説明

車両の後部車体構造

【課題】 車体ロール時にリヤピラーから入力される荷重による、ゲート下端部の変形又は破損を防止する。
【解決手段】 車体後端部に形成されるリヤゲート開口部8の左右両側部を構成し、下方に向かって後方に傾斜したリヤピラー9と、このリヤゲート開口部8の下側に車幅方向に延設されたリヤエンドパネル6と、このリヤエンドパネル6とともに閉断面形状のゲート下端部15を形成するリヤエンドクロスメンバ13とを備えた車両の後部車体構造1において、ゲート下端部15の中央部21の断面を略矩形状に形成するとともに、ゲート下端部15の両端部16の断面を、一辺がリヤピラー9の傾斜に略沿う方向に延びる略逆三角形状に形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックドアを備えた車両の後部車体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、バックドアを備えた自動車の車体後端部を形成するリヤゲート開口部は、このリヤゲート開口部の左右両側部を構成するリヤピラーと、リヤゲート開口部の下側に車幅方向に延設されたリヤエンドパネルと、このリヤエンドパネルの上端前面に接合するリヤエンドクロスメンバとで主要骨格部を構成している(例えば、特許文献1参照)。このリヤエンドクロスメンバがリヤエンドパネルとともに上記リヤピラーの両下端部に接続する閉断面形状のゲート下端部を形成することで、リヤゲート開口部の強度剛性を確保している。このゲート下端部の断面は通常剛性を高めるために略矩形状となっている。
【特許文献1】特開平10−244963号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、リヤピラーが下方に向かって後方に傾斜する車体デザインを有する車体構造の場合には、車体ロール時にリヤピラーから入力される荷重はゲート下端部に上方から斜め後方にかかる。そのため、略矩形状の断面を構成する壁部のうち上側の上壁部には車体後方に向かう力がかかり、下側の下壁部には車体前方に向かう反力がかかることになり、上壁部が下壁部に対して後方へすべるようにゲート下端部に変形が生じ、場合によってはゲート下端部が破損する恐れがある。このことから、ゲート下端部、特にリヤピラーに接合する両端部は、板厚を厚くしたり、別部材により幾重もの補強を施す必要があり、重量およびコストが増加するという問題があった。
【0004】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ゲート下端部の構造に工夫を加えることにより、ゲート下端部の強度を高めて、その破損を防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明は、ゲート下端部の中央部の断面を略矩形状とし、両端部の断面は略逆三角形状とした。
【0006】
具体的には、第1の発明は、車体後端部に形成されるリヤゲート開口部の左右両側部を構成し、下方に向かって後方に傾斜したリヤピラーと、上記リヤゲート開口部の下側に車幅方向に延設するリヤエンドパネルと、このリヤエンドパネルの上端前面に接合し、リヤエンドパネルとともに上記リヤピラーの両下端部に接続する閉断面形状のゲート下端部を形成するリヤエンドクロスメンバとを備えた自動車の後部車体構造を対象とする。
【0007】
そして、上記ゲート下端部の中央部の断面を略矩形状に形成するとともに、両端部の断面を、一辺が上記リヤピラーの傾斜に略沿う方向に延びる略逆三角形状に形成する構成とする。
【0008】
上記の構成によると、ゲート下端部の両端部の略逆三角形状の断面を構成する壁部のうち前側の前壁部がリヤピラーの傾斜と略沿う方向に形成されており、車体ロール時にリヤピラーから両端部の上面にかかる荷重の入力方向と、両端部の前壁部の傾きとが略等しいため、リヤピラーから入力される荷重がこの前壁部で支持され、ゲート下端部の変形が抑止される。
【0009】
第2の発明は、上記リヤエンドクロスメンバには、リヤエンドパネルに接合するためのフランジ部が上下に形成され、このフランジ部とリヤエンドパネルとの接合部には、シール部材が設けられていて、上記ゲート下端部の両端部下側の接合部が、このリヤエンドパネルの下側に後端が接合されたフロアパネル上面に隣接する構成とする。
