説明

車両のフロント構造

【課題】組み付け工数を増やすことなく、車両のサイド部に形成された隙間を容易に塞ぐことができる車両のフロント構造を提供する。
【解決手段】フロント構造1では、車両のサイド部に形成された隙間を閉塞するために、その隙間の内側に配置される雨水受け皿30の一部を変形させ、その隙間に対応する形状を有する閉塞部材40を設けている。この閉塞部材40は、隙間の形状に対応して形成された閉塞壁41と、該閉塞壁41の外周に沿って設けられた固定リブ42とから構成されている。固定リブ42の外周には、スポンジ材50が固定される。このような閉塞部材40を、その隙間に対してカウル10の内側から押し込むことによって、その隙間を容易に塞ぐことができる。即ち、スポンジ材50を後から貼り付ける作業がないので、車両の組み立て工数を増やすことなく、隙間を容易に塞ぐことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のフロント構造に関し、詳細には、フロントウィンドウの下縁近傍にカウルが設けられた車両のフロント構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両のフロント構造において、フロントウィンドウの下縁近傍には、車幅方向に延設されたカウル構造が設けられている(例えば、特許文献1参照)。カウル構造は、車幅方向に延設された断面凹形状のカウルパネル(以下、カウルと呼ぶ。)と、当該カウルに対して上側から接合され、車幅方向に延設されたカウルルーバとによって構成されている。カウルルーバには、外部の空気を取り入れる空気導入口が設けられている。その空気導入口からカウル内に取り込まれた空気が、ダッシュパネルを介して車室内に流れ込むことによって換気が行われる。また、カウルは、フェンダーに形成された排水溝に連通して形成されている。これにより、空気導入口からカウル内に入り込んだ水分は、排水溝を流れて車両外部に排出される。
【0003】
例えば、図7に示す従来の車両のフロント構造100では、フロントウィンドウ7の下縁近傍に、断面凹状のカウル10と、当該カウル10の上部に覆設されるカウルルーバ15とからなるカウル構造が車幅方向に設けられている。カウルルーバ15の車幅方向の運転席側一端部の下側には、ワイパピポット軸25を駆動するワイパモジュール(図示外)が配設されている。ワイパモジュールは、ワイパピポット軸25を支持する支持部材(図示外)と、当該支持部材に一体的に固定され、ワイパピポット軸25に付着した雨水を受けて外部に排水する皿形状の雨水受け皿130と、一対のワイパピポット軸25(運転席側のワイパピポット軸25のみ図示)を連動させるワイパリンク(図示外)と、当該ワイパリンクを介して、一対のワイパピポット軸25を駆動させる駆動モータ(図示外)とを備えている。
【特許文献1】特開2005−263002号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、図7に示すフロント構造100では、カウル10の運転席側に開口する一端部11に対して、ボディサイドパネル2と、当該ボディサイドパネル2の上部に固定されたフロントピラー3と、カウルルーバ15との間に囲まれて形成された隙間90が連通する位置にある。このような構造では、エンジンルーム(図示外)内の熱風、音、ほこり等が車両後方に廻りこみ(図7の二点鎖線が示す熱風Aの流れ参照)、その隙間90からカウル10の内側に入り込んでしまうと言う問題点があった。この場合、エアコンの取り入れ空気の温度が上昇してしまうので、冷房性能が低下する虞がある。この対応策として、隙間90をスポンジ材で塞ぐ等が考えられるが、車両を組み立てた後にスポンジ材を後から貼り付けるため、組み付け工数が増えて好ましくなかった。さらにその隙間90の内側には、ワイパモジュールの雨水受け皿130の一部が位置するため、スポンジ材の取り付けが困難であるという問題点もあった。また、隙間90をスポンジ材だけで塞いだ場合、エンジンルームからの熱風の流れや、車両の振動等によってスポンジ材が剥がれて脱落してしまう虞もあった。