説明

超音波診断装置

【課題】任意の時相について正確な超音波画像を表示させることを可能とする超音波診断装置を提供する。
【解決手段】超音波診断装置1は、超音波探触子3から送られる被検者の生体組織の超音波画像情報を記憶部15に保存する。追跡処理部25は指定された時相の前後の画像情報(フレーム)を記憶部15から読出して小領域画像(ROI)の移動量を算出する。中間仮想フレーム算出部27は指定時相の前後の画像情報に対して時間方向内分を行って、指定された時相に時相のそろった中間仮想フレームを算出する。中間表示フレーム算出部29は、算出された中間仮想フレームを基にして空間方向内分を行い、表示部17の画素位置に対応した輝度情報を有する中間表示フレームを算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検体の生体組織を撮像して表示する超音波診断装置に関する。詳細には、動きのある生体組織の超音波画像の表示及び計測を行う超音波診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波診断装置は、被検体の生体組織の断層像を撮像して表示装置に表示する。医療従事者は、表示された断層像を利用して、被検体の生体組織の診断を行う。例えば、心臓や血管の循環器系及びその他の動きのある臓器の場合、当該臓器を構成する生体組織の動きを断層像により観察して、臓器等の機能を診断することが行われている。
【0003】
超音波診断装置は、超音波の音速で超音波送受信時間の最小値が決まっている。通常、超音波ビームの繰り返し周波数(PRF:Pulse Repetition Frequency)は、例えば8kHzであり、超音波ビーム100本で構成する超音波断層像(Bモード像)のフレームレートは、80フレーム毎秒である。心臓の超音波画像では、高速に運動する組織、例えば僧帽弁の動きをとらえて研究や診断情報として用いると、時間分解能が不足して画像が劣化するという問題点があった。
【0004】
従来、時間分解能不足の問題点を、開口合成法で解決する方法がある。開口合成法は、送波ビームを絞らずに広い生体領域に照射し、受信ビームを送波ビーム内で走査することにより、一度の送受信で複数の受信ビームを作り出して超音波断層像を再構成する方法である。
【0005】
また、時相の異なる複数の超音波画像から、心臓などの生体組織の変位や歪みを表す運動情報画像を算出する超音波診断装置が提案されている(「特許文献1」参照)。
【0006】
【特許文献1】特開2003−175041号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、時間分解能不足の問題点を解決するための開口合成法による超音波断層像の再構成は、送受信信号がノイズに埋もれてしまうため信号の高速化には限界があった。
【0008】
また、開口合成法を用いても、心臓の超音波画像では画面の左端と右端、上端と下端ではそれぞれ超音波ビームの走査時間が異なるため表示される超音波画像の1フレーム内の画素に時相ずれが生じている。従って僧帽弁のような、高速運動する組織の形が歪んで表示されたり、心臓の左右の壁の厚みが異なって表示されたりするという問題点があった。
【0009】
また、「特許文献1」による超音波診断装置は、生体組織が運動した変位や歪みを複数の超音波画像のフレーム内の追跡点の移動を基にして算出するものである。表示する超音波画像の1フレーム内の画素の時相はずれており、時相ずれによって生じる組織の形の歪みや寸法等の表示は改善されないという問題点があった。
【0010】
本発明は、このような問題を鑑みてなされたもので、その目的とするところは、任意の時相について正確な超音波画像を表示させることを可能とする超音波診断装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述した目的を達成するための本発明は、被検体に超音波を送受信する超音波探触子と、前記超音波探触子から出力される超音波受信信号に基づいて超音波画像を構成する画像構成部と、前記構成された超音波画像が表示される表示装置と、を備える超音波診断装置において、前記被検体の各断面毎に前記超音波画像をフレーム情報として記憶装置に保持する保持手段と、前記表示装置に表示させる超音波画像の時相を指定する時相指定手段と、前記時相指定手段によって指定された指定時相の前後のフレーム情報を前記記憶装置から読み出すフレーム情報読出手段と、前記読み出された前記指定時相の前後のフレーム情報に基づいて、前記指定時相の超音波画像を示す中間フレーム情報を算出する中間フレーム算出手段と、前記算出された中間フレーム情報に基づいて前記指定時相の超音波画像を前記表示装置に表示する中間フレーム表示手段と、を具備することを特徴とする超音波診断装置である。
【0012】
フレーム情報は、超音波探触子から出力される超音波信号が被検体の断面を走査することにより得られる超音波画像情報である。フレーム情報は、画素毎に、位置情報と輝度情報と時間情報とを有する。尚、超音波画像は、超音波の音速で対象物を走査して得られるため、フレーム情報の各画素が有する時間情報の値は異なる(時相がそろっていない。)。
