車両のサスペンション取り付け構造
【課題】車体重量を増大させることなく、フロントサスペンションの支持剛性を簡単な構成で効果的に確保できるようにする。
【解決手段】サブフレーム3にフロントサスペンションが支持されるように構成された車両のサスペンション取り付け構造において、上記サブフレーム3は、フロントサイドフレーム2の下方部において車両の前後方向に伸びる左右一対のサイドサブフレーム9と、該左右サイドサブフレーム9の後端部を連結するリヤサブクロスメンバ11とを有し、上記サブフレーム9の後部に、フロントサスペンションのロアアーム41を揺動可能かつ弾性変位可能に支持するロアアーム支持部と、リヤサブクロスメンバ11の後端部を車体底面に剛体結合する第1固定部31と、該第1固定部31よりも車幅方向の外方側にオフセットした位置で上記リヤサブクロスメンバ11の側端部を車体底面に剛体結合する第2固定部40とが設けられた。
【解決手段】サブフレーム3にフロントサスペンションが支持されるように構成された車両のサスペンション取り付け構造において、上記サブフレーム3は、フロントサイドフレーム2の下方部において車両の前後方向に伸びる左右一対のサイドサブフレーム9と、該左右サイドサブフレーム9の後端部を連結するリヤサブクロスメンバ11とを有し、上記サブフレーム9の後部に、フロントサスペンションのロアアーム41を揺動可能かつ弾性変位可能に支持するロアアーム支持部と、リヤサブクロスメンバ11の後端部を車体底面に剛体結合する第1固定部31と、該第1固定部31よりも車幅方向の外方側にオフセットした位置で上記リヤサブクロスメンバ11の側端部を車体底面に剛体結合する第2固定部40とが設けられた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車室の前面部に設置されたダッシュパネルから車両の前方側に延びる左右一対のフロントサイドフレームと、該フロントサイドフレームの下方に設けられたサブフレームとを備え、該サブフレームにフロントサスペンションが支持されるように構成された車両のサスペンション取り付け構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1に示されるように、車両の前後方向に延設された左右一対のフロントサイドフレーム(車体フレーム)の下方にサイドサブフレーム(サイドフレーム)が設けられるとともに、該サイドサブフレームがゴムブッシュを有する支持部を介して弾性変位可能に上記フロントサイドフレームに支持された車体構造において、上記サイドサブフレームの前端部よりも前方側に延設する左右一対の衝撃吸収部材と、左右の衝撃吸収部材同士を橋渡すように車幅方向に延設されたレインフォースメントとを設けるとともに、車両前後方向の荷重に応じて下方へ屈曲可能な屈曲部を上記サイドサブフレームに作用する設けることが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−271810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示されているように、フロントサスペンションを支持するサブフレームのサイドサブフレームをフロントサイドフレームに支持させる支持部にゴムブッシュを配設した場合には、車両の走行時に車輪から上記フロントサスペンションに入力されたロードノイズを上記支持部に設けられたゴムブッシュで吸収することにより、フロントサイドフレームから車室内にロードノイズ等が伝達されるのを効果的に防止することができる。この反面、車両の旋回時等にタイヤから上記フロントサスペンションに入力された荷重の支持部材として上記フロントサイドフレームを積極的に利用することができず、上記荷重を安定してするためにはサブフレームの強度を充分に確保する必要があり、車体重量が増大することが避けられなかった。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、車体重量を増大させることなく、フロントサスペンションの支持剛性を簡単な構成で効果的に確保できる車両のサスペンション取り付け構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、車室の前面部に設置されたダッシュパネルから車両の前方側に延びる左右一対のフロントサイドフレームと、該フロントサイドフレームの下方に設けられたサブフレームとを備え、該サブフレームにフロントサスペンションが支持されるように構成された車両のサスペンション取り付け構造において、上記サブフレームが、フロントサイドフレームの下方部において車両の前後方向に伸びる左右一対のサイドサブフレームと、該左右サイドサブフレームの後端部を連結するように車幅方向に延設されたリヤサブクロスメンバとを有し、上記サブフレームの後部に、フロントサスペンションのロアアームを揺動可能かつ弾性変位可能に支持するロアアーム支持部と、リヤサブクロスメンバの後端部を車体底面に剛体結合する第1固定部と、該第1固定部よりも車幅方向の外方側にオフセットした位置で上記リヤサブクロスメンバの側端部を車体底面に剛体結合する第2固定部とが設けられたものである。
【0007】
請求項2に係る発明は、上記請求項1に記載の車両のサスペンション取り付け構造において、上記第1固定部よりも車両前後方向の前側位置からサイドサブフレームの車幅方向外方側に向けて突出する突出部材を有し、該突出部材の先端部に上記第2固定部が設けられるとともに、上記突設部材の車幅方向中間部に上記ロアアーム支持部が配設されたものである。
【0008】
請求項3に係る発明は、上記請求項1または2に記載の車両のサスペンション取り付け構造において、上記サイドサブフレームの前後方向中間部をフロントサイドフレームの下面に剛体結合する中間固定部を備えたものである。
【0009】
請求項4に係る発明は、上記請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両のサスペンション取り付け構造において、上記サイドサブフレームの前端部をフロントサイドフレームの前端部に剛体結合する前端固定部を備えたものである。
【0010】
請求項5に係る発明は、上記請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両のサスペンション取り付け構造において、上記サイドサブフレームの前端部に、前方に向けて突出する左右一対の衝撃吸収部材が設けられたものである。
【0011】
請求項6に係る発明は、上記請求項5に記載の車両のサスペンション取り付け構造において、上記左右サイドサブフレームの前端部を連結するフロントサブクロスメンバが車幅方向に延設されたものである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明では、上記サブフレームの後部に、フロントサスペンションのロアアームを揺動可能かつ弾性変位可能に支持するロアアーム支持部と、リヤサブクロスメンバの後端部を車体底面に剛体結合する第1固定部と、該第1固定部よりも車幅方向の外方側にオフセットした位置で上記リヤサブクロスメンバの側端部を車体底面に剛体結合する第2固定部とを設けたため、フロントサスペンションのロアアームから上記サブフレームの後部に入力された突き上げ荷重等を上記サブフレームと車体底面との両方で効果的に支持することができる。したがって、上記フロントサスペンションを支持するサブフレームの側端部を支持する支持部にゴムブッシュを配設し、車両の走行時に車輪からフロントサスペンションに入力されたロードノイズを上記ゴムブッシュで吸収するように構成した従来装置に比べ、サブフレームの構造を簡略化して車体を軽量化しつつ、車両の旋回時等にタイヤから上記フロントサスペンションに入力された荷重の支持剛性を充分に確保できるという利点がある。しかも、上記サブフレームの後部に設けられたロアアーム支持部によりフロントサスペンションのロアアームを揺動可能かつ弾性変位可能に支持したため、上記ロアアームに入力されたロードノイズをロアアーム支持部において吸収し、上記サブフレームおよびこれを支持するフロントサイドフレームに上記ロードノイズが伝達されるのを効果的に抑制することにより、車室内の静粛性を充分に確保することができる。
