y、Z)と座標系(X’、Y’、Z’)とは、投影方向を示す単位ベクトルに基づく一次変換により変換が可能なように対応付けられている。その一例について、図4(d)に示された座標系を参照しつつ説明する。
【0066】
ここで、投影光線22の投影方向(視線方向)を示す単位ベクトルを(X,Y、Z)=(α、β、γ)とする(α+β+γ=1)。また、両座標系の原点を同じ点とする。このとき、両座標系の間には以下の関係式(3)が成立する。
式(3)

【0067】
DSC7は、式(3)の座標変換を行って座標系(X’、Y’、Z’)で表されるボクセルデータ21を生成する。
【0068】
ここで、座標変換を行うDSC7の詳細な構成について図2を参照しつつ説明する。座標系(X、Y、Z)から座標系(X’、Y’、Z’)への変換のため、従来のDSCに加えて、X’座標発生器71a、Y’座標発生器71b、及びZ’座標発生器71cからなるX’Y’Z’座標発生器71が備えられている。さらに、X座標発生器106b、Y座標発生器106cの代わりに、X座標変換器72a、Y座標変換器72b、及びZ座標変換器72cからなるXYZ座標変換器72が備えられている。さらに、XYZ座標変換器72には、座標系設定回路11が接続されている。
【0069】
まず、シーケンサ76の制御により、X’Y’Z’座標発生器71はボクセルデータを生成するための各ボクセルに対応した位置情報(X’、Y’、Z’)を発生する(ステップS02)。シーケンサ76及びX’Y’Z’座標発生器71は、ボクセル及びその位置を特定する情報を発生するものであり、この発明の「ボクセルジェネレータ」に相当する。その位置情報を示す信号は、XYZ座標変換器72に送られる。
【0070】
また、座標系設定回路11からは、視線設定のため操作者によって任意に設定された投影光線22の投影方向を示す情報がXYZ座標変換器72に送られる(ステップS03)。投座標系設定回路11は、操作卓10に接続され、操作者が任意の方向の視線の設定を行うと、その視線方向を示す単位ベクトル(α、β、γ)に対応する信号が操作卓10から座標系設定回路10に出力され、座標系設定回路10はその単位ベクトルを示す信号をXYZ座標変換器72に出力する。
【0071】
なお、この操作者による視線方向の設定は、予めデフォルトとして設定された視線方向でボリューム・レンダリングされた画像に基づいて行う。操作者が、表示装置9に表示されているデフォルトの画像に対して任意の視線方向を設定すると、その視線方向の単位ベクトル(α、β、γ)が座標系設定回路10を介してXYZ座標変換器72に出力され、座標変換処理が行われる。
【0072】
そして、XYZ座標変換器72は、X’Y’Z’座標発生器71から送られたボクセルの位置情報(X’、Y’、Z’)を、視線方向を示す単位ベクトルに基づいて、超音波ラスタデータ20を表す座標系に固定されたXYZ直交座標系での位置情報(X、Y、Z)に変換する(ステップS04)。この変換は、上記の式(3)に従って行われる。
【0073】
そして、式(3)に従って変換された位置情報は、Rアドレス変換器73a、θアドレス変換器73b、φアドレス変換器73cに出力され、従来技術と同様に、式(2)に従ってRθφ座標系での位置情報(R、θ、φ)に変換される(ステップS05)。
【0074】
Rθφアドレス変換器73から(R、θ、φ)の位置情報が出力され、アドレス変換器74はそれらの位置情報から記憶装置6を参照するための記録装置6のアドレス情報を算出する(ステップS06)。このアドレス情報に基づき、記憶装置6から座標(R、θ、φ)における超音波ラスタデータが読み出される(ステップS07)。この超音波ラスタデータは変換後の座標(X、Y、Z)に対応している。そして、補間処理回路75によってボクセルデータが生成される(ステップS08)。
【0075】
上記は説明上、ボクセルデータの中で1点だけについて説明したが、全てのボクセルデータを生成するため、1つのボクセルについてデータ生成を行った後、座標をずらしてデータを作成し、全てのボクセルデータを作成していく。
【0076】
