説明

車両周辺監視装置

【課題】単眼カメラによる距離検出と単眼カメラ以外の構成による距離検出とを切替えて、車両周囲の対象物の位置を追跡するときに、対象物の距離検出の信頼性が低下することを防止した車両周辺監視装置を提供する。
【解決手段】単眼距離検出部11による検出距離が切替距離以下になった後は、ステレオ距離検出部12により車両1と対象物間の距離を検出して対象物の位置を追跡し、走行状況検知部15により検知されている車両1の走行状況が、単眼距離検出部11による距離検出精度を低下させるおそれがある精度低下懸念状況であるときは、切替距離hを、精度低下懸念状況でないときよりも長く設定する対象物位置追跡部13を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単眼カメラによる距離検出と単眼カメラ以外の構成による距離検出とを切替えて、車両と対象物間の距離を検出する車両周辺監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両に搭載された2台のカメラ(ステレオカメラ)により車両周囲を撮像し、各カメラの撮像画像から抽出された同一対象物の画像部分のずれ(視差)に基づいて、三角測量の原理により車両と対象物間の距離を算出する車両周辺監視装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、車両に搭載された1台のカメラ(単眼カメラ)により車両周囲を撮像し、このカメラの時系列の撮像画像から抽出された同一対象物の画像部分の大きさの変化率に基づいて、車両と対象物間の距離を算出する車両周辺監視装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−284057号公報
【特許文献2】特許第4267657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ステレオカメラによる距離検出と単眼カメラによる距離検出とを比較した場合、演算量は単眼カメラによる方が少なくなる一方で、検出精度はステレオカメラによる方が高くなる。
【0006】
そこで、先ずは単眼カメラによる距離検出により車両と対象物との距離を検出することで、演算量を抑制して対象物の位置を追跡し、車両と対象物との距離が予め設定された切替距離以下になった時に、ステレオカメラによる距離検出に切替えて、車両に接近した対象物の位置をより精度よく認識するようにすることが考えられる。
【0007】
しかしながら、本願発明者らは、このように予め設定された切替距離により、単眼カメラによる距離検出とステレオカメラによる距離検出とを切替えた場合に、対象物の距離検出の信頼性が低下する場合があることを知見した。このような対象物の距離検出の信頼性の低下は、単眼カメラによる距離検出とレーダ(レーザーレーダ、ミリ波レーダ等)装置等による距離検出を切替える場合にも、同様に生じ得る。
【0008】
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、単眼カメラによる距離検出と単眼カメラ以外の構成よる距離検出とを切替えて、車両周囲の対象物の位置を認識するときに、対象物の距離検出の信頼性が低下することを防止した車両周辺監視装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記目的を達成するためになされたものであり、車両に搭載された1台のカメラにより撮像された対象物の画像部分に基づいて、該車両と該対象物との距離を検出する単眼距離検出部と、前記単眼距離検出部と異なる構成により前記車両と対象物間の距離を検出し、前記車両から所定距離以内の範囲での距離検出精度が前記単眼距離検出部よりも高い第2の距離検出部と、前記単眼距離検出部により前記車両と対象物間の距離を検出して該対象物の位置を追跡し、前記単眼距離検出部による検出距離が所定の切替距離以下になった後は、前記第2の距離検出部により前記車両と該対象物間の距離を検出して、該対象物の位置を追跡する対象物位置追跡部と、前記車両の走行状況を検知する走行状況検知部とを備え、前記対象物位置追跡部は、前記走行状況検知部により検知されている前記車両の走行状況が、前記単眼距離検出部による距離検出精度を低下させるおそれがある精度低下懸念状況であるときは、前記切替距離を、該精度低下懸念状況でないときよりも長く設定することを特徴とする(第1発明)。
【0010】
第1発明によれば、前記対象物位置追跡部は、前記単眼距離検出部による検出距離により対象物の位置を追跡しているときに、前記走行状況検知部により前記精度低下懸念状況であることが検知されたときには、前記切替距離を、前記精度低下懸念状況でないときよりも長く設定する。