中間フレーム情報は、指定された時相の前後のフレーム情報を基にして、指定された時相において算出される位置情報と輝度情報である。従って、中間フレーム情報の各画素の時相はそろっている。
【0013】
本発明の超音波診断装置は、被検体の各断面毎に超音波画像をフレーム情報として保持し、表示装置に表示させる超音波画像の時相を指定すると、指定時相の前後のフレーム情報を読み出して当該前後のフレーム情報に基づいて、指定時相の超音波画像を示す中間フレーム情報を算出し、当該中間フレーム情報に基づいて指定時相の超音波画像を表示する。
【0014】
これにより、時相がそろった超音波画像を表示することができるので、形状や寸法情報が正確な超音波画像を得ることができる。また、正確な超音波画像を用いて医療従事者が診断を行うことにより、被検体の診断の信頼性を向上させることができる。
【0015】
また、超音波診断装置は、指定時相の前後のフレーム情報間における被検体の生体組織の移動を追跡する追跡手段を備える。中間フレーム算出手段は、追跡手段によって取得された移動量に基づいて、指定時相の前後のフレーム情報の位置情報及び輝度情報を時間方向について内分して中間フレーム情報における位置情報及び輝度情報を算出してもよい。
【0016】
追跡手段は、フレーム情報の所定の生体組織に注目領域(ROI:Region Of Interest)を指定し、前後のフレーム情報間における当該注目領域意の移動を追跡し、注目領域の移動量を算出する手段である。注目領域の追跡には、ブロックマッチング法等の画像相関処理を用いることができる。
前後のフレームを指定時相に合わせて時間方向内分することにより、中間フレーム情報の時相を指定の時相にそろえることができる。
【0017】
また、超音波診断装置の中間フレーム算出手段は、算出された中間フレーム情報の位置情報及び輝度情報を空間方向に内分して、中間フレーム情報における画素ラインの交点上の輝度情報を算出してもよい。
画素ラインの交点とは、表示装置の画素表示可能な座標位置である。例えば表示装置の、水平方向画素ラインと垂直方向画素ラインの交点を、画素ラインの交点とする。
指定時相にそろえた中間フレーム情報を、表示装置の画素ラインの交点に合わせて空間方向内分し、画素ラインの交点の輝度情報を算出して、表示装置に表示することができる。
【0018】
また、超音波診断装置の中間フレーム算出手段は、指定時相の前後のフレーム情報が含む計測情報に基づいて、中間フレーム情報における計測情報を算出してもよい。
これにより、計測情報を有する領域について、指定時相に時相がそろった正確な超音波画像及び計測情報を表示させることができる。
【0019】
また、超音波診断装置は、被検体の生体信号を取得して所定時相を検出し、検出された所定時相を表示装置に表示させる超音波画像の時相として指定してもよい。
これにより、時相の指定を自動的に行うことができる。また、生体信号等の有用な時相を検出し、当該時相における有用な超音波画像を正確に取得することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、任意の時相について正確な超音波画像を表示させることを可能とする超音波診断装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下添付図面を参照しながら、本発明に係る超音波診断装置の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0022】
(1.超音波診断装置1の構成)
最初に、図1を参照しながら、超音波診断装置1の構成について説明する。
図1は、超音波診断装置1の構成図である。
【0023】
超音波診断装置1は、被検体に超音波を送信して生体組織からの反射波を受信することにより診断部位の超音波画像を表示する装置である。超音波診断装置1は、超音波の送受信を行う超音波探触子3と、超音波探触子3への信号を送信する送信部5と、超音波探触子3が取得した信号を受信する受信部7と、超音波画像取得や計測等の処理を行う演算部9と、操作者が操作を行う操作部11と、時間情報を演算部9に提供するタイマ信号発生部13と、取得した超音波画像情報や被検者情報等を記憶する記憶部15と、取得した超音波画像情報を表示する表示部17等を備える。
【0024】
超音波探触子3は、電気信号を超音波に変換する超音波振動子を備える。超音波探触子3は、送信部5から送られる電気信号を超音波振動子で超音波に変換して被検体に送信する。また、超音波探触子3は、生体組織からの反射波を受信して超音波振動子で電気信号に変換し受信部7に送る。
送信部5は、超音波振動子を駆動するための電気信号を発生し、駆動する複数の超音波振動子に対して設定された遅延時間を与えて出力する装置である。
受信部7は、生体組織から反射した超音波が超音波振動子で変換された電気信号を受信し、増幅してデジタル化する装置である。