【0010】
第3の発明は、上記ゲート下端部の両端部下方のリヤエンドパネルに車体前後方向に延びるリヤサイドフレームの後端を接合する構成とする。
【0011】
上記の構成によると、車両衝突時にリヤエンドパネルのゲート下端部の両端部付近にかかる荷重は、このゲート下端部の両端部の下方におけるリヤエンドパネルに接合されたリヤサイドフレームにも伝えられる。
【0012】
第4の発明は、上記リヤエンドクロスメンバは上記ゲート下端部の両端部に対応する外側部材と、この両外側部材と接合し、この両外側部材同士をつなぐ内側部材とからなる。そして、この内側部材は、上記外側部材との接合部よりも車幅方向内側において、この外側部材との間で連続面を形成する外表面部と、この外側部材との接合部よりも車幅方向外側で、この外側部材の内部に延出し、上記リヤエンドパネルと外側部材との間で形成される閉断面を分割する延出部を形成する構成とする。
【0013】
上記の構成によると、ゲート下端部の両端部は、リヤエンドクロスメンバの外側部材の内部に内側部材から延出した延出部が挿入されて、外側部材とリヤエンドパネルとで形成される閉断面と、この延出部とリヤエンドパネルとで形成される閉断面との二重の閉断面構造となる。そのため、ゲート下端部の両端部の剛性が補強される。
【発明の効果】
【0014】
上記第1の発明によれば、ゲート下端部の中央部の断面を略矩形状として断面積の減少を抑えながら、両端部の断面を略逆三角形状に形成して、車体ロール時にリヤピラーから入力される荷重をリヤピラーの傾斜に略沿う方向に延びる前壁部で支持させるようにした。このため、ゲート下端部全体の剛性低下を抑えながら、ゲート下端部の強度を高めてその破損を防止することができる。
【0015】
上記第2の発明によれば、ゲート下端部の両端部をフロアパネルに隣接させてリヤゲート開口部を低位置にとりながらも、ゲート下端部の両端部の断面を略逆三角形状で前壁部が傾斜するようにしたため、両端部下側のシール部材の目視が容易である。したがって、利用者の荷物積上げ時の快適性を保ちながらも、シール部材の確認を容易に行うことができ、作業効率を維持することが出来る。
【0016】
上記第3の発明によれば、ゲート下端部の両端部下方のリヤエンドパネルにリヤサイドフレームを接合させたことにより、ゲート下端部の両端部の断面積減少に伴う剛性低下を補強することができ、ゲート下端部の強度を高め、その破損を防止することができる。
【0017】
上記第4の発明によれば、リヤエンドクロスメンバの内側部材から延出した延出部を外側部材の内部に挿入して、ゲート下端部の両端部を二重の閉断面構造とし、また、外側部材の外表面と内側部材の外表面部の外表面とを略連続させたことにより、応力の伝達が滑らかになるとともに、ゲート下端部の両端部の剛性を補強しながら、ゲート下端部の強度を高めてその破損を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0019】
《発明の実施形態》
図1は、本発明の実施形態に係る車両の後部車体構造1を示す。この後部車体構造1はバックドア(図示せず)を備えた自動車に関するものであり、図1はバックドアを取外した状態の後部車体構造1を示す。
【0020】
上記後部車体構造1はフロアパネル2を有している。このフロアパネル2は、後端部中央にタイヤパン3が下に凹んだ状態で形成されている。このフロアパネル2の両側部にはホイルハウスインナ4がそれぞれ膨出形成されている。このフロアパネル2の両端部と各ホイルハウスインナ4の側縁部とには、車体側面を構成するサイドインナパネル5の下端がそれぞれ接合されている。
【0021】
上記フロアパネル2の後端にはリヤエンドパネル6の前面が接合されている。このリヤエンドパネル6は、車体後端部の上記バックドアを取外した部分にできるリヤゲート開口部8の下側に、車幅方向に延設されている。
【0022】
図2〜図4に示すように、上記リヤゲート開口部8の左右両側部を構成するリヤピラー9は、リヤピラーアウタ9aとリヤピラーインナ9bとリヤサイドパネル9cとで構成されており、全体が下方に向けて後方に傾斜した形状となっている。
【0023】
すなわち、上記各リヤピラーアウタ9aは、上記リヤゲート開口部8の上下方向全域に亘って、各リヤピラー9の外板を形成している。この各リヤピラーアウタ9aの下端部は上記リヤエンドパネル6の両側上端にそれぞれ接合している。
