説明

躯体内環境管理システム

【課題】簡易な構成で、建築物の躯体内における湿度を含む躯体内環境を良好にし得る躯体内環境管理システムを提供する。
【解決手段】躯体内環境管理システム1は、制御装置6の制御により、第1の換気部51および第2の換気部52、53の各連通口をそれぞれ開閉させ、躯体内の環境を管理するよう構成されている。すなわち、制御装置6は、温度センサ84により得られた住宅の外部の気温に基づいて季節を判別し、その判別された季節と、時刻取得手段64により得られた時刻に基づいて昼間と夜間とを判別し、その判別結果と、湿度センサ82により得られた住宅の外気の湿度と、湿度センサ83により得られた躯体内の湿度と、結露センサ81により得られた躯体内の結露の有無とに基づき、第1の換気部51および第2の換気部52、53の作動をそれぞれ制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、躯体内環境管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、建築物として、例えば、屋根の下方に形成される躯体内空間である小屋空間と、床の下方に形成される躯体内空間である床下空間とが、内壁空間(内壁空洞)を介して連通している住宅において、所定箇所にファン等の送気装置を設置し、その送気装置により、小屋空間、内壁空間および床下空間に空気を循環させるエアサイクル住宅が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、前記送気装置を用いないエアサイクル住宅も存在する。
【0003】
このようなエアサイクル住宅には、住宅の外部と躯体内とを連通する連通口を有し、この連通口を手動で開閉して躯体内を換気し得る換気部が設けられている。そして、夏は、換気部の連通口を開いて、換気を行い、一方、冬は、換気部の連通口を閉じて、冷たい外気が躯体内に流入しないようにしている。
【0004】
しかしながら、前記エアサイクル住宅では、単に、その住人が、季節に応じて、換気部の連通口を開閉するだけの管理、すなわち、夏は、換気部の連通口を開き、冬は、換気部の連通口を閉じるだけの管理しか行っていない。このため、湿気対策が不十分であり、湿気による害が生じることがあった。
【0005】
【特許文献1】特開平10−132301号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、簡易な構成で、建築物の躯体内における湿度を含む躯体内環境を良好にし得る躯体内環境管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的は、下記(1)〜(23)の本発明により達成される。
(1) 建築物の躯体内の環境を管理する躯体内環境管理システムであって、
前記建築物の外部と前記躯体内とを連通する少なくとも1つの連通口を有し、該連通口を開閉し、前記躯体内を換気する換気状態と前記躯体内を換気しない非換気状態とに切り換わる換気手段と、
季節を判別する季節判別手段と、
昼間と夜間とを判別する昼/夜判別手段と、
前記建築物の外気の湿度の情報を取得する外気湿度取得手段と、
前記躯体内の湿度の情報を取得する躯体内湿度取得手段と、
前記季節判別手段により判別された季節と、前記昼/夜判別手段による判別結果と、前記外気湿度取得手段により得られた前記建築物の外気の湿度と、前記躯体内湿度取得手段により得られた前記躯体内の湿度とに基づいて、前記換気手段の作動を制御する換気制御手段とを備えることを特徴とする躯体内環境管理システム。
【0008】
(2) 前記外気湿度取得手段は、通信回線を介して、気象情報から前記建築物の外気の湿度の情報を取得するよう構成されている上記(1)に記載の躯体内環境管理システム。
【0009】
(3) 前記建築物の外部の気温の情報を取得する外気温取得手段を有し、
前記季節判別手段は、前記外気温取得手段により得られた前記建築物の外部の気温に基づいて季節を判別するよう構成されている上記(1)または(2)に記載の躯体内環境管理システム。
【0010】
(4) 前記季節判別手段は、前記建築物の外部の複数日の平均気温に基づいて季節を判別するよう構成されている上記(3)に記載の躯体内環境管理システム。
【0011】
(5) 前記外気温取得手段は、通信回線を介して、気象情報から前記建築物の外部の気温の情報を取得するよう構成されている上記(3)または(4)に記載の躯体内環境管理システム。
【0012】
(6) 月日の情報を取得するカレンダー手段を有し、
前記季節判別手段は、前記カレンダー手段により得られた月日に基づいて季節を判別するよう構成されている上記(1)または(2)に記載の躯体内環境管理システム。
【0013】
(7) 時刻の情報を取得する時刻取得手段を有し、
前記昼/夜判別手段は、前記時刻取得手段により得られた時刻に基づいて昼間と夜間とを判別するよう構成されている上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の躯体内環境管理システム。
【0014】
(8) 前記建築物の外部の光量の情報を取得する光量取得手段を有し、
前記昼/夜判別手段は、前記光量取得手段により得られた前記建築物の外部の光量に基づいて昼間と夜間とを判別するよう構成されている上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の躯体内環境管理システム。
【0015】
(9) 前記建築物の外部の日射量の情報を取得する日射量取得手段を有し、
前記昼/夜判別手段は、前記日射量取得手段により得られた前記建築物の外部の日射量に基づいて昼間と夜間とを判別するよう構成されている上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の躯体内環境管理システム。
【0016】
(10) 前記季節判別手段は、少なくとも夏と冬とを判別するよう構成されており、
前記季節判別手段により夏と判別され、前記昼/夜判別手段により昼間と判別された場合は、前記換気手段の作動モードを夏昼モードに設定し、
前記季節判別手段により夏と判別され、前記昼/夜判別手段により夜間と判別された場合は、前記換気手段の作動モードを夏夜モードに設定し、
前記季節判別手段により冬と判別され、前記昼/夜判別手段により昼間と判別された場合は、前記換気手段の作動モードを冬昼モードに設定し、
前記季節判別手段により冬と判別され、前記昼/夜判別手段により夜間と判別された場合は、前記換気手段の作動モードを冬夜モードに設定するモード設定手段を有する上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の躯体内環境管理システム。
【0017】
(11) 前記換気手段は、前記建築物の外部と前記躯体内とを連通する第1の連通口を有し、該第1の連通口を開閉して前記躯体内を換気する第1の換気部と、
前記第1の換気部より下方の位置に設けられ、前記建築物の外部と前記躯体内とを連通する第2の連通口を有し、該第2の連通口を開閉して前記躯体内を換気する第2の換気部とを備える上記(10)に記載の躯体内環境管理システム。
【0018】
(12) 前記躯体の内部には、小屋空間および床下空間が形成されており、
前記第1の連通口は、前記建築物の外部と前記小屋空間とを連通し、前記第2の連通口は、前記建築物の外部と前記床下空間とを連通する上記(11)に記載の躯体内環境管理システム。
【0019】
(13) 前記夏昼モードおよび前記夏夜モードにおける前記換気状態は、前記第1の連通口および前記第2の連通口を開いた状態、前記非換気状態は、前記第1の連通口および前記第2の連通口を閉じた状態であり、
前記冬昼モードおよび前記冬夜モードにおける前記換気状態は、前記第1の連通口と前記第2の連通口とのうちの一方を開き、他方を閉じた状態、前記非換気状態は、前記第1の連通口および前記第2の連通口を閉じた状態である上記(11)または(12)に記載の躯体内環境管理システム。
【0020】
(14) 前記建築物の外気の湿度をφ、前記躯体内の湿度をφとしたとき、
前記換気制御手段は、前記夏昼モードにおいては、φ≦a・φ(但し、a≧1.05)の場合は、前記換気手段を前記非換気状態にし、
φ>a・φ(但し、a≧1.05)の場合は、前記換気手段を前記換気状態にするよう構成されている上記(10)ないし(13)のいずれかに記載の躯体内環境管理システム。
【0021】
(15) 前記建築物の外気の湿度をφ、前記躯体内の湿度をφとしたとき、
前記換気制御手段は、前記夏夜モードにおいては、φ<b・φ(但し、b≧1.05)の場合は、前記換気手段を前記非換気状態にし、
φ≧b・φ(但し、b≧1.05)の場合は、前記換気手段を前記換気状態にするよう構成されている上記(10)ないし(14)のいずれかに記載の躯体内環境管理システム。
【0022】
(16) 前記建築物の外気の湿度をφ、前記躯体内の湿度をφとしたとき、
前記換気制御手段は、前記冬昼モードにおいては、c・φ<φ(但し、c≧1.05)の場合は、前記換気手段を前記非換気状態にし、
c・φ≧φ(但し、c≧1.05)の場合は、前記換気手段を前記換気状態にするよう構成されている上記(10)ないし(15)のいずれかに記載の躯体内環境管理システム。
【0023】
(17) 前記建築物の外気の湿度をφ、前記躯体内の湿度をφとしたとき、
前記換気制御手段は、前記冬夜モードにおいては、d・φ≦φ(但し、d≧1.05)の場合は、前記換気手段を前記非換気状態にし、
d・φ>φ(但し、d≧1.05)の場合は、前記換気手段を前記換気状態にするよう構成されている上記(10)ないし(16)のいずれかに記載の躯体内環境管理システム。
【0024】
(18) 前記建築物の外部の気温の情報を取得する外気温取得手段と、
前記躯体内の気温の情報を取得する躯体内気温取得手段とを有し、
前記建築物の外部の気温をT、前記躯体内の気温をT、前記建築物の外気の湿度をφ、前記躯体内の湿度をφとしたとき、
前記換気制御手段は、前記夏昼モードにおいては、φ≦a・φ(但し、a≧1.05)、T>e・T(但し、eは係数)の場合は、前記換気手段を前記換気状態にし、
φ≦a・φ(但し、a≧1.05)、T≦e・T(但し、e≧1.05)の場合は、前記換気手段を前記非換気状態にし、
φ>a・φ(但し、a≧1.05)、f・T>T(但し、f≧1.05)の場合は、前記換気手段を前記換気状態にし、
φ>a・φ(但し、a≧1.05)、f・T≦T(但し、f≧1.05)の場合は、前記換気手段を前記非換気状態にするよう構成されている上記(10)ないし(13)のいずれかに記載の躯体内環境管理システム。
【0025】
(19) 前記建築物の外部の気温の情報を取得する外気温取得手段と、