【0025】
演算部9は、CPU(Central Processing Unit)やメモリを備える。CPUは、記憶部15等に格納される制御プログラム(図示せず。)をメモリにロードして実行する。演算部9は、整相加算部19と、可視化部21と、フレーム保存部23と、追跡処理部25と、中間仮想フレーム算出部27と、中間表示フレーム算出部29等を備える。
【0026】
整相加算部19は、受信部7から送られるデジタル信号の位相をそろえて加算することにより、超音波受信ビームを形成する。
可視化部21は、整相加算部19が形成した超音波受信ビームの信号を画像化し超音波画像を構成する処理を行う。可視化部21は、超音波受信ビームの信号に対して検波、対数圧縮、γ補正の処理を行う。
【0027】
フレーム保存部23は、可視化部21が可視化した超音波受信ビーム信号の画像情報(フレーム)を、一時的に少なくとも2フレーム分を保存する。例えば最新のフレームとその直前に取得したフレーム、または最新のフレームから数フレームさかのぼったフレームなどを保存する。尚、超音波受信ビーム信号の1画面分の画像情報を1フレームとして説明する。フレーム保存部23は、フレームを記憶部15に保存するようにしてもよい。
追跡処理部25は、フレーム保存部23により保存された2フレームを呼び出し、時相が前であるフレームを所定の小領域の画像ブロックに分割し、それぞれの画像ブロックの別のフレームへの移動先を算出する。
【0028】
中間仮想フレーム算出部27は、フレーム保存部23に保存された2フレームと、追跡処理部25が算出した小領域の画像ブロックの移動先とを基にして、時間方向内分を行うことにより、時相のそろった中間仮想フレームを算出する。
中間表示フレーム算出部29は、中間仮想フレーム算出部27が算出した時相のそろった中間仮想フレームを基にして、表示部17に超音波画像を表示させるための中間表示フレームを再構成する。
操作部11は、超音波診断装置1に配置されているキーボード、マウス、トラックボール、タッチパネル等の入力機器である。操作者は、操作部11を操作して超音波装置1による超音波画像取得操作、計測操作の指示、情報の入力等を行う。
【0029】
タイマ信号発生部13は、時間情報を演算部9に供給する。タイマ信号発生部13は、時相のそろった再構成フレームを算出して表示するタイミングを発生する。
【0030】
記憶部15は、例えば、ハードディスクや汎用メモリやフレームメモリ等である。記憶部15は、取得した超音波画像情報(フレーム)、被検体情報、制御プログラム等を保存する。
【0031】
表示部17は、CRTや液晶表示装置等である。表示部17は、取得した超音波画像情報や、中間表示フレーム算出部29が算出した中間表示フレームや、計測情報、被検体情報等を表示する。
【0032】
(2.超音波画像の再構成処理)
次に、図2乃至図11を参照しながら、超音波画像の再構成処理について説明する。
(2−1.超音波画像の再構成処理の概要)
まず、図2及び図3を参照しながら、超音波画像の再構成処理の概要について説明する。
図2は、超音波画像の再構成の手順を示すフローチャートである。
図3は、超音波画像の再構成を示す図である。
【0033】
操作者は、被検者の検査を開始する際に、操作部11を操作して時相のそろった画像を表示させる旨の指示操作を行う。操作者が操作部11を操作し、被検者に超音波探触子3を当てて、生体組織の超音波画像の取得を指示すると、超音波診断装置1は、超音波画像の取得を開始する(ステップ1001)。
【0034】
超音波診断装置1の送信部5(図1)は、演算部9からの超音波画像の取得指示を得て超音波探触子3に送る。超音波探触子3は、送信部5から送られる電気信号を超音波に変換し被検体に超音波を駆出する。被検体の生体内に駆出された超音波は、生体内を伝播する過程で生体内の音響インピーダンスの異なる組織境界面でその一部を反射し、反射波が超音波探触子3へ戻ってくる。反射波は、生体内の浅い部分から深い部分へと送信された超音波が伝播していくのに応じて順次超音波探触子3へ戻る。超音波探触子3は、生体組織からの反射波を受信し、電気信号に変換して受信部7に送る。
【0035】
受信部7は、超音波探触子3から送られる電気信号を増幅しデジタル信号に変換して整相加算部19に送る。
整相加算部19は、受信部7から送られるデジタル信号の位相をそろえて加算し超音波受信ビーム信号を形成する。更に整相加算部19は、不要なノイズを低減する機能、及び必要な領域の信号を得るべくフィルタリング処理機能を備える。
【0036】
可視化部21は、整相加算部19が形成した超音波受信ビーム信号に検波、対数圧縮及びγ補正などの信号処理を行って画像化し、超音波画像を生成する。尚、1フレームは、超音波受信ビーム信号の1画面分の超音波画像であるので、1フレームを構成する各画素の時間情報には時相のずれがある。
【0037】