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、組み付け工数を増やすことなく、車両のサイド部に形成された隙間を容易に塞ぐことができる車両のフロント構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明の車両のフロント構造は、車両のサイド部に形成された隙間に隣接して、フロントウィンドウの前側に車幅方向に延設されたカウルの長手方向一端側が配置されると共に、前記隙間に、前記カウルに隣接して設けられたワイパピポット軸を支持する皿状の支持部材が位置する車両のフロント構造において、前記支持部材には、前記隙間を閉塞するために、前記隙間の形状に対応する板状の壁部が設けられ、当該壁部の外周には、弾性部材が設けられていることを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に係る車両のフロント構造は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記壁部の外周には、前記弾性部材を固定するためのリブが設けられていることを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に係る車両のフロント構造は、請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、前記隙間は、フロントピラーの下部と、ボディサイドパネルの上部と、前記カウルの上部に覆設されたカウルルーバの長手方向一端側とに囲まれて形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に係る発明の車両のフロント構造では、支持部材に設けられた板状の壁部は隙間の形状に対応している。従って、隙間に壁部が配置するようにして、支持部材を設ければ、隙間を容易に塞ぐことができる。さらに壁部の外周には弾性部材が設けられているので、隙間の形状に合わせて密着させることができる。これにより、外部からの熱風、音、ほこり等が隙間を介してカウル内に入り込むのを防止できる。さらに、弾性部材が支持部材の壁部の外周に予め設けられているので、支持部材を取り付けると同時に隙間を塞ぐことができる。従って、組み付け工数が増えることもない。また、弾性部材は壁部によって支持され、その壁部と弾性部材とによって隙間を塞ぐので、外部からの熱風の流れや、車両の振動等によって弾性部材が剥がれて脱落するのを防止できる。
【0010】
また、請求項2に係る車両のフロント構造では、請求項1に記載の発明の効果に加え、壁部の外周には、弾性部材を固定するためのリブが設けられているので、弾性部材の固定が容易である。
【0011】
また、請求項3に係る車両のフロント構造では、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、フロントピラーの下部と、ボディサイドパネルの上部と、カウルルーバの長手方向一端側とに囲まれて形成された隙間であるので、エンジンルーム内からの熱風、音、ほこり等が隙間を介してカウル内に入り込むのを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の一実施の形態である車両のフロント構造1について、図面を参照して説明する。図1は、車両のフロント構造1の運転席側を前側から見た斜視図であり、図2は、図1に示すカウルルーバ15を取り外した状態の斜視図であり、図3は、カウル10、ワイパモジュール20、カウルルーバ15の組み付け構造を示す分解斜視図であり、図4は、ワイパモジュール20の斜視図であり、図5は、雨水受け皿30の斜視図であり、図6は、雨水受け皿30の斜視図(スポンジ材50を貼り付けた状態)である。
【0013】
なお、図1乃至図3においては、発明の要部である雨水受け皿30を明確に示すために、エンジンルームを上側から覆うフード(ボンネット)を省略している。また、図1乃至図3に示す本発明に係る構造は、図7に示す雨水受け皿130を除き、従来の車両のフロント構造100と同じである。よって、同じ構成部材については、図7の符号と同じ符号を付して説明する。
【0014】
はじめに、車両のフロント構造1について、図1乃至図3を参照して説明する。図1に示すように、車両のフロント側には、車両前方に向かって斜め下方に傾斜するフロントウィンドウ7が設けられている。このフロントウィンドウ7の下縁部を除く外周には、金属製の枠部4が取り付けられている。さらにフロントウィンドウ7の前方にある両角部には、枠部4の前端部から下方に折り返して延設された折り返し部5が設けられている。また、自動車の両サイドには、金属製のボディサイドパネル2が立設されている。その上部には外方に向かって幅が広くなった台座部2aが設けられている。この台座部2aの上面には、車両後方に向かって斜め上方に傾斜するフロントピラー3の下部が固定されている。そのフロントピラー3には、フロントウィンドウ7の枠部4が固定されている。これによりフロントウィンドウ7が強固に支持されている。
【0015】