なお、超音波ラスタデータは離散的に収集されるため、記憶装置6からは複数の超音波ラスタデータが読み出され、補間処理によりボクセルデータが生成される。補間処理には、着目ボクセルを取り囲む周囲8個の超音波ラスタデータによる直線補間処理(Tri−Linear補間処理)を用いる。この場合、Rθφアドレス変換器73から補間係数が補間処理回路75に出力され、その補間係数により補間処理を行ってボクセルデータを生成し、ボリューム・レンダリング処理回路8にボクセルデータを出力する。
【0077】
図5に、座標変換された後のボクセルデータ21を模式的に示す。X’Y’Z’座標系に変換することにより、図5(a)に示すように、投影光線22の投影方向とボクセルデータ21の所定の面とを直交させることが可能となる。つまり、ボクセルデータ21の1つの方向と投影方向とを平行にすることが可能となる。そのことにより、図5(b)に示すように、ボクセルデータ21aは投影光線22の投影方向に一直線上に配置されるため、光線追跡が容易になる。つまり、従来においては超音波プローブに対してボクセルデータの座標系は固定的に設定されていたため、ボクセルデータに対して斜めに投影方向を設定した場合、光線追跡処理において補間処理が必要だったが、本実施形態においては、投影方向に一直線上に配置されるため、ボリューム・レンダリングにおける補間処理が不要になる。
【0078】
ボリューム・レンダリング処理回路8は座標変換されたボクセルデータを補間処理回路75から受けて、投影光線によって貫かれた各ボクセル値により積分値や重み付き累積加算値を計算し、ボクセル値が格納されたピクセルが複数個集まった3次元画像データを生成する。そして、表示装置9はその3次元画像データを受けて、画面に3次元で現された超音波画像を表示する。
【0079】
このように、ボクセルデータの1つの方向と投影方向とを平行にしてボクセルデータを投影方向に一直線上に配置することで、ボリューム・レンダリングの際に、補間処理を行う必要がないため、従来技術と比べて空間分解能が向上する。また、光線追跡が容易になるため、ソフトウェアによって処理する場合のCPUにかかる負荷を低減することができ、ハードウェアで処理する場合の回路構成を簡素化することが可能となる。
【0080】
また、DSC7によるスキャンコンバージョン処理によってボクセルデータを生成する際に、視線方向に沿った順番でボクセルデータを生成するようにしても良い。この処理について図6を参照しつつ説明する。図6は、ボクセルデータの生成順序を説明するための模式図である。
【0081】
図6(a)に示すように、まず、投影光線22aが貫く部分のボクセルデータセット21aを生成する。投影光線22a上のボクセルデータセット21aの生成が終了すると、次に、投影光線22bが貫く部分のボクセルデータセット21bを生成する。さらに、投影光線22cが貫く部分のボクセルデータセット21cを生成する。このように、投影光線に沿ってボクセルデータを順次生成していく。
【0082】
具体的には、ボクセルデータを得るため、1つのボクセルについてデータを生成し、次に、Z’方向(投影方向)に座標をずらしたデータを生成する。このように、Z’方向にずらしてボクセルを生成することで、図6(a)に示すようなボクセルデータを得る。なお、X’Y’Z’座標発生器71は単位ベクトル(α、β、γ)が含まれる座標を生成し、その後、Z’方向にずらした座標を発生していく。
【0083】
そして、図6(b)に示すように、ボクセルデータが生成された部分から並行してボリューム・レンダリングを行い、3次元で表される超音波画像を生成する。例えば、投影光線22a上のボクセルデータセット21aを生成した後、引き続き投影光線22b上のボクセルデータ21bを生成している間に、投影光線22a上のボクセルデータ21aに対してボリューム・レンダリングを施し、部分的に3次元画像を生成する。同じように、投影光線22c上のボクセルデータ21cを生成している間に、投影光線22b上のボクセルデータ21bに対してボリューム・レンダリングを施し、部分的に3次元画像を生成する。このように、全てのボクセルデータが生成される前に、ボリューム・レンダリングを開始することができる。
【0084】
ボクセルデータ全てに対してこのような処理が施され、3次元で表される超音波画像が生成される。このようにスキャンコンバージョン(SC)処理とボリューム・レンダリング(VR)処理とをパイプライン処理化して同時に処理することが可能となる。並列処理が可能となるため、画像生成の遅延を解消し、スループットを向上させることが可能となる。その結果、超音波診断装置の利点であるリアルタイム性を損なうことなく超音波画像を生成することが可能となる。