フレーム保存部23は、可視化部21が画像化した超音波画像の各フレームを記憶部15に保存する(ステップ1002)。或いはフレーム保存部23が、所定の複数のフレームを保存するようにしてもよい。
次に、操作者が、超音波画像の時相、例えば時相tを指定する(ステップ1003)。操作者は、操作部11の入力機器、例えばスライダ操作のようなGUI(Graphical User Interface)や機械的なダイヤルを操作して、時相tの入力を行ってもよい。また、時相tは、事前にプログラムされ、タイマ信号発生部13で生成されてもよい。
【0038】
追跡処理部25(図1)は、指定された時相tの前後のフレーム31及びフレーム33を記憶部15から読み出す(ステップ1004)。
【0039】
追跡処理部25の詳細な説明の前に、図3を参照しながら、指定された時相tにおける超音波画像の再構成について簡単に説明する。
図3は、超音波画像の再構成を示す図である。
図3は、指定時相(t)の前のフレーム31と後のフレーム33、フレーム31とフレーム33の時間方向内分を行って指定時相(t)で時相をそろえた中間仮想フレーム35、及び中間仮想フレーム35の空間方向内分を行って求める中間表示フレーム37を示す。座標軸「t」は、時相を示す。座標軸「θ」及び座標軸「r」は、後述するが、超音波ビームの走査位置を示す。また、「I」は「θ」、「r」、「t」をパラメータとする輝度情報である。
【0040】
指定された時相tの前のフレーム31は、時刻t0Sの時相を含み、フレーム31を構成する各画素の時相は異なる。例えば、フレーム31上のROI303の代表点である点300の時相はtである。
指定された時相tの後のフレーム33は、時刻t1Sの時相を含み、フレーム33を構成する各画素の時相は異なる。フレーム33上のROI304の代表点である点301の時相はtである。
【0041】
図2のフローチャートに戻り、追跡処理部25は、フレーム31を複数の小領域の注目領域(以下ROI)に分割し、例えばROI303の、フレーム33への移動位置を追跡する(ステップ1005)。ROI303の移動位置を求めるには、ブロックマッチング法等の画像相関処理を用いてもよい。
フレーム31におけるROI303の、フレーム33への移動位置であるROI304が追跡処理の結果として得られる。
【0042】
尚、追跡処理部25は、追跡処理の結果、相関が低いROIをノイズ等の不要像であると判断し、該当箇所の輝度情報を小さくしてもよい。この処理により、不要像に対する生体組織の表示のコントラストを高め、明瞭な超音波画像を得ることができる。
【0043】
次に中間仮想フレーム算出部27(図1)は、追跡処理部25によって算出されたフレーム31のROI303の、フレーム33への移動位置を基にして、指定された時相tについて、中間仮想フレーム35を算出する(ステップ1006)。中間仮想フレーム35は、フレーム31のROI303と、当該ROI303のフレーム33への移動位置であるROI304の位置情報及び輝度情報を、時相tにおける時間方向内分を行うことにより算出される。中間仮想フレーム35の算出の詳細については後述する。
【0044】
次に中間表示フレーム算出部29(図1)は、中間仮想フレーム算出部27によって算出された中間仮想フレーム35に基づいて、表示用のフレームである中間表示フレーム37を算出する(ステップ1007)。中間表示フレーム37は、中間仮想フレーム35を基にして表示部17に表示するための情報として算出される。中間表示フレーム37は、中間仮想フレーム35の画素に空間方向内分を行うことにより算出される。中間表示フレーム37の算出の詳細については後述する。
【0045】
超音波診断装置1は、中間表示フレーム37に基づいて、指定された時相tにおける超音波画像を表示部17に表示する(ステップ1008)。
【0046】
(2−2.時間方向内分)
次に、図4及び図5を参照しながら、セクタ像39の時間方向内分について説明する。但し、図5ではROIの追跡処理は行わず、同一位置情報の点を例に、時間方向内分を説明する。
【0047】
図4は、セクタ像39を示す図である。
図4は扇状の超音波走査によって得られるセクタ像39を示す。超音波探触子3から送出される超音波の走査ビーム41は、被検体の生体組織に対して走査ビーム角度(θ)43、走査ビーム深度(r)45で、例えば右端(走査開始点)から左端(走査終了点)へと、ビーム走査方向47に走査される。
【0048】
点49は、所定の走査ビーム角度(θ)及び所定の走査ビーム深度(r)の位置における走査情報を示す。点49は位置情報(θ、r)の他、時間情報(t)(図5)と輝度情報を有する。
【0049】
図5は、中間仮想フレーム35の算出を示す図である。
図5は、セクタ像39の所定の走査ビーム深度(r)45において、走査ビーム41が指示する点の時刻tと方位方向位置θとの関係を示す図である。走査ビーム41が右端(走査開始点)から左端(走査終了点)まで走査してフレーム31を取得し、次の走査ビーム41がフレーム33を取得する。走査ビーム41により取得された走査情報は、右端(走査開始点)から左端(走査終了点)へと走査するにつれ徐々に時相がずれてくる。
