説明

車両のセンターピラー構造

【課題】 簡単な構造でセンターピラーの強度を高める。
【解決手段】 センターピラーアウターパネル15とセンターピラーインナーパネル14との間に挟まれたスチフナ16,18の水平断面を、車体前側および車体後側からそれぞれ車体外側に突出する前部円弧状ビード部16bおよび後部円弧状ビード部16dと、両ビード部16b,16dの相互に対向する端部からそれぞれ車体内側に向かって延びる前部縦リブ部18bおよび後部縦リブ部18dと、両縦リブ部18b,18dを連結してセンターピラーインナーパネル14に当接する底壁部18cとで構成したので、側面衝突時に両縦リブ部18b,18dでセンターピラー11の潰れを防止して高い耐衝突性能を確保しながら、材料の厚さを薄くして軽量化を図ることができる。しかも前部円弧状ビード部16bおよび後部円弧状ビード部16dは曲率半径が小さい急激な折り曲げ部が存在しないので、プレス加工が容易になって加工コストが削減される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センターピラーアウターパネルとセンターピラーインナーパネルとの間にスチフナを挟んで結合した車両のセンターピラー構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車両のセンターピラーをアウターパネルおよびインナーパネルを結合して閉断面に構成し、アウターパネルの内面に沿ってアウタースチフナを配置するとともにインナーパネルの内面に沿ってインナースチフナを配置し、アウタースチフナおよびインナースチフナの車体前後方向の中間位置にそれぞれ形成した断面コ字状の突出部を相互に対向させることで、側面衝突時におけるセンターピラーの耐衝突性能を高めたものが、下記特許文献1により公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−326376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで上記従来のものは、アウタースチフナの突出部およびインナースチフナの突出部が相互に当接せずに隙間を介して対向するため、側面衝突の荷重が加わるとセンターピラーが潰れるように変形してしまい、充分な耐衝突性能が得られない可能性があるだけでなく、アウタースチフナおよびインナースチフナの断面コ字状の突出部が曲率半径の小さい稜線を有するため、そのプレス成形が困難になって加工コストが増加するという問題があった。
【0005】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、簡単な構造でセンターピラーの強度を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、センターピラーアウターパネルとセンターピラーインナーパネルとの間にスチフナを挟んで結合した車両のセンターピラー構造において、前記スチフナは、車体前側および車体後側からそれぞれ車体外側に突出する前部円弧状ビード部および後部円弧状ビード部と、前記前部円弧状ビード部および前記後部円弧状ビード部の相互に対向する端部からそれぞれ車体内側に向かって延びる前部縦リブ部および後部縦リブ部と、前記前部縦リブ部および前記後部縦リブ部を連結して前記センターピラーインナーパネルに当接する底壁部とで構成されることを特徴とする車両のセンターピラー構造が提案される。
【0007】
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記底壁部に、シートベルトショルダーアンカーのスライド機構を締結するためのナットを有する補強板を溶接したことを特徴とする車両のセンターピラー構造が提案される。
【0008】
また請求項3に記載された発明によれば、請求項2の構成に加えて、前記スチフナは車体の窓開口からルーフサイドレールまで上下方向に延び、前記スチフナの上下方向中間部における前記底壁部の車体前後方向の幅は、前記スチフナの上部および下部における前記底壁部の車体前後方向の幅よりも大きいことを特徴とする車両のセンターピラー構造が提案される。
【0009】
また請求項4に記載された発明によれば、請求項1〜請求項3の何れか1項の構成に加えて、前記スチフナは車体の窓開口からルーフサイドレールまで上下方向に延び、前記スチフナの上下方向中間部における前記前部および後部縦リブ部の高さは、前記スチフナの上部および下部における前記前部および後部縦リブ部の高さよりも低いことを特徴とするセンターピラー構造が提案される。
【0010】