【0085】
また、ボリューム・レンダリングにおける処理において、「cropping」と呼ばれる処理を行っても良い。この「cropping」とは、視点と関心領域(ROI)との間に存在する不要なボクセルを除去して関心領域の可視化を図る処理である。なお、関心領域の指定は操作卓10によって行われる。この「cropping」処理について図7を参照しつつ説明する。図7は、cropping処理を説明するための模式図である。
【0086】
図7(a)に破線で示す「cropping」処理された領域25ではボクセルデータの生成を行わず、可視化する領域のみからボクセルデータ21の生成を行う。この処理は、図7(b)に示すように、ボクセルデータの生成開始位置26aを変更することで実行することができる。ボクセルデータの生成位置の変更は、操作卓10から関心領域指定の信号を受けたシーケンサ76の制御によってX’Y’Z’座標発生回路71が行う。この「cropping」処理を行うことにより、スキャンコンバージョン処理によって生成されるボクセルデータが減少し、さらに、ボリューム・レンダリングを行うボクセルデータが減少するため、更に高速に超音波画像を生成することが可能となる。
【0087】
また、従来のように、ボクセルデータに対して投影方向が斜めに設定されたままの状態においては、どの部分のボクセルデータをcroppingするのか、つまり、ボクセルデータの生成開始位置を算出するための計算(計算のためのパラメータの与え方)が複雑になってしまう。そのことにより、ハードウェアによってこの計算を行う場合はハードウェアの構成が複雑になり、ソフトウェアによって処理を行うと時間がかかるといった問題があった。本実施形態によると、ボクセルデータの1つの方向と投影方向とが平行になり(ボクセルデータの所定の面と投影方向とが直交)、ボクセルデータが視線方向に一直線上に配置されているため、「cropping」処理が従来と比べて容易になり、ハードウェアによる処理及びソフトウェアによる処理上の問題を解消することができる。
【0088】
なお、本実施形態においては、DSC7の処理をハードウェアによって実現しているが、DSP(Digital Signal Processor)等を用いてソフトウェアによって実現しても構わない。
【0089】
[第2の実施の形態]
次に、この発明の第2の実施形態に係る超音波診断装置及び画像処理方法について、図8及び図9を参照しつつ説明する。この第2の実施形態に係る超音波診断装置は、投影光線によって貫かれた各ボクセル値の中から最大値又は最小値を計算し、得られた値をピクセルに格納することによって画像を生成するものである。
【0090】
第2の実施形態に係る超音波診断装置の構成について、図8を参照しつつ説明する。図8は、この発明の第2の実施形態に係る超音波診断装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
【0091】
第2の実施形態に係る超音波診断装置30は、第1の実施形態に係る超音波診断装置1とほぼ同じ回路を有しているが、ボリューム・レンダリング処理回路8の代わりに最大値/最小値投影処理装置31が備えられている。第1の実施形態と同様に、図3に示すステップS03〜ステップS08の処理を行う。第2の実施形態においては、ステップS08にてボクセルデータを生成した後、最大値/最小値投影処理装置31は投影光線によって貫かれた各ボクセル値の中から最大値又は最小値を計算し、得られた最大値又は最小値をピクセルに格納することで最大値(最小値)投影画像を生成する。
【0092】
ボクセルデータから最大値投影処理(又は最小値投影処理)を行って最大値投影画像(又は最小値投影画像)を行う場合であっても、第1の実施形態と同様にDSC7が座標変換を行うため、図9に示すように、ボクセルデータセット32の1つの方向と投影光線33の投影方向とが平行になり(ボクセルデータセット32の所定の面と投影光線33の投影方向とが直交)、ボクセルデータが投影光線33の投影方向に一直線上に配置される。そのことにより、光線追跡処理する際の補間処理が不要になるため、空間分解能が向上し、CPU負荷の低減や回路の簡易化が図れる。