【0013】
請求項2に係る発明では、上記第1固定部よりも車両前後方向の前側位置からサイドサブフレームの車幅方向外方側に向けて突出する突出部材を設け、該突出部材の先端部に上記第2固定部を設けるとともに、該突設部材の車幅方向中間部に上記ロアアーム支持部を配設したため、前輪からロアアームの先端部に入力されたロードノイズに応じてロアアームが共振する等の事態を生じることがなく、該ロアアームに伝達されたロードノイズをロ上記ロアアーム支持部に設けられたゴムブッシュ等により効率よく吸収し、該ロードノイズが上記フロントサイドフレームに伝達されるのを効果的に抑制できるという利点がある。
【0014】
請求項3に係る発明では、上記サイドサブフレームの前後方向中間部をフロントサイドフレームの下面に剛体結合する中間固定部を設けたため、上記サイドサブフレームの前方部を細幅化する等により車体を効果的に軽量化しつつ、上記サブフレームによるフロントサスペンションの支持剛性を効果的に確保できるという利点がある。
【0015】
請求項4に係る発明では、サイドサブフレームの前端部をフロントサイドフレームの前端部に剛体結合する前端固定部を設けることにより、上記サイドサブフレームとフロントサイドフレームとを前後複数個所において連結するように構成したため、上記フロントサイドフレームによりサイドサブフレームを効果的に補強するとともに、該サイドサブフレームによりフロントサイドフレームを効果的に補強することができ、これによって車体強度およびフロントサスペンションの支持剛性を低下させることなく、サイドサブフレームおよびフロントサイドフレームの構造を簡略して車体を効果的に軽量化できるという利点がある。
【0016】
請求項5に係る発明では、サイドサブフレームの前端部に、前方に向けて突出する左右一対の衝撃吸収部材を設けることにより、車両の前端部が高さの低い障害物に衝突した場合に上記衝撃吸収部材を圧縮変形させて衝突エネルギーを吸収するとともに、該衝突エネルギーを上記サイドサブフレームおよびフロントサイドフレームの両方に伝達することにより安定して支持することができるように構成したため、上記衝突エネルギーが比較的小さい軽衝突時に、上記サイドサブフレームの変形を防止して、衝突後の修理コストを効果的に低減できるという利点がある。
【0017】
請求項6に係る発明では、サブフレームの前方部にフロントサブクロスメンバを車幅方向に延びるように設置し、該フロントサブクロスメンバにより上記左右サイドサブフレームの前端部を連結するように構成したため、上記サイドサブフレームの前端部に設けけられた左右一対の衝撃吸収部材の一方のみが障害物に衝突する斜突事故の発生時等に、該衝撃吸収部材に入力された衝突エネルギーを上記フロントサブクロスメンバから他方のサイドサブフレームに伝達することにより効果的に支持することができる。したがって、車体を軽量化するために上記サイドサブフレームの前方部を細幅化した場合においても、上記斜突事故が発生時に左右のサイドサブフレームの一方に衝撃荷重が集中的に作用して該サイドサブフレームが大きく変形するという事態の発生を効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る車両のサスペンション取り付け構造の実施形態を示す側面図である。
【図2】上記サスペンション取り付け構造の実施形態を示す平面図である。
【図3】上記サスペンション取り付け構造の実施形態を示す底面図である。
【図4】図2のIV−IV線断面図である。
【図5】フロントサブクロスメンバの具体的構造を示す説明図である。
【図6】前端固定部の具体的構造を示す側面断面図である。
【図7】中間固定部および第1固定部の具体的構造を示す側面断面図である。
【図8】サブフレームの位置決め部の構造を示す側面断面図である。
【図9】第1,第2固定部の具体的構造を示す平面図である。
【図10】図9のX−X線断面図である。
【図11】ロアアームの具体的構造を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1〜図4は、本発明に係る車両のサスペンション取り付け構造の実施形態を示している。該車両のサスペンション取り付け構造は、車室の前面部に設置されたダッシュパネル1から車両の前方側に延びる左右一対のフロントサイドフレーム2と、該フロントサイドフレーム2の下方に設けられたサブフレーム3とを有し、該サブフレーム3に、フロントサスペンション4が支持されるように構成されている。
【0020】
上記フロントサイドフレーム2は、車幅方向内方側に位置するインナパネル2aと車幅方向外方側に位置するアウタパネル2bとからなる閉断面形状に構成され(図4参照)、側面視で略水平に延びる水平部5と、その後端部から上記ダッシュパネル1の下端部に沿って後下がり(前上がり)に傾斜しつつ後方側に延びるキックアップ部6とを有している(図1参照)。また、上記フロントサイドフレーム2の前端部には、前方に向けて突出する金属製の筒状体等からなる左右一対の上部衝撃吸収部材(クラッシュカン)7が設けられるとともに、その前端面には、バンパレインフォースメント8が車幅方向に延びるように設置されている。
【0021】
上記サブフレーム3は、アッパパネルとロアパネルとが接合されることにより中空状に形成された所謂ペリメータフレームからなり、図3に示すように、上記フロントサイドフレーム2の下方部において車両の前後方向に伸びる左右一対のサイドサブフレーム9と、該左右サイドサブフレーム9の前端部を連結するように車幅方向に延設されたフロントサブクロスメンバ10と、上記左右サイドサブフレーム9の後端部を連結するように車幅方向に延設されたリヤサブクロスメンバ11とを有している。上記フロントサブクロスメンバ10は、図5に示すように、断面ハット型のクロスメンバ本体12と、その下方部を覆うように設置された底面板13とからなる閉断面形状に形成されている。
【0022】
上記サイドサブフレーム9は、平面視でフロントサイドフレーム2よりも幅寸法が小さい細幅の前方部14と、フロントサイドフレーム2よりも幅寸法が大きい太幅の後方部15とからなっている(図3参照)。そして、上記サイドサブフレーム9の前端部には、前方に向けて突出する金属製の筒状体等からなる左右一対の下部衝撃吸収部材(クラッシュカン)16が設けられるとともに、フロントサイドフレーム2の下面に設けられた取付部17に対して、ゴムブッシュ等を介することなく剛体結合される前端固定部18が設けられている。
【0023】
上記前端固定部18には、図6に示すように、上記サイドサブフレーム9の前端部を上下方向に貫通するとともに上端部が上方に突出した連結パイプ19と、該連結パイプ19に形成された貫通孔を下方から挿通する締結ボルト20とが設置されている。そして、該締結ボルト20のねじ軸が上記フロントサイドフレーム2の取付部17に設けられたナット部材21に螺着されることにより付与される締結力に応じ、上記連結パイプ19の上端面が取付部17の下面に対して強固に圧接され、上記サイドサブフレーム9の前端部とフロントサイドフレーム2の前端部との相対変位(弾性変位)が規制された状態で、両者が剛体結合されるようなっている。
【0024】
また、上記サイドサブフレーム9の前後方向中間部には、図4および図7に示すように、締結ボルト22、連結パイプ23およびナット部材24を介して上記フロントサイドフレーム2の水平部5の後端部下面に剛体結合される中間固定部25が設けられている。該中間固定部25は、サイドサブフレーム9の上面から上方に突設するように設置された脚状部材からなり、その上端部外側面に、上記連結パイプ23が溶接される等により固着されている。なお、図7等において、符号26は、上記連結パイプ23の下端部を支持するとともに、上記締結ボルト22の頭部が当接するように設置されたワッシャプレートである。