【0050】
例えばフレーム31の点49は、所定の方位方向位置(θ)にあり、点49の時相は時刻tである。次の走査ビーム41の走査によるフレーム33では、フレーム31の点49と同じ方位方向位置(θ)にある点50の時相は、時刻tである。
【0051】
所定の時刻tに時相のそろった中間仮想フレーム35を算出する際、例えば所定の方位方向位置(θ)において、時刻tの前後のフレームであるフレーム31及びフレーム33からそれぞれ点49及び点50を抽出する。点49から点50への輝度情報の値の変化と、時刻tと時刻tとの差を時刻tで内分した値を用いて、中間仮想フレーム35上の点51の輝度情報を算出する(時間方向内分)。フレーム31の全ての点(或いは領域)について、所定時相である時刻tの輝度情報を算出することにより、全ての画素について時相のそろった中間仮想フレーム35を算出することができる。
【0052】
尚、図5では、フレーム31及びフレーム33のそれぞれの点49及び点50は、同一の走査ビーム角度(θ)及び同一の走査ビーム深度(r)における点、即ち位置情報は同一であるものとして説明した。
【0053】
(2−3.中間仮想フレーム35の算出手順)
次に、図3及び図6を参照しながら、中間仮想フレーム35の算出手順(図2のステップ1006の詳細)について説明する。中間仮想フレーム35は、時相tに時相がそろったフレームであり、時相tの前後のフレームであるフレーム31及びフレーム33を基にして算出される。
【0054】
図6は、中間仮想フレーム35の算出手順を示すフローチャートである。
超音波診断装置1の追跡処理部25はステップ1005(図2)においてフレーム31におけるROI303の、フレーム33への移動位置であるROI304を追跡処理の結果として得る。
【0055】
中間仮想フレーム算出部27は、フレーム31においてROI303を代表する点300と、フレーム33においてROI304を代表する点301の、位置情報及び輝度情報をそれぞれ算出する。ROIを代表する点の位置情報はROIの中心座標として算出してもよい。また、ROIを代表する点の輝度情報は、ROIの平均輝度として算出してもよい。
【0056】
例えば図3において、ROI303を代表する点300の位置情報はROIの中心座標(θ,r)、輝度情報はROI303の平均輝度Iとして算出される。輝度Iは位置情報(θ,r)及び時間情報tに関連する値としてI(θ,r,t)と表される。同様にして、ROI304を代表する点301の位置情報はROIの中心座標(θ,r)、輝度情報はROI304の平均輝度Iとして算出される。輝度IはI(θ,r,t)と表される。
【0057】
中間仮想フレーム算出部27は、移動元の点300と移動先の点301とを結ぶ移動ベクトルを算出する(図6のステップ2001)。当該移動ベクトルの、時相tにおける点302が、中間仮想フレーム35を構成する点の1つとして算出される。点302の輝度情報をI(θ,r,t)とする。
【0058】
中間仮想フレーム算出部27は、当該移動ベクトルについて指定された時相tの時間方向内分比Aを算出する(ステップ2002)。
A=(t―t)/(t―t) ・・・・・・(1)
【0059】
次に中間仮想フレーム算出部27は、移動ベクトル及び時間方向内分比Aから、点302の位置情報を算出する(ステップ2003)。即ち、位置情報θ、rは以下のように算出される。
θ=θ+A×(θ―θ) ・・・・・・(2)
=r+A×(r―r) ・・・・・・(3)
【0060】
次に中間仮想フレーム算出部27は、移動ベクトル及び時間方向内分比Aから、点302の輝度情報を算出する(ステップ2004)。即ち、輝度情報Iは以下のように算出される。
=I+A×(I―I) ・・・・・・(4)
尚、輝度情報I及び輝度情報Iは、それぞれROI303及びROI304の平均輝度としたが、輝度情報I及び輝度情報Iを、それぞれROI303の中心座標(θ,r)の輝度及びROI304の中心座標(θ,r)の輝度としても良い。
【0061】
中間仮想フレーム算出部27は、フレーム31を分割した全ての小領域(ROI303)に関して、点302の位置情報と輝度情報の算出が終了するまで(ステップ2005のNO)、ステップ2001からの処理を繰り返す。
中間仮想フレーム算出部27は、フレーム31を分割した全ての小領域(ROI303)に関して、点302の位置情報と輝度情報が算出されると(ステップ2005のYES)、中間仮想フレーム35を得る(ステップ2006)。
【0062】
尚、フレーム31を分割した各小領域(ROI303)は、それぞれ時相がずれているので、各ROIの中心座標の時間情報tは異なる。また、同様に各ROI304の中心座標の時間情報tは異なる。従って、ステップ2002で算出される時間方向内分比Aは、ROI303ごとに異なる。
【0063】
(2−4.中間表示フレーム37の算出手順)
次に、図7乃至図9を参照しながら、中間表示フレーム37の算出手順(図2のステップ1007の詳細)について説明する。