【0024】
そして、この各リヤピラーアウタ9aの上側部とリヤピラーインナ9bの上側後端とで、上側閉断面部10を形成している。すなわち、この各リヤピラーインナ9bは車体の内側面を構成し、その後端は、各リヤピラーアウタ9aの車幅方向外側端部およびリヤエンドパネル6の両端に連続して接合されている。この各リヤピラーインナ9bの上側後端には、車体方向内側に向かって曲折した曲面部9d(図2および図4に示す)が形成され、この曲面部9dと上記各リヤピラーアウタ9aとが接合して、上記上側閉断面部10を形成している。この各上側閉断面部10に、車体内側からリヤサイドパネル9cの上側部がそれぞれ接合している。この各リヤサイドパネル9cは、上記リヤゲート開口部8の上下方向全域に亘って、各リヤピラー9の内板を形成している。この各リヤサイドパネル9cの下側部と上記各リヤピラーアウタ9aの下側部とで下側閉断面部11を形成し、この各下側閉断面部11の上端は上記各上側閉断面部10の下端に略連続するように接合されている。
【0025】
図1に示すように、上記リヤゲート開口部8の下部を構成するゲート下端部15は、その両端を構成する両端部16と、この両端部16をつなぐ中央部21とで構成されている。
【0026】
図5に示すように、上記リヤエンドパネル6の上端には、後方に突出した凸条の上端部6aが形成されている。この上端部6aの車幅方向両側の前面には、リヤエンドクロスメンバ13の外側部材14がそれぞれ接合されている。この外側部材14は、リヤエンドパネル6の上端部6aとともに、略逆三角形状の閉断面を有するゲート下端部15の両端部16を形成している。この閉断面を構成する壁部のうち前側の前壁部16aは、上記リヤピラー9の傾斜と略沿う方向に形成され、下端に下方に向けて下側フランジ部17が折り曲げられるようにして成形されている。上記閉断面を構成する壁部のうち上側を構成する上壁部16bの後端には、略上方に向けて上側フランジ部18が折り曲げられるようにして成形されている。これらの下側フランジ部17および上側フランジ部18により、上記リヤエンドクロスメンバ13の外側部材14が、リヤエンドパネル6にフランジ接合されている。
【0027】
上記ゲート下端部15の両端部16の下側フランジ部17とリヤエンドパネル6との接合部19は、上記フロアパネル2のタイヤパン3の設けられていない部分に隣接する位置に形成されている。上記リヤゲート開口部8の下部の位置は荷物の搬入出のしやすさを考慮して、低位置に構成されている。
【0028】
上記ゲート下端部15の両端部16の車幅方向外側の端部は、上記各リヤピラー9の下側閉断面部11の下端にそれぞれ連続して接合されている。
【0029】
図6に示すように、上記リヤエンドパネル6の車幅方向中央側の上端部6aは、両側側よりも後方に突出し、この上端部6aの前面における、上記フロアパネル2のタイヤパン3の上方位置には、後方に向かって開口した断面略コ字状のリヤエンドクロスメンバ13の内側部材20の外表面部20aが接合されている。この内側部材20の外表面部20aは、リヤエンドパネル6の上端部6aとともに略矩形状の閉断面を有するゲート下端部15の中央部21を形成している。このゲート下端部15の中央部21の閉断面を構成する壁部のうち上側の上壁部21aの後端には略上方に向けて、下側の下壁部21bの後端には下方に向けてフランジ部22がそれぞれ折り曲げられるように成形されている。これらのフランジ部22によって、このリヤエンドクロスメンバ13の内側部材20の外表面部20aは、上記リヤエンドパネル6にフランジ接合されている。
【0030】
図7に示すように、上記リヤエンドクロスメンバ13の内側部材20の外表面部20aは、リヤエンドクロスメンバ13の外側部材14の外表面との間で連続面を形成し、この内側部材20と外側部材14との各接合部から車幅方向外側に延出部23が延出している。この各延出部23は、リヤエンドクロスメンバ13の外側部材14の内面に沿うように延出されている。図5にも示すように、この各延出部23は上記リヤエンドパネル6の上端部6aの車幅方向両側の前面と接合し、略逆三角形状の閉断面を形成している。この閉断面を構成する壁部のうち前側の前壁部23aの下端には下方に向けて下側フランジ部24(図5にのみ示す)が折り曲げられるように成形され、上側の上壁部23bの後端には略上方に向けて上側フランジ部25が折り曲げられるように成形されている。これらの下側フランジ部24および上側フランジ部25により、この各延出部23はリヤエンドパネル6にフランジ接合されて、閉断面を構成し、外側部材14とリヤエンドパネル6とで形成される閉断面との二重の閉断面構造が形成されている。