前記躯体内の気温の情報を取得する躯体内気温取得手段とを有し、
前記建築物の外部の気温をT、前記躯体内の気温をT、前記建築物の外気の湿度をφ、前記躯体内の湿度をφとしたとき、
前記換気制御手段は、前記夏夜モードにおいては、φ<b・φ(但し、b≧1.05)、T≧g・T(但し、gは係数)の場合は、前記換気手段を前記換気状態にし、
φ<b・φ(但し、b≧1.05)、T<g・T(但し、g≧1.05)の場合は、前記換気手段を前記非換気状態にし、
φ≧b・φ(但し、b≧1.05)、h・T≧T(但し、h≧1.05)の場合は、前記換気手段を前記換気状態にし、
φ≧b・φ(但し、b≧1.05)、h・T<T(但し、h≧1.05)の場合は、前記換気手段を前記非換気状態にするよう構成されている上記(10)ないし(13)、(18)のいずれかに記載の躯体内環境管理システム。
【0026】
(20) 前記建築物の外部の気温の情報を取得する外気温取得手段と、
前記躯体内の気温の情報を取得する躯体内気温取得手段とを有し、
前記建築物の外部の気温をT、前記躯体内の気温をT、前記建築物の外気の湿度をφ、前記躯体内の湿度をφとしたとき、
前記換気制御手段は、前記冬昼モードにおいては、c・φ≧φ(但し、c≧1.05)、T>i・T(但し、i≧1.05)の場合は、前記換気手段を前記非換気状態にし、
c・φ≧φ(但し、c≧1.05)、T≦i・T(但し、i≧1.05)の場合は、前記換気手段を前記換気状態にし、
c・φ<φ(但し、c≧1.05)、j・T>T(但し、j≧1.05)の場合は、前記換気手段を前記非換気状態にし、
c・φ<φ(但し、c≧1.05)、j・T≦T(但し、j≧1.05)の場合は、前記換気手段を前記換気状態にするよう構成されている上記(10)ないし(13)、(18)、(19)のいずれかに記載の躯体内環境管理システム。
【0027】
(21) 前記建築物の外部の気温の情報を取得する外気温取得手段と、
前記躯体内の気温の情報を取得する躯体内気温取得手段とを有し、
前記建築物の外部の気温をT、前記躯体内の気温をT、前記建築物の外気の湿度をφ、前記躯体内の湿度をφとしたとき、
前記換気制御手段は、前記冬夜モードにおいては、d・φ>φ(但し、d≧1.05)、T≧k・T(但し、k≧1.05)の場合は、前記換気手段を前記非換気状態にし、
d・φ>φ(但し、d≧1.05)、T<k・T(但し、k≧1.05)の場合は、前記換気手段を前記換気状態にし、
d・φ≦φ(但し、d≧1.05)、p・T≧T(但し、p≧1.05)の場合は、前記換気手段を前記非換気状態にし、
d・φ≦φ(但し、d≧1.05)、p・T<T(但し、p≧1.05)の場合は、前記換気手段を前記換気状態にするよう構成されている上記(10)ないし(13)、(18)ないし(20)のいずれかに記載の躯体内環境管理システム。
【0028】
(22) 前記外気温取得手段は、通信回線を介して、気象情報から前記建築物の外部の気温の情報を取得するよう構成されている上記(18)ないし(21)のいずれかに記載の躯体内環境管理システム。
【0029】
(23) 前記躯体内の結露を検出する結露検出手段を有し、
前記換気制御手段は、前記結露検出手段により前記躯体内の結露が検知された場合は、他の条件にかかわらず、前記換気手段を前記換気状態にするよう構成されている上記(1)ないし(22)のいずれかに記載の躯体内環境管理システム。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、本発明によれば、季節と、昼間/夜間と、建築物の外気の湿度と、建築物の躯体内(躯体内空間)の湿度とに基づいて、換気手段の作動(駆動)が制御され、換気状態と非換気状態とに切り換わるよう構成されているので、季節および、昼間/夜間(建築物の外部の気温の高低の程度等)に応じて、躯体内における湿度を含む躯体内環境の管理を容易かつ確実に行うことができ、これにより、特に、湿気による害を防止することができる。すなわち、躯体内における湿度を含む躯体内環境を良好にすることができ、これにより、建築物を快適に利用することができ、また、建築物の耐久性を向上させることができる。
また、構成も簡易である。
【0031】
また、季節判別手段により、少なくとも夏と冬とを判別し、昼/夜判別手段により、昼間と夜間とを判別し、その結果に基づいて、換気手段の作動モードを、夏昼モードと、夏夜モードと、冬昼モードと、冬夜モードとのうちのいずれかに設定するよう構成されている場合は、夏の昼間、夏の夜間、冬の昼間および冬の夜間(建築物の外部の気温の高低の程度等)に応じて、それぞれ、最適な管理を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の躯体内環境管理システムを添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0033】
<第1実施形態>
図1は、本発明の躯体内環境管理システムの第1実施形態が適用された建築物としての住宅の概略構造を示す断面図、図2は、図1に示す躯体内環境管理システムのブロック図、図3は、図1に示す躯体内環境管理システムの制御装置の制御動作を示すフローチャート、図4は、モード設定処理(サブルーチン)を示すフローチャートである。
【0034】
なお、説明の都合上、図1において、上側を「上」、下側を「下」、左側を「左」、右側を「右」として説明する。
【0035】
図1に示すように、住宅(建築物)10は、2階建てであり、室31、32および33、図示しない玄関、図示しない廊下等を画成する躯体20を有している。なお、室31〜33は、それぞれ、居間や寝室に限らず、この他、例えば、キッチン、浴室、トイレ等、種々の居住空間であってよい。
【0036】
躯体20は、屋根部(屋根)21と、外壁部22と、屋根部21および外壁部22の内面に積層された断熱材23と、基台部24と、室31を画成する内壁部251、天井252および床253と、室32を画成する内壁部261、天井262および床263と、室33を画成する内壁部271、天井272および床273とを有している。また、躯体20の内部には、躯体内空間40が形成されている。
【0037】
この躯体内空間40は、小屋空間41、床下空間42、ふところ空間43、および内壁空間(内壁空洞)44、45、46で構成されている。すなわち、躯体内空間40は、小屋空間41、床下空間42、ふところ空間43、および内壁空間44、45、46が連通して形成される一続きの空間(連通空間)である。
【0038】
小屋空間41は、屋根の下方に形成される空間、すなわち、屋根部21と、室31の天井252の上部および室33の天井272の上部との間に形成される空間である。
【0039】
また、床下空間42は、基台部24と、室32の床263の下部および室33の床273の下部との間に形成される空間である。
【0040】
また、ふところ空間43は、隣接する上下の階の間(本実施形態では、1階と2階の間)に形成される空間、すなわち、室31の床253の下部と室32の天井262の上部との間に形成される空間である。
【0041】
また、内壁空間(内壁空洞)44は、外壁部(側壁)22と、内壁部251、261との間に上下方向に沿って形成される空間、また、内壁空間45は、内壁部251、261と、内壁部271との間に上下方向に沿って形成される空間、また、内壁空間46は、外壁部22と、内壁部271との間に上下方向に沿って形成される空間である。
【0042】
この住宅10には、躯体20内の環境を管理する躯体内環境管理システム1が設けられている。
【0043】
躯体内環境管理システム1は、住宅10の外部と躯体20内(躯体内空間40)とを連通する少なくとも1つの連通口(連通部)を有し、その連通口を開閉し、躯体20内を換気する換気状態と躯体20内を換気しない非換気状態とに切り換わる換気手段として、第1の換気部51と、2つの第2の換気部52、53とを備えている。
【0044】
第1の換気部51は、屋根部21の右側の頂上部(中央部)に形成され、住宅10の外部と小屋空間41とを連通する第1の連通口(第1の連通部)511と、第1の連通口511を開閉する図示しない第1のシャッタ(第1の開閉部)と、第1のシャッタを駆動する図示しない第1の駆動機構とで構成されている。この第1の換気部51は、第1の駆動機構により第1のシャッタを駆動し、第1の連通口511を開閉して、躯体20内を換気するようになっている。
【0045】
なお、第1の換気部51の位置は、前記の位置には限定されず、例えば、上方(比較的高い位置)のいずれの箇所であってもよい。
【0046】
また、一方の第2の換気部52は、左側の外壁部22の下部に形成され、住宅10の外部と床下空間42とを連通する第2の連通口(第2の連通部)521と、第2の連通口521を開閉する図示しない第2のシャッタ(第2の開閉部)と、第2のシャッタを駆動する図示しない第2の駆動機構とで構成されている。この第2の換気部52は、第2の駆動機構により第2のシャッタを駆動し、第2の連通口521を開閉して、躯体20内を換気するようになっている。
【0047】
また、他方の第2の換気部53は、右側の外壁部22の下部に形成され、住宅10の外部と床下空間42とを連通する第2の連通口(第2の連通部)531と、第2の連通口531を開閉する図示しない第2のシャッタ(第2の開閉部)と、第2のシャッタを駆動する図示しない第2の駆動機構とで構成されている。この第2の換気部53は、第2の駆動機構により第2のシャッタを駆動し、第2の連通口531を開閉して、躯体20内を換気するようになっている。
【0048】
なお、各換気部51〜53には、それぞれ、例えば、ファン等の送気装置が設けられていてもよい。
【0049】
また、躯体内環境管理システム1は、躯体20内の結露を検出する結露センサ(結露検出手段)81と、住宅10の外気の湿度の情報を取得する外気湿度取得手段として、湿度センサ82と、躯体20内の湿度の情報を取得する躯体内湿度取得手段として、湿度センサ83と、住宅10の外部の気温(温度)の情報を取得する外気温取得手段として、温度センサ84とを有している。湿度としては、相対湿度と絶対湿度とのいずれを用いてもよい。
【0050】
結露センサ81は、躯体20内で、湿度が比較的高く、結露し易い箇所に設置されるのが好ましく、本実施形態では、小屋空間41の上方に位置するように設置されている。
【0051】
なお、結露センサ81の位置は、前記の位置には限定されず、例えば、床下空間42等の下方の箇所であってもよい。
【0052】
また、湿度センサ83は、躯体20内で、湿度が比較的高い箇所に設置されるのが好ましく、本実施形態では、小屋空間41の上方に位置するように設置されている。
【0053】