さらに、フロントウィンドウ7の下縁部近傍には、断面空洞状のカウルユニットが車幅方向に延設して設けられている。このカウルユニットは、フロントウィンドウ7の下縁部の下側から車両前方に向かって凹状に湾曲すると共に、車幅方向に延設された樹脂製の断面凹状のカウル10と、当該カウル10の上側に覆設され、車幅方向に延設された樹脂製の板状のカウルルーバ15とから構成されている。また、図2に示すように、このカウルユニットの車幅方向の運転席側の内側には、一対のワイパ(図示外)を連動して駆動させるためのワイパモジュール20が配設されている。具体的には、図3に示すように、ワイパモジュール20は、カウル10の車幅方向の運転席側の内側に配設され、そのワイパモジュール20と、フロントウィンドウ7の下縁とに対して上側から被すようにして、カウルルーバ15が取り付けられている。
【0016】
ところで、上記構成からなるフロント構造1において、運転席側のサイド部には、ボディサイドパネル2の台座部2aの上面と、フロントピラー3の外側面3aと、カウルルーバ15とによって囲まれてなる隙間90(図1,図2,図7参照)が形成されている。この隙間90には、カウル10の車幅方向の運転席側の一端部11が連通している。つまり、この状態では、エンジンルームの熱風、音、埃等が隙間90を介して、カウル10の内側に流れてしまう(図7参照)。そこで、本実施形態では、この隙間90に対して、ワイパモジュール20の後述する雨水受け皿30の一部に形成された壁状の閉塞部材40が、カウル10の内側から押し込まれている。これにより車両のサイド部にできた隙間90を閉塞することができる。そして、エンジンルームからの熱風、音、埃等が隙間90を介して、カウル10の内側に侵入するのを防止できる。なお、この閉塞部材40を備えた雨水受け皿30の構造については後述する。
【0017】
次に、カウル10の構造について、図3を参照して説明する。カウル10は、車幅方向に延設された底部10aと、該底部10aの車両前方側の一端部から斜め外方に立ち上がる前壁部10bと、車両後方側の一端部から斜め外方に立ち上がる後壁部10cとによって構成され、断面凹状に形成されている。前壁部10bの上端部では、帯状の接合フランジ10d(図2,図3参照)が車両前方に延設されている。また、後壁部10cの所定の位置には、ダッシュパネル(図示外)を介して、車室内に空気(外気、エアコン空気)を送り込めるための複数のダクト開口部(図示外)が設けられている。
【0018】
次に、カウルルーバ15の構造について、図1,図3を参照して説明する。カウルルーバ15は、車幅方向に延設された板状の本体部15aと、該本体部15aの車両前方に向かう前端部から斜め上方に延設され、空気導入口(図示外)が多数開設された壁状の前壁部15bと、本体部15aの車両後方に向かう後端部から車両後方に延設され、車両後方に向かってフロントウィンドウ7の下部の表面形状に合わせて後端部が切断された後方フランジ部15cと、本体部15a及び前壁部15bの車幅方向の運転席側の一端部に設けられ、ワイパモジュール20の後述するワイパピポット軸25の周囲を覆うために隆起する隆起カバー部15dとを主体に構成されている。隆起カバー部15dのワイパピポット軸25に相当する部位には凹部15eが形成され、その中心には、ワイパピポット軸25を貫通させて上方に突出させるための貫通穴(図示外)が設けられている。
【0019】
上記した構造からなるカウル10及びカウルルーバ15からなるカウルユニットにおいて、カウルルーバ15の前壁部15bに設けられた空気導入口から外気が取り込まれ、カウル10の内側を通過して、カウル10の後壁部10cに設けられたダクト開口部(図示外)から車室内に流れ、換気が行われる。また、エアコン使用時には、カウル10内に取り込まれた空気がエアコン装置(図示外)によって冷却され、エアコン空気となって車室内に送り込まれるようになっている。
【0020】
次に、ワイパモジュール20について説明する。図4に示すように、ワイパモジュール20は、ワイパピポット軸25と、該ワイパピポット軸25を支持すると共に、車両に固定される断面Z状の支持板21と、支持板21の上側に取り付けられ、ワイパピポット軸25に付着した雨水を受けてフェンダー側に排水するための雨水受け皿30と、支持板21の下側に固定され、ワイパピポット軸25を駆動するための駆動モータ23と、他方のワイパピポット軸(図示外)をワイパピポット軸25と連動させるためのワイパリンク26,27とを主体に構成されている。
【0021】