【0025】
そして、上記連結パイプ23およびワッシャプレート26に形成された貫通孔を下方から挿通するように設置された締結ボルト22のねじ軸が、上記フロントサイドフレーム2の水平部5に設置されたナット部材24に螺着されるように構成されている。該締結ボルト22の締結力に応じ、上記連結パイプ23の上端面がフロントサイドフレーム2の水平部5の後端部下面に対して強固に圧接されることにより、上記サイドサブフレーム9の前後方向中間部と、上記フロントサイドフレーム2の水平部5の後端部との相対変位が規制された状態で、両者が剛体結合されるようなっている。
【0026】
また、上記サブフレーム3の後端部には、図7〜図9に示すように、ダッシュパネル1の下方に配設されたトンネルフレーム28の下面等からなる車体下面に、締結ボルト29およびナット部材30を介して上記リヤサブクロスメンバ11の後端部を剛体結合する第1固定部31が設けられている。上記トンネルフレーム28の前端部にはナット部材30が設置されるとともに、その側方には位置決め孔33が形成されている。
【0027】
そして、上記リヤサブクロスメンバ11の後端部上面に突設された基準ピン34の上端部を上記位置決め孔33に挿入してリヤサブクロスメンバ11の後端部を位置決めした状態で、該リヤサブクロスメンバ11の後端部に形成されたボルト孔およびその上方に配設されたスペーサ35を下方から挿通するように上記締結ボルト29を設置し、そのねじ軸を上記ナット部材30に螺着するように構成されている。上記締結ボルト29の締結力に応じ、リヤサブクロスメンバ11の後端部上面がトンネルフレーム28の下面に圧接されることにより、上記リヤサブクロスメンバ11の後端部が上記トンネルフレーム28の下面からなる車体下面に剛体結合されるようなっている。
【0028】
また、上記第1固定部31の前方には、図9および図10に示すように、上記リヤサブクロスメンバ11の後端部に対応する位置から車幅方向外方側に向けて突出する突出部材36が設置され、その基端部が固定ボルト37により上記リヤサブクロスメンバ11の側端部下面に固定されている。上記突出部材36の先端部(車幅方向外端部)には、締結ボルト38を介してフロントサイドフレーム2のキックアップ部6からなる車体底面に設けられたナット部材39に剛体結合される第2固定部40が、上記第1固定部31よりも車幅方向外方側にオフセットした位置に設けられている。
【0029】
上記突出部材36の車幅方向中間部、つまり上記固定ボルト37によりリヤサブクロスメンバ11の下面に固定された基端部と、上記第2固定部40との間には、フロントサスペンション4を構成するロアアーム41を揺動可能かつ弾性変位可能に支持するロアアーム支持部44が設けられている。
【0030】
上記ロアアーム41は、図11に示すように、先端部がボールジョイント42を介して車輪支持部材(アクスルハウジング)に連結されるとともに、基端部が前後一対のロアアーム支持部43,44を介して上記サブフレーム3に揺動可能かつ弾性変位可能に支持された所謂A型アームからなっている。そして、上記ロアアーム支持部43,44には、図4および図10に示すように、ロアアーム41を揺動可能に支持する支持軸45と、該支持軸45を抱持することにより、ロアアーム41とロアアーム支持部43,44との相対変位(弾性変位)を許容するゴムブッシュ46が設けられている。
【0031】
上記フロントサスペンション4には、図1に示すように、下端部が車輪支持部材52に剛体結合されるとともに、上端部がゴム製のインシュレータ47等を介してストラットタワー(図示せず)からなる車体側部材に弾性変位可能に支持された左右一対のショックアブソーバ48とが設けられている。また、上記リヤサブクロスメンバ11の上面には、図2および図4に示すように、スタビライザ49が支持部材50を介して回動自在に支持されるとともに、該スタビライザ49の左右両端部には、上記ショックアブソーバ48に連結される左右一対の連結部材51が設けられている。
【0032】
上記のように構成されたサブフレーム3は、フロントサスペンション4を構成する各部材が組み付けられた状態で車両の組立ラインに搬入され、上記フロントサイドフレーム2の下方から車体フレームに組み付けられる。そして、車両の走行時には、図外の前輪から車輪支持部材52に入力された突き上げ荷重等を上記ショックアブソーバ48により吸収するとともに、上記ロアアーム41の先端部に作用する押し上げ力に応じて上記ロアアーム支持部43,44の支持軸45を支点にロアアーム41を揺動変位させることにより車両の繰安性を維持するように構成されている。
【0033】
また、車両の走行時に、上記ロアアーム41に入力されたロードノイズは、ロアアーム支持部43,44に設けられた上記ゴムブッシュ46において吸収されるため、上記サブフレーム3およびこれを支持する上記フロントサイドフレーム2に上記ロードノイズが伝達されるのを抑制することができる。さらに、車体の前端部が他車または障害物等に衝突する前突事故が発生した場合には、上記上下の衝撃吸収部材7,16を蛇腹状に塑性変形させる等により衝突エネルギーを吸収した後、上記フロントサイドフレーム2およびサブフレーム3を圧縮変形させることにより、上記前突時に車体前部に入力された衝突エネルギーが車室内等に伝達されるのを効果的に抑制できるようになっている。
【0034】
上記のように車室の前面部に設置されたダッシュパネル1から車両の前方側に延びる左右一対のフロントサイドフレーム2と、該フロントサイドフレーム2の下方に設けられたサブフレーム3とを備え、該サブフレーム3にフロントサスペンション4が支持されるように構成された車両のサスペンション取り付け構造において、上記サブフレーム3に、フロントサイドフレーム2の下方部において車両の前後方向に伸びる左右一対のサイドサブフレーム9と、該左右サイドサブフレーム9の後端部を連結するように車幅方向に延設されたリヤサブクロスメンバ11とを設け、上記サブフレーム3の後部に、フロントサスペンション4のロアアーム41を揺動可能かつ弾性変位可能に支持するロアアーム支持部43,44と、リヤサブクロスメンバ11の後端部を車体底面に剛体結合する第1固定部31と、該第1固定部31よりも車幅方向の外方側にオフセットした位置で上記リヤサブクロスメンバ11の側端部を車体底面に剛体結合する第2固定部40とを設けたため、車体重量を増大させることなく、フロントサスペンション4の支持剛性を効果的に確保できるという利点がある。
【0035】
すなわち、上記実施形態では、図7に示すようにダッシュパネル1の下方に配設されたトンネルフレーム28の下面等からなる車体下面に、締結ボルト29およびナット部材30を介して剛体結合される第1固定部31をリヤサブクロスメンバ11の後端部に設けるとともに、図9に示すように、上記第1固定部31よりも車幅方向外方側にオフセットした位置に先端部が車幅方向の外方側に突出する突出部材36を設置し、該突出部材36の先端部に、締結ボルト38を介してフロントサイドフレーム2のキックアップ部6からなる車体底面に剛体結合される第2固定部40を設けたため、上記フロントサスペンション4のロアアーム41から上記サブフレーム3の後部に入力された突き上げ荷重等を上記サブフレーム3とフロントサイドフレーム2との両方で効果的に支持することができる。
【0036】
したがって、フロントサスペンションを支持するサブフレームの側端部を支持する支持部にゴムブッシュを配設し、車両の走行時に車輪から上記フロントサスペンションに入力されたロードノイズを上記ゴムブッシュで吸収するように構成した従来装置に比べ、サブフレーム3の構造を簡略化して車体を軽量化しつつ、車両の旋回時等にタイヤから上記フロントサスペンション4に入力された荷重の支持剛性を充分に確保できるという利点がある。
【0037】