【0011】
これにより、前記第2の距離検出部による距離検出を行う範囲が広がって、前記単眼距離検出部による距離検出から前記ステレオ距離検出部による距離検出に切替わる地点が、前記車両から遠くなる。そのため、前記精度低下懸念状況での前記単眼距離検出部による距離検出の精度の低下により、前記第2の距離検出部による距離検出への切替タイミングが遅れて、前記車両に接近した対象物の距離検出の信頼性が低下することを防止することができる。
【0012】
また、第1発明において、前記第2の距離検出部は、前記車両に搭載された2台のカメラにより撮像された同一対象物の画像部分の視差に基づいて、前記車両と対象物との距離を検出するステレオ距離検出部であることを特徴とする(第2発明)。
【0013】
第2発明によれば、前記単眼距離検出部による距離検出と前記ステレオ距離検出部による距離検出とを切替えて、前記車両と対象物との距離を検出する場合に、距離検出の信頼性が低下することを防止することができる。
【0014】
また、第1発明又は第2発明において、前記走行状況検知部は、前記走行状況として、前記車両に搭載されたヘッドライトの点灯/消灯と該ヘッドライトのハイビーム/ロービームの設定とを検知し、前記精度低下懸念状況は、該ヘッドライトがハイビーム設定で点灯した状態からロービーム設定で点灯した状態に切替えられた状況であることを特徴とする(第3発明)。
【0015】
第3発明によれば、前記車両のヘッドライトがハイビームからロービームに切替えられて、遠方の対象物が撮像され難くなり、前記単眼距離検出部による距離検出精度が低下するおそれがある状況となった場合に、前記ステレオ距離検出部による距離検出範囲を広げて、前記車両と対象物間の距離検出の信頼性が低下することを防止することができる。
【0016】
また、第1発明から第3発明のうちのいずれかにおいて、前記走行状況検知部は、前記走行状況として前記車両の挙動変化を検知し、前記精度低下懸念状況は、前記車両の挙動変化が所定レベル以上の状況であることを特徴とする(第4発明)。
【0017】
第4発明によれば、前記車両の上下方向の揺れ等の挙動変化の影響により、前記カメラの時系列の撮像画像間での対象物の画像部分の形状が変化し、前記単眼距離検出部による距離検出精度が低下するおそれがある状況となった場合に、前記ステレオ距離検出部による距離検出範囲を広げて、前記車両と対象物間の距離検出の信頼性が低下することを防止することができる。
【0018】
また、第1発明から第4発明のいずれかにおいて、前記走行状況検知部は、前記走行状況として雨天を検出し、前記精度低下懸念状況は雨天時であることを特徴とする(第5発明)。
【0019】
第5発明によれば、雨で濡れた路面の反射率が高くなって、歩行者等の対象物の接地点(対象物が路面に接している点)が画像上で識別し難くなり、前記単眼距離検出部による距離検出精度が低下するおそれがある状況となった場合に、前記ステレオ距離検出部による距離検出範囲を広げて、前記車両と対象物間の距離検出の信頼性が低下することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】車両周辺監視装置の実施形態の説明図。
【図2】車両周辺監視装置の構成図。
【図3】対象物位置追跡部のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の車両周辺監視装置の実施形態について、図1〜図3を参照して説明する。図1を参照して、本実施形態の車両周辺監視装置10は、車両1に搭載して使用される。車両周辺監視装置10は、左カメラ21及び右カメラ22の撮像画像に基づいて、車両1の前方に存在する対象物P(歩行者等)を監視する。
【0022】
車両周辺監視装置10は、車両1と対象物P間の距離を所定の制御周期毎に検出して、対象物Pの位置を追跡し、対象物Pが車両1と接触するおそれがあるときに、表示器42に警報表示を行うと共にスピーカ41から警報音を出力して、車両1の運転者に注意を促す。図中、P(t1)は時刻t1でのPの検出位置、P(t2)は時刻t2でのPの検出位置、P(t3)は時刻t3でのPの検出位置を示している。
【0023】
左カメラ21及び右カメラ22は赤外線カメラであり、車両1の横方向(車幅方向)の中心軸に対してほぼ対象な位置に配置されている。そして、左カメラ21と右カメラ22は、光軸が互いに並行となり、路面からの高さが等しくなるように固定されている。
【0024】