また、駆動モータ23には、接続端子29を有する配線28が接続されている。支持板21には、ボディサイドパネル2の台座部2aに固定するための固定部22が側方に突出して設けられている。このような構成からなるワイパモジュール20が、カウル10の運転席側に取り付けられ、その上側からカウルルーバ15が覆設される(図3参照)。そして、ワイパモジュール20がカウルユニットの内側に格納されるが、カウルルーバ15の凹部15eからワイパピポット軸25が上方に突出するので、ワイパピポット軸25に対してワイパアーム(図示外)の取り付けが可能となっている。
【0022】
次に、本発明の特徴となる雨水受け皿30について、図5,図6を参照して説明する。図5に示すように、雨水受け皿30は、断面凹状に形成された皿状部材である。雨水受け皿30の底部は、平面視略円形状の第1底部31と、該第1底部31よりも一段高くなった第2底部32と、第1底部31と第2底部32との間を連結する段部33と、第1底部31の前記第2底部32側とは反対の部位から斜め下方に向かって延設された第4底部34とから構成されている。そして、第4底部34の下端部を除く雨水受け皿30の底部の外周には、底部に溜まった水を堰き止めるための側壁部35が立設されている。従って、第4底部34の側壁部35が設けられていない下端側が、雨水受け皿30で受けた雨水を排水するための排水口37となっている。また、第1底部31の中央には、ワイパピポット軸25を支持するために上方に突出する軸支持部31aが設けられている。このような雨水受け皿30において、ワイパピポット軸25に付着した雨水は、軸支持部31aを伝って流下して、第1底部31から第4底部34に流れ、排水口37からフェンダー側に排水されるようになっている。
【0023】
さらに、第2底部32の外周に設けられた側壁部35の所定部位には、車両のサイド部に形成された隙間90に押し込んで塞ぐための閉塞部材40が設けられている。閉塞部材40は、隙間90の形状に対応して形成された閉塞壁41と、該閉塞壁41の外周に沿って設けられ、閉塞壁41の表面に対して直角方向に外方に突出する帯状の固定リブ42とから構成されている。そして、この固定リブ42の外側の面には、図6に示すように、弾性部材である帯状のスポンジ材50が貼り付けられるようになっている。このような固定リブ42によって、閉塞壁41の外周に対してスポンジ材50を強固に取り付けることができる。また、貼り付け位置が予め決められているので、スポンジ材50の取り付けが容易である。なお、固定リブ42に貼り付ける弾性部材は、スポンジ材に限られず、例えばゴムであってもよい。
【0024】
次に、雨水受け皿30を用いて、車両のサイド部に形成された隙間90を閉塞する方法について説明する。図3に示す雨水受け皿30は、支持板21に固定した状態で、図4に示すワイパモジュール20として車両に取り付ける。なお、閉塞部材40の固定リブ42には、スポンジ材50を接着剤等で予め貼り付けておく。まず、図3に示すように、ワイパモジュール20を、カウル10の運転席側に配置する。そして、雨水受け皿30に設けられた閉塞部材40を、車両のサイド部に設けられた隙間90に位置合わせをする。次いで、隙間90に対して閉塞壁41を対向させ、そのまま閉塞部材40を隙間90に対して、カウル10の内側から押し込む。これにより、図2に示すように、固定リブ42に貼り付けられたスポンジ材50が、閉塞壁41の外周と、ボディサイドパネル2の台座部2a、フロントピラー3の外側面3a、カウルルーバ15との間の隙間を埋めるように密着して配置される。さらに、隙間90に対する閉塞部材40の押し込み距離を調整しながら、ワイパピポット軸25の位置を決めつつ、支持板21を車両に固定する。こうして、車両のサイド部に形成された隙間90を、雨水受け皿30の閉塞部材40によって容易に塞ぐことができる。
【0025】
このように、閉塞部材40には、予めスポンジ材50が固定されているので、隙間90に対して、閉塞部材40をそのまま押し込むだけで、隙間90を容易に閉塞することができる。つまり、従来のように、隙間90の形状に合わせてスポンジ材を貼り付ける手間が不要となる。また、隙間90の大部分は、閉塞部材40の閉塞壁41によって塞がれているので、隙間90に対する空気の抵抗が強くても、隙間90を確実に閉塞することができる。さらに、閉塞壁41の周囲の残りの隙間を埋めるようにしてスポンジ材50が配置されるので、複雑な形状の隙間90でも容易に閉塞することができる。また、スポンジ材50は、固定リブ42に強固に貼り付けられるので、車両の振動等によってスポンジ材50が剥がれて脱落してしまうのを防止できる。
【0026】