【0093】
最大値又は最小値投影処理を行う場合、操作卓10によって投影方向とボクセルの範囲を指定し、座標系設定回路11がそれらを示す信号をDSC7に出力することで、投影方向等が設定される。ボクセル範囲(ボクセル生成の開始点と終了点)の設定は、「cropping」処理と同様に、DSC7内のシーケンサ76とX’Y’Z’座標発生回路71とが行う。また、第1の実施形態と同様に、ボクセルデータの生成順序を投影方向に沿って生成しても良い。
【0094】
[第3の実施の形態]
次に、この発明の第3の実施形態に係る超音波診断装置及び画像処理方法について、図10及び図11を参照しつつ説明する。この第3の実施形態に係る超音波診断装置は、ボクセルデータを特定の平面で切断し、その切断面からMPR画像を生成し、更に、厚み方向に直交する複数のMPR画像を加算して平均することによって画像(厚み付きMPR画像と称する。)を生成するものである。図10は、この発明の第3の実施形態に係る超音波診断装置の概略構成を示す機能ブロック図である。図11は、MPR画像を生成する処理を説明するための模式図である。
【0095】
第3の実施形態に係る超音波診断装置40は、第1の実施形態とほぼ同じ回路を有しているが、ボリューム・レンダリング処理回路8の代わりにMPR生成処理回路41が備えられている。第1の実施形態と同様に、図3に示すステップS03〜ステップS08の処理を行う。但し、この第3の実施形態においては、視線方向を厚み方向として処理を行う。
【0096】
ステップS04にてDSC7が座標変換を行う際に、図11に示す厚み方向44とボクセルデータセット42の1つの方向とが平行になるように、DSC7が座標変換を行う。つまり、厚み方向44とボクセルデータセット42の所定の面とが直交するように、DSC7は座標変換を行う。この変換により、変換後の座標のZ’軸の向きと厚み方向44とは平行になる。第1の実施形態において投影方向とボクセルデータセットの1つの方向とを平行にさせた変換処理と同様に、DSC7は厚み方向44とボクセルデータセット42の1つの方向とを平行にする。
【0097】
なお、厚み付きMPR画像45は、厚み方向44に直交する複数のMPR画像を加算して平均することにより生成されるが、加算画像枚数が1枚の場合は通常のMPR画像になる。
【0098】
切断面から生成される厚み付きMPR画像を生成する場合、スキャンコンバージョン処理を全ての領域に対して行う必要はなく、その厚みの範囲内のボクセルだけを生成すればMPR画像が得られるため、上述した「cropping」処理と同様に、ボクセル生成の開始位置と終了位置を設定する。図3に示すステップS03において、操作卓10によって厚み方向44と加算する範囲(図11に示す指定範囲43)である厚さを指定し、座標系設定回路11がそれらの示す信号をDSC7に出力することで、厚み方向44等が設定される。範囲(ボクセル生成の開始点と終了点)の設定は、「cropping」処理と同様に、DSC7内のシーケンサ76とX’Y’Z’座標発生回路71とが行う。
【0099】
そして、図3に示すステップS04及びステップS05において、DSC7は、厚み方向44とボクセルデータセット42の1つの方向とが平行になるように、座標変換を行う。このように厚み方向44とボクセルデータセット42の1つの方向とが平行するような座標系に変換することで、ボクセルデータセット42を厚み方向44に一直線上に配置することが可能となり、第1の実施形態と同様に、厚み付きMPR画像を生成する際に補間処理を行う必要がなくなる。また、第1の実施形態と同様に、ボクセルデータの生成順序を投影方向に沿って生成しても良い。
【0100】
[第4の実施の形態]
次に、この発明の第4の実施形態に係る超音波診断装置及び画像処理方法について、図12を参照しつつ説明する。この第4の実施形態に係る超音波診断装置は、圧電素子が走査方向に垂直な方向に分割された1次元超音波プローブを用いて3次元画像を生成するものである。本実施形態に係る超音波診断装置の構成は、第1の実施形態に係る超音波診断装置の構成と同じであり、デジタルスキャンコンバータ(DSC)の構成も同じである。