中間表示フレーム算出部29(図1)は、中間仮想フレーム35として算出された画素(点302)の位置情報と輝度情報を基にして、表示部17に表示可能な中間表示フレーム37を算出する。即ち、中間表示フレーム算出部29は、表示部17である表示装置の水平方向画素ラインと垂直方向画素ラインの交点の輝度情報を算出する。
【0064】
図7は、中間表示フレーム37の算出手順を示すフローチャートである。
超音波診断装置1は、中間仮想フレーム算出部27によるステップ1006の処理により、中間仮想フレーム35を得る。中間仮想フレーム35は、時相tの前後のフレーム31及びフレーム33を基にして算出された、時相tに時相のそろったフレームである。
【0065】
図8は、中間仮想フレーム35を示す図である。
画素ライン57−1及び画素ライン57−2は、表示部17の表示装置の画素表示可能なライン位置を示し、表示装置の水平方向画素ラインと垂直方向画素ラインに相当する。図8では、走査ビーム角度(θ)を示す軸を画素ライン57−1、走査ビーム深度(r)を示す軸を画素ライン57−2とした。画素ライン57−1及び画素ライン57−2は直交していなくてもよい。また、画素ライン57−1及び画素ライン57−2は直線に限定されない。
【0066】
点51−1乃至点51−4等の点は、ステップ1006において算出された中間仮想フレーム35を構成する走査情報を示す点であり、それぞれ位置情報及び輝度情報を有する。
【0067】
図7のフローチャートに戻る。まず、中間表示フレーム算出部29は、画素ライン57−1及び画素ライン57−2の交点である点53を輝度情報算出点として選定する(ステップ3001)。尚、点53は位置情報(θ,r)である。
【0068】
次に中間表示フレーム算出部29は、点53の近傍領域55にある、点51−1乃至点51−4を抽出する。点51−1乃至点51−4の画素の輝度情報は、それぞれI(θ,r)、I(θ,r)、I(θ,r)、I(θ,r)とする。中間表示フレーム算出部29は、選定した点53の近傍の複数の点の位置情報を基にして空間内分比を求め、当該空間内分比と複数の点の輝度情報を用いて点53の輝度情報を算出する(ステップ3002、ステップ3003)。
【0069】
点53の輝度情報の算出方法の一例を具体的に説明する。
図9は、中間表示フレーム37の作成を示す図である。
図9(a)は、中間仮想フレーム35を示す。図9(a)の中間仮想フレーム35は、画素ライン57の全ての交点が輝度情報を持っているとは限らず、いずれかの輝度情報を画素ライン57の交点の輝度情報として代用した場合には画質が劣化する。図9(b)は中間表示フレーム37を示す。中間表示フレーム37の画素ライン57の交点の輝度情報は、中間仮想フレーム35を基にして算出される。中間表示フレーム37は、画素ライン57の交点における輝度情報を有するフレームである。
【0070】
図9(a)において、点51−1と点51−2を結んだ直線と軸θの交点を54−1、点51−2と点51−3を結んだ直線と軸rの交点を54−2、点51−3と点51−4を結んだ直線と軸θの交点を54−3、点51−4と点51−1を結んだ直線と軸rの交点を54−4とする。また、点54−1及び点54−3の画素輝度値をそれぞれI(θ,r)、I(θ,r)とする。
【0071】
点54−1の、点51−1と点51−2による空間方向内分比B1は、
B1=(θ―θ)/(θ―θ) ・・・・・・(5)
である。従って点54−1のr座標rは、以下のように算出される。
=r+B1×(r―r) ・・・・・・(6)
従って点54−1の輝度情報Iは、以下のように算出される。
=I+B1×(I―I) ・・・・・・(7)
【0072】
次に、点54−3の、点51−4と点51−3による空間方向内分比B2は、
B2=(θ―θ)/(θ―θ) ・・・・・・(8)
である。従って点54−3のr座標rは、以下のように算出される。
=r+B2×(r―r) ・・・・・・(9)
従って点54−3の輝度情報Iは、以下のように算出される。
=I+B2×(I―I) ・・・・・・(10)
【0073】
次に、点53の、点54−1と点54−3による空間方向内分比B3は、
B3=(r―r)/(r―r) ・・・・・・(11)
である。従って、点53の輝度情報Iは、以下のように算出される。
=I+B3×(I―I) ・・・・・・(12)
【0074】
このようにして、中間表示フレーム算出部29は、点51−1乃至点51−4の画素の輝度情報を用いて、画素ライン57の交点上の点53の輝度情報Iを算出する。
中間表示フレーム算出部29は、中間仮想フレーム35の画素ライン57の交点全てについて輝度情報の算出が終了するまで(ステップ3004のNO)、ステップ3001からの処理を繰り返す。
中間表示フレーム算出部29は、中間仮想フレーム35の画素ライン57の交点全てについて輝度情報が算出されると(ステップ3004のYES)、中間表示フレーム37(図9(b))を得る(ステップ3005)。
【0075】