【0031】
図1に破線で示すように、上記リヤエンドパネル6の前面における、上記ゲート下端部15の両端部16の下方位置に、車体前後方向に延びるリヤサイドフレーム27の後端が、フロアパネル2下方に接合されている。このことで、ゲート下端部15の両端部16付近の剛性が補強されている。
【0032】
なお、車体製造工程において、各フランジ接合の接合部には、各部材のスポット溶接による接合の後に、防水や防塵のためのシール部材28が設けられる。このとき、図5にも示すように、上記ゲート下端部15の両端部16の下側フランジ部17に設けられた接合部19のシール部材28は、ゲート下端部15の両端部16の前壁部16aが下方に向かって後方に傾斜した形状となっているため、車体製造工程におけるシール部材28確認時に、覗き込むことなく斜め上方から目視することで、その状態が確認される。
【0033】
−運転動作−
次に、本実施形態に係る車両の後部車体構造の作用について説明する。
【0034】
走行中の車両が旋回したり、横風を受けた時などに車体がロールすると、車体には、車体の前後軸の回転方向にモーメントがかかる。この場合に、リヤピラー9に車体のロールに対抗する荷重がかかる。このリヤピラー9にかかる荷重が、リヤピラー9の下端部に接合されたゲート下端部15の両端部16に伝わる。この際、ゲート下端部15の両端部16に伝わる荷重の入力方向は、リヤピラー9の傾斜に沿う方向となっている。そして、ゲート下端部15の両端部16はこのリヤピラー9の傾斜に略沿う方向に延びる前壁部16aを有しているため、この前壁部16aでリヤピラー9から伝達される荷重を支持し、その荷重を車幅方向内側へとさらに伝達させる。そして、この荷重は、リヤエンドパネル6のゲート下端部15の両端部16の下方位置に接合されたリヤサイドフレーム27にも伝達される。
【0035】
−実施形態の効果−
したがって、本実施形態の車両の後部車体構造においては、上記のように、ゲート下端部15の中央部21の断面が略矩形状であり、両端部16の断面が略逆三角形状となっているため、ゲート下端部15全体の剛性の低下を抑えながら、車体ロール時にリヤピラー9から入力される荷重によるゲート下端部15の変形や破損を防止することができる。
【0036】
また、本実施形態においては、ゲート下端部15の両端部16をフロアパネル2に隣接させて、リヤゲート開口部8を低位置にとり、ゲート下端部15の両端部16の前壁部16aを傾斜するようにしたため、利用者の荷物積上げ時の快適性を保ちながらも、両端部16の下側フランジ部17におけるシール部材28の確認を容易に行うことができる。
【0037】
また、本実施形態においては、ゲート下端部15の両端部16の下方位置のリヤエンドパネル6にリヤサイドフレーム27が接合されているため、ゲート下端部15の両端部16の断面を略逆三角形状としたことによる剛性低下を補強することができる。
【0038】
さらに、ゲート下端部15の両端部16を二重の閉断面構造としたことにより、ゲート下端部15の両端部16の剛性を補強することができる。
【0039】
−実施形態の変形例−
なお、本実施形態では、ゲート下端部15の両端部16の断面を略逆三角形状としたが、リヤピラー9の傾斜に略沿う方向に延びる辺を有する断面形状であればよい。例えば、台形状の断面としてもよい。
【0040】
また、本実施形態では、リヤゲート下端部15の両端部16がフロアパネル2に隣接した構成としたが、必ずしも隣接した構成としなくてもよい。
【0041】
また、本実施形態では、各部材の接合はフランジ接合であるとしたが、他の接合方法としてもよい。
【0042】
また、本実施形態では、リヤエンドクロスメンバ13を外側部材14と内側部材20の三部材からなるものとし、リヤゲート下端部15の両端部16は二重の閉断面構造としたが、リヤエンドクロスメンバ13は一つの部材からなるものとし、リヤゲート下端部15の両端部は、一つの閉断面で構成されるものとしてもよい。