また、図2に示すように、躯体内環境管理システム1は、住宅10内の所定箇所に設置された制御装置(制御手段)6と、各種の情報を表示(報知)する表示部(報知手段)71と、入力等の各操作を行う操作部(入力手段)72とを有している。
【0054】
制御装置6は、例えば、マイクロコンピュータやパーソナルコンピュータ等で構成され、CPU(制御手段)61およびメモリ(記憶手段)62等を有している。メモリ62には、各種の情報、データ、プログラム等が記憶(記録)されている。また、メモリ62における書き込み(記憶)、書き換え、消去、読み出し等の制御は、CPU61によりなされる。
【0055】
また、制御装置6は、時刻(時間)の情報を取得する時刻取得手段64を有している。時刻取得手段64としては、例えば、時計、通信回線(例えば、インターネット等のネットワーク)を介して時刻の情報を取得するもの等が挙げられる。
【0056】
この制御装置6は、例えば、各換気部51〜53および表示部71等、躯体内環境管理システム1全体の作動(駆動)を制御する。なお、制御装置6により、季節を判別する季節判別手段と、昼間(昼)と夜間(夜)とを判別する昼/夜判別手段と、各換気部51〜53(換気手段)の作動を制御する換気制御手段と、モード設定手段との主機能が、それぞれ達成(構成)される。
【0057】
また、制御装置6には、結露センサ81、湿度センサ82、83、温度センサ84および操作部71からの信号(情報)が、それぞれ、随時入力される。
【0058】
表示部71としては、例えば、液晶パネルを備えた液晶表示装置、ELパネルを備えたEL表示装置、CRT等、電子画像を表示する各種ディスプレイ等を用いることができる。
【0059】
なお、表示部71と操作部72とは、別々に設けられていてもよく、また、例えば、タッチパネル等を用いることで、そのタッチパネルが表示部71と操作部72とを兼ねるようになっていてもよい。
【0060】
この躯体内環境管理システム1は、制御装置6の制御により、各換気部51〜53(換気手段)の各連通口511〜531をそれぞれ開閉させ、躯体20内の環境を管理するよう構成されている。すなわち、制御装置6は、季節を判別し、その判別された季節と、昼間と夜間とを判別し、その判別結果と、湿度センサ82により得られた住宅10の外気の湿度(湿度センサ82の検出結果)と、湿度センサ83により得られた躯体20内の湿度(湿度センサ83の検出結果)と、結露センサ81により得られた躯体20内の結露の有無(結露センサ81の検出結果)とに基づき、各換気部51〜53の作動をそれぞれ制御する。
【0061】
また、本実施形態では、制御装置6は、夏と冬とを判別(季節が夏と冬とのいずれであるかを判別)するとともに、昼間と夜間とを判別(昼間と夜間とのいずれであるかを判別)し、その結果、「夏」、「昼間」と判別した場合は、換気部51〜53(換気手段)の作動モードを夏昼モードに設定し、また、「夏」、「夜間」と判別した場合は、換気部51〜53(換気手段)の作動モードを夏夜モードに設定し、また、「冬」、「昼間」と判別した場合は、換気部51〜53(換気手段)の作動モードを冬昼モードに設定し、また、「冬」、「夜間」と判別した場合は、換気部51〜53(換気手段)の作動モードを冬夜モードに設定するように構成されている。
【0062】
また、本実施形態では、制御装置6は、温度センサ84により得られた住宅10の外部の気温(温度センサ84の検出結果)に基づいて、季節を判別するように構成されている。
【0063】
ここで、前記制御装置6が夏と冬とを判別する方法は、特に限定されず、例えば、下記(1)〜(4)の方法が挙げられる。
【0064】
(方法1)
常時、または、所定の時間間隔で、季節を判別する。すなわち、常時、または、所定の時間間隔で、住宅10の外部の気温を取得し、その外部の気温と、しきい値Tとを比較し、外部の気温がしきい値Tより大きい場合は、夏と判別し、外部の気温がしきい値T以下の場合は、冬と判別する。
【0065】
前記しきい値Tは、特に限定されず、操作部72を操作して任意の値に設定し得るようになっているが、20〜25℃程度の範囲内で設定されるのが好ましい。これは、後述する方法2〜4でも同様である。
【0066】
(方法2)
1日のうちの所定の(決まった)時刻(時間)に、季節を判別する。すなわち、1日のうちの所定の時刻に、住宅10の外部の気温を取得し、その外部の気温と、しきい値Tとを比較し、外部の気温がしきい値Tより大きい場合は、夏と判別し、外部の気温がしきい値T以下の場合は、冬と判別する。
【0067】
(方法3)
住宅10の外部の1日の平均気温に基づいて季節を判別する。すなわち、例えば、前日の住宅10の外部の平均気温を求め、その外部の平均気温と、しきい値Tとを比較し、外部の平均気温がしきい値Tより大きい場合は、夏と判別し、外部の平均気温がしきい値T以下の場合は、冬と判別する。
【0068】
(方法4)
住宅10の外部の複数日の平均気温に基づいて季節を判別する。すなわち、例えば、前日からそれ以前の複数日の住宅10の外部の平均気温を求め、その外部の平均気温と、しきい値Tとを比較し、外部の平均気温がしきい値Tより大きい場合は、夏と判別し、外部の平均気温がしきい値T以下の場合は、冬と判別する。
【0069】
なお、前記の各方法は、季節が実際に夏かまたは冬かを判別しているわけではないが、本発明では、季節が実際に夏かまたは冬かを判別するようになっていてもよい。
【0070】
また、本実施形態では、制御装置6は、時刻取得手段64により得られた時刻(時間)に基づいて、昼間と夜間とを判別するように構成されている。
【0071】
ここで、前記制御装置6が昼間と夜間とを判別する方法は、特に限定されず、例えば、下記の方法が挙げられる。
【0072】
まず、予め、1日を、昼間の時間帯(時刻)と、夜間の時間帯(時刻)とに分けておく。そして、現在の時刻を取得し、その時刻が、昼間の時間帯に含まれる場合は、昼間と判別し、夜間の時間帯に含まれる場合は、夜間と判別する。
【0073】
前記昼間の時間帯と夜間の時間帯との分け方、すなわち、昼間の時間帯および夜間の時間帯は、それぞれ、特に限定されず、操作部72を操作して任意の値に設定し得るようになっているが、昼間の時間帯の始期(開始時刻)は、6〜12時程度に設定されるのが好ましく、また、昼間の時間帯の終期(終了時刻)は、14〜20時程度に設定されるのが好ましい。この場合の夜間の時間帯は、1日から前記昼間の時間帯を除いた時間帯である。
【0074】
また、住宅10の外気の湿度をφ、躯体20内の湿度をφとしたとき、制御装置6は、夏昼モード、夏夜モード、冬昼モードおよび冬夜モードにおいて、それぞれ、各換気部51〜53の作動を下記のように制御するよう構成されている。
【0075】
<夏昼モード>
夏昼モードにおいては、φ≦a・φの場合は、換気部51〜53(換気手段)を非換気状態にし、φ>a・φの場合は、換気部51〜53(換気手段)を換気状態にする。
【0076】
前記「a」は、係数であり、a≧1.05であるのが好ましく、a≧1.2であるのがより好ましく、1.6≧a≧1.2であるのがさらに好ましく、1.4≧a≧1.2であるのが特に好ましい。
【0077】
<夏夜モード>
夏夜モードにおいては、φ<b・φの場合は、換気部51〜53(換気手段)を非換気状態にし、φ≧b・φの場合は、換気部51〜53(換気手段)を換気状態にする。
【0078】
前記「b」は、係数であり、b≧1.05であるのが好ましく、b≧1.2であるのがより好ましく、1.6≧b≧1.2であるのがさらに好ましく、1.4≧b≧1.2であるのが特に好ましい。
【0079】
<冬昼モード>
冬昼モードにおいては、c・φ<φの場合は、換気部51〜53(換気手段)を非換気状態にし、c・φ≧φの場合は、換気部51〜53(換気手段)を換気状態にする。
【0080】
前記「c」は、係数であり、c≧1.05であるのが好ましく、c≧1.2であるのがより好ましく、1.6≧c≧1.2であるのがさらに好ましく、1.4≧c≧1.2であるのが特に好ましい。
【0081】
<冬夜モード>
冬夜モードにおいては、d・φ≦φの場合は、換気部51〜53(換気手段)を非換気状態にし、d・φ>φの場合は、換気部51〜53(換気手段)を換気状態にする。
【0082】
前記「d」は、係数であり、d≧1.05であるのが好ましく、d≧1.2であるのがより好ましく、1.6≧d≧1.2であるのがさらに好ましく、1.4≧d≧1.2であるのが特に好ましい。
【0083】
また、本実施形態では、夏昼モードおよび夏夜モードにおける換気状態は、第1の連通口511および第2の連通口521、531を開いた状態であり、非換気状態は、第1の連通口511および第2の連通口521、531を閉じた状態である。
【0084】
また、冬昼モードおよび冬夜モードにおける換気状態は、第1の連通口511を開き、第2の連通口521、531を閉じた状態、または、第1の連通口511を閉じ、第2の連通口521、531を開いた状態であるが、このうちでは、前者の第1の連通口511を開き、第2の連通口521、531を閉じた状態が好ましい。
【0085】
また、冬昼モードおよび冬夜モードにおける非換気状態は、第1の連通口511および第2の連通口521、531を閉じた状態である。
【0086】
なお、夏昼モード、夏夜モード、冬昼モードおよび冬夜モードにおける換気状態および非換気状態は、それぞれ、前記以外の状態であてもよいことは言うまでもない。
【0087】
次に、図3および図4に示すフローチャートに基づいて、躯体内環境管理システム1の作用(動作)を説明する。
【0088】
住宅10の居住者等の使用者が制御装置6の操作部72の電源スイッチをオンすると、躯体内環境管理システム1が作動し、図3に示すように、その制御装置6は、まず、換気部51〜53(換気手段)の作動モードを設定するモード設定処理を行う(ステップS101)。
【0089】
ステップS101のモード設定処理では、図4に示すように、住宅10の外部の気温が、しきい値Tより大きいか否かを判断し(ステップS401)、外部の気温がしきい値Tより大きいと判断した場合は、時刻が昼間の時間帯か否かを判断し(ステップS402)、時刻が昼間の時間帯と判断した場合は、夏昼モードに設定し(ステップS404)、時刻が昼間の時間帯ではないと判断した場合、すなわち、時刻が夜間の時間帯と判断した場合は、夏夜モードに設定する(ステップS405)。
【0090】
また、ステップS401において外部の気温がしきい値T以下と判断した場合は、時刻が昼間の時間帯か否かを判断し(ステップS403)、時刻が昼間の時間帯と判断した場合は、冬昼モードに設定し(ステップS406)、時刻が昼間の時間帯ではないと判断した場合、すなわち、時刻が夜間の時間帯と判断した場合は、冬夜モードに設定する(ステップS407)。なお、前記夏と冬とを判別する方法、前記昼間と夜間とを判別する方法は、それぞれ、前述した通りである。