次に、図2を参照して、車両周辺監視装置10には、左カメラ21及び右カメラ22の映像信号が入力される。また、車両1に搭載されたヨーレートセンサ31、車速センサ32、ブレーキセンサ33、雨滴センサ34、及び車高センサ35の各検出信号が、車両周辺監視装置10に入力される。
【0025】
さらに、車両周辺監視装置10には、車両1のヘッドライトの点灯と消灯を切替えるヘッドライトスイッチ43の操作信号と、ヘッドライトの照射範囲をロービーム(例えば、前方40mまでを照射)とハイビーム(例えば、前方100mまでを照射)に切替えるロービーム/ハイビーム切替スイッチ44の操作信号が入力される。また、車両周辺監視装置10から出力される制御信号により、スピーカ41の出力と表示器42の表示が制御される。
【0026】
車両周辺監視装置10は、図示しないCPU、メモリ、インターフェース回路等により構成された電子回路ユニットであり、メモリに保持された車両周辺監視用のプログラムをCPUで実行することによって、左カメラ21又は右カメラ22のいずれか一方(単眼カメラ)の時系列の撮像画像に基づいて、車両1と対象物間の距離を検出する単眼距離検出部11、左カメラ21及び右カメラ22の双方(ステレオカメラ)の同時点での撮像画像に基づいて、車両1と対象物間の距離を検出するステレオ距離検出部12(本発明の第2の距離検出部に相当する)、単眼距離検出部11又はステレオ距離検出部12による検出距離に基づいて対象物の位置を追跡する対象物位置追跡部13、車両1と対象物との接触可能性を判定する接触判定部14、及び、車両1の走行状況を検知する走行状況検知部15として機能する。
【0027】
単眼距離検出部11は、左カメラ21又は右カメラ22の時系列の撮像画像(単眼カメラによる時系列の撮像画像)から、同一対象物の画像部分を抽出し、時系列の撮像画像間における同一対象物の画像部分の大きさの変化率を算出する。そして、この変化率と車速センサ32により検出される車両1の走行速度とに基づいて、車両1と対象物間の距離を算出する。
【0028】
なお、単眼カメラの時系列の撮像画像間における同一対象物の画像部分の大きさの変化率と、車両1の走行速度とに基づいて、車両1と対象物間の距離を算出する具体的な処理については、上掲した特許第4267657号公報等に記載された公知のものであるので、ここでは説明を省略する。
【0029】
ステレオ距離検出部12は、左カメラ21及び右カメラ22により同時刻に撮像された各画像(ステレオカメラによる撮像画像)から同一対象物の画像部分を抽出して、この同一対象物の画像部分間の視差を算出する。そして、この視差に基づいて車両1と対象物間の距離を算出する。
【0030】
なお、ステレオカメラの撮像画像における同一対象物の画像部分間の視差に基づいて、車両1と対象物間の距離を算出する処理は、上掲した特開2003−284057号公報等に記載された公知のものであるので、ここでは説明を省略する。
【0031】
対象物位置追跡部13は、図1を参照して、車両1との距離が切替距離Dch(例えば、50mに設定される)を越える範囲である第1領域AR1に存在する対象物Pとの距離を、単眼距離検出部11により検出する。そして、対象物位置追跡部13は、この距離を用いて、撮像画像上の対象物Pの画像部分の位置を実空間座標に座標変換することにより、対象物の実空間位置を算出して対象物Pの位置を追跡する。
【0032】
対象物Pが、車両1との距離が切替距離Dch以下の範囲である第2領域AR2に入った後は、対象物位置追跡部13は、ステレオ距離検出部12により車両1と対象物Pとの距離を検出して、対象物Pの位置を追跡する。
【0033】
接触判定部14は、対象物位置追跡部13により追跡されている対象物の位置から算出される対象物の移動ベクトルが、予め車両1の近傍に設定された接触判定領域内に、車両1に接近する方向で入ったときに、スピーカ41からの音声出力と表示器42への警報表示とにより、運転者に注意を促す報知を行なう。
【0034】
走行状況検知部15は、雨滴センサ34及び車高センサ35の検出信号と、ヘッドライトスイッチ43及びロービーム/ハイビーム切替スイッチ44の操作信号とに基づいて、(1)ヘッドライトが点灯していて、ヘッドライトの照射範囲がハイビームからロービームに切替えられた状況、(2)車両のピッチング量が所定レベル以上である状況、(3)雨天状況、を検知する。なお、この(1)〜(3)の状況は、本発明の単眼距離検出部11による距離検出の精度を低下させるおそれがある精度低下懸念状況に相当する。
【0035】
次に、図3に示したフローチャートに従って、対象物位置追跡部13による対象物の位置追跡の処理について説明する。