【0043】
また、本実施形態では、リヤエンドパネル6の上端には後方に凸条の上端部6aが形成されたものとしたが、このような上端部6aを形成しなくてもよく、このリヤエンドパネル6とリヤエンドクロスメンバ13の外側部材14とで略逆三角形状の閉断面を形成し、このリヤエンドパネル6とリヤエンドクロスメンバ13の内側部材20とで略矩形状の閉断面を形成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0044】
以上説明したように、本発明は、バックドアを備え、下方に向かって後方に傾斜したリヤピラーを備えた車両の後部車体構造について有用である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施形態に係る車両の後部車体構造を車両内部から見た斜視図である。
【図2】車両の後部車体構造を外側から見た斜視図である。
【図3】車両の後部車体構造を内側から見た側面図である。
【図4】リヤピラーの下側閉断面部を示す、図2のIV−IV線断面図である。
【図5】ゲート下端部の中央部を示す側方断面図である。
【図6】ゲート下端部の両端部を示す側方断面図である。
【図7】車両の後部車体構造を内部から見た拡大斜視図である。
【符号の説明】
【0046】
1 車両の後部車体構造
2 フロアパネル
6 リヤエンドパネル
8 リヤゲート開口部
9 リヤピラー
13 リヤエンドクロスメンバ
14 外側部材
15 ゲート下端部
16 両端部
17 下側フランジ部
18 上側フランジ部
20 内側部材
20a外表面部
21 中央部
22 フランジ部
23 延出部
27 リヤサイドフレーム
28 シール部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体後端部に形成されるリヤゲート開口部の左右両側部を構成し、下方に向かって後方に傾斜したリヤピラーと、
上記リヤゲート開口部の下側に車幅方向に延設されたリヤエンドパネルと、
上記リヤエンドパネルの上端前面に接合され、リヤエンドパネルとともに上記リヤピラー両下端部に接続する閉断面形状のゲート下端部を形成するリヤエンドクロスメンバとを備えた車両の後部車体構造であって、
上記ゲート下端部の中央部の断面は略矩形状に形成されるとともに、両端部の断面は一辺が上記リヤピラーの傾斜に略沿う方向に延びる略逆三角形状に形成されていることを特徴とする車両の後部車体構造。
【請求項2】
請求項1の車両の後部車体構造において、
上記リヤエンドクロスメンバには、上記リヤエンドパネルに接合するためのフランジ部が上下に形成され、該フランジ部とリヤエンドパネルとの接合部にはシール部材が設けられており、上記ゲート下端部の両端部下側の接合部が、上記リヤエンドパネルの下側に後端が接合されたフロアパネル上面に隣接していることを特徴とする車両の後部車体構造。
【請求項3】
請求項1又は請求項2の車両の後部車体構造において、
上記ゲート下端部の両端部下方のリヤエンドパネルには、車体前後方向に延びるリヤサイドフレームの後端が接合されていることを特徴とする車両の後部車体構造。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一つの車両の後部車体構造において、
上記リヤエンドクロスメンバは上記ゲート下端部の両端部に対応する外側部材と、該両外側部材と接合され、該両外側部材同士をつなぐ内側部材とからなり、該内側部材は、上記外側部材との接合部よりも車幅方向内側において、該外側部材との間で連続面を形成する外表面部と、上記外側部材との接合部よりも車幅方向外側で、該外側部材の内部に延出され、上記リヤエンドパネルと外側部材との間で形成される閉断面を分割する延出部とが形成されていることを特徴とする車両の後部車体構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−123686(P2006−123686A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−313913(P2004−313913)
【出願日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】