説明

車両台数密度観測装置及び車両台数密度観測装置用のプログラム

【課題】解像度の低い衛星画像等から、車両1台1台を車両線分として正確に自動認識し、局所領域毎の車両台数密度を正確に観測し得るような車両台数密度観測装置を実現し提供する。
【解決手段】車両台数密度観測装置1は、画像入力部11と、キーボード4と、制御部10と、処理部19と、道路領域抽出部12と、局所領域分割部13と、道路方向算出部14と、入力画像全体から線分群を抽出する線分群抽出部15と、求められた線分群から車両の前面又は後面に相当する車両線分群のみを抽出する車両線分抽出部16と、分割された局所領域ごとに車両線分群の密度を求める車両台数密度算出部17と、求められた車両台数密度を対応する地図情報上に合成する画像処理を行う車両台数密度表示処理部18を有する処理装置2と、画像処理結果を表示する表示装置5とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両台数密度観測装置及び車両台数密度観測装置用のプログラムに関し、詳しくは、上空から撮影された画像を用い、道路の車両台数密度を算出する新規、斬新な車両台数密度観測装置及びこの車両台数密度観測装置用のプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
広域における道路上の交通状況を把握することは、交通渋滞や駐車車両等の調査や解析において重要である。この交通状況把握には、道路近傍に設置された感知器や監視カメラ等の観測機器が一般的に使われ、局所的に収集された情報を統合計算することで結果を得ている。
【0003】
しかし、このような手法では、観測機器の設置間隔によって計測精度が異なり、また広域における車両台数を同時に一括把握することが困難であり、更には大規模災害によって機器が破損または停止した場合は、交通状況の把握そのものが不可能となる。
【0004】
一方、広域における地上面の解析に、衛星画像や航空画像等上空から撮影された画像を利用する方法が種々の分野で活用されている。
【0005】
例えば、衛星画像から道路情報を認識するもの(例えば、特開2007−33931号公報:衛星画像等を用いた地図作成のための道路認識システム)や災害における被災状況を検知するもの(例えば、特開2008−107941号公報:監視装置)等である。
【0006】
交通状況把握においても、上空から撮影された画像を活用する研究はすでにいくつか提案されている。
【0007】
例えば、1枚の画像を用いて車両個々の位置を抽出するもの(例えば、航空画像を用いた都市部における車両領域の抽出,増山久美子,佐治斉,ViEW2005ビジョン技術の実利用ワークショップ講演論文集,pp.178-181,(2005)、衛星画像を用いた車両検知,佐藤史耶,佐治斉,MIRU2008,画像の認識・理解シンポジウム論文集,pp.532-536,(2008))、或いは、特許文献1に開示された複数枚の画像を用いて車両個々の動きを求めるもの(特開2005−56186号公報:交通状況観測システム等である。更には、関連する技術として、高度撮影時系列画像を用いた車両動態認識手法の構築,布施孝志,清水英範,前田亮,土木学会論文集,IV-60,No.737,pp.159-173,2003)等が知られている。
【0008】
しかし、上述したいずれの手法も、車両1台1台の位置や形状が明確に認識できる画像を活用するという前提のもとで提案されたものである。
【0009】
このような前提は限られた理想的な条件でのみ成り立つことであり、例えば解像度の低い衛星画像や、撮影環境(天候、撮影日時、撮影角度等)の影響で車両の形状が不鮮明な画像から、車両1台1台を正確に自動認識することは、計算精度と計算時間の両面で困難である。
【0010】
【特許文献1】特開2005−56186号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明が解決しようとする問題点は、例えば解像度の低い衛星画像や、撮影環境(天候、撮影日時、撮影角度等)の影響で車両の形状が不鮮明な画像から、車両の1台、1台を車両線分として正確に自動認識し、局所領域毎の車両台数密度を正確に観測し得るような新規、斬新な車両台数密度観測装置が存在しない点である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る車両台数密度観測装置は、上空から撮影された画像に基づく入力画像と地図情報とを使用して道路上の車両台数密度を観測する車両台数密度観測装置であって、入力画像と地図情報とを重ね合わせる手段と、重ね合わされた情報から道路領域のみを