【0036】
STEP1で、対象物位置追跡部13は、単眼距離検出部11により、車両1と第1領域AR1(図1参照)に存在する対象物P間の距離D1を検出して、対象物Pの位置を算出する。また、続くSTEP2で、対象物位置追跡部13は、走行状況検知部15により、車両1の走行状況を検知する。
【0037】
次のSTEP3〜STEP5により、対象物位置追跡部13は、走行状況検知部15により、上記(1)〜(3)の状況が検知されているか否かを検知する。先ず、STEP3で、対象物位置追跡部13は、ヘッドライトが点灯していて、ヘッドライトの照射範囲がハイビームからロービームに切替えられた状況であるか否かを判断する。そして、ヘッドライトがこの状況であるときはSTEP20に分岐し、この状況でないときにはSTEP4に進む。
【0038】
STEP4で、対象物位置追跡部13は、車両1のピッチング量が所定レベル以上の状況であるか否かを判断する。そして、車両1のピッチング量が所定レベル以上であるときはSTEP20に分岐し、ピッチング量が所定レベルよりも少ないときにはSTEP5に進む。
【0039】
STEP5で、対象物位置追跡部13は、雨天の状況であるか否かを判断する。そして、雨天の状況であるときはSTEP20に分岐し、雨天の状況でないときにはSTEP6に進む。
【0040】
STEP6に進んだときは、上記(1)〜(3)の精度低下懸念状況となっておらず、単眼距離検出部11による距離検出の精度が低下するおそれが少ない。そのため、対象物位置追跡部13は、単眼距離検出部11による距離検出からステレオ距離検出部12による距離検出に切替える境界距離である切替距離Dch(図1参照)を、通常のDch1に設定して、STEP7に進む。
【0041】
一方、STEP20に分岐したときには、上記(1)〜(3)の精度低下懸念状況のいずれかになっており、単眼距離検出部11による距離検出の精度が低下するおそれがある。そこで、対象物位置追跡部13は、切替距離Dchを通常のDch1よりも長いDch2(>Dch1)に設定して、STEP7に進む。
【0042】
そして、これにより、単眼距離検出部11による距離検出からステレオ距離検出部12による距離検出への切替を早めて、ステレオ距離検出部12による距離検出の範囲である第2領域AR2を拡大する。第2領域AR2を拡大することによって、単眼距離検出部11による距離検出の精度低下により、ステレオ距離検出部12による距離検出への切替が遅れて、車両1の付近の対象物Pの距離検出の信頼性が低下することを防止することができる。
【0043】
STEP7で、対象物位置追跡部13は、単眼距離検出部11により検出された車両1と対象物P間の距離D1が、切替距離Dch以下であるか否かを判断する。そして、車両1と対象物P間の距離D1が切替距離Dch以下であるときはSTEP8に進み、対象物位置追跡部13は、以後はステレオ距離検出部12により車両1と対象物間の距離D1を検出して、対象物の位置を追跡する。
【0044】
一方、STEP7で、単眼距離検出部11により検出された車両1と対象物P間の距離D1が切替距離Dchを越えているときにはSTEP1に戻り、対象物位置追跡部13は、単眼距離検出部11により車両1と対象物P間の距離D1を検出して、対象物Pの位置を追跡する。
【0045】
なお、本実施形態では、車両1の挙動変化として、車高センサ35により車両1のピッチング量を検出したが、ヨーレートセンサ31により検出される車両1の回動、車速センサ32により検出される車両1の速度又は加減速等を、車両1の挙動変化として検出してもよい。
【0046】
そして、このようにして検出される車両1の挙動変化が所定レベル以上であるときに、単眼距離検出部11による距離検出からステレオ距離検出部12による距離検出に切替える境界距離である、切替距離Dchを通常のDch1よりも長くするようにしてもよい。
【0047】
また、単眼距離検出部11による車両1と対象物間の距離検出の精度が低下するおそれがある精度低下懸念状況として、車両1の走行速度が所定速度以下である低速走行状況、対象物Pの画像部分の形状変化が大きい状況(例えば、対象物が横断歩行者である場合)等も、判断するようにしてもよい。
【0048】
また、本実施形態では、左カメラ21及び右カメラ22に赤外線カメラを用いたが、可視光カメラを用いてもよい。
【0049】