尚、画素ライン57の交点上の点53の輝度情報Iの算出方法は、図9(a)の点54−2及び点54−4による空間方向内分比を利用する方法でもよい。また、交点上の点53の近傍の参照点の数は上述した4点に限定されない。
【0076】
以上説明したように、超音波診断装置1は、時相をそろえた画像を表示することができるので、心臓等の動きのある臓器の正確な超音波画像を表示させることができる。
【0077】
(2−5.超音波画像の表示)
図10及び図11は、心臓の心臓左室61の超音波画像を示す図である。
図10(a)に示すように、従来の超音波診断装置により取得された超音波画像59aでは、僧帽弁63aの動きが早いので僧帽弁63aの形状が歪んで表示される。一方、図10(b)に示すように、本発明の超音波診断装置1により取得された超音波画像59bでは、時相がそろった正確な僧帽弁63bの形状を表示することができる。
【0078】
図11(a)に示すように、従来の超音波診断装置により取得された超音波画像65aでは、心筋壁67が動いていると同時に走査ビーム41の左右位置では時相が異なるため、左右の心筋壁67−1及び心筋壁67−2の幅が正確に表示されない。一方、図11(b)に示すように、本発明の超音波診断装置1により取得された超音波画像65bでは、時相がそろった正確な心筋壁69−1及び心筋壁69−2の形状を表示することができる。
【0079】
本発明の超音波診断装置1は、任意の時相の超音波画像を再構成して表示することができる。また、本発明の超音波診断装置1は、任意の時相の超音波画像を表示させ、画像計測等を行うことができる。
尚、本発明の超音波診断装置1は、タイマ信号発生部13から演算部9にタイマ信号が送られるタイミングで時相を設定し、再構成画像の作成と表示を行うようにしてもよい。また、画像表示する時相を、事前に実行プログラムにプログラミングしてもよい。
【0080】
(3.他の実施形態)
次に図12を参照しながら、他の実施形態による超音波診断装置1bについて説明する。
図12は、超音波診断装置1bの構成図である。図12による超音波診断装置1bは、図1に示す超音波診断装置1の可視化部21を、計測値算出部71に置き換えた構成を有する。計測値算出部71は、カラー化ドップラ信号分布や、任意方向の輝度分布時間変化像、画像追跡等による心筋壁厚変化などを可視化する画像を出力するものである。
【0081】
このように、超音波診断装置1bでは、時相の異なる計測結果画像について、時相をそろえて計測結果画像を表示させることができる。従って、医療従事者は時相のそろった正確な計測結果画像を得ることができ、診断の信頼性を向上させることができる。
【0082】
次に図13を参照しながら、超音波診断装置1cについて説明する。
図13は、超音波診断装置1cの構成図である。図13による超音波診断装置1cは、図1に示す超音波診断装置1に、生体信号取得部73と再構成時相検出部75の構成を加えたものである。
【0083】
生体信号取得部73は、心電信号や心音信号などの生体信号を取得する生体信号取得装置である。再構成時相検出部75は、時相のそろった超音波画像を再構成するために、生体信号取得部73から得られる信号から、検査者に有用な時相を同定して演算部9に出力する装置である。
【0084】
このような構成にすることで、超音波診断装置1cは、生体から発せられる信号と同期させて超音波画像の時相をそろえて表示することができる。また、検査者が注目したい時相の画像を表示することができる。また、所定の時相区間の再構成動画を表示することができる。従って例えば、血液の逆流、弁開閉、不整脈などの心臓の動作に関する時相を限定して、病態を観察したい場合に有用な超音波画像を得ることができる。
【0085】
(4.その他)
本発明の超音波診断装置は、超音波の時間分解能の不足に起因する画像劣化を低減することができる。特に、動きのある心臓等の臓器の場合、時相のそろった正確な生体組織の超音波画像を表示させることができるので、医療従事者による医療診断の信頼性を向上させる効果がある。
また、任意の時相について時相のそろった超音波画像を表示させ、画像計測等を行うことができるので、信頼性のある正確な計測値を得ることができる。
【0086】
また、本発明の超音波診断装置は、ROIの追跡処理の結果、相関の低いROIをノイズと判断して輝度を下げ、超音波画像の表示コントラストを高めて、生体組織領域の視認性を向上させることができる。
【0087】
尚、本発明の超音波診断装置は、生体組織の静止画像だけではなく、時相のそろった動画像を表示させることができる。例えば、タイマ信号発生部13から一定周波数の信号を演算部9に提供することにより、タイマ信号毎に時相のそろった画像を再構成して動画像を表示させることができる。
尚、本発明の超音波診断装置は、2次元の超音波画像に限定せず、3次元超音波画像に適用することができる。
【0088】
尚、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に限られるものではない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】超音波診断装置1の構成図