【0101】
(動作)
第4の実施形態に係る超音波診断装置の動作について、図12を参照しつつ説明する。図12は、第4の実施形態に係る超音波診断装置による座標変換処理を説明するための図である。
【0102】
1次元超音波プローブをスキャン断面に対して垂直(又は略垂直)な方向に機械的、又は手動で走査することによって、3次元超音波ラスタデータを収集する。図12において、スキャン面(超音波走査面)をXY平面とし、超音波プローブの移動方向をZ軸方向と定める。超音波プローブをZ軸方向に移動させてスキャンすることによって、複数の2次元超音波ラスタデータ50を収集する。これら複数の2次元超音波ラスタデータの座標系は、図12に示すように、座標系(R、θ、Z)で表される。超音波ラスタデータの座標系(R、θ、Z)と表示用の画像データの座標系(X、Y、Z)との間には以下の関係式(4)が成立する。
式(4) R=(x+y1/2
θ=arctan(x/y)
z=z(一定)
距離R及び角度θの定義を以下に示す。
距離R:超音波の送受信点(1次元超音波プローブの位置)と超音波サンプリング点との距離
角度θ:超音波ビームの軌跡をXY平面上に投影したとき、投影された軌跡がY軸となす角度
【0103】
図2に示すDSC7は、図12(a)に示されている複数の2次元超音波ラスタデータ50からボクセルデータを生成する。DSC7は第1の実施形態と同様に、図3に示すステップ02〜ステップS08の処理を行ってボクセルデータを生成する。第1の実施形態と同様に、ステップS04にて式(3)に従った位置情報の変換が行われ、変換された位置情報は、図2に示すRアドレス変換器73a、θアドレス変換器73b、φアドレス変換器73cに出力される。
【0104】
ステップS05における座標変換は式(4)に従って行われ、RθZ座標系での位置情報(R、θ、z)に変換される。なお、本実施形態においては、Z成分は一定であり、図2に示すφアドレス変換器73cは変換処理を行わず、Z成分をそのまま出力する。
【0105】
そして、Rθφアドレス変換器73から(R、θ、Z)の位置情報が出力され、アドレス変換器74はそれらの位置情報から記憶装置6を参照するためのアドレス情報を算出する(ステップS06)。このアドレス情報に基づき、記憶装置6から超音波ラスタデータを読み出して(ステップS07)、補間処理回路76によってボクセルデータを生成する(ステップS08)。このようにして座標系(X’、Y’、Z’)で表されるボクセルデータが生成される。このボクセルデータはボリューム・レンダリング処理回路8に出力され、3次元超音波画像が生成される。
【0106】
また、本実施形態においても、「cropping」処理、視線方向に沿った順番でのボクセルデータの生成、最大値/最小値投影処理、MPR画像の厚み方向における加算処理を施しても良い。
【0107】
このように、1次元超音波プローブを移動させて3次元超音波ラスタデータを収集した場合であっても、投影方向とボクセルデータの1つの方向とを平行することによって、光線追跡処理が容易になり、ボリューム・レンダリング等における補間処理が不要になる。
【0108】
[第5の実施の形態]
次に、この発明の第5の実施形態に係る超音波診断装置及び画像処理方法について、図13を参照しつつ説明する。この第5の実施形態に係る超音波診断装置は、第4の実施形態と同様に1次元超音波プローブを用いて3次元画像を生成するものである。また、本実施形態に係る超音波診断装置の構成は、第1の実施形態に係る超音波診断装置の構成と同じであり、DSCの構成も同じである。
【0109】
(動作)
第5の実施形態に係る超音波診断装置の動作について、図13を参照しつつ説明する。図13は、第5の実施形態に係る超音波診断装置による座標変換処理を説明するための図である。
【0110】
被検体の生体接触面を支点に1次元超音波プローブを回転して3次元超音波ラスタデータを収集する。図13において、スキャン面(超音波走査面)をXY平面とし、X軸周りに超音波プローブを回転して3次元超音波ラスタデータを収集する。X軸周りの回転角度をφとする。このようにして得られた超音波ラスタデータは、図13(b)、(c)に示すように、(R、θ、φ)座標系で表される。図13(b)は、超音波ラスタデータをZ軸方向からみた図であり、図13(c)は、超音波ラスタデータをX軸方向からみた図である。