また請求項5に記載された発明によれば、請求項1〜請求項4の何れか1項の構成に加えて、前記スチフナは、前記前部円弧状ビード部の前縁および前記後部円弧状ビード部の後縁からの相互に離反する方向に延びる前部フランジ部および後部フランジ部を備え、前記前部フランジ部を前記センターピラーインナーパネルの前縁に結合するとともに前記後部フランジ部を前記センターピラーインナーパネルの後縁に結合することで、前記センターピラーインナーパネルおよび前記スチフナは閉断面を構成することを特徴とする車両のセンターピラー構造が提案される。
【0011】
また請求項6に記載された発明によれば、請求項1〜請求項5の何れか1項の構成に加えて、前記スチフナはホットプレス成形により製作されることを特徴とする車両のセンターピラー構造が提案される。
【0012】
尚、実施の形態の第1スチフナ16および第3スチフナ18は本発明のスチフナに対応する。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の構成によれば、センターピラーアウターパネルとセンターピラーインナーパネルとの間に挟まれたスチフナを、車体前側および車体後側からそれぞれ車体外側に突出する前部円弧状ビード部および後部円弧状ビード部と、前部円弧状ビード部および後部円弧状ビード部の相互に対向する端部からそれぞれ車体内側に向かって延びる前部縦リブ部および後部縦リブ部と、前部縦リブ部および後部縦リブ部を連結してセンターピラーインナーパネルに当接する底壁部とで構成したので、側面衝突時に前後の縦リブ部でセンターピラーの潰れを防止して高い耐衝突性能を確保しながら、スチフナの材料の厚さを薄くして軽量化を図ることができる。しかも前部円弧状ビード部および後部円弧状ビード部は曲率半径が小さい急激な折り曲げ部が存在しないので、プレス加工が容易になって加工コストが削減される。
【0014】
また請求項2の構成によれば、スチフナの底壁部にシートベルトショルダーアンカーのスライド機構を締結するためのナットを有する補強板を溶接したので、センターピラーにスライド機構を強固に固定することができる。
【0015】
また請求項3の構成によれば、車体の窓開口からルーフサイドレールまで上下方向に延びるスチフナは、上下方向中間部における底壁部の車体前後方向の幅が上部および下部における底壁部の車体前後方向の幅よりも大きいので、スチフナにスライド機構の補強板を溶接するスペースを確保することができる。
【0016】
また請求項4の構成によれば、車体の窓開口からルーフサイドレールまで上下方向に延びるスチフナは、上下方向中間部における縦リブ部の高さが上部および下部における縦リブ部の車体前後方向の高さよりも低いので、側面衝突に対するセンターピラーの強度を確保しながら乗員の頭部の周辺の室内空間の容積を拡大することができる。
【0017】
また請求項5の構成によれば、スチフナの前部および後部円弧状ビード部の前縁および後縁からの相互に離反する方向に延びる前部および後部フランジ部をセンターピラーインナーパネルの前縁および後縁に結合するので、センターピラーインナーパネルおよびスチフナで閉断面を構成してセンターピラーの強度を更に高めることができる。
【0018】
また請求項6の構成によれば、スチフナをホットプレス成形により製作するので、プレス成形時にスチフナの材料の強度を高めることでセンターピラーの強度を更に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】自動車の左側のセンターピラーを車体外側の斜め前方から見た斜視図。(第1の実施の形態)
【図2】自動車の左側のセンターピラーを車体内側の斜め後方から見た斜視図。(第1の実施の形態)
【図3】図1の3−3線断面図。(第1の実施の形態)
【図4】図1の3部分解斜視図。(第1の実施の形態)
【図5】図4の4(A)−4(A)線、4(B)−4(B)線および4(C)−4(C)線 断面図。(第1の実施の形態)
【図6】前記図3に対応する図。(第2の実施の形態)
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図1〜図5に基づいて本発明の第1の実施の形態を説明する。
【0021】
図1〜図4に示すように、自動車のセンターピラー11の上端および下端は、ルーフサイドレール12の前後方向中間部と、サイドシル13の前後方向中間部とに接続される。センターピラー11は、車体内側に位置するセンターピラーインナーパネル14と、車体外側に位置するセンターピラーアウターパネル15(図1では省略)と、センターピラーインナーパネル14およびセンターピラーアウターパネル15間に挟まれた第1スチフナ16、第2スチフナ17および第3スチフナ18とを備え、全体として上下方向に延びる閉断面に構成される。第1〜第3スチフナ16,17,18のうち、第1スチフナ16および第2スチフナ17は上下方向に連続してセンターピラーアウターパネル15側に配置され、第1スチフナ16に重ね合わされる第3スチフナ18はセンターピラーインナーパネル14側に配置される。また第1スチフナ16および第3スチフナ18は車体の窓開口を跨いで低い位置まで配置され、第2スチフナ17は第1スチフナ16よりも更に低い位置に配置される。