【図2】超音波画像の再構成の手順を示すフローチャート
【図3】超音波画像の再構成を示す図
【図4】セクタ像39を示す図
【図5】中間仮想フレーム35の算出を示す図
【図6】中間仮想フレーム35の算出手順を示すフローチャート
【図7】中間表示フレーム37の作成を示すフローチャート
【図8】中間仮想フレーム35を示す図
【図9】中間表示フレーム37の作成を示す図
【図10】僧帽弁63の超音波画像を示す図
【図11】心筋壁67の超音波画像を示す図
【図12】超音波診断装置1bの構成図
【図13】超音波診断装置1cの構成図
【符号の説明】
【0090】
1、1b、1c………超音波診断装置
3………超音波探触子
5………送信部
7………受信部
9………演算部
11………操作部
13………タイマ信号発生部
15………記憶部
17………表示部
19………整相加算部
21………可視化部
23………フレーム保存部
25………追跡処理部
27………中間仮想フレーム算出部
29………中間表示フレーム算出部
31、33………フレーム
35………中間仮想フレーム
37………中間表示フレーム
39………セクタ像
41………走査ビーム
43………走査ビーム角度(θ)
45………走査ビーム深度(r)
47………ビーム走査方向
49、50、51、51−1〜51−4、53、54−1〜54−4、300、301、302………点
55………領域
57−1、57−2………画素ライン
59、65………超音波画像
61………心臓左室
63………僧帽弁
69−1、69−2………心筋壁
71………計測値算出部
73………再構成時相検出部
75………生体信号取得部
303、304………ROI

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体に超音波を送受信する超音波探触子と、前記超音波探触子から出力される超音波受信信号に基づいて超音波画像を構成する画像構成部と、前記構成された超音波画像が表示される表示装置と、を備える超音波診断装置において、
前記被検体の各断面毎に前記超音波画像をフレーム情報として記憶装置に保持する保持手段と、
前記表示装置に表示させる超音波画像の時相を指定する時相指定手段と、
前記時相指定手段によって指定された指定時相の前後のフレーム情報を前記記憶装置から読み出すフレーム情報読出手段と、
前記読み出された前記指定時相の前後のフレーム情報に基づいて、前記指定時相の超音波画像を示す中間フレーム情報を算出する中間フレーム算出手段と、
前記算出された中間フレーム情報に基づいて前記指定時相の超音波画像を前記表示装置に表示する中間フレーム表示手段と、
を具備することを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
前記指定時相の前後のフレーム情報間における前記被検体の生体組織の移動を追跡する追跡手段を具備し、
前記中間フレーム算出手段は、前記追跡手段によって取得された移動量に基づいて、前記指定時相の前後のフレーム情報の位置情報及び輝度情報を時間方向について内分して前記中間フレーム情報における位置情報及び輝度情報を算出することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項3】
前記中間フレーム算出手段は、前記算出された中間フレーム情報の位置情報及び輝度情報を空間方向について内分して前記中間フレーム情報における画素ラインの交点上の輝度情報を算出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波診断装置。
【請求項4】
前記中間フレーム算出手段は、前記指定時相の前後のフレーム情報が含む計測情報に基づいて、前記中間フレーム情報における計測情報を算出することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の超音波診断装置。
【請求項5】
前記被検体の生体信号を取得する生体信号取得手段と、
前記取得された生体信号から所定時相を検出する時相検出手段と、
を具備し、
前記時相指定手段は、前記検出された所定時相を前記表示装置に表示させる超音波画像の時相として指定することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載の超音波診断装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2008−289632(P2008−289632A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−137552(P2007−137552)
【出願日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(000153498)株式会社日立メディコ (1,613)
【Fターム(参考)】