しかも、上記サブフレーム3の後部に設けられたロアアーム支持部43,44によりフロントサスペンション4のロアアーム41を揺動可能かつ弾性変位可能に支持するように構成したため、上記ロアアーム41に入力されたロードノイズをロアアーム支持部43,44において吸収し、上記サブフレーム3およびこれを支持する上記フロントサイドフレーム2に上記ロードノイズが伝達されるのを効果的に抑制することにより、車室内の静粛性を充分に確保することができる。
【0038】
特に、図3に示すように、サイドサブフレーム9から車幅方向の外方側に向けて突出する突出部材36を設け、該突出部材36の先端部に上記第2固定部40を設けるとともに、上記突設部材36の車幅方向中間部に上記ロアアーム支持部44を配設した構造とした場合には、上記ロアアーム41に入力されたロードノイズが上記サブフレーム3および上記フロントサイドフレーム2に伝達されるのを、より効果的に防止できるという利点がある。
【0039】
すなわち、上記のようにサブフレーム3の後部を上記第1固定部31および第2固定部40によりフロントサイドフレーム2等からなる車体底面に剛体結合したため、上記サブフレーム3のリヤサブクロスメンバ11およびフロントサイドフレーム2を一体化した強固なフレーム部材を構成することができる。そして、当該強固なフレーム部材に左右両端部が支持されることにより安定して保持された突出部材36に上記ロアアーム支持部44を配設したため、該ロアアーム支持部44によるロアアーム41の支持状態を安定して維持することができる。したがって、上記サブフレームのみにロアアームの支持部を設けて該ロアアームの基端部を片持ち状態で支持するように構成した場合のように、前輪からロアアームの先端部に入力されたロードノイズに応じてロアアームに共振が生じることがなく、上記ロアアーム支持部44に設けられたゴムブッシュ46により上記ロアアーム41に伝達されたロードノイズを効率よく吸収して上記フロントサイドフレーム2に伝達されるのを効果的に抑制できるという利点がある。
【0040】
また、上記実施形態では、図7に示すように、サイドサブフレーム9の前後方向中間部にフロントサイドフレーム2の下面に剛体結合される中間固定部25を設け、該中間固定部25、上記第1固定部31および第2固定部40において、上記フロントサイドフレーム2等からなる車体側部材と上記ロアアーム41が設置されたサブフレーム3の後部とを剛体結合するように構成したため、上記サイドサブフレーム9の前方部14を細幅化することにより車体を効果的に軽量化しつつ、上記サブフレーム3によるフロントサスペンション4の支持剛性を効果的に確保できるという利点がある。
【0041】
さらに、上記実施形態に示すように、サイドサブフレーム9の前端部をフロントサイドフレーム2の前端部に剛体結合する前端固定部18を設けることにより、上記サイドサブフレーム9とフロントサイドフレーム2とを少なくとも前後三個所において連結するように構成した場合には、上記フロントサイドフレーム2によりサイドサブフレーム9を効果的に補強するとともに、該サイドサブフレーム9によりフロントサイドフレーム2を効果的に補強することができる。したがって、車体強度およびフロントサスペンション4の支持剛性を低下させることなく、サイドサブフレーム9およびフロントサイドフレーム2の構造を簡略して車体を効果的に軽量化することができる。
【0042】
また、上記実施形態では、サイドサブフレーム9の前端部に、前方に向けて突出する左右一対の下部衝撃吸収部材16を設けたため、車両の前端部が高さの低い障害物に衝突した場合に上記下部衝撃吸収部材16を圧縮変形させて衝突エネルギーを吸収するとともに、該衝突エネルギーを上記サイドサブフレーム9およびフロントサイドフレーム2の両方に伝達することにより安定して支持することができる。このため、上記衝突エネルギーが比較的小さい軽衝突時に、上記サイドサブフレーム9の変形を防止して、衝突後の修理コストを効果的に低減できるという利点がある。
【0043】
特に、上記実施形態に示すように、サブフレーム3の前方部にフロントサブクロスメンバ10を車幅方向に延びるように設置し、該フロントサブクロスメンバ10により上記左右サイドサブフレーム9の前端部を連結するように構成した場合には、上記サイドサブフレーム9の前端部に設けけられた左右一対の下部衝撃吸収部材16の一方のみが障害物に衝突する斜突事故の発生時等に、該下部衝撃吸収部材16に入力された衝突エネルギーを上記フロントサブクロスメンバ10から他方のサイドサブフレーム9に伝達することにより効果的に支持することができる。したがって、車体を軽量化するために上記サイドサブフレーム9の前方部14を細幅化した場合においても、上記斜突事故が発生時に左右のサイドサブフレーム9の一方に衝撃荷重が集中的に作用して該サイドサブフレーム9が大きく変形するという事態の発生を効果的に防止することができる。
【0044】
さらに、上記実施形態では、フロントサイドフレーム2の前端部に左右一対の上部衝撃吸収部材7を設けるとともに、その下方に位置するサイドサブフレーム9の前端部に左右一対の下部衝撃吸収部材16を設けたため、車両の前端部が背の高い障害物または背の低い障害物の何れに衝突した場合においても、上記上部衝撃吸収部材7または下部衝撃吸収部材16の何れかを圧縮変形させることにより衝突エネルギーを吸収することができる。そして、前突時の衝突エネルギーを上記衝撃吸収部材7,16から前端固定部18を介してサイドサブフレーム9およびフロントサイドフレーム2の両方に伝達することにより安定して支持することができ、上記衝突エネルギーが比較的小さい軽衝突時に、上記サイドサブフレーム9の変形を防止して、衝突後の修理コストを、さらに効果的に低減できるという利点がある。
【符号の説明】
【0045】
1 ダッシュパネル
2 フロントサイドフレーム
3 サブフレーム
4 フロントサスペンション
9 サイドサブフレーム
10 フロントクロスメンバ
11 リヤサブクロスメンバ
16 衝撃吸収部材
18 前端固定部
25 中間固定部
31 第1固定部
36 突出部材
40 第2固定部
41 ロアアーム
44 ロアアーム支持部
【技術分野】
【0001】
本発明は、車室の前面部に設置されたダッシュパネルから車両の前方側に延びる左右一対のフロントサイドフレームと、該フロントサイドフレームの下方に設けられたサブフレームとを備え、該サブフレームにフロントサスペンションが支持されるように構成された車両のサスペンション取り付け構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1に示されるように、車両の前後方向に延設された左右一対のフロントサイドフレーム(車体フレーム)の下方にサイドサブフレーム(サイドフレーム)が設けられるとともに、該サイドサブフレームがゴムブッシュを有する支持部を介して弾性変位可能に上記フロントサイドフレームに支持された車体構造において、上記サイドサブフレームの前端部よりも前方側に延設する左右一対の衝撃吸収部材と、左右の衝撃吸収部材同士を橋渡すように車幅方向に延設されたレインフォースメントとを設けるとともに、車両前後方向の荷重に応じて下方へ屈曲可能な屈曲部を上記サイドサブフレームに作用する設けることが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−271810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示されているように、フロントサスペンションを支持するサブフレームのサイドサブフレームをフロントサイドフレームに支持させる支持部にゴムブッシュを配設した場合には、車両の走行時に車輪から上記フロントサスペンションに入力されたロードノイズを上記支持部に設けられたゴムブッシュで吸収することにより、フロントサイドフレームから車室内にロードノイズ等が伝達されるのを効果的に防止することができる。