【0091】
次いで、図3に示すように、夏昼モードに設定されているか否かを判断し(ステップS102)、夏昼モードに設定されていると判断した場合(ステップS102で「YES」)は、結露センサ81により躯体20内の結露が検知されたか否かを判断する(ステップS103)。
【0092】
ステップS103において結露が検知されたと判断した場合は、他の条件にかかわらず、換気部51〜53(換気手段)を換気状態にする。すなわち、第1の連通口511および第2の連通口521、531を開いた状態にし(ステップS105)、ステップS101に戻り、再度、ステップS101以降を実行する。
【0093】
これにより、住宅10の外部の空気(外気)が第2の換気部52、53から床下空間42に流入し、小屋空間41内の空気が第1の換気部51から住宅10の外部に流出し、また、空気が躯体20内を循環する。これによって、躯体20内の湿気を除去することができ、結露を消失させることができる。
【0094】
また、ステップS103において結露が検知されないと判断した場合は、φ(躯体20内の湿度)≦a・φ(住宅10の外気の湿度)であるか否かを判断し(ステップS104)、φ>a・φであると判断した場合は、換気部51〜53(換気手段)を換気状態にする。すなわち、第1の連通口511および第2の連通口521、531を開いた状態にし(ステップS105)、ステップS101に戻り、再度、ステップS101以降を実行する。
【0095】
これにより、住宅10の外部の空気(外気)が第2の換気部52、53から床下空間42に流入し、小屋空間41内の空気が第1の換気部51から住宅10の外部に流出し、また、空気が躯体20内を循環する。これによって、躯体20内の湿気を除去することができ、躯体20内の湿度を低下させることができる。
【0096】
また、ステップS104においてφ≦a・φであると判断した場合は、換気部51〜53(換気手段)を非換気状態にする。すなわち、第1の連通口511および第2の連通口521、531を閉じた状態にし(ステップS106)、ステップS101に戻り、再度、ステップS101以降を実行する。
これにより、躯体20内の湿度が低い状態を保持することができる。
【0097】
また、ステップS102において夏昼モードに設定されていないと判断した場合(ステップS102で「NO」)は、夏夜モードに設定されているか否かを判断し(ステップS107)、夏夜モードに設定されていると判断した場合(ステップS107で「YES」)は、結露センサ81により躯体20内の結露が検知されたか否かを判断する(ステップS108)。
【0098】
ステップS108において結露が検知されたと判断した場合は、他の条件にかかわらず、換気部51〜53(換気手段)を換気状態にする。すなわち、第1の連通口511および第2の連通口521、531を開いた状態にし(ステップS105)、ステップS101に戻り、再度、ステップS101以降を実行する。
【0099】
これにより、住宅10の外部の空気(外気)が第2の換気部52、53から床下空間42に流入し、小屋空間41内の空気が第1の換気部51から住宅10の外部に流出し、また、空気が躯体20内を循環する。これによって、躯体20内の湿気を除去することができ、結露を消失させることができる。
【0100】
また、ステップS108において結露が検知されないと判断した場合は、φ(躯体20内の湿度)<b・φ(住宅10の外気の湿度)であるか否かを判断し(ステップS109)、φ≧b・φであると判断した場合は、換気部51〜53(換気手段)を換気状態にする。すなわち、第1の連通口511および第2の連通口521、531を開いた状態にし(ステップS105)、ステップS101に戻り、再度、ステップS101以降を実行する。
【0101】
これにより、住宅10の外部の空気(外気)が第2の換気部52、53から床下空間42に流入し、小屋空間41内の空気が第1の換気部51から住宅10の外部に流出し、また、空気が躯体20内を循環する。これによって、躯体20内の湿気を除去することができ、躯体20内の湿度を低下させることができる。
【0102】
また、ステップS109においてφ<b・φであると判断した場合は、換気部51〜53(換気手段)を非換気状態にする。すなわち、第1の連通口511および第2の連通口521、531を閉じた状態にし(ステップS106)、ステップS101に戻り、再度、ステップS101以降を実行する。
これにより、躯体20内の湿度が低い状態を保持することができる。
【0103】
また、ステップS107において夏夜モードに設定されていないと判断した場合(ステップS107で「NO」)は、冬昼モードに設定されているか否かを判断し(ステップS110)、冬昼モードに設定されていると判断した場合(ステップS110で「YES」)は、結露センサ81により躯体20内の結露が検知されたか否かを判断する(ステップS111)。
【0104】
ステップS111において結露が検知されたと判断した場合は、他の条件にかかわらず、換気部51〜53(換気手段)を換気状態にする。すなわち、第1の連通口511を開き、第2の連通口521、531を閉じた状態にし(ステップS113)、ステップS101に戻り、再度、ステップS101以降を実行する。
【0105】
これにより、住宅10の外部と、小屋空間41との間で換気がなされ、また、空気が躯体20内を循環する。これによって、躯体20内の湿気を除去することができ、結露を消失させることができる。この場合、第2の連通口521、531が閉られているので、住宅10の外部から躯体20内への冷たい空気(外気)の流入量を少なくすることができる。
【0106】
また、ステップS111において結露が検知されないと判断した場合は、c・φ(躯体20内の湿度)<φ(住宅10の外気の湿度)であるか否かを判断し(ステップS112)、c・φ≧φであると判断した場合は、換気部51〜53(換気手段)を換気状態にする。すなわち、第1の連通口511を開き、第2の連通口521、531を閉じた状態にし(ステップS113)、ステップS101に戻り、再度、ステップS101以降を実行する。
【0107】
これにより、住宅10の外部と、小屋空間41との間で換気がなされ、また、空気が躯体20内を循環する。これによって、躯体20内の湿気を除去することができ、結露を消失させることができる。この場合、第2の連通口521、531が閉られているので、住宅10の外部から躯体20内への冷たい空気(外気)の流入量を少なくすることができる。
【0108】
また、ステップS112においてc・φ<φであると判断した場合は、換気部51〜53(換気手段)を非換気状態にする。すなわち、第1の連通口511および第2の連通口521、531を閉じた状態にし(ステップS106)、ステップS101に戻り、再度、ステップS101以降を実行する。
これにより、躯体20内の湿度が低い状態を保持することができる。
【0109】
また、ステップS110において冬昼モードに設定されていないと判断した場合(ステップS110で「NO」)、すなわち、冬夜モードに設定されていると判断した場合は、結露センサ81により躯体20内の結露が検知されたか否かを判断する(ステップS115)。
【0110】
ステップS115において結露が検知されたと判断した場合は、他の条件にかかわらず、換気部51〜53(換気手段)を換気状態にする。すなわち、第1の連通口511を開き、第2の連通口521、531を閉じた状態にし(ステップS113)、ステップS101に戻り、再度、ステップS101以降を実行する。
【0111】
これにより、住宅10の外部と、小屋空間41との間で換気がなされ、また、空気が躯体20内を循環する。これによって、躯体20内の湿気を除去することができ、結露を消失させることができる。この場合、第2の連通口521、531が閉られているので、住宅10の外部から躯体20内への冷たい空気(外気)の流入量を少なくすることができる。
【0112】
また、ステップS115において結露が検知されないと判断した場合は、d・φ(躯体20内の湿度)≦φ(住宅10の外気の湿度)であるか否かを判断し(ステップS116)、d・φ>φであると判断した場合は、換気部51〜53(換気手段)を換気状態にする。すなわち、第1の連通口511を開き、第2の連通口521、531を閉じた状態にし(ステップS113)、ステップS101に戻り、再度、ステップS101以降を実行する。
【0113】
これにより、住宅10の外部と、小屋空間41との間で換気がなされ、また、空気が躯体20内を循環する。これによって、躯体20内の湿気を除去することができ、結露を消失させることができる。この場合、第2の連通口521、531が閉られているので、住宅10の外部から躯体20内への冷たい空気(外気)の流入量を少なくすることができる。
【0114】
また、ステップS116においてd・φ≦φであると判断した場合は、換気部51〜53(換気手段)を非換気状態にする。すなわち、第1の連通口511および第2の連通口521、531を閉じた状態にし(ステップS114)、ステップS101に戻り、再度、ステップS101以降を実行する。
これにより、躯体20内の湿度が低い状態を保持することができる。
【0115】
以上説明したように、この躯体内環境管理システム1によれば、簡易な構造(構成)で、夏の昼間、夏の夜間、冬の昼間および冬の夜間(建築物の外部の気温の高低の程度等)に応じて、それぞれ、躯体20内における湿度を含む躯体内環境の管理を容易かつ確実に行うことができ、これにより、特に、湿気による害を防止することができる。すなわち、夏の昼間、夏の夜間、冬の昼間および冬の夜間に応じて、それぞれ、躯体20内における湿度を含む躯体内環境を良好にすることができ、これにより、住宅10において快適に生活することができ、また、住宅10の耐久性を向上させることができる。
【0116】
ここで、本発明では、通信回線を介して、各情報のうちの所定の情報を取得するように構成されていてもよい。すなわち、例えば、外気温取得手段は、通信回線を介して、住宅(建築物)10の外部の気温の情報を取得するよう構成されていてもよく、また、外気湿度取得手段は、通信回線を介して、住宅10の外気の湿度の情報を取得するように構成されていてもよい。この場合は、温度センサ84、湿度センサ82が省略され、これにより、部品点数を削減し、構成を簡素化することができる。
【0117】
また、住宅10の外部の気温の情報、住宅10の外気の湿度の情報は、それぞれ、例えば、気象情報等から取得することができる。
【0118】
また、通信回線としては、特に限定されず、例えば、インターネット(インターネット回線)等のオープンネットワークや専用ネットワーク等のネットワーク等が挙げられる。
【0119】