抽出する手段と、抽出された道路領域を局所領域に分割する手段と、分割された局所領域ごとに道路方向を求める手段と、入力画像全体から線分群を抽出する手段と、求められた線分群から車両の前面又は後面に相当する車両線分群のみを抽出する手段と、分割された局所領域ごとに車両線分群の密度を求める手段と、求められた車両台数密度を対応する地図情報上に合成する画像処理を行う手段と、画像処理結果を可視的に提示する提示手段と、を有することを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1乃至9記載の発明によれば、上空から撮影された画像内の道路領域から、車両に相当する線分群を一括抽出し、その線分群の道路領域内での密度を計算することで、当該道路領域内での車両台数密度を求め、可視的に提示するものであるから、車両1台1台を正確に抽出する必要はないため、車両の形状が不鮮明な画像であっても単純な計算で広域道路上の車両の混み具合を自動観測することができる車両台数密度観測装置を実現し提供することができる。
【0014】
請求項10記載の発明によれば、汎用のコンピュータを利用して車両1台1台を正確に抽出する必要がなく、車両の形状が不鮮明な画像であっても単純な計算で広域道路上の車両の混み具合を自動観測することができる車両台数密度観測装置用プログラムを実現し提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明は、解像度の低い衛星画像や、撮影環境(天候、撮影日時、撮影角度等)の影響で車両の形状が不鮮明な画像から、車両1台1台を車両線分として正確に自動認識し、局所領域毎の車両台数密度を正確に観測し得るような新規、斬新な車両台数密度観測装置を実現し提供するという目的を有するものである。
【0016】
本発明の車両台数密度観測装置は、上空から撮影された画像に基づく入力画像と地図情報とを使用して道路上の車両台数密度を観測する車両台数密度観測装置であって、全体の制御を行う制御部と、画像ファイル名等を入力する入力手段と、入力画像、地図情報の入力を行う画像入力部と、入力画像と地図情報とを重ね合わせる重ね合わせ処理部と、重ね合わされた情報から道路の局所領域のみを抽出する道路領域抽出部と、抽出された道路領域を局所領域に分割する局所領域分割部と、分割された局所領域ごとに道路方向を求める道路方向算出部と、入力画像全体から線分群を抽出する線分群抽出部と、求められた線分群から車両の前面又は後面に相当する車両線分群のみを抽出する車両線分抽出部と、分割された局所領域ごとに車両線分群の密度を求める車両台数密度算出部と、求められた車両台数密度を対応する地図情報上に合成する画像処理を行う車両台数密度表示処理部を有する処理装置と、画像処理結果を表示する表示装置と、を有する構成により上記目的を実現した。
【実施例】
【0017】
以下に、本発明の実施例に係る車両台数密度観測装置について図1乃至図10を参照して詳細に説明する。
本実施例に係る車両台数密度観測装置1は、図1に示すように、例えば汎用のパーソナルコンピュータを利用して構成するものであり、上空から撮影された画像に基づく入力(上空)画像(以下、「入力画像」という)Iと予め用意した地図情報Mとを活用し、動作プログラムを格納した制御部10の制御の基に広域道路における局所領域の車両台数密度を求めるための各種処理を実行する処理装置2と、入力した入力画像I、地図情報M等を記憶する記憶装置3と、画像ファイル名や各種コマンドを入力する入力手段であるキーボード4と、処理装置2にて算出された車両台数密度等を可視的に提示するための液晶ディスプレイ等からなる表示装置5と、を有している。
【0018】
本実施例における入力画像Iは、例えば、1m解像度のIKONOS衛星画像((C)日本スペースイメージング(株))であり、また使用した地図情報Mは、例えば2500分の1の縮尺の高精度ベクター地図東京Vマップ((C)ミューエス(株))である。
【0019】
前記処理装置2は、全体の制御を行う制御部10と、入力画像I、地図情報Mの入力を行う画像入力部11と、入力画像Iと地図情報Mとを重ね合わせる重ね合わせ処理部19と、重ね合わされた情報から道路の局所領域のみを抽出する道路領域抽出部12と、抽出された道路領域を局所領域に分割する局所領域分割部13と、分割された局所領域ごとに道路方向を求める道路方向算出部14と、入力画像全体から線分群を抽出する線分群抽出部15と、求められた線分群から車両の前面又は後面に相当する車両線分群のみを抽出する車両線分抽出部16と、分割された局所領域ごとに車両線分群の密度を求める車両台数密度算出部17と、求められた車両台数密度を対応する地図情報上に合成する画像処理を行う車両台数密度表示処理部18と、を具備している。