この反面、車両の旋回時等にタイヤから上記フロントサスペンションに入力された荷重の支持部材として上記フロントサイドフレームを積極的に利用することができず、上記荷重を安定してするためにはサブフレームの強度を充分に確保する必要があり、車体重量が増大することが避けられなかった。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、車体重量を増大させることなく、フロントサスペンションの支持剛性を簡単な構成で効果的に確保できる車両のサスペンション取り付け構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、車室の前面部に設置されたダッシュパネルから車両の前方側に延びる左右一対のフロントサイドフレームと、該フロントサイドフレームの下方に設けられたサブフレームとを備え、該サブフレームにフロントサスペンションが支持されるように構成された車両のサスペンション取り付け構造において、上記サブフレームが、フロントサイドフレームの下方部において車両の前後方向に伸びる左右一対のサイドサブフレームと、該左右サイドサブフレームの後端部を連結するように車幅方向に延設されたリヤサブクロスメンバとを有し、上記サブフレームの後部に、フロントサスペンションのロアアームを揺動可能かつ弾性変位可能に支持するロアアーム支持部と、リヤサブクロスメンバの後端部を車体底面に剛体結合する第1固定部と、該第1固定部よりも車幅方向の外方側にオフセットした位置で上記リヤサブクロスメンバの側端部を車体底面に剛体結合する第2固定部とが設けられたものである。
【0007】
請求項2に係る発明は、上記請求項1に記載の車両のサスペンション取り付け構造において、上記第1固定部よりも車両前後方向の前側位置からサイドサブフレームの車幅方向外方側に向けて突出する突出部材を有し、該突出部材の先端部に上記第2固定部が設けられるとともに、上記突設部材の車幅方向中間部に上記ロアアーム支持部が配設されたものである。
【0008】
請求項3に係る発明は、上記請求項1または2に記載の車両のサスペンション取り付け構造において、上記サイドサブフレームの前後方向中間部をフロントサイドフレームの下面に剛体結合する中間固定部を備えたものである。
【0009】
請求項4に係る発明は、上記請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両のサスペンション取り付け構造において、上記サイドサブフレームの前端部をフロントサイドフレームの前端部に剛体結合する前端固定部を備えたものである。
【0010】
請求項5に係る発明は、上記請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両のサスペンション取り付け構造において、上記サイドサブフレームの前端部に、前方に向けて突出する左右一対の衝撃吸収部材が設けられたものである。
【0011】
請求項6に係る発明は、上記請求項5に記載の車両のサスペンション取り付け構造において、上記左右サイドサブフレームの前端部を連結するフロントサブクロスメンバが車幅方向に延設されたものである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明では、上記サブフレームの後部に、フロントサスペンションのロアアームを揺動可能かつ弾性変位可能に支持するロアアーム支持部と、リヤサブクロスメンバの後端部を車体底面に剛体結合する第1固定部と、該第1固定部よりも車幅方向の外方側にオフセットした位置で上記リヤサブクロスメンバの側端部を車体底面に剛体結合する第2固定部とを設けたため、フロントサスペンションのロアアームから上記サブフレームの後部に入力された突き上げ荷重等を上記サブフレームと車体底面との両方で効果的に支持することができる。したがって、上記フロントサスペンションを支持するサブフレームの側端部を支持する支持部にゴムブッシュを配設し、車両の走行時に車輪からフロントサスペンションに入力されたロードノイズを上記ゴムブッシュで吸収するように構成した従来装置に比べ、サブフレームの構造を簡略化して車体を軽量化しつつ、車両の旋回時等にタイヤから上記フロントサスペンションに入力された荷重の支持剛性を充分に確保できるという利点がある。しかも、上記サブフレームの後部に設けられたロアアーム支持部によりフロントサスペンションのロアアームを揺動可能かつ弾性変位可能に支持したため、上記ロアアームに入力されたロードノイズをロアアーム支持部において吸収し、上記サブフレームおよびこれを支持するフロントサイドフレームに上記ロードノイズが伝達されるのを効果的に抑制することにより、車室内の静粛性を充分に確保することができる。
【0013】
請求項2に係る発明では、上記第1固定部よりも車両前後方向の前側位置からサイドサブフレームの車幅方向外方側に向けて突出する突出部材を設け、該突出部材の先端部に上記第2固定部を設けるとともに、該突設部材の車幅方向中間部に上記ロアアーム支持部を配設したため、前輪からロアアームの先端部に入力されたロードノイズに応じてロアアームが共振する等の事態を生じることがなく、該ロアアームに伝達されたロードノイズをロ上記ロアアーム支持部に設けられたゴムブッシュ等により効率よく吸収し、該ロードノイズが上記フロントサイドフレームに伝達されるのを効果的に抑制できるという利点がある。
【0014】
請求項3に係る発明では、上記サイドサブフレームの前後方向中間部をフロントサイドフレームの下面に剛体結合する中間固定部を設けたため、上記サイドサブフレームの前方部を細幅化する等により車体を効果的に軽量化しつつ、上記サブフレームによるフロントサスペンションの支持剛性を効果的に確保できるという利点がある。
【0015】
請求項4に係る発明では、サイドサブフレームの前端部をフロントサイドフレームの前端部に剛体結合する前端固定部を設けることにより、上記サイドサブフレームとフロントサイドフレームとを前後複数個所において連結するように構成したため、上記フロントサイドフレームによりサイドサブフレームを効果的に補強するとともに、該サイドサブフレームによりフロントサイドフレームを効果的に補強することができ、これによって車体強度およびフロントサスペンションの支持剛性を低下させることなく、サイドサブフレームおよびフロントサイドフレームの構造を簡略して車体を効果的に軽量化できるという利点がある。
【0016】
請求項5に係る発明では、サイドサブフレームの前端部に、前方に向けて突出する左右一対の衝撃吸収部材を設けることにより、車両の前端部が高さの低い障害物に衝突した場合に上記衝撃吸収部材を圧縮変形させて衝突エネルギーを吸収するとともに、該衝突エネルギーを上記サイドサブフレームおよびフロントサイドフレームの両方に伝達することにより安定して支持することができるように構成したため、上記衝突エネルギーが比較的小さい軽衝突時に、上記サイドサブフレームの変形を防止して、衝突後の修理コストを効果的に低減できるという利点がある。
【0017】
請求項6に係る発明では、サブフレームの前方部にフロントサブクロスメンバを車幅方向に延びるように設置し、該フロントサブクロスメンバにより上記左右サイドサブフレームの前端部を連結するように構成したため、上記サイドサブフレームの前端部に設けけられた左右一対の衝撃吸収部材の一方のみが障害物に衝突する斜突事故の発生時等に、該衝撃吸収部材に入力された衝突エネルギーを上記フロントサブクロスメンバから他方のサイドサブフレームに伝達することにより効果的に支持することができる。したがって、車体を軽量化するために上記サイドサブフレームの前方部を細幅化した場合においても、上記斜突事故が発生時に左右のサイドサブフレームの一方に衝撃荷重が集中的に作用して該サイドサブフレームが大きく変形するという事態の発生を効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る車両のサスペンション取り付け構造の実施形態を示す側面図である。