なお、折り返し部5と、閉塞部材40との間に隙間が形成されているが、この隙間に侵入した空気は、雨水受け皿30の内側を介してフェンダー側に流れるので、カウル10の内側に流れることはない。つまり、カウル10の一端部11に連通する隙間ではない。
【0027】
以上の説明において、図4に示す雨水受け皿30が本発明の「支持部材」に相当し、図5に示す閉塞部材40の閉塞壁41が本発明の「壁部」に相当し、固定リブ42が本発明の「リブ」に相当する。
【0028】
以上説明したように、本実施形態の車両のフロント構造1では、車両のサイド部に形成された隙間90を閉塞するために、その隙間90の内側に配置される雨水受け皿30の一部を変形し、その隙間90に対応する形状を有する閉塞部材40を設けた。この閉塞部材40は、隙間90の形状に対応して形成された閉塞壁41と、該閉塞壁41の外周に沿って設けられた固定リブ42とから構成されている。固定リブ42の外周には、スポンジ材50が固定される。このような閉塞部材40を、カウル10の内側から隙間90に対して押し込むことによって、隙間90を容易に塞ぐことができる。即ち、スポンジ材50を後から貼り付ける作業がないので、車両の組み立て工数を増やすことなく、隙間90を容易に塞ぐことができる。
【0029】
なお、本発明は、上記の各実施形態に限定されることなく、各種の変形が可能である。例えば、雨水受け皿30の閉塞部材40の形状は、上記実施形態に限られず、隙間の形状に合わせればよい。
【0030】
また、上記実施形態では、ボディサイドパネル2の台座部2aと、フロントピラー3の外側面3aと、カウルルーバ15とに囲まれてなる隙間90を埋めるために、本発明を適用したが、これに限らず、車両にできた隙間を埋めるために本発明を適用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明にかかる車両のフロント構造は、車両にできる隙間を閉塞する際に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】車両のフロント構造1の運転席側を前側から見た斜視図である。
【図2】図1に示すカウルルーバ15を取り外した状態の斜視図である。
【図3】カウル10、ワイパモジュール20、カウルルーバ15の組み付け構造を示す分解斜視図である。
【図4】ワイパモジュール20の斜視図である。
【図5】雨水受け皿30の斜視図である。
【図6】雨水受け皿30の斜視図(スポンジ材50を貼り付けた状態)である。
【図7】従来の車両のフロント構造100の運転席側を前側から見た斜視図である。
【符号の説明】
【0033】
1 フロント構造
2 ボディサイドパネル
3 フロントピラー
7 フロントウィンドウ
10 カウル
15 カウルルーバ
20 ワイパモジュール
21 支持板
25 ワイパピポット軸
30 雨水受け皿
40 閉塞部材
41 閉塞壁
42 固定リブ
50 スポンジ材
90 隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のサイド部に形成された隙間に隣接して、フロントウィンドウの前側に車幅方向に延設されたカウルの長手方向一端側が配置されると共に、前記隙間に、前記カウルに隣接して設けられたワイパピポット軸を支持する皿状の支持部材が位置する車両のフロント構造において、
前記支持部材には、前記隙間を閉塞するために、前記隙間の形状に対応する板状の壁部が設けられ、
当該壁部の外周には、弾性部材が設けられていることを特徴とする車両のフロント構造。
【請求項2】
前記壁部の外周には、前記弾性部材を固定するためのリブが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車両のフロント構造。
【請求項3】
前記隙間は、
フロントピラーの下部と、
ボディサイドパネルの上部と、
前記カウルの上部に覆設されたカウルルーバの長手方向一端側と
に囲まれて形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両のフロント構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−90745(P2009−90745A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−261532(P2007−261532)
【出願日】平成19年10月5日(2007.10.5)
【出願人】(000110321)トヨタ車体株式会社 (1,272)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】