なお、この通信回線を利用する構成は、他の各実施形態にもそれぞれ適用することができる。
【0120】
<第2実施形態>
図5は、本発明の躯体内環境管理システムの第2実施形態における制御装置の制御動作を示すフローチャートである。
【0121】
以下、第2実施形態の躯体内環境管理システム1について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0122】
図5に示すように、第2実施形態の躯体内環境管理システム1では、ステップS201〜S210は、それぞれ、第1実施形態のステップS101〜S110と同様である。
【0123】
そして、ステップ210において冬昼モードに設定されていると判断した場合(ステップS210で「YES」)は、他の条件にかかわらず、換気部51〜53(換気手段)を換気状態にする。すなわち、第1の連通口511を開き、第2の連通口521、531を閉じた状態にし(ステップS212)、ステップS201に戻り、再度、ステップS201以降を実行する。
【0124】
これにより、住宅10の外部と、小屋空間41との間で換気がなされ、また、空気が躯体20内を循環する。これによって、躯体20内の湿気を除去することができ、結露を防止することができる。この場合、第2の連通口521、531が閉られているので、住宅10の外部から躯体20内への冷たい空気(外気)の流入量を少なくすることができる。
【0125】
また、ステップS210において冬昼モードに設定されていないと判断した場合(ステップS210で「NO」)、すなわち、冬夜モードに設定されていると判断した場合は、結露センサ81により躯体20内の結露が検知されたか否かを判断し(ステップS211)、結露が検知されたと判断した場合は、他の条件にかかわらず、換気部51〜53(換気手段)を換気状態にする。すなわち、第1の連通口511を開き、第2の連通口521、531を閉じた状態にし(ステップS212)、ステップS201に戻り、再度、ステップS201以降を実行する。
【0126】
これにより、住宅10の外部と、小屋空間41との間で換気がなされ、また、空気が躯体20内を循環する。これによって、躯体20内の湿気を除去することができ、結露を消失させることができる。この場合、第2の連通口521、531が閉られているので、住宅10の外部から躯体20内への冷たい空気(外気)の流入量を少なくすることができる。
【0127】
また、ステップS211において結露が検知されないと判断した場合は、換気部51〜53(換気手段)を非換気状態にする。すなわち、第1の連通口511および第2の連通口521、531を閉じた状態にし(ステップS213)、ステップS201に戻り、再度、ステップS201以降を実行する。これにより、躯体20内の湿度が低く、結露が生じない状態を保持することができる。
【0128】
この躯体内環境管理システム1によれば、前述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0129】
<第3実施形態>
図6は、本発明の躯体内環境管理システムの第3実施形態を示すブロック図、図7および図8は、図6に示す躯体内環境管理システムの制御装置の制御動作を示すフローチャートである。
【0130】
以下、第3実施形態の躯体内環境管理システム1について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0131】
図6に示すように、第3実施形態の躯体内環境管理システム1では、さらに、躯体20内の気温(温度)の情報を取得する躯体内気温取得手段として、温度センサ85を有している。この温度センサ85は、躯体20内で、気温が比較的高い箇所に設置されるのが好ましく、本実施形態では、小屋空間41の上方に位置するように設置されている。
【0132】
また、制御装置6は、季節を判別し、その判別された季節と、昼間と夜間とを判別し、その判別結果と、湿度センサ82により得られた住宅10の外気の湿度(湿度センサ82の検出結果)と、湿度センサ83により得られた躯体20内の湿度(湿度センサ83の検出結果)と、温度センサ84により得られた住宅10の外部の気温(温度センサ84の検出結果)と、温度センサ85により得られた躯体20内の気温(温度センサ85の検出結果)と、結露センサ81により得られた躯体20内の結露の有無(結露センサ81の検出結果)とに基づき、各換気部51〜53の作動をそれぞれ制御するように構成されている。
【0133】
すなわち、住宅10の外部の気温をT、躯体20内の気温をT、住宅10の外気の湿度をφ、躯体20内の湿度をφとしたとき、制御装置6は、夏昼モード、夏夜モード、冬昼モードおよび冬夜モードにおいて、それぞれ、各換気部51〜53の作動を下記のように制御するよう構成されている。
【0134】
<夏昼モード>
夏昼モードにおいては、φ≦a・φ、T>e・Tの場合は、換気部51〜53(換気手段)を換気状態にし、φ≦a・φ、T≦e・Tの場合は、換気部51〜53(換気手段)を非換気状態にし、φ>a・φ、f・T>Tの場合は、換気部51〜53(換気手段)を換気状態にし、φ>a・φ、f・T≦Tの場合は、換気部51〜53(換気手段)を非換気状態にする。
【0135】
前記「a」は、係数であり、a≧1.05であるのが好ましく、a≧1.2であるのがより好ましく、1.6≧a≧1.2であるのがさらに好ましく、1.4≧a≧1.2であるのが特に好ましい。
【0136】
また、前記「e」は、係数であり、e≧1.05であるのが好ましく、e≧1.2であるのがより好ましく、1.6≧e≧1.2であるのがさらに好ましく、1.4≧e≧1.2であるのが特に好ましい。
【0137】
また、前記「f」は、係数であり、f≧1.05であるのが好ましく、f≧1.2であるのがより好ましく、1.6≧f≧1.2であるのがさらに好ましく、1.4≧f≧1.2であるのが特に好ましい。
【0138】
<夏夜モード>
夏夜モードにおいては、φ<b・φ、T≧g・Tの場合は、換気部51〜53(換気手段)を換気状態にし、φ<b・φ、T<g・Tの場合は、換気部51〜53(換気手段)を非換気状態にし、φ≧b・φ、h・T≧Tの場合は、換気部51〜53(換気手段)を換気状態にし、φ≧b・φ、h・T<Tの場合は、換気部51〜53(換気手段)を非換気状態にする。
【0139】
前記「b」は、係数であり、b≧1.05であるのが好ましく、b≧1.2であるのがより好ましく、1.6≧b≧1.2であるのがさらに好ましく、1.4≧b≧1.2であるのが特に好ましい。
【0140】
また、前記「g」は、係数であり、g≧1.05であるのが好ましく、g≧1.2であるのがより好ましく、1.6≧g≧1.2であるのがさらに好ましく、1.4≧g≧1.2であるのが特に好ましい。
【0141】
また、前記「h」は、係数であり、h≧1.05であるのが好ましく、h≧1.2であるのがより好ましく、1.6≧h≧1.2であるのがさらに好ましく、1.4≧h≧1.2であるのが特に好ましい。
【0142】
<冬昼モード>
冬昼モードにおいては、c・φ≧φ、T>i・Tの場合は、換気部51〜53(換気手段)を非換気状態にし、c・φ≧φ、T≦i・Tの場合は、換気部51〜53(換気手段)を換気状態にし、c・φ<φ、j・T>Tの場合は、換気部51〜53(換気手段)を非換気状態にし、c・φ<φ、j・T≦Tの場合は、換気部51〜53(換気手段)を換気状態にする。
【0143】
前記「c」は、係数であり、c≧1.05であるのが好ましく、c≧1.2であるのがより好ましく、1.6≧c≧1.2であるのがさらに好ましく、1.4≧c≧1.2であるのが特に好ましい。
【0144】
また、前記「i」は、係数であり、i≧1.05であるのが好ましく、i≧1.2であるのがより好ましく、1.6≧i≧1.2であるのがさらに好ましく、1.4≧i≧1.2であるのが特に好ましい。
【0145】
また、前記「j」は、係数であり、j≧1.05であるのが好ましく、j≧1.2であるのがより好ましく、1.6≧j≧1.2であるのがさらに好ましく、1.4≧j≧1.2であるのが特に好ましい。
【0146】
<冬夜モード>
冬夜モードにおいては、d・φ>φ、T≧k・Tの場合は、換気部51〜53(換気手段)を非換気状態にし、d・φ>φ、T<k・Tの場合は、換気部51〜53(換気手段)を換気状態にし、d・φ≦φ、p・T≧Tの場合は、換気部51〜53(換気手段)を非換気状態にし、d・φ≦φ、p・T<Tの場合は、換気部51〜53(換気手段)を換気状態にする。
【0147】
前記「d」は、係数であり、d≧1.05であるのが好ましく、d≧1.2であるのがより好ましく、1.6≧d≧1.2であるのがさらに好ましく、1.4≧d≧1.2であるのが特に好ましい。
【0148】
また、前記「k」は、係数であり、k≧1.05であるのが好ましく、k≧1.2であるのがより好ましく、1.6≧k≧1.2であるのがさらに好ましく、1.4≧k≧1.2であるのが特に好ましい。
【0149】
また、前記「p」は、係数であり、p≧1.05であるのが好ましく、p≧1.2であるのがより好ましく、1.6≧p≧1.2であるのがさらに好ましく、1.4≧p≧1.2であるのが特に好ましい。
【0150】
次に、図7および図8に示すフローチャートに基づいて、躯体内環境管理システム1の作用(動作)を説明する。
【0151】
図7および図8に示すように、第3実施形態の躯体内環境管理システム1では、ステップS301〜S304、S307〜S311は、それぞれ、第1実施形態のステップS101〜S109と同様であり、また、ステップS314〜S316、S319〜S322は、それぞれ、第1実施形態のステップS110〜S116と同様である。
【0152】
そして、夏昼モードにおけるステップS304においてφ(躯体20内の湿度)≦a・φ(住宅10の外気の湿度)であると判断した場合は、T(躯体20内の気温)>e・T(住宅10の外部の気温)であるか否かを判断し(ステップS305)、T>e・Tであると判断した場合は、ステップS307に移行する。
【0153】
また、ステップS305においてT≦e・Tであると判断した場合は、ステップS308に移行する。
【0154】
また、ステップS304においてφ>a・φであると判断した場合は、f・T(躯体20内の気温)>T(住宅10の外部の気温)であるか否かを判断し(ステップS306)、f・T>Tであると判断した場合は、ステップS307に移行する。
【0155】
また、ステップS306においてf・T≦Tであると判断した場合は、ステップS308に移行する。
【0156】
また、夏夜モードにおけるステップS311においてφ(躯体20内の湿度)<b・φ(住宅10の外気の湿度)であると判断した場合は、T(躯体20内の気温)≧g・T(住宅10の外部の気温)であるか否かを判断し(ステップS312)、T≧g・Tであると判断した場合は、ステップS307に移行する。