【0111】
超音波ラスタデータの座標系(R、θ、φ)と表示用の画像データの座標系(X、Y、Z)との間には、以下の関係式(5)が成立する。
式(5) R=(x+y+z1/2
θ=arctan{x/(y+z1/2
φ=arctan(z/y)
距離R及び角度θの定義を以下に示す。
距離R:超音波の送受信点(1次元超音波プローブの位置)と超音波サンプリング点との距離
角度θ:2次元超音波ラスタデータ60上での超音波ビームがY軸となす角度
角度φ:2次元超音波ラスタデータ60がXY平面となす角度
【0112】
図2に示すDSC7は、図13に示されている複数の2次元超音波ラスタデータ60からボクセルデータを生成する。DSC7は第1の実施形態と同様に、図3に示すステップS02〜ステップS08の処理を行ってボクセルデータを生成する。第1の実施形態と同様に、ステップS04にて式(3)に従った位置情報の変換が行われ、変換された位置情報は、図2に示すRアドレス変換器73a、θアドレス変換器73b、φアドレス変換器73cに出力される。
【0113】
ステップS05における変換処理は式(5)に従って行われ、RθZ座標系での位置情報(R、θ、z)に変換される。
【0114】
Rθφアドレス変換器73から(R、θ、φ)の位置情報が出力され、アドレス変換器74はそれらの位置情報から記憶装置6を参照するためのアドレス情報を算出する(ステップS06)。このアドレス情報に基づき、記憶装置6から超音波ラスタデータが読み出され(ステップS07)、補間処理回路75によってボクセルデータが生成される(ステップS08)。このようにして座標系(X’、Y’、Z’)で表されるボクセルデータが生成される。このボクセルデータはボリューム・レンダリング処理回路8に出力され、3次元超音波画像が生成される。また、本実施形態においても、「cropping」処理等を行っても良い。
【0115】
このように、1次元超音波プローブを回転させて3次元超音波ラスタデータを収集した場合であっても、第1の実施形態等と同様に、光線追跡処理が容易になり、ボリューム・レンダリング等における補間処理が不要になる。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】この発明の第1の実施形態に係る超音波診断装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図2】第1の実施形態に係る超音波診断装置に備えられているデジタルスキャンコンバータ(DSC)の詳細な構成を示す機能ブロック図である。
【図3】第1の実施形態に係る超音波診断装置の動作を順番に説明するためのフローチャートである。
【図4】デジタルスキャンコンバータ(DSC)による座標変換処理を説明するための図である。
【図5】投影光線とボクセルデータとが一直線上に並んだ状態を示す模式図である。
【図6】ボクセルデータの生成順序を説明するための模式図である。
【図7】cropping処理について説明するための模式図である。
【図8】この発明の第2の実施形態に係る超音波診断装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図9】最大値/最小値投影画像を生成する処理を説明するための模式図である。
【図10】この発明の第3の実施形態に係る超音波診断装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図11】MPR画像を生成する処理を説明するための模式図である。
【図12】この発明の第4の実施形態に係る超音波診断装置による座標変換処理を説明するための図である。
【図13】この発明の第5の実施形態に係る超音波診断装置による座標変換処理を説明するための図である。
【図14】ボリューム・レンダリングによる画像生成を説明するための模式図である。
【図15】MPR画像を生成する方法を説明するための模式図である。
【図16】従来技術に係る超音波診断装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図17】直交座標系の2次元画像に変換する処理を説明するための図である。