【0020】
前記画像入力部11、道路領域抽出部12、局所領域分割部13、道路方向算出部14、線分群抽出部15、車両線分抽出部16、車両台数密度算出部17、車両台数密度表示処理部18及び重ね合わせ処理部19は、下記に述べるような各々の処理を行うプログラム群により構成することができる。
【0021】
次に、本実施例に係る車両台数密度観測装置1の処理の流れについて説明する。
最初に、画像入力部11を使用して、図3に示すような上空画像を入力画像Iとして入力するとともに入力画像Iに対応する図4に示す地図情報Mも入力し(ステップS101)、記憶装置3に記憶する。尚、図3は、1m解像度のIKONOS衛星画像((C)日本スペースイメージング(株))のものである。また、図4は2500分の1の縮尺の高精度ベクター地図東京Vマップ((C)ミューエス(株))のものである。
【0022】
ここで対象とする上空画像は、衛星、セスナ、ヘリコプター、気球等で撮影された画像、或いは高層建築に備え付けのカメラで撮影された画像等が該当するが、その画質は、車両が数画素程度の大きさで、その前面と後面の位置が目視できる程度のものでよく、車両形状そのものを明確に認識できるほどの鮮明さや解像度は必要としない。
【0023】
次に、重ね合わせ処理部19を使用して入力画像Iと、地図情報Mを重ね合わせ(位置合わせ)する処理を行い(ステップS102)、更に、道路領域抽出部12を使用して地図情報Mにおける道路領域と道路外領域を区別し、道路領域内の情報のみを残した道路領域画像Iroadを作成する(ステップS103)。
【0024】
ここで、入力画像Iと地図情報Mとの重ね合わせは、公知の方法(例えば、入力画像Iと地図情報Mとから対応する点を複数抽出し、射影変換等の幾何学変換式を解いて重ね合わせる方法)を採用する。
【0025】
そして、道路領域抽出部12による処理で、地図情報Mの道路領域内に相当する位置にある入力画像Iの画素を道路領域を構成する画素とみなしてそのままとし、それ以外の画素は道路外領域とみなして情報を消去した(例えば黒にした)道路領域画像Iroadを作成する。
【0026】
次に、局所領域分割部13を使用して道路領域画像Iroad内の道路領域を局所領域Ri(I=1,2,3,・・・)に分割する(ステップS104)。
【0027】
ここでの分割は、交通状況を把握したい領域単位ごとで行えばよく、その境界として例えば図5に示すように、交差点や中央分離帯及び中央線等が候補となる。
なお、交差点や中央分離帯の情報は、重ね合わされている地図情報Mから読み取るものである。
【0028】
次に、道路方向算出部14を使用して、前記局所領域Ri内のそれぞれの画素(x,y)について道路方向RAi(x,y)を算出する(ステップS105)。
【0029】
ここでの道路方向RAi(x,y)は、車両の進行方向に相当するものであり、具体的には、図6に示すように、道路境界に平行な局所領域Riの境界線の方向から領域内の各画素の方向を内挿して求める。図6は局所領域Riが矩形の例を表している。前記局所領域Riが曲線形の場合も同様に求める。なお、交差点内に相当する局所領域Riについては、道路方向は不定とする。
【0030】
次に、線分群抽出部15を使用して、入力画像Iから線分(エッジ)群を抽出する(ステップS106)。
【0031】
この場合の線分群抽出処理の具体的手法を図7を参照して詳述すると、入力画像I全体にエッジ抽出処理を適用する。ここでの手法は例えば画像エッジ抽出方法として公知のSobelオペレータ(局所積和演算でグラジエントの強度(微分値)を求める方法)等の手法を利用する。
【0032】
そして、求められたエッジ強度の高い画素で連結しているものを、線分候補領として抽出する。
【0033】
更に、線分候補領域の中から、直線分形状をしていないもの、車両の大きさと比較して極端に長いまたは短いもの、及び陰影領域の境界に相当するものを削除し、残ったものを線分群として抽出する。
【0034】
なお、直線分形状か否かの判定には公知の手法を用いる。また、陰影領域の境界に相当するか否かの判定では、入力画像Iの各画素を明度と彩度がともに低い陰影領域と高い日向領域とに分け(ここでの分け方も公知の手法を用いる)、陰影領域の境界線上に、注目している線分が位置しているか否かで判断する。
【0035】
陰影領域内でのエッジ抽出方法に言及すると、陰影領域内では日向領域内よりもエッジ強度が低くなることを考慮し、陰影領域内ではエッジ強度の閾値を低く設定して抽出する。
【0036】