【図2】上記サスペンション取り付け構造の実施形態を示す平面図である。
【図3】上記サスペンション取り付け構造の実施形態を示す底面図である。
【図4】図2のIV−IV線断面図である。
【図5】フロントサブクロスメンバの具体的構造を示す説明図である。
【図6】前端固定部の具体的構造を示す側面断面図である。
【図7】中間固定部および第1固定部の具体的構造を示す側面断面図である。
【図8】サブフレームの位置決め部の構造を示す側面断面図である。
【図9】第1,第2固定部の具体的構造を示す平面図である。
【図10】図9のX−X線断面図である。
【図11】ロアアームの具体的構造を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1〜図4は、本発明に係る車両のサスペンション取り付け構造の実施形態を示している。該車両のサスペンション取り付け構造は、車室の前面部に設置されたダッシュパネル1から車両の前方側に延びる左右一対のフロントサイドフレーム2と、該フロントサイドフレーム2の下方に設けられたサブフレーム3とを有し、該サブフレーム3に、フロントサスペンション4が支持されるように構成されている。
【0020】
上記フロントサイドフレーム2は、車幅方向内方側に位置するインナパネル2aと車幅方向外方側に位置するアウタパネル2bとからなる閉断面形状に構成され(図4参照)、側面視で略水平に延びる水平部5と、その後端部から上記ダッシュパネル1の下端部に沿って後下がり(前上がり)に傾斜しつつ後方側に延びるキックアップ部6とを有している(図1参照)。また、上記フロントサイドフレーム2の前端部には、前方に向けて突出する金属製の筒状体等からなる左右一対の上部衝撃吸収部材(クラッシュカン)7が設けられるとともに、その前端面には、バンパレインフォースメント8が車幅方向に延びるように設置されている。
【0021】
上記サブフレーム3は、アッパパネルとロアパネルとが接合されることにより中空状に形成された所謂ペリメータフレームからなり、図3に示すように、上記フロントサイドフレーム2の下方部において車両の前後方向に伸びる左右一対のサイドサブフレーム9と、該左右サイドサブフレーム9の前端部を連結するように車幅方向に延設されたフロントサブクロスメンバ10と、上記左右サイドサブフレーム9の後端部を連結するように車幅方向に延設されたリヤサブクロスメンバ11とを有している。上記フロントサブクロスメンバ10は、図5に示すように、断面ハット型のクロスメンバ本体12と、その下方部を覆うように設置された底面板13とからなる閉断面形状に形成されている。
【0022】
上記サイドサブフレーム9は、平面視でフロントサイドフレーム2よりも幅寸法が小さい細幅の前方部14と、フロントサイドフレーム2よりも幅寸法が大きい太幅の後方部15とからなっている(図3参照)。そして、上記サイドサブフレーム9の前端部には、前方に向けて突出する金属製の筒状体等からなる左右一対の下部衝撃吸収部材(クラッシュカン)16が設けられるとともに、フロントサイドフレーム2の下面に設けられた取付部17に対して、ゴムブッシュ等を介することなく剛体結合される前端固定部18が設けられている。
【0023】
上記前端固定部18には、図6に示すように、上記サイドサブフレーム9の前端部を上下方向に貫通するとともに上端部が上方に突出した連結パイプ19と、該連結パイプ19に形成された貫通孔を下方から挿通する締結ボルト20とが設置されている。そして、該締結ボルト20のねじ軸が上記フロントサイドフレーム2の取付部17に設けられたナット部材21に螺着されることにより付与される締結力に応じ、上記連結パイプ19の上端面が取付部17の下面に対して強固に圧接され、上記サイドサブフレーム9の前端部とフロントサイドフレーム2の前端部との相対変位(弾性変位)が規制された状態で、両者が剛体結合されるようなっている。
【0024】
また、上記サイドサブフレーム9の前後方向中間部には、図4および図7に示すように、締結ボルト22、連結パイプ23およびナット部材24を介して上記フロントサイドフレーム2の水平部5の後端部下面に剛体結合される中間固定部25が設けられている。該中間固定部25は、サイドサブフレーム9の上面から上方に突設するように設置された脚状部材からなり、その上端部外側面に、上記連結パイプ23が溶接される等により固着されている。なお、図7等において、符号26は、上記連結パイプ23の下端部を支持するとともに、上記締結ボルト22の頭部が当接するように設置されたワッシャプレートである。
【0025】
そして、上記連結パイプ23およびワッシャプレート26に形成された貫通孔を下方から挿通するように設置された締結ボルト22のねじ軸が、上記フロントサイドフレーム2の水平部5に設置されたナット部材24に螺着されるように構成されている。該締結ボルト22の締結力に応じ、上記連結パイプ23の上端面がフロントサイドフレーム2の水平部5の後端部下面に対して強固に圧接されることにより、上記サイドサブフレーム9の前後方向中間部と、上記フロントサイドフレーム2の水平部5の後端部との相対変位が規制された状態で、両者が剛体結合されるようなっている。
【0026】
また、上記サブフレーム3の後端部には、図7〜図9に示すように、ダッシュパネル1の下方に配設されたトンネルフレーム28の下面等からなる車体下面に、締結ボルト29およびナット部材30を介して上記リヤサブクロスメンバ11の後端部を剛体結合する第1固定部31が設けられている。上記トンネルフレーム28の前端部にはナット部材30が設置されるとともに、その側方には位置決め孔33が形成されている。
【0027】
そして、上記リヤサブクロスメンバ11の後端部上面に突設された基準ピン34の上端部を上記位置決め孔33に挿入してリヤサブクロスメンバ11の後端部を位置決めした状態で、該リヤサブクロスメンバ11の後端部に形成されたボルト孔およびその上方に配設されたスペーサ35を下方から挿通するように上記締結ボルト29を設置し、そのねじ軸を上記ナット部材30に螺着するように構成されている。上記締結ボルト29の締結力に応じ、リヤサブクロスメンバ11の後端部上面がトンネルフレーム28の下面に圧接されることにより、上記リヤサブクロスメンバ11の後端部が上記トンネルフレーム28の下面からなる車体下面に剛体結合されるようなっている。
【0028】
また、上記第1固定部31の前方には、図9および図10に示すように、上記リヤサブクロスメンバ11の後端部に対応する位置から車幅方向外方側に向けて突出する突出部材36が設置され、その基端部が固定ボルト37により上記リヤサブクロスメンバ11の側端部下面に固定されている。上記突出部材36の先端部(車幅方向外端部)には、締結ボルト38を介してフロントサイドフレーム2のキックアップ部6からなる車体底面に設けられたナット部材39に剛体結合される第2固定部40が、上記第1固定部31よりも車幅方向外方側にオフセットした位置に設けられている。
【0029】
上記突出部材36の車幅方向中間部、つまり上記固定ボルト37によりリヤサブクロスメンバ11の下面に固定された基端部と、上記第2固定部40との間には、フロントサスペンション4を構成するロアアーム41を揺動可能かつ弾性変位可能に支持するロアアーム支持部44が設けられている。
【0030】
上記ロアアーム41は、図11に示すように、先端部がボールジョイント42を介して車輪支持部材(アクスルハウジング)に連結されるとともに、基端部が前後一対のロアアーム支持部43,44を介して上記サブフレーム3に揺動可能かつ弾性変位可能に支持された所謂A型アームからなっている。そして、上記ロアアーム支持部43,44には、図4および図10に示すように、ロアアーム41を揺動可能に支持する支持軸45と、該支持軸45を抱持することにより、ロアアーム41とロアアーム支持部43,44との相対変位(弾性変位)を許容するゴムブッシュ46が設けられている。
【0031】