【0022】
ルーフサイドレール12は、ルーフサイドレールアウター19およびルーフサイドレールインナー20を備え、全体として車体前後方向に延びる閉断面に構成される。サイドシル13は、サイドシルアウター21およびサイドシルインナー22を備え、全体として車体前後方向に延びる閉断面に構成される。センターピラーインナーパネル14の下端およびセンターピラーアウターパネル15の下端は重ね合わされてサイドシルアウター21の外面に結合される。センターピラーインナーパネル14の上端はルーフサイドレールインナー20に結合されるとともに、センターピラーアウターパネル15の上端はルーフサイドレールアウター19に結合される。
【0023】
図3および図4に示すように、金属板材をプレス加工したセンターピラーインナーパネル14のうち、第1スチフナ16に対向する上半部は、その前縁に沿って車体後方に延びる前部フランジ部14aと、前部フランジ部14aの後縁から車幅方向内側に向かって円弧状ないしは半円状に突出する前部円弧状ビード部14bと、前部円弧状ビード部14bの後縁から車体後方に延びる底壁部14cと、底壁部14cの後縁から車幅方向内側に向かって円弧状ないしは半円状に突出する後部円弧状ビード部14dと、後部円弧状ビード部14dの後縁から車体後方に延びる後側フランジ部14eとを備える。
【0024】
金属板材をプレス加工した第1スチフナ16は、その前縁に沿って車体後方に延びる前部フランジ部16aと、前部フランジ部16aの後縁からセンターピラーアウターパネル15側に向かって円弧状ないしは半円状に突出する前部円弧状ビード部16bと、前部円弧状ビード部16bの後縁から車体後方に延びる底壁部16cと、底壁部16cの後縁からセンターピラーアウターパネル15側に向かって円弧状ないしは半円状に突出する後部円弧状ビード部16dと、後部円弧状ビード部16dの後縁から車体後方に延びる後側フランジ部16eとを備える。
【0025】
金属板材をプレス加工した第3スチフナ18は、上下方向の長さが第1スチフナ16と略同じ長さで車体前後方向の幅が第1スチフナ16よりも小さい部材であって、その前縁に沿って第1スチフナ16側に向かって円弧状ないしは半円状に突出する前部円弧状ビード部18aと、前部円弧状ビード部18aの後縁からセンターピラーインナーパネル14に向かって延びる前部縦リブ部18bと、前部縦リブ部18bの左右方向内端から車体後方に延びる底壁部18cと、底壁部18cの後縁から第1スチフナ16に向かって延びる後部縦リブ部18dと、後部縦リブ部18dの左右方向外端から第1スチフナ16側に向かって円弧状ないしは半円状に突出する後部円弧状ビード部18eとを備える。
【0026】
第3スチフナ18は前部および後部縦リブ部18b,18dの強度が要求されるため、ホットプレス成形により第1、第2スチフナ16,17よりも高強度に形成される。ホットプレス成形とは、素材をプレス成形前に850〜900°C程度の高温に加熱し、素材の強度を軟鋼と同じ程度まで軟化させた状態でプレス成形を行い、プレス成形と同時に成形型内で急冷、焼き入れをすることにより、成形後の製品の引張強度を1500MPa程度以上まで高めるとともに従来の高強度鋼板では成形できなかったような形状の部品を製作することができる成形方法である。
【0027】
センターピラーインナーパネル14の前部フランジ部14aおよび後部フランジ部14eは、それぞれセンターピラーアウターパネル15の前部フランジ部15aおよび後部フランジ15bと、第1スチフナ16の前部フランジ部16aおよび後部フランジ部16eとに溶接w1…により結合され、センターピラーインナーパネル14およびセンターピラーアウターパネル15は閉断面を構成する。第3スチフナ18の前部円弧状ビード部18aおよび後部円弧状ビード部18eは、第1スチフナ16の前部円弧状ビード部16bおよび後部円弧状ビード部16dの内面にそれぞれ当接し、溶接w2…により結合される。また第3スチフナ18の底壁部18cはセンターピラーインナーパネル14の底壁部14cの内面に当接し、溶接w3…により結合される。
【0028】
図4および図5から明らかなように、第3スチフナ18の前部縦リブ部18bおよび後部縦リブ部18dの高さ(深さ)Hは、第3スチフナ18の上下両端側で高く(図5(A)、(C)参照)、第3スチフナ18の上下方向中間部で低くなっている(図5(B)参照)。また第3スチフナ18の底壁部18cの前後方向の幅Wは、第3スチフナ18の上下両端側で小さく(図5(A)、(C)参照)、第3スチフナ18の上下方向中間部で大きくなっている(図5(B)参照)。