【図18】従来技術に係るデジタルスキャンコンバータ(DSC)の詳細な構成を示す機能ブロック図である。
【図19】スキャンコンバージョン処理によってボクセルデータが生成されることを説明するための図である。
【図20】直交座標系の3次元画像に変換する処理を説明するための図である。
【図21】従来技術に係るデジタルスキャンコンバータ(DSC)の詳細な構成を示す機能ブロック図である。
【図22】ボクセルデータの生成順番を説明するための模式図である。
【符号の説明】
【0117】
1、30、40 超音波診断装置
2 2次元超音波プローブ
3 送受信回路
4 Bモード処理回路
5 CFM処理回路
6 記憶装置
7 DSC(デジタルスキャンコンバータ)
8 ボリューム・レンダリング処理回路(VR処理回路)
9 表示装置
10 操作卓
11 座標系設定回路
12 コントローラ
71 X’Y’Z’座標発生器
72 XYZ座標変換器
73 Rθφ座標変換器
74 アドレス変換器
75 補間処理回路
76 シーケンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体に対して超音波の送受信を行う超音波プローブと、
前記超音波プローブを駆動して前記被検体内を走査する送受信手段と、
前記送受信手段が受信した受信信号に基づいて表示画像を生成するときの投影位置及び投影方向を設定する投影方向設定手段と、
前記送受信手段の走査によって得られた受信信号に基づいて前記投影方向の座標系で表されるボクセルデータを生成するボクセルデータ生成手段と、
前記ボクセルデータを基に前記投影方向の表示画像を生成する画像生成手段と、
を有することを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
前記ボクセルデータ生成手段は、前記投影方向と前記ボクセルデータの1つの方向とを平行させることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項3】
前記ボクセルデータ生成手段は、前記投影方向に沿った順番で前記ボクセルデータを生成することを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の超音波診断装置。
【請求項4】
超音波画像を生成すべき関心領域を指定する関心領域指定手段を更に有し、前記ボクセルデータ生成手段は、前記関心領域内の受信信号に基づいてボクセルデータを生成することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の超音波診断装置。
【請求項5】
前記受信信号を前記送受信手段が収集した収集座標系で記憶する記憶手段を更に有し、
前記ボクセルデータ生成手段は、ボクセルデータを特定する3次元直交座標を出力するボクセルジェネレータと、前記ボクセルデータを特定する3次元直交座標を前記設定された投影方向に変更し、かつ、前記収集座標系に変換する座標変換器と、を備え、前記座標変換器の出力で前記記憶手段にアクセスしてボクセルデータを生成することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項6】
前記座標変換器は、前記ボクセルデータを特定する3次元直交座標のうち1つの方向の座標を前記投影方向と平行になるように変更することを特徴とする請求項5に記載の超音波診断装置。
【請求項7】
前記ボクセルジェネレータは、前記投影位置及び投影方向を基に、前記投影位置において投影方向に重なるボクセルデータを特定する3次元直交座標を前記投影方向に重なるボクセルデータの順に出力することを特徴とする請求項6に記載の超音波診断装置。
【請求項8】
前記画像生成手段は、前記ボクセルデータから3次元超音波画像を生成するボリューム・レンダリング、前記投影方向上におけるボクセルデータの中からボクセル値が最大であるボクセルデータを投影して画像を生成する最大値投影処理、ボクセル値が最小であるボクセルデータを投影して画像を生成する最小値投影処理、又は、前記ボクセルデータを所定の切断平面で切断することによって切断面を生成し、前記切断平面に略直交する方向を投影方向として前記投影方向に沿って所定の厚みの範囲において前記切断面を加算平均してMPR画像を生成する処理のいずれかの処理を施して画像を生成することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の超音波診断装置。