次に、図8に示すように、車両線分抽出部16を使用して、入力画像Iの線分群のうち、下記のa、bのいずれかに該当するものを削除し、残ったものを車両の前面または後面に相当する線分(車両線分)として抽出する(ステップS107)。
【0037】
すなわち、局所領域Ri内に存在し、かつ、道路方向RAi(x,y)に垂直な線分を、車両の前面または後面に相当する車両線分として抽出する。
【0038】
すなわち、
a.線分の全体または一部が局所領域Ri(Ri=1,2,3・・・)外にあるもの。
b.線分の方向に対し、線分の中心点の画素における道路方向RAi(x,y)が垂直ではないもの。
【0039】
ここで、aに相当する線分は、道路外の建物や道路近傍の付帯設備等に相当し、bに相当する線分は、道路上の標示や、車両の側面等に相当する。なお、交差点に相当する局所領域ではbの条件で削除する線分はない(交差点では道路方向が不定のため)。
【0040】
次に、図9で数値で示すように、車両台数密度算出部17を使用して局所領域Ri内の車両線分数から車両台数密度RDiを算出する(ステップS108)。
ステップS108で算出した車両線分は、車両の前面または後面に相当する画素に位置し、この数が車両の台数に相当するため、車両線分数により車両台数密度RDiを求めることができる。尚、図9においては、数値が高いものほど、道路上での車両台数密度が高いことを示している。
【0041】
車両台数密度RDiは、局所領域Ri内の車両線分数NRiを局所領域Riの面積(画素数)SRiで除することにより、すなわち、RDi=NRi/SRiの演算を行うことにより求める。
【0042】
次に、車両台数密度表示処理部18を使用して求められた車両台数密度RDiを地図情報M上に表示する画像処理を行う(ステップS109)。
【0043】
ここでの表示処理は、例えば、車両台数密度RDiをいくつかの閾値で段階別に分けて、地図情報M上に局所領域Ri毎に色分けして表示したり、或いは局所領域Riをまとめてより広い道路領域ごとに表示したり等、用途に応じた処理態様が実現可能である。
そして、車両台数密度表示処理部18の処理結果を前記表示装置5の画面に図10に示すように表示する(ステップS110)。
【0044】
図10は、地図情報M上に局所領域Ri毎に色分けして表示した例を示すもので、同図では説明の便宜上、色が濃いほど車両台数密度RDiの値が大きいこと、すなわち、車両が渋滞していることを示している。
【0045】
以上説明した本実施例の車両台数密度観測装置によれば、例えば解像度の低い衛星画像のような入力画像Iや、撮影環境(天候、撮影日時、撮影角度等)の影響で車両の形状が不鮮明な画像から、道路上の車両1台1台を車両線分として正確に自動認識し、局所領域毎の車両台数密度を正確に観測できる新規、斬新な車両台数密度観測装置を実現し提供することができる。
【0046】
また、本実施例によれば、汎用のコンピュータを利用して車両1台1台を正確に抽出する必要がなく、車両の形状が不鮮明な画像であっても単純な計算で広域道路上の車両の混み具合を自動観測することができる車両台数密度観測装置1用の新規、斬新なプログラムを実現し提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、上述した場合の他、上空画像と地図情報の対応点及び車両密度を算出する特定の道路区間を入力し、区間内の車両密度を自動で算出するように構成することで、広範囲にわたる地域の車両密度情報の簡略な収集を可能とし、これにより交通渋滞情報の一括収集を実現する等の応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施例に係る車両台数密度観測装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図2】本実施例に係る車両台数密度観測装置における入力画像、地図情報に基づく車両台数密度の提示までの一連の処理を示すフローチャート図である。
【図3】本実施例に係る車両台数密度観測装置における入力画像の一例を示す図である。
【図4】本実施例に係る車両台数密度観測装置における地図情報の一例を示す図である。
【図5】本実施例に係る車両台数密度観測装置における局所領域分割例を示す図である。
【図6】本実施例に係る車両台数密度観測装置における道路方向算出例を示す図である。
【図7】本実施例に係る車両台数密度観測装置における線分群抽出例を示す図である。
【図8】本実施例に係る車両台数密度観測装置における車両線分抽出例を示す図である。
【図9】本実施例に係る車両台数密度観測装置における車両台数密度の算出例を示す図である。