【0029】
図3から明らかなように、第3スチフナ18の上下方向中間の幅広になった底壁部18cの第1スチフナ16側の側面に、ナット23…を備える補強板24が溶接される。シートベルトショルダーアンカー25を上下摺動自在に支持するスライド機構26はセンターピラーインナーパネル14の底壁部14cの内面に当接し、センターピラーインナーパネル14の底壁部14cと、第3スチフナ18の底壁部18cと、補強板24とを貫通してナット23…に螺合するボルト27…で締結される。センターピラーインナーパネル14はピラーガーニッシュ28により覆われ、シートベルトショルダーアンカー25はピラーガーニッシュ28に形成したスリット28aを介して車室内に露出する。
【0030】
以上のように、本実施の形態によれば、センターピラーインナーパネル14およびセンターピラーアウターパネル15間に挟まれた第1スチフナ16および第3スチフナ18が、車体前側および車体後側からそれぞれ車体外側に突出する前部円弧状ビード部16b,18aおよび後部円弧状ビード部16d,18eと、第3スチフナ18の前部円弧状ビード部18aおよび後部円弧状ビード部18eの相互に対向する端部からそれぞれ車体内側に向かって延びる前部縦リブ部18bおよび後部縦リブ部18dと、前部縦リブ部18bおよび後部縦リブ部18dを連結してセンターピラーインナーパネル14に当接する底壁部18cとを備えるので、側面衝突時に前部および後部縦リブ部18b,18dでセンターピラー11の潰れを防止して高い耐衝突性能を確保しながら、第1、第3スチフナ16,18の材料の厚さを薄くして軽量化を図ることができる。しかも前部円弧状ビード部16b,18aおよび後部円弧状ビード部16d,18eは曲率半径が小さい急激な折り曲げ部が存在しないので、プレス加工が容易になって加工コストが削減される。
【0031】
また第3スチフナ18の底壁部18cにシートベルトショルダーアンカー25のスライド機構26を締結するためのナット23を有する補強板24を溶接したので、センターピラー11にスライド機構26を強固に固定することができる。その際に、車体の窓開口からルーフサイドレール12まで上下方向に延びる第3スチフナ18は、上下方向中間部における底壁部18cの車体前後方向の幅Wが上部および下部における底壁部18cの車体前後方向の幅Wよりも大きいので、スライド機構26の補強板24を溶接するスペースを確保することができる。しかも第3スチフナ18は、上下方向中間部における前部および後部縦リブ部18b,18dの高Hさが上部および下部における前部および後部縦リブ部18b,18d高さHよりも低いので、側面衝突に対するセンターピラー11の強度を確保しながら乗員の頭部の周辺の室内空間の容積を拡大することができる。
【0032】
また第1スチフナ16の前部および後部円弧状ビード部16b,16dの前縁および後縁からの相互に離反する方向に延びる前部および後部フランジ部16a,16eをセンターピラーインナーパネル14の前部フランジ部14aおよび後部フランジ部14eに結合するので、センターピラーインナーパネル14および第1スチフナ16で閉断面を構成してセンターピラー11の強度を更に高めることができる。
【0033】
また第3スチフナ18を設けることでセンターピラー11の上半部の剛性を特に高めたので、車両の側面衝突時に乗員の胸部や頭部の高さあるセンターピラー11の上半部の変形を抑制して乗員の保護機能を高めることができる。
【0034】
次に、図6に基づいて本発明の第2の実施の形態を説明する。
【0035】
第2の実施の形態は、第3スチフナ18を第1スチフナ16と一体化して部品点数の削減を図ったものである。即ち、第2の実施の形態の第1スチフナ16は、第1の実施の形態の第1スチフナ16の底壁部16cの代わりに、前部縦リブ部16f、底壁部16gおよび後部縦リブ部16hを設けたものであり、底壁部16gがセンターピラーインナーパネル14の底壁部14cに当接して溶接w3…される。
【0036】
この第2の実施の形態によれば、第3スチフナ18を廃止した分だけ部品点数を削減しながら、センターピラー11の強度を第1の実施の形態と同様に高めることができる。
【0037】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0038】
例えば、実施の形態では第3スチフナ18の前部円弧状ビード部18aおよび後部円弧状ビード部18eを、第1スチフナ16の前部円弧状ビード部16bおよび後部円弧状ビード部16dの内面にそれぞれ当接させて溶接w2…により結合し、第3スチフナ18の底壁部18cをセンターピラーインナーパネル14の底壁部14cの内面に当接させて溶接w3…により結合しているが、前記溶接w2…および前記溶接w3…の一方を省略して突き合わせに変更することができ、また前記溶接w3…をボルト締めに変更することができる。