【0157】
また、ステップS312においてT<g・Tであると判断した場合は、ステップS308に移行する。
【0158】
また、ステップS311においてφ≧b・φであると判断した場合は、h・T(躯体20内の気温)≧T(住宅10の外部の気温)であるか否かを判断し(ステップS313)、h・T≧Tであると判断した場合は、ステップS307に移行する。
【0159】
また、ステップS313においてh・T<Tであると判断した場合は、ステップS308に移行する。
【0160】
また、冬昼モードにおけるステップS316においてc・φ(躯体20内の湿度)≧φ(住宅10の外気の湿度)であると判断した場合は、T(躯体20内の気温)>i・T(住宅10の外部の気温)であるか否かを判断し(ステップS317)、T≦i・Tであると判断した場合は、ステップS319に移行する。
【0161】
また、ステップS317においてT>i・Tであると判断した場合は、ステップS320に移行する。
【0162】
また、ステップS316においてc・φ<φであると判断した場合は、j・T(躯体20内の気温)>T(住宅10の外部の気温)であるか否かを判断し(ステップS318)、j・T≦Tであると判断した場合は、ステップS319に移行する。
【0163】
また、ステップS318においてj・T>Tであると判断した場合は、ステップS320に移行する。
【0164】
また、冬夜モードにおけるステップS322においてd・φ(躯体20内の湿度)>φ(住宅10の外気の湿度)であると判断した場合は、T(躯体20内の気温)≧k・T(住宅10の外部の気温)であるか否かを判断し(ステップS323)、T<k・Tであると判断した場合は、ステップS319に移行する。
【0165】
また、ステップS323においてT≧k・Tであると判断した場合は、ステップS320に移行する。
【0166】
また、ステップS322においてd・φ≦φであると判断した場合は、p・T(躯体20内の気温)≧T(住宅10の外部の気温)であるか否かを判断し(ステップS324)、p・T<Tであると判断した場合は、ステップS319に移行する。
【0167】
また、ステップS324においてp・T≧Tであると判断した場合は、ステップS320に移行する。
【0168】
この躯体内環境管理システム1によれば、前述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0169】
そして、この躯体内環境管理システム1では、夏の昼間、夏の夜間、冬の昼間および冬の夜間(建築物の外部の気温の高低の程度等)に応じて、それぞれ、躯体20内における湿度および温度を含む躯体内環境の管理を容易かつ確実に行うことができる。
【0170】
<第4実施形態>
図9は、本発明の躯体内環境管理システムの第4実施形態を示すブロック図、図10は、図9に示す躯体内環境管理システムのモード設定処理(サブルーチン)を示すフローチャートである。
【0171】
以下、第4実施形態の躯体内環境管理システム1について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0172】
図9に示すように、第4実施形態の躯体内環境管理システム1は、住宅(建築物)10の外部の光量の情報を取得する光量取得手段として、光センサ86を有しており、制御装置6は、その光センサ86により得られた(光センサ86が受光した)住宅10の外部の光量(受光光量)に基づいて、昼間と夜間とを判別するように構成されている。
【0173】
前記制御装置6が昼間と夜間とを判別する方法は、特に限定されず、例えば、下記の方法が挙げられる。
【0174】
常時、または、所定の時間間隔で、光センサ86により住宅10の外部の光量を取得し、その外部の光量と、しきい値Uとを比較し、外部の光量がしきい値Uより大きい場合は、昼間と判別し、外部の光量がしきい値U以下の場合は、夜間と判別する。
【0175】
前記しきい値Uは、昼間において光センサ86により検出される住宅10の外部の光量と、夜間において光センサ86により検出される住宅10の外部の光量との境界値であり、特に限定されず、操作部72を操作して任意の値に設定し得るようになっている。
【0176】
次に、図10に示すフローチャートに基づいて、躯体内環境管理システム1の作用(動作)を説明する。
【0177】
第4実施形態の躯体内環境管理システム1では、ステップS101のモード設定処理(図3参照)のみが第1実施形態と異なっており、そのモード設定処理では、図10に示すように、住宅10の外部の気温が、しきい値Tより大きいか否かを判断し(ステップS501)、外部の気温がしきい値Tより大きいと判断した場合は、光センサ86により検出された住宅10の外部の光量(受光光量)が、しきい値Uより大きいか否かを判断し(ステップS502)、外部の光量がしきい値Uより大きいと判断した場合は、夏昼モードに設定し(ステップS504)、外部の光量がしきい値U以下と判断した場合は、夏夜モードに設定する(ステップS505)。
【0178】
また、ステップS501において外部の気温がしきい値T以下と判断した場合は、光センサ86により検出された住宅10の外部の光量(受光光量)が、しきい値Uより大きいか否かを判断し(ステップS503)、外部の光量がしきい値Uより大きいと判断した場合は、冬昼モードに設定し(ステップS506)、外部の光量がしきい値U以下と判断した場合は、冬夜モードに設定する(ステップS507)。
【0179】
この躯体内環境管理システム1によれば、前述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0180】
なお、この第4実施形態は、前記第2実施形態および第3実施形態にもそれぞれ適用することができる。
【0181】
<第5実施形態>
図11は、本発明の躯体内環境管理システムの第5実施形態を示すブロック図、図112は、図11に示す躯体内環境管理システムのモード設定処理(サブルーチン)を示すフローチャートである。
【0182】
以下、第5実施形態の躯体内環境管理システム1について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0183】
図11に示すように、第5実施形態の躯体内環境管理システム1は、住宅(建築物)10の外部の日射量の情報を取得する日射量取得手段として、日射計87を有しており、制御装置6は、その日射計87により得られた住宅10の外部の日射量に基づいて、昼間と夜間とを判別するように構成されている。
【0184】
前記制御装置6が昼間と夜間とを判別する方法は、特に限定されず、例えば、下記の方法が挙げられる。
【0185】
常時、または、所定の時間間隔で、日射計87により住宅10の外部の日射量を取得し、その外部の日射量と、しきい値Vとを比較し、外部の日射量がしきい値Vより大きい場合は、昼間と判別し、外部の日射量がしきい値V以下の場合は、夜間と判別する。
【0186】
前記しきい値Vは、昼間において日射計87により検出される住宅10の外部の日射量と、夜間において日射計87により検出される住宅10の外部の日射量との境界値であり、特に限定されず、操作部72を操作して任意の値に設定し得るようになっている。
【0187】
次に、図12に示すフローチャートに基づいて、躯体内環境管理システム1の作用(動作)を説明する。
【0188】
第5実施形態の躯体内環境管理システム1では、ステップS101のモード設定処理(図3参照)のみが第1実施形態と異なっており、そのモード設定処理では、図12に示すように、住宅10の外部の気温が、しきい値Tより大きいか否かを判断し(ステップS601)、外部の気温がしきい値Tより大きいと判断した場合は、日射計87により検出された住宅10の外部の日射量が、しきい値Vより大きいか否かを判断し(ステップS602)、外部の日射量がしきい値Vより大きいと判断した場合は、夏昼モードに設定し(ステップS604)、外部の日射量がしきい値V以下と判断した場合は、夏夜モードに設定する(ステップS605)。
【0189】
また、ステップS601において外部の気温がしきい値T以下と判断した場合は、日射計87により検出された住宅10の外部の日射量が、しきい値Vより大きいか否かを判断し(ステップS603)、外部の日射量がしきい値Vより大きいと判断した場合は、冬昼モードに設定し(ステップS606)、外部の日射量がしきい値V以下と判断した場合は、冬夜モードに設定する(ステップS607)。
【0190】
この躯体内環境管理システム1によれば、前述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0191】
なお、日射計87は、温度(気温)を検出し、その検出値(検出結果)に基づいて、日射量を求めるようになっているので、日射計87に換えて、例えば、温度(気温)を検出する温度センサ等の温度検出手段(気温検出手段)を用いてもよい。
【0192】
また、この第5実施形態は、前記第2実施形態および第3実施形態にもそれぞれ適用することができる。
【0193】
<第6実施形態>
図13は、本発明の躯体内環境管理システムの第6実施形態を示すブロック図、図14は、図13に示す躯体内環境管理システムのモード設定処理(サブルーチン)を示すフローチャートである。
【0194】
以下、第6実施形態の躯体内環境管理システム1について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0195】
図13に示すように、第6実施形態の躯体内環境管理システム1では、制御装置6は、月日の情報を取得するカレンダー手段63を有しており、そのカレンダー手段63により得られた月日に基づいて、季節を判別するよう構成されている。
【0196】
カレンダー手段63としては、例えば、時計、通信回線(例えば、インターネット等のネットワーク)を介して月日の情報を取得するもの等が挙げられる。
【0197】
なお、カレンダー手段63と時刻取得手段64とは、別々に設けられていてもよく、また、共用でもよい。
【0198】
次に、図14に示すフローチャートに基づいて、躯体内環境管理システム1の作用(動作)を説明する。
【0199】
第6実施形態の躯体内環境管理システム1では、ステップS101のモード設定処理(図3参照)のみが第1実施形態と異なっており、そのモード設定処理では、図14に示すように、現在の月が、α月〜β月か否かを判断し(ステップS701)、α月〜β月と判断した場合は、時刻が昼間の時間帯か否かを判断し(ステップS702)、時刻が昼間の時間帯と判断した場合は、夏昼モードに設定し(ステップS704)、時刻が昼間の時間帯ではないと判断した場合、すなわち、時刻が夜間の時間帯と判断した場合は、夏夜モードに設定する(ステップS705)。