また、本実施形態において、単眼距離検出部11は、単眼カメラの時系列の撮像画像間における同一対象物の画像部分の大きさの変化率と、車両1の走行速度とに基づいて、車両1と対象物間の距離を検出したが、他の手法により車両1と対象物間の距離を検出してもよい。他の手法としては、例えば、画像部分のサイズを、予め用意した特定種別(歩行者等)の画像部分のサイズと距離との対応マップに適用して、車両1と対象物間の距離を求める手法や、撮像画像における対象物の画像部分の位置(接地点)から、車両1と対象物間の距離を求める手法を用いることができる。
【0050】
また、本実施の形態では、本発明の第2の距離検出部としてステレオ距離検出部12を備え、単眼距離検出部11による距離検出と、ステレオ距離検出部12による距離検出とを切替えたが、ステレオカメラに替えてレーダ(レーザーレーダ、ミリ波レーダ等)装置等の測距装置を備え、この測距装置により車両1と対象物との距離を検出する第2の距離検出部を備えてもよい。この場合は、遠方領域については単眼距離検出部11により対象物との距離を検出し、至近領域についてはレーダ等の測距装置を用いた第2の距離検出部により対象物との距離を検出することで、本発明の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0051】
1…車両、10…車両周辺監視装置、11…単眼距離検出部、12…ステレオ距離検出部(第2の距離検出部)、13…対象物位置追跡部、14…接触判定部、15…走行状況検知部、21…左カメラ、22…右カメラ、31…ヨーレートセンサ、32…車速センサ、33…ブレーキセンサ、34…雨滴センサ、35…車高センサ、43…ヘッドライトスイッチ、44…ロービーム/ハイビーム切替スイッチ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された1台のカメラにより撮像された対象物の画像部分に基づいて、該車両と該対象物との距離を検出する単眼距離検出部と、
前記単眼距離検出部と異なる構成により前記車両と対象物間の距離を検出し、前記車両から所定距離以内の範囲での距離検出精度が前記単眼距離検出部よりも高い第2の距離検出部と、
前記単眼距離検出部により前記車両と対象物間の距離を検出して該対象物の位置を追跡し、前記単眼距離検出部による検出距離が所定の切替距離以下になった後は、前記第2の距離検出部により前記車両と該対象物間の距離を検出して、該対象物の位置を追跡する対象物位置追跡部と、
前記車両の走行状況を検知する走行状況検知部とを備え、
前記対象物位置追跡部は、前記走行状況検知部により検知されている前記車両の走行状況が、前記単眼距離検出部による距離検出精度を低下させるおそれがある精度低下懸念状況であるときは、前記切替距離を、該精度低下懸念状況でないときよりも長く設定することを特徴とする車両周辺監視装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両周辺監視装置において、
前記第2の距離検出部は、前記車両に搭載された2台のカメラにより撮像された同一対象物の画像部分の視差に基づいて、前記車両と対象物との距離を検出するステレオ距離検出部であることを特徴とする車両周辺監視装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の車両周辺監視装置において、
前記走行状況検知部は、前記走行状況として、前記車両に搭載されたヘッドライトの点灯/消灯と該ヘッドライトのハイビーム/ロービームの設定とを検知し、前記精度低下懸念状況は、該ヘッドライトがハイビーム設定で点灯した状態からロービーム設定で点灯した状態に切替えられた状況であることを特徴とする車両周辺監視装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の車両周辺監視装置において、
前記走行状況検知部は、前記走行状況として前記車両の挙動変化を検知し、前記精度低下懸念状況は、前記車両の挙動変化が所定レベル以上の状況であることを特徴とする車両周辺監視装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載の車両周辺監視装置において、
前記走行状況検知部は、前記走行状況として雨天を検出し、前記精度低下懸念状況は雨天時であることを特徴とする車両周辺監視装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−58829(P2013−58829A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−194763(P2011−194763)
【出願日】平成23年9月7日(2011.9.7)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】