【0039】
またセンターピラーインナーパネル14の前部円弧状ビード部14bおよび後部円弧状ビード部14dと、第1スチフナ16の前部円弧状ビード部16bおよび後部円弧状ビード部16dと、第3スチフナ18の前部円弧状ビード部18aおよび後部円弧状ビード部18eとは、厳密な意味での円弧状あるいは半円状である必要はなく、急激に屈曲する角部を持たずに滑らかに湾曲していれば良い。
【0040】
またスチフナの長さに関しては、第3スチフナ18を第1スチフナ16よりも長くして第2スチフナ17に跨がって配置しても良い。
【0041】
またホットプレス成形に関しては、成形後の製品の引張強度を1900MPa程度まで高めても良い。
【符号の説明】
【0042】
12 ルーフサイドレール
14 センターピラーインナーパネル
15 センターピラーアウターパネル
16 第1スチフナ(スチフナ)
16a 前部フランジ部
16b 前部円弧状ビード部
16d 後部円弧状ビード部
16e 後部フランジ部
16f 前部縦リブ部
16g 底壁部
16h 後部縦リブ部
18 第3スチフナ(スチフナ)
18a 前部円弧状ビード部
18b 前部縦リブ部
18c 底壁部
18d 後部縦リブ部
18e 後部円弧状ビード部
23 ナット
24 補強板
25 シートベルトショルダーアンカー
26 スライド機構
H 前部および後部縦リブ部の高さ
W 底壁部の車体前後方向の幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
センターピラーアウターパネルとセンターピラーインナーパネルとの間にスチフナを挟んで結合した車両のセンターピラー構造において、
前記スチフナは、
車体前側および車体後側からそれぞれ車体外側に突出する前部円弧状ビード部および後部円弧状ビード部と、
前記前部円弧状ビード部および前記後部円弧状ビード部の相互に対向する端部からそれぞれ車体内側に向かって延びる前部縦リブ部および後部縦リブ部と、
前記前部縦リブ部および前記後部縦リブ部を連結して前記センターピラーインナーパネルに当接する底壁部とで構成されることを特徴とする車両のセンターピラー構造。
【請求項2】
前記底壁部に、シートベルトショルダーアンカーのスライド機構を締結するためのナットを有する補強板を溶接したことを特徴とする、請求項1に記載の車両のセンターピラー構造。
【請求項3】
前記スチフナは車体の窓開口からルーフサイドレールまで上下方向に延び、前記スチフナの上下方向中間部における前記底壁部の車体前後方向の幅は、前記スチフナの上部および下部における前記底壁部の車体前後方向の幅よりも大きいことを特徴とする、請求項2に記載の車両のセンターピラー構造。
【請求項4】
前記スチフナは車体の窓開口からルーフサイドレールまで上下方向に延び、前記スチフナの上下方向中間部における前記前部および後部縦リブ部の高さは、前記スチフナの上部および下部における前記前部および後部縦リブ部の高さよりも低いことを特徴とする、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の車両のセンターピラー構造。
【請求項5】
前記スチフナは、前記前部円弧状ビード部の前縁および前記後部円弧状ビード部の後縁からそれぞれ相互に離反する方向に延びる前部フランジ部および後部フランジ部を備え、前記前部フランジ部を前記センターピラーインナーパネルの前縁に結合するとともに前記後部フランジ部を前記センターピラーインナーパネルの後縁に結合することで、前記センターピラーインナーパネルおよび前記スチフナは閉断面を構成することを特徴とする、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の車両のセンターピラー構造。
【請求項6】
前記スチフナはホットプレス成形により製作されることを特徴とする、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の車両のセンターピラー構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−225190(P2011−225190A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−99504(P2010−99504)
【出願日】平成22年4月23日(2010.4.23)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【Fターム(参考)】