上記フロントサスペンション4には、図1に示すように、下端部が車輪支持部材52に剛体結合されるとともに、上端部がゴム製のインシュレータ47等を介してストラットタワー(図示せず)からなる車体側部材に弾性変位可能に支持された左右一対のショックアブソーバ48とが設けられている。また、上記リヤサブクロスメンバ11の上面には、図2および図4に示すように、スタビライザ49が支持部材50を介して回動自在に支持されるとともに、該スタビライザ49の左右両端部には、上記ショックアブソーバ48に連結される左右一対の連結部材51が設けられている。
【0032】
上記のように構成されたサブフレーム3は、フロントサスペンション4を構成する各部材が組み付けられた状態で車両の組立ラインに搬入され、上記フロントサイドフレーム2の下方から車体フレームに組み付けられる。そして、車両の走行時には、図外の前輪から車輪支持部材52に入力された突き上げ荷重等を上記ショックアブソーバ48により吸収するとともに、上記ロアアーム41の先端部に作用する押し上げ力に応じて上記ロアアーム支持部43,44の支持軸45を支点にロアアーム41を揺動変位させることにより車両の繰安性を維持するように構成されている。
【0033】
また、車両の走行時に、上記ロアアーム41に入力されたロードノイズは、ロアアーム支持部43,44に設けられた上記ゴムブッシュ46において吸収されるため、上記サブフレーム3およびこれを支持する上記フロントサイドフレーム2に上記ロードノイズが伝達されるのを抑制することができる。さらに、車体の前端部が他車または障害物等に衝突する前突事故が発生した場合には、上記上下の衝撃吸収部材7,16を蛇腹状に塑性変形させる等により衝突エネルギーを吸収した後、上記フロントサイドフレーム2およびサブフレーム3を圧縮変形させることにより、上記前突時に車体前部に入力された衝突エネルギーが車室内等に伝達されるのを効果的に抑制できるようになっている。
【0034】
上記のように車室の前面部に設置されたダッシュパネル1から車両の前方側に延びる左右一対のフロントサイドフレーム2と、該フロントサイドフレーム2の下方に設けられたサブフレーム3とを備え、該サブフレーム3にフロントサスペンション4が支持されるように構成された車両のサスペンション取り付け構造において、上記サブフレーム3に、フロントサイドフレーム2の下方部において車両の前後方向に伸びる左右一対のサイドサブフレーム9と、該左右サイドサブフレーム9の後端部を連結するように車幅方向に延設されたリヤサブクロスメンバ11とを設け、上記サブフレーム3の後部に、フロントサスペンション4のロアアーム41を揺動可能かつ弾性変位可能に支持するロアアーム支持部43,44と、リヤサブクロスメンバ11の後端部を車体底面に剛体結合する第1固定部31と、該第1固定部31よりも車幅方向の外方側にオフセットした位置で上記リヤサブクロスメンバ11の側端部を車体底面に剛体結合する第2固定部40とを設けたため、車体重量を増大させることなく、フロントサスペンション4の支持剛性を効果的に確保できるという利点がある。
【0035】
すなわち、上記実施形態では、図7に示すようにダッシュパネル1の下方に配設されたトンネルフレーム28の下面等からなる車体下面に、締結ボルト29およびナット部材30を介して剛体結合される第1固定部31をリヤサブクロスメンバ11の後端部に設けるとともに、図9に示すように、上記第1固定部31よりも車幅方向外方側にオフセットした位置に先端部が車幅方向の外方側に突出する突出部材36を設置し、該突出部材36の先端部に、締結ボルト38を介してフロントサイドフレーム2のキックアップ部6からなる車体底面に剛体結合される第2固定部40を設けたため、上記フロントサスペンション4のロアアーム41から上記サブフレーム3の後部に入力された突き上げ荷重等を上記サブフレーム3とフロントサイドフレーム2との両方で効果的に支持することができる。
【0036】
したがって、フロントサスペンションを支持するサブフレームの側端部を支持する支持部にゴムブッシュを配設し、車両の走行時に車輪から上記フロントサスペンションに入力されたロードノイズを上記ゴムブッシュで吸収するように構成した従来装置に比べ、サブフレーム3の構造を簡略化して車体を軽量化しつつ、車両の旋回時等にタイヤから上記フロントサスペンション4に入力された荷重の支持剛性を充分に確保できるという利点がある。
【0037】
しかも、上記サブフレーム3の後部に設けられたロアアーム支持部43,44によりフロントサスペンション4のロアアーム41を揺動可能かつ弾性変位可能に支持するように構成したため、上記ロアアーム41に入力されたロードノイズをロアアーム支持部43,44において吸収し、上記サブフレーム3およびこれを支持する上記フロントサイドフレーム2に上記ロードノイズが伝達されるのを効果的に抑制することにより、車室内の静粛性を充分に確保することができる。
【0038】
特に、図3に示すように、サイドサブフレーム9から車幅方向の外方側に向けて突出する突出部材36を設け、該突出部材36の先端部に上記第2固定部40を設けるとともに、上記突設部材36の車幅方向中間部に上記ロアアーム支持部44を配設した構造とした場合には、上記ロアアーム41に入力されたロードノイズが上記サブフレーム3および上記フロントサイドフレーム2に伝達されるのを、より効果的に防止できるという利点がある。
【0039】
すなわち、上記のようにサブフレーム3の後部を上記第1固定部31および第2固定部40によりフロントサイドフレーム2等からなる車体底面に剛体結合したため、上記サブフレーム3のリヤサブクロスメンバ11およびフロントサイドフレーム2を一体化した強固なフレーム部材を構成することができる。そして、当該強固なフレーム部材に左右両端部が支持されることにより安定して保持された突出部材36に上記ロアアーム支持部44を配設したため、該ロアアーム支持部44によるロアアーム41の支持状態を安定して維持することができる。したがって、上記サブフレームのみにロアアームの支持部を設けて該ロアアームの基端部を片持ち状態で支持するように構成した場合のように、前輪からロアアームの先端部に入力されたロードノイズに応じてロアアームに共振が生じることがなく、上記ロアアーム支持部44に設けられたゴムブッシュ46により上記ロアアーム41に伝達されたロードノイズを効率よく吸収して上記フロントサイドフレーム2に伝達されるのを効果的に抑制できるという利点がある。
【0040】
また、上記実施形態では、図7に示すように、サイドサブフレーム9の前後方向中間部にフロントサイドフレーム2の下面に剛体結合される中間固定部25を設け、該中間固定部25、上記第1固定部31および第2固定部40において、上記フロントサイドフレーム2等からなる車体側部材と上記ロアアーム41が設置されたサブフレーム3の後部とを剛体結合するように構成したため、上記サイドサブフレーム9の前方部14を細幅化することにより車体を効果的に軽量化しつつ、上記サブフレーム3によるフロントサスペンション4の支持剛性を効果的に確保できるという利点がある。
【0041】
さらに、上記実施形態に示すように、サイドサブフレーム9の前端部をフロントサイドフレーム2の前端部に剛体結合する前端固定部18を設けることにより、上記サイドサブフレーム9とフロントサイドフレーム2とを少なくとも前後三個所において連結するように構成した場合には、上記フロントサイドフレーム2によりサイドサブフレーム9を効果的に補強するとともに、該サイドサブフレーム9によりフロントサイドフレーム2を効果的に補強することができる。したがって、車体強度およびフロントサスペンション4の支持剛性を低下させることなく、サイドサブフレーム9およびフロントサイドフレーム2の構造を簡略して車体を効果的に軽量化することができる。
【0042】