【0200】
また、ステップS701においてα月〜β月ではないと判断した場合は、時刻が昼間の時間帯か否かを判断し(ステップS703)、時刻が昼間の時間帯と判断した場合は、冬昼モードに設定し(ステップS706)、時刻が昼間の時間帯ではないと判断した場合、すなわち、時刻が夜間の時間帯と判断した場合は、冬夜モードに設定する(ステップS707)。
【0201】
前記αおよびβは、それぞれ、特に限定されず、操作部72を操作して任意の値に設定し得るようになっているが、αは、4または5に設定されるのが好ましく、また、βは、9または10に設定されるのが好ましい。
【0202】
この躯体内環境管理システム1によれば、前述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0203】
なお、この第6実施形態は、前記第2実施形態および第3実施形態にもそれぞれ適用することができる。
【0204】
<第7実施形態>
図15は、本発明の躯体内環境管理システムの第7実施形態を示すブロック図、図16は、図15に示す躯体内環境管理システムのモード設定処理(サブルーチン)を示すフローチャートである。
【0205】
以下、第7実施形態の躯体内環境管理システム1について、前述した第4実施形態および第6実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0206】
図15に示すように、第7実施形態の躯体内環境管理システム1は、第6実施形態における時刻取得手段64を、第4実施形態における光センサ(光量取得手段)86に換えたものであり、制御装置6は、カレンダー手段63により得られた月日に基づいて、季節を判別し、光センサ86により得られた(光センサ86が受光した)住宅10の外部の光量(受光光量)に基づいて、昼間と夜間とを判別するように構成されている。
【0207】
次に、図16に示すフローチャートに基づいて、躯体内環境管理システム1の作用(動作)を説明する。
【0208】
第7実施形態の躯体内環境管理システム1では、ステップS101のモード設定処理(図3参照)のみが第1実施形態と異なっており、そのモード設定処理では、図16に示すように、現在の月が、α月〜β月か否かを判断し(ステップS801)、α月〜β月と判断した場合は、光センサ86により検出された住宅10の外部の光量(受光光量)が、しきい値Uより大きいか否かを判断し(ステップS802)、外部の光量がしきい値Uより大きいと判断した場合は、夏昼モードに設定し(ステップS804)、外部の光量がしきい値U以下と判断した場合は、夏夜モードに設定する(ステップS805)。
【0209】
また、ステップS801においてα月〜β月ではないと判断した場合は、光センサ86により検出された住宅10の外部の光量(受光光量)が、しきい値Uより大きいか否かを判断し(ステップS803)、外部の光量がしきい値Uより大きいと判断した場合は、冬昼モードに設定し(ステップS806)、外部の光量がしきい値U以下と判断した場合は、冬夜モードに設定する(ステップS807)。
【0210】
この躯体内環境管理システム1によれば、前述した第4実施形態および第6実施形態と同様の効果が得られる。
【0211】
なお、この第7実施形態は、前記第2実施形態および第3実施形態にもそれぞれ適用することができる。
【0212】
<第8実施形態>
図17は、本発明の躯体内環境管理システムの第8実施形態を示すブロック図、図18は、図17に示す躯体内環境管理システムのモード設定処理(サブルーチン)を示すフローチャートである。
【0213】
以下、第8実施形態の躯体内環境管理システム1について、前述した第5実施形態および第6実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0214】
図17に示すように、第8実施形態の躯体内環境管理システム1は、第6実施形態における時刻取得手段64を、第5実施形態における日射計(日射量取得手段)87に換えたものであり、制御装置6は、カレンダー手段63により得られた月日に基づいて、季節を判別し、日射計87により得られた住宅10の外部の日射量に基づいて、昼間と夜間とを判別するように構成されている。
【0215】
次に、図18に示すフローチャートに基づいて、躯体内環境管理システム1の作用(動作)を説明する。
【0216】
第8実施形態の躯体内環境管理システム1では、ステップS101のモード設定処理(図3参照)のみが第1実施形態と異なっており、そのモード設定処理では、図18に示すように、現在の月が、α月〜β月か否かを判断し(ステップS901)、α月〜β月と判断した場合は、日射計87により検出された住宅10の外部の日射量が、しきい値Vより大きいか否かを判断し(ステップS902)、外部の日射量がしきい値Vより大きいと判断した場合は、夏昼モードに設定し(ステップS904)、外部の日射量がしきい値V以下と判断した場合は、夏夜モードに設定する(ステップS905)。
【0217】
また、ステップS901においてα月〜β月ではないと判断した場合は、日射計87により検出された住宅10の外部の日射量が、しきい値Vより大きいか否かを判断し(ステップS903)、外部の日射量がしきい値Vより大きいと判断した場合は、冬昼モードに設定し(ステップS906)、外部の日射量がしきい値V以下と判断した場合は、冬夜モードに設定する(ステップS907)。
【0218】
この躯体内環境管理システム1によれば、前述した第5実施形態および第6実施形態と同様の効果が得られる。
【0219】
なお、この第7実施形態は、前記第2実施形態および第3実施形態にもそれぞれ適用することができる。
【0220】
以上、本発明の躯体内環境管理システムを、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。
【0221】
また、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【0222】
また、本発明では、季節判別手段は、夏と冬との他に、さらに、例えば、春と秋とのういちのいずれか一方または両方を判別するよう構成されていてもよい。
【0223】
また、本発明では、結露センサ(結露検出手段)が省略されていてもよい。
【0224】
また、本発明では、換気手段の換気部の数は、3つ(第1の換気部が1つと、第2の換気部が2つ)に限らず、例えば、1つ、2つ、または、4つ以上であってもよい。また、換気状態は、少なくとも1つの換気部の連通口が開いた状態であればよい。
【0225】
また、本発明の躯体内環境管理システムが適用される住宅(建築物)は、2階建てに限らず、例えば、1階建て、または、3階建て以上であってもよい。また、例えば、地下室が設けられていてもよい。
【0226】
また、本発明の躯体内環境管理システムが設置される建築物としては、住宅に限定されず、例えば、駅やビル等の公共の施設等が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0227】
【図1】本発明の躯体内環境管理システムの第1実施形態が適用された建築物としての住宅の概略構造を示す断面図である。
【図2】図1に示す躯体内環境管理システムのブロック図である。
【図3】図1に示す躯体内環境管理システムの制御装置の制御動作を示すフローチャートである。
【図4】モード設定処理(サブルーチン)を示すフローチャートである。
【図5】本発明の躯体内環境管理システムの第2実施形態における制御装置の制御動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の躯体内環境管理システムの第3実施形態を示すブロック図である。
【図7】図6に示す躯体内環境管理システムの制御装置の制御動作を示すフローチャートである。
【図8】図6に示す躯体内環境管理システムの制御装置の制御動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の躯体内環境管理システムの第4実施形態を示すブロック図である。
【図10】図9に示す躯体内環境管理システムのモード設定処理(サブルーチン)を示すフローチャートである。
【図11】本発明の躯体内環境管理システムの第5実施形態を示すブロック図である。
【図12】図11に示す躯体内環境管理システムのモード設定処理(サブルーチン)を示すフローチャートである。
【図13】本発明の躯体内環境管理システムの第6実施形態を示すブロック図である。
【図14】図13に示す躯体内環境管理システムのモード設定処理(サブルーチン)を示すフローチャートである。
【図15】本発明の躯体内環境管理システムの第7実施形態を示すブロック図である。
【図16】図15に示す躯体内環境管理システムのモード設定処理(サブルーチン)を示すフローチャートである。
【図17】本発明の躯体内環境管理システムの第8実施形態を示すブロック図である。
【図18】図17に示す躯体内環境管理システムのモード設定処理(サブルーチン)を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0228】
1 躯体内環境管理システム
10 住宅
20 躯体
21 屋根部
22 外壁部
23 断熱材
24 基台部
251、261、271 内壁部
252、262、272 天井
253、263、273 床
31、32、33 室
40 躯体内空間
41 小屋空間
42 床下空間
43 ふところ空間
44、45、46 内壁空間
51 第1の換気部
511 第1の連通口
52、53 第2の換気部
521、531 第2の連通口
6 制御装置
61 CPU
62 メモリ
63 カレンダー手段
64 時刻取得手段
71 表示部
72 操作部
81 結露センサ
82、83 湿度センサ
84、85 温度センサ
86 光センサ
87 日射計
S101〜S116 ステップ
S201〜S213 ステップ
S301〜S324 ステップ
S401〜S407 ステップ
S501〜S507 ステップ
S601〜S607 ステップ
S701〜S707 ステップ
S801〜S807 ステップ
S901〜S907 ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物の躯体内の環境を管理する躯体内環境管理システムであって、
前記建築物の外部と前記躯体内とを連通する少なくとも1つの連通口を有し、該連通口を開閉し、前記躯体内を換気する換気状態と前記躯体内を換気しない非換気状態とに切り換わる換気手段と、
季節を判別する季節判別手段と、
昼間と夜間とを判別する昼/夜判別手段と、
前記建築物の外気の湿度の情報を取得する外気湿度取得手段と、