【請求項9】
前記超音波プローブは、機械的に移動させることにより3次元的に走査することが可能な1次元超音波プローブ、又は、圧電体が2次元的に配列された2次元超音波プローブのいずれかであることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の超音波診断装置。
【請求項10】
超音波プローブで被検体に対して超音波の送受信を行い、受信信号に基づいて表示画像を生成するときの投影位置及び投影方向を設定する第1のステップと、
前記第1のステップにて得られた受信信号に基づいて前記投影方向の座標系で表されるクセルデータを生成する第2のステップと、
前記ボクセルデータを基に表示画像を生成する第3のステップと、
を含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項11】
前記第2のステップでは、前記投影方向と前記ボクセルデータの1つの方向とを平行させることを特徴とする請求項10に記載の画像処理方法。
【請求項12】
前記第2のステップでは、前記投影方向に沿った順番で前記ボクセルデータを生成することを特徴とする請求項10又は請求項11のいずれかに記載の画像処理方法。
【請求項13】
超音波を生成すべき関心領域を指定する関心領域を指定する第4のステップを更に含み、前記第2のステップでは、前記関心領域内の受信信号に基づいてボクセルデータを生成することを特徴とする請求項10乃至請求項12のいずれかに記載の画像処理方法
【請求項14】
前記受信信号を収集座標系で記憶装置に記憶する第5のステップを更に含み、
前記第2のステップは、ボクセルデータを特定する3次元直交座標を出力する第6のステップと、前記ボクセルデータを特定する3次元直交座標を前記設定された投影方向に変更し、かつ、前記収集座標系に変換する第7のステップと、を含み、前記第7のステップによる出力で前記記憶装置にアクセスしてボクセルデータを生成することを特徴とする請求項10に記載の画像処理方法。
【請求項15】
前記第7のステップでは、前記ボクセルデータを特定する3次元直交座標のうち1つの方向の座標を前記投影方向と平行になるように変更することを特徴とする請求項14に記載の画像処理方法。
【請求項16】
前記第6のステップでは、前記投影位置及び投影方向を基に、前記投影位置において投影方向に重なるボクセルデータを特定する3次元直交座標を前記投影方向に重なるボクセルデータの順に出力することを特徴とする請求項15に記載の画像処理方法。
【請求項17】
前記第3のステップでは、前記ボクセルデータから3次元超音波画像を生成するボリューム・レンダリング、前記投影方向上におけるボクセルデータの中からボクセル値が最大であるボクセルデータを投影して画像を生成する最大値投影処理、ボクセル値が最小であるボクセルデータを投影して画像を生成する最小値投影処理、又は、前記ボクセルデータを所定の切断平面で切断することによって切断面を生成し、前記切断平面に略直交する方向を投影方向として前記投影方向に沿って所定の厚みの範囲において前記切断面を加算平均してMPR画像を生成する処理のいずれかの処理を施して画像を生成することを特徴とする請求項10乃至請求項16のいずれかに記載の画像処理方法。
【請求項18】
前記超音波プローブは、機械的に移動させることにより3次元的に走査することが可能な1次元超音波プローブ、又は、圧電体が2次元的に配列された2次元超音波プローブのいずれかであることを特徴とする請求項10乃至請求項17のいずれかに記載の画像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2006−55506(P2006−55506A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−242522(P2004−242522)
【出願日】平成16年8月23日(2004.8.23)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】