また、上記実施形態では、サイドサブフレーム9の前端部に、前方に向けて突出する左右一対の下部衝撃吸収部材16を設けたため、車両の前端部が高さの低い障害物に衝突した場合に上記下部衝撃吸収部材16を圧縮変形させて衝突エネルギーを吸収するとともに、該衝突エネルギーを上記サイドサブフレーム9およびフロントサイドフレーム2の両方に伝達することにより安定して支持することができる。このため、上記衝突エネルギーが比較的小さい軽衝突時に、上記サイドサブフレーム9の変形を防止して、衝突後の修理コストを効果的に低減できるという利点がある。
【0043】
特に、上記実施形態に示すように、サブフレーム3の前方部にフロントサブクロスメンバ10を車幅方向に延びるように設置し、該フロントサブクロスメンバ10により上記左右サイドサブフレーム9の前端部を連結するように構成した場合には、上記サイドサブフレーム9の前端部に設けけられた左右一対の下部衝撃吸収部材16の一方のみが障害物に衝突する斜突事故の発生時等に、該下部衝撃吸収部材16に入力された衝突エネルギーを上記フロントサブクロスメンバ10から他方のサイドサブフレーム9に伝達することにより効果的に支持することができる。したがって、車体を軽量化するために上記サイドサブフレーム9の前方部14を細幅化した場合においても、上記斜突事故が発生時に左右のサイドサブフレーム9の一方に衝撃荷重が集中的に作用して該サイドサブフレーム9が大きく変形するという事態の発生を効果的に防止することができる。
【0044】
さらに、上記実施形態では、フロントサイドフレーム2の前端部に左右一対の上部衝撃吸収部材7を設けるとともに、その下方に位置するサイドサブフレーム9の前端部に左右一対の下部衝撃吸収部材16を設けたため、車両の前端部が背の高い障害物または背の低い障害物の何れに衝突した場合においても、上記上部衝撃吸収部材7または下部衝撃吸収部材16の何れかを圧縮変形させることにより衝突エネルギーを吸収することができる。そして、前突時の衝突エネルギーを上記衝撃吸収部材7,16から前端固定部18を介してサイドサブフレーム9およびフロントサイドフレーム2の両方に伝達することにより安定して支持することができ、上記衝突エネルギーが比較的小さい軽衝突時に、上記サイドサブフレーム9の変形を防止して、衝突後の修理コストを、さらに効果的に低減できるという利点がある。
【符号の説明】
【0045】
1 ダッシュパネル
2 フロントサイドフレーム
3 サブフレーム
4 フロントサスペンション
9 サイドサブフレーム
10 フロントクロスメンバ
11 リヤサブクロスメンバ
16 衝撃吸収部材
18 前端固定部
25 中間固定部
31 第1固定部
36 突出部材
40 第2固定部
41 ロアアーム
44 ロアアーム支持部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室の前面部に設置されたダッシュパネルから車両の前方側に延びる左右一対のフロントサイドフレームと、該フロントサイドフレームの下方に設けられたサブフレームとを備え、該サブフレームにフロントサスペンションが支持されるように構成された車両のサスペンション取り付け構造において、上記サブフレームは、フロントサイドフレームの下方部において車両の前後方向に伸びる左右一対のサイドサブフレームと、該左右サイドサブフレームの後端部を連結するように車幅方向に延設されたリヤサブクロスメンバとを有し、上記サブフレームの後部に、フロントサスペンションのロアアームを揺動可能かつ弾性変位可能に支持するロアアーム支持部と、リヤサブクロスメンバの後端部を車体底面に剛体結合する第1固定部と、該第1固定部よりも車幅方向の外方側にオフセットした位置で上記リヤサブクロスメンバの側端部を車体底面に剛体結合する第2固定部とが設けられたことを特徴とする車両のサスペンション取り付け構造。
【請求項2】
上記第1固定部よりも車両前後方向の前側位置からサイドサブフレームの車幅方向外方側に向けて突出する突出部材を有し、該突出部材の先端部に上記第2固定部が設けられるとともに、上記突設部材の車幅方向中間部に上記ロアアーム支持部が配設されたことを特徴とする請求項1に記載の車両のサスペンション取り付け構造。
【請求項3】
上記サイドサブフレームの前後方向中間部をフロントサイドフレームの下面に剛体結合する中間固定部を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の車両のサスペンション取り付け構造。
【請求項4】
上記サイドサブフレームの前端部をフロントサイドフレームの前端部に剛体結合する前端固定部を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両のサスペンション取り付け構造。
【請求項5】
上記サイドサブフレームの前端部に、前方に向けて突出する左右一対の衝撃吸収部材が設けられたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両のサスペンション取り付け構造。
【請求項6】
上記左右サイドサブフレームの前端部を連結するフロントサブクロスメンバが車幅方向に延設されたことを特徴とする請求項5に記載の車両のサスペンション取り付け構造。
【請求項1】
車室の前面部に設置されたダッシュパネルから車両の前方側に延びる左右一対のフロントサイドフレームと、該フロントサイドフレームの下方に設けられたサブフレームとを備え、該サブフレームにフロントサスペンションが支持されるように構成された車両のサスペンション取り付け構造において、上記サブフレームは、フロントサイドフレームの下方部において車両の前後方向に伸びる左右一対のサイドサブフレームと、該左右サイドサブフレームの後端部を連結するように車幅方向に延設されたリヤサブクロスメンバとを有し、上記サブフレームの後部に、フロントサスペンションのロアアームを揺動可能かつ弾性変位可能に支持するロアアーム支持部と、リヤサブクロスメンバの後端部を車体底面に剛体結合する第1固定部と、該第1固定部よりも車幅方向の外方側にオフセットした位置で上記リヤサブクロスメンバの側端部を車体底面に剛体結合する第2固定部とが設けられたことを特徴とする車両のサスペンション取り付け構造。
【請求項2】
上記第1固定部よりも車両前後方向の前側位置からサイドサブフレームの車幅方向外方側に向けて突出する突出部材を有し、該突出部材の先端部に上記第2固定部が設けられるとともに、上記突設部材の車幅方向中間部に上記ロアアーム支持部が配設されたことを特徴とする請求項1に記載の車両のサスペンション取り付け構造。
【請求項3】
上記サイドサブフレームの前後方向中間部をフロントサイドフレームの下面に剛体結合する中間固定部を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の車両のサスペンション取り付け構造。
【請求項4】
上記サイドサブフレームの前端部をフロントサイドフレームの前端部に剛体結合する前端固定部を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両のサスペンション取り付け構造。
【請求項5】
上記サイドサブフレームの前端部に、前方に向けて突出する左右一対の衝撃吸収部材が設けられたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両のサスペンション取り付け構造。
【請求項6】
上記左右サイドサブフレームの前端部を連結するフロントサブクロスメンバが車幅方向に延設されたことを特徴とする請求項5に記載の車両のサスペンション取り付け構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−11874(P2012−11874A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−149578(P2010−149578)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】
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