前記躯体内の湿度の情報を取得する躯体内湿度取得手段と、
前記季節判別手段により判別された季節と、前記昼/夜判別手段による判別結果と、前記外気湿度取得手段により得られた前記建築物の外気の湿度と、前記躯体内湿度取得手段により得られた前記躯体内の湿度とに基づいて、前記換気手段の作動を制御する換気制御手段とを備えることを特徴とする躯体内環境管理システム。
【請求項2】
前記外気湿度取得手段は、通信回線を介して、気象情報から前記建築物の外気の湿度の情報を取得するよう構成されている請求項1に記載の躯体内環境管理システム。
【請求項3】
前記建築物の外部の気温の情報を取得する外気温取得手段を有し、
前記季節判別手段は、前記外気温取得手段により得られた前記建築物の外部の気温に基づいて季節を判別するよう構成されている請求項1または2に記載の躯体内環境管理システム。
【請求項4】
前記季節判別手段は、前記建築物の外部の複数日の平均気温に基づいて季節を判別するよう構成されている請求項3に記載の躯体内環境管理システム。
【請求項5】
前記外気温取得手段は、通信回線を介して、気象情報から前記建築物の外部の気温の情報を取得するよう構成されている請求項3または4に記載の躯体内環境管理システム。
【請求項6】
月日の情報を取得するカレンダー手段を有し、
前記季節判別手段は、前記カレンダー手段により得られた月日に基づいて季節を判別するよう構成されている請求項1または2に記載の躯体内環境管理システム。
【請求項7】
時刻の情報を取得する時刻取得手段を有し、
前記昼/夜判別手段は、前記時刻取得手段により得られた時刻に基づいて昼間と夜間とを判別するよう構成されている請求項1ないし6のいずれかに記載の躯体内環境管理システム。
【請求項8】
前記建築物の外部の光量の情報を取得する光量取得手段を有し、
前記昼/夜判別手段は、前記光量取得手段により得られた前記建築物の外部の光量に基づいて昼間と夜間とを判別するよう構成されている請求項1ないし6のいずれかに記載の躯体内環境管理システム。
【請求項9】
前記建築物の外部の日射量の情報を取得する日射量取得手段を有し、
前記昼/夜判別手段は、前記日射量取得手段により得られた前記建築物の外部の日射量に基づいて昼間と夜間とを判別するよう構成されている請求項1ないし6のいずれかに記載の躯体内環境管理システム。
【請求項10】
前記季節判別手段は、少なくとも夏と冬とを判別するよう構成されており、
前記季節判別手段により夏と判別され、前記昼/夜判別手段により昼間と判別された場合は、前記換気手段の作動モードを夏昼モードに設定し、
前記季節判別手段により夏と判別され、前記昼/夜判別手段により夜間と判別された場合は、前記換気手段の作動モードを夏夜モードに設定し、
前記季節判別手段により冬と判別され、前記昼/夜判別手段により昼間と判別された場合は、前記換気手段の作動モードを冬昼モードに設定し、
前記季節判別手段により冬と判別され、前記昼/夜判別手段により夜間と判別された場合は、前記換気手段の作動モードを冬夜モードに設定するモード設定手段を有する請求項1ないし9のいずれかに記載の躯体内環境管理システム。
【請求項11】
前記換気手段は、前記建築物の外部と前記躯体内とを連通する第1の連通口を有し、該第1の連通口を開閉して前記躯体内を換気する第1の換気部と、
前記第1の換気部より下方の位置に設けられ、前記建築物の外部と前記躯体内とを連通する第2の連通口を有し、該第2の連通口を開閉して前記躯体内を換気する第2の換気部とを備える請求項10に記載の躯体内環境管理システム。
【請求項12】
前記躯体の内部には、小屋空間および床下空間が形成されており、
前記第1の連通口は、前記建築物の外部と前記小屋空間とを連通し、前記第2の連通口は、前記建築物の外部と前記床下空間とを連通する請求項11に記載の躯体内環境管理システム。
【請求項13】
前記夏昼モードおよび前記夏夜モードにおける前記換気状態は、前記第1の連通口および前記第2の連通口を開いた状態、前記非換気状態は、前記第1の連通口および前記第2の連通口を閉じた状態であり、
前記冬昼モードおよび前記冬夜モードにおける前記換気状態は、前記第1の連通口と前記第2の連通口とのうちの一方を開き、他方を閉じた状態、前記非換気状態は、前記第1の連通口および前記第2の連通口を閉じた状態である請求項11または12に記載の躯体内環境管理システム。
【請求項14】
前記建築物の外気の湿度をφ、前記躯体内の湿度をφとしたとき、
前記換気制御手段は、前記夏昼モードにおいては、φ≦a・φ(但し、a≧1.05)の場合は、前記換気手段を前記非換気状態にし、
φ>a・φ(但し、a≧1.05)の場合は、前記換気手段を前記換気状態にするよう構成されている請求項10ないし13のいずれかに記載の躯体内環境管理システム。
【請求項15】
前記建築物の外気の湿度をφ、前記躯体内の湿度をφとしたとき、
前記換気制御手段は、前記夏夜モードにおいては、φ<b・φ(但し、b≧1.05)の場合は、前記換気手段を前記非換気状態にし、
φ≧b・φ(但し、b≧1.05)の場合は、前記換気手段を前記換気状態にするよう構成されている請求項10ないし14のいずれかに記載の躯体内環境管理システム。
【請求項16】
前記建築物の外気の湿度をφ、前記躯体内の湿度をφとしたとき、
前記換気制御手段は、前記冬昼モードにおいては、c・φ<φ(但し、c≧1.05)の場合は、前記換気手段を前記非換気状態にし、
c・φ≧φ(但し、c≧1.05)の場合は、前記換気手段を前記換気状態にするよう構成されている請求項10ないし15のいずれかに記載の躯体内環境管理システム。
【請求項17】
前記建築物の外気の湿度をφ、前記躯体内の湿度をφとしたとき、
前記換気制御手段は、前記冬夜モードにおいては、d・φ≦φ(但し、d≧1.05)の場合は、前記換気手段を前記非換気状態にし、
d・φ>φ(但し、d≧1.05)の場合は、前記換気手段を前記換気状態にするよう構成されている請求項10ないし16のいずれかに記載の躯体内環境管理システム。
【請求項18】
前記建築物の外部の気温の情報を取得する外気温取得手段と、
前記躯体内の気温の情報を取得する躯体内気温取得手段とを有し、
前記建築物の外部の気温をT、前記躯体内の気温をT、前記建築物の外気の湿度をφ、前記躯体内の湿度をφとしたとき、
前記換気制御手段は、前記夏昼モードにおいては、φ≦a・φ(但し、a≧1.05)、T>e・T(但し、eは係数)の場合は、前記換気手段を前記換気状態にし、
φ≦a・φ(但し、a≧1.05)、T≦e・T(但し、e≧1.05)の場合は、前記換気手段を前記非換気状態にし、
φ>a・φ(但し、a≧1.05)、f・T>T(但し、f≧1.05)の場合は、前記換気手段を前記換気状態にし、
φ>a・φ(但し、a≧1.05)、f・T≦T(但し、f≧1.05)の場合は、前記換気手段を前記非換気状態にするよう構成されている請求項10ないし13のいずれかに記載の躯体内環境管理システム。
【請求項19】
前記建築物の外部の気温の情報を取得する外気温取得手段と、
前記躯体内の気温の情報を取得する躯体内気温取得手段とを有し、
前記建築物の外部の気温をT、前記躯体内の気温をT、前記建築物の外気の湿度をφ、前記躯体内の湿度をφとしたとき、
前記換気制御手段は、前記夏夜モードにおいては、φ<b・φ(但し、b≧1.05)、T≧g・T(但し、gは係数)の場合は、前記換気手段を前記換気状態にし、
φ<b・φ(但し、b≧1.05)、T<g・T(但し、g≧1.05)の場合は、前記換気手段を前記非換気状態にし、
φ≧b・φ(但し、b≧1.05)、h・T≧T(但し、h≧1.05)の場合は、前記換気手段を前記換気状態にし、
φ≧b・φ(但し、b≧1.05)、h・T<T(但し、h≧1.05)の場合は、前記換気手段を前記非換気状態にするよう構成されている請求項10ないし13、18のいずれかに記載の躯体内環境管理システム。
【請求項20】
前記建築物の外部の気温の情報を取得する外気温取得手段と、
前記躯体内の気温の情報を取得する躯体内気温取得手段とを有し、
前記建築物の外部の気温をT、前記躯体内の気温をT、前記建築物の外気の湿度をφ、前記躯体内の湿度をφとしたとき、
前記換気制御手段は、前記冬昼モードにおいては、c・φ≧φ(但し、c≧1.05)、T>i・T(但し、i≧1.05)の場合は、前記換気手段を前記非換気状態にし、
c・φ≧φ(但し、c≧1.05)、T≦i・T(但し、i≧1.05)の場合は、前記換気手段を前記換気状態にし、
c・φ<φ(但し、c≧1.05)、j・T>T(但し、j≧1.05)の場合は、前記換気手段を前記非換気状態にし、
c・φ<φ(但し、c≧1.05)、j・T≦T(但し、j≧1.05)の場合は、前記換気手段を前記換気状態にするよう構成されている請求項10ないし13、18、19のいずれかに記載の躯体内環境管理システム。
【請求項21】
前記建築物の外部の気温の情報を取得する外気温取得手段と、
前記躯体内の気温の情報を取得する躯体内気温取得手段とを有し、
前記建築物の外部の気温をT、前記躯体内の気温をT、前記建築物の外気の湿度をφ、前記躯体内の湿度をφとしたとき、
前記換気制御手段は、前記冬夜モードにおいては、d・φ>φ(但し、d≧1.05)、T≧k・T(但し、k≧1.05)の場合は、前記換気手段を前記非換気状態にし、
d・φ>φ(但し、d≧1.05)、T<k・T(但し、k≧1.05)の場合は、前記換気手段を前記換気状態にし、
d・φ≦φ(但し、d≧1.05)、p・T≧T(但し、p≧1.05)の場合は、前記換気手段を前記非換気状態にし、
d・φ≦φ(但し、d≧1.05)、p・T<T(但し、p≧1.05)の場合は、前記換気手段を前記換気状態にするよう構成されている請求項10ないし13、18ないし20のいずれかに記載の躯体内環境管理システム。
【請求項22】
前記外気温取得手段は、通信回線を介して、気象情報から前記建築物の外部の気温の情報を取得するよう構成されている請求項18ないし21のいずれかに記載の躯体内環境管理システム。
【請求項23】
前記躯体内の結露を検出する結露検出手段を有し、
前記換気制御手段は、前記結露検出手段により前記躯体内の結露が検知された場合は、他の条件にかかわらず、前記換気手段を前記換気状態にするよう構成されている請求項1ないし22のいずれかに記載の躯体内環境管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2008−202819(P2008−202819A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−36983(P2007−36983)
【出願日】平成19年2月16日(2007.2.16)
【出願人】(000102326)エアサイクル産業株式会社 (18)
【Fターム(参考)】