【図10】本実施例に係る車両台数密度観測装置における車両台数密度の画像処理結果の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0049】
1 車両台数密度観測装置
2 処理装置
3 記憶装置
4 キーボード
5 表示装置
10 制御部
11 画像入力部
12 道路領域抽出部
13 局所領域分割部
14 道路方向算出部
15 線分群抽出部
16 車両線分抽出部
17 車両台数密度算出部
18 車両台数密度表示処理部
19 重ね合わせ処理部
I 入力画像
M 地図情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上空から撮影された画像に基づく入力画像と地図情報とを使用して道路上の車両台数密度を観測する車両台数密度観測装置であって、
入力画像と地図情報とを重ね合わせる手段と、
重ね合わされた情報から道路領域のみを抽出する手段と、
抽出された道路領域を局所領域に分割する手段と、
分割された局所領域ごとに道路方向を求める手段と、
入力画像全体から線分群を抽出する手段と、
求められた線分群から車両の前面又は後面に相当する車両線分群のみを抽出する手段と、
分割された局所領域ごとに車両線分群の密度を求める手段と、
求められた車両台数密度を対応する地図情報上に合成する画像処理を行う手段と、
画像処理結果を可視的に提示する提示手段と、
を有することを特徴とする車両台数密度観測装置。
【請求項2】
前記上空から撮影された画像には、車両形状を容易に自動抽出することができる程度の鮮明さや解像度を要求しないことを特徴とする請求項1記載の車両台数密度観測装置。
【請求項3】
前記道路領域のみを抽出する手段は、重ね合わされた地図情報内の道路領域情報と照合する領域のみを画像から抽出することを特徴とする請求項1記載の車両台数密度観測装置。
【請求項4】
前記道路領域を局所領域に分割する手段は、重ね合わされた地図情報内の交差点、中央分離帯、車線を境に道路領域を分割することを特徴とする請求項1記載の車両台数密度観測装置。
【請求項5】
前記分割された局所領域ごとに道路方向を求める手段は、道路領域の境界線の方向を道路領域内の方向として活用することを特徴とする請求項1記載の車両台数密度観測装置。
【請求項6】
前記入力画像全体から線分群を抽出する手段は、エッジ強度の高い画素の連結成分のうち、直線分の形状であり、車両の長さに相当する長さを持ち、かつ、陰影領域の境界に相当しないものを抽出することを特徴とする請求項1記載の車両台数密度観測装置。
【請求項7】
前記車両線分のみを抽出する手段は、車両の前後面と無関係な例えば建物の境界線や道路上の標示に相当する線分を削除して車両線分のみを抽出することを特徴とする請求項1記載の車両台数密度観測装置。
【請求項8】
前記局所領域ごとに車両台数密度を算出する手段は、局所領域内の車両線分の数を局所領域の面積で除することにより車両台数密度を求めることを特徴とする請求項1記載の車両台数密度観測装置。
【請求項9】
前記提示手段は、車両台数密度を所定の観測結果として地図情報上に提示することを特徴とする請求項1記載の車両台数密度観測装置。
【請求項10】
上空から撮影された画像に基づく入力画像と地図情報とを使用して道路上の車両台数密度を観測する車両台数密度観測装置用のプログラムであって、
車両台数密度観測装置に、
入力画像と地図情報とを重ね合わせる処理と、
重ね合わされた情報から道路領域のみを抽出する処理と、
抽出された道路領域を局所領域に分割する処理と、
分割された局所領域ごとに道路方向を求める処理と、
入力画像全体から線分群を抽出する処理と、
求められた線分群から車両の前面又は後面に相当する車両線分群のみを抽出する処理と、
分割された局所領域ごとに車両線分群の密度を求める処理と、
求められた車両台数密度を対応する地図情報上に合成する画像処理を行う処理と、
表示装置に画像処理結果を可視的に提示する処理と、
の各処理を実行させることを特徴とする車両台数密度観測装置用のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図3】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−128732(P2010−128732A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−301954(P2008−301954)
【出願日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(000173854)財団法人日本交通管理技術協会 (3)
【